WO2022186387A1 - 調光シート及び調光装置 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】複数の測定位置にて測定された調光層11の厚さが、厚さの中央値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲に含まれ、各透明電極層12A,12Bに印加する駆動電圧を変化させたときのヘイズの変化を測定して得られた特性曲線のうち、ヘイズの変化率が0.5%/V以上である範囲における下限の駆動電圧を第1電圧Va、上限の駆動電圧を第2電圧Vbとし、第1電圧Va及び第2電圧Vbの中間値をVmとし、複数の測定位置における特性曲線から得られた中間値Vmのうち、最小値Vminと最大値Vmaxとの差を、中間値Vmの平均値Vavrで除算した中間値のばらつきが、40%以下であることによって、調光シートの意匠性を高められる。

Description

調光シート及び調光装置
 本開示は、曇り度の可変な調光シート及び調光装置に関する。
 調光シートは、液晶組成物を含む調光層と、調光層を挟む一対の透明電極層とを備えている(例えば、特許文献1参照)。調光装置は、上記調光シートと、一対の透明電極層への駆動電圧の印加を制御する駆動部とを備えている。一対の透明電極層間の電位差に応じて液晶分子の配向状態が変わることにより、調光シートの光透過率が変わる。調光シートは、例えば、窓ガラスやガラス壁等の建材や、自動車の窓ガラス等に貼り付けられて、2つの空間を仕切る仕切り部材として機能する。
特開2017-187775号公報
 例えば、かすりや濃淡等の模様を有する障子紙が貼られた障子のように、調光シートが空間の装飾としても機能することは、仕切り部材としての適用範囲を大きく拡張させ得る。ところが、上述の調光シートは、駆動電圧の大きさに応じて、シート全域にわたって無色透明な状態、及び、光の散乱による単なる無地の白濁色を呈する状態のいずれかを示すにすぎない。そのため、調光シートにおける意匠性を高めることを強く求められている。
 上記課題を解決する調光シートは、樹脂層と配向粒子とを含む調光層と、前記調光層を挟む一対の透明電極層と、前記調光層及び一対の前記透明電極層を挟む一対の透明支持層と、を備え、複数の測定位置にて測定された前記調光層の厚さが、厚さの中央値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲に含まれ、前記調光層は、前記樹脂層に分散した複数の空隙に前記配向粒子を含有する構造を有し、前記透明電極層に印加する駆動電圧を変化させたときのヘイズの変化を測定して得られた特性曲線のうち、前記ヘイズの変化率の絶対値が0.5%/V以上である範囲における下限の駆動電圧を第1電圧Va、上限の駆動電圧を第2電圧Vbとし、前記第1電圧Va及び前記第2電圧Vbの中間値をVmとし、前記複数の測定位置における前記特性曲線から得られた前記中間値Vmのうち、最小値Vminと最大値Vmaxとの差を、前記中間値Vmの平均値Vavrで除算した前記中間値のばらつき{(Vmax-Vmin)/Vavr}×100が、40%以下である。
 上記課題を解決する調光装置は、駆動電圧に応じてヘイズが変化する調光シートと、前記調光シートに印加される駆動電圧を制御する駆動部とを備え、前記調光シートは、樹脂層と配向粒子とを含む調光層と、前記調光層を挟む一対の透明電極層と、前記調光層及び一対の前記透明電極層を挟む一対の透明支持層と、を備え、複数の測定位置にて測定された前記調光層の厚さが、厚さの中央値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲に含まれ、前記調光層は、前記樹脂層に分散した複数の空隙に前記配向粒子を含有する構造を有し、前記透明電極層に印加する駆動電圧を変化させたときのヘイズの変化を測定して得られた特性曲線のうち、前記ヘイズの変化率の絶対値が0.5%/V以上である範囲における下限の駆動電圧を第1電圧Va、上限の駆動電圧を第2電圧Vbとし、前記第1電圧Va及び前記第2電圧Vbの中間値をVmとし、前記複数の測定位置における前記特性曲線から得られた前記中間値Vmのうち、最小値Vminと最大値Vmaxとの差を、前記中間値Vmの平均値Vavrで除算した前記中間値のばらつき{(Vmax-Vmin)/Vavr}×100が、40%以下であって、前記駆動部は、前記駆動電圧を印加しない第1モードと、前記第2電圧Vb以上の電圧を印加する第2モードと、前記第1電圧Va及び前記第2電圧Vbの間の電圧を印加することによって前記調光シートのヘイズを前記第1モードにおけるヘイズ及び前記第2モードのヘイズの間のヘイズとする第3モードとを切り替える。
 調光シートのヘイズの変化率の絶対値が0.5%/V以上である場合は、その可視光のヘイズが、透明モード及び不透明モードの間となる中間調に対応する。上記構成によれば、複数の測定位置にて測定された調光層の厚さが、厚さの中央値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲に含まれることで、中間調に対応する駆動電圧の下限値である第1電圧Vaと上限値である第2電圧Vbとの中間値のばらつきが40%以下に抑えられる。中間値のばらつきが小さくなれば、中間値付近の一定の駆動電圧を印加して中間調モードとしたときに、ヘイズのばらつきを小さくすることができる。その結果、中間調モードにおける調光シートの美観を高めることができる。また、上記構成によれば、調光層を複数の空隙に配向粒子を含有する構造とすることによって、モードの切替に要する応答速度を低下することなく、調光シートのヘイズのばらつきを抑制することができる。よって、美観と実用性が維持された中間調モードを有する調光シートを実用に供することができる。よって、中間調モードを駆動モードの一つに加えることで調光シートの意匠性を高めることができる。
 上記調光シートについて、前記調光層は、一対の前記透明電極層のギャップを制御するスペーサを含み、前記調光層を前記透明電極層との接触面から観察したとき前記調光層の面積全体に対し複数の前記スペーサが占有する面積の合計の比率が0.9%以上30.0%以下であってもよい。
 上記構成によれば、複数のスペーサが占有する面積の比率である占有面積比率が0.9%以上30.0%以下であるため、透明電極層のギャップを制御して調光層の厚さのばらつきを小さくするとともに、透明モードにおけるスペーサ由来のヘイズを小さくすることができる。
 上記調光シートについて、前記空隙の直径が0.4μm以上2.2μm以下であってもよい。
 上記構成によれば、空隙の直径を0.4μm以上2.2μm以下とすることにより、樹脂層の空隙の中で配向粒子が電界に沿って配向しやすくなる。このため、ヘイズを制御しやすくなる。また、不透明モードにおいて透け感が生じず、可視光域での光の散乱性を良好とすることが可能となる。
 上記調光シートについて、前記第1電圧Vaと前記第2電圧Vbとの差が22V以下であってもよい。
 上記構成によれば、透明モード及び不透明モードの遷移に要する応答速度を適切な大きさにすることができる。また、透明モード及び不透明モードの遷移に要する消費電力を小さくすることができる。
