WO2022181569A1 - 口腔内崩壊性組成物、カプセル剤、フィルムコーティング錠、フィルム製剤及び口腔内崩壊性の向上方法 - Google Patents

口腔内崩壊性組成物、カプセル剤、フィルムコーティング錠、フィルム製剤及び口腔内崩壊性の向上方法 Download PDF

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  • the lower limit of the amount of HPMC is, for example, 45% by mass, 50% by mass, 55% by mass, or It may be 60% by mass or 65% by mass.
  • the upper limit of the amount of HPMC may be, for example, 95% by weight, 90% by weight, 85% by weight, 80% by weight or 75% by weight based on the weight of the orally disintegrating composition.
  • a numerical range may be defined by appropriately combining the above lower limit and the above upper limit of the amount of HPMC.
  • the amount of HPMC may be 45 to 95% by mass, 50 to 90% by mass, 55 to 85% by mass, 60 to 80% by mass, or 65 to 75% by mass based on the mass of the orally disintegrating composition. good.
  • One embodiment of the present invention relates to a film preparation comprising a film containing an orally disintegrating composition and a pharmaceutically active ingredient contained in the film.
  • a film formulation is intended to disintegrate on the tongue, and a new film formulation can be provided by using the orally disintegrating composition according to this embodiment.
  • HPMC TC-5 (variety: E) manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. was used.

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Abstract

本発明は、新たな口腔内崩壊製剤を製造するための口腔内崩壊性組成物を提供することを課題とする。前記課題は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、シクロデキストリンと、を含み、前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンからなる群から選択される1種以上である、口腔内崩壊性組成物によって解決することができる。

Description

口腔内崩壊性組成物、カプセル剤、フィルムコーティング錠、フィルム製剤及び口腔内崩壊性の向上方法
 本発明は、口腔内崩壊性組成物、前記組成物を含むカプセル剤、フィルムコーティング錠及びフィルム製剤、並びに口腔内崩壊性の向上方法に関する。
 口腔内崩壊製剤は、口腔内で速やかに水分を吸収して崩壊する製剤である。そのため、水を必要とすることなく服用することができ、また、嚥下力が低下した高齢者でも服用がしやすいといった利点がある。
 口腔内崩壊製剤は、様々なものが報告がされている。例えば、特許文献1は、メチルセルロース及びアクリル系ポリマーを含むフィルムコーティング剤でコーティングした、強力な味のマスキング力を有し、かつ、薬物の溶出性に優れた経口固形製剤を開示している。特許文献2は、所定の口腔内崩壊性錠芯と、水溶性高分子を含むフィルムコーティング層とを含む、高い強度を有する口腔内崩壊性フィルムコーティング錠を開示している。
 特許文献3は、所定の水溶性物質とポリビニルアルコール系樹脂とを含む被覆層で被覆した、高湿度下において吸湿により膨潤した場合においても被覆層に亀裂が生じることが無い、安定な口腔内崩壊性被覆錠剤を開示している。特許文献4は、ヒプロメロースとヒドロキシプロピルセルロースとを含み、可塑剤を含まないフィルムコーティング用組成物でコーティングした、溶解時間が短く、展延性に優れ、かつ汎用性に優れた口腔内崩壊錠を開示している。
特開2001-192344号公報 特開2010-248106号公報 特開2013-177438号公報 特開2019-123707号公報
 本発明は、新たな口腔内崩壊製剤を製造するための口腔内崩壊性組成物を提供することを課題とする。
