WO2022130571A1 - 電動機駆動装置、冷凍サイクル装置、及び空気調和機 - Google Patents

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Abstract

電動機を駆動するインバータをPWM制御する制御装置であって、通常時は、電流偏差に対して比例積分演算及び非干渉制御を行なうこと得られる電圧値を用いて電圧指令値を生成し、過変調時には、積分演算の結果を用いずに、例えば非干渉制御のみを行って電圧指令値を生成する。さらに、変調率に基づいて電圧指令値を補正する。補正係数は、電動機に印加される交流電圧が変調率に比例する値に近づくように定められる。過変調領域の広い範囲で電動機を安定に動作させることができる。

Description

電動機駆動装置、冷凍サイクル装置、及び空気調和機
 本開示は、電動機駆動装置、冷凍サイクル装置、及び空気調和機に関する。
 永久磁石同期電動機は、誘導電動機に比べて高効率な特性を有するため、家電製品のみならず、産業機器、電動車等にも適用されている。また、永久磁石同期電動機の可変速制御のためインバータを用いて、PWM制御によりインバータの出力周波数及び出力電圧値を変化させることも広く行われている。
 また、上記の適用において、省エネルギー化のため、低速回転域(軽負荷)における高効率化が求められるとともに、高速回転域(高負荷)における駆動範囲の拡大も求められている。
 電動機の低速回転域での高効率化のため、電動機の磁石量及び巻線を増加させることが知られている。しかしながら、磁石量及び巻線を増やすと、高速回転域で誘起電圧が増大し、そのため、回転速度に制限が加えられる。誘起電圧は、弱め磁束制御を用いることで抑制できる。また、インバータのPWM制御を過変調領域(変調率が1より大きい領域)で行いながら、弱め磁束制御を適切に行うことで電動機の運転限界を延ばす方法が知られている。
 一般的にPWM制御を過変調領域で行いながら、電流を比例積分(PI)制御すると、ワインドアップ現象が発生することが知られている。ワインドアップ現象はPI制御によって誤差が次第に大きくなって電流制御系が不安定となる現象である。特許文献1には、電流偏差に基づく電圧指令値の算出をPI演算ではなくP演算で行うことでワインドアップ現象を抑制し制御系を安定化する方法が記載されている。
特開2002-223599号公報(段落0106~0108)
 しかし、特許文献1に記載の方法では、過変調領域のうち、変調率が大きい領域、例えば、変調率1.5以上の領域では電動機を安定に制御できないという問題がある。
 本開示は、過変調領域の広い範囲で電動機を安定に動作させることを可能にすることを目的とする。
 本開示の電動機駆動装置は、
 周波数可変で電圧値可変の交流電圧を生成し、電動機に印加するインバータと、
 前記インバータを制御する制御装置とを備え、
 前記制御装置は、
 前記交流電圧の周波数の、周波数指令値に対する差分である周波数偏差に基づいてq軸電流指令値を生成し、
 前記電動機のd軸電流のd軸電流指令値に対する差分であるd軸電流偏差に対して比例演算を行なって第1のd軸電圧値を生成し、
 前記d軸電流偏差に対して積分演算を行なって第2のd軸電圧値を生成し、
 前記q軸電流指令値により誘起されるd軸電圧を補償するd軸補償値を算出し、
 前記電動機のq軸電流の前記q軸電流指令値に対する差分であるq軸電流偏差に対して比例演算を行なって第1のq軸電圧値を生成し、
 前記q軸電流偏差に対して積分演算を行なって第2のq軸電圧値を生成し、
 前記d軸電流指令値により誘起されるq軸電圧を補償するq軸補償値を算出し、
 第1のモードでは、
 前記第1のd軸電圧値と、前記第2のd軸電圧値と、前記d軸補償値とを用いて第3のd軸電圧値を生成し、
 前記第1のq軸電圧値と、前記第2のq軸電圧値と、前記q軸補償値とを用いて第3のq軸電圧値を生成し、
 第2のモードでは、              
 前記第1のd軸電圧値、前記第2のd軸電圧値、及び前記d軸補償値のうちの、少なくとも前記d軸補償値を用い、かつ前記第2のd軸電圧値を用いずに、前記第3のd軸電圧値を生成し、
 前記第1のq軸電圧値、前記第2のq軸電圧値、及び前記q軸補償値のうちの、少なくとも前記q軸補償値を用い、かつ前記第2のq軸電圧値を用いずに、前記第3のq軸電圧値を生成し、
 前記第3のd軸電圧値及び前記第3のq軸電圧値に基づいて変調率を算出し、
 前記変調率に基づいて補正係数を生成し、
 前記第3のd軸電圧値及び前記第3のq軸電圧値に対して前記補正係数を乗算して、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を生成し、
 前記d軸電圧指令値及び前記q軸電圧指令値に基づいて前記インバータをPWM制御する信号を生成し、
 前記補正係数は、前記第1のモードでは1に維持され、
 前記補正係数は、前記第2のモードでは、前記交流電圧が前記第3のd軸電圧値及び前記第3のq軸電圧値に相当する大きさとなるように定められる。
 本開示によれば、過変調領域の広い範囲で電動機を安定に動作させることができる。
空気調和機の冷凍サイクルの一例を示す概略図である。 実施の形態1の電動機駆動装置を示す図である。 図2のインバータの構成例を示す図である。 実施の形態1で用いられる制御装置の一例を示す機能ブロック図である。 図4のd軸電流指令値生成の構成例を示す機能ブロック図である。 図4の電圧指令値生成部の構成例を示す機能ブロック図である。 図6の速度制御部の構成例を示す機能ブロック図である。 図6の電圧値算出部の構成例を示す機能ブロック図である。 変調率と補正係数との関係の一例を示す図である。 図6の変調率算出部の構成例を示す機能ブロック図である。 (a)~(d)は、ワインドアップ現象が起きているときの、電動機の速度、電動機及び負荷のトルク、d軸電流及びq軸電流、及びインバータの入力電圧の変化の一例を示す図である。 変調率とインバータの出力電圧との関係の一例を示す図である。 変調率補正を行なう場合の電圧指令ベクトル、及び変調率補正を行なう場合の電圧指令ベクトルを示す図である。 (a)~(d)は、ワインドアップ現象が起きていないときの、電動機の速度、電動機及び負荷のトルク、d軸電流及びq軸電流、及びインバータの入力電圧の変化の一例を示す図である。 (a)~(d)は、制御で用いられるd軸インダクタンス実際のd軸インダクタンスとが一致しない場合の、電流指令値に対する実際の電流の偏差の一例を示す図である。
 以下に添付の図面を参照し、実施の形態に係る電動機駆動装置について説明する。
 電動機駆動装置は、例えば空気調和機の冷凍サイクル装置の圧縮機の電動機を駆動するためのものである。
