以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
[実施形態]
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、5G New Radio(NR)に従った無線通信システムであり、Next Generation-Radio Access Network 20(以下、NG-RAN20)、及び端末200(以下、UE200)を含む。
なお、無線通信システム10は、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる方式に従った無線通信システムでもよい。
NG-RAN20は、無線基地局100A(以下、gNB100A)及び無線基地局100B(以下、gNB100B)を含む。なお、gNB及びUEの数を含む無線通信システム10の具体的な構成は、図1に示した例に限定されない。
NG-RAN20は、実際には複数のNG-RAN Node、具体的には、gNB(またはng-eNB)を含み、5Gに従ったコアネットワーク(5GC、不図示)と接続される。なお、NG-RAN20及び5GCは、単に「ネットワーク」と表現されてもよい。
gNB100A及びgNB100Bは、5Gに従った無線基地局であり、UE200と5Gに従った無線通信を実行する。gNB100A、gNB100B及びUE200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームBMを生成するMassive MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)、複数のコンポーネントキャリア(CC)を束ねて用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。DCは、MCG(Master Cell Group)及びSCG(Secondary Cell Group)を用いたMR-DC(Multi-RAT Dual Connectivity)を含んでもよい。MR-DCとしては、EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)、NE-DC(NR-EUTRA Dual Connectivity)及びNR-DC(NR-NR Dual Connectivity)などが挙げられる。ここで、CAで用いるCC(セル)は、同一セルグループを構成すると考えてもよい。MCG及びSCGは、同一のセルグループを構成すると考えてもよい。
また、無線通信システム10は、複数の周波数レンジ(FR)に対応する。図2は、無線通信システム10において用いられる周波数レンジを示す。
図2に示すように、無線通信システム10は、FR1及びFR2に対応する。各FRの周波数帯は、次のとおりである。
・FR1:410 MHz~7.125 GHz
・FR2:24.25 GHz~52.6 GHz
FR1では、15, 30または60kHzのSub-Carrier Spacing(SCS)が用いられ、5~100MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。FR2は、FR1よりも高周波数であり、60,または120kHz(240kHzが含まれてもよい)のSCSが用いられ、50~400MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。
なお、SCSは、numerologyと解釈されてもよい。numerologyは、3GPP TS38.300において定義されており、周波数ドメインにおける一つのサブキャリア間隔と対応する。
さらに、無線通信システム10は、FR2の周波数帯よりも高周波数帯にも対応する。具体的には、無線通信システム10は、52.6GHzを超え、114.25GHzまでの周波数帯に対応する。このような高周波数帯は、便宜上「FR2x」と呼ばれてもよい。
このような問題を解決するため、52.6GHzを超える帯域を用いる場合、より大きなSub-Carrier Spacing(SCS)を有するCyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM)/Discrete Fourier Transform - Spread(DFT-S-OFDM)を適用してもよい。
図3は、無線通信システム10において用いられる無線フレーム、サブフレーム及びスロットの構成例を示す。
図3に示すように、1スロットは、14シンボルで構成され、SCSが大きく(広く)なる程、シンボル期間(及びスロット期間)は短くなる。SCSは、図3に示す間隔(周波数)に限定されない。例えば、480kHz、960kHzなどが用いられてもよい。
また、1スロットを構成するシンボル数は、必ずしも14シンボルでなくてもよい(例えば、28、56シンボル)。さらに、サブフレーム当たりのスロット数は、SCSによって異なっていてよい。
