WO2021246158A1

WO2021246158A1 - 負荷試験装置、負荷試験装置のキャップ

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Publication number: WO2021246158A1
Application number: PCT/JP2021/018746
Authority: WO
Inventors: 豊嗣近藤
Original assignee: 株式会社辰巳菱機
Priority date: 2020-06-04
Filing date: 2021-05-18
Publication date: 2021-12-09
Also published as: US20230147732A1; JP7058452B1; JPWO2021246158A1; EP4163891A1; CN115605772A

Abstract

不具合を早期に発見することが可能な負荷試験装置などを提供する。　負荷試験装置１は、電力供給を受ける複数の抵抗器Ｒと、複数の抵抗器Ｒのそれぞれの両端を保持する壁（保持枠２１）とを有する抵抗部２０と、抵抗器Ｒの端子６３であって、壁から突出する部分に取り付けられる絶縁性のキャップ７０とを備える。キャップ７０は、熱により変形する素材で構成される。キャップ７０は、端子６３が第１温度以上になると、熱により変形して端子６３から外れる。

Description

負荷試験装置、負荷試験装置のキャップ

　本発明は、負荷試験装置に関する。

　従来、特許文献１のように、発電機の負荷試験を行う乾式負荷試験装置が提案されている。

特開２０１０－２５７５２号公報

　負荷試験装置には高圧の電流が流れるため、負荷試験装置を構成する部材のいずれかに不具合が生じた場合には出来るだけ早期に発見することが望ましい。

　したがって本発明の目的は、不具合を早期に発見することが可能な負荷試験装置などを提供することである。

　本発明に係る負荷試験装置は、電力供給を受ける複数の抵抗器と、複数の抵抗器のそれぞれの両端を保持する壁とを有する抵抗部と、抵抗器の端子であって、壁から突出する部分に取り付けられる絶縁性のキャップとを備える。
　キャップは、熱により変形する素材で構成される。
　キャップは、端子が第１温度以上になると、熱により変形して端子から外れる。

　ナットの締め付けが緩い場合には、ナットの締め付けを十分に行った場合に比べて、抵抗器が正常時よりも発熱するおそれがある。
　抵抗器が正常時よりも発熱した場合には、キャップが熱で変形し、端子から外れる。このため、抵抗器が正常時よりも発熱した場合などに、キャップの変形及びキャップの端子からの脱落により、外部から抵抗器が発熱した状況などを容易に視認出来る。
　すなわち、負荷試験装置の不具合を早期に発見することが可能になる。

　好ましくは、負荷試験装置は、抵抗ユニットを保持するフレームに取り付けられ、抵抗器の端子であって壁から突出して露出する部分を保護するカバーを更に備える。
　カバーは、透明な素材、若しくは透光性を有する素材で構成される。

　カバーを設けることにより、外部から埃などが侵入して、端子などに付着することを防止出来る。
　カバーが透明な材料で構成されることにより、負荷試験装置の内部であって、端子がある領域を外部から視認することが可能になる。

　さらに好ましくは、キャップは、端子であって壁から突出して露出する部分を覆う筒部と、筒部の一方の端部に設けられ端子の先端と対向する蓋部とを有する。
　カバーと、端子の距離は、筒部と蓋部の高さ方向の寸法の和よりも長い。

　端子とカバーとの間の距離が、キャップの高さ方向の寸法（筒部と蓋部の高さ方向の寸法の和）よりも長い。このため、熱により変形したキャップが下方に落下するスペースが十分に確保される。
　キャップが外れた端子と、キャップで覆われた端子とを見比べることで、不具合が生じた抵抗器を容易に判別することが可能になる。

　さらに好ましくは、キャップは、第１温度以上になると第１の色になり、第１温度未満になると第１の色と異なる第２の色になる素材で構成される。

　キャップの色が熱で変化するので、抵抗器が正常時よりも発熱した場合などに、色変化により、外部から抵抗器が発熱した状況などを容易に視認出来る。

　さらに好ましくは、負荷試験装置は、フレームの内側で、端子及びキャップがある領域の温度、湿度、音、振動、衝撃、放電電圧、匂いの少なくとも１つに関する情報を取得する第１検知部をさらに備える。
　第１検知部は、負荷試験装置に含まれる他の機器の少なくとも１つと電気的に接続する。
　第１検知部で得られた情報についての外部機器への送信と、第１検知部で得られた情報に基づく抵抗部への電力供給の停止制御の少なくとも一方が行われる。

　第１検知部が、温度、湿度、音、振動、衝撃、放電電圧、匂いなどを検知することで、負荷試験装置に異常がある場合に、これらの情報に基づいて、抵抗器への電圧印加を停止させたり（オフ制御する）、外部機器に通知したりすることが可能になる。

　さらに好ましくは、第１検知部は、第１検知部で得られた情報に基づいて光を発する表示部を有する。

　表示部が、第１検知部で得られた情報に基づいて、光を発することで、負荷試験装置に異常が発生したか否かに関する情報を、外部から容易に視認出来る。

　また、好ましくは、負荷試験装置は、少なくとも第１信号の発信を行う第１通信部を含む第１装置と、少なくとも第１信号の受信を行う第２通信部を含む第２装置を更に備える。
　第１装置と第２装置は、端子及びキャップがある領域と、抵抗部への電力供給を制御するためのリレーがある領域の少なくとも一方を挟む位置関係に配置される。
　第２通信部が受信した信号の電波に関する情報についての外部機器への送信と、第２通信部が受信した信号の電波に関する情報に基づく抵抗部への電力供給の停止制御、第２通信部が受信した信号の電波に関する情報に基づく発光の少なくとも一方が行われる。

　また、好ましくは、負荷試験装置は、少なくとも第１信号の発信を行う第１通信部を含む第１装置と、少なくとも第１信号の受信を行う第２通信部を含む第２装置を更に備える。
　第２装置は、第２信号の発信を行う。
　第１装置は、第２信号の受信を行う。
　第１装置と第２装置は、端子及びキャップがある領域と、抵抗部への電力供給を制御するためのリレーがある領域の少なくとも一方を挟む位置関係に配置される。
　第２通信部が受信した第１信号の電波に関する情報と第１通信部が受信した第２信号の電波に関する情報についての外部機器への送信と、第２通信部が受信した第１信号の電波に関する情報と第１通信部が受信した第２信号の電波に関する情報に基づく抵抗部への電力供給の停止制御、第２通信部が受信した信号の電波に関する情報と第１通信部が受信した第２信号の電波に関する情報に基づく発光の少なくとも一方が行われる。

