WO2022049767A1

WO2022049767A1 - 圧縮機及び該圧縮機を備えた空気調和機の室外機

Info

Publication number: WO2022049767A1
Application number: PCT/JP2020/033779
Authority: WO
Inventors: かえで清水; 裕人竹内
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2020-09-07
Filing date: 2020-09-07
Publication date: 2022-03-10
Also published as: US20230250828A1; DE112020007588T5; JPWO2022049767A1; JP7309077B2

Abstract

圧縮機（１０４）は、外殻を構成する容器（１）と、容器の上面から突出し、容器の内部に電力を供給する端子部（２）と、容器の上面から突出するロッド（３）と、端子部を覆って保護し、ロッドによって容器に固定されるターミナルカバー（４）と、圧縮機の温度を検出するサーマルプロテクタ（５）と、を備えている。サーマルプロテクタは、端子部とロッドとの間に形成された平面状の外表面（１３）に当接させて固定されている。

Description

圧縮機及び該圧縮機を備えた空気調和機の室外機

　本開示は、サーマルプロテクタを有する圧縮機及び該圧縮機を備えた空気調和機の室外機に関するものである。

　従来、圧縮機は、外殻を構成する容器と、容器の内部に収容された電動機及び圧縮機構部と、を備えた構成が知られている。例えば特許文献１に開示された圧縮機は、容器の上部に、ターミナルと、圧縮機の温度を検出する温度センサーと、ターミナルを保護するターミナル保護カバーと、ターミナル保護カバーを固定させるための固定ボルトと、が設けられている。ターミナルには、電動機に接続されたリード線が接続端子を介して接続されている。温度センサーは、冷凍サイクルの冷媒ガス抜け時及び過負荷時の運転から圧縮機を保護するために設けられている。温度センサーは、ターミナル保護カバーから延出させて一体に設けられたセンサー保持部で保持されている。センサー保持部は、固定ボルトを間に挟んで、ターミナルとは反対側の位置に設けられている。

特開２００２－１８８５７０号公報

　特許文献１に開示された構成は、センサー保持部がターミナル保護カバーから延出させて一体に設けられているため、ターミナル保護カバーの形状が大きくなる。そのため、容器の寸法が大きく、圧縮機の上部に形成された平面状の外表面が広い場合にのみ、該外表面に温度センサーを配置させることができる。しかしながら、容器の上面には、例えば吐出管から吐出される冷媒の温度を検出するサーミスタ等を設置する場合があり、温度センサーの設置場所を確保できないおそれがある。この場合、温度センサーを平面状の外表面に十分に面接触させることができず、接触面積が減少して温度の追従性が悪化し、温度検出のバラツキが発生するおそれがある。

　本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、圧縮機の温度を検出するサーマルプロテクタを容器の上部に形成された平面状の外表面に確実に当接させることができ、サーマルプロテクタの温度検出の精度を高めることができる圧縮機及び該圧縮機を備えた空気調和機の室外機を提供することを目的とする。

　本開示に係る圧縮機は、外殻を構成する容器と、前記容器の上面から突出し、前記容器の内部に電力を供給する端子部と、前記容器の上面から突出するロッドと、前記端子部を覆って保護し、前記ロッドによって前記容器に固定されるターミナルカバーと、圧縮機の温度を検出するサーマルプロテクタと、を備え、前記サーマルプロテクタは、前記端子部と前記ロッドとの間に形成された平面状の外表面に当接させて固定されているものである。

　本開示に係る空気調和機の室外機、上記圧縮機を備えたものである。

　本開示の圧縮機及び該圧縮機を備えた空気調和機の室外機は、端子部とロッドとの間に形成された平面状の外表面を利用して、当該外表面にサーマルプロテクタを当接させて固定した構成なので、他の構成部材の存在に関わらず、サーマルプロテクタを平面状の外表面に確実に当接させることができ、サーマルプロテクタの温度検出の精度を高めることができる。

実施の形態に係る空気調和機の室外機を示した斜視図である。実施の形態に係る空気調和機の室外機を分解して示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機を示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機であって、容器の上部に配置した主要な構成部材を分解して示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機の上部であって、ターミナルカバーを取り外した状態を示した拡大図である。実施の形態に係る圧縮機のサーマルプロテクタとプロテクタホルダを示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機のターミナルカバーを下方側から見た状態であって、ターミナルカバーとサーマルプロテクタの関係を示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機のターミナルカバーを下方側から見た状態であって、ターミナルカバーにサーマルプロテクタを設置した状態を示した斜視図である。実施の形態に係る圧縮機であって、サーマルプロテクタがプロテクタホルダの収容部に固定された状態を示した説明図である。実施の形態に係る圧縮機であって、プロテクタホルダをターミナルカバーに仮固定させる状態を示した説明図である。実施の形態に係る圧縮機であって容器の上部を示した縦断面図である。図１１に示したＡ部拡大図である。図１１に示したＢ部拡大図である。

