WO2022079888A1

WO2022079888A1 - マルチディスプレイ用補助装置

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Publication number: WO2022079888A1
Application number: PCT/JP2020/039071
Authority: WO
Inventors: 幸作村上; 直樹土師
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2020-10-16
Filing date: 2020-10-16
Publication date: 2022-04-21

Abstract

複数の表示装置を配置して一つの画面を構成するマルチディスプレイの補助装置において、表示装置の排熱を空気流で行う際、空気中の塵埃が表示装置に影響しないようにしながら効果的に排熱する。　複数の表示装置２を取り付ける取り付け面部４を有する固定部５と、固定部５の取り付け面部４が面している空間と遮蔽された空間からなる風路９を形成する風路形成部と、風路９内に露出して風路形成部の取り付け面部４側に設けられ、風路９外から風路９内に熱を伝導する伝熱部とを備える。これにより、空気中の塵埃が表示装置２に影響することがなく、かつ表示装置２が取り付けられる取り付け面部４の熱を風路９内に効率よく伝導して効果的に排熱することができる。

Description

マルチディスプレイ用補助装置

　本発明は、複数の表示装置を並べて配置して一つの画面を構成する、いわゆるマルチディスプレイ装置を構成する際に、複数の表示装置を配設する補助装置に関する。

　従来、単体の表示装置、例えばＬＥＤ表示装置を複数並べて配置して一つの表示画面を構成するいわゆるマルチディスプレイ装置は、ＬＥＤ表示装置の低コスト化と高精細化により、屋外のみならず屋内の広告表示や会議室などにおけるパソコンの画面表示など幅広く使用されている。このようなマルチディスプレイ装置を構成する各表示装置においては、稼働中に光源や周辺回路等が発熱し、この熱が要因となって各表示装置の表示画面の輝度変化等を生じることがある。この表示装置の輝度変化は、各表示装置間における輝度偏差の原因となり、輝度偏差の発生は複数の表示装置を並べて構成するマルチディスプレイ装置の表示面における輝度むら等の性能低下の要因になる。このような性能低下を抑えるためには、表示装置から発生する熱を効率的に排熱する必要がある。

　上記のような従来の表示装置の排熱に関し、特許文献１には、複数の表示装置を備えて一画面を構成するマルチ画面表示装置において、マルチ画面表示装置の下部に吸気口及び吸気ファンを設け、上部に排気口及び排気ファンを設け、マルチ画面表示装置の内部に設けられた風路に吸気口から排気口にむけた空気を流すことで表示装置の排熱を行うものが開示されている。しかしながらこのマルチ画面表示装置では、表示装置内部に外部からの空気を導入するため、外部の空気に含まれる塵埃などの異物が表示装置内部に侵入し、故障の要因となる。

　また、表示装置の排熱を行う際、塵埃などの異物が表示装置内部に侵入しないようにする密閉冷却タイプのＬＥＤ表示装置が、特許文献２に開示されている。このＬＥＤ表示装置においては、空気で冷却されるヒートシンクが配置されている風路と異なる空間にＬＥＤを密閉し、外部の塵埃がＬＥＤに影響しないようにしている。

特開２０１５－１４１２８８号公報特開２００１－１４８５１３号公報

　上記のようなＬＥＤ表示装置では、外部の塵埃がＬＥＤに影響しないような構造であるが、ＬＥＤと風路に設けられたヒートシンクが離れて設置されていて、ＬＥＤで生じた熱を効果的に排熱できない。

　本開示は、上記した問題点を解決するためになされたものであり、マルチディスプレイ装置を構成するための補助装置において、表示装置からの熱を冷却するための風路を表示装置とは異なる空間に設けて、塵埃が表示装置に影響しないように構成する場合に、表示装置の発する熱を効果的に排熱することができるようにすることを目的とするものである。

　本開示に係るマルチディスプレイ用補助装置は、複数の表示装置を取り付ける取り付け面を有する固定部と、前記固定部の前記取り付け面が面している空間と遮蔽された空間からなる風路を形成する風路形成部と、前記風路内に露出して前記風路形成部の前記取り付け面側に設けられ、前記風路外から前記風路内に熱を伝導する伝熱部を備えたものである。

