WO2022244114A1

WO2022244114A1 - エアロゾル発生体および香味吸引器

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Publication number: WO2022244114A1
Application number: PCT/JP2021/018848
Authority: WO
Inventors: 敦也白井; 学竹内; 康介太田
Original assignee: 日本たばこ産業株式会社
Priority date: 2021-05-18
Filing date: 2021-05-18
Publication date: 2022-11-24
Also published as: CN117279530A; KR20230157438A; EP4342315A1; US20240041106A1; JPWO2022244114A1

Abstract

本発明のエアロゾル発生体（３）は、液状の第１エアロゾル源と、前記第１エアロゾル源を吸収した第１吸収体とを含み、前記第１吸収体は、たばこ材料を含んだエアロゾル源貯蔵部（３１）と、液状の第２エアロゾル源と、前記第２エアロゾル源を吸収した第２吸収体とを含み、前記第２吸収体は、たばこ材料を含み、前記第１吸収体と接触したエアロゾル発生部（３２）とを備え、前記第２吸収体が前記第１エアロゾル源を吸い上げる速度は、前記第１吸収体が前記第１エアロゾル源を吸い上げる速度と比較してより高い。

Description

エアロゾル発生体および香味吸引器

　本発明は、エアロゾル発生体および香味吸引器に関する。

　たばこ材料とエアロゾル源とを含むたばこ香味源を燃焼させることなく加熱することによりたばこ香味をユーザに提供する非燃焼加熱型の香味吸引器が知られている。例えば、特許文献１は、非燃焼加熱型の香味吸引器を開示し、たばこ香味源が複数のセクションからなり、ヒータが特定のセクションを選択的および個別に加熱することを開示する。これにより、特許文献１の香味吸引器は、複数回吸引した後に、まだ加熱されていない新たなセクションを加熱することができる。

国際公開第２０１３／０３４４５４号

　本発明は、十分な量のエアロゾルを継続して放出することができるエアロゾル発生体と、かかるエアロゾル発生体を含む香味吸引器とを提供することを目的とする。

　本発明の一側面によると、
　液状の第１エアロゾル源と、前記第１エアロゾル源を吸収した第１吸収体とを含み、前記第１吸収体は、たばこ材料を含んだエアロゾル源貯蔵部と、
　液状の第２エアロゾル源と、前記第２エアロゾル源を吸収した第２吸収体とを含み、前記第２吸収体は、たばこ材料を含み、前記第１吸収体と接触したエアロゾル発生部と
を備え、
　前記第２吸収体が前記第１エアロゾル源を吸い上げる速度は、前記第１吸収体が前記第１エアロゾル源を吸い上げる速度と比較してより高い、エアロゾル発生体が提供される。

　本発明の他の側面によると、前記第１吸収体および前記第２吸収体の少なくとも一方は、シートたばこ、たばこ顆粒、および、多糖類とたばこ粉末とを含有した混合物の多孔質体の１以上を含んだ、上記側面に係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第１吸収体と前記第２吸収体とは一体に成形されている、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第１吸収体と前記第２吸収体との間の界面は凹部または凸部を含んだ、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記エアロゾル発生部を加熱するヒータを更に備えた、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第１吸収体は一方向に伸びた形状を有し、前記第１吸収体と前記第２吸収体とは前記第１吸収体の長さ方向に配列した、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第１吸収体と前記第２吸収体との間の界面は、前記第２吸収体へ向けて中央部が突き出た、上記側面に係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記エアロゾル源貯蔵部と前記エアロゾル発生部とを収容した筒状体を更に備え、前記エアロゾル源貯蔵部と前記エアロゾル発生部とは、前記筒状体の長さ方向に配列した、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記筒状体は、前記エアロゾル発生部により近い開口の径が、前記エアロゾル源貯蔵部の位置における内径と比較してより小さい、上記側面に係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第２吸収体を間に挟んで前記第１吸収体と向き合った加熱面を有するヒータを更に備えた、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記ヒータは、前記加熱面に設けられた１以上の溝、前記１以上の溝と連通した１以上の貫通孔、またはそれらの双方を有している、上記側面に係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第２吸収体は前記加熱面へ向けて先細りしており、前記加熱面は、前記第１吸収体と比較して、前記第１吸収体の前記長さ方向に垂直な方向における寸法がより小さい、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第２吸収体を間に挟んで前記第１吸収体と向き合った線状の加熱部を有するヒータを更に備えた、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第２吸収体は、前記加熱部側の面が、前記第１吸収体の前記長さ方向および前記加熱部の長さ方向に平行な断面では平らであり、前記第１吸収体の前記長さ方向に平行であり且つ前記加熱部の前記長さ方向に垂直な断面では中央部が突き出ている、上記側面に係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記エアロゾル源貯蔵部を収容した筒状体を更に備え、前記筒状体は、前記エアロゾル発生部により近い開口の径が、前記開口から離れた位置における内径と比較してより小さく、前記エアロゾル発生部は、前記開口の位置で前記筒状体の外側へ突き出ている、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記エアロゾル発生部の周りに巻かれたコイル状のヒータを更に備えた、上記側面に係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第１吸収体は柱状であり、前記第２吸収体は、前記第１吸収体を取り囲んだ、上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記第２吸収体を間に挟んで前記第１吸収体を取り囲んだ線状のヒータを更に備えた、上記側面に係るエアロゾル発生体が提供される。

　或いは、本発明の更に他の側面によると、前記第２吸収体を間に挟んで前記第１吸収体を取り囲んだ筒状のヒータを更に備えた、上記側面に係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記ヒータの内面は、前記ヒータの一方の開口から前記ヒータの他方の開口まで各々が伸びた１以上の溝を有している、上記側面に係るエアロゾル発生体が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、
　上記側面の何れかに係るエアロゾル発生体と、
　前記ヒータへ電力を供給する電源と、
　一端に吸い口を有し、前記エアロゾル発生体および前記電源を収容したケースと
を備えた香味吸引器が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記エアロゾル発生体は、前記電源と前記吸い口との間に位置した、上記側面に係る香味吸引器が提供される。

　本発明の更に他の側面によると、前記ケースは、前記電源と前記エアロゾル発生体との間の位置に給気口を有し、前記エアロゾル発生体と前記ケースとは、それらの間に、前記給気口から前記吸い口まで至る流路を形成している、上記側面に係る香味吸引器が提供される。

　本発明によれば、十分な量のエアロゾルを継続して放出することができるエアロゾル発生体と、かかるエアロゾル発生体を含む香味吸引器とを提供することができる。

本発明の第１実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図。図１の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。図２に示すエアロゾル発生体が含んでいるヒータの上面図。第１変形例に係るエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。本発明の第２実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図。図５の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。本発明の第３実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図。図７の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。図８に示すエアロゾル発生体の他の断面図。本発明の第４実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図。図１０の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。第２変形例に係るエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。第３変形例に係るエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。本発明の第５実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図。図１４の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。図１５に示すエアロゾル発生体の上面図。本発明の第６実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図。図１７の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。図１８に示すエアロゾル発生体の上面図。第４変形例に係るエアロゾル発生体を概略的に示す断面図。図２０に示すエアロゾル発生体の上面図。本発明の第７実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図。図２２に示す香味吸引器の他の断面図。他の変形例に係る香味吸引器を概略的に示す断面図。更に他の変形例に係る香味吸引器を概略的に示す断面図。

　以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同様または類似した機能を有する要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。

　＜１＞第１実施形態
　＜１－１＞構造
　図１は、本発明の第１実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図である。図２は、図１の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。図３は、図２に示すエアロゾル発生体が含んでいるヒータの上面図である。

　図１に示す香味吸引器１は、燃焼を伴わずに香味を吸引するための器具である。香味吸引器１は、一方向に伸びた形状を有している。

　図１～図３において、Ｚ方向は香味吸引器１の長さ方向であり、Ｘ方向はＺ方向に対して垂直な方向であり、Ｙ方向はＸ方向およびＺ方向に対して垂直な方向である。なお、断り書きがない限り、Ｘ方向、Ｙ方向およびＺ方向は、他の図においても上記と同様である。

　香味吸引器１は、ケース２と、エアロゾル発生体３と、電源部４と、図示しない操作部と、図示しない報知部とを含んでいる。

　＜ケース＞
　ケース２は、第１ケース部２１と第２ケース部２２とを含んでいる。　
　第１ケース部２１は、有底筒状である。第１ケース部２１には、１以上の給気口Ｈ１が設けられている。ここでは、第１ケース部２１の側壁であって、その開口の近傍に、複数の給気口Ｈ１が設けられている。