　以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、適宜変更することができる。

　実施の形態．
　図１は、実施の形態に係る空気調和機の室外機を示した斜視図である。図２は、実施の形態に係る空気調和機の室外機を分解して示した斜視図である。本実施の形態に係る空気調和機の室外機１００は、室内の空調を行う図示省略の室内機と共に空気調和機を構成するものである。本実施の形態に係る空気調和機の室外機１００は、図１及び図２に示すように、筐体１０１と、熱交換器１０２と、送風機１０３と、圧縮機１０４と、を備えている。

　筐体１０１は、空気調和機の室外機１００の外郭を形成するものである。筐体１０１は、一例として前側面パネル１０１ａ、右側面パネル１０１ｂ、底面パネル１０１ｃ、及び天面パネル１０１ｄで構成されている。前側面パネル１０１ａは、例えばＬ字形状の部材であり、筐体１０１の前側面及び左側面を構成する。前側面パネル１０１ａには、吹出口が形成されており、該吹出口を覆うファンガード１０１ｅが取り付けられている。底面パネル１０１ｃの下面には、空気調和機の室外機１００を設置場所に固定するための脚部１０１ｆが取り付けられている。

　図２に示すように、筐体１０１の内部は、前面側から背面側に向かって配置された仕切り板１０１ｇによって送風機室Ａと機械室Ｂとに区画されている。送風機室Ａには、熱交換器１０２及び送風機１０３が配置されている。熱交換器１０２は、冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能する。送風機１０３は、筐体１０１の背面側から筐体１０１の内部に外気を導入し、筐体１０１の内部に導入された外気を筐体１０１の前面側に向かって排出する機能を有するものである。送風機１０３は、モータによって駆動する。室外機１００は、送風機１０３が動作することで、熱交換器１０２を通過した空気が内部に導入されて送風機１０３を通過し、室外機１００の前方へ排出される構成である。これにより、室外機１００は、例えば冷房運転中において、熱交換器１０２内で冷媒が空気によって冷却され、熱交換器１０２を通過した空気が冷媒と熱交換することで過熱される構成となる。

　機械室Ｂには、圧縮機１０４、冷媒配管１０５、電装品ユニット１０６、及び電源ユニット１０７が設けられている。圧縮機１０４は、底面パネル１０１ｃの上面に載置されており、室内機から送られた冷媒を圧縮する。圧縮機１０４で圧縮された冷媒は、冷媒配管１０５を通って熱交換器１０２に送られる。冷媒配管１０５は、右側面パネル１０１ｂに形成された開口部１０１ｈを通じて外部の冷媒配管と接続される。電装品ユニット１０６は、制御基板等を備えており、室外機１００の内部に設けた各部品への電力供給等を行うためのものである。電源ユニット１０７は、室外機１００と室内機とを接続する端子台が電源板にネジ等で固定された構成である。電源ユニット１０７は、右側面パネル１０１ｂに形成された開口部１０１ｉを介して外部と通じている。右側面パネル１０１ｂに形成された開口部１０１ｈ及び１０１ｉは、右側面パネル１０１ｂの外面に取り付けられる保護カバー１０８で覆われて、埃又は水が入らないように保護されている。

　次に、本実施の形態に係る圧縮機１０４の特徴を具体的に説明する。図３は、実施の形態に係る圧縮機を示した斜視図である。図４は、実施の形態に係る圧縮機であって、容器の上部に配置した主要な構成部材を分解して示した斜視図である。図５は、実施の形態に係る圧縮機の上部であって、ターミナルカバーを取り外した状態を示した拡大図である。

　図３に示す本実施の形態に係る圧縮機１０４は、電動機（図示省略）と、電動機の駆動力を伝達するクランク軸（図示省略）と、クランク軸から伝達される駆動力によって冷媒を圧縮する圧縮機構部（図示省略）と、電動機、クランク軸及び圧縮機構部を内部に収容する容器１と、を備えている。

