WO2023007812A1 - 車載処理装置 - Google Patents

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Abstract

車両に搭載される車載処理装置は、入力データに基づき出力データを演算する演算部と、データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータを管理するデータ管理部と、前記車載処理装置の内部のログを収集して外部に出力するログ収集部と、を備え、前記データ管理部は、前記記憶部に記憶されたデータを前記入力データとして前記演算部に入力するとともに、前記演算部から出力される前記出力データを前記記憶部に記憶させ、前記ログ収集部は、前記記憶部に記憶されたデータを参照取得し、前記ログとして外部に出力する。

Description

車載処理装置
 本発明は、車載処理装置に関する。
 近年、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)の内部情報をログとして記録、または通信ネットワークを介して外部より収集することのニーズが高まっている。従来、こうしたログは、故障診断やプログラムの不具合分析などに利用されていたが、近年では、事故発生時の状況分析やセキュリティの侵入検知、あるいは故障予兆分析など、さらに幅広い用途で利用されるようになっている。一方で、すべてのログ情報を収集しようとすると、そのデータ量や処理負荷が膨大になるため、状況や分析目的に応じてログ内容を動的に選択できること、および本来の動作に影響を与えないように低負荷でログを収集できることが必要である。
 このような要求に対して、従来、バスライン上の複数のECU間で送受信されている情報を、バスライン上の別のログ収集ノードで収集することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
日本国特開2000-67390号公報
 特許文献1のような従来の方法では、本来の処理のために既にバスライン上に流れている情報をキャプチャするだけなので、追加の処理負荷は無い。また、バスラインから取得する情報を取捨選択することで、ログの選択的収集が可能となる。
 一方で、近年のADAS(Advanced Driver Assistance Systems)や自動運転の進展に伴い、ECU内部の機能が高度化・複雑化しており、ECU内部の細かいログデータを大量に取得する必要が生じている。しかしながら、従来の方法で収集可能なログはECU間を流れる情報に限られ、ECU内部の情報を収集することはできない。また、バスラインの通信速度の制限から、流すことのできるデータ量にも限界があり、大量のログデータの収集には向かないという問題があった。
 以上を踏まえ、本発明では、ECU内部の大量のログデータを低負荷で取得することを主な目的とする。
 本発明による車載処理装置は、車両に搭載されるものであって、入力データに基づき出力データを演算する演算部と、データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータを管理するデータ管理部と、前記車載処理装置の内部のログを収集して外部に出力するログ収集部と、を備え、前記データ管理部は、前記記憶部に記憶されたデータを前記入力データとして前記演算部に入力するとともに、前記演算部から出力される前記出力データを前記記憶部に記憶させ、前記ログ収集部は、前記記憶部に記憶されたデータを参照取得し、前記ログとして外部に出力する。
 本発明によれば、ECU内部の大量のログデータを低負荷で取得することができる。
本発明の一実施形態に係る車載処理装置を含む車両システムの構成の一例を示す機能ブロック図 処理部の構成図 リングバッファに格納されるアプリケーション入出力データの一例を示す図 複数のリングバッファを介して複数のアプリケーションが接続される構成の一例を示す論理ブロック図 リングバッファを管理する情報の構造を示す図 データ管理部の書込み操作の処理を示すフローチャート データ管理部の読出し操作の処理を示すフローチャート データ管理部の参照操作の処理を示すフローチャート ログ選択表の構成の一例を示す図
 以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明を適用した車載処理装置の一例として、ADASや自動運転システムにおいて車両の運転支援または走行制御を実現するための処理を行う装置を説明する。
(車両システムの構成)
 図1は、本発明の一実施形態に係る車載処理装置を含む車両システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態に係る車両システムは、車両1に搭載され、車両1の周辺における走行道路や周辺車両等の障害物の状況を認識した上で、適切な運転支援あるいは走行制御を行うためのシステムである。図1に示すように、車両システムは、車載処理装置10、外界センサ群20、車両センサ群30、地図情報管理装置40、アクチュエータ群50、車外通信端末60、等を含んで構成される。
 外界センサ群20は、車両1周辺の状態を検出する外界センサの集合であり、例えば、カメラ装置、ミリ波レーダ、LIDAR(Light Detection and Ranging)、ソナー等が該当する。外界センサ群20は、車両1から所定範囲の障害物(他車両、自転車、歩行者、落下物等)や道路形状(白線、路端等)、交通ルール(道路標識、信号等)等の環境要素に関する情報を検出し、その検出情報をCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して車載処理装置10に出力するように構成されている。
 車両センサ群30は、車両1の状態に関する各種の状態量(例えば走行速度、操舵角、アクセルの操作量、ブレーキの操作量等)を検出する車両センサの集合である。車両センサ群30は、検出した状態量をCAN等の車載ネットワークを介して車載処理装置10に定期的に出力する。なお、車両システムは、車載ネットワークに接続された車載処理装置10を含む各装置が、車両センサ群30から車載ネットワークを介して必要な状態量を取得することが可能となるように構成されている。
 地図情報管理装置40は、車両1周辺のデジタル地図情報を管理および提供する装置であり、例えば、ナビゲーション装置等が該当する。地図情報管理装置40は、例えば、所定の地域全体あるいは車両1周辺の地域を表すデジタル道路地図データを備えており、全地球航法衛星システム(GNSS)受信装置等を通じて決定された車両1の位置情報に基づき、地図データ上で車両1の地図位置(走行中の道路、車線等)を特定するように構成されている。また、特定した車両1の地図位置やその周辺の地図データを車載処理装置10に提供するように構成されている。
