WO2022202167A1 - ケース構造体、およびバッテリーケース - Google Patents

ケース構造体、およびバッテリーケース Download PDF

Info

Publication number
WO2022202167A1
WO2022202167A1 PCT/JP2022/008923 JP2022008923W WO2022202167A1 WO 2022202167 A1 WO2022202167 A1 WO 2022202167A1 JP 2022008923 W JP2022008923 W JP 2022008923W WO 2022202167 A1 WO2022202167 A1 WO 2022202167A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
case structure
layer
shape
resin layer
structure according
Prior art date
Application number
PCT/JP2022/008923
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
村松秀隆
木山公志
Original Assignee
東レ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東レ株式会社 filed Critical 東レ株式会社
Priority to JP2022515523A priority Critical patent/JPWO2022202167A1/ja
Publication of WO2022202167A1 publication Critical patent/WO2022202167A1/ja

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B1/00Layered products having a general shape other than plane
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/04Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B15/08Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/20Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders
    • H01M50/218Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders characterised by the material
    • H01M50/22Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders characterised by the material of the casings or racks
    • H01M50/222Inorganic material
    • H01M50/224Metals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/20Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders
    • H01M50/218Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders characterised by the material
    • H01M50/22Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders characterised by the material of the casings or racks
    • H01M50/227Organic material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/20Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders
    • H01M50/218Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders characterised by the material
    • H01M50/22Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders characterised by the material of the casings or racks
    • H01M50/231Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders characterised by the material of the casings or racks having a layered structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/20Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders
    • H01M50/249Mountings; Secondary casings or frames; Racks, modules or packs; Suspension devices; Shock absorbers; Transport or carrying devices; Holders specially adapted for aircraft or vehicles, e.g. cars or trains

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

少なくとも厚み方向に金属層と樹脂層を配置した、移動体の乗員空間外に設置される部品向けケース構造体であり、金属層が、最外層に配置されており、樹脂層が、少なくとも2方向に延在する補強形状を有し、前記2方向は、第三角法における平面図において互いに交差しており、金属層と樹脂層が互いに接合部で接合されており、接合部を除く領域の、金属層と樹脂層の間に空気層を有するケース構造体。最外の金属層による遮炎効果と空気層による断熱効果で耐火性能を高め、樹脂層の少なくとも2方向の補強形状により剛性を高めたケース構造体を提供でき、このケース構造体を用いた電気自動車の駆動用バッテリーを収納するバッテリーケースを提供できる。

