WO2023032081A1

WO2023032081A1 - 送風機

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Publication number: WO2023032081A1
Application number: PCT/JP2021/032143
Authority: WO
Inventors: 真一楯; 芳彦安田; 悠平北島; 賢人佐々木; 比出晴小野; 真裕上田
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2021-09-01
Filing date: 2021-09-01
Publication date: 2023-03-09
Also published as: JPWO2023032081A1

Abstract

ファンに付着した塵埃を容易に取り除くことができる扇風機を得る。　扇風機（１）は、ファンモータ（２ａ）を回転させる制御部（８）とファン（３）を設け、ファンモータ（２ａ）およびファン（３）が第一の回転方向（矢印Ａ方向）に回転して、第一の送風方向に気流を発生させて、ファンに塵埃を付着させたとしても、ファンモータ（２ａ）およびファン（３）を第一の回転方向とは異なる第二の回転方向（矢印Ｂ方向）に回転させることで、第一の送風方向とは異なる第二の送風方向に気流を発生させて、ファンに付着した塵埃を、ファン（３）から取り除くことができる。

Description

送風機

　本発明は、送風機に関する。

　ファンの回転により送風を行う扇風機は、ファンに塵埃が付着することがある。送風機の一種である扇風機は、使用者がファンに付着した塵埃を取り除くことができるように、一部の構成部品が取り外し可能な構成になっている。

　このような構成を備えた扇風機が特許文献１で開示されている。特許文献１には、モータ、モータに取り付けられたファン、ファンを覆うファンガード部、ファンガード部を固定するクリップおよびファンをモータに固定するスピンナを備える扇風機が開示されている。

特開２０１４－１９６７４７号公報

　特許文献１に開示されている扇風機では、ファンに付着した塵埃を取り除くために、使用者は、クリップ、ファンガード部およびスピンナを取り外す必要があり、使用者にとって多くの手間を要する。

　本開示は、上記した問題点を解決するためになされたものであり、使用者がファンに付着した塵埃を容易に取り除くことができる送風機を得ることを目的とするものである。

　本開示に係る送風機は、ファンモータと、ファンモータを第一の回転方向および第一の回転方向とは異なる第二の回転方向に回転させる制御部と、ファンモータに設けられ、ファンモータが第一の回転方向に回転する場合に、第一の送風方向に気流を発生させ、前記ファンモータが第二の回転方向に回転する場合に、第一の送風方向とは異なる第二の送風方向に気流を発生させるファンと、を備える。

　本開示に係る送風機は、ファンモータを第一の回転方向および第一の回転方向とは異なる第二の回転方向に回転させる制御部とファンモータが第一の回転方向に回転する場合に、第一の送風方向に気流を発生させ、前記ファンモータが第二の回転方向に回転する場合に、第一の送風方向とは異なる第二の送風方向に気流を発生させるファンを設けた。これにより、ファンモータおよびファンが第一の回転方向に回転して、第一の送風方向に気流を発生させて、ファンに塵埃を付着させたとしても、ファンモータおよびファンを第一の回転方向とは異なる第二の回転方向に回転させることで、第一の送風方向とは異なる第二の送風方向に気流を発生させて、ファンに付着した塵埃を、ファンから吹き飛ばすことができるという効果を奏する。

実施の形態１に係る扇風機を示す概略図である。実施の形態１に係る扇風機の制御系の構成を示すブロック図である。実施の形態１にかかる扇風機を後方から見た外観斜視図である。図３における扇風機の電動機部カバーを外した状態を示す斜視図である。実施の形態１に係る扇風機のファンを示す概略図である。実施の形態１に係る扇風機のグリルを示す概略図である。実施の形態１に係る扇風機の操作部を示す外観図である。実施の形態１に係る扇風機の簡易回路図である。実施の形態１に係る扇風機が送風運転状態であるとき簡易回路図である。実施の形態１に係る扇風機が清掃運転状態であるとき簡易回路図である。実施の形態１に係る扇風機の清掃運転における制御の流れを示すフローチャートである。実施の形態１に係る扇風機の操作部の変形例を示す外観図である。実施の形態２に係る扇風機の簡易回路図である。実施の形態２に係る扇風機が送風運転状態であるとき簡易回路図である。実施の形態２に係る扇風機が清掃運転状態であるとき簡易回路図である。実施の形態３に係る扇風機の清掃運転における制御の流れを示すフローチャートである。

　はじめに、各図では装置および部品等の配置および向き等を矢印Ｘ、矢印Ｙおよび矢印Ｚが相互に直交する三軸の直交座標系の方向で定義している。矢印Ｘで示す方向および矢印Ｙで示す方向は鉛直方向に対して垂直な方向である。矢印Ｘで示す方向を左右方向と称する。矢印Ｘの原点側を左方と称する。矢印Ｘの先端側を右方と称する。矢印Ｙで示す方向を前後方向と称する。矢印Ｙの先端側を前方と称する。矢印Ｙの原点側を後方と称する。矢印Ｚで示す方向は鉛直方向に対して平行な方向である。矢印Ｚで示す方向を上下方向と称する。矢印Ｚの原点側を下方と称する。矢印Ｚの先端側を上方と称する。なお、これらの呼称は説明のために便宜上定めたものであり、装置および部品等の配置および向き等を限定するものではない。

実施の形態１.
　図１は、実施の形態１に係る扇風機１を示す概略図である。図２は、実施の形態１に係る扇風機１の制御系の構成を示すブロック図である。実施の形態１に係る送風機は、扇風機である。扇風機１は、電動機部２と、ファン３と、グリル４と、支柱部５と、台座部６と、操作部７と、制御部８を備える。

　図３は、実施の形態１にかかる扇風機１の電動機部２を後方から見た外観斜視図である。図４は、図３における扇風機１の電動機部カバー２ｄを外した状態を示す斜視図である。電動機部２は、支柱部５に鉛直方向において回動可能に設けられ、ファンモータ２ａと、上下首振りモータ２ｂと、第一歯車２ｃと、電動機部カバー２ｄを有する。ファンモータ２ａは、Ｙ軸に対して平行な方向に突出した第一回転軸（図示しない）を有し、制御部８の制御に従って、第一回転軸（図示しない）を回転させる。上下首振りモータ２ｂは、Ｘ軸に対して平行な方向に突出した第二回転軸（図示しない）を有し、制御部８の制御に従って、第二回転軸（図示しない）を回転させる。第一歯車２ｃは、第二回転軸（図示しない）に取り付けられる歯車であり、第二回転軸（図示しない）を中心に回転する。また、第一歯車２ｃは、後述する支柱部５の支柱側第一歯車（図示しない）と噛み合うようになっている。つまり、上下首振りモータ２ｂは、第一歯車２ｃを介して支柱側第一歯車（図示しない）に対して回転することができるようになっている。これにより、上下首振りモータ２ｂが回転することで、電動機部２が鉛直方向に回動する。すなわち、上下首振りモータ２ｂは、扇風機１の上下方向の首振り動作を行うものである。電動機部カバー２ｄは、ファンモータ２ａ、上下首振りモータ２ｂおよび第一歯車２ｃを覆うカバーである。また、実施の形態１において、ファンモータ２ａはＡＣ（Ａｌｔｅｒｎａｔｉｏｎｇ　Ｃｕｒｒｅｎｔ）モータである。

