WO2022163842A1

WO2022163842A1 - 装飾受け要素、スライダおよび装飾受け要素、並びに隠しスライドファスナ

Info

Publication number: WO2022163842A1
Application number: PCT/JP2022/003445
Authority: WO
Inventors: 裕一岩瀬; 力斎藤
Original assignee: Ykk株式会社
Priority date: 2021-01-29
Filing date: 2022-01-28
Publication date: 2022-08-04
Also published as: CN116829022A; US20240115014A1; IT202100001817A1

Abstract

装飾受け要素（３０）は、スライドファスナ、特に隠しスライドファスナ用のスライダ（１０）の本体（１３）に嵌合するように構成され、認識可能な装飾（３２）を施すことができる上面または装飾受け面（３１）を提供する。装飾受け要素（３０）は、スライダ本体（１３）の少なくとも一部を係合して受容し、スライダ本体（１３）上に装飾受け要素（３０）を少なくとも３つの、第１（ｘ）、第２（ｙ）、および第３（ｚ）の非同一平面方向に拘束するように構成されている複数の対向する協働面を備える。

Description

装飾受け要素、スライダおよび装飾受け要素、並びに隠しスライドファスナ

　本発明は、概してスライドファスナに関する。より詳細に述べれば、本発明は、スライドファスナのスライダのための装飾受け要素に関する。

　周知のとおり、スライドファスナは、平たく延べられたテープのペアを包含する。ファスナテープは、それぞれ、一般にコードが形成される内側に面するエッジを有し、それらのコードとファスナテープの内側エッジにファスナ要素（または歯）が取り付けられる。それらのエッジが、それぞれの要素上におけるスライダの作用によって互いに引き寄せられると、それらの要素が強制的に互いに組み合わされる。この態様で要素が取り付けられるテープは、ストリンガとして知られる。一つに結合されたときの２つのストリンガは、チェーンとして知られる。スライドファスナは、概してチェーンと、少なくとも１つのスライダとを包含し、また多くの場合は、トップストップ、ボトムストップ、またはそれら両方もチェーンに取り付けられる。スライドファスナが開閉されるとき、ユーザは、通常、スライダにリンクされている引手を保持し、スライダを進み方向または戻り方向に引く。これによりスライドファスナが、スライダの移動の方向に応じて閉じるか、または開く。

　本発明は、排他的ではないが、特に隠しスライドファスナに適用可能である。隠しスライドファスナは、この分野においてよく知られている。隠しスライドファスナは、露出されない要素または歯を有し、すなわち、それらが閉じられた状態にあり、それぞれのストリンガのテープがそれらを覆うように向き付けされるとき外側から見えない。隠しスライドファスナにおいては、ファスナ要素または歯が、通常、スパイラル形式で連続するコイルの巻線によって形成され、そのコイルの内側をコードが走る。コイルおよびコードは、関連するテープのエッジに縫い付けられる。殆どのコイルは、ポリエステルから作られている。一例を特許文献１の中に見付けることができる。通常、隠しスライドファスナは、ジャケット等のハイグレードの衣類に適用される。

　隠しスライドファスナを用いる場合は、スライダが、２つの隣接するストリンガのテープの下を走る。隠しジッパーに適用可能なスライダは、たとえば、特許文献２から周知である。図２１に示されているとおり、スライダ１０１は、本体１０３と、引手１０４と、連結リング１０７と、ロック爪１２７を伴うばね１０５と、を包含する。スライダ１０１の本体１０３は、両側が曲げられて要素ガイド溝１１９を形成する２つの側方フランジ１２２、１２３からなる下翼と上翼とを形成する。連結リング１０７と引手１０４をスライダ本体１０３にリンクするために、下翼１３２の前端から現れるガイドポスト１３３が形成され、取り付け部を提供する。衣服における使用においては、引手１０４と、連結リング１０７と、ガイドポスト１２１の上端だけが外側から見えることが意図され、スライダ１０１の本体１０３の大部分とジッパーのコイルは、スライドファスナのテープの下側に隠される。

　特許文献３は、スライドファスナのスライダカバーを開示している。上側取り付け板は、スライダの上側ブレードの上方に配置され、貫通するスルーホールが形成される上側板と、上側板から下向きに突出する上壁と、を含む。下側取り付け板は、スライダの下側ブレードの下方に配置される下側板と、下側ブレードの外周の正面と右および左側を取り囲み、下側板から上向きに突出する下壁と、を含む。上側および下側の取り付け板のうちの少なくとも１つは、上壁および下壁のうちの少なくとも対応する１つの内周面から突出し、上側および下側のブレードのうちの少なくとも対応する１つの外周面の一部と密着するべく構成される突出部を含む。

欧州特許出願公開第１９５５６０８号明細書米国特許第７，３３７，５１０号明細書米国特許第１０２５１４５４号明細書

　本発明は、スライドファスナ上に知覚可能な装飾を提供するという要求に応えるものである。

　第１の側面によれば、本発明は、スライドファスナ、特に隠しスライドファスナのスライダの本体上に嵌合するべく構成された装飾受け要素を提供する。装飾受け要素は、見ることができるか、またはそのほかの形で知覚することができる装飾を上に施すことが可能な上面または装飾受け面を提供する。装飾受け面は、スライダ本体の少なくとも一部と係合し、かつ受け入れ、かつ少なくとも３つの、すなわち第１と、第２と、第３の非同一平面方向においてスライダ本体上に装飾受け要素を拘束するために構成される複数ペアの対向して面する協働面を包含する。

　別の側面によれば、本発明は、スライダ、特に隠しスライドファスナためのスライダと、当該スライダに結合される装飾受け要素の組み合わせを提供する。スライダは、下翼と、下翼の横方向に対向する両側の上の２つの側方フランジであって、下翼の横方向に対向する左右両側の上に作られた垂直壁のペアおよび垂直壁の上部から水平内向きに延びる水平延長部を形成する側方フランジと、下翼の前端から中心位置において垂直に突出するガイドポストであって、スライダ本体に引手を連結するための引手連結座の少なくとも一部を形成するガイドポストとを伴うスライダ本体を包含する。装飾受け要素は、ガイドポストの少なくとも一部の上方に配置され、かつ引手連結座より、より頭の方向に位置する後端を有するカバー部を有する。