　また、好ましくは、負荷試験装置は、超音波を検知する超音波センサーを更に備える。
　超音波センサーで得られた情報についての外部機器への送信と、超音波センサーで得られた情報に基づく抵抗部への電力供給の停止制御の少なくとも一方が行われる。

　リレー部２５のリレーの内部の炭化などの劣化、碍子３５の汚れ、漏れ電流の発生、抵抗器Ｒの不具合などが生じた場合には、不具合箇所から超音波が発せられる場合がある。このため、超音波を検知し、可聴若しくは視認可能な状態にすることで、負荷試験装置１の不具合を早期に発見することが可能になる。

　また、好ましくは、負荷試験装置は、超音波センサーで得られた信号の周波数を可聴域の周波数に変換する変換部と、変換部で変換された信号を音で出力する出力部とを更に備える。

　また、好ましくは、負荷試験装置は、負荷試験装置の特定の部位に取り付けられ、特定の部位の状態に応じて色が変化する部材で構成された第２検知部を更に備える。
　負荷試験装置に含まれる他の機器と電気的に接続しない状態で、第２検知部は、特定の部位であって、カバーを介して外部から見える箇所に設けられる。

　第１検知部と同様に、第２検知部も、温度などの情報を取得する。
　第２検知部は、他の機器と電気的に接続したり、通信したりしない。
　このため、第１検知部などのように、他の機器と電気的に接続したり、通信したりする検知部材と比べて、配線が多くて複雑な負荷試験装置に簡単に第２検知部を配置することが出来る。

　また、好ましくは、カバーは、抵抗器から発生する電磁波に基づいて振動する。

　また、好ましくは、キャップは、両端が開口する筒部を含む。
　筒部の一方の端部が開口した状態で、他方の端部に端子が挿入される。

　本発明に係る負荷試験装置は、電力供給を受ける複数の抵抗器と、複数の抵抗器のそれぞれの両端を保持する壁とを有する抵抗部と、抵抗器の端子であって、壁から突出する部分に取り付けられる絶縁性のキャップとを備える。
　キャップは、端子が第１温度以上になると、熱により変形して端子から外れる、そして／若しくは、第１温度以上になると第１の色になり、第１温度未満になると第１の色と異なる第２の色になる。

　本発明に係る負荷試験装置のキャップは、電力供給を受ける複数の抵抗器と、複数の抵抗器のそれぞれの両端を保持する壁とを有する抵抗部を備える負荷試験装置における、抵抗器の端子であって、壁から突出する部分に取り付けられた絶縁性のキャップである。
　キャップは、熱により変形する素材で構成される。
　キャップは、端子が第１温度以上になると、熱により変形して端子から外れる。

　以上のように本発明によれば、不具合を早期に発見することが可能な負荷試験装置などを提供することができる。

本実施形態における負荷試験装置の正面図である。本実施形態における負荷試験装置の側面図である。本実施形態における負荷試験装置の構成を示す模式図である。抵抗部の一方の側面を示す図である。抵抗部の他方の側面を示す図である。キャップが取り付けられる前の抵抗器の端子の周囲を示す斜視図である。キャップが取り付けられた後の抵抗器の端子の周囲を示す斜視図である。キャップの一つが変形して端子から外れる瞬間の抵抗器の端子の周囲を示す斜視図である。カバーとキャップが取り付けられる前の抵抗器と保持枠とカバーと第１検知部の位置関係を示す断面構成図である。カバーとキャップが取り付けられた後の抵抗器と保持枠とカバーと第１検知部の位置関係を示す断面構成図である。カバーとキャップが取り付けられた後で、キャップの一つが変形して端子から外れた後の抵抗器と保持枠とカバーと第１検知部の位置関係を示す断面構成図である。蓋部無しのキャップの一つが変形して端子から外れる瞬間の抵抗器の端子の周囲を示す斜視図である。カバーと蓋部無しのキャップが取り付けられた後で、蓋部無しのキャップの一つが変形して端子から外れた後の抵抗器と保持枠とカバーと第１検知部（第１装置と第２装置）の位置関係を示す断面構成図である。超音波センサーを含む第１検知部の構成を示す図である。

　以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
　なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。

　（負荷試験装置１）
　本実施形態における乾式の負荷試験装置１は、フレーム１０、抵抗部２０、リレー部２５、冷却部３０、碍子３５、接続切り替え部４０、遮断器８０、第１検知部９１、第２検知部９２、通信部９５を備える（図１～図１１）。

　なお、方向を説明するために、接続切り替え部４０とフレーム１０が並べられる水平方向をｘ方向、ｘ方向に垂直な水平方向をｙ方向、ｘ方向とｙ方向に垂直な鉛直方向をｚ方向として説明する。

　（フレーム１０）
　フレーム１０は、上段に抵抗部２０を収容し、下段に冷却部３０を収納する。また、フレーム１０の側部には、接続切り替え部４０が設けられ、下部にはキャスターが設けられる。

　フレーム１０の側面（抵抗部２０を構成する抵抗器Ｒの端子６３が見える面）には、端子６３、端子６３に接続されたケーブル、端子６３に接続された短絡バーＳＢ、抵抗器Ｒを保持する保持枠２１を保護するカバー１１などが設けられる（図２参照）。
　カバー１１は、ポリカーボネート（polycarbonate）などの透明な素材、若しくは透光性を有する素材で構成される。
　また、カバー１１は、絶縁性の樹脂材料で構成される。

　ここで、「透明」とは、光が通過する物質の性質において、透過率が極めて高く、物質を通してその向こう側が透けて見える状態の性質を言う。
　このため、カバー１１が透明な素材で構成された場合には、図２に示すように、カバー１１の外部から、カバー１１を通して、キャップ７０など、負荷試験装置１の内部に設けられた部材が明確に透けて見える。
　また、「透光性を有する」とは、「透明」と同様に光が等価する性質を有しているが、透過する光が拡散されるため、又は透過率が低いために、「透明」と違ってその材質を通して向こう側の形状などを明確には認識出来ない状態の性質を言う。
　このため、カバー１１が透光性を有する素材で構成された場合には、図２に示すほどではないが、カバー１１の外部から、カバー１１を通して、キャップ７０など、負荷試験装置１の内部に設けられた部材が透けて見える。

　（抵抗部２０）
　抵抗部２０は、ｙ方向に平行な棒状の抵抗器Ｒがｘ方向に所定の間隔を空けて複数本並べられた抵抗器列が、ｚ方向に複数段並べられたもので、端子接続部４３を介して接続された発電機、バッテリーなどの試験対象電源の負荷試験を行うために用いられる。抵抗器Ｒは試験対象電源からの電力供給を受ける。
　なお、抵抗部２０は、コンピューターサーバーなどを冷却する空調設備の負荷試験を行うために用いられても良い。