 アクチュエータ群50は、車両1の動きを決定する操舵、ブレーキ、アクセル等の制御要素を制御する装置群である。アクチュエータ群50は、運転者によるハンドル、ブレーキペダル、アクセルペダル等の操作情報や車載処理装置10から出力される制御情報に基づいて、車両1の動きを制御するように構成されている。
 車外通信端末60は、例えば第5世代移動通信端末であり、車載処理装置10から出力されるデータを図示しないセンタに転送したり、また、センタからの命令を車載処理装置10に伝達したりするように構成されている。
 図1の車両システムにおいて、車載処理装置10は、その処理の内容に応じて、外界センサ群20、車両センサ群30、地図情報管理装置40、アクチュエータ群50、車外通信端末60のうち任意のハードウェアとの間で、情報の受け渡しを行う。すなわち、車両システムにおいて実際に搭載されている複数の車載処理装置10がそれぞれ情報の受け渡しを行う外部ハードウェアの種類は、車載処理装置10の種類ごとに異なっている。
(車載処理装置の構成)
 車載処理装置10は、例えば、車両1に搭載されたECU等であり、処理部100、記憶部110および通信部120を有する。なお、車両システムには、実現しようとする処理の内容や制御対象とする装置の違いに応じて、様々な種類の車載処理装置10が実際には搭載されているが、図1ではそのうち一つを代表例として示している。
 処理部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含んで構成される。処理部100は、記憶部110に格納されているアプリケーションソフトウェア111を実行することで、車載処理装置10の機能を実現する処理を行う。処理部100はその機能として、センサ入力部101、演算部102、アクチュエータ出力部103、データ管理部104、およびログ収集部105を備える。
 センサ入力部101は、外界センサ群20、車両センサ群30、地図情報管理装置40、アクチュエータ群50、車外通信端末60の各装置からの出力値(以下、単に「出力値」と称する)を取得し、これらの出力値に基づいて、車両1の周辺に関連する周辺環境情報と、車両1の動きに関連する車両センサ情報とを、後述するリングバッファ112に格納する。周辺環境情報とは、たとえば車両1の周辺に存在する障害物の情報や、車両1の周辺における道路の特徴を示す特徴物等の情報であり、外界センサ群20や地図情報管理装置40からの出力値に含まれる情報によって表される。車外通信端末60がセンタから受信した他車両等の情報を周辺環境情報に含めてもよい。なお車両1の周辺に存在する障害物とは、たとえば車両1の周囲を移動している他車両、自転車、歩行者等の移動体や、車両1の周囲の道路上で静止している駐車車両、落下物、設置物等である。一方、車両センサ情報とは、たとえば車両1の位置、走行速度、操舵角、アクセルの操作量、ブレーキの操作量等の情報であり、車両センサ群30やアクチュエータ群50からの出力値に含まれる情報によって表される。センサ入力部101により取得された周辺環境情報と車両センサ情報は、リングバッファ112として記憶部110に格納される。
 演算部102は、車載処理装置10において処理部100を構成する1つ以上のCPUを用いて、アプリケーションソフトウェア111に含まれる各アプリケーションを実行する。このとき演算部102は、予め設定された実行スケジューリングやスレッド数の情報に基づいて、各アプリケーションの実行タイミングを決定する。実行スケジューリングの情報とは、アプリケーションを逐次的または並列的に動作させるときの動作開始や終了のタイミング、および実行周期等が定義されたものである。たとえば、周期が10msと設定されたアプリケーションに対しては、演算部102が10msで当該アプリケーションを実行する。またたとえば、データ並列化が設定されたアプリケーションに対しては、1つ以上のCPU上でアプリケーションを決められたタイミングで実行する等の制御を演算部102が行う。アプリケーションの実行結果の情報は、データ管理部104により記憶部110に出力され、リングバッファ112に格納される。
 アクチュエータ出力部103は、演算部102がアプリケーションを実行することで求められたアクチュエータ群50の制御情報を、データ管理部104を介してリングバッファ112から取得し、車載ネットワークに接続されたアクチュエータ群50に対して出力する。これにより、アクチュエータ群50が動作して車両1の動きが制御される。
 データ管理部104は、演算部102により実行される各アプリケーション間でのデータ入出力を制御する。換言するとデータ管理部104は、異なるアプリケーション間でのデータ入出力を制御する。アプリケーション間で入出力されるデータは、リングバッファ112として集約的に管理されるが、リングバッファ112への全てのデータ入出力はデータ管理部104のリングバッファ制御下のもと、後述する書込み、および読出し操作によって行われる。
 データ管理部104は、アプリケーション間に加えて、アプリケーションとセンサ入力部101の間、およびアプリケーションとアクチュエータ出力部103の間においても、データ入出力の制御を行う。すなわちデータ管理部104は、センサ入力部101からの入力データやアクチュエータ出力部103への出力データについても、リングバッファの書込み、および読出し操作の対象とする。
 ログ収集部105は、アプリケーションの入出力データをリングバッファ112から収集し、記憶部110内にログ記録データ114として格納したり、通信部120と車外通信端末60を介して車外にログとして出力したりする。なお、ログ収集部105がリングバッファからデータを収集する場合にも、データ管理部104のリングバッファ制御下のもとに行われるが、後述する参照操作によって行われる。
 記憶部110は、例えば、RAM(Random Access Memory)や、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの記憶装置を含んで構成される。記憶部110内には、車載処理装置10の機能実現のためのプログラムであるアプリケーションソフトウェア111が格納されるとともに、アプリケーションソフトウェア111の入出力データを時系列的に記憶するリングバッファ112、ログ収集部105が収集するログを選択する条件が示されたログ選択表113、およびログ記録データ114がある。また、記憶部110は処理部100がアプリケーションソフトウェア111を実行する際の主記憶としても利用される。
