WO2023074833A1 - 車両用ステップ装置 - Google Patents

Abstract

車両用ステップ装置（１０）は、車体（１）に取付けられるベース（１１）と、ベース（１１）に取り付けられるアーム（１２）と、アーム（１２）に組み付けられるステップ（１３）と、格納状態のステップ（１３）の位置よりも幅方向内方（ＤＸＡ）に配置されて、ベース（１１）、アーム（１２）およびステップ（１３）の少なくとも一部と対向するように設けられる保護部材（１５）と、を備える。

Description

車両用ステップ装置

　本発明は、車両用ステップ装置に関する。

　特許文献１には、車両用ステップ装置が開示されている。車両用ステップ装置は、ステップと、駆動部とを有する。車幅方向において、駆動部の外側は、サイドシルの下部に連結される。また、車幅方向において、駆動部の上部は、ブラケットを介してフロアメンバーに取り付けられている。

　特許文献２には、他の構造の車両用ステップ装置が開示されている。
　車両用ステップ装置は、四節リンク機構を有する。四節リンク機構は、車体から下方に突出するフランジを跨ぐように設けられるブラケットに、取り付けられる。ブラケットにおいてフランジを跨ぐ両側のそれぞれの部分は、ボルトで車体に固定される。

特開２０１４－２３７３６４号公報 特開２０２０－８３０５２号公報

　本開示において、２つの独立した主たる課題がある。
　第１の課題は、次の通りである。特許文献１の技術によれば、車両が側方から衝突荷重を受ける場合、駆動部は、上方に引っ張られるようにして回転する。この回転によって駆動部は、幅方向内側下部が下方に移動しながら幅方向内側に移動する。しかしながら、車両が側方から衝突荷重を受ける場合において車両用ステップ装置の駆動部に加わる力の方向は状況によって異なる。車両側方における衝突において、車両用ステップ装置よりも内側にある部分を保護する技術について改善の余地がある。

　第２の課題は、次の通りである。車両用ステップ装置は、車体に取り付けられる。車両用ステップ装置の車体への取付け工数については改善の余地がある。

　以下、上記第１の課題を解決するための手段について記載する。
　本開示の第１態様にかかる車両用ステップ装置は、車体に取付けられるベースと、前記ベースに取り付けられるアームと、前記アームに組み付けられるステップと、格納状態の前記ステップの位置よりも幅方向内方に配置されて、前記ベース、前記アームおよび前記ステップの少なくとも一部と対向するように設けられる保護部材と、を備える。

　この構成によれば、保護部材は、ベース、アームおよびステップの少なくとも一部に対向するように設けられるため、車両が衝突荷重を受けることによって、ベース、アームまたはステップが車両の幅方向内方に移動する場合、ベース、アームまたはステップが保護部材よりも幅方向内方に移動することを制限できる。これによって、車両用ステップ装置よりも幅方向内方に位置する装置を保護できる。

　以下、上記第２の課題を解決するための手段について記載する。
　本開示の第２態様にかかる車両用ステップ装置は、車体に設けられる車両用ステップ装置であって、前記車体に取り付けられるベースと、前記ベースに取り付けられるアームと、前記アームに取り付けられるステップと、を備える。前記アームは、基部と、前記基部から延びるアーム部と、を有する。前記ベースは、前記車体に締結される締結部と、前記車体の下面に当てられる当て部と、前記アームの軸部材を支持する軸支持部とを有する。前記当て部は、前記軸支持部にあり、または、前記軸支持部よりも車体中心寄りにある。

　以下、上記第２の課題を解決するための他の手段について記載する。
　本開示の第３態様にかかる車両用ステップ装置は、車体に設けられる車両用ステップ装置であって、前記車体を含む車体構造体に取り付けられるアームと、前記アームに取り付けられるステップと、を備える。前記アームは、貫通孔を有する基部と、前記基部から延びるアーム部と、を有し、そして、支持部材および軸部材によって、回転可能に前記車体構造体に取り付けられる。前記支持部材は、前記車体に直接または間接的に設けられる。前記軸部材は、前記アームの前記貫通孔を通って前記支持部材に取り付けられる軸本体部と、前記軸本体部の端に設けられる頭部と、を有する。前記頭部と前記支持部材とは、前記アームの前記基部を挟持する。この構成によれば、アームを支持部材に簡単に取り付けることができる。

　第１の観点において、車両用ステップ装置によれば、車両用ステップ装置よりも幅方向内方にある装置を保護できる。第２の観点において、車両用ステップ装置によれば、車体への取付け工数を低減できる。

第１実施形態において、展開状態の車両用ステップ装置の斜視図である。 第１実施形態において、格納状態の車両用ステップ装置の斜視図である。 図２の３－３線に沿う車両用ステップ装置の断面図である。 ベースの斜視図である。 車両用ステップ装置および車体の断面図である。 衝突時における、車両用ステップ装置および車体の断面図である。 第２実施形態において、車両用ステップ装置の断面図である。 衝突時における、車両用ステップ装置および車体の断面図である。 衝突時における、車両用ステップ装置および車体の断面図である。 衝突時における、車両用ステップ装置および車体の断面図である。 衝突時における、車両用ステップ装置および車体の断面図である。 第３実施形態に係る車両用ステップ装置を備える車両の平面図である。 車両用ステップ装置の平面図である。 車両用ステップ装置の分解斜視図である。 下からみた車両用ステップ装置の斜視図である。 図１３の１６－１６線に沿う車両用ステップ装置の断面図である。 第２ベースの平面図である。 図１３の１８－１８線に沿う車両用ステップ装置の断面図である。 図１３の１９－１９線に沿う車両用ステップ装置の断面図である。 伸縮ユニットの模式図である。 伸縮ユニットの斜視図である。 ステップが展開位置に配置されるときの車両用ステップ装置の平面図である。 ステップが格納位置に配置されるときの車両用ステップ装置の平面図である。 車両用ステップ装置の変形例の斜視図である。 下からみた図２４の車両用ステップ装置の斜視図である。

　＜第１実施形態＞
　第１実施形態では、第１の課題に関する技術を開示する。
　図１～図６を参照して、第１実施形態に係る車両用ステップ装置１０について説明する。

　車両用ステップ装置１０は車体１に直接または間接的に取り付けられる。間接的な取り付けの例として、車両用ステップ装置１０は、車体１を補強する補強部材を介して車体１に取り付けられる。以下の説明では、車両用ステップ装置１０が車体１に直接または間接的に取り付けられた状態のことを「車両用ステップ装置１０の取付状態」と呼ぶ。

　車両用ステップ装置１０の前後方向ＤＹは、車両用ステップ装置１０の取付状態において、車体１の前後方向に一致する。車両用ステップ装置１０の幅方向ＤＸは、車両用ステップ装置１０の取付状態において、車体１の幅方向に一致する。幅方向内方ＤＸＡは、車両用ステップ装置１０の取付状態において、車両中心軸に向く方向を示す。車両用ステップ装置１０の上下方向ＤＺは、車両用ステップ装置１０の取付状態において、車体１の上下方向に一致する。

　＜車両用ステップ装置＞
　車両用ステップ装置１０は、車両においてドアによって閉鎖される車両乗降口の付近に取り付けられる。車両用ステップ装置１０のステップ１３は、乗降用の補助ステップとして使用される。このため、ステップ１３は、車両乗降口の下端よりも下方に配置される。一例では、ステップ１３はモータの動力によって移動する。ステップ１３は、乗降の際の所定操作指令によって車体１の底板の下に収容された格納位置から展開位置まで移動する。展開位置（図１参照）は、幅方向ＤＸにおいて車体１に対して格納位置（図２参照）から外方に離れた位置にある。ステップ１３が展開位置まで移動すると、平面視で、ステップ１３の少なくとも一部が車体１から露出する。

　図１および図２に示されるように、車両用ステップ装置１０は、車体１に取付けられるベース１１と、ベース１１に取り付けられるアーム１２と、アーム１２に組み付けられるステップ１３と、保護部材１５（図５参照）と、を備える。車両用ステップ装置１０は、駆動部１４を備えてもよい。車両用ステップ装置１０は、複数個のアーム１２を備えてもよい。本実施形態では、車両用ステップ装置１０は、２個のアーム１２を備える。

　＜ベース＞
　ベース１１はアーム１２を支持する。本実施形態では、車両用ステップ装置１０は、２個のベース１１を備える。２個のベース１１は前後方向ＤＹに間隔をあけて車体１のロッカー４に取り付けられる。２個のベース１１は連結バー１６によって連結される。連結バー１６は、鉄製鋼材またはアルミニウム鋼材によって構成される。

　図４に示されるように、ベース１１は、車体１のロッカー４に固定される固定部２１と、アーム１２を支持するアーム支持部２２、固定部２１とアーム支持部２２とを連結する連結部２３とを備える。固定部２１は、ロッカー４にボルトによって締結される。本実施形態では、固定部２１は、ロッカー４の外側部材４Ａに固定される第１固定部２１Ａと、ロッカー４の内側部材４Ｂに固定される第２固定部２１Ｂとを有する。

　連結部２３は、ベース１１がロッカー４に固定された状態において、幅方向内方ＤＸＡに延びるように構成される（図５参照）。連結部２３の外端上部２３Ａには、固定部２１が取り付けられる。連結部２３において外端上部２３Ａよりも内側の部分の下端部２３Ｂには、アーム支持部２２が取り付けられる。連結部２３は、第１連結部２４と第２連結部２５とを備える。

　ベース１１は、外端部１１Ｃを有する。外端部１１Ｃは、幅方向ＤＸにおいて最も外側に位置する部位を含む。ベース１１は、外側傾斜面３７を有する。外側傾斜面３７は、外端部１１Ｃから幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜する。