 本開示によれば、調光シート及び当該調光シートを備えた調光装置の意匠性を高めることができる。
図1は、ノーマル型の調光シートを示す断面図である。 図2は、不透明モードの調光シートを示す平面図である。 図3は、透明モードの調光シートを示す平面図である。 図4は、中間調モードの調光シートを示す平面図である。 図5は、不透明モードの調光シートを示す断面図である。 図6は、透明モードの調光シートを示す断面図である。 図7は、中間調を呈する参考例の調光シートを示す平面図である。 図8は、従来の調光シートの電圧-ヘイズ曲線を示すグラフである。 図9は、同実施形態における調光シートの電圧-ヘイズ曲線を示すグラフである。 図10は、参考例の調光シートの電圧-ヘイズ曲線を示すグラフである。 図11は、リバース型の調光シートを示す断面図である。 図12は、実施例1~4及び比較例1,2の評価結果を示す表である。 図13は、実施例1の調光シートの電圧-ヘイズ曲線を示すグラフである。 図14は、実施例2の調光シートの電圧-ヘイズ曲線を示すグラフである。 図15は、実施例3の調光シートの電圧-ヘイズ曲線を示すグラフである。 図16は、実施例4の調光シートの電圧-ヘイズ曲線を示すグラフである。 図17は、比較例1の調光シートの電圧-ヘイズ曲線を示すグラフである。 図18は、比較例2の調光シートの電圧-ヘイズ曲線を示すグラフである。 図19は、実施例1の調光シートの調光層を示す電子顕微鏡写真である。 図20は、実施例2の調光シートの調光層を示す電子顕微鏡写真である。 図21は、実施例3の調光シートの調光層を示す電子顕微鏡写真である。 図22は、実施例4の調光シートの調光層を示す電子顕微鏡写真である。 図23は、比較例1の調光シートの調光層を示す電子顕微鏡写真である。 図24は、比較例2の調光シートの調光層を示す電子顕微鏡写真である。
 図面を参照して、調光シート及び調光装置の一実施形態を説明する。
 [調光装置の基本構造]
 図1を参照して調光シート及び調光装置の基本構造を説明する。
 図1が示すように、調光装置1は、調光シート10と、調光シート10への駆動電圧の印加を制御する駆動部20とを備えている。調光シート10は、通電時に可視光の直線透過率が高くなり、かつ非通電時に直線透過率が低くなるノーマル型の構造を有してもよい。調光シート10は、通電時に直線透過率が低くなり、かつ非通電時に直線透過率が高くなるリバース型の構造を有してもよい。
 なお、本実施形態は、ノーマル型の調光シート10Nを主に説明する。また、ノーマル型とリバース型とに共通する構成は、単に調光シート10として説明する。
 ノーマル型の調光シート10Nは、調光層11と、一対の透明電極層である第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bと、一対の透明支持層である第1透明支持層13A及び第2透明支持層13Bとを備えている。第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bは、調光層11を挟んでいる。第1透明支持層13A及び第2透明支持層13Bは、調光層11、第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bを挟んでいる。調光層11は、第1透明電極層12Aと、第2透明電極層12Bと、の間に位置する。調光層11は、第1透明電極層12Aと、第2透明電極層12Bと、に接する。第1透明支持層13Aは、第1透明電極層12Aを支持している。第2透明支持層13Bは、第2透明電極層12Bを支持している。
 第1透明電極層12Aの表面は、第1端子部15Aに接続されている。第1端子部15Aは、配線16Aを通じて駆動部20に接続されている。第2透明電極層12Bの表面は、第2端子部15Bに接続されている。第2端子部15Bは、配線16Bを通じて駆動部20に接続されている。第1端子部15Aは、調光シート10Nの端部のなかの第1透明電極層12Aが露出している領域に配置されている。第2端子部15Bは、調光シート10Nの端部のなかの第2透明電極層12Bが露出している領域に配置されている。第1端子部15A及び第2端子部15Bは、調光シート10Nの一部を構成する。
 駆動部20は、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間に駆動電圧を印加する。駆動電圧の大きさは可変であり、駆動部20によって制御される。
 調光層11は、透明な樹脂層と液晶組成物とを含む。調光層11は、例えば、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、カプセル型ネマティック液晶(NCAP:Nematic Curvilinear Aligned Phase)等を含む。高分子分散型液晶を含む調光層11は、独立した多数の空隙、又は独立した形状の一部が接合された形状を有する空隙を樹脂層のなかに備え、空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子ネットワーク型液晶は、3次元の網目状を有した高分子ネットワークを備え、高分子ネットワークが有する空隙に、配向粒子として液晶分子を保持する。カプセル型ネマティック液晶層は、カプセル状を有した液晶組成物を樹脂層のなかに保持する。本実施形態の調光層11は、高分子分散型液晶を含む。
 配向粒子としての液晶分子の一例は、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、及び、ジオキサン系のうちいずれか一つ又は複数である。調光層11が含む液晶分子は、例えば、誘電率異方性が正であって、液晶分子の長軸方向の誘電率が液晶分子の短軸方向の誘電率よりも大きい。
 第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bの各々は、可視光を透過させる透過性を有する。第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bを構成する材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ(CNT)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)から構成される群から選択されるいずれか1つであってよい。
 第1透明支持層13A及び第2透明支持層13Bは、可視光を透過させる。第1透明支持層13A及び第2透明支持層13Bは、合成樹脂又は無機化合物であってよい。合成樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、及び、ポリオレフィンなどである。ポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレートなどである。ポリアクリレートは、例えばポリメチルメタクリレートなどである。無機化合物は、例えば、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、及び、窒化ケイ素などである。
