WO2022249957A1

WO2022249957A1 - 着用物品の製造方法及びその着用物品

Info

Publication number: WO2022249957A1
Application number: PCT/JP2022/020738
Authority: WO
Inventors: 泰隆田中
Original assignee: 株式会社瑞光
Priority date: 2021-05-24
Filing date: 2022-05-18
Publication date: 2022-12-01
Also published as: EP4331544A1; JPWO2022249957A1; CN117500467A

Abstract

左前側端部（１１Ｌ）及び右前側端部（１１Ｒ）を含み着用者の前腹部側の前胴回り部（１１）と、左前側端部（１１Ｌ）及び右前側端部（１１Ｒ）とともに左サイドシール部分（１３Ｌ）及び右サイドシール部分（１３Ｒ）を構成する左後側端部（１２Ｌ）及び右後側端部（１２Ｒ）を含み着用者の後背部側の後胴回り部（１２）と、を備えた着用物品（１００）を製造するための方法を提供する。前記方法では、少なくとも一部が伸縮性繊維シート（１）に不織布から構成される繊維補足シート（２）を積層した積層状態の左サイドシール部分（１３Ｌ）を形成し、少なくとも一部が積層状態の右サイドシール部分（１３Ｒ）を形成し、伸縮性繊維シート（１）の少なくとも一部において繊維補足シート（２）が積層されずに伸縮性繊維シート（１）を通じての通気が許容されている。

Description

着用物品の製造方法及びその着用物品

　本発明は、着用物品の製造方法及びその着用物品に関する。

　従来、例えばパンツ型のおむつのように着用者の下腹部に着用される着用物品が知られている。着用物品に用いられる着用シートの一例として伸縮性シートが挙げられる。例えば、特許文献１には、伸縮性シートとして伸縮性不織布積層体が開示されている。伸縮性不織布積層体は、不織布積層体を延伸することにより得られる。具体的に、伸縮性不織布積層体は、弾性不織布と混繊スパンポンド不織布とを積層した不織布積層体を延伸することにより形成されている。前記弾性不織布は、弾性を有しており、延伸後に応力が解放されると弾性回復する。一方、前記混繊スパンポンド不織布は、延伸により伸長するものの応力が解放されても弾性回復しない。この特許文献１に記載の伸縮性シートはパンツ型の着用物品に適用可能である。

　しかし、特許文献１に記載の伸縮性シートをパンツ型の着用物品に適用した場合には、着用者の脚の付け根の外側からウエストまでの部分において伸縮性シートの接合強度を確保することが難しい。

　具体的に、前記パンツ型の着用物品は、着用者の前腹部を覆う前胴回り部と、着用者の後背部を覆う後胴回り部とを有する。前胴回り部と後胴回り部とは、着用者の脚の付け根の外側からウエストまでの部分に相当するサイドシール部分において互いに接合される。このように接合された前胴回り部と後胴回り部とが離れる方向にパンツ型の着用物品を広げると、サイドシール部分では応力集中が生じる。よって、サイドシール部分では前胴回り部及び後胴回り部の剥離及び破断等が生じるおそれがある。そのため、サイドシール部分における前胴回り部と後胴回り部との接合強度を確保する必要がある。しかし、前胴回り部及び後胴回り部のうち少なくとも一方の胴回り部に特許文献１に記載の伸縮性シートが適用された場合、接合強度を確保することが難しい。なぜなら、特許文献１に記載の伸縮性シートが適用された胴回り部は、製造過程における延伸により繊維密度が小さくなっているからである。つまり、当該胴回り部は接合に関与可能な単位面積当たりの繊維量が少ないため、サイドシール部分において当該胴回り部の接合強度を確保することが難しい。このため、当該胴回り部が破断及び剥離等するおそれがある。

特開２０１９－７０２２１号公報

　本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、サイドシール部分の接合強度を確保することが可能な着用物品の製造方法及びその着用物品を提供することを目的とする。

　上記課題を解決するための着用物品の製造方法は、着用者の前腹部、股下部及び後背部を覆う着用物品であって、前記着用者の胴回りに沿った物品幅方向の左前側端部及び右前側端部を含み前記着用者の前腹部を覆う前胴回り部と、前記左前側端部及び前記右前側端部それぞれの内側面に積層された状態で当該内側面に接合されることにより左サイドシール部分及び右サイドシール部分をそれぞれ構成する前記物品幅方向の左後側端部及び右後側端部を含み前記着用者の後背部を覆うとともに前記着用者の股下部に位置する部分において前記前胴回り部と連結される後胴回り部と、を備えた前記着用物品を製造するための方法であって、弾性を有する繊維により形成された弾性繊維と、前記弾性繊維の弾性よりも小さな弾性を有しかつ伸長可能な伸張性繊維とを含み、延伸加工の施された不織布から構成される伸縮性繊維シートを準備する準備工程と、前記左サイドシール部分の形成対象となる部分の少なくとも一部において前記伸縮性繊維シートに不織布から構成される繊維補足シートを積層した積層状態で各着用物品における前記左前側端部と前記左後側端部とを重ね合わせて接合することにより前記左サイドシール部分を形成する左サイドシール部分形成工程と、前記右サイドシール部分の形成対象となる部分の少なくとも一部において前記積層状態で各着用物品における前記右前側端部と前記右後側端部とを重ね合わせて接合することにより前記右サイドシール部分を形成する右サイドシール部分形成工程と、前記伸縮性繊維シートから前記前胴回り部及び前記後胴回り部を切り出す切り出し工程と、を備え、前記左サイドシール部分形成工程及び前記右サイドシール部分形成工程の後において前記伸縮性繊維シートの少なくとも一部において前記伸縮性繊維シートに前記繊維補足シートが積層されずに前記伸縮性繊維シートを通じての通気が許容されている、着用物品の製造方法を提供する。

　上記課題を解決するための着用物品は、着用者の前腹部、股下部及び後背部を覆う着用物品であって、前記着用者の胴回りに沿った物品幅方向の左前側端部及び右前側端部を含み前記着用者の前腹部を覆う前胴回り部と、前記左前側端部及び前記右前側端部それぞれの内側面に積層された状態で当該内側面に接合されることにより左サイドシール部分及び右サイドシール部分をそれぞれ構成する前記物品幅方向の左後側端部及び右後側端部を含み前記着用者の後背部を覆うとともに前記着用者の股下部に位置する部分において前記前胴回り部と連結される後胴回り部と、を備え、前記前胴回り部及び前記後胴回り部は、弾性を有する繊維により形成された弾性繊維と、前記弾性繊維の弾性よりも小さな弾性を有しかつ伸長可能な伸張性繊維とを含み、延伸加工の施された不織布から構成される伸縮性繊維シートを含み、前記左サイドシール部分では、前記左サイドシール部分の少なくとも一部において、前記伸縮性繊維シートに、不織布から構成される繊維補足シートを積層した積層状態で各着用物品における前記左前側端部と前記左後側端部とが重ね合わされて接合されており、前記右サイドシール部分では、前記右サイドシール部分の少なくとも一部において前記積層状態で各着用物品における前記右前側端部と前記右後側端部とが重ね合わされて接合されており、前記伸縮性繊維シートの少なくとも一部において前記伸縮性繊維シートに前記繊維補足シートが積層されずに前記伸縮性繊維シートを通じての通気が許容されている着用物品を提供する。

　本発明によれば、サイドシール部分の接合強度を確保することが可能な着用物品の製造方法及びその着用物品を提供することができる。

本発明の実施形態に係る着用物品の折り畳まれた状態における正面図である。図１の着用物品の斜視図である。図１の着用物品の展開状態を吸収性本体側から見た展開図である。図３の展開図を裏面側から見た展開図である。図３のＶ－Ｖ線断面図である。図１の着用物品の製造方法の流れを示す模式図である。図６におけるシート積層体がシート幅方向に分離される部分の拡大図である。図６における着用物品が切り分けられる部分における拡大図である。

　以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。

　＜着用物品＞
　以下に、本発明の実施形態に係る着用物品について説明する。図１及び図２は本発明の実施形態に係る着用物品を示した図であり、図３及び図４は着用物品の説明を容易にするために図１及び図２に示す着用物品を展開して示した図である。

　図１及び図２に示すように、着用物品１００は、着用者に着用された状態において、着用者の胴回りに沿った方向である物品幅方向に延び、後背部及び前腹部を覆う部分と、物品幅方向と直交する物品前後方向に延び、着用者の股下部を覆う部分と、を有する。

　着用物品１００において前記物品幅方向は図１及び図２においてＸ方向であり、図３及び図４において展開幅方向（図３及び図４における左右方向）に一致する。また、前記物品前後方向は、図１及び図２においてＹ方向である。また、図１及び図２におけるＺ方向は、Ｘ方向及びＹ方向に直交する。

　図１及び図２に示すように、着用物品１００は、着用者の少なくとも前腹部を覆う前胴回り部１１及び着用者の少なくとも後背部を覆う後胴回り部１２と、着用者の体液を吸収する吸収性本体２０と、胴回り部１１、１２に弾性を付与する複数の弾性部材３１～３４と、を備えている。

　この着用物品１００では、着用者の股下部の一部を覆う吸収性本体２０を介して前胴回り部１１と後胴回り部１２とが物品前後方向に連結されている。前胴回り部１１と後胴回り部１２とは、着用者の脚の付け根の外側からウエストまでの部分に位置するサイドシール部分１３において接合されている。具体的に、前胴回り部１１と後胴回り部１２とは、前胴回り部１１及び後胴回り部１２の物品幅方向の両端部のうち左側の左サイドシール部分１３Ｌ及び当該両端部のうち右側の右サイドシール部分１３Ｒにおいて接合されている。左サイドシール部分１３Ｌは左シール延び方向に延びる。右サイドシール部分１３Ｒは右シール延び方向に延びる。左シール延び方向及び右シール延び方向はＺ方向に一致する。