 本発明者等が鋭意検討した結果、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、特定のシクロデキストリンとを組み合わせた組成物が、優れた口腔内崩壊性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
 本発明は以下の実施形態を含む。
[1]
 ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
 シクロデキストリンと、
を含み、
 前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンからなる群から選択される1種以上である、口腔内崩壊性組成物。
[2]
 前記シクロデキストリンが、2種以上のシクロデキストリンの組み合わせである、[1]に記載の口腔内崩壊性組成物。
[3]
 前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン及びγ-シクロデキストリンの組み合わせである、[2]に記載の口腔内崩壊性組成物。
[4]
 前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの組み合わせである、[2]に記載の口腔内崩壊性組成物。
[5]
 前記シクロデキストリンが、γ-シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの組み合わせである、[2]に記載の口腔内崩壊性組成物。
[6]
 前記シクロデキストリンの総量が、前記口腔内崩壊性組成物を基準として、10~45質量%である、[1]~[5]のいずれかに記載の口腔内崩壊性組成物。
[7]
 前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの量が、前記口腔内崩壊性組成物を基準として、55~90質量%である、[1]~[6]のいずれかに記載の口腔内崩壊性組成物。
[8]
 可塑剤を更に含む、[1]~[7]のいずれかに記載の口腔内崩壊性組成物。
[9]
 崩壊試験における崩壊時間が120秒以下である、[1]~[8]のいずれかに記載の口腔内崩壊性組成物。
[10]
 [1]~[9]のいずれかに記載の口腔内崩壊性組成物を含む、医薬組成物。
[11]
 カプセル皮膜の形状である、[1]~[9]のいずれかに記載の口腔内崩壊性組成物。
[12]
 [11]に記載のカプセル皮膜と、
 前記カプセル皮膜に封入されている、医薬有効成分を含む内容物と、
を含む、カプセル剤。
[13]
 フィルムの形状である、[1]~[9]のいずれかに記載の口腔内崩壊性組成物。
[14]
 [13]に記載のフィルムと、
 前記フィルムでコーティングされている、医薬有効成分を含む錠剤と、
を含む、フィルムコーティング錠。
[15]
 前記錠剤の単位表面積あたりの前記フィルムの量が、1~10mg/cmである、[14]に記載のフィルムコーティング錠。
[16]
 [13]に記載のフィルムと、
 前記フィルムに含有されている医薬有効成分と、
を含む、フィルム製剤。
[17]
 ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、シクロデキストリンと、を混合すること、を含み、
 前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンからなる群から選択される1種以上である、組成物の口腔内崩壊性を向上させる方法。
 本発明によれば、新たな口腔内崩壊製剤を製造するための口腔内崩壊性組成物を提供することができる。
図1は、シクロデキストリンの種類及び量と、崩壊時間との関係を示す。 図2は、皮膜量と崩壊時間との関係を示す。 図3は、皮膜量と崩壊時間との関係を示す。 図4は、素錠を形状の一例を示す。
 以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
<口腔内崩壊性組成物>
 本発明の一実施形態は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、α-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンからなる群から選択される1種以上のシクロデキストリンとを含む、口腔内崩壊性組成物に関する。これらの組み合わせを使用することにより、優れた口腔内崩壊性を発揮することができる。
 本実施形態に係る口腔内崩壊性組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。HPMCは、ヒプロメロースとも称される。HPMCの種類は特に限定されないが、例えば、所定の粘度又はMw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)を有するものを使用してもよい。
 例えば、20℃における2%水溶液粘度が、2~50mPa・s又は3~15mPa・sのHPMCを使用してもよい。前記粘度は、B型回転粘度計を用いて、回転数12rpm、測定時間1分の条件で測定した粘度である。