　電動機は、例えば容器１の内壁面に焼き嵌め等により固着された円環状の固定子と、固定子の内側面に対向して回転可能に設けられた回転子と、を有している。回転子には、クランク軸が嵌入されている。電動機は、外部から容器１の上面に設けられた端子部２を介して電力が供給されて駆動する。

　圧縮機構部は、電動機によって回転駆動されるクランク軸によって駆動し、圧縮室内に吸入された冷媒を圧縮するものである。圧縮機構部は、圧縮機１０４がロータリ圧縮機である場合、例えば圧縮室を有するシリンダー、ローリングピストン及びベーン等を備えている。なお、圧縮機構部は、ロータリ圧縮機の構成に限定されず、他の形態でもよい。

　容器１は、図３及び図４に示すように、圧縮機１０４の外殻を構成する密閉型の容器である。容器１には、吸入管１０を介して内部に冷媒ガスが取り込まれる。吸入管１０は、吸入マフラー１１を介して流入するガス冷媒を圧縮機構部内に送り込むための接続管である。吸入マフラー１１は、液冷媒と冷媒ガスとを分離すると共に、圧縮機１０４の騒動音を抑制するために設けられている。容器１の上部には、圧縮機構部で圧縮された高温且つ高圧の冷媒が排出される吐出管１２が設けられている。

　また、図４及び図５に示すように、容器１の上面には、容器１の上面から突出する端子部２と、容器１の上面から突出するロッド３と、端子部２を覆って保護し、ロッド３によって容器１に固定されるターミナルカバー４と、圧縮機１０４の温度を検出するサーマルプロテクタ５と、吐出管１２から吐出される冷媒の温度を検出するサーミスタ６と、が設けられている。

　端子部２は、例えばガラス端子で構成されている。端子部２は、容器１の外部に設けられた外部電源からの電力を、電動機の固定子に供給するために設けられている。端子部２は、容器１の上面に形成された平面状の外表面１３に設けられている。端子部２と外部電源とは、電源線２０を介して接続されている。外部電源とは、例えばインバータ装置などである。また、端子部２と電動機の固定子とは、容器１の内部において、リード線を介して接続されている。

　ロッド３は、ターミナルカバー４を容器１の上部に取り付けるために設けられている。ロッド３は、容器１の上面に形成された平面状の外表面１３から上方に向かって突き出した棒状の部材である。ロッド３の上端部には、ナット３０が締め付けられる。

　ターミナルカバー４は、内部が空洞とされ、下面に開口部を有する構成である。ターミナルカバー４の上面には、ロッド３の先端部を通す貫通孔４０が形成されている。ターミナルカバー４は、端子部２とロッド３とを内部に収容して周囲を覆った状態で、貫通孔４０から突き出したロッド３の先端部にナット３０が締め付けられることで容器１に固定される。

　サーマルプロテクタ５は、例えばケースの内部にバイメタルサーモが収容されたプロテクタ本体部５０と、図示省略の制御部に接続されるリード線５１と、を有している。サーマルプロテクタ５は、プロテクタ本体部５０を容器１に上面に直接接触されて配置されている。制御部は、サーマルプロテクタ５が圧縮機１０４の過熱を検出してバイメタルサーモが反応すると、その検出信号を受けて圧縮機１０４への電源を供給する回路を遮断し、圧縮機１０４の運転を停止させる。なお、サーマルプロテクタ５は、例えば容器１の上面に設置した電熱性が高く薄い金属板の上面に接触させて設置してもよい。この場合であっても、圧縮機１０４の温度変化に対する追従性が確保され、圧縮機１０４の温度を正確に測定することができる。

　なお、サーマルプロテクタ５によって圧縮機１０４の温度を検出するとは、圧縮機１０４の内部の温度を検出することを意味する。サーマルプロテクタ５は、容器１の外表面１３の温度に基づいて、圧縮機１０４の内部の温度を検出している。

　サーミスタ６は、吐出管１２から吐出される冷媒の温度を検出するために設けられている。サーミスタ６は、容器１の上面に配置され、サーミスタ取付部材７によって固定されている。サーミスタ取付部材７は、例えばステンレス製の板金から成る部材であり、自らの弾性によって容器１の上部に押し広がるように設けられている。サーミスタ取付部材７は、ロッド３に通す円環状の掛止部７０と、容器１の上面に形成された平面状の外表面１３にサーミスタ６を弾力で押圧して固定させる固定部７１と、を有している。固定部７１は、サーミスタ６の上面を覆う形状とされ、容器１の上面との間でサーミスタ６を挟み付ける。サーミスタ取付部材７は、ロッド３に掛止部７０を通して容器１に取り付けた状態で、固定部７１でサーミスタ６を押圧して固定させる。なお、サーミスタ取付部材７は、前記の構成に限定されず、サーミスタ６を容器１の上面に固定することができれば、他の形態でもよい。

