WO2023058294A1 - 電池および電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本開示の電池は、電極層、対極層、および、前記電極層と前記対極層との間に位置する固体電解質層、をそれぞれが含む複数の電池セルを有し、前記複数の電池セルが電気的に並列接続されて積層された発電要素と、前記発電要素の第一側面において、前記複数の電池セルの各々の前記電極層を覆う電極絶縁部材と、前記第一側面および前記電極絶縁部材を覆い、前記複数の電池セルの各々の前記対極層と電気的に接続された対極取出し層と、前記発電要素の第一主面に設けられ、前記対極取出し層に接続された対極集電端子と、を備え、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も近い電池セルの前記対極層と接続される第一部分の抵抗は、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も遠い電池セルの前記対極層と接続される第二部分の抵抗よりも小さい。

Description

電池および電池の製造方法
 本開示は、電池および電池の製造方法に関する。
 従来、直列接続された複数の電池セル同士を並列に接続した電池が知られている(例えば、特許文献1および2を参照)。
特開2013-120717号公報 特開2008-198482号公報
 従来の電池に対して、電池特性のさらなる向上が求められている。
 そこで、本開示は、高性能な電池およびその製造方法を提供する。
 本開示の一態様に係る電池は、電極層、対極層、および、前記電極層と前記対極層との間に位置する固体電解質層、をそれぞれが含む複数の電池セルを有し、前記複数の電池セルが電気的に並列接続されて積層された発電要素と、前記発電要素の第一側面において、前記複数の電池セルの各々の前記電極層を覆う電極絶縁部材と、前記第一側面および前記電極絶縁部材を覆い、前記複数の電池セルの各々の前記対極層と電気的に接続された対極取出し層と、前記発電要素の第一主面に設けられ、前記対極取出し層に接続された対極集電端子と、を備え、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も近い電池セルの前記対極層と接続される第一部分の抵抗は、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も遠い電池セルの前記対極層と接続される第二部分の抵抗よりも小さい。
 本開示の一態様に係る電池の製造方法は、電極層、対極層、および、前記電極層と前記対極層との間に位置する固体電解質層を、それぞれが含む複数の電池セルを準備するステップと、前記電極層、前記対極層および前記固体電解質層の並び順が電池セル毎に交互に入れ替わるように前記複数の電池セルを順に積層した積層体を形成するステップと、前記積層体の第一側面において、前記複数の電池セルの各々の前記電極層を電極絶縁部材で覆うステップと、前記第一側面および前記電極絶縁部材を、前記複数の電池セルの各々の前記対極層と電気的に接続された対極取出し層で覆うステップと、前記積層体の第一主面に、前記対極取出し層に接続された対極集電端子を設けるステップと、を含み、前記対極取出し層で覆うステップでは、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も近い電池セルの前記対極層と接続される第一部分の抵抗が、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も遠い電池セルの前記対極層と接続される第二部分の抵抗よりも小さくなるように、前記対極取出し層を形成する。
 本開示によれば、高性能な電池およびその製造方法を提供することができる。
図1は、実施の形態1に係る電池の断面図である。 図2Aは、実施の形態1に係る電池の上面図である。 図2Bは、実施の形態1に係る電池の下面図である。 図3Aは、実施の形態1に係る発電要素に含まれる電池セルの一例の断面図である。 図3Bは、実施の形態1に係る発電要素に含まれる電池セルの別の一例の断面図である。 図3Cは、実施の形態1に係る発電要素に含まれる電池セルの別の一例の断面図である。 図4は、実施の形態1に係る発電要素の断面図である。 図5は、実施の形態1に係る発電要素の第一側面と当該第一側面に設けられた電極絶縁層との位置関係を示す側面図である。 図6は、実施の形態1に係る発電要素の第二側面と当該第二側面に設けられた対極絶縁層との位置関係を示す側面図である。 図7は、実施の形態2に係る電池の断面図である。 図8は、実施の形態3に係る電池の断面図である。 図9は、実施の形態4に係る電池の断面図である。 図10は、実施の形態5に係る電池の断面図である。 図11は、実施の形態6に係る電池の断面図である。 図12は、実施の形態7に係る電池の断面図である。 図13Aは、実施の形態7に係る電池の上面図である。 図13Bは、実施の形態7に係る電池の下面図である。 図14は、実施の形態8に係る電池の断面図である。 図15は、実施の形態9に係る電池の断面図である。 図16は、実施の形態10に係る電池の断面図である。 図17は、実施の形態に係る電池の製造方法を示すフローチャートである。
 (本開示の概要)
 本開示の一態様に係る電池は、電極層、対極層、および、前記電極層と前記対極層との間に位置する固体電解質層、をそれぞれが含む複数の電池セルを有し、前記複数の電池セルが電気的に並列接続されて積層された発電要素と、前記発電要素の第一側面において、前記複数の電池セルの各々の前記電極層を覆う電極絶縁部材と、前記第一側面および前記電極絶縁部材を覆い、前記複数の電池セルの各々の前記対極層と電気的に接続された対極取出し層と、前記発電要素の第一主面に設けられ、前記対極取出し層に接続された対極集電端子と、を備え、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も近い電池セルの前記対極層と接続される第一部分の抵抗は、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も遠い電池セルの前記対極層と接続される第二部分の抵抗よりも小さい。
 これにより、高性能な電池を実現することができる。例えば、電池内を流れる電流の均一性が高く信頼性に優れた電池を実現することができる。
 具体的には、発電要素の第一側面において電極絶縁部材が電極層を覆うので、電極層と対極層との短絡の発生を抑制することができる。また、全ての電池セルを電気的に並列接続することにより、各電池セルの容量ばらつきに起因して特定の電池セルが過充電および過放電になることを抑制することができる。このようにして、電池の信頼性を高めることができる。
 また、対極取出し層は、複数の電池セルの並列接続の機能を担う。対極取出し層は、第一側面および電極絶縁部材に密着させることができるので、並列接続に関わる部分の体積を小さくすることができる。このため、電池のエネルギー密度を高めることができる。
 また、対極取出し層において、対極集電端子に最も近い対極層に接続される第一部分には、複数の電池セルの全ての対極層に対応する電流が流れる。一方、対極集電端子に最も遠い対極層に接続される第二部分には、1つの対極層に対応する電流が流れる。対極取出し層において、第一部分の抵抗が、第二部分の抵抗よりも小さいので、対極層と対極集電端子との電気的な接続経路において流れる電流は、全ての対極層に対応する電流が流れる第一部分で、1つの対極層に対応する電流が流れる第二部分よりも流れやすくなる。よって、各対極層と対極集電端子との間で流れる電流の均一性を高めることができる。その結果、各対極層が均一に充電および放電しやすく、特定の電池セルが過充電および過放電になることを抑制でき、電池の信頼性を高めることができる。
 なお、本明細書において、「抵抗」は、電流が流れる方向の単位長さ当たりの電気抵抗である。また、部分の「抵抗が小さい」とは、部分を構成する材料固有の電気抵抗率が小さいという意味ではなく、電流が流れる方向に直交する断面積で、電気抵抗率を除算した値が小さいという意味である。例えば、部分が複数の材質で構成されている場合には、これらの複数の材質の各々の断面積で、対応する電気抵抗率を除算した値の総和によって、当該部分の抵抗が求められる。
 また、例えば、前記第一部分における前記対極取出し層の厚みは、前記第二部分における前記対極取出し層の厚みよりも厚くてもよい。
 これにより、対極取出し層の厚みを調整するだけで第一部分の抵抗を小さくして、電流の均一性を高める効果が得られるため、電池を容易に製造できる。
 また、例えば、前記第一側面は、前記第一側面と前記第一主面とが成す内角が鈍角になるように、前記発電要素の積層方向に対して傾斜していてもよい。
 これにより、第一側面は、積層方向に沿って第一主面から離れるほど、発電要素の外側に広がるように傾斜する。その結果、対極取出し層が、対極集電端子により近い第一部分で、第二部分よりも厚くなる場合であっても、対極取出し層の外側面の第一主面に対する角度を直角に近づけることができる。そのため、対極集電端子を基板に対面させるように電池を基板に実装する場合等において、無駄な空間が形成されにくく、電池の基板への実装性が向上する。
 また、例えば、前記対極取出し層の前記第一側面からの高さは、前記発電要素の積層方向に沿って前記対極集電端子に近づくに従って高くなってもよい。
 これにより、対極取出し層において、対極集電端子に近い対極層に接続される部分ほど、対極取出し層の厚みが厚くなり、抵抗が小さくなる。よって、各対極層と対極集電端子との間で流れる電流の均一性をさらに高めることができる。
 また、例えば、前記対極取出し層は、前記第一主面を覆ってもよい。
 これにより、対極取出し層が第一側面から第一主面に回り込むので、対極取出し層の接続の信頼性が高くなる。例えば、対極取出し層の第一主面を覆う部分が発電要素に対して引っかかるので、外部から力が加わった場合でも対極取出し層が外れにくくなる。
 また、例えば、前記対極集電端子は、前記第一主面を構成する集電体であり、前記対極集電端子の厚みは、前記複数の電池セルの1つに含まれる集電体の厚みより厚くてもよい。
 これにより、対極集電体を対極集電端子として利用することで、部品点数を削減することができる。また、対極集電端子として利用する対極集電体を他の集電体よりも厚くすることで、対極集電端子の低抵抗化を容易に実現できる。このように、本明細書において、「集電端子が主面に設けられる」とは、主面を構成する部材とは異なる部材が集電端子として主面上に配置される場合だけでなく、主面を構成する部材自体が集電端子である場合も意味する。
 また、例えば、前記対極取出し層は、前記対極層に接触する第一導電部材と、前記第一導電部材を覆う第二導電部材と、を有していてもよい。
 これにより、対極取出し層を性質の異なる複数の材料を用いて形成することができる。例えば、対極層に接する第一導電部材に用いる材料として、高い導電率を有し、集電体に含まれる金属との合金化などを主眼に置いた材料選択を行うことができる。また、第二導電部材に用いる材料としては、柔軟性、耐衝撃性、化学的安定性、コスト、施工時の広がり容易性などを主眼に置いた材料選択を行うことができる。このように、各部材に適した材料選択が行えるので、電池の性能の向上、および、電池の製造容易性を高めることができる。
 また、例えば、前記第一部分を構成する材料の導電率は、前記第二部分を構成する材料の導電率よりも高くてもよい。
 これにより、対極取出し層において、第一部分の厚みを第二部分の厚みよりも厚くしなくても第一部分の抵抗を小さくできるため、電池を小型化できる。
 なお、材料が複数の材質で構成されている場合には、導電率は、これらの複数の材質の体積基準での平均の導電率である。
 また、例えば、前記電池は、前記発電要素の第二側面において、前記複数の電池セルの各々の前記対極層を覆う対極絶縁部材と、前記第二側面および前記対極絶縁部材を覆い、前記複数の電池セルの各々の前記電極層と電気的に接続された電極取出し層と、前記発電要素の前記第一主面に設けられ、前記電極取出し層に接続された電極集電端子と、をさらに備え、前記電極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も近い電池セルの前記電極層と接続される第三部分の抵抗は、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も遠い電池セルの前記電極層と接続される第四部分の抵抗よりも小さくてもよい。
 これにより、より高性能な電池を実現することができる。
 具体的には、発電要素の第二側面において対極絶縁部材が対極層を覆い、電極取出し層が、複数の電池セルの並列接続の機能を担うので、電極絶縁部材および対極取出し層と同様に、電池の信頼性およびエネルギー密度を高めることができる。
 また、電極取出し層において、電極集電端子に最も近い電極層に接続される第三部分には、複数の電池セルの全ての電極層に対応する電流が流れる。一方、電極集電端子に最も遠い電極層に接続される第四部分には、1つの電極層に対応する電流が流れる。電極取出し層において、第三部分の抵抗が、第四部分の抵抗よりも小さいので、電極層と電極集電端子との電気的な接続経路において流れる電流は、全ての電極層に対応する電流が流れる第三部分で、1つの電極層に対応する電流が流れる第四部分よりも流れやすくなる。よって、各電極層と電極集電端子との間で流れる電流の均一性を高めることができる。その結果、各電極層が均一に充電および放電しやすく、特定の電池セルが過充電または過放電になることを抑制でき、電池の信頼性を高めることができる。
 また、対極集電端子と電極集電端子とがそれぞれ異なる主面に設けられているので、例えば、各主面の大部分を覆うように大きな集電端子として形成することができる。集電端子の低抵抗化が実現できるので、大電流特性を高めることができる。
 また、例えば、前記第三部分における前記電極取出し層の厚みは、前記第四部分における前記電極取出し層の厚みよりも厚くてもよい。
 これにより、電極取出し層の厚みを調整するだけで第三部分の抵抗を小さくして、電流の均一性を高める効果が得られるため、電池を容易に製造できる。
 また、例えば、前記第一側面および前記第二側面は、互いに背向し、前記第一側面および前記第二側面を通る位置で前記発電要素の積層方向に沿って切断した場合の前記発電要素の断面形状は、台形であり、前記第一側面と前記第一主面とが成す内角および前記第二側面と前記第一主面とが成す内角はそれぞれ鈍角であってもよい。
 これにより、対極取出し層が、対極集電端子により近い第一部分で第二部分よりも厚くなり、電極取出し層が、電極集電端子により近い第三部分で第四部分より厚くなる場合であっても、電池全体の形状としては直方体に近づけることができる。そのため、基板に電池を実装する場合等において、無駄な空間が形成されにくく、電池の基板への実装性が向上する。
