WO2022014126A1 - 分析装置、分析方法、分析装置用プログラム、分析用学習装置、分析用学習方法及び分析用学習装置用プログラム - Google Patents

分析装置、分析方法、分析装置用プログラム、分析用学習装置、分析用学習方法及び分析用学習装置用プログラム Download PDF

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Abstract

測定試料から得られるスペクトルデータに基づいて測定試料を分析するものであって、所定複数成分の合計分析値が既知である参照試料のスペクトルデータと、参照試料の合計分析値との相関を示す相関データを格納している相関データ格納部と、測定試料のスペクトルデータに、前記相関データを適用して、測定試料に含まれる所定複数成分の合計分析値を算出する算出本体部とを備え、前記参照試料が、前記所定複数成分を含む第1参照試料と、当該第1参照試料に含まれる一つ又は複数の成分からなる第2参照試料とを含み、相関データが、前記第1参照試料のスペクトルデータと、当該第1参照試料に含まれる所定複数成分の合計分析値とを含む第1参照試料データと、前記第2参照試料のスペクトルデータと、当該第2参照試料に含まれる所定複数成分の合計分析値とを含む第2参照試料データと、を教師データとして算出した機械学習モデルを示すものである分析装置。

Description

分析装置、分析方法、分析装置用プログラム、分析用学習装置、分析用学習方法及び分析用学習装置用プログラム
 本発明は、測定試料から得られるスペクトルデータに基づいて当該測定試料を分析する分析装置に関するものである。
 従来、例えば自動車の排ガス等に含まれる全炭化水素(以下において、THCともいう)の濃度や量の測定には、FID分析装置や、FTIRなどの分光分析装置が用いられている。
 FID分析装置は、分析精度において優れてはいるものの、助燃ガスとしての水素ガス(H2)や、キャリアガスとしてのヘリウムガス(He)を供給しなければならないので、取り扱いの難しさやランニングコストの増大などの問題がある。
 他方、FTIR分析装置は、より簡便に取り扱えてランニングコストも安価に済むという利点があるものの、分析精度に難がある。すなわちFTIR装置においては、光スペクトルから各炭化水素(HC)の濃度をそれぞれ個別に求め、次にそれ等を重みづけして足し合わせるという二段階の演算を行っており、各HCの濃度測定で生じ得る誤差に、重みづけ係数の設定において生じ得る誤差が重畳されるので、測定精度を向上させることが難しい。
 FTIR分析装置における測定精度を向上させるべく、特許文献1には、参照試料に光を当てて得られる光スペクトルとTHC濃度との間の相関を機械学習により算出し、この算出した相関を示す機械学習モデルに測定試料の光スペクトルを適用して、THC濃度を推定するようにしたFTIR分析装置が記載されている。この特許文献1では、測定試料と同種の、複数種類の炭化水素を含むガス(例えば自動車の排ガス等)を参照試料として用いることが記載されている。
WO2019/031331号公報
 しかしながら、排ガス中には互いの相関が高い多くの炭化水素が混在しているため、上記した特許文献1の分析装置のように、排ガスの光スペクトルのみを教師データとして機械学習を行う場合には、THC濃度に対する各炭化水素の寄与を分離して学習することが困難であるという問題がある。そのため、例えば測定試料中の炭化水素の組成が、学習したデータにおける炭化水素成分から外れると、十分な分析精度が得られにくいという、所謂過学習の問題が生じることがある。
 そこで、本発明は、測定試料のスペクトルデータからTHC等の所定複数成分の合計分析値を推定するFTIR分光分析装置等の分析装置において、測定精度を向上させることをその主たる所期課題とするものである。
 すなわち本発明に係る分析装置は、測定試料から得られるスペクトルデータに基づいて当該測定試料を分析するものであって、所定複数成分の合計分析値が既知である参照試料のスペクトルデータと、当該参照試料の合計分析値との相関を示す相関データを格納している相関データ格納部と、前記測定試料のスペクトルデータに、前記相関データ格納部に格納された相関データを適用して、当該測定試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値を算出する算出本体部とを備え、前記参照試料が、前記所定複数成分を含む第1参照試料と、当該第1参照試料に含まれる一つ又は複数の成分からなる第2参照試料とを含み、前記相関データが、前記第1参照試料のスペクトルデータと、当該第1参照試料の合計分析値とを含む第1参照試料データと、前記第2参照試料のスペクトルデータと、当該第2参照試料の合計分析値とを含む第2参照試料データと、を教師データとして機械学習により算出した機械学習モデルを示すデータであることを特徴とする。
 なお、スペクトルデータとは、測定試料(又は参照試料)を透過、反射又は散乱した光のスペクトルデータの他、測定試料(又は参照試料)で吸収された光のスペクトルデータ(吸光スペクトルデータ)や、測定試料(又は参照試料)に含まれる干渉成分による影響を軽減又は取り除いた補正吸光スペクトルデータ、更には測定試料(又は参照試料)をイオン化することにより得られるマススペクトルをも含むものである。
 また、合計分析値とは、複数成分の濃度の合計値、質量の合計値など、複数各成分の物理量の合計値のことである。