 アプリケーションソフトウェア111には、任意の複数のアプリケーションが含まれる。アプリケーションソフトウェア111を構成するアプリケーションは任意であるが、たとえばADASや自動運転向けの制御プログラムである。自動運転向けの制御プログラムはたとえば、センサフュージョンアプリ、地図フュージョンアプリ、行動予測アプリ、および軌道生成アプリなどである。
 リングバッファ112には、アプリケーションに入力される情報、およびアプリケーションから出力される情報が格納される。具体的には、車両1の周辺に関連する周辺環境情報や、車両1の動きに関連する車両センサ情報、およびアプリケーションがそれらを処理した情報が格納される。
 本実施の形態では、リングバッファ112に格納される一つ一つのデータの固まりを「レコード」と呼称し、このレコードを単位としてデータの管理及び操作を行う。レコードはたとえば、外界センサ群20や車両センサ群30の検出対象やアクチュエータの制御対象、およびアプリケーションの演算処理結果が該当する。
 通信部120は各種通信プロトコルに基づいて車両1に搭載された他の装置と通信する。通信部120は、たとえば、IEEE802.3またはCAN等の通信規格に準拠したネットワークカードを含んで構成される。なお、通信部120と他の装置との間の接続形態は、Ethernet(登録商標)のような有線接続に限定されることはなく、Bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線接続であってもよい。
(処理部の構成)
 図2は、本実施形態の処理部100の構成図である。前述のとおり、処理部100は、演算部102、データ管理部104、ログ収集部105、センサ入力部101、およびアクチュエータ出力部103を備える。
 演算部102はアプリケーションソフトウェア111に含まれる2つ以上のアプリケーションの実行を制御する。本実施の形態では一例として、演算部102が実行を制御するアプリケーションをセンサフュージョンアプリ202A、地図フュージョンアプリ202B、行動予測アプリ202C、および軌道生成アプリ202Dの4つとして説明をする。これらのアプリケーションがセンサ入力部101から出力された出力データや、他のアプリケーションの入出力データにアクセスする際には、データ管理部104が備えるリングバッファ操作インタフェース(以下、「リングバッファ操作IF」と称する)210を介してデータのやり取りが行われる。
 センサ入力部101は、外界センサ群20に含まれるカメラやレーダなどの各センサに対応する構成として、センサA入力部201A、センサB入力部201Bなどの構成要素を内部に1つ以上備える。このセンサ入力部101は、各センサからの入力をセンサデータとして取得してもよいし、各センサから入力されたデータに対して何らかの演算を行った上でセンサデータとして取得してもよい。
 アクチュエータ出力部103は、アクチュエータ群50に含まれる各アクチュエータに対応する構成として、アクチュエータA出力部203A、アクチュエータB出力部203Bなどの構成要素を内部に1つ以上備える。アクチュエータ出力部103は、データ管理部104から出力されるデータをそのまま各アクチュエータに対して出力してもよいし、データ管理部104から出力されるデータに何らかの演算を行い、その演算結果を各アクチュエータに対して出力してもよい。
 演算部102により実行されるセンサフュージョンアプリ202A、地図フュージョンアプリ202B、行動予測アプリ202C、軌道生成アプリ202Dの各アプリケーションと同様に、センサ入力部101やアクチュエータ出力部103の各構成要素がリングバッファ112にアクセスする際にも、データ管理部104が備えるリングバッファ操作IF210を介してデータのやり取りが行われる。
 ログ収集部105は、リングバッファ112に格納されたアプリ入出力データを参照し、ログ選択表113で指定された所定のログ条件に合致するデータを収集する。ログ収集部105がリングバッファ112にアクセスする際にも、データ管理部104が備えるリングバッファ操作IF210を介してデータのやり取りが行われる。すなわち、ログ収集部105は、記憶部110に記憶されたリングバッファ112のデータを、データ管理部104を介して参照取得し、車載処理装置10の内部のログとして外部に出力することができる。
 このように、演算部102の各アプリケーション、センサ入力部101、アクチュエータ出力部103、ログ収集部105は、データ管理部104の備えるリングバッファ操作IF210を介してリングバッファ112にアクセスし、互いにデータのやり取りを行う構成となっている。
(アプリケーション入出力データ)
 図3は、本実施形態のリングバッファ112に格納されるアプリケーション入出力データの一例を示す図である。アプリケーション入出力データは、データ管理部104が記憶部110上で管理しているデータの集合である。アプリケーション入出力データは、演算部102の各アプリケーション間で入出力されるデータ、または、アプリケーションとセンサ入力部101やアクチュエータ出力部103との間で入出力されるデータにそれぞれ対応する1以上のレコードから構成される。各レコードには、データ種類301、データID302、タイムスタンプ303、およびデータ固有属性群304が含まれる。
 データ種類301は、各データの概念的な種別を示す。データ種類301はたとえば、他車両、歩行者、白線、標識などである。データID302は、データ種類301に共通の種別が設定されているデータ群の中で、対象のデータを一意に特定するための識別子である。同一の対象要素、たとえば同一の車両を示す各データには、データID302にそれぞれ同一の値が設定される。なお、データ種類301が異なるデータ群の中では、データID302は重複しうる。
 タイムスタンプ303は、データに付随する時間情報である。時間情報は、たとえば、データが表現している対象時刻が該当する。センサ入力部がデータの生成元の場合は、データをセンサが検出した時刻に相当する。タイムスタンプ303はたとえば年、月、日、時、分、秒、および小数点以下3ケタの秒数をスラッシュで繋げた書式で表され、たとえば図3の1行目に記載の「2021/1/1/01/00/00/001」は、2021年1月1日1時0分0.001秒を表す。