 また、例えば、前記電池は、前記発電要素の第二側面において、前記複数の電池セルの各々の前記対極層を覆う対極絶縁部材と、前記第二側面および前記対極絶縁部材を覆い、前記複数の電池セルの各々の前記電極層と電気的に接続された電極取出し層と、前記発電要素の前記第一主面とは反対側の第二主面に設けられ、前記電極取出し層に接続された電極集電端子と、をさらに備え、前記電極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第二主面に最も近い電池セルの前記電極層と接続される第三部分の抵抗は、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第二主面に最も遠い電池セルの前記電極層と接続される第四部分の抵抗よりも小さくてもよい。
 これにより、より高性能な電池を実現することができる。
 具体的には、発電要素の第二側面において対極絶縁部材が対極層を覆い、電極取出し層が、複数の電池セルの並列接続の機能を担うので、電極絶縁部材および対極取出し層と同様に、電池の信頼性およびエネルギー密度を高めることができる。
 また、電極取出し層において、電極集電端子に最も近い電極層に接続される第三部分には、複数の電池セルの全ての電極層に対応する電流が流れる。一方、電極集電端子に最も遠い電極層に接続される第四部分には、1つの電極層に対応する電流が流れる。電極取出し層において、第三部分の抵抗が、第四部分の抵抗よりも小さいので、電極層と電極集電端子との電気的な接続経路において流れる電流は、全ての電極層に対応する電流が流れる第三部分で、1つの電極層に対応する電流が流れる第四部分よりも流れやすくなる。よって、各電極層と電極集電端子との間で流れる電流の均一性を高めることができる。その結果、各電極層が均一に充電および放電しやすく、特定の電池セルが過充電および過放電になることを抑制でき、電池の信頼性を高めることができる。
 また、対極集電端子と電極集電端子とが同一の主面に設けられているので、電池の実装が容易になる。また、例えば、実装基板の配線レイアウトに応じて、集電端子の形状および配置を調整することもできるので、接続の自由度も高めることができる。
 また、正極および負極の両方の端子が同一の主面に設けられていることになるので、電池の実装をコンパクトにまとめることができる。例えば、実装基板に形成される接続端子のパターン(フットプリントとも称される)を小さくすることができる。また、発電要素の主面と実装基板とを平行に配置した状態での実装が可能になるので、実装基板に対する低背な実装が実現できる。
 また、例えば、前記第三部分における前記電極取出し層の厚みは、前記第四部分における前記電極取出し層の厚みよりも厚くてもよい。
 これにより、電極取出し層の厚みを調整するだけで第三部分の抵抗を小さくして、電流の均一性を高める効果が得られるため、電池を容易に製造できる。
 また、例えば、前記第一側面および前記第二側面は、互いに背向し、前記第一側面および前記第二側面を通る位置で前記発電要素の積層方向に沿って切断した場合の前記発電要素の断面形状は、平行四辺形であり、前記第一側面と前記第一主面とが成す内角および前記第二側面と前記第二主面とが成す内角はそれぞれ鈍角であってもよい。
 これにより、対極取出し層が、対極集電端子により近い第一部分で第二部分よりも厚くなり、電極取出し層が、電極集電端子により近い第三部分で第四部分より厚くなる場合であっても、電池全体の形状としては直方体に近づけることができる。そのため、基板に電池を実装する場合等において、無駄な空間が形成されにくく、電池の基板への実装性が向上する。
 また、例えば、前記電極集電端子は、前記第二主面を構成する集電体であり、前記電極集電端子の厚みは、前記複数の電池セルの1つに含まれる集電体の厚みより厚くてもよい。
 これにより、電極集電体を電極集電端子として利用することで、部品点数を削減することができる。また、電極集電端子として利用する電極集電体を他の集電体よりも厚くすることで、電極集電端子の低抵抗化を容易に実現できる。
 また、例えば、前記電極取出し層の前記第二側面からの高さは、前記発電要素の積層方向に沿って前記電極集電端子に近づくに従って高くなってもよい。
 これにより、電極取出し層において、電極集電端子に近い電極層に接続される部分ほど、電極取出し層の厚みが厚くなり、抵抗が小さくなる。よって、各電極層と電極集電端子との間で流れる電流の均一性をさらに高めることができる。
 また、例えば、前記電極絶縁部材は、樹脂を含んでもよい。
 これにより、電池の耐衝撃性を高めることができる。また、電池の温度変化によって、または、充放電時の膨張収縮によって電池に加わる応力を緩和することができる。
 また、例えば、前記電池は、前記対極集電端子の少なくとも一部を露出させ、前記発電要素および前記対極取出し層を封止する封止部材をさらに備えてもよい。
 これにより、外気および水などから発電要素を保護することができるので、電池の信頼性をさらに高めることができる。
 また、本開示の一態様に係る電池の製造方法は、電極層、対極層、および、前記電極層と前記対極層との間に位置する固体電解質層を、それぞれが含む複数の電池セルを準備するステップと、前記電極層、前記対極層および前記固体電解質層の並び順が電池セル毎に交互に入れ替わるように前記複数の電池セルを順に積層した積層体を形成するステップと、前記積層体の第一側面において、前記複数の電池セルの各々の前記電極層を電極絶縁部材で覆うステップと、前記第一側面および前記電極絶縁部材を、前記複数の電池セルの各々の前記対極層と電気的に接続された対極取出し層で覆うステップと、前記積層体の第一主面に、前記対極取出し層に接続された対極集電端子を設けるステップと、を含み、前記対極取出し層で覆うステップでは、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も近い電池セルの前記対極層と接続される第一部分の抵抗が、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も遠い電池セルの前記対極層と接続される第二部分の抵抗よりも小さくなるように、前記対極取出し層を形成する。
 これにより、上述した高性能な電池を製造することができる。
 また、例えば、前記対極取出し層で覆うステップでは、前記第一部分における前記対極取出し層の厚みが、前記第二部分における前記対極取出し層の厚みよりも厚くなるように、前記対極取出し層を形成してもよい。
 これにより、対極取出し層の厚みを調整するだけで第一部分の抵抗が小さくなるため、電池を容易に製造できる。
 以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
 なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
 また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
 また、本明細書において、平行または直交などの要素間の関係性を示す用語、および、矩形または直方体などの要素の形状を示す用語、ならびに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
 また、本明細書および図面において、x軸、y軸およびz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。x軸およびy軸はそれぞれ、電池の発電要素の平面視形状が矩形である場合に、当該矩形の第一辺、および、当該第一辺に直交する第二辺に平行な方向に一致する。z軸は、発電要素に含まれる複数の電池セルの積層方向に一致する。
 また、本明細書において、「積層方向」は、集電体および活物質層の主面法線方向に一致する。また、本明細書において、「平面視」とは、単独で使用される場合など、特に断りのない限り、発電要素の主面に対して垂直な方向から見たときのことをいう。なお、「第一側面の平面視」などのように、「ある面の平面視」と記載されている場合は、当該「ある面」を正面から見たときのことをいう。
 また、本明細書において、「上方」および「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)および下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」および「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔を空けて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。以下の説明では、z軸の負側を「下方」または「下側」とし、z軸の正側を「上方」または「上側」とする。
 また、本明細書において、「Aを覆う」という表現は、「A」の少なくとも一部を覆うことを意味する。すなわち、「Aを覆う」とは、「Aの全てを覆う」場合だけでなく、「Aの一部のみを覆う」場合も含む表現である。「A」は、例えば、層または端子などの所定の部材の側面および主面などである。
 また、本明細書において、「第一」、「第二」などの序数詞は、特に断りのない限り、構成要素の数または順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、構成要素を区別する目的で用いられている。
 (実施の形態1)
 以下では、実施の形態1に係る電池の構成について説明する。
 図1は、本実施の形態に係る電池1の断面図である。図1に示されるように、電池1は、発電要素10と、電極絶縁層21と、対極絶縁層22と、対極取出し層31と、電極取出し層32と、対極集電端子41と、電極集電端子42と、対極中間層51と、電極中間層52と、を備える。電池1は、例えば全固体電池である。
 [1.発電要素]
 まず、発電要素10の具体的な構成について、図1、図2Aおよび図2Bを用いて説明する。図2Aは、本実施の形態に係る電池1の上面図である。図2Bは、本実施の形態に係る電池1の下面図である。なお、図1は、図2Aおよび図2BのI-I線における断面を表している。
 発電要素10の平面視形状は、例えば、図2Aおよび図2Bに示されるように矩形である。つまり、発電要素10の形状は、扁平な直方体である。ここで、扁平とは、厚み(すなわち、z軸方向の長さ)が主面の各辺(すなわち、x軸方向およびy軸方向の各々の長さ)または最大幅より短いことを意味する。発電要素10の平面視形状は、正方形、六角形または八角形などの他の多角形であってもよく、円形または楕円形などであってもよい。なお、上述のように、発電要素10は実際には扁平な形状であるが、図1などの断面図では、発電要素10の層構造を分かりやすくするため、各層の厚みを誇張して図示している。
 発電要素10は、図1、図2Aおよび図2Bに示されるように、4つの側面11、12、13および14と、2つの主面15および16と、を含む。本実施の形態では、側面11、12、13および14、ならびに、主面15および16はいずれも、平坦面である。
 側面11は、第一側面の一例である。側面12は、第二側面の一例である。側面11および12は、互いに背向しており、かつ、互いに平行である。側面13および14は、互いに背向しており、かつ、互いに平行である。側面11、12、13および14は、例えば、複数の電池セル100の積層体を一括して切断することにより形成された切断面である。また、側面11、12、13および14は、主面15および16の各辺から、主面15および主面16に対して垂直に立設している。側面11、12、13および14は、積層方向に平行である。側面11、12、13および14は、複数の電池セル100の積層体を一括して切断する際に、積層方向に沿って切断することで形成される。そのため、切断する工程を簡便にできる。また、切断によって電池セル100の各層の面積が正確に定まるため、電池1の容量ばらつきを小さくして、電池容量の精度を高めることができる。
 主面15は、第一主面の一例である。主面16は、第二主面の一例である。主面15および16は、互いに背向しており、かつ、互いに平行である。主面15は、発電要素10の最上面である。主面16は、発電要素10の最下面である。主面15および16はそれぞれ、側面11、12、13および14よりも面積が大きい。
 また、図1に示されるように、側面11および12を通る位置で積層方向に沿って切断した場合の発電要素10の断面形状は、矩形である。
 図1に示されるように、発電要素10は、複数の電池セル100を有する。電池セル100は、例えば、最小構成の電池であり、単位セルとも称される。複数の電池セル100は、電気的に並列接続されて積層されている。本実施の形態では、発電要素10が有する全ての電池セル100が電気的に並列接続されている。図1に示される例では、発電要素10が有する電池セル100の個数が7個であるが、これに限らない。例えば、発電要素10が有する電池セル100の個数は、2個または4個などの偶数個であってもよく、3個または5個などの奇数個であってもよい。
 複数の電池セル100の各々は、電極層110と、対極層120と、固体電解質層130と、を含む。電極層110は、電極集電体111と、電極活物質層112と、を有する。対極層120は、対極集電体121と、対極活物質層122と、を有する。複数の電池セル100の各々では、電極集電体111、電極活物質層112、固体電解質層130、対極活物質層122および対極集電体121がこの順でz軸に沿って積層されている。
 なお、電極層110は、電池セル100の正極層および負極層の一方である。対極層120は、電池セル100の正極層および負極層の他方である。以下では、電極層110が負極層であり、対極層120が正極層である場合を一例として説明する。
 複数の電池セル100の構成は、互いに実質的に同一である。隣り合う2つの電池セル100では、電池セル100を構成する各層の並び順が逆になっている。つまり、電池セル100を構成する各層の並び順が交互に入れ替わりながら、複数の電池セル100は、z軸に沿って並んで積層されている。本実施の形態では、電池セル100の個数が奇数個であるので、発電要素10の最下層および最上層がそれぞれ、異極性の集電体になる。
 以下では、図3Aを用いて、電池セル100の各層の説明を行う。図3Aは、本実施の形態に係る発電要素10に含まれる電池セル100の断面図である。
 電極集電体111と対極集電体121とはそれぞれ、導電性を有する箔状、板状または網目状の部材である。電極集電体111と対極集電体121とはそれぞれ、例えば、導電性を有する薄膜であってもよい。電極集電体111と対極集電体121とを構成する材料としては、例えば、ステンレス(SUS)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)などの金属が用いられうる。電極集電体111と対極集電体121とは、異なる材料を用いて形成されていてもよい。