 このようなものであれば、合計分析値の算出に用いられる機械学習モデルは、複数成分を含む第1参照試料(例えば複数の炭化水素を含む排ガス等)の測定データだけでなく、第1参照試料に含まれる一つ又は複数の成分からなる第2参照試料(例えば炭化水素)の測定データを教師データとして学習したものであるので、例えば複数成分の合計分析値に対する各成分の寄与度等を学習したより精度の高いものとなっている。このように精度が向上し、測定試料の構成成分の変化に対するロバスト性が向上した機械学習モデルを用いることにより、測定試料のスペクトルデータから所定の成分の合計分析値を推定する分析装置において、その分析精度を向上することができる。なお、第2参照試料は、少なくとも第1参照試料に含まれる成分を含んでいればよく、第1参照試料に含まれる成分以外の成分を含んでいてもよい。
 第2参照試料として、前記所定複数成分を構成する一つ又は複数の成分からなるものを用いることが好ましい。
 このようなものであれば、合計分析値(例えばTHC濃度)に対する各成分(例えば炭化水素)の寄与を個別に学習することで、機械学習モデルの過学習を回避することができ、分析装置の分析精度をより向上することができる。
 また別の第2参照試料としては、合計分析値がゼロである一つ又は複数の成分からなるものを用いることが好ましい。この場合、第2参照試料を構成する成分は、測定試料に含まれる成分であることが好ましい。
 このようなものであれば、所定複数成分の合計分析値に寄与しない成分のスペクトルを学習させることができ、測定試料にこのような成分が含まれている場合に、所定複数成分の合計分析値に誤って加算されてしまうことを防ぐことができる。
 ところで、測定試料が排ガスである場合、例えば、図8に示すように、排ガス中のTHC濃度とHO濃度との間には、一見すると線形関係があるかのように見えるが、運転条件によっては関係性が変化することがある(点線領域)。すなわち、排ガス中のTHC濃度とHO濃度との間には擬似相関があると言える。このような測定データを学習すると、出現頻度の低い点線領域のデータは重要視されず、HOによる吸収を表している波数をTHCの推定に使用する学習モデルが出来上がってしまい、点線領域においては分析精度が悪化してしまう。
 そのため、第2参照試料としては、合計分析値との間に擬似相関がある一つ又は複数の成分からなるものを用いることが好ましい。
 このようなものであれば、所定複数成分の合計分析値との間に擬似相関がある成分については、合計分析値に寄与しないことを学習させることで、上記したような擬似相関を学習してしまうことを回避でき、分析装置の分析精度をより向上することができる。
 また、例えば自動車等において、エンジンの失火時や極低温時等には、燃料の燃焼が極めて悪化し、未燃焼の燃料蒸気が排ガス中に多く含まれ、通常の排ガス成分よりもより重質な炭化水素成分を多く含むことになる。そのため、前記第2参照試料として前記排ガスを生じさせる燃料を用いることが好ましい。
 このようなものであれば、燃料のスペクトルを学習させることで、上記したエンジンの失火や極低温時のような事象も含めた広範囲な条件でも高精度に分析することができる。
 より精度が高く、測定試料の構成成分の変化に対してロバストな機械学習モデルを利用するには、前記第2参照試料は、前記第1参照試料に含まれる成分からなるものであることが好ましい。
 また前記分析装置は、前記相関データ格納部には燃料種毎に算出された複数の相関データが格納されており、前記算出本体部が、前記測定試料を発生させる燃料種に応じて、前記測定試料から得られるスペクトルデータに適用する相関データを切り替えるのが好ましい。
 このようにすれば、燃焼種毎に算出された相関データを使い分けることにより、分析精度をより向上できる。
 本発明の効果が顕著に奏される具体的態様としては、前記測定試料又は第1参照試料が自動車の排ガスであり、分析対象となる成分としてハイドロカーボン(HC)を挙げることができる。また、所定複数成分の合計分析値としてTHC濃度を挙げることができる。
 また、本分析装置はFTIR方式のものが好ましく、THCを分析する場合には、参照試料の合計分析値をFID分析装置により測定することが好ましい。
 参照試料だけを用いて相関のみを算出する機能に特化させた分析用学習装置も、本発明の一つである。
 その場合は、所定複数成分の合計分析値が既知である参照試料から得られるスペクトルデータを受け付ける受付部と、互いに異なる複数の前記参照試料の合計分析値とスペクトルデータとを含む参照試料データを格納している参照試料データ格納部と、前記参照試料データを教師データとして、各参照試料のスペクトルデータと合計分析値との間に共通する相関を機械学習により算出する相関算出部とを備え、前記参照試料が、前記所定複数成分を含む第1参照試料と、当該第1参照試料に含まれる、一つ又は複数の成分からなる第2参照試料とを含み、前記参照試料データが、前記第1参照試料のスペクトルデータと、当該第1参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第1参照試料データと、前記第2参照試料のスペクトルデータと、当該第2参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第2参照試料データと、を含むようにしたものが好適である。
 このように構成した本発明によれば、FTIR分光分析装置等の分析装置において、測定精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態における分析装置を含む排ガス測定システムの全体図。 同実施形態における分析装置の全体を示す模式図。 同実施形態における演算処理装置の機能ブロック図。 同実施形態における分析装置の動作を示すフローチャート。 同実施形態の分析装置を用いた実験結果を示すグラフ。 同実施形態の分析装置を用いた実験結果を示すグラフ。 他の実施形態における演算処理装置の機能ブロック図。 THCとHOの擬似相関を説明する図。
 100・・・分析装置
 51・・・主分析部
 52・・・合計分析値算出部
 521・・・相関算出部