　この着用物品１００において、前胴回り部１１及び後胴回り部１２における着用者のウエスト側の端部は、着用者の下腹部が挿入可能となるように開口している。一方、着用物品１００における着用者の股下部側の端部には、正面視で直線状の左レッグホール１４Ｌ及び右レッグホール１４Ｒが形成されている。左レッグホール１４Ｌ及び右レッグホール１４Ｒは、着用者の左脚及び右脚それぞれが挿入可能で、かつ、脚周りに沿うように形成された開口である。なお、左レッグホール１４Ｌ及び右レッグホール１４Ｒは正面視で曲線状であってもよい。

　吸収性本体２０は、図３及び図４に示すように長方形状であり、長手方向が図３及び図４における展開上下方向（図３及び図４に示す上下方向）に沿った状態で配置される。吸収性本体２０は、着用者の体液を吸収するためのコアを有している。コアは、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等の高吸収性ポリマー（ＳＡＰ：Super Absorbent Polymer）と、フラッフパルプ等の吸収性材料と、これらを挟み込む透液性のトップシートと不透液性のバックシート（図示せず）と、を有する。

　前胴回り部１１及び後胴回り部１２はとともに、着用物品１００の伸縮性及び通気性を確保しつつ、左サイドシール部分１３Ｌ及び右サイドシール部分１３Ｒの接合強度を確保するように構成されている。具体的に、前胴回り部１１及び後胴回り部１２は、伸縮性繊維シート１と、伸縮性繊維シート１の所定の複数のシート積層領域５０にのみに積層されて接合された繊維補足シート２と、を備えている。複数のシート積層領域５０は、伸縮性繊維シート１に対して繊維補足シート２を積層する領域として設定された領域である。

　伸縮性繊維シート１は、比較的に繊維密度が小さい不織布であり、伸縮性及び通気性に優れる。前胴回り部１１及び後胴回り部１２に伸縮性繊維シート１が採用されることにより、前胴回り部１１及び後胴回り部１２に伸縮性及び通気性が与えられる。伸縮性繊維シート１は、弾性を有する繊維により形成された弾性繊維と、前記弾性繊維の弾性よりも小さな弾性を有するとともに伸長可能な伸張性繊維とを含み、伸縮加工の施された不織布から構成される。

　弾性繊維としては、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー及びポリアミド系等のエラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることができる。そのほか、弾性繊維として、プロピレン－エチレン共重合体、天然ゴム等を原料とするものが用いられてもよい。

　前記伸張性繊維は、弾性繊維よりも弾性が小さく、本来的に弾性に乏しいが、延伸により伸張する機能が与えられる。伸張性繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等を用いることができる。

　前記弾性繊維と前記伸張性繊維とを組み合わせた繊維の製造方法としては、例えば、弾性繊維を含む層と伸張性繊維を含む層との積層による方法及び弾性繊維と伸張性繊維との混合による方法が挙げられる。

　一方、繊維補足シート２は不織布である。繊維補足シート２を構成する繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレンやポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、アクリル等のアクリロニトリル系樹脂、メタクリル樹脂、ビニリデン系樹脂等の熱可塑性の樹脂を用いることができる。なお、繊維補足シート２の繊維密度は、特に限定されないが、伸縮性繊維シート１の繊維密度よりも大きくすることにより後述する接着強度を確実に向上することができる。

　前胴回り部１１及び後胴回り部１２それぞれの各部の構成についてさらに説明する。

　前胴回り部１１は、本実施形態では、着用者の前腹部に加えて前腹部側の股下部の一部を覆うシートである。前胴回り部１１は、前腹部及び前腹側の股下部の形状に合わせて、着用者の前腹部を覆う部分と、着用者の両脇部分を覆う部分と、着用者の前腹部側の股下部の一部を覆う部分と、を含む。

　前胴回り部１１は、物品幅方向の左側の左前側端部１１Ｌと、物品幅方向の右側の右前側端部１１Ｒとを有する。さらに、前胴回り部１１は、両前側端部１１Ｌ、１１Ｒの上端間で物品幅方向に延びる前胴回り辺と、両前側端部１１Ｌ、１１Ｒの下端から下向きかつ互い近づく方向に延びる一対の前股下傾斜辺１１Ｔと、両前股下傾斜辺１１Ｔ同士を連結するように物品幅方向に延びる前連結辺１１Ｊと、を有する。

　前記一対の前股下傾斜辺１１Ｔはそれぞれ、左レッグホール１４Ｌの一部及び右レッグホール１４Ｒそれぞれの一部を形成する。具体的に、一対の前股下傾斜辺１１Ｔは、左前側端部１１Ｌ及び右前側端部１１Ｒそれぞれの下端部（左前股下端部１１ＣＬ、右前股下端部１１ＣＲ）から吸収性本体２０が配置される部分に近づくように傾斜する。

　前記繊維補足シート２は、前記複数のシート積層領域５０のそれぞれにおいて、前胴回り部１１の伸縮性繊維シート１の内側面に積層されている。複数のシート積層領域５０は伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２が積層される領域である。本実施形態では、前胴回り部１１の複数のシート積層領域５０は、図１及び図２に示すＺ方向に間隔を置いて設定された前ウエスト領域５１及び前股下領域５３（図３参照）を含む。

　前ウエスト領域５１は、前胴回り部１１の前胴回り辺に沿って延びる領域である。具体的に、前ウエスト領域５１は、左前ウエスト端部１１ＷＬから右前ウエスト端部１１ＷＲまで図１に示す物品幅方向に延びる。左前ウエスト端部１１ＷＬは、左前側端部１１Ｌにおける左シール延び方向の両端部のうち着用者のウエストに近い端部である。右前ウエスト端部１１ＷＲは、右前側端部１１Ｒにおける右シール延び方向の両端部のうち着用者のウエストに近い端部である。

　前股下領域５３は、前胴回り部１１の股下部に近い端部に設定された領域である。具体的には、前股下領域５３は、前連結辺１１Ｊと、両前股下傾斜辺１１Ｔと、両前側端部１１Ｌ、１１Ｒの股下部に近い端部（左前股下端部１１ＣＬ及び右前股下端部１１ＣＲ）と、を含む領域である。左前股下端部１１ＣＬは、左前側端部１１Ｌにおける左シール延び方向の両端部のうち着用者の股下部に近い端部である。右前股下端部１１ＣＲは、右前側端部１１Ｒにおける右シール延び方向の両端部のうち着用者の股下部に近い端部である。

　前ウエスト領域５１と前股下領域５３との間には非配置領域５５が設定されている。非配置領域５５は、伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２が積層されずに伸縮性繊維シート１を通じての通気が許容される領域である。

　一方、後胴回り部１２は、本実施形態では、着用者の後背部に加えて後背部側の股下部の一部を覆うシートである。後胴回り部１２は、本実施形態では前胴回り部１１と同一の形状及び同一の大きさであるとともに、同一のシート構成を有する。具体的に、後胴回り部１２は、後背部及び後背部側の股下部の形状に合わせて、着用者の後背部を覆う部分と、着用者の両脇部分を覆う部分と、着用者の後背部側の股下部の一部を覆う部分と、を含む。

　後胴回り部１２は、物品幅方向の左側の左後側端部１２Ｌと、物品幅方向の右側の右後側端部１２Ｒとを有する。さらに、後胴回り部１２は、両後側端部１２Ｌ、１２Ｒの上端間で物品幅方向に延びる後胴回り辺と、両後側端部１２Ｌ、１２Ｒの下端から下向きかつ互い近づく方向に延びる一対の後股下傾斜辺１２Ｔと、両後股下傾斜辺１２Ｔ同士を連結するように物品幅方向に延びる後連結辺１２Ｊと、を有する。

　前記一対の後股下傾斜辺１２Ｔはそれぞれ、左レッグホール１４Ｌの一部及び右レッグホール１４Ｒそれぞれの一部を形成する。具体的に、一対の後股下傾斜辺１２Ｔは、左後側端部１２Ｌ及び右後側端部１２Ｒそれぞれの下端部（左後股下端部１２ＣＬ、右後股下端部１２ＣＲ）から吸収性本体２０が配置される部分に近づくように傾斜する。

　前記繊維補足シート２は、前記複数のシート積層領域５０のそれぞれにおいて、後胴回り部１２の伸縮性繊維シート１の内側面に積層されている。本実施形態では、後胴回り部１２の複数のシート積層領域５０は、図１及び図２に示すＺ方向に間隔を置いて設定された後ウエスト領域５２及び後股下領域５４を含む。後ウエスト領域５２及び後股下領域５４それぞれは、前胴回り部１１と後胴回り部１２とを接合した場合に、前ウエスト領域５１及び前股下領域５３（図３参照）それぞれと対向する領域である。

　後ウエスト領域５２は、後胴回り部１２の後胴回り辺に沿って延びる領域である。具体的に、後ウエスト領域５２は、左後ウエスト端部１２ＷＬから右後ウエスト端部１２ＷＲまで図１に示す物品幅方向に延びる。左後ウエスト端部１２ＷＬは、左後側端部１２Ｌにおける左シール延び方向の両端部のうち着用者のウエストに近い端部である。右後ウエスト端部１２ＷＲは、右後側端部１２Ｒにおける右シール延び方向の両端部のうち着用者のウエストに近い端部である。

　後股下領域５４は、後胴回り部１２の股下部に近い端部に設定された領域である。具体的には、後股下領域５４は、後連結辺１２Ｊと、両後股下傾斜辺１２Ｔと、両後側端部１２Ｌ、１２Ｒの股下部に近い端部（左後股下端部１２ＣＬ及び右後股下端部１２ＣＲ）と、を含む領域である。左後股下端部１２ＣＬは、左後側端部１２Ｌにおける左シール延び方向の両端部のうち着用者の股下部に近い端部である。右後股下端部１２ＣＲは、右後側端部１２Ｒにおける右シール延び方向の両端部のうち着用者の股下部に近い端部である。