 最初に、空気調和機の一例における冷凍サイクルを、図1を参照して説明する。
 図1の冷凍サイクル900は四方弁902の切替動作により暖房運転又は冷房運転をすることができる。
 暖房運転時には、実線矢印で示すように、冷媒が圧縮機904で加圧されて送り出され、四方弁902、室内熱交換器906、膨張弁908、室外熱交換器910及び四方弁902を通って圧縮機904に戻る。
 冷房運転時には、破線矢印で示すように、冷媒が圧縮機904で加圧されて送り出され、四方弁902、室外熱交換器910、膨張弁908、室内熱交換器906及び四方弁902を通って圧縮機904に戻る。
 暖房運転時には、室内熱交換器906が凝縮器として作用して熱放出を行い、室外熱交換器910が蒸発器として作用して熱吸収を行う。冷房運転時には、室外熱交換器910が凝縮器として作用して熱放出を行い、室内熱交換器906が蒸発器として作用し、熱吸収を行う。膨張弁908は、冷媒を減圧して膨張させる。
 圧縮機904は可変速制御される電動機7によって駆動される。
 以上の冷凍サイクル900と、圧縮機904を駆動する電動機7と、電動機7を駆動する電動機駆動装置とで、冷凍サイクル装置が構成されている。
 図2は、実施の形態1の電動機駆動装置2を、電動機7とともに示す概略配線図である。図2に示される電動機駆動装置2と、電動機7と、図1に示される冷凍サイクル900とで冷凍サイクル装置が構成される。
 図2に示される電動機駆動装置2は、電動機7を駆動するためのものであり、リアクタ4と、整流回路10と、平滑コンデンサ20と、インバータ30と、電圧検出部82と、入力電流検出部84と、制御装置100とを有する。
 整流回路10は、交流電源1から供給される交流電力を直流電力に変換する。図示の例では、整流回路10は、ダイオードブリッジで構成されている。ダイオードブリッジの入力端子はリアクタ4を介して交流電源1に接続されており、出力端子は平滑コンデンサ20に接続されている。
 平滑コンデンサ20は、整流回路10の出力電圧を平滑する。
 平滑コンデンサ20の一方の電極(正電極)は、整流回路10の第1の出力端子及び高電位側(正側)の直流母線22aに接続されている。
 平滑コンデンサ20の他方の電極(負電極)は、整流回路10の第2の出力端子及び低電位側(負側)の直流母線22bに接続されている。
 インバータ30は、平滑コンデンサ20の両電極間の直流電圧を受けて、周波数可変で電圧可変の3相交流電圧を発生して、出力線331~333を介して電動機7に供給する。インバータ30に入力される直流電圧をインバータの入力電圧、又は単に入力電圧と言う。
 電動機7は、例えば、3相永久磁石同期電動機である。
 電圧検出部82は、直流母線22a及び22b間の直流電圧Vdcをインバータの入力電圧として検出する。電圧検出部82は、例えば、入力電圧Vdcを、直列接続された抵抗で分圧する回路を含み、制御装置100内のマイコンでの処理に適した電圧、例えば5V以下の電圧に変換して出力する。この信号(電圧検出信号)は、制御装置100で図示しないA/D変換部によりデジタル信号に変換されて制御装置100の内部での処理に用いられる。
 入力電流検出部84は、インバータ30の入力電流Idcを検出する。入力電流検出部84は、平滑コンデンサ20の負電極とインバータ30との間において、直流母線22bに挿入されたシャント抵抗を含み、検出結果を示すアナログ信号を制御装置100に供給する。この信号(電流検出信号)は、制御装置100で図示しないA/D変換部によりデジタル信号に変換されて制御装置100の内部での処理に用いられる。
 インバータ30の制御のため、制御装置100は、PWM信号Sm1~Sm6を生成して、インバータ30に供給する。
 インバータ30は、図3に示すように、インバータ主回路310と、駆動回路350とを有し、インバータ主回路310の入力端子が直流母線22a及び22bに接続されている。
 インバータ主回路310は、それぞれスイッチング素子311~316を含む6つのアームを有する。スイッチング素子311~316には、還流用の整流素子321~326が逆並列接続されている。
 駆動回路350は、PWM信号Sm1~Sm6に基づいて駆動信号Sr1~Sr6を生成して、駆動信号Sr1~Sr6によりスイッチング素子311~316のオン、オフを制御し、これにより、周波数可変で電圧可変の3相交流電圧が出力線331~333を介して電動機7に印加されるようにする。
 PWM信号Sm1~Sm6が論理回路の信号レベルの大きさ(0~5V)のものであるのに対し、駆動信号Sr1~Sr6は、スイッチング素子311~316を制御するのに必要な電圧レベル、例えば+15V~-15Vの大きさを持つ信号である。また、PWM信号Sm1~Sm6が、制御装置100の接地電位を基準電位とするものであるのに対し、駆動信号Sr1~Sr6は、それぞれ対応するスイッチング素子の負側の端子(エミッタ端子)の電位を基準電位とするものである。
 制御装置100は、上記のように、インバータ30の動作の制御を行なう。
 具体的には、制御装置100は、インバータ30を制御してその出力電圧の周波数及び電圧値を変化させる。
 インバータ30の出力電圧の角周波数ωは、電動機7の電気角での回転角速度(出力電圧の角周波数と同じ符号ωで表される)を定めるものであり、電動機7の機械角での回転角速度ωは、電動機7の電気角での回転角速度ωを極対数Pで割ったものに等しい。従って、電動機7の機械角での回転角速度ωと、インバータ30の出力電圧の角周波数ωとの間には、下記の式(1)で表される関係がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 本書では、回転角速度を単に回転速度と言い、角周波数を単に周波数と言うことがある。
 制御装置100は、電動機7の相電流Iu、Iv及びIwに基づいて、回転座標系のd軸電流Id及びq軸電流Iqを算出し、入力電圧Vdcと、q軸電流Iqとに基づいてd軸電圧指令値dを生成し、周波数指令値ωと、d軸電流指令値Idと、d軸電流Id及びq軸電流Iqとに基づいてd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを生成し、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqに基づいてインバータ制御のためのPWM信号Sm1~Sm6を生成して、インバータ30を制御する。
 制御装置100は、マイクロプロセッサにより実現される。マイクロプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)といった呼び方をされる処理器又は処理装置であってもよい。