　一例では、第１連結部２４に外端部１１Ｃが設けられる。外端部１１Ｃは、上下方向ＤＺにおいてベース１１の上面の近くに位置する。具体的には、上下方向ＤＺにおいて第１連結部２４の上面と第１連結部２４の下面との間の中間位置よりも上に位置する。他の例では、外端部１１Ｃは、第１連結部２４の重心よりも上に位置する。さらに、他の例では、外端部１１Ｃは、上下方向ＤＺにおいて内端部１１Ａよりも上に位置する。

　外端部１１Ｃは、角または突起として構成される。角は、角の頂点がベース１１において幅方向ＤＸに最も外側に位置するように構成される。突起は幅方向外方ＤＸＢに突出するように構成される。外端部１１Ｃが角によって構成される場合、外側傾斜面３７は、角の頂点から幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜する。外端部１１Ｃが突起によって構成される場合、外側傾斜面３７は、突起の根元から幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜する。

　第２連結部２５は、第１連結部２４と同じ構造を有する。第２連結部２５は、間隔をあけて第１連結部２４の後方に配置される。固定部２１は、第１連結部２４と第２連結部２５とによって支持される。

　アーム支持部２２は、第１連結部２４と第２連結部２５とに繋がるように構成される。アーム支持部２２は第１連結部２４と第２連結部２５との間に配置される。アーム支持部２２は、板状部材によって構成される。アーム支持部２２は、第１軸３１を受ける軸支持部２２Ｘを有する。軸支持部２２Ｘは、アーム１２の第１軸３１を受ける貫通孔２２Ｙを含む。軸支持部２２Ｘは、固定部２１よりも車体中心寄りに配置される。

　＜アーム＞
　アーム１２は、ステップ１３を支持する。アーム１２の先端部１２Ａにステップ１３が取り付けられる。２個のアーム１２のうちの前のアーム１２は、ステップ１３の前部を支持する。後のアーム１２は、ステップ１３の後部を支持する。

　図３に示されるように、アーム１２の基部１２Ｂは、ベース１１に対して回転可能に取り付けられる。アーム１２の基部１２Ｂは、第１軸３１を介してアーム支持部２２に取り付けられる。車両用ステップ装置１０の取付状態において、第１軸３１の中心軸心Ｃ１は、幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜する。アーム１２は、第１軸３１の中心軸心Ｃ１を中心として回転する。アーム１２の回転において、アーム１２の先端部１２Ａは、ステップ１３が展開位置に位置するときの第１位置から、ステップ１３が格納位置に位置するときの第２位置まで移動する。第２位置は、第１位置よりも前方かつ幅方向内方ＤＸＡに位置する。

　＜ステップ＞
　ステップ１３は、２個のアーム１２によって支持される。ステップ１３は、アーム１２の回転によって、展開位置と格納位置との間で移動する。格納位置では、ステップ１３の全部または一部が車体１の下に配置される。展開位置では、ステップ１３の全部または一部が車体１から露出する。ステップ１３の平面視において、展開位置において車体１から露出する部分の面積は、格納位置において車体１から露出する部分の面積よりも大きい。

　図３に示されるように、ステップ１３は、ステップ本体部４１と、アーム１２が取り付けられるアーム取付部４２と、を備える。ステップ本体部４１は、車両用ステップ装置１０の取付状態において上面が水平となるように構成される。アーム取付部４２は、ステップ本体部４１の下面に設けられる。アーム取付部４２には、アーム１２の先端部１２Ａが結合される。アーム取付部４２には、アーム１２の先端部１２Ａが回転可能に取り付けられる。アーム１２の先端部１２Ａは、第２軸３２を介してアーム取付部４２に取り付けられる。一例では、アーム取付部４２は、ブラケットとして構成される。

　＜駆動部＞
　駆動部１４は、ベース１１に対してステップ１３を移動させる。一例では、駆動部１４は、アーム１２を回転させることによってステップ１３を移動させる。例えば、駆動部１４は、伸縮ユニット５１を有する。伸縮ユニット５１は、本体部５２と、本体部５２に対して移動する移動部５３とを含む。本体部５２は、車体１に直接または間接的に接続される。例えば、本体部５２の後端部は、ユニバーサルジョイントを介して連結バー１６に接続される。移動部５３は、アーム１２に接続される。例えば、移動部５３の前端部は、アーム１２の内端部にユニバーサルジョイントを介して接続される。

　本体部５２は、モータと、モータによって回転するスピンドルとを有する。移動部５３は、スピンドルに係合するナットを有する。移動部５３は、スピンドルの回転によって、ナットとともにスピンドルの軸方向に沿って移動する。このようにして、伸縮ユニット５１は伸縮する。伸縮ユニット５１の伸縮によってアーム１２が回転し、アーム１２の回転にともなってステップ１３が移動する。

　＜保護部材＞
　保護部材１５は、幅方向内方ＤＸＡに車両用ステップ装置１０が移動することを制限するために設けられる。

　一例では、車体１の下に燃料タンク６または燃料電池等の装置５が設けられる。車両用ステップ装置１０は、幅方向ＤＸにおいて、燃料タンク６または燃料電池の隣に配置される場合がある。車両の側面視において、車両用ステップ装置１０が部分的に燃料タンク６または燃料電池にオーバラップする場合もある。

　車両が物８０に衝突するとき、または、物８０が車両に衝突するとき、衝突によって、車両用ステップ装置１０が移動する。車両の側面に物８０が衝突すると、車両用ステップ装置１０が幅方向内方ＤＸＡにずれて、車両用ステップ装置１０が燃料タンク６または燃料電池に接触する虞がある。このような接触を防止または抑制するために、車体１に保護部材１５が設けられる。物８０の例としては、電柱、壁、建築物、ガードレール、崖、自動車、二輪車、等が挙げられる。

　図５に示されるように、保護部材１５は、格納状態のステップ１３の位置よりも幅方向内方ＤＸＡに配置される。保護部材１５は、ベース１１、アーム１２およびステップ１３の少なくとも一部と対向するように設けられる。車両の側面視において、保護部材１５は、部分的にベース１１にオーバラップするように配置されてもよい。車両の側面視において、保護部材１５は、部分的にアーム１２にオーバラップするように配置されてもよい。車両の側面視において、保護部材１５は、部分的にステップ１３にオーバラップするように配置されてもよい。一例では、保護部材１５は、ステップ１３と燃料タンク６または燃料電池との間に配置される。

　または、保護部材１５は、ベース１１の位置よりも幅方向内方ＤＸＡに配置されてもよい。保護部材１５は、ベース１１と対向するように設けられる。一例では、車両の側面視において、保護部材１５は、ベース１１の全体とオーバラップするように配置される。一例では、保護部材１５は、ベース１１と燃料タンク６または燃料電池との間に配置される。

　保護部材１５は、車体１の骨格部材２に固定される。例えば、保護部材１５は、ボルトまたはリベットによって骨格部材２に固定される。骨格部材２は、例えば、サイドメンバー３である。このように、保護部材１５は、車体１において剛性が高いところに取り付けられる。

　保護部材１５が車体１に取り付けられた状態において、保護部材１５の上端１５Ａは、ベース１１よりも上に位置するように構成される。保護部材１５が車体１に取り付けられた状態において、保護部材１５の下端１５Ｂは、格納状態のステップ１３の上面よりも下に位置するように構成される（図５参照）。

　保護部材１５は、傾斜部６１を有する。傾斜部６１は、保護部材１５が車体１に固定された状態で、幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜する。保護部材１５は、平坦部６２を有する。平坦部６２は、傾斜部６１よりも幅方向ＤＸの外側に位置する。平坦部６２は、幅方向内方ＤＸＡに延びて傾斜部６１に繋がる。平坦部６２は、保護部材１５が車体１に固定された状態で水平に延びる。平坦部６２の下面は水平に構成される。保護部材１５の平坦部６２と傾斜部６１との境界６３は、平坦部６２に接触するベース１１の内端１１Ｂよりも幅方向内方ＤＸＡに位置する（図５参照）。

　保護部材１５は、ベース１１に接触するように構成される。具体的には、保護部材１５の平坦部６２は、ベース１１の内端部１１Ａの上面に接触する。本実施形態では、ベース１１の内端部１１Ａは、ベース１１の連結部２３（第１連結部２４および第２連結部２５）の内端１１Ｂにおける上面を含む部分（図３参照）である。一例では、ベース１１の連結部２３の内端１１Ｂにおける上面は、ベース１１が骨格部材２に固定された状態において、水平となるように構成される。

　例えば、保護部材１５は、鉄板のプレスによって構成される。保護部材１５は、鉄製パイプの加工によって構成されてもよい。保護部材１５は、側面視において、格納状態の車両用ステップ装置１０の全体とオーバラップするように構成されてもよい。保護部材１５は、燃料タンク６または燃料電池と車両用ステップ装置１０との間にのみ設けられてもよい。

　＜作用＞
　本実施形態の作用を説明する。
　図６に示されるように、車両の衝突において、物８０がステップ１３に当たると、幅方向内方ＤＸＡにステップ１３が移動する。物８０が車両の前部に衝突する場合でも、車体１の変形によって幅方向内方ＤＸＡにステップ１３およびベース１１が移動する場合もある。このような場合、ステップ１３またはベース１１の移動によって、ステップ１３およびベース１１よりも幅方向内方ＤＸＡに配置されている装置５にダメージを与える虞がある。

　本実施形態では、ベース１１に外端部１１Ｃが設けられている。これによって、次の作用がある。車両の衝突時、物８０は、ステップ１３に当たった後、ベース１１の外端部１１Ｃに接触する。外端部１１Ｃは角または突起として構成されているため、物８０がベース１１の外端部１１Ｃに接触すると、ベース１１は外端部１１Ｃを中心として回転する。また、ベース１１には外側傾斜面３７が設けられているため、ベース１１は、ベース１１の内端部１１Ａが下方に向かうように回転する。さらに、ベース１１の外端部１１Ｃが上面の近くに配置されているため、ベース１１の内端部１１Ａが下方に向かうように回転し易い。このようにして、車両の衝突時、車両用ステップ装置１０は、ベース１１の内端部１１Ａが下方に向かうように回転しつつ、幅方向内方ＤＸＡに移動する。これによって、車両用ステップ装置１０が幅方向内方ＤＸＡに水平移動することが抑制される。

