WO2022154076A1

WO2022154076A1 - 金属缶

Info

Publication number: WO2022154076A1
Application number: PCT/JP2022/001065
Authority: WO
Inventors: 憲次島田; 永成伊藤
Original assignee: 東洋製罐株式会社
Priority date: 2021-01-15
Filing date: 2022-01-14
Publication date: 2022-07-21
Also published as: JPWO2022154076A1

Abstract

口部を有する口部構成部品の形状に関わらず、缶本体との接合部の接合強度、剛性を維持でき、容易に製造可能とする金属缶を提供する。　開口部を有する金属製の缶本体と、口部を有する金属製の口部構成部品と、を備え、前記缶本体の開口部の開放端に前記口部構成部品の周縁部が接合された金属缶において、前記缶本体の開放端に環状のビードが設けられ、前記口部構成部品には前記ビードにかしめ固定される接合部が設けられていることを特徴とする。

Description

金属缶

　本発明は、口部を備えた口部構成部品を缶本体とは別に成形し、口部を備えた口部構成部品を缶本体の開口部に接合して成形される金属缶に関する。

　従来のこの種の金属缶としては、たとえば、特許文献１に記載のようなものが知られている。すなわち、缶本体と、円錐蓋（口部構成部品）とを有し、円錐蓋がねじを備えた口部を有し、円錐蓋に設けられたフランジが、缶本体に巻締固定されていた。缶本体と口部の成形を分離することにより、細い口部の加工を容易とし、リシール可能な金属缶を実現している。

特許第３７５４０７６号公報

　しかしながら、特許文献１に記載の容器は、容器本体の開口端縁に、円錐蓋のフランジを巻締め固定している。この巻締られた円錐蓋は中空になっているので、外力が作用した際に変形して、巻締部のシールが破壊されるおそれがある。
　また、巻締めは、一般的に、環状溝に押さえ部材を挿入し、外側に２種類の巻締ロールを配置し、回転させながら、巻締ロールを押し付けて、押さえ部材で押さえながらフランジを変形させる必要があり、設備が複雑で、工程数も多くなる。

　本発明の目的は、口部を有する口部構成部品の形状に関わらず、缶本体との接合部の接合強度、剛性を維持でき、容易に製造可能とする金属缶を提供することにある。

　上記目的を達成するために、本発明は、
　開口部を有する金属製の缶本体と、口部を有する金属製の口部構成部品と、を備え、
　前記缶本体の開口部の開放端に前記口部構成部品の周縁部が接合された金属缶において、
　前記缶本体の開放端に環状のビードが設けられ、前記口部構成部品には前記ビードにかしめ固定される接合部が設けられていることを特徴とする。
　本発明によれば、容器本体に設けられた環状のビードに、口部を有する口部構成部品の接合部をかしめ固定しているので、口部構成部品が中空になっていても、環状のビードによって開口部の剛性が維持され、外力が作用しても、良好な接合状態を維持することができる。
　また、口部構成部品の接合部をビードに対して、内側あるいは外側にかしめて変形させるだけなので、簡単な設備で、工程数も少なくて済む。

　また、本発明は次のように構成することができる。
１．前記口部構成部品の接合部は、前記ビードの上端に係合するフランジ部と、前記ビードの外周に係合する環状接合片とを有し、前記環状接合片が内向きに縮径されて前記ビードに締め付け固定される構成とする。
２．前記口部構成部品の接合部は、前記ビードの上端に係合するフランジ部と、前記ビードの内周に係合する環状接合片とを有し、前記環状接合片が外向きに拡径されて前記ビードに締め付け固定される構成とする。
３．前記口部は、外周にねじが設けられたねじ口とすることができる。
４．前記口部は、外周に環状凸部が設けられた打栓口とすることもできる。
５．前記口部に、キャップが装着される。
６．また、前記口部に、吐出機構が装着される。
　このように、口部を利用して、吐出機構、たとえば、トリガー式のポンプディスペンサ、ワンドロップ式のポンプディスペンサ等、様々な吐出機構を装着することができる。また、廃棄時には、吐出機構を分離し、リサイクル可能な金属容器として廃棄することができ、環境を汚染することがない。

