WO2021256074A1 - 除細動のための装置及び方法 - Google Patents

除細動のための装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
WO2021256074A1
WO2021256074A1 PCT/JP2021/015880 JP2021015880W WO2021256074A1 WO 2021256074 A1 WO2021256074 A1 WO 2021256074A1 JP 2021015880 W JP2021015880 W JP 2021015880W WO 2021256074 A1 WO2021256074 A1 WO 2021256074A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
patient
unit
electric shock
oxygen saturation
toi
Prior art date
Application number
PCT/JP2021/015880
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
毅 鎌田
恒 鹿野
Original Assignee
浜松ホトニクス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 浜松ホトニクス株式会社 filed Critical 浜松ホトニクス株式会社
Priority to EP21826635.1A priority Critical patent/EP4137200A1/en
Priority to US18/008,498 priority patent/US20230210434A1/en
Priority to JP2022532338A priority patent/JPWO2021256074A1/ja
Publication of WO2021256074A1 publication Critical patent/WO2021256074A1/ja

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/24Detecting, measuring or recording bioelectric or biomagnetic signals of the body or parts thereof
    • A61B5/316Modalities, i.e. specific diagnostic methods
    • A61B5/318Heart-related electrical modalities, e.g. electrocardiography [ECG]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/38Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for producing shock effects
    • A61N1/39Heart defibrillators
    • A61N1/3904External heart defibrillators [EHD]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/145Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue
    • A61B5/1455Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue using optical sensors, e.g. spectral photometrical oximeters
    • A61B5/14551Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue using optical sensors, e.g. spectral photometrical oximeters for measuring blood gases
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/24Detecting, measuring or recording bioelectric or biomagnetic signals of the body or parts thereof
    • A61B5/316Modalities, i.e. specific diagnostic methods
    • A61B5/318Heart-related electrical modalities, e.g. electrocardiography [ECG]
    • A61B5/346Analysis of electrocardiograms
    • A61B5/349Detecting specific parameters of the electrocardiograph cycle
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/38Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for producing shock effects
    • A61N1/39Heart defibrillators
    • A61N1/3925Monitoring; Protecting

Definitions

  • the display monitor 10 may inform the rescuer that chest compressions on the patient should be continued when the numerical value related to TOI does not exceed the threshold value.
  • the rescuer may also be informed that chest compressions on the patient should be continued in signaling step ST7 if the value for TOI does not exceed the threshold. This can encourage the rescuer to continue chest compressions when the TOI does not exceed the threshold and suppress the decline in the TOI.

Abstract

除細動器1は、除細動のための装置であって、患者の酸素飽和度に関する数値を取得する酸素飽和度(TOI)測定部11と、患者への電気ショックの要否を判断するために患者の心電図を測定する心電図(ECG)測定部6と、酸素飽和度測定部11において取得した数値がしきい値を超えていることを条件として、心電図測定部6における患者の心電図の測定を開始させる制御部12と、を備える。これにより、電気ショックによる除細動の成功率を高め、心電図解析及び電気ショックの回数を減らすことができる除細動のための装置及び方法が実現される。