 電極集電体111および対極集電体121の各々の厚みは、例えば5μm以上100μm以下であるが、これに限らない。電極集電体111の主面には、電極活物質層112が接触している。なお、電極集電体111は、電極活物質層112に接する部分に設けられた、導電性材料を含む層である集電体層を含んでもよい。対極集電体121の主面には、対極活物質層122が接触している。なお、対極集電体121は、対極活物質層122に接する部分に設けられた、導電性材料を含む層である集電体層を含んでもよい。
 電極活物質層112は、電極集電体111の、対極層120側の主面に配置されている。電極活物質層112は、例えば、電極材料として負極活物質を含む。電極活物質層112は、対極活物質層122に対向して配置されている。
 電極活物質層112に含有される負極活物質としては、例えば、グラファイト、金属リチウムなどの負極活物質が用いられうる。負極活物質の材料としては、リチウム(Li)またはマグネシウム(Mg)などのイオンを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
 また、電極活物質層112の含有材料としては、例えば、無機系固体電解質などの固体電解質が用いられてもよい。無機系固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、硫化リチウム(LiS)および五硫化二リン(P)の混合物が用いられうる。また、電極活物質層112の含有材料としては、例えばアセチレンブラックなどの導電材、または、例えばポリフッ化ビニリデンなどの結着用バインダーなどが用いられてもよい。
 電極活物質層112の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を、電極集電体111の主面上に塗工し乾燥させることにより、電極活物質層112が作製される。電極活物質層112の密度を高めるために、乾燥後に、電極活物質層112および電極集電体111を含む電極層110(電極板とも称される)をプレスしておいてもよい。電極活物質層112の厚みは、例えば5μm以上300μm以下であるが、これに限らない。
 対極活物質層122は、対極集電体121の、電極層110側の主面に配置されている。対極活物質層122は、例えば活物質などの正極材料を含む層である。正極材料は、負極材料の対極を構成する材料である。対極活物質層122は、例えば、正極活物質を含む。
 対極活物質層122に含有される正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム複合酸化物(LCO)、ニッケル酸リチウム複合酸化物(LNO)、マンガン酸リチウム複合酸化物(LMO)、リチウム-マンガン-ニッケル複合酸化物(LMNO)、リチウム-マンガン-コバルト複合酸化物(LMCO)、リチウム-ニッケル-コバルト複合酸化物(LNCO)、リチウム-ニッケル-マンガン-コバルト複合酸化物(LNMCO)などの正極活物質が用いられうる。正極活物質の材料としては、LiまたはMgなどのイオンを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
 また、対極活物質層122の含有材料としては、例えば、無機系固体電解質などの固体電解質が用いられてもよい。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、LiSおよびPの混合物が用いられうる。正極活物質の表面は、固体電解質でコートされていてもよい。また、対極活物質層122の含有材料としては、例えばアセチレンブラックなどの導電材、または、例えばポリフッ化ビニリデンなどの結着用バインダーなどが用いられてもよい。
 対極活物質層122の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を、対極集電体121の主面上に塗工し乾燥させることにより、対極活物質層122が作製される。対極活物質層122の密度を高めるために、乾燥後に、対極活物質層122および対極集電体121を含む対極層120(対極板とも称される)をプレスしておいてもよい。対極活物質層122の厚みは、例えば5μm以上300μm以下であるが、これに限らない。
 固体電解質層130は、電極活物質層112と対極活物質層122との間に配置される。固体電解質層130は、電極活物質層112と対極活物質層122との各々に接する。固体電解質層130は、電解質材料を含む層である。電解質材料としては、一般に公知の電池用の電解質が用いられうる。固体電解質層130の厚みは、5μm以上300μm以下であってもよく、または、5μm以上100μm以下であってもよい。
 固体電解質層130は、固体電解質を含んでいる。固体電解質としては、例えば、無機系固体電解質などの固体電解質が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、LiSおよびPの混合物が用いられうる。なお、固体電解質層130は、電解質材料に加えて、例えばポリフッ化ビニリデンなどの結着用バインダーなどを含有してもよい。
 本実施の形態では、電極活物質層112、対極活物質層122、固体電解質層130は平行平板状に維持されている。これにより、湾曲による割れまたは崩落の発生を抑制することができる。なお、電極活物質層112、対極活物質層122、固体電解質層130を合わせて滑らかに湾曲させてもよい。
 また、本実施の形態では、対極層120の側面11側の端面と電極層110の側面11側の端面とは、電池セル100の各層の並ぶ方向かつ側面11の延在方向に沿って見た場合、つまり、本実施の形態においてはz軸方向から見た場合に一致している。具体的には、対極集電体121の側面11側の端面と電極集電体111の側面11側の端面とは、電池セル100の各層の並ぶ方向かつ側面11の延在方向に沿って見た場合に一致している。対極集電体121および電極集電体111の各々の側面12側の端面においても同様である。
 より具体的には、電池セル100では、電極集電体111、電極活物質層112、固体電解質層130、対極活物質層122および対極集電体121の各々の形状および大きさが同じであり、各々の輪郭が一致している。つまり、電池セル100の形状は、扁平な直方体状の平板形状である。なお、対極集電体121は、側面11において、電極活物質層112、固体電解質層130および対極活物質層122の端面よりも突出していてもよい。また、対極活物質層122は、側面11において、対極集電体121よりも後退していてもよい。同様に、電極集電体111は、側面12において、電極活物質層112、固体電解質層130および対極活物質層122の端面よりも突出していてもよい。また、電極活物質層112は、側面12において、電極集電体111よりも後退していてもよい。このような集電体の主面が露出する構造になることで、集電体と取出し層との接続面積を増やすことができる。このような構造は、例えば、一部切断、研磨、サンドブラスト、ブラッシング、エッチングまたはプラズマ照射などによって電池セル100の端部を処理することにより形成される。
 図1に示されるように、本実施の形態では、隣り合う2つの電池セル100において、集電体が共有されている。例えば、最下層の電池セル100とその1つ上の電池セル100とは、1つの電極集電体111を共有している。
 具体的には、図1に示されるように、複数の電池セル100において、互いに隣り合う2つの電極層110は、互いの電極集電体111を共有している。共有される電極集電体111の主面の両面に電極活物質層112が設けられている。また、互いに隣り合う2つの対極層120は、互いの対極集電体121を共有している。共有される対極集電体121の主面の両面に対極活物質層122が設けられている。
 このような電池1は、図3Aに示される電池セル100だけでなく、図3Bおよび図3Cに示される電池セル100Bおよび100Cを組み合わせて積層することで形成される。なお、ここでは、図3Aに示される電池セル100を電池セル100Aとして説明する。
 図3Bに示される電池セル100Bは、図3Aに示される電池セル100Aから電極集電体111を除いた構成を有する。つまり、電池セル100Bの電極層110Bは、電極活物質層112のみからなる。
 図3Cに示される電池セル100Cは、図3Aに示される電池セル100Aから対極集電体121を除いた構成を有する。つまり、電池セル100Cの対極層120Cは、対極活物質層122のみからなる。
 図4は、本実施の形態に係る発電要素10を示す断面図である。図4は、図1の発電要素10のみを抜き出した図である。図4に示されるように、最下層に電池セル100Aを配置し、上方に向かって電池セル100Bおよび100Cを交互に積層する。このとき、電池セル100Aおよび電池セル100Bはそれぞれ、図3Aまたは図3Bに図示された向きとは上下反対にして積層する。これにより、発電要素10が形成される。
 なお、発電要素10を形成する方法は、これに限定されない。例えば、電池セル100Aを最上層に配置してもよい。あるいは、電池セル100Aを最上層および最下層のいずれとも異なる位置に配置してもよい。また、複数の電池セル100Aを用いてもよい。また、1枚の集電体に対して両面塗工を行うことにより、集電体を共有する2つの電池セル100のユニットを形成し、形成したユニットを積層してもよい。
 以上のように、本実施の形態に係る発電要素10では、全ての電池セル100が並列接続されており、直列接続された電池セルが含まれていない。このため、電池1の充放電時に、電池セル100の容量ばらつきなどに起因する充放電状態の不均一が発生しにくくなる。このため、複数の電池セル100の一部が過充電および過放電になるおそれを大幅に小さくすることができ、電池1の信頼性を高めることができる。
 [2.絶縁層]
 次に、電極絶縁層21および対極絶縁層22について説明する。
 電極絶縁層21は、電極絶縁部材の一例であり、図1に示されるように、側面11において電極層110を覆っている。具体的には、電極絶縁層21は、側面11において電極集電体111および電極活物質層112を完全に覆っている。
 図5は、本実施の形態に係る発電要素10の側面11と側面11に設けられた電極絶縁層21との位置関係を示す側面図である。なお、図5では、側面11に表れる各層の端面に対して、図1の断面に示される各層の網掛けと同じ網掛けを付している。これは、後述する図6についても同様である。
 図5の(a)は、発電要素10の側面図であり、側面11を正面から見た平面図である。図5の(b)は、図5の(a)の側面11と側面11に設けられた電極絶縁層21とを示している。つまり、図5の(b)は、対極取出し層31を透視して図1の電池1をx軸の負側から見たときの側面図である。
 図5の(b)に示されるように、電極絶縁層21は、側面11において、複数の電池セル100の各々の電極層110を覆っている。電極絶縁層21は、複数の電池セル100の各々の対極層120の少なくとも一部を覆っていない。例えば電極絶縁層21は、対極集電体121を覆っていない。このため、電極絶縁層21は、側面11の平面視において、ストライプ形状を有する。
 このとき、電極絶縁層21は、隣り合う2つの電池セル100の電極層110を連続的に覆っている。具体的には、電極絶縁層21は、隣り合う2つの電池セル100の一方の固体電解質層130の少なくとも一部から、隣り合う2つの電池セル100の他方の固体電解質層130の少なくとも一部までを連続的に覆っている。
 このように、電極絶縁層21は、側面11において、固体電解質層130の少なくとも一部を覆っている。具体的には、側面11を平面視した場合に、電極絶縁層21の輪郭は、固体電解質層130に重なっている。これにより、電極絶縁層21の製造ばらつきによって幅(z軸方向の長さ)が変動したとしても、電極層110を露出させるおそれが低くなる。このため、電極絶縁層21を覆うように形成される対極取出し層31を介して電極層110と対極層120とが短絡するのを抑制することができる。また、粉体状の材料で形成されている固体電解質層130の端面は、非常に微細な凹凸が存在する。このため、電極絶縁層21が当該凹凸に入り込むことで、電極絶縁層21の密着強度が向上し、絶縁信頼性が向上する。
 本実施の形態では、電極絶縁層21は、側面11において、固体電解質層130の全てを覆っていてもよい。具体的には、電極絶縁層21の輪郭は、固体電解質層130と対極活物質層122との境界に重なっていてもよい。なお、電極絶縁層21は、固体電解質層130の一部を覆うことは必須ではない。例えば、電極絶縁層21の輪郭は、固体電解質層130と電極活物質層112との境界に重なっていてもよい。また、電極絶縁層21は、側面11において、電極層110だけでなく、固体電解質層130の全ておよび対極層120の一部を覆っていてもよい。つまり、電極絶縁層21は、電極層110から対極層120の一部、例えば、対極活物質層122の少なくとも一部までを覆っていてもよい。
 図5の(b)では、電極絶縁層21が電極層110毎に分離して設けられているが、これに限らない。例えば、電極絶縁層21は、ストライプ形状の部分に加えて、側面11のy軸方向における端部において、z軸方向に沿って設けられていてもよい。つまり、電極絶縁層21の形状は、側面11の平面視において、はしご形状であってもよい。このように、電極絶縁層21は、対極集電体121の一部を覆っていてもよい。
 また、本実施の形態に係る発電要素10では、最下層が電極集電体111である。図1および図5の(b)に示されるように、側面11の下端の近傍では、電極絶縁層21は、最下層の位置する電極集電体111の主面(つまり、主面16)の一部を覆っている。これにより、電極絶縁層21は、z軸方向からの外力などに強く、脱離が抑制される。また、対極取出し層31が発電要素10の主面16に回り込んだ場合も、電極集電体111に接触し、短絡を発生させないようにすることができる。このように、電池1の信頼性を高めることができる。
 対極絶縁層22は、対極絶縁部材の一例であり、図1に示されるように、側面12において対極層120を覆っている。具体的には、対極絶縁層22は、側面12において対極集電体121および対極活物質層122を完全に覆っている。
 図6は、本実施の形態に係る発電要素10の側面12と側面12に設けられた対極絶縁層22との位置関係を示す側面図である。図6の(a)は、発電要素10の側面図であり、側面12を正面から見た平面図である。図6の(b)は、図6の(a)の側面12と側面12に設けられた対極絶縁層22とを示している。つまり、図6の(b)は、電極取出し層32を透視して図1の電池1をx軸の正側から見たときの側面図である。