　本実施形態では、保護部材１５は、格納状態のステップ１３の位置よりも幅方向内方ＤＸＡに配置される。そして、保護部材１５は、ステップ１３と対向するように設けられる。また、保護部材１５は、ベース１１の位置よりも幅方向内方ＤＸＡに配置される。そして、保護部材１５は、ベース１１と対向するように設けられる。このため、ステップ１３またはベース１１が幅方向内方ＤＸＡに移動する場合に、保護部材１５は、その移動を制限する。これによって、車両用ステップ装置１０よりも幅方向内方ＤＸＡに位置する装置５を保護できる。

　ベース１１は、ロッカー４に固定される。これに対して、保護部材１５は、骨格部材２に固定される。このため、衝突時の力は、ステップ１３、アーム１２、ベース１１、そして、ロッカー４の順に伝えられ、これら部材を変形させる。これによって、衝突時の力は、車両用ステップ装置１０および車体１に吸収される。この結果、保護部材１５に加わる力の大きさが減じる。また、保護部材１５が骨格部材２に固定されているため、ステップ１３またはベース１１が保護部材１５に接触したとしても、衝突の力が保護部材１５および骨格部材２によって受け止められる。このようにして、ステップ１３またはベース１１が保護部材１５を超えて幅方向内方ＤＸＡに移動することが制限される。

　さらに、保護部材１５の平坦部６２は、ベース１１の内端部１１Ａの上面に接触するように構成されている。そして、平坦部６２と傾斜部６１との境界６３は、平坦部６２に接触するベース１１の内端１１Ｂよりも幅方向内方ＤＸＡに位置する。そして、保護部材１５において傾斜部６１が、境界６３よりも幅方向内方ＤＸＡに設けられている。このため、衝突によってベース１１が幅方向内方ＤＸＡに移動するとき、ベース１１が保護部材１５に案内される。具体的には、衝突時、傾斜部６１に妨げられることなく、ベース１１の内端部１１Ａは平坦部６２に沿って移動する。ベース１１が保護部材１５の傾斜部６１に接触するまでの期間、衝突エネルギーの一部が車両用ステップ装置１０および車体１に吸収される。このため、衝突時の強い力が保護部材１５に直接加わることが抑制される。そして、ベース１１の内端１１Ｂが傾斜部６１に達すると、ベース１１の内端部１１Ａは傾斜部６１に沿って移動する。これによって、車両用ステップ装置１０は、全体として下方に案内される。このような案内によって、車両用ステップ装置１０が保護部材１５よりも幅方向内方ＤＸＡに移動することが制限される。これによって、保護部材１５よりも幅方向内方ＤＸＡの装置５が保護される。

　＜効果＞
　本実施形態の効果を説明する。
　（１）車両用ステップ装置１０は、保護部材１５を備える。保護部材１５は、格納状態のステップ１３の位置よりも幅方向内方ＤＸＡに配置されて、ベース１１、アーム１２およびステップ１３の少なくとも一部と対向するように設けられる。

　この構成によれば、保護部材１５は、ベース１１、アーム１２およびステップ１３の少なくとも一部に対向するように設けられる。このため、車両が衝突荷重を受けることによって、ベース１１、アーム１２またはステップ１３が車両の幅方向内方ＤＸＡに移動する場合、ベース１１、アーム１２またはステップ１３が保護部材１５よりも幅方向内方ＤＸＡに移動することを制限できる。これによって、車両用ステップ装置１０よりも幅方向内方ＤＸＡに位置する装置５を保護できる。特に、保護部材１５よりも幅方向内方ＤＸＡの装置５を保護できる。

　（２）ベース１１は、幅方向ＤＸにおいて最も外側に位置する部位を含む外端部１１Ｃを有する。外端部１１Ｃは、角または突起として構成される。この構成によれば、車両に物８０が衝突する場合、または、車両が物８０に衝突する場合において、物８０がベース１１に当たると、外端部１１Ｃを中心点としてベース１１を回転させることができる。これによって、ベース１１が幅方向内方ＤＸＡに水平に平行移動することを抑制できる。

　（３）ベース１１は、外端部１１Ｃから幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜する外側傾斜面３７を有する。この構成によれば、車両に物８０が衝突する場合、または、車両が物８０に衝突する場合において、物８０がベース１１に当たることによって外端部１１Ｃを中心とする回転方向の力がベース１１に加わると、外側傾斜面３７が物８０に接触するまでベース１１を回転させることができる。これによって、ベース１１に外側傾斜面３７が設けられていない場合に比べて、衝突時に速やかにベース１１を回転させることができる。

　（４）保護部材１５は、ベース１１の位置よりも幅方向内方ＤＸＡに配置される。保護部材１５は、ベース１１と対向するように設けられる。この構成によれば、保護部材１５は、ベース１１に対向するように設けられるため、車両が衝突荷重を受けることによってベース１１が車両の幅方向内方ＤＸＡに移動する場合、ベース１１が保護部材１５よりも幅方向内方ＤＸＡに移動することを制限できる。これによって、車両用ステップ装置１０よりも幅方向内方ＤＸＡに位置する装置５を保護できる。特に、保護部材１５よりも幅方向内方ＤＸＡの装置５を保護できる。

　（５）保護部材１５は、車体１の骨格部材２に固定される。保護部材１５は、骨格部材２に設けられるため、車体１に設けられるベース１１またはステップ１３に比べて、衝突時に移動し難い。このため、衝突によって移動するベース１１またはステップ１３を保護部材１５によって受け止めることができる。

　（６）保護部材１５は、ベース１１に接触するように構成される。ベース１１が保護部材１５に接触していない場合、ベース１１が保護部材１５に接触している場合に比べて、衝突時初期におけるベース１１の移動の自由度が高く、ベース１１が想定外の方向に移動する可能性が高い。この点、上記構成によれば、衝突時、ベース１１が移動する場合、ベース１１が保護部材１５によって案内され易くなる。このため、衝突時において想定されるベース１１の移動から、ベース１１の移動が逸脱することを抑制できる。

　（７）保護部材１５の上端１５Ａは、ベース１１よりも上に位置する。保護部材１５の下端１５Ｂは、格納状態のステップ１３の上面よりも下に位置する（図５参照）。この構成によれば、衝突時、ベース１１を保護部材１５によって受け止めることができる。

　（８）保護部材１５は、車体１に固定された状態で、幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜する傾斜部６１を有する。この構成によれば、衝突時、ステップ１３またはベース１１が保護部材１５に受け止められることによって、ステップ１３またはベース１１を下方に案内できる。このように保護部材１５は、ステップ１３またはベース１１の移動の方向を変更するように構成されるため、保護部材１５の強度を低く設定することが可能になる。これによって、保護部材１５の軽量化を図ることができる。

　（９）保護部材１５は、傾斜部６１よりも幅方向ＤＸの外側に位置する平坦部６２を有する。平坦部６２は、保護部材１５が車体１に固定された状態で水平に延び、保護部材１５の平坦部６２は、ベース１１の内端部１１Ａの上面に接触する。ステップ１３が展開されているとき、ステップ１３に荷重が加わると、アーム１２を介してベース１１に荷重が加わる。このとき、ベース１１は傾き、ベース１１の内端部１１Ａが上に移動する。上記構成によれば、ベース１１の内端部１１Ａの上面が保護部材１５に接触するため、ベース１１の内端部１１Ａの上への移動が抑制される。これによって、荷重が加えられるときのステップ１３の位置を安定させることができる。

　（１０）保護部材１５の平坦部６２と傾斜部６１との境界６３は、平坦部６２に接触するベース１１の内端１１Ｂよりも幅方向内方ＤＸＡに位置する。衝突直後にステップ１３またはベース１１が保護部材１５の傾斜部６１に接触する場合、衝突の大きい力が保護部材１５に加わるため、保護部材１５が変形し易い。この点、上記の構成によれば、衝突時、ベース１１の移動が保護部材１５によって制限されない。このため、衝突後、ベース１１が保護部材１５の傾斜部６１に接触するまでの期間に、衝突エネルギーの一部が車体１に吸収される。これによって、保護部材１５に加わる力を小さくできる。

　＜第２実施形態＞
　第２実施形態では、第１の課題に関する技術を開示する。
　第２実施形態に係る車両用ステップ装置１０について説明する。本実施形態の車両用ステップ装置１０において第１実施形態と共通する構成については、第１実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本実施形態の車両用ステップ装置１０は、ベース１１の構造が第１実施形態の車両用ステップ装置１０と異なる。以下、この点について説明する。

　図７に示されるように、ベース１１は、車体１のロッカー４に固定される固定部２１と、アーム１２を支持するアーム支持部２２、固定部２１とアーム支持部２２とを連結する連結部２３とを備える。

　連結部２３は、ベース１１がロッカー４に固定された状態において、幅方向内方ＤＸＡに延びるように構成される。連結部２３の外端上部２３Ａには、固定部２１が取り付けられる。連結部２３において外端上部２３Ａよりも内側の部分の下端部２３Ｂには、アーム支持部２２が取り付けられる。連結部２３は、第１連結部２４と第２連結部２５とを備える。

　ベース１１は、内端部１１Ａと外端部１１Ｃとを有する。内端部１１Ａは、幅方向内方ＤＸＡにおいて最も内側に位置する部位を含む。外端部１１Ｃは、幅方向外方ＤＸＢにおいて最も外側に位置する部位を含む。ベース１１は、外側傾斜面３７を有する。外側傾斜面３７は、外端部１１Ｃから幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜する。

　さらに、ベース１１は、内側傾斜面３８を有する。内側傾斜面３８は、部分的に、幅方向ＤＸにおいて保護部材１５に対向するように構成される。内側傾斜面３８は、幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜するように構成される。

　内端部１１Ａおよび外端部１１Ｃは、第１連結部２４および第２連結部２５それぞれに設けられる。第２連結部２５は、第１連結部２４と同じ構造を有する。以下では、第１連結部２４について説明する。

　第１連結部２４において、内端部１１Ａは、上下方向ＤＺにおいて第１連結部２４の上面と第１連結部２４の下面との間に位置する。内端部１１Ａは、固定部２１よりも幅方向内方ＤＸＡに位置する。

　第１連結部２４において、外端部１１Ｃは、上下方向ＤＺにおいてベース１１の上面の近くに位置する。具体的には、外端部１１Ｃは、上下方向ＤＺにおいて、内側傾斜面３８における内側下端３８Ａよりも上に位置する。他の例では、上下方向ＤＺにおいて第１連結部２４の上面と第１連結部２４の下面との間の中間位置よりも上に位置する。他の例では、外端部１１Ｃは、第１連結部２４の重心よりも上に位置する。さらに、他の例では、外端部１１Ｃは、上下方向ＤＺにおいて内端部１１Ａよりも上に位置する。

　内側傾斜面３８は、上下方向ＤＺにおいて内端部１１Ａよりも上に位置する。内側傾斜面３８は、幅方向ＤＸにおいて内端部１１Ａよりも外方に位置する。内側傾斜面３８における内側下端３８Ａは、ベース１１の外端部１１Ｃよりも低い位置にある。内側傾斜面３８と内端部１１Ａとの間には水平に延びる平坦部３９が設けられる。平坦部３９の長さは、保護部材１５の平坦部６２の長さよりも長い。これによって、車両の衝突によって車両用ステップ装置１０が水平に移動する場合に、ベース１１の内端１１Ｂが保護部材１５の平坦部６２に接触した状態で保護部材１５の境界６３まで達する。このように、所定距離にわたって、車両用ステップ装置１０の水平移動が許容される。この許容によって、衝突の初期における強い力が保護部材１５に直接に伝わることが抑制される。衝突によって車両用ステップ装置１０が所定距離にわたって移動すると、ベース１１の内側傾斜面３８は、保護部材１５の平坦部６２の外端６２Ａに接触する。

　＜作用＞
　図８～図１１を参照して、本実施形態の作用を説明する。
　図８に示されるように、車両の衝突時、物８０は、ステップ１３に当たった後、ベース１１の外端部１１Ｃに接触する。外端部１１Ｃは角または突起として構成されているため、物８０がベース１１の外端部１１Ｃに接触すると、ベース１１は外端部１１Ｃを中心として回転する。また、ベース１１には外側傾斜面３７が設けられているため、ベース１１は、ベース１１の内端部１１Ａが下方に向かうように回転する。さらに、ベース１１の外端部１１Ｃが上面の近くに配置されているため、ベース１１の内端部１１Ａが下方に向かうように回転し易い。

　衝突の初期において、車両用ステップ装置１０は水平移動する。保護部材１５の平坦部６２は、ベース１１の内端部１１Ａの上面に接触するように構成されている。そして、平坦部６２と傾斜部６１との境界６３は、平坦部６２に接触するベース１１の内端１１Ｂよりも幅方向内方ＤＸＡに位置する。このため、保護部材１５の傾斜部６１に妨げられることなく、ベース１１の内端部１１Ａは平坦部６２に沿って移動する。ベース１１が保護部材１５の傾斜部６１に接触するまでの期間、衝突エネルギーの一部が車両用ステップ装置１０および車体１に吸収される。このため、衝突時の強い力が保護部材１５に直接加わることが抑制される。

　そして、図９示されるように、ベース１１の内端１１Ｂが傾斜部６１に達すると、ベース１１の内端部１１Ａは傾斜部６１に沿って移動する。これによって、車両用ステップ装置１０は、全体として下方に案内される。

　図１０に示されるように、さらに、車両用ステップ装置１０が幅方向内方ＤＸＡに移動すると、ベース１１の内側傾斜面３８が保護部材１５の平坦部６２の外端６２Ａに接触する。この接触によって、ベース１１は下方に案内されるようになる。

　その後、図１１に示されるように、勢いおよび自重によって車両用ステップ装置１０は下方に移動する。このようにして、車両用ステップ装置１０は、保護部材１５よりも幅方向内方ＤＸＡに移動することが抑制される。

　以上のように、衝突時および衝突後に、ベース１１には、下方に移動させる力、または、内端部１１Ａが下がるように回転させる力が働く。第１の力は、物８０がベース１１の外端部１１Ｃに接触するときにベース１１に作用するトルクである。第２の力は、ベース１１の内端１１Ｂが保護部材１５の傾斜部６１に接触するときにベース１１に作用する下方への力である。第３の力は、ベース１１の内側傾斜面３８が保護部材１５の平坦部６２の外端６２Ａに接触するときにベース１１に作用する下方への力である。衝突時および衝突後に、ベース１１にはこの３つの力が作用するため、様々な状況において、車両用ステップ装置１０を下方に案内できる。

　＜効果＞
　本実施形態の効果を説明する。車両用ステップ装置１０において、ベース１１は、幅方向ＤＸにおいて保護部材１５に対向する内側傾斜面３８を有する。内側傾斜面３８は、幅方向内方ＤＸＡに向かって下方に傾斜する。この構成によれば、車両に物８０が衝突する場合、または、車両が物８０に衝突する場合において、車両用ステップ装置１０が幅方向内方ＤＸＡに移動したとき、ベース１１の内側傾斜面３８が保護部材１５の平坦部６２の外端６２Ａに接触することによって、ベース１１が下方に案内される。これによって、ベース１１が保護部材１５よりも幅方向内方ＤＸＡに移動することが抑制される。

　＜変更例＞
　上記実施形態（第１実施形態および第２実施形態）は、上記構成の例に限定されない。上記実施形態は、以下のように変更され得る。なお、以下の変更例では、上記実施形態の構成と実質的に変更のない構成については、上記実施形態の構成と同一の符号をつけて説明する。

　・第１実施形態および第２実施形態において、保護部材１５は傾斜部６１を有する。傾斜部６１の形状は、曲面によって構成されてもよい。傾斜部６１は、複数の平面によって構成されてもよい。傾斜部６１は、曲面と平面とによって構成されてもよい。

　・第１実施形態および第２実施形態では、保護部材１５は、サイドメンバー３に固定される。これに対して、保護部材１５は、クロスメンバーに固定されてもよい。保護部材１５は、前後のクロスメンバーに渡るように構成されてもよい。

　・第１実施形態および第２実施形態では、駆動部１４は、ベース１１に対してステップ１３を移動させるものである。これに対して、駆動部１４は、車体１に対してステップ１３を移動させるように構成されてもよい。例えば、駆動部１４は、伸縮ユニット５１を含む。この場合、伸縮ユニット５１の本体部５２および移動部５３の一方が、ステップ１３に接続される。伸縮ユニット５１の本体部５２および移動部５３の他方が、車体１に接続される。

　・第１実施形態および第２実施形態では、駆動部１４は、伸縮ユニット５１を有する。駆動部１４の構成はこれに限定されない。駆動部１４は、ギアを介してアーム１２を回転させる構造を有してもよい。駆動部１４は、ラックアンドピニオンによってアーム１２を回転させる構造を有してもよい。駆動部１４は、省略されてもよい。この場合、車両用ステップ装置１０のステップ１３は手動で動かされる。

　・第１実施形態および第２実施形態において、保護部材１５の下端１５Ｂは、さらに下の延びてもよい。具体的には、保護部材１５の下端１５Ｂは、格納状態のステップ１３の下面よりも下に位置してもよい。

　・第１実施形態および第２実施形態において、ベース１１は外側傾斜面３７を有する。外側傾斜面３７の形状は限定されない。例えば、外側傾斜面３７は曲面によって構成されてもよい。外側傾斜面３７は複数の平面によって構成されてもよい。外側傾斜面３７は曲面と平面とによって構成されてもよい。

　・第１実施形態および第２実施形態において、ベース１１は内側傾斜面３８を有する。内側傾斜面３８の形状は限定されない。例えば、内側傾斜面３８は曲面によって構成されてもよい。内側傾斜面３８は複数の平面によって構成されてもよい。内側傾斜面３８は曲面と平面とによって構成されてもよい。

　＜第３実施形態＞
　第３実施形態では、第２の課題に関する技術を開示する。
　図１２～図２３を参照して、車両用ステップ装置１０１について説明する。車両用ステップ装置１０１が車体１０２に直接または間接的に取り付けられる。以下の説明では、車両用ステップ装置１０１が車体１０２に直接または間接的に取り付けられた状態のことを「車両用ステップ装置１０１の取付状態」と呼ぶ。

　車両用ステップ装置１０１の前後方向ＤＹは、車両用ステップ装置１０１の取付状態において、車体１０２の前後方向ＤＹＳに一致する。車両用ステップ装置１０１の幅方向ＤＸは、車両用ステップ装置１０１の取付状態において、車体１０２の幅方向ＤＸＳに一致する。車両用ステップ装置１０１の上下方向ＤＺは、車両用ステップ装置１０１の取付状態において、車体１０２の上下方向ＤＺＳに一致する。

　＜車両＞
　図１２に示されるように、車両用ステップ装置１０１は、車体１０２に設けられる。車両用ステップ装置１０１は、車体１０２に直接に取り付けられてもよい。車両用ステップ装置１０１は、ベース１０３を介して車体１０２に取り付けられてもよい。車両用ステップ装置１０１は、支持部材１０９を介して車体１０２に取り付けられてもよい。