　本発明によれば、口部を有する口部構成部品の形状に関わらず、缶本体との接合部の接合強度、剛性を維持でき、容易に製造可能とする金属缶を提供することにある。

図１（Ａ）は、本発明の実施形態１に係る金属缶の全体構成を示す図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）の断面図、図１（Ｃ）は図１（Ａ）の接合部の拡大断面図である。図２（Ａ）は口部構成部品の接合前の金属缶の分解断面図、図２（Ｂ）は口部構成部品のかしめ加工の説明図、図２（Ｃ）は（Ｂ）の接合予定部近傍の拡大断面図、図２（Ｄ）は図２（Ｂ）のキャップシールの他の構成例を示す図である。図３（Ａ）～図３（Ｃ）は、図１の金属缶の缶本体の変形例を示す図である。図４（Ａ）,図４（Ｂ）は、図１の金属缶の口部構成部品の変形例を示す図である。図５は、本発明の実施形態１の変形例を示す断面図である。図６（Ａ），図６（Ｂ）は、本発明の金属缶の口部に吐出機構を装着した利用例を示す図である。図７（Ａ）は、本発明の実施形態２に係る金属缶の全体構成を示す断面図、図７（Ｂ）は図７（Ａ）の接合部の拡大断面図である。図８はクリンチ加工の際の接合筒部近傍を拡大して示す断面図である。

　以下に、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
　まず、図１を参照して、本発明の実施形態に係る金属缶の全体構成について説明する。図１（Ａ）は、金属缶の全体構成を示す図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）の断面図、図１（Ｃ）は図１（Ａ）の接合部の拡大断面図である。
　図１（Ａ）、図１（Ｂ）に示すように、この金属缶１は、開口部を有する金属製の缶本体１０と、口部２１を有する金属製の口部構成部品２０と、を備え、缶本体１０の開放端である開口部１１に口部構成部品２０の周縁部が接合される構成となっている。缶本体１０の開口部１１にはビード１２が設けられ、口部構成部品２０には、ビード１２にかしめ固定される接合部２５が設けられている。口部２１は、外周におねじ２２が設けられた、いわゆるねじ口であり、図示例では、口部２１に係合する、ねじキャップ３０が例示されている。
　ねじキャップ３０は、いわゆるリシール用のキャップであり、キャップ内周にめねじ３１が設けられている。このねじキャップ３０は、金属製でもよいし、樹脂製のキャップを用いることもできる。

　缶本体１０は、図示例では、薄肉の金属板によって構成される有底円筒形状で、円筒状の胴部１３と、胴部１３の下端を閉塞する底部１４と、胴部１３の上端部を絞って開口部１１の径まで縮径させた肩部１５とを備えている。本実施形態では、アルミ合金の板材から絞りしごき成形によって、胴部１３と底部１４を一体的に成形した絞りしごき缶（ＤＩ缶）である。
　缶本体１０としては、肩部１５が無くてもよい。また、ＤＩ缶に限らず、アルミを用いたインパクト缶でもよいし、底部１４と胴部１３が、あるいは胴部１３と肩部１５、さらに底部１４、胴部１３及び肩部１５が、別体構成で巻締によって接合された溶接缶等の構成であってもよい。
　缶本体１０の材料としては、上記アルミやアルミ合金のアルミ系金属だけでなく、鋼板等、各種金属材を利用可能である。

　ビード１２は、肩部１５の開口縁を外側に円形に一巻き巻いたカール形状で、開口部１１を円環状に取り囲み、その上縁が胴部１３の中心軸線Ｎ１０に対して直交する平面上に位置している。
　図示例では、ビード１２の内径（開口径）は、１インチ（２５．４ｍｍ程度）、ビード１２自体の巻き径は、２．９ｍｍ程度であり、ビード１２の外径は、３１．２ｍｍ程度である。１インチは、既存のエアゾール缶のマウンティングカップが装着される開口部と同じサイズとなっている。このようにすれば、既存のエアゾール缶の缶体を本発明の缶本体１０として用い、口部構成部品２０を接合することで、そのままねじ口付きの金属缶と利用可能となる。
　もちろん、ビード１２のサイズ、これらの寸法に限定されず、缶本体１０と口部構成部品２０の接合部２５の剛性を維持できればよく、ビード１２の内径は、２０ｍｍ～４５ｍｍ程度、ビード１２自体の径は、２．５ｍｍ～６．０ｍｍ程度とすることが好適である。