 図6の(b)に示されるように、対極絶縁層22は、側面12において、複数の電池セル100の各々の対極層120を覆っている。対極絶縁層22は、複数の電池セル100の各々の電極層110の少なくとも一部を覆っていない。例えば、対極絶縁層22は、電極集電体111を覆っていない。このため、対極絶縁層22は、側面12の平面視において、ストライプ形状を有する。
 このとき、対極絶縁層22は、隣り合う2つの電池セル100の対極層120を連続的に覆っている。具体的には、対極絶縁層22は、隣り合う2つの電池セル100の一方の固体電解質層130の少なくとも一部から、隣り合う2つの電池セル100の他方の固体電解質層130の少なくとも一部までを連続的に覆っている。
 このように、対極絶縁層22は、側面12において、固体電解質層130の少なくとも一部を覆っている。具体的には、側面12を平面視した場合に、対極絶縁層22の輪郭は、固体電解質層130に重なっている。これにより、対極絶縁層22の製造ばらつきによって幅(z軸方向の長さ)が変動したとしても、対極層120を露出させるおそれが低くなる。このため、対極絶縁層22を覆うように形成される電極取出し層32を介して対極層120と電極層110とが短絡するのを抑制することができる。また、対極絶縁層22が固体電解質層130の端面の凹凸に入り込むことで、対極絶縁層22の密着強度が向上し、絶縁信頼性が向上する。
 本実施の形態では、対極絶縁層22は、側面12において、固体電解質層130の全てを覆っていてもよい。具体的には、対極絶縁層22の輪郭は、固体電解質層130と電極活物質層112との境界に重なっていてもよい。なお、対極絶縁層22は、固体電解質層130の一部を覆うことは必須ではない。例えば、対極絶縁層22の輪郭は、固体電解質層130と対極活物質層122との境界に重なっていてもよい。また、対極絶縁層22は、側面12において、対極層120だけでなく、固体電解質層130の全ておよび電極層110の一部を覆っていてもよい。つまり、対極絶縁層22は、対極層120から電極層110の一部、例えば、電極活物質層112の少なくとも一部までを覆っていてもよい。
 図6の(b)では、対極絶縁層22が対極層120毎に分離して設けられているが、これに限らない。例えば、対極絶縁層22は、ストライプ形状の部分に加えて、側面12のy軸方向における端部において、z軸方向に沿って設けられていてもよい。つまり、対極絶縁層22の形状は、側面12の平面視において、はしご形状であってもよい。このように、対極絶縁層22は、電極集電体111の一部を覆っていてもよい。
 また、本実施の形態に係る発電要素10では、最上層が対極集電体121である。図1および図6の(b)に示されるように、側面12の上端の近傍では、対極絶縁層22は、最上層に位置する対極集電体121の主面(つまり、主面15)の一部を覆っている。これにより、対極絶縁層22は、z軸方向からの外力などに強く、脱離が抑制される。また、電極取出し層32が発電要素10の主面15に回り込んだ場合も、対極集電体121に接触し、短絡を発生させないようにすることができる。このように、電池1の信頼性を高めることができる。
 電極絶縁層21および対極絶縁層22はそれぞれ、電気的に絶縁性を有する絶縁材料を用いて形成されている。例えば、電極絶縁層21および対極絶縁層22はそれぞれ、樹脂を含む。樹脂は、例えばエポキシ系の樹脂であるが、これに限定されない。なお、絶縁材料として無機材料が用いられてもよい。使用可能な絶縁材料としては、柔軟性、ガスバリア性、耐衝撃性、耐熱性などの様々な特性を基に選定される。電極絶縁層21および対極絶縁層22は、互いに同じ材料を用いて形成されるが、異なる材料を用いて形成されてもよい。
 [3.取出し層]
 次に、対極取出し層31および電極取出し層32について説明する。
 対極取出し層31は、図1に示されるように、側面11および電極絶縁層21を覆い、対極層120と電気的に接続された導電部である。具体的には、対極取出し層31は、電極絶縁層21と、側面11のうち電極絶縁層21に覆われていない部分とを覆っている。
 側面11のうち電極絶縁層21に覆われていない部分には、図5の(b)に示されるように、対極集電体121および対極活物質層122の各々の端面が露出している。このため、対極取出し層31は、対極集電体121および対極活物質層122の各々の端面に接触し、対極層120と電気的に接続される。対極活物質層122は、粉体状の材料で形成されているので、固体電解質層130と同様に、非常に微細な凹凸が存在する。対極取出し層31が対極活物質層122の端面の凹凸に入り込むことで、対極取出し層31の密着強度が向上し、電気的な接続の信頼性が向上する。
 対極取出し層31は、複数の電池セル100の各々の対極層120と電気的に接続されている。つまり、対極取出し層31は、各電池セル100を電気的に並列接続する機能を担っている。図1に示されるように、対極取出し層31は、側面11の下端から上端までほぼ全体を一括して覆っている。
 本実施の形態に係る発電要素10では、最上層が対極集電体121である。図1に示されるように、側面11の上端では、対極取出し層31は、最上層に位置する対極集電体121の主面の一部、すなわち、発電要素10の主面15を覆っている。これにより、対極取出し層31は、z軸方向からの外力などに強く、脱離が抑制される。また、対極取出し層31と対極集電体121との接触面積が大きくなるので、対極取出し層31と対極集電体121との接続抵抗が低くなり、大電流特性を向上させることができる。例えば、電池1の急速充電が可能になる。なお、最上層が電極集電体111である場合、対極取出し層31は、電極集電体111を覆う絶縁層を介して主面15を覆ってもよい。
 また、対極取出し層31は、複数の電池セル100のうちの主面15に最も近い電池セル100の対極層120と接続される第一部分P1と、複数の電池セル100のうちの主面15に最も遠い電池セル100の対極層120と接続される第二部分P2と、を含む。第一部分P1は、具体的には、対極取出し層31のうち、複数の電池セル100のうちの主面15に最も近い電池セル100の対極層120と、主面15からの積層方向における距離が同じ範囲の部分である。また、第二部分P2は、具体的には、対極取出し層31のうち、複数の電池セル100のうちの主面15に最も遠い電池セル100の対極層120と、主面15からの積層方向における距離が同じ範囲の部分である。また、本実施の形態では、対極集電端子41が主面15上に配置されるため、主面15に対して近いまたは遠い電池セル100とは、対極集電端子41に対して近いまたは遠い電池セル100と言い換えてもよい。例えば、第一部分P1および第二部分P2は、それぞれ、対応する対極層120に接している。
 対極取出し層31において、第一部分P1の抵抗は、第二部分P2の抵抗よりも小さい。この抵抗は、具体的には、対極層120と対極集電端子41との電気的な接続経路において流れる電流に対する電気抵抗である。電池1においては、電池1と配線回路(負荷)との接続は、対極集電端子41および電極集電端子42を介して行われる。第一部分P1の抵抗が第二部分P2の抵抗よりも小さいことにより、対極層120と対極集電端子41との電気的な接続経路において流れる電流は、複数の電池セル100の全ての対極層120に対応する電流が流れる第一部分P1で、1つの対極層120に対応する電流が流れる第二部分P2よりも流れやすくなる。よって、各対極層120と対極集電端子41との間で流れる電流の均一性を高めることができる。その結果、各対極層120が均一に充電および放電しやすく、特定の電池セル100が過充電および過放電になることを抑制できる。特に大電流で充放電を行う場合に、このような効果は顕著である。
 本実施の形態においては、第一部分P1における対極取出し層31の厚みは、第二部分P2における対極取出し層31の厚みよりも厚い。言い換えると、第一部分P1の側面11からの高さは、第二部分P2の側面11からの高さよりも高い。これにより、対極取出し層31を厚み方向に沿って切断した場合の、第一部分P1の断面積が、第二部分P2の断面積よりも大きくなり、第一部分P1の抵抗は、第二部分P2の抵抗よりも小さくなる。このように、対極取出し層31の厚みを調整するだけで上述の電流の均一性を高める効果が得られるため、電池1を容易に形成することができる。
 また、対極取出し層31の側面11からの高さは、積層方向に沿って対極集電端子41に近づく(つまり、主面15に近づく)に従って高くなる。これにより、対極取出し層31において、対極集電端子41に近い対極層120に接続される部分ほど、対極取出し層31の厚みが厚くなり、抵抗が小さくなる。よって、各対極層120と対極集電端子41との間で流れる電流の均一性をさらに高めることができる。対極取出し層31の側面11からの高さは、言い換えると、対極取出し層31の側面11側とは反対側の面と側面11との距離である。なお、図1に示される例では、対極取出し層31の高さは、なだらかにカーブして高くなっているが、これに限らず、直線状に高くなってもよく、階段状で高くなってもよい。
 電極取出し層32は、図1に示されるように、側面12および対極絶縁層22を覆い、電極層110と電気的に接続された導電部である。具体的には、電極取出し層32は、対極絶縁層22と、側面12のうち対極絶縁層22に覆われていない部分とを覆っている。
 側面12のうち対極絶縁層22に覆われていない部分には、図6の(b)に示されるように、電極集電体111および電極活物質層112の各々の端面が露出している。このため、電極取出し層32は、電極集電体111および電極活物質層112の各々の端面に接触し、電極層110と電気的に接続される。電極活物質層112は、粉体状の材料で形成されているので、固体電解質層130と同様に、非常に微細な凹凸が存在する。電極取出し層32が電極活物質層112の端面の凹凸に入り込むことで、電極取出し層32の密着強度が向上し、電気的な接続の信頼性が向上する。
 電極取出し層32は、複数の電池セル100の各々の電極層110と電気的に接続されている。つまり、電極取出し層32は、各電池セル100を電気的に並列接続する機能を担っている。図1に示されるように、電極取出し層32は、側面12の下端から上端までほぼ全体を一括して覆っている。
 本実施の形態に係る発電要素10では、最下層が電極集電体111である。図1に示されるように、側面12の下端では、電極取出し層32は、最下層に位置する電極集電体111の主面の一部、すなわち、発電要素10の主面16を覆っている。これにより、電極取出し層32は、z軸方向からの外力などに強く、脱離が抑制される。また、電極取出し層32と電極集電体111との接触面積が大きくなるので、電極取出し層32と電極集電体111との接続抵抗が低くなり、大電流特性を向上させることができる。例えば、電池1の急速充電が可能となる。なお、最上層が対極集電体121である場合、対極取出し層31は、対極集電体121を覆う絶縁層を介して主面16を覆ってもよい。
 また、電極取出し層32は、複数の電池セル100のうちの主面16に最も近い電池セル100の電極層110と接続される第三部分P3と、複数の電池セル100のうちの主面16に最も遠い電池セル100の電極層110と接続される第四部分P4と、を含む。第三部分P3は、具体的には、電極取出し層32のうち、複数の電池セル100のうちの主面16に最も近い電池セル100の電極層110と、主面16からの積層方向における距離が同じ範囲の部分である。また、第四部分P4は、具体的には、電極取出し層32のうち、複数の電池セル100のうちの主面16に最も遠い電池セル100の電極層110と、主面16からの積層方向における距離が同じ範囲の部分である。また、本実施の形態では、電極集電端子42が主面16上に配置されるため、主面16に対して近いまたは遠い電池セル100とは、電極集電端子42に対して近いまたは遠い電池セル100と言い換えてもよい。例えば、第三部分P3および第四部分P4は、それぞれ、対応する電極層110に接している。
 電極取出し層32において、第三部分P3の抵抗は、第四部分P4の抵抗よりも小さい。この抵抗は、具体的には、電極層110と電極集電端子42との電気的な接続経路において流れる電流に対する電気抵抗である。電池1においては、電池1と配線回路(負荷)との接続は、対極集電端子41および電極集電端子42を介して行われる。第三部分P3の抵抗が第四部分P4の抵抗よりも小さいことにより、電極層110と電極集電端子42との電気的な接続経路において流れる電流は、複数の電池セル100の全ての電極層110に対応する電流が流れる第三部分P3で、1つの電極層110に対応する電流が流れる第四部分P4よりも流れやすくなる。よって、各電極層110と電極集電端子42との間で流れる電流の均一性を高めることができる。その結果、各電極層110が均一に充電および放電しやすく、特定の電池セル100が過充電および過放電になることを抑制できる。特に大電流で充放電を行う場合に、このような効果は顕著である。
 本実施の形態においては、第三部分P3における電極取出し層32の厚みは、第四部分P4における電極取出し層32の厚みよりも厚い。言い換えると、第三部分P3の側面12からの高さは、第四部分P4の側面12からの高さよりも高い。これにより、電極取出し層32を厚み方向に沿って切断した場合の、第三部分P3の断面積が、第四部分P4の断面積よりも大きくなり、第三部分P3の抵抗は、第四部分P4の抵抗よりも小さくなる。このように、電極取出し層32の厚みを調整するだけで上述の電流の均一性を高める効果が得られるため、電池1を容易に形成することができる。
 また、電極取出し層32の側面12からの高さは、積層方向に沿って電極集電端子42に近づく(つまり、主面16に近づく)に従って高くなる。これにより、電極取出し層32において、電極集電端子42に近い電極層110に接続される部分ほど、電極取出し層32の厚みが厚くなり、抵抗が小さくなる。よって、各電極層110と電極集電端子42との間で流れる電流の均一性をさらに高めることができる。電極取出し層32の側面12からの高さは、言い換えると、電極取出し層32の側面12側とは反対側の面と側面12との距離である。なお、図1に示される例では、電極取出し層32の高さは、なだらかにカーブして高くなっているが、これに限らず、直線状に高くなってもよく、階段状で高くなってもよい。
 対極取出し層31および電極取出し層32は、導電性を有する樹脂材料などを用いて形成されている。導電性を有する樹脂材料は、例えば、樹脂と、樹脂中に充填された、金属粒子等で構成される導電材料と、を含む。あるいは、対極取出し層31および電極取出し層32は、半田などの金属材料を用いて形成されていてもよい。使用可能な導電性の材料としては、柔軟性、ガスバリア性、耐衝撃性、耐熱性、半田濡れ性などの様々な特性を基に選定される。対極取出し層31および電極取出し層32は、互いに同じ材料を用いて形成されるが、異なる材料を用いて形成されてもよい。
 [4.集電端子]
 次に、対極集電端子41および電極集電端子42について説明する。