 図4は、制御装置100の一例を示す機能ブロック図である。図示のように、制御装置100は、運転制御部102と、インバータ制御部110とを有する。
 運転制御部102は、周波数指令値ωを出力する。周波数指令値ωは、下記の式(2)に示す如く、電動機7の回転速度の指令値(回転角速度指令値)ω に極対数Pを掛けることで求められる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 運転制御部102は、図示しない温度センサで検出された室温(空調対象空間の温度)を示す情報Qaを受け、図示しない操作部、例えばリモコンからの指示Qbを受け、空気調和機の各部の動作を制御する。操作部からの指示には、設定温度を示す情報、運転モード(暖房、冷房、除湿など)の選択、運転開始及び終了の指示が含まれる。
 インバータ制御部110は、電流復元部111と、3相2相変換部112と、d軸電流指令値生成部114と、電圧指令値生成部115と、電気位相演算部116と、2相3相変換部117と、PWM信号生成部118とを有する。
 電流復元部111は入力電流検出部84で検出された入力電流Idcに基づいて電動機7に流れる相電流Iu、Iv及びIwを復元する。電流復元部111は、入力電流検出部84で検出される入力電流Idcを、PWM信号生成部118からのPWM信号Sm1~Sm6に基づいて定められるタイミングでサンプリングすることで、相電流Iu、Iv及びIwを復元する。
 3相2相変換部112は電流復元部111により復元された相電流Iu、Iv及びIwを、後述の電気位相演算部116で生成される電気位相θeを用いてd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する。
 d軸電流指令値生成部114は、電圧検出部82で検出された入力電圧Vdcと3相2相変換部112における変換で得られたq軸電流Iqと、電圧指令値生成部115で生成されたd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqとに基づいてd軸電流指令値Idを生成して出力する。
 電圧指令値生成部115は、3相2相変換部112より得られたd軸電流Id及びq軸電流Iqと、運転制御部102から出力された周波数指令値ωと、d軸電流指令値生成部114より得られたd軸電流指令値Idと、電圧検出部82で検出された入力電圧Vdcとを入力とし、これらに基づいて電圧指令値Vd及びVqを生成して出力する。
 電圧指令値生成部115はさらに、電圧指令値Vd及びVq並びにd軸電流Id及びq軸電流Iqから周波数の推定値ωestを推定して出力する。
 電圧指令値生成部115は、第1のモード又は第2のモードで動作する。電圧指令値生成部115は、通常時は第1のモードで動作し、過変調時には第2のモードで動作する。例えば、後述のPWM制御のための変調率Fmが第1の閾値Fmtaに達するまでは、第1のモードで動作し、変調率Fmが第1の閾値Fmtaよりも大きくなったら第2のモードに移行する。第2のモードで動作中に、変調率Fmが第2の閾値Fmtbよりも小さくなったら、第1のモードに復帰する。第2の閾値Fmtbは第1の閾値Fmtaと同じであっても良く、より小さくても良い。第1のモードと、第2のモードでは、電圧指令値Vd及びVqの生成の方法が異なる。
 電気位相演算部116は、電圧指令値生成部115から出力される周波数の推定値ωestを積分することで、電気位相θeを算出する。
 2相3相変換部117は電圧指令値生成部115により得られたd軸電圧指令値Vd、及びq軸電圧指令値Vq(2相座標系の電圧指令値)を電気位相演算部116により得られた電気位相θeを用いて3相座標系の出力電圧指令値(3相電圧指令値)Vu、Vv及びVwに変換して出力する。
 PWM信号生成部118は、電圧検出部82で検出された入力電圧Vdcと、2相3相変換部117により得られた3相電圧指令値Vu、Vv及びVwとを元にPWM信号Sm1~Sm6を生成して出力する。
 2相3相変換部117とPWM信号生成部118とで、インバータ制御信号生成部119が構成されている。
 インバータ制御信号生成部119は、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqに基づいてPWM信号Sm1~Sm6を生成する。
 d軸電流指令値生成部114は、例えば図5に示されるように、弱め磁束制御部410と、制限回路420とを有する。
 弱め磁束制御部410は、入力電圧Vdc、並びに電圧指令値Vd及びVqに基づいてd軸電流値Id_fwを生成する。d軸電流値Id_fwは弱め磁束制御のためのd軸電流指令値である。
 弱め磁束制御部410は、積分型の弱め磁束制御によりd軸電流値(弱め磁束制御のためのd軸電流指令値)Id_fwを求める。
 弱め制御磁束制御部410は、振幅算出部411と、係数乗算部412と、乗算部413と、積分部415とを有する。
 振幅算出部411は、電圧指令値生成部115で後述のようにして求められた電圧指令値Vd及びVqに基づいて、電圧指令ベクトルの振幅Vdq_absを算出する。Vdq_absは下記の式(3)で算出される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 係数乗算部412は、入力電圧Vdcに1/√2を乗算する。
 乗算部413は、係数乗算部412の出力に上記の第1の閾値Fmtaを乗算し、制限値Vomを出力する。第1の閾値Fmtaは弱め磁束制御が開始される変調率である。
 減算部414は、制限値Vomから振幅Vdq_absを減算し差分を求める。
 積分部415は、減算部414で求めた差分に係数Kifwを乗算し、その積を積分し、d軸電流値Id_fwを生成する。
 積分部415から出力されるd軸電流値Id_fwは、弱め磁束制御部410の出力となる。
 d軸電流値Id_fwは、電圧指令ベクトルの振幅Vdq_absが制限値Vomよりも大きい場合は負方向に次第に大きくなり、電圧指令ベクトルの振幅Vdq_absが制限値Vomよりも小さい場合は負方向に次第に小さくなる(絶対値が次第に小さくなる)。
 制限回路420は、d軸電流値Id_fwに対して上限及び下限を定めるリミット値を用いた制限を加えて、d軸電流指令値Idを生成する。
 制限回路420は、MTPA制御部421と、選択部422と、リミッタ423とを有する。
 MTPA制御部421は、q軸電流Iqを基にして、電動機7を駆動するために最も効率が良くなるd軸電流指令値Id_mtpaを求める。
 このd軸電流指令値Id_mtpaは、「最大トルク/電流制御(Maximum torque per ampere control)の電流指令値」とも呼ばれるものである。