Description

除細動のための装置及び方法
 本開示は、除細動のための装置及び方法に関するものである。
 特許文献1には、患者に心肺蘇生(Cardio Pulmonary Resuscitation:CPR)を施す際に救助者を補助するための装置が開示されている。この装置は、患者の脈拍数を測定する脈拍センサ、及び血中の酸素量を測定するSpOセンサのうち少なくとも一つのセンサと、前記センサの出力を処理し、現在行われているCPRを改善するために救助者が行うべき一つ以上の行動を判断する電子機器と、前記一つ以上の行動を救助者に伝達する喚起装置と、を備える。
特開2005-46606号公報
 心肺蘇生の際には、患者の心室細動(Ventricular Fibrillation:VF)などの不整脈を除去するために、電気ショックが与えられる。この電気ショックを与える前には、患者の不整脈の状態を確認するために、心電図解析が行われる。例えば自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator:AED)は、心電図解析から電気ショックまでの一連の動作を自動的に行う。
 しかしながら、心電図解析、及び電気ショックのための充電には或る程度の時間を要し、また心電図解析及び充電を行っている間は胸骨圧迫を行うことができない。故に、胸骨圧迫によって一旦上昇した血中酸素濃度は、心電図解析及び充電を行っている間に徐々に下降する。したがって、心電図解析及び電気ショックを繰り返すと、胸骨圧迫により上昇した血中酸素濃度がその都度下降することとなる。その結果、血中酸素濃度の上昇が緩慢となり、心肺蘇生に時間がかかってしまう。
 実施形態は、電気ショックによる除細動の成功率を高め、心電図解析及び電気ショックの回数を減らすことができる除細動のための装置及び方法を提供することを目的とする。
 実施形態は、除細動のための装置である。除細動のための装置は、患者の酸素飽和度に関する数値を取得する酸素飽和度測定部と、患者への電気ショックの要否を判断するために患者の心電図を測定する心電図測定部と、酸素飽和度測定部において取得した数値がしきい値を超えていることを条件として、心電図測定部における患者の心電図の測定を開始させる制御部と、を備える。
 実施形態は、除細動のための方法である。除細動のための方法は、患者の酸素飽和度に関する数値の取得を開始するステップと、酸素飽和度に関する数値がしきい値を超えていることを条件として患者の心電図を測定するステップと、心電図の測定結果に基づいて患者への電気ショックの要否を判断するステップと、を含む。
 これらの装置及び方法では、患者の酸素飽和度がしきい値を超えていることを条件として、電気ショックの要否を判断するための心電図の測定を行う。後述するように、本発明者らは、患者の酸素飽和度が電気ショックによる除細動の成否に影響することを見出した。
 患者の酸素飽和度が或るしきい値を超えると、電気ショックによる除細動の成功率が有意に上昇する。したがって、酸素飽和度がしきい値を超えている場合には、心電図解析および電気ショックを行い、酸素飽和度がしきい値を超えない場合には、心電図解析および電気ショックを行わずに胸骨圧迫を優先する。これにより、電気ショックによる除細動の成功率を高め、心電図解析及び電気ショックの回数を減らすことができる。
 実施形態によれば、電気ショックによる除細動の成功率を高め、心電図解析及び電気ショックの回数を減らすことができる除細動のための装置及び方法を提供できる。
図1は、一実施形態に係る除細動器の構成を示す機能ブロック図である。 図2は、TOI測定部の具体的構成例を示す図である。 図3は、除細動器の動作及び除細動のための方法を示すフローチャートである。 図4は、心肺蘇生の際のTOIを実際に測定した結果を示すグラフである。 図5は、心肺蘇生の際のTOIを実際に測定した結果を示すグラフである。 図6は、心肺蘇生の際のTOIを実際に測定した結果を示すグラフである。 図7は、心肺蘇生の際のTOIを実際に測定した結果を示すグラフである。
 以下、添付図面を参照しながら、除細動のための装置及び方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではない。
 図1は、一実施形態に係る除細動器1の構成を示す機能ブロック図である。除細動器1は、患者の心室頻拍(Ventricular Tachycardia:VT)、心室細動(VF)、心房細動(Atrial Fibrillation:AF)などに対して除細動を行う装置である。ここでいう除細動とは、電気的刺激によって異常な電気信号経路を遮断し、正常な電気信号経路への改善を促す処置をいう。
 本実施形態の除細動器1は、本体部2と、NIRSセンサ3と、電極パッド4とを備えている。本体部2は、TOI演算部5と、ECG測定部6と、判定部7と、ECG解析部8と、電気ショック部9と、表示モニタ10と、を有する。
 本体部2は、中空の筐体を有し、その筐体内にTOI演算部5、ECG測定部6、判定部7、ECG解析部8、及び電気ショック部9を収容している。表示モニタ10は、筐体の外面に取り付けられ、本体部2の外部から視認可能とされている。NIRSセンサ3及び電極パッド4は、本体部2から延びるケーブルの先端に取り付けられている。
 NIRSセンサ3及びTOI演算部5は、本実施形態におけるTOI測定部11を構成している。TOI測定部11は、胸骨圧迫の繰り返しに起因して変動する、患者の体内(例えば頭部)の組織酸素飽和度(Tissue Oxygenation Index:TOI)に関する数値を測定し、その測定結果を表示モニタ10に表示して、胸骨圧迫を行っている者に知らせる。
 具体的には、TOI測定部11は、体表面に装着されたNIRSセンサ3から所定の光入射位置に近赤外光を入射し、体表面における所定の光検出位置から出射される近赤外光の強度を検出する。これにより、TOI測定部11は、酸素化ヘモグロビン(O2Hb)及び脱酸素化ヘモグロビン(HHb)による近赤外光への影響を調べ、これに基づいて酸素化ヘモグロビン(O2Hb)及び脱酸素化ヘモグロビン(HHb)の各濃度を繰り返し算出する。このような方式は、近赤外分光法(Near-Infrared Spectroscopy:NIRS)と呼ばれる。
 TOIは、血中ヘモグロビンの酸素化度合いを表す数値であって、総ヘモグロビン濃度に対する酸素化ヘモグロビン濃度の割合として算出される。また、本実施形態においてTOIに関する数値とは、TOIそのもの、若しくはTOIと密接な相関を有する数値である。本実施形態のTOI測定部11によって算出される数値は、TOIそのもの、または、或るタイミングでのTOIを基準とする相対的なTOIの時間変化量である。
 図2は、TOI測定部11の具体的構成例を示す図である。NIRSセンサ3は、例えば毛髪の無い前額部や頸動脈付近に、粘着テープや伸縮性のバンド等によって固定される。
 NIRSセンサ3は、光入射部31及び光検出部32を有している。光入射部31と光検出部32とは、互いに間隔をあけて配置され、柔軟な黒色のシリコンゴム製のホルダー33によって実質的に一体化されている。ホルダー33の素材は、シリコンゴムと同等の柔軟性を有する他の素材に置き換えられてもよい。NIRSセンサ3は、ケーブル34を介して本体部2と電気的に接続されている。