Description

ケース構造体、およびバッテリーケース
 本発明は、ケース構造体、特に電気自動車向けケースに好適なケース構造体、およびそれを用いたバッテリーケースに関する。
 2030年から2040年にかけて、一部の先進国において純ガソリン車の販売を禁止する動きがあり、カーメーカー各社はこれに対応するための開発を加速している。中でも、電気自動車(EV)においては、航続距離の延長が直近の課題であり、車体の軽量化が可能な、樹脂やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)等の使いこなし技術が重要視されている。
 中でもEVの駆動用バッテリーを収納するバッテリーケースは、車体フロア下のほぼ全領域を占める大型部品であり、スチール材からの材料置換による軽量化効果が大きい。例えば、特許文献1においては、上部カバーと下部ケースのCFRP製箱型バッテリーケースが提案されており、軽量性と力学特性を両立している。しかし、2013年にEVに係る国連協定規則(UN-ECE R100.02)で定められた、900℃程度のガソリン炎に数分間暴露される、バッテリーケースの耐火試験はクリアできていない。
 CFRP材料に耐火性能を付与する方法としては、ハロゲン系などの難燃剤を添加する方法が挙げられるが(特許文献2)、マトリックス樹脂の溶融温度程度であれば十分であるが、耐火試験では、ケース自体が溶融することに加え、加熱されたバッテリーが熱暴走を引き起こす可能性があった。
特開2012-94476号公報 特開2015-131394号公報
 そこで本発明は、耐火性能を有しながら、軽量なケース構造体、およびそれを用いたバッテリーケースを提供することを課題とする。
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)少なくとも厚み方向に金属層と樹脂層を配置した、移動体の乗員空間外に設置される部品向けケース構造体であり、前記金属層が、最外層に配置されており、前記樹脂層が、少なくとも2方向に延在する補強形状を有し、前記2方向は第三角法における平面図において互いに交差しており、前記金属層と前記樹脂層が互いに接合部で接合されており、接合部を除く領域の、前記金属層と前記樹脂層の間に空気層を有する、ケース構造体。
(2)前記補強形状が、前記2方向に加えて、前記第三角法における平面図における第3の方向に延在する、(1)に記載のケース構造体。
(3)前記補強形状が凹凸形状である、(1)または(2)に記載のケース構造体。
(4)前記凹凸形状の反金属層側の面に、連続した強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートが配置された、(3)に記載のケース構造体。
(5)前記凹凸形状がリブ形状である、(3)または(4)に記載のケース構造体。
(6)前記凹凸形状がハット形状である、(3)または(4)に記載のケース構造体。
(7)前記リブ形状が、連続した多角形を形成する、(5)に記載のケース構造体。
(8)前記空気層が水平面に対し傾斜している、(1)から(7)のいずれかに記載のケース構造体。
(9)前記空気層の厚みが1mm以上3mm以下である、(1)から(8)のいずれかに記載のケース構造体。
(10)前記空気層に、耐炎化糸マットが設置されている、(1)から(9)のいずれかに記載のケース構造体。
(11)前記樹脂層が、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ABS、ポリフェニレンサルファイドから選ばれる少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂を含む、(1)から(10)のいずれかに記載のケース構造体。
(12)前記樹脂層が、溶融温度250℃以上400℃以下の熱可塑性樹脂を含む、(1)から(11)のいずれかに記載のケース構造体。
(13)前記樹脂層が、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維から選ばれる少なくとも1種類以上の強化繊維を含む、(1)から(12)のいずれかに記載のケース構造体。
(14)前記接合部の接合方法が、リベット接合、ねじ接合、樹脂かしめ接合、接着、溶着から選ばれる少なくとも1つの接合方法である、(1)から(13)のいずれかに記載のケース構造体。
(15)電気自動車の駆動用バッテリーを収納するバッテリーケースが、少なくとも上カバーと下トレーを含む箱型形状であり、下トレーの上面側にバッテリーモジュールを固定し、前記上カバーおよび/または下トレーに、(1)から(14)のいずれかに記載のケース構造体が含まれる、バッテリーケース。
 本発明は、最外の金属層による遮炎効果と空気層による断熱効果で、耐火性能を高め、樹脂層の少なくとも2方向の補強形状により剛性を高めた、ケース構造体、およびこのケース構造体を用いた、EVの駆動用バッテリーを収納するバッテリーケースを提供できる。
本発明における補強形状の一例を示すケース構造体の部分断面図である。 本発明における補強形状の別の一例を示すケース構造体の部分断面図である。 本発明のケース構造体の一例を示す部分断面図である。 本発明のケース構造体の別の一例を示す部分断面図である。 本発明のケース構造体のさらに別の一例を示す部分正面断面図(a)および部分側面断面図(b)である。 本発明のバッテリーケースの一例を示す上面斜視図(a)、下面斜視図(b)および拡大部分側面図(c)である。 本発明のバッテリーケースの別の一例を示す上面斜視図(a)、下面斜視図(b)および拡大部分側面図(c)である。 比較例に係るスチール製バッテリーケースの一例を示す上面斜視図(a)および下面斜視図(b)である。 本発明のケース構造体の一例を示す部分上面斜視図(a)、部分正面端面図(b)および部分右側面端面図(c)である。 比較例に引用する、樹脂平板と金属板の、積層構造体を示す部分上面斜視図(a)、部分正面端面図(b)および部分右側面端面図(c)である。 比較例に引用する、1方向リブ形状を有する樹脂板と金属板の、積層構造体を示す部分上面斜視図(a)、部分正面端面図(b)および部分右側面端面図(c)である。
 以下、本発明に係るケース構造体、それを用いたバッテリーケースの実施の形態について、詳細に説明する。
 本発明に係るケース構造体は、少なくとも厚み方向に金属層と樹脂層を配置した、移動体の乗員空間外に設置される部品向けケース構造体であり、前記金属層が、最外層に配置されており、前記樹脂層が、少なくとも2方向に延在する補強形状を有し、前記2方向は第三角法における平面図において互いに交差しており、前記金属層と前記樹脂層が互いに接合部で接合されており、接合部を除く領域の、前記金属層と前記樹脂層の間に空気層を有する、ことを特徴とするものである。
 本発明者らの知見によれば、かかる特徴を全て満たすケース構造体は、最外の金属層による遮炎効果と空気層による断熱効果で、耐火性能に優れ、樹脂層の少なくとも2方向の補強形状により、軽量性と剛性に優れるものであり、輸送機械部品ケース、特にはバッテリーケースに好適に用いられるものである。
 次に、本発明に係るケース構造体の構成要素について、樹脂層、金属層、接合方法、空気層の順で説明する。
 樹脂層は、ケース構造体のメイン部分であり、部品を収容する容積、剛性および軽量性が重要となる。