 選択部422は、d軸電流指令値Id_mtpaとd軸電流値Id_fwのうち負方向に大きい方(値が負であって、絶対値が大きい方)を選択して出力する。
 リミッタ423は、選択部422の出力に対してリミット処理を行ない、リミットの処理の結果をd軸電流指令値Idとして出力する。リミッタ423におけるリミット処理は、選択部422の出力の絶対値に対して上限値を用いて制限を加えるものである。
 上限値を用いた制限は、d軸電流指令値Idが過大になって、電動機7が減磁(不可逆的減磁)するのを防ぐために行われる。
 選択部422でMTPA制御部421の出力と弱め磁束制御部410の出力のうちの小さい方(負方向により大きい方)選択して出力するので、d軸電流指令値Idはd軸電流指令値Id_mtpaと比べて正方向に大きい値とならない。即ち、MTPA制御部421及び選択部422で、d軸電流指令値Idに対して正方向の制限を加えていると言える。
 なお、MTPA制御部421からのd軸電流指令値Id_mtpaの代わりに、ゼロを正方向のリミット値としても良い。その場合は、MTPA制御部421は不要であり、d軸電流指令値Id_mtpaの代わり値ゼロを選択部422に入力すれば良い。
 電圧指令値生成部115は例えば、図6に示されるように構成されている。図示の電圧指令値生成部115は、周波数推定部501と、減算部502と、速度制御部503と、電圧値算出部520と、変調率算出部551と、補正係数生成部552と、モード決定部553と、乗算部560とを有する。
 周波数推定部501は、3相2相変換部112から出力されたd軸電流Id及びq軸電流Iqと、乗算部560から出力された電圧指令値Vd及びVqとを入力として、これらに基づいて電動機7に印加された電圧の周波数を推定し、推定値ωestを出力する。
 減算部502は、周波数推定部501により生成された周波数推定値ωestの、周波数指令値ωに対する差分である周波数偏差del_ω(=ω-ωest)を算出する。
 速度制御部503は、算出された周波数偏差del_ωに対して比例積分(PI)演算を行って、該偏差をゼロに近付けるq軸電流指令値Iqを求める。このようにしてq軸電流指令値Iqを生成することで、周波数推定値ωestを周波数指令値ωに一致させるための制御が行われる。
 なお、上記のように電動機7の回転速度は、電動機7に印加される交流電圧の周波数に比例するので、速度制御部503による制御は、速度指令値に対する速度推定値の偏差をゼロに近付けるための制御であると言える。
 速度制御部503は、例えば図7に示すように、係数乗算部5031及び5032と、積分部5033と、加算部5034と、リミッタ5035とを有する。
 係数乗算部5031は、周波数偏差del_ωに対して予め定められた係数を乗算する。係数乗算部5032は、周波数偏差del_ωに対して予め定められた係数を乗算する。係数乗算部5031で用いる係数と係数乗算部5032で用いる係数とは同じ値のものであっても良く、異なる値のものであっても良い。
 積分部5033は、係数乗算部5032の出力を積分する。
 係数乗算部5031の出力は周波数偏差del_ωに対する比例演算の結果であり、積分部5033の出力は、周波数偏差del_ωに対する積分演算の結果である。
 加算部5034は、係数乗算部5031の出力と、積分部5033の出力を加算してq軸電流値Iq1を出力する。q軸電流値Iq1は、周波数偏差del_ωに対する比例積分(PI)演算の結果である。
 リミッタ5035は、q軸電流値Iq1に対して、正方向及び負方向の制限を加える。リミッタ5035の出力Iqがq軸電流指令値として速度制御部503から出力される。
 電圧値算出部520は、d軸電流指令値生成部114から出力されたd軸電流指令値Idと、速度制御部503から出力されたq軸電流指令値Iqと、3相2相変換部112から出力されたd軸電流Id及びq軸電流Iqと、周波数推定部501から出力された周波数推定値ωestと、モード決定部553から出力されたモード信号Ssを入力とし、d軸電圧値Vd3及びq軸電圧値Vq3を出力する。
 電圧値算出部520は例えば図8に示されるように、d軸電圧値算出部521とq軸電圧値算出部522とを有する。
 d軸電圧値算出部521は、減算部5210と、比例演算部5211と、積分演算部5212と、d軸補償値算出部5213と、開閉器5215及び5216と、加算部5217とを有する。
 減算部5210は、d軸電流指令値Idからd軸電流Idを減算して、両者の差分としてのd軸電流偏差del_Id(=Id-Id)を出力する。
 比例演算部5211は、d軸電流偏差del_Idに対して比例演算を行って、比例演算の結果としての第1のd軸電圧値Vdfbpを生成する。第1のd軸電圧値Vdfbpは開閉器5215を介して加算部5217に供給される。
 積分演算部5212は、d軸電流偏差del_Idに対して積分演算を行って、積分演算の結果としての第2のd軸電圧値Vdfbiを生成する。第2のd軸電圧値Vdfbiは開閉器5216を介して加算部5217に供給される。
 d軸補償値算出部5213は、q軸電流指令値Iq及び周波数推定値ωestに基づいて、d軸補償値Vdffを算出する。d軸補償値Vdffは、q軸電流指令値Iqにより、d軸上に発生する干渉電圧を打ち消すための補償値である。q軸電流指令値Iqによりd軸上に発生する干渉電圧とは、q軸電流指令値Iqにより誘起されるd軸電圧を意味する。補償値Vdffは後述の式(4a)で表される演算で求められる。d軸補償値Vdffは加算部5217に供給される。
 加算部5217は、第1のd軸電圧値Vdfbpと、第2のd軸電圧値Vdfbiと、d軸補償値Vdffとを加算し、加算結果を第3のd軸電圧値Vd3として出力する。第3のd軸電圧値Vd3は電圧指令値としての性格を持つ。
 q軸電圧値算出部522は、減算部5220と、比例演算部5221と、積分演算部5222と、q軸補償値算出部5223と、開閉器5225及び5226と、加算部5227とを有する。
 減算部5220は、q軸電流指令値Iqからq軸電流Iqを減算して、両者の差分としてのq軸電流偏差del_Iq(=Iq-Iq)を出力する。
 比例演算部5221は、q軸電流偏差del_Iqに対して比例演算を行って、比例演算の結果としての第1のq軸電圧値Vqfbpを生成する。第1のq軸電圧値Vqfbpは開閉器5225を介して加算部5227に供給される。
 積分演算部5222は、q軸電流偏差del_Iqに対して積分演算を行って、積分演算の結果としての第2のq軸電圧値Vqfbiを生成する。第2のq軸電圧値Vqfbiは開閉器5226を介して加算部5227に供給される。