 光入射部31は、本体部2から伝達される制御信号を受けて、所定波長の測定光を出力する。測定光は、患者の体表面の皮層に対してほぼ垂直に入射する。光入射部31は、例えばレーザダイオード、発光ダイオード(LED)、若しくはスーパールミネッセントダイオード(SLD)と、その駆動回路とを有する。測定光の波長は近赤外域に含まれ、一例では735nm、810nm、及び850nmの波長成分を含む。
 光検出部32は、患者の体内を伝搬して体表面から出射した測定光の強度に応じた検出信号を生成する。光検出部32は、例えば一次元の光センサであり、光入射部31からの距離方向に並べられた複数の光検出器を有している。本構成例の光検出部32は、第1の光検出器321及び第2の光検出器322といった2つの光検出器を有している。
 第1の光検出器321は、光入射部31から第1の距離X1だけ離れた位置に設けられている。第2の光検出器322は、光入射部31から第2の距離X2(>X1)だけ離れた位置に設けられている。距離X1は例えば3cmであり、距離X2は例えば4cmである。
 第1の光検出器321は、受光した測定光の強度に応じた第1の検出信号を生成する。第2の光検出器322は、受光した測定光の強度に応じた第2の検出信号を生成する。これらの光検出器321,322それぞれは、PD(フォトダイオード)またはAPD(アバランシェフォイトダイオード)といった半導体受光素子と、半導体受光素子から出力される電流を積分し、増幅するプリアンプとを有している。
 上記の構成において、光検出器321,322それぞれは、微弱な電流を感度良く検出して検出信号を生成し、この検出信号を本体部2へケーブル34を介して伝送することができる。なお、光検出部32は、二次元の光センサであってもよく、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサによって構成されてもよい。
 TOI測定部11は、TOI演算部5に加えて、制御部51、モニタ部52、及び指示部53を本体部2の内部に有している。TOI測定部11は、CPUなどの演算回路及びメモリなどの記憶装置を含むコンピュータを備える。TOI演算部5、制御部51、モニタ部52、及び指示部53は、記憶装置に予め格納されたプログラムを演算回路が読み出して実行することにより実現される。
 制御部51は、ケーブル34を介してNIRSセンサ3と電気的に接続されている。制御部51は、光入射部31の光出力制御、及び光検出器321,322の光検出制御を行う。すなわち、光入射部31における測定光の出力開始及び終了は、制御部51からの制御信号に基づいて行われる。また、光検出器321,322における測定光の検出開始及び終了は、制御部51からの制御信号に基づいて行われる。
 制御部51は、NIRSセンサ3の装着前から、光検出器321,322に測定光の検出を開始させる(スタンバイモード)。このスタンバイモードは、TOI演算部5がTOIに関する数値の算出を開始するまで継続する。TOI演算部5は、スタンバイモードにおいてはTOIに関する数値の演算を行わない。
 モニタ部52は、TOIに関する数値の算出開始前すなわちスタンバイモードにおいて継続的に生成される光検出部32からの検出信号に基づいて、光検出器321,322に入射する光強度の変化のモニタリング(観察)を行う。モニタ部52は、そのモニタ結果を指示部53へ継続的に出力する。
 指示部53は、モニタ部52から得られるモニタ結果に基づいて、TOIに関する数値の算出開始を決定し、算出開始をTOI演算部5に指示する(測定モード)。スタンバイモード開始時における光検出器321,322からの検出信号は、NIRSセンサ3が患者の体表面に取り付けられる前の光強度、すなわち測定環境における環境光(例えば、屋外なら太陽光、屋内なら照明光)の強度を示す。そして、NIRSセンサ3が患者の体表面に装着されると、環境光の強度は、装着前に対して所定の割合(例えば、10%)以下に低下する。
 指示部53は、このような強度低下を、光検出器321,322において検出される測定光の強度が所定の範囲内へ変化したか否かによって知ることができる。従って、指示部53は、光検出器321,322において検出される測定光の強度が所定の範囲内にあることを条件として、算出開始を決定するとよい。
 なお、NIRSセンサ3が患者に装着される前であっても、NIRSセンサ3を救助者が扱う際に、光検出部32を手で覆う等により環境光の検出強度が低下する場合がある。従って、指示部53は、光検出部32において検出される測定光の強度が所定の範囲内にある状態が所定の期間(例えば3秒)継続していることを条件として、算出開始を決定してもよい。また、指示部53は、光検出器321,322において検出される測定光の強度変化が所定の幅を超えたことを条件として、算出開始を決定してもよい。
 また、指示部53は、2つの光検出器321,322のうち光源から遠い第2の光検出器322において検出された光強度に基づいて、算出開始を決定してもよい。これにより、入射光強度(環境光強度)の変化をより精度良く捉えることができ、NIRSセンサ3が患者の体表面に装着されるタイミングを的確に検知することができる。
 なお、除細動器1は、TOIに関する数値の算出開始を救助者が指示するための指示入力部54(例えばボタン)を更に備えてもよい。その場合、ボタン押下といった指示入力部54への開始のアクションに基づいて、TOI演算部5がTOIに関する数値の算出を開始する。
 TOI演算部5は、ケーブル34を介してNIRSセンサ3と電気的に接続される演算処理回路であって、本実施形態における演算部の例である。TOI演算部5は、患者の体内を伝搬した測定光の強度に応じた光検出部32からの検出信号に基づいて、胸骨圧迫の繰り返しに起因して変動する体内のTOIに関する数値を算出する。TOI演算部5は、指示部53からの信号を受けて、TOIに関する数値の算出を開始する。
 TOI演算部5は、例えば、SRS法(空間分解分光法)やMBL法(モディファイド・ビア・ランバート法)、PRS法(位相分解分光法)、TRS法(時間分解分光法)、PMS法(位相変調分光法)などの近赤外分光法を用いて、TOIに関する数値を算出する。
 MBL法は、測定対象中のヘモグロビン濃度(酸素化ヘモグロビン濃度及び脱酸素化ヘモグロビン濃度)により、検出される光量が変化することを利用する。MBL法により、酸素化ヘモグロビン濃度の相対変化量、脱酸素化ヘモグロビン濃度の相対変化量、総ヘモグロビン濃度の相対変化量を求めることができる。MBL法では、光検出器321,322のいずれか一方からの検出信号が用いられる。SRS法は、光入射部31と光検出器321,322との距離に応じて、検出される光量が変化することを利用する。SRS法では、光検出器321,322双方からの検出信号が用いられる。