　第２ケース部２２は、有底筒状である。第２ケース部２２は、第１ケース部２１と開口側の径がほぼ等しい。第２ケース部２２は、その開口側から底側へ向けて先細りしている。ここでは、第２ケース部２２の底近傍の部分は、第２ケース部２２の他の部分と比較して径がより小さい。

　第２ケース部２２の底近傍の部分は、吸い口２２Ｍを形成している。吸い口２２Ｍには、１以上のエアロゾル排出口Ｈ２が設けられている。ここでは、第２ケース部２２の底に、１つのエアロゾル排出口Ｈ２が設けられている。吸い口２２Ｍは、第２ケース部２２の他の部分と一体に設けられていてもよく、第２ケース部２２の他の部分に対して着脱可能であってもよい。

　第２ケース部２２は、第１ケース部２１を含んだ電源ユニットに対して着脱可能である。電源ユニットについては、後で説明する。

　第１ケース部２１と第２ケース部２２とは、それらの開口部同士が突き合わされている。これにより、第１ケース部２１と第２ケース部２２は、ケース２内に、給気口Ｈ１およびエアロゾル排出口Ｈ２を介して外部空間と連通した内部空間を形成している。

　＜操作部＞
　操作部は、第１ケース部２１に設置されている。操作部は、第２ケース部２２に設置してもよい。

　操作部は、ユーザの操作により、後述する制御部へ、例えば、起動または停止に関する指令を発出する。操作部は、例えば、ボタン式のスイッチまたはタッチパネルを含む。

　＜報知部＞
　報知部は、第１ケース部２１に設置されている。報知部は、第２ケース部２２に設置してもよい。

　報知部は、香味吸引器１の状態をユーザへ報知する。例えば、後述する二次電池の電圧が低下して充電が必要となった場合、二次電池が満充電となった場合、およびパフ動作回数または後述する放電端子への電力供給累積時間が規定値に達した場合に、そのことをユーザへ報知する。

　報知部は、例えば、発光ダイオードなどの発光素子を含む。報知部は、振動素子または音出力素子を含んでいてもよい。或いは、報知部は、液晶表示装置および有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの表示装置を含んでいてもよい。或いは、報知部は、発光素子、振動素子、音出力素子および表示装置の２以上を含んでいてもよい。

　＜電源部＞
　電源部４は、第１ケース部２１内に設置されている。電源部４と操作部と第１ケース部２１とは、電源ユニットを構成している。

　電源部４は、電源と、放電端子と、充電器と、各種センサと、制御部とを含んでいる。

　電源は、リチウムイオン二次電池などの二次電池を含んでいる。電源は、二次電池から放電端子等へ電力を供給する電源回路を更に含んでいる。放電端子は、二次電池と第１ケース部２１の開口との間に設置されている。充電器は、外部電源から供給される電力で二次電池を充電する。

　センサは、例えば、ユーザのパフ（吸気）動作を検出する吸気センサ、二次電池の電圧を測定する電圧センサ、および、温度を検出する温度センサである。吸気センサは、例えば、コンデンサマイクロフォンまたは圧力センサである。

　制御部は、処理部と記憶部とを含んでいる。処理部は、集積回路（ＩＣ）を含んでいる。記憶部は、メモリ、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの双方を含んでいる。制御部には、操作部、報知部、電源回路および各種センサが接続されている。

　制御部は、操作部から起動の指令を受けた場合、起動状態にあることを報知部がユーザへ報知するように、報知部の動作を制御する。

　また、制御部は、操作部から起動の指令を受けた場合、吸気センサや温度センサからの出力に応じて、電源回路の動作を制御する。例えば、制御部は、吸気センサがユーザのパフ動作の開始を検知した場合に電源が放電端子への電力の供給を開始し、吸気センサがユーザのパフ動作の中断または終了を検知した場合に電源が放電端子への電力の供給を停止するように、電源回路の動作を制御する。また、例えば、制御部は、温度センサが検知した温度に応じて、パフ動作時に電源が放電端子へ供給する電力の大きさを制御する。

　更に、制御部は、吸気センサの出力を利用してユーザのパフ動作回数を数えるか、または、電源回路が放電端子へ電力を供給した累積時間を求める。そして、制御部は、パフ動作回数または電力供給累積時間が規定値に達した場合、そのことを報知部がユーザへ報知するように、報知部の動作を制御する。

　また、制御部は、起動状態において、電圧センサが検知した電圧が第１電圧を下回っていた場合、二次電池の充電が必要であると判断する。制御部は、二次電池の充電が必要であると判断した場合、そのことを報知部がユーザへ報知するように、報知部の動作を制御する。

　そして、制御部は、充電時には、充電中であることを報知部がユーザへ報知するように、報知部の動作を制御する。制御部は、例えば、電圧センサが検知した電圧が第２電圧を上回った場合に、二次電池が満充電になったと判断する。制御部は、二次電池が満充電になったと判断した場合、そのことを報知部がユーザへ報知するように、報知部の動作を制御する。

　＜エアロゾル発生体＞
　エアロゾル発生体３は、第２ケース部２２内に設置されている。エアロゾル発生体３は、例えば、第２ケース部２２に対して着脱可能である。この場合、エアロゾル発生体３は、交換可能なカートリッジであり、ケース２内には、エアロゾル発生体３を着脱可能に支持する支持部材が設置される。エアロゾル発生体３と第２ケース部２２との組み合わせが、交換可能なカートリッジを構成していてもよい。

　エアロゾル発生体３は、電源と吸い口２２Ｍとの間に位置している。エアロゾル発生体３とケース２とは、それらの間に、給気口Ｈ１から吸い口２２Ｍまで至る流路を形成している。なお、図１において、破線Ｆは、上記流路における空気またはエアロゾルの流れを表している。

　エアロゾル発生体３は、図１および図２に示すように、エアロゾル源貯蔵部３１と、エアロゾル発生部３２と、筒状体３３と、ヒータ３４とを含んでいる。エアロゾル発生部３２は、ヒータ３４により加熱され、エアロゾル発生部３２に含まれる液状のエアロゾル源を霧化してエアロゾルを発生する役割を果たす。一方、エアロゾル源貯蔵部３１は、エアロゾル源貯蔵部３１に含まれる液状のエアロゾル源をエアロゾル発生部３２へ供給する役割を果たす。エアロゾル源貯蔵部３１は、ヒータ３４により加熱されないことが好ましい。すなわち、エアロゾル源貯蔵部３１に含まれる液状のエアロゾル源は、加熱により霧化されないことが好ましい。

　エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２へのエアロゾル源の供給は、例えば、中綿式ペンのインクの供給（すなわち、インクを含んだ中綿から、中綿と接触するペン先へのインクの供給）と同じ原理、すなわち毛細管現象に基づいて起こり得る。

　（エアロゾル源貯蔵部）
　エアロゾル源貯蔵部３１は、液状の第１エアロゾル源と、第１エアロゾル源を吸収した第１吸収体とを含んでいる。ここで、「液状」は、香味吸引器１の使用温度域において液体であることを意味している。香味吸引器１の使用温度域は、例えば、－５～４０℃である。

　第１エアロゾル源は、第１吸収体に吸収され、保持されている。第１エアロゾル源は、非燃焼加熱型香味吸引器で一般に使用されているエアロゾル源を使用することができる。第１エアロゾル源としては、例えば多価アルコールを使用することができる。多価アルコールの例として、グリセリン、プロピレングリコール、１，３－プロパンジオ－ル、１，３－ブタンジオール、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。

　第１吸収体は、一例によれば成形体である。第１吸収体は、一方向に伸びた形状を有している。ここでは、第１吸収体は、高さ方向がＺ方向と等しい柱状である。具体的には、第１吸収体は、高さ方向がＺ方向と等しく、一方の底面が円錐状に突き出た略円柱形状を有している。

　第１吸収体は、たばこ材料を含んでいる。たばこ材料は、好ましくは、葉たばこを含む原料を特定の形状に成形することにより得られた成形品（以下、たばこ成形体ともいう）である。「葉たばこ」は、収穫されたたばこ葉を農家で乾燥させ、その後、原料工場で１年ないし数年熟成させ、その後、製造工場でブレンドおよび裁刻など種々の加工処理を経て、加熱型香味吸引器などの香味吸引器に配合される準備が整った乾燥済みのたばこ葉を指す。