　本開示に係るマルチディスプレイ用補助装置は、伝熱部を風路内に露出して前記風路形成部の前記取り付け面側に設けたので、複数の表示装置が取り付けられる取り付け面の熱を風路内に効率よく伝導することができ、表示装置の発する熱を効果的に排熱することができるという効果を奏する。

実施の形態１におけるマルチディスプレイ用補助装置を用いたマルチディスプレイ装置の斜視図実施の形態１における表示装置の斜視図実施の形態１におけるマルチディスプレイ用補助装置の斜視図実施の形態１におけるマルチディスプレイ用補助装置に表示装置を取付ける状態を示す斜視図実施の形態１における大画面マルチディスプレイの正面図実施の形態１におけるマルチディスプレイ用補助装置の断面図実施の形態１におけるマルチディスプレイ用補助装置の要部断面図実施の形態１における大画面マルチディスプレイの正面図実施の形態２における大画面マルチディスプレイの正面図実施の形態２におけるマルチディスプレイ用補助装置の斜視図実施の形態２における表示装置の背面図実施の形態２におけるマルチディスプレイ用補助装置の断面図実施の形態２におけるマルチディスプレイ用補助装置の拡大断面図実施の形態２におけるマルチディスプレイ用補助装置の断面図実施の形態２におけるマルチディスプレイ用補助装置の拡大断面図

実施の形態１．
　図１は、実施の形態１におけるマルチディスプレイ用補助装置を用いた大画面マルチディスプレイの構成を示す斜視図である。
　大画面マルチディスプレイ１は、複数の表示装置２をマルチディスプレイ用補助装置３に縦横に並べて取り付けることで構成される。図１ではマルチディスプレイ用補助装置３に表示装置２を１列に４個縦に並べ、同様の列を４列横に配置した構成を示しており、合計１６個の表示装置２の表示画面を取り付けて一つの画面を構成した場合を示している。

図２は、実施の形態１における表示装置２の構成を示す斜視図である。
表示装置２は、それぞれが表示モジュールである複数のＬＥＤモジュール２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄと、これらＬＥＤモジュール２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄが取り付けられ、熱伝導率が高いアルミニウムで形成された表示装置フレーム２ｅ、ＬＥＤモジュール２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄを駆動するための電源や制御回路を含む電気回路２ｆから構成される。ＬＥＤモジュール２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄは、ＬＥＤ素子を１～２ｍｍの画素ピッチで配列した高密度実装品で構成されている。なお、この画素ピッチは、これに限るものではなく、用途等に応じて異なる画素ピッチのものを用いればよい。

　図３は、実施の形態１におけるマルチディスプレイ用補助装置３の構成を示す斜視図である。
　マルチディスプレイ用補助装置３は、中空形状に形成されており、前面に表示装置２を取り付ける取り付け面部４を有する平板状の固定部５と、固定部５の両側の側辺部にそれぞれ接続する２つの平板状の側面部６、７と、この２つの側面部６、７の固定部５とは反対側の側辺にそれぞれ接続し、固定部５と対向して設けられる平板状の背面部８を有しており、固定部５、側面部６、７、背面部８により外部と遮断された空間からなる風路９が形成されている。すなわち、固定部５、側面部６、７、背面部８が風路９を形成する風路形成部となっている。

　固定部５の両側の側辺部には固定部５の平板形状を側方に延長したフランジ部が設けられており、このフランジ部には表示装置２を取り付けるための表示装置固定ねじ孔１０が設けられている。また、背面部８の両側の側辺部には背面部８の平板形状を側方に延長したフランジ部が設けられており、このフランジ部には、大画面マルチディスプレイを設置する構造物、例えば、支持台あるいは壁（図示しない）等にマルチディスプレイ用補助装置３を固定するための補助装置固定ねじ孔１１が設けられている。この補助装置固定ねじ孔１１を通してねじ１２を支持台または壁に締結することで、マルチディスプレイ用補助装置３が支持台または壁に取り付けられる。さらに、固定部５の下部には、下部吸気ダクト１３が取り付けられる下部加工部１４が、また固定部５の上部には、上部排気ダクト１５が取り付けられる上部加工部１６がそれぞれ設けられている。