 TRS法は、入力されたパルス状の測定光の時間幅が、測定対象に存在するヘモグロビンによって長くなることを利用する。より具体的には、パルス状測定光の時間的な広がりに基づくシミュレーションデータと、検出された光の時間的な広がりとをフィッティングすることにより、ヘモグロビン濃度の絶対値を求める。PRS法は、変調した測定光を測定対象に入射し、入射前の測定光と検出後の測定光との位相差を求めることにより、ヘモグロビン濃度の絶対値を求める。したがって、TRS法またはPRS法によれば、TOIの相対値ではなく絶対値を求めることができる。
 TOIに関する数値の算出周期は0.2秒以下(算出周波数にすると、5Hz以上)であることが好ましい。一般的に、胸骨圧迫の好適な周期は1分間に100回程度(すなわち0.6秒に1回)もしくはそれ以上といわれている。そして、相対変化量の算出周期がその3分の1以下であれば、胸部圧迫に起因する濃度変化を好適に検出することができる。また、所定周波数は、1.66Hz以下であることが好ましい。これにより、1分間に100回程度もしくはそれ以上の胸骨圧迫に起因する濃度変化に関する情報を好適に抽出することができる。
 表示モニタ10は、TOI演算部5から送られたTOIに関する数値の算出結果に関する情報を表示する。救助者は、表示モニタ10の表示を参照しながら、胸骨圧迫が適切に行われているか否かを判断することができる。
 再び図1を参照する。ECG測定部6は、患者への電気ショックの要否を判断するために、患者の心電図(Electrocardiogram:ECG)を測定する。ECG測定部6は、電極パッド4と電気的に接続されており、患者に装着された電極パッド4からの電気信号を時間的に連続して検出することにより、心臓の電気的な活動の様子を時系列で記録する。なお、電極パッド4は正極パッド及び負極パッドを含み、それぞれ胸部付近の異なる位置に装着される。
 判定部7及びECG解析部8は、制御部12を構成する。制御部12は、CPUなどの演算回路及びメモリなどの記憶装置を含むコンピュータを備える。判定部7及びECG解析部8は、記憶装置に予め格納されたプログラムを演算回路が読み出して実行することにより実現される。なお、判定部7及びECG解析部8を実現するコンピュータは、TOI測定部11のTOI演算部5等を実現するコンピュータと共通に構成されてもよい。
 判定部7は、TOI測定部11において取得したTOIに関する数値が所定のしきい値を超えているか否かを判定する。判定部7は、TOIに関する数値が所定のしきい値を超えていることを条件として、心電図の測定を開始させるための(或いは、開始可能とする)信号をECG測定部6に与える。
 しきい値は、例えば、TOIの時間的相対変化量に換算して、40%~60%の範囲内に含まれるいずれかの値であってよく、より好適には、TOIの時間的相対変化量に換算して、45%~50%の範囲内に含まれるいずれかの値である。しきい値は、予め記憶装置に記憶されている。
 判定部7は、TOIがしきい値を超えている場合には、心電図の測定を開始したことを救助者に知らせるための表示信号を表示モニタ10に与える。表示モニタ10は、その表示信号を受けると、心電図の測定を開始したことを示す文字、図柄(例えば、「心電図解析を行っています」等)を画面に表示して、救助者に知らせる。
 判定部7は、TOIがしきい値を超えない場合には、患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを救助者に知らせるための表示信号を表示モニタ10に与える。表示モニタ10は、その表示信号を受けると、胸骨圧迫を継続すべきことを示す文字、図柄(例えば、「心臓マッサージを継続してください」等)を画面に表示して、救助者に知らせる。
 なお、本体部2は、図示しないスピーカを備えてもよい。その場合、判定部7は、TOIがしきい値を超えているときには、心電図の測定を開始したことを救助者に知らせるための信号をスピーカに与え、スピーカは、その信号を受けて、心電図の測定を開始したことを示す音声等を出力してもよい。
 また、判定部7は、TOIがしきい値を超えないときには、患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを救助者に知らせるための信号をスピーカに与え、スピーカは、その信号を受けて、胸骨圧迫を継続すべきことを示す音声等を出力してもよい。表示モニタ10及びスピーカは、本実施形態における情報伝達部の例である。
 ECG解析部8は、心電図の測定結果をECG測定部6から取得する。ECG解析部8は、心電図を解析し、患者への電気ショックの要否を判断する。ECG解析部8は、電気ショックが不要であると判断すると、電気ショックが不要であることを救助者に知らせるための表示信号を表示モニタ10に与える。表示モニタ10は、その表示信号を受けると、胸骨圧迫を継続すべきことを示す文字、記号等を画面に表示して、救助者に知らせる。
 なお、本体部2がスピーカを備える場合、ECG解析部8は、電気ショックが不要であるときには、患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを救助者に知らせるための信号をスピーカに与え、スピーカは、その信号を受けて、胸骨圧迫を継続すべきことを示す音声等を出力してもよい。
 また、ECG解析部8は、電気ショックが必要であると判断すると、電気ショックを開始させるための信号を電気ショック部9に与える。電気ショック部9は、ECG解析部8から信号を受けると、電気ショックのための電気エネルギを電極パッド4から出力する。なお、電気ショックに用いられる電極パッドは、ECG測定に用いられる電極パッドと共通であってもよく、ECG測定に用いられる電極パッドとは別個に設けられてもよい。
 続いて、除細動器1の作動方法とともに、本実施形態による除細動のための方法について説明する。図3は、除細動器1の作動方法及び除細動のための方法を示すフローチャートである。
 まず、救助者は、患者の反応がないこと及び呼吸が無いことを確認した後、胸骨圧迫を開始する(ステップST1)。次に、救助者は、除細動器1のNIRSセンサ3及び電極パッド4を患者に装着する(ステップST2)。このとき、モニタ部52がNIRSセンサ3の装着を検知し、TOI測定部11が、TOIに関する数値の取得を開始する(ステップST3)。
 具体的には、光入射部31が、患者の体内への測定光の入射を開始する(光入射ステップST31)。また、光検出部32が、患者の体内を伝搬した測定光の検出を開始して、測定光の強度に応じた検出信号を生成し始める(光検出ステップST32)。そして、TOI演算部5は、その検出信号に基づいて、TOIに関する数値の算出を開始する(演算ステップST33)。
 また、TOI演算部5は、指示入力部54からの入力(例えばボタン押下)による開始のアクションにより、TOIに関する数値の算出を開始してもよい。こうしてTOI測定部11がTOIに関する数値を継続して測定している状況において、救助者は胸骨圧迫を継続する(ステップST4)。
 電気ショックを行う為の操作入力を救助者が行うと、判定部7は、TOIに関する数値がしきい値を超えているか否かを判定する(ステップST5)。そして、TOIに関する数値がしきい値を超えている場合(ステップST5:YES)、ECG測定部6が心電図の測定を開始する(ステップST6)。