 樹脂層が有する補強形状は、樹脂の成形工程または他の補強材との組合せ時に形作られる形状であり、樹脂自体で補強するための形状と、他の補強材と組み合わせるための形状が挙げられる。具体的には、射出成形またはプレス成形において樹脂層を成形する際に補強形状を形成する方法、あらかじめ成形された樹脂層に、他の補強材を溶着する際に加熱変形させて形成する方法、他の補強材を接着する際に接着剤で形成する方法、切削加工で形成する方法などが挙げられる。
 補強形状の好ましい形状としては、凹凸を有する凹凸形状が挙げられる。前記凹凸形状とすることで、断面二次モーメントを高め、効率的に補強することができる。
 具体的な樹脂自体で補強するための凹凸形状としては、ハット形状、円筒形状、中空円錐形状、多角形筒形状、リブ形状などが挙げられる。また、他の補強材と組み合わせるための凹凸形状としては、溝形状、肉盛り形状などが挙げられる。前記溝形状と前記肉盛り形状について、図1と図2を用いて説明する。
 図1に、補強形状として溝形状を有する樹脂層1を示す。溝形状2とは、樹脂層1の上面に補強材料3を埋設可能な形状のことであり、樹脂層と補強材料の密着性を高めることができる。
 また、図2に、補強形状として肉盛り形状を有する樹脂層4を示す。肉盛り形状5とは、樹脂層の上面にある補強材料3の端部を覆う形状であり、樹脂層と補強材料の密着性を高めることができる。
 より好ましい補強形状としては、リブ形状とハット形状が挙げられる。リブ形状は補強効果が高いため好ましく、ハット形状は、引けやボイドなどの成形不良が発生しにくく成形性に優れる補強形状であるため好ましい。
 本発明に係る補強形状の延在方向は、少なくとも2方向であり、前記2方向は第三角法における平面図において互いに交差していれば特に制限はなく、ある平面で互いに交差する2方向、立体的に見た場合に立体交差する2方向などが挙げられる。
 また、本発明に係る補強形状の2方向の延在方向は、第三角法における平面図で交差していれば、前記交差点の位置に特に制限はなく、前記平面図におけるケース構造体外の領域で交差することもできる。前記平面図におけるケース構造体内の領域で交差することで、剛性がより高くなり、好ましい。
 補強形状が1方向にのみ延在する場合ケース構造体の力学特性異方性が大きくなるため、少なくとも2方向に補強形状が延在することが重要である。
 また、より好ましい補強形状の延在方向としては、前記2方向に加えて、前記第三角法における平面図において第3の方向に延在することが例示できる。補強形状の延在方向を前記3方向とすることで、ケース構造体の補強効果をより等方的に高めることができるため好ましい。3方向の組合せとしては、例えば前記平面図における、ある方向と、前記ある方向に対して45度の方向、および前記ある方向に対して90度方向の3方向が例示されるが、これに限らず、種々の組合せをとることができる。
 本発明に係る2方向に延在する補強形状の、反金属層側の上面は、同一平面内に存在するほうが好ましい。前記補強形状の上面が同一平面内に存在することで、ケース内に収納する機器を効率よく収納できるため好ましい。
 本発明に係るリブ形状において、少なくとも前記2方向に延在するリブ同士が一体化された、連続する多角形状であることが好ましい。リブ形状を多角形状とすることで、効率的に補強できることに加えて、リブ形状で囲まれた空洞内にバッテリーモジュールまたはバッテリーセルを収納できるため好ましい。好適な多角形状の例としては三角形状、四角形状、六角形状が挙げられ、四角形状の格子であれば、箱型のバッテリーモジュールを効率的に収納可能であるため好ましく、三角形状のアイソグリッドや六角形状のハニカムであれば、円柱状のバッテリーセルを効率的に収納可能であるため好ましい。
 本発明に係る樹脂層は、他の補強材を組み合わせることができる。
 他の補強材としては特に制限はないが、例えば、金属部材、繊維強化樹脂テープ状シートなどが挙げられる。樹脂層と組み合わせが容易であることから、連続した強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸した繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートが好ましく用いられる。
 本発明に係る樹脂層と繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートの組合せ方法としては、特に制限はないが、あらかじめ樹脂層の成形前に金型内にテープ状シートをインサートして樹脂層表面または内部に埋め込む方法、成形した樹脂層に後から貼り付ける方法が挙げられる。また、繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートを、湾曲形状や屈曲形状にあらかじめ賦形した状態で、樹脂層と組み合わせることもできる。
 繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートは、本発明における樹脂層の有する補強形状に隣接させることで、ケース構造体を効率的に補強できるため、好ましい。より好ましくは、繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートは本発明における凹凸形状に隣接させることであり、さらに好ましい繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートの設置場所としては、リブ形状の立ち壁面や、ハット形状の天面が挙げられる。
 繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートに含まれる連続した強化繊維の形態としては、特に制限はなく、一方向に引き揃えられた形態、一方向に引き揃えたものを積層した形態、織物形態等が例示できる。より好ましい形態として、強化繊維を一方向に揃えた熱可塑UDテープは、強化繊維の機械特性を効率よく利用して、ケース構造体を補強することができるため、好ましい。
 繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートに含まれる強化繊維としては、特に制限はなく、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維の少なくとも1種類を用いることができる。
 繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートに含まれる熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、要求特性に合わせた樹脂を使用することができる。
 本発明における樹脂層が含む樹脂としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ABS、ポリフェニレンサルファイドから選ばれる少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂が、補強効果の高い補強形状を自由に成形できるため、好ましい。より好ましい、本発明における樹脂層が含む樹脂としては、溶融温度は250℃以上400℃以下の熱可塑性樹脂が挙げられる。250℃以上とすることでケース構造体の耐火性能が高まるため好ましい。400℃以下とすることで、補強効果の高い補強形状を自由に成形できるため、好ましい。
 本発明における樹脂層が含む強化繊維としては、特に制限はないが、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維から選ばれる少なくとも1種類以上の強化繊維が挙げられる。炭素繊維は樹脂層の強度・剛性を飛躍的に高めるため好ましい、ガラス繊維は、炭素繊維に及ばないものの、強度・剛性を高め、低コストであるため好ましい。有機繊維は、耐衝撃性を高めるため、好ましい。