　上述のとおり、第１吸収体は、好ましくは、たばこ成形体を含んでいる。第１吸収体は、より好ましくは、シートたばこ、たばこ顆粒、および、多糖類とたばこ粉末とを含有した混合物の多孔質体の１以上を含んでいる。

　「シートたばこ」は、葉たばこを含む原料をシート形状に成形することにより得られた成形品を指す。シートたばこは、抄造法、キャスト法、圧延法等の公知の方法で成形することができる。抄造法で成形された場合、たばこ成形体は「抄造シートたばこ」と呼ばれ、キャスト法で成形された場合、たばこ成形体は「スラリーシートたばこ」と呼ばれ、圧延法で成形された場合、たばこ成形体は「圧延シートたばこ」と呼ばれる。

　第１吸収体が、シートたばこを含む場合、第１吸収体はシートたばこの積層体であってもよい。あるいは、第１吸収体は、渦巻き状に巻かれたシートたばこであってもよいし、蛇腹状に折り畳まれたシートたばこであってもよい。あるいは、第１吸収体は、シートたばこを繊維状に裁断し、得られた繊維状の成形体を束ねることにより得られたもの（即ち、繊維状の成形体の束）であってもよい。

　「たばこ顆粒」は、葉たばこを含む原料を顆粒形状に成形することにより得られた成形品を指す。たばこ顆粒は、押出造粒、流動層造粒、噴霧乾燥等の公知の方法で成形することができる。

　「多糖類とたばこ粉末とを含有した混合物の多孔質体」は、多糖類で主に構成される多孔質体にたばこ粉末が組み込まれたものを指す。したがって、かかる多孔質体は、「たばこ粉末を含有した多糖類ベースの多孔質体」ということもできる。かかる多孔質体は、多糖類で主に構成される多孔質体を作製するための公知技術を利用して作製することができる（例えば、ＷＯ２０１１／１１７７５２を参照）。

　好ましくは、たばこ粉末を含有した多糖類ベースの多孔質体は、たばこ粉末を含む多糖類水溶液に不活性ガスを供給して、不活性ガスが供給された液体を調製し、不活性ガスが供給された液体を減圧して、発泡体を形成し、発泡体を減圧乾燥により乾燥させることにより作製することができる。多糖類として、例えば、寒天、ゲランガム、ペクチンなどを使用することができる。不活性ガスとして、例えば、ＣＯ₂ガスを使用することができる。

　一例によれば、かかる多孔質体は、以下のとおり作製することができる。
(１)まず、たばこ粉末を準備した。具体的には、シガレット（メビウス・スーパーライト（日本たばこ産業株式会社））のたばこ刻部分を取り出して、ミルで破砕し、篩目５００μｍ以下のものを選別した。
(２)粉寒天（和光純薬、試薬特級）４．４ｇを３７５ｍＬの水の中で溶解させ、９０℃になるまで温めた。
(３)たばこ粉末１３．１ｇを寒天水溶液（９０℃）に加えて分散させた。たばこ粉末を含む寒天水溶液は、４５℃の温度および大気圧の条件下に置いた場合、０．０２［Ｐａ・ｓ］の粘度を有する。
(４)たばこ粉末を含む寒天水溶液（９０℃）を６０℃まで冷却した。
(５)たばこ粉末を含む寒天水溶液（６０℃）を密閉容器に入れ、寒天水溶液にＣＯ₂ガスを供給した。ＣＯ₂ガスの供給は、エスプーマスパークリング（日本炭酸瓦斯株式会社）を用いて、寒天水溶液にＣＯ₂ガスをバブリングすることにより行った。ＣＯ₂ガスの供給量は、１６ｇで、ＣＯ₂ガスの分圧は、１１２４ｋＰａであった。
(６)ＣＯ₂ガスが供給された液体を７分間振盪した。
(７)密閉容器を開放し、得られたムース状の発泡体をバッドに空けた。密閉容器の開放前と開放後の圧力差は、１１２４ｋＰａであった。また、密閉容器を開放した直後、ムース状の発泡体は、４５℃の温度を有していた。
(８)発泡体を３０分以上放置してゲル化させ、その後、ゲル状の発泡体を室温（２５℃）に戻るまで放置した。
(９)ゲル状の発泡体を冷凍庫にいれて凍結し、その後、含水量が約０になるまで（３日程度）乾燥させた。乾燥は、０．６１ｋＰａ以下の減圧下で行った。これにより、「たばこ粉末を含有した多糖類ベースの多孔質体」を作製した。

　たばこ材料（好ましくはたばこ成形体）は、葉たばこやたばこ粉末に加えて、追加の成分を含んでいてもよい。追加の成分は、特に限定されず、たばこ成形体を成形するためのベース材料（骨格材料）であってもよいし、第１吸収体が第１エアロゾル源を吸収する能力を高める材料であってもよいし、香料や保存料などの添加剤であってもよい。

　たばこ成形体を成形するためのベース材料（骨格材料）は、上述のとおり、寒天、ゲランガム、ペクチンなどの多糖類を使用することができる。第１吸収体が第１エアロゾル源を吸収する能力を高める材料は、例えば、綿、パルプ、ガラス繊維などの吸収性材料が挙げられる。添加剤は、既存の香味吸引器において使用されている添加剤を使用することができる。

　第１吸収体は、たばこ材料（好ましくはたばこ成形体）に加えて、追加の成分を含んでいてもよい。追加の成分は、特に限定されず、上述の吸収性材料であってもよいし、上述の添加剤であってもよい。

　第１吸収体と第１エアロゾル源との混合は、第１吸収体を調製した後に両者を混合することにより行ってもよいし、第１吸収体を調製している途中で第１エアロゾル源を組み込むことにより行ってもよい。

　第１吸収体が、シートたばこまたはたばこ顆粒である場合、これは、葉たばこを熱水で抽出し、たばこ抽出液とたばこ残渣に分け、たばこ残渣をシート状または顆粒状に成形し、得られた成形体にたばこ抽出液を添加することにより調製することができる。この場合、第１吸収体と第１エアロゾル源との混合は、成形体にたばこ抽出液を添加した後に、第１エアロゾル源を更に添加することにより行ってもよいし、成形体にたばこ抽出液を添加する代わりに、たばこ抽出液と第１エアロゾル源との混合液を成形体に添加することにより行ってもよい。後者の方が、たばこ香味成分が第１エアロゾル源に溶出し易いため、好ましい。

　第１吸収体が、たばこ粉末を含有した多糖類ベースの多孔質体である場合、第１吸収体と第１エアロゾル源との混合は、たばこ粉末を原料に組み込んで多糖類ベースの多孔質体を作製した後に、多糖類ベースの多孔質体に第１エアロゾル源を添加することにより行ってもよい。あるいは、この場合、第１吸収体と第１エアロゾル源との混合は、たばこ粉末を熱水で抽出し、たばこ抽出液とたばこ残渣に分け、たばこ残渣を原料に組み込んで多糖類ベースの多孔質体を作製し、多糖類ベースの多孔質体に、たばこ抽出液と第１エアロゾル源との混合液を添加することにより行ってもよい。後者の方が、たばこ香味成分が第１エアロゾル源に溶出し易いため、好ましい。

　第１エアロゾル源の質量Ｍ_ＡＳ１と第１吸収体の質量Ｍ_Ａｂ１との比Ｍ_ＡＳ１／Ｍ_Ａｂ１は、例えば２～２０、好ましくは５～１５である。

　（エアロゾル発生部）
　エアロゾル発生部３２は、エアロゾル源貯蔵部３１に対して、Ｚ方向に配列している。エアロゾル発生部３２は、エアロゾル源貯蔵部３１と接触している。

　エアロゾル発生部３２は、液状の第２エアロゾル源と、第２エアロゾル源を吸収した第２吸収体とを含んでいる。ここで、「液状」は、香味吸引器１の使用温度域において液体であることを意味している。香味吸引器１の使用温度域は、上述のとおりである。

　第２エアロゾル源は、第２吸収体に吸収され、保持されている。第２エアロゾル源は、非燃焼加熱型香味吸引器で一般に使用されているエアロゾル源を使用することができる。第２エアロゾル源としては、例えば多価アルコールを使用することができる。多価アルコールの例として、グリセリン、プロピレングリコール、１，３－プロパンジオ－ル、１，３－ブタンジオール、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。