なお、図3に示す時間方向(t)は、時間領域、シンボル期間またはシンボル時間などと呼ばれてもよい。また、周波数方向は、周波数領域、リソースブロック、サブキャリア、BWP (Bandwidth Part)などと呼ばれてもよい。
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、UE200の機能ブロック構成について説明する。
図4は、UE200の機能ブロック構成図である。図4に示すように、UE200は、無線信号送受信部210、アンプ部220、変復調部230、制御信号・参照信号処理部240、符号化/復号部250、データ送受信部260及び制御部270を備える。
無線信号送受信部210は、NRに従った無線信号を送受信する。無線信号送受信部210は、Massive MIMO、複数のCCを束ねて用いるCA、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うDCなどに対応する。
アンプ部220は、PA (Power Amplifier)/LNA (Low Noise Amplifier)などによって構成される。アンプ部220は、変復調部230から出力された信号を所定の電力レベルに増幅する。また、アンプ部220は、無線信号送受信部210から出力されたRF信号を増幅する。
変復調部230は、所定の通信先(gNB100または他のgNB)毎に、データ変調/復調、送信電力設定及びリソースブロック割当などを実行する。変復調部230では、Cyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM)/Discrete Fourier Transform - Spread(DFT-S-OFDM)が適用されてもよい。また、DFT-S-OFDMは、上りリンク(UL)だけでなく、下りリンク(DL)にも用いられてもよい。
制御信号・参照信号処理部240は、UE200が送受信する各種の制御信号に関する処理、及びUE200が送受信する各種の参照信号に関する処理を実行する。
具体的には、制御信号・参照信号処理部240は、gNB100から所定の制御チャネルを介して送信される各種の制御信号、例えば、無線リソース制御レイヤ(RRC)の制御信号を受信する。また、制御信号・参照信号処理部240は、gNB100に向けて、所定の制御チャネルを介して各種の制御信号を送信する。
制御信号・参照信号処理部240は、Demodulation Reference Signal(DMRS)、及びPhase Tracking Reference Signal (PTRS)などの参照信号(RS)を用いた処理を実行する。
DMRSは、データ復調に用いるフェージングチャネルを推定するための端末個別の基地局~端末間において既知の参照信号(パイロット信号)である。PTRSは、高い周波数帯で課題となる位相雑音の推定を目的した端末個別の参照信号である。
なお、参照信号には、DMRS及びPTRS以外に、Channel State Information-Reference Signal(CSI-RS)、Sounding Reference Signal(SRS)、及び位置情報用のPositioning Reference Signal(PRS)が含まれてもよい。
また、チャネルには、制御チャネルとデータチャネルとが含まれる。制御チャネルには、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、RACH(Random Access Channel)、Random Access Radio Network Temporary Identifier(RA-RNTI)を含むDownlink Control Information (DCI))、及びPhysical Broadcast Channel(PBCH)などが含まれる。
また、データチャネルには、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)などが含まれる。データとは、データチャネルを介して送信されるデータを意味する。データチャネルは、共有チャネルと読み替えられてもよい。
実施形態では、制御信号・参照信号処理部240は、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルを用いた上りリンク信号の送信を実行する。異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルは、2以上のDCIに対応する上りリンクチャネルであってもよい。上りリンクチャネルは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control Channel)及び物理上りリンク共有チャネル(PUSCH: Physical Uplink Shared Channel)を含む。上りリンク信号は、上りリンク制御情報(UCI: Uplink Control Information)を含んでもよい。UCIは、1以上のTBに対する確認応答(HARQ-ACK)を含んでもよい。UCIは、リソースのスケジューリングを要求するSR(Scheduling Request)を含んでもよく、チャネルの状態を表すCSI(Channel State Information)を含んでもよい。UCIは、PUCCHを介して送信されてもよく、PUSCHを介して送信されてもよい。