 以上の3点、すなわちデータ種類301、データID302、およびタイムスタンプ303は、データの種類に関わらず、いずれのデータも保持する情報である。一方、次に説明するデータ固有属性群304は、データごとに固有の情報であり、データ種類301が示すデータの種類によってその構成が異なる。データ固有属性群304は、1以上のデータ固有情報から構成され、その数はデータの種類により異なる。たとえば、図3の1つ目のレコードが表すデータのように、データ種類301が「自車両」のデータは、データ固有情報1として三次元の位置情報を有し、データ固有情報2として三次元の速度情報を有する。
 本実施形態の記憶部110には、上記のようなデータが格納されるリングバッファ112が、データの入出力のアプリケーションや、センサ入力部101、アクチュエータ出力部103ごとに記憶されている。各リングバッファ112に格納されるデータは、当該リングバッファ112を介してデータをやり取りするアプリケーションやセンサ入力部101、アクチュエータ出力部103の種類に応じて異なる。
(リングバッファ接続の論理構成)
 図4は、本実施形態の複数のリングバッファ112を介して複数のアプリケーションが接続される構成の一例を示す論理ブロック図である。センサフュージョンアプリ202Aは、センサA入力部201Aからの入力データを格納するリングバッファ112A、および、センサB入力部201Bからの入力データを格納するリングバッファ112Bの2つからレコードを読出し、外界センサ群20に含まれる複数の外界センサで検出した同一の対象要素に対するレコードを同定・統合したり、時系列情報に基づいて欠落データを補間したりする処理を行って、処理結果をリングバッファ112Cに書き出す。
 また、行動予測アプリ202Cは、リングバッファ112Cに書き込まれたセンサフュージョン結果を読出して、外界センサで検出した移動体の将来の行動や移動軌道を予測する処理を行って、予測結果をリングバッファ112Dに書き出す。
 ログ収集部105は、これらのリングバッファ112A,112B,112C,112Dのレコードを常に参照している。そして、ログ選択表113で指定されたログ取得のトリガ条件を判定し、条件に合致するレコードが得られたら、そのリングバッファの参照データからログとして取り出すデータを選択・抽出し、通信部120や車外通信端末60を介して車外に出力する。ログ選択表113には、各リングバッファに格納されるデータをログとして採取するための条件が記載されている。
(ログ選択表の構成)
 図9に、ログ選択表113の構成の一例を示す。ログ選択表113は、1以上の行(ログ条件)から構成され、各ログ条件には、トリガバッファID901、トリガ条件902、ログ採取バッファID903、ログ採取フィールド情報904が含まれる。
 トリガバッファID901は、どのリングバッファを参照してログ取得のトリガ条件を判定するかを指定する。例えば図4のリングバッファ112A,112B,112C,112Dに対して、これらのリングバッファをそれぞれ特定するためのID番号がトリガバッファID901に格納される。
 トリガ条件902は、トリガバッファID901で指定されたリングバッファから参照したレコードが、どのような条件になればログ取得を開始(トリガ)するかを指定する。例えば図9の2行目のログ条件では、レコード内のフィールドとその値を指定するものとして、トリガ条件902に「標識種類=一時停止」の情報が格納されている。また、3つ目のログ条件には、レコード内のバイト単位のオフセットとその値を指定するものとして、トリガ条件902に「byte[100]=0x21」の情報が格納されている。
 ログ採取バッファID903とログ採取フィールド情報904は、上述のトリガ条件に合致したレコードが参照されてログ出力が開始されたときに、どのリングバッファのどのフィールドを参照してログとして出力するかを指定する。
(リングバッファ管理情報)
 図5に、本実施形態のリングバッファ112を管理する情報の構造を示す。各リングバッファ112には、ライトポインタ(WP)510、リードポインタ(RP)520およびスヌープポインタ(SP)530が設定されている。これらのポインタの情報は、リングバッファ112とともに記憶部110に記憶されており、データ管理部104が行うデータ管理において利用される。
 ライトポインタ510は、リングバッファ112において次にデータを書き込むべき位置を示し、データ書込みに対するリングバッファ112の周回回数を表すライトサイクル番号511と、リングバッファ112内の実メモリ領域のアドレスを示すライトインデックス番号512からなる。リードポインタ520は、リングバッファ112において次にデータを読み出すべき位置を示し、データ読出しに対するリングバッファ112の周回回数を表すリードサイクル番号521と、リングバッファ112内の実メモリ領域のアドレスを示すリードインデックス番号522からなる。スヌープポインタ530は、リングバッファ112において次にデータを参照するべき位置を示し、データ参照に対するリングバッファ112の周回回数を表すスヌープサイクル番号531と、リングバッファ112内の実メモリ領域のアドレスを示すスヌープインデックス番号532からなる。
 図5の例では、リングバッファ112にN個のレコードが格納されるようになっている。この場合、ライトポインタ510、リードポインタ520およびスヌープポインタ530の各ポインタのインデックス番号512,522,532は、それぞれ0からN-1までの値をとる。したがって、インデックス=N-1のレコードの次は先頭に戻り、インデックス=0のレコードとなる。このようにして、各ポインタのインデックス番号が末尾から先頭に戻った回数が、各ポインタのサイクル番号511,521,531によって表される。
 ここで、同一のリングバッファ112に対する上記のライトポインタ510、リードポインタ520、スヌープポインタ530のうち、任意の2つのポインタをポインタA,Bとし、このポインタA,B間の距離Dを、以下の式(1)のように定義することとする。式(1)において、Ca,CbはポインタA,Bのサイクル番号をそれぞれ表し、Ia,IbはポインタA,Bのインデックス番号をそれぞれ表す。
 D=(Ca×N+Ia)-(Cb×N+Ib) ・・・(1)
 式(1)において、ライトポインタ510をポインタA、リードポインタ520(またはスヌープポインタ530)をポインタBとした場合、これらの間の距離Dの値は、リングバッファ112内に存在する読出し(または参照)可能な有効レコードの数を示している。また、リングバッファ112のレコード数Nから距離Dを減じた値は、リングバッファ112内で読出し済み(または参照済み)のレコードの数、すなわち上書きをして書込み可能なレコードの数を示している。