　ところで、圧縮機１０４は、サーマルプロテクタ５を容器１の上部に形成された平面状の外表面１３に面接触させることで、圧縮機１０４の温度を正確に検出することが可能となる。しかしながら、容器１の上面には、例えば吐出管１２から吐出される冷媒の温度を検出するサーミスタ６等を設置する場合があり、サーマルプロテクタ５の設置場所を十分に確保できないおそれがある。圧縮機１０４は、サーマルプロテクタ５を平面状の外表面１３に十分に面接触させないと、接触面積が減少して温度の追従性が悪化し、温度検出のバラツキが発生するおそれがある。

　また、ターミナルカバー４は、ロッド３にナット３０を締結することで容器１の上面に固定される。サーマルプロテクタ５は、ターミナルカバー４に押し付けられて、容器１の平面状の外表面１３に固定されている。ターミナルカバー４は、ロッド３にナット３０を締結した際に、ロッド３側に軸力が作用するため、ロッド３から離れた箇所が容器１の外表面１３から浮き上がるおそれがある。そのため、例えばサーマルプロテクタ５をロッド３から離れた位置に設置してしまうと、ターミナルカバー４でサーマルプロテクタ５を十分に押し付けることができず、サーマルプロテクタ５を容器１の外表面１３に十分に面接触させることができないおそれがある。

　そこで、本実施の形態に係る圧縮機１０４では、図５に示すように、端子部２とロッド３との間に形成された平面状の外表面１３に、サーマルプロテクタ５を当接させて固定することを特徴としている。サーマルプロテクタ５は、略直方体形状を成し、弾性性能を有するプロテクタホルダ８に収容された状態で、容器１の上部に形成された平面状の外表面１３に当接させて固定されている。

　図６は、実施の形態に係る圧縮機のサーマルプロテクタとプロテクタホルダを示した斜視図である。図７は、実施の形態に係る圧縮機のターミナルカバーを下方側から見た状態であって、ターミナルカバーとサーマルプロテクタの関係を示した斜視図である。図８は、実施の形態に係る圧縮機のターミナルカバーを下方側から見た状態であって、ターミナルカバーにサーマルプロテクタを設置した状態を示した斜視図である。図９は、実施の形態に係る圧縮機であって、サーマルプロテクタがプロテクタホルダの収容部に固定された状態を示した説明図である。図１０は、実施の形態に係る圧縮機であって、プロテクタホルダをターミナルカバーに仮固定させる状態を示した説明図である。

　プロテクタホルダ８は、弾性性能を有する金属材によって形成されている。プロテクタホルダ８は、金属材で形成することによって肉厚を薄くすることができるので、端子部２とロッド３との間の狭い空間であっても設置が可能となる。また、プロテクタホルダ８は、金属材であるため電熱性が良く、サーマルプロテクタ５の温度検出の精度を高めることもできる。

　プロテクタホルダ８は、図６及び図７に示すように、サーマルプロテクタ５を収容する凹形状の収容部８０と、ターミナルカバー４に仮固定される仮固定部８１と、収容部８０と仮固定部８１とを連結する連結部８２と、を有している。

　収容部８０は、図６及び図７に示すように、サーマルプロテクタ５を載置させる略長方形状の載置面部８０ａと、載置面部８０ａの縁辺から立ち上がり、サーマルプロテクタ５の側面を囲う複数の壁面部８０ｂと、を有している。載置面部８０ａは、サーマルプロテクタ５と略同一の大きさで形成されており、一方の平面にサーマルプロテクタ５が載置される。

　壁面部８０ｂは、サーマルプロテクタ５の４つの側面のうち３つの側面を囲うように間隔を開けて形成されている。隣り合う壁面部８０ｂの間に形成された隙間によってサーマルプロテクタ５を収容する際に、後述の突起部８０ｄを設けた壁面部８０ｂが外側に撓み、サーマルプロテクタ５を嵌め込みやすくしている。載置面部８０ａの縁辺のうち壁面部８０ｂを設けていない開口部８０ｃは、サーマルプロテクタ５に接続されたリード線５１を通すために利用される。なお、壁面部８０ｂは、図示した形態に限定されず、隙間は１カ所又は３カ所以上でもよい。