 q軸補償値算出部5223は、d軸電流指令値Id及び周波数推定値ωestに基づいて、q軸補償値Vqffを算出する。q軸補償値Vqffは、d軸電流指令値Idにより、q軸上に発生する干渉電圧を打ち消すための補償値である。d軸電流指令値Idによりd軸上に発生する干渉電圧とは、d軸電流指令値Idにより誘起されるq軸電圧を意味する。補償値Vqffは、例えば、後述の式(4b)で表される演算で求められる。q軸補償値Vqffは加算部5227に供給される。
 加算部5227は、第1のq軸電圧値Vqfbpと、第2のq軸電圧値Vqfbiと、q軸補償値Vqffとを加算し、加算結果を第3のq軸電圧値Vq3として出力する。第3のq軸電圧値Vq3は電圧指令値としての性格を持つ。
 補償値Vdff及びVqffの算出には下記の式(4a)及び(4b)が用いられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 上記の式(4a)及び(4b)で、
 Ldは電動機7のd軸インダクタンス、
 Lqは電動機7のq軸インダクタンス、
 φfは鎖交磁束である。
 d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq及び鎖交磁束φfの値は、予め求められ、例えば電圧値算出部520内に記憶されている。
 ωestは周波数推定値であり、例えば周波数推定部501で推定された値が用いられる。
 なお、周波数推定値ωestの代わりに、周波数指令値ωを用いても良い。
 上記の補償値Vdff及びVqffを用いた制御は、FF(フィードフォワード)制御と見なせるものである。補償値を用いた制御は非干渉制御とも呼ばれる。
 開閉器5215、5216、5225及び5226は、モード信号Ssで表されるモードに応じて開閉する。
 開閉器5215、5216、5225及び5226は、第1のモードでは閉じている。この場合、電圧値Vd3及びVq3は、下記の式で与えられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
 開閉器5215、5216、5225及び5226は、第2のモードでは開いている。この場合、電圧値Vd3及びVq3は、下記の式で与えられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
 高速でかつ安定した運転をしているときは、式(5a)及び(5b)のうち、Vdff及びVqffが支配的になるので、第1のモードから第2のモードへの切り替わっても、電圧値Vd3及びVq3に大幅な変化は起きない。
 図6に戻り、変調率算出部551は、第3のd軸電圧値Vd3、第3のq軸電圧値Vq3、及び入力電圧Vdcに基づいて、変調率Fmを算出する。
 変調率Fmは下記の式で算出される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
 補正係数生成部552は、変調率算出部551で算出された変調率Fmに基づいて補正係数Khを生成する。
 補正係数生成部552は、例えば変換テーブルで構成されている。
 変換テーブルの変換特性の一例を図9に示す。図9に示される変換特性では、変調率Fmが1以下の範囲では、補正係数Khは1であり、変調率Fmが1を超える範囲では、補正係数Khが1より次第に大きくなる。補正係数Khの増加の割合は、変調率Fmの増加に伴って次第に大きくなる。
 モード決定部553は、変調率Fmに基づいて動作モードを決定する。例えば、変調率Fmが第1の閾値Fmtaよりも大きくなったら、第1のモードから第2のモードに切り替え、変調率Fmが第2の閾値Fmtbよりも小さくなったら、第2のモードから第1のモードに切り替える。第2の閾値Fmtbは第1の閾値Fmtaと同じであっても良く、第1の閾値Fmtaよりも小さくても良い。例えば、第1の閾値Fmtaは1であり、第2の閾値Fmtbは0.8である。モード信号Ssはモード決定部553で決定されたモードを示す。
 乗算部560は、第3のd軸電圧値Vd3及び第3のq軸電圧値Vq3に補正係数Khを乗算する。乗算結果は、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値として電圧指令値生成部115から出力される。
 変調率算出部551は、例えば図10に示されるように振幅算出部5511と、係数乗算部5512と、除算部5513とを有する。
 振幅算出部5511は、d軸電圧値Vd3及びq軸電圧値Vq3からそれらの2乗和の平方根を求め、振幅Vdq3_absとして出力する。この処理は、下記の式(8)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000008
 係数乗算部5512は、入力電圧Vdcに係数(1/√2)を乗算する。
 除算部5513は、振幅算出部5511の出力Vdq3_absを係数乗算部5512の出力Vdc/√2で除算し、除算の結果を変調率(補正前の変調率)Fmとして出力する。
 以下、上記のような制御を行なうことの意義について説明する。
 上記のように、一般的に過変調領域で電流をPI制御すると、積分項が飽和するワインドアップ現象が起きてしまい、電流制御系が不安定になる。これは、過変調領域では、電圧指令値に対する、実際に電動機7に印加される電圧の誤差が大きくなり、積分項が次第に大きくなるためである。
 図11(a)~(d)は、その様子の一例を示す。
 図11(a)は、速度を示す。図示の速度は「rps」を単位とする。符号wrefは、速度指令値(周波数指令値ωに対応する)を示し、符号wr0は推定速度(周波数推定値ωestに対応する)を示し、wr_mtrは実速度を示す。
 図11(b)は、トルクを示す。図示のトルクは「Nm」を単位とする。符号Temは電動機7の出力トルクを示し、符号Tlは負荷トルクを示す。
 図11(c)は、電流を示す。図示の電流は「A」を単位とする。符号Id_refは、d軸電流指令値Idを示し、符号Idesは実際のd軸電流の推定値を示し、符号Iq_refは、q軸電流指令値Iqを示し、符号Iqesは実際のq軸電流の推定値を示す。
 図11(d)は、入力電圧Vdcを示し、「V」を単位とする。
 図11(a)~(d)から、電流指令値に対する実電流の偏差が次第に大きくなっており、これとともに、速度、トルク、及び入力電圧の変動が次第に大きくなっていることが分かる。
 本実施の形態では、変調率が1に達するまでは、第1のモードでの動作を行なう一方、変調率が1よりも大きくなったら(即ち、過変調領域では)、第2のモードでの動作を行なう。
 第1のモードでは、電流指令値に基づくPI制御と非干渉制御とを行なう。