　後ウエスト領域５２と後股下領域５４との間には非配置領域５５が設定されている。非配置領域５５は、伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２が積層されずに伸縮性繊維シート１を通じての通気が許容される領域である。

　前胴回り部１１と後胴回り部１２とは、左サイドシール部分１３Ｌ及び右サイドシール部分１３Ｒそれぞれにおいて接合されている。本実施形態では、左サイドシール部分１３Ｌの左シール延び方向の両端部及び右サイドシール部分１３Ｒの右シール延び方向の両端部において伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２が積層された積層状態となっており、前記積層状態で伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２とが熱溶着により接合されている。よって、左サイドシール部分１３Ｌの当該両端部及び右サイドシール部分１３Ｒの当該両端部において接合強度を確保することができる。

　具体的に、前胴回り部１１のうち前ウエスト領域５１及び前股下領域５３において伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２とが積層状態となっている。これにより、左前側端部１１Ｌの左シール延び方向の両端部及び右前側端部１１Ｒの右シール延び方向の両端部において伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２とが積層状態となっている。

　さらに、後胴回り部１２のうち後ウエスト領域５２及び後股下領域５４において伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２とが積層状態となっている。これにより、左後側端部１２Ｌの左シール延び方向の両端部及び右後側端部１２Ｒの右シール延び方向の両端部において伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２とが積層状態となっている。

　つまり、左サイドシール部分１３Ｌにおいては、左前側端部１１Ｌの左シール延び方向の両端部及び左後側端部１２Ｌの左シール延び方向の両端部それぞれが前記積層状態で接合されている。同様に、右サイドシール部分１３Ｒにおいては、右前側端部１１Ｒの右シール延び方向の両端部及び右後側端部１２Ｒの右シール延び方向の両端部それぞれが前記積層状態で接合されている。具体的には、２層の繊維補足シート２が伸縮性繊維シート１と伸縮性繊維シート１との間に介在した状態で伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２とが積層されている。このため、伸縮性繊維シート１の繊維密度が小さいにも関わらず、両サイドシール部分１３Ｌ、１３Ｒにおいて繊維補足シート２により繊維密度を補うことができる。つまり、伸縮性繊維シート１及び繊維補足シート２が積層状態で一体に接合された部分の単位面積当たりの繊維量が伸縮性繊維シート１のみの単位面積当たりの繊維量よりも大きくなることにより、当該部分における接合に関与する繊維量が多くなるため、十分な接合強度を確保することができる。よって、左サイドシール部分１３Ｌの前記両端部及び右サイドシール部分１３Ｒの前記両端部において接合強度を確保することができる。

　左サイドシール部分１３Ｌの前記両端部は、互いに接合された状態の前胴回り部１１と後胴回り部１２とが離れる方向に広げられると、特に応力集中が生じる部分である。この両端部の接合強度が前述のように確保されることにより、当該両端部から左サイドシール部分１３Ｌが意図せずに引き裂かれるのを抑制することができる。同様に、特に応力集中が生じる部分である右サイドシール部分１３Ｒの前記両端部から右サイドシール部分１３Ｒが意図せずに引き裂かれるのを抑制することができる。

　なお、繊維補足シート２の繊維密度が伸縮性繊維シート１の繊維密度よりも大きい場合には、伸縮性繊維シート１及び繊維補足シート２が積層状態で一体に接合された部分の単位面積当たりの繊維量が伸縮性繊維シート１のみの単位面積当たりの繊維量よりも確実に大きくなることにより、当該部分における十分な接合強度を確保することができる。

　一方、前胴回り部１１において、非配置領域５５において伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２が積層されていないため、伸縮性繊維シート１を通じての通気が確保される。同様に、後胴回り部１２において、非配置領域５５において伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２が積層されていないため、伸縮性繊維シート１を通じての通気が確保される。

　以上の通り、前胴回り部１１及び後胴回り部１２が接合された着用物品１００は、伸縮性繊維シート１の繊維密度が小さいにもかかわらず左サイドシール部分１３Ｌ及び右サイドシール部分１３Ｒの接合強度を確保できるとともに、伸縮性繊維シート１の通気性を確保することができる。

　複数の弾性部材３１～３４は、着用物品１００において着用者のウエスト又は股下部の脚の付け根に位置する部分に弾性を付与する。複数の弾性部材３１～３４は、着用者のウエストの前腹部側に弾性を付与する前ウエスト弾性部材３１、着用者のウエストの後背部側に弾性を付与する後ウエスト弾性部材３２、着用者の脚の付け根の前腹部側に弾性を付与する前股下弾性部材３３、及び、着用者の脚の付け根の後背部側に弾性を付与する後股下弾性部材３４を含む。

　前ウエスト弾性部材３１は、前ウエスト領域５１において、伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２との間に（図５）物品幅方向に伸縮可能な状態で設けられている。本実施形態では、複数本の前ウエスト弾性部材３１がＺ方向（図１、図２）に間隔を置いて配置されているとともに、物品幅方向に延びている。前ウエスト弾性部材３１の弾性力により、着用者の前腹部側のウエストに前胴回り部１１をフィットさせることができる。

　後ウエスト弾性部材３２は、後ウエスト領域５２において、伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２との間に（図５）物品幅方向に伸縮可能な状態で設けられている。本実施形態では、複数本の後ウエスト弾性部材３２がＺ方向（図１、図２）に間隔を置いて配置されているとともに、物品幅方向に延びている。後ウエスト弾性部材３２の弾性力により、着用者の後背部側のウエストに後胴回り部１２をフィットさせることができる。

　前股下弾性部材３３は、前股下領域５３において伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２との間に（図５）物品幅方向に伸縮可能な状態で設けられている。前股下弾性部材３３の弾性力により、着用者の脚の付け根の前側に前胴回り部１１をフィットさせることができる。

　後股下弾性部材３４は、後股下領域５４において伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２との間に（図５）物品幅方向に伸縮可能な状態で設けられている。後股下弾性部材３４の弾性力により、着用者の脚の付け根の前側に後胴回り部１２をフィットさせることができる。

　弾性部材３１～３４は、例えば、ポリウレタン、天然ゴム、熱可塑性樹脂等の材料から形成されている。

　＜着用物品の製造方法＞
　次に、上記の着用物品１００の製造方法について説明する。図６は、図１の着用物品の製造方法の流れを示す模式図である。着用物品１００の製造方法は、（１）第１シート準備工程、（２）第２シート準備工程、（３）分離工程、（４）吸収性本体配置工程、（５）サイドシール部分形成工程及び（６）切り分け工程を含む。

　（１）第１シート準備工程
　本実施形態の第１シート準備工程では、物品幅方向に相当するシート長手方向に延びる伸縮性繊維シート１を準備する。伸縮性繊維シート１は、弾性を有する繊維により形成された弾性繊維と、前記弾性繊維の弾性よりも小さな弾性を有しかつ伸長可能な伸張性繊維とを含み、延伸加工の施された不織布から構成される。この伸縮性繊維シート１は、例えば、前記弾性繊維を有する層と前記伸張性繊維を有する層とを積層した後、積層されたものを延伸することにより形成される。この延伸により弾性繊維を有する層は延伸される。一方、伸張性繊維を有する層は延伸により塑性変形することにより伸長する。延伸を経た不織布において応力が開放されると、弾性繊維を有する層は弾性回復する一方、伸張性繊維を有する層は弾性回復せずに伸長したままの状態で弾性繊維の弾性により縮められる。このようにして得られた伸縮性繊維シート１は比較的に繊維密度が小さく、伸縮性及び通気性に優れる。

　前述の不織布の延伸には、例えば、一対のギアロールの間に不織布を通過させることにより行うギア延伸を採用することができる。具体的に、各ギアロールは外周面から突出する複数の刃を有している。一対のギアロールの刃を互いに噛み合わせながら回転させるとともに、一対のギアロールの間に不織布を通過させることにより、当該不織布が延伸される。なお、延伸はギア延伸に限定されず、例えば一軸延伸、二軸延伸、部分的延伸、全体的延伸等を採用することができる。

　その他、伸縮性繊維シート１は、弾性繊維と伸張性繊維とを混合することにより形成することができる。例えば、弾性繊維の材料である熱可塑性エラストマーと伸張性繊維の材料である熱可塑性樹脂とを混合した状態で溶融する。溶融状態の材料を溶融紡糸して得られた繊維を堆積することにより不織布を形成する。この不織布が前述の通り延伸されることにより伸縮性繊維シート１を形成することができる。

　伸縮性繊維シート１として、この実施形態に係る方法では、シート長手方向に延び、かつ、当該シート長手方向に直交するシート幅方向について幅寸法を有するものが準備される。

　伸縮性繊維シート１の幅寸法は、前胴回り部１１の前胴回り辺から前連結辺１１Ｊまでの寸法と、後胴回り部１２の連結辺１２Ｊから後胴回り辺までの寸法と、を加えた寸法に相当する。つまり、前記シート幅方向の所定の幅寸法は、前胴回り部１１が形成される領域及び後胴回り部１２が形成される領域がシート幅方向に並んだ状態で切り分け可能な寸法を有する。

　また、伸縮性繊維シート１の長さ寸法は、後述の「（６）切り分け工程」のように伸縮性繊維シート１をシート長手方向に分断することにより複数の着用物品１００となる部分を切り出すことが可能な寸法に設定される。各着用物品１００となる部分は、一つの前胴回り部１１及び一つの後胴回り部１２それぞれを構成する部分のみを含むものである。