 本発明における樹脂層の形態としては、外周を壁で囲まれた形状が、高剛性かつ内容物の収容性に優れるため、好ましい。また、前記壁を高くすることで、より剛性が高まることから、ケース構造体の体積制限と要求剛性の観点から、壁の高さを選択することができる。
 本発明における樹脂層に用いられる材料形態としては特に制限はなく、ペレット状、板状、ブロック状または溶融混錬物状など種々の形態をとることができる。
 次に、本発明における金属層について説明する。
 本発明における金属層は、外部の炎を遮断できることが重要となる。そこで、前記金属層を構成する金属材料として、スチール、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)、難燃性マグネシウム合金の少なくとも1種類が好ましく用いられる。安価に調達できる観点からスチールが好ましく、軽量性の観点からアルミニウムが好ましい。
 本発明における金属層は、輻射熱を反射可能な、表面処理が施されているほうが好ましい。好ましい表面処理としては、表面研磨、メッキ処理、溶射処理、コーティング処理が挙げられる。より好ましい表面処理としては、表面処理費が比較的安価な亜鉛メッキである。
 本発明における金属層は、厚みが薄いほうが、軽量性に優れるため好ましい。具体的な好ましい厚みは2mm以下であり、より好ましくは厚み1mm以下である。
 本発明における金属層の形状は、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲で種々の形状を選択することができる。例えば、平板状であれば、加工工程を低減できるため好ましく、ビード形状や波板形状であれば、自重によるたわみを抑えることができるため好ましい。また、樹脂層の全周を囲う箱型形状や、樹脂層の下面だけを覆う板状、樹脂層の下面と側面を覆うトレー状など種々の形状を選択することができる。
 本発明における樹脂層と金属層の接合方法については特に制限はなく、種々の接合方法を選択することができる。好ましい接合方法としては、機械部品等に広く用いられている、リベット接合、ねじ接合、樹脂かしめ接合、接着、溶着が挙げられる。
 好ましい接合方法の例を、図3を用いて説明する。図3に示すケース構造体6は、反金属層側にリブ形状を有する樹脂層7とハット形状を有する金属層8を接合部Sに配置した接着剤9で接着している。また、接合部Sを除く、樹脂層7と金属層8の間には空気層10がある。接着による接合は、接合面を広くとることができるため、好ましい。
 また、別の好ましい接合方法の例を、図4を用いて説明する。図4に示すケース構造体11は、反金属層側にリブ形状を有する樹脂層12とハット形状を有する金属層13を、金属層13の穴に通した樹脂ボスをつぶして形成するかしめ部14で接合したものである。かしめ部の強度を樹脂強度で見積可能で設計上の取り扱いが容易なため、好ましい。
 本発明における空気層としては、前記金属層と前記樹脂層が接合される接合部を除く領域の、前記金属層と前記樹脂層の間の層のことであり、外部からの熱を断熱できることが重要となる。
 本発明における空気層の厚みとしては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲で種々の厚みを選択することができる。例えば、前記空気層の厚みを厚くすることで、空気層の断熱性を高めることができ、一方で、前記空気層の厚みを薄くすることで、断熱性は低下するが、ケース構造体全体を薄肉化することができる。
 本発明における空気層の具体的な厚みとしては、1mm以上3mm以下であることが好ましい。空気層の厚みを1mm以上とすることで、空気層の断熱効果が特に優れるため、好ましい。また、空気層の厚みを3mm以下とすることで、ケース構造体全体を薄肉化することができるため好ましい。
 本発明における空気層は水平面に対し傾斜していることで、暖められた空気を効率よくケース構造体の外部に逃がすことができるため、好ましい。
 前記空気層の水平面に対する傾斜を、図5のケース構造体の一例を用いて説明する。このケース構造体15は、反金属側にリブ形状を有する樹脂層16と、ハット形状を有する金属層17が、接着剤18による接合部Sで接合されているが、このケース構造体15のA-A断面図(b)において、空気層19の上面20および下面21は、水平面22に対し傾斜を有している。図5においては、空気層19は、金属層17のハット形状の延在方向に傾斜しているが、これに限定されず、ケース構造体の幅方向および/または長さ方向に傾斜していることが好ましい。
 本発明における空気層は空気の対流を抑える目的でコア材として、不織布材、または多孔質材を含むことができる。空気層が前記コア材を含むことで、本発明のケース構造体が外部から炎で加熱された場合に、最外層となる金属層側で暖められた空気が樹脂層側に対流するのを抑え、空気層の断熱性をより高めることができるため、好ましい。
 好ましいコア材としては、ガラス繊維マット、炭素繊維マット、有機繊維マット、耐炎化糸マット、フォーム材、多孔質セラミック、多孔質炭素材、ハニカムコアが挙げられるが、価格の観点からガラス繊維マットが好ましく、断熱性、軽量性、および耐熱性の観点から耐炎化糸マットが好ましい。
 本発明のケース構造体は、本発明の効果を損なわない範囲で、ケース構造の幅方向および/または長さ方向に補強フレームを含むことができる。補強フレームを含むことで、ケース構造体の剛性や強度を高めることができるため、好ましい。
 次に、本発明のケース構造体の製造方法について説明する。
 本発明のケース構造体の製造方法は少なくとも下記(i)(ii)(iii)の工程を含むことが好ましい。
(i)樹脂層を成形する工程
(ii)金属層を成形する工程
(iii)個別に成形した樹脂層と金属層を接合する工程
 樹脂層を成形する成形方法としては、特に制限はないが、射出成形、プレス成形および射出プレス成形方法を例示することができる。例示した成形方法の中から、使用する材料の成形特性に合わせた製造方法を選択することができる。
 金属層を成形する成形方法としては、特に制限はないが、板金プレス成形と鋳込み成形を例示することができる。また、金属の板材を、所望の寸法にカットした後、成形工程を経ずに、樹脂層と組み合わせることもできる。
 個別に成形した樹脂層と金属層を接合する方法としては、特に制限はなく種々の接合方法を選択することができる。個別に成形した樹脂層と金属層を接合することで、樹脂層と金属層の間の空気層を確実に形成できるため好ましい。
 本発明のケース構造体は、移動体の乗員空間外に設置される部品向けであり、移動体としては、例えば、EV、HEV(ハイブリッド式電動自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド式電動自動車)などの電気駆動する自動車、電動アシスト付き自転車、電動二輪、建設機械、ドローン、エアモビリティ、ヘリコプターなどの飛翔体、航空機、産業用組立/搬送用ロボットなどが挙げられる。
 また、本発明のケース構造体が適用可能な部品としては、例えば、バッテリーケース、インバーターケース、モーターケース、その他制御系部品ケースなどが挙げられる。
 次に、本発明のEVの駆動用バッテリーを収納するバッテリーケースについて説明する。
 本発明のバッテリーケースは、少なくとも上カバーと下トレーを含む箱型形状をしており、下ケースの上面側にバッテリーモジュールを固定し、上カバーと下トレーのどちらか一方または両方に、本発明のケース構造体を用いるものである。