　壁面部８０ｂは、容器１の外表面１３に当接させるサーマルプロテクタ５の接触面を、収容部８０から容器１の外表面１３に向かって突き出させる大きさで形成されている。具体的には、図８及び図９に示すように、壁面部８０ｂは、収容部８０に収容したプロテクタ本体部５０の高さよりも低い高さで形成されている。壁面部８０ｂがプロテクタ本体部５０よりも高いと、壁面部８０ｂの端部がサーマルプロテクタ５の接触面よりも先に、容器１の外表面１３に突き当たってしまい、サーマルプロテクタ５を容器１の外表面１３に十分に当接させることができないからである。

　また、壁面部８０ｂには、図６、図７及び図９に示すように、収容部８０に収容したサーマルプロテクタ５の側面に突き当たる突起部８０ｄが設けられている。突起部８０ｄは、３方向の壁面部８０ｂのうち、向かい合う壁面部８０ｂの一方に設けられている。サーマルプロテクタ５は、図９に示すように、突起部８０ｄによって壁面部８０ｂに押し付けられ、壁面部８０ｂの弾性復元力を利用して、向かい合う壁面部８０ｂの間に挟持されることで固定される。なお、突起部８０ｄは、向かい合う壁面部８０ｂの両方に設けてもよい。また、突起部８０ｄは、図示した１個に限定されず、同一の壁面部８０ｂに複数個設けてもよい。

　仮固定部８１は、図６に示すように、側面視がＵ字状とされ、弾性性能を有する構成である。仮固定部８１は、開放側に向かって幅広となるように形成されており、開放側が狭まるように弾性変形する。仮固定部８１は、一方の開放端部が連結部８２に連結されている。また、仮固定部８１の外側面には、外方へ突き出す突部８１ａが形成されている。

　連結部８２は、図６及び図７に示すように、収容部８０の壁面部８０ｂと仮固定部８１の開放端部とを連結している。連結部８２は、ターミナルカバー４の開口縁に沿った円弧状に形成されている。連結部８２は、図８に示すように、ターミナルカバー４の開口縁に当接させた状態で配置されている。なお、連結部８２は、収容部８０の壁面部８０ｂと仮固定部８１の開放端部とを連結する構成に限定されず、収容部８０と仮固定部８１とを連結することができれば、その他の部分を連結してもよい。また、連結部８２の形状は、図示した円弧状に限定されず、例えば直線状または矩形状でもよく、ターミナルカバー４の形状に合わせて適宜変更して形成するものとする。

　図７に示すように、ターミナルカバー４の内部は、壁体４１によって、端子部２を保護する端子保護部４ａと、ロッド３を通すロッド挿入部４ｂと、に区画されている。壁体４１の下面は平面状とされ、その下面にサーマルプロテクタ５を収容したプロテクタホルダ８の載置面部８０ａが当接させて配置されている。

　図７及び図８に示すように、ターミナルカバー４には、プロテクタホルダ８の仮固定部８１が挿入される凹状の係止部４２が設けられている。係止部４２は、端子保護部４ａの外側面に設けられている。係止部４２の凹内部には、仮固定部８１の突部８１ａが嵌め込まれる切り欠き状の溝部４２ａが形成されている。仮固定部８１は、図１０の矢印ａに示すように、開放端部が狭まるように弾性変形させた状態で、同図の矢印ｂに示すように、係止部４２の凹内部に挿入され、突部８１ａが溝部４２ａに嵌め込まれる。係止部４２に挿入された仮固定部８１は、弾性性能によって係止部４２の内部で仮固定される。なお、係止部４２は、ターミナルカバー４に設けた構成を示したが、ターミナルカバー４に設けることに限定されず、他の構成部材に設けてもよい。つまり、プロテクタホルダ８は、ターミナルカバー４に仮固定されることに限定されない。

　また、図７及び図８に示すように、ターミナルカバー４の外側面には、サーマルプロテクタ５のリード線５１の位置を保持するＬ字状の保持部４３が設けられている。保持部４３は、Ｌ字の屈曲部でリード線５１を引っ掛けて保持することで、該リード線５１の配線位置を固定させることができ、且つターミナルカバー４と容器１の上面との間にリード線５１が挟まれる事態を防止することができる。なお、保持部４３は、図示例の場合、壁体４１の近傍に設けているが、これに限定されず、リード線５１の配線位置に合わせて設けるものとする。また、保持部４３は、図示したＬ字状に限定されず、例えばＵ字状等、サーマルプロテクタ５のリード線５１を掛け止めることができれば、どのような形状でもよい。