　さらなる側面によれば、本発明は、隠しスライドファスナを提供し、当該隠しスライドファスナは、
　第１のファスナテープおよび当該第１のファスナテープに固定されたファスナ歯の第１の列を包含する第１のストリンガと、第２のファスナテープおよび当該第２のファスナテープに固定されたファスナ歯の第２の列を包含する第２のストリンガと、からなるスライドファスナチェーンと、
　スライドファスナを開閉するためにスライドファスナチェーンに沿って移動可能なスライダと、
　スライダの本体に拘束された装飾受け要素と、を包含する。

　本発明のさらなる側面、特徴、および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。

　例として、本発明に従った装飾受け要素の実施態様を、随伴する図面を参照して説明する。

スライドファスナのためのスライダの斜視図である。本発明の第１の実施態様に従った装飾受け要素の斜視図である。一つに結合された図１のスライダと図２の装飾受け要素の斜視図である。図１～図３に示されているスライダおよび装飾受け要素を伴うスライドファスナの正面図である。スライドファスナのストリンガと係合している図２の装飾受け要素を伴ったスライダの垂直長さ方向断面図である。図２の装飾受け要素の変形の上面図である。図６の装飾受け要素の長さ方向断面図である。図６の装飾受け要素の正面図である。図６のＡ－Ａ線に沿った装飾受け要素の横方向断面図である。図６の装飾受け要素内にスライダを嵌合するステップを示した部分断面側面図である。図６の装飾受け要素内にスライダを嵌合するステップを示した部分断面側面図である。図６の装飾受け要素内にスライダを嵌合するステップを示した部分断面側面図である。図１２の破線Ｂ－Ｂに沿った断面図である。図２の装飾受け要素のさらなる変形の長さ方向断面図である。本発明の第２の実施態様に従ったスライダおよび装飾受け要素の分解斜視図である。図１５の装飾受け要素の長さ方向断面図である。スライダ上に図１５の装飾受け要素を嵌合するステップを示した横方向断面図である。スライダ上に図１５の装飾受け要素を嵌合するステップを示した横方向断面図である。図１５の装飾受け要素のさらなる変形の長さ方向断面図である。スライダ上に嵌合されている図１９の装飾受け要素の横方向断面図である。周知のデザインのスライダの分解斜視図である。

［第１の実施態様］
　最初に、図１を参照してスライドファスナのためのスライダ１０について説明する。図１に示されているスライダは、図２に示されているアクセサリ、すなわち、スライダを部分的に覆うためのカバー部を伴う装飾受け要素３０と嵌合することができる。

　スライダ１０は、ここに述べられている例示的な実施態様においては、連結リング１７を介して引手１４が連結される本体１３と、図３の例示的な実施態様においては、ロック爪（図示せず）を提供するばね１５と、を包含する。本体１３は、ダイカスト成形プロセスを通じて亜鉛合金およびアルミニウムベースの合金等の金属の成形によって作ることができる。

　本体１３は、下翼２０と、逆Ｌ字形に形成された２つの側方フランジ２２、２３からなる上翼を包含する。側方フランジ２２、２３は、ガイドレールとしても知られ、下翼２０の横方向に対向する左右両側の上に作られている。具体的に述べれば、側方フランジ２２、２３は、下翼２０の横方向に対向する左右両側の上に作られる垂直壁２２ａ（図１３）、２３ａのペアと、垂直壁２２ａ、２３ａの上部から水平内向きに延びる水平リップまたは延長部２２ｂ、２３ｂと、を形成する。スライダの本体１３は、下翼２０の前端の中心位置において垂直に突出するガイドポスト２１を形成する。

　周知のとおり、後端における側方フランジ２２、２３と、前端におけるガイドポスト２１のアレンジメントは、スライダの後端における１つの口をはじめ、前端における２つの口を作り出す。これらの口は、それぞれのテープのエッジにある要素のためのチャンネルを提供するスライダ内のＹ字形の空間の入口ポイントおよび出口ポイントである。スライダが要素に沿って前または進み方向（この後に指定するとおり）に引かれると、要素に互いとの組み合いが強制され、したがって互いに取り付けられるが、その逆にスライダが後尾方向または戻り方向に移動すると要素が開く。スライダ１０の構造的特徴自体はこの分野で周知であり、ここでのさらなる詳細の説明は不要とする（たとえば、米国特許第７２１７５１０号明細書参照）。

　それ自体は周知であるデザインによれば、側方フランジ２２、２３は、後ろ方向で集束するように配置される。特に、側方フランジ２２、２３は（図１）、実質的に平行な最後尾部２２ｃ、２３ｃと、後方集束部２２ｄ、２３ｄを有する。側方フランジの最後尾部２２ｃ、２３ｃは、下翼２０の後端まで延び、それぞれが後方集束部２２ｄ、２３ｄのそれぞれと広い鈍角をそれぞれ形成する。

　この文脈において、『前』、『進み方向』、または『頭の方向』、および『後ろ』、『後尾方向』、または『戻り方向』等の用語は、ファスナ要素の列を係合させるため、および係合を解除させるためにファスナ要素の列に関してスライダが相対的に移動させられる方向を言う。スライダが要素に沿って『前』、『進み方向』、または『頭の方向』に引かれるとき、それらの要素に互いとの組み合いが強制され、したがって互いに取り付けられるが、スライダが後ろ、後尾方向、または戻り方向に移動すると要素が開き、言い換えると互いから外される。用語『長さ方向』は、ファスナテープが延びる方向であり、スライドファスナに沿ってスライダが移動する方向を指定する。また、ファスナテープの前面または背面上にあり、かつ長さ方向と直角をなす方向は、『横』方向または『幅』方向として定義される。長さ方向および横方向と直角をなす方向は、『垂直』方向として定義される。『上』、『下』、『上側』、『下側』といった用語は、垂直方向に対する参照であるとして解釈されるものとする。