 本発明のバッテリーケースにおいて、上カバーと下トレーの組付け方法については特に制限はなく、種々の方法が用いられる。例えば、フランジを介してネジ締結する手法、固定用のツメで引っかける手法、接着剤で接着する手法、または溶着する手法などが挙げられる。また、バッテリーケースに、水密/気密が要求される場合は、組付け部にゴムシール、テフロン(登録商標)シール、メタルシールなどを使用することができる。
 図6に、本発明のケース構造体を用いたEVの駆動用バッテリーケースにおける下トレー23の上面側(a)、下面側(b)および拡大した部分側面(c)を示す。下トレー23は、箱型形状の樹脂層24と、連続したハット形状の金属層25、補強フレームを兼ねる金属層26、および熱可塑UDテープ27から構成される。樹脂層24は、箱型形状の内底部に3方向に延在するハット形状28を有し、ハット形状の天面に熱可塑UDテープ27が配置されている。この3方向に延在するハット形状28および、熱可塑UDテープ27の補強により、ケース構造体の剛性を高めている。また、前記の樹脂層24の内底部には、バッテリーモジュールをねじ固定するためのボス形状29と、ボス形状を支えるリブ形状30がある。この下トレー23の外底面は、連続したハット形状の金属層25と、補強フレームを兼ねる金属層26で覆われており、遮炎性を有している。また、樹脂層と金属層は接着剤で接合されており、その接合部31を除く領域で、樹脂層と金属層の間に断熱層として機能する空気層32が設けられている。また、この下トレー23は、補強フレームの組付け部33を介して車体構造に組付けられ、フランジ部34を介して、上カバーと組付けられる。
 次に、図7に、本発明のケース構造体の図6とは異なる形態を用いたEVの駆動用バッテリーケースにおける下トレー35の上面側(a)、下面側(b)および拡大した部分側面(c)を示す。下トレー35は、箱型形状の樹脂層36と、連続したハット形状の金属層37、補強フレームを兼ねる金属層38から構成される。この下トレー35は、樹脂層36が有する、箱型形状内底部のアイソグリッド状のリブ形状39で、ケース構造体の剛性を高めている。この下トレー35の外底面は、図6と同様、連続したハット形状の金属層37と、補強フレームを兼ねる金属層38で覆われており、遮炎性を有している。また、図6と同様、樹脂層と金属層の接合部40を除く領域で、樹脂層と金属層の間に空気層41を設けており、この空気層41が断熱層として機能する。
 図9に、本発明のケース構造体の要素形状の一部(部分ケース構造体47)を示す、部分上面斜視図(a)、前記部分ケース構造体47を正面から見た際の端面のみを図示した、部分正面端面図(b)、および前記ケース構造体47を右側面から見た際の端面のみを図示した、部分右側面端面図(c)を示す。部分ケース構造体47は、十字リブ形状49を有する樹脂板48、空気層50および金属板51から構成される。
 部分ケース構造体47は、十字リブ形状49を有することにより、前後方向と左右方向の2方向に高い剛性を有することを特徴とする。具体的な2方向の剛性は、部分正面端面図(b)の剛性値、部分右側面端面図(c)の剛性値を、下記(1)式を用いて、それぞれ算出する。
 剛性=Er×Ir+Em×Im          (1)
 Er:樹脂層の弾性率
 Ir:樹脂層の断面二次モーメント
 Em:金属層の弾性率
 Im:金属層の断面二次モーメント
 また、前記要素形状の耐火性の評価手法として、図9に示す、試験体を準備し、その金属層51側から、ガスバーナーにて燃焼加熱する手法が挙げられる。評価指標としては、特に限定はないが、例えば、加熱開始から一定時間経過した後の、反炎側面の温度、および試験体の炎側面と反炎側面の樹脂溶融状態が挙げられる。
 図10に、本発明のケース構造体とは異なる、樹脂平板と金属板の積層構造体52を示す。前記積層構造体52は、樹脂平板53、空気層54および金属板55の3層からなり、耐火性に優れるが、樹脂平板53が補強構造を有さないため、部分正面端面図(b)および部分右側面端面図(c)について、それぞれ算出した剛性値は、図9のケース構造体に劣るものである。
 また、図11に、本発明のケース構造体と異なる、1方向リブ形状を有する樹脂板と金属板の積層構造体56を示す。前記積層構造体56は、1方向リブ形状を有する樹脂板57、空気層59および金属板60の3層からなり、耐火性に優れ、かつ1方向リブ形状58が補強する部分正面端面図(b)の剛性値に優れるが、前記樹脂板57が補強形状を有しないため、部分右側面端面図(c)について、算出した剛性値は、図9のケース構造体に劣るものである。
 以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、先ず、本発明における評価方法、各実施例および各比較例で用いた材料について説明する。
<評価方法>
(固有振動数)
 コンピューター上でバッテリーケース下トレーの電子図面を作成し、下トレーの各部に使用される材料をそれぞれ定義し、下トレーの剛性が高いほど、数値の高くなる、1次の固有振動数を、CAE(Computer Aided Engineering)によるシミュレーション解析により算出した。
(剛性)
 実施例3~7および比較例2~4により得られた試験体(図9-11)の部分正面端面図(b)および部分右側面端面図(c)の2方向についてそれぞれ、下記(1)式(前記1)式と同一)により剛性を算出した。
 剛性=Er×Ir+Em×Im          (1)
 Er:樹脂層の弾性率
 Ir:樹脂層の断面二次モーメント
 Em:金属層の弾性率
 Im:金属層の断面二次モーメント
(耐火性能)
 80mm×80mmの金枠に試験体を水平に置き、試験体下面をガスバーナーにて燃焼加熱した。ガスバーナーによる加熱面付近の温度は800~950℃であり、加熱時間は130秒間とした。試験体には荷重をかけず、評価時の雰囲気は常温・常圧としサンプル上面中央に固定した熱電対により、加熱開始から130秒後の温度を測定した。また、試験後にサンプルの炎側面と反炎側面の樹脂溶融の有無を確認した。
<材料>
 各実施例および各比較例で用いた材料と成分は下記の通りである。
[炭素繊維(A)]
 ・A-1:東レ(株)製“トレカ(登録商標)”糸 T700S-12K
[PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂(B)]
 ・B-1:東レ(株)製、“トレリナ(登録商標)”A900
[熱可塑UDテープ(C)]
 ・C-1:熱可塑UDテープ
 炭素繊維(A-1)(東レ(株)製、“トレカ(登録商標)”糸T700S-12K)を準備し、連続的に糸道ガイドを通じて炭素繊維を送り出した。連続的に送り出された炭素繊維に、含浸ダイ内においてPPS樹脂(B-1)を、充填したフィーダーから定量供給し、含浸させた。続いて、PPS樹脂(B-1)を含浸した炭素繊維を、引取ロールを用いて含浸ダイのノズルから連続的に引き抜き、冷却ロールを通過して、PPS樹脂(B-1)が冷却固化され、熱可塑UDテープとして巻取機に巻き取られた。得られた熱可塑UDテープの厚さは0.3mmであり、炭素繊維方向は一方向に配列していた。また、熱可塑UDテープ中の炭素繊維含有率は50vol%であった。
[ガラス繊維強化PPS樹脂ペレット(D)]
 ・D-1:東レ(株)製、“トレリナ(登録商標)”A503-X05
      曲げ弾性率11.3GPa
[スチール(E)]
 ・E-1:SPCC鋼板
      弾性率192GPa
[耐炎化糸マット(F)]
 ・F-1:Zoltek製OXFT FT0500-200
(参考例1)