 ここで、距離Dがレコード数N未満であれば、ライトポインタ510とリードポインタ520(またはスヌープポインタ530)は同一周回にあり、距離Dがレコード数N以上であれば、リードポインタ520(またはスヌープポインタ530)はライトポインタ510に対して一周以上の周回遅れとなる。また、距離Dが0であれば、リングバッファ112は空、すなわちリングバッファ112のすべてのレコードが読出し済み(または参照済み)であり、読み出すべき(または参照すべき)データがリングバッファ112には無いことを示す。一方、距離Dがレコード数Nと同一であれば、リングバッファ112がフル、すなわちリングバッファ112のすべてのレコードが未読出しであり、それ以上のデータをリングバッファ112に書き込めないことを示している。
 データ管理部104がリングバッファ操作IF210において後述の処理を実行している限り、ライトポインタ510とリードポインタ520の距離Dがレコード数Nより大きくなることは無いが、ライトポインタ510とスヌープポインタ530の距離Dはレコード数Nよりも大きくなることがある。これは、一つ前の書込処理が参照処理を追い越してしまい、未参照レコードの上書きが発生したことを示している。この場合、上書きされたレコードは、データが不整合になっていたり、あるいは本来の時系列の順でレコードが並んでいなかったりするので、参照したレコードを無効化して破棄する必要がある。
 なお、各リングバッファ112は、リードポインタ520とスヌープポインタ530をそれぞれ複数個ずつ有してもよい。その場合、前述の式(1)で表されるライトポインタ510との距離Dの値は、各リードポインタ520(または各スヌープポインタ530)ごとに算出される。以降の例では、各リングバッファ112がそれぞれk個のリードポインタ520とl個のスヌープポインタ530を有するものとして説明する。
(リングバッファ操作IF)
 データ管理部104は、前述のようにリングバッファ操作IF210を備え、このリングバッファ操作IF210を用いてリングバッファ112の操作を行うことにより、センサ入力部101から入力されるデータや、演算部102で実行される各アプリケーションからの出力データを、リングバッファ112に格納して記憶部110に記憶させる。また、リングバッファ112に格納されたデータを記憶部110から読み出し、演算部102へ出力して各アプリケーションの入力データとしたり、アクチュエータ出力部103へ出力したりする。これにより、リングバッファ112を介して、センサ入力部101、演算部102およびアクチュエータ出力部103の間で相互に入出力されるデータを管理する。データ管理部104がリングバッファ操作IF210によりリングバッファ112に対して行うデータの操作は、書込み操作(ライト)、読出し操作(リード)、参照操作(スヌープ)の3種類である。以下では図6、図7、図8のフローチャートをそれぞれ参照し、これらの操作時にデータ管理部104が実行する処理を説明する。なお以下の説明では、リングバッファ112が有するk個のリードポインタ520をRP1~RPk、l個のスヌープポインタ530をSP1~SPlとそれぞれ表すものとする。
 図6は、データ管理部104の書込み操作の処理を示すフローチャートである。データ管理部104は、センサ入力部101や演算部102から所定周期でデータが出力される際に、記憶部110に対して書込み操作を行うためのライトモードに設定される。このとき、図6のフローチャートに示す処理を実行する。
 まずステップ601では、RP1からRPkまでのすべてのリードポインタについて、前述の式(1)により、ライトポインタとの距離Dを求める。
 次にステップ602では、ステップ601で算出したすべての距離Dがリングバッファ112のレコード数Nより小さいか否か、すなわち、すべてのリードポインタがライトポインタと同一周回にあるか否かを確認する。その結果、すべてのリードポインタの距離Dがレコード数Nより小さい場合は、すべてのリードポインタがライトポインタと同一周回にあると判定し(ステップ602:Yes)、リングバッファ112へのデータ書込みが可能であると判断してステップ603に進む。一方、いずれかのリードポインタの距離Dがレコード数N以上である場合は、そのリードポインタがライトポインタに対して周回遅れになっていると判定し(ステップ602:No)、リングバッファ112へのデータ書込みが不可能であると判断してステップ605に進む。
 なお、以上説明したステップ602の判定処理は、記憶部110においてリングバッファ112のレコードとして記憶されているデータへの上書き要求が行われた際、すなわち、既にデータを格納済みのレコードの位置に新たなデータを書き込む際に、当該データが読出し済みデータであるか否かを判定することに相当する。具体的には、すべてのリードポインタの距離Dがレコード数Nより小さく、すべてのリードポインタがライトポインタと同一周回にある場合は、上書きされるデータが読出し済みデータであると判定できる。一方、いずれかのリードポインタの距離Dがレコード数N以上であり、そのリードポインタがライトポインタに対して周回遅れになっている場合は、上書きされるデータが読出し済みデータではないと判定できる。
 ステップ603では、センサ入力部101や演算部102から出力されたデータを、リングバッファ112においてライトインデックス番号512で示される位置のレコードとして格納する。このとき、当該レコードの位置にデータが既に格納されている場合は、そのデータを新たなデータに上書きする。これにより、当該データがリングバッファ112の一部として記憶部110に書き込まれる。
 続いてステップ604では、ライトインデックス番号512の値に1を加算し、ライトポインタを一つ進める。なお、このときに加算前のライトインデックス番号512の値が最大値N-1であった場合は、ライトサイクル番号511に1を加算し、ライトインデックス番号512の値を0とする。
 ステップ605では、アプリケーションの次の実行周期(例えば10ms後)まで待ち、次の実行周期でセンサ入力部101や演算部102からデータが出力されると、ステップ601に戻る。なお、ステップ602においてRP1~RPkのリードポインタの中に一つでも周回遅れと判定されたものがある場合は、これ以上のデータをリングバッファ112には書き込めないので、ステップ603、604を実行せずにステップ605に進み、次の実行周期を待つことになる。この場合、センサ入力部101や演算部102からのデータ出力に応じた書込み操作の指示は、データ管理部104において読出し済みではないデータへの上書き要求と判断され、その指示が無視される。