　隠しスライドファスナ（図４）において、ファスナテープ１２は、ガイドレール２２、２３の水平延長部２２ｂ、２３ｂの上方の、図１３における二点鎖線Ｔによって略図的に示されている位置にある。

　図１の例示的なスライダにおいては、ガイドポスト２１が、ガイドポスト２１の上側において、スライダ本体１３に対して引手１４を枢動可能に取り付けするための引手取り付け部を提供する。実施態様は、図３の例にあるとおり、連結リング１７によってスライダ本体１３に引手がリンクされることを提供できる。さらにまた実施態様は、図１３の例に示されているとおり、連結リング（または、引手）が、ばね１５を介してスライダ本体に接続され得ることを提供できる。図３および図１３に示されている実施態様においては、ガイドポスト２１によって提供される引手取り付け部が、連結リング１７が通過する横通路（図５）が画定されるようにばね１５を保持する左右の突出した部分２１ａ、２１ｂを形成する。前記横通路は、引手をスライダ本体に連結するための引手連結座１８を画定する１つの例示的な方法である。引手連結座１８は、それ自体はこの分野で周知の多様な代替手段に従って作ることができる。このほかの、それ自体周知の引手をスライダ本体に取り付ける手段を、代替手段として図３および図１３に示されているアレンジメントに使用することもできる。たとえば、引手を直接スライダ本体に、またはスライダ本体と移動可能に結合される弾性ロック部材に、またはスライダ本体に固定して取り付けられるリング要素にリンクすることができる。本発明を実装する目的にとって、引手は本質的でない。

　装飾受け要素３０は、スライドファスナのスライダ１０の本体１３上に嵌合されるべく構成され、上面または装飾受け面３１を提供し、それの上に装飾３２（図４）またはそのほかの情報もしくは画像を施し、表示して知覚可能にすること、たとえば外側から見えるようにすることができる。隠しスライドファスナの場合は、外側が、要素が見えない閉じた状態におけるスライドファスナの側である。この文脈において、用語『装飾』は、限定ではないが、ロゴ、デザイン、画像、表面仕上げ、パターン、色、テクスチャ、文字、言葉、数字、および／またはそのほかの情報を含むとして解釈されるものとし、それらが２次元または３次元のいずれであってもよく、スライダの上に表示され、装飾受け要素３０がスライダ本体１３に取り付けられた後は（図３）、部分的にそれを覆うことができる。ここで、装飾受け要素３０は、単体でスライダとして機能するもの（本実施形態ではスライダ１０）に対して、後付けで装飾を付加することができる要素である。また、装飾受け面３１は、装飾３２を受ける面であり、ゴム射出、色入れ、クリスタルのはめ込み、レーザー刻印、凹凸ロゴ、シールを貼って樹脂を盛るなど、様々な装飾３２が可能な面である。

　スライダ本体１３上に装飾受け要素３０をロックするために、装飾受け要素は、３つの、すなわち第１と、第２と、第３の非同一平面方向においてスライダ本体上に装飾受け要素を拘束するように、スライダ本体の少なくとも一部と係合し、かつ受け入れるために構成された複数ペアの対向して面する協働面を包含する。対向して面する協働面のペアは、ここで後述するとおり、スライダ本体１３上への装飾受け要素の着実な拘束において協働するという目的を有する。これを達成するためには、これらの表面のペアが、いかなる方向においても、たとえば、装飾受け要素を垂直に、または横方向に、または長さ方向に、または歪める方向に引っ張ることによってもスライダ本体から装飾受け要素が外れることを防止する効果を有している必要がある。したがって、表面のペアが互いに面する方向は、すべてが同一平面であるべきでない。

　好ましくは、図３に略図的に示されているとおり、第１（ｘ）と、第２（ｙ）と、第３（ｚ）の３つが、いずれのペアをとっても方向が直角をなし、それにおいて、第１の方向ｘは垂直方向、第２の方向ｙは横方向、第３の方向ｚは長さ方向である。３つの方向のうちのそれぞれは、ほかの２つに対して直角をなす。

　代替実施態様（図示せず）は、相互に協働する表面のペアが、９０度より大きいか、またはそれより小さいかのいずれかの角度を形成できる方向において互いに面することを提供できる。それでもこれらの方向がすべて同一平面でないとした場合には、これらの対向する表面が、スライダ本体から装飾受け要素が外れることを防止する効果を有することになるであろう。

　図２に示されている例示的な実施態様においては、装飾受け要素３０が、基板３３と、基板３３から間隔を置いて垂直上方にあり、好ましくは横方向の中心位置において基板３３の前端に配置されるポスト３５によって基板３３と接続されるカバー部３４と、を有する。

　カバー部３４は、長さ方向において測定したとき、基板の長さ方向の長さより短い長さを有する。図３および図５に示されているとおり、カバー部３４は、スライダに取り付けられたとき、装飾受け要素３０の前側においてガイドポスト２１の少なくとも一部の上方に配置されるが、長さ方向において引手連結座１８を越えて延びない（図５）。具体的に述べれば、カバー部３４は、引手連結座１８より、より頭の方向に位置する後端３４ａを有する。このようなアレンジメントによって、ユーザが引手１４を掴んで持ち上げ、スライドファスナを開閉するときに、装飾受け要素３０が引手ロックメカニズムを妨げることがない。

　実施態様は、ガイドポスト２１が前側突出部２１ｄと後側突出部２１ｃとを形成し、前側突出部２１ｄと後側突出部２１ｃの間に引手挿入位置または凹部２１ｅが形成されることを提供できる。図２～図５の実施態様においては、前側突出部２１ｄが、ばね１５を保持する左右の突出した部分２１ａ、２１ｂによって形成される。引手挿入位置２１ｅは、引手連結座１８のための空間を提供する。引手１４の動きを妨げないために、前側突出部２１ｄだけがカバー部３４によって覆われる。図３の実施態様に示されているとおり、装飾受け要素３０が、水平方向平面内において少なくとも部分的に前側突出部２１ｄの上方となるが、後側突出部２１ｃの上方ではないことから、ガイドポスト２１は、完全には覆われない。

