WO2021229640A1 - 制御装置、制御方法、および制御プログラム - Google Patents

Abstract

制御装置１は、装置の故障にコンピュータが対処するワークフローの工程のうち集約対象の工程、およびワークフローの属性から特定される集約条件を対応づける集約ルールデータ１４と、集約識別子に、集約対象のワークフローの識別子を対応づけるとともに、集約識別子に、集約対象の工程および集約対象のワークフローの属性から特定された集約条件を対応づける集約データ１７と、を記憶する記憶装置と、集約ルールデータの集約対象の工程の実行を待機するワークフローを特定する特定部１５と、集約データ１７において、特定されたワークフローが実行を待機する工程および特定されたワークフローの属性から特定される集約条件に対応づけられた集約識別子に、特定されたワークフローの識別子を対応づける集約部１６と、集約データ１７において集約識別子に対応づけられたワークフローが実行を待機する工程を、集約して実行する指示を出力する実行部１８とを備える。

Description

制御装置、制御方法、および制御プログラム

　本発明は、制御装置、制御方法、および制御プログラムに関する。

　ネットワーク装置の故障対応において、ワークフローエンジン（WFE：WorkFlow Engine）などのコンピュータが、ネットワーク装置またはネットワーク装置を監視する監視装置が発したアラームをトリガに、予め決められた工程に従って、故障に対応する試みがある。

　例えばWebフロントエンドにより実行前のワークフロー定義に基づき、実行中のワークフローに対し中断・停止し、情報の入力を受けて動作を再開する等の操作が可能なシステムがある（非特許文献１参照）。

Stack Storm、"StackStorm Overview"、［online］、［令和2年4月20日検索］、インターネット〈URL：https://docs.stackstorm.com/overview.html〉

　非特許文献１に記載の方法は、実行前のワークフロー定義に基づいてワークフローを操作するものであり、実行前のワークフローの工程の進行を制御するものに過ぎない。従って非特許文献１に記載の方法は、実行中のワークフローを比較して、工程を柔軟に集約することができない。

　本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、実行中のワークフローの工程を柔軟に集約可能な技術を提供することである。

　本発明の一態様の制御装置は、装置の故障にコンピュータが対処するワークフローの工程のうち集約対象の工程、およびワークフローの属性から特定される集約条件を対応づける集約ルールデータと、集約識別子に、集約対象のワークフローの識別子を対応づけるとともに、集約識別子に、集約対象の工程および集約対象のワークフローの属性から特定された集約条件を対応づける集約データと、を記憶する記憶装置と、集約ルールデータの集約対象の工程の実行を待機するワークフローを特定する特定部と、集約データにおいて、特定されたワークフローが実行を待機する工程および特定されたワークフローの属性から特定される集約条件に対応づけられた集約識別子に、特定されたワークフローの識別子を対応づける集約部と、集約データにおいて集約識別子に対応づけられたワークフローが実行を待機する工程を、集約して実行する指示を出力する実行部を備える。

　本発明の一態様の制御方法は、コンピュータが、装置の故障に対処するワークフローの工程のうち集約対象の工程、およびワークフローの属性から特定される集約条件を対応づける集約ルールデータと、集約識別子に、集約対象のワークフローの識別子を対応づけるとともに、集約識別子に、集約対象の工程および集約対象のワークフローの属性から特定された集約条件を対応づける集約データとを、記憶装置に記憶するステップと、コンピュータが、集約ルールデータの集約対象の工程の実行を待機するワークフローを特定するステップと、コンピュータが、集約データにおいて、特定されたワークフローが実行を待機する工程および特定されたワークフローの属性から特定される集約条件に対応づけられた集約識別子に、特定されたワークフローの識別子を対応づけるステップと、コンピュータが、集約データにおいて集約識別子に対応づけられたワークフローが実行を待機する工程を、集約して実行する指示を出力するステップを備える。

　本発明の一態様は、上記制御装置として、コンピュータを機能させる制御プログラムである。

　本発明によれば、実行中のワークフローの工程を柔軟に集約可能な技術を提供することができる。

図１は、本発明の実施形態に係る制御装置の機能ブロックを説明する図である。 図２は、ワークフローデータのデータ構造の一例を説明する図である。 図３は、集約ルールデータのデータ構造の一例を説明する図である。 図４は、集約データのデータ構造の一例を説明する図である。 図５は、特定部による特定処理を説明するフローチャートである。 図６は、集約部による集約処理を説明するフローチャートである。 図７は、実行部による実行処理（末尾集約）を説明するフローチャートである。 図８は、実行部による実行処理（先頭集約）を説明するフローチャートである。 図９は、末尾集約を行う処理を説明するシーケンス図である（その１）。 図１０は、末尾集約を行う処理を説明するシーケンス図である（その２）。 図１１は、先頭集約を行う処理を説明するシーケンス図である（その１）。 図１２は、先頭集約を行う処理を説明するシーケンス図である（その２）。 図１３は、制御装置に用いられるコンピュータのハードウエア構成を説明する図である。