 PPS樹脂(B-1)を射出成形機((株)日本製鋼所製J110AD)に供して、射出時間:2秒、背圧5MPa、保圧力:20MPa、保圧時間:10秒、シリンダー温度:300℃、金型温度:120℃の条件で射出成形することにより、図9の48に示す十字リブ形状を有する樹脂板を作製した。なお各寸法は、w1=80mm、d1=80mm、tp1=3mm、hp1=5mm、wp1=10mmであった。
(参考例2)
 PPS樹脂(B-1)を射出成形機((株)日本製鋼所製J110AD)に供して、射出時間:2秒、背圧5MPa、保圧力:20MPa、保圧時間:10秒、シリンダー温度:300℃、金型温度:120℃の条件で射出成形することにより、図10の53に示す、樹脂平板を作製した。なお各寸法は、w2=80mm、d2=80mm、tp2=3mmであった。
(参考例3)
 PPS樹脂(B-1)を射出成形機((株)日本製鋼所製J110AD)に供して、射出時間:2秒、背圧5MPa、保圧力:20MPa、保圧時間:10秒、シリンダー温度:300℃、金型温度:120℃の条件で射出成形することにより、図11の57に示す1方向リブ形状を有する樹脂板を作製した。なお各寸法は、w3=80mm、d3=80mm、tp3=3mm、hp3=5mm、wp3=10mmであった。
(参考例4)
 図9の51、図10の55および図11の60に共通する金属板として、SPCC鋼板(E-1)を準備した。なお各寸法は、w1=w2=w3=80mm、d1=d2=d3=80mm、tm1=tm2=tm3=0.5mmであった。
(参考例5)
 Zoltek OXFT(F-1)を準備した。なお各寸法は、幅80mm、長さ80mm、厚み4.4mmであった。
 なお、図9~図11におけるta1、ta2、ta3は空気層の厚さを示している。
(実施例1)
 図6に示す下トレーの各部に使用する材料として、樹脂層にガラス繊維強化PPS樹脂ペレット(D-1)、連続したハット形状の金属層および補強フレームを兼ねる金属層にSPCC鋼板(E-1)、補強材料としての熱可塑UDテープに熱可塑UDテープ(C-1)を定義し、下トレー全体重量および一次の固有振動数をシミュレーション解析により算出した。結果を表1に示す。
(実施例2)
 図7に示す下トレーの各部に使用する材料として、樹脂層にガラス繊維強化PPS樹脂ペレット(D-1)、連続したハット形状の金属層および補強フレームを兼ねる金属層にSPCC鋼板(E-1)を定義し、下トレー全体重量および一次の固有振動数をシミュレーション解析により算出した。結果を表1に示す。
(比較例1)
 図8に示すスチール製下トレー42は、内底面に第1補強フレーム43と第2補強フレーム44とビーム45を有し、外底面に第3補強フレーム46を有する、板金プレスで成形可能な形状である。この下トレー42に使用する材料として、SPCC鋼板(E-1)を定義し、下トレー全体重量および一次の固有振動数をシミュレーション解析により算出した。結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(実施例3)
 参考例4の金属層上に、縦80mm、横80mm、高さ3mm、肉厚0.5mmのスチール製中空四角柱を設置し、更に参考例1の樹脂層を設置することで、図9に示す、空気層3mmを有する試験体を得て、耐火試験に供した。また、その正面端面と、右側面端面のそれぞれに関し、剛性を算出した。結果を表2に示す。
(比較例2)
 参考例1の樹脂層の代わりに、参考例2の樹脂層を用いた以外は、実施例3と同様にして、試験体を得て、耐火試験を実施し、剛性を算出した。結果を表2に示す。
(比較例3)
 参考例1の樹脂層の代わりに、参考例3の樹脂層を用いた以外は、実施例3と同様にして、試験体を得て、耐火試験を実施し、剛性を算出した。結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
(実施例4)
 空気層が0.5mmとなるように調整したこと以外は、実施例3と同様にして、試験体を得て、耐火試験を実施し、剛性を算出した。結果を表3に示す。
(実施例5)
 空気層が1mmとなるように調整したこと以外は、実施例3と同様にして、試験体を得て、耐火試験を実施し、剛性を算出した。結果を表3に示す。
(実施例6)
 空気層が5mmとなるように調整したこと以外は、実施例3と同様にして、試験体を得て、耐火試験を実施し、剛性を算出した。結果を表3に示す。
(実施例7)
 参考例4の金属層上に、参考例5の耐炎化糸マットおよび参考例1の樹脂層を設置した、試験体を得て、耐火試験を実施し、剛性を算出した。結果を表3に示す。
(比較例4)
 参考例4の金属層上に、参考例1の樹脂層を直接設置した以外は、実施例3と同様にして、試験体を得て、耐火試験を実施し、剛性を算出した。結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 以上のように、実施例1、2においては、軽量性と剛性を両立する、バッテリーケース下トレーが得られた。下トレー内の樹脂層が、2方向に延在する補強形状を含む構成を満足したことにより、成し得たものである。一方、比較例1は軽量性に劣るものであった。
 また、実施例3、比較例2~3の比較において、実施例3は正面端面および右側面端面のどちらの剛性にも優れ、更に耐火試験での上面温度が樹脂の溶融温度である300℃を下回る、耐火性に優れるものであった。比較例2は、正面端面と右側面端面の両方で剛性に劣り、比較例3は右側面端面で剛性に劣るものであった。
 また、実施例4~7、および比較例4の比較において、実施例4~7は、正面端面および右側面端面どちらの剛性にも優れ、更に耐火試験で樹脂溶融は見られず、耐火性に優れるものであった。一方で、比較例4は、剛性および耐火性の両方に劣るものであった。
 本発明のケース構造体は、軽量で耐火性能に優れることから、輸送機械用部品のケース、なかでもバッテリーケースに好適に用いることができる。
1 溝形状に補強材料を有する樹脂層
2 溝形状
3 補強材料
4 肉盛り形状に補強材料を有する樹脂層
5 肉盛り形状
6 樹脂層と金属層を接着接合したケース構造体
7 リブ形状を有する樹脂層
8 ハット形状を有する金属層
9 接着剤
10 空気層
11 樹脂層と金属層を樹脂かしめ接合したケース構造体
12 リブ形状を有する樹脂層
13 ハット形状を有する金属層
14 かしめ部
15 水平面に対して傾斜する空気層を有するケース構造体
16 リブ形状を有する樹脂層
17 ハット形状を有する金属層
18 接着剤
19 空気層
20 空気層の上面
21 空気層の下面
22 水平面
23 EVの駆動用バッテリーケースの下トレー
24 箱型形状の樹脂層
25 連続したハット形状の金属層
26 補強フレームを兼ねる金属層
27 熱可塑UDテープ
28 ハット形状
29 ボス形状
30 ボス形状を支えるリブ形状
31 接合部
32 空気層
33 組付け部
34 フランジ部
35 EVの駆動用バッテリーケースの下トレー
36 樹脂層
37 連続したハット形状の金属層
38 補強フレームを兼ねる金属層
39 アイソグリッド状のリブ形状
40 接合部
41 空気層
42 EVの駆動用バッテリーケースのスチール製下トレー
43 第1フレーム
44 第2フレーム
45 ビーム
46 第3フレーム
47 部分ケース構造体
48 樹脂板
49 十字リブ形状
50 空気層
51 金属板
52 樹脂平板と金属板の積層構造体
53 樹脂平板
54 空気層
55 金属板
56 1方向リブ形状を有する樹脂板と金属板の積層構造体
57 1方向リブ形状を有する樹脂板
58 1方向リブ形状
59 空気層
60 金属板
S 接合部