　車両用ステップ装置１０１は、車体１０２の底板の下面に取り付けられる。車両用ステップ装置１０１は、車体１０２の底板において、ドアによって閉鎖される車両乗降口の付近に取り付けられる。車両用ステップ装置１０１のステップ１０５は、乗降用の補助ステップとして使用される。このため、車両用ステップ装置１０１のステップ１０５は、車両乗降口の下端よりも下方に配置される。車両用ステップ装置１０１のステップ１０５は、モータ１５３の動力によって移動する。車両用ステップ装置１０１のステップ１０５は、乗降の際の所定操作指令によって、車体１０２の底板の下に収容された格納位置から展開位置まで移動する。展開位置（図２２参照）は、幅方向ＤＸにおいて車体１０２に対して格納位置（図２３参照）から外方に離れた位置にある。ステップ１０５が展開位置まで移動すると、ステップ１０５は、平面視で、ステップ１０５の少なくとも一部が車体１０２から露出するように配置される。

　図１３に示されるように、車両用ステップ装置１０１は、アーム１０４と、アーム１０４に取り付けられるステップ１０５と、アーム１０４を駆動する駆動部１０６と、を備える。本実施形態では、車両用ステップ装置１０１は、３個のアーム１０４を備える。車両用ステップ装置１０１において、３個のアーム１０４を、前から順に、第１アーム１２１、第２アーム１２２、第３アーム１２３と呼ぶ。第１アーム１２１～第３アーム１２３を区別しないとき、単に、アーム１０４と呼ぶ。

　アーム１０４は、車体１０２を含む車体構造体１０２Ｘに取り付けられる。車体構造体１０２Ｘは、車体１０２のみであってもよい。車体構造体１０２Ｘは、車体１０２と、アーム１０４を支持する支持部材１０９と、を備えてもよい。車体構造体１０２Ｘは、車体１０２と、車体１０２に取り付けられるベース１０３と、支持部材１０９と、を備えてもよい。

　例えば、アーム１０４は、車体１０２に直接に取り付けられる。アーム１０４は、ベース１０３を介して車体１０２に取り付けられてもよい。アーム１０４は、ベース１０３に固定される支持部材１０９に取り付けられてもよい。本実施形態では、アーム１０４は、ベース１０３および支持部材１０９を介して車体１０２に取り付けられる。

　＜ベース＞
　図１４に示されるように、ベース１０３は、第１ベース１１１と、第２ベース１１２とを含む。第１ベース１１１は、車体１０２において、第２ベース１１２よりも前に配置される。第１ベース１１１は、第１アーム１２１の基部１２５を支持する。第２ベース１１２は、第２アーム１２２の基部１２５および第３アーム１２３の基部１２５を支持する。

　第１ベース１１１は、第１締結部１１１Ａと、第１締結部１１１Ａよりも幅方向ＤＸの内方に配置される第２締結部１１１Ｂと、第１締結部１１１Ａと第２締結部１１１Ｂとの間にある第１中間部１１１Ｃと、を備える。

　第２締結部１１１Ｂは、上下方向ＤＺにおいて第１中間部１１１Ｃよりも高い位置に設けられる。第２締結部１１１Ｂは、第１段差部１１１Ｄを介して第１中間部１１１Ｃに繋がる。第１締結部１１１Ａおよび第２締結部１１１Ｂは、ねじまたはリベットで車体１０２に締結される。第１ベース１１１の第１中間部１１１Ｃは、第１アーム１２１の軸部材１１０を支持する軸支持部１１１Ｘを含む。第１ベース１１１の第１中間部１１１Ｃの軸支持部１１１Ｘには、板状の第１支持部材１０９Ａが固定される。第１アーム１２１は、第１支持部材１０９Ａに取り付けられる。

　図１５に示されるように、第１ベース１１１は、さらに、伸縮ユニット支持部１１１Ｅを有する。伸縮ユニット支持部１１１Ｅは、第１中間部１１１Ｃから後方に突出するように設けられる。伸縮ユニット支持部１１１Ｅは、伸縮ユニット１５０の本体部１５１を支持する。

　図１４に示されるように、第２ベース１１２は、第３締結部１１２Ａと、第４締結部１１２Ｂと、第２中間部１１２Ｃと、第２中間部１１２Ｃから後方に延びる後方部１１２Ｅと、を備える。第４締結部１１２Ｂは、第３締結部１１２Ａよりも幅方向ＤＸの車体中心寄りに配置される部分である。第２中間部１１２Ｃは、第３締結部１１２Ａと第４締結部１１２Ｂとの間にある部分である。

　第４締結部１１２Ｂは、上下方向ＤＺにおいて第２中間部１１２Ｃよりも高い位置に設けられる。第４締結部１１２Ｂは、第２段差部１１２Ｄを介して第２中間部１１２Ｃに繋がる。第３締結部１１２Ａおよび第４締結部１１２Ｂは、ねじまたはリベットで車体１０２に締結される。第３締結部１１２Ａおよび第４締結部１１２Ｂは、溶接等で車体１０２に取り付けられてもよい。

　第２ベース１１２の第４締結部１１２Ｂは、１列に配列されるねじによって車体１０２に締結される。第２ベース１１２の第２中間部１１２Ｃは、第２アーム１２２の軸部材１１０を支持する軸支持部１１２Ｘを含む。第２ベース１１２の第２中間部１１２Ｃの軸支持部１１２Ｘには、板状の第２支持部材１０９Ｂが固定される。第２アーム１２２は、第２支持部材１０９Ｂに取り付けられる。さらに、第２ベース１１２の後方部１１２Ｅは、第３アーム１２３の軸部材１１０を支持する軸支持部１１２Ｙを含む。第２ベース１１２の後方部１１２Ｅの軸支持部１１２Ｙには、板状の第３支持部材１０９Ｃが固定される。第３アーム１２３は、第３支持部材１０９Ｃに取り付けられる。

　図１５に示されるように、第２ベース１１２には、スイッチ１１４が設けられる。スイッチ１１４は、スイッチ１１４のオン動作によって、駆動部１０６の動作を停止させるための信号を出力する。スイッチ１１４は、第２アーム１２２の延長部１３０が接触可能である位置に配置される。具体的には、スイッチ１１４は、ステップ１０５が格納位置に配置されるときの第２アーム１２２の配置において、第２アーム１２２の延長部１３０がスイッチ１１４のレバーに接触するように配置される。

　図１６および図１７に示されるように、第２ベース１１２は、車体１０２の下面に当てられる当て部１１５を有する。当て部１１５は、幅方向ＤＸにおいて第３締結部１１２Ａよりも車体中心寄りに配置される。当て部１１５は、少なくとも、第２ベース１１２の前側または後側に設けられる。

　当て部１１５は、ベース１０３における延長対応部分１０３Ａに設けられる。延長対応部分１０３Ａは、ベース１０３において、仮想延長部１２３Ｘと第２ベース１１２とが、重なるところである。仮想延長部１２３Ｘは、車両用ステップ装置１０１の取付状態でアーム１０４が展開位置に配置される場合において、第３アーム１２３の基部１２５に対してアーム部１２６が延びる方向と反対方向に第３アーム１２３を延長したときの延長部分を示す。

　さらに、当て部１１５は、延長対応部分１０３Ａであって、かつ、ねじ延長部１０３Ｂに設けられてもよい。ねじ延長部１０３Ｂは、ベース１０３において、第４締結部１１２Ｂのねじの列に沿う方向ＤＳに、第４締結部１１２Ｂを延長したときの延長部分を示す。

　図１６に示されるように、車両用ステップ装置１０１は、緩衝材１１６を備えてもよい。
　緩衝材１１６は、当て部１１５と、車体１０２において当て部１１５が当てられる当接部分１０２Ａとの間に設けられる。緩衝材１１６は、シート状に構成される。緩衝材１１６は、車体１０２の当接部分１０２Ａに接着されてもよい。緩衝材１１６は、当て部１１５に設けられてもよい。緩衝材１１６は、当て部１１５と車体１０２との直接の接触に起因する車体１０２の塗装の剥離を抑制するため、または、当て部１１５と車体１０２との直接の接触に起因する振動音を抑制するために、設けられる。緩衝材１１６は、ゴムシートまたは樹脂シートによって構成される。緩衝材１１６は、車体１０２の当接部分１０２Ａおよび当て部１１５の両部分に設けられてもよい。

　＜支持部材＞
　支持部材１０９は、車体１０２に直接または間接的に設けられる。一例では、支持部材１０９は、ベース１０３に取り付けられる。支持部材１０９は、金属によって構成される。支持部材１０９は、所定厚さを有する板部材として構成される。支持部材１０９の厚さは、ベース１０３の厚さよりも大きい。支持部材１０９は、溶接によってベース１０３に固定される。支持部材１０９は、第１支持部材１０９Ａ～第３支持部材１０９Ｃを含む。

　第１支持部材１０９Ａ～第３支持部材１０９Ｃのうちの少なくとも１つは次の構成を有してもよい。車両用ステップ装置１０１の取付状態において、幅方向ＤＸに沿う支持部材１０９の第１幅ＤＷ１は、幅方向ＤＸに直交する方向に沿う支持部材１０９の第２幅ＤＷ２よりも、大きい（図１４参照）。

　また、第１支持部材１０９Ａ～第３支持部材１０９Ｃのうちの少なくとも１つは次の構成を有してもよい。車両用ステップ装置１０１の取付状態において、支持部材１０９における幅方向ＤＸの両端部は、幅方向ＤＸに交差する方向の両端部よりも車体１０２または車体１０２に固定されるベース１０３に強固に固定される。

　＜アーム＞
　各アーム１０４は、基部１２５と、アーム部１２６と、を備える。アーム部１２６は、基部１２５からステップ１０５に向かって延びる。各アーム１０４の基部１２５は、ベース１０３に回転可能に取り付けられる。各アーム１０４の基部１２５の回転軸心は、互いに平行である。基部１２５は、軸部材１１０が挿通する貫通孔１２５Ａを有する。貫通孔１２５Ａには、軸部材１１０が挿通する。