　また、ファンモータ２ａの単位時間当たりの回転数は予め５つの段階で設定されている。この単位時間当たりの回転数の設定を風量モードと呼ぶ。単位時間当たりの回転数が最も少ない設定を風量モード１と呼ぶ。風量モード１の単位時間当たりの回転数をＮ１とする。単位時間当たりの回転数が風量モード１の次に少ない設定を風量モード２と呼ぶ。風量モード２の単位時間当たりの回転数をＮ２とする。単位時間当たりの回転数が風量モード２の次に少ない設定を風量モード３と呼ぶ。風量モード３の単位時間当たりの回転数をＮ３とする。単位時間当たりの回転数が風量モード３の次に少ない設定を風量モード４と呼ぶ。風量モード４の単位時間当たりの回転数をＮ４とする。単位時間当たりの回転数が風量モード４の次に少ない設定を風量モード５と呼ぶ。風量モード５の単位時間当たりの回転数をＮ５とする。つまり、風量モードの設定には、Ｎ１＜Ｎ２＜Ｎ３＜Ｎ４＜Ｎ５の関係が成り立つ。

　図５は、実施の形態１に係る扇風機１のファン３を示す概略図である。ファン３は、ファンモータ２ａの第一回転軸（図示しない）に取り付けられている。ファン３は、プロペラファンであり、ファンモータ２ａの回転によって同方向に回転して、気流を発生させる。ファン３は、矢印Ａ方向に回転することで、前方、つまり電動機部２からファン３に向かう方向に気流を発生させる。また、ファン３は、矢印Ｂ方向に回転することで、後方、つまりファン３から電動機部２に向かう方向に気流を発生させる。以降、ファンモータ２ａおよびファン３が矢印Ａ方向に回転することを、扇風機１は正回転するといい、ファンモータ２ａおよびファン３が矢印Ｂ方向に回転することを、扇風機１は逆回転するという。扇風機１が逆回転することで、扇風機１が正回転時にファンに付着させた塵埃に対して、正回転時とは異なる送風方向の気流を発生させ、正回転時にファン３に付着した塵埃を吹き飛ばすことができる。

　図６は、実施の形態１に係る扇風機１のグリル４を示す概略図である。グリル４は、ファン３を囲むように電動機部２に取り付けられるスリットの形成されたケースである。グリル４がファン３を囲むように取り付けられるため、グリル４は使用者が回転するファン３に触れることを防止することができる。グリル４は、後グリル４ａと前グリル４ｂを備えている。後グリル４ａは、後端が電動機部２に取り付けられ、ファン３よりも前に前端が位置する。前グリル４ｂは、後グリル４ａの前端に取り付けられる。後グリル４ａの前端に前グリル４ｂを取り付けることで、ファン３は、グリル４に前後方向から囲まれる。前グリル４ｂを後グリル４ａに取り付けるための、固定部４ｃが後グリル４ａと前グリル４ｂにそれぞれ設けられている。

　支柱部５は、鉛直方向に延びた棒状の支柱である。支柱部５の上端にはＸ軸を中心に回転する支柱側第一歯車（図示しない）が固定され、支柱部５の下端にはＺ軸を中心に回転する支柱側第二歯車（図示しない）が固定されている。支柱部５の上端には電動機部２が取り付けられ、第一歯車２ｃと支柱側第一歯車（図示しない）が噛み合うようになっている。支柱部５の下端には台座部６が取り付けられる。

　台座部６は、支柱部５を支える円形状の土台である。台座部６の内部には、左右首振りモータ（図示しない）と第二歯車（図示しない）が設置されている。左右首振りモータ（図示しない）は、Ｚ軸に対して平行な方向に突出した第三回転軸（図示しない）を有し、制御部８の制御に従って、第三回転軸（図示しない）を回転させる。第二歯車（図示しない）は、第三回転軸（図示しない）に取り付けられる歯車であり、第三回転軸（図示しない）を中心に回転する。第二歯車（図示しない）は、支柱側第二歯車（図示しない）と噛み合うようになっている。つまり、左右首振りモータ（図示しない）は、第二歯車（図示しない）を介して支柱側第二歯車（図示しない）を回転させることができるようになっている。これにより、左右首振りモータ（図示しない）が第三回転軸を中心に回転することで、支柱側第二歯車（図示しない）が回転して支柱部５が回動する。すなわち、左右首振りモータ（図示しない）は、扇風機１の左右方向の首振り動作を行うものである。

　操作部７は、台座部６に露出するように設けられる複数のボタンである。図７は、実施の形態１に係る扇風機１の操作部７を示す外観図である。図７に示すように、操作部７は、電源ボタン７ａ、風量下げボタン７ｂ、風量上げボタン７ｃ、おそうじボタン７ｄ、上下首振りボタン７ｅおよび左右首振りボタン７ｆを備える。操作部７の各ボタンは、制御部８と接続されている。制御部８は、使用者にボタンが操作されることによって、操作されたボタンに対応した指令信号を生成する。各ボタンが操作された場合の、動作については後述する。また、おそうじボタン７ｄは、光源（図示しない）を備え、操作されることにより点灯、消灯または、点滅する。

　制御部８は、台座部６の内部に設けられるマイクロプロセッサである。制御部８は、操作部７の生成する指令信号に基づいて、ファンモータ２ａ、上下首振りモータ２ｂおよび左右首振りモータ（図示しない）を制御する。制御内容については後述する。