 ここで、注意すべきは、ステップ602で同一周回の判定をするのは、k個のリードポインタRP1~RPkについてのみであって、l個のスヌープポインタSP1~SPlに関しては判定対象外である。こうすることで、記憶部110においてリングバッファ112のレコードとして記憶されているデータへの上書き要求が行われた際、すなわち、既にデータを格納済みのレコードの位置に新たなデータを書き込む際に、読出し済みではないデータ(未読出しデータ)については、そのデータを上書きせずに保留する。そのため、演算部102で実行される各アプリケーションへの入力データについては、本来のリングバッファ112の機能の一つであるデータ同期が行われる。一方、読出し済みデータについては、そのデータが参照済みデータであるか否かに関わらず、データの上書きを実行する。これにより、ログ収集部105が行うログ収集では、リングバッファ112に参照済みではないデータ(未参照データ)があっても、そのデータを上書きして新たにデータ書込みを行うことを許可する。そのため、本来のリングバッファ112の機能の一つである書込処理を待たせずに進めることができる。なお、未参照データを上書きした場合は、前述のように参照処理に対する書込処理の追い越しが発生することになる。
 図7は、データ管理部104の読出し操作の処理を示すフローチャートである。データ管理部104は、RP1~RPkのうちいずれかのリードポインタについて、演算部102やアクチュエータ出力部103へ所定周期でデータを出力する際に、記憶部110に対して読出し操作を行い、読み出したデータを読出し済みデータとして管理するためのリードモードに設定される。このとき、図7のフローチャートに示す処理を実行する。
 まずステップ701では、前述の式(1)により、ライトポインタと当該リードポインタとの距離Dを求める。
 次にステップ702では、ステップ701で算出した距離Dが0より大きいか否かを確認する。その結果、距離Dが0より大きければ(ステップ702:Yes)、リングバッファ112からのデータ読出しが可能であると判断してステップ703に進む。一方、距離Dが0である場合は(ステップ702:No)、リングバッファ112からこれ以上のデータを読み出せないと判断してステップ705に進む。
 ステップ703では、リングバッファ112においてリードインデックス番号522で示される位置のレコードからデータを取り出す。これにより、当該データがリングバッファ112から読み出され、演算部102やアクチュエータ出力部103に入力される。
 続いてステップ704では、リードインデックス番号522の値に1を加算し、リードポインタを一つ進めて、ステップ703でデータを取り出したレコードを読み出し済みとする。なお、このときに加算前のリードインデックス番号522の値が最大値N-1であった場合は、リードサイクル番号521に1を加算し、リードインデックス番号522の値を0とする。
 ステップ705では、アプリケーションの次の実行周期(例えば10ms後)まで待ち、次の実行周期で演算部102やアクチュエータ出力部103へデータを入力する際に、ステップ701に戻る。なお、ステップ702において距離Dが0であると判定された場合は、リングバッファ112からこれ以上のデータを読み出せないので、ステップ703、704を実行せずにステップ705に進み、次の実行周期を待つことになる。
 図8は、データ管理部104の参照操作の処理を示すフローチャートである。データ管理部104は、SP1~SPlのうちいずれかのスヌープポインタに対応するレコードについて、ログ選択表113に示されたトリガ条件を満たすことでログ収集部105によるログ取得が開始されると、記憶部110に対して参照操作を行い、参照取得したデータを参照済みデータとして管理するためのスヌープモードに設定される。このとき、図8のフローチャートに示す処理を実行する。
 まずステップ801では、前述の式(1)により、ライトポインタと当該スヌープポインタとの距離Dを求める。
 次にステップ802では、ステップ801で算出した距離Dが0より大きいか否か、リングバッファ112のレコード数Nより大きいか否かを確認する。その結果、距離Dが0より大きく、かつレコード数N以下であれば(ステップ802:0<D≦N)、リングバッファ112からの参照が可能であると判断してステップ803に進む。一方、距離Dが0である場合は(ステップ802:D=0)、リングバッファ112からこれ以上のデータを参照できないと判断してステップ805に進む。また、距離Dがレコード数Nより大きい場合は(ステップ802:D>N)、前回のリングバッファ112への書き込みで追い越しによるレコードへのデータ上書きが発生しており、そのレコードを参照するとデータの不整合が生じると判断してステップ806に進む。
 ステップ803では、リングバッファ112においてスヌープインデックス番号532で示される位置のレコードからデータを参照する。参照したデータは、データ管理部104からログ収集部105へ出力される。これにより、当該データがリングバッファ112から参照取得され、ログ収集部105によりログとして外部へ出力される。
 続いてステップ804では、スヌープインデックス番号532の値に1を加算し、スヌープポインタを一つ進めて、ステップ803でデータを参照取得したレコードを参照済みとする。なお、このときに加算前のスヌープインデックス番号532の値が最大値N-1であった場合は、スヌープサイクル番号531に1を加算し、スヌープインデックス番号532の値を0とする。
 ステップ805では、ログ収集部105による次のログ収集周期(例えば10ms後)まで待ち、次のログ収集周期でログを取得する際に、ステップ801に戻る。なお、ステップ802において距離Dが0であると判定された場合は、リングバッファ112からこれ以上のデータを参照できないので、ステップ803、804を実行せずにステップ805に進み、次のログ収集周期を待つことになる。
 また、ステップ802において距離Dがレコード数Nより大きいと判定された場合は、前回のリングバッファ112への書き込みで未参照データの上書き、すなわち追い越しによるレコードへのデータ上書きが発生しており、そのレコードを参照するとデータの不整合が生じることになる。そこで、この場合にはステップ806において、スヌープインデックス番号532の値に1を加算し、スヌープポインタを一つ進める。その後はステップ805に進み、次のログ収集周期まで待ってからステップ801に戻る。この処理を距離Dがレコード数N以下となるまで続けることにより、リングバッファ112において参照済みレコードの頭出しを行い、上書きされたデータを無効化することができる。