 第2のモードでは、PI制御を行なわず、即ちPI演算の結果を用いず、非干渉制御のみを行ない、非干渉制御の結果生成される補償値を第3のd軸電圧値Vd3及び第3のq軸電圧値Vq3として出力し、第3のd軸電圧値Vd3及び第3のq軸電圧値Vq3に基づいて電圧指令値Vd及びVqを生成する。
 具体的には、電圧値Vd3及びVq3に基づいて変調率Fmを求め、変調率Fmに基づいて補正係数Khを生成し、電圧値Vd3及びVq3に補正係数Khを乗算することで、電圧指令値Vd及びVqを生成し、電圧指令値Vd及びVqをインバータ制御信号生成部119に供給する。
 上記のように、電圧値Vd3及びVq3は補正前の電圧指令値としての性格を持つ。従って、電圧値Vd3及びVq3に補正係数Khを乗算する処理は、電圧指令値を補正する処理であると言える。
 変調率と補正係数との関係を、図9に示すものとするのは、変調率の増加に対し、実際に出力される電圧の増加の割合は、図12のように、変調率の増加とともに次第に小さくなる傾向がある、言い換えると、変調率の増加に対して出力電圧が飽和する特性があるからである。即ちそのような傾向、即ち飽和特性を打ち消すように、変調率の増加に伴って補正係数の増加の割合が次第に大きくされる。上記のように、補正係数による電圧指令値の補正は、変調率の補正と見ることもできる。
 補正係数の乗算(変調率補正)による電圧指令ベクトルの変化を図13に示す。
 変調率補正が無い場合、電圧値算出部520から出力される電圧値Vd3及びVq3に対応するベクトルV3(Vd3,Vq3)は、半径が√(2/3)・Vdcである円周上に頂点がある六角形の内側に限定される。
 従って、変調率は、最大でも√(2/3)/1/√2≒1.15程度までしか大きくならない。
 一方、電圧値Vd3及びVq3に補正係数を乗算することで得られる電圧指令値Vd及びVqに対応するベクトルVとしては、より大きな絶対値を持つものが得られる。その結果、インバータ30からは、電圧値Vd3及びVq3に対応するベクトルV3の大きさに相当する電圧が出力されて電動機7に印加される。
 即ち、電圧指令値の補正(変調率の補正)を行うことで、過変調領域でも電圧値(補正前の電圧指令値)Vd3,Vq3に相当する値の電圧を電動機7に印加することができ、安定した動作が可能となる。
 PI制御の結果を用いないことによる電流等の変化は例えば図14(a)~(d)に示す如くとなる。
 図14(a)は、速度を示す。図示の速度は「rps」を単位とする。符号wrefは、速度指令値(周波数指令値ωに対応する)を示し、符号wr0は推定速度(周波数推定値ωestに対応する)を示し、wr_mtrは実速度を示す。
 図14(b)は、トルクを示す。図示のトルクは「Nm」を単位とする。符号Temは電動機7の出力トルクを示し、符号Tlは負荷トルクを示す。
 図14(c)は、電流を示す。図示の電流は「A」を単位とする。符号Id_refは、d軸電流指令値Idを示し、符号Idesは実際のd軸電流を示し、符号Iq_refは、q軸電流指令値Iqを示し、符号Iqesは実際のq軸電流の推定値を示す。
 図14(d)は、入力電圧Vdcを示し、「V」を単位とする。
 図14(a)~(d)から、電流指令値に対する実電流の偏差が小さい値に保たれ、速度、トルク、入力電圧の変動も小さく保たれていることが分かる。
 本実施の形態では、上記のように、d軸電流指令値、q軸電流指令値に対するリミット処理において、第2のモードで用いられるリミット値を第1のモードで用いられるリミット値よりも大きく設定する。
 以下そのようにする理由について説明する。
 上記のように、第2のモードでは、開閉器5215、5216、5225及び5226が開くことにより、式(4a)及び(4b)で表される補償値Vdff及びVqffが電圧値Vd3及びVq3となり、電圧値Vd3及びVq3により電圧指令値Vd及びVqが決まる。
 式(4a)及び(4b)を見ると分かるように補償値Vdff及びVqffは速度制御部503の出力(Iq)と弱め磁束制御部410を含むd軸電流指令値生成部114の出力(Id)によって決まり、比例演算部5211及び5221、並びに積分演算部5212及び5222の出力に依存しない。
 従って、電圧指令値Vdには、d軸電流指令値と実d軸電流の差分を小さくするための電圧成分が含まれず、電圧指令値Vqには、q軸電流指令値と実q軸電流の差分を小さくするための電圧成分が含まれない。
 そのため、制御のための演算で用いている電動機の定数と、電動機の実際の定数が異なる場合、電流指令値に対する実電流の偏差がゼロに近づかない可能性がある。
 例えば図15(a)及び(b)に制御で用いられるd軸インダクタンスLdの値が、実際のd軸インダクタンスの値とは異なる場合の波形を示す。
 図15(a)及び(b)は、制御で用いられたd軸インダクタンスLdの値が実際の値の0.8倍である場合を示す。この場合、弱め磁束制御によりd軸電流指令値Idが実電流Idに比べ負方向に大きくなる。
 図15(c)及び(d)は、制御で用いられたd軸インダクタンスLdの値が実際の値の1.2倍である場合を示す。この場合、弱め磁束制御によりd軸電流指令値Idが実電流Idに比べ負方向に小さくなる。
 このように誤差が大きくなることを考慮し、電流指令値のリミット値を比較的大きくしておく。
 例えば、d軸電流指令値生成部114から出力されるd軸電流指令値Idのリミット値Idlimは、電圧方程式に基づき式(9)のように定義されることもある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000009
 上記の式(9)で、Kmは係数である。
 式(9)の係数Kmが1の場合はq軸基準の電圧位相が90[deg]まで弱め磁束制御を行うことを意味している。なお、電圧位相が90[deg]より大きいと制御が破綻する。
 上記の構成においては、第2のモードでは、図15(a)に示すようにd軸電流指令値と実際のd軸電流は一致せず、d軸電流指令値Idに基づいて算出された補償値Vqffによって制御されるため、式(9)の係数Kmが1よりも大きい場合のリミット値Idlimに等しいd軸電流指令値Idとなって安定に動作することもある。
 そのためd軸電流指令値Idのリミット値は例えば、推定される偏差(d軸電流指令値Idに対する実電流Idの偏差del_Id)の絶対値の最大値だけ、第1のモード(変調率が1以下であるとき)で用いられるリミット値より絶対値を大きくした値に設定するのが好ましい。
 代わりに、第1のモードで用いられるリミット値に比べその絶対値が1.2倍程度に大きくなるようにリミット値を設定しても良い。
 第1のモードと第2のモードとで異なる値のリミット値を用いるには、例えば、図5に示すように、モード信号Ssをリミッタ423に入力し、リミッタ423がモード信号Ssに応じてリミット値を切替えることとしても良い。