　好ましくは、ポスト３５を一体とするが、代替においては、２つまたはそれより多くの部分から形成されるとすることができ、それにおいては、そのうちの少なくとも１つがカバー部に取り付けられ、かつ下向き方向に延び、１つが基板に取り付けられ、かつ上向き方向に延び、そこから２つまたはそれより多くの部分が結合メカニズムを提供できる。

　図２の実施態様によれば、装飾受け要素３０が、基板３３の対向する左右の側から立ち上がり、基板の後端に向かって集束する横方向に対向して面する側壁２５、２６のペアを提供する。

　スライダ本体１３の側方フランジ２２、２３は、側方に含められ、装飾受け要素３０の側壁２５と２６の間において横方向に保持される。

　好ましくは、図２および図３に示されているとおり、側壁２５、２６が、側方フランジ２２、２３の形状と対応するか、または整合する形状を有する。

　より好ましくは、側壁２５、２６が、後方集束部２５ｄ、２６ｄを包含する。後方集束部２５ｄ，２６ｄは、側壁２５，２６の間の幅がスライダの前方から後方にかけて狭くなる部分である。さらに好ましくは、側壁２５、２６の後方集束部２５ｄ、２６ｄが、鋭角を形成するそれぞれの垂直平面内にあり、後方集束部２２ｄ、２３ｄのそれぞれがある２つの垂直平面によって形成される類似する鋭角に対応している。

　好ましい実施態様によれば、スライダと装飾受け要素が一つに結合された状態（図３）において、スライダ本体１３の側方フランジ２２、２３の後方集束部２２ｄ、２３ｄが側方に含められ、装飾受け要素３０の側壁２５、２６の後方集束部２５ｄと２６ｄの間において横方向に保持される。このようなアレンジメントによって、ここで後述するとおり、後ろ向きの長さ方向の装飾受け要素に関して横の動きを拘束する後方当接部を、側壁２５、２６の後方集束部２５ｄ、２６ｄが提供する。

　さらに好ましくは、側壁２５、２６が、基板３３の後端において終端する実質的に平行な最後尾部２５ｃ、２６ｃと、後方集束部２５ｄ、２６ｄを有することができ、スライダと装飾受け要素が一つに結合された状態（図３）においては、スライダ本体１３の側方フランジ２２、２３の最後尾部２２ｃ、２３ｃが側方に含められ、装飾受け要素３０の側壁２５、２６の最後尾部２５ｃと２６ｃの間において横方向に保持される。

　側壁の最後尾部２５ｃ、２６ｃは、それぞれ、都合よく、後方集束部２５ｄ、２６ｄと広い鈍角をそれぞれ形成することができる。好都合には（図３）、それぞれの側壁２５、２６の最後尾部と集束部によって形成される鈍角が、結合された状態においてそれらと隣接する側方フランジ２２、２３の最後尾部と後方集束部によって形成される鈍角に対応する。

　好ましくは、基板３３が、スライダ本体の下翼２０の形状と部分的に似ている形状を有することができるが、それより大きく、言い換えると、基板３３の上に置かれて保持される下翼２０の対応する寸法を超える横方向の幅および長さ方向の長さを有する。

　たとえば図３および図１３に示されているとおり、側壁２５、２６は、好ましくは側方フランジ２２、２３の垂直上方に突出しない上面２５ｅ、２６ｅを有する。この方法によれば、装飾受け要素がファスナテープと接触することがない。

　図３および図５に示されているとおり、装飾受け要素３０の各側壁２５、２６の前端は、スライダ本体１３の側方フランジ２２、２３の前端の後ろに位置する。このようなアレンジメントによって、スライダがスライドファスナチェーンに沿って移動するとき、装飾受け要素が、スライドファスナのストリンガの歯または要素と干渉することが防止される。

　カバー部３４は、上面または装飾受け面３１を提供し、それの上に、スライドファスナを見ることができるか、またはそれに触れることができるユーザまたはそのほかの人々が見ることが可能な（または、そのほかの形で知覚することが可能な）装飾３２を施すことができる。装飾３２は、たとえば、印刷または接着またはそのほかの形で表面３１上に固着させることができるか、あるいは製造プロセスの間にそれを生じさせることができる凹凸によって表面内に組み込むことができる。

　図２に示されている例示的な実施態様においては、装飾受け面３１が、全体的に、後ろを向く方向に細くなる台形に似た形状を有する。理解されるものとするが、装飾受け面の形状は、具体的なデザイン要件に従った裁量の範囲であり、かつ多様化が許され、したがって実質的に任意の形状で構成され得る。たとえば、装飾受け面３１は、それが担持する具体的な装飾の輪郭に対応する輪郭を有することができる。

　好ましくは、カバー部３４が、基板３３に面する溝３６を形成する。実施態様は、溝３６が長さ方向に延びることを提供できる。溝３６は、カバー部３４の対向して面する左右の側から下向き方向に突出して横方向に対向する縁部３７、３８を画定することができる。

　有利なことには、ポスト３５が、溝３６の前端まで延びることができる。

　実施態様は、図２に示されているとおり、カバー部３４が、使用時に基板３３と平行または実質的に平行となる中央板部３９を有することを提供できる。

　また実施態様は、ポスト３５が、横方向により広くなってカバー部３４と合流し、かつ溝３６を、それの前側において区切る上側部分４０（図９）を形成することも提供できる。

　上面または装飾受け面３１および対向して面する縁部３７、３８は、隠しスライダとは異なる印象を与えるように、引手取り付け部の一部を隠すことができる。

　装飾受け要素３０は、スライダ本体１３と係合する装飾受け要素の複数ペアの対向して面する協働面によってスライダ本体１３から動くこと、および外れることがないように拘束される。