　この伸縮性繊維シート１には、シート長手方向に延びる複数の積層用領域６０が設定されている。複数の積層用領域６０は、伸縮性繊維シート１に対してシート長手方向に延びる繊維補足シート２を積層する領域として設定された領域である。複数の積層用領域６０はシート幅方向に間隔をおいて並ぶように設定されている。具体的に、本実施形態では、複数の積層用領域６０は、図６に示すように、第１端部領域６１と、中間領域６２と、第２端部領域６３と、を含む。第１端部領域６１、中間領域６２及び第２端部領域６３は、シート長手方向に延びる。第１端部領域６１は、伸縮性繊維シート１のシート幅方向の両端部のうち一方の端部に沿う領域である。第２端部領域６３は、伸縮性繊維シート１のシート幅方向の両端部のうち他方の端部に沿う領域である。中間領域６２は、伸縮性繊維シート１における第１端部領域６１と第２端部領域６３との間の領域である。

　また、中間領域６２は、後述の「（３）分離工程」においてシート幅方向に分離される第１中間領域６２ａ及び第２中間領域６２ｂを含む。第１中間領域６２ａは中間領域６２において第１端部領域６１に近い側の領域であり、第２中間領域６２ｂは中間領域６２において第２端部領域６３に近い側の領域である。

　第１端部領域６１及び第１中間領域６２ａは前胴回り部１１が形成される領域に含まれる。第２端部領域６３及び第２中間領域６２ｂは後胴回り部１２が形成される領域に含まれる。

　伸縮性繊維シート１の複数の積層用領域６０は、着用物品１００の複数のシート積層領域５０がシート長手方向に連続したものに相当する。具体的に、第１端部領域６１、第１中間領域６２ａ、第２中間領域６２ｂ及び第２端部領域６３それぞれは、着用物品１００の前ウエスト領域５１、前股下領域５３、後股下領域５４及び後ウエスト領域５２それぞれがシート長手方向に連続したものに相当する。第１端部領域６１と第１中間領域６２ａとの間の領域、及び、第２端部領域６３と第２中間領域６２ｂとの間の領域は、非配置領域５５がシート長手方向に連続したものに相当する。

　前記複数の積層用領域６０は、二対の対向可能領域を含む。対向可能領域とは、後述の「（５）サイドシール部分形成工程」においてシート積層体３をシート幅方向に重ね合わせた場合に互いに対向する領域である。シート積層体３は、伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２が積層されたシートである。本実施形態では、第１端部領域６１と第２端部領域６３とが一対の対向可能領域に相当し、第１中間領域６２ａと第２中間領域６２ｂとが一対の対向可能領域に相当する。

　本実施形態の「（１）第１シート準備工程」は、本発明の請求項における「伸縮性繊維シートを準備する準備工程」に含まれる。

　（２）第２シート準備工程
　第２シート準備工程では、伸縮性繊維シート１、複数の弾性部材８１～８３及び複数の繊維補足シート２を積層したシート積層体３を形成する。

　具体的に、第２シート準備工程では、伸縮性繊維シート１をそのシート長手方向と平行な機械方向ＭＤ（Ｍａｃｈｉｎｅ　Ｄｉｒｅｃｔｉｏｎ）に搬送する。前記シート長手方向は、図１及び図２に示される着用物品１００の物品幅方向に一致する。なお、図６に示す交差方向ＣＤは、機械方向ＭＤに直交する方向である。

　また、第２シート準備工程では、伸縮性繊維シート１が搬送されている状態において、伸縮性繊維シート１の複数の積層用領域６０上に複数の弾性部材８１～８３をシート長手方向に伸長した状態で搬送しつつ配置する。

　具体的に、複数本の第１端部弾性部材８１は、互いにシート幅方向に間隔を空けて配置された状態で伸縮性繊維シート１の第１端部領域６１上に配置される。また、複数本の第２端部弾性部材８３は、互いにシート幅方向に間隔を空けて配置された状態で伸縮性繊維シート１の第２端部領域６３上に配置される。さらに、複数本の中間弾性部材８２は、互いにシート幅方向に間隔を空けて配置された状態で伸縮性繊維シート１の中間領域６２上に配置される。具体的に、第１中間弾性部材８２ａは、中間領域６２において、分離工程（３）において切断予定の切断線を基準として第１端部領域６１側の領域、つまり、第１中間領域６２ａ上に配置される。また、第２中間弾性部材８２ｂは、中間領域６２において、切断線を基準として第２端部領域６３側の領域、つまり、第２中間領域６２ｂ上に配置される。

　なお、当該複数本の中間弾性部材８２は、図６及び図７においては直線状に描かれているが、実際には、左レッグホール１４Ｌ及び右レッグホール１４Ｒの縁部に沿った経路に沿って搬送されている。

　また、第２シート準備工程では、繊維補足シート２をシート長手方向に沿って搬送しながら、伸縮性繊維シート１の第１端部領域６１、中間領域６２、第２端部領域６３それぞれにおいて、弾性部材８１～８３を上部から覆うように複数の繊維補足シート２を伸縮性繊維シート１に接合する。つまり、伸縮性繊維シート１と複数の繊維補足シート２との間に弾性部材８１～８３を挟み込んだ状態で、伸縮性繊維シート１と複数の繊維補足シート２とを互いに接合する。弾性部材８１～８３は、当該弾性部材８１～８３を挟み込む伸縮性繊維シート１及び繊維補足シート２の少なくとも一方に接合されていればよい。上記伸縮性繊維シート１、繊維補足シート２、及び弾性部材８１～８３の接合によりこれらが積層されたシート積層体３が形成される。接合手段としては、ホットメルト接着剤を用いた接着やヒートシールによる溶着を用いることもできるが、超音波溶着が好ましい。

　本実施形態の「（２）第２シート準備工程」は、本発明の請求項における「伸縮性繊維シートを準備する準備工程」に含まれる。なお、本発明の請求項における「伸縮性繊維シートを準備する準備工程」は、「（１）第１シート準備工程」及び「（２）第２シート準備工程」のうち少なくとも「（１）第１シート準備工程」を含んでいればよい。

　（３）分離工程
　分離工程では、図６及び図７に示すように、シート積層体３をシート長手方向に搬送した状態で、シート積層体３を予め設定された切断線に沿ってシート幅方向に切断する。この切断により、中間領域６２は、第１中間領域６２ａと、第２中間領域６２ｂと、にシート幅方向に分離される。また、上記切断により、シート積層体３において前胴回り部１１が形成される領域と後胴回り部１２が形成される領域とが分離される。

　この分離に伴い、中間弾性部材８２は、第１中間弾性部材８２ａと第２中間弾性部材８２ｂとに分離される。さらに、分離工程では、シート積層体３において前胴回り部１１が形成される領域と後胴回り部１２が形成される領域との間に間隔が設けられるように、シート積層体３の搬送経路を変化させる。

　本実施形態の「（３）分離工程」では、シート積層体３において前胴回り部１１が形成される領域と後胴回り部１２が形成される領域とが分離されることから、前胴回り部１１の一部及び後胴回り部１２の一部の切り出しに相当する。よって、本実施形態の「（３）分離工程」は、本発明の請求項における「伸縮性繊維シートから前胴回り部及び後胴回り部を切り出す切り出し工程」に含まれる。

　（４）吸収性本体配置工程
　吸収性本体配置工程では、前記の「（３）分離工程」で分離された領域、すなわち、前胴回り部１１が形成される領域と後胴回り部１２が形成される領域を相互に連結するように吸収性本体２０を配置するとともに上記両領域に対して吸収性本体２０を接合する。本実施形態では、シート積層体３の第１中間領域６２ａよりも第１端部領域６１側の位置から第２中間領域６２ｂよりも第２端部領域６３側の位置までの領域を覆うように各吸収性本体２０をシート積層体３に配置する。

　（５）サイドシール部分形成工程
　本実施形態におけるサイドシール部分形成工程は、各着用物品１００の左サイドシール部分１３Ｌを形成する工程及び右サイドシール部分１３Ｒを形成する工程を含んでいる。

　サイドシール部分形成工程では、シート積層体３をシート長手方向に搬送しながら吸収性本体２０をシート幅方向に二つ折りにすることによりシート積層体３を重ね合わせる。これにより、第１端部領域６１と第２端部領域６３とが対向するとともに、第１中間領域６２ａと第２中間領域６２ｂとが対向する。

　また、サイドシール部分形成工程では、シート積層体３をシート幅方向に重ねた合わせた状態で、シート長手方向に着用物品１００を形成する部分毎に間隔を置いて、シート積層体３のシート幅方向に沿う所定の長さ部分を加熱する。これにより、加熱された部分の伸縮性繊維シート１及び繊維補足シート２が溶融状態となり、重ね合わされたシート積層体３どうしが当該部分において接合される。この接合された部分がシート積層体３において各着用物品１００のサイドシール部分１３を形成する。

　具体的に、サイドシール部分形成工程では、後述する切り分け工程において物品幅方向に切り分けることにより下流側の着用物品１００の左サイドシール部分１３Ｌと上流側の着用物品１００の右サイドシール部分１３Ｒとを形成可能なサイドシール部分１３を形成する。より詳細には、物品幅方向における左サイドシール部分１３Ｌの幅と右サイドシール部分１３Ｒの幅とを加えた幅を有するサイドシール部分１３を形成する。また、連続するサイドシール部分１３間の間隔は、着用物品１００の幅方向の寸法に相当する。なお、「加熱」には、熱を直接シートに与える場合に限らず、超音波振動をシートに与えることにより当該シートを加熱する場合も含む。