　第２エアロゾル源は、第１エアロゾル源と同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、第２エアロゾル源は、一般的には、第１エアロゾル源と同じ種類のものを使用することができるが、第１エアロゾル源と異なる種類のものを使用してもよい。第２エアロゾル源として第１エアロゾル源と異なる種類のものを使用した場合も、第１エアロゾル源および第２エアロゾル源は、同じ種類のものを使用した場合と同様の挙動を示すことができる。すなわち、まず、第２吸収体に保持された第２エアロゾル源が加熱に供され、その後、第２エアロゾル源の減少に伴って第１エアロゾル源が第２吸収体に吸収されて加熱に供され、その後も、第１エアロゾル源の第２吸収体への移動とエアロゾルの放出が継続的に起こる。

　第１エアロゾル源の質量Ｍ_ＡＳ１と第２エアロゾル源の質量Ｍ_ＡＳ２との合計Ｍ_ＡＳ１＋Ｍ_ＡＳ２に占める第２エアロゾル源の質量Ｍ_ＡＳ２の割合Ｍ_ＡＳ２／（Ｍ_ＡＳ１＋Ｍ_ＡＳ２）は、例えば０．００５～０．１、好ましくは０．０１～０．０５である。

　第２吸収体は、第１吸収体と接触している。第２吸収体と第１吸収体とは、第１吸収体の長さ方向、ここではＺ方向に配列している。

　第２吸収体は、一例によれば成形品である。第２吸収体は、第１吸収体とは別に成形し、必要であれば第１吸収体と接着剤などで接着してもよいし、あるいは第１吸収体と一体に成形してもよい。好ましくは、第１吸収体と第２吸収体とは、一体に成形されている。第１吸収体と第２吸収体とが一体に成形されている場合、第２吸収体が第１吸収体と接触している面積が大きくなり、第１吸収体に保持されている第１エアロゾル源を第２吸収体が吸い上げ易くなる。

　第１吸収体と第２吸収体との間の界面は、凹部または凸部を含んでいる。ここでは、第１吸収体と第２吸収体との間の界面は、第２吸収体へ向けて中央部が突き出ている。具体的には、第１吸収体と第２吸収体との間の界面は、第２吸収体へ向けて円錐状に突き出ている。なお、第２吸収体の上記界面とは反対側の面は、Ｚ方向に対して略垂直な平面である。

　第２吸収体は、たばこ材料を含んでいる。このたばこ材料としては、第１吸収体のたばこ材料として説明したものを使用することができる。

　第２吸収体と第２エアロゾル源との混合は、第１吸収体と第１エアロゾル源との混合と同様に行うことができる。

　第２エアロゾル源の質量Ｍ_ＡＳ２と第２吸収体の質量Ｍ_Ａｂ２との比Ｍ_ＡＳ２／Ｍ_Ａｂ２は、例えば１～１０、好ましくは２．５～７．５である。

　（エアロゾル源の吸い上げ速度）
　第２吸収体が第１エアロゾル源を吸い上げる速度Ｖ２は、第１吸収体が第１エアロゾル源を吸い上げる速度Ｖ１と比較してより高い。ここで、速度Ｖ１およびＶ２は、以下の方法によって得られる値である。

　第１吸収体または第２吸収体を所定の大きさ（すなわち、直径０．８ｃｍ×高さ３．０ｃｍの円柱体）に整えてエアロゾル源を吸い上げる前の重量を測定する。その後、第１吸収体または第２吸収体を、エアロゾル源を溜めた容器の液面に対して第１吸収体または第２吸収体の高さ方向（すなわちＺ方向）が垂直になるようにセットする。このとき、第１吸収体または第２吸収体は、エアロゾル源と接触していない。次いで、第１吸収体または第２吸収体（具体的には、一方の端面）をエアロゾル源の液面に接触させて、吸い上げ動作を開始する。一定時間（すなわち、１２０秒間）経過したのちに第１吸収体または第２吸収体を液面から離し、エアロゾル源を吸い上げた後の重量を測定する。重量増加と経過時間から速度Ｖ１およびＶ２を得る。

　速度Ｖ１は、例えば０．５～２．５ｍｇ／秒、好ましくは０．７５～２ｍｇ／秒である。速度Ｖ２は、例えば１～５ｍｇ／秒、好ましくは１．５～４ｍｇ／秒である。速度Ｖ２と速度Ｖ１との差は、例えば０．５～２．５ｍｇ／秒、好ましくは０．７５～２ｍｇ／秒である。速度Ｖ２と速度Ｖ１との比Ｖ２／Ｖ１は、例えば１．５～３．５、好ましくは２～３である。

　第１エアロゾル源の吸い上げ速度に関して上述した関係（すなわち、第２吸収体が第１エアロゾル源を吸い上げる速度Ｖ２は、第１吸収体が第１エアロゾル源を吸い上げる速度Ｖ１と比較してより高いという関係）は、例えば、以下の構成を変化させることにより実現することができる。

　第１吸収体および第２吸収体が抄造シートたばこである場合、叩解処理の程度（叩解度）を変化させることにより、第１エアロゾル源の吸い上げ速度を変化させることができる。抄造シートたばこは、葉たばこを熱水で抽出し、たばこ抽出液とたばこ残渣に分け、たばこ残渣に叩解処理を行い、その後、抄造工程によりシート状に成形し、得られたシート状の成形物にたばこ抽出液を添加することにより製造することができる。叩解度を高めると、たばこ繊維が切断されて絡まるとともに、シートたばこの密度が高まる。叩解度を高めた場合、繊維あるいは繊維間に形成される毛細管径（すなわち、毛細管現象を起こす空洞部の径）を実質的に小さくでき、シートたばこが毛細管現象によりエアロゾル源を吸い上げ易くなり、シートたばこがエアロゾル源を吸い上げる速度は増大する。

　第１吸収体および第２吸収体がたばこ顆粒である場合、たばこ顆粒の粒度を変化させることにより、第１エアロゾル源の吸い上げ速度を変化させることができる。たばこ顆粒は、葉たばこを熱水で抽出し、たばこ抽出液とたばこ残渣に分け、たばこ残渣を顆粒状に成形し、得られた顆粒状の成形物にたばこ抽出液を添加することにより製造することができる。たばこ顆粒の粒度を小さくすると、たばこ顆粒の比表面積が増大するとともに、一定容積に収容されるたばこ顆粒の数が増大する。たばこ顆粒の粒度を小さくした場合、顆粒間の空隙で形成される毛細管径（すなわち、毛細管現象を起こす空洞部の径）を実質的に小さくでき、たばこ顆粒の集合体が毛細管現象によりエアロゾル源を吸い上げ易くなり、たばこ顆粒がエアロゾル源を吸い上げる速度は増大する。

　第１吸収体および第２吸収体がシートたばこである場合や、第１吸収体および第２吸収体がたばこ顆粒である場合、原料に、綿、パルプ、ガラス繊維などの吸収性材料を加えて、シートたばこやたばこ顆粒を製造するか、あるいはシートたばこやたばこ顆粒を製造した後に、綿、パルプ、ガラス繊維などの吸収性材料を加えて混合することにより、エアロゾル源の吸い上げ能力を高めることができる。第２吸収体における吸収性材料の含有割合を増やすと、第２吸収体がエアロゾル源を吸収する能力が高まり、第２吸収体がエアロゾル源を吸い上げる速度は増大する。

　第１吸収体および第２吸収体が、たばこ粉末を含有した多糖類ベースの多孔質体である場合、多孔質体の多孔度（即ち、空洞部が総体積に占める割合）や孔の大きさを変化させることにより、第１エアロゾル源の吸い上げ速度を変化させることができる。多孔質体の多孔度を大きくし、孔の大きさを小さくした場合、多孔質体内部の毛細管（すなわち、毛細管現象を起こす空洞部）が実質的に増加するとともに毛細管径を実質的に小さくでき、多孔質体が毛細管現象によりエアロゾル源を吸い上げ易くなり、多孔質体がエアロゾル源を吸い上げる速度は増大する。