　次に、実施の形態１の扇風機１の制御を説明する。電源ボタン７ａが押下されると、制御部８は、ファンモータ２ａの回転と停止とを切り替えるための指令信号を生成する。ファンモータ２ａが停止しているときは、電源ボタン７ａが操作されることにより、制御部８は、ファンモータ２ａを矢印Ａ方向で回転させる正回転開始信号をファンモータ２ａに送信する。ファンモータ２ａは、正回転開始信号を受信すると、矢印Ａ方向に回転する。これにより、扇風機１は、ファン３を回転して、前方、つまり電動機部２からファン３に向かう方向に気流を発生させる。一方で、ファンモータ２ａが回転しているときは、電源ボタン７ａが操作されることにより、制御部８は、ファンモータ２ａを停止させるための正回転停止信号をファンモータ２ａへ送信する。ファンモータ２ａは、正回転停止信号を受信すると、回転を停止する。つまり、ファンモータ２ａが回転を停止している状態で電源ボタン７ａが押下されると、ファンモータ２ａが矢印Ａ方向に回転して扇風機１は正回転する。以降、扇風機１が正回転している状態を送風運転状態と呼ぶ。ファンモータ２ａが回転している状態で電源ボタン７ａが押下されると、ファンモータ２ａが停止する。以降、ファンモータ２ａが停止している状態を停止状態と呼ぶ。

　風量下げボタン７ｂが押下されると、制御部８は、ファンモータ２ａの単位時間当たりの回転数を減少させて、ファン３が単位時間当たりに送風する空気量を減少させる回転数減少信号をファンモータ２ａに出力する。ファンモータ２ａは、回転数減少信号を受信すると、単位時間当たりの回転数を、予め決められた分だけ減少させる。つまり、風量下げボタン７ｂが押下されると、ファンモータ２ａの風量モードを１つ下の段階に下げて、ファン３が単位時間当たりに送風する空気量を減少させる。

　風量上げボタン７ｃが押下されると、制御部８は、ファンモータ２ａの単位時間当たりの回転数を増加させて、ファン３が単位時間当たりに送風する空気量を増加させる回転数増加信号をファンモータ２ａに出力する。ファンモータ２ａは、回転数増加信号を受信すると、単位時間当たりの回転数を、予め決められた分だけ増加させる。つまり、風量上げボタン７ｃが押下されると、ファンモータ２ａの風量モードを１つ上の段階に上げて、ファン３が単位時間当たりに送風する空気量を増加させる。

　おそうじボタン７ｄが押下されると、制御部８は、清掃運転実施と清掃運転中止とを切り替えるための指令信号を生成する。清掃運転を実施するときは、おそうじボタン７ｄが操作されることにより、制御部８は、ファンモータ２ａを停止させるための正回転停止信号の後に、第一の時間経過後、ファンモータ２ａを矢印Ｂ方向で回転させる逆回転開始信号をファンモータ２ａに送信する。第一の時間とは、ファンモータ２ａの停止から慣性によって回転するファン３が完全に停止するまでに必要な時間である。ファンモータ２ａは、逆回転開始信号を受信すると、第二の時間、所定の風量モードで矢印Ｂ方向に回転する。第二の時間は、予め設定された時間であり、例えば３０秒である。これにより、扇風機１はファン３を回転して、後方、つまりファン３から電動機部２に向かう方向に気流を発生させ、ファン３に付着した塵埃を取り除くことができる。一方、清掃運転を中止するときは、おそうじボタン７ｄが操作されることにより、制御部８は、ファンモータ２ａを停止させるための正回転停止信号の後に、逆回転開始信号をファンモータ２ａに送信しない。また、制御部８が清掃運転実施または清掃運転中止のいずれかの指令信号を生成しているか報知するために、おそうじボタン７ｄの光源（図示しない）は、清掃運転実施の指令信号を受信しているときは点灯し、清掃運転中止の指令信号を受信しているときは消灯するように制御される。以降、ファンモータ２ａが矢印Ｂ方向で回転して扇風機１が逆回転する状態を清掃運転状態と呼ぶ。なお、清掃運転状態において、電源ボタン７ａが押下された場合には、制御部８は、ファンモータ２ａが第二の時間矢印Ｂ方向に回転した後に、ファンモータ２ａを矢印Ａ方向に回転させるように制御する。このとき、扇風機１が清掃運転状態であることを報知するために、おそうじボタン７ｄの光源（図示しない）が、所定の時間点滅する。また、清掃運転状態において、再度おそうじボタン７ｄが押下された場合には、制御部８は、ファンモータ２ａを停止させるための逆回転停止信号をファンモータ２ａに送信する。ファンモータ２ａは、逆回転停止信号を受信すると回転を停止する。なお、第一の時間および第二の時間は実験により計測して定められている。例えば、ファンモータ２ａの停止から慣性によって回転するファン３が完全に停止するまでの時間をシミュレーションまたは実験によって導出することで、第一の時間は導出した時間以上の時間に定められる。また、清掃運転状態の開始からファン３に付着した塵埃が吹き飛ばされるまでの時間をシミュレーションまたは実験によって導出することで、第二の時間は導出した時間以上の時間に定められる。

　上下首振りボタン７ｅが押下されると、制御部８は、上下首振りモータ２ｂの作動と停止とを切り替える。上下首振りモータ２ｂが停止しているときは、上下首振りボタン７ｅが操作されることにより、制御部８は、上下首振りモータ２ｂの回転軸を回転させる上下首振り開始信号を上下首振りモータ２ｂに送信する。上下首振りモータ２ｂは、上下首振り開始信号を受信すると回転して、電動機部２を鉛直方向に回動させる。一方で、上下首振りモータ２ｂが回転しているときは、上下首振りボタン７ｅが操作されることにより、制御部８は、上下首振りモータ２ｂを停止させるための上下首振り停止信号を上下首振りモータ２ｂへ送信する。上下首振りモータ２ｂは、上下首振り停止信号を受信すると、回転を停止する。つまり、上下首振りモータ２ｂが停止している状態で上下首振りボタン７ｅが押下されると、上下首振りモータ２ｂが回転して、電動機部２が鉛直方向に回動する。以降、この状態を上下首振り運転状態と呼ぶ。上下首振りモータ２ｂが回転している状態で上下首振りボタン７ｅが押下されると、上下首振りモータ２ｂが停止する。これにより、電動機部２を鉛直方向において任意の方向で固定できる。

　左右首振りボタン７ｆが押下されると、制御部８は、左右首振りモータ６ａの作動と停止とを切り替える。左右首振りモータ６ａが停止しているときは、左右首振りボタン７ｆが操作されることにより、制御部８は、ファンモータ２ａを回転させる左右首振り開始信号を左右首振りモータ６ａに送信する。左右首振りモータ６ａは、左右首振り開始信号を受信すると回転して、支柱部５を鉛直方向とは垂直方向に回動させる。一方で、左右首振りモータ６ａが回転しているときは、左右首振りボタン７ｆが操作されることにより、制御部８は、左右首振りモータ６ａを停止させるための左右首振り停止信号を左右首振りモータ６ａへ送信する。左右首振りモータ６ａは、左右首振り停止信号を受信すると、回転を停止する。つまり、左右首振りモータ６ａが回転停止している状態で左右首振りボタン７ｆが押下されると、左右首振りモータ６ａが回転して、支柱部５が鉛直方向とは垂直方向に回動する。以降、この状態を左右首振り運転状態と呼ぶ。左右首振りモータ６ａが回転している状態で左右首振りボタン７が押下されると、左右首振りモータ６ａが停止する。これにより、電動機部２を鉛直方向とは垂直方向において任意の方向で固定できる。