 q軸電流指令値Iqについても同様に、推定される偏差(q軸電流指令値Iqに対する実電流Iqの偏差)del_Iqの絶対値の最大値だけ、第1のモード(変調率が1以下であるとき)で用いられるリミット値より絶対値を大きくした値に設定するのが好ましい。
 代わりに、第1のモードで用いられるリミット値に比べその絶対値が1.2倍程度に大きくなるようにリミット値を設定しても良い。
 q軸電流指令値Iqに対するリミット値は例えば、図7のリミッタ5035に設定される。
 第1のモードと第2のモードとで異なるリミット値を用いるには、例えば、図7に示すように、モード信号Ssをリミッタ5035に入力し、リミッタ5035がモード信号Ssに応じてリミット値を切替えることとしても良い。
 なお、上記のようにリミット値を大きくする代わりに電流指令値をより大きい値としても良い。
 d軸電流指令値Idをより大きくするには、例えばd軸電流指令値生成部114において、図5の積分部415で用いられる係数Kifwの値をより大きくしても良い。
 第1のモードと第2のモードとで異なる値の係数を用いるには、例えば、図5に点線で示すように、モード信号Ssを積分部415に入力し、積分部415がモード信号Ssに応じて係数Kifwの値を切替えることとしても良い。
 q軸電流指令値Iqをより大きくするには、例えばd軸電流指令値生成部114においては、図7の係数乗算部5031及び5032で乗算される係数の値をより大きくしても良い。
 第1のモードと第2のモードとで係数を切替えるには、例えば、図7に点線で示すように、モード信号Ssを係数乗算部5031及び係数乗算部5032に入力し、係数乗算部5031及び係数乗算部5032がモード信号Ssに応じてそれぞれの係数の値を切替えることとしても良い。
 上記の例では、第2のモードにおいて、比例演算部5211及び5221の出力、並びに積分演算部5212及び5222の出力を用いないが、比例演算部5211及び5221の出力を用い、積分演算部5212及び5222の出力を用いないこととしても良い。
 この場合、電圧値Vd3及びVq3は下記の式(10a)及び(10b)で与えられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000010
 ワインドアップが起きるのは、積分演算の結果を用いるためであるので、積分演算の結果を用いないことで、ワインドアップを防ぐことができる。
 上記の例では、弱め磁束制御部410は、積分型の弱め磁束制御によりd軸電流指令値Id_fwを求めているが、代わりに、電圧方程式に基づいて、下記の式(11)で算出しても良い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000011
 式(11)で、
 Vomは、制限値であり、図5に示される係数乗算部412及び乗算部413に関して説明したのと同様に算出され得る。
 ωは、インバータ30の出力電圧の周波数である。
 上記の例では、インバータ30の入力電流Idcから相電流Iu、Iv及びIwを復元する構成としている。代わりに、インバータ30の出力線331、332及び333に電流検知器を設け、該検知器で相電流を検出する構成としても良い。そのようにする場合には、上記の電流検知器で検出される電流を、電流復元部111で復元された電流の代わりに用いれば良い。
 インバータ主回路310のスイッチング素子311~316としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)或いはMOSFETを想定しているが、スイッチングを行うことが可能な素子であれば、どのようなものを用いても良い。なお、MOSFETの場合は、構造上寄生ダイオードを有するため環流用の整流素子(321~326)を逆並列接続しなくても同様の効果を得ることができる。
 スイッチング素子311~316を構成する材料については、ケイ素(Si)だけでなく、ワイドバンドギャップ半導体である炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンド等を用いたもので構成することにより、損失をより少なくすることが可能となる。
 なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。
 以上、電動機駆動装置、及びそれを備えた冷凍サイクル装置について説明した。特に、冷凍サイクル装置が空気調和機に用いられるものである場合について説明したが、冷凍サイクル装置は、冷蔵庫、冷凍庫、ヒートポンプ給湯器などに用いられるものであっても良い。
 1 交流電源、 2 電動機駆動装置、 4 リアクタ、 7 電動機、 20 平滑コンデンサ、 30 インバータ、 60 結線切替装置、 82 電圧検出部、 84 入力電流検出部、 100 制御装置、 102 運転制御部、 110 インバータ制御部、 111 電流復元部、 112 3相2相変換部、 114 d軸電流指令値生成部、 115 電圧指令値生成部、 116 電気位相演算部、 117 2相3相変換部、 118 PWM信号生成部、 410 弱め磁束制御部、 411 振幅算出部、 412 係数乗算部、 413 乗算部、 415 積分部、 421 MTPA 制御部、 420 制限回路、 422 選択部、 423 リミッタ、 501 周波数推定部、 502 減算部、 503 速度制御部、 520 電圧値算出部、 551 変調率算出部、 552 補正係数生成部、 553 モード決定部、 560 乗算部、 900 冷凍サイクル、 902 四方弁、 904 圧縮機、 906 室内熱交換器、 908 膨張弁、 910 室外熱交換器、 5031,5032 乗算部、 5033 積分部、 5035 リミッタ、 5211,5221 比例演算部、 5212,5222 積分演算部、 5213,5223 補償値算出部、 5215,5216,5225,5226 開閉器。

Claims (18)

  1.  周波数可変で電圧値可変の交流電圧を生成し、電動機に印加するインバータと、
     前記インバータを制御する制御装置とを備え、
     前記制御装置は、
     前記交流電圧の周波数の、周波数指令値に対する差分である周波数偏差に基づいてq軸電流指令値を生成し、
     前記電動機のd軸電流のd軸電流指令値に対する差分であるd軸電流偏差に対して比例演算を行なって第1のd軸電圧値を生成し、
     前記d軸電流偏差に対して積分演算を行なって第2のd軸電圧値を生成し、
     前記q軸電流指令値により誘起されるd軸電圧を補償するd軸補償値を算出し、