符号化/復号部250は、所定の通信先(gNB100または他のgNB)毎に、データの分割/連結及びチャネルコーディング/復号などを実行する。
具体的には、符号化/復号部250は、データ送受信部260から出力されたデータを所定のサイズに分割し、分割されたデータに対してチャネルコーディングを実行する。また、符号化/復号部250は、変復調部230から出力されたデータを復号し、復号したデータを連結する。
データ送受信部260は、Protocol Data Unit (PDU)ならびにService Data Unit (SDU)の送受信を実行する。具体的には、データ送受信部260は、複数のレイヤ(媒体アクセス制御レイヤ(MAC)、無線リンク制御レイヤ(RLC)、及びパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル・レイヤ(PDCP)など)におけるPDU/SDUの組み立て/分解などを実行する。また、データ送受信部260は、ハイブリッドARQ(Hybrid automatic repeat request)に基づいて、データの誤り訂正及び再送制御を実行する。
制御部270は、UE200を構成する各機能ブロックを制御する。特に、実施形態では、制御部270は、2以上の上りリンクチャネルの多重に関する多重タイムライン条件が満たされる場合に、2以上の上りリンクチャネルの多重に関する多重制御を実行する。制御部270は、2以上の上りリンクチャネルの優先付けに関する優先付けタイムライン条件が満たされる場合に、2以上の上りリンクチャネルの優先付けに関する優先制御を実行する。制御部270は、多重タイムライン条件が満たされるか否かを判定した後に、優先付けタイムライン条件が満たされるかを判定する。以下においては、上りリンク信号の一例としてUCIを例示する。
(3)タイムライン
以下において、タイムラインについて説明する。具体的には、UE200の処理時間に関する処理タイムライン、多重制御に関するタイムライン、優先制御に関するタイムラインについて説明する。
(3.1)処理時間に関するタイムライン
第1に、PUCCHを介してUCIを送信するケースについて図5の上段を参照しながら説明する。図5の上段に示すように、UE200は、DCIを含むPDSCHの最後のシンボルとPUCCHの最初のシンボルとの間の時間がN1+d1,1シンボルを超えないケースを想定してはならない。言い換えると、PUCCHに関するUE200の処理時間に関する処理タイムライン条件は、PDSCHの最後のシンボルとPUCCHの最初のシンボルとの間の時間がN1+d1,1シンボル以上であることである。N1は、UE200のUE Capability及びSCSに応じて定められるパラメータであり、d1,1は、UE200のUE Capability及びPDSCHのMapping typeなどに応じて定められるパラメータである(3GPP TS38.214 V16.3.0 §5.3 ”UE PDSCH processing procedure time”)。
第2に、PUSCHを介してUCIを送信するケースについて図5の下段を参照しながら説明する。図5の下段に示すように、UE200は、DCIを含むPDCCHの最後のシンボルとPUSCHの最初のシンボルとの間の時間がN2+d2,1シンボルを超えないケースを想定してはならない。言い換えると、PUSCHに関するUE200の処理時間に関する処理タイムライン条件は、PDCCHの最後のシンボルとPUSCHの最初のシンボルとの間の時間がN2+d2,1シンボル以上であることである。N2は、UE200のUE Capability及びSCSに応じて定められるパラメータであり、d2,1は、PUSCHの最初のシンボルがDMRSのみを含むか否かなどに応じて定められるパラメータである(3GPP TS38.214 V16.3.0 §6.4 ” UE PUSCH preparation procedure time”)。
(3.2)多重制御に関するタイムライン