　以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付し説明を省略する。

　（制御装置）
　図１を参照して本発明の実施の形態に係る制御装置１を説明する。制御装置１は、制御対象装置２における故障に、複数の工程で構成されるワークフローに従って対応するコンピュータである。ワークフローでは、故障対応として、過去の工事に起因する故障であるか否かの確認、装置のオペレーションサポーティングシステムの情報の参照、予備機運搬手配、装置を再起動した後の回復情報取得などを行う工程を含む。ワークフローにおいては、前工程の結果に基づいて、次工程の内容が決定される。

　制御装置１は、制御部１１、外部情報取得部１２、ワークフローデータ１３、集約ルールデータ１４、特定部１５、集約部１６、集約データ１７および実行部１８を備える。ワークフローデータ１３、集約ルールデータ１４および集約データ１７は、記憶装置（図１３のメモリ９０２またはストレージ９０３）に記憶されるデータである。制御部１１、外部情報取得部１２、特定部１５、集約部１６および実行部１８は、制御プログラムを処理装置（図１３のCPU９０１）によってコンピュータに実装される機能である。

　制御部１１、外部情報取得部１２およびワークフローデータ１３は、ワークフローに従って制御対象装置２の故障対応を行う。ワークフローは、制御部１１等が参照可能なデータ（図示せず）において予め定義される。図１において１つの制御対象装置２のみを記載するが、制御装置１は、複数の制御対象装置を制御しても良い。

　ワークフローデータ１３は、制御部１１が現在実行中のワークフローの進捗を記録する。ワークフローデータ１３は、図２に示すように、現在実行中のワークフローの識別子、実行中の工程、およびそのワークフローの進捗などを対応づけて保持する。ワークフローデータ１３は、現在実行中のワークフローの識別子にさらに、制御部１１による工程の実行結果などを対応づけても良い。

　制御部１１は、ワークフローの実行を制御する。制御部１１は、制御対象装置２において発生したアラームを契機に、予め定義されたワークフローに従って故障対応を実行する。制御部１１は、外部情報取得部１２を介して、制御対象装置２の情報を取得したり、制御対象装置２に指示を入力したりする。実行中のワークフロー毎に、制御部１１が設けられても良い。制御部１１は、ワークフローに従って工程を実施し、その工程の実施結果に従って次の工程を実施する。制御部１１は、各ワークフローの実行結果を、ワークフローデータ１３に記憶する。

　本発明の実施の形態において制御部１１は、一つの工程が終了すると、次の工程の実行を待機する。制御部１１は、特定部１５、集約部１６または実行部１８から指示の指示に従って、次の工程を実行したり、次の工程の実行をキャンセルしたりする。

　外部情報取得部１２は制御装置１が制御対象装置２に接続するインタフェースである。外部情報取得部１２は、制御部１１からの指示に従って、制御対象装置２の情報を取得したり、制御対象装置２に指示を入力したりする。

　集約ルールデータ１４、特定部１５、集約部１６、集約データ１７および実行部１８は、現在実行中のワークフローデータのうち、集約可能な工程の実行を待機するワークフローを特定して、集約可能なワークフローの工程を集約して実行する。

　集約ルールデータ１４は、集約対象を特定するためのルールを定義する。集約ルールデータ１４は、図３に示すように、制御対象装置２の故障にコンピュータ（制御部１１）が対処するワークフローの工程のうち集約対象の工程、およびワークフローの属性から特定される集約条件を対応づける。集約対象の工程は、ワークフローで定義される工程のいずれかである。

　集約条件は、実行中のワークフローが故障対応する制御対象装置の位置、種別、工程で行う具体的な作業等である。集約条件は、集約対象のワークフローを特定可能であれば、どのように設定されても良い。例えば、「Ａビル」と具体的なビル名が設定される場合、Ａビルに関する集約対象の工程が集約される。例えば、「同一ビル」と抽象的な位置が設定される場合、この集約ルールに最初に対応づけられたワークフローが故障対応する制御対象装置２が位置する具体的なビル（Ａビルなど）に関する集約対象の工程が集約される。集約条件に、集約することでコスト削減が可能などの効果のある条件が設定される。

　図３に示すように、集約ルールデータ１４に、実行ルールとして、末尾集約または先頭集約を区別するフラグが設けられても良い。末尾集約および先頭集約は、それぞれ集約されたワークフローの工程を実行する方法であって、後に詳述する。