 例えば、Mw/Mnが、1.5~4であるHPMCを使用してもよい。前記Mw及びMnは、ゲルクロマトグラフィー(サイズ排除クロマトグラフィー)で測定したものである。ゲルクロマトグラフィーの詳細については、「USP30 The United States Pharmacopeia / NF25 The National Formulary」の「Chromatography」の章の「Size-Exclusion Chromatography」の項の記載を参照することができる。
 商業的に入手可能なHPMCとしては、例えば、信越化学工業株式会社製のTC-5(品種:E、M、R及びS)、JRSファーマ(VIVAPHARM HPMC E3、E5、E6、E15、E50)を挙げることができる。
 HPMCの量の下限は、口腔内崩壊性組成物の質量(水等の溶媒を含む場合はこれを除く。以下同じ。)を基準として、例えば、45質量%、50質量%、55質量%、60質量%又は65質量%としてもよい。HPMCの量の上限は、口腔内崩壊性組成物の質量を基準として、例えば、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%又は75質量%としてもよい。HPMCの量の前記下限及び前記上限を適宜組み合わせて数値範囲を画定してもよい。例えば、HPMCの量を、口腔内崩壊性組成物の質量を基準として、45~95質量%、50~90質量%、55~85質量%、60~80質量%又は65~75質量%としてもよい。
 本実施形態に係る口腔内崩壊性組成物は、α-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンからなる群から選択される1種以上のシクロデキストリン(CD)を含む。
 CDは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上(例えば、2~4種、2若しくは3種、又は2種)を組み合わせて使用してもよい。2種以上のCDを組み合わせて使用することにより、崩壊性を更に向上させることができる。
 口腔内崩壊性組成物をフィルムの形状として錠剤をコーティングする場合、各製剤ごとのコーティング量にバラつきが生じうるが、2種以上のCDを組み合わせて使用することにより、コーティング量が増加することによる崩壊時間の遅延を抑制することができる。
 口腔内崩壊性組成物に含まれるCDとその他の成分との組み合わせによっては、これらの成分の相互作用に起因した錠剤の亀裂が生じる可能性があるが、2種以上のCDを組み合わせて使用することにより、亀裂の発生を回避することができる。
 CDの組み合わせとしては、例えば、α-CDとγ-CDとの組み合わせ、α-CDとヒドロキシプロピル-β-CDとの組み合わせ、及びγ-CDとヒドロキシプロピル-β-CDとの組み合わせを挙げることができる。
 CDの量の下限は、口腔内崩壊性組成物の質量(水等の溶媒を含む場合はこれを除く。以下同じ。)を基準として、例えば、5質量%、10質量%、15質量%、20質量%又は25質量%としてもよい。CDの量の上限は、口腔内崩壊性組成物の質量を基準として、例えば、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%又は35質量%としてもよい。CDの量の前記下限及び前記上限を適宜組み合わせて数値範囲を画定してもよい。例えば、CDの量を、口腔内崩壊性組成物の質量を基準として、5~55質量%、10~50質量%、15~45質量%、20~40質量%又は25~35質量%としてもよい。
 本実施形態に係る口腔内崩壊性組成物は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、製造する製剤の種類に応じて適宜選択すればよい。その他の成分としては、例えば、可塑剤、着色剤、隠ぺい剤,甘味剤、矯味剤、芳香剤、防腐剤、賦形剤を挙げることができる。
 本実施形態に係る口腔内崩壊性組成物の崩壊時間は、120秒以内であることが好ましく、90秒以内であることがより好ましく、60秒以内であることが更に好ましく、30秒以内であることが特に好ましい。崩壊時間の測定は、下記実施例の[崩壊性試験]の欄に記載に方法で行い、6個のサンプルの測定結果の平均を崩壊時間とする。
<製剤>
 本発明の一実施形態は、前記口腔内崩壊性組成物を含む製剤(医薬組成物)に関する。口腔内崩壊性組成物は、製剤の外表面に存在していることが好ましい。口腔内崩壊性組成物が、製剤の外表面に存在することによって、口腔内で液体と接触しやすくなり、崩壊時間を短縮することができる。
 口腔内崩壊性組成物は、様々な形状となって製剤を構成することができる。例えば、口腔内崩壊性組成物を、カプセル皮膜、フィルム等の形状とすることができる。
 本発明の一実施形態は、口腔内崩壊性組成物を含むカプセル皮膜と、前記カプセル皮膜に封入されている、医薬有効成分を含む内容物と、を含む、カプセル剤に関する。一般的なカプセル剤は、口腔内の粘膜が乾燥していると咽喉にはりつきやすいとの問題、嚥下力が低下した高齢者では飲み込みにくいとの問題等があるが、カプセル皮膜を口腔内崩壊性とすることにより、服用を容易にすることができる。
 本発明の一実施形態は、口腔内崩壊性組成物を含むフィルムと、前記フィルムでコーティングされている、医薬有効成分を含む錠剤と、を含む、フィルムコーティング錠に関する。フィルムコーティング錠は、抗がん剤への曝露防止や、光分解性成分の保護等の観点から有用であるものの、フィルムの存在によって崩壊時間が延長するとの問題がある。しかし、フィルムを口腔内崩壊性とすることにより、崩壊時間の延長を回避することができる。また、フィルムコーティング錠に含まれる錠剤を細粒剤(顆粒剤)に変更することも可能である。つまり、本発明の一実施形態は、口腔内崩壊性組成物を含むフィルムと、前記フィルムでコーティングされている、医薬有効成分を含む細粒剤と、を含む、フィルムコーティング細粒剤にも関する。