　（６）切り分け工程
　切り分け工程では、図６及び図８に示すように、サイドシール部分１３が連結された状態で着用物品１００を形成する部分の連続体をシート長手方向に搬送しつつ、着用物品１００を形成する部分の連続体を着用物品１００を形成する部分毎にシート長手方向に分割するように切断する。これによりシート積層体３から前胴回り部１１及び後胴回り部１２を含む各着用物品１００を切り出す。具体的には、前記のように形成された複数のサイドシール部分１３それぞれのシート長手方向の中央位置においてシート積層体３をシート幅方向に切断する。これにより、サイドシール部分１３が下流側の着用物品１００の左サイドシール部分１３Ｌと上流側の着用物品１００の右サイドシール部分１３Ｒとに分離されるとともに、下流側の着用物品１００がシート積層体３から切り分けられる。このようにしてサイドシール部分１３の中央位置が順次に切断されることにより、右サイドシール部分１３Ｒ及び左サイドシール部分１３Ｌを有する着用物品が連続的に切り分けられる。

　本実施形態の「（６）切り分け工程」は、シート積層体３を着用物品１００毎に切り分けるため、本発明の請求項における「伸縮性繊維シートから前胴回り部及び後胴回り部を切り出す切り出し工程」に含まれる。

　切り分け工程では、さらに左レッグホール１４Ｌ及び右レッグホール１４Ｒを構成するように着用物品１００を直線状に切断する。両レッグホール１４Ｌ及び１４Ｒの切断は、吸収性本体配置工程の前に行ってもよい。

　上記着用物品１００の製造方法によれば、前胴回り部１１及び後胴回り部１２が接合された着用物品１００は、伸縮性繊維シート１の繊維密度が小さいにもかかわらず左サイドシール部分１３Ｌ及び右サイドシール部分１３Ｒの接合強度を確保できるとともに、伸縮性繊維シート１の通気性を確保することができる。

　具体的に、第１端部領域６１、第１中間領域６２ａ、第２中間領域６２ｂ及び第２端部領域６３の各領域では、伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２が積層された積層状態が構成されている。この積層状態により、伸縮性繊維シート１の繊維密度が小さいにもかかわらず繊維補足シート２により繊維密度が補われている。つまり、伸縮性繊維シート１及び繊維補足シート２が積層状態で一体に接合された部分の単位面積当たりの繊維量が伸縮性繊維シート１のみの単位面積当たりの繊維量よりも大きくなることにより、当該部分における接合に関与する繊維量が多くなる。このシート積層体３がシート幅方向に重ね合わされることにより、第１端部領域６１と第２端部領域６３とが対向する部分及び第１中間領域６２ａと第２中間領域６２ｂとが対向する部分では、伸縮性繊維シート１と伸縮性繊維シート１との間に繊維補足シート２が積層している。よって、繊維補足シート２が積層されることによりさらに繊維密度が補われる。「（５）サイドシール部分形成工程」では、繊維密度が繊維補足シート２により補われた状態でシート積層体３のサイドシール部分１３（左サイドシール部分１３Ｌ及び右サイドシール部分１３Ｒ）の形成対象となる部分が加熱されて溶融状態となることにより対向するシート積層体３がサイドシール部分１３において接合される。このため、サイドシール部分１３において溶融状態で絡み合う繊維量を確保することができるため、サイドシール部分１３における十分な接合強度を確保することができる。

　また、上記着用物品１００の製造方法によれば、サイドシール部分１３の形成される領域におけるサイドシール延び方向の端部を含むように積層用領域６０が設定されており、両サイドシール部分１３Ｌ、１３Ｒのシール延び方向の両端部において、伸縮性繊維シート１に複数の繊維補足シート２を効率よく積層することができる。具体的に、左サイドシール部分１３Ｌの両端部の一方から右サイドシール部分１３Ｒの両端部の一方までシート長手方向に延びる積層用領域６０（第１端部領域６１及び第２端部領域６３）と、左サイドシール部分１３Ｌの両端部の他方から右サイドシール部分１３Ｒの両端部の他方までシート長手方向に延びる積層用領域６０（第１中間領域６２ａ及び第２中間領域６２ｂ）と、が設定されているため、伸縮性繊維シート１のこれら４つの積層用領域６０において４枚の繊維補足シート２を積層することにより、両サイドシール部分１３の両端に繊維補足シート２を効率よく配置することができる。

　さらに、上記製造方法によれば、シート長手方向に延びる伸縮性繊維シート１の複数の積層用領域６０にシート長手方向に延びる複数の繊維補足シート２を積層することによりシート長手方向に延びるシート積層体３を形成することができる。これにより複数の着用物品１００を効率よく量産することができる。

　また、伸縮性繊維シート１及び複数の繊維補足シート２は同一のシート長手方向に搬送されることにより、伸縮性繊維シート１の搬送の流れに沿って伸縮性繊維シート１に複数の繊維補足シート２をさらに効率よく積層することができる。

　さらに、上記着用物品の製造方法によれば、接合前には繊維補足シート２の厚みを薄くしつつも、接合時には繊維補足シート２の厚みを確保することにより伸縮性繊維シート１を補強することができる。

　具体的に、接合前において左前側端部１１Ｌと左後側端部１２Ｌとにおける一対の対向可能領域それぞれに分散して繊維補足シート２を伸縮性繊維シート１に積層する。また、接合前において右前側端部１１Ｒと右後側端部１２Ｒとにおける一対の対向可能領域それぞれに分散して繊維補足シート２を配置する。このような分散配置により接合前の繊維補足シート２の厚みを薄くしつつも、左前側端部１１Ｌと左後側端部１２Ｌを対向させて接合した左サイドシール部分１３Ｌ及び右前側端部１１Ｒと右後側端部１２Ｒとを対向させて接合した右サイドシール部分１３Ｒにおいて、伸縮性繊維シート１と伸縮性繊維シート１との間に繊維補足シート２を積層させることができる。これにより、接合に関与可能な繊維量を多く確保できるため、左サイドシール部分１３Ｌ及び右サイドシール部分１３Ｒの接合強度を確保することができる。

　また、「（２）第２シート準備工程」では、伸縮性繊維シート１と繊維補足シート２とを積層する際に弾性部材８１～８３を配置することができるため、弾性部材８１～８３を配置するために繊維補足シート２とは別のシートを準備し、これを伸縮性繊維シート１に積層する場合と比較して弾性部材８１～８３を効率よく配置することができる。

　また、当該弾性部材８１～８３はシート長手方向における伸縮性繊維シート１及び繊維補足シート２の全長に亘って配置されるため、シート長手方向に間欠的に弾性部材８１～８３を配置する場合と比較して、製造後の着用物品１００の物品幅方向の全長に亘り効率的に弾性部材８１～８３を配置することができる。当該弾性部材８１～８３はシート長手方向に伸縮可能であるため、製造後の着用物品１００の物品幅方向の全長に亘り物品幅方向の伸縮性を向上することができる。

　なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の態様を採用することもできる。

　（Ａ）接合強度を確保する領域について
　本発明の着用物品において、シート積層領域の設定場所及び領域の大きさ等は上記実施形態のものに限定されない。

　（Ａ１）シート積層領域の設定場所
　シート積層領域の設定場所は、上記実施形態の前ウエスト領域５１、前股下領域５３、後ウエスト領域５２及び後股下領域５４に限定されない。シート積層領域は、左サイドシール部分の少なくとも一部及び右サイドシール部分の少なくとも一部において設定されていてもよい。例えば、シート積層領域は、左サイドシール部分のうち、左シール延び方向の中央部の領域のみに設定されていてもよく、また、左シール延び方向の両端部及び中央部の双方に設定されていてもよく、さらには、左シール延び方向の全領域に設定されていてもよい。同様に、シート積層領域は、右サイドシール部分のうち、右シール延び方向の中央部の領域のみに設定されていてもよく、また、右シール延び方向の両端部及び中央部の双方に設定されていてもよく、さらには、右シール延び方向の全領域に設定されていてもよい。

　さらに、左前側端部及び左後側端部の両方にシート積層領域が設定される態様に限定されず、左前側端部及び左後側端部の少なくとも一方にシート積層領域が設定されていてもよい。同様に、右前側端部及び右後側端部の両方にシート積層領域が設定される態様に限定されず、右前側端部及び右後側端部の少なくとも一方にシート積層領域が設定されていてもよい。従って、図６に示される製造方法においては、前記複数の積層用領域６０は必ずしも一対の対向可能領域を含んでいなくてもよい。

　（Ａ２）シート積層領域の形状
　左サイドシール部分の少なくとも一部及び右サイドシール部分の少なくとも一部においてシート積層領域が設定されるのであれば、シート積層領域の形状は上記実施形態のものに限定されない。

　例えば、上記実施形態では、前股下領域５３は、着用者の前腹部側の股下部に位置する台形状の領域であるが、前股下領域５３は、前股下弾性部材３３が配置される領域のみであってもよい。上記実施形態の場合、前股下領域５３は、両前股下傾斜辺１１Ｔ及び前連結辺１１Ｊに沿った領域であってもよい。また、前股下領域５３は、左前股下端部１１ＣＬから右前股下端部１１ＣＲまで物品幅方向に延びる直線状の領域であってもよい。同様に、後股下領域５４もまた、後股下弾性部材３４が配置される領域のみであってもよい。上記実施形態の場合、後股下領域５４は、両後股下傾斜辺１２Ｔ及び後連結辺１２Ｊに沿った領域であってもよい。また、後股下領域５４は、左後股下端部１２ＣＬから右後股下端部１２ＣＲまで物品幅方向に延びる直線状の領域であってもよい。

　（Ｂ）非配置領域について
　本発明において、前胴回り部及び後胴回り部の少なくとも一部に非配置領域が設定されることにより通気性が確保されればよく、非配置領域の配置場所及び大きさ等は上記実施形態のものに限定されない。例えば、前胴回り部１１及び後胴回り部１２のうちいずれか一方の全面が非配置領域として設定されていてもよい。

　（Ｃ）弾性部材について

　（Ｃ１）弾性部材の省略について
　本発明において、弾性部材を省略することができる。例えば、着用物品において弾性部材による弾性が要求されない場合、また、着用物品の伸縮性が伸縮性繊維シートにより確保される場合には、弾性部材を省略することができる。また、任意の位置において弾性部材を省略することができる。例えば、上記実施形態においては、前ウエスト弾性部材、後ウエスト弾性部材、前股下弾性部材及び後股下弾性部材の少なくとも一つを省略することができる。