以下において、同一スロットにおいてPUCCH及びPUSCHの多重制御について図6を参照しながら説明する。図6に示すように、UE200は、DCIを含むPDSCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネル(PUCCH)の最初のシンボルとの間の時間がN1+d1,1+1シンボルを超えない場合に、2以上の上りリンクチャネルの多重を想定してはならない。最先の上りリンクチャネルは、同一スロットで多重される2以上の上りリンクチャネルうち、最先の上りリンクチャネルを意味する。最先の上りリンクチャネルの最初のシンボルは、最先の上りリンクチャネルの開始位置(第1開始位置)と呼称されてもよい。最先の上りリンクチャネルの最初のシンボルは、S0と呼称されてもよい。言い換えると、2以上の上りリンクチャネルの多重に関する多重タイムライン条件は、PDSCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネルの開始位置(S0)との間の時間がN1+d1,1+1シンボル以上であることである。N1+d1,1+1は、多重タイムライン条件を定義する時間閾値(第1時間閾値)の一例である。
また、UE200は、DCIを含むPDCCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネルの開始位置(S0)との間の時間がN2+d2,1+1シンボルを超えない場合に、2以上の上りリンクチャネルの多重を想定してはならない。言い換えると、2以上の上りリンクチャネルの多重タイムライン条件は、PDCCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネルの開始位置(S0)との間の時間がN2+d2,1+1シンボル以上であることである。N2+d2,1+1は、多重タイムライン条件を定義する時間閾値(第1時間閾値)の一例である。
UE200は、多重タイムライン条件が満たされる場合に、PUCCHをPUSCHに多重する。UE200は、多重タイムライン条件が満たされないケースを想定していないが、多重タイムライン条件が満たされない場合に、PUCCH及びPUSCHの双方の送信を実行しなくてもよい。
(3.3)優先制御に関するタイムライン
以下において、同一スロットにおいてPUCCH及びPUSCHの優先制御について図7を参照しながら説明する。
図7の上段に示すように、UE200は、DCIを含むPDCCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネル(PUCCH)の最初のシンボル(上述したS0)との間の時間がN2+d2,1+d1シンボルを超えない場合に、2以上の上りリンクチャネルの優先付けを想定してはならない。言い換えると、2以上の上りリンクチャネルの優先付けに関する優先付けタイミング条件は、PDCCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネルの開始位置(S0)との間の時間がN2+d2,1+d1シンボル以上であることである。
例えば、UE200は、優先付けタイムライン条件が満たされる場合に、PUCCH(LP; Low Priority)を介してUCIを送信せずに、PUSCH(HP; High Priority)を介してUCIを送信する。UE200は、優先付けタイムライン条件が満たされないケースを想定していないが、優先付けタイムライン条件が満たされない場合に、PUCCH及びPUSCHの双方の送信を実行しなくてもよい。
同様に、図7の下段に示すように、UE200は、DCIを含むPDCCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネル(PUSCH)の最初のシンボル(上述したS0)との間の時間がN2+d2,1+d1シンボルを超えない場合に、2以上の上りリンクチャネルの優先付けを想定してはならない。言い換えると、2以上の上りリンクチャネルの優先付けに関する優先付けタイミング条件は、PDCCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネルの開始位置(S0)との間の時間がN2+d2,1+d1シンボル以上であることである。
例えば、UE200は、優先付けタイムライン条件が満たされる場合に、PUSCH(LP; Low Priority)を介してUCIを送信せずに、PUCCH(HP; High Priority)を介してUCIを送信する。UE200は、優先付けタイムライン条件が満たされないケースを想定していないが、優先付けタイムライン条件が満たされない場合に、PUCCH及びPUSCHの双方の送信を実行しなくてもよい。
(4)課題
発明者等は、鋭意検討の結果、異なる優先度を有する上りリンクチャネルに関する多重制御及び優先制御を実行する場合に、上述したタイムラインを想定すると、以下に示す課題が生じる可能性を見出した。