　本実施形態では、抵抗器Ｒは、ｘ方向に９本並べられた抵抗器列が、ｚ方向に１３段並べられる。ただし、各抵抗器列に並べられる抵抗器Ｒの本数、抵抗器列が積み重ねられる段数などは、これに限るものではない。

　なお、少なくとも１段の抵抗器列（図４及び図５で示す例では、最も上段の抵抗器列）の抵抗器Ｒは、他の抵抗器Ｒが故障した場合の取り替えなど予備用で、他の段の抵抗器列を構成する抵抗器Ｒが、第１抵抗器群Ｇ１～第１２抵抗器群Ｇ１２を構成する抵抗器Ｒとして用いられるのが望ましい。

　抵抗部２０を構成する抵抗器Ｒにおいて、近接する６本若しくは１２本の抵抗器Ｒを、１つの抵抗器群とし、試験対象電源からの電圧印加を行う抵抗器群の数を変えながら、負荷試験が行われる。

　また、負荷試験対象の電源の種類に応じて、抵抗器群内の接続（抵抗器群内の抵抗器Ｒの接続状態）が変えられてもよい。

　抵抗部２０は、第１抵抗器群Ｇ１～第１２抵抗器群Ｇ１２を有する。本実施形態では、定格電圧：４００Ｖで定格容量：１．６７ｋＷの抵抗器Ｒを６本有する第１抵抗器群Ｇ１（定格容量：１ｋＷ）、定格電圧：１１６Ｖ、定格容量：３３４Ｗの抵抗器Ｒを６本有する第２抵抗器群Ｇ２（定格容量：２ｋＷ、第３抵抗器群Ｇ３も同じ）、定格電圧：１１６Ｖ、定格容量：８３４Ｗの抵抗器Ｒを６本有する第４抵抗器群Ｇ４（定格容量：５ｋＷ）、定格電圧：１１６Ｖ、定格容量：１．６７ｋＷの抵抗器Ｒを６本有する第５抵抗器群Ｇ５（定格容量：１０ｋＷ、第６抵抗器群Ｇ６も同じ）、定格電圧：１１６Ｖ、定格容量：１．６７ｋＷの抵抗器Ｒを１２本有する第７抵抗器群Ｇ７（定格容量：２０ｋＷ、第８抵抗器群Ｇ８～第１２抵抗器群Ｇ１２も同じ）が、設けられた例を示す。ただし、抵抗器群Ｇの数、それぞれの定格電圧、定格容量などは上述の構成に限るものではない。

　（抵抗器Ｒ）
　抵抗器Ｒは、抵抗線６１、端子６３、ナット６６、円筒部６７を有する（図６～図１１参照）。
　端子６３は、抵抗線６１と電気的に接続され抵抗線６１の両端に設けられる。
　ナット６６は、第１絶縁部材６５ａを挟むようにして、端子６３に螺合される。
　円筒部６７は、第１絶縁部材６５ａを介して端子６３を保持し、抵抗線６１及び端子６３の一部（保持枠２１を構成する壁から外側に露出しない部分）の側面を覆う。

　円筒部６７の側面には、放熱用フィン６９が設けられる。

　抵抗器Ｒの端子６３は、他の抵抗器Ｒの端子６３と短絡バーＳＢで接続されたり、ケーブルを介して端子接続部４３若しくはリレーに接続されたりする。

　抵抗器Ｒは、４つの壁で構成された保持枠２１で側面が覆われる。ただし、端子６３など、抵抗器Ｒの端部の一部は、保持枠２１で囲まれた領域から外側方向（ｙ方向）に突出する。

　保持枠２１に取り付けられた端子６３の先端とフレーム１０に取り付けられたカバー１１との距離が、第１距離ｄ１だけ離れた状態になるような位置関係で、抵抗器Ｒにおける端子６３と導通しない箇所（第１絶縁部材６５ａを介して、端子６３を保持する円筒部６７の両端近傍など）が、第２絶縁部材６５ｂを介して、当該保持枠２１を構成する壁に保持される。

　図６～図８は、保持枠２１に保持された４つの抵抗器Ｒの端部であって、その内、２つは、短絡バーＳＢを介して端子６３同士が接続されたものを示す。

　熱によって後述するキャップ７０が変形した時に、変形したキャップ７０が下方に落下出来る空間が、端子６３とカバー１１の間に形成されるように、第１距離ｄ１の長さが決定される。
　例えば、第１距離ｄ１は、キャップ７０の高さ（筒部７１と蓋部７３のｙ方向の寸法の和）よりも長くなるように、各部の寸法が決定される。

　また、保持枠２１は、下部に設けられた冷却部３０からの冷風を上部に流すために、上面と下面が開口する。

　（キャップ７０）
　抵抗器Ｒの端子６３であって、保持枠２１を構成する壁から突出して露出する部分には、キャップ（保護カバー）７０が被せられる。
　キャップ７０が端子６３を覆うことにより、端子６３に埃などが付着するのを防止出来る。

　キャップ７０は、筒部７１と、蓋部７３とを有する。
　筒部７１は、端子６３であって保持枠２１を構成する壁から突出する部分の側面を覆う。
　蓋部７３は、筒部７１の一方の端部に設けられた端子６３の先端と対向する。
　筒部７１の内壁の高さ（第２距離ｄ２）は、端子６３における保持枠２１を構成する壁から露出する部分の長さと同等である。

　キャップ７０は、絶縁性部材で構成される。
　キャップ７０は、ポリ塩化ビニルなど熱により変形する樹脂で構成される。
　具体的には、キャップ７０は、端子６３の筒部７１の内壁と接する領域の温度Ｔｔが第１温度Ｔ１（例えば、Ｔ１＝６５℃）以上になると柔らかくなって変形する素材で構成され、当該変形により、キャップ７０は端子６３から落下する。
　第１温度Ｔ１は、抵抗器Ｒが正常に動作している時には達しないが、抵抗器Ｒが正常に動作しない時に達する可能性がある端子６３の温度である。

　また、キャップ７０は、温度によって色が変化する素材で構成されるのが望ましい。
　例えば、キャップ７０は、キャップ７０の温度Ｔｃが第１温度Ｔ１になると、第１の色（赤色）になり、当該温度Ｔｃが第１温度Ｔ１未満の時に第２の色（白色）になる。

　（抵抗器Ｒの配列）
　冷却部３０による冷却を効率良く行うために、抵抗器列を構成する抵抗器Ｒと当該抵抗器Ｒとｘ方向に隣接する抵抗器Ｒの中間の位置に、ｚ方向に隣接する抵抗器列の抵抗器Ｒが配置されるように、各抵抗器列の抵抗器Ｒが配列される。