Claims (15)

  1.  少なくとも厚み方向に金属層と樹脂層を配置した、移動体の乗員空間外に設置される部品向けケース構造体であり、前記金属層が、最外層に配置されており、前記樹脂層が、少なくとも2方向に延在する補強形状を有し、前記2方向は、第三角法における平面図において互いに交差しており、前記金属層と前記樹脂層が互いに接合部で接合されており、接合部を除く領域の、前記金属層と前記樹脂層の間に空気層を有する、ケース構造体。
  2.  前記補強形状が、前記2方向に加えて、前記第三角法における平面図における第3の方向に延在する、請求項1に記載のケース構造体。
  3.  前記補強形状が凹凸形状である、請求項1または2に記載のケース構造体。
  4.  前記凹凸形状の反金属層側の面に、連続した強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる繊維強化熱可塑性樹脂テープ状シートが配置された、請求項3に記載のケース構造体。
  5.  前記凹凸形状がリブ形状である、請求項3または4に記載のケース構造体。
  6.  前記凹凸形状がハット形状である、請求項3または4に記載のケース構造体。
  7.  前記リブ形状が、連続した多角形を形成する、請求項5に記載のケース構造体。
  8.  前記空気層が水平面に対し傾斜している、請求項1から7のいずれかに記載のケース構造体。
  9.  前記空気層の厚みが1mm以上3mm以下である、請求項1から8のいずれかに記載のケース構造体。
  10.  前記空気層に、耐炎化糸マットが設置されている、請求項1から9のいずれかに記載のケース構造体。
  11.  前記樹脂層が、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ABS、ポリフェニレンサルファイドから選ばれる少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂を含む、請求項1から10のいずれかに記載のケース構造体。
  12.  前記樹脂層が、溶融温度250℃以上400℃以下の熱可塑性樹脂を含む、請求項1から11のいずれかに記載のケース構造体。
  13.  前記樹脂層が、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維から選ばれる少なくとも1種類以上の強化繊維を含む、請求項1から12のいずれかに記載のケース構造体。
  14.  前記接合部の接合方法が、リベット接合、ねじ接合、接着、溶着から選ばれる少なくとも1つの接合方法である、請求項1から13のいずれかに記載のケース構造体。
  15.  電気自動車の駆動用バッテリーを収納するバッテリーケースが、少なくとも上カバーと下トレーを含む箱型形状であり、下トレーの上面側にバッテリーモジュールを固定し、前記上カバーおよび/または下トレーに、請求項1から14のいずれかに記載のケース構造体が含まれる、バッテリーケース。
PCT/JP2022/008923 2021-03-24 2022-03-02 ケース構造体、およびバッテリーケース WO2022202167A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022515523A JPWO2022202167A1 (ja) 2021-03-24 2022-03-02