第1に、Case 1について説明する。図8の上段に示すように、1つ目のPUCCH(LP)に着目した場合に、処理タイムライン条件は、DCIを含むPDSCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネル(ここでは、PUCCH(LP))の開始位置(S0)との間の時間がN1+d1,1シンボル(#1)以上であることであり、優先付けタイムライン条件は、DCIを含むPDCCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネル(ここでは、PUCCH(LP))の開始位置(S0)との間の時間がN2+d2,1+d1シンボル以上であることである。しかしながら、処理タイムライン条件が満たされているか否かを判定するための時間の起点がPDSCHの最後のシンボルであるのに対して、優先付けタイムライン条件が満たされているか否かを判定するための時間の起点がPDCCHの最後のシンボルである。従って、優先付けタイムライン条件(N2+d2,1+d1シンボル)が満たされているにもかかわらず、1つ目のPUCCH(LP)の処理タイムライン条件(N1+d1,1シンボル(#1))が満たされないことが考えられる。上述したように、処理タイムライン条件が満たされないケースが想定されていないため、Case 1においてUE200の動作が不明瞭である。
第2に、Case 2について説明する。図8の下段に示すように、1つ目のPUCCH(LP)に着目した場合に、処理タイムライン条件は、DCIを含むPDSCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネル(ここでは、PUCCH(LP))の開始位置(S0)との間の時間がN1+d1,1シンボル(#1)以上であることであり、優先付けタイムライン条件は、DCIを含むPDCCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネル(ここでは、PUCCH(LP))の開始位置(S0)との間の時間がN2+d2,1+d1シンボル以上であることである。一方で、2つ目のPUCCH(HP)に着目した場合に、処理タイムライン条件は、DCIを含むPDSCHの最後のシンボルと最先の上りリンクチャネル(ここでは、PUCCH(LP))の開始位置(S0)との間の時間がN1+d1,1シンボル(#2)以上であることである。このようなケースにおいては、優先付けタイムライン条件(N2+d2,1+d1シンボル)及び1つ目のPUCCH(LP)の処理タイムライン条件(N1+d1,1シンボル(#1))が満たされているにもかかわらず、2つ目のPUCCH(HP)の処理タイムライン条件(N1+d1,1シンボル(#2))が満たされないことが考えられる。上述したように、処理タイムライン条件が満たされないケースが想定されていないため、Case 2においてUE200の動作が不明瞭である。
第3に、Case 3について説明する。図9の上段に示すように、優先付けタイムライン条件(N2+d2,1+d1シンボル)が満たされているにもかかわらず、1つ目のPUCCH(LP)の多重タイムライン条件(N1+d1,1+1シンボル(#1))が満たされないことが考えられる。同様に、優先付けタイムライン条件(N2+d2,1+d1シンボル)が満たされているにもかかわらず、2つ目のPUSCH(HP)の多重タイムライン条件(N2+d2,1+1シンボル(#2))が満たされないことも考えられる。上述したように、多重タイムライン条件が満たされないケースが想定されていないため、Case 3においてUE200の動作が不明瞭である。
第4に、Case 4について説明する。図9の上段に示すように、優先付けタイムライン条件(N2+d2,1+d1シンボル)及び1つ目のPUSCH(LP)の多重タイムライン条件(N2+d2,1+1シンボル(#1))が満たされているにもかかわらず、2つ目のPUCCH(HP)の多重タイムライン条件(N1+d1,1+1シンボル(#2))が満たされないことが考えられる。上述したように、多重タイムライン条件が満たされないケースが想定されていないため、Case 4においてUE200の動作が不明瞭である。
(5)制御例
上述したCase 1~Case 4で説明したように、優先付けタイムライン条件が満たされても、処理タイムライン条件及び多重タイムライン条件が満たされないケースが考えられる。このような着眼点から、実施形態では、UE200(制御部270)は以下の動作を実行する。
具体的には、制御部270は、多重タイムライン条件が満たされるか否かを判定した後に、優先付けタイムライン条件が満たされるかを判定する。すなわち、制御部270は、多重タイムラインが満たされた場合に、2以上の上りリンクチャネルの多重制御を実行する。制御部270は、多重タイムラインが満たされずに、優先付けタイムライン条件が満たされる場合に、2以上の上りリンクチャネルの優先制御を実行する。このような前提下において、以下のような仕組みが導入されてもよい。
(5.1)制御例1