　次に、ファンモータ２ａが回転方向を矢印Ａ方向および矢印Ｂ方向に切り替えることができる構成について説明する。図８は、実施の形態１に係る扇風機１のファンモータ２ａの回転方向を切り替えることができる構成を示す簡易回路図である。図９は、実施の形態１に係る扇風機１が送風運転状態であるとき簡易回路図である。図１０は、実施の形態１に係る扇風機１が清掃運転状態であるとき簡易回路図である。交流回路１００は、ＡＣモータであるファンモータ２ａの回転方向を切り替えることができる回路である。交流回路１００は、第一制御回路１０１と、電源１０２と、第一リレー１０３、第二リレー１０４、第三リレー１０５、第四リレー１０６およびファンモータ２ａを有する。また、ファンモータ２ａは、Ｍコイル１０７と、Ｓコイル１０８と、コンデンサ１０９を有する。第一制御回路１０１は、制御部８の一部であり、操作部７の生成する指令信号に従って交流電流を流す。電源１０２は、扇風機１に電気を供給するものである。第一リレー１０３は、ＯＮのときにＭコイル１０７の一方とＳコイル１０８の一方を接続する位置にある。第二リレー１０４は、ＯＮのときにＳコイル１０８の第一リレー１０３の他方とコンデンサ１０９を接続する位置にある。第三リレー１０５は、ＯＮのときにＳコイル１０８の一方とコンデンサ１０９の一方を接続する位置にある。第四リレー１０６は、ＯＮのときに制御回路とＳコイル１０８の他方を接続する位置にある。Ｍコイル１０７およびＳコイル１０８は、電流が流れることで、回転磁界を発生させて、第一回転軸（図示しない）を回転させる。コンデンサ１０９は、電流の位相周期を変えるためのものである。つまり、ＡＣモータであるファンモータ２ａは、Ｍコイル１０７に流れる電流に対してＳコイル１０８に流れる電流の方向を変えることで、回転磁界の方向を変え、第一回転軸（図示しない）の回転方向を切り替えることができる。

　まず、ファンモータ２ａを送風運転状態、つまりファンモータ２ａの第一回転軸を矢印Ａ方向に回転させる動作を説明する。送風運転状態において、交流回路１００は、図９に示すように、第一リレー１０３および第二リレー１０４をＯＮにして、第三リレー１０５および第四リレー１０６をＯＦＦにする。この状態において、第一制御回路１０１から出力された電流が、Ｍコイル１０７を矢印Ｃ方向に流れたとき、Ｓコイル１０８にも矢印Ｃ方向に電流が流れる。次に、ファンモータ２ａを清掃運転状態、つまりファンモータ２ａの第一回転軸を矢印Ｂ方向に回転させる動作を説明する。清掃運転状態において、交流回路１００は、図９に示すように、第一リレー１０３および第二リレー１０４をＯＦＦにして、第三リレー１０５および第四リレー１０６をＯＮにする。この状態において、第一制御回路１０１から出力された電流が、Ｍコイル１０７を矢印Ｃ方向に流れたとき、Ｓコイル１０８には矢印Ｄ方向に電流が流れる。このように交流回路１００では、第一リレー１０３、第二リレー１０４、第三リレー１０５および第四リレー１０６を切り替えることで、Ｍコイル１０７に対するＳコイル１０８を流れる電流の方向を切り替えて回転磁界の方向を変え、第一回転軸（図示しない）の回転方向を切り替えることができる。つまり、ファンモータ２ａの回転方向を切り替えることができる。

　次に、実施の形態１の扇風機１の制御の流れを説明する。図１１は、実施の形態１に係る扇風機１の清掃運転における制御の流れを示すフローチャートである。制御部８が、ファンモータ２ａに正回転停止信号を送信した場合に、以下のフローを開始する。なお、風量下げボタン７ｂ、風量上げボタン７ｃ、上下首振りボタン７ｅおよび左右首振りボタン７ｆについては、既存の技術内容であるためここでは説明を省略する。

　まず、Ｓ１－１では、清掃運転指示があるか確認する。つまり、制御部８が清掃運転を実施する逆回転開始信号を送信しているときは、Ｓ１－４に移行する。制御部８が清掃運転を実施する逆回転開始信号を送信していないときは、本フローを終了する。

　次に、Ｓ１－２では、清掃運転開始処理が行われる。清掃運転開始処理とは、ファンモータ２ａが、逆回転開始信号を受信して、矢印Ｂ方向に回転を開始する処理である。

　次に、Ｓ１－３では、清掃運転処理が行われる。清掃運転処理とは、扇風機１が逆回転する処理である。

　次に、Ｓ１－４では、清掃停止指示があるか確認する。つまり、制御部８がファンモータ２ａの回転を停止させる逆回転停止信号を送信した場合には、清掃停止指示があると判断し、Ｓ１－５に移行する。制御部８がファンモータ２ａの回転を停止させる逆回転停止信号を送信していない場合には、清掃停止指示がないと判断し、Ｓ１－３に戻り、清掃運転処理を続ける。なお、第二の時間経過後、制御部８は、ファンモータ２ａの回転を停止させる逆回転停止信号をファンモータ２ａに送信する。

　次に、Ｓ１－５では、清掃運転停止処理が行われる。清掃運転停止処理とは、ファンモータ２ａが、逆回転停止信号を受信して、回転を停止する処理である。

　以上の様に、実施の形態１の扇風機１は、使用者がおそうじボタン７ｄを押下することで、送風運転停止後に自動で清掃運転を行うことができるものである。

　以上のように構成した実施の形態１の扇風機１は、ファンモータ２ａと、ファンモータ２ａを第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）および第一の回転方向とは異なる第二の回転方向（矢印Ｂ方向が該当）に回転させる制御部８と、ファンモータ２ａに設けられ、ファンモータ２ａが第一の回転方向に回転する場合に、第一の送風方向（前方が該当）に気流を発生させ、ファンモータ２ａが第二の回転方向に回転する場合に、前記第一の送風方向とは異なる第二の送風方向（後方が該当）に気流を発生させるファン３を備える構成である。これにより、扇風機１は送風運転状態で発生させた気流、つまりファンモータ２ａおよびファン３が矢印Ａ方向に回転したことにより発生した前方への気流により、ファン３に塵埃が付着したとしても、扇風機１は清掃運転状態にすることで、ファンモータ２ａおよびファン３が矢印Ｂ方向に回転させて、後方への気流を発生させ、ファン３に付着した塵埃を吹き飛ばして取り除くことができるという効果を奏する。さらに、本構成では、ファン３の材料を防汚性材料へ変更したり、塵埃が付着し難くする表面処理を施したりする必要がなく、製造コストを低減することができるという効果を奏する。