 522・・・算出本体部
 53・・・受付部
 以下に本発明の一実施形態に係る分析装置100について図面を参照して説明する。
 本実施形態の分析装置100は、排ガス測定システム200の一部を構成するものである。この排ガス測定システム200は、図1に示すように、シャシダイナモ300と、FID分析装置400と、本分析装置100とを具備している。
 本分析装置100は、いわゆるFTIRと称されるフーリエ変換型赤外分光分析装置であり、測定対象に含まれる無機化合物、炭化水素、窒素化合物等の1つ又は複数の成分の濃度等を同時算出するのに使用されるものである。具体的にこの分析装置100(以下、区別のため、FTIR分析装置100ということもある。)は、図2に示すように、光源1、干渉計(分光部)2、試料セル3、光検出器4、演算処理装置5等を具備している。
 光源1は、ブロードなスペクトルを有する光(多数の波数の光を含む連続光)を射出するものであり、例えばタングステン・ヨウ素ランプや、高輝度セラミック光源が用いられる。
 干渉計2は、同図に示すように、1枚のハーフミラー(ビームスプリッタ)21、固定鏡22及び移動鏡23を具備した、いわゆるマイケルソン干渉計を利用したものである。この干渉計2に入射した前記光源1からの光は、前記ハーフミラー21によって反射光と透過光に分割される。一方の光は固定鏡22で反射され、もう一方は移動鏡23で反射されて、再びハーフミラー21に戻り、合成されて、この干渉計2から射出される。
 試料セル3は、測定試料である排ガスが導入される透明セルであり、前記干渉計2から出た光が、該試料セル3内の測定試料を透過して前記光検出器4に導かれるようにしてある。
 光検出器4は、ここでは、いわゆるMCT光検出器4と称されるものである。
 演算処理装置5は、バッファ、増幅器などを有したアナログ電気回路と、CPU、メモリ、DSPなどを有したデジタル電気回路と、それらの間に介在するA/Dコンバータ等を有したものである。
 該演算処理装置5は、前記メモリに格納した所定プログラムにしたがってCPUやその周辺機器が協動することにより、図3に示すように、試料を透過した光のスペクトルを示す透過光スペクトルデータを前記光検出器4の出力値から算出し、該透過光スペクトルデータから吸光スペクトルデータを算出して測定試料に含まれる種々の成分を特定し、かつそれぞれの成分の濃度(又は量)算出する主分析部51としての機能を発揮する。
 この主分析部51は、スペクトルデータ生成部511と、個別成分分析部512とを具備している。
 移動鏡23を進退させ、試料を透過した光強度を移動鏡23の位置を横軸にとって観測すると、単波数の光の場合、干渉によって光強度はサインカーブを描く。一方、試料を透過した実際の光は連続光であり、前記サインカーブは波数毎に異なるから、実際の光強度は、各波数の描くサインカーブの重ね合わせとなり、干渉パターン(インターフェログラム)は波束の形となる。
 前記スペクトルデータ生成部511は、移動鏡23の位置を例えば図示しないHeNeレーザなどの測距計によって求めるとともに、移動鏡23の各位置における光強度を光検出器4によって求め、これらから得られる干渉パターンを高速フーリエ変換(FFT)することによって、各波数成分を横軸とした透過光スペクトルデータに変換する。そして、例えば試料セルが空の状態で予め測定しておいた透過光スペクトルデータに基づいて、測定試料の透過光スペクトルデータを吸光スペクトルデータにさらに変換する。
 前記個別成分分析部512は、例えば吸光スペクトルデータの各ピーク位置(波数)及びその高さから測定試料に含まれる種々の成分を特定し、かつそれぞれの成分の濃度(又は量)を算出する。
 しかして、本実施形態の分析装置100は、測定試料である排ガス中のTHC濃度(又は量)を測定する排ガス分析装置として使用される。この実施形態では、図3に示すように、測定試料のTHC濃度(又は量)を精度よく測定できるように、前記演算処理装置5に、受付部53、合計分析値算出部52等としての機能をさらに付与してある。
 この受付部53は、FID分析装置400で測定された複数種類の炭化水素を含むガス(ここでは排ガス)のTHC濃度を受け付けるものである。このFID分析装置400で測定されたTHC濃度が既知となった排ガスを、以下では第1参照試料という。
 ところで、この第1参照試料は、FID分析装置400とともに本FTIR分析装置100にも導入され、その吸光スペクトルデータが前記主分析部51によっても取得されるようにしている。そして前記受付部53は、主分析部51で算出される中間情報である当該第1参照試料の吸光スペクトルデータをも受け付け、これをFID分析装置400によって測定された第1参照試料のTHC濃度と紐づけて、第1参照試料データとし、これをメモリの所定領域に設定された参照試料データ格納部D1に格納する。
 ここで本実施形態の分析装置100では、受付部53は、排ガスだけでなく、複数の単成分ガスのTHC濃度を更に受け付けるように構成されている。この各単成分ガスのTHC濃度は予め求められており、このTHC濃度が既知となっている各単成分ガスを、以下では第2参照試料という。
 具体的にこの第2参照試料は、第1参照試料に含まれる一つ又は複数の成分から構成されるものであり、より具体的には、
(1)メタン(CH)、トルエン(C)及びオクタン(C18)等の炭化水素ガス(請求項でいう、所定複数成分を構成する成分)、
(2)カルボニル炭素(C=O二重結合を持つ炭素)を含むガス(ホルムアルデヒド及びギ酸等)等、FID分析装置に対する感度が無いFID不感ガス(請求項でいう所定複数成分の合計分析値がゼロである成分)、
(3)無機ガス(HO、CO、CO、NO、NO、NO及びNH等)等、排ガス中のTHC濃度との間に擬似相関がある擬似相関ガス(請求項でいう、所定複数成分の合計分析値との間に擬似相関がある成分)