　基部１２５は、支持部材１０９を介して車体１０２またはベース１０３に支持される。具体的には、アーム１０４は、支持部材１０９および軸部材１１０によって、回転可能に車体構造体１０２Ｘに取り付けられる。アーム１０４の先端部１２８は、ステップ軸部材１４１が挿通する貫通孔１２８Ａを有する（図１９参照）。

　第３アーム１２３のアーム部１２６は、関節部１２９を有する（図１４参照）。第３アーム１２３のアーム部１２６は、関節部１２９に設けられる軸を中心に屈伸する。第３アーム１２３が関節部１２９を有することによって、ステップ１０５は円滑に移動する。

　第２アーム１２２は、基部１２５と、アーム部１２６と、延長部１３０とを備える（図１５参照）。延長部１３０は、基部１２５およびアーム部１２６と別部材に構成されてもよい。延長部１３０は、基部１２５においてアーム部１２６と反対方向に延びる。延長部１３０には、ボールジョイント１６０のボール部１６１が設けられる第１部分１３０Ａと、第１部分１３０Ａから延びる第２部分１３０Ｂとを有する（図２１参照）。第２部分１３０Ｂは、第２アーム１２２がアーム格納位置に配置されるときに、スイッチ１１４に当接するように、第１部分１３０Ａに設けられる。アーム格納位置は、ステップ１０５が格納位置に配置されるときの第２アーム１２２の位置である。

　図１８を参照して、アーム１０４の支持構造を説明する。図１８は、第２アーム１２２の基部１２５の断面図である。図１８において、第２ベース１１２の記載は省略されている。

　図１８に示されるように、軸部材１１０は、支持部材１０９に取り付けられる。軸部材１１０は、アーム１０４の貫通孔１２５Ａを通って支持部材１０９に取り付けられる軸本体部１１０Ａと、軸本体部１１０Ａの端に設けられる頭部１１０Ｂと、を有する。アーム１０４の基部１２５は、頭部１１０Ｂと支持部材１０９とによって挟持される。

　軸部材１１０の端部は、軸本体部１１０Ａがアーム１０４の貫通孔１２５Ａに挿通した状態で、支持部材１０９に結合する。貫通孔１２５Ａと軸部材１１０との間にはブッシュ１３２が配置される。軸部材１１０の頭部１１０Ｂは、アーム１０４の基部１２５の下面を支持する。軸部材１１０の頭部１１０Ｂとアーム１０４の基部１２５との間にはワッシャ１３３が配置される。支持部材１０９とアーム１０４の基部１２５との間には、ワッシャ１３３が配置される。

　アーム１０４の先端部１２８は、ステップ１０５に回転可能に取り付けられる。各アーム１０４の先端部１２８は、幅方向ＤＸにおいてステップ１０５の車体寄りの部分に取り付けられる。各アーム１０４の先端部１２８の回転軸心は、互いに平行である。

　図１９に示されるように、アーム１０４の先端部１２８には、貫通孔１２８Ａが設けられる。貫通孔１２８Ａには、ステップ軸部材１４１が挿通する。ステップ軸部材１４１の上端部は、ステップ軸部材１４１がアーム１０４の貫通孔１２８Ａに挿通した状態で、ステップ１０５の上面部１０５Ａに結合する。ステップ軸部材１４１の下端部は、ステップ軸部材１４１がアーム１０４の貫通孔１２８Ａに挿通した状態で、ステップ１０５の下面部１０５Ｂに結合する。貫通孔１２８Ａとステップ軸部材１４１との間にはブッシュ１３４が配置される。

　＜ステップ＞
　ステップ１０５は、第１アーム１２１、第２アーム１２２および第３アーム１２３によって支持される。ステップ１０５は、車体１０２に対して移動するように第１アーム１２１～第３アーム１２３によって支持される。ステップ１０５は、ステップ本体部１４０を有する。例えば、ステップ本体部１４０は、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって構成される。ステップ本体部１４０は、押出加工または引抜加工によって成形される。

　図１９に示されるように、ステップ本体部１４０は、第１側面１４０Ａと、幅方向ＤＸにおいて第１側面１４０Ａよりも車体寄りに配置される第２側面１４０Ｂと、を有する。第２側面１４０Ｂには、第１側面１４０Ａに向かって凹む溝部１４２が設けられる。溝部１４２は、車両用ステップ装置１０１の取付状態において、車体１０２に向かって開口する。溝部１４２は、アーム１０４の先端部１２８が収容されるように構成される。

　＜駆動部＞
　駆動部１０６は、伸縮ユニット１５０を有する。伸縮ユニット１５０は、本体部１５１と、本体部１５１に対して移動する移動部１５２とを含む。本体部１５１は、車体１０２に直接または間接的に繋げられる。移動部１５２は、アーム１０４に繋げられる。

　図２０に示されるように、本体部１５１は、モータ１５３によって回転するスピンドル１５５と、スピンドル１５５に係合するナット１５６と、外筒１５７と、を有する。外筒１５７は、スピンドル１５５の回転によってナット１５６がスピンドル１５５に沿って移動するように、ナット１５６を案内する。

　一例では、本体部１５１は、モータ１５３を備える。モータ１５３は、外筒１５７の端に取り付けられる。スピンドル１５５およびナット１５６は、外筒１５７に内装される。移動部１５２は、筒部１５２Ａを有する。移動部１５２の筒部１５２Ａは、外筒１５７に挿通する。ナット１５６は、移動部１５２の筒部１５２Ａの端部に取り付けられる。スピンドル１５５が回転すると、移動部１５２は、ナット１５６とともにスピンドル１５５に沿って移動する。

　本体部１５１は、車体１０２またはベース１０３に回転可能に取り付けられる。
　例えば、本体部１５１は、ボールジョイント１６０を介して車体１０２またはベース１０３に取り付けられる。ボールジョイント１６０は、ボール部１６１と、ボール部１６１を受けるボール受部１６２とを備える。ボール部１６１は、車体１０２に直接または間接的に取り付けられる。ボール受部１６２は、本体部１５１の端部に設けられる。

　図２１に示されるように、本体部１５１は、車体１０２またはベース１０３にねじによって取り外し可能に取り付けられる。具体的には、ボールジョイント１６０のボール部１６１は、取付部材１６３に固定される。取付部材１６３は、ねじによって、第１ベース１１１の伸縮ユニット支持部１１１Ｅに取り付けられる（図１５参照）。ねじを緩めることによって、第１ベース１１１の伸縮ユニット支持部１１１Ｅから取付部材１６３が取り外されるように、取付部材１６３は取り付けられる。

　移動部１５２の先端部は、第２アーム１２２の延長部１３０に回転可能に取り付けられる（図１５参照）。具体的には、スピンドル１５５の先端部は、ボールジョイント１６０を介して第２アーム１２２の延長部１３０に取り付けられる。ボールジョイント１６０は、ボール部１６１と、ボール部１６１を受けるボール受部１６２とを備える。ボール部１６１は、第２アーム１２２の延長部１３０に取り付けられる。ボール受部１６２は、移動部１５２の先端部に設けられる。

　図２２および図２３に示されるように、伸縮ユニット１５０は、車両用ステップ装置１０１が車体１０２またはベース１０３に取り付けられた取付状態において、スピンドル１５５が車体１０２の前後方向ＤＹＳに沿うように配置される。また、車両用ステップ装置１０１が車体１０２に取り付けられた状態において、伸縮ユニット１５０が車体１０２の前後方向ＤＹＳに伸縮するように、移動部１５２がアーム１０４に接続される。

　車両用ステップ装置１０１は、さらに、受止部材１６５を備えてもよい。受止部材１６５は、伸縮ユニット１５０を受け止める。受止部材１６５は、伸縮ユニット１５０が地面まで落下することを防止するために、設けられる。受止部材１６５は、車両用ステップ装置１０１が車体１０２またはベース１０３に取り付けられた状態において、伸縮ユニット１５０の下に配置される。受止部材１６５は、吊下部材を介して、ベース１０３に固定される。

　駆動部１０６によって、ステップ１０５は次のように動作する。
　ステップ１０５が格納位置に配置されている状態では、アーム１０４は、前後方向ＤＹに沿うように配置される。このとき、伸縮ユニット１５０の移動部１５２は、本体部１５１から所定距離だけ離れた位置に配置されている（図２３参照）。モータ１５３の駆動によって、移動部１５２が本体部１５１に近づくように移動すると、第２アーム１２２の延長部１３０が伸縮ユニット１５０によって第１ベース１１１に向かって引かれる。第２アーム１２２の回転に連動して、第１アーム１２１および第３アーム１２３が移動して、ステップ１０５は展開位置（図２２参照）に向かって移動する。

　本実施形態の作用を説明する。
　第２ベース１１２は、第２アーム１２２および第３アーム１２３を支持する。第２ベース１１２において第２アーム１２２の基部１２５を支持する第２中間部１１２Ｃは、幅方向ＤＸにおいて第３締結部１１２Ａと第４締結部１１２Ｂとの間に設けられる。第２ベース１１２において第３アーム１２３の基部１２５を支持する後方部１１２Ｅの付近において締結部は省略される。第２ベース１１２において、第３アーム１２３の仮想延長部１２３Ｘに対応する延長対応部分１０３Ａには、当て部１１５が設けられる。当て部１１５は、車体１０２の下面に当てられるように構成される。当て部１１５は、第３アーム１２３が幅方向ＤＸに沿うように配置されるときに第３アーム１２３の先端部に荷重が加わると、車体１０２に押し付けられる。具体的には、ステップ１０５が展開位置に配置されるとき、第３アーム１２３の付近に力が加わると、当て部１１５が車体１０２の下面に押し付けられる。このように、ステップ１０５に加わる力の一部は、当て部１１５を介して車体１０２に伝達されるため、第３アーム１２３を支持する軸部材１１０に加わる力を低減できる。当て部１１５は、ねじまたはリベット等によって、車体１０２に固定されない。このため、当て部１１５をねじまたはリベット等で締結する場合に比べて、車両用ステップ装置１０１を車体１０２に取り付けるときの取付作業の工数を低減できる。