　一方、口部構成部品２０は、筒状に延びる口部２１を有し、口部２１の一端が接合部２５を介して缶本体１０のビード１２に接合されている。口部２１の他端は開放され、開放端部は縮径され、先端に先端カール部２１ａが設けられている。口部２１の中心軸線Ｎ２０は、缶本体１０の胴部１３の中心軸線Ｎ１０と同一直線上に位置し、口部２１の外周には、おねじ２２が設けられている。

　接合部２５は、図１（Ｃ）に示すように、口部２１の基端部２４から、径方向外向きに張り出してビード１２の上縁に係合するフランジ部２６と、ビード１２の外周に係合する環状接合片としての接合カール部２７とを有している。フランジ部２６および接合カール部２７と、ビード１２との接触面間には、隙間を埋めるシール材２８が介装され、接触面間を密封している。
　接合カール部２７は、その下端部が内側に縮径する方向に押し込む方向にかしめられ、接合カール部２７は、剛性の高いビード１２の外周に倣った形状に締め付け固定されている。口部２１の中心軸線を通る平面で切断した断面形状は、ビード１２の断面形状に倣って半円形状に湾曲し、ビード１２の上縁から最大径部までの第１四半円弧部２７ａと、ビード１２の最大径部を超えて小径の付け根部までの第２四半円弧部２７ｂとを有している。この第２四半円弧部２７ｂには、周方向に複数個所で局部的にビード１２に食い込む食い込み部２９を有し、缶本体１０と口部構成部品２０との相対回転を阻止する回り止め機構として機能している。

　接合部２５のかしめ固定は、図２（Ａ）に示すように、口部２１が成形された口部構成部品２０に設けた接合予定部１２５を、ビード１２にクリンプ加工することによってなされる。
　口部構成部品２０は、缶本体１０に接合する前の状態で、口部２１と、口部２１の基端部に設けられる接合予定部１２５とを備えている。接合予定部１２５は、口部２１の基端部２４から張り出すフランジ部２６と、フランジ部２６の外径端から下方に垂下するスカート部１２７とを有している。フランジ部２６とスカート部１２７の角部にはアールが付けられている。

　クリンプ加工は、口部構成部品２０の接合予定部１２５のスカート部１２７の内周をビード１２の外周に嵌合し、フランジ部２６をビード１２上に載置し、スカート部１２７をクリンプ加工機によってクリンプする。
　クリンプ加工機は、図２（Ｂ）に示すように、周方向にスカート部１２７を取り囲むように配置される複数（たとえば、８本または１６本）のコレット５０と、コレット５０の外周に嵌合される円筒状のコレットチャック５１と、コレット５０の内側に配置されフランジ部２６をビード１２に対して押さえるキャップシール５５と、を備えている。コレット５０の外周とコレットチャック５１の内周には、互いに軸方向に摺動自在に係合するテーパー部５２が設けられている。
　キャップシール５５は、下端面に口部構成部品２０の口部２１が挿入される凹部５５ｃを有し、凹部５５ｃを取り囲むように、円筒状の押さえ筒部５５ａが設けられている。この押さえ筒部５５ａが口部構成部品２０のフランジ部２６に当接する。凹部５５ｃの内側面は押さえ筒部５５ａの内側面であり、口部２１の外側面とは干渉しないように間隙が設けられている。
　図２（Ｂ）の例では、押さえ筒部５５ａの先端がフランジ部２６に当接した位置で、凹部５５ｃの上底面が口部２１の天面、この例では、先端カール部２１ａには当接せず、所定の間隔を保持するように構成されている。
　また、図２（Ｄ）に示すように、キャップシール５５を、押さえ筒部５５ａの外周面の延長面で分割し、押さえ筒部５５ａと別に、円柱状の天面押さえ部５５ｂを設けてもよい。すなわち、中央の円柱状の天面押さえ部５５ｂと押さえ筒部５５ａとを、軸方向に相対移動可能とすることで、押さえ筒部５５ａの先端でフランジ部２６を押さえると同時に、天面押さえ部５５ｂで口部２１の天面の先端カール部２１ａを押さえることができる。