　（リレー部２５）
　リレー部２５は、試験対象電源から抵抗器群のいずれかへの電力供給を制御するために使用される。
　リレー部２５のリレーは、抵抗部２０における抵抗器群ごとに設けられる。
　リレー部２５は、第１リレー２５ａ～第１２リレー２５ｌを有する。
　第１リレー２５ａは、第１抵抗器群Ｇ１のオンオフ制御に使用される。
　第２リレー２５ｂは、第２抵抗器群Ｇ２のオンオフ制御に使用される。
　第３リレー２５ｃは、第３抵抗器群Ｇ３のオンオフ制御に使用される。
　第４リレー２５ｄは、第４抵抗器群Ｇ４のオンオフ制御に使用される。
　第５リレー２５ｅは、第５抵抗器群Ｇ５のオンオフ制御に使用される。
　第６リレー２５ｆは、第６抵抗器群Ｇ６のオンオフ制御に使用される。
　第７リレー２５ｇは、第７抵抗器群Ｇ７のオンオフ制御に使用される。
　第８リレー２５ｈは、第８抵抗器群Ｇ８のオンオフ制御に使用される。
　第９リレー２５ｉは、第９抵抗器群Ｇ９のオンオフ制御に使用される。
　第１０リレー２５ｊは、第１０抵抗器群Ｇ１０のオンオフ制御に使用される。
　第１１リレー２５ｋは、第１１抵抗器群Ｇ１１のオンオフ制御に使用される。
　第１２リレー２５ｌは、第１２抵抗器群Ｇ１２のオンオフ制御に使用される。

　（冷却部３０）
　抵抗部２０の下部（フレーム１０の下段）には、冷却ファンを有する冷却部３０が設けられる。

　冷却部３０、リレー部２５は、試験対象電源とは別の電源（負荷試験装置駆動用電源）に基づいて、駆動する（図３参照）。
　なお、コンピューターサーバーなどを冷却する空調設備の負荷試験を行う場合には、抵抗部２０の第１抵抗器群Ｇ１～第１２抵抗器群Ｇ１２の抵抗器Ｒは、遮断器８０を介して、当該負荷試験装置駆動用電源からの電力供給を受ける。また、試験対象電源の負荷試験を行う場合でも、冷却部３０、リレー部２５が、当該試験対象電源に基づいて駆動してもよい。

　（碍子３５）
　碍子３５は、フレーム１０と抵抗部２０の間、抵抗部２０と冷却部３０の間など、離隔による絶縁が必要な箇所に設けられる。

　（接続切り替え部４０）
　接続切り替え部４０は、操作部４１、端子接続部４３を有する（図２、図３参照）。端子接続部４３は、操作部４１と離れた位置（例えば、操作部４１の背面など）に配置される形態であってもよい。

　操作部４１は、モード切替スイッチ４１ａ、抵抗切替スイッチ４１ｂを有する。

　モード切替スイッチ４１ａは、ロータリー式の操作スイッチで、負荷試験装置１のオンオフ、及び試験対象の電源の種類を選択する（モード切替する）ために使用される。

　抵抗切替スイッチ４１ｂは、スライド式（若しくはトグル式若しくは押しボタン式）の操作スイッチで、第１抵抗器群Ｇ１～第１２抵抗器群Ｇ１２それぞれのリレーのオンオフ制御を行うためのスイッチである。抵抗切替スイッチ４１ｂは、第1操作スイッチＳ１～第１２操作スイッチＳ１２を有する。
　第１操作スイッチＳ１をオン状態にすると、第１抵抗器群Ｇ１のリレー（第１リレー２５ａ）がオン状態（導通状態）にされて、第１抵抗器群Ｇ１に、端子接続部４３を介して負荷試験装置１に接続された試験対象電源からの電流が流れうる状態にされる。
　第２操作スイッチＳ２～第１２操作スイッチＳ１２も、同様で、オン状態にすると、対応する抵抗器群のリレーがオン状態（導通状態）にされて、当該抵抗器群に、端子接続部４３を介して負荷試験装置１に接続された試験対象電源からの電流が流れうる状態にされる。

　モード切替スイッチ４１ａの回転位置を、試験対象電源の種類に対応した回転位置（動作モード）に合わせた場合に、冷却部３０の冷却ファンは駆動され、抵抗切替スイッチ４１ｂの操作状態に基づき第１抵抗器群Ｇ１～第１２抵抗器群Ｇ１２それぞれのリレー（第１リレー２５ａ～第１２リレー２５ｌ）のオンオフ制御が行われる。

　なお、主電源スイッチを設け、主電源スイッチがオン状態で且つモード切替スイッチ４１ａの回転位置を試験対象電源の種類に対応した回転位置（動作モード）に合わせた場合に、冷却ファンの駆動及び第１抵抗器群Ｇ１～第１２抵抗器群Ｇ１２それぞれのリレー（第１リレー２５ａ～第１２リレー２５ｌ）のオンオフ制御が行われる形態であってもよい。

　端子接続部４３は、試験対象の電源を接続するための端子である。
　端子接続部４３と遮断器８０を介して、試験対象電源と第１抵抗器群Ｇ１～第１２抵抗器群Ｇ１２とが接続可能な状態にされる。

　（遮断器８０）
　遮断器８０は、真空遮断器（ＶＣＢ：Vacuum Circuit Breaker）などで構成され、抵抗部２０と端子接続部４３の間に設けられる。遮断器８０がオン状態の時に、試験対象電源からの電力が抵抗部２０に供給される。遮断器８０がオフ状態の時に、試験対象電源から抵抗部２０への電力供給が停止される。

　遮断器８０のオンオフ制御は、モード切替スイッチ４１ａの操作状態に基づいて行われる。
　モード切替スイッチ４１ａの回転位置を、試験対象電源の種類に対応した回転位置（動作モード）に合わせ、負荷試験装置１がオン状態にされると、遮断器８０はオン状態にされる。
　負荷試験装置１が正常に動作している間は、遮断器８０のオン状態が維持される。
　第１検知部９１からの情報に基づいて、負荷試験装置１に異常があると判断された場合には、遮断器８０はオフ状態にされる。
　モード切替スイッチ４１ａの回転位置を、動作オフに対応した回転位置（停止モード）に合わせ、負荷試験装置１がオフ状態にされると、遮断器８０はオフ状態にされる。