 第1端子部15A及び第2端子部15Bは、例えばフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)である。FPCは、支持層、導体部、及び保護層を備えている。導体部は、支持層と保護層とに挟まれている。支持層及び保護層は、絶縁性の合成樹脂によって形成されている。支持層及び保護層は、例えばポリイミドによって形成される。導体部は、例えば金属薄膜によって形成されている。金属薄膜を形成する材料は、例えば銅であってよい。第1端子部15A及び第2端子部15Bは、FPCに限らず、例えば金属製のテープであってもよい。
 なお、第1端子部15A及び第2端子部15Bは、図示されない導電性接着層によって、第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bに接合されている。第1端子部15A及び第2端子部15Bのうち、導電性接着層に接合する部分は、導体部が保護層または支持層から露出している。導電性接着層は、例えば、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)、等方性導電フィルム(ICF:Isotropic Conductive Film)、及び、等方性導電ペースト(ICP:Isotropic Conductive Paste)などによって形成されてよい。調光装置1の製造工程における取り扱い性の観点から、導電性接着層は、異方性導電フィルムであることが好ましい。
 各配線16A,16Bは、例えば、金属製のワイヤーと、金属製のワイヤーを覆う絶縁層とによって形成されている。ワイヤーは、例えば銅などによって形成されている。
 駆動部20は、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間に駆動電圧を印加する。駆動電圧は、矩形波状を有した交流電圧でもよい。駆動電圧は、正弦波状を有した交流電圧でもよい。駆動電圧は、直流電圧でもよい。
 調光層11は、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間の電圧の変化を受けて、液晶分子の配向を変える。液晶分子における配向の変化は、調光層11に入る可視光の散乱度合い、吸収度合い、及び、透過度合いを変える。
 [調光シート]
 図2~図6を参照して、ノーマル型の調光シート10Nの構造について、調光装置1の駆動モードとともに説明する。調光装置1は、透明モード、不透明モード、及び中間調モードの3つの駆動モードを有している。本実施形態の調光シート10Nにおいて、不透明モードは第1モードの一例であり、透明モードは第2モードの一例であり、中間調モードは第3モードの一例である。
 図2は、不透明モードの調光シート10Nを示す。不透明モードは、調光シート10Nの可視光の曇り度であるヘイズが、調光シート10Nのヘイズの変動範囲のうち最も大きくなるモードである。不透明モードにおいては第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間に駆動電圧が印加されていない。
 図3は、透明モードの調光シート10Nを示す。透明モードは、調光シート10Nのヘイズが、調光シート10Nのヘイズの変動範囲のうち最も小さくなるモードである。透明モードにおいては第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bのと間に所定の大きさの駆動電圧が印加されている。
 図4は、中間調モードの調光シート10Nを示す。中間調モードは、不透明モードの可視光のヘイズと透明モードのヘイズとの間のヘイズを調光シート10Nに発現させる駆動モードである。中間調モードは、調光シート10Nを半透過、かつ半散乱にする駆動モードである。中間調におけるヘイズは用途等に応じて調整可能である。中間調モードにおいては、透明モードで印加する駆動電圧よりも小さい電圧が第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間に印加されている。
 図5及び図6を参照して調光層11について詳述する。図5は、不透明モードの調光シート10Nの断面構造を模式的に示しており、第1透明支持層13A及び第2透明支持層13Bについては図示を省略している。調光層11は、樹脂層111及び液晶組成物112に加え、複数のスペーサ115を備えている。スペーサ115は、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間に位置している。スペーサ115は、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間のギャップを制御可能な形状であればよい。例えば、スペーサ115は、樹脂を主成分とし、球状や柱状の形状を有している。スペーサ115は、可視光を透過する。
 樹脂層111及び液晶組成物112は、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間の空間に位置し、かつ当該空間に散布されたスペーサ115の周囲の空間を埋める。樹脂層111は多数の空隙116を有している。空隙116は、独立した形状でもよいし、1つの空隙116における独立した形状の一部が他の空隙116に接合された形状でもよい。液晶組成物112は空隙116を埋める。液晶組成物112は、液晶分子114を含む。
 調光シート10Nの駆動モードが不透明モードである場合、液晶分子114は、第1透明電極層12Aの法線方向以外の方向であって、例えば不規則な方向に、液晶分子114の長軸を沿わせる。このため、空隙116のなかの液晶組成物112の屈折率と樹脂層111の屈折率との差によって調光層11に入射する可視光が散乱すると共に、透明モードの調光シート10Nと比べて直線透過率が低下して透明度が低くなる。
 図6は、透明モードで駆動される調光シート10Nであって、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間に、透明モード用の駆動電圧が印加された場合の調光シート10Nを示す。液晶分子114の長軸は、第1透明電極層12Aの法線方向と平行又は略平行な方向となるように配向する。これにより、調光層11に入射した光の散乱が小さくなると共に、不透明モードの調光シート10Nと比べてヘイズが低下して透明度が高くなる。
 また、中間調モードで駆動される調光シート10Nでは、液晶分子114の長軸が、第1透明電極層12Aの法線方向に対して交差する。これにより、透明モードの調光シート10Nに比べて入射光の散乱が大きく、かつ不透明モードの調光シート10Nに比べて入射光の散乱が小さい。