 対極集電端子41は、対極取出し層31に接続された導電端子である。対極集電端子41は、電池1の外部接続端子の1つであり、本実施の形態では、正極の取出し端子である。図1に示されるように、対極集電端子41は、発電要素10の主面15上に、対極中間層51を介して配置されている。
 図2Aに示されるように、対極集電端子41は、主面15の平面視において、側面11から離れて配置されている。つまり、主面15のうち、側面11と対極集電端子41との間の領域を覆うように対極取出し層31が設けられている。対極取出し層31は、側面11から主面15まで連続的に覆い、対極集電端子41に接続されている。このとき、対極取出し層31の主面15からの高さは、対極集電端子41の主面15からの高さ以下である。つまり、対極取出し層31は、対極集電端子41の上面を覆わないように対極集電端子41の端面に接触している。対極集電端子41の上面が電池1の最上面になることで、電池1の実装時に対極集電端子41に対する接続を容易に行うことができる。なお、下記の電極取出し層32と電極集電端子42との位置関係のように、対極取出し層31は、対極集電端子41の上面を覆っていてもよい。
 電極集電端子42は、電極取出し層32に接続された導電端子である。電極集電端子42は、電池1の外部接続端子の1つであり、本実施の形態では、負極の取出し端子である。図1に示されるように、電極集電端子42は、発電要素10の主面16上に、電極中間層52を介して配置されている。
 図2Bに示されるように、電極集電端子42は、主面16の平面視において、側面12から離れて配置されている。つまり、主面16のうち、側面12と電極集電端子42との間の領域を覆うように電極取出し層32が設けられている。電極取出し層32は、側面12から主面16まで連続的に覆い、電極集電端子42に接続されている。このとき、電極取出し層32の主面16からの高さは、電極集電端子42の主面16からの高さ以上である。つまり、電極取出し層32は、電極集電端子42の下面を覆い、かつ、電極集電端子42の端面に接触している。電極集電端子42の下面が電極取出し層32に覆われることで、電極集電端子42の脱離を抑制できる。なお、上記の対極取出し層31と対極集電端子41との位置関係のように、電極取出し層32は、電極集電端子42の下面を覆わなくてもよい。
 このように、本実施の形態では、対極集電端子41と電極集電端子42とは、発電要素10の、互いに異なる主面15および16にそれぞれ設けられている。極性の異なる2つの端子が離れて配置されるので、短絡の発生を抑制することができる。また、電池1を配線端子に挟み込んで用いることができるため、脱着容易に使用できる。
 本実施の形態では、対極集電端子41は、例えば、対極集電体121よりも導電性が高い。例えば、対極集電端子41の厚み(z軸方向の長さ)は、対極集電体121の厚みよりも厚い。また、図2Aに示されるように、対極集電端子41は、主面15の半分以上を占めるように設けられている。例えば、対極集電端子41の長さ(すなわち、x軸方向の長さ)は、側面13および14の長さ(すなわち、x軸方向の長さ)の半分以上である。例えば、対極集電端子41の幅(すなわち、y軸方向の長さ)は、側面11の幅(すなわち、y軸方向の長さ)の半分以上である。対極集電端子41の幅を対極取出し層31の幅(すなわち、y軸方向の長さ)と同等にすることができる。これにより、対極取出し層31から対極集電端子41へと電流が流れる方向に対する幅を広くすることができるので、抵抗を低くすることができ、大電流の取出しに効果的である。また、対極集電端子41の面積を大きく確保することができるので、実装基板(図示せず)に実装された場合に、実装基板の導電部分との接触面積を大きくすることができ、接触抵抗を低くすることができる。この点からも、大電流の取出しに効果的である。なお、本明細書において、部材の「導電性が高い」とは、部材を構成する材料固有の電気抵抗率が低いという意味ではなく、電流が流れる方向に直交する断面積を電気抵抗率で除算した値が大きいという意味である。
 電極集電端子42は、例えば、電極集電体111よりも導電性が高い。例えば、電極集電端子42の厚み(z軸方向の長さ)は、電極集電体111の厚みよりも厚い。また、図2Bに示されるように、電極集電端子42は、主面16の半分以上を占めるように設けられている。例えば、電極集電端子42の長さ(すなわち、x軸方向の長さ)は、側面13および14の長さ(すなわち、x軸方向の長さ)の半分以上である。例えば、電極集電端子42の幅(すなわち、y軸方向の長さ)は、側面12の幅(すなわち、y軸方向の長さ)の半分以上である。電極集電端子42の幅を電極取出し層32の幅(すなわち、y軸方向の長さ)と同等にすることができる。これにより、電極取出し層32から電極集電端子42へと電流が流れる方向に対する幅を広くすることができるので、抵抗を低くすることができ、大電流の取出しに効果的である。また、電極集電端子42の面積を大きく確保することができるので、実装基板(図示せず)に実装された場合に、実装基板の導電部分との接触面積を大きくすることができ、接触抵抗を低くすることができる。この点からも、大電流の取出しに効果的である。
 対極集電端子41および電極集電端子42はそれぞれ、導電性を有する材料を用いて形成されている。例えば、対極集電端子41および電極集電端子42は、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属からなる金属箔または金属板である。あるいは、対極集電端子41および電極集電端子42は、硬化された半田であってもよい。
 [5.中間層]
 次に、対極中間層51および電極中間層52について説明する。
 対極中間層51は、対極集電端子41と主面15との間に配置されている。本実施の形態では、主面15が対極集電体121の主面であるため、対極集電端子41と主面15との絶縁を確保しなくてもよい。このため、対極中間層51は、導電層であってもよい。また、対極中間層51は設けられていなくてもよい。
 電極中間層52は、電極集電端子42と主面16との間に配置されている。本実施の形態では、主面16が電極集電体111の主面であるため、電極集電端子42と主面16との絶縁を確保しなくてもよい。このため、電極中間層52は、導電層であってもよい。また、電極中間層52は設けられていなくてもよい。
 対極中間層51の平面視形状および大きさは、対極集電端子41と同じであるが、これに限定されない。例えば、対極中間層51は、平面視において、対極集電端子41より大きくてもよく、小さくてもよい。例えば、対極中間層51は、主面15の全域を覆っていてもよい。
 電極中間層52の平面視形状および大きさは、電極集電端子42と同じであるが、これに限定されない。例えば、電極中間層52は、平面視において、電極集電端子42より大きくてもよく、小さくてもよい。例えば、電極中間層52は、主面16の全域を覆っていてもよい。
 対極中間層51および電極中間層52は、例えば、電気的に絶縁性を有する絶縁材料を用いて形成されている。例えば、対極中間層51および電極中間層52はそれぞれ、樹脂を含む。樹脂は、例えばエポキシ系の樹脂であるが、これに限定されない。なお、絶縁材料として無機材料が用いられてもよい。対極中間層51および電極中間層52は、互いに同じ材料を用いて形成されるが、異なる材料を用いて形成されてもよい。なお、対極中間層51および電極中間層52が導電層である場合、金属または導電性樹脂などを用いて形成することができる。
 また、対極中間層51および電極中間層52が備えられることによって、対極集電端子41および電極集電端子42それぞれの主面15および16からの高さを調整することができる。
 本実施の形態において、対極集電端子41と電極集電端子42との配置が逆であってもよい。すなわち、対極集電端子41が主面16に配置されていてもよく、電極集電端子42が主面15に配置されていてもよい。この場合、主面16が電極集電体111の主面であるので、主面16と対極集電端子41との絶縁を確保するため、主面16と対極集電端子41との間には、絶縁層からなる対極中間層51が配置される。同様に、主面15が対極集電体121の主面であるため、主面15と電極集電端子42との絶縁を確保するため、主面15と電極集電端子42との間には、絶縁層からなる電極中間層52が配置される。
 対極中間層51および電極中間層52は、絶縁の確保以外にも、耐衝撃性、防錆、防水などの付加的な機能を有してもよい。対極中間層51および電極中間層52としては、これらの機能に適した材料を利用することができる。対極中間層51および電極中間層52はそれぞれ、複数の異なる材料の積層構造を有してもよい。
 [6.まとめ]
 以上のように、本実施の形態に係る電池1では、対極取出し層31および電極取出し層32はそれぞれ、複数の電池セル100の並列接続の機能を担う。図1に示されるように、対極取出し層31および電極取出し層32はそれぞれ、発電要素10の側面11および12を密着して覆うように形成されるので、これらの体積を小さくすることができる。つまり、従来用いられていた集電用のタブ電極に比べて、端子電極の体積が小さくなるので、電池1の体積あたりのエネルギー密度を向上させることができる。
 また、最上層に位置する対極集電体121とは異なる部材である対極集電端子41が、絶縁層である対極中間層51を介して設けられているので、最上層の対極集電体121への電流集中を抑制することができる。本実施の形態によれば、各電池セル100からの電流の経路として、対極取出し層31および対極集電端子41、ならびに、電極取出し層32および電極集電端子42が利用される。このため、最上層の対極集電体121への電流集中を抑制することができ、電池1の信頼性を高めることができる。最下層の電極集電端子42および電極中間層52についても同様のことがいえる。
 また、対極取出し層31において、対極集電端子41に最も近い対極層120に接続される第一部分P1には、複数の電池セル100の全ての対極層120に対応する電流が流れる。一方、対極集電端子41に最も遠い対極層120に接続される第二部分P2には、1つの対極層120に対応する電流が流れる。対極取出し層31において、第一部分P1の抵抗は、第二部分P2の抵抗よりも小さいので、対極層120と対極集電端子41との電気的な接続経路において流れる電流は、全ての対極層120に対応する電流が流れる第一部分P1で、1つの対極層120に対応する電流が流れる第二部分P2よりも流れやすくなる。よって、各対極層120と対極集電端子41との間で流れる電流の均一性を高めることができる。その結果、各対極層120が均一に充電および放電しやすく、特定の電池セル100が過充電および過放電になることを抑制でき、電池1の信頼性を高めることができる。電極取出し層32においても同様のことがいえる。
 (実施の形態2)
 続いて、実施の形態2について説明する。
 実施の形態2に係る電池では、実施の形態1に係る電池と比較して、発電要素の側面が積層方向に対して傾斜している点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
 図7は、本実施の形態に係る電池201の断面図である。図7に示されるように、電池201は、実施の形態1に係る電池1と比較して、発電要素10の代わりに発電要素20を備える点で相違する。発電要素20は、発電要素10の側面11および12の代わりに、積層方向に対して傾斜した側面211および212を含む。なお、図示されていないが、発電要素20は、側面211および212以外の側面として、発電要素10と同様の積層方向に平行な側面13および14を含む。
 側面211は、第一側面の一例である。側面212は、第二側面の一例である。側面211および212は、互いに背向しており、かつ、互いに平行である。また、側面211および212は、主面15および16の対向する二辺からそれぞれ立設している。
 側面211は、側面211と主面15とが成す内角が鈍角になるように、積層方向に対して傾斜している。そのため、側面211は、側面211の主面15側よりも、側面211の主面16側の方が外側になるように傾斜する。また、側面212は、側面212と主面16とが成す内角が鈍角になるように、積層方向に対して傾斜している。そのため、側面212は、側面212の主面16側よりも、側面212の主面15側の方が外側になるように傾斜する。また、図7に示されるように、側面211および212を通る位置で積層方向に沿って切断した場合の発電要素20の断面形状は、平行四辺形である。これにより、対極取出し層31が、対極集電端子41により近い第一部分P1で第二部分P2より厚くなり、電極取出し層32が、電極集電端子42により近い第三部分P3で第四部分P4より厚くなる場合であっても、対極取出し層31の外側面の主面15に対する角度および電極取出し層32の外側面の主面16に対する角度を直角に近づけることができる。特に、発電要素20の断面形状がこのような平行四辺形であることにより、電池201全体の形状としては直方体に近づけることができる。そのため、基板に電池201を実装する場合等において、無駄な空間が形成されにくく、電池201の基板への実装性が向上する。
 側面211および212は、例えば、複数の電池セル100の積層体を一括して切断することにより形成された切断面である。側面211および212は、複数の電池セル100の積層体を一括して切断する際に、積層方向に対して傾斜する方向に沿って切断することで形成される。なお、発電要素20の側面211および212以外の側面は、側面211および212と同様に積層方向に対して傾斜していてもよい。
 また、電池201でも、電池1と同様に、第一部分P1における対極取出し層31の厚みは、第二部分P2における対極取出し層31の厚みよりも厚い。言い換えると、第一部分P1の側面211からの高さは、第二部分P2の側面211からの高さよりも高い。また、第三部分P3における電極取出し層32の厚みは、第四部分P4における電極取出し層32の厚みよりも厚い。言い換えると、第三部分P3の側面212からの高さは、第四部分P4の側面212からの高さよりも高い。
 また、対極取出し層31の側面211からの高さは、積層方向に沿って対極集電端子41に近づく(つまり、主面15に近づく)に従って高くなる。また、電極取出し層32の側面212からの高さは、積層方向に沿って電極集電端子42に近づく(つまり、主面16に近づく)に従って高くなる。
 また、電池201では、主面15の平面視において、主面15の側面211側の端部と、対極集電端子41の端部とが重なるように配置されている。対極集電端子41は、主面15の平面視において、側面211から離れて配置されていてもよい。また、主面16の平面視において、主面16の側面212側の端部と、電極集電端子42の端部とが重なるように配置されている。電極集電端子42は、主面16の平面視において、側面212から離れて配置されていてもよい。