　（第１検知部９１）
　第１検知部９１は、周囲の温度、湿度、音、振動、衝撃、放電電圧、匂いなどに関する情報を取得する。
　第１検知部９１は、負荷試験装置１に含まれる他の機器（遮断器８０、通信部９５）と電気的に接続する。
　第１検知部９１は、試験対象電源とは別の電源（負荷試験装置駆動用電源）若しくは内蔵バッテリーに基づいて、駆動する。
　第１検知部９１は、例えば、フレーム１０の内側で、端子６３及びキャップ７０がある領域に設けられる。
　この場合、第１検知部９１は、フレーム１０の内側で、端子６３及びキャップ７０がある領域の温度、湿度、音、衝撃、放電電圧、匂いの少なくとも１つに関する情報を取得する。

　なお、第１検知部９１が放電電圧に関する情報を取得するセンサーで構成され、カバー１１が電波透過性材料で構成された場合には、第１検知部９１は、負荷試験装置１の外側に設けられても良い。

　また、第１検知部９１が抵抗器Ｒから発生する電磁波に基づくカバー１１の振動に関する情報を取得するセンサーで構成された場合には、第１検知部９１は、負荷試験装置１の外側に設けられても良い。
　抵抗器Ｒから発生する電磁波に基づくカバー１１の振動は、抵抗器Ｒが正常に動作している場合と、正常に動作していない場合とで異なる。このため、抵抗器Ｒが正常に動作している場合の振動パターンと、抵抗器Ｒが正常に動作していない場合の振動パターンの少なくとも一方を第１検知部９１などが記録しておき、第１検知部９１で得られた振動との比較に基づいて、後述するオフ制御を行うことが出来る。

　第１検知部９１で得られた情報に基づいて、遮断器８０のオンオフ制御が行われる。
　また、第１検知部９１で得られた情報は、通信部９５を介して、外部機器１００に送信される。
　すなわち、第１検知部９１で得られた情報は、負荷試験装置１の他の機器の動作に用いられる。

　（オフ制御の例）
　例えば、第１検知部９１が検知した温度Ｔが、第１温度閾値Ｔｔｈ１以上に高い場合、負荷試験装置１に異常があるとして、第１検知部９１の制御装置（若しくは他の制御装置）は、遮断器８０をオフ状態にする。
　また、第１検知部９１が検知した湿度Ｈが、第１湿度閾値Ｈｔｈ１以上に高い場合、第１検知部９１の制御装置（若しくは他の制御装置）は、負荷試験装置１に異常があるとして、遮断器８０をオフ状態にする。
　また、第１検知部９１が、キャップ７０の落下に起因する音と衝撃の少なくとも一方を検知した場合には、第１検知部９１の制御装置（若しくは他の制御装置）は、負荷試験装置１に異常があるとして、遮断器８０をオフ状態にする。
　具体的には、予め第１検知部９１などに記録されたキャップ７０の落下に起因する音の波形と、第１検知部９１が検知した音の波形の差異が小さい場合と、予め第１検知部９１などに記録されたキャップ７０の落下に起因する振動の波形と、第１検知部９１が検知した振動の波形の差異が小さい場合の少なくとも一方を満たす場合に、キャップ７０の落下に起因する音と衝撃の少なくとも一方を検知したと判断される。
　また、第１検知部９１が検知した放電電圧Ｖが、第１電圧閾値Ｖｔｈ１以上に高い場合、第１検知部９１の制御装置（若しくは他の制御装置）は、負荷試験装置１に異常があるとして、遮断器８０をオフ状態にする。
　また、第１検知部９１が焦げた匂いなどを検知した場合、第１検知部９１の制御装置（若しくは他の制御装置）は、負荷試験装置１に異常があるとして、遮断器８０をオフ状態にする。

　（表示部９１ａ）
　第１検知部９１は、第１検知部９１で検知した情報を光で出力する表示部９１ａを有するのが望ましい。
　例えば、第１検知部９１で検知した情報が異常時のものを含まない場合（第１状態）、表示部９１ａは、第３の色（緑色）の光を発する。
　第１検知部９１で検知した情報が異常時に近いものを含む場合（第２状態）、第３の色の発光よりも優先的に、表示部９１ａは、第４の色（黄色）の光を発する。
　具体的には、第１検知部９１が検知した温度Ｔが、第２温度閾値Ｔｔｈ２（Ｔｔｈ２＜Ｔｔｈ１）以上であって、第１温度閾値Ｔｔｈ１未満である場合、第１検知部９１が検知した湿度Ｈが、第２湿度閾値Ｈｔｈ２（ＨＴｈ２＜Ｈｔｈ１）以上であって、第１湿度閾値Ｈｔｈ１未満である場合、第１検知部９１が検知した放電電圧Ｖが、第２電圧閾値Ｖｔｈ２（Ｖｔｈ２＜Ｖｔｈ１）以上であって、第１電圧閾値Ｖｔｈ１未満である場合の、少なくとも１つを満たす場合、表示部９１ａは、第４の色（黄色）の光を発する。
　第１検知部９１で検知した情報が異常時のものを含む場合、第３の色の発光及び第４の色の発光よりも優先的に、表示部９１ａは、第５の色（赤色）の光を発する。
　具体的には、第１検知部９１が検知した温度Ｔが、第１温度閾値Ｔｔｈ１以上である場合、第１検知部９１が検知した湿度Ｈが、第１湿度閾値Ｈｔｈ１以上である場合、第１検知部９１が検知した放電電圧Ｖが、第１電圧閾値Ｖｔｈ１以上である場合の、少なくとも１つを満たす場合、表示部９１ａは、第５の色（赤色）の光を発する。

　（第２検知部９２）
　第２検知部９２は、取り付けられた部位の状態（温度が高いか否かなど）に応じて、色が変化する部材で構成される。
　外部機器１００と通信せず、且つ負荷試験装置１に含まれる他の機器と電気的に接続しない状態で、第２検知部９２は、負荷試験装置１を構成する部位であって、負荷試験の際に異常が発生する可能性がある箇所（特定の部位）であって、且つカバー１１を介して外部から見える箇所などに設けられる。

　例えば、第２検知部９２は、短絡バーＳＢに取り付けられる。
　この場合、第２検知部９２は、短絡バーＳＢの温度Ｔｓが所定の第２温度Ｔ２（例えば、Ｔ２＝５０℃）以上になると、第１の色（赤色）になり、当該温度Ｔｓが第２温度Ｔ２未満の時に第２の色（白色）になる。
　第２温度Ｔ２は、抵抗器Ｒが正常に動作している時には達しないが、抵抗器Ｒが正常に動作していない時に達する可能性がある短絡バーＳＢの温度である。