 図1及び図5,6に示す調光シート10Nを構成する各層の厚さと他の層の厚さの比は便宜的に示したものであり、実際の各層の厚さと他の層の厚さとの比は異なる。第1透明支持層13Aの厚さ、及び第2透明支持層13Bの厚さは、例えば50μm以上250μm以下である。第1透明電極層12Aの厚さ、及び第2透明電極層12Bの厚さは、例えば5nm以上100nm以下である。第1透明電極層12Aの厚さ、及び第2透明電極層12Bの厚さが5nm以上100nm以下である場合、調光シート10Nの駆動が安定するとともに、透明電極層に生じるクラックを低減させることができる。調光層11の厚さは、例えば、2μm以上30μm未満である。調光層11の形成において樹脂層111と液晶組成物112との相分離が容易に進むことを要求される場合、調光層11の厚さは30μm以下であることが好ましい。
 調光シート10は、例えば、車両及び航空機などの移動体が備える窓に取り付けられる。また、調光シート10は、例えば、住宅、駅、空港などの各種の建物が備える窓、オフィスに設置されたパーティション、店舗に設置されたショーウインドウ、及び、映像を投影するスクリーンなどに取り付けられる。調光シート10の形状は、取付対象物に応じた形状であればよく、平面状であってもよいし曲面状であってもよい。これらの対象物に調光シート10が取り付けられて、中間調モードに制御されることにより、観察者が、観察者の位置と調光シート10を挟んで反対側に位置する物体の存在を視認可能であって且つ物体が明瞭には見えない状態とすることができる。
 [調光シートの製造方法]
 調光シート10Nの製造方法の一例を説明する。第1透明電極層12Aを表面に備えた第1透明支持層13Aからなるシートと、第2透明電極層12Bを表面に備えた第2透明支持層13Bからなるシートとを準備する。第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bは、スパッタリング、真空蒸着、コーティング等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
 次に、ジビニルベンゼン等を主原料とするスペーサ115とスペーサ115を分散させた分散媒とを含む液状体を、第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bの少なくとも一方に塗布する。さらに、液状体を塗布したシートを加熱し、分散媒を除去する。
 調光層11の前駆体である塗布材を準備する。塗布材は、重合性組成物及び液晶組成物を含む。そして、スペーサ115が散布された第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bの少なくとも一方に塗布剤を塗布して前駆体層を形成する。次に、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間に前駆体層を挟むように、一対のシートを貼り合わせる。前駆体層の形成には、例えば、インクジェット法、グラビアコーティング法、スピンコーティング法、スリットコーティング法、バーコーティング法、フレキソコーティング法、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法等の公知の塗布方法が用いられる。
 続いて、前駆体層、第1透明電極層12A、第2透明電極層12B、第1透明支持層13A、および第2透明支持層13Bを備える積層体に、紫外線等の重合性組成物の重合反応を進行させる波長の光線が照射される。これにより、前駆体層の重合性組成物に含まれるモノマーやオリゴマーが重合すると共に、樹脂層111と液晶組成物112との相分離が進む。そして、空隙116に液晶分子が保持された調光層11が形成される。
 積層体は、例えば、ロール・ツー・ロール方式の利用により大判のシート状に形成される。積層体の一部は、調光シート10Nの貼付対象に応じた所望の形状に切り出される。そして、積層体の一部である切り出されたシートに対して第1端子部15A及び第2端子部15Bが形成されることによって、調光シート10Nが形成される。
 [中間調]
 次に、参考例の調光シート100を中間調とすることについて説明する。参考例において、調光シート100は、ノーマル型である。参考例の調光シート100に印加する駆動電圧は、不透明モードにおいて印加する駆動電圧よりも高く且つ透明モードにおいて印加する駆動電圧よりも低い。これによって、透明と不透明との中間である中間調に調光シート100を駆動することは可能である。しかし、単に駆動電圧を調整することのみでは、参考例の調光シート100を中間調に駆動したときの調光シート100の美観が得られがたい。
 図7は、中間調に駆動された参考例の調光シート100であって、調光シート100の一部を模式的に示したものである。調光シート100には、ヘイズのばらつきが生じている。この調光シート100は、ヘイズが低く直線透過率が高い領域101と、ヘイズが高く直線透過率が低い領域103と、ヘイズがそれらの領域101,103の間である領域102とを含む。このように調光シート100の平面内においてヘイズのばらつきが大きいと、調光シート100のなかの一部のヘイズが当該一部に隣接する他部とは異なる。結果として、調光シート100のなかの一部分が斑状に現れるため、調光シート100の美観が低下する。また、中間調とした調光シート100が部分的に透明になると、中間調としての機能が十分に発揮できない可能性がある。なお、図7に示す例は、斑状の外観を呈する調光シートを模式的に示すものである。中間調に駆動された調光シート100のヘイズは、1つの調光シート100が3つ以上の別々の領域に視認される程度に分かれたり、ヘイズの相互に異なる領域が縞状以外の幾何学形状や不定形状を呈するように分かれたりする。
 図8は、参考例の調光シート100に印加される駆動電圧に対するヘイズの変化を示すV-H曲線である。V-H曲線51~53は、一つの調光シート100のうち相互に異なる3つの測定位置におけるV-H曲線を示す。不透明モードにおいて、ヘイズは最大値Hmaxに収束する。透明モードにおいて、ヘイズは最小値Hminに収束する。ヘイズが最大値Hmaxと最小値Hminとの間である中間調モードでは、中間調を呈することが可能な駆動電圧が調光シート100に印加されたとき、相互に異なる複数の測定位置の間でヘイズのばらつきが大きくなることがある。これは、中間調を呈することが可能な駆動電圧を調光シート100に印加したときの1Vあたりのヘイズの変化率ΔH/Vが不透明モード及び透明モードに比べて大きいためである。変化率ΔH/Vが大きいことは、中間のヘイズを実現可能にする一方、調光シート100の面内に形成される電場の相違をヘイズの相違として顕在化させる。
 次に、本実施形態における調光シート10Nの特性について説明する。
 (ヘイズのばらつき)
 中間調における調光シート10Nのヘイズのばらつきの大きさは、以下の手順に沿って求めた、中間調モードの駆動電圧のばらつきで表すことができる。
 ・調光シート10Nの平面のうち、3つ以上の複数の測定位置において駆動電圧を変化させながら各測定位置のヘイズをそれぞれ測定し、測定位置毎のV-H曲線を取得する。
 ・各測定位置のV-H曲線について、調光シート10Nを不透明状態とする駆動電圧と、透明状態とする駆動電圧との間の電圧範囲を特定する。すなわち、V-H曲線のうち、ヘイズの「1V」あたりの変化率の絶対値が0.5(%/V)以上である電圧範囲を、各測定位置のV-H曲線について特定する。この電圧範囲は、当該電圧範囲を特定された測定位置について、調光シート10Nに中間調を呈することが可能な駆動電圧の範囲である。