　（Ｃ２）弾性部材の弱化処理について
　前股下弾性部材及び後股下弾性部材の少なくとも一方は、吸収性本体が配置される部分において弱化処理が施されていてもよい。弱化処理は、弾性部材の弾性力を弱める処理あるいは弾性部材の弾性力を無効にする処理である。弱化処理は、例えば、吸収性本体が位置する部分の弾性部材を刃により切断あるいは熱により溶断することにより行われる。

　（Ｄ）着用物品の態様

　（Ｄ１）前胴回り部及び後胴回り部の形状
　本発明の前胴回り部及び後胴回り部の形状は、前胴回り部が前腹部を覆い、後胴回り部が後背部を覆う態様であれば限定されない。例えば前胴回り部及び後胴回り部の少なくとも一方が例えば長方形状であってもよい。

　（Ｄ２）着用物品の股下部の構成について
　本発明において、着用物品は、着用者の前腹部から股下部を介して後背部まで覆うように構成されていればよく、股下部での前胴回り部及び後胴回り部の形態は限定されない。例えば、前記実施形態において前胴回り部１１及び後胴回り部１２は互いに分離しており吸収性本体２０を介して連結されているが、前胴回り部及び後胴回り部は股下部において連続していてもよい。前胴回り部及び後胴回り部が股下部において連続している場合には、図６に示す製造方法において、「（３）分離工程」を省略することができる。つまり、シート積層体がシート幅方向に連続していてもよい。あるいは、「（３）分離工程」において、前胴回り部が形成される領域と後胴回り部が形成される領域とが股下部に相当する部分において連続した状態で、左レッグホール及び右レッグホールを有するようにシート積層体に開口を形成してもよい。さらには、吸収性本体２０は省略されてもよい。

　（Ｅ）左サイドシール部分及び右サイドシール部分について

　（Ｅ１）接合方法について
　本発明において、左サイドシール部分及び右サイドシール部分それぞれが接合されればよく、接合方法は上記実施形態の熱溶着に限定されない。

　例えば、左前側端部と左後側端部とが接着剤により接着されることにより接合されてもよい。具体的に、本発明の左前側端部と左後側端部とを重ね合わせた場合、伸縮性繊維シートと伸縮性繊維シートとの間に繊維補足シートが介在している。伸縮性繊維シート及び繊維補足シートが積層状態で一体に接合された部分の単位面積当たりの繊維量が伸縮性繊維シートのみの単位面積当たりの繊維量よりも大きくなることにより、当該部分における接合に関与する繊維量が多くなるため、接着剤が絡み合う繊維量を確保することができる。そのため、左サイドシール部分の接合強度を確保することができる。同様に右サイドシール部分では右前側端部と右後側端部とが接着剤により接着されることにより接合されてもよい。

　接着剤により左サイドシール部分及び右サイドシール部分を形成する場合、伸縮性繊維シート及び繊維補足シートは熱可塑性の不織布に限定されない。接着剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を採用可能である。

　その他、伸縮性繊維シート及び繊維補足シートに熱可塑性の不織布を採用した上で、左サイドシール部分及び右サイドシール部分の接合のために超音波溶着及び熱溶着を用いることができる。

　（Ｅ２）左サイドシール部分及び右サイドシール部分の形成タイミングについて
　本発明において、左サイドシール部分及び右サイドシール部分の形成タイミングは、上記実施形態のような同時に限定されず、別々の形成工程で形成されてもよい。例えば、サイドシール部分形成工程に、左サイドシール部分を形成する左サイドシール部分形成工程及び右サイドシール部分を形成する右サイドシール部分形成工程が含まれており、これらの形成工程が別々のタイミングで行われてもよい。

　例えば、左サイドシール部分形成工程では、シート積層体をシート幅方向に重ねた合わせた状態で、シート長手方向に着用物品を形成する部分毎に間隔を置いて、シート積層体の左サイドシール部分の形成対象となる部分を加熱する。これにより、シート積層体において各着用物品の左サイドシール部分を形成する。右サイドシール部分形成工程では、シート積層体をシート幅方向に重ねた合わせた状態で、シート長手方向に着用物品を形成する部分毎に間隔を置いて、シート積層体の右サイドシール部分の形成対象となる部分を加熱する。これにより、シート積層体において各着用物品の右サイドシール部分を形成する。

　（Ｆ）着用物品の製造方法における搬送について
　本発明の着用物品の製造方法において、各工程は搬送を伴わずに行われても良い。例えば、静止状態の伸縮性繊維シート上に繊維補足シートを積層状態で接合してもよい。その他、サイドシール部分形成工程及び切り出し工程も搬送を伴わずに行われてもよい。

　（Ｇ）伸縮性繊維シートと繊維補足シートの積層のタイミングについて
　本発明のサイドシール部分形成工程において、伸縮性繊維シートに繊維補足シートが積層された積層状態でサイドシール部分が形成されればよく、前記積層状態を構成するタイミングは限定されない。上記実施形態では、伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２を積層する工程において、つまりサイドシール部分形成工程の前において、伸縮性繊維シート１に繊維補足シート２が積層されている。しかし、サイドシール部分形成工程において、左サイドシール部分及び右サイドシール部分が接合されるタイミングで伸縮性繊維シートに繊維補足シートが積層されてもよい。具体的に、サイドシール部分形成工程では、伸縮性繊維シートを互いに重ね合わせる際に、両伸縮性繊維シート間で繊維補足シートを挟み込むのと同時にシート積層体において左サイドシール部分及び右サイドシール部分を形成してもよい。

　（Ｈ）切り分け工程について

　（Ｈ１）切り分け工程のタイミングについて
　切り分け工程のタイミングは上記実施形態のタイミングに限定されない。

　上記実施形態では、サイドシール部分形成工程を経た後、切り分け工程が行われるが、切り分け工程を経た後、サイドシール部分形成工程が行われてもよい。具体的に、サイドシール部分を形成する前に、着物物品を形成する部分毎にシート長手方向にシート積層体を分割するように切断する。切断されたシート積層体をシート幅方向に対向させた状態で左サイドシール部分及び右サイドシール部分を形成することにより着用物品を形成する。

　また、切り分け工程は、着用物品の製造方法における初期の段階に行われてもよい。例えば、切り分け工程では、伸縮性繊維シートをシート長手方向に分割するように切断することにより複数の伸縮性繊維シート分割片を切り出す。伸縮性繊維シート分割片それぞれは、シート幅方向に並んだ前胴回り部を構成する部分及び後胴回り部を構成する部分を含む。前胴回り部を構成する部分及び後胴回り部を構成する部分における複数のシート積層領域に弾性部材及び繊維補足シートを積層する。その後、弾性部材及び繊維補足シートが積層された状態で伸縮性繊維シート分割片をシート幅方向に対向させた状態で左サイドシール部分及び右サイドシール部分を形成する。これにより、着用物品を形成する。

　（Ｈ２）切り分けの態様について
　上記実施形態では、切り分け工程において、前胴回り部の股下部分及び後胴回り部の股下部分が吸収性本体により連結された状態でシート積層体から切り出される。これとは異なり、切り分け工程において、前胴回り部及び後胴回り部それぞれを別々に分離された状態でシート積層体から切り出してもよい。そして、サイドシール形成工程において別体の前胴回り部及び後胴回り部においてサイドシール部分を形成する。また、この別体の前胴回り部の股下部分及び後胴回り部の股下部分を互いに接合するか、あるいは吸収性本体を介して連結する。

　なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。

　上記着用物品の製造方法により製造された着用物品によれば、伸縮性繊維シートの繊維密度が小さいにもかかわらず左サイドシール部分及び右サイドシール部分の接合強度を確保できるとともに、伸縮性繊維シートの通気性を確保することができる。

　具体的に、左サイドシール部分において、伸縮性繊維シートと伸縮性繊維シートとの間に繊維補足シートが介在した積層状態でこれらが接合されることにより、伸縮性繊維シートの繊維密度が小さいにもかかわらず繊維補足シートにより繊維密度を補い、これにより十分な接合強度を確保することができる。つまり、伸縮性繊維シート及び繊維補足シートが積層状態で一体に接合された部分の単位面積当たりの繊維量が伸縮性繊維シートのみの単位面積当たりの繊維量よりも大きくなることにより、当該部分における接合に関与する繊維量が多くなるため、十分な接合強度を確保することができる。右サイドシール部分においても同様に、伸縮性繊維シートの間に繊維補足シートを介在させることにより繊維密度を補い、これにより十分な接合強度を確保することができる。

　一方、伸縮性繊維シートの少なくとも一部において前記伸縮性繊維シートに繊維補足シートが積層されていないため、伸縮性繊維シートを通じての通気が確保される。

　上記着用物品の製造方法であって、前記左サイドシール部分形成工程は、前記左サイドシール部分の形成対象となる部分における左シール延び方向の少なくとも両端部において前記積層状態で前記左前側端部と前記左後側端部とを重ね合わせて接合することを含み、前記左シール延び方向は前記物品幅方向に対して直交する方向であって前記左サイドシール部分が延びる方向であり、前記右サイドシール部分形成工程は、前記右サイドシール部分の形成対象となる部分における右シール延び方向の少なくとも両端部において前記積層状態で前記右前側端部と前記右後側端部とを重ね合わせて接合することを含み、前記右シール延び方向は前記物品幅方向に対して直交する方向であって前記右サイドシール部分が延びる方向であることが好ましい。

　上記着用物品の製造方法により製造された着用物品によれば、左サイドシール部分及び右サイドシール部分（以下、左サイドシール部分及び右サイドシール部分を総称してサイドシール部分という）が延びる方向の両端部において接合強度を確保することができるため、当該延びる方向の両端部からサイドシール部分が意図せずに引き裂かれるのを抑制することができる。