　ここで、固定部５は、取り付け面部４と反対側の面が風路９に露出して、風路形成部のうちの取り付け面部４側にあり、風路９の外、特に取り付け面部４に取り付けられる表示装置２から、風路９内に熱を伝導する伝熱部としての機能を有している。
　そして、伝熱部である固定部５の熱伝導を補助するため、固定部５の風路９に露出した面から風路９内に延びる複数の平板からなる放熱フィン１７が設けられている。
　このようなマルチディスプレイ用補助装置３は、下部加工部１４、上部加工部１６の部分を除いて下から上まで同じ断面を有している形状であるため、押出成形により製造することができる。放熱フィン１７の形状は、下から上まで同じ断面であれば、断面が直線上となる平板状でなくても押出成形で製造することができ、例えば、高さの異なる平板が並ぶように構成することで複数の凹凸を有する形状や、断面が１か所折れ曲がった直線となる形状、断面が複数個所で折れ曲がった直線となる蛇腹形状、断面が曲線となる波型形状などとすることで、放熱フィン１７の表面積を大きくすることができる。

　図４は、実施の形態１におけるマルチディスプレイ用補助装置３に表示装置２を取付ける状態を示す斜視図であり、この例では、２つのマルチディスプレイ用補助装置３にまたがって表示装置２が固定されている。
　表示装置フレーム２ｅには、表示装置フレーム固定ねじ孔１８が設けられており、この表示装置フレーム固定ねじ孔１８と表示装置固定ねじ孔１０を連通してねじ１９を締結することで、表示装置フレーム２ｅをマルチディスプレイ用補助装置３に取り付ける。このとき、各表示装置フレーム２ｅとマルチディスプレイ用補助装置３の接触する部分である取り付け面部４との間に、セルロースで形成された熱伝導シート２０を挟んでいる。

　このように構成されたマルチディスプレイ用補助装置３を用いて、大画面マルチディスプレイを壁に取り付けた場合の正面図を図５に示す。なお、図５において壁は図示を省略している。また、図６は、図５の補助壁のＨ－Ｈ断面を示す断面図であり、図７は、図６におけるＪ部分を詳細に示す要部断面図である。
　図５～７に示すように、マルチディスプレイ用補助装置３の補助装置固定ねじ孔１１を通してねじ１２を壁などの構造物に締結することで、マルチディスプレイ用補助装置３が壁２１に固定される。また、このマルチディスプレイ用補助装置３の表示装置固定ねじ孔１０と、表示装置フレーム２ｅの表示装置フレーム固定ねじ孔１８とを連通して、ねじ１９を締結することで、ＬＥＤモジュール２ａ～２ｄ、電気回路２ｆが取り付けられた表示装置２がマルチディスプレイ用補助装置３に固定される。

　このマルチディスプレイ用補助装置３においては、固定部５、側面部６、７、背面部８により外部と遮断された空間からなる風路９が形成されており、下部において下部吸気ダクト１３、下部加工部１４により吸気口２２が形成され、上部において上部排気ダクト１５、上部加工部１６により排気口２３が形成されている。
　このマルチディスプレイ用補助装置３に取り付けられた表示装置２が稼働して熱を発すると、その熱は、図７の矢印Ｄに示す方向に、表示装置フレーム２ｅから、熱伝導シート２０、伝熱部である固定部５、放熱フィン１７に伝わり、放熱フィン１７から風路９内の空気に伝導する。この熱伝導により、表示装置２の温度が低下し、言い換えれば表示装置２が冷却されることになる。風路９内では、温かい空気が上へ流れるので、放熱フィン１７で温められた空気は、吸気口２２から排気口２３に向う方向、すなわち、図１のＢ方向に流れる。表示装置２が発した熱により温められた空気が、Ｂ方向に流れて、マルチディスプレイ用補助装置３の外、すなわち図１のＣ方向に排出され、排出された空気より低温の空気が図１のＡ方向に流れ、風路９内に流入して放熱フィン１７を冷やすという空気循環により、表示装置２が発した熱を排熱することができる。

　なお、図８の正面図に示すように、マルチディスプレイ用補助装置３の排気口２３に排気ファン２４を設け、吸気口２２に風路９内に防塵などの異物の侵入を防ぐ防塵網２５を設ける構造にしてもよい。排気ファン２４は、表示装置２の稼働時に運転するようにしても良いし、表示装置フレーム２ｅ内または、風路９内に温度センサ（図示しない）を設け、温度センサが検知した温度に応じて排気ファン２４の回転数を制御し、排気量をコントロールするようにしても良い。