　図１１は、実施の形態に係る圧縮機であって容器の上部を示した縦断面図である。図１２は、図１１に示したＡ部拡大図である。図１３は、図１１に示したＢ部拡大図である。

　ターミナルカバー４は、図１１に示すように、プロテクタホルダ８に収容したサーマルプロテクタ５を仮固定させた状態で、容器１の上面に取り付けられる。このとき、ターミナルカバー４の端子保護部４ａには端子部２が収容され、ロッド挿入部４ｂにはロッド３が収容される。ターミナルカバー４の貫通孔４０から突き出したロッド３の先端部には、ナット３０が締結される。図１２に示すように、サーマルプロテクタ５は、ロッド３の先端部にナット３０を締結する際に掛かる軸力によってターミナルカバー４の壁体４１に押し付けられ、容器１の外表面１３に固定される。なお、本実施の形態に係る圧縮機１０４では、容器１の外表面１３に当接させるサーマルプロテクタ５の接触面が、収容部８０から外表面１３に向かって突き出しているので、サーマルプロテクタ５の接触面よりも先に、壁面部８０ｂの端部が外表面１３に突き当たってしまう事態を抑制できる。

　また、ターミナルカバー４の壁体４１の下面には、サーミスタ取付部材７との接触を回避させるための凹部４１ａが形成されている。サーミスタ取付部材７をサーマルプロテクタ５に近接させて設置した場合、壁体４１の下面がサーマルプロテクタ５に接触する前に、サーミスタ取付部材７に接触してしまい、ターミナルカバー４でサーマルプロテクタ５を十分に押さえ付けることができないおそれがある。そこで、壁体４１の下面に凹部４１ａを形成して、壁体４１とサーミスタ取付部材７とが接触する事態を回避する構成としている。

　また、図１３に示すように、ロッド挿入部４ｂの内部の天面とロッド３との間に隙間Ｓが形成されている。これは、ロッド３の先端部に締め付けたナット３０の締結力によって、ロッド挿入部４ｂの天面がロッド３に突き当たる事態を回避するためである。壁体４１でサーマルプロテクタ５を押し付ける前に、ロッド挿入部４ｂの天面がロッド３に突き当たってしまうと、ロッド３の先端部にナット３０を締結する際に掛かる軸力がターミナルカバー４に作用されず、ターミナルカバー４の壁体４１でサーマルプロテクタ５を押さえ付けることができなくなるからである。

　以上のように、本実施の形態に係る圧縮機１０４は、外殻を構成する容器１と、容器１の上面から突出し、容器１の内部に電力を供給する端子部２と、容器１の上面から突出するロッド３と、端子部２を覆って保護し、ロッド３によって容器１に固定されるターミナルカバー４と、圧縮機１０４の温度を検出するサーマルプロテクタ５と、を備えている。サーマルプロテクタ５は、端子部２とロッド３との間に形成された平面状の外表面１３に当接させて固定されている。

　つまり、本実施の形態に係る圧縮機１０４は、端子部２とロッド３との間に形成された平面状の外表面１３を利用して、当該外表面１３にサーマルプロテクタ５を当接させて固定した構成なので、他の構成部材の存在に関わらず、サーマルプロテクタ５を容器１の外表面１３に確実に当接させることができる。よって、サーマルプロテクタ５の温度検出の精度を高めることができ、温度検出のバラツキを抑制することができる。

　サーマルプロテクタ５は、ロッド３によって容器１に固定されたターミナルカバー４に押さえ付けられて、容器１の外表面１３に当接させて固定されている。よって、本実施の形態に係る圧縮機１０４は、振動又は衝撃等によってサーマルプロテクタ５の固定位置が不用意にずれたりすることがなく、サーマルプロテクタ５の温度検出の精度を高めることができる。

　本実施の形態に係る圧縮機１０４は、サーマルプロテクタ５を収容すると共に、ターミナルカバー４に仮固定されるプロテクタホルダ８を更に備えている。サーマルプロテクタ５は、プロテクタホルダ８に収容されて保持された状態で、容器１の外表面１３に当接させて固定されている。よって、本実施の形態に係る圧縮機１０４は、サーマルプロテクタ５がプロテクタホルダ８を介してターミナルカバー４に仮固定されているので、サーマルプロテクタ５を容器１に固定する際の位置ずれを抑制できる。また、振動又は衝撃等によってサーマルプロテクタ５の固定位置が不用意にずれたりすることがなく、サーマルプロテクタ５の温度検出の精度を高めることもできる。