　第１吸収体および第２吸収体が、たばこ粉末を含有した多糖類ベースの多孔質体である場合、多孔質体の孔の等方性（即ち、孔の扁平率）を変化させることにより、第１エアロゾル源の吸い上げ速度を変化させることができる。扁平率が大きい孔を有する多孔質体を、孔の長径をエアロゾル源の移動方向と同じ向きになるように配置した場合、多孔質体内部の毛細管径（すなわち、毛細管現象を起こす空洞部の径）を実質的に小さく、かつ一様に配向でき、多孔質体がエアロゾル源を吸い上げる速度は増大する。

　第１エアロゾル源の吸い上げ速度を変化させるための上記構成は、適宜、組み合わせて採用してもよい。

　以上の説明では、第１吸収体および第２吸収体が、同一の形状を有するたばこ成形体である場合を例として説明した。第１吸収体および第２吸収体が、第１エアロゾル源の吸い上げ速度に関して上述した関係を満たしていれば、第１吸収体および第２吸収体が、同一の形状を有している必要はない。例えば、第１吸収体および第２吸収体が、シートたばこと多糖類ベースの多孔質体との組み合わせであってもよいし、たばこ顆粒と多糖類ベースの多孔質体との組み合わせであってもよい。

　（筒状体）
　筒状体３３は、その長さ方向が、第１吸収体の長さ方向に対して平行である。筒状体３３の長さ方向は、香味吸引器１の長さ方向であるＹ方向に平行である。筒状体３３は、ケース２内であって、給気口Ｈ１とエアロゾル排出口Ｈ２との間に設置されている。

　筒状体３３は、エアロゾル源貯蔵部３１とエアロゾル発生部３２とを収容している。エアロゾル源貯蔵部３１とエアロゾル発生部３２とは、筒状体３３の長さ方向に配列している。ここでは、エアロゾル源貯蔵部３１とエアロゾル発生部３２とは、エアロゾル発生部３２が給気口Ｈ１とエアロゾル源貯蔵部３１との間に位置するように配列している。

　筒状体３３の材料に、制限はない。筒状体３３の材料としては、例えば、金属、ポリマー、またはセラミックを使用することができる。

　筒状体３３は、双方の端で開口した無底筒状である。筒状体３３は、一端でのみ開口した有底筒状であってもよい。この場合、エアロゾル源貯蔵部３１とエアロゾル発生部３２とは、筒状体３３の開口とエアロゾル源貯蔵部３１との間にエアロゾル発生部３２が位置するように配置する。

　（ヒータ）
　ヒータ３４は、エアロゾル発生部３２を加熱する。ヒータ３４は、ここでは、図３に示す加熱面ＨＳを有している面状ヒータである。面状ヒータは、加熱面ＨＳを有している支持体と、これに支持された抵抗発熱体とを含んでいる。

　支持体は、絶縁体または導体からなる。支持体が導体からなる場合、抵抗発熱体と支持体との間には絶縁層を介在させる。

　抵抗発熱体の両端には、接続端子が設けられている。これら接続端子は、上記の放電端子と接触している。抵抗発熱体は、電源回路から電力を供給されることにより発熱する。

　ヒータ３４は、加熱面ＨＳが第２吸収体を間に挟んで第１吸収体と向き合うように設置されている。好ましくは、ヒータ３４は、加熱面ＨＳが第２吸収体と接触するように設置される。ヒータ３４は、エアロゾル発生部３２を十分に高い温度まで加熱可能であれば、第２吸収体から離間していてもよい。

　ヒータ３４は、加熱面ＨＳに設けられた１以上の溝Ｇ１と、溝Ｇ１と連通した１以上の貫通孔Ｈ３とを有している。ここでは、ヒータ３４には、互いに交差した２つの溝Ｇ１が加熱面ＨＳに設けられるとともに、それらの交差部に１つの貫通孔Ｈ３が設けられている。溝Ｇ１を省略してもよく、貫通孔Ｈ３を省略してもよく、溝Ｇ１および貫通孔Ｈ３を省略してもよい。

　香味吸引器１は、後述するエアロゾルが通過するフィルタを更に含んでいてもよい。そのようなフィルタは、例えば、吸い口２２Ｍ内またはその近傍に設置することができる。

　＜１－２＞動作
　上記の通り、香味吸引器１では、エアロゾル源貯蔵部３１は第１エアロゾル源とたばこ材料とを含み、エアロゾル発生部３２は第２エアロゾル源とたばこ材料とを含んでいる。エアロゾル源貯蔵部３１において、第１エアロゾル源はたばこ材料から香味成分を抽出する。また、エアロゾル発生部３２において、第２エアロゾル源はたばこ材料から香味成分を抽出する。即ち、第１および第２エアロゾル源は、香味成分を含んでいる。

　香味吸引器１の起動後にユーザがパフ動作を行うと、ケース２の外部空間から給気口Ｈ１を介してケース２内へ空気が流入する。吸気センサは、例えば、この空気の流入に伴う圧力変化に基づいてユーザのパフ動作の開始を検知する。制御部は、吸気センサがパフ動作の開始を検知した場合に、電源が放電端子への電力の供給を開始するように、電源回路の動作を制御する。これにより、ヒータ３４の抵抗発熱体は発熱し、エアロゾル発生部３２のうち少なくとも加熱面ＨＳ側の部分は、ヒータ３４によって加熱される。

　また、ユーザのパフ動作に伴ってケース内へ流入した空気は、例えば、図１において破線Ｆで示す経路で、エアロゾル発生部３２の近傍へ到達する。例えば、ケース内へ流入した空気の少なくとも一部は、ヒータ３４に設けられた貫通孔Ｈ３を通ってエアロゾル発生部３２へ到達し、次いで、溝Ｇ１を通って、ヒータとエアロゾル排出口Ｈ２とによって挟まれた空間の外側へ排出される。この過程で、空気の流れは、香味成分を含み、ヒータ３４によって加熱されたエアロゾル源を同伴する。即ち、香味成分を含んだエアロゾルが発生する。

　このようにして生じたエアロゾルは、筒状体３３と第２ケース部２２との間の隙間を通って吸い口２２Ｍへと到達し、エアロゾル排出口Ｈ２を介して香味吸引器１の外部へと排出される。

　ユーザがパフ動作を中断または停止すると、ケース２の外部空間からケース２内への給気口Ｈ１を介した空気の流入も停止する。吸気センサは、例えば、この空気の流入の停止に伴う圧力変化に基づいてユーザのパフ動作の中断または停止を検知する。制御部は、吸気センサがパフ動作の中断または停止を検知した場合に、電源が放電端子への電力の供給を停止するように、電源回路の動作を制御する。これにより、ヒータ３４の抵抗発熱体は発熱を停止し、エアロゾル発生部３２のうち少なくとも加熱面ＨＳ側の部分は降温する。これにより、エアロゾル源の消費を抑制する。

　このようにして、ユーザは、パフ動作毎に香味を楽しむことができる。

　＜１－３＞効果
　この香味吸引器１によると、第２吸収体が第１エアロゾル源を吸い上げる速度は、第１吸収体が第１エアロゾル源を吸い上げる速度と比較してより高い。このため、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２へ第１エアロゾル源が継続的に供給され、十分な量のエアロゾルを継続して放出することができる。即ち、香味吸引器１によると、ユーザは、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２への第１エアロゾル源の供給が継続している限り、十分な量のエアロゾルを継続して吸引して、十分な香味を楽しむことができる。これについて、以下に説明する。

　エアロゾル発生部３２においてエアロゾル源が消費されると、エアロゾル源貯蔵部３１はエアロゾル発生部３２へ第１エアロゾル源を供給する。上記の通り、香味吸引器１では、第２吸収体が第１エアロゾル源を吸い上げる速度Ｖ２は、第１吸収体が第１エアロゾル源を吸い上げる速度Ｖ１と比較してより高い。それ故、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２へ供給された第１エアロゾル源は、エアロゾル発生部３２内で速やかに拡散する。従って、香味吸引器１では、エアロゾル源のほぼ全量が消費されるまで、エアロゾル発生部３２のうちヒータ３４の近傍の部分に、十分な量のエアロゾル源を存在させることができる。

　また、香味吸引器１では、第１吸収体と第２吸収体との間の界面は凹部または凸部を含んでいる。それ故、香味吸引器１では、第１吸収体と第２吸収体との接触面積が大きい。このような構造は、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２への第１エアロゾル源の供給を促進する。

　更に、香味吸引器１では、第１吸収体と第２吸収体との間の界面は、第２吸収体へ向けて中央部が突き出ている。エアロゾル発生部３２の径および体積を一定とした場合、この構造は、上記界面がＺ方向に対して垂直な平面である構造と比較して、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２のヒータ３４側の面までの最短距離が短い。それ故、この構造は、エアロゾル発生部３２のうちヒータ３４の近傍の部分においてエアロゾル源の量が不十分となり難い。