　このように、実施の形態１のマルチディスプレイ用補助装置３においては、風路形成部である固定部５、側面部６、７、背面部８により形成され、外部と遮断された空間からなる風路９は、表示装置２の表示装置フレーム２ｅ内のＬＥＤモジュール２ａ～２ｄ、電気回路２ｆが取り付けられた空間と分離された構造であるので、表示装置２を冷却するために外部から取り入れる空気中の塵埃などの異物が表示装置２の中に侵入することを抑制できると共に、伝熱部である固定部５、および、熱伝導を補助する放熱フィン１７、熱伝導シート２０が表示装置２の発する熱を風路９内に熱伝導する構造であるので、表示装置２の発する熱を効果的に排熱することができる。
　また、表示装置２の表示装置フレーム２ｅとマルチディスプレイ用補助装置３の固定部５とはそれぞれ硬質の素材であるので、それぞれが対向する面の凹凸によって接触面積が小さくなる可能性があるが、熱伝導性の高い熱伝導シート２０を間に挟んで表示装置２に密着させることで、表示装置２の発する熱を効果的に伝導することができる。

実施の形態２．
　実施の形態１のマルチディスプレイ用補助装置３は、風路９の一部を形成する風路形成部としての機能と伝熱部の機能を有した固定部５の取り付け面部４に表示装置２を取り付ける構成であった。この実施の形態２では、風路の一部を形成する風路形成部として、薄くて熱伝導性の高い熱交換シートを用い、かつ、風路と離間した位置に表示装置を取り付ける固定部を配置する構成を説明する。
　図９は、実施の形態２におけるマルチディスプレイ用補助装置３を用いた大画面マルチディスプレイ１の正面図である。図１０は、実施の形態２におけるマルチディスプレイ用補助装置３の構成を示す斜視図である。図９、１０に示すように、このマルチディスプレイ用補助装置３においては、取り付け面部４に、表示装置２の放熱を補助するための孔を形成する補助装置放熱孔部２６が設けられている。

　また、図１１はこの実施の形態２における表示装置２の背面図であり、図１１に示すように表示装置２の表示装置フレーム２ｅにも放熱のための孔を形成する表示装置放熱孔部２７が設けられている。表示装置放熱孔部２７には、図示するように複数の小さな孔が設けられている。なお、表示装置放熱孔部２７が形成する孔は、空気の流動により放熱ができればよく、複数の小さな孔を設けるのではなく、例えば、一つの大きな孔としてもよい。一つの孔を形成する場合、表示装置２内部の保護、あるいは防塵のために網を取り付けるようにしてもよい。

　図１２は、図１０のマルチディスプレイ用補助装置３のＫ－Ｋ断面を示す断面図であり、　図１２に示すように、熱交換シート２８は両側辺がマルチディスプレイ用補助装置３の側面部６、７に設けられた溝２９に装着されて支持され、側面部６、７、背面部８とともに、外部と遮断された空間からなる風路３０を形成している。すなわち、この実施の形態においては、構造物に固定される背面部８と、この背面部８の２つの側辺部にそれぞれ接続する２つの側面部６、７と、この２つの側面部６，７に支持されて背面部８と対向した位置に設けられ、背面部８側が風路３０に露出した伝熱部としての熱交換シート２８が、風路３０を形成する風路形成部となっている。なお、この実施の形態において、熱交換シート２８はセルロースで形成されている。
　また、図１２に示すように、表示装置２（図示せず）を取り付ける固定部５は、風路３０と離間した位置に設置されているため、固定部５に取り付けられる表示装置２は、風路３０との間に空間を有して設置されることになる。なお、この空間には、図１０に示すように、固定部５のうちの補助装置放熱孔部２６が設けられていない箇所によって支持された放熱フィン１７が配置されている。