 コーティングの方法としては、フィルムコーティングに加えて、圧縮コーティング、流動層コーティング等を挙げることができる。
 フィルムコーティングは、コーティングパン、流動層コーティング装置等を用いて行うことができる。被膜剤として用いられる高分子の特性に応じて防水膜や腸溶性の膜を作成することが可能である。
 圧縮コーティングでは、中心の固形製剤に外層の粉末を圧縮してコーティングする。配合によって変質する成分を分離することが可能である。また、乾式であるため、水や熱に不安定な薬剤のコーティングに適している。中心の固形製剤を徐放性や腸溶性にして放出制御をすることもできる。
 流動層コーティングでは、コーティングする芯粒子を流動化させ、そこへワックス等の比較的低融点の微粉体を供給し、温度を制御しながら芯粒子表面に微粉体を付着、積層及び成膜させる。あるいは、低融点被膜物質の溶融液を芯物質にスプレーして被膜する。いずれの方法も溶媒を用いない乾式コーティングである。
 コーティングされる素錠の製造方法としては、顆粒圧縮法(間接圧縮法)、直接圧縮法等の公知の方法を挙げることができる。
 顆粒圧縮法(間接圧縮法)では、医薬品をそのまま、又は賦形剤、結合剤、崩壊剤若しくはその他の適当な添加剤を加えて均等に混合したものを、適当な方法で顆粒状とした後、圧縮成形する。
 直接圧縮法では、医薬品をそのまま、又は賦形剤、結合剤、崩壊剤若しくはその他の適当な添加剤を加えて均等に混合したものを、直接圧縮成形するか、又は予め作成した顆粒に医薬品をそのまま、若しくは適当な添加剤を加えて均等に混合した後、圧縮成形する。
 フィルムコーティング錠において、錠剤(素錠)の単位表面積あたりのフィルムの量は、例えば、1~10mg/cm、2~10mg/cm、3~8mg/cm、4~8mg/cm、5~8mg/cm、6~8mg/cm等であってよい。このような量にすることにより、より優れた口腔内崩壊性が発揮される。
 錠剤の単位表面積あたりのフィルムの量は、コーティング前後の質量差を、錠剤の表面積で除することによって算出することができる。錠剤の表面積は、例えば、下記式に基づき算出することができる。
 錠剤の表面積=4πRh+πD(d-2h)
[式中、Rは錠剤凸面の半径であり、hはキャップ部分の高さであり、Dはパンチ径であり、dは錠剤厚さである。]
 R、h、D及びdは、具体的に図4に記載のとおりである。
 本発明の一実施形態は、口腔内崩壊性組成物を含むフィルムと、前記フィルムに含有されている医薬有効成分と、を含む、フィルム製剤に関する。フィルム製剤は、舌の上で崩壊させることを目的としたものであり、本実施形態に係る口腔内崩壊性組成物を使用することによって、新たなフィルム製剤を提供することができる。
 医薬有効成分は、経口摂取可能なものであれば特に限定されず、対象とする疾患に応じて適宜選択すればよい。
 本実施形態に係る製剤は、医薬有効成分として、昇華性薬物を含んでいなくともよい。本明細書において「昇華性薬物」とは、1~30℃で昇華性を有する薬物である。
 本実施形態に係る製剤は、ギムネマ酸及びギムネマ・シルベスタ抽出物を含んでいなくてもよい。
 本実施形態に係る製剤の崩壊時間は、120秒以内であることが好ましく、90秒以内であることがより好ましく、60秒以内であることが更に好ましく、30秒以内であることが特に好ましい。崩壊時間の測定は、下記実施例の[崩壊性試験]の欄に記載に方法で行い、6個のサンプルの測定結果の平均を崩壊時間とする。
<口腔内崩壊性の向上方法>
 本発明の一実施形態は、HPMCと、α-CD、γ-CD、及びヒドロキシプロピル-β-CDからなる群から選択される1種以上のCDと、を混合することを含む、組成物の口腔内崩壊性を向上させる方法に関する。HPMC及びCDの種類、量等の詳細は、上記<口腔内崩壊性組成物>の欄に記載したとおりである。
 口腔内崩壊性を向上させる組成物としては、例えば、カプセル剤のカプセル皮膜、フィルムコーティング錠のフィルム、フィルムコーティング細粒剤のフィルム、フィルム製剤のフィルム等が挙げられる。カプセル剤、フィルムコーティング錠、フィルムコーティング細粒剤、及びフィルム製剤の詳細は、上記<製剤>の欄に記載したとおりである。
 以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
<カプセル剤>
[カプセル皮膜用組成物の調製]
 CDの種類及び量を変更しながら、各種のカプセル皮膜用組成物を調製した。前記組成物の組成は表1及び表2に示すとおりである。なお、HPMCとして、信越化学工業株式会社製のTC-5(品種:R)を使用した。CDのαタイプ、ヒドロキシβタイプ、及びγタイプはシクロケム社製のもの、CDのβタイプは日本食品化工株式会社製のものを使用した。色素である食用赤色3号は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のものを使用した。
[サンプルの調製]
 前記カプセル皮膜用組成物を精製水で懸濁させた後、プラスチックフィルム上に展延し、50℃の恒温槽中で乾燥させて、厚さが約0.10mmのフィルムを得た。フィルムから、直径6mmの円形サンプルを切り取った。