　従って、香味吸引器１では、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２への第１エアロゾル源の供給が継続している限り、エアロゾル発生部３２のうちヒータ３４の近傍の部分においてエアロゾル源の量が不十分となり難く、十分な量のエアロゾルを継続して放出することができる。即ち、ユーザは、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２への第１エアロゾル源の供給が継続している限り、十分な量のエアロゾルを継続して吸引して、十分な香味を楽しむことができる。

　＜１－４＞変形例
　上記の香味吸引器１には、様々な変形が可能である。　
　図４は、第１変形例に係るエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。

　第１変形例に係る香味吸引器は、エアロゾル発生体３に図４の構造を採用したこと以外は、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。即ち、第１変形例では、第１吸収体と第２吸収体との界面を、円錐状とする代わりに、球面の一部に対応した形状としている。この構造を採用した香味吸引器も、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様の効果を奏し得る。

　＜２＞第２実施形態
　図５は、本発明の第２実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図である。図６は、図５の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。

　第２実施形態に係る香味吸引器１は、エアロゾル発生体３に以下の構造を採用したこと以外は、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。

　即ち、第２実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３では、第１変形例と同様に、第１吸収体と第２吸収体との界面を、円錐状とする代わりに、球面の一部に対応した形状としている。

　また、このエアロゾル発生体３では、筒状体３３は、エアロゾル発生部３２により近い開口の径が、エアロゾル源貯蔵部３１の位置における内径と比較してより小さい。

　そして、このエアロゾル発生体３では、第２吸収体はヒータ３４の加熱面へ向けて先細りしており、この加熱面は、第１吸収体と比較して、第１吸収体の長さ方向に垂直な方向における寸法がより小さい。ここでは、第２吸収体のヒータ３４側の面は、球面の一部に対応した形状を有している。

　なお、ヒータ３４の加熱面は、筒状体３３のうちエアロゾル発生部３２により近い開口を形成している縁から離間している。それらの間の隙間の位置で、エアロゾル発生部３２は部分的に露出している。

　この構造を採用した香味吸引器１も、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様の効果を奏し得る。

　また、この構造を採用した香味吸引器１では、エアロゾル発生部３２のうちヒータ３４の加熱面と接触している領域の面積が小さい。それ故、エアロゾル発生に伴うエアロゾル源の消費が、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２へのエアロゾル源の供給を上回るのを防止できる。従って、この構造を採用した香味吸引器１では、エアロゾル源のほぼ全量が消費されるまで、エアロゾル発生部３２のうちヒータ３４の近傍の部分に、十分な量のエアロゾル源をより確実に存在させることができる。また、この構造によると、１回のパフ動作で消費されるエアロゾル源の量を少なくすることも可能である。

　＜３＞第３実施形態
　図７は、本発明の第３実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図である。図８は、図７の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。図９は、図８に示すエアロゾル発生体の他の断面図である。

　第３実施形態に係る香味吸引器１は、エアロゾル発生体３に以下の構造を採用したこと以外は、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。

　即ち、第３実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３では、ヒータ３４は、第２吸収体を間に挟んで第１吸収体と向き合った線状の加熱部ＨＰを有している。即ち、ここでは、ヒータ３４は、線状の加熱部ＨＰを有している線状ヒータである。線状ヒータは、例えば、絶縁体からなる支持体と、これに支持された抵抗発熱体とを含んでいる。抵抗発熱体は、直線状の部分を含んでいる。ヒータ３４は、抵抗発熱体の直線状の部分を加熱部ＨＰとして含んでいる。ここでは、加熱部ＨＰの長さ方向は、Ｙ方向に対して平行である。

　また、このエアロゾル発生体３では、筒状体３３は、図８に示すように、Ｙ方向に対して垂直な断面を観察した場合には、エアロゾル発生部３２により近い開口の径が、エアロゾル源貯蔵部３１の位置における内径と比較してより小さい。具体的には、Ｙ方向に対して垂直な断面を観察した場合、筒状体３３は、ヒータ３４の近傍において、ヒータ３４側へ向かって縮径している。また、この筒状体３３は、図９に示すように、Ｘ方向に対して垂直な断面を観察した場合には、その長さ方向に沿って径が一定である。

　更に、このエアロゾル発生体３では、第２吸収体は、図８に示すように、加熱部ＨＰ側の面が、Ｙ方向に垂直な断面を観察した場合には中央部が突き出ている。また、第２吸収体は、図９に示すように、加熱部ＨＰ側の面が、Ｘ方向に垂直な断面を観察した場合には平らである。ここでは、第２吸収体のうち加熱部ＨＰ側の部分は、切妻屋根形状を有している。即ち、ここでは、第２吸収体のうち加熱部ＨＰ側の表面は、逆向きに傾斜した２つの平面からなる。これら平面が形成している稜は、加熱部ＨＰと接触している。また、第２吸収体のうち加熱部ＨＰ側の表面のうち、上記の稜を含んだ領域は、筒状体３３の開口から外側へ突き出ている。

　この構造を採用した香味吸引器１も、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様の効果を奏し得る。また、この構造を採用した香味吸引器１では、第２実施形態に係る香味吸引器１と同様に、エアロゾル源のほぼ全量が消費されるまで、エアロゾル発生部３２のうちヒータ３４の近傍の部分に、十分な量のエアロゾル源をより確実に存在させることができる。更に、この構造によると、１回のパフ動作で消費されるエアロゾル源の量を少なくすることも可能である。

　＜４＞第４実施形態
　図１０は、本発明の第４実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図である。図１１は、図１０の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。

　第４実施形態に係る香味吸引器１は、エアロゾル発生体３に以下の構造を採用したこと以外は、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。

　即ち、第４実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３では、筒状体３３は、図１１に示すように、エアロゾル発生部３２により近い開口の径が、この開口から離れた位置における内径と比較してより小さい。具体的には、筒状体３３は、ヒータ３４の近傍において、ヒータ３４側へ向かって縮径している。

　また、このエアロゾル発生体３では、筒状体３３は、エアロゾル源貯蔵部３１を収容しているが、エアロゾル発生部３２を収容していない。第２吸収体は、第１吸収体と第２吸収体との配列方向に伸びた形状を有しており、その径は、上記開口の径とほぼ等しい。第２吸収体は、この開口の位置で、第１吸収体と接触するとともに、筒状体３３の外側へ突き出ている。そして、第１吸収体と第２吸収体との界面は、上記配列方向に対して垂直な平面である。

　更に、このエアロゾル発生体３では、ヒータ３４は、エアロゾル発生部３２の周りに巻かれたコイル状のヒータである。コイル状ヒータは、例えば、コイル状の抵抗発熱体を含んでいる。コイル状ヒータは、抵抗発熱体を被覆した絶縁層を更に含むことができる。

　また、この構造を採用した香味吸引器１では、ヒータ３４は、コイル状であり、エアロゾル発生部３２の周りに巻かれている。このような構成によると、エアロゾル発生部３２を均一に加熱することができるのに加え、エアロゾル発生部３２に対して空気を効率的に供給することができる。従って、この構造によると、エアロゾルを効率的に発生させることができる。

　上記の香味吸引器１には、様々な変形が可能である。　
　図１２は、第２変形例に係るエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。図１３は、第３変形例に係るエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。

　第２変形例に係る香味吸引器は、エアロゾル発生体１２に図１２の構造を採用したこと以外は、図１０および図１１を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。即ち、第２変形例では、第１吸収体と第２吸収体との界面を、平面状とする代わりに、円錐状としている。

　第３変形例に係る香味吸引器は、エアロゾル発生体１２に図１３の構造を採用したこと以外は、図１０および図１１を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。即ち、第３変形例では、第１吸収体と第２吸収体との界面を、平面状とする代わりに、球面の一部に対応した形状としている。

　これら構造を採用した香味吸引器も、図１１および図１２を参照しながら説明した香味吸引器１と同様の効果を奏し得る。また、図１１および図１２の構造では、図１０の構造と比較して、第１吸収体と第２吸収体との接触面積が大きい。これら構造は、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２への第１エアロゾル源の供給を促進するうえで有利である。