　プロテクタホルダ８は、サーマルプロテクタ５を収容する凹形状の収容部８０と、ターミナルカバー４に仮固定される仮固定部８１と、収容部８０と仮固定部８１とを連結する連結部８２と、を有している。収容部８０は、サーマルプロテクタ５を載置させる載置面部８０ａと、載置面部８０ａから立ち上がり、サーマルプロテクタ５の周囲のうち少なくとも一部を囲う壁面部８０ｂと、を有している。つまり、プロテクタホルダ８は、簡易な構成なので、端子部２とロッド３との間の狭い空間に容易に設置することができる。

　因みに、図示したプロテクタホルダ８に代えて、サーマルプロテクタ５を固定する構造をターミナルカバー４に形成することも考えられる。サーマルプロテクタ５を保持する構造をターミナルカバー４に形成することで、製造コストを削減できる。しかしながら、圧縮機１０４は、容器１の上部に端子部２及びロッド３を設ける場合、端子部２とロッド３とが近接する設計となっている。端子部２を保護するターミナルカバー４が、ロッド３によって取り付けられるためである。樹脂材であるターミナルカバー４でサーマルプロテクタ５を固定させる構造を形成するには、樹脂の肉厚分を含めた設置寸法が必要となる。つまり、端子部２とロッド３との間の狭い空間に、樹脂の肉厚分を含めた設置寸法で、サーマルプロテクタ５を固定する構造を形成することは困難である。更に、樹脂材は、電熱性が悪く、サーマルプロテクタ５の温度検出の精度を低下させるおそれもある。

　壁面部８０ｂは、容器１の外表面１３に当接させるサーマルプロテクタ５の接触面を、収容部８０から容器１の外表面１３に向かって突き出させる大きさで形成されている。よって、本実施の形態に係る圧縮機１０４は、壁面部８０ｂの端部がサーマルプロテクタ５の接触面よりも先に、容器１の外表面１３に突き当たってしまう事態を抑制することができるので、サーマルプロテクタ５を容器１の外表面１３に確実に当接させることができる。

　また、壁面部８０ｂには、収容部８０に収容したサーマルプロテクタ５に突き当たり、サーマルプロテクタ５の位置を固定させる突起部８０ｄが設けられている。よって、本実施の形態に係る圧縮機１０４は、サーマルプロテクタ５を容器１に固定する際に、サーマルプロテクタ５が収容部８０から外れたり、位置ずれを起こしたりする事態を抑制することができる。また、振動又は衝撃等によってサーマルプロテクタ５の固定位置が不用意にずれたりすることがなく、サーマルプロテクタ５の温度検出の精度を高めることもできる。

　仮固定部８１は、弾性性能を有している。ターミナルカバー４には、仮固定部８１が挿入される凹状の係止部４２が設けられている。係止部４２に挿入された仮固定部８１は、弾性性能によって係止部４２の内部で仮固定されている。つまり、本実施の形態に係る圧縮機１０４は、プロテクタホルダ８をターミナルカバー４に仮固定する構造が簡易なので、圧縮機１０４の組み立て作業の作業性を向上させることができるし、製造コストの削減にも寄与することができる。

　係止部４２及び仮固定部８１のいずれか一方に溝部４２ａが設けられ、係止部４２及び仮固定部８１のいずれか他方に溝部４２ａに嵌まる突部８１ａが設けられている。よって、本実施の形態に係る圧縮機１０４では、ターミナルカバー４に仮固定したプロテクタホルダ８の仮固定状態を高めることができる。

　サーマルプロテクタ５は、リード線５１を有している。ターミナルカバー４には、サーマルプロテクタ５がプロテクタホルダ８に収容された状態で、リード線５１の位置を保持する保持部４３が設けられている。よって、本実施の形態に係る圧縮機１０４では、リード線５１の配線位置を固定させることができ、且つターミナルカバー４と容器１の上面との間にリード線５１が挟まれる事態を防止することができる。

　以上、圧縮機１０４及び該圧縮機１０４を備えた空気調和機の室外機１００を実施の形態に基づいて説明したが、圧縮機１０４及び該圧縮機１０４を備えた空気調和機の室外機１００は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば圧縮機１０４及び空気調和機の室外機１００は、上述した構成要素に限定されるものではなく、他の構成要素を含んでもよい。また、ターミナルカバー４及びプロテクタホルダ８は、上記構成に限定されず、容器１及びサーマルプロテクタ５の形状又は大きさ等によって、適宜変更して設けるものとする。要するに、圧縮機１０４及び該圧縮機１０４を備えた空気調和機の室外機１００は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。