　実施の形態１に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファン３を囲むグリル４を備える構成である。当該付加的な構成によって、扇風機１は、清掃運転状態にすることで、グリルに付着した塵埃も吹き飛ばして取り除くことができる。

　実施の形態１に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａが、ＡＣモータである構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、ＤＣモータよりも製造コストを低減できるという効果を奏する。

　実施の形態１に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａを第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転させる状態（送風運転状態が該当）と第二の回転方向（矢印Ｂ方向が該当）に回転させる状態（清掃運転状態が該当）とで切り替えることができる操作部（おそうじボタン７ｄが該当）を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、使用者が必要とするときにのみ、清掃運転を行うことができるという効果を奏する。また、清掃運転中にグリル４内に異物が侵入してファン３に異常が発生した場合でも、使用者が操作部７を操作することで、すぐにファンモータ２ａを停止させることができる。

　実施の形態１に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａおよびファン３を、鉛直方向において回動させる第一の首振りモータ（上下首振りモータ２ｂが該当）を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、清掃運転状態において、ファン３を鉛直方向のベクトルを有する向きに向けることができるため、ファン３に付着していた塵埃を、ファン３の鉛直下方に集めることができる。このため、ファン３から取り除いた塵埃を集めて処理しやすいという効果を奏する。

　実施の形態１に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａおよびファン３を、鉛直方向と垂直な方向において回動させる第二の首振りモータ（左右首振りモータ６ａが該当）を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、送風運転状態および清掃運転状態において、扇風機１を動かすことなく、ファン３の発生させる気流の方向を変えることができるという効果を奏する。

　実施の形態１に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａが第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転した後、所定の時間（第二の時間が該当）、前記ファンモータが前記第二の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転させる制御部８を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、使用者は、清掃運転を停止させるために操作する必要がなく、手間が軽減されるという効果を奏する。

　実施の形態１の扇風機１の第一の変形例として、ファン３の形状はプロペラファンに限られない。ファン３は、ファンモータ２ａが第一の回転方向に回転する場合に、第一の送風方向に気流を発生させ、ファンモータ２ａが第二の回転方向に回転する場合に、前記第一の送風方向とは異なる第二の送風方向に気流を発生させる形状であれば構わない。

　実施の形態１の扇風機１の第二の変形例として、左右首振りモータ６ａの設置場所は、台座部６に限られず、電動機部２を鉛直方向とは垂直な方向に回動させることができればよい。例えば、支柱部５の下端、支柱部５の上端または電動機部２でも構わない。また、左右首振りモータ６ａを設けなくとも構わない。

　実施の形態１の扇風機１の第三の変形例として、操作部７の設置場所は、台座部６に限られない。例えば、扇風機１はリモコンを備える構成であり、リモコンに操作部７を設けても構わない。

　実施の形態１の扇風機１の第四の変形例として、制御部８は、マイクロプロセッサに限られない。例えば、制御部８は、マイクロコントローラを用いても構わない。

実施の形態１の扇風機１の第五の変形例として、操作部７のボタン構成は、実施の形態１に限られない。他にも、ファン３の送風量を時間経過で変化させるリズムボタン、所定の時間経過後に電源を切る設定を行う切タイマー設定ボタン、および所定の時間経過後に電源を入れる設定を行う入タイマー設定ボタンなどを備える構成が考えられる。また、おそうじボタン７ｄを設けなくても構わない。図１２は、実施の形態１に係る扇風機１の操作部７の変形例を示す外観図である。例えば、図１２に示すように、操作部７は、電源ボタン７ａ、風量下げボタン７ｂおよび風量上げボタン７ｃを備えるのみでも構わない。この場合、清掃運転は、送風運転の後に自動で行われるのみとなる。つまり、制御の流れは、図１１の制御の流れにおいてＳ１－１およびＳ１－４が省略されたものである。あるいは、既存のボタンに特定の操作をすることで、おそうじボタン７ｄと同様の機能となる構成でも構わない。例えば、電源ボタン７ａを長押しすることで、おそうじボタン７ｄと同様の機能となる構成が考えられる。このように構成することで、既存の扇風機の部品を用いることができ、製造コストを低減することができる。

実施の形態１の扇風機１の第六の変形例として、制御部８は、送風運転状態の時間を検出して、送風運転状態の時間に応じて、清掃運転の制御内容を変更しても構わない。例えば、送風運転状態の時間が所定の時間以下である場合には、清掃運転を行わない構成としても構わないし、送風運転状態の時間が長いほど、第二の時間を長くする構成としても構わない。

実施の形態２．
　実施の形態２に係る扇風機１について説明する。実施の形態１では、扇風機１は、ファン３がＡＣモータである構成を示した。実施の形態２では、ファン３がＤＣモータである構成である。つまり、実施の形態２に係る扇風機１には、ファンモータ２ａの回転方向を切り替えることができる制御回路の構成が、実施の形態１に係る扇風機１とは異なる。なお、実施の形態２に係る扇風機１は、ファン３がＡＣモータである構成を除く他の構成および制御の流れは実施の形態１に係る扇風機１と同様である。当該同様の部分について実施の形態２では説明を省略する。

　ファンモータ２ａが回転方向を矢印Ａ方向および矢印Ｂ方向に切り替えることができる構成について説明する。図１３は、実施の形態２に係る扇風機１のファンモータ２ａの回転方向を切り替えることができる構成を示す簡易回路図である。図１４は、実施の形態２に係る扇風機１が送風運転状態であるとき簡易回路図である。図１５は、実施の形態２に係る扇風機１が清掃運転状態であるとき簡易回路図である。直流回路２００は、ＤＣモータであるファンモータ２ａの回転方向を切り替えることができる回路である。直流回路２００は、第二制御回路２０１と、電源１０２と、第五リレー２０２、第六リレー２０３およびファンモータ２ａを有する。第二制御回路２０１は、制御部８の一部であり、操作部７の生成する指令信号に従って直流電流を流す。つまり、第二制御回路２０１は、電源１０２から供給される交流電流を直流電流に変換する機能を有するものである。電源１０２は、扇風機１に電気を供給するものである。第五リレー２０２は、２つの第一接続先２０２ａ、第二接続先２０２ｂを有する。第六リレー２０３は、２つの第三接続先２０３ａ、第四接続先２０３ｂを有する。第一接続先２０２ａは、ファンモータ２ａの一方と第四接続先２０３ｂと接続している。第二接続先２０２ｂは、ファンモータ２ａの第一接続先２０２ａと接続していない方と第三接続先２０３ａと説明している。第三接続先２０３ａは、第二接続先２０２ｂとファンモータ２ａの一方と説明している。第四接続先２０３ｂは、第一接続先２０２ａとファンモータ２ａの第三接続先２０３ａと接続していない方と接続している。