 また、TOIに関する数値がしきい値を超えていない場合(ステップST5:NO)、患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを、表示モニタ10における表示及びスピーカの音声を通じて救助者に知らせる(情報伝達ステップST7)。その後、ステップST4に戻り、ステップST4及びST5を繰り返す。しきい値は、前述したように、TOIに換算して、40%~60%の範囲内に含まれるいずれかの値であってよく、より好適には、TOIに換算して、45%~50%の範囲内に含まれるいずれかの値である。
 ステップST6において心電図を測定したのち、ECG解析部8が心電図を解析して、電気ショックの要否を判断する(ステップST8)。電気ショックが必要と判断された場合(ステップST8:YES)、電気ショック部9が電極パッド4から電気ショックのための電気エネルギを出力する(電気ショックステップST9)。また、電気ショックが不要と判断された場合(ステップST8:NO)、ステップST4に戻り、ステップST4~ST8を繰り返す。
 ステップST9において電気ショックを行ったのち、救助者は、患者の心拍が再開したか否かを判断する(ステップST10)。患者の心拍が再開していない場合(ステップST10:NO)、ステップST4に戻り、ステップST4~ST10を繰り返す。患者の心拍が再開した場合(ステップST10:YES)、心肺蘇生に関する処置を終了する。
 以上に説明した本実施形態の除細動器1及び除細動のための方法によって得られる効果について説明する。
 前述したように、心肺蘇生の際には、患者の心室細動(VF)などの不整脈を除去するために、電気ショックが与えられる。この電気ショックを与える前には、患者の不整脈の状態を確認するために、心電図解析が行われる。
 しかしながら、心電図解析、及び電気ショックのための充電には或る程度の時間を要し、また心電図解析及び充電を行っている間は、胸骨圧迫を行うことができない。故に、胸骨圧迫によって一旦上昇した血中酸素濃度は、心電図解析及び充電を行っている間に徐々に下降する。したがって、心電図解析及び電気ショックを繰り返すと、胸骨圧迫により上昇した血中酸素濃度がその都度下降することとなる。
 図4~図7は、心肺蘇生の際のTOIの時間的相対変化量を実際に測定した結果を示すグラフである。これらの図において、上段のグラフGaは、患者の頭部の酸素化ヘモグロビン濃度の時間的相対変化量を示し、グラフGaに含まれる振動部分は、胸骨圧迫を行っていること若しくは自発心拍があることを示す。下段のグラフGbは、患者の頭部のTOI(単位:%)の時間的相対変化量を示す。
 期間Paは、胸骨圧迫を行っている期間である。期間Pbは、心電図解析、及び電気ショックのための充電を行っている期間である。矢印A1は、電気ショックを行ったタイミングを示している。なお、これらのグラフにおいて、横軸は時間を表す。但し、図4~図7における時間軸のスケールは互いに異なる。
 図4を参照すると、胸骨圧迫を行っている期間PaではTOIは徐々に上昇するが、心電図解析を行う期間Pbに入った途端、TOIは下降を始める。そして、期間Pbの間、TOIは下降し続ける(図中の矢印A2)。このようなTOIの下降は、心電図解析を行っている間、胸骨圧迫を中断することに起因する。
 また、図5を参照すると、胸骨圧迫(期間Pa)によってTOIを上昇させても、その途中に複数回の心電図解析(期間Pb)を行うと、そのたびにTOIが下降し、胸骨圧迫によるTOIの増加分の多くを打ち消してしまうことがわかる。その結果、TOIの上昇が緩慢となり、心肺蘇生に時間を要する原因となる。
 このような課題に対し、本発明者らは、患者のTOIの大きさが、電気ショックによる除細動の成否に影響することを見出した。図6は、難治性VFに対して除細動が成功した例である。
 図6に示す例では、除細動器1を搬入してTOIの測定を開始(矢印A3)した後、電気ショック(DC)を複数回行っている。なお、図中の枠内の数値は、各タイミングにおけるTOIの値である。このうち電気ショック(DC)時の枠内の数値は、心電図解析の直前におけるTOIの値である。1回目の心拍再開(Return of Spontaneous Circulation:ROSC)ののち再び心室細動(VF)が起こり(矢印A4)、その後、電気ショック(DC)による2回目の心拍再開(ROSC)により蘇生が成功している。
 図6に示す例を参照すると、除細動器1の搬入時にはTOIの時間的相対変化量が30%であり、その後の胸骨圧迫によってTOIの時間的相対変化量が徐々に上昇している。1回目から3回目の電気ショック(DC)における心電図解析前のTOIは41%~42%であり、これらの電気ショックでは心拍再開(ROSC)は不成功となっている。しかし、4回目の電気ショック(DC)における心電図解析前のTOIの時間的相対変化量は50%であり、1回目の心拍再開(ROSC)に成功している。また、心室細動(VF)に戻ったのちの5回目の電気ショック(DC)における心電図解析前のTOIの時間的相対変化量は62%であり、2回目の心拍再開(ROSC)に成功している。
 図7に示す例では、無脈性電気活動(Pulseless Electrical Activity:PEA)ののち、気道確保(Tracheal Intubation:TI)、エピネフリン投与(epi)を経て心室細動(VF)が出現し、1回目の電気ショック(DC)を行っている。その後、2回目の電気ショック(DC)を行っているが、1回目及び2回目とも心拍再開(ROSC)は不成功となっている。その後、3回目の電気ショック(DC)により心拍再開(ROSC)し、蘇生が成功している。1回目及び2回目の電気ショック(DC)における心電図解析前のTOIの時間的相対変化量はそれぞれ43%,45%であり、3回目の電気ショック(DC)における心電図解析前のTOIの時間的相対変化量は56%となっている。
 図6及び図7に示された例によれば、患者のTOIが胸骨圧迫によって上昇した後に電気ショックを行うと、除細動の成功率が有意に向上することがわかる。これらの例では、TOIの時間的相対変化量が45%以下であるときに行った電気ショックは全て不成功となり、TOIの時間的相対変化量が50%以上であるときに行った電気ショックは全て成功している。
 したがって、例えば45%~50%の範囲内にしきい値を設定し、TOIの時間的相対変化量がこのしきい値を超えていることを条件に、心電図解析および電気ショックを行い、TOIの時間的相対変化量がこのしきい値を超えない場合には、心電図解析および電気ショックを行わずに胸骨圧迫を優先させる。これにより、除細動の成功率を高め、心電図解析及び電気ショックの回数を減らすことができる。
 但し、図6及び図7のTOIは時間的相対値なので、周囲の環境、患者の年齢、患者の体型等に応じて変動すると考えられる。したがって、上述した45%~50%という数値範囲はあくまで一例であって、この範囲外の数値をしきい値として設定する方がよい場合もある。