 以上説明した本発明の実施形態によれば、アプリケーションの入出力データを格納したリングバッファ112を、ログ収集部105がデータ管理部104を介して参照取得し、これによって得られたデータを車載処理装置10の内部ログとして外部に出力するように構成したので、ログ収集するための余分なデータコピーが発生せず、低負荷で大容量のログを収集することができる。
 また、ログ収集部105は、リングバッファ112の各レコードから、ログ選択表113で指定された条件に合致するレコードを検出してログを収集するようにしたので、任意の条件に応じたログを選択的に取得することができる。
 さらに、ログ収集用の参照操作では、未参照のレコードについても書込み操作によって上書きされるようにしたので、万が一ログ収集用の処理が滞って参照操作が行われなくなったとしても、アプリケーションの実行に必要な書込み操作や読出し操作には影響を与えないようにすることができる。
 以上説明した本発明の一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)車両1に搭載される車載処理装置10は、入力データに基づき出力データを演算する演算部102と、データを記憶する記憶部110と、記憶部110に記憶されたデータを管理するデータ管理部104と、車載処理装置10の内部のログを収集して外部に出力するログ収集部105とを備える。データ管理部104は、記憶部110に記憶されたデータを入力データとして演算部102に入力するとともに、演算部102から出力される出力データを記憶部110に記憶させる。ログ収集部105は、記憶部110に記憶されたデータをデータ管理部104を介して参照取得し、ログとして外部に出力する。このようにしたので、ECUである車載処理装置10の内部の大量のログデータを低負荷で取得することができる。
(2)ログ収集部105は、記憶部110に記憶されてデータ管理部104により管理されるデータから、所定のログ条件に合致するデータを参照取得し、ログとして外部に出力する。このようにしたので、所望のログを選択的に取得することができる。
(3)記憶部110は、ログ条件を示すログ選択表113を記憶する。ログ収集部105は、記憶部110に記憶されたデータがログ選択表113に示されたログ条件に合致するか否かを判定し、合致すると判定した場合にログの出力を開始する。このようにしたので、ログの出力タイミングを任意に選択することができる。
(4)データ管理部104は、記憶部110に記憶されたデータを読出して当該データを読出し済みデータとして管理するためのリードモードと、記憶部110に記憶されたデータを参照して当該データを参照済みデータとして管理するためのスヌープモードとを有する。このようにしたので、それぞれのモードにおいて、記憶部110に記憶されたデータの管理を適切に行うことができる。
(5)データ管理部104は、記憶部110に記憶されたデータを入力データとして演算部102に入力する場合には、リードモードを用いて当該データを記憶部110から読出し、記憶部110に記憶されたデータをログ収集部105が参照取得する場合には、スヌープモードを用いて当該データを記憶部110から参照する。このようにしたので、それぞれの場合で適切なモードを使用して、記憶部110に記憶されたデータの管理を行うことができる。
(6)データ管理部104は、記憶部110に記憶されたデータへの上書き要求が行われた際に、当該データが読出し済みデータであるか否かを判定する(ステップ602)。その結果、当該データが読出し済みデータでない場合には(ステップ602:No)、当該データを上書きせずに保留し、当該データが読出し済みデータである場合には(ステップS602:Yes)、当該データが参照済みデータであるか否かに関わらず、当該データの上書きを実行する(ステップS603)。このようにしたので、演算部102で実行される各アプリケーションへの入力データについてはデータの同期性を確保しつつ、ログ収集部105が行うログ収集によって各アプリケーションからのデータ出力が阻害されるのを防止することができる。
(7)データ管理部104は、読出し済みデータであって参照済みデータではないデータの上書きを実行した場合には(ステップ802:D>N)、次にログ収集部105がデータ管理部104を介して当該データを参照する際に当該データを無効化する(ステップ806)。このようにしたので、ログ収集部105により収集されたログにおいて、データの不整合や順不同が生じるのを防ぐことができる。
(8)データ管理部104は、データを記憶部110上のリングバッファ112として管理し、データの操作対象となるリングバッファ112内の位置を、リングバッファ112の周回回数を表すサイクル番号511,521,531と、リングバッファ112内のデータの格納位置を表すインデックス番号512,522,532との組合せにより管理する。このようにしたので、記憶部110で行われるデータ操作に対して、記憶部110に記憶されたデータを正確に管理することができる。
(9)データ管理部104が行うデータの操作は、リングバッファ112にデータを書込むための書込み操作と、リングバッファ112からデータを読出すための読出し操作と、リングバッファ112を参照してデータを取得するための参照操作とを含む。データ管理部104は、ライトポインタ510およびリードポインタ520のサイクル番号511,521およびインデックス番号512,522に基づいて、最後に読出し操作を行ったリングバッファ112の位置と、次に書込み操作を行うリングバッファの位置との間の距離Dを算出する(ステップ601)。そして、算出した距離Dに基づいて、読出し操作が書込み操作と同一周回であるか否かを判定し(ステップ602)、読出し操作が書込み操作と同一周回でないと判定した場合に(ステップ602:No)、書込み操作の指示を読出し済みデータではないデータへの上書き要求と判断して当該指示を無視する。このようにしたので、読出し操作が書込み操作に対して周回遅れになっている状況のときには、これを確実に検出し、演算部102で実行される各アプリケーションへの入力データについて、データの同期性を確保することができる。
 なお、以上で説明した実施形態は一例であり、本発明はこれに限られない。すなわち、様々な応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