　ファンモータ２ａを送風運転状態、つまりファンモータ２ａの第一回転軸を矢印Ａ方向に回転させる動作を説明する。送風運転状態において、直流回路２００は、図１４に示すように、第五リレー２０２を第一接続先２０２ａに接続して、第六リレー２０３を第三接続先２０３ａに接続する。この状態において、第二制御回路２０１から出力された電流は、矢印Ｃ方向に流れる。次に、ファンモータ２ａを清掃運転状態、つまりファンモータ２ａの第一回転軸を矢印Ｂ方向に回転させる動作を説明する。清掃運転状態において、第二制御回路２０１、図１５に示すように、第五リレー２０２を第二接続先２０２ｂに接続して、第六リレー２０３を第四接続先２０３ｂに接続する。この状態において、第二制御回路２０１から出力された電流は、矢印Ｃ方向とは逆方向である矢印Ｄ方向に流れる。このように直流回路２００では、第五リレー２０２および第六リレー２０３を切り替えることで、ファンモータ２ａに流れる電流の方向を切り替えることができる。つまり、ファンモータ２ａの回転方向を切り替えることができる。

　以上のように構成した実施の形態２の扇風機１は、ファンモータ２ａと、ファンモータ２ａを第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）および第一の回転方向とは異なる第二の回転方向（矢印Ｂ方向が該当）に回転させる制御部８と、ファンモータ２ａに設けられ、ファンモータ２ａが第一の回転方向に回転する場合に、第一の送風方向（前方が該当）に気流を発生させ、ファンモータ２ａが第二の回転方向に回転する場合に、前記第一の送風方向とは異なる第二の送風方向（後方が該当）に気流を発生させるファン３を備える構成である。これにより、扇風機１は送風運転状態で発生させた気流、つまりファンモータ２ａおよびファン３が矢印Ａ方向に回転したことにより発生した前方への気流により、ファン３に塵埃が付着したとしても、扇風機１は清掃運転状態にすることで、ファンモータ２ａおよびファン３が矢印Ｂ方向に回転させて、後方への気流を発生させ、ファン３に付着した塵埃を吹き飛ばして取り除くことができるという効果を奏する。さらに、本構成では、ファン３の材料を防汚性材料へ変更したり、塵埃が付着し難くする表面処理を施したりする必要がなく、製造コストを低減することができるという効果を奏する。

　実施の形態２に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファン３を囲むグリル４を備える構成である。当該付加的な構成によって、扇風機１は、清掃運転状態にすることで、グリルに付着した塵埃も吹き飛ばして取り除くことができる。

　実施の形態２に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａが、ＤＣモータである構成を有する。当該付加的な構成によって、ＡＣモータよりも消費電力を小さくすることができ、また運転中の騒音を小さくすることができるという効果を奏する。

　実施の形態２に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａを第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転させる状態（送風運転状態が該当）と第二の回転方向（矢印Ｂ方向が該当）に回転させる状態（清掃運転状態が該当）とで切り替えることができる操作部（おそうじボタン７ｄが該当）を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、使用者が必要とするときにのみ、清掃運転を行うことができるという効果を奏する。また、清掃運転中にグリル４内に異物が侵入してファン３に異常が発生した場合でも、使用者が操作部７を操作することで、すぐにファンモータ２ａを停止させることができる。

　実施の形態２に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａおよびファン３を、鉛直方向において回動させる第一の首振りモータ（上下首振りモータ２ｂが該当）を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、清掃運転状態において、ファン３を鉛直方向のベクトルを有する向きに向けることができるため、ファン３に付着していた塵埃を、ファン３の鉛直下方に集めることができる。このため、ファン３から取り除いた塵埃を集めて処理しやすいという効果を奏する。

　実施の形態２に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａおよびファン３を、鉛直方向と垂直な方向において回動させる第二の首振りモータ（左右首振りモータ６ａが該当）を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、送風運転状態および清掃運転状態において、扇風機１を動かすことなく、ファン３の発生させる気流の方向を変えることができるという効果を奏する。

　実施の形態２に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａが第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転した後、所定の時間（第二の時間が該当）、前記ファンモータが前記第二の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転させる制御部８を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、使用者は、清掃運転を停止させるために操作する必要がなく、手間が軽減されるという効果を奏する。

　実施の形態２の扇風機１は、実施の形態１の第一の変形例と同様に、ファン３の形状はプロペラファンに限られない。

　実施の形態２の扇風機１は、実施の形態１の第二の変形例と同様に、左右首振りモータ６ａの設置場所は、台座部６に限られない。

　　実施の形態２の扇風機１は、実施の形態１の第三の変形例と同様に、操作部７の設置場所は、台座部６に限られない。

　　実施の形態２の扇風機１は、実施の形態１の第四の変形例と同様に、制御部８は、マイクロプロセッサに限られない。

　実施の形態２の扇風機１は、実施の形態１の第五の変形例と同様に、操作部７のボタン構成は、実施の形態１に限られない。

　実施の形態２の扇風機１は、実施の形態１の第六の変形例と同様に、制御部８が送風運転状態の時間を検出して、送風運転状態の時間に応じて、清掃運転の制御内容を変更しても構わない。

実施の形態３．
　実施の形態３に係る扇風機１について説明する。実施の形態１、２では、扇風機１は、
送風運転の後に第二の時間、所定の風量モードで清掃運転を行う構成を示した。実施の形態３では、送風運転時の風量モードに応じて、清掃運転の制御内容を変更する構成である。なお、実施の形態３に係る扇風機１は、制御の流れを除く他の構成は実施の形態１または２に係る扇風機１と同様である。当該同様の部分について実施の形態３では説明を省略する。

実施の形態３の扇風機１の制御の流れを説明する。図１６は、実施の形態３に係る扇風機１の清掃運転における制御の流れを示すフローチャートである。

　Ｓ２－１は、Ｓ１－１と同様であるため、説明を省略する。Ｓ２－２では、風量モードが１であったか確認する。つまり、送風運転状態における風量モードが１であった場合には、Ｓ２－３に移行する。送風運転状態における風量モードが１でない場合には、Ｓ２－４に移行する。