　図２（Ｂ）では、コレット５０は開いており、図に示すように、コレットチャック５１を下方に移動させると、テーパー部５２を介して、コレット５０がスカート部１２７の中心に向かって内側に閉まる方向に移動し、コレット５０に設けられた爪部５０ａによって、スカート部１２７の外周が、周方向複数個所から径方向内向きに押し込まれる。これによってスカート部１２７は、ビード１２の外周形状に倣って円弧状に塑性変形して接合カール部２７が造形され、接合カール部２７の下端部はビード１２の最大径よりも小径に縮径される。

　このコレット５０の爪部５０ａに押し込まれる部分は、全周が均一に押し込まれるのではなく、コレット５０の爪部５０ａの当接部分が押し込まれるので、真円ではなく、成形された接合カール部２７の第２四半円弧部２７ｂは、周方向に局部的な食い込み部２９が複数形成された凹凸形状、あるいは多角形状となり、クリンプと同時に回り止め機構が成形される。特に、ビード１２は外向きにカールする形状で、コレット５０の爪部５０ａで押し込まれる部分は、ビード１２の自由端である先端部分に位置し、食い込みが助長され、回り止め効果が高くなっている。

　本発明によれば、缶本体１０に設けられた環状のビード１２に、口部２１を有する口部構成部品２０の接合部２５をかしめ固定しているので、口部２１が中空になっていても、環状のビード１２によって缶本体１０の開口部１１の剛性が維持され、外力が作用しても、良好な接合状態を維持することができる。
　また、口部構成部品２０の接合部２５は、接合予定部１２５のスカート部１２７をビード１２に対して、内側にかしめて変形（クリンプ加工）させるだけなので、簡単な設備で、工程数も少なくて済む。
　また、缶本体１０のビード１２と、接合部２５の形状、寸法を共通化しておけば、様々な形状、構造の缶本体に、口部構成部品２０を取り付けることができる。

　図３には、口部構成部品を接合する缶本体の変形例を示している。
　図３（Ａ）の缶本体１０Ａは、実施形態１の缶本体１０に対して、胴部径ｄが大きく、高さｈが高い大容量タイプである。このように寸法が異なっていても、口部構成部品２０を接続するビード１２の外径寸法Ｄを共通化しておけば、共通の口部構成部品２０を用いることができる。共通の口部構成部品２０についても、口部の寸法が色々選択可能である。
　図３（Ｂ）の缶本体１０Ｂは、胴部１３の途中にくびれ部１３ａを備えた変形缶の例である。このような変形缶についても、缶本体１０Ｂのビード１２の径をを共通化しておけば、同じ口部構成部品２０を使用可能である。
　図３（Ｃ）は、缶本体１０Ｃを、胴部１３Ｃ、底部１４Ｃ、肩部１５Ｃを巻締部１６Ｃで固定した例（たとえば、溶接缶）である。このような缶本体１０Ｃにても、ビード１２の径を共通化しておけば、共通の口部構成部品２０を使用可能である。

　図４には、口部構成部品の口部先端形状の変形例を示している。
　この変形例は、口部の先端にカール部等の折り返し加工を施さない形状としたものである。基本的な構成は、図２(Ａ)に示した口部構成部品と同一であり、同一の構成部分は同一の符号を付している。
　図４（Ａ）は、口部２１の先端が、カール部等の折り返し加工がなされていない切りっぱなし形状で、中心軸線Ｎ２０を中心とする円筒状の先端筒部２１ｂとなっている。
　図４（Ｂ）は、口部構成部品２０の口部２１の先端が、フランジ形状で、中心軸線Ｎ２０に対して直角に張り出す先端フランジ部２１ｃとなっている。
　このように、口部２１の先端を、先端筒部２１ｂや先端フランジ部２１ｃとすれば、カール部の加工工程が不要で、加工工程が少なくて済む。