　＜５＞第５実施形態
　図１４は、本発明の第５実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図である。図１５は、図１４の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。図１６は、図１５に示すエアロゾル発生体の上面図である。

　第５実施形態に係る香味吸引器１は、エアロゾル発生体３に以下の構造を採用したこと以外は、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。

　即ち、第５実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３では、第１吸収体は柱状であり、第２吸収体は第１吸収体を取り囲んでいる。ここでは、第１吸収体は、高さ方向がＺ方向に平行な円柱状である。第２吸収体は、円柱の側面を覆うように第１吸収体を取り囲んでいる。

　また、このエアロゾル発生体３は、筒状体３３を含んでいない。その代わりに、エアロゾル発生体３は、カバー体３５を含んでいる。カバー体３５は、第１吸収体からなる柱体の両底面を被覆している。カバー体３５の材料としては、例えば、金属、ポリマー、またはセラミックを使用することができる。カバー体３５は省略することができる。

　更に、このエアロゾル発生体３では、ヒータ３４は、第２吸収体を間に挟んで第１吸収体を取り囲んだ線状のヒータである。線状ヒータは、例えば、第２吸収体を間に挟んで第１吸収体を取り囲んだ線状の抵抗発熱体を含んでいる。線状ヒータは、抵抗発熱体を被覆した絶縁層を更に含むことができる。

　また、この構造を採用した香味吸引器１では、第１吸収体と第２吸収体との接触面積が大きい。それ故、エアロゾル源貯蔵部３１からエアロゾル発生部３２へエアロゾル源を効率的に供給することができる。従って、エアロゾル源のほぼ全量が消費されるまで、エアロゾル発生部３２に、十分な量のエアロゾル源をより確実に存在させることができる。

　更に、この構造を採用した香味吸引器１では、ヒータ３４は、線状であり、エアロゾル発生部３２の周りに巻かれている。このような構成によると、エアロゾル発生部３２に対して空気を効率的に供給することができる。従って、この構造によると、エアロゾルを効率的に発生させることができる。

　＜６＞第６実施形態
　図１７は、本発明の第６実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図である。図１８は、図１７の香味吸引器が含んでいるエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。図１９は、図１８に示すエアロゾル発生体の上面図である。

　第６実施形態に係る香味吸引器１は、エアロゾル発生体３に以下の構造を採用したこと以外は、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。

　即ち、第６実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３では、第５実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３と同様に、第１吸収体は柱状であり、第２吸収体は第１吸収体を取り囲んでいる。ここでは、第１吸収体は、高さ方向がＺ方向に平行な円柱状である。第２吸収体は、円柱の側面を覆うように第１吸収体を取り囲んでいる。

　また、このエアロゾル発生体３は、筒状体３３を含んでいない。その代わりに、エアロゾル発生体３は、第５実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３と同様に、カバー体３５を含んでいる。カバー体３５は、第１吸収体からなる柱体の両底面を被覆している。カバー体３５は省略することができる。

　更に、このエアロゾル発生体３では、ヒータ３４は、第２吸収体を間に挟んで第１吸収体を取り囲んだ筒状のヒータである。筒状ヒータは、例えば、絶縁体からなり、内面を加熱面として有する筒状の支持体と、これに支持された抵抗発熱体とを含んでいる。

　更に、この構造を採用した香味吸引器１では、ヒータ３４は、筒状であり、エアロゾル発生部３２の周りに設置されている。このような構成によると、エアロゾル発生部３２を効率的に加熱することができる。従って、この構造によると、エアロゾルを効率的に発生させることができる。

　上記の香味吸引器１には、様々な変形が可能である。　
　図２０は、第４変形例に係るエアロゾル発生体を概略的に示す断面図である。図２１は、図２０に示すエアロゾル発生体の上面図である。

　第４変形例に係る香味吸引器は、エアロゾル発生体１２に図２０および図２１の構造を採用したこと以外は、図１７～図１９を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。即ち、第４変形例では、ヒータ３４の内面、即ち加熱面は、ヒータ３４が形成している筒の一方の開口から他方の開口まで各々が伸びた１以上の溝Ｇ２を有している。ここでは、ヒータ３４の加熱面には、Ｚ方向へ各々が伸びた複数の溝Ｇ２が設けられている。

　この構造を採用した香味吸引器も、図２０および図２１を参照しながら説明した香味吸引器１と同様の効果を奏し得る。また、構造を採用した香味吸引器では、空気は、溝Ｇ２の位置でエアロゾル発生部３２と接触可能である。従って、この構造を採用した香味吸引器でも、エアロゾルを効率的に発生させることができる。

　＜７＞第７実施形態
　図２２は、本発明の第７実施形態に係る香味吸引器を概略的に示す断面図である。図２３は、図２２に示す香味吸引器の他の断面図である。

　第７実施形態に係る香味吸引器１は、エアロゾル発生体３に以下の構造を採用したこと以外は、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。

　即ち、第７実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３では、第６実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３と同様に、第１吸収体は柱状であり、第２吸収体は第１吸収体を取り囲んでいる。ここでは、第１吸収体は円柱状であり、第２吸収体は、円柱の側面を覆うように第１吸収体を取り囲んでいる。但し、ここでは、第１吸収体からなる円柱の高さ方向は、Ｙ方向に平行である。

　また、このエアロゾル発生体３は、筒状体３３を含んでいない。その代わりに、エアロゾル発生体３は、第６実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３と同様に、カバー体３５を含んでいる。カバー体３５は、第１吸収体からなる柱体の両底面を被覆している。カバー体３５は省略することができる。

　更に、このエアロゾル発生体３では、第６実施形態に係る香味吸引器１のエアロゾル発生体３と同様に、ヒータ３４は、第２吸収体を間に挟んで第１吸収体を取り囲んだ筒状のヒータである。

　なお、参照符号５は、エアロゾル発生体３を着脱可能に支持する支持部材である。支持部材５には、ヒータ３４が含んでいる抵抗発熱体の接続端子と接触して、これら接続端子を上記の放電端子へ接続する端子が設けられている。

　＜８＞他の変形例
　上述した実施形態および変形例に記載した特徴の１以上は、他の実施形態または変形例に記載した特徴と組み合わせることができる。また、発明の概要に記載した各発明には、上述した実施形態および変形例に記載した特徴の１以上を組み合わせることができる。例えば、図２０および図２１を参照しながら説明した溝Ｇ２は、図２２および図２３の香味吸引器１が含んでいるヒータ３４に設けてもよい。

　また、上述した実施形態および変形例に係る香味吸引器の各々では、ヒータ３４はカートリッジの一部である。カートリッジは、ヒータ３４を含んでいなくてもよい。即ち、ヒータ３４は、電源ユニットの一部であってもよい。なお、この場合、ヒータ３４は交換可能であることが好ましい。

　また、ヒータ３４として、抵抗発熱体を使用するものに代えて、誘導加熱を利用するものを使用してもよい。例えば、図２、図４、図６および図８に示すヒータ３４並びに図１５、図１８および図２０に示すヒータ３４として、抵抗発熱体を使用するものに代えて、サセプタと、これを囲むように設置された電磁誘導コイルとを含んだものを使用して、誘導加熱によってエアロゾルを発生させるようにしてもよい。その場合、筒状体３３には誘導加熱されない材質が選ばれる。誘導加熱を利用するヒータを使用した変形例を、図２４および図２５に示す。

　図２４は、他の変形例に係る香味吸引器を概略的に示す断面図である。　
　図２４に示す香味吸引器１は、以下の点を除き、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。即ち、図２４に示す香味吸引器１では、筒状体３３は、絶縁体などの誘導加熱されない材料からなる。そして、図２４に示す香味吸引器１では、ヒータ３４は、電磁誘導コイル３４ａと、誘電体層３４ｂと、サセプタ３４ｃとを含んでいる。

　サセプタ３４ｃは、導体、例えば金属からなる。サセプタ３４ｃは、図１～図３を参照しながら説明したヒータ３４と同様の外形を有している。即ち、サセプタ３４ｃは、略円盤形状を有している。サセプタ３４ｃの一方の主面は加熱面であり、サセプタ３４ｃは、加熱面が第２吸収体を間に挟んで第１吸収体と向き合うように設置されている。好ましくは、サセプタ３４ｃは、加熱面が第２吸収体と接触するように設置される。