 例えば、上記実施形態では、車載処理装置10が処理部100と記憶部110をそれぞれ一つずつ有しており、車載処理装置10における各処理は、この処理部100と記憶部110を用いて実行されるように記載している。しかし、車載処理装置10が処理部100と記憶部110をそれぞれ複数ずつ有するようにして、各処理が複数の処理部100と記憶部110を用いて実行されるようにしてもよい。その場合は、例えば、同様の構成を持つ処理ソフトウェアが別々の記憶部110に搭載され、複数の処理部100で分担して当該処理を実行することもできる。
 また、上記の実施形態では、車載処理装置10の各処理を、処理部100と記憶部110をそれぞれ構成するプロセッサとRAMを用いて、所定の動作プログラムを実行することで実現しているが、必要に応じて独自のハードウェアで実現することも可能である。また、上記の実施形態では、車載処理装置10、外界センサ群20、車両センサ群30、地図情報管理装置40、アクチュエータ群50、車外通信端末60をそれぞれ個別の装置として記載しているが、必要に応じて任意のいずれか2つ以上を組み合せて実現することも可能である。
 上記の実施形態では、本発明を車両1に搭載される車両システムで用いられる車載処理装置10のソフトウェアに適用した例を説明したが、他のシステムに搭載される処理装置や演算装置のソフトウェアに適用することも可能である。例えば、ロボットシステムに搭載されてロボットの制御に関する各種演算処理を実行する演算装置のソフトウェア等においても、本発明を適用可能である。
 また、図面には、実施形態を説明するために必要と考えられる制御線や情報線を示しており、必ずしも、本発明が適用された実際の製品に含まれる全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
   1…車両 
  10…車載処理装置
 100…処理部 
 101…センサ入力部 
 102…演算部 
 103…アクチュエータ出力部
 104…データ管理部 
 105…ログ収集部 
 110…記憶部 
 111…アプリケーションソフトウェア
 112…リングバッファ
 113…ログ選択表
 114…ログ記録データ
 120…通信部
 210…リングバッファ操作インタフェース

Claims (9)

  1.  車両に搭載される車載処理装置であって、
     入力データに基づき出力データを演算する演算部と、
     データを記憶する記憶部と、
     前記記憶部に記憶されたデータを管理するデータ管理部と、
     前記車載処理装置の内部のログを収集して外部に出力するログ収集部と、を備え、
     前記データ管理部は、前記記憶部に記憶されたデータを前記入力データとして前記演算部に入力するとともに、前記演算部から出力される前記出力データを前記記憶部に記憶させ、
     前記ログ収集部は、前記記憶部に記憶されたデータを参照取得し、前記ログとして外部に出力する、
     車載処理装置。
  2.  請求項1に記載の車載処理装置において、
     前記ログ収集部は、前記記憶部に記憶されて前記データ管理部により管理されるデータから、所定のログ条件に合致するデータを参照取得し、前記ログとして外部に出力する、
     車載処理装置。
  3.  請求項2に記載の車載処理装置において、
     前記記憶部は、前記ログ条件を示すログ選択表を記憶し、
     前記ログ収集部は、前記記憶部に記憶されたデータが前記ログ選択表に示された前記ログ条件に合致するか否かを判定し、合致すると判定した場合に前記ログの出力を開始する、
     車載処理装置。
  4.  請求項1に記載の車載処理装置において、
     前記データ管理部は、
     前記記憶部に記憶されたデータを読出して当該データを読出し済みデータとして管理するためのリードモードと、
     前記記憶部に記憶されたデータを参照して当該データを参照済みデータとして管理するためのスヌープモードと、を有する、
     車載処理装置。
  5.  請求項4に記載の車載処理装置において、
     前記データ管理部は、
     前記記憶部に記憶されたデータを前記入力データとして前記演算部に入力する場合には、前記リードモードを用いて当該データを前記記憶部から読出し、
     前記記憶部に記憶されたデータを前記ログ収集部が参照取得する場合には、前記スヌープモードを用いて当該データを前記記憶部から参照する、
     車載処理装置。
  6.  請求項4に記載の車載処理装置において、
     前記データ管理部は、
     前記記憶部に記憶されたデータへの上書き要求が行われた際に、当該データが前記読出し済みデータであるか否かを判定し、
     当該データが前記読出し済みデータでない場合には、当該データを上書きせずに保留し、
     当該データが前記読出し済みデータである場合には、当該データが前記参照済みデータであるか否かに関わらず、当該データの上書きを実行する、
     車載処理装置。
  7.  請求項6に記載の車載処理装置において、
     前記データ管理部は、前記読出し済みデータであって前記参照済みデータではないデータの上書きを実行した場合には、次に前記ログ収集部が当該データを参照する際に当該データを無効化する、
     車載処理装置。
  8.  請求項6に記載の車載処理装置において、
     前記データ管理部は、
     前記データを前記記憶部上のリングバッファとして管理し、
     前記データの操作対象となる前記リングバッファ内の位置を、前記リングバッファの周回回数を表すサイクル番号と、前記リングバッファ内の前記データの格納位置を表すインデックス番号との組合せにより管理する、
     車載処理装置。
  9.  請求項8に記載の車載処理装置において、
     前記データの操作は、前記リングバッファに前記データを書込むための書込み操作と、前記リングバッファから前記データを読出すための読出し操作と、前記リングバッファを参照して前記データを取得するための参照操作と、を含み、
     前記データ管理部は、
     前記サイクル番号および前記インデックス番号に基づいて、最後に前記読出し操作を行った前記リングバッファの位置と、次に前記書込み操作を行う前記リングバッファの位置との間の距離を算出し、
     算出した前記距離に基づいて、前記読出し操作が前記書込み操作と同一周回であるか否かを判定し、
     前記読出し操作が前記書込み操作と同一周回でないと判定した場合に、前記書込み操作の指示を前記読出し済みデータではないデータへの上書き要求と判断して当該指示を無視する、
     車載処理装置。
     
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