 ・図9に例示するように、中間調を呈する電圧範囲における下限値を「第1電圧Va」、上限値を「第2電圧Vb」とし、それらの中間値{(Va+Vb)/2}を「中間値Vm」とする。そして測定位置毎に、第1電圧Va、第2電圧Vb及び中間値Vmを得る。この中間値Vmは、調光シート10Nのヘイズを、最大値Haと最小値Hbとのほぼ中間とする駆動電圧である。
 ・測定位置の数を「n(≧3)」とするとき、各測定位置P(P1,P2,…Pn)で得られた中間値Vm(Vm1,Vm2,…Vmn)のうち、「最小値Vmin」及び「最大値Vmax」、中間値Vmの平均値「Vavr」を求める。そして、以下の式(1)のように最大値Vmaxと最小値Vminとの差分を平均値Vavrで除算した値の百分率を、中間値VmのばらつきVmvとする。
 Vmv(%)={(Vmax-Vmin)/Vavr}×100 …(1)
 上記のように求められた調光シート10Nの中間値VmのばらつきVmvは、40%以下である。中間値VmのばらつきVmvが40%を超えると、ヘイズのばらつきが肉眼で確認されるようになる。
 (調光層の厚さ)
 調光層11のなかの複数の測定位置において測定された調光層11の厚さは、複数の測定位置の厚さのなかの中央値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲に含まれる。換言すると、各測定位置において測定された調光層11の厚さと中央値との差は、中央値の「-20%」以上「+20%」以下の範囲に含まれる。本発明者らは、調光シート10Nのヘイズのばらつきが調光層11の厚さのばらつきに由来することを見出した。調光層11の厚さのばらつきを小さくすることにより、中間値VmのばらつきVmvを小さくすることができる。なお、測定位置の数は、210mm×297mmのA4サイズにおいて3箇所以上であり、好ましくは10箇所以上である。中央値は、測定位置における調光層11の厚さを小さい順に並べたとき中央に位置する値である。調光層11の厚さが上記範囲外となる場合、例えば図7に例示されるようなヘイズのばらつきが生じる。
 (スペーサ占有面積)
 調光層11を第1透明電極層12A又は第2透明電極層12Bを介して二次元の面として観察したとき、観察した面全体に占めるスペーサ115の面積は0.9%以上30.0%以下であることが好ましい。スペーサ115の占有面積は、調光層11の所定範囲を光学顕微鏡で観察することにより算出することができる。観察する所定範囲は、例えば1mm×1mmの範囲である。スペーサ115は、スペーサ115の屈折率が樹脂層111との屈折率と異なるため、スペーサ115が無い領域に比べ白色を呈し、スペーサ115のない領域と識別可能である。このため、上記所定範囲の観察における複数のスペーサ115の面積の和を占有面積とし、スペーサ115の占有面積を上記所定範囲の面積で除算することによりスペーサ115の占有面積比率を算出することができる。スペーサ115の占有面積比率が0.9%未満であると、第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bのギャップを適切に制御できず、調光層11の厚さのばらつきが大きくなる。スペーサ115の占有面積比率が30.0%を超えると、調光層11のうちスペーサ115の割合が大きすぎて透明状態の調光シート10Nの透明度が低下する。また、スペーサ115の占有面積比率が15.0%以下であると、調光シート10Nの透明駆動時の透明度をさらに高めることができる。
 (モード切替電圧)
 調光シート10Nのヘイズにばらつきが生じる現象は、V-H曲線のうち、ヘイズを最大値Haとする第1電圧Va以上であって、ヘイズを最小値Hbとする第2電圧Vb以下の範囲におけるカーブが急峻である場合に顕著になる。V-H曲線の傾きが緩やかである場合、面内の相互に異なる位置でヘイズのばらつきがあっても単位電圧当たりのヘイズの変化量が小さいため、ヘイズのばらつきが外観上判別しにくい。
 図10は、ヘイズが最大値Haよりも小さく最小値Hbよりも大きい範囲における曲線の傾きが緩やかなV-H曲線を示す。この場合、不透明モードと透明モードとの間の可逆的な切り替えに要する応答速度が小さくなり、切り替えに要する応答時間が長くなる。このため、切り替えの応答性を高めることが要求される場合、調光シート10Nが210mm×297mmのいわゆるA4サイズであるとき、不透明モードと透明モードとを可逆的に切り替えるための電圧の差が22V以下であることが好ましい。
 高分子分散型液晶から構成される調光シート10Nにおいて、調光層11を構成する樹脂層に、独立した多数の空隙116、又は独立した形状の一部が接合された形状を有する空隙116を適切な状態で含まない場合、第1電圧Va及び第2電圧Vbの差が22V以下とならず、応答速度が低下する。可視光域での光の散乱性を良好とする上では、空隙116は、最大内径である直径が0.4μm以上2.2μm以下であって、樹脂層111に多数設けられていることが好ましい。空隙116の直径が0.4μm以上であれば、不透明モードにおいて透け感が抑えられ、かつ十分なヘイズが得られる。また、空隙116の直径が2.2μm以上であれば、調光層11中の樹脂層の割合が過少であることを抑え、これにより調光層11の強度が不足することを抑える。調光層11に多数の空隙116を適切な状態で含み、少なくとも調光層11の厚さ、及び調光シート10Nの中間値VmのばらつきVmvが上記の条件を満たす場合には、中間調におけるヘイズのばらつきを抑制しつつ、応答速度が適切な調光シート10を得ることができる。
 本実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
 (1)調光シート10Nの単位電圧当たりにおけるヘイズの変化率の絶対値が0.5%/V以上である調光シート10Nの状態は、透明モードのヘイズと不透明モードのヘイズとの中間のヘイズを実現可能にする。上記実施形態によれば、複数の測定位置にて測定された調光層11の厚さを、厚さの中央値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲に含めることによって、中間調に対応する駆動電圧の下限値である第1電圧Vaと上限値である第2電圧Vbとの中間値のばらつきが40%以下に抑えられる。中間値のばらつきが小さくなれば、中間値付近の一定の駆動電圧を調光シート10Nに印加して中間調とした場合に、調光シート10Nのヘイズのばらつきを小さくすることができる。その結果、中間調モードにおいてヘイズのばらつきが肉眼で確認されなくなるため、中間調モードとしたときの調光シート10Nの美観を高めることができる。また、上記実施形態によれば、調光層11を複数の空隙116に液晶分子114を含有する構造とすることによって、モードの切替に要する応答速度を低下することなく、調光シート10Nのヘイズのばらつきを抑制することができる。よって、美観と実用性が維持された中間調モードを有する調光シートを実用に供することができる。よって、中間調モードを駆動モードの一つに加えることで調光シート10Nの意匠性を高めることができる。