　１　容器、２　端子部、３　ロッド、４　ターミナルカバー、４ａ　端子保護部、４ｂ　ロッド挿入部、５　サーマルプロテクタ、６　サーミスタ、７　サーミスタ取付部材、８　プロテクタホルダ、１０　吸入管、１１　吸入マフラー、１２　吐出管、１３　外表面、２０　電源線、３０　ナット、４０　貫通孔、４１　壁体、４２　係止部、４２ａ　溝部、４３　保持部、５０　プロテクタ本体部、５１　リード線、７０　掛止部、７１　固定部、８０　収容部、８０ａ　載置面部、８０ｂ　壁面部、８０ｃ　開口部、８０ｄ　突起部、８１　仮固定部、８１ａ　突部、８２　連結部、１００　室外機、１０１　筐体、１０１ａ　前側面パネル、１０１ｂ　右側面パネル、１０１ｃ　底面パネル、１０１ｄ　天面パネル、１０１ｅ　ファンガード、１０１ｆ　脚部、１０１ｇ　仕切り板、１０１ｈ、１０１ｉ　開口部、１０２　熱交換器、１０３　送風機、１０４　圧縮機、１０５　冷媒配管、１０６　電装品ユニット、１０７　電源ユニット、１０８　保護カバー、Ａ　送風機室、Ｂ　機械室、Ｓ　隙間。

Claims

　外殻を構成する容器と、
　前記容器の上面から突出し、前記容器の内部に電力を供給する端子部と、
　前記容器の上面から突出するロッドと、
　前記端子部を覆って保護し、前記ロッドによって前記容器に固定されるターミナルカバーと、
　圧縮機の温度を検出するサーマルプロテクタと、を備え、
　前記サーマルプロテクタは、前記端子部と前記ロッドとの間に形成された平面状の外表面に当接させて固定されている、圧縮機。
　前記サーマルプロテクタは、前記ロッドによって前記容器に固定された前記ターミナルカバーに押さえ付けられて、前記容器の外表面に当接させて固定されている、請求項１に記載の圧縮機。
　前記サーマルプロテクタを収容すると共に、前記ターミナルカバーに仮固定されるプロテクタホルダを更に備えており、
　前記サーマルプロテクタは、前記プロテクタホルダに収容されて保持された状態で、前記容器の外表面に当接させて固定されている、請求項１又は２に記載の圧縮機。
　前記プロテクタホルダは、
　前記サーマルプロテクタを収容する凹形状の収容部と、
　前記ターミナルカバーに仮固定される仮固定部と、
　前記収容部と前記仮固定部とを連結する連結部と、を有している、請求項３に記載の圧縮機。
　前記収容部は、
　前記サーマルプロテクタを載置させる載置面部と、
　前記載置面部から立ち上がり、前記サーマルプロテクタの周囲のうち少なくとも一部を囲う壁面部と、を有している、請求項４に記載の圧縮機。
　前記壁面部は、前記容器の外表面に当接させる前記サーマルプロテクタの接触面を、前記収容部から前記容器の外表面に向かって突き出させる大きさで形成されている、請求項５に記載の圧縮機。
　前記壁面部には、前記収容部に収容した前記サーマルプロテクタに突き当たり、前記サーマルプロテクタの位置を固定させる突起部が設けられている、請求項５又は６に記載の圧縮機。
　前記仮固定部は、弾性性能を有しており、
　前記ターミナルカバーには、前記仮固定部が挿入される凹状の係止部が設けられており、
　前記係止部に挿入された前記仮固定部は、弾性性能によって前記係止部の内部で仮固定されている、請求項４～７のいずれか一項に記載の圧縮機。
　前記係止部及び前記仮固定部のいずれか一方に溝部が設けられ、前記係止部及び前記仮固定部のいずれか他方に前記溝部に嵌まる突部が設けられている、請求項８に記載の圧縮機。
　前記サーマルプロテクタは、リード線を有しており、
　前記ターミナルカバーには、前記サーマルプロテクタが前記プロテクタホルダに収容された状態で、前記リード線に位置を保持する保持部が設けられている、請求項３～９のいずれか一項に記載の圧縮機。
　請求項１～１０のいずれか一項に記載した圧縮機を備えた、空気調和機の室外機。