　具体的に、左サイドシール部分の左シール延び方向の少なくとも両端部において伸縮性繊維シートに対して繊維補足シートが積層されることにより、当該左シール延び方向の両端部の接合強度が確保される。当該両端部は、互いに接合された状態の前胴回り部と後胴回り部とが離れる方向に広げられると、特に応力集中が生じる部分である。この両端部の接合強度が前述のように確保されることにより、当該両端部から左サイドシール部分が意図せずに引き裂かれるのを抑制することができる。

　同様に、右サイドシール部分における右シール延び方向の両端部の接合強度が確保されるため、特に応力集中が生じる部分である当該両端部から右サイドシール部分が意図せずに引き裂かれるのを抑制することができる。

　上記着用物品の製造方法であって、前記準備工程は、前記伸縮性繊維シートとして前記物品幅方向に相当するシート長手方向に延びるものを用意することと、前記伸縮性繊維シートにおいて前記シート長手方向と直交するシート幅方向に間隔を置いて並ぶように設定された複数のシート積層領域にのみ前記シート長手方向に延びる複数の繊維補足シートが積層されたシート積層体を形成することと、を含むことが好ましい。

　上記着用物品の製造方法によれば、シート長手方向に延びる伸縮性繊維シートの複数のシート積層領域にシート長手方向に延びる複数の繊維補足シートを積層することによりシート長手方向に延びるシート積層体を形成することができる。これにより複数の着用物品を効率よく量産することができる。

　例えば、サイドシール部分の形成される領域におけるサイドシール延び方向の端部を含むようにシート積層領域を設定した場合、両サイドシール部分のサイドシール延び方向の両端部において、伸縮性繊維シートに複数の繊維補足シートを効率よく積層することができる。具体的に、左サイドシール部分の両端部の一方から右サイドシール部分の両端部の一方までシート長手方向に延びるシート積層領域と、左サイドシール部分の両端部の他方から右サイドシール部分の両端部の他方までシート長手方向に延びるシート積層領域と、を設定した場合、伸縮性繊維シートのこれら２つのシート積層領域において２枚の繊維補足シートを積層することにより、両サイドシール部分の両端に繊維補足シートを効率よく配置することができる。

　上記着用物品の製造方法であって、前記準備工程では、前記伸縮性繊維シート及び前記複数の繊維補足シートをともに前記シート長手方向に搬送しつつ、前記伸縮性繊維シートに前記複数の繊維補足シートを積層することにより前記シート積層体を形成することが好ましい。

　上記着用物品の製造方法によれば、伸縮性繊維シート及び複数の繊維補足シートを同一の方向に搬送することにより、伸縮性繊維シートの搬送の流れに沿って伸縮性繊維シートに複数の繊維補足シートを効率よく積層することができる。

　上記着用物品の製造方法であって、前記準備工程において設定される前記複数のシート積層領域は、前記左サイドシール部分形成工程及び前記右サイドシール部分形成工程において前記前胴回り部及び前記後胴回り部それぞれにおいて互いに対向可能な少なくとも一対の対向可能領域を含み、前記左サイドシール部分形成工程では、前記一対の対向可能領域にそれぞれ配置された繊維補足シートどうしが前記伸縮性繊維シートと前記伸縮性繊維シートとの間において積層された状態で前記左サイドシール部分を形成し、前記右サイドシール部分形成工程では、前記一対の対向可能領域にそれぞれ配置された繊維補足シートどうしが前記伸縮性繊維シートと前記伸縮性繊維シートとの間において積層された状態で前記右サイドシール部分を形成することが好ましい。

　上記着用物品の製造方法によれば、接合前には繊維補足シートの厚みを薄くしつつも、接合時には繊維補足シートの厚みを確保することにより伸縮性繊維シートを補強することができる。

　具体的に、接合前において左前側端部と左後側端部とにおける一対の対向可能領域それぞれに分散して繊維補足シートを伸縮性繊維シートに積層する。また、接合前において右前側端部と右後側端部とにおける一対の対向可能領域それぞれに分散して繊維補足シートを配置する。このような分散配置により接合前の繊維補足シートの厚みを薄くしつつも、左前側端部と左後側端部とを対向させて接合した左サイドシール部分及び右前側端部と右後側端部とを対向させて接合した右サイドシール部分において、伸縮性繊維シートと伸縮性繊維シートとの間に繊維補足シートを積層させることができる。これにより、接合に関与可能な繊維量を多く確保できるため、左サイドシール部分及び右サイドシール部分の接合強度を確保することができる。

　上記着用物品の製造方法であって、前記準備工程では、前記伸縮性繊維シートと前記繊維補足シートとの間に弾性部材を挟み込みながら前記繊維補足シートと前記伸縮性繊維シートとを積層することが好ましい。

　上記着用物品の製造方法によれば、伸縮性繊維シートと繊維補足シートとを積層する際に弾性部材を配置することができるため、弾性部材を配置するために繊維補足シートとは別のシートを準備し、これを伸縮性繊維シートに積層する場合と比較して弾性部材を効率よく配置することができる。

　上記着用物品の製造方法であって、前記準備工程では、前記前胴回り部及び前記後胴回り部の少なくとも一方の前記物品幅方向の全長に亘って前記繊維補足シートを前記伸縮性繊維シートに積層することが好ましい。

　上記着用物品の製造方法により製造された着用物品によれば、物品幅方向の全長に亘る繊維補足シートと伸縮性繊維シートとの間を利用して弾性部材を配置することができる。そのため、物品幅方向に間欠的に弾性部材を配置する場合と比較して、物品幅方向の全長に亘り効率的に弾性部材を配置することができる。

　上記着用物品の製造方法であって、前記準備工程では、前記繊維補足シートの前記物品幅方向に延びかつ前記物品幅方向に伸縮可能に前記弾性部材を前記伸縮性繊維シートと前記繊維補足シートとの間に挟み込むことが好ましい。

　上記着用物品の製造方法により製造された着用物品によれば、着用物品の物品幅方向に弾性を付与することができる。

　上記着用物品の製造方法であって、前記伸縮性繊維シート及び前記繊維補足シートは熱可塑性の不織布であり、前記左サイドシール部分形成工程及び前記右サイドシール部分形成工程において、前記左サイドシール部分の形成対象となる部分及び前記右サイドシール部分の形成対象となる部分を加熱することにより前記伸縮性繊維シート及び前記繊維補足シートを熱溶着することにより前記左サイドシール部分及び前記右サイドシール部分を形成することが好ましい。

　上記着用物品の製造方法によれば、繊維補足シートにより繊維量を増加した状態で両サイドシール部分を形成することができる。よって、両サイドシール部分の接合強度を確保することができる。なお、「熱溶着」は、熱を直接シートに与える場合に限らず、超音波振動をシートに与えることにより当該シートを加熱する場合も含む。

　上記着用物品によれば、伸縮性繊維シートの繊維密度が小さいにもかかわらず左サイドシール部分及び右サイドシール部分の接合強度を確保できるとともに、伸縮性繊維シートの通気性を確保することができる。

　具体的に、左サイドシール部分において、伸縮性繊維シートと伸縮性繊維シートとの間に繊維補足シートが介在した積層状態で接合されているため、伸縮性繊維シートの繊維密度が小さいにもかかわらず繊維補足シートにより繊維密度を補い、これにより十分な接合強度を確保することができる。つまり、伸縮性繊維シート及び繊維補足シートが積層状態で一体に接合された部分の単位面積当たりの繊維量が伸縮性繊維シートのみの単位面積当たりの繊維量よりも大きくなることにより、当該部分における接合に関与する繊維量が多くなるため、十分な接合強度を確保することができる。右サイドシール部分においても同様に、伸縮性繊維シートの間に繊維補足シートが介在していることにより繊維密度を補い、これにより十分な接合強度を確保することができる。

　上記着用物品において、前記左サイドシール部分における左シール延び方向の少なくとも両端部において前記積層状態で前記左前側端部と前記左後側端部とが重ね合わされて接合されており、前記右サイドシール部分における右シール延び方向の少なくとも両端部において前記積層状態で前記右前側端部と前記右後側端部とが重ね合わされて接合されており、前記左シール延び方向は前記物品幅方向に対して直交する方向であって前記左サイドシール部分が延びる方向であり、前記右シール延び方向は前記物品幅方向に対して直交する方向であって前記右サイドシール部分が延びる方向であることが好ましい。

　上記着用物品によれば、左サイドシール部分及び右サイドシール部分が延びる方向の両端部において接合強度を確保することができるため、当該延びる方向の両端部からサイドシール部分が意図せずに引き裂かれるのを抑制することができる。

　上記着用物品において、前記伸縮性繊維シートと前記繊維補足シートとの間に配置されている弾性部材をさらに備えることが好ましい。

　上記着用物品によれば、伸縮性繊維シートに繊維補足シートが積層された部分に設けられた弾性部材を有することにより、当該部分の伸縮性を向上することができる。

　上記着用物品において、前記繊維補足シートは前記前胴回り部及び前記後胴回り部の少なくとも一方の前記物品幅方向の全長に亘って配置されていることが好ましい。

　上記着用物品によれば、弾性部材が前記前胴回り部及び前記後胴回り部の少なくとも一方の物品幅方向の全長に亘って配置されることにより、物品幅方向に間欠的に弾性部材を配置する場合と比較して、着用物品の物品幅方向の全長に亘り伸縮性を向上することができる。

　上記着用物品において、前記弾性部材は、前記繊維補足シートの前記物品幅方向に延びかつ前記物品幅方向に伸縮可能であることが好ましい。

　上記着用物品によれば、前記弾性部材により着用物品の物品幅方向の伸縮性を向上することができる。

　上記着用物品において、前記伸縮性繊維シート及び前記繊維補足シートは熱可塑性の不織布であり、前記左前側端部と前記左後側端部とが熱溶着されており、かつ、前記右前側端部と前記右後側端部とが熱溶着されていることが好ましい。