等である。
 第2参照試料のTHC濃度は、FID分析装置400により予め測定されたものでもよく、或いは単成分ガス濃度が既知であれば、当該ガス濃度に基づいて算出したものであってもよい。また第2参照試料を構成する単成分ガスが理論上THC濃度に寄与しないものである場合、測定することなくそのTHC濃度をゼロとしてもよい。本実施形態では、FID分析装置に対する感度がある“炭化水素ガス”のTHC濃度は、FID分析装置400により測定する。一方、理論上THC濃度に寄与しないガスである、“FID不感ガス”及び“擬似相関ガス”のTHC濃度は、FID分析装置400により測定することなくゼロとする。
 この第2参照試料は、第1参照試料と同様に、本FTIR分析装置100に導入され、その吸光スペクトルデータが前記主分析部51によって取得されるようにしている。そして前記受付部53は、主分析部51で算出される中間情報である当該第2参照試料の吸光スペクトルデータをも受け付け、これを第2参照試料のTHC濃度と紐づけて、第2参照試料データとし、これを参照試料データ格納部D1に格納する。
 さらに、この実施形態においては、本システムに設けられた図示しないセンサやオペレータによる入力により、第1参照試料及び第2参照試料の温度及び圧力を少なくとも含む周辺状況データを取得できるようになっている。そして前記受付部53は、当該第1参照試料及び第2参照試料の周辺状況データを取得して、第1参照試料データ及び第2参照試料データにそれぞれ付帯させ、参照試料データ格納部D1に格納するように構成してある。
 前記合計分析値算出部52は、参照試料データ格納部D1に格納された複数の参照試料データを教師データとして、測定試料(排ガス)の吸光スペクトルデータから当該測定試料におけるTHCの濃度を算出するものであり、より具体的には、相関算出部521と算出本体部522とを備えている。なお、このTHCが請求項でいう複数成分にあたり、THC濃度が請求項でいう合計分析値にあたる。
 前記相関算出部521は、参照試料データ格納部D1に格納されている複数の第1参照試料データを教師データとして参照し、それら第1参照試料データに共通する、吸光スペクトルデータとTHC濃度との相関を機械学習し、機械学習モデルを算出するものである。
 ここで相関算出部521は、より精度の高い機械学習モデルを算出すべく、複数の第2参照試料データをも教師データとして参照するようにしている。
 具体的には、相関算出部521は、炭化水素ガスの吸光スペクトルデータ及びTHC濃度を含む第2参照試料データを教師データとすることで、第1参照試料の吸光スペクトルデータにおける各炭化水素成分の寄与を個別に学習するようにしている。
 また相関算出部521は、FID不感ガスの吸光スペクトルデータ及びTHC濃度(=0)を含む第2参照試料データを教師データとすることで、カルボニル炭素を含む成分(すなわち、FID分析装置による感度が無い成分)がTHC濃度に寄与しないことを学習するようにしている。
 また相関算出部521は、擬似相関ガスの吸光スペクトルデータ及びTHC濃度(=0)を含む第2参照試料データを教師データとすることで、擬似相関ガスがTHC濃度に寄与しないことを学習(すなわち、擬似相関の学習を回避)するようにしている。
 このようにして相関算出部521が算出した機械学習モデルを示す相関データは、メモリの所定領域に設定された相関データ格納部D2に格納される。
 なお、この相関算出部521においては、各参照試料データが追加されるたびに学習を繰り返し、相関を更新するので、各参照試料データが多いほど、その相関精度は向上していく。
 また、この実施形態での相関算出部521は、各参照試料の周辺状況データをもパラメータとして前記相関を算出する、すなわち、相関が各参照試料の温度や圧力などに応じても変わるように構成してあるが、相関の算出に当たって周辺状況データを参照しなくともよい。
 算出本体部522は、前記相関算出部521が算出した相関を測定試料のスペクトルデータに当てはめて測定試料のTHC濃度を算出するものである。このとき、受付部53においては測定試料の周辺状況データを取得するようにしてあるので、当該算出本体部522は、THC濃度の算出にあたり、測定試料の周辺状況データに対応する相関を適用するようにしている。
 次にかかる構成の排ガス測定システム200の動作を図4を参照して説明する。
 学習動作について説明する。まず、第1参照試料の吸光スペクトルデータ及びTHC濃度を取得する(ステップS1)。具体的には、シャシダイナモ300上で自動車を運転し、第1参照試料である排ガスをFID分析装置400及びFTIR分析装置100に導く。なお、シャシダイナモ300上での自動車の運転に限らず、エンジンダイナモに接続されたエンジンを運転してもよいし、駆動系ダイナモにトランスミッション等の駆動系部品を運転してもよい。すると、FID分析装置400ではTHC濃度が測定され、一方、FTIR分析装置100では、前記主分析部51によって当該排ガスの吸光スペクトルデータが測定される。この実施形態では、FID分析装置400及びFTIR分析装置100は、例えば、一定タイミング(数msec~数sec)ごとに同期して排ガス測定(分析)を行う。各測定の都度、前記受付部53は、主分析部51で算出された排ガスの吸光スペクトルデータ及びFID分析装置400で分析された当該排ガスのTHC濃度を取得し、第1参照試料データとして参照試料データ格納部D1に次々格納する。このとき、前記受付部53は、当該排ガスの温度及び圧力を取得して前記参照試料データに付帯させ、参照試料データ格納部D1に格納する。
 しかして、自動車のエンジン状態は、運転開始からの時間経過やエンジン回転数の変動にともなって種々変化し、それに伴って排ガスの状態(成分や圧力、温度)も逐次変化していくため、上述した逐次測定によって、少なくともTHC濃度が互いに異なる複数の参照試料のデータが得られる。