　次に、Ｓ２－３では、強清掃運転設定処理が行われる。強清掃運転設定処理とは、制御部８が、ファンモータ２ａの単位時間当たりの回転数を増加させる回転数増加信号をファンモータ２ａに出力して風量モードを５に設定し、かつファンモータ２ａに逆回転開始信号を送信する処理である。ファンモータ２ａは、逆回転開始信号を受信すると、風量モード５の単位時間当たりの回転数で、矢印Ｂ方向に回転を開始する。

　次に、Ｓ２－４では、風量モードが２であったか確認する。つまり、送風運転状態における風量モードが２であった場合には、Ｓ２－５に移行する。送風運転状態における風量モードが２でない場合には、Ｓ２－６に移行する。

　次に、Ｓ２－５では、中清掃運転設定処理が行われる。中清掃運転設定処理とは、制御部８が、ファンモータ２ａの単位時間当たりの回転数を増加させる回転数増加信号をファンモータ２ａに出力して風量モードを４に設定し、かつファンモータ２ａに逆回転開始信号を送信する処理である。ファンモータ２ａは、逆回転開始信号を受信すると、風量モード４の単位時間当たりの回転数で、矢印Ｂ方向に回転を開始する。

　次に、Ｓ２－６では、風量モードが３であったか確認する。つまり、送風運転状態における風量モードが３であった場合には、Ｓ２－７に移行する。送風運転状態における風量モードが３でない場合には、本フローを終了する。つまり、本実施の形態の制御では、風量モードが４または５の場合に、扇風機１は清掃運転を行わない。

　次に、Ｓ２－７では、弱清掃運転設定処理が行われる。弱清掃運転設定処理とは、制御部８が、ファンモータ２ａの単位時間当たりの回転数を増加させる回転数増加信号をファンモータ２ａに出力して風量モードを３に設定し、かつファンモータ２ａに逆回転開始信号を送信する処理である。ファンモータ２ａは、逆回転開始信号を受信すると、風量モード３の単位時間当たりの回転数で、矢印Ｂ方向に回転を開始する。

　以降、Ｓ２－８からＳ２－１１までは、それぞれＳ１－２からＳ１－５と同様であるため、説明を省略する。以上の様に、実施の形態３の扇風機１は、使用者がおそうじボタン７ｄを押下することで、送風運転状態での風量モードに応じて清掃運転状態での制御内容を変更することができるものである。

　以上のように構成した実施の形態３の扇風機１は、ファンモータ２ａと、ファンモータ２ａを第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）および第一の回転方向とは異なる第二の回転方向（矢印Ｂ方向が該当）に回転させる制御部８と、ファンモータ２ａに設けられ、ファンモータ２ａが第一の回転方向に回転する場合に、第一の送風方向（前方が該当）に気流を発生させ、ファンモータ２ａが第二の回転方向に回転する場合に、前記第一の送風方向とは異なる第二の送風方向（後方が該当）に気流を発生させるファン３を備える構成である。これにより、扇風機１は送風運転状態で発生させた気流、つまりファンモータ２ａおよびファン３が矢印Ａ方向に回転したことにより発生した前方への気流により、ファン３に塵埃が付着したとしても、扇風機１は清掃運転状態にすることで、ファンモータ２ａおよびファン３が矢印Ｂ方向に回転させて、後方への気流を発生させ、ファン３に付着した塵埃を吹き飛ばして取り除くことができるという効果を奏する。さらに、本構成では、ファン３の材料を防汚性材料へ変更したり、塵埃が付着し難くする表面処理を施したりする必要がなく、製造コストを低減することができるという効果を奏する。

　実施の形態３に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファン３を囲むグリル４を備える構成である。当該付加的な構成によって、扇風機１は、清掃運転状態にすることで、グリルに付着した塵埃も吹き飛ばして取り除くことができる。

　実施の形態３に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａが、ＡＣモータである構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、ＤＣモータよりも製造コストを低減できるという効果を奏する。

　実施の形態３に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａを第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転させる状態（送風運転状態が該当）と第二の回転方向（矢印Ｂ方向が該当）に回転させる状態（清掃運転状態が該当）とで切り替えることができる操作部（おそうじボタン７ｄが該当）を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、使用者が必要とするときにのみ、清掃運転を行うことができるという効果を奏する。また、清掃運転中にグリル４内に異物が侵入してファン３に異常が発生した場合でも、使用者が操作部７を操作することで、すぐにファンモータ２ａを停止させることができる。

　実施の形態３に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａおよびファン３を、鉛直方向において回動させる第一の首振りモータ（上下首振りモータ２ｂが該当）を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、清掃運転状態において、ファン３を鉛直方向のベクトルを有する向きに向けることができるため、ファン３に付着していた塵埃を、ファン３の鉛直下方に集めることができる。このため、ファン３から取り除いた塵埃を集めて処理しやすいという効果を奏する。

　実施の形態３に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａおよびファン３を、鉛直方向と垂直な方向において回動させる第二の首振りモータ（左右首振りモータ６ａが該当）を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、送風運転状態および清掃運転状態において、扇風機１を動かすことなく、ファン３の発生させる気流の方向を変えることができるという効果を奏する。

　実施の形態３に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａが第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転した後、所定の時間（第二の時間が該当）、前記ファンモータが前記第二の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転させる制御部８を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、使用者は、清掃運転を停止させるために操作する必要がなく、手間が軽減されるという効果を奏する。

　実施の形態３に係る扇風機１は、付加的な構成として、ファンモータ２ａが第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転した後、ファンモータ２ａの単位時間当たりの第一の回転方向への回転数よりも、ファンモータ２ａが第二の回転方向（矢印Ｂ方向が該当）に回転する際の単位時間当たりの回転数を多くする構成を有する。ここで、この送風運転時の風量モードに応じて、清掃運転の制御内容を変更する意図について説明する。そのために、まずファン３に塵埃が付着する原理について説明する。扇風機１が正回転すると、ファン３は、電動機部２からファン３に向かう方向に気流を発生させる。このとき、扇風機１の周囲に浮いている塵埃も空気とともにファン３に引き寄せてしまう。さらに、ファン３は空気と触れながら回転するため、ファン３と空気の間に摩擦が生じ、ファン３には静電気が生じる。これにより、ファン３に引き寄せられた塵埃は、ファン３の静電気によりファン３に付着する。ここで、扇風機１の送風する風量が多い場合には、ファン３の回転が速いので、ファン３に付着する塵埃には強い遠心力が発生し、塵埃はファン３に付着し難くなる。また、扇風機１の送風する風量が少ない場合には、ファン３の回転が遅いので、ファン３に付着する塵埃には弱い遠心力が発生し、塵埃はファン３に付着しやすい。つまり、送風運転時の風量モードによって、塵埃がファン３に付着する具合が異なるため、送風運転時の風量モードに応じて、清掃運転の制御内容を変更する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、ファン３に塵埃が付着する可能性が低い場合には、清掃運転を行わない、または、風量モードを下げることで、消費電量の無駄を軽減およびすることができ、また運転中の騒音を小さくすることができるという効果を奏する。