　上記着用物品によれば、繊維補足シートにより繊維量を増加した状態で両サイドシール部分が形成されているため、両サイドシール部分の接合強度を確保することができる。なお、「熱溶着」は、熱を直接シートに与える場合に限らず、超音波振動をシートに与えることにより当該シートを加熱する場合も含む。

　上記着用物品において、前記繊維補足シートの繊維密度は前記伸縮性繊維シートの繊維密度よりも大きいことが好ましい。

　上記着用物品によれば、伸縮性繊維シート及び繊維補足シートが積層状態で一体に接合された部分の単位面積当たりの繊維量が伸縮性繊維シートのみの単位面積当たりの繊維量よりも確実に大きくなることにより、当該部分における十分な接合強度を確保することができる。

Claims

　着用者の前腹部、股下部及び後背部を覆う着用物品であって、前記着用者の胴回りに沿った物品幅方向の左前側端部及び右前側端部を含み前記着用者の前腹部を覆う前胴回り部と、前記左前側端部及び前記右前側端部それぞれの内側面に積層された状態で当該内側面に接合されることにより左サイドシール部分及び右サイドシール部分をそれぞれ構成する前記物品幅方向の左後側端部及び右後側端部を含み前記着用者の後背部を覆うとともに前記着用者の股下部に位置する部分において前記前胴回り部と連結される後胴回り部と、を備えた前記着用物品を製造するための方法であって、
　弾性を有する繊維により形成された弾性繊維と、前記弾性繊維の弾性よりも小さな弾性を有しかつ伸長可能な伸張性繊維とを含み、延伸加工の施された不織布から構成される伸縮性繊維シートを準備する準備工程と、
　前記左サイドシール部分の形成対象となる部分の少なくとも一部において前記伸縮性繊維シートに不織布から構成される繊維補足シートを積層した積層状態で各着用物品における前記左前側端部と前記左後側端部とを重ね合わせて接合することにより前記左サイドシール部分を形成する左サイドシール部分形成工程と、
　前記右サイドシール部分の形成対象となる部分の少なくとも一部において前記積層状態で各着用物品における前記右前側端部と前記右後側端部とを重ね合わせて接合することにより前記右サイドシール部分を形成する右サイドシール部分形成工程と、
　前記伸縮性繊維シートから前記前胴回り部及び前記後胴回り部を切り出す切り出し工程と、を備え、
　前記左サイドシール部分形成工程及び前記右サイドシール部分形成工程の後において前記伸縮性繊維シートの少なくとも一部において前記伸縮性繊維シートに前記繊維補足シートが積層されずに前記伸縮性繊維シートを通じての通気が許容されている、着用物品の製造方法。
　請求項１に記載の着用物品の製造方法であって、
　前記左サイドシール部分形成工程は、前記左サイドシール部分の形成対象となる部分における左シール延び方向の少なくとも両端部において前記積層状態で前記左前側端部と前記左後側端部とを重ね合わせて接合することを含み、前記左シール延び方向は前記物品幅方向に対して直交する方向であって前記左サイドシール部分が延びる方向であり、
　前記右サイドシール部分形成工程は、前記右サイドシール部分の形成対象となる部分における右シール延び方向の少なくとも両端部において前記積層状態で前記右前側端部と前記右後側端部とを重ね合わせて接合することを含み、前記右シール延び方向は前記物品幅方向に対して直交する方向であって前記右サイドシール部分が延びる方向である、着用物品の製造方法。
　請求項１又は２に記載の着用物品の製造方法であって、
　前記準備工程は、前記伸縮性繊維シートとして前記物品幅方向に相当するシート長手方向に延びるものを用意することと、前記伸縮性繊維シートにおいて前記シート長手方向と直交するシート幅方向に間隔を置いて並ぶように設定された複数のシート積層領域にのみ前記シート長手方向に延びる複数の繊維補足シートが積層されたシート積層体を形成することと、を含む、着用物品の製造方法。
　請求項３に記載の着用物品の製造方法であって、
　前記準備工程では、前記伸縮性繊維シート及び前記複数の繊維補足シートをともに前記シート長手方向に搬送しつつ、前記伸縮性繊維シートに前記複数の繊維補足シートを積層することにより前記シート積層体を形成する、着用物品の製造方法。
　請求項３又は４に記載の着用物品の製造方法であって、
　前記準備工程において設定される前記複数のシート積層領域は、前記左サイドシール部分形成工程及び前記右サイドシール部分形成工程において前記前胴回り部及び前記後胴回り部それぞれにおいて互いに対向可能な少なくとも一対の対向可能領域を含み、
　前記左サイドシール部分形成工程では、前記一対の対向可能領域にそれぞれ配置された繊維補足シートどうしが前記伸縮性繊維シートと前記伸縮性繊維シートとの間において積層された状態で前記左サイドシール部分を形成し、
　前記右サイドシール部分形成工程では、前記一対の対向可能領域にそれぞれ配置された繊維補足シートどうしが前記伸縮性繊維シートと前記伸縮性繊維シートとの間において積層された状態で前記右サイドシール部分を形成する、着用物品の製造方法。
　請求項１～５のいずれか１項に記載の着用物品の製造方法であって、
　前記準備工程では、前記伸縮性繊維シートと前記繊維補足シートとの間に弾性部材を挟み込みながら前記繊維補足シートと前記伸縮性繊維シートとを積層する、着用物品の製造方法。
　請求項６に記載の着用物品の製造方法であって、
　前記準備工程では、前記前胴回り部及び前記後胴回り部の少なくとも一方の前記物品幅方向の全長に亘って前記繊維補足シートを前記伸縮性繊維シートに積層する、着用物品の製造方法。
　請求項７に記載の着用物品の製造方法であって、
　前記準備工程では、前記繊維補足シートの前記物品幅方向に延びかつ前記物品幅方向に伸縮可能に前記弾性部材を前記伸縮性繊維シートと前記繊維補足シートとの間に挟み込む、着用物品の製造方法。
　請求項１～８のいずれか１項に記載の着用物品の製造方法であって、
　前記伸縮性繊維シート及び前記繊維補足シートは熱可塑性の不織布であり、
　前記左サイドシール部分形成工程及び前記右サイドシール部分形成工程において、前記左サイドシール部分の形成対象となる部分及び前記右サイドシール部分の形成対象となる部分を加熱することにより前記伸縮性繊維シート及び前記繊維補足シートを熱溶着することにより前記左サイドシール部分及び前記右サイドシール部分を形成する、着用物品の製造方法。
　着用者の前腹部、股下部及び後背部を覆う着用物品であって、
　前記着用者の胴回りに沿った物品幅方向の左前側端部及び右前側端部を含み前記着用者の前腹部を覆う前胴回り部と、
　前記左前側端部及び前記右前側端部それぞれの内側面に積層された状態で当該内側面に接合されることにより左サイドシール部分及び右サイドシール部分をそれぞれ構成する前記物品幅方向の左後側端部及び右後側端部を含み前記着用者の後背部を覆うとともに前記着用者の股下部に位置する部分において前記前胴回り部と連結される後胴回り部と、を備え、
　前記前胴回り部及び前記後胴回り部は、弾性を有する繊維により形成された弾性繊維と、前記弾性繊維の弾性よりも小さな弾性を有しかつ伸長可能な伸張性繊維とを含み、延伸加工の施された不織布から構成される伸縮性繊維シートを含み、
　前記左サイドシール部分では、前記左サイドシール部分の少なくとも一部において、前記伸縮性繊維シートに、不織布から構成される繊維補足シートを積層した積層状態で各着用物品における前記左前側端部と前記左後側端部とが重ね合わされて接合されており、
　前記右サイドシール部分では、前記右サイドシール部分の少なくとも一部において前記積層状態で各着用物品における前記右前側端部と前記右後側端部とが重ね合わされて接合されており、
　前記伸縮性繊維シートの少なくとも一部において前記伸縮性繊維シートに前記繊維補足シートが積層されずに前記伸縮性繊維シートを通じての通気が許容されている、着用物品。
　請求項１０に記載の着用物品であって、
　前記左サイドシール部分における左シール延び方向の少なくとも両端部において前記積層状態で前記左前側端部と前記左後側端部とが重ね合わされて接合されており、
　前記右サイドシール部分における右シール延び方向の少なくとも両端部において前記積層状態で前記右前側端部と前記右後側端部とが重ね合わされて接合されており、
　前記左シール延び方向は前記物品幅方向に対して直交する方向であって前記左サイドシール部分が延びる方向であり、前記右シール延び方向は前記物品幅方向に対して直交する方向であって前記右サイドシール部分が延びる方向である、着用物品。
　請求項１０又は１１に記載の着用物品であって、
　前記伸縮性繊維シートと前記繊維補足シートとの間に配置されている弾性部材をさらに備える、着用物品。
　請求項１２に記載の着用物品であって、
　前記繊維補足シートは前記前胴回り部及び前記後胴回り部の少なくとも一方の前記物品幅方向の全長に亘って配置されている、着用物品。
　請求項１３に記載の着用物品であって、
　前記弾性部材は、前記繊維補足シートの前記物品幅方向に延びかつ前記物品幅方向に伸縮可能である、着用物品。
　請求項１０～１４のいずれか１項に記載の着用物品であって、
　前記伸縮性繊維シート及び前記繊維補足シートは熱可塑性の不織布であり、
　前記左前側端部と前記左後側端部とが熱溶着されており、かつ、前記右前側端部と前記右後側端部とが熱溶着されている、着用物品。
　請求項１０～１５のいずれか１項に記載の着用物品であって、
　前記繊維補足シートの繊維密度は前記伸縮性繊維シートの繊維密度よりも大きい、着用物品。