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021049797 2021-03-24
JP2021-049797 2021-03-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2022202167A1 true WO2022202167A1 (ja) 2022-09-29

Family

ID=83396893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2022/008923 WO2022202167A1 (ja) 2021-03-24 2022-03-02 ケース構造体、およびバッテリーケース

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2022202167A1 (ja)
WO (1) WO2022202167A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024085233A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 三菱ケミカル株式会社 積層体

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045392A (ja) * 2001-07-31 2003-02-14 Sanyo Electric Co Ltd 自動車用の電源装置とこの電源装置を搭載する自動車
JP2012018797A (ja) * 2010-07-07 2012-01-26 Toray Ind Inc ケースおよびその製造方法
JP2012022991A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Toray Ind Inc 電気部品用容器
JP2012129074A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Mitsubishi Motors Corp バッテリケース
JP2012129107A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Mitsubishi Motors Corp シール構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045392A (ja) * 2001-07-31 2003-02-14 Sanyo Electric Co Ltd 自動車用の電源装置とこの電源装置を搭載する自動車
JP2012018797A (ja) * 2010-07-07 2012-01-26 Toray Ind Inc ケースおよびその製造方法
JP2012022991A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Toray Ind Inc 電気部品用容器
JP2012129074A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Mitsubishi Motors Corp バッテリケース
JP2012129107A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Mitsubishi Motors Corp シール構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024085233A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 三菱ケミカル株式会社 積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2022202167A1 (ja) 2022-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102478664B1 (ko) 전기자동차용 배터리 모듈 하부보호판
KR101204351B1 (ko) 샌드위치 구조체 및 그것을 사용한 일체화 성형체
US11283128B2 (en) Laminate, in-vehicle battery containing body, and method for producing in-vehicle battery containing body
US8092897B2 (en) Layered product, electromagnetic-shielding molded object, and processes for producing these
US8991900B2 (en) Vehicle skeleton member
US20120103714A1 (en) Battery pack housing assembly for electric vehicle using plastic composite material
WO2014109021A1 (ja) 繊維強化複合材料、その製造方法、それを用いたエレベータ用構成部材及びエレベータかご
JP4807477B2 (ja) プレス成形品の製造方法
US20230398772A1 (en) High-strength low-heat release composites
WO2022202167A1 (ja) ケース構造体、およびバッテリーケース
JP5836730B2 (ja) 難燃性複合材料およびエレベータのかご用部材
US20200363005A1 (en) 3d shaped assembly
KR20130137811A (ko) 연속섬유를 포함한 박판형 열가소성 복합소재로 제조된 차량용 언더바디
JP2013023184A (ja) 輸送機器用外板パネル及び輸送機器用外板パネルの製造方法
JP3853760B2 (ja) 車両用部材
JP7013873B2 (ja) 加工品の製造方法および加工品
US9567754B2 (en) Flooring assembly with heat dissipation layer
JP7376295B2 (ja) 繊維強化樹脂複合材及び繊維強化樹脂複合材の製造方法
US20160264229A1 (en) Aircraft Interior Panel Material and Manufacturing Method Therefor
JP2010046939A (ja) 一体化成形品の製造方法
JP7376293B2 (ja) 繊維強化樹脂複合材及び繊維強化樹脂複合材の製造方法
JP2006076366A (ja) 車両用複合パネル
JP4723270B2 (ja) 難燃性ハイブリッド複合材料を用いた容器の成形方法
JP2023054966A (ja) 補強構造体、補強部材の組み合わせ及びバックドア
JP2022061350A (ja) 繊維強化成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2022515523

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 22774963

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 22774963

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1