 (実施の形態3)
 続いて、実施の形態3について説明する。
 実施の形態3に係る電池では、実施の形態2に係る電池と比較して、対極集電端子として最上層の対極集電体を利用し、電極集電端子として最下層の電極集電体を利用する点が相違する。以下では、実施の形態1および2との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
 図8は、本実施の形態に係る電池301の断面図である。図8に示されるように、電池301は、実施の形態2に係る電池201と比較して、対極集電端子41、電極集電端子42、対極中間層51および電極中間層52の代わりに、対極集電端子341および電極集電端子342を備える点、および、発電要素20の代わりに発電要素30を備える点で相違する。電池301の発電要素30は、発電要素20の最上部および最下部に位置する2つの電池セル100の代わりに、電池セル302および303を含む。発電要素30は、発電要素20と同様に、積層方向に対して傾斜した側面211および212と、最上面および最下面である主面15および16と、を含む。
 電池セル302は、発電要素30の最上部に位置する。電池セル302は、他の電池セル100と比較して、対極層120の代わりに対極層320を備える。対極層320は、対極集電体121よりも厚い対極集電体321を含む。対極集電体321は、発電要素30の最上層である。つまり、対極集電体321の上面が発電要素30の主面15である。
 電池セル303は、発電要素30の最下部に位置する。電池セル303は、他の電池セル100と比較して、電極層110の代わりに電極層310を備える。電極層310は、電極集電体111よりも厚い電極集電体311を含む。電極集電体311は、発電要素30の最下層である。つまり、電極集電体311の下面が発電要素30の主面16である。
 本実施の形態に係る電池301では、最上層の対極集電体321が対極集電端子341として機能する。つまり、対極集電端子341は、主面15を構成する部材、すなわち、最上層の対極集電体321である。また、最下層の電極集電体311が電極集電端子342として機能する。つまり、電極集電端子342は、主面16を構成する部材、すなわち、最下層の電極集電体311である。
 最上層の対極集電体321および最下層の電極集電体311はいずれも、他の対極集電体121および他の電極集電体111と比較して、厚く構成されている。これにより、対極集電体321および電極集電体311は、他の対極集電体121および他の電極集電体111よりも電流が流れやすくなる。
 このように、電流が流れやすい対極集電体321を対極集電端子341として機能させ、かつ、電流が流れやすい電極集電体311を電極集電端子342として機能させることにより、部品点数を減らすことができる。対極集電体321および電極集電体311では電流が流れやすいため、電流集中による発熱を抑制することができる。
 本実施の形態では、対極集電端子341および電極集電端子342の両方について、集電体を利用する例を示したが、いずれか一方のみでもよい。例えば、電池301は、対極集電端子341の代わりに、上述の対極集電端子41および対極集電体121を備えてもよい。あるいは、電池301は、電極集電端子342の代わりに、上述の電極集電端子42および電極集電体111を備えてもよい。また、対極集電体321および電極集電体311はいずれも、他の対極集電体121および他の電極集電体111と比較して、厚く構成されていたが、これに限らない。例えば、対極集電体321および電極集電体311の少なくとも一方は、他の対極集電体121および他の電極集電体111と同じ厚みであってもよい。また、対極集電体321および電極集電体311の少なくとも一方は、他の対極集電体121および他の電極集電体111よりも導電率の高い材料で構成されていてもよい。
 (実施の形態4)
 続いて、実施の形態4について説明する。
 実施の形態4に係る電池は、実施の形態2に係る電池と比較して、取出し層が複数の異なる材料を用いて形成されている点が相違する。以下では、実施の形態1から3との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
 図9は、本実施の形態に係る電池401の断面図である。図9に示されるように、電池401は、実施の形態1に係る電池1と比較して、対極取出し層31および電極取出し層32の代わりに、対極取出し層431および電極取出し層432を備える点で相違する。
 対極取出し層431は、第一導電部材431aと、第二導電部材431bと、を有する。第二導電部材431bは、第一導電部材431aを覆う点を除いて、実施の形態1に係る対極取出し層31と同じである。本実施の形態では、第二導電部材431bが対極集電端子41に接続されている。
 第一導電部材431aは、側面211において、対極層120の少なくとも一部を覆う導電部材である。具体的には、第一導電部材431aは、対極集電体121の端面と、対極活物質層122の端面の一部と、を接触して覆っている。例えば、第一導電部材431aは、対極集電体121毎に設けられ、対極集電体121の端面全体を覆っている。第一導電部材431aは、側面211の平面視において、ストライプ形状を有する。側面211では、第一導電部材431aと電極絶縁層21とがz軸方向に沿って1つずつ交互に並んで配置されている。
 複数の第一導電部材431aはいずれも、第二導電部材431bに覆われて電気的に接続されている。つまり、複数の電池セル100の各々の対極層120は、各第一導電部材431aを介して第二導電部材431bに電気的に接続され、第二導電部材431bを介して電気的に並列接続されている。
 第一導電部材431aは、第二導電部材431bとは異なる性質を有する。例えば、第一導電部材431aと第二導電部材431bとは、異なる材料を用いて形成されている。具体的には、第一導電部材431aは、高い導電率、および、対極集電体121との合金化などを主眼に置いて選択された材料を用いて形成される。また、第二導電部材431bは、柔軟性、耐衝撃性、化学的安定性、コスト、および、施工時の広がり容易性などを主眼に置いて選択された材料を用いて形成される。
 対極取出し層431においても、対極取出し層31と同様に、第一部分P1の抵抗は、第二部分P2の抵抗よりも小さい。また、第一部分P1における対極取出し層431の厚みは、第二部分P2における対極取出し層431の厚みよりも厚い。
 電極取出し層432は、第一導電部材432aと、第二導電部材432bと、を有する。第二導電部材432bは、第一導電部材432aを覆う点を除いて、実施の形態1に係る電極取出し層32と同じである。本実施の形態では、第二導電部材432bが電極集電端子42に接続されている。
 第一導電部材432aは、側面212において、電極層110の少なくとも一部を覆う導電部材である。具体的には、第一導電部材432aは、電極集電体111の端面と、電極活物質層112の端面の一部と、を接触して覆っている。例えば、第一導電部材432aは、電極集電体111毎に設けられ、電極集電体111の端面全体を覆っている。第一導電部材432aは、側面212の平面視において、ストライプ形状を有する。側面212では、第一導電部材432aと対極絶縁層22とがz軸方向に沿って1つずつ交互に並んで配置されている。
 複数の第一導電部材432aはいずれも、第二導電部材432bに覆われて電気的に接続されている。つまり、複数の電池セル100の各々の電極層110は、各第一導電部材432aを介して第二導電部材432bに電気的に接続され、第二導電部材432bを介して電気的に並列接続されている。
 第一導電部材432aは、第二導電部材432bとは異なる性質を有する。例えば、第一導電部材432aと第二導電部材432bとは、異なる材料を用いて形成されている。具体的には、第一導電部材432aは、高い導電率、および、電極集電体111との合金化などを主眼に置いて選択された材料を用いて形成される。また、第二導電部材432bは、柔軟性、耐衝撃性、化学的安定性、コスト、および、施工時の広がり容易性などを主眼に置いて選択された材料を用いて形成される。
 また、電極取出し層432においても、電極取出し層32と同様に、第三部分P3の抵抗は、第四部分P4の抵抗よりも小さい。また、第三部分P3における電極取出し層432の厚みは、第四部分P4における電極取出し層432の厚みよりも厚い。
 以上のように、電池401の取出し層に用いる材料として適切な材料を用いることができ、電池の性能の向上、および、電池の製造容易性を高めることができる。
 なお、図9では、全ての対極集電体121に第一導電部材431aが接続されている例を示したが、第一導電部材431aが接続されていない対極集電体121が存在してもよい。また、電極集電体111についても同様である。また、第一導電部材431aおよび432aの一方は、設けられていなくてもよい。
 (実施の形態5)
 続いて、実施の形態5について説明する。
 実施の形態5に係る電池では、実施の形態2に係る電池と比較して、発電要素の側面の積層方向に対して傾斜する方向が相違する。以下では、実施の形態1から4との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
 図10は、本実施の形態に係る電池501の断面図である。図10に示されるように、電池501は、実施の形態2に係る電池201と比較して、発電要素20の代わりに発電要素50を備える点、および、電極集電端子42および電極中間層52が主面15上に配置されている点で相違する。発電要素50は、発電要素20の側面212の代わりに、側面512を含む。なお、図示されていないが、発電要素50は、側面211および512以外の側面として、発電要素10と同様の積層方向に平行な側面13および14を含む。
 側面512は、第二側面の一例である。側面211および512は、互いに背向している。また、側面211および512は、主面15および16の対向する二辺からそれぞれ立設している。
 側面512は、側面512と主面15とが成す内角が鈍角になるように、積層方向に対して傾斜している。そのため、側面512は、側面512の主面15側よりも、側面512の主面16側の方が外側になるように傾斜する。側面211と主面15とが成す内角と、側面512と主面15とが成す内角とは、例えば、等しい。また、図10に示されるように、側面211および512を通る位置で積層方向に沿って切断した場合の発電要素50の断面形状は、台形、より具体的には等脚台形である。これにより、対極取出し層31が、対極集電端子41により近い第一部分P1で第二部分P2より厚くなり、電極取出し層32が、電極集電端子42により近い第三部分P3で第四部分P4より厚くなる場合であっても、対極取出し層31の外側面の主面15に対する角度および電極取出し層32の外側面の主面15に対する角度を直角に近づけることができる。特に、発電要素50の断面形状がこのような台形であることにより、電池501全体の形状としては直方体に近づけることができる。そのため、基板に電池501を実装する場合等において、無駄な空間が形成されにくく、基板を小型化できる。
 電池501では、電極取出し層32は、複数の電池セル100のうちの主面15に最も近い電池セル100の電極層110と接続される第三部分P3と、複数の電池セル100のうちの主面15に最も遠い電池セル100の電極層110と接続される第四部分P4と、を含む。第三部分P3は、具体的には、電極取出し層32のうち、複数の電池セル100のうちの主面15に最も近い電池セル100の電極層110と、主面15からの積層方向における距離が同じ範囲の部分である。また、第四部分P4は、具体的には、電極取出し層32のうち、複数の電池セル100のうちの主面15に最も遠い電池セル100の電極層110と、主面15からの積層方向における距離が同じ範囲の部分である。また、本実施の形態では、電極集電端子42が主面15上に配置されるため、主面15に対して近いまたは遠い電池セル100とは、電極集電端子42に対して近いまたは遠い電池セル100と言い換えてもよい。
 本実施の形態においても、第三部分P3の抵抗は、第四部分P4の抵抗よりも小さい。また、第三部分P3における電極取出し層32の厚みは、第四部分P4における電極取出し層32の厚みよりも厚い。
 また、電池501では、電極取出し層32の側面512からの高さは、積層方向に沿って電極集電端子42に近づく(つまり、主面15に近づく)に従って高くなる。
 電池501では、電極集電端子42は、発電要素50の主面15上に、電極中間層52を介して配置されている。電極集電端子42は、電極取出し層32の上端部に接触している。
 このように、本実施の形態では、対極集電端子41と電極集電端子42とは、発電要素50の同一の主面15に設けられている。
 対極集電端子41および電極集電端子42は、側面211から側面512に向かう方向(すなわち、x軸の正方向)に沿ってこの順で並んでいる。具体的には、y軸に平行な仮想線で主面15を2つの領域に仮想的に二等分した場合に、x軸の負側の領域に対極集電端子41が設けられ、x軸の正側に電極集電端子42が設けられている。
 例えば、対極集電端子41の幅(すなわち、y軸方向の長さ)は、側面211の幅(すなわち、y軸方向の長さ)の半分以上である。対極集電端子41の幅を対極取出し層31の幅(すなわち、y軸方向の長さ)と同等にすることができる。これにより、対極取出し層31から対極集電端子41へと電流が流れる方向に対する幅を広くすることができるので、抵抗を低くすることができ、大電流の取り出しに効果的である。電極集電端子42についても同様である。
 以上のように、電池501では、発電要素50の主面15に対極集電端子41および電極集電端子42が設けられている。すなわち、発電要素50からの電流取出しに必要な正極および負極の両方の端子が同一の主面15に設けられている。例えば、主面15は、側面211、512、13および14に比べて面積が大きい。面積の大きい面に端子が設けられているので、電池501の実装を大面積で行うことができ、接続の信頼性を高めることができる。また、実装対象の基板の配線レイアウトに応じて、端子の形状および配置を調整することもできるので、接続の自由度も高めることができる。
 また、正極および負極の両方の端子が同一の主面に設けられているので、電池501の実装をコンパクトにまとめることができる。例えば、実装基板に形成される接続端子のパターン(フットプリントとも称される)を小さくすることができる。また、電池501の主面15と実装基板とを平行に配置した状態での実装が可能になるので、実装基板に対する低背な実装が実現できる。実装には、リフロー半田接続などが利用できる。このように、実装性に優れた電池501を実現することができる。
 (実施の形態6)
 続いて、実施の形態6について説明する。