 その場合であっても、本発明者らが有する多数のデータから考慮すると、しきい値が40%~60%の範囲内に含まれていれば、除細動の成功率を概ね高めることができる。また、取得するTOIが時間的相対値である場合であっても、TOIの時間的相対値と除細動の成否との関係についてのデータを多くの患者から取得すれば、概ね良好なしきい値を設定することは可能である。
 本実施形態では、TOI測定部11(ステップST3)において取得したTOIがしきい値を超えていることを条件として、ECG測定部6(ステップST6)において患者の心電図を測定する。したがって、TOIがしきい値を超えている場合に心電図解析および電気ショックを行い、TOIがしきい値を超えない場合には胸骨圧迫を継続できるので、電気ショックによる除細動の成功率を高め、心電図解析及び電気ショックの回数を減らすことができる。
 本実施形態のように、TOI測定部11は、患者の体内へ測定光を入射する光入射部31と、患者の体内を伝搬した測定光を検出して測定光の強度に応じた検出信号を生成する光検出部32と、検出信号に基づいてTOIに関する数値を算出するTOI演算部5と、を有してもよい。また、TOIに関する数値の取得を開始するステップST3は、患者の体内への測定光の入射を開始する光入射ステップST31と、患者の体内を伝搬した測定光の検出を開始して測定光の強度に応じた検出信号を生成し始める光検出ステップST32と、検出信号に基づいてTOIに関する数値の算出を開始する演算ステップST33と、を含んでもよい。この場合、患者のTOIに関する数値を非侵襲的に且つ簡便に測定できるので、患者及び救助者の負担を軽減できる。
 本実施形態のように、電気ショック部9は、ECG測定部6による心電図の測定結果に基づいて患者への電気ショックが必要と判断された場合に、電気ショックのための電気エネルギを電極パッド4から出力してもよい。また、ステップST8において患者への電気ショックが必要と判断された場合に、電気ショックステップST9において電気ショックのための電気エネルギを電極パッド4から出力してもよい。これにより、除細動のための電気ショックを好適に行うことができる。
 本実施形態のように、表示モニタ10は、TOIに関する数値がしきい値を超えない場合に、患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを救助者に知らせてもよい。また、TOIに関する数値がしきい値を超えない場合に、情報伝達ステップST7において患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを救助者に知らせてもよい。これにより、TOIがしきい値を超えない場合に救助者に胸骨圧迫の継続を促して、TOIの低下を抑制することができる。
 本実施形態のように、しきい値は、TOIの時間的相対変化量に換算して、40%~60%の範囲内に含まれるいずれかの値であってもよい。また、しきい値は、TOIの時間的相対変化量に換算して、45%~50%の範囲内に含まれるいずれかの値であってもよい。本発明者らの知見によれば、例えばこのような範囲内の或るしきい値を超えた場合に、電気ショックによる除細動の成功率が顕著に上昇する。
 除細動のための装置及び方法は、上述した実施形態及び構成例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、TOIの測定方法として近赤外分光法を例示したが、TOIの測定方法はこれに限らず、他に様々な方法を用いることができる。
 上記実施形態による除細動のための装置は、患者の酸素飽和度に関する数値を取得する酸素飽和度測定部と、患者への電気ショックの要否を判断するために患者の心電図を測定する心電図測定部と、酸素飽和度測定部において取得した数値がしきい値を超えていることを条件として、心電図測定部における患者の心電図の測定を開始させる制御部と、を備える。
 上記実施形態による除細動のための方法は、患者の酸素飽和度に関する数値の取得を開始するステップと、酸素飽和度に関する数値がしきい値を超えていることを条件として患者の心電図を測定するステップと、心電図の測定結果に基づいて患者への電気ショックの要否を判断するステップと、を含む。
 上記の装置において、酸素飽和度測定部は、患者の体内へ測定光を入射する光入射部と、患者の体内を伝搬した測定光を検出して測定光の強度に応じた検出信号を生成する光検出部と、検出信号に基づいて酸素飽和度に関する数値を算出する演算部と、を有する構成としてもよい。
 上記の方法において、酸素飽和度に関する数値の取得を開始するステップは、患者の体内への測定光の入射を開始する光入射ステップと、患者の体内を伝搬した測定光の検出を開始して測定光の強度に応じた検出信号を生成し始める光検出ステップと、検出信号に基づいて酸素飽和度に関する数値の算出を開始する演算ステップと、を含む構成としてもよい。
 これらの装置及び方法によれば、患者の酸素飽和度に関する数値を非侵襲的に且つ簡便に測定できるので、患者及び救助者の負担を軽減できる。
 上記の装置は、電気ショック部を更に備え、電気ショック部は、心電図測定部による心電図の測定結果に基づいて患者への電気ショックが必要と判断された場合に、電気ショックのための電気エネルギを電極から出力する構成としてもよい。上記の方法は、電気ショックステップを更に含み、判断するステップにおいて患者への電気ショックが必要と判断された場合に、電気ショックステップにおいて電気ショックのための電気エネルギを電極から出力する構成としてもよい。これにより、除細動のための電気ショックを好適に行うことができる。
 上記の装置は、情報伝達部を更に備え、情報伝達部は、酸素飽和度に関する数値がしきい値を超えない場合に、患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを救助者に知らせる構成としてもよい。上記の方法は、情報伝達ステップを更に含み、酸素飽和度に関する数値がしきい値を超えない場合に、情報伝達ステップにおいて患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを救助者に知らせる構成としてもよい。これにより、酸素飽和度がしきい値を超えない場合に救助者に胸骨圧迫の継続を促して、酸素飽和度の低下を抑制することができる。
 上記の装置及び方法において、しきい値は、酸素飽和度の時間的相対変化量に換算して、40%~60%の範囲内に含まれるいずれかの値であってもよい。また、しきい値は、酸素飽和度の時間的相対変化量に換算して、45%~50%の範囲内に含まれるいずれかの値であってもよい。本発明者らの知見によれば、例えばこのような範囲内のしきい値を超えた場合に、電気ショックによる除細動の成功率が顕著に上昇する。
 実施形態は、電気ショックによる除細動の成功率を高め、心電図解析及び電気ショックの回数を減らすことができる除細動のための装置及び方法として利用可能である。
 1…除細動器、2…本体部、3…NIRSセンサ、4…電極パッド、5…TOI演算部、6…ECG測定部、7…判定部、8…ECG解析部、9…電気ショック部、10…表示モニタ、11…TOI測定部、12…制御部、31…光入射部、32…光検出部、33…ホルダー、34…ケーブル、51…制御部、52…モニタ部、53…指示部、54…指示入力部、321,322…光検出器。