　図２の実施態様によれば、基板３３とカバー部３４は、下翼２０上およびスライダ本体１３の突出部２１（ガイドポスト２１）の上部にそれぞれ作用する第１のペアの垂直方向に対向して面する表面を提供し、それによって、スライダ本体１３を拘束し、装飾受け要素３０に関して垂直方向に動かなくする。ガイドポスト２１は、スライダ本体１３が装飾受け要素３０に係合する際にガイドするための、突出した部分である。

　スライダ本体１３と装飾受け要素３０の間における相対的な横方向の動きは、横方向に対向して面する側壁２５、２６のペアによって拘束され、当該ペアは、後ろ方向に向かって集束し、かつ横方向においてスライダ本体１３の左右の側方フランジ２２、２３のための後方当接部を含み、かつ提供する。

　相対的な横方向の動きのさらなる制限は、カバー部３４の対向する左右の側から下向き方向に突出し、かつスライダ本体のガイドポスト２１の上部と係合できる横方向に対向して面する縁部３７、３８によって提供することができる。

　スライダ本体１３と装飾受け要素３０の間における相対的な長さ方向の動きは、後ろ側において横方向に対向して面する側壁２５、２６によって提供され、それらは、後ろ方向に向かって集束し、かつそれらの間に、スライダ本体の左右の側方フランジ２２、２３によって画定される最大幅より小さい横方向の幅を画定する。前側においては、相対的な長さ方向の動きが、スライダ本体の突出している部分２１の前側に対して作用するポスト３５によって制限される。横方向により広くなっているポスト３５の上側部分４０は、この制限において協働することができる。

　実施態様は、図２の例に示されているとおり、側壁２５、２６が、それぞれ、長さ方向に延びる平行な最後尾端部２５ｃ、２６ｃも形成することを提供できる。これらの端部はオプションである。これらは、スライダの横方向の拘束を向上させるが、側壁２５、２６の後方集束部２５ｄ、２６ｄによってこの機能が行われることから、長さ方向のスライダのロックにおいては協働しない。

　側壁２５、２６が平行な最後尾端部２５ｃ、２６ｃを包含しない変形実施態様（図示せず）によれば、後方集束部２５ｄ、２６ｄが、基板３３の後端まで延びないことがある。図３は、図２の装飾受け要素３０が結合された図１のスライダ１０を図解しており、スライダ本体１３が、装飾受け要素３０内に保持されている。図４に示されているとおり、装飾受け要素３０上の装飾３２は、左右のファスナテープ１２を伴って全体が１６で指定されているスライドファスナ上において見ることができるか、またはそのほかの形で知覚することができる。

　図５は、テープ１２とファスナの歯の列を提供するコイル１１とを有するファスナストリンガに適用されているスライダ１０を示す。図５に図示されている例示的なストリンガにおいては、テープ１２が折り返されてＣ字形またはそのほかの弓形に似た形状を形成し、それによってテープの上部１２ａと下部１２ｂが示され、それらの間には側方フランジ２３の水平延長部２３ｂが挿入されている。反対側のストリンガにはこれの鏡像アレンジメント（図示せず）が提供され、それにおいてはテープに側方フランジ２２の水平延長部２２ｂが係合している。

　装飾受け要素は、金属またはプラスチックのいずれからでも作ることができる。たとえば、装飾受け要素は、ダイカスト成形プロセスを通じて亜鉛合金およびアルミニウムベースの合金等の金属の成形によって作ることができる。

　図６～図９は、金属材料から作られた装飾受け要素の第１の実施態様の変形を図解している。装飾受け要素３０は、いくらかの垂直クリアランスを伴ってスライダ本体１３を受け入れるために（図１０および図１１）、当初、基板３３に対して９０°を超える角度（たとえば、約１０５°）を画定するポスト３５を伴って形成され得る。その後に続いて、スライダ本体が装飾受け要素内に挿入された後は、カバー部３４の溝３６内にガイドポスト２１の上部を囲み入れ（図１３）、それによって装飾受け要素３０内にスライダ本体が垂直に保持されるように、ポスト３５、より具体的に述べれば、それが基板３３と接するポスト３５の底部を、ポストを基板３３に向かって下向きに曲げることによって可塑的かつ恒久的に変形することができる（図１２）。

　第１の実施態様のさらなる変形を図１４に示す。図示されている装飾受け要素３０は、プラスチックから作られる。装飾受け要素３０は、スライダ本体（図１４には図示せず）を装飾受け要素内に挿入するために、カバー部またはポスト３５を、基板３３から離れる方向に強制的に曲げることが必要とされるように形成することができる。スライダ本体が定位置に収められた後は、カバー部３４が変形していないオリジナルの状態に弾性的に復帰し、カバー部３４の溝３６内にガイドポスト２１の上部を囲み入れ、それによって装飾受け要素３０内にスライダ本体が垂直に保持される。

　好ましくは、図２～図１４の実施態様に示されているとおり、引手を取り付けることができる引手連結座１８に届くか、またはそれを越えて長さ方向に延びて覆うことがないように、カバー部３４が装飾受け要素３０の前端において基板３３を覆って延びる。このようなアレンジメントによって、ロック爪をジッパーの歯から解放し、したがってスライドファスナに沿ってスライダを移動させるために引手が垂直位置に向かって回転されるとき、またはそれを越えるときのいずれにおいても、引手または連結リングの動きをカバー部が妨げることがない。

　好ましくは、装飾受け要素３０のカバー部３４が、スライダ本体１３のガイドポスト２１の横方向の幅より大きい横方向の幅を有する。このようなアレンジメントによって、ガイドポストおよび周囲のメカニズムが、汚れの入り込みおよびスライダとの干渉から保護される。

　実施態様は、横方向ｙにおいて測定したときに、カバー部３４の幅が下板３３の幅より短くなることを提供できる。このアレンジメントは、スライダが、装飾受け要素によって妨げられることなくチェーンを上下にスライドできることを保証する。