　図１３は、図１２において破線Ｍで囲って示す上部排気ダクト１５付近を拡大して示す拡大断面図である。上部排気ダクト１５内には、排気ファン２４が配置されている。上部排気ダクト１５の上面部には、圧縮バネ３１がそれぞれ装着された２本のシャフト３２が、ナット３３で固定されており、２本のシャフト３２の他端は、風路形成部の一部である風路形成板部３４の板部孔３５を貫通して、固定リング３６が取り付けられている。シャフト３２が風路形成板部３４を可動状態に保持する可動保持部となっている。風路形成板部３４は、シャフト３２に装着された圧縮バネ３１の弾性力により下方向に力が付与され、熱交換シート２８を押し下げている。これにより、熱交換シート２８の寸法が変化しても、熱交換シート２８と風路形成板部３４は互いに密着し、隙間があくことなく、風路３０は密閉状態を保つ。その他の部分は実施の形態２のマルチディスプレイ用補助装置３と同様である。

　次に、このような構成のマルチディスプレイ用補助装置３における放熱について説明する。図１４は、図１０に示したマルチディスプレイ用補助装置３のＮ－Ｎ断面を示す断面図である。
　表示装置２が稼働して熱を発すると、その熱は、図１４の矢印Ｄに示すように、表示装置フレーム２ｅの表示装置放熱孔部２７とマルチディスプレイ用補助装置３の補助装置放熱孔部２６から、放熱フィン１７に伝わる。さらに、放熱フィン１７に伝わった熱は、矢印Ｅに示すように、熱交換シート２８を介して、風路３０内の空気に伝導する。この熱伝導により、実施の形態１、２と同様に、表示装置２が冷却される。なお、熱交換シート２８は、実施の形態１の固定部５に比べて薄く、熱伝導性をより高くすることができる。
　このように、この実施の形態においても、風路３０は、表示装置２の表示装置フレーム２ｅ内のＬＥＤモジュール２ａ～２ｄ、電気回路２ｆが取り付けられた空間と分離されている構造なので、表示装置２を冷却するために外部から取り入れる空気中の塵埃などの異物が表示装置２の中に侵入することを抑制できる。

　ここで、熱交換シート２８は薄くて、熱伝導性が高いが、表示装置２が稼働して熱を発すると熱膨張して寸法が変化することがあり、この実施の形態のように熱交換シート２８で風路３０の一部を形成するようにした場合、この寸法変化が風路３０の密閉性を損なう要因になる可能性がある。このため、この実施の形態３のマルチディスプレイ用補助装置３においては、圧縮バネ３１に装着された２本のシャフト３２で支持され、圧縮バネ３１の弾性力により下方向に力が付与された風路形成板部３４が熱交換シート２８を押し下げるようにしている。これにより、熱交換シート２８の寸法が変化しても、熱交換シート２８と風路形成板部３４は互いに密着し、隙間があくことなく、風路３０は密閉状態を保つ。

　図１５は、熱交換シート２８が熱膨張により寸法変化した時のマルチディスプレイ用補助装置３のＭ部を示す拡大断面図である。図１５に示すように、熱交換シート２８が熱膨張により寸法がΔｙ変化した時、風路形成板部３４を上方向に押し上げようとする力が加えられる。風路形成板部３４は、板部孔３５にシャフト３２が貫通しているため、水平方向の位置は保ったまま、上下方向に移動することができるので、熱交換シート２８の熱膨張によって上方向に押し上げられる。このとき、シャフト３２に装着された圧縮バネ３１が風路形成板部３４を下方向に押しているため、熱交換シート２８の寸法が変化しても、熱交換シート２８と風路形成板部３４は互いに密着した状態を維持し、風路３０が他の空間と分離された状態を維持できる。
　なお、熱交換シート２８が熱膨張によりたわむと風路３０の一部に外部と通ずる隙間が生じること、あるいは、たわんだ風路３０の壁面が空気の流れを阻害することがあり、これを防止するために、熱交換シート２８と同程度の線膨張係数のプラスティックの枠体などで熱交換シート２８を補強しても良い。

　なお、熱交換シート２８が、他の風路形成部である側面部６、７、背面部８と熱膨張する寸法が同程度である場合など、熱交換シート２８の熱膨張を考慮しない場合は、熱交換シート２８は、上述のような可動保持部を用いずに、側面部６、７等に固定して設けてもよい。