[崩壊性試験]
 上記サンプルを使用して崩壊性試験を行い、崩壊時間を測定した。崩壊性試験は、日本薬局方一般試験法崩壊試験法に準じて行った。試験の詳細は以下のとおりである。
 崩壊試験器:NT-20H(富山産業株式会社製)
 崩壊試験液:精製水(37±2℃)
 試験条件:恒温槽にて崩壊試験液の温度を設定温度に保ちつつ、試験器の6本のガラス管にサンプルを1個ずつ入れ、試験器を振幅55mmで上下に1分間30往復させた。色素で着色されたサンプルが崩壊又は溶けてなくなったことを目視で確認できた時点で崩壊したとして、それまでに要した時間を崩壊時間とした。
 各組成物(n=6)について試験を行い、最も短い崩壊時間及び最も長い崩壊時間を記録した。結果を表1及び2並びに図1に示す。この結果は、特定のCDを使用することにより、崩壊性が向上することを示している。また、この結果は、2種のCDを組み合わせて使用することにより、崩壊性が更に向上することを示している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 
 レンボレキサント(有効成分)(5mg)、乳糖水和物(20mg)、シリカ化結晶セルロース(55mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(4mg)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(10mg)、及びステアリン酸マグネシウム(1mg)を含むカプセル内容物を製造する。実施例1-1~実施例6-5の各カプセル皮膜用組成物を使用して、手充てんの方法によって、カプセル内容物をカプセル皮膜に封入し、カプセル剤を製造する。得られた各カプセル剤(n=6)について、上記崩壊性試験を行い、崩壊時間が120秒以内であることを確認する。
 なお、例えば実施例6-3のヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセル皮膜は次のように作成する。ヒドロキシプロピルメチルセルロース450gを80℃の水に分散し(水の量は適切な粘度となるように適宜調節する)、これを25℃に冷却してヒドロキシプロピルメチルセルロースを水に溶解させる。その後、α-CD150gとγ-CD150gと赤色3号6gを添加して溶解させる。この水溶液を57℃に加温する。この得られたカプセル皮膜用組成物にカプセル形成用ピンを浸漬し、次いでピンを引き上げて、ピンに付着したカプセル皮膜用組成物を65℃で乾燥させてカプセル皮膜を作製する。
<フィルムコーティング錠>
[コーティング液の調製]
 表3に示すように、CDの種類及び量を変更しながら、他の成分と共に精製水に分散させ、各種のコーティング液を調製した。なお、HPMCとして、信越化学工業株式会社製のTC-5(品種:E)を使用した。ポリエチレングリコールであるマクロゴール6000は日油株式会社製のもの、酸化チタンは純正化学株式会社製のもの、乳糖水和物はDFE Pharma製のPharmatose 200M、トレハロースは株式会社林原製のトレハロースSGを使用した。
[素錠の調製]
 表4に示す組成を有する素錠(錠直径:6.3mm)を、顆粒圧縮法を用いて製造した。素錠の表面積は、下記式に基づき計算し、約1.06cmであった。
 素錠の表面積=4πRh+πD(d-2h)
  R:錠剤凸面の半径
  h:キャップ部分の高さ
  D:パンチ径
  d:錠剤厚さ
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
[フィルムコーティング]
 以下の条件で、素錠をコーティング液でコーティングして、フィルムコーティング錠を調製した。
 コーティング装置:ハイコーターLABO
 素錠量:300g
 給気温度:65℃
 給気量:1.0m/min
 パン回転数:15rpm
 スプレー流量:40NL/min
 スプレーエア:0.3MPa
 コーティング液流速:4.0~4.5mL/min
[崩壊性試験]
 各フィルムコーティング錠(6錠)について、上記崩壊性試験を行い、各崩壊時間を記録し、平均崩壊時間を算出した。なお、ガラス管内に固形物がなくなったことを目視で確認できた時点で崩壊したとして、それまでに要した時間を崩壊時間とした。
 結果を図2及び図3に示す(なお、コーティング量にバラつきが生じているため、各コーティング量に対する崩壊時間を記載した。)。この結果は、CDを使用することにより、崩壊性が向上することを示している。また、この結果は、2種のCDを組み合わせて使用することにより、コーティング量が増加しても崩壊時間の遅延を抑制できることを示している。
 素錠をフィルムコーティングする工程では、フィルムの厚さにある程度のバラつきが生じてしまうが、2種のCDを含むフィルムでは、その厚さにバラつきが生じても、崩壊時間が一定に保たれている(図3)。これはすなわち、品質が均一に保たれた製剤を提供できることを意味する。
[強度試験]
 各フィルムコーティング錠を、40℃、75%相対湿度の条件下で1週間放置し、吸湿度及び膨潤度を以下の式で求めた。亀裂の発生の有無を確認し、強度を確認した。結果を表5に示す(なお、表5に記載の成分組成は表3に対応するものであり、表5ではHPMC、マクロゴール6000及び酸化チタンの記載を省略している)。
  吸湿度(%)=(試験後錠剤質量-試験前錠剤質量)/試験前錠剤質量
  膨潤度(%)=(試験後錠剤厚さ-試験前錠剤厚さ)/試験前錠剤厚さ
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 α-CDを単独で使用した実施例7以外の実施例では、亀裂は発生しなかった。実施例7で亀裂が発生した理由としては、α-CDがマクロゴール(ポリエチレングリコール)を包摂したことによって、ポリエチレングリコールの可塑剤としての効果が発揮されなかったことが想定される。なお、ポリエチレングリコールに代えて、トリアセチン、プルロニックF68、ポリビニルピロリドン等の可塑剤を使用した場合には、亀裂は発生しなかった。
 口腔内崩壊性組成物に含まれる成分の組み合わせによっては、製剤に亀裂の発生する可能性があるが、実施例10~12のように2種以上のCDを組み合わせて使用することにより、この問題を回避することができる。
 ヒドロキシプロピル-β-CDを含むフィルムコーティング錠は、優れた滑沢性を有していた。そのため、タルク等の滑沢剤の使用を省略することもできる。
 前記素錠に1錠当たりレンボレキサント(5mg)を加えた錠剤と、実施例7~12の各コーティング液とを使用し、上述のコーティング方法にて、フィルムコーティング錠を作成する。得られた各フィルムコーティング錠(n=6)について、上記崩壊性試験を行い、崩壊時間が120秒以内であることを確認する
 
 

Claims (17)

  1.  ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
     シクロデキストリンと、
    を含み、
     前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンからなる群から選択される1種以上である、口腔内崩壊性組成物。
  2.  前記シクロデキストリンが、2種以上のシクロデキストリンの組み合わせである、請求項1に記載の口腔内崩壊性組成物。
  3.  前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン及びγ-シクロデキストリンの組み合わせである、請求項2に記載の口腔内崩壊性組成物。
  4.  前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの組み合わせである、請求項2に記載の口腔内崩壊性組成物。
  5.  前記シクロデキストリンが、γ-シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの組み合わせである、請求項2に記載の口腔内崩壊性組成物。
  6.  前記シクロデキストリンの総量が、前記口腔内崩壊性組成物を基準として、10~45質量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性組成物。
  7.  前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの量が、前記口腔内崩壊性組成物を基準として、55~90質量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性組成物。
  8.  可塑剤を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性組成物。
  9.  崩壊試験における崩壊時間が120秒以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性組成物。
  10.  請求項1~9のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性組成物を含む、医薬組成物。
  11.  カプセル皮膜の形状である、請求項1~9のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性組成物。
  12.  請求項11に記載のカプセル皮膜と、
     前記カプセル皮膜に封入されている、医薬有効成分を含む内容物と、
    を含む、カプセル剤。
  13.  フィルムの形状である、請求項1~9のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性組成物。
  14.  請求項13に記載のフィルムと、
     前記フィルムでコーティングされている、医薬有効成分を含む錠剤と、
    を含む、フィルムコーティング錠。
  15.  前記錠剤の単位表面積あたりの前記フィルムの量が、1~10mg/cmである、請求項14に記載のフィルムコーティング錠。
  16.  請求項13に記載のフィルムと、
     前記フィルムに含有されている医薬有効成分と、
    を含む、フィルム製剤。
  17.  ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、シクロデキストリンと、を混合すること、を含み、
     前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンからなる群から選択される1種以上である、組成物の口腔内崩壊性を向上させる方法。
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