 (2)調光層11を、複数の空隙116に液晶分子114を含有する構造とすることによって、不透明モード及び透明モードの切り替えに要する応答速度を過剰に小さくすることなく、中間調のヘイズのばらつきの発生を抑制することができる。
 (3)スペーサ115が占有する面積の合計の比率である占有面積比率が0.9%以上30.0%以下であるため、第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bのギャップを制御して調光層11の厚さのばらつきを小さくするとともに、透明モードにおいてスペーサ115に由来するヘイズを小さくして透明度を高めることができる。
 (4)調光層11を構成する樹脂層111が有する空隙116の直径を、0.4μm以上2.2μm以下とすることにより、樹脂層111の空隙116の中で液晶分子114が電界に沿って配向しやすくなる。このため調光シート10のヘイズを制御しやすくなる。また、不透明モードにおいて透け感が生じず、可視光域での光の散乱性を良好とすることが可能となる。
 (5)ヘイズの変化率が0.5%/Vとなる駆動電圧の下限値である第1電圧Vaと上限値である第2電圧Vbとの差が22V以下であるため、透明状態及び不透明状態の遷移に要する応答速度を適切な速度にすることができる。また、透明状態及び不透明状態の遷移に要する消費電力を小さくすることができる。
 [変形例]
 上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。また、以下の各変形例及び上記実施形態は、組み合わせて実施してもよい。
 ・上記実施形態では、調光シート10をノーマル型の調光シート10Nとした。これに代えて、調光シート10をリバース型の調光シート10Rとしてもよい。
 図11はリバース型の調光シート10Rを示す。リバース型の調光シート10Rは、調光層11、第1透明電極層12A、第2透明電極層12B、第1透明支持層13A及び第2透明支持層13Bに加えて、調光層11を挟む一対の配向層である第1配向層14A及び第2配向層14Bを備えている。第1配向層14Aは、調光層11と第1透明電極層12Aとの間に位置し、第2配向層14Bは、調光層11と第2透明電極層12Bとの間に位置する。第1配向層14A及び第2配向層14Bは、第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bが等電位にあるときに、調光層11が含む液晶分子114の長軸方向を第1配向層14A及び第2配向層14Bの法線方向に沿わせるように配向する。一方、第1配向層14A及び第2配向層14Bは、第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bに電位差が生じているときに、調光層11が含む液晶分子114の長軸方向を法線方向以外の方向とする。例えば、液晶分子114の長軸方向を不規則とするか、もしくは基板に平行に配列が行われる。第1配向層14A及び第2配向層14Bを構成する材料としては、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレートが挙げられる。また液晶分子も誘電率異方性が負であり、液晶分子の長軸方向の誘電率が液晶分子の短軸方向の誘電率より小さいものを使用することができる。この調光シート10Rにおいて、透明モードは第1モードの一例であり、不透明モードは第2モードの一例であり、中間調モードは第3モードの一例である。リバース型の調光シート10Rにおいても、調光シート10Rの中間値VmのばらつきVmv、調光層11の厚さ、スペーサ占有面積、モード切替電圧等の条件は上記実施形態の調光シート10Nと同様である。
 ・上記実施形態では、調光シート10Nは、スペーサ115を含む調光層11を備える。これに代えて、調光層11の厚さのばらつきが、厚さの中央値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲に含まれれば、ノーマル型の調光シート10N及びリバース型の調光シート10Rはスペーサ115を含まない調光層11を備える構成であってもよい。
 ・上記実施形態では、調光層11を、樹脂層111及び液晶組成物112を有する構造とした。これに代えて、調光シート10を、配向粒子としての光調整粒子を有するSPD(SuspendedParticleDevice)方式のものとしてもよい。SPD方式は、光調整粒子を含む光調整懸濁液を、樹脂マトリックス中に分散させる方式である。SPD方式の調光シートにおいても、調光シート10の中間値VmのばらつきVmv、調光層11の厚さ、スペーサ占有面積、及びモード切替電圧は上記実施形態と同様である。
 [実施例]
 図12~図24を参照して、上記実施形態の一例である実施例について具体的に説明する。なお、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
 [実施例1]
 ITO膜が形成されたPET基材を一対準備した。ITO膜の厚さは30nmであり、PET基材の厚さは125μmであった。次いで、ジビニルベンゼンを主材料とする直径25μmのスペーサをアルコール系溶媒に分散させた分散液を調整した。そしてこの分散液を、ITO膜が設けられたPET基材に散布し、オーブンにより100℃で加熱し、溶媒を除去した。スペーサの占有面積比率は、調光シートのうち任意の位置における1mm×1mmの範囲を光学顕微鏡で観察した。白く視認された領域が観察範囲に占める比率をスペーサの占有面積比率として計算した。同様に、調光シートのなかの他の位置における1mm×1mmの範囲についても観察し、合計5箇所の観察範囲についてそれぞれ占有面積比率を求めた。そして、占有面積比率の平均を求めた。実施例1のスペーサ占有面積は、1.50%であった。
 スペーサ散布済の透明電極層に高分子分散型液晶塗料(KN-F-001-01-00、九州ナノテック光学株式会社製)を塗布した後、照度が20mW/cmの高圧水銀灯を用いて350nm以下の波長をカットし、窒素雰囲気下、照射時間が30秒となるように紫外線照射を行った。その際、紫外線を照射している際の照射装置内の温度は25℃に制御した。このように調光層が設けられたシートに他方のITO膜付きPET基材を積層し、圧力をかけながら貼合することで調光シートを得た。
 次に、幅が210mmであり、長さが297mmである矩形状に、調光シート10を切断した。また、調光シート10の一方の面の短辺である端部に切り込みを入れ、幅方向に25mm且つ長さ方向に3mmに亘って、一方の透明支持層であるPET基材、及び当該PET基材に支持される透明電極層を、金属板を用いて、調光シートから剥離した。さらに、調光層11のなかで、PET基材と透明電極層との剥離によって露出した部分を、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、トルエン等の溶媒を用いて調光シート10から除去し、他方の透明電極層を露出させた。これによって、調光シート10に第1端子を形成した。調光シート10の他方の面においても、第1端子部を形成した短辺のなかで、第1端子部が形成された部位から短辺の延在方向に離れた部位に、同様の処理を行い、一方の透明電極層を露出させた。これによって、調光シート10に第2端子部を形成した。