　実施の形態３の扇風機１は、実施の形態１の第一の変形例と同様に、ファン３の形状はプロペラファンに限られない。

　実施の形態３の扇風機１は、実施の形態１の第二の変形例と同様に、左右首振りモータ６ａの設置場所は、台座部６に限られない。

　　実施の形態３の扇風機１は、実施の形態１の第三の変形例と同様に、操作部７の設置場所は、台座部６に限られない。

　　実施の形態３の扇風機１は、実施の形態１の第四の変形例と同様に、制御部８は、マイクロプロセッサに限られない。

　実施の形態３の扇風機１は、実施の形態１の第五の変形例と同様に、操作部７のボタン構成は、実施の形態１に限られない。

　実施の形態３の扇風機１は、実施の形態１の第六の変形例と同様に、制御部８が送風運転状態の時間を検出して、送風運転状態の時間に応じて、清掃運転の制御内容を変更しても構わない。

　また、実施の形態３の扇風機１の第一の変形例として、Ｓ２－３における強清掃運転設定処理、Ｓ２－５における中清掃運転設定処理およびＳ２－７における弱清掃運転設定処理は、風量モードを設定せずに、清掃運転を行う時間すなわち第二の時間を設定するものでも構わない。つまり、ファンモータ２ａが第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）に回転した後、ファンモータの単位時間当たりの第一の回転方向（矢印Ａ方向が該当）への回転数が少ないほど、ファンモータ２ａが第二の回転方向（矢印Ｂ方向が該当）に回転する時間（第二の時間が該当）を長くする構成を有する。当該付加的な構成によって、扇風機１は、ファン３に塵埃が付着する可能性が低い場合には、清掃運転を行わない、または、第二の時間を短くすることで、消費電量の無駄を軽減およびすることができるという効果を奏する。また、２－７における強清掃運転設定処理、Ｓ２－５における中清掃運転設定処理およびＳ２－７における弱清掃運転設定処理は、風量モードと第二の時間の両方を設定するものでも構わない。例えば、Ｓ２－３における強清掃運転設定処理では、風量モードを５に、第二の時間を３０秒に設定し、Ｓ２－５における中清掃運転設定処理では、風量モードを４に、第二の時間を２０秒に設定し、Ｓ２－７における弱清掃運転設定処理では、風量モードを３に、第二の時間を１０秒に設定する構成が挙げられる。

　実施の形態３の扇風機１の第二の変形例として、Ｓ２－３における強清掃運転設定処理、Ｓ２－５における中清掃運転設定処理およびＳ２－７における弱清掃運転設定処理における風量モードの設定は、同様の内容でも構わない。この場合には、Ｓ２－２、Ｓ２－４およびＳ２－６をまとめることができる。

　実施の形態３の扇風機１の第三の変形例として、実施の形態３に係る扇風機１のファンモータ２ａはＤＣモータでも構わない。当該付加的な構成によって、ＡＣモータよりも消費電力を小さくすることができ、また運転中の騒音を小さくすることができるという効果を奏する。

　なお、上記した風量モードの数字はあくまで一例であり、上述の各実施の形態はこれに限定されるものではない。

　なお、上記実施の形態では、送風機の一例として扇風機を説明したが、送風機は扇風機に限定されるものではない。換気扇や空気調和機の室外機などファンを備えるものであればよい。

１　扇風機、２　電動機部、２ａ　ファンモータ、２ｂ　上下首振りモータ、２ｃ　第一歯車、２ｄ　電動機部カバー、３　ファン、４　グリル、５　支柱部、６　台座部、７　操作部、７ａ　電源ボタン、７ｂ　風量下げボタン、７ｃ　風量上げボタン、７ｄ　おそうじボタン、７ｅ　上下首振りボタン、７ｆ　左右首振りボタン、８　制御部、１００　交流回路、１０１　第一制御回路、１０２　電源、１０３　第一リレー、１０４　第二リレー、１０５　第三リレー、１０６　第四リレー、１０７　Ｍコイル、１０８　Ｓコイル、１０９　コンデンサ、２００　直流回路、２０１　第二制御回路、２０２　第五リレー、２０２ａ　第一接続先、２０２ｂ　第二接続先、２０３　第六リレー、２０３ａ　第三接続先、２０３ｂ　第四接続先

Claims

　ファンモータと、
　前記ファンモータを第一の回転方向および前記第一の回転方向とは異なる第二の回転方向に回転させる制御部と、
　前記ファンモータに設けられ、前記ファンモータが前記第一の回転方向に回転する場合に、第一の送風方向に気流を発生させ、前記ファンモータが第二の回転方向に回転する場合に、前記第一の送風方向とは異なる第二の送風方向に気流を発生させるファンと、
　を備える送風機。
　前記ファンモータは、ＡＣモータである請求項１に記載の送風機。
　前記ファンモータは、ＤＣモータである請求項１に記載の送風機。
　前記ファンモータを前記第一の回転方向に回転させる状態と前記第二の回転方向に回転させる状態とで切り替えることができる操作部を備える請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の送風機。
　前記ファンモータおよび前記ファンを、鉛直方向において回動させる第一の首振りモータを備える請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の送風機。
　前記ファンモータおよび前記ファンを、鉛直方向と垂直な方向において回動させる第二の首振りモータを備える請求項１から請求項５のいずれか一項に記載の送風機。
　前記ファンモータが前記第一の回転方向に回転した後、所定の時間、前記ファンモータを前記第二の回転方向に回転させる制御部を備える請求項１から請求項６のいずれか一項に記載の送風機。
　前記ファンモータが前記第一の回転方向に回転した後、前記ファンモータの単位時間当たりの前記第一の回転方向への回転数よりも、前記ファンモータが前記第二の回転方向に回転する際の単位時間当たりの回転数を多くする請求項１から請求項７のいずれか一項に記載の送風機。
　前記ファンモータが前記第一の回転方向に回転した後、前記ファンモータの単位時間当たりの前記第一の回転方向への回転数が少ないほど、前記ファンモータが前記第二の回転方向に回転する時間が長くする請求項１から請求項８のいずれか一項に記載の送風機。