 次に、第2参照試料である単成分ガスの吸光スペクトルデータ及びTHC濃度を取得する(ステップS2)。
 具体的には、まず第2参照試料である炭化水素ガス(単成分)を、ガスボンベ等からFID分析装置400及びFTIR分析装置100に導く。そして、上記した第1参照試料と同様に、FID分析装置400でTHC濃度を測定し、FTIR分析装置100で炭化水素ガスの吸光スペクトルデータを測定し、当該測定されたTHC濃度と吸光度スペクトルデータを、第2参照試料データとして参照試料データ格納部D1に格納する。ここでは、互いに異なる複数種類の炭化水素ガス(メタン、トルエン、オクタン等)を、FID分析装置400及びFTIR分析装置100に順に導き、各炭化水素ガスに対するTHC濃度及び吸光度スペクトルデータを順に取得して格納するようにする。
 次に、第2参照試料であるFID不感ガス(単成分)を、ガスボンベ等からFTIR分析装置100に導き、FTIR分析装置100でFID不感ガスの吸光スペクトルデータを測定する。ここで受付部53には、FID不感ガスのTHC濃度(すなわち、ゼロ)がオペレータにより予め入力されている。受付部53は、FID不感ガスの吸光スペクトルデータが測定される都度、予め入力されたTHC濃度と紐付け、第2参照試料データとして参照試料データ格納部D1に格納する。炭化水素ガスと同様に、互いに異なる複数種類のFID不感ガス(ホルムアルデヒド、ギ酸等)を、FTIR分析装置100に順に導き、各FID不感ガスのTHC濃度及び吸光度スペクトルデータを順に格納する。
 次に、第2参照試料である擬似相関ガス(単成分ガス)をガスボンベ等からFTIR分析装置100に導き、FID不感ガスと同様に、測定される吸光スペクトルデータと、予め入力されたTHC濃度(すなわち、ゼロ)と紐付け、第2参照試料データとして参照試料データ格納部D1に格納する。
 そして、前記相関算出部521が、参照試料データ格納部D1に格納されている多くの第1参照試料データ及び第2参照試料データを参照し、吸光スペクトルデータとTHC濃度との相関を機械学習によって算出し(ステップS3)、その結果得られた相関を前記相関データ格納部D2に格納する(ステップS4)。
 これで学習が終了する。
 このように学習が終了した後、FID分析装置400を用いることなく、FTIR分析装置100だけを用いた実際のTHC濃度測定を行うことができることとなる。このTHC濃度測定にあたっては、試験対象となる他の自動車をシャシダイナモ300に設置して運転し、その排ガスをFTIR分析装置100に導く。
 FTIR分析装置100では、主分析部51が、排ガスの吸光スペクトルデータを取得する(ステップS5)。すると前記合計分析値算出部52(算出本体部522)が、前記相関データ格納部D2に格納されている相関を吸光スペクトルデータに適用してTHC濃度を算出する(ステップS6)。
 しかして、このように構成した本分析装置100によれば、複数の炭化水素成分を含む排ガス(第1参照試料)の測定データだけでなく、炭化水素ガス、FID不感ガス及び擬似相関ガス等の単成分ガス(第2参照試料)の測定データを教師データとして学習するようにしているので、THC濃度に対する各炭化水素成分の寄与度、THC濃度に対する寄与度が無い成分、擬似相関がある成分についての情報を学習した精度度の高い機械学習モデルを算出することができる。そしてこのように精度の高い機械学習モデルを用いることにより、測定試料のスペクトルデータからTHC濃度を高い精度で推定することができる。
 ここで、本発明の一実施形態の分析装置100(分析装置A)によるTHC濃度の分析精度と、従来の分析装置(分析装置B)によるTHC濃度分析精度との比較を、図5に示す。分析装置Aは、上記した排ガス(第1参照試料)と、炭化水素ガス、FID不感ガス及び擬似相関ガス(第2参照試料)とを教師データとして学習した機械学習モデルを用いてTHC濃度を算出するものである。一方、分析装置Bは、排ガス(第1参照試料)のみを教師データとして学習した機械学習モデルを用いてTHC濃度を算出するものである。これらの分析装置を用いて、様々な条件でテスト走行させた車両からの排ガスを分析し、THC濃度を算出した。また当該排ガスをFID分析装置でも分析してTHC濃度を算出し、各分析装置が測定したTHC濃度との誤差(推定誤差)を算出した。その結果を図5に示す。図6は、図5の点線領域及び2点鎖線領域における排ガスの状態(ガス濃度/THC比率)を示すグラフである。
 図5から分かるように、排ガスのみを教師データとして学習した分析装置Bでは、推定誤差が平均的に10%程度となった。これに対して、排ガスに加えて、炭化水素ガスとFID不感ガスと擬似相関ガスとを更に教師データとして学習した分析装置Aでは、全ての測定対象に対して推定誤差が5%以下となり、分析精度が向上していることが分かった。特に、メタンの割合が少ない条件(図5及び図6の点線領域)に比べて、メタンの割合が多い条件(図5及び図6の2点鎖線領域)では、炭素水素ガス等の第2参照試料を教師データとして学習することによる分析精度向上の効果が顕著になった。
 なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
 例えば、THCの吸光度は、測定対象に水分やその他の干渉成分が含まれているから、それらの影響を低減ないし排除した補正吸光スペクトルに基づいてTHC濃度を算出するようにしてもよい。このようにすれば、分析精度がさらに向上する。
 さらに、本分析装置から個別成分分析部512及び算出本体部522の機能を排除するとともに参照試料のみを導入するようにして、相関算出だけを行う分析用学習装置を構成してもよい。この分析用学習装置によって求められた相関は、他のFTIR分析装置で利用することができる。