　図５は、本発明の実施形態１の変形例を示している。
　この変形例は、円筒状の口部１２１の外周におねじを設けるのではなく、環状凸部１２３を設け、口部１２１をいわゆる打栓口としたものである。接合部２５については、上記実施形態１と同一である。
　この打栓口の場合には、口部１２１を閉塞するキャップ１３０は、その内周に、口部１２１の環状凸部１２３の外径よりも小径の内向き凸部１３３が設けられ、キャップ１３０を打栓することによって、キャップ１３０に設けた内向き凸部１３３が、環状凸部１２３を乗り越えて嵌合する構成となる。
　この打栓口の場合にも、口部１２１の先端形状として、図４に示したように、先端筒部２１ｂや先端フランジ部２１ｃのように、カール部を設けない形状とすることができる。

　　金属缶の利用例
　上記実施形態１では、本発明の金属缶の口部に、金属缶１をリシールするためのねじキャップ３０が装着される例を示しているが、口部２１を利用して、従来は金属缶を利用できなかった、ノズルから内容物を吐出する種々の吐出機構を装着することもできる。
　図６（Ａ）は、吐出機構としてワンドロップ式のポンプディスペンサ３００を装着した例である。
　すなわち、ポンプディスペンサ３００には、口部２１にねじ係合する取付キャップ３３０が設けられており、取付キャップ３３０を締め付けることで、ポンプディスペンサ３００を金属缶１に装着することができる。ポンプディスペンサ３００は、ノズル３０１を備えたヘッド部３０２を押し込むことで、ポンプ室に汲み上げた内容物を、吐出するものである。

　また、図６（Ｂ）は、吐出機構として、トリガー式のポンプディスペンサ３１０を少し抜き出した示した図である。
　この例では、トリガー式のポンプディスペンサ３１０には、口部２１にねじ係合する取付キャップ３３１が設けられており、取付キャップ３３１を締め付けることで、トリガー式のポンプディスペンサ３１０を金属缶１に装着することができる。トリガー式のポンプディスペンサ３１０は、トリガー３１１を引くことで、ディスペンサ本体３１２内のポンプ室（不図示）内に汲み上げられた内容物をノズル３１３から吐出するものである。
　このように、各種ポンプディスペンサ３００、３１０の容器として、金属缶１を用いることで、廃棄時には、ポンプディスペンサ３００，３１０を分離し、リサイクル可能な金属容器として廃棄することができ、環境を汚染することがない。

　次に、本発明の実施形態２について説明する。以下の説明で、実施形態１と同一の構成部分は、同一の符号を付して説明を省略するものとする。
　図７（Ａ）は、金属缶の全体構成を示す断面図、図７（Ｂ）は図７（Ａ）の接合部近傍の拡大断面図である。
　この金属缶２０１は、開口部１１を有する金属製の缶本体１０と、口部２１を有する金属製の口部構成部品２２０と、を備え、缶本体１０の開口部１１の開放端に口部構成部品２２０の周縁部が接合された構成となっている。

この実施形態２では、口部構成部品２２０の口部２１は、下端部から部分的に缶本体１０の開口部１１内に入り込んでおり、筒状の口部２１の基端部から張り出すフランジ部２２３を介して接合部２２５が設けられている。接合部２２５は、フランジ部２２３の外径端から中心軸線と平行に上方に立ち上がる環状接合片としての接合筒部２２５１と、接合筒部２２５１の上端から径方向外向きに張り出し、ビード１２の上端に係合するカール部２２５２と、を備えている。
　接合筒部２２５１は、その上端部外周がビード１２の内周に接触しており、ビード１２の下縁に対応する位置の直下に、径方向外向きに拡径する方向にかしめられたクリンチ部２２５３を有し、このクリンチ部２２５３とカール部２２５２との間で、ビード１２の外周を上下から包むように把持し、口部構成部品２２０を固定するようになっている。クリンチ部２２５３は、缶本体１０のビード１２と接合筒部２２５１の開口端部をガスケットまたはシール材２８を介して接合され、接合面間を密封している。
　このクリンチ部２２５３には、周方向に複数個所で局部的にビード１２の内周に食い込む食い込み部２２８を有し、缶本体１０と口部構成部品２２０との相対回転を阻止する回り止め機構として機能している。