     前記電動機のq軸電流の前記q軸電流指令値に対する差分であるq軸電流偏差に対して比例演算を行なって第1のq軸電圧値を生成し、
     前記q軸電流偏差に対して積分演算を行なって第2のq軸電圧値を生成し、
     前記d軸電流指令値により誘起されるq軸電圧を補償するq軸補償値を算出し、
     第1のモードでは、
     前記第1のd軸電圧値と、前記第2のd軸電圧値と、前記d軸補償値とを用いて第3のd軸電圧値を生成し、
     前記第1のq軸電圧値と、前記第2のq軸電圧値と、前記q軸補償値とを用いて第3のq軸電圧値を生成し、
     第2のモードでは、              
     前記第1のd軸電圧値、前記第2のd軸電圧値、及び前記d軸補償値のうちの、少なくとも前記d軸補償値を用い、かつ前記第2のd軸電圧値を用いずに、前記第3のd軸電圧値を生成し、
     前記第1のq軸電圧値、前記第2のq軸電圧値、及び前記q軸補償値のうちの、少なくとも前記q軸補償値を用い、かつ前記第2のq軸電圧値を用いずに、前記第3のq軸電圧値を生成し、
     前記第3のd軸電圧値及び前記第3のq軸電圧値に基づいて変調率を算出し、
     前記変調率に基づいて補正係数を生成し、
     前記第3のd軸電圧値及び前記第3のq軸電圧値に対して前記補正係数を乗算して、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を生成し、
     前記d軸電圧指令値及び前記q軸電圧指令値に基づいて前記インバータをPWM制御する信号を生成し、
     前記補正係数は、前記第1のモードでは1に維持され、
     前記補正係数は、前記第2のモードでは、前記交流電圧が前記第3のd軸電圧値及び前記第3のq軸電圧値に相当する大きさとなるように定められる
     電動機駆動装置。
  2.  前記制御装置は、
     前記第1のモードでは、
     前記第1のd軸電圧値と、前記第2のd軸電圧値と、前記d軸補償値とを加算することで、前記第3のq軸電圧値を生成し、
     前記第1のq軸電圧値と、前記第2のq軸電圧値と、前記q軸補償値とを加算することで、前記第3のq軸電圧値を生成する
     請求項1に記載の電動機駆動装置。
  3.  前記第2のモードでは、
     前記第1のd軸電圧値と前記d軸補償値とを加算することで前記第3のd軸電圧値を生成し、
     前記第1のq軸電圧値と前記q軸補償値とを加算することで前記第3のq軸電圧値を生成する
     請求項2に記載の電動機駆動装置。
  4.  前記第2のモードでは、
     前記d軸補償値を前記第3のd軸電圧値として用い、
     前記q軸補償値を前記第3のq軸電圧値として用いる
     請求項2に記載の電動機駆動装置。
  5.  前記第2のモードでは、前記変調率が大きくなるほど、前記変調率の増加に対する前記補正係数の増加がより大きくなるように、前記補正係数が定められる
     請求項1から4のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
  6.  前記第2のモードでは、前記変調率の増加に対して、前記交流電圧が飽和する特性を打ち消すように前記補正係数が定められる
     請求項1から4のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
  7.  前記制御装置は、
     前記変調率が第1の閾値よりも大きくなったら前記第1のモードを選択し、
     前記変調率が前記第1の閾値以下である第2の閾値よりも小さくなったら前記第2のモードを選択する
     請求項1から6のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
  8.  前記制御装置は、
     前記インバータの入力電圧と、前記d軸電圧指令値と、前記q軸電圧指令値とに基づいて、d軸電流値を算出し、
     前記d軸電流値の絶対値に対してリミット値を用いて制限を加えることで前記d軸電流指令値を生成する
     請求項1から7のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
  9.  前記第1のモードで用いられるリミット値よりも前記第2のモードで用いられるリミット値の方が大きい
     請求項8に記載の電動機駆動装置。
  10.  前記第2のモードで用いられる前記リミット値は、前記第1のモードで用いられる前記リミット値に対し、前記d軸電流偏差の推定値の最大値だけ大きい
     請求項9に記載の電動機駆動装置。
  11.  前記第1のモードで算出される前記d軸電流値よりも前記第2のモードで算出される前記d軸電流値の方が大きい
     請求項8に記載の電動機駆動装置。
  12.  前記第2のモードで算出される前記d軸電流値は、前記第1のモードで算出される前記d軸電流値よりも予め定められた1より大きい係数を掛けた値となるように算出される
     請求項11に記載の電動機駆動装置。
  13.  前記制御装置は、
     前記周波数偏差に対して比例積分演算を行なって、q軸電流値を生成し、
     前記q軸電流値の絶対値に対してリミット値を用いて制限を加えることで前記q軸電流指令値を生成し、
     前記第1のモードで用いられるリミット値よりも前記第2のモードで用いられるリミット値の方が大きい
     請求項1から6のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
  14.  前記第2のモードで用いられる前記リミット値は、前記第1のモードで用いられる前記リミット値に対し、前記q軸電流偏差の推定値の最大値だけ大きい
     請求項9に記載の電動機駆動装置。
  15.  前記第1のモードで生成される前記q軸電流指令値よりも前記第2のモードで生成される前記q軸電流指令値の方が大きい
     請求項1から12のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
  16.  前記第2のモードで生成される前記q軸電流指令値は、前記第1のモードで生成されるq軸電流指令値に対し予め定められた1より大きい係数を掛けた値となるように算出される
     請求項15に記載の電動機駆動装置。
  17.  請求項1から16のいずれか1項に記載の電動機駆動装置を備えた冷凍サイクル装置。
  18.  請求項17に記載の冷凍サイクル装置を備えた空気調和機。
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