［第２の実施態様］
　ここで図１５を参照するが、このスライダ１０は、ガイドポスト２１が、互いから横に離れる方向に延びて左右の上側棚部２１ｆ、２１ｇを形成し、垂直断面において全体として実質的にＴ字形のガイドポスト２１の上部を与えることから、図１のスライダ本体とは異なる本体１３を提供する。この分野の当業者であれば、本発明の明細と矛盾しないこのほかの構成を認識するであろう。上側棚部２１ｆ、２１ｇは、装飾受け要素３０の後述する凹部４１，４２に係合するための突起である。

　図１５～図１８に示されている装飾受け要素３０は、プラスチックから作られ、図１５に図示されているとおり、スライダ本体のガイドポスト２１の上部の上にスナップ嵌めされるべく構成される。装飾受け要素３０は、要素が見えない閉じられた状態においてスライドファスナの側に、外側から見えるか、またはそのほかの形で知覚できるようにロゴを上に施すことができる上面または装飾受け面３１を提供し、かつ装飾受け面３１の反対側の下面に溝３６を形成する。

　図１５～図１８に示されている装飾受け要素は、中央カバー部３９と、中央カバー部３９の対向する左右の側から下向き方向に突出して横方向に対向して面する縁部３７、３８とを有する。対向して面する縁部３７、３８内には、それぞれ横方向に互いに面する凹部４１、４２（図１７）が形成されるが、それらは溝３６の一部であり、スライダ本体のガイドポスト２１の左右の上側棚部２１ｆ、２１ｇのそれぞれの先端部分を受け入れるべく適合されている。縁部３７、３８は、一方が他方に向かって横方向に突出している縁（へり）や縁（ふち）であるリム４５、４６を伴う下端４３、４４を有する（図１７）。凹部４１、４２は、２つの横方向に互いに面する表面５１、５２と、２つの、垂直に互いに面する表面のそれぞれのペア５３、５４、および５５、５６を提供する。

　上記のようなアレンジメントによって、第１の垂直方向における装飾受け要素３０に関するスライダ本体１３の移動を拘束するために、凹部４１、４２が、第１の垂直方向ｘにおいて相互に面し、かつ間隔が離された前記表面の２つの第１のペア５３、５４、および５５、５６を提供する。凹部４１、４２は、さらに、第２の横方向ｙにおいて互いに面する第２のペアの表面５１、５２を、第２の横方向ｙにおける装飾受け要素３０に関するスライダ本体１３の移動を拘束するために提供する。

　図１７に示されているとおり、スライダ本体上に装飾受け要素３０を嵌合させるためには、可塑性の縁部３７、３８が、それらの間の距離を充分に増加させて上側棚部２１ｆ、２１ｇ上への凹部４１、４２のスナップ嵌めが可能となるように、互いから離れる方向に弾力的に曲がる必要がある（図１８）。

　実施態様は、凹部４１、４２への上側棚部２１ｆ、２１ｇの挿入を容易にするために、リム４５、４６が下向きに広がる対向面４７、４８を有することを提供できる。ガイドポスト２１に対して装飾受け要素３０を押すことによって、下向きに広がる対向面４７、４８が上側棚部２１ｆ、２１ｇと係合し、対向する縁部３７、３８を強制的に引き離し、上側棚部上への凹部４１、４２のスナップ嵌めを生じさせる。

　凹部４１、４２は、溝３６の前部に形成されており、中央カバー部３９の前側から下向きの方向に突出する前縁４９によって前側が区切られる（図１６）。なお、前縁４９は、スライダ本体１３の最前面にある縁である。後ろ側においては、前縁４９と反対側であり、かつ長さ方向に間隔が開けられた垂直かつ横方向に延びる表面５０（図１６）によって凹部４１、４２が区切られる。したがって、前縁４９の内側の表面から中央カバー部３９の最後尾部までの間の水平距離は、上側棚部２１ｆ、２１ｇの長さより大きくなる。

　前縁４９および垂直かつ横方向に延びる表面５０は、第３の長さ方向ｚにおいて対向する第３のペアの離隔された表面を提供し、第３の長さ方向における装飾受け要素３０に関するスライダ本体１３の移動を拘束する。

　中央カバー部３９は、ガイドポスト２１の少なくとも一部の上方に配置されるが、長さ方向においてスライダの引手連結座１８を越えて延びない。具体的に述べれば、中央カバー部３９は、結合された状態において引手連結座１８より、より頭の方向に位置する後端３４ａを有する。このようなアレンジメントによって、ユーザが引手１４を掴んで持ち上げ、スライドファスナを開閉するときに、装飾受け要素３０が引手ロックメカニズムを妨げることがない。

　実施態様は、ガイドポスト２１が前側突出部２１ｄと後側突出部２１ｃとを形成し、前側突出部２１ｄと後側突出部２１ｃの間に引手挿入位置または凹部２１ｅが形成されることを提供できる。図１５の実施態様においては、前側突出部２１ｄが、左右の突出した上側棚部２１ｆ、２１ｇによって形成される。引手挿入位置２１ｅは、引手連結座１８のための空間を提供する。引手１４の動きを妨げないために、前側突出部２１ｄだけがカバー部３４によって覆われる。

　図１９および図２０は、金属材料から作ることができる装飾受け要素の第２の実施態様の変形を図解している。縁部３７、３８が、当初は真っ直ぐに形成され、中央板部３９から下向きに突出している。装飾受け要素３０が上側棚部２１ｆ、２１ｇ上に設定された後は、縁部３７、３８を可塑的かつ恒久的に、それらを上側棚部２１ｆ、２１ｇの下に折り曲げて変形し、それによって一方が他方に向かって横方向に突出するリム４５、４６と、上側棚部２１ｆ、２１ｇを保持する凹部４１、４２とを形成し、したがって、装飾受け要素をスライダ本体に取り付けることができる。縁部３７、３８は、それらの間の距離が横方向により狭く、かつ縁部３７、３８は、前縁４９に向かって垂直方向により長く（図１９）、それによって垂直かつ横方向に延びる段または表面５０が、前縁４９と対向し、かつそこから長さ方向に間隔を置いて画定される。