　（通信部９５）
　通信部９５は、負荷試験装置１の外部に設けられた装置（外部機器１００）と、無線で通信する。
　第１検知部９１で得られた情報は、通信部９５を介して、外部機器１００に送信される。
　外部機器１００から送信された情報は、通信部９５で受信する。
　外部機器１００からの信号を受信し、当該信号に基づいて、遮断器８０のオンオフ制御が行われてもよい。
　例えば、外部機器１００は、第１検知部９１からの検知情報を表示し、外部機器１００の使用者が遮断器８０のオフ制御に関する指示信号送信の操作を行う。
　外部機器１００は、通信部９５に当該オフ制御に関する指示信号を送信し、通信部９５が当該オフ制御に関する指示信号を受信すると、第１検知部９１の制御装置（若しくは他の制御装置）が、遮断器８０をオフ状態にする。

　（熱で変形して外れるキャップ７０を設けたことの効果）
　ナット６６の締め付けが緩い場合には、ナット６６の締め付けを十分に行った場合に比べて、抵抗器Ｒが正常時よりも発熱するおそれがある。
　抵抗器Ｒが正常時よりも発熱した場合には、キャップ７０が熱で変形し、端子６３から外れる。このため、抵抗器Ｒが正常時よりも発熱した場合などに、キャップ７０の変形及びキャップ７０の端子６３からの脱落により、外部から抵抗器Ｒが発熱した状況などを容易に視認出来る。
　すなわち、負荷試験装置１の不具合を早期に発見することが可能になる。

　（透明のカバー１１を設けたことの効果）
　カバー１１を設けることにより、外部から埃などが侵入して、端子６３などに付着することを防止出来る。
　カバー１１が透明な材料で構成されることにより、負荷試験装置１の内部であって、端子６３がある領域を外部から視認することが可能になる。

　また、カバー１１は、抵抗器Ｒなどから発生する電磁波に基づいて振動し、当該電磁波に基づいて音を発生させるスピーカーとして機能する。抵抗器Ｒなどから発生する電磁波に基づくカバー１１の振動は、抵抗器Ｒが正常に動作している場合と、正常に動作していない場合とで異なる。このため、負荷試験装置１の周囲に居る作業者などが、カバー１１の振動に基づく音を聞き、当該音が、抵抗器Ｒなどが正常に動作している場合のものか、正常に動作していない場合のものかを判断することも可能になる。

　（端子６３とカバー１１の間を広くしたことの効果）
　端子６３とカバー１１との間の距離が、キャップ７０の高さ方向の寸法（筒部７１と蓋部７３の高さ方向の寸法の和）よりも長い。このため、熱により変形したキャップ７０が下方に落下するスペースが十分に確保される。
　キャップ７０が外れた端子６３と、キャップ７０で覆われた端子６３とを見比べることで、不具合が生じた抵抗器Ｒを容易に判別することが可能になる。

　（キャップ７０の色が変化することの効果）
　キャップ７０の色が熱で変化するので、抵抗器Ｒが正常時よりも発熱した場合などに、色変化により、外部から抵抗器Ｒが正常時よりも発熱した状況などを容易に視認出来る。

　（第１検知部９１を設けたことの効果）
　第１検知部９１が、温度、湿度、音、衝撃、放電電圧、匂いなどを検知することで、負荷試験装置１に異常がある場合に、これらの情報に基づいて、抵抗器Ｒへの電圧印加を停止させたり（オフ制御する）、外部機器１００に通知したりすることが可能になる。
　特に、ナット６６の締め付けが緩い場合には、ナット６６の締め付けを十分に行った場合に比べて、放電電圧Ｖが大きくなるおそれがある。
　しかしながら、本実施形態では、第１検知部９１で、放電電圧Ｖに基づくオフ制御などを行うので、負荷試験装置１の不具合を早期に発見することが可能になる。

　（表示部９１ａを設けたことの効果）
　表示部９１ａが、第１検知部９１で得られた情報に基づいて、光を発することで、負荷試験装置１に異常が発生したか否かに関する情報を、外部から容易に視認出来る。

　（第２検知部９２を設けたことの効果）
　第１検知部９１と同様に、第２検知部９２も、温度などの情報を取得する。
　第２検知部９２は、他の機器と電気的に接続したり、通信したりしない。
　このため、第１検知部９１などのように、他の機器と電気的に接続したり、通信したりする検知部材と比べて、配線が多くて複雑な負荷試験装置１に簡単に第２検知部９２を配置することが出来る。

　（キャップ７０の変型例）
　本実施形態では、キャップ７０が、筒部７１と蓋部７３を有し、蓋部７３によって、筒部７１の開口の一方が塞がれたものを説明した。
　しかしながら、キャップ７０が蓋部７３を有さず、筒部７１の両端が開口したものであってもよい（図１２、図１３参照）。
　この場合、キャップ７０の筒部７１の一方の端部が開口した状態で、他方の端部に端子６３が挿入される。

　（第１検知部９１の変型例１）
　本実施形態では、第１検知部９１が、周囲の温度、湿度、音、振動、衝撃、放電電圧、匂いなどに関する情報を取得するセンサーで構成される例を説明した。
　しかしながら、当該センサーに代えて、若しくは当該センサーに加えて、電波を発信し、当該電波を受信する通信装置を有してもよい（図１３参照）。

　この場合、第１検知部９１は、第１装置９１１と第２装置９１２を有する。
　第１装置９１１は、表示部９１ａ、第１通信部９１ｂ１、第１反射部９１ｃ１を有する。
　第２装置９１２は、第２通信部９１ｂ２、第２反射部９１ｃ２を有する。

　第１装置９１１と第２装置９１２は、フレーム１０の内側で、端子６３及びキャップ７０がある領域に設けられ、端子６３及びキャップ７０に設けられた領域を挟む位置関係に配置される。
　例えば、第１装置９１１は、フレーム１０の内側で、端子６３及びキャップ７０がある領域の下方に配置され、第２装置９１２は、フレーム１０の内側で、端子及びキャップ７０がある領域の上方に配置される。

　第１通信部９１ｂ１は、第１信号を第２通信部９１ｂ２に向けて発信し、第２通信部９１ｂ２からの第２信号を受信する。
　第１反射部９１ｃ１は、第１通信部９１ｂ１からの第１信号を第２通信部９１ｂ２がある方向（上方）に向けて反射し、第２通信部９１ｂ２からの第２信号を第１通信部９１ｂ１がある方向（下方）に向けて反射する。

　第２通信部９１ｂ２は、第２信号を第１通信部９１ｂ１に向けて発信し、第１通信部９１ｂ１からの第１信号を受信する。
　第２反射部９１ｃ２は、第２通信部９１ｂ２からの第２信号を第１通信部９１ｂ１がある方向に向けて反射（下方）し、第１通信部９１ｂ１からの第１信号を第２通信部９１ｂ２がある方向（上方）に向けて反射する。