制御例1では、多重タイムライン条件を定義する時間閾値として新たなパラメータが導入される。具体的には、多重タイムライン条件は、2以上の上りリンクチャネルの優先度に基づかない多重制御で用いる第1多重タイムライン条件と、2以上の上りリンクチャネルの優先度に基づいた多重制御で用いる第2多重タイムライン条件と、を含む。第2多重タイムライン条件を定義する第2時間閾値は、第1多重タイムライン条件を定義する第1時間閾値よりも短い。ここで、第1時間閾値は、既存のパラメータであり、第2時間閾値は、新たなパラメータの一例である。
例えば、図10の制御例1-1に示すように、2つ目のPUCCH(HP)に関する多重タイムライン条件として第2タイムライン条件が導入されてもよい。例えば、第2多重タイムライン条件を定義する時間閾値としてPnewが導入される。Pnewは、第1時間閾値(N1+d1,1+1)よりも短い時間である。PnewはN1+d1,1であってもよい。Pnewは、処理タイムライン条件を定義する時間閾値以上であってもよい。特に限定されるものではないが、1つ目のPUCCH(LP)については、第1時間閾値(N1+d1,1+1)が適用されてもよい。或いは、1つ目のPUCCH(LP)についても、第2時間閾値(Pnew)が適用されてもよい。
同様に、図10の制御例1-2に示すように、2つ目のPUSCHに関する多重タイムライン条件として第2タイムライン条件が導入されてもよい。例えば、第2多重タイムライン条件を定義する時間閾値としてQnewが導入される。Qnewは、第1時間閾値(N2+d2,1+1)よりも短い時間である。QnewはN2+d2,1であってもよい。Qnewは、処理タイムライン条件を定義する時間閾値以上であってもよい。特に限定されるものではないが、1つ目のPUCCH(LP)については、第1時間閾値(N1+d1,1+1)が適用されてもよい。
(5.2)制御例2
制御例2では、多重タイムライン条件で用いる上りリンクチャネルの開始位置について、新たな解釈又は新たなパラメータが導入される。具体的には、多重タイムライン条件は、上りリンク信号の優先度に基づかない多重制御で用いる第1多重タイムライン条件と、上りリンク信号の優先度に基づいた多重制御で用いる第2多重タイムライン条件と、を含む。第1多重タイムライン条件で用いる上りリンクチャネルの第1開始位置は、多重制御で多重される2以上の上りリンクチャネルのうち、最先の上りリンクチャネルの開始位置(上述したS0)である。一方で、第2多重タイムライン条件で用いる上りリンクチャネルの第2開始位置は、多重制御で多重される2以上の上りリンクチャネルのうち、多重制御で用いるリソースを有する上りリンクチャネルの開始位置(Snew)である。第2開始位置は、新たな解釈の一例であると考えてよく、新たなパラメータの一例であると考えてもよい。ここで、第2多重タイムライン条件は、PDCCHの最終シンボルからSnewまでの時間閾値(第3時間閾値と呼称してもよい)がN1+d1,1+xまたはN2+d2,1+yより長い時間であると定義されてもよい。
多重制御で用いるリソースを有する上りリンクチャネルは、第1上りリンクチャネルを第2上りリンクチャネルに多重するケースにおいて、第2上りリンクチャネルを意味する。第2上りリンクチャネルの優先度は、第1上りリンクチャネルの優先度よりも高くてもよい。
例えば、図11の制御例2-1に示すように、2つ目のPUCCH(HP)に関する多重タイムライン条件として第2タイムライン条件が導入されてもよい。第2多重タイムライン条件で用いる上りリンクチャネルの開始位置は、多重制御で用いるリソースを有するPUCCH(HP)の開始位置(Snew)である。ここでは、PUCCH(LP)がPUCCH(HP)に多重されるケースが例示されている。
同様に、図11の制御例2-2に示すように、2つ目のPUSCH(HP)に関する多重タイムライン条件として第2タイムライン条件が導入されてもよい。第2多重タイムライン条件で用いる上りリンクチャネルの開始位置は、多重制御で用いるリソースを有するPUSCH(HP)の開始位置(Snew)である。ここでは、PUCCH(LP)がPUSCH(HP)に多重されるケースが例示されている。
同様に、図11の制御例2-3に示すように、2つ目のPUCCH(HP)に関する多重タイムライン条件として第2タイムライン条件が導入されてもよい。第2多重タイムライン条件で用いる上りリンクチャネルの開始位置は、多重制御で用いるリソースを有するPUCCH(HP)の開始位置(Snew)である。ここでは、PUSCH(LP)がPUCCH(HP)に多重されるケースが例示されている。
なお、優先付けタイムライン条件については、既存のパラメータ(図7を参照)が用いられてもよい。また、制御例2及び制御例3は組み合わされてもよい。
(5.3)制御例3
制御例3では、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルの多重について制約が設けられる。具体的には、制御部270は、2以上の上りリンクチャネルの開始位置が揃っている場合に、多重制御を実行してもよい。制御部270は、2以上の上りリンクチャネルの開始位置が揃っていない場合に、多重制御を実行せずに優先制御を実行してもよい。