　このように構成された実施の形態２のマルチディスプレイ用補助装置３においては、実施の形態１と同様に、表示装置２の表示装置フレーム２ｅ内に塵埃などの異物が侵入することを抑制できる。また加えて、この実施の形態２における風路３０内には、実施の形態１の風路９とは異なり、放熱フィン１７のような凹凸がないため、空気の流れを阻害するものを配置しない構成とすることにより、風路３０内の空気をスムーズに流して効果的に外部への排熱を行うことができる。

　なお、上記のいずれの実施の形態においても、熱伝導シートおよび熱交換シートはセルロースで形成されるものに限られず、熱抵抗値、弾性が低い他の材料で形成しても良い。

　なお、上記のいずれの実施の形態においても、マルチディスプレイ用補助装置３に表示装置２を縦１列に４個並べたものを横４列に並べて配置する例を挙げたが、マルチディスプレイ用補助装置３に設置する表示装置２の数はこれに限らない。より多くの表示装置２を配置する場合、マルチディスプレイ用補助装置３は、より多くの表示装置２が設置できるように、取り付け面部４の面積が縦長に広く構成しても良いし、複数のマルチディスプレイ用補助装置３を用いて、各風路を接続部品により連結して、より大きなマルチディスプレイ用補助装置を構成するようにしてもよい。

１　大画面マルチディスプレイ、２　表示装置、２ａ―ｄ　ＬＥＤモジュール、２ｅ　表示装置フレーム、２ｆ　電気回路、３　マルチディスプレイ用補助装置、４　取り付け面部、５　固定部、６、７　側面部、８　背面部、９　風路、１０　表示装置固定ねじ孔、１１　補助装置固定ねじ孔、１２　ねじ、１３　下部吸気ダクト、１４　下部加工部、１５　上部排気ダクト、１６　上部加工部、１７　放熱フィン、１８　表示装置フレーム固定ねじ孔、１９　ねじ、２０　熱伝導シート、２１　壁、２２　吸気口、２３　排気口、２４　排気ファン、２５　防塵網、２６　補助装置放熱孔部、２７　表示装置放熱孔部、２８　熱交換シート、２９　溝、３０　風路、３１　圧縮バネ、３２　シャフト、３３　ナット、３４　風路形成板部、３５　板部孔、３６　固定リング

Claims

複数の表示装置を取り付ける取り付け面を有する固定部と、
前記固定部の前記取り付け面が面している空間と遮蔽された空間からなる風路を形成する風路形成部と、
前記風路内に露出して前記風路形成部の前記取り付け面側に設けられ、前記風路外から前記風路内に熱を伝導する伝熱部と、
を備えたマルチディスプレイ用補助装置。
前記風路形成部は、平板状の前記固定部と、前記固定部の２つの側辺部にそれぞれ接続する２つの側面部と、前記２つの側面部の前記固定部と反対側の側辺に接続し、前記固定部と対向して設けられる背面部とからなることを特徴とする請求項１に記載のマルチディスプレイ用補助装置。
前記伝熱部は、前記取り付け面と反対側の面が前記風路に露出した前記固定部であることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のマルチディスプレイ用補助装置。
前記取り付け面に取り付けられる表示装置と前記取り付け面との間に熱伝導シートを設けることを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のマルチディスプレイ用補助装置。
前記固定部の前記風路に露出した面に放熱フィンを設けることを特徴とする請求項１から請求項４のいずれか一項に記載のマルチディスプレイ用補助装置。
前記風路形成部は、構造物に固定される背面部と、前記背面部の２つの側辺部にそれぞれ接続する２つの側面部と、前記２つの側面部に支持されて前記背面部に対向した位置に設けられ、前記背面部側が風路に露出した前記伝熱部としての熱交換シートとからなることを特徴とする請求項１に記載のマルチディスプレイ用補助装置。
前記固定部と前記熱交換シートとの間に放熱フィンを設けることを特徴とする請求項６に記載のマルチディスプレイ用補助装置。
前記風路形成部の一部として前記熱交換シートの上辺と接続される風路形成板部と、前記風路形成板部を上から押して保持する可動保持部を備え、前記熱交換シートは前記２つの側面部に設けられた溝に両側辺が装着されることを特徴とする請求項６または請求項７に記載のマルチディスプレイ用補助装置。