　本実施形態の車両用ステップ装置１０１は、次の効果を有する。
　（１）車両用ステップ装置１０１において、第２ベース１１２は、車体１０２に締結される第３締結部１１２Ａおよび第４締結部１１２Ｂと、車体１０２の下面に当てられる当て部１１５と、第３アーム１２３の軸部材１１０を支持する軸支持部１１２Ｙと、を有する。当て部１１５は、軸支持部１１２Ｙよりも車体中心寄りにある。なお、当て部１１５は、軸支持部に設けられてもよい。

　この構成によれば、当て部１１５は、車体１０２に締結されないため、当て部１１５が締結される構造の車両用ステップ装置に比べて、車両用ステップ装置１０１の取付け工数を低減できる。

　（２）車両用ステップ装置１０１において、第２ベース１１２は、車体１０２に締結される第３締結部１１２Ａと、車体１０２の下面に当てられる当て部１１５とを有する。当て部１１５は、車両用ステップ装置１０１の取付状態で、第３アーム１２３が展開位置に配置される場合において、延長対応部分１０３Ａに設けられる。当て部１１５は、車体１０２の幅方向ＤＸＳに沿う幅方向ＤＸにおいて第３締結部１１２Ａよりも車体中心寄りに配置され、かつ、少なくとも、第２ベース１１２の前側または後側に設けられる。延長対応部分１０３Ａは、アーム１０４の基部１２５に対してアーム部１２６が延びる方向と反対方向の仮想延長部１２３Ｘと第２ベース１１２とが重なる部分である。

　この構成によれば、第２ベース１１２は、第３締結部１１２Ａと、当て部１１５とを有する。当て部１１５は、車体１０２に締結されないため、当て部１１５が締結される構造の車両用ステップ装置１０１に比べて、車両用ステップ装置１０１の取付け工数を低減できる。また、当て部１１５を車体１０２に締結するための構造が不要であるため、特に第２ベース１１２を車体１０２の幅方向ＤＸにコンパクトにすることができる。

　（３）当て部１１５は、延長対応部分１０３Ａであって、かつ、第２ベース１１２の第４締結部１１２Ｂのねじの列に沿う方向のねじ延長部１０３Ｂに設けられる。当て部１１５が第４締結部１１２Ｂから分離するように設けられる場合、車両の走行時に当て部１１５が振動し、当て部１１５が車体１０２に擦れる虞がある。この点で、本実施形態では、当て部１１５は、第４締結部１１２Ｂの近くに設けられるため、当て部１１５の振動が抑制される。

　（４）車両用ステップ装置１０１は、緩衝材１１６を備えてもよい。緩衝材１１６は、当て部１１５と、車体１０２において当て部１１５が当てられる当接部分１０２Ａとの間に設けられる。この構成によれば、当て部１１５が車体１０２に直接に接触しないため、当て部１１５が車体１０２に擦れることがない。これによって、当て部１１５が車体１０２に擦れることに起因する車体１０２の傷の形成を抑制できる。

　（５）車両用ステップ装置１０１は、アーム１０４を支持する支持部材１０９と、支持部材１０９に取り付けられる軸部材１１０と、をさらに備える。支持部材１０９は、ベース１０３に取り付けられる。軸部材１１０は、アーム１０４の貫通孔１２５Ａを通って支持部材１０９に取り付けられる軸本体部１１０Ａと、軸本体部１１０Ａの端に設けられる頭部１１０Ｂと、を有する。アーム１０４の基部１２５は、頭部１１０Ｂと支持部材１０９とによって挟持される。この構成によれば、支持部材１０９が設けられない場合に比べて、アーム１０４を支持する部分の支持構造の強度を向上できる。また、支持部材１０９によって、ベース１０３と支持部材１０９とを含む構造体の剛性を確保できるため、ベース構造に自由度が増し、ベース１０３をコンパクトにすることも可能である。

　（６）車両用ステップ装置１０１は、アーム１０４と、アーム１０４に取り付けられるステップ１０５と、を備える。アーム１０４は、支持部材１０９および軸部材１１０によって、回転可能に車体構造体１０２Ｘに取り付けられる。支持部材１０９は、車体１０２に直接または間接的に設けられる。軸部材１１０は、アーム１０４の貫通孔１２５Ａを通って支持部材１０９に取り付けられる軸本体部１１０Ａと、軸本体部１１０Ａの端に設けられる頭部１１０Ｂと、を有する。頭部１１０Ｂと支持部材１０９とは、アーム１０４の基部１２５を挟持する。この構成によれば、アーム１０４を支持部材１０９に簡単に取り付けることができる。

　（７）アーム１０４は、回転可能に車体構造体１０２Ｘに取り付けられる。車体構造体１０２Ｘは、車体１０２と、支持部材１０９と、を備えてもよい。この構成によれば、支持部材１０９を介して車体１０２にアーム１０４を取り付けることができる。

　（８）アーム１０４は、回転可能に車体構造体１０２Ｘに取り付けられる。車体構造体１０２Ｘは、車体１０２と、ベース１０３と、支持部材１０９と、を備えてもよい。この構成によれば、ベース１０３および支持部材１０９を介して車体１０２にアーム１０４を取り付けることができる。

　（９）車両用ステップ装置１０１の取付状態において、支持部材１０９における幅方向ＤＸの両端部は、幅方向ＤＸに交差する方向の両端部よりも車体１０２または車体１０２に固定されるベース１０３に強固に固定される。

　この構成によれば、支持部材１０９において、前後方向ＤＹに沿う線を中心とする回転方向の荷重に対する強度を向上できる。例えば、前後方向ＤＹに沿う線を中心とする回転方向の荷重の増大に対して、車体１０２から支持部材１０９が剥離することが抑制される。

　（１０）車両用ステップ装置１０１の取付状態において、幅方向ＤＸに沿う支持部材１０９の第１幅ＤＷ１は、幅方向ＤＸに直交する方向に沿う支持部材１０９の第２幅ＤＷ２よりも、大きい。

　この構成によれば、支持部材１０９において、前後方向ＤＹに沿う線を中心とする回転方向の荷重に対する強度を向上できる。例えば、前後方向ＤＹに沿う線を中心とする回転方向の荷重の増大に対して、車体１０２から支持部材１０９が剥離することが抑制される。

　＜その他の変更例＞
　第３実施形態は、上記構成の例に限定されない。第３実施形態は、以下のように変更され得る。なお、以下の変更例では、第３実施形態の構成と実質的に変更のない構成については、第３実施形態の構成と同一の符号をつけて説明する。

　（１）図２４および図２５に示されるように、ベース１０３は、各アーム１０４に対して設けられてもよい。ベース１０３は、個別に車体１０２に締結される。この例では、伸縮ユニット１５０の本体部１５１は、第１アーム１２１を支持するベース１０３に取り付けられる。伸縮ユニット１５０の移動部１５２は、第２アーム１２２の延長部１３０に取り付けられる。

　（２）図２５に示されるように、支持部材１０９は、複数のアーム１０４のうちの幾つかのアーム１０４に対応して設けられてもよい。図２５に示される例では、第１アーム１２１および第２アーム１２２それぞれに対して支持部材１０９が設けられる。第３アーム１２３は、支持部材１０９を介さずにベース１０３に取り付けられる。なお、図２５では、伸縮ユニット１５０の記載が省略されている。

　（３）伸縮ユニット１５０の他の例として、油圧アクチュエータ、および、空気圧アクチュエータが挙げられる。駆動部１０６は、伸縮ユニット１５０と異なる構造を有してもよい。駆動部１０６は、ギアによってアーム１０４を回転させてもよい。

　（４）第３実施形態において、第１ベース１１１の第２締結部１１１Ｂは、省略されてもよい。この場合、第２締結部１１１Ｂにかえて、第２締結部１１１Ｂと同じところに当て部１１５が設けられる。第２ベース１１２の第４締結部１１２Ｂは、省略されてもよい。この場合、第４締結部１１２Ｂにかえて、第４締結部１１２Ｂと同じところに当て部１１５が設けられる。こうすることにより、ベース１０３において車体１０２に締結される締結部は、幅方向ＤＸにおいて車体１０２の外側に配置される第１締結部１１１Ａおよび第３締結部１１２Ａのみになり、幅方向ＤＸにおいて車体１０２の内側部分は締結されなくなる。このため、車両用ステップ装置１０１の取付対象の車体構造の自由度が増し、様々な車種に車両用ステップ装置１０１を搭載することができる。車両用ステップ装置１０１自体は、幅方向ＤＸにおける内側部分に締結構造を有しないため、車両用ステップ装置１０１をコンパクトにすることができる。

　（５）第３実施形態に係る技術は、第１実施形態および第２実施形態に示される車両用ステップ装置１０にも適用されている。具体的には、第３実施形態の当て部１１５に関する技術は、第１実施形態に開示されている。以下では、第１実施形態における当て部２３Ｘに関する技術を説明する。

　ベース１１は、車体１に締結される締結部（固定部２１）と、車体１の下面に当てられる当て部２３Ｘと、軸支持部２２Ｘと、を有する。ここで、車体１の下面は、保護部材１５の下面を含む。

　軸支持部２２Ｘは、締結部（固定部２１）よりも車体中心寄りにあり、アーム１２の軸部材（第１軸３１）を支持する。そして、当て部２３Ｘは、軸支持部２２Ｘに設けられる。または、当て部２３Ｘは、軸支持部２２Ｘよりも車体中心寄りにあってもよい。

　第１実施形態では、当て部２３Ｘは、フランジ部２３Ｚの上面に設けられる。フランジ部２３Ｚは、アーム支持部２２から前後方向ＤＹの両端それぞれから上に延びる。第１実施形態では、フランジ部２３Ｚは、連結部２３の一部として構成される。当て部２３Ｘは、保護部材１５に当てられる。保護部材１５の下面は、構造的に車体１の下面を構成する。これによって、次の作用が得られる。