以下においては、図12に示すように、PUCCH(LP)がスロット単位で送信され、PUCCH(HP)がサブスロット単位で送信されるケースについて考える。
例えば、図12の制御例3-1に示すように、制御部270は、PUCCH(HP)#1の開始位置を含むサブスロットの開始位置がPUCCH(LP)#1の開始位置を含むスロットの開始位置と一致する場合に、PUCCH(LP)#1をPUCCH(HP)#1に多重してもよい。言い換えると、PUCCH(LP)#1及びPUCCH(HP)#1が同一境界において衝突する場合に、PUCCH(LP)#1及びPUCCH(HP)#1の多重制御が実行されてもよい。なお、2以上の上りリンクチャネルの開始位置を含むスロット又はサブスロットの開始位置が一致する(すなわち、2以上の上りリンクチャネルが同一境界で衝突する)ケースは、2以上の上りリンクチャネルの開始位置が揃っていると表現されてもよい。
一方で、図12の制御例3-2に示すように、制御部270は、PUCCH(HP)#2の開始位置を含むサブスロットの開始位置がPUCCH(LP)#1の開始位置を含むスロットの開始位置と一致しない場合に、PUCCH(LP)#1をPUCCH(HP)#2に多重せずに、PUCCH(LP)#1及びPUCCH(HP)#2の優先制御を実行してもよい。言い換えると、PUCCH(LP)#1及びPUCCH(HP)#2が同一境界において衝突しない場合に、PUCCH(LP)#1及びPUCCH(HP)#2の優先制御が実行されてもよい。例えば、制御部270は、PUCCH(LP)#1を送信せずに、PUCCH(HP)#2を送信してもよい。なお、2以上の上りリンクチャネルの開始位置を含むスロット又はサブスロットの開始位置が一致しない(すなわち、2以上の上りリンクチャネルが同一境界で衝突しない)ケースは、2以上の上りリンクチャネルの開始位置が揃っていないと表現されてもよい。
(6)動作例
以下において、実施形態の動作例について説明する。以下においては、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルの多重制御及び優先制御がUE200に設定されるケースについて例示する。
図13に示すように、ステップS10において、UE200は、UE Capabilityを含むメッセージをNG-RAN20に送信する。UE Capabilityは、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルの多重制御をサポートしているか否かを示す情報要素を含んでもよい。UE Capabilityは、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルの優先制御をサポートしているか否かを示す情報要素を含んでもよい。
ステップS11において、UE100は、複数のCCに関連するPUCCH-Config.を含むRRCメッセージをNG-RAN20から受信する。PUCCH-Config.は、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルの多重制御を設定するか否かを示す情報要素を含んでもよい。PUCCH-Config.は、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルの優先制御を設定するか否かを示す情報要素を含んでもよい。
ステップS12において、UE200は、PDCCHを介して1以上のDCIをNG-RAN20から受信する。NG-RAN20は、ステップS10で受信するUE Capabilityに基づいてDCIを送信してもよい。言い換えると、DCIは、UE Capabilityを考慮した上りリンクリソースを指定する情報要素(例えば、Frequency domain resource assignment、Time domain resource assignment)を含んでもよい。
ステップS13において、UE200は、多重タイムライン条件が満たされるか否かを判定した後に、優先付けタイムライン条件が満たされるかを判定する。UE200は、多重タイムライン条件が満たされる場合に、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルを同一スロットにおいて多重する。UE200は、優先付けタイムライン条件が満たされる場合に、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルを同一スロットにおいて優先付けする。
(7)作用・効果
実施形態では、UE200は、多重タイムライン条件が満たされるか否かを判定した後に、優先付けタイムライン条件が満たされるかを判定する。このような構成によれば、優先付けタイムライン条件が満たされているが、多重タイムライン条件が満たされるケース(図9に示すCase 3及びCase 4)において、UE200の動作が不明瞭になる事態を回避することができ、多重及び優先付けに関する適切な制御を実行することができる。
実施形態では、多重タイムライン条件を定義する時間閾値として新たなパラメータ(第2時間閾値)が導入され、第2時間閾値は第1時間閾値よりも短い。このような構成によれば、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルの多重に要求される遅延が減少する。
実施形態では、多重タイムライン条件で用いる上りリンクチャネルの開始位置について、新たな解釈又は新たなパラメータ(第2開始位置)が導入される。第2開始位置は、多重制御で用いるリソースを有する上りリンクチャネルの開始位置である。このような構成によれば、多重に伴う処理に影響を与えることなく、多重制御を適切に実行することができる。
[その他の実施形態]
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
上述した開示では、上りリンク信号の一例としてUCIを例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。上りリンク信号は、データ信号を含んでもよい。すなわち、上述した開示は、異なる優先度を有する2以上の上りリンクチャネルの多重及び優先付けに提供されればよい。
上述した開示では、課題としてCase 1~Case 4について例示したが、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、優先タイムライン条件が満たされるにもかかわらずに、多重タイムライン条件が満たされないケースに適用可能である。
上述した開示では、多重タイムライン条件について説明したが、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、優先タイムライン条件が満たされるにもかかわらずに、処理タイムライン条件が満たされないケースに適用可能である。このようなケースにおいて、多重タイムラインに関する記載を処理タイムラインに関する記載に置き換えればよい。例えば、UE200は、処理タイムライン条件が満たされるか否かを判定した後に、優先付けタイムライン条件が満たされるかを判定してもよい。
上述した開示では特に触れていないが、多重制御及び優先制御は以下のように実行されてもよい。例えば、HARQ-ACKに関するPUCCHの優先度は、SRに関するPUCCHの優先度よりも高くてもよい。このようなケースにおいて、SRに関するPUCCHはHARQ-ACKに関するPUCCHに多重されてもよい。このような多重ができない場合には、SRに関するPUCCHが送信されずに、HARQ-ACKに関するPUCCHが送信されてもよい。URLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)に関するPUCCHの優先度は、eMBB(enhanced Mobile BroadBand)に関するPUSCHの優先度よりも高くてもよい。このようなケースにおいて、eMBBに関するPUSCHを送信せずに、URLLCに関するPUCCHを送信してもよい。
上述した開示では、UCIについて主として説明したが、上述した開示はこれに限定されるものではない。UCIは、HARQ-ACKと読み替えられてもよく、SRと読み替えられてもよく、CSIと読み替えられてもよい。複数のCCを用いて送信可能なUCIは、HARQ-ACK、SR及びCSIの中から選択されたいずれかのパラメータであってもよい。
上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(図4)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼ばれる。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
さらに、上述したUE200(当該装置)は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図14は、当該装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図14に示すように、当該装置は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
当該装置の各機能ブロック(図4参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、又は当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。
サブフレームはさらに時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:REG)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。