　第１検知部９１の制御装置（若しくは他の制御装置）は、第１通信部９１ｂ１が受信した第２信号と第２通信部９１ｂ２が受信した第１信号のそれぞれの、電波強度及び波形など、電波に関する情報に基づいて、遮断器８０のオフ制御を行う。
　また、当該電波に関する情報は、通信部９５を介して、外部機器１００に送信されてもよい。

　抵抗器Ｒなどが正常に動作している場合と、正常に動作していない場合とでは、抵抗器Ｒなどから発生する電磁波に差異が生じるため、第１通信部９１ｂ１で受信した第２通信部９１ｂ２からの第２信号の電波強度及び波形、及び第２通信部９１ｂ２で受信した第１通信部９１ｂ１からの第１信号の電波強度及び波形に差異が生じる。
　キャップ７０が装着された状態と、キャップ７０が外れた状態とでは、第１通信部９１ｂ１で受信した第２通信部９１ｂ２からの第２信号の電波強度及び波形、及び第２通信部９１ｂ２で受信した第１通信部９１ｂ１からの第１信号の電波強度及び波形に差異が生じる。
　キャップ７０が熱で変色していない状態と、キャップ７０が熱で変色した状態とでは、第１通信部９１ｂ１で受信した第２通信部９１ｂ２からの第２信号の電波強度及び波形、及び第２通信部９１ｂ２で受信した第１通信部９１ｂ１からの第１信号の電波強度及び波形に差異が生じる。
　このため、抵抗器Ｒなどが正常に動作している場合の電波強度、波形などを第１検知部９１などが記録しておき、当該電波強度と波形の少なくとも一方に基づいて、遮断器８０のオフ制御を行うことが可能になる。

　第１通信部９１ｂ１及び第２通信部９１ｂ２による無線通信の通信手段は、電話回線、ＲＦタグの通信方式の他、当該無線通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報を発信するもので、IEEE802.15.1（Bluetooth（登録商標）、２．４ＧＨｚ）、IEEE802.11（無線LAN、２．４ＧＨｚまたは５ＧＨｚ）などが考えられる。

　第１反射部９１ｃ１及び第２反射部９１ｃ２を設けることで、第１通信部９１ｂ１及び第２通信部９１ｂ２の受信感度を高めることが可能になる。

　なお、第１通信部９１ｂ１と第２通信部９１ｂ２の一方は、信号の送信だけを行い、第１通信部９１ｂ１と第２通信部９１ｂ２の他方は、当該信号の受信だけを行う形態であってもよい。

　また、第１通信部９１ｂ１と第２通信部９１ｂ２は、負荷試験装置１に１つずつ設けられる例を説明した。しかしながら、第１通信部９１ｂ１と第２通信部９１ｂ２が、端子６３とキャップ７０の１つずつ以上を挟む位置関係で、複数組設けられても良い。この場合には、不具合が生じた抵抗器Ｒを特定しやすくなる。
　また、第１リレー２５ａなどのリレーを挟む位置関係で、第１通信部９１ｂ１と第２通信部９１ｂ２が複数組設けられても良い。この場合には、不具合が生じたリレーを特定しやすくなる。

　（第１検知部９１の変型例２）
　また、本実施形態では、第１検知部９１が、周囲の温度、湿度、音、振動、衝撃、放電電圧、匂いなどに関する情報を取得するセンサーで構成される例を説明した。
　しかしながら、当該センサーに代えて、若しくは当該センサーに加えて、第１検知部９１が超音波を検知し、超音波に基づいて、オフ制御などが行われてもよい。
　この場合、第１検知部９１は、超音波センサー９１ｄ１、変換部９１ｄ２、出力部９１ｄ３、集音部９１ｄ４を有する（図１４参照）。

　超音波センサー９１ｄ１は、所定の周波数帯よりも高周波の信号、すなわち、超音波（例えば、２０，０００Ｈｚ以上の音）を検知するセンサー（若しくはマイク）である。
　変換部９１ｄ２は、超音波センサー９１ｄ１で検知した信号の周波数を可聴域の周波数（例えば、１，０００Ｈｚ）に変換する。
　出力部９１ｄ３は、変換部９１ｄ２で変換された信号を音で出力する。
　集音部９１ｄ４は、出力部９１ｄ３で出力された音を集音する。
　例えば、集音部９１ｄ４で、超音波に対応する音が集音された場合、負荷試験装置１に異常があるとして、第１検知部９１の制御装置（若しくは他の制御装置）は、遮断器８０をオフ状態にする。また、集音部９１ｄ４で集音された音に関する情報は、通信部９５を介して、外部機器１００に送信される。また、集音部９１ｄ４で、超音波に対応する音が集音された場合、表示部９１ａは、第５の色（赤色）の光などを発する。

　ここでは、超音波センサー９１ｄ１で取得した超音波を可聴域音に変換して出力して、超音波が発生したか否かを判断する形態を説明した。
　しかしながら、超音波センサー９１ｄ１で取得した超音波に関する情報について、波形を読み取るなど、他の方法で、超音波が発生したか否かを判断してもよい。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

　１　負荷試験装置
　１０　フレーム
　１１　カバー
　２０　抵抗部
　２１　保持枠
　２５　リレー部
　２５ａ～２５ｌ　第１リレー～第１２リレー
　３０　冷却部
　３５　碍子
　４０　接続切り替え部
　４１　操作部
　４１ａ　モード切替スイッチ
　４１ｂ　抵抗切替スイッチ
　４３　端子接続部
　６１　抵抗線
　６３　端子
　６５ａ　第１絶縁部材
　６５ｂ　第２絶縁部材
　６６　ナット
　６７　円筒部
　６９　放熱用フィン
　７０　キャップ
　７１　筒部
　７３　蓋部
　８０　遮断器８０
　９１　第１検知部
　９１１　第１装置
　９１２　第２装置
　９１ａ　表示部
　９１ｂ１　第１通信部
　９１ｂ２　第２通信部
　９１ｃ１　第１反射部
　９１ｃ２　第２反射部
　９１ｄ１　超音波センサー
　９１ｄ２　変換部
　９１ｄ３　出力部
　９１ｄ４　集音部
　９２　第２検知部
　９５　通信部
　１００　外部機器
　ｄ１　第１距離
　ｄ２　第２距離
　Ｇ１～Ｇ１２　第１抵抗器群～第１２抵抗器群
　Ｈ　第１検知部が検知する湿度
　Ｈｔｈ１　第１湿度閾値
　Ｈｔｈ２　第２湿度閾値
　Ｒ　抵抗器
　Ｓ１～Ｓ１２　第１操作スイッチ～第１２操作スイッチ
　ＳＢ　短絡バー
　Ｔ　第１検知部が検知する温度
　Ｔ１　第１温度（キャップが変形する温度）
　Ｔ２　第２温度（第２検知部の色が変わる温度）
　Ｔｃ　キャップの温度
　Ｔｓ　短絡バーの温度
　Ｔｔ　端子の温度
　Ｔｔｈ１　第１温度閾値
　Ｔｔｈ２　第２温度閾値
　Ｖ　第１検知部が検知する放電電圧
　Ｖｔｈ１　第１電圧閾値
　Ｖｔｈ２　第２電圧閾値