　当て部２３Ｘは、車体１の下面に当てられる。当て部２３Ｘは、アーム１２が幅方向ＤＸに沿うように配置されるときにアーム１２の先端部に荷重が加わると、車体１に押し付けられる。具体的には、ステップ１３が展開位置に配置されるとき、アーム１２の付近に力が加わると、当て部２３Ｘが車体１の下面（すなわち、保護部材１５の下面）に押し付けられる。このように、ステップ１３に加わる力の一部は、当て部２３Ｘを介して車体１に伝達されるため、アーム１２を支持する軸部材（第１軸３１）に加わる力を低減できる。当て部２３Ｘは、ねじまたはリベット等によって、車体１に固定されない。このため、当て部２３Ｘをねじまたはリベット等で締結する場合に比べて、車両用ステップ装置１０を車体１に取り付けるときの取付作業の工数を低減できる。

　以下、第１実施形態における当て部２３Ｘの効果を説明する。ベース１１は、車体１に締結される締結部（固定部２１）と、車体１の下面に当てられる当て部２３Ｘと、軸支持部２２Ｘとを有する。当て部２３Ｘは、軸支持部２２Ｘに設けられる。または、当て部２３Ｘは、軸支持部２２Ｘよりも車体中心寄りにあってもよい。

　このように、ベース１１は、締結部（固定部２１）と、当て部２３Ｘと、軸支持部２２Ｘと、を有する。当て部２３Ｘは、車体１に締結されないため、当て部２３Ｘが締結される構造の車両用ステップ装置に比べて、車両用ステップ装置１０の取付け工数を低減できる。

　第１実施形態では、軸支持部２２Ｘは、締結部（固定部２１）よりも車体中心寄りにある。そして、当て部２３Ｘは、軸支持部２２Ｘにある。この構成によれば、軸支持部２２Ｘが締結部（固定部２１）よりも車体中心寄りにある車両用ステップ装置１０において、車両用ステップ装置１０の幅方向の寸法を短くできる。

　また、第１実施形態において、軸支持部２２Ｘには、上方に延びるフランジ部２３Ｚが設けられる。この構成によれば、フランジ部２３Ｚに当て部２３Ｘを設けることができる。第１実施形態では、フランジ部２３Ｚの上面に当て部２３Ｘが設けられる。これによって、軸支持部２２Ｘが保護部材１５に接触することを抑制できる。

　ＤＸ…幅方向、ＤＸＡ…幅方向内方、１…車体、２…骨格部材、１０…車両用ステップ装置、１１…ベース、１１Ａ…内端部、１１Ｂ…内端、１１Ｃ…外端部、１２…アーム、１３…ステップ、１５…保護部材、１５Ａ…上端、１５Ｂ…下端、３７…外側傾斜面、３８…内側傾斜面、３９…平坦部、６１…傾斜部、６２…平坦部、６３…境界、１０１…車両用ステップ装置、１０２…車体、１０２Ａ…当接部分、１０２Ｘ…車体構造体、１０３…ベース、１０３Ａ…延長対応部分、１０３Ｂ…ねじ延長部、１０４…アーム、１０５…ステップ、１０９…支持部材、１１０…軸部材、１１０Ａ…軸本体部、１１０Ｂ…頭部、１１５…当て部、１１６…緩衝材、１２３Ｘ…仮想延長部、１２５…基部、１２５Ａ…貫通孔、１２６…アーム部、１２８Ａ…貫通孔。

Claims (23)

1. 　車両用ステップ装置であって、
   　車体に取付けられるベースと、
   　前記ベースに取り付けられるアームと、
   　前記アームに組み付けられるステップと、
   　格納状態の前記ステップの位置よりも幅方向内方に配置されて、前記ベース、前記アームおよび前記ステップの少なくとも一部と対向するように設けられる保護部材と、を備える、
   　車両用ステップ装置。
2. 　前記ベースは、幅方向において最も外側に位置する部位を含む外端部を有し、
   　前記外端部は、角または突起として構成される、
   　請求項１に記載の車両用ステップ装置。
3. 　前記ベースは、前記外端部から幅方向内方に向かって下方に傾斜する外側傾斜面を有する、
   　請求項２に記載の車両用ステップ装置。
4. 　前記保護部材は、前記ベースの位置よりも幅方向内方に配置されて前記ベースと対向するように設けられる、
   　請求項１に記載の車両用ステップ装置。
5. 　前記保護部材は、前記車体の骨格部材に固定される
   　請求項１に記載の車両用ステップ装置。
6. 　前記保護部材は、前記ベースに接触するように構成される、
   　請求項１に記載の車両用ステップ装置。
7. 　前記保護部材の上端は、前記ベースよりも上に位置し、
   　前記保護部材の下端は、格納状態の前記ステップの上面よりも下に位置する、
   　請求項１に記載の車両用ステップ装置。
8. 　前記保護部材は、前記車体に固定された状態で、幅方向内方に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する、
   　請求項７に記載の車両用ステップ装置。
9. 　前記保護部材は、前記傾斜部よりも幅方向の外側に位置して前記傾斜部に繋がる平坦部を有し、
   　前記平坦部は、前記保護部材が前記車体に固定された状態で水平に延び、
   　前記保護部材の前記平坦部は、前記ベースの内端部の上面に接触する、
   　請求項８に記載の車両用ステップ装置。
10. 　前記保護部材の前記平坦部と前記傾斜部との境界は、前記平坦部に接触する前記ベースの内端よりも幅方向内方に位置する、
    　請求項９に記載の車両用ステップ装置。
11. 　前記ベースは、幅方向において前記保護部材に対向する内側傾斜面を有し、
    　前記内側傾斜面は、幅方向内方に向かって下方に傾斜する、
    　請求項９に記載の車両用ステップ装置。
12. 　車体に設けられる車両用ステップ装置であって、
    　前記車体に取り付けられるベースと、
    　前記ベースに取り付けられるアームと、
    　前記アームに取り付けられるステップと、を備え、
    　前記アームは、基部と、前記基部から延びるアーム部と、を有し、
    　前記ベースは、前記車体に締結される締結部と、前記車体の下面に当てられる当て部と、前記アームの軸部材を支持する軸支持部と、を有し、
    　前記当て部は、前記軸支持部にあり、または、前記軸支持部よりも車体中心寄りにある、
    　車両用ステップ装置。
13. 　前記当て部は、前記車両用ステップ装置が前記車体に取り付けられた取付状態で、前記アームが展開位置に配置される場合において、前記基部に対して前記アーム部が延びる方向と反対方向の仮想延長部と前記ベースとが重なる延長対応部分に設けられ、前記車体の幅方向に沿う方向において前記締結部よりも車体中心寄りに配置され、かつ、少なくとも、前記ベースの前側または後側に設けられる、
    　請求項１２に記載の車両用ステップ装置。
14. 　前記ベースは、１列に配列されるねじによって前記車体に締結される前記締結部を有し、
    　前記当て部は、前記延長対応部分であって、かつ、前記ねじの列に沿う方向のねじ延長部に設けられる、
    　請求項１３に記載の車両用ステップ装置。
15. 　さらに、緩衝材を備え、
    　前記緩衝材は、前記当て部と、前記車体において前記当て部が当てられる当接部分との間に設けられる、
    　請求項１３に記載の車両用ステップ装置。
16. 　前記アームを支持する支持部材と、前記支持部材に取り付けられる軸部材と、をさらに備え、
    　前記アームの前記基部は、前記軸部材が挿通する貫通孔を有し、
    　前記支持部材は、前記ベースに取り付けられ、
    　前記軸部材は、前記アームの前記貫通孔を通って前記支持部材に取り付けられる軸本体部と、前記軸本体部の端に設けられる頭部と、を有し、
    　前記アームの前記基部は、前記頭部と前記支持部材とによって挟持される
    　請求項１３～１５のいずれか一項に記載の車両用ステップ装置。
17. 　車体に設けられる車両用ステップ装置であって、
    　前記車体を含む車体構造体に取り付けられるアームと、
    　前記アームに取り付けられるステップと、を備え、
    　前記アームは、貫通孔を有する基部と、前記基部から延びるアーム部と、を有し、支持部材および軸部材によって、回転可能に前記車体構造体に取り付けられ、
    　前記支持部材は、前記車体に直接または間接的に設けられ、
    　前記軸部材は、前記アームの前記貫通孔を通って前記支持部材に取り付けられる軸本体部と、前記軸本体部の端に設けられる頭部と、を有し、
    　前記頭部と前記支持部材とは、前記アームの前記基部を挟持する
    　車両用ステップ装置。
18. 　前記車体構造体は、前記車体と、前記支持部材と、を備える、
    　請求項１７に記載の車両用ステップ装置。
19. 　前記車体には、ベースが設けられ、
    　前記ベースには、前記支持部材が取り付けられ、
    　前記車体構造体は、前記車体と、前記ベースと、前記支持部材と、を備える、
    　請求項１７に記載の車両用ステップ装置。
20. 　前記車両用ステップ装置が前記車体に直接または間接的に取り付けられた取付状態において、前記支持部材における幅方向の両端部は、前記幅方向に交差する方向の両端部よりも前記車体または前記車体に固定されるベースに強固に固定される、
    　請求項１７に記載の車両用ステップ装置。
21. 　前記車両用ステップ装置が前記車体に直接または間接的に取り付けられた取付状態において、前記車体の幅方向に沿う前記支持部材の第１幅は、前記幅方向に直交する方向に沿う前記支持部材の第２幅よりも、大きい、
    　請求項１７～２０のいずれか一項に記載の車両用ステップ装置。
22. 　前記軸支持部は、前記締結部よりも車体中心寄りにあり、
    　前記当て部は、前記軸支持部にある、
    　請求項１２に記載の車両用ステップ装置。
23. 　前記軸支持部には、上方に延びるフランジ部が設けられる、
    　請求項２２に記載の車両用ステップ装置。

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