 さらに、相関の算出にあたって、第1参照試料及び第2参照試料の温度、圧力などのように、試料の物理的属性に係る値のみならず、他の周辺状況データをパラメータとしてもよい。例えば、エンジンの燃焼情報(過給、EGR、リッチ/ストイキ/リーン、層流、均一流、直噴、ポート噴射などに係る情報)、エンジンのヘッド形状、点火時期、触媒の構成、燃料の種類、燃料の酸素量、無機ガス成分、soot濃度、SOF濃度、エンジン型式、エンジン回転数、負荷情報、ホットスタート、コールドスタート、酸素濃度、触媒温度、ギア比、室温等をパラメータとして加味してもよい。また、算出される相関は、これらの1つ又は複数のパラメータ毎(例えば、エンジン形式毎、燃焼系毎、触媒毎、燃料種毎等)に分かれていてもよい。すなわち、分析装置100は、相関データ格納部D2に格納されている相関データとして、1つ又は複数のパラメータ毎に分類された複数種類の相関データを備えていてもよい。
 これとは逆に、前記周辺状況データの全部または一部を相関算出のパラメータとはせず、分析装置で算出測定されたTHC濃度(合計分析値)に影響を強く及ぼす(つまり関連の高い)周辺状況データを抽出するような構成にしても構わない。
 このようにすれば、THC濃度と関連度の高い周辺状況データ、すなわち設計パラメータを把握することができるので、自動車メーカーや触媒メーカーに対し、設計開発支援システムとして提供することが可能になる。
 相関に用いる周囲状況データによっては、例えば、エンジンの型式が異なった場合には、都度、再学習をしなければならなくなる場合もある。その点でいえば、加味する周辺状況データを少なくし、スペクトルデータとTHC濃度(合計分析値)との相関を取ることができれば、より汎用性は高くなる。具体的には、相関算出には、周辺状況データを一切加味しなくともよいし、試料自身の物理状態(例えば、圧力、温度、屈折率、粘度など)については相関算出に加味し、その他の外部属性(例えば、エンジンの型式、点火時期など)については相関算出には加味しないといった態様も考えられる。
 相関の算出にあたって周辺状況として排ガス(第1参照試料)の温度をパラメータとする場合、シャシダイナモ300上の自動車のテールパイプの出口温度をセンサ等により測定し、当該測定した温度をパラメータにすることが好ましい。
 学習及び分析に用いるスペクトルデータの範囲は、分析対象成分が含まれる波数範囲のみでもよいし、それを超えた所定範囲まで拡げてもよい。また干渉成分の波数範囲を除くようにしてもよい。
 具体的には、学習・分析に用いるスペクトルデータの範囲を2800cm-1以上3200cm-1以下にしてもよい。
 スペクトルデータの範囲がこのようなものであれば、分析対象成分であるHCの波数範囲を含むとともに、干渉成分である水の波数範囲(約3400cm-1以上)が除かれるので、測定試料のTHC濃度の算出における水の影響を低減でき、測定精度をより向上することができる。
 分子量の小さいHCについては各濃度を主分析部51で求めておき、分子量の大きな1又は複数のHCの合計濃度を、THC濃度から差し引いて算出してもよい。
 また他の実施形態では、相関データ格納部D2には、THC濃度の濃度区分毎に算出された複数(例えば2以上)の相関データが格納されていてもよい。この場合、相関算出部521は、THC濃度を複数(例えば2以上)の濃度区分に分けて、この濃度区分毎に吸光スペクトルデータとTHC濃度の相関を算出し、その相関データを相関データ格納部D2に格納してよい。そして算出本体部522は、測定試料の吸光スペクトルデータを受け付けると、当該吸光スペクトルデータの面積等に基づいて、相関データ格納部D2に格納された複数の相関データから当該吸光スペクトルデータに適した1つの相関データを選択し、当該選択した相関データを測定試料のスペクトルデータに当てはめて、測定試料のTHC濃度を算出するようにしてもよい。
 また他の実施形態では、相関データ格納部D2には、燃料種(例えば、ガソリン、アルコール含有量、バイオ系エーテル等)毎に算出された複数の相関データが格納されていてもよい。この場合、算出本体部522は、測定試料である排ガスを発生させる燃料種に応じて、相関データ格納部D2に格納された複数の相関データから最も近い燃料種の相関データを選択し、この選択した相関データを用いて測定試料のTHC濃度を算出するようにしてもよい。この場合、算出本体部522は、個別成分分析部512が算出した各個別成分の濃度や、スペクトルデータ生成部511が生成した吸光スペクトルデータに基づいて燃料種を特定するように構成されていてもよい。
 またこの場合、分析装置100は、測定試料の吸光スペクトルデータと燃料種との相関を機械学習により算出した燃料種相関データを格納する燃料種相関データ格納部を更に備えていてもよい。この場合、算出本体部522は、測定試料の吸光スペクトルデータを受け付けると、当該吸光スペクトルデータに燃料種相関データが示す相関を当てはめ、燃料種を特定するようにしてもよい。そして特定した燃料種に応じた相関データを相関データ格納部D2から選択して、THC濃度を算出するようにしてもよい。
 前記実施形態の分析装置100は、参照試料のスペクトルデータとTHC濃度の相関を自ら算出するものであったがこれに限らない。他の実施形態の分析装置100は、相関算出だけを行う他の分析用学習装置により予め算出された相関を用い、その相関に基づいて測定試料のスペクトルデータから直接的にTHC濃度を算出するようにしてもよい。