　また、サセプタ３４ｃは、図３を参照しながら説明した、１以上の溝Ｇ１と、溝Ｇ１と連通した１以上の貫通孔Ｈ３とを有している。ここでは、サセプタ３４ｃには、互いに交差した２つの溝が加熱面に設けられるとともに、それらの交差部に１つの貫通孔が設けられている。溝を省略してもよく、貫通孔を省略してもよく、溝および貫通孔を省略してもよい。

　電磁誘導コイル３４ａは、ケース２内に設置されている。電磁誘導コイル３４ａは、サセプタ３４ｃを取り囲むとともに、サセプタ３４ｃから離間している。

　誘電体層３４ｂは、電磁誘導コイル３４ａを被覆している。電磁誘導コイル３４ａと誘電体層３４ｂとの組み合わせは、筒形状を有しており、サセプタ３４ｃと、筒状体３３のサセプタ３４ｃ側の部分とを取り囲むとともに、それらから離間している。

　図２５は、更に他の変形例に係る香味吸引器を概略的に示す断面図である。　
　図２５に示す香味吸引器１は、以下の点を除き、図１７～図１９を参照しながら説明した香味吸引器１と同様である。即ち、図２５に示す香味吸引器１では、図２４に示す香味吸引器１と同様に、ヒータ３４は、電磁誘導コイル３４ａと、誘電体層３４ｂと、サセプタ３４ｃとを含んでいる。

　なお、図２５のサセプタ３４ｃは、図２４のサセプタ３４ｃとは異なり、円筒形状を有している。このサセプタ３４ｃでは、円筒の内面が加熱面である。サセプタ３４ｃは、加熱面が第２吸収体を間に挟んで第１吸収体と向き合うように設置されている。好ましくは、サセプタ３４ｃは、加熱面が第２吸収体の外面と接触するように設置される。

　図２４および図２５に示す香味吸引器１では、電磁誘導コイル３４ａへ通電すると、サセプタ３４ｃは誘導加熱によって発熱し、サセプタ３４ｃはエアロゾル発生部３２を加熱する。即ち、図２４を参照しながら説明した香味吸引器１および図２５を参照しながら説明した香味吸引器１は、ヒータ３４の構成が異なること以外は、それぞれ、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１および図１７～図１９を参照しながら説明した香味吸引器１と同様の構造を有している。従って、これら香味吸引器１も、図１～図３を参照しながら説明した香味吸引器１および図１７～図１９を参照しながら説明した香味吸引器１と同様の効果を奏する。

　なお、図２４および図２５に示す香味吸引器１では、ヒータ３４は、カートリッジの一部であってもよく、電源ユニットの一部であってもよい。或いは、サセプタ３４ｃはカートリッジの一部であり、電磁誘導コイル３４ａおよび誘電体層３４ｂは電源ユニットの一部であってもよい。

　１…香味吸引器、２…ケース、３…エアロゾル発生体、４…電源部、５…支持部材、２１…第１ケース部、２２…第２ケース部、２２Ｍ…吸い口、３１…エアロゾル源貯蔵部、３２…エアロゾル発生部、３３…筒状体、３４…ヒータ、３４ａ…電磁誘導コイル、３４ｂ…誘電体層、３４ｃ…サセプタ、３５…カバー体、Ｆ…流れ、Ｇ１…溝、Ｇ２…溝、Ｈ１…給気口、Ｈ２…エアロゾル排出口、Ｈ３…貫通孔、ＨＰ…加熱部、ＨＳ…加熱面。

Claims

　液状の第１エアロゾル源と、前記第１エアロゾル源を吸収した第１吸収体とを含み、前記第１吸収体は、たばこ材料を含んだエアロゾル源貯蔵部と、
　液状の第２エアロゾル源と、前記第２エアロゾル源を吸収した第２吸収体とを含み、前記第２吸収体は、たばこ材料を含み、前記第１吸収体と接触したエアロゾル発生部と
を備え、
　前記第２吸収体が前記第１エアロゾル源を吸い上げる速度は、前記第１吸収体が前記第１エアロゾル源を吸い上げる速度と比較してより高いエアロゾル発生体。
　前記第１吸収体および前記第２吸収体の少なくとも一方は、シートたばこ、たばこ顆粒、および、多糖類とたばこ粉末とを含有した混合物の多孔質体の１以上を含んだ請求項１に記載のエアロゾル発生体。
　前記第１吸収体と前記第２吸収体とは一体に成形されている請求項１または２に記載のエアロゾル発生体。
　前記第１吸収体と前記第２吸収体との間の界面は凹部または凸部を含んだ請求項１～３の何れか１項に記載のエアロゾル発生体。
　前記エアロゾル発生部を加熱するヒータを更に備えた請求項１～４の何れか１項に記載のエアロゾル発生体。
　前記第１吸収体は一方向に伸びた形状を有し、前記第１吸収体と前記第２吸収体とは前記第１吸収体の長さ方向に配列した請求項１～３の何れか１項に記載のエアロゾル発生体。
　前記第１吸収体と前記第２吸収体との間の界面は、前記第２吸収体へ向けて中央部が突き出た請求項６に記載のエアロゾル発生体。
　前記エアロゾル源貯蔵部と前記エアロゾル発生部とを収容した筒状体を更に備え、前記エアロゾル源貯蔵部と前記エアロゾル発生部とは、前記筒状体の長さ方向に配列した請求項６または７に記載のエアロゾル発生体。
　前記筒状体は、前記エアロゾル発生部により近い開口の径が、前記エアロゾル源貯蔵部の位置における内径と比較してより小さい請求項８に記載のエアロゾル発生体。
　前記第２吸収体を間に挟んで前記第１吸収体と向き合った加熱面を有するヒータを更に備えた請求項６～９の何れか１項に記載のエアロゾル発生体。
　前記ヒータは、前記加熱面に設けられた１以上の溝、前記１以上の溝と連通した１以上の貫通孔、またはそれらの双方を有している請求項１０に記載のエアロゾル発生体。
　前記第２吸収体は前記加熱面へ向けて先細りしており、前記加熱面は、前記第１吸収体と比較して、前記第１吸収体の前記長さ方向に垂直な方向における寸法がより小さい請求項１０または１１に記載のエアロゾル発生体。
　前記第２吸収体を間に挟んで前記第１吸収体と向き合った線状の加熱部を有するヒータを更に備えた請求項６～９の何れか１項に記載のエアロゾル発生体。
　前記第２吸収体は、前記加熱部側の面が、前記第１吸収体の前記長さ方向および前記加熱部の長さ方向に平行な断面では平らであり、前記第１吸収体の前記長さ方向に平行であり且つ前記加熱部の前記長さ方向に垂直な断面では中央部が突き出ている請求項１３に記載のエアロゾル発生体。
　前記エアロゾル源貯蔵部を収容した筒状体を更に備え、前記筒状体は、前記エアロゾル発生部により近い開口の径が、前記開口から離れた位置における内径と比較してより小さく、前記エアロゾル発生部は、前記開口の位置で前記筒状体の外側へ突き出ている請求項６または７に記載のエアロゾル発生体。
　前記エアロゾル発生部の周りに巻かれたコイル状のヒータを更に備えた請求項１５に記載のエアロゾル発生体。
　前記第１吸収体は柱状であり、前記第２吸収体は、前記第１吸収体を取り囲んだ請求項１～４の何れか１項に記載のエアロゾル発生体。
　前記第２吸収体を間に挟んで前記第１吸収体を取り囲んだ線状のヒータを更に備えた請求項１７に記載のエアロゾル発生体。
　前記第２吸収体を間に挟んで前記第１吸収体を取り囲んだ筒状のヒータを更に備えた請求項１７に記載のエアロゾル発生体。
　前記ヒータの内面は、前記ヒータの一方の開口から前記ヒータの他方の開口まで各々が伸びた１以上の溝を有している請求項１９に記載のエアロゾル発生体。
　請求項５、１０～１４、１６および１８～２０の何れか１項に記載のエアロゾル発生体と、
　前記ヒータへ電力を供給する電源と、
　一端に吸い口を有し、前記エアロゾル発生体および前記電源を収容したケースと
を備えた香味吸引器。
　前記エアロゾル発生体は、前記電源と前記吸い口との間に位置した請求項２１に記載の香味吸引器。
　前記ケースは、前記電源と前記エアロゾル発生体との間の位置に給気口を有し、前記エアロゾル発生体と前記ケースとは、それらの間に、前記給気口から前記吸い口まで至る流路を形成している請求項２２に記載の香味吸引器。