 [実施例2]
 スペーサの占有面積率が15.0%となるようにスペーサを散布し、かつスペーサの占有面積率以外を実施例1と同様にして、実施例2の調光シートを作製した。
 [実施例3]
 スペーサの占有面積率が0.9%となるようにスペーサを散布し、かつスペーサの占有面積率以外を実施例1と同様にして、実施例3の調光シートを作製した。
 [実施例4]
 スペーサの占有面積率が30.0%となるようにスペーサを散布し、かつスペーサの占有面積以外を実施例1と同様にして、実施例4の調光シートを作製した。
 [比較例1]
 スペーサの占有面積率が0.45%となるようにスペーサを散布し、かつスペーサの占有面積率以外を実施例1と同様にして、比較例1の調光シートを作製した。
 [比較例2]
 実施例1と同様に、スペーサ散布済の透明電極層に高分子分散型液晶塗料を塗布した後、紫外線を照射する際、照射装置内の温度を45℃に制御した。そして、紫外線照射時の温度以外を実施例1と同様にして、比較例2の調光シートを作製した。
 [調光シートの評価]
 図12は、実施例1~4及び比較例1,2について次の項目毎に評価を行った結果を示す。
 (ヘイズのばらつき)
 実施例1~4及び比較例1,2の調光シートについて、5つの測定位置におけるヘイズの測定を行った。PET基材と透明電極層との剥離によって露出させた透明電極層の部分である第1端子部と第2端子部とを、交流電源装置(菊水電子製 PCR-3000WE)に接続し、周波数60Hzにて0Vからヘイズが飽和するまで、透明電極層間を昇圧した。また、一つの測定位置について、5Vの昇圧を行う都度、ヘイズメーター(スガ試験機製NDH-7000SP)を用いてヘイズを測定した。さらに駆動電圧とヘイズの関係をグラフ化してV-H曲線を得た。図13~図18は、一つの測定位置におけるV-H曲線の一例を示す。
 同様に、上記した手順と同様の手順で、調光シートの面内における他の測定位置についてV-H曲線を得た。
 5つの測定位置のうち、2箇所は、第1端子部及び第2端子部が設けられた一方の短辺から他方の短辺に向かう方向へ30mm離れた位置であって、一方の長辺から300mm離れた位置と、他方の長辺から30mm離れた位置とである。また、他の2箇所は、第1端子部及び第2端子部が設けられていない短辺から第1端子部及び第2端子部が設けられた短辺に向かう方向へ30mm離れた位置であって、一方の長辺から30mm離れた位置と、他方の長辺から30mm離れた位置とである。さらに残りの1箇所は、調光シートを正面からみたときの中心部である。すなわち、幅が210mmであり、かつ長さが297mmである矩形状の調光シート10において、5つの測定位置は、調光シート10の縁から30mmだけ離れた四隅、および調光シート10の中央部である。直線透過率の測定位置は、調光シート10Nの全体における直線透過率のばらつきを表すように配置される。
 各測定位置において得られたV-H曲線について、それぞれヘイズの変化率の絶対値が0.5(%/V)以上である範囲を特定した。さらに、特定した電圧範囲における下限値を「第1電圧Va」、上限値を「第2電圧Vb」とし、それらの中間値{(Va+Vb)/2}を「中間値Vm」とした。また、1つの調光シートのなかで相互に異なる測定位置について求めた中間値Vmのうち、「最小値Vmin」及び「最大値Vmax」、中間値Vmの平均値「Vavr」を求めた。そして、上記の式(1)のように最大値Vmaxと最小値Vminとの差分を平均値Vavrで除算した値を、中間値VmのばらつきVmvとした。
 (調光層の厚さ)
 走査型電子顕微鏡を用いて調光シートの断面を観察し、調光シートの全体の厚さである全体厚さを測定した。また、走査型電子顕微鏡を用いて調光シートの断面を観察し、透明電極層付きの透明支持層の厚さ、すなわちPET基材の厚さと透明電極層の厚さとの合計である支持層厚さとを測定した。全体厚さから支持層厚さを減算して、調光層の厚さを得た。調光シート10Nの正面のうち、相互に異なる10箇所について全体厚さ及び支持層厚さを測定し、各測定位置における調光層の厚さを求めた。調光層の厚さの測定位置は、ヘイズの測定位置と同様に、調光シート10Nの周縁部と中央部とを含む全体における厚さのばらつきを表すように配置される。また、10箇所の調光層の厚さの中央値と、最小値及び最大値とを求めた。さらに、最小値と中央値との差の絶対値、中央値と最大値との差の絶対値の中央値に対する割合を求めた。
 (目視による外観)
 調光シートに印加する駆動電圧を変化させ、中間調の状態を目視した。見た目のヘイズが均一である状態を「◎」又は「〇」とし、ヘイズが不均一で斑状になっている状態を「×」とした。なお、透明モードの透明度が実用上十分であるものを「〇」、透明モードの透明度がさらに高いものを「◎」とした。
 (モード切替電圧)
 不透明モードと透明モードとを切り替える際に要する電圧として、上記の5箇所の測定位置毎に、第1電圧Vaから第2電圧Vbまでの電圧(Vb-Va)を求めた。さらに、5箇所の測定位置の電圧(Vb-Va)の平均値を求めた。不透明モードと透明モードとを可逆的に切り替える際に消費される電力は電圧に依存するため、切り替えに要する電圧(Vb-Va)が低いほど、消費電力が低い。なお、電圧(Vb-Va)が大きいと、不透明モードから透明モードに切り替える際の応答速度が小さく、切り替えるまでに時間を要する。
 (空隙の大きさ)
 走査型電子顕微鏡を用いて調光層の断面を観察することによって、空隙の大きさを求めた。空隙の大きさを求める際には、まず、調光層から液晶分子を含む液晶組成物を取り除いた。実施例1~4の調光シート、比較例1,2の調光シートの各々から、一辺の長さが10cmである正方形状を有した試験片を切り出した。そして、各試験片をイソプロピルアルコールに浸すことによって、調光層から液晶組成物を取り除いた。なお、液晶組成物を溶解し、かつ、樹脂層を溶解しない有機溶媒に試験片を浸すことによって、試験片から液晶組成物を取り除くことが可能である。
 そして、走査型電子顕微鏡を用いて液晶組成物を取り除いた試験片の断面を撮像した。この際に、試験片の断面に対して30箇所の矩形領域を任意に設定した。そして、各領域について、拡大倍率が1000倍であるように、走査型電子顕微鏡を用いて画像を得た。なお、互いに隣り合う矩形領域の間の距離が1mm以上であるように、30箇所の矩形領域を設定した。
 図19~図23は、実施例1~4及び比較例1,2の電子顕微鏡写真である。各画像において10個の空隙を任意に選択し、各空隙の大きさを測定した。10個の空隙における大きさの最大値と最小値とをその画像での空隙の大きさにおける最大値と最小値とに設定した。各画像において空隙の大きさにおける最大値と最小値とを算出した。30箇所の画像において求められた最大値のうちの最大値を試験片での空隙の大きさにおける最大値に設置した。また、30箇所の画像において求められた最小値のうちの最小値を試験片での空隙の大きさにおける最小値に設定した。