 具体的には分析装置100は、図7に示すように、演算処理装置5が参照試料データ格納部D1及び相関算出部521としての機能を有さないように構成されてもよい。ここでは受付部53が、他の分析用学習装置が予め算出した相関を示す相関データ(すなわち、学習済みデータ)を、ネットワーク等を介して受付けるとともに相関データ格納部D2に予め格納しておいてよい。そして算出本体部522が、相関データ格納部D2に予め格納されている相関データを測定試料の吸光スペクトルデータに当てはめて測定試料のTHC濃度を算出するようにしてよい。
 なお受付部53は、所定の期間毎に他の分析用学習装置から新しい相関データを受け付けて、相関データ格納部D2に格納されている相関データを定期的に更新するようにしてよい。
 前記実施形態では、第2参照試料として、炭化水素ガス、FID不感ガス及び擬似相関ガスの全てを用いていたが、これに限らない。他の実施形態では、第2参照として、これらの一部だけを用いてもよく、これら以外の単成分ガスを用いてもよい。また、気体に限らず液体であってもよい。
 また前記実施形態では、第2参照試料として用いた炭化水素ガス、FID不感ガス及び擬似相関ガスは単成分からなるものであったが、これに限らない。他の実施形態では、第2参照試料は、第1参照試料と異なり、かつそのTHC濃度が既知であれば、複数成分からなるものであってもよい。
 また他の実施形態では、第2参照として、測定試料である排ガスを発生させる燃焼源である燃料(液体、気体のいずれの状態でもよい)を用いてもよい。
 第1参照試料及び測定試料は、前記実施形態では排ガスであったが、大気やその他のガス、あるいは液体でも構わない。
 また、第1参照試料は、測定試料と同種のものである必要はなく、例えば窒素などの主成分に分析対象となる複数成分を混合して生成した標準ガス等を用いてもよい。この場合は、複数成分の合計分析値が既知なので、参照試料の複数成分を分析するための他の分析装置を用いる必要はない。
 さらに、分析対象となる成分は、炭化水素(HC)に限られず、非メタン炭化水素(NMHC)、非メタン非エタン炭化水素(NMNEHC)、土壌中の石油炭化水素(PH)、環境大気中の揮発性有機化合物(VOC)、石油系燃料の発熱量、窒素酸化物、ダイオキシンなど、その他の成分でもよい。
 本発明の分析装置は、複数成分を測定し、それらを足し合わせた成分を測定するような分析装置であれば適用可能である。例えば光を測定試料に照射してそのスペクトルから分析をするものや、測定試料をイオン化して得られるマススペクトルにより分析するものや、NDIRや質量分析計にも適用可能であるし、分光分析装置以外の、例えば散乱型粒子径分布測定装置などにも適用可能である。また、本発明は、自動車の排ガスの分析に限らず、船舶、航空機、農業用機械、工作機械等の内燃機関の排ガスを分析することも可能である。
 その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
 本発明によれば、FTIR分光分析装置等の分析装置において、測定精度を向上させることができる。

Claims (15)

  1.  測定試料から得られるスペクトルデータに基づいて当該測定試料を分析するものであって、
     所定複数成分の合計分析値が既知である参照試料のスペクトルデータと、当該参照試料の合計分析値との相関を示す相関データを格納している相関データ格納部と、
     前記測定試料から得られるスペクトルデータに、前記相関データ格納部に格納された相関データを適用して、当該測定試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値を算出する算出本体部とを備え、
     前記参照試料が、前記所定複数成分を含む第1参照試料と、当該第1参照試料に含まれる一つ又は複数の成分からなる第2参照試料とを含み、
     前記相関データが、
     前記第1参照試料のスペクトルデータと、当該第1参照試料の合計分析値とを含む第1参照試料データと、
     前記第2参照試料のスペクトルデータと、当該第2参照試料の合計分析値とを含む第2参照試料データと、を教師データとして算出した機械学習モデルを示すものである分析装置。
  2.  前記第2参照試料が、前記所定複数成分を構成する一つ又は複数の成分である請求項1に記載の分析装置。
  3.  前記第2参照試料が、前記合計分析値がゼロである一つ又は複数の成分からなるものである請求項1又は2に記載の分析装置。
  4.  前記第2参照試料が、前記合計分析値との間に擬似相関がある一つ又は複数の成分からなるものである請求項1~3のいずれか一項に記載の分析装置。
  5.  前記第2参照試料が、排ガスを生じさせる燃料である請求項1~4のいずれか一項に記載の分析装置。
  6.  前記測定試料又は前記第1参照試料が排ガスであり、前記所定複数成分がハイドロカーボンである請求項1~5のいずれか一項に記載の分析装置。
  7.  前記所定複数成分の合計分析値が、前記排ガスに含まれるトータルハイドロカーボンの濃度である請求項6に記載の分析装置。
  8.  FTIR方式のものである請求項1~7のいずれか一項に記載の分析装置。
  9.  前記第1参照試料の合計分析値及び前記第2参照試料の合計分析値が、FID分析装置により測定されたものである請求項1~8のいずれか一項に記載の分析装置。
  10.  前記相関データ格納部には燃料種毎に算出された複数の相関データが格納されており、
     前記算出本体部が、前記測定試料を発生させる燃料種に応じて、前記測定試料から得られるスペクトルデータに適用する相関データを切り替える請求項1~9のいずれか一項に記載の分析装置。
  11.  測定試料から得られるスペクトルデータに基づいて当該測定試料を分析する方法であって、
     所定複数成分の合計分析値が既知である参照試料のスペクトルデータと、当該参照試料の合計分析値との相関を示す相関データを記憶する相関データ記憶ステップと、