　好ましくは、装飾受け要素３０の中央カバー部３９が、スライダ本体１３のガイドポスト２１の横方向の幅より大きい横方向の幅を有する。このようなアレンジメントによって、ガイドポストおよび周囲のメカニズムが、汚れの入り込みおよびスライダとの干渉から保護される。

　以上、装飾受け要素とスライダの多様な側面および実施態様を説明してきた。理解されるものとするが、各側面ならびに実施態様は、任意のこのほかの側面または実施態様と組み合わせることができる。それに加えて、ここで説明した実施態様に本発明が制限されることはなく、むしろ随伴する特許請求の範囲およびそれらの法的均等の範囲内において多様となり得る。

　本出願は、２０２１年１月２９日出願のイタリア特許出願１０２０２１０００００１８１７に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　１０　スライダ
　１１　コイル
　１２　ファスナテープ
　１２ａ　上部
　１２ｂ　下部
　１３　本体、スライダ本体
　１４　引手
　１５　ばね
　１７　連結リング
　１８　引手連結座
　２０　下翼
　２１　ガイドポスト
　２１ａ、２１ｂ　左右の突出した部分
　２１ｃ　後側突出部
　２１ｄ　前側突出部
　２１ｅ　引手挿入位置凹部、引手挿入位置
　２１ｆ、２１ｇ　上側棚部
　２２　側方フランジ、ガイドレール
　２２ａ　垂直壁
　２２ｂ　水平延長部
　２２ｂ、２３ｂ　延長部
　２２ｃ、２３ｃ　後方集束部、最後尾部
　２２ｄ、２３ｄ　後方集束部
　２３　側方フランジ、ガイドレール
　２３ａ　垂直壁
　２５、２６　横方向に対向する側壁
　２５ｃ、２６ｃ　最後尾部
　２５ｄ、２６ｄ　後方集束部
　２５ｅ、２６ｅ　上面
　３０　装飾受け要素
　３１　装飾受け面
　３２　装飾
　３３　基板、下板
　３４　カバー部
　３４ａ　後端
　３５　ポスト
　３６　溝
　３７、３８　対向する縁部、縁部
　３９　中央板部、中央カバー部
　４０　上側部分
　４１、４２　互いに面する凹部、凹部
　４３、４４　下端
　４５、４６　リム
　４９　前縁