Claims (12)

  1.  患者の酸素飽和度に関する数値を取得する酸素飽和度測定部と、
     前記患者への電気ショックの要否を判断するために前記患者の心電図を測定する心電図測定部と、
     前記酸素飽和度測定部において取得した数値がしきい値を超えていることを条件として、前記心電図測定部における前記患者の心電図の測定を開始させる制御部と、
    を備える、除細動のための装置。
  2.  前記酸素飽和度測定部は、
     前記患者の体内へ測定光を入射する光入射部と、
     前記患者の体内を伝搬した前記測定光を検出して前記測定光の強度に応じた検出信号を生成する光検出部と、
     前記検出信号に基づいて酸素飽和度に関する数値を算出する演算部と、
    を有する、請求項1に記載の装置。
  3.  電気ショック部を更に備え、
     前記電気ショック部は、前記心電図測定部による前記心電図の測定結果に基づいて前記患者への電気ショックが必要と判断された場合に、電気ショックのための電気エネルギを電極から出力する、請求項1または2に記載の装置。
  4.  情報伝達部を更に備え、
     前記情報伝達部は、前記酸素飽和度測定部により取得された数値が前記しきい値を超えない場合に、前記患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを救助者に知らせる、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
  5.  前記しきい値は、酸素飽和度の時間的相対変化量に換算して、40%~60%の範囲内に含まれるいずれかの値である、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
  6.  前記しきい値は、酸素飽和度の時間的相対変化量に換算して、45%~50%の範囲内に含まれるいずれかの値である、請求項5に記載の装置。
  7.  患者の酸素飽和度に関する数値の取得を開始するステップと、
     前記酸素飽和度に関する数値がしきい値を超えていることを条件として前記患者の心電図を測定するステップと、
     前記心電図の測定結果に基づいて前記患者への電気ショックの要否を判断するステップと、
    を含む、除細動のための方法。
  8.  前記酸素飽和度に関する数値の取得を開始するステップは、
     前記患者の体内への測定光の入射を開始する光入射ステップと、
     前記患者の体内を伝搬した前記測定光の検出を開始して前記測定光の強度に応じた検出信号を生成し始める光検出ステップと、
     前記検出信号に基づいて酸素飽和度に関する数値の算出を開始する演算ステップと、
    を含む、請求項7に記載の方法。
  9.  電気ショックステップを更に含み、
     前記判断するステップにおいて前記患者への電気ショックが必要と判断された場合に、前記電気ショックステップにおいて電気ショックのための電気エネルギを電極から出力する、請求項7または8に記載の方法。
  10.  情報伝達ステップを更に含み、
     前記酸素飽和度に関する数値が前記しきい値を超えない場合に、前記情報伝達ステップにおいて前記患者に対する胸骨圧迫を継続すべきことを救助者に知らせる、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
  11.  前記しきい値は、酸素飽和度の時間的相対変化量に換算して、40%~60%の範囲内に含まれるいずれかの値である、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
  12.  前記しきい値は、酸素飽和度の時間的相対変化量に換算して、45%~50%の範囲内に含まれるいずれかの値である、請求項11に記載の方法。
PCT/JP2021/015880 2020-06-19 2021-04-19 除細動のための装置及び方法 WO2021256074A1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP21826635.1A EP4137200A1 (en) 2020-06-19 2021-04-19 Defibrillation device and method
US18/008,498 US20230210434A1 (en) 2020-06-19 2021-04-19 Defibrillation device and method
JP2022532338A JPWO2021256074A1 (ja) 2020-06-19 2021-04-19