     前記測定試料から得られるスペクトルデータに、前記記憶した相関データを適用して、当該測定試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値を算出する算出ステップとを含み、
     前記参照試料が、前記所定複数成分を含む第1参照試料と、当該第1参照試料に含まれる、一つ又は複数の成分からなる第2参照試料とを含み、
     前記相関データが、
     前記第1参照試料のスペクトルデータと、当該第1参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第1参照試料データと、
     前記第2参照試料のスペクトルデータと、当該第2参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第2参照試料データと、を教師データとして算出した機械学習モデルを示すものである分析方法。
  12.  測定試料から得られるスペクトルデータに基づいて当該測定試料を分析する分析装置に搭載されるプログラムであって、
     所定複数成分の合計分析値が既知である参照試料のスペクトルデータと、当該参照試料の合計分析値との相関を示す相関データを格納している相関データ格納部としての機能と、
     前記測定試料から得られるスペクトルデータに、前記相関データ格納部に格納された相関データを適用して、当該測定試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値を算出する算出本体部としての機能とを分析装置に発揮させ、
     前記参照試料が、前記所定複数成分を含む第1参照試料と、当該第1参照試料に含まれる、一つ又は複数の成分からなる第2参照試料とを含み、
     前記相関データが、
     前記第1参照試料のスペクトルデータと、当該第1参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第1参照試料データと、
     前記第2参照試料のスペクトルデータと、当該第2参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第2参照試料データと、を教師データとして算出した機械学習モデルを示すものである分析装置用プログラム。
  13.  所定複数成分の合計分析値が既知である参照試料から得られるスペクトルデータを受け付ける受付部と、
     互いに異なる複数の前記参照試料の合計分析値とスペクトルデータとを含む参照試料データを格納している参照試料データ格納部と、
     前記参照試料データを教師データとして、各参照試料のスペクトルデータと合計分析値との間に共通する相関を機械学習により算出する相関算出部とを備え、
     前記参照試料が、前記所定複数成分を含む第1参照試料と、当該第1参照試料に含まれる一つ又は複数の成分からなる第2参照試料とを含み、
     前記参照試料データが、
     前記第1参照試料のスペクトルデータと、当該第1参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第1参照試料データと、
     前記第2参照試料のスペクトルデータと、当該第2参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第2参照試料データと、を含む分析用学習装置。
  14.  所定複数成分の合計分析値が既知である参照試料から得られるスペクトルデータを受け付けスペクトルデータ受付ステップと、
     互いに異なる複数の前記参照試料の合計分析値とスペクトルデータとを含む参照試料データを記憶する参照試料データ記憶ステップと、
     前記参照試料データを教師データとして、各参照試料のスペクトルデータと合計分析値との間に共通する相関を機械学習により算出する相関算出ステップとを備え、
     前記参照試料が、前記所定複数成分を含む第1参照試料と、当該第1参照試料に含まれる、一つ又は複数の成分からなる第2参照試料とを含み、
     前記参照試料データが、
     前記第1参照試料のスペクトルデータと、当該第1参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第1参照試料データと、
     前記第2参照試料のスペクトルデータと、当該第2参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第2参照試料データと、を含む、分析用学習方法。
  15.  所定複数成分の合計分析値が既知である参照試料から得られるスペクトルデータを受け付ける受付部としての機能と、
     互いに異なる複数の前記参照試料の合計分析値とスペクトルデータとを含む参照試料データを格納している参照試料データ格納部としての機能と、
     前記参照試料データを教師データとして、各参照試料のスペクトルデータと合計分析値との間に共通する相関を機械学習により算出する相関算出部としての機能とを、分析用学習装置に発揮させ、
     前記参照試料が、前記所定複数成分を含む第1参照試料と、当該第1参照試料に含まれる、一つ又は複数の成分からなる第2参照試料とを含み、
     前記参照試料データが、
     前記第1参照試料のスペクトルデータと、当該第1参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第1参照試料データと、
     前記第2参照試料のスペクトルデータと、当該第2参照試料に含まれる前記所定複数成分の合計分析値とを含む第2参照試料データと、を含む、分析用学習装置用のプログラム。

     
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