Claims

　スライドファスナ用のスライダ（１０）のスライダ本体（１３）に嵌合するように構成され、認識可能な装飾（３２）を施すことができる上面または装飾受け面（３１）を提供する装飾受け要素（３０）であって、
　前記スライダ本体（１３）の少なくとも一部を係合して受容し、前記スライダ本体（１３）上に前記装飾受け要素（３０）を少なくとも３つの、第１（ｘ）、第２（ｙ）、および第３（ｚ）の非同一平面方向に拘束するように構成されている複数の対向する協働面を備える、装飾受け要素。
　基板（３３）と、
　前記基板（３３）の上方に垂直に間隔を空けて位置し、前記上面または前記装飾受け面（３１）を提供するカバー部（３４）と、
を備え、
　前記基板（３３）および前記カバー部（３４）は、第１の垂直方向（ｘ）において、それぞれ下翼（２０）および前記スライダ本体（１３）の垂直方向および上方に突出した部分（２１）と係合するように構成された、対向して離間した第１の対の表面を提供し、それにより、前記スライダ本体（１３）が前記３方向のうちの前記第１の垂直方向（ｘ）において前記装飾受け要素（３０）に対して移動しないように拘束する、請求項１に記載の装飾受け要素。
　前記カバー部（３４）が、前記装飾受け要素（３０）の前端に配置されており、前記カバー部（３４）が、前記第３の長さ方向（ｚ）における前記基板（３３）の長さよりも短い前記第３の長さ方向（ｚ）の長さを有する、請求項２に記載の装飾受け要素。
　前記基板（３３）の２つの横方向に対向する側から上方に延びる一対の横方向に対向する側壁（２５、２６）、を備え、
　前記側壁（２５、２６）は、前記第２の横方向（ｙ）に対向して離間した第２の対の表面を提供し、それによって、前記スライダ本体（１３）が、前記３方向のうちの前記第２の横方向（ｙ）において、前記装飾受け要素（３０）に対して移動しないように拘束する、請求項２または３に記載の装飾受け要素。
　前記横方向に対向する側壁（２５、２６）は、共に前記３方向のうち、前記第３の長さ方向（ｚ）において、前記スライダ本体（１３）と後方当接する一対の後方集束部（２５ｄ、２６ｄ）を備える、請求項４に記載の装飾受け要素。
　前記基板（３３）および前記カバー部（３４）を接続し、前記装飾受け要素の前端の横方向中央位置に位置するポスト（３５）を備え、
　前記ポスト（３５）は、前記スライダ本体（１３）に対し、前記３方向のうちの前記第３の長さ方向（ｚ）において前方当接させる、請求項２～５のいずれか一項に記載の装飾受け要素。
　前記カバー部（３４）は、前記基板（３３）に面するとともに、前記カバー部（３４）の横方向に対向する側から下方向に突出する横方向に対向する縁部（３７、３８）を画定する溝（３６）を形成し、
　前記横方向に対向する縁部（３７、３８）は、前記スライダ本体（１３）の垂直方向および上方に突出した部分（２１）に係合して受容するように構成された前記対向する協働面の対のうちの一方を提供して、前記スライダ本体（１３）が、前記３方向のうち前記第２の横方向（ｙ）において、前記装飾受け要素（３０）に対して移動しないように拘束する、請求項２～６のいずれか一項に記載の装飾受け要素。
　前記カバー部（３４）の前記第２の横方向（ｙ）に測定した幅が、前記基板（３３）の幅よりも短い、請求項２～７のいずれか一項に記載の装飾受け要素。
　前記上面または前記装飾受け面（３１）を提供する中央板部（３９）と、
　前記中央板部（３９）の対向する左右の側から下方向に突出するとともに、前記装飾受け面（３１）に対向する前記中央板部（３９）の下側に溝（３６）を画定する、２つの横方向に対向する縁部（３７、３８）と、
　前記溝（３６）の部分であって、且つそれぞれ前記対向する縁部（３７、３８）に形成され、前記スライダ本体（１３）の垂直に突出するガイドポスト（２１）の上側棚部（２１ｆ、２１ｇ）を受容するように構成される。２つの横方向および互いに面する凹部（４１、４２）と、
　前記中央板部（３９）の前側から下方向に突出するとともに前側で前記凹部（４１、４２）を区切る前縁（４９）と、
　前記前縁（４９）に対向するとともに長さ方向に間隔を空けて垂直および横方向に延び、前記凹部（４１、４２）を後側で区切る、面（５０）と、
を備え、
　前記凹部（４１、４２）は、前記３方向のうち前記第１（ｘ）平面に対して互いに対向するとともに、離間する２つの第１の対の面（５３、５４、５５、５６）を提供し、前記スライダ本体が、前記第１の方向(x)における前記装飾受け要素（３０）に対して移動しないように拘束し、
　前記凹部（４１、４２）は、前記３方向のうち前記第２の方向（ｙ）に互いに対向する第２の対の面（５１、５２）をさらに提供し、前記スライダ本体が、前記第２の方向における前記装飾受け要素（３０）に対して移動しないように拘束し、
　前記前縁（４９）と前記垂直かつ横方向に延びる前記面（５０）は、前記第３の長さ方向（ｚ）に第３の対の、対向して離間した面を提供し、前記スライダ本体が、前記３つの非同一平面方向の前記第３の長さ方向(z)において、前記装飾受け要素（３０）に対して移動しないように拘束する、請求項１に記載の装飾受け要素。
　前記横方向に対向する縁（３７、３８）が、一方が他方に向かって横方向に突出するリム（４５、４６）を有する下端（４３、４４）を有し、
　前記リム（４５、４６）がそれぞれ２つの下向きに広がる対向面（４７、４８）のうちの１つを有する、請求項９に記載の装飾受け要素。
　前記３つの非同一平面方向（ｘ、ｙ、ｚ）がそれぞれ互いに直角をなす、請求項１～１０のいずれか一項に記載の装飾受け要素。
　スライドファスナ用のスライダ（１０）、および、請求項１～１１のいずれか一項に記載の装飾受け要素（３０）であって、
　前記スライダ（１０）は、
　下翼（２０）を有するスライダ本体（１３）と、
　前記下翼（２０）の両横方向に対向する側に位置する２つの側方フランジ（２２、２３）であって、前記下翼（２０）の横方向に対向する左右側に構築された一対の縦壁（２２ａ、２３ａ）と、前記縦壁（２２ａ、２３ａ）の上部から水平方向内側に延びる水平方向延長部（２２ｂ、２３ｂ）と、を形成する２つの側方フランジ（２２、２３）と、
　前記下翼（２０）の前端の中心位置から垂直に突出し、引手（１４）を前記スライダ本体（１３）に接続する引手連結座（１８）の少なくとも一部を形成するガイドポスト（２１）と、
を備え、
　前記装飾受け要素は、前記ガイドポスト（２１）の少なくとも一部の上方に配置され、前記引手連結座（１８）より、より頭部方向に位置する後端（３４ａ）を有するカバー部（３４、３９）を有する、スライダ（１０）および装飾受け要素（３０）。
　前記ガイドポスト（２１）は、前側突出部（２１ｄ）と後側突出部（２１ｃ）を形成し、前記前側突出部と後側突出部との間に前記引手連結座（１８）のための空間を提供するための引手挿入位置凹部（２１ｅ）を形成し、
　前記ガイドポスト（２１）の前記前側突出部（２１ｄ）のみが前記カバー部（３４，３９）によって覆われている、請求項１２に記載のスライダ（１０）および装飾受け要素（３０）。
　前記装飾受け要素（３０）の前記カバー部（３４、３９）が、前記スライダ本体（１３）の前記ガイドポスト（２１）の横幅よりも大きい横幅を有する、請求項１２または１３に記載のスライダ（１０）および装飾受け要素（３０）。
　前記装飾受け要素（３０）は、
　基板（３３）と、
　前記基板（３３）の２つの横方向に対向する側から上方に延びる一対の横方向に対向する側壁（２５、２６）と、
を備え、
　前記装飾受け要素（３０）の前記側壁（２５、２６）が、前記スライダ本体（１３）の前記側方フランジ（２２、２３）の前端部の後方に位置するそれぞれの前端部を有している、請求項１２～１４のいずれか一項に記載のスライダ（１０）および装飾受け要素（３０）。
　前記装飾受け要素（３０）は、
　基板（３３）と、
　前記基板（３３）の２つの横方向に対向する側から上方に延びる一対の横方向に対向する側壁（２５、２６）と、
を備え、
　前記装飾受け要素（３０）の前記側壁（２５、２６）が、前記側方フランジ（２２、２３）の上方に垂直に突出しないそれぞれの上面（２５ｅ、２６ｅ）を有している、請求項１２～１４のいずれか一項に記載のスライダ（１０）および装飾受け要素（３０）。
　隠しスライドファスナ（１６）であって、
　第１のファスナテープに固定されたファスナ歯の第１の列（１１）を有する前記第１のファスナテープ（１２）を含む第１のストリンガと、第２のファスナテープに固定されたファスナ歯の第２の列（１１）を有する前記第２のファスナテープ（１２）を含む第２のストリンガと、からなるスライドファスナチェーンと、
　請求項１２～１６のいずれか一項に記載のスライダ（１０）および装飾受け要素（３０）と、
を備え、
　前記スライダ（１０）は、前記スライドファスナを開閉するために前記スライドファスナチェーンに沿って移動可能であり
　前記装飾受け要素（３０）は、前記スライダ（１０）の前記本体（１３）に拘束されている、
隠しスライドファスナ。