Claims

　電力供給を受ける複数の抵抗器と、前記複数の抵抗器のそれぞれの両端を保持する壁とを有する抵抗部と、
　前記抵抗器の端子であって、前記壁から突出する部分に取り付けられる絶縁性のキャップとを備え、
　前記キャップは、熱により変形する素材で構成され、
　前記キャップは、前記端子が第１温度以上になると、前記熱により変形して前記端子から外れる、負荷試験装置。
　前記抵抗ユニットを保持するフレームに取り付けられ、前記抵抗器の端子であって前記壁から突出して露出する部分を保護するカバーを更に備え、
　前記カバーは、透明な素材、若しくは透光性を有する素材で構成される、請求項１に記載の負荷試験装置。
　前記キャップは、前記端子であって前記壁から突出して露出する部分を覆う筒部と、前記筒部の一方の端部に設けられ前記端子の先端と対向する蓋部とを有し、
　前記カバーと、前記端子の距離は、前記筒部と前記蓋部の高さ方向の寸法の和よりも長い、請求項２に記載の負荷試験装置。
　前記キャップは、前記第１温度以上になると第１の色になり、前記第１温度未満になると前記第１の色と異なる第２の色になる素材で構成される、請求項１～請求項３のいずれかに記載の負荷試験装置。
　前記フレームの内側で、前記端子及び前記キャップがある領域の温度、湿度、音、振動、衝撃、放電電圧、匂いの少なくとも１つに関する情報を取得する第１検知部をさらに備え、
　前記第１検知部は、前記負荷試験装置に含まれる他の機器の少なくとも１つと電気的に接続し、
　前記第１検知部で得られた情報についての外部機器への送信と、前記第１検知部で得られた情報に基づく前記抵抗部への電力供給の停止制御の少なくとも一方が行われる、請求項１～請求項４のいずれかに記載の負荷試験装置。
　前記第１検知部は、前記第１検知部で得られた情報に基づいて光を発する表示部を有する、請求項５に記載の負荷試験装置。
　少なくとも第１信号の発信を行う第１通信部を含む第１装置と、少なくとも前記第１信号の受信を行う第２通信部を含む第２装置を更に備え、
　前記第１装置と前記第２装置は、前記端子及び前記キャップがある領域と、前記抵抗部への電力供給を制御するためのリレーがある領域の少なくとも一方を挟む位置関係に配置され、
　前記第２通信部が受信した前記信号の電波に関する情報についての外部機器への送信と、前記第２通信部が受信した前記信号の電波に関する情報に基づく前記抵抗部への電力供給の停止制御、前記第２通信部が受信した前記信号の電波に関する情報に基づく発光の少なくとも一方が行われる、請求項１～請求項４のいずれかに記載の負荷試験装置。
　少なくとも第１信号の発信を行う第１通信部を含む第１装置と、少なくとも前記第１信号の受信を行う第２通信部を含む第２装置を更に備え、
　前記第２装置は、第２信号の発信を行い、
　前記第１装置は、前記第２信号の受信を行い、
　前記第１装置と前記第２装置は、前記端子及び前記キャップがある領域と、前記抵抗部への電力供給を制御するためのリレーがある領域の少なくとも一方を挟む位置関係に配置され、
　前記第２通信部が受信した前記第１信号の電波に関する情報と前記第１通信部が受信した前記第２信号の電波に関する情報についての外部機器への送信と、前記第２通信部が受信した前記第１信号の電波に関する情報と前記第１通信部が受信した前記第２信号の電波に関する情報に基づく前記抵抗部への電力供給の停止制御、前記第２通信部が受信した前記信号の電波に関する情報と前記第１通信部が受信した前記第２信号の電波に関する情報に基づく発光の少なくとも一方が行われる、請求項１～請求項４のいずれかに記載の負荷試験装置。
　超音波を検知する超音波センサーを更に備え、
　前記超音波センサーで得られた情報についての外部機器への送信と、前記超音波センサーで得られた情報に基づく前記抵抗部への電力供給の停止制御の少なくとも一方が行われる、請求項１～請求項４のいずれかに記載の負荷試験装置。
　前記超音波センサーで得られた信号の周波数を可聴域の周波数に変換する変換部と、
　前記変換部で変換された信号を音で出力する出力部とを更に備える、請求項９に記載の負荷試験装置。
　前記負荷試験装置の特定の部位に取り付けられ、前記特定の部位の状態に応じて色が変化する部材で構成された第２検知部を更に備え、
　前記負荷試験装置に含まれる他の機器と電気的に接続しない状態で、前記第２検知部は、前記特定の部位であって、前記カバーを介して外部から見える箇所に設けられる、請求項２に記載の負荷試験装置。
　前記カバーは、前記抵抗器から発生する電磁波に基づいて振動する、請求項２に記載の負荷試験装置。
　前記キャップは、両端が開口する筒部を含み、
　前記筒部の一方の端部が開口した状態で、他方の端部に前記端子が挿入される、請求項１～請求項１２のいずれかに記載の負荷試験装置。
　電力供給を受ける複数の抵抗器と、前記複数の抵抗器のそれぞれの両端を保持する壁とを有する抵抗部と、
　前記抵抗器の端子であって、前記壁から突出する部分に取り付けられる絶縁性のキャップとを備え、
　前記キャップは、前記端子が第１温度以上になると、前記熱により変形して前記端子から外れる、そして／若しくは、前記第１温度以上になると第１の色になり、前記第１温度未満になると前記第１の色と異なる第２の色になる、負荷試験装置。
　電力供給を受ける複数の抵抗器と、前記複数の抵抗器のそれぞれの両端を保持する壁とを有する抵抗部を備える負荷試験装置における、前記抵抗器の端子であって、前記壁から突出する部分に取り付けられる絶縁性のキャップであって、
　前記キャップは、前記端子が第１温度以上になると、前記熱により変形して前記端子から外れる、そして／若しくは、前記第１温度以上になると第１の色になり、前記第１温度未満になると前記第１の色と異なる第２の色になる、キャップ。