 実施の形態6に係る電池は、実施の形態5に係る電池と比較して、対極集電端子として最上層の対極集電体を利用する点が相違する。以下では、実施の形態1から5との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
 図11は、本実施の形態に係る電池601の断面図である。図11に示されるように、電池601は、実施の形態5に係る電池501と比較して、対極集電端子41および対極中間層51を備えない点、および、発電要素50の代わりに発電要素60を備える点で相違する。電池601の発電要素60は、発電要素50の最上部に位置する電池セル100の代わりに、電池セル602を含む。発電要素60は、発電要素50と同様に、積層方向に対して傾斜した側面211および512と、最上面および最下面である主面15および16と、を含む。
 電池セル602は、発電要素60の最上部に位置する。電池セル602は、他の電池セル100と比較して、対極層120の代わりに対極層620を備える。対極層620は、対極集電体121よりも厚い対極集電体621を含む。対極集電体621は、発電要素60の最上層である。つまり、対極集電体621の上面が発電要素60の主面15である。
 本実施の形態に係る電池601では、最上層の対極集電体621の一部が対極集電端子641として機能する。つまり、対極集電端子641は、主面15を構成する部材、すなわち、最上層の対極集電体621である。一方で、電極集電端子42は、実施の形態5と同様に、主面15を構成する最上層の対極集電体621とは異なる部材である。
 最上層の対極集電体621は、上述の対極集電端子341および電極集電端子342と同様であり、例えば、他の対極集電体121および電極集電体111と比較して、厚く構成されている。これにより、対極集電体621は、他の対極集電体121および電極集電体111よりも電流が流れやすくなる。
 このように、電流が流れやすい対極集電体621を対極集電端子641として機能させることにより、部品点数を減らすことができる。対極集電体621では電流が流れやすいため、電流集中による発熱を抑制することができる。
 (実施の形態7)
 続いて、実施の形態7について説明する。
 実施の形態7に係る電池は、実施の形態2に係る電池と比較して、封止部材を備える点が相違する。以下では、実施の形態1から6との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
 図12は、本実施の形態に係る電池701の断面図である。図13Aは、本実施の形態に係る電池701の上面図である。図13Bは、本実施の形態に係る電池701の下面図である。なお、図12は、図13Aおよび図13BのXII-XII線における断面を表している。図12、図13Aおよび図13Bに示されるように、電池701は、実施の形態2に係る電池201と比較して、封止部材760を備える点で相違する。
 封止部材760は、対極集電端子41および電極集電端子42の各々の少なくとも一部を露出させ、かつ、発電要素20を封止する。封止部材760は、例えば、発電要素20、電極絶縁層21、対極絶縁層22、対極取出し層31および電極取出し層32が露出しないように設けられている。
 封止部材760は、例えば、電気的に絶縁性を有する絶縁材料を用いて形成されている。絶縁材料としては、例えば封止剤などの一般に公知の電池の封止部材の材料が用いられうる。絶縁材料としては、例えば、樹脂材料が用いられうる。なお、絶縁材料は、絶縁性であり、かつ、イオン伝導性を有さない材料であってもよい。例えば、絶縁材料は、エポキシ樹脂とアクリル樹脂とポリイミド樹脂とシルセスキオキサンとのうちの少なくとも1種であってもよい。
 なお、封止部材760は、複数の異なる絶縁材料を含んでもよい。例えば、封止部材760は、多層構造を有してもよい。多層構造の各層は、異なる材料を用いて形成され、異なる性質を有してもよい。
 封止部材760は、粒子状の金属酸化物材料を含んでもよい。金属酸化物材料としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、ゼオライト、ガラスなどが用いられうる。例えば、封止部材760は、金属酸化物材料からなる複数の粒子が分散された樹脂材料を用いて形成されていてもよい。
 金属酸化物材料の粒子サイズは、電極集電体111と対極集電体121との間隔以下であればよい。金属酸化物材料の粒子形状は、例えば球状、楕円球状または棒状などであるが、これに限定されない。
 封止部材760が設けられることで、電池701の信頼性を、機械的強度、短絡防止、防湿など様々な点で向上することができる。
 (実施の形態8)
 続いて、実施の形態8について説明する。
 実施の形態8に係る電池は、実施の形態1に係る電池と比較して、封止部材を備える点が相違する。以下では、実施の形態1から7との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
 図14は、本実施の形態に係る電池801の断面図である。図14に示されるように、電池801は、実施の形態1に係る電池1と比較して、封止部材760を備える点で相違する。
 封止部材760は、電池701と同様に、電池801においても、対極集電端子41および電極集電端子42の各々の少なくとも一部を露出させ、かつ、発電要素10を封止する。封止部材760は、例えば、発電要素10、電極絶縁層21、対極絶縁層22、対極取出し層31および電極取出し層32が露出しないように設けられている。
 また、電池801においては、対極取出し層31の側面11とは反対側の面および電極取出し層32の側面12とは反対側の面は、積層方向に対して傾斜しているが、封止部材760によって封止されることで、電池801の形状は直方体状となっている。
 封止部材760が設けられることで、電池801の信頼性を、機械的強度、短絡防止、防湿など様々な点で向上することができる。
 (実施の形態9)
 続いて、実施の形態9について説明する。
 実施の形態9に係る電池は、実施の形態3に係る電池と比較して、集電端子として利用する集電体の厚みが薄い点、および、封止部材を備える点が相違する。以下では、実施の形態1から8との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
 図15は、本実施の形態に係る電池901の断面図である。図15に示されるように、電池901は、実施の形態3に係る電池301と比較して、発電要素30の代わりに発電要素20を備える点、および、封止部材760を備える点で相違する。
 電池901では、最上層の対極集電体121が対極集電端子941として機能する。つまり、対極集電端子941は、主面15を構成する部材、すなわち、最上層の対極集電体121である。また、最下層の電極集電体111が電極集電端子942として機能する。つまり、電極集電端子942は、主面16を構成する部材、すなわち、最下層の電極集電体111である。
 このように、最上層の対極集電体121を対極集電端子941として機能させ、最下層の電極集電体111を電極集電端子942として機能させることにより、部品点数を減らすことができる。
 また、電池901では、封止部材760は、対極集電端子941として機能する最上層の対極集電体121および電極集電端子942として機能する最下層の電極集電体111の各々の少なくとも一部を露出させ、かつ、発電要素20を封止する。封止部材760は、主面15上および主面16上それぞれに開口部が設けられ、最上層の対極集電体121および最下層の電極集電体111の各々の一部を露出させている。
 封止部材760が設けられることで、電池901の信頼性を、機械的強度、短絡防止、防湿など様々な点で向上することができる。
 (実施の形態10)
 続いて、実施の形態10について説明する。
 実施の形態10に係る電池は、実施の形態1に係る電池と比較して、取り出し層の厚みではなく、取出し層の導電率が取り出し部の部分によって異なる点が相違する。以下では、実施の形態1から9との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
 図16は、本実施の形態に係る電池1001の断面図である。図16に示されるように、電池1001は、実施の形態1に係る電池1と比較して、対極取出し層31および電極取出し層32の代わりに対極取出し層1031および電極取出し層1032を備える点で相違する。
 対極取出し層1031は、複数の電池セル100のうちの主面15に最も近い電池セル100の対極層120と接続される第一部分P11と、複数の電池セル100のうちの主面15に最も遠い電池セル100の対極層120と接続される第二部分P12と、を含む。
 対極取出し層1031において、第一部分P11を構成する材料の導電率は、第二部分P12を構成する材料の導電率よりも高い。対極取出し層1031においては、第一部分P11の厚みと、第二部分P12の厚みとは同じであるため、上記の導電率の関係により、第一部分P11の抵抗は、第二部分P12の抵抗よりも小さくなる。このように、第一部分P11の厚みを、第二部分P12の厚みより厚くしなくても第一部分P11の抵抗を小さくできるため、電池1001を小型化できる。
 電極取出し層1032は、複数の電池セル100のうちの主面16に最も近い電池セル100の電極層110と接続される第三部分P13と、複数の電池セル100のうちの主面16に最も遠い電池セル100の電極層110と接続される第四部分P14と、を含む。
 電極取出し層1032において、第三部分P13を構成する材料の導電率は、第四部分P14を構成する材料の導電率よりも高い。電極取出し層1032においては、第三部分P13の厚みと、第四部分P14の厚みとは同じであるため、上記の導電率の関係により、第三部分P13の抵抗は、第四部分P14の抵抗よりも小さくなる。このように、第三部分P13の厚みを、第四部分P14の厚みより厚くしなくても第三部分P13の抵抗を小さくできるため、電池1001を小型化できる。
 対極取出し層1031および電極取出し層1032は、導電性を有する樹脂材料などを用いて形成されている。導電性を有する樹脂材料は、例えば、樹脂と、樹脂中に充填された、金属粒子等で構成される導電材料と、を含む。
 対極取出し層1031において、例えば、第一部分P11における導電材料の充填密度は、第二部分P12における導電材料の充填密度よりも高いことで、第一部分P11の導電率は、第二部分P12の導電率よりも高くなる。なお、第一部分P11における導電材料に、第二部分P12における導電材料よりも導電性の高い導電材料を用いることで第一部分P11の導電率を、第二部分P12の導電率よりも高くしてもよい。
 例えば、導電性を有する樹脂材料を用いて対極取出し層1031を形成する場合、導電率を高くしたい部分が厚くなるように、側面11に樹脂材料を塗布し、塗布した樹脂材料を圧縮して厚みを均一にすることで、厚く塗布した部分の導電性が高くなる。なお、導電性の異なる樹脂材料を塗り分けることで対極取出し層1031を形成してもよい。
 電極取出し層1032についても、対極取出し層1031と同様の方法で、第三部分P13の導電率を、第四部分P14の導電率よりも高くできる。
 (製造方法)
 続いて、上述した各実施の形態に係る電池の製造方法について説明する。
 図17は、各実施の形態に係る電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。以下では、実施の形態2に係る電池201の例を説明する。
 図17に示されるように、まず、複数の電池セルを準備する(ステップS10)。準備される電池セルは、例えば、図3Aから図3Cに示した電池セル100A、100Bおよび100Cである。
 次に、複数の電池セル100を積層する(ステップS20)。具体的には、電極層110、対極層120および固体電解質層130の並び順が交互に入れ替わるように複数の電池セル100を順に積層した積層体を形成する。本実施の形態では、電池セル100A、100Bおよび100Cを適宜組み合わせて積層することにより、例えば、図4に示される発電要素10が形成される。発電要素10は、積層体の一例である。
 次に、積層体を切断する(ステップS30)。具体的には、複数の電池セル100の積層体を一括して切断することにより、切断された切断面によって各側面が構成される発電要素20を形成することができる。そのため、形成される各側面は平坦になる。発電要素20は、積層体の一例である。また、側面211および212に対応する切断面を形成する際には、積層方向に対して傾斜した方向に沿って切断する。切断処理は、例えば、刃物、レーザーまたはジェットなどによって行われる。なお、電池1などの発電要素10を備える電池を製造する場合には、ステップS30は省略されてもよい。また、全ての切断面を積層方向に沿って切断することで形成してもよい。また、発電要素20を形成する場合であっても、端面が傾斜した複数の電池セルを積層することで発電要素20を形成して、ステップS30を省略してもよい。
 次に、発電要素20の側面に絶縁層を形成する(ステップS40)。具体的には、側面211において、電極層110を覆う電極絶縁層21を形成する。また、側面212において、対極層120を覆う対極絶縁層22を形成する。
 電極絶縁層21および対極絶縁層22は、例えば、流動性を有する樹脂材料を塗工して硬化させることによって形成される。塗工は、インクジェット法、スプレー法、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などによって行われる。硬化は、用いる樹脂材料によって、乾燥、加熱、光照射などによって行われる。
 なお、電極絶縁層21および対極絶縁層22の形成を行う際に、対極集電体121の端面および電極集電体111の端面が絶縁されないように、絶縁層を形成すべきでない領域にテープなどによるマスキングまたはレジスト処理によって保護部材を形成する処理を行ってもよい。電極絶縁層21および対極絶縁層22の形成後に、保護部材を除去することで、各集電体の導電性を確保することができる。
 次に、発電要素20の側面に取出し層を形成する(ステップS50)。具体的には、発電要素20の主面15、側面211および電極絶縁層21を覆うように、複数の対極層120に電気的に接続された対極取出し層31を形成する。発電要素20の主面16、側面212および対極絶縁層22を覆うように、複数の電極層110を電気的に接続する電極取出し層32を形成する。
 例えば、主面15の側面211に沿った端部と、電極絶縁層21と、側面211の電極絶縁層21に覆われていない部分とを覆うように、導電性樹脂などの導電ペーストを塗工して硬化させることで、対極取出し層31を形成する。また、主面16の側面212に沿った部分と、対極絶縁層22と、側面212の対極絶縁層22に覆われていない部分とを覆うように導電性樹脂を塗工して硬化させることで、電極取出し層32を配置する。なお、対極取出し層31および電極取出し層32は、例えば印刷、めっき、蒸着、スパッタ、溶接、はんだ付け、接合その他の方法によって形成されてもよい。
 また、ステップS50では、形成される対極取出し層31における第一部分P1の抵抗が、対極取出し層31における第二部分P2の抵抗よりも小さくなるように、対極取出し層31を形成する。具体的には、第一部分P1における対極取出し層31の第一部分P1の厚みが、第二部分P2における対極取出し層31の厚みよりも大きくなるように、対極取出し層31を形成する。例えば、第二部分P2よりも第一部分P1の方が厚くなるような塗工パターンで、導電性樹脂を塗工する。また、導電性樹脂を複数回塗工して複数の導電膜を積層し、第二部分P2よりも第一部分P1の方が積層された導電膜の数が多くなるようにしてもよい。また、均一な厚みで塗工した対極取出し層31の第二部分P2を削ってもよい。
 また、対極取出し層31と同様の方法で、形成される電極取出し層32における第三部分P3の抵抗が、電極取出し層32における第四部分P4の抵抗よりも小さくなるように、電極取出し層32を形成する。具体的には、第三部分P3における電極取出し層32の厚みが、第四部分P4における電極取出し層32の厚みよりも厚くなるように、電極取出し層32を形成する。
 次に、発電要素20の主面15および16の各々に集電端子を形成する(ステップS60)。具体的には、主面15上に、対極中間層51を介して対極集電端子41を形成する。このとき、対極集電端子41を、対極取出し層31と接続するように形成する。また、主面16上に、電極中間層52を介して電極集電端子42を形成する。このとき、電極集電端子42を、電極取出し層32と接続するように形成する。対極集電端子41および電極集電端子42は、所望の領域に、めっき、印刷または半田付けなどによって金属材料などの導電性材料を配置することによって形成される。あるいは、対極集電端子41および電極集電端子42は、金属板などを溶接または接合することによって形成されてもよい。
 なお、対極中間層51および電極中間層52は、例えば、流動性を有する樹脂材料を塗工して硬化させることによって形成される。塗工は、インクジェット法、スプレー法、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などによって行われる。硬化は、用いる樹脂材料によって、乾燥、加熱、光照射などによって行われる。
 以上の工程を経て、図7に示される電池201を製造することができる。
 なお、ステップS10において準備した複数の電池セル100を個別に、または、複数の電池セルの積層後に、積層方向に対してプレスする工程が行われてもよい。
 また、対極中間層51および電極中間層52は、ステップS40において、電極絶縁層21および対極絶縁層22の形成に引き続いて、または、電極絶縁層21および対極絶縁層22の形成と同時に形成されてもよい。あるいは、対極中間層51および電極中間層52は、積層体の形成(ステップS20)の後、積層体の切断(ステップS30)の前に形成されてもよく、積層体の切断(ステップS30)の後、絶縁層の形成(ステップS40の)前に形成されてもよい。
 また、集電端子の形成(ステップS60)は、複数の電池セルの準備(ステップS10)以降のどのタイミングで行われてもよい。
 また、電池401を製造する場合には、積層体の切断(ステップS30)の後、取出し層の形成(ステップS40)の前に、図9に示される第一導電部材431aおよび432aを形成してもよい。第一導電部材431aおよび432aは、例えば印刷、めっき、蒸着、スパッタ、溶接、はんだ付け、接合その他の方法によって形成されてもよい。
 また、電池701を製造する場合には、取出し層の形成(ステップS50)または集電端子の形成(ステップS60)の後、図12、図13Aおよび図13Bに示される封止部材760を形成してもよい。封止部材760は、例えば、流動性を有する樹脂材料を塗工して硬化させることによって形成される。塗工は、インクジェット法、スプレー法、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などによって行われる。硬化は、用いる樹脂材料によって、乾燥、加熱、光照射などによって行われる。
 また、例えば、図8に示される分厚い対極集電端子341および電極集電端子342は、他の対極集電体121または電極集電体111と同じ厚みの集電体に対して、金属層を接着、塗工、溶接または接合などの方法で積層することによって形成することができる。あるいは、分厚い金属箔または金属板を集電端子として機能する集電体として用いて電池セル302および303を形成してもよい。
 (他の実施の形態)
 以上、1つまたは複数の態様に係る電池および電池の製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
 例えば、上記の実施の形態では、隣り合う電池セル間で1枚の集電体が共有される例を示したが、集電体は共有されなくてもよい。2枚の対極集電体が重ね合わされていてもよく、2枚の電極集電体が重ね合わされていてもよい。
 また、例えば、上記の実施の形態では、対極取出し層が設けられる第一側面と、電極取出し層が設けられる第二側面とは、互いに背向する側面である例を示したが、これに限定されない。例えば、第一側面と第二側面とは、互いに隣り合う側面であってもよい。
 また、例えば、第一側面は、第二側面と同一の側面であってもよい。例えば、発電要素が直方体である場合には、発電要素が4つの側面を有する。4つの側面のうちの1つの側面の一部領域が第一側面であり、他の領域が第二側面であってもよい。
 また、例えば、上記の実施の形態では、電池セルは、一組の電極層と対極層と固体電解質層とを含んでいたが、これに限らない。電池セルは、複数の電極層と対極層と固体電解質層との組が電気的に直列接続された電池セルであってもよい。この場合、例えば、積層方向における電池セルの両端に位置する電極層および対極層以外の電極層および対極層の端面は、絶縁層で覆われる。
 また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
 本開示は、例えば、電子機器、電気器具装置および電気車両などの電池として利用することができる。
1、201、301、401、501、601、701、801、901、1001 電池
10、20、30、50、60 発電要素
11、12、13、14、211、212、512 側面
15、16 主面
21 電極絶縁層
22 対極絶縁層
31、431、1031 対極取出し層
32、432、1032 電極取出し層
41、341、641、941 対極集電端子
42、342、942 電極集電端子
51 対極中間層
52 電極中間層
100、100A、100B、100C、302、303、602 電池セル
110、110B、310 電極層
111、311 電極集電体
112 電極活物質層
120、120C、320、620 対極層
121、321、621 対極集電体
122 対極活物質層
130 固体電解質層
431a、432a 第一導電部材
431b、432b 第二導電部材
760 封止部材
P1、P11 第一部分
P2、P12 第二部分
P3、P13 第三部分
P4、P14 第四部分

Claims (20)

  1.  電極層、対極層、および、前記電極層と前記対極層との間に位置する固体電解質層、をそれぞれが含む複数の電池セルを有し、前記複数の電池セルが電気的に並列接続されて積層された発電要素と、
     前記発電要素の第一側面において、前記複数の電池セルの各々の前記電極層を覆う電極絶縁部材と、
     前記第一側面および前記電極絶縁部材を覆い、前記複数の電池セルの各々の前記対極層と電気的に接続された対極取出し層と、
     前記発電要素の第一主面に設けられ、前記対極取出し層に接続された対極集電端子と、を備え、
     前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も近い電池セルの前記対極層と接続される第一部分の抵抗は、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も遠い電池セルの前記対極層と接続される第二部分の抵抗よりも小さい、
     電池。
  2.  前記第一部分における前記対極取出し層の厚みは、前記第二部分における前記対極取出し層の厚みよりも厚い、
     請求項1に記載の電池。
  3.  前記第一側面は、前記第一側面と前記第一主面とが成す内角が鈍角になるように、前記発電要素の積層方向に対して傾斜している、
     請求項2に記載の電池。
  4.  前記対極取出し層の前記第一側面からの高さは、前記発電要素の積層方向に沿って前記対極集電端子に近づくに従って高くなる、
     請求項2または3に記載の電池。
  5.  前記対極取出し層は、前記第一主面を覆う、
     請求項1から4のいずれか1項に記載の電池。
  6.  前記対極集電端子は、前記第一主面を構成する集電体であり、
     前記対極集電端子の厚みは、前記複数の電池セルの1つに含まれる集電体の厚みより厚い、
     請求項1から5のいずれか1項に記載の電池。
  7.  前記対極取出し層は、
     前記対極層に接触する第一導電部材と、
     前記第一導電部材を覆う第二導電部材と、を有する、
     請求項1から6のいずれか1項に記載の電池。
  8.  前記第一部分を構成する材料の導電率は、前記第二部分を構成する材料の導電率よりも高い、
     請求項1から7のいずれか1項に記載の電池。
  9.  前記発電要素の第二側面において、前記複数の電池セルの各々の前記対極層を覆う対極絶縁部材と、
     前記第二側面および前記対極絶縁部材を覆い、前記複数の電池セルの各々の前記電極層と電気的に接続された電極取出し層と、
     前記発電要素の前記第一主面に設けられ、前記電極取出し層に接続された電極集電端子と、をさらに備え、
     前記電極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も近い電池セルの前記電極層と接続される第三部分の抵抗は、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も遠い電池セルの前記電極層と接続される第四部分の抵抗よりも小さい、
     請求項1から8のいずれか1項に記載の電池。
  10.  前記第三部分における前記電極取出し層の厚みは、前記第四部分における前記電極取出し層の厚みよりも厚い、
     請求項9に記載の電池。
  11.  前記第一側面および前記第二側面は、互いに背向し、
     前記第一側面および前記第二側面を通る位置で前記発電要素の積層方向に沿って切断した場合の前記発電要素の断面形状は、台形であり、
     前記第一側面と前記第一主面とが成す内角および前記第二側面と前記第一主面とが成す内角はそれぞれ鈍角である、
     請求項10に記載の電池。
  12.  前記発電要素の第二側面において、前記複数の電池セルの各々の前記対極層を覆う対極絶縁部材と、
     前記第二側面および前記対極絶縁部材を覆い、前記複数の電池セルの各々の前記電極層と電気的に接続された電極取出し層と、
     前記発電要素の前記第一主面とは反対側の第二主面に設けられ、前記電極取出し層に接続された電極集電端子と、をさらに備え、
     前記電極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第二主面に最も近い電池セルの前記電極層と接続される第三部分の抵抗は、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第二主面に最も遠い電池セルの前記電極層と接続される第四部分の抵抗よりも小さい、
     請求項1から8のいずれか1項に記載の電池。
  13.  前記第三部分における前記電極取出し層の厚みは、前記第四部分における前記電極取出し層の厚みよりも厚い、
     請求項12に記載の電池。
  14.  前記第一側面および前記第二側面は、互いに背向し、
     前記第一側面および前記第二側面を通る位置で前記発電要素の積層方向に沿って切断した場合の前記発電要素の断面形状は、平行四辺形であり、
     前記第一側面と前記第一主面とが成す内角および前記第二側面と前記第二主面とが成す内角はそれぞれ鈍角である、
     請求項13に記載の電池。
  15.  前記電極集電端子は、前記第二主面を構成する集電体であり、
     前記電極集電端子の厚みは、前記複数の電池セルの1つに含まれる集電体の厚みより厚い、
     請求項12から14のいずれか1項に記載の電池。
  16.  前記電極取出し層の前記第二側面からの高さは、前記発電要素の積層方向に沿って前記電極集電端子に近づくに従って高くなる、
     請求項9から15のいずれか1項に記載の電池。
  17.  前記電極絶縁部材は、樹脂を含む、
     請求項1から16のいずれか1項に記載の電池。
  18.  前記対極集電端子の少なくとも一部を露出させ、前記発電要素および前記対極取出し層を封止する封止部材をさらに備える、
     請求項1から17のいずれか1項に記載の電池。
  19.  電極層、対極層、および、前記電極層と前記対極層との間に位置する固体電解質層を、それぞれが含む複数の電池セルを準備するステップと、
     前記電極層、前記対極層および前記固体電解質層の並び順が電池セル毎に交互に入れ替わるように前記複数の電池セルを順に積層した積層体を形成するステップと、
     前記積層体の第一側面において、前記複数の電池セルの各々の前記電極層を電極絶縁部材で覆うステップと、
     前記第一側面および前記電極絶縁部材を、前記複数の電池セルの各々の前記対極層と電気的に接続された対極取出し層で覆うステップと、
     前記積層体の第一主面に、前記対極取出し層に接続された対極集電端子を設けるステップと、を含み、
     前記対極取出し層で覆うステップでは、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も近い電池セルの前記対極層と接続される第一部分の抵抗が、前記対極取出し層における、前記複数の電池セルのうちの前記第一主面に最も遠い電池セルの前記対極層と接続される第二部分の抵抗よりも小さくなるように、前記対極取出し層を形成する、
     電池の製造方法。
  20.  前記対極取出し層で覆うステップでは、前記第一部分における前記対極取出し層の厚みが、前記第二部分における前記対極取出し層の厚みよりも厚くなるように、前記対極取出し層を形成する、
     請求項19に記載の電池の製造方法。
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