 なお、画像に含まれる空隙のうち、円形状を有した空隙では、空隙の直径を空隙の大きさに設定した。また、画像に含まれる空隙のうち、楕円形状を有した空隙では、当該空隙の長径を空隙の大きさに設定した。また、画像に含まれる空隙のうち、不定形状を有した空隙では、当該空隙に外接する円の直径を空隙の大きさに設定した。
 [評価結果]
 (調光層の厚さのばらつき)
 実施例1~4、及び比較例2の調光シートについて、各測定位置における調光層の厚さのばらつきは、中央値との差の絶対値が20%以内の範囲に含まれた。一方、スペーサの占有面積比率が好適な範囲を下回った比較例1については、各測定位置における調光層の厚さと中央値との差の絶対値は最大で40%となり、ばらつきが大きいことが認められた。
 (ヘイズのばらつき)
 実施例1~4及び比較例2の調光シートは、ヘイズを最大値Haに収束させる第1電圧Vaと最小値Hbに収束させる第2電圧Vbとの中間値VmのばらつきVmvが、いずれも40%以下であることが認められた。一方、スペーサの占有面積比率が好適な範囲を下回り、調光層の厚さのばらつきが好適な範囲を上回った比較例1の調光シートについては中間値VmのばらつきVmvが47.6%と大きいことが認められた。
 (目視による外観)
 実施例1~4及び比較例2は、「◎」又は「〇」であった。スペーサの占有面積比率が好適な範囲を超える実施例4については、透明モードにおいてやや白濁しており透明度が不足していたため「〇」とした。なお、実施例4におけるヘイズの最小値Hbは14.4%であり、実施例1~3よりも高いことが認められた。
 (空隙の大きさ)
 実施例1~4及び比較例1は、空隙の大きさの平均が1.0μm~1.3μmとなった。実施例1~4及び比較例1において、空隙の形状や間隔は同等であった。一方、比較例2は、空隙が確認できなかった。
 (モード切替電圧)
 実施例1~4及び比較例1は、18.0V~22.0Vであった。比較例2は99.2Vであり消費電力が大きいことが認められた。
 以上のように、各測定位置における調光層の厚さと中央値との差の絶対値が20%以下であるような、調光層の厚さのばらつきが小さい場合、中間調におけるヘイズのばらつきが40%以下に抑えられることが認められた。また、調光層に、0.4μm以上2.2μm以下の大きさであって大きさの平均値が1.0μm以上1.3μm以下となる程度の複数の空隙が形成される調光シートについては、ヘイズのばらつきが小さく、かつ消費電力が低い他、応答速度が高められることが認められた。なお、上述した実施例に認められた効果は、中間値Vmの分布が特定されることによって得られる効果である。そのため、上述した効果は、高分子分散型の調光シートと同様に、調光シートに形成される電場に依存して直線透過率が変化する高分子ネットワーク型においても、中間値Vmの分布が特定されることによって同様に得られる。また、上述した実施例に認められた効果は、調光層における空隙の大きさが特定されることによって得られる効果である。そのため、上述した効果は、調光シートに形成される空隙のなかで液晶分子が電場に応答する高分子ネットワーク型においても、空隙の大きさが特定されることによって同様に得られる。
 1…調光装置
 10…調光シート
 11…調光層
 12A,12B…透明電極層
 13A,13B…透明支持層
 20…駆動部
 111…樹脂層
 114…配向粒子としての液晶分子
 116…空隙

Claims (5)

  1.  樹脂層と配向粒子とを含む調光層と、
     前記調光層を挟む一対の透明電極層と、
     前記調光層及び一対の前記透明電極層を挟む一対の透明支持層と、を備え、
     複数の測定位置にて測定された前記調光層の厚さが、前記厚さの中央値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲に含まれ、
     前記調光層は、前記樹脂層に分散した複数の空隙に前記配向粒子を含有する構造を有し、
     前記透明電極層に印加する駆動電圧を変化させたときのヘイズの変化を測定して得られた特性曲線のうち、前記ヘイズの変化率の絶対値が0.5%/V以上である範囲における下限の前記駆動電圧を第1電圧Va、上限の前記駆動電圧を第2電圧Vbとし、前記第1電圧Va及び前記第2電圧Vbの中間値をVmとし、
     前記複数の測定位置における前記特性曲線から得られた前記中間値Vmのうち、最小値Vminと最大値Vmaxとの差を、前記中間値Vmの平均値Vavrで除算した前記中間値のばらつき{(Vmax-Vmin)/Vavr}×100が、40%以下である
     調光シート。
  2.  前記調光層は、一対の前記透明電極層のギャップを制御するスペーサを含み、
     前記調光層を前記透明電極層との接触面から観察したとき前記調光層の面積全体に対し複数の前記スペーサが占有する面積の合計の比率が0.9%以上30.0%以下である
     請求項1に記載の調光シート。
  3.  前記空隙の直径が0.4μm以上2.2μm以下である
     請求項1又は2に記載の調光シート。
  4.  前記第1電圧Vaと前記第2電圧Vbとの差が22V以下である
     請求項1~3のいずれか1項に記載の調光シート。
  5.  駆動電圧に応じてヘイズが変化する調光シートと、
     前記調光シートに印加される駆動電圧を制御する駆動部と、を備え、
     前記調光シートは、
     樹脂層と配向粒子とを含む調光層と、
     前記調光層を挟む一対の透明電極層と、
     前記調光層及び一対の前記透明電極層を挟む一対の透明支持層と、を備え、
     複数の測定位置にて測定された前記調光層の厚さが、前記厚さの中央値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲に含まれ、
     前記調光層は、前記樹脂層に分散した複数の空隙に前記配向粒子を含有する構造を有し、
     前記透明電極層に印加する前記駆動電圧を変化させたときの前記ヘイズの変化を測定して得られた特性曲線のうち、前記ヘイズの変化率の絶対値が0.5%/V以上である範囲における下限の前記駆動電圧を第1電圧Va、上限の前記駆動電圧を第2電圧Vbとし、前記第1電圧Va及び前記第2電圧Vbの中間値をVmとし、
     前記複数の測定位置における前記特性曲線から得られた前記中間値Vmのうち、最小値Vminと最大値Vmaxとの差を、前記中間値Vmの平均値Vavrで除算した前記中間値のばらつき{(Vmax-Vmin)/Vavr}×100が、40%以下であって、
     前記駆動部は、
     前記駆動電圧を印加しない第1モードと、前記第2電圧Vb以上の電圧を印加する第2モードと、前記第1電圧Va及び前記第2電圧Vbの間の電圧を印加することによって前記調光シートの前記ヘイズを前記第1モードにおける前記ヘイズ及び前記第2モードの前記ヘイズの間のヘイズとする第3モードとを切り替える
     調光装置。
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