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020-106189 2020-06-19
JP2020106189 2020-06-19

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2021256074A1 true WO2021256074A1 (ja) 2021-12-23

Family

ID=79267754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2021/015880 WO2021256074A1 (ja) 2020-06-19 2021-04-19 除細動のための装置及び方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20230210434A1 (ja)
EP (1) EP4137200A1 (ja)
JP (1) JPWO2021256074A1 (ja)
WO (1) WO2021256074A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005046606A (ja) 2003-06-27 2005-02-24 Zoll Medical Corp 脈拍及び/又は血中酸素の測定からのフィードバックを備えた心肺蘇生装置
US20150148856A1 (en) * 2013-11-27 2015-05-28 Zoll Medical Corporation Rescuer protection from electrical shock during defibrillation
JP2016513546A (ja) * 2013-03-14 2016-05-16 ゾール メディカル コーポレイションZOLL Medical Corporation 以前のショックに基づくショックの同定
JP2017164033A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 株式会社フジタ医科器械 自動体外式除細動器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005046606A (ja) 2003-06-27 2005-02-24 Zoll Medical Corp 脈拍及び/又は血中酸素の測定からのフィードバックを備えた心肺蘇生装置
JP2016513546A (ja) * 2013-03-14 2016-05-16 ゾール メディカル コーポレイションZOLL Medical Corporation 以前のショックに基づくショックの同定
US20150148856A1 (en) * 2013-11-27 2015-05-28 Zoll Medical Corporation Rescuer protection from electrical shock during defibrillation
JP2017164033A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 株式会社フジタ医科器械 自動体外式除細動器

Also Published As

Publication number Publication date
US20230210434A1 (en) 2023-07-06
EP4137200A1 (en) 2023-02-22
JPWO2021256074A1 (ja) 2021-12-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220249026A1 (en) System and Method for Characterizing Cardiac Arrhythmia
US11350884B2 (en) Physiological metric estimation rise and fall limiting
US6241684B1 (en) Exercise workout support device
JP2017512581A (ja) ユーザの心拍数の変動を検出するためのシステム及び方法
EP3781029B1 (en) Device, system and method for supporting detection of return of spontaneous circulation during cardiopulmonary resuscitation
US8974396B1 (en) Mobile plethysmographic device
US20140376788A1 (en) Compensating for motion induced artifacts in a physiological signal extracted from a single video
JP2018518303A (ja) 心肺蘇生法の最中における自発的な循環流動の復帰の決定
EP2229880A1 (en) Headband integrated monitoring unit using an accelerometer
US9629562B1 (en) Mobile plethysmographic device
US20200337578A1 (en) Wearable ecg and auscultation monitoring system with sos and remote monitoring
US11229405B2 (en) Neck-worn physiological monitor
JP4407135B2 (ja) 運動負荷強度評価装置及び運動機器
WO2021256074A1 (ja) 除細動のための装置及び方法
KR102186260B1 (ko) 패드형 심폐소생술 보조기기
KR102193558B1 (ko) 생체 신호를 측정하기 위한 방법, 시스템 및 비일시성의 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
US20210161401A1 (en) Electrocardiograph
JP4093085B2 (ja) 運動負荷強度評価装置及び運動機器
WO2018231193A1 (en) Apparatus and method for calculating a pulse deficit value
Shimazaki et al. Design of PPG-based heart rate sensor enabling motion artefact cancellation
US20190246926A1 (en) Device for detecting atrial fibrillation of a subject
JP6817755B2 (ja) 濃度測定装置及び濃度測定装置の作動方法
US11938332B2 (en) Method to provide computational analysis and feedback during a cardiac rescue
US20230048327A1 (en) Systems and methods of use for a wearable ultrasound blood flow sensor
RU2782298C1 (ru) Нательное мобильное устройство дистанционного контроля множественных физиологических показателей состояния здоровья

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 21826635

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2022532338

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2021826635

Country of ref document: EP

Effective date: 20221115

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE