WO2022162873A1 - 系統システム、及び、系統システムの制御装置 - Google Patents

系統システム、及び、系統システムの制御装置 Download PDF

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Abstract

電力変換装置(50a,50b)は、電圧源装置(10)が接続された配電系統(40)のの状態量を変化させるための電力を、電系統(40)に対して入力又は出力する。系統制御部(60a,60b)は、検出器(52a,52b,54a,54b)の出力から得られた、配電系統(40)の状態量の制御目標に対する偏差を補償するための垂下特性を設ける様に、電力変換装置(50a,50b)の電力指令値を算出する。系統制御部(60a,60b)における、偏差から電力指令値を算出するための制御演算の周波数特性は、直流を含む第1の周波数域における第1制御ゲイン値が、垂下特性の傾きに対応して設定されるとともに、第1の周波数域よりも高周波側の第2の周波数域における第2制御ゲイン値は、第1制御ゲイン値よりも低く設定されるように定められる。

Description

系統システム、及び、系統システムの制御装置
 本開示は、系統システム、及び、系統システムの制御装置に関する。
 電力系統において、電力変動によって生じる系統周波数の変動及び系統電圧の変動を安定的に制御するための系統システムが、特許第6510741号公報(特許文献1)に記載されている。
 特許文献1では、配電系統に対して、電力変換器から有効電力及び無効電力を、入力又は出力することで、系統システムの安定化を図ることが記載されている。具体的には、系統周波数の変化に対する有効電力の制御(以下では「f-P制御」とも称する)、及び、系統電圧の変化に対する無効電力の制御(以下では「V-Q制御」とも称する)を行うことが記載されている。
 特許文献1では、これらのf-P制御及びV-Q制御において、周波数変化量及び電圧変化量に比例ゲインを乗算した比例(P)制御に従って電力指令値を補正することにより、垂下特性を持たせることが記載される。更に、系統周波数及び系統電圧の小さい変化に対しては、電力指令値が補正されない不感帯を設けることが記載されている。
特許第6510741号公報
 しかしながら、特許文献1では、単一ゲインを用いた比例制御によってf-P制御及びV-Q制御を行うため、垂下特性の傾きによって比例制御ゲインが規定されてしまう。このため、時間遅れ要素等の影響により、場合によっては制御安定性が損なわれることが懸念される。
 本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであって、本開示の目的は、制御安定性を損なうことなく、設定された垂下特性を持たせた系統安定化制御が可能な系統システムの制御を提供することである。
 本開示のある局面では、系統システムは、電圧源装置が接続された配電系統と、配電系統の状態量を検出するための検出器と、電力変換装置と。系統制御部とを備える。電力変換装置は、状態量を変化させるための電力を配電系統に対して入力又は出力する様に構成される。系統制御部は、検出器の出力から得られた状態量と当該状態量の制御目標との偏差を補償するための垂下特性を設ける様に、偏差から電力変換装置の電力指令値を算出する。系統制御部は、偏差を入力とし電力指令値を出力とする、予め定められた周波数特性を有する制御演算を実行するように構成される。周波数特性は、直流を含む第1の周波数域における第1制御ゲイン値が垂下特性の傾きに対応して設定される一方で、第1の周波数域よりも高周波側の第2の周波数域における第2制御ゲイン値が第1制御ゲイン値よりも低く設定されるように定められる。
 本開示の他のある局面では、電圧源装置が接続された配電系統を備える系統システムの制御装置は、偏差演算部と、制御演算部とを備える。偏差演算部は、配電系統に設けられた検出器の出力に基づいて、当該配電系統の状態量と当該状態量の制御目標との偏差を算出する。制御演算部は、状態量を変化させるための電力を配電系統に対して入出力するための電力変換装置の電力指令値を生成する。制御演算部は、偏差演算部によって算出された偏差を補償するための垂下特性を設ける様に、偏差を入力とし電力指令値を出力とする、予め定められた周波数特性を有する制御演算を実行するように構成される。周波数特性は、直流及び配電系統の系統周波数の目標値を含む第1の周波数域における第1制御ゲイン値が垂下特性の傾きに対応して設定される一方で、第1の周波数域よりも高周波側の第2の周波数域における第2制御ゲイン値が第1制御ゲイン値よりも低く設定されるように定められる。
 本開示によれば、垂下特性の傾きを確保するために系統周波数の目標値を含む第1周波数域の制御ゲイン値を高く設定しても、高周波側の第2の周波数域の制御ゲインを下げることができるので、制御安定性を損なうことなく、設定された垂下特性を持たせた系統安定化制御を実現することが可能である。
実施の形態1に係る系統システムの概略構成を説明するブロック図である。 比較例に係るV-Q制御部の制御ブロック図である。 比較例に係るV-Q制御による垂下特性を示すグラフである。 比較例に係るV-Q制御の周波数特性を示すボード線図である。 電力変換装置単体でのV-Q制御の入出力応答の周波数特性の一例を示すボード線図である。 比較例に係るV-Q制御部を用いて電力変換器を制御した際の全体の制御ブロック図である。 図6に示された全体制御ブロックの周波数特性を示すボード線図である。 実施の形態1に係るV-Q制御部の制御ブロック図である。 実施の形態1に係るV-Q制御部の周波数特性を示すボード線図である。 実施の形態1に係るV-Q制御部を用いて電力変換器を制御した際の周波数特性を示すボード線図である。 実施の形態1の変形例に係るV-Q制御による垂下特性を示すグラフである。 実施の形態1の変形例に係るV-Q制御部の制御ブロック図である。 系統システムの構成の第1の変形例を説明するブロック図である。 系統システムの構成の第2の変形例を説明するブロック図である。 系統システムの構成の第3の変形例を説明するブロック図である。 実施の形態2に係る系統システムの概略構成を説明するブロック図である。 比較例に係るf-P制御部の制御ブロック図である。 比較例に係るf-P制御による垂下特性を示すグラフである。 比較例に係るf-P制御の周波数特性を示すボード線図である。 電力変換装置単体でのf-P制御の入出力応答の周波数特性の一例を示すボード線図である。 比較例に係るf-P制御部を用いて電力変換器を制御した際の全体の制御ブロック図である。 図21に示された全体制御ブロックの周波数特性を示すボード線図である。 実施の形態2に係るf-P制御部の制御ブロック図である。 実施の形態2に係るf-P制御部の周波数特性を示すボード線図である。 実施の形態2に係るf-P制御部を用いて電力変換器を制御した際の周波数特性を示すボード線図である。 実施の形態2の変形例に係るf-P制御による垂下特性を示すグラフである。 実施の形態2の変形例に係るf-P制御部の制御ブロック図である。
 以下に、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
 実施の形態1.
 実施の形態1では、系統安定化制御として、系統電圧の変化に対する無効電力制御(V-Q制御)について説明する。
 図1に示される様に、実施の形態1に係る系統システム100aは、電圧源装置10と、送電線を含む配電系統40と、電力変換装置50a,50bと、電圧測定部52a,52bと、電流測定部54a,54bと、系統制御部60a,60bとを備える。
 電圧源装置10は、配電系統40と接続されて、配電系統40に交流電圧を出力する。電圧源装置10は、電力系統に相当する場合、又は、電力系統から切り離された独立した電圧源の場合の両方が想定される。電圧源装置10は、例えば、発電機等の発電装置、発電装置及び負荷の組み合わせ、又は、大容量の蓄電装置等を含んで構成することができる。
 配電系統40には、需要家群20が接続される。需要家群20は、配電系統から供給された電力を消費する。或いは、需要家群20では、太陽光発電装置(図示せず)等による発電電力を配電系統40に逆潮流することも可能である。
 配電系統40は、送電線の長さに応じた配電インピーダンスを有する。図1の例では、電圧源装置10から、配電系統40上の電力変換装置50a,50bとの接続点との間には、配電インピーダンス40xaが存在しており、当該接続点と需要家群20との間には配電インピーダンス40xbが存在している。
 配電線インピーダンスは、同一種類の送電線では、配線長が長いほど配電インピーダンスが増加する特性を有する。又、配電系統40に無効電力(電流)が流れた場合、無効電力の極性(位相)に応じて系統電圧が上昇又は下降する。この際の系統電圧の変化量は、上記配電インピーダンスの内、配電線に生じるインダクタンス(配線インダクタンス)の大きさに応じて決まる。尚、以下では、説明を簡略化するために、有効電力及び配線インダクタンスの間、及び、無効電力及び配線抵抗の間での相互作用が、系統電圧に与える影響は十分に小さく無視できるものとする。
 電圧測定部52a,52b及び電流測定部54a,54bは、配電系統40の状態を検知するために配置される。電圧測定部52a,52bは、配電系統40との接続点における交流電圧(系統電圧)を測定する。同様に、電流測定部54a,54bは、配電系統40との接続点における交流電流(系統電流)を測定する。測定された系統電圧及び系統電流は、系統制御部60a,60bに入力される。
 尚、図1の例では、電圧測定部52a,52b及び電流測定部54a,54bは、電力変換装置50a,50bの直近に設置されているが、電力変換装置50a,50bから離れた箇所に配置されてもよい。或いは、配電系統40上の複数個所に電圧測定部52a,52b及び電流測定部54a,54bを配置して、複数個所で測定された系統電圧及び系統電流を、選択的に系統制御部60a,60bに入力することも可能である。
 電力変換装置50a,50bは、配電系統40に対して、系統制御部60a,60bからの電力指令値に従った無効電力を出力する様に構成される。上述の様に、実施の形態1では、V-Q制御を説明するので、電力変換装置50a,50bは、配電系統40に対して無効電力Qxa,Qxbを注入するための、STATCOM(Static synchronous compensator))等の自励式又は他励式の無効電力補償装置を用いて構成することができる。
 尚、以下では、系統電圧の位相を基準として、電流進相方向(即ち、系統電圧上昇方向)の無効電力を正値(Q>0)で表す一方で、電流遅相方向(即ち、系統電圧低下方向)の無効電力を負値(Q<0)で表すものとする。又、電力変換装置50a,50bは、需給調整手段のために、蓄電装置及び/又は分散型電源(太陽電池パネル等)と接続されていてもよい。
 系統制御部60a,60bは、電圧測定部52a,52b及び電流測定部54a,54bによって測定された配電系統40の状態(具体的には、系統電圧及び/又は系統電流)に基づき、電力変換装置50a,50bの電力指令値を生成する。V-Q制御が説明される実施の形態1では、系統制御部60a,60bは、電力指令値Qrefを生成する。上記の定義に従って、Qref>0は、電流進相方向(電圧上昇方向)の無効電力(Qxa,Qxb>0)の出力を指示するものであり、Qref<0は、電流遅相方向(電圧低下方向)の無効電力(Qxa,Qxb<0)の出力を指示するものである。
 例えば、図1に例示される様に、系統制御部60a,60bは、CPU(Central Processing Unit)151と、メモリ152と、入出力(I/O)回路153とを含む様に、コンピュータベースで構成することができる。CPU51、メモリ152及びI/O回路153は、バス155を経由して、相互にデータの授受が可能である。メモリ152の一部領域にはプログラムが予め格納されており、CPU151が当該プログラムを実行することで、後述するV-Q制御及び実施の形態2で説明するf-P制御の機能を実現することができる。I/O回路153は、系統制御部60a,60bの外部との間で、信号及びデータを入出力する。
 或いは、図1の例とは異なり、系統制御部60a,60bの少なくとも一部については、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の回路を用いて構成することが可能である。又、系統制御部60a,60bの少なくとも一部について、アナログ回路によって構成することも可能である。この様に、後述するV-Q制御及びf-P制御の機能は、ソフトウェア処理及びハードウェア処理の少なくとも一方によって実現することができる。
 図1の例では、電力変換装置50a及び系統制御部60a、並びに、電力変換装置50b及び系統制御部60bは、別個の機器で構成されており、有線又は無線通信を介して接続されている。但し、系統制御部60a,60bは、電力変換装置50a,50bの内部機能としてよく、電力変換装置50a及び系統制御部60a、並びに、電力変換装置50b及び系統制御部60bのそれぞれは、単一機器で構成されてもよい。
 以下で説明する、系統制御部60aによる電力変換装置50aの制御と、系統制御部60bによる電力変換装置50bの制御とは共通である。従って、以下では、各要素の添字a,bを省いて、系統制御部60a,60bの各々による電力変換装置50a,50bの各々を用いた系統安定化制御を包括的に説明することとする。
 まず、比較例として、特許文献1等に記載された従来のV-Q制御について、図2~図7を用いて説明する。
 図2に示される様に、比較例に係るV-Q制御部200♯は、実効値算出部202と、減算部204と、比例制御要素206と、リミッタ208とによって実行される。実効値算出部202は、電圧測定部52によって計測された系統電圧Vacから系統電圧実効値Vrmsを算出する。
 減算部204は、系統電圧指令値Vrms*から、実効値算出部202によって算出された系統電圧Vacを減算して、電圧偏差ΔVrmsを算出する。比例制御要素206は、電圧偏差ΔVrms及び比例ゲインKvqの乗算値を出力する。比例制御要素206の出力値がリミッタ208を通過することによって、電力指令値Qrefが生成される。
 リミッタ208は、Kvq・ΔVrms>Qrefupのときは、Qref=Qrefupに固定する一方で、Kvq・ΔVrms<Qrefdwnのときは、Qref=Qrefdwnに固定する(Qrefdown<0,Qrefup>0)。これに対して、Qrefdwn≦Kvq・ΔVrms≦Qrefupのときには、Qref=Kvq・ΔVrmsに設定される。
 図3には、図2の制御ブロック図に従うV-Q制御による垂下特性が示される。
 図3の横軸には、電圧偏差ΔVrmsが示され、縦軸には、電力指令値Qrefが示される。ΔVrms=0,即ち、Vrms=Vrms*のときに、Qref=0である。ΔVrms>0(即ち、Vrms*>Vrms)のときには、ΔVrmsに比例した大きさの進相無効電力(系統電圧を上昇させる方向)が電力変換装置50から配電系統40に出力されるように、電力指令値Qrefが設定される(Qref>0)。これに対してΔVrms<0(即ち、Vrms*<Vrms)のときには、ΔVrmsに比例した大きさの遅相無効電力(系統電圧を低下させる方向)が電力変換装置50から配電系統40に出力されるように、電力指令値Qrefが設定される(Qref<0)。
 尚、リミッタ208(図2)によって、電力指令値Qrefは、Qrefdmn≦Qref≦Qrefupの範囲内に制限して設定されるが、当該制限値Qrefup,Qrefdwnは、電力変換装置50が出力可能な定格電力等に応じて予め決定することができる。或いは、電力変換装置50が有効電力及び無効電力の両方を出力できる場合には、有効電力の出力量に応じて、制限値Qrefup,Qrefdwnを可変としてもよい。例えば、電力変換装置50が出力可能な電流量に制限がある場合には、電力変換装置50が出力できる皮相電力量に一定の制限が設けられるため、電力変換装置50から出力される皮相電力が予め定められた制限値以下となるように、有効電力の出力量に応じて、制限値Qrefup,Qrefdwnを変化させることができる。この場合の制限値は、電力変換装置50のスペック等に従って、任意に設定することができる。
 図3に示される様に、垂下特性の傾きは、比例ゲインKvqによって決定される。例えば、図示しない上位の制御部から垂下特性が与えられる場合には、図2の比例ゲインKvqは、指示された垂下特性の傾きによって決定される。
 図4には、図2に示された制御ブロック図の入出力応答の周波数特性を模式的に表したボード線図が示される。図4(a),(b)の横軸には周波数が示され、図4(a)の縦軸には制御ゲイン、図4(b)の縦軸には位相が示される。
 図4(a)に示される様に、ゲインは、周波数によらず、比例ゲインKvqに一定に維持される。又、図4(b)に示される様に、比例制御のため、位相は、周波数によらず、0[deg]に維持される。
 次に、図5には、電力変換装置50単体のV-Q制御の入出力応答の周波数特性の一例が示される。電力変換装置50の実際の動作では、ある電力指令値が設定されてから、当該電力指令値に従った電力(電流)が整定して出力されるまでに一定の応答周波数を限界とするような能力上の制限が存在する。例えば、電力変換装置50自体の能力(応答速度)、並びに、電力変換装置50及び系統制御部60の間の通信間隔の制約等による制御遅れ等に起因して、この様な制限が発生する。
 応答能力の限界を模式的に表すため、図5(a)に示される様に、電力変換装置50単体のV-Q制御のゲイン特性は、2次遅れ系の周波数特性を有すると仮定する。ここでは仮に、図5(a)上の折れ線で表した2次遅れ系の周波数応答での折点周波数に対応する、通過帯域に対するゲインが半分となるカットオフ周波数を、上記制限を回避できる上限周波数fcと定める。以下では、当該上限周波数を、電力変換装置50の応答周波数fcとも称する。電力変換装置50単体のV-Q制御では、位相特性についても、図5(b)に示される様に、応答周波数fc付近で、0[deg]から-180[deg]へ変化する。
 図6には、図2のV-Q制御部200♯(比較例)を用いて電力変換装置50を制御した際の全体の制御ブロック図が示される。
 図6に示された全体制御ブロック250において、「PCS」と表記されたブロックは、電力変換装置50に相当する。電力変換装置50から出力された電力(実施の形態1では、無効電力Qx)は、配電系統40のインピーダンスの大きさ(X)に応じて系統電圧実効値Vrmsに変化を起こす。系統電圧実効値Vrmsは、図2に示されたV-Q制御部200♯に入力される。V-Q制御部200♯は、系統電圧指令値Vrms*から系統電圧実効値Vrmsを減算した電圧偏差ΔVrmsと比例した無効電力Qxが出力される様に、電力変換装置50を制御する。
 図7には、図6に示された、V-Q制御部200♯及び電力変換装置50を含む全体制御ブロック250の周波数特性を模式的に表したボード線図が示される。図7(a),(b)の横軸には周波数が示され、図7(a)の縦軸には制御ゲイン、図7(b)の縦軸には位相が示される。
 図7(a)に示される様に、上位からの垂下特性に従って定められた比例ゲインKvqが決定されることにより、応答周波数fc以下の周波数領域では、当該比例ゲインKvqに依存した一定値に制御ゲインが維持される。一方で、図7(b)に示される様に、位相は、図5(b)と同様に、応答周波数fc付近で、0[deg]から-180[deg]へ変化する。
 図7(b)から理解される様に、比較例のV-Q制御(図2)が適用された電力変換装置50のV-Q制御では、応答周波数fc付近においても、制御ゲインが比例ゲインKvqに依存する一定値に維持されることになる。
 このため、垂下特性によって比例ゲインKvqが高く設定され過ぎると、制御の位相余裕やゲイン余裕が減少して、図6に示されたV-Q制御全体での制御安定性が損なわれるケースが発生する虞がある。
 電力変換装置50によって系統電圧変動を抑制する際には、系統電圧の安定化を重視して、系統電圧の±1(%)以下程度の小さい電圧変動に対して、電力変換装置50の定格出力程度の無効電力が出力される様に、垂下特性が設定される。このため、V-Q制御の垂下特性の傾きを確保するために、比例ゲインKvqが大きく設定され得る。これに伴い、応答周波数fc付近では、上述した様に制御安定性が低下することが懸念される。反対に、制御安定性を重視して比例ゲインKvqを制限すると、系統電圧安定化制御の性能が制限されてしまう。
 従って、本実施の形態1では、図6に示された全体制御ブロック250において、比較例に係るV-Q制御部200♯を、図8に示されるV-Q制御部200に置換する様に、系統制御部60を構成する。
 尚、図6に示された全体制御ブロック250は、本開示の要旨を簡潔に説明するために単純化されており、説明にあたっての一例に過ぎない。即ち、本開示の適用は図6に示された全体制御ブロック250において、V-Q制御部200♯に代えて、図8に示されるV-Q制御部200が用いられる構成に限定されるものではない点を確認的に記載する。
 図8に示される様に、実施の形態1に係るV-Q制御部200は、図2と同様の実効値算出部202、減算部204、及び、リミッタ208と、比例制御要素211,212と、積分制御要素213と、減算部214と、加算部216と、リミッタ220とを含む。
 比例制御要素211は、電圧偏差ΔVrms及び比例ゲインKpの乗算値を出力する。電圧偏差ΔVrmsは、減算部214の(+)側に入力される。
 積分制御要素213は、減算部214の出力及び積分ゲイン(Kp/T)の乗算値を積算する(T:積分時間)。積分制御要素213の出力である積分値は、比例制御要素212によってゲイン(1/Kvq0)を乗算されて、減算部214の(-)側の入力値Aとされる。リミッタ220は、リミッタ208と同様の機能を有し、積分制御要素213による積分値を、上述のQrefdwn~Qrefupの範囲内に制限するために設けられる。
 加算部216は、比例制御要素211(Kp)の出力値と、積分制御要素213による積分値(リミッタ220の通過後)とを加算する。V-Q制御部200では、加算部216の出力値がリミッタ208を通過することによって、電力指令値Qrefが生成される。即ち、電力指令値Qrefは、Qrefdown≦Qref≦Qrefupの範囲内に制限して設定される。
 図8において、リミッタ208,220を省略すると、入力ΔVrms及び出力Qrefの間の制御演算は、減算部214への入力値Aを用いて、下記の式(1)で示すことができる。
 (ΔVrms-A)・(Kp/sT)+ΔVrms・Kp=Qref  …(1)
 又、入力値Aについては、下記の式(2)が成立する。
 (ΔVrms-A)・(Kp/sT)・(1/Kvq0)=A …(2)
 式(1)及び(2)を連立して、入力値Aを消去して、(Qref/ΔVrms)について解くと、V-Q制御部200での制御演算について、図8中にも示される下記の式(3)が得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 式(3)において、s→0、即ち、周波数をゼロに近づけると、(Qref/ΔVrms)=Kp+Kvq0となることが理解される。反対に、s→∞、即ち、周波数を高めていくと、(Qref/ΔVrms)=Kpとなることが理解される。この為、Kp<Kvq0とすることで、高周波域のゲインを低周波域のゲインよりも低くすることができる。
 図9には、図8に示されたV-Q制御部200の入出力応答の周波数特性、即ち、実施の形態1に係るV-Q制御の周波数特性を模式的に表したボード線図が示される。図4と同様に、図9(a),(b)の横軸には周波数が示され、図9(a)の縦軸には制御ゲイン、図9(b)の縦軸には位相が示される。
 図9に示される様に、低周波域(s→0)では、比例制御が支配的になるので、制御ゲインは、Kvq=Kp0+Kpで示される第1ゲイン値となり、位相が0[deg](位相遅れ無し)となる。一方で、低周波域から周波数が上昇すると、積分制御の影響が大きくなり、制御ゲインが第1ゲイン値から低下するとともに、位相は-90[deg]に向けて低下する。従って、直流(0[Hz])を含む低周波数域において、制御ゲインを第1ゲイン値Kvqに設定することができる。即ち、第1ゲイン値Kvqは「第1制御ゲイン値」の一実施例に対応し、直流を含む低周波数域は「第1の周波数域」の一実施例に対応する。尚、制御ゲインが第1ゲイン値Kvqに設定される上記低周波数域は、系統電圧制御の整定時間の目標値(数十秒~数百秒程度)の逆数で示される周波数を含むことが好ましい。
 更に周波数が上昇すると、積分制御が支配的な周波数域となり、位相は-90[deg]になる。この周波数域でも、周波数の上昇に応じて制御ゲインは低下する。
 高周波域(s→∞)では、制御ゲインは、Kp(第2ゲイン値)まで低下するとともに、再び比例制御が支配的になり、位相は0[deg]になる。制御ゲイン=Kpとなる下限周波数である折線周波数fc0は、積分制御要素213での積分時間Tに依存して決まる。
 図5及び図7で説明した、電力変換装置50の応答周波数fcでの制御ゲインを下げるためには、fc0<fcとなる様に、積分時間Tが設定されることが好ましい。この場合には、応答周波数fcでの制御ゲイン値はKpとなるので、第2ゲイン値Kpは「第2制御ゲイン値」の一実施例に対応し、第2ゲイン値Kpが設定される。
 或いは、応答周波数fcにおける制御ゲイン値が、第1ゲイン値(Kvq)よりも十分低い範囲内であれば、fc0>fcを許容することも可能であり、例えば、最低条件として、fc0<5・fcとなる範囲内に折線周波数fc0が位置する様に、積分時間Tを設定することができる。この場合には、ゲインKpよりも大きく、かつ、ゲインKvqよりも小さい、応答周波数fcにおける制御ゲインが「第2ゲイン値」の一実施例に対応することになる。いずれにしても、制御ゲイン値が「第2ゲイン値」に設定される「第2の周波数域」は、応答周波数fcを含むことが理解される。
 低周波域でのゲインKvq(第1ゲイン値)は、図3と同様の垂下特性の傾きに相当する。従って、図8中のゲインKp及びKvq0は求められる垂下特性の傾きに対応させて、系統制御部60内の値として定められる。
 系統制御部60では、予め設定されたゲインKpと、上位から指示された垂下特性の傾きKvqとを用いて、Kvq0=Kvq-Kpに設定して、比例制御要素212のゲイン(1/Kvq0)を定めることができる。尚、Kvq>>Kpの場合には、Kvq≒(Kvq0+Kp)となるので、系統制御部60では、上位から指示された垂下特性の傾きKvqをそのまま用いて、Kvq0=Kvqと簡易に設定することも可能である。
 図10には、図8に示されたV-Q制御部200及び電力変換装置50を合わせた全体の制御ブロックの周波数特性が示される。具体的には、図6の全体制御ブロック250において、比較例のV-Q制御部200♯に代えて、実施の形態1に係るV-Q制御部200を適用したときの周波数特性を模式的に表したボード線図が示される。図7と同様に、図10(a),(b)の横軸には周波数が示され、図10(a)の縦軸には制御ゲイン、図10(b)の縦軸には位相が示される。
 図10(a)に示される様に、上述の直流(0[Hz])を含む低周波数域では、制御ゲインは、第1ゲイン値Kvqに依存した値となる。このため、垂下特性の傾き(Kvq)を確保するための図7と同等の制御ゲインを確保することができる。これにより、図3に示された垂下特性を同様に実現することができる。
 一方で、応答周波数fcを含む高周波域での制御ゲインは、第2ゲイン値Kpに依存した値に低下する。これにより、図9に示した折線周波数fc0よりも高い、電力変換装置50の応答周波数fc付近の周波域では、制御ゲインは、第2ゲイン値Kpに依存した値となり、低周波域での第1ゲイン値Kvqに依存した値よりも低く抑えられる。
 又、応答周波数fcよりも高い周波数域では、周波数の上昇に応じて、制御ゲインは低下する。特に、電力変換装置50の周波数特性(図5)、V-Q制御部200の特性、及び、配電系統のインピーダンスXが関与して決まるゲイン交差周波数fc1において、制御ゲインが0[dB]となる。
 この様に、実施の形態1に係るV-Q制御が適用された系統システムによれば、応答周波数fc付近での制御安定性を損なうことなく、所望の垂下特性を持たせることが可能となる。即ち、制御安定性を損なうことなく、設定された垂下特性を持たせることが可能となることが理解される。
 実施の形態1において、図1等に示された、電圧測定部52a,52b及び電流測定部54a,54bは、配電系統40の状態量を検出するための「検出器」の一実施例に対応し、系統制御部60a,60bは、系統システムの「制御装置」の一実施例に対応する。又、実施の形態1では、系統電圧実効値Vrmsが、配電系統40の「状態量」に対応する。更に、図8に示した制御ブロック図において、V-Q制御部200の実効値算出部202及び減算部204は「偏差演算部」の一実施例に対応し、V-Q制御部200の減算部204よりも下流側の要素群によって「制御演算部」の一実施例が構成される。
 尚、図8に示されたV-Q制御部200の構成は例示に過ぎず、図9を用いて説明した、上述の直流(0[Hz])を含む低周波域及び応答周波数fcを含む高周波域での周波数特性が実現できる限り、V-Q制御部200による制御演算は任意に設定することができる。
 実施の形態1の変形例.
 実施の形態1の変形例では、特許文献1と同様に、系統電圧の小さい変化に対して不感帯を設けたV-Q制御を説明する。
 図11には、実施の形態1の変形例に係るV-Q制御による垂下特性が示される。
 図11を図3と比較して、実施の形態1の変形例では、系統電圧指令値Vrms*に対する系統電圧実効値Vrmsの変化が小さいとき、例えば、Vrmsdwn≦ΔVrms≦Vrmsup(Vrmsdwn<0,Vrmsup>0)の範囲では、Qref=0に設定されて、電力変換装置50から配電系統40に無効電力を注入しない様に、V-Q制御が行われる。
 一方で、ΔVrms>Vrmsupの領域では、電圧偏差ΔVrmsu(ΔVrmsu=Vrms*-Vrms-Vrmsup)に比例した大きさの進相無効電力(電圧上昇方向)が配電系統40に注入される様に、図3と同様の傾きKvq及び電圧偏差ΔVrmsupの積に従って、電力指令値Qrefが設定される(Qref=Kvq・ΔVrmsu)。
 ΔVrms<Vrmsdwnの領域では、電圧偏差ΔVrmsd(ΔVrmsd=Vrms*-Vrms-Vrmsdwn)に比例した大きさの遅相無効電力(電圧低下方向)が配電系統40に注入される様に、図3と同様の傾きKvq及び電圧偏差ΔVrmsdの積に従って、電力指令値Qrefが設定される(Qref=Kvq・ΔVrmsd)。
 即ち、ΔVrms>Vrmsupの領域、及び、ΔVrms<Vrmsdwnの領域では、図3と同様の傾きKvqを有する垂下特性に従って、V-Q制御が行われる。
 図12には、実施の形態1の変形例に係るV-Q制御部の制御ブロック図が示される。
 図12に示される様に、実施の形態1の変形例に係るV-Q制御部201は、実効値算出部202と、減算部204と、電圧上昇側のV-Q制御部200uと、電圧低下側のV-Q制御部200dと、補正部217u,217dと、加算部235とを有する。
 補正部217uは、減算部204からの電圧偏差ΔVrmsから図11のVrmsup(>0)を減算することで、補正された電圧偏差ΔVrmsuを算出する。これにより、0<ΔVrms<Vrmsupの領域では、電圧偏差ΔVrmsが正値であるのに対して、電圧偏差ΔVrmsuは負値に補正される。
 同様に、補正部217dは、減算部204からの電圧偏差ΔVrmsから図11のVrmsdwn(<0)を減算することで、補正された電圧偏差ΔVrmsdを算出する。これにより、Vrmsdwn<ΔVrms<0の領域では、電圧偏差ΔVrmsが負値であるのに対して、電圧偏差ΔVrmsdは正値に補正される。
 V-Q制御部200uは、図8のV-Q制御部200のリミッタ208,220、比例制御要素211,212、積分制御要素213、減算部214、及び、加算部216と同様に接続された、リミッタ208u,220u、比例制御要素211u,212u、積分制御要素213u、減算部214u、及び、加算部216uを有する。
 但し、リミッタ208u,220uは、出力値を0~Qrefupの範囲内に制限する様に構成される(Qrefup>0)。即ち、リミッタ208u,220uへ負値が入力されるときには、リミッタ208u,220uの出力値は0となる。
 V-Q制御部200uは、補正された電圧偏差ΔVrmsuを入力として、Qrefuを出力する。上述したリミッタ208u,220uの動作により、電圧偏差ΔVrmsu<0のとき、即ち、ΔVrms<Vrmsupのときには、V-Q制御部200uの出力値Qrefu=0となる。
 一方で、電圧偏差ΔVrmsu≧0のときには、電圧偏差ΔVrmsuに応じて、V-Q制御部200uの出力値Qrefu>0となる。このときの電圧偏差ΔVrmsu及び出力値Qrefuの間の関係は、V-Q制御部200(図8)における電圧偏差ΔVrms及び電力指令値Qrefの関係と同様である。
 同様に、V-Q制御部200dは、図8のV-Q制御部200のリミッタ208,220、比例制御要素211,212、積分制御要素213、減算部214、及び、加算部216と同様に接続された、リミッタ208d,220d、比例制御要素211d,212d、積分制御要素213d、減算部214d、及び、加算部216dを有する。
 但し、リミッタ208d,220dは、出力値をQrefdwn~0の範囲内に制限する様に構成される(Qrefdwn<0)。即ち、リミッタ208u,213uへ正値が入力されるときには、リミッタ208d,220dの出力値は0となる。
 V-Q制御部200dは、補正された電圧偏差ΔVrmsdを入力として、Qrefdを出力する。上述したリミッタ208d,220dの動作により、電圧偏差ΔVrmsd>0のとき、即ち、ΔVrms>Vrmsdwnのときには、V-Q制御部200dの出力値Qrefd=0となる。
 一方で、電圧偏差ΔVrmsd≦0のときには、電圧偏差ΔVrmsdに応じて、V-Q制御部200dの出力値Qrefd<0となる。このときの電圧偏差ΔVrmsd及び出力値Qrefdの間の関係は、V-Q制御部200(図8)における電圧偏差ΔVrms及び電力指令値Qrefの関係と同様である。
 加算部235は、V-Q制御部200uの出力値Qrefuと、V-Q制御部200dの出力値Qrefdとを加算して、電力指令値Qrefを生成する。上述の様に、図11に示された、Vrmsdwn≦ΔVrms≦Vrmsupの範囲では、Qrefu=Qrefd=0であるので、電力指令値Qref=0と設定される。これにより、Vrmsdwn≦ΔVrms≦Vrmsupとなる、系統電圧指令値Vrms*からの系統電圧の変化が小さい領域を、配電系統40に無効電力が注入されない不感帯とすることができる。
 一方で、不感帯の外部では、図8のV-Q制御部200において、電圧偏差ΔVrmsを、補正された電圧偏差ΔVrmsu又はΔVramsdに置き換えた態様で、電力指令値Qrefを設定することができる。
 この様に、実施の形態1の変形例に係るV-Q制御が適用されたシステムでは、系統電圧の変化が小さい領域に不感帯を設けるとともに、不感帯の外部では、実施の形態1と同様にV-Q制御を行うことができる。従って、実施の形態1に係るV-Q制御による効果に加えて、系統電圧の変化が小さい領域における制御安定性を更に高めることができる。
 次に、系統システムの構成の変形例を説明する。
 図1では、近接配置された2台の電力変換装置50a,50bの各々により、垂下特性を設けるための制御(V-Q制御)を行う構成例を説明したが、2台の電力変換装置50a,50bの一方のみで実施の形態1に係るV-Q制御を行ってもよい。
 但し、図1の様な構成では、センサ誤差等に起因した制御誤差が生じることにより、電力変換装置50a,50bの間で出力分担が偏ることが懸念される。これに対して、電力変換装置50a,50bの両方に垂下特性を設けることにより、この様な出力分担の偏りを抑制することができる。
 又、図13に示される系統システム100bの様に、電力変換装置50a,50bに対して共通に設けられた系統制御部60に、図1に示された系統制御部60a,60bの機能を統合するシステム構成とすることも可能である。系統制御部60は、垂下特性の傾きを設定する上位制御部に統合することも可能である。この場合には、系統制御部60内で設定された垂下特性の傾き(Kvq)を用いて、本実施の形態に係る電力制御(V-Q制御)のための電力変換装置50a,50bの指令値が生成される。
 或いは、図14に示される系統システム100cの様に、配電系統40上の離れた個所にそれぞれ接続された電力変換装置50a,50bにおいて、本実施の形態に係る電力制御(V-Q制御)が実行されてもよい。
 又、図15に示される系統システム100dの様に、異なる配電系統40a,40bにそれぞれ接続された電力変換装置50a,50bにおいて、本実施の形態に係る電力制御(V-Q制御)が実行されてもよい。
 尚、図1、図13~図15では、2台の電力変換装置50a,50bによる電力制御(V-Q制御)を説明したが、配電系統の任意の個所に接続される電力変換装置50は1台、或いは、3台以上であってもよい。即ち、配電系統に接続された任意の個数の電力変換装置50において、本実施の形態に係る電力制御を実行することが可能である。
 実施の形態2.
 実施の形態2では、系統安定化制御として、系統周波数の変化に対する有効電力制御(f-P)について説明する。
 図16に示される様に、実施の形態2に係る系統システム100eは、系統システム100a(図1)と同様に構成されており、電圧源装置10と、送電線を含む配電系統40と、電力変換装置50a,50bと、電圧測定部52a,52bと、電流測定部54a,54bと、系統制御部60a,60bとを備える。
 一般的に、電圧源装置10では、発電機の回転子に代表される、回転運動による運動エネルギを保存する回転要素を有している。このため、電圧源装置10では、瞬時的な電力バランスが崩れると、回転要素の運動エネルギの変化により電力バランスを保つ動作が行われる。例えば、電圧源装置10の供給可能電力よりも需要家群20等での消費電力が大きい場合は、電圧源装置10は、回転要素の運動エネルギの一部を供給可能電力として取り出して需要家群20に供給する様に動作する。これにより、回転要素の回転運動エネルギが低下するため、当該回転要素の回転数が低下し、当該回転数の変化が系統電圧の周波数変化(低下)として現れる。反対に、電圧源装置10の供給可能電力に対して需要家群20等での消費電力が小さい場合は、当該回転要素の回転数が上昇するため、当該回転数の変化は、系統電圧の周波数変化(上昇)として現れる。
 この様な、周波数変化が生じるか否かは、電圧源装置10の供給能力と、需要家等での消費電力とのバランスに依存する。実施の形態2では、電圧源装置10は、電力負担に応じて配電系統40の系統周波数が変化する特性を有している場合を想定する。
 実施の形態2では、電力変換装置50a,50bは、配電系統40に対して、系統制御部60a,60bからの電力指令値に従った有効電力Pxa,Pxbを入出力する様に構成される。電力変換装置50a,50bは、バッテリ等の蓄電装置(バッテリ等)含む需給調整手段と接続されたインバータ等を用いることで、有効電力の入力及び出力の両方が可能となる。
 実施の形態2では、系統制御部60a,60bは、電圧測定部52a,52b及び電流測定部54a,54bによって測定された配電系統40の状態(具体的には、系統電圧及び/又は系統電流)に基づき、有効電力の電力指令値Prefを生成する。
 以下では、電力変換装置50から配電系統40に出力される方向の有効電力を正値で表す一方で、配電系統40から電力変換装置50へ入力される方向の有効電力を負値で表すものとする。上記の定義に従って、Pref>0は、配電系統40への有効電力の出力(周波数を上昇させる方向,Pxa,Pxb>0)を指示するものであり、Pref<0は、配電系統40からの有効電力の流出(周波数を低下させる方向,Pxa,Pxb<0)を指示するものである。図16のその他の構成は、図1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
 比較例として、特許文献1等に記載された従来のf-P制御について、図17~図22を用いて説明する。
 図17に示される様に、比較例に係るP-Q制御部300♯は、周波数算出部302と、減算部304と、比例制御要素306と、リミッタ308とによって実行される。周波数算出部302は、電圧測定部52によって計測された系統電圧Vacの波形から系統周波数fsを算出する。
 減算部304は、系統周波数の制御目標である系統周波数指令値fs*から、周波数算出部302によって算出された系統周波数fsを減算して、周波数偏差Δfsを算出する。比例制御要素306は、周波数偏差Δfs及び比例ゲインKfpの乗算値を出力する。比例制御要素306の出力値がリミッタ308を通過することによって、電力指令値Prefが生成される。
 リミッタ208は、Kfp・Δfs>Prefupのときは、Pref=Prefupに固定する一方で、Kfp・Δfs<Prefdwnのときは、Pref=Prefdwnに固定する(Prefdown<0,Prefup>0)。これに対して、Prefdwn≦Kfp・Δfs≦Prefupのときには、Pref=Kfp・Δfsに設定される。
 これにより、比較例に係るV-Q制御と同様のP(比例)制御によって垂下特性が設けられる。
 図18に示される様に、横軸に示された周波数偏差Δfsに対して、縦軸に示された電力指令値Prefが比例することで、比例ゲインKvqによって決定される垂下特性が実現される。即ち、図17の比例ゲインKfpは、図示しない上位の制御部から与えられた垂下特性の傾きによって決定することができる。
 この垂下特性により、Δfs>0(即ち、fs*>fs)のときには、Δfsに比例した大きさの有効電力が電力変換装置50から配電系統40に出力されるように、電力指令値Prefが設定される(Pref>0)。これに対してΔfs<0(即ち、fs*<fs)のときには、Δfに比例した大きさの有効電力が配電系統40から電力変換装置50へ入力されるように、電力指令値Prefが設定される(Pref<0)。
 尚、リミッタ308(図17)によって、電力指令値Prefは、Prefdmn≦Pref≦Prefupの範囲内に制限して設定されるが、当該制限値Prefup,Prefdwnについても、電力変換装置50が出力可能な定格電力等に応じて予め決定することができる。或いは、電力変換装置50が有効電力及び無効電力の両方を出力できる場合には、皮相電力が一定の制限値を超えない様に、無効電力の出力量に応じて、制限値Prefup,Prefdwnを変化させてもよい。
 図19には、図4と同様のボード線図が示される。図19(a)に示される様に、ゲインは、周波数によらず、比例ゲインKfpに一定に維持される。又、図19(b)に示される様に、比例制御のため、位相は、周波数によらず、0[deg]に維持される。
 図20には、電力変換装置50単体でのf-P制御の入出力応答の周波数特性の一例が示される。図20は、V-Q制御における図5に示されたボード線図に対応する。
 図20(a)に示される様に、f-P制御においても、電力変換装置50の実際の動作での遅れ時間により、電力変換装置50単体のゲイン特性では、図5(a)で説明したのと同様の上限周波数fcが存在する。又、図20(b)に示される様に、位相特性では、図5(b)と同様に、応答周波数fc付近で0[deg]から-180[deg]へ変化する。
 尚、実施の形態1及び2で応答周波数fcは同じ符号で示されているが、実際には、V-Q(実施の形態1)とf-P制御(実施の形態2)との間では、応答周波数fcの値は異なる可能性がある。
 図21には、図6と同様の、図17のf-P制御部300♯(比較例)を用いて電力変換装置50を制御した際の全体の制御ブロック図が示される。
 系統周波数fsは、図17に示されたf-P制御部300♯に入力される。f-P制御部300♯は、系統周波数指令値fs*から系統周波数fsを減算した周波数偏差Δfsと比例した有効電力Pxが出力される様に、電力変換装置(PCS)50を制御する。電力変換装置50から出力された電力(実施の形態2では、有効電力Px)は、配電系統40での系統周波数-有効電力特性(K)に応じて系統周波数fsを変化させる。
 図22には、図21に示された、f-P制御部300♯及び電力変換装置50を含む全体制御ブロック350の周波数特性を模式的に表したボード線図が示される。
 図22(a)に示される様に、上位からの垂下特性に従って定められた比例ゲインKfpが決定されることにより、応答周波数fc以下の周波数領域では、当該比例ゲインKfpに依存した一定値に制御ゲインが維持される。一方で、図22(b)に示される様に、位相は、図20(b)と同様に、応答周波数fc付近で、0[deg]から-180[deg]へ変化する。
 図22(b)から理解される様に、比較例f-P制御(図17)が適用された電力変換装置50のf-P制御では、応答周波数fc付近においても、制御ゲインが比例ゲインKfpに依存する一定値に維持されることになる。
 このため、垂下特性によって比例ゲインKfpが高く設定され過ぎると、制御の位相余裕やゲイン余裕が減少して、図21に示されたf-P制御全体での制御安定性が損なわれるケースが発生する虞がある。
 電力変換装置50によって系統周波数変動を抑制する際には、系統周波数の安定化を重視して、系統周波数の小さい変動量に対して、電力変換装置50の定格出力程度の無効電力を出力できる様に、垂下特性が設定される。このため、f-P制御の垂下特性の傾きを確保するために、比例ゲインKfpが大きく設定され得る。これに伴い、応答周波数fc付近では、上述した様に制御安定性が低下することが懸念される。反対に、制御安定性を重視して比例ゲインKfpを制限すると、系統周波数安定化制御の性能が制限されてしまう。
 従って、本実施の形態2では、図21に示された全体制御ブロック350において、比較例に係るf-P制御部200♯を、図23に示されるf-P制御部300に置換する様に、系統制御部60を構成する。
 尚、図21に示された全体制御ブロック350についても、図6と同様に単純化されており、かつ、一例に過ぎない。即ち、本開示の適用は図21に示された全体制御ブロック350において、f-P制御部300♯に代えて、図23に示されるf-P制御部300が用いられる構成に限定されるものではない点を確認的に記載する。
 図23に示される様に、実施の形態2に係るf-P制御部300は、図17と同様の周波数算出部302、減算部304、及び、リミッタ308と、比例制御要素311,312と、積分制御要素313と、減算部314と、加算部316と、リミッタ320とを含む。
 比例制御要素311は、周波数偏差Δfs及び比例ゲインKpの乗算値を出力する。周波数偏差Δfsは、減算部314の(+)側に入力される。
 積分制御要素313は、減算部314の出力及び積分ゲイン(Kp/T)の乗算値を積算する(T:積分時間)。積分制御要素313の出力である積分値は、比例制御要素312によってゲイン(1/Kvq0)を乗算されて、減算部314の(-)側の入力値Bとされる。リミッタ320は、リミッタ308と同様の機能を有し、積分制御要素313による積分値を、上述のPrefdwn~Prefupの範囲内に制限するために設けられる。尚、実施の形態2においても、説明を簡素化するために、実施の形態1と同様のゲインKp及び積分時間Tの符号を用いているが、実際には、V-Q制御及びf-P制御の間では、ゲインKp及び積分時間Tの実際の値は異なる。
 加算部316は、比例制御要素311(Kp)の出力値と、積分制御要素313による積分値(リミッタ320の通過後)とを加算する。f-P制御部300では、加算部316の出力値がリミッタ308を通過することによって、電力指令値Prefが生成される。即ち、電力指令値Prefは、Prefdown≦Pref≦Prefupの範囲内に制限して設定される。
 図23において、リミッタ308,320を省略すると、入力Δfs及び出力Prefの間の制御演算には、減算部314への入力値Bを用いて、下記の式(4)が成立する。
 (Δfs-B)・(Kp/sT)+Δfs・Kp=Pref  …(4)
 又、入力値Bについては、下記の式(5)が成立する。
 (Δfs-B)・(Kp/sT)・(1/Kfp0)=B  …(5)
 式(4)及び(5)を連立して、入力値Aを消去して、(Pref/Δfs)について解くと、f-P制御部300での制御演算について、図23中にも示される下記の式(6)が得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 式(6)において、s→0、即ち、周波数をゼロに近づけると、(Pref/Δfs)=Kp+Kfp0となることが理解される。反対に、s→∞、即ち、周波数を高めていくと、(Pref/Δfs)=Kpとなることが理解される。この為、Kp<Kfp0とすることで、高周波域のゲインを低周波域のゲインよりも低くすることができる。
 図24には、図23に示されたf-P制御部300の入出力応答の周波数特性、即ち、実施の形態2に係るf-P制御の周波数特性を模式的に表したボード線図が示される。実施の形態1での図10と同様に、図24(a),(b)の横軸には周波数が示され、図24(a)の縦軸には制御ゲイン、図24(b)の縦軸には位相が示される。
 図24に示される様に、実施の形態2のf-P制御においても、実施の形態1のV-Q制御と同様の周波数特性が得られる。具体的には、低周波域(s→0)では、比例制御が支配的になるので、制御ゲインは、Kfp=Kfp0+Kpで示される第1ゲイン値となり、位相が0[deg](位相遅れ無し)となる。従って、直流(0[Hz])を含む低周波数域において、制御ゲインを第1ゲイン値Kfpに設定することができる。即ち、第1ゲイン値Kfpは「第1制御ゲイン値」の一実施例に対応し、直流を含む低周波数域は「第1の周波数域」の一実施例に対応する。尚、制御ゲインが第1ゲイン値Kvpに設定される上記低周波数域は、系統周波数制御の整定時間の目標値(数十秒~数百秒程度)の逆数で示される周波数を含むことが好ましい。
 一方で、低周波域から周波数が上昇すると、積分制御の影響が大きくなり、制御ゲインが第1ゲイン値から低下するとともに、位相は-90[deg]に向けて低下する。更に周波数が上昇すると、積分制御が支配的な周波数域となり、位相は-90[deg]になる。この周波数域でも、周波数の上昇に応じて制御ゲインは低下する。
 高周波域(s→∞)では、制御ゲインがKp(第2ゲイン値)まで低下するとともに、再び比例制御が支配的になり、位相は0[deg]になる。制御ゲイン=Kpとなる下限周波数である折線周波数fc0は、積分制御要素313での積分時間Tに依存して決まる。
 実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、図20及び図22で説明した、電力変換装置50の応答周波数fcでの制御ゲインを下げるためには、fc0<fcとなる様に、積分時間Tが設定されることが好ましい。この場合には、応答周波数fcでの制御ゲイン値はKpとなるので、第2ゲイン値Kpは「第2制御ゲイン値」の一実施例に対応し、第2ゲイン値Kpが設定される。
 或いは、実施の形態2においても、応答周波数fcにおける制御ゲイン値が、第1ゲイン値(Kfp)よりも十分低い範囲内であれば、fc0>fcを許容することも可能であり、例えば、最低条件として、fc0<5・fcとなる範囲内に折線周波数fc0が位置する様に、積分時間Tを設定することができる。この場合には、ゲインKpよりも大きく、かつ、ゲインKfpよりも小さい、応答周波数fcにおける制御ゲインが「第2ゲイン値」の一実施例に対応することになる。いずれにしても、制御ゲイン値が「第2ゲイン値」に設定される「第2の周波数域」は、応答周波数fcを含むことが理解される。
 低周波域でのゲインKfp(第1ゲイン値)は、図3と同様の垂下特性の傾きに相当する。従って、図23中のゲインKp及びKfp0は求められる垂下特性の傾きに対応させて、系統制御部60内の値として定められる。一方で、第2ゲイン値Kpは、電力変換装置50の特性及び配電系統40での系統周波数-有効電力特性K(図21)に基づき、系統制御部60内で予め設定することができる。
 系統制御部60では、予め設定されたゲインKpと、上位から指示された垂下特性の傾きKfpとを用いて、Kfp0=Kfp-Kpに設定して、比例制御要素312のゲイン(1/Kfp0)を定めることができる。尚、Kfp>>Kpの場合には、Kfp≒(Kfp0+Kp)となるので、系統制御部60では、上位から指示された垂下特性の傾きKfpをそのまま用いて、Kfp0=Kfqと簡易に設定することも可能である。
 図25には、図23に示されたf-P制御部300及び電力変換装置50を合わせた全体の制御ブロックの周波数特性が示される。具体的には、図21の全体制御ブロック350において、比較例のf-P制御部200♯に代えて、実施の形態2に係るf-P制御部300を適用したときの周波数特性を模式的に表したボード線図が示される。図22と同様に、図25(a),(b)の横軸には周波数が示され、図25(a)の縦軸には制御ゲイン、図25(b)の縦軸には位相が示される。
 図25(a)に示される様に、直流(0[Hz])を含む低周波数域では、制御ゲインは、第1ゲイン値Kfpに依存した値となる。このため、垂下特性の傾き(Kfp)を確保するための図22と同等の制御ゲインを確保することができる。これにより、図18に示された垂下特性を同様に実現することができる。
 一方で、応答周波数fcを含む高周波域での制御ゲインは、第2ゲイン値Kpに依存した値に低下する。これにより、図24に示した折線周波数fc0よりも高い、電力変換装置50の応答周波数fc付近の周波域では、制御ゲインは、第2ゲイン値Kpに依存した値となり、低周波域での第1ゲイン値Kvqに依存した値よりも低く抑えられる。
 又、応答周波数fcよりも高い周波数域では、周波数の上昇に応じて、制御ゲインは低下する。特に、電力変換装置50の周波数特性(図20)、f-P制御部300の特性、及び、配電系統40の系統周波数-有効電力特性(K)が関与して決まるゲイン交差周波数fc1において、制御ゲインが0[dB]となる。
 この様に、実施の形態2に係るf-P制御が適用された系統システムによれば、応答周波数fc付近での制御安定性を損なうことなく、系統所望の垂下特性を持たせることが可能となる。即ち、制御安定性を損なうことなく、設定された垂下特性を持たせることが可能となることが理解される。
 実施の形態2において、図16に示された、電圧測定部52a,52b及び電流測定部54a,54bは、配電系統40の状態量を検出するための「検出器」の一実施例に対応し、系統制御部60a,60bは、系統システムの「制御装置」の一実施例に対応する。又、実施の形態2では、系統周波数fsが、配電系統40の「状態量」に対応する。更に、図23に示した制御ブロック図において、f-P制御部300の周波数算出部302及び減算部304は「偏差演算部」の一実施例に対応し、f-P制御部300の減算部304よりも下流側の要素群によって「制御演算部」の一実施例が構成される。
 尚、図23に示されたf-P制御部300の構成についても例示であり、図9を用いて説明した、系統周波数の目標値を含む低周波域及び応答周波数fcを含む高周波域での周波数特性が実現できる限り、f-P制御部300による制御演算は任意に設定することができる。
 実施の形態2の変形例.
 実施の形態2の変形例では、実施の形態1の変形例と同様に、系統周波数の小さい変化に対して不感帯を設けたf-P制御を説明する。
 図26には、実施の形態2の変形例に係るf-P制御による垂下特性が示される。
 図26を図18と比較して、実施の形態2の変形例では、系統周波数の目標値である系統周波数指令値fs*からの変化が小さいとき、例えば、fsdwn≦Δfs≦fssup(fsdwn<0,fsup>0)の範囲では、Pref=0に設定されて、電力変換装置50から配電系統40に有効電力を入出力しない様に、f-P制御が行われる。
 一方で、Δfs>fsupの領域では、周波数偏差Δfsu(Δfsu=fs*-fs-fsup)に比例した大きさの有効電力が電力変換装置50から配電系統40に出力される様に、図18と同様の傾きKfp及び周波数偏差Δfsupの積に従って、電力指令値Prefが設定される(Pref=Kfp・Δfsu)。
 Δfs<fsdwnの領域では、周波数偏差Δfsd(Δfsd=fs*-fs-fsdwn)に比例した大きさの有効電力が配電系統40から電力変換装置50に入力される様に、図18と同様の傾きKfp及び周波数偏差Δfsdの積に従って、電力指令値Prefが設定される(Pref=Kfp・Δfsd)。
 即ち、Δfs>fsupの領域、及び、Δfs<fsdwnの領域では、図18と同様の傾きKvqを有する垂下特性に従って、f-P制御が行われる。
 図27には、実施の形態2の変形例に係るf-P制御部の制御ブロック図が示される。
 図27に示される様に、実施の形態2の変形例に係るf-P制御部301は、周波数算出部302と、減算部304と、周波数上昇側のf-P制御部300uと、周波数低下側のf-P制御部300dと、補正部317u,317dと、加算部335とを有する。
 補正部317uは、減算部304からの周波数偏差Δfsから図26のfsup(>0)を減算することで、補正された周波数偏差Δfsuを算出する。これにより、0<ΔVrms<fsupの領域では、周波数偏差Δfsが正値であるのに対して、周波数偏差Δfsuは負値に補正される。
 同様に、補正部317dは、減算部304からの周波数偏差Δfsから図26のfsdwn(<0)を減算することで、補正された周波数偏差Δfsdを算出する。これにより、fsdwn<Δfs<0の領域では、周波数偏差Δfsが負値であるのに対して、周波数偏差Δfsdは正値に補正される。
 f-P制御部300uは、図23のV-Q制御部300のリミッタ308,320、比例制御要素311,312、積分制御要素313、減算部314、及び、加算部316と同様に接続された、リミッタ308u,320u、比例制御要素311u,312u、積分制御要素313u、減算部314u、及び、加算部316uを有する。
 但し、リミッタ308u,320uは、出力値を0~Prefupの範囲内に制限する様に構成される(Prefup>0)。即ち、リミッタ308u,320uへ負値が入力されるときには、リミッタ308u,320uの出力値は0となる。
 f-P制御部300uは、補正された周波数偏差Δfsuを入力として、Prefuを出力する。上述したリミッタ308u,320uの動作により、周波数偏差Δfsu<0のとき、即ち、Δfs<fsupのときには、f-P制御部200uの出力値Prefu=0となる。
 一方で、電圧偏差Δfsu≧0のときには、周波数偏差Δfsuに応じて、f-P制御部200uの出力値Prefu>0となる。このときの周波数偏差Δfsu及び出力値Prefuの間の関係は、f-P制御部300(図23)における周波数偏差Δfs及び電力指令値Prefの関係と同様である。
 同様に、f-P制御部300dは、図13のf-P制御部300のリミッタ308,320、比例制御要素311,312、積分制御要素313、減算部314、及び、加算部316と同様に接続された、リミッタ308d,320d、比例制御要素311d,312d、積分制御要素313d、減算部314d、及び、加算部316dを有する。
 但し、リミッタ308d,320dは、出力値をPrefdwn~0の範囲内に制限する様に構成される(Prefdwn<0)。即ち、リミッタ308u,320uへ正値が入力されるときには、リミッタ308d,320dの出力値は0となる。
 f-P制御部300dは、補正された周波数偏差Δfsdを入力として、Prefdを出力する。上述したリミッタ308d,320dの動作により、周波数偏差Δfsd>0のとき、即ち、Δfs>fsdwnのときには、f-P制御部300dの出力値Prefd=0となる。
 一方で、周波数Δfsd≦0のときには、周波数偏差Δfsdに応じて、f-P制御部300dの出力値Prefd<0となる。このときの周波数偏差Δfsd及び出力値Prefdの間の関係は、f-P制御部300(図23)における周波数偏差Δfs及び電力指令値Prefの関係と同様である。
 加算部335は、f-P制御部300uの出力値Prefuと、f-P制御部300dの出力値Prefdとを加算して、電力指令値Prefを生成する。上述の様に、図26に示された、fsdwn≦Δfs≦fsupの範囲では、Prefu=Prefd=0であるので、電力指令値Pref=0と設定される。これにより、fsdwn≦Δfs≦fsupとなる、系統周波数の変化が小さい領域を、配電系統40に対して有効電力が入出力されない不感帯とすることができる。
 一方で、不感帯の外部では、図23のf-P制御部300において、周波数偏差Δfsを補正された周波数偏差Δfsu又はΔfsdに置き換えた態様で、電力指令値Prefを設定することができる。
 この様に、実施の形態2の変形例に係るf-P制御が適用されたシステムでは、系統周波数の変化が小さい領域に不感帯を設けるとともに、不感帯の外部では、実施の形態2と同様にf-P制御を行うことができる。従って、実施の形態2に係るf-P制御による効果に加えて、系統周波数の変化が小さい領域における制御安定性を更に高めることができる。
 尚、実施の形態2及びその変形例においても、系統システムの構成は、図13~図15等を用いて実施の形態1で説明したのと同様に、適宜変更することが可能である。
 又、図1及び図16等に示した電力変換装置50a,50bについては、蓄電装置等の需給調整手段と接続された自励式インバータ等を用いて、有効電力及び無効電力の両方を出力する様に動作させることも可能である。この場合には、電力変換装置50(50a,50b)が、実施の形態1に係るV-Q制御のための電力指令値Qrefに従う無効電力、及び、実施の形態2に係るf-P制御のための電力指令値Prefに従う有効電力を合成した交流電力が配電系統40に出力される様に、本実施の形態に係る系統安定化制御を行うことも可能である。この場合には、電力変換装置50a,50bの各々において、V-Q制御及びf-P制御を同時並列に実行することができる。
 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示による技術的範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
 10 電圧源装置、20 需要家群、40,40a,40b 配電系統、40xa,40xb 配電インピーダンス、50a,50b 電力変換装置、52a,52b 電圧測定部、54a,54b 電流測定部、60,60a,60b 系統制御部、100a~100e 系統システム、200,200d,200u,201 V-Q制御部、300,300d,300u,301 f-P制御部、202 実効値算出部、206,211,211d,211u,212,212d,212u,306,311,311d,311u,312,312d,312u 比例制御要素、208,208d,208u,213u,220,220d,220u,308,308d,308u,320,320d,320u リミッタ、213,213d,213u,313,313d,313u 積分制御要素、216,216d,216u,235,316,316d,316u,335 加算部、217d,217u,317d,317u 補正部、250,350 全体制御ブロック、302 周波数算出部、Pref,Qref 電力指令値、Pxa,Pxb 有効電力、Qxa,Qxb 無効電力、T 積分時間、Vrms 系統電圧指令値、Vrms* 系統電圧実効値、f 比較例、fc 応答周波数(電力変換装置)、fc0 折線周波数、fc1 ゲイン交差周波数、fs 系統周波数、fs* 系統周波数指令値。

Claims (13)

  1.  電圧源装置が接続された配電系統と、
     前記配電系統の状態量を検出するための検出器と、
     前記状態量を変化させるための電力を前記配電系統に対して入力又は出力するための電力変換装置と、
     前記検出器の出力から得られた前記状態量と当該状態量の制御目標との偏差を補償するための垂下特性を設ける様に、前記偏差から前記電力変換装置の電力指令値を算出する系統制御部とを備え、
     前記系統制御部は、前記偏差を入力とし前記電力指令値を出力とする、予め定められた周波数特性を有する制御演算を実行するように構成され、
     前記周波数特性は、直流を含む第1の周波数域における第1制御ゲイン値が前記垂下特性の傾きに対応して設定されるとともに、前記第1の周波数域よりも高周波側の第2の周波数域における第2制御ゲイン値が前記第1制御ゲイン値よりも低く設定されるように定められる、系統システム。
  2.  前記状態量は、前記配電系統の系統電圧実効値であり、
     前記系統制御部は、前記系統電圧実効値及び前記制御目標の前記偏差に応じた電流進相方向又は電流遅相方向の無効電力を、前記電力変換装置が前記配電系統に出力する様に、前記電力指令値を算出する、請求項1記載の系統システム。
  3.  前記系統制御部は、前記偏差の絶対値が基準値より小さい場合には、前記電力変換装置から前記配電系統に出力される前記無効電力がゼロになる様に前記電力指令値を算出する、請求項2記載の系統システム。
  4.  前記電力変換装置は、蓄電要素と接続されて、前記配電系統に対して有効電力及び前記無効電力を入出力可能に構成され、
     前記系統制御部は、前記電力変換装置から入出力される皮相電力が制限値以下となるように、前記蓄電要素の充放電による前記有効電力の入出力量に応じて、前記無効電力の出力量を制限する様に前記電力指令値を生成する、請求項2又は3に記載の系統システム。
  5.  前記状態量は、前記配電系統の系統周波数であり、
     前記系統制御部は、前記系統周波数及び前記制御目標の前記偏差に応じた有効電力を、前記電力変換装置が前記配電系統との間で入出力する様に前記電力指令値を算出する、請求項1記載の系統システム。
  6.  前記系統制御部は、前記偏差の絶対値が基準値より小さい場合には、前記電力変換装置及び前記配電系統の間で入出力される前記有効電力がゼロになる様に前記電力指令値を算出する、請求項5記載の系統システム。
  7.  前記第2の周波数域は、前電力変換装置の応答周波数を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の系統システム。
  8.  電圧源装置が接続された配電系統を備える系統システムの制御装置であって、
     前記配電系統に設けられた検出器の出力に基づいて、当該配電系統の状態量と当該状態量の制御目標との偏差を算出する偏差演算部と、
     前記状態量を変化させるための電力を前記配電系統に対して入出力するための電力変換装置の電力指令値を生成する制御演算部とを備え、
     前記制御演算部は、前記偏差演算部によって算出された前記偏差を補償するための垂下特性を設ける様に、前記偏差を入力とし前記電力指令値を出力とする、予め定められた周波数特性を有する制御演算を実行するように構成され、
     前記周波数特性は、直流を含む第1の周波数域における第1制御ゲイン値が前記垂下特性の傾きに対応して設定されるとともに、前記第1の周波数域よりも高周波側の第2の周波数域における第2制御ゲイン値が前記第1制御ゲイン値よりも低く設定されるように定められる、系統システムの制御装置。
  9.  前記状態量は、前記配電系統の系統電圧実効値であり、
     前記制御演算部は、前記系統電圧実効値及び前記制御目標の前記偏差に応じた電流進相方向又は電流遅相方向の無効電力を、前記電力変換装置が前記配電系統に出力する様に、前記電力指令値を算出する、請求項8記載の制御装置。
  10.  前記制御演算部は、前記偏差の絶対値が基準値より小さい場合には、前記電力変換装置から前記配電系統に出力される前記無効電力がゼロになる様に前記電力指令値を算出する、請求項9記載の制御装置。
  11.  前記状態量は、前記配電系統の系統周波数であり、
     前記制御演算部は、前記系統周波数及び前記制御目標の前記偏差に応じた有効電力を、前記電力変換装置が前記配電系統との間で入出力する様に前記電力指令値を算出する、請求項8記載の制御装置。
  12.  前記制御演算部は、前記偏差の絶対値が基準値より小さい場合には、前記電力変換装置及び前記配電系統の間で入出力される前記有効電力がゼロになる様に前記電力指令値を算出する、請求項11記載の制御装置。
  13.  前記第2の周波数域は、前電力変換装置の応答周波数を含む、請求項8~12のいずれか1項に記載の制御装置。
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