　接合部２２５のかしめ固定は、図８に示すように、クリンチ部２２５３が設けられてないストレートの円筒状の接合筒部２２５１´を、クリンチ加工によってなされる。
　クリンチ加工は、口部構成部品２２０の接合筒部２２５１´を缶本体１０の開口部１１内周に嵌合し、カール部２２５２をビード１２上に載置する。
　この状態で、クリンチ加工機のコレット２５０を、接合筒部２２５１´の内周と口部２１との間の環状の空間に挿入する。コレット２５０は、周方向に複数配置（たとえば、８本または１６本）され、各コレット２５０には、接合筒部２５１´に向かって突出する爪部２５０ａが設けられている。

　そして、コレット２５０に設けられた爪部２５０ａをビード１２の下端に対応する位置の直下に位置させ、コレット２５０を拡径方向に開き、爪部２５０ａによって、接合筒部２２５１´を、局部的に拡径させる。拡径されたクリンチ部２２５３の外径は、ビード１２の内径よりも大径に拡径され、接合筒部２２５１´のクリンチ部２２５３より上位に位置する部分は、ビード１２の内周形状に倣って円弧状に塑性変形し、かしめ固定される。
　この実施形態２についても、実施形態１の変形例と同様に、口部２１の先端形状は、図４に示したようにカール部の無い形状としてもよいし、口部２１におねじではなく、図５に示したような環状凸部を形成してよい。また、口部２１には、図６に示したように、ワンドロップ式のポンプディスペンサ３００、トリガー式のポンプディスペンサ３１０等、各種吐出機構を装着することも可能である。

　なお、上記実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される容器の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨のものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加えることができる。

１　　金属缶
１０　　缶本体
　１１　開口部、１２　ビード、１３　胴部、１４　底部、１５　肩部
２０　　口部構成部品、
　２１　口部、２１ａ　先端カール部、２２　おねじ、２４　基端部、
　２５　接合部、２６　フランジ部、
　２７　接合カール部、２７ａ　第１四半円弧部、２７ｂ　第２四半円弧部
　２８　シール材、
　２９　食い込み部（回り止め）
３０　　ねじキャップ、３１　めねじ
５０　　コレット、５０ａ　爪部、５１　コレットチャック、５２　テーパー部
５５　　キャップシール、
　５５ａ　押さえ筒部、５５ｂ　円柱部、５５ｃ　凹部
１２１　　口部、１２３　環状凸部、
１２５　　　接合予定部、１２７　　　スカート部
１３０　　キャップ、１３３　内向き凸部
２０１　　金属缶
２２０　　口部構成部品
２２３　　　フランジ部
２２５　　　接合部
２２８　　　食い込み部
２２５１　　接合筒部
２２５１´　接合筒部

Claims

　開口部を有する金属製の缶本体と、口部を有する金属製の口部構成部品と、を備え、
　前記缶本体の開口部の開放端に前記口部構成部品の周縁部が接合された金属缶において、
　前記缶本体の開放端に環状のビードが設けられ、前記口部構成部品には前記ビードにかしめ固定される接合部が設けられていることを特徴とする金属缶。
　前記口部構成部品の接合部は、前記ビードの上端に係合するフランジ部と、前記ビードの外周に係合する環状接合片とを有し、前記環状接合片が内向きに縮径されて前記ビードに締め付け固定されている請求項１に記載の金属缶。
　前記口部構成部品の接合部は、前記ビードの上端に係合するフランジ部と、前記ビードの内周に係合する環状接合片とを有し、前記環状接合片が外向きに拡径されて前記ビードに締め付け固定されている請求項１に記載の金属缶。
　前記口部は、外周にねじが設けられたねじ口である請求項１、２または３に記載の金属缶。
　前記口部は、外周に環状凸部が設けられた打栓口である請求項１、２または３に記載の金属缶。
　前記口部に、キャップが装着される請求項１乃至５のいずれか１項に記載の金属缶。
　前記口部に、吐出機構が装着される請求項１乃至５のいずれか１項に記載の金属缶。