　集約データ１７は、集約されたワークフローであって、現在実行を待機するワークフローを特定する。集約データ１７は、図４に示すように、集約識別子に、集約対象のワークフローの識別子を対応づけるとともに、集約識別子に、集約対象の工程および集約対象のワークフローの属性から特定された集約条件を対応づける。ここで集約条件には、集約されたワークフローから特定される具体的な条件、例えば、「Ａビル」などが設定される。

　集約対象のワークフロー識別子は、この集約識別子に対応づけられた集約対象のワークフローの識別子である。集約対象のワークフローが実行を待機する間に、このワークフローと工程および属性から特定された集約条件が一致する新たなワークフローが発生すると、その新たなワークフローの識別子が、集約対象のワークフロー識別子として追加される。

　タイマーカウントは、集約対象のワークフローを収集するタイマーのカウントである。タイマーカウントは、カウントアップ方式でも良いしカウントダウン方式でも良い。タイマーが満了すると、集約対象のワークフロー識別子として対応づけられた各ワークフローの待機中の工程が、集約され実行される。

　タイマーカウントが満了し、集約識別子に対応づけられた集約対象のワークフローについて処理がなされると、集約データ１７から、その集約識別子に対応づけられたデータが削除されても良い。

　特定部１５は、集約ルールデータ１４の集約対象の工程の実行を待機するワークフローを特定する。特定部１５は、次の工程の実行を待機するワークフローのうち、次の工程が、集約ルールデータ１４の集約対象の工程および集約条件に一致するワークフローを、集約対象の工程の実行を待機するワークフローとして特定する。

　本発明の実施の形態においてワークフローの実行を制御する制御部１１は、一つの工程の実行が終了すると、次の工程を実行する前に待機する。特定部１５は、次の工程の実行を待機するワークフローについて、制御部１１から、ワークフローが待機する次の工程および属性を取得する。特定部１５は、取得した工程および属性が、集約ルールデータ１４の集約対象の工程および集約条件に合致するか否かを判定し、合致するワークフローを、集約対象の工程の実行を待機するワークフローとして特定する。

　特定部１５が、ワークフローが待機する次の工程および属性を取得する方法はいくつか考えられる。例えば特定部１５は、制御部１１に問い合わせ、そのレスポンスとしてワークフローが待機する次の工程および属性を取得しても良い。あるいは、前の工程が終了し次の工程の待機状態となったワークフローについて制御部１１が、特定部１５にワークフローが待機する次の工程および属性を自発的に通知しても良い。また、特定部１５が、ワークフローデータ１３を参照して、ワークフローが待機する次の工程および属性を取得しても良い。

　特定部１５は、集約部１６に、集約対象の工程の実行を待機するワークフローとして特定されたワークフローの識別子を、通知する。また特定部１５は、次の工程の実行を待機するワークフローについて、次の工程が集約対象の工程でない場合、次の工程を実行する指示を出力する。集約対象となるワークフローについて制御部１１は、引き続き次の工程の実施を待機する一方、集約対象とならないワークフローについて制御部１１は、特定部１５からの指示を受領すると、次の工程を実施する。

　図５を参照して、特定部１５による特定処理を説明する。

　特定部１５は、次の工程の実行を待機中の各ワークフローについて、ステップＳ１１ないしステップＳ１４の処理を行う。

　まずステップＳ１１において特定部１５は、処理対象のワークフローが、集約対象であるか否かを判定する。特定部１５は、処理対象のワークフローと、集約ルールデータ１４をと比較する。

　集約対象であると判定された場合、特定部１５は、ステップＳ１２において、処理対象のワークフローを、集約対象のワークフローとして特定し、ステップＳ１３において、処理対象のワークフローに次の工程の実行のさらなる待機を指示する。

　集約対象でないと判定された場合、ステップＳ１４において特定部１５は、処理対象のワークフローに次の工程の実行を指示する。

　次の工程の実行を待機中の各ワークフローについて、ステップＳ１１ないしステップＳ１４の処理が終了すると、特定部１５は処理を終了する。

　なお図５に示す処理は一例で、これに限らない。

　集約部１６は、特定部１５によって特定された集約対象のワークフローを、集約する。特定部１５によって特定された集約対象のワークフローの属性について、集約データ１７で既に定義されている場合、集約部１６は、集約データ１７において、特定されたワークフローが実行を待機する工程および特定されたワークフローの属性から特定される集約条件に対応づけられた集約識別子に、特定されたワークフローの識別子を対応づける。

　特定部１５によって特定された集約対象のワークフローの工程および属性について、集約データ１７で既に定義されていない場合、集約部１６は、新たに採番された集約識別子に、特定部１５によって特定された集約対象のワークフローの識別子、待機中の工程およびその属性から特定される集約条件を対応づける。さらに集約部１６は、新たに採番された識別子に、新たに起動したタイマーカウントを対応づける。

　図６を参照して、集約部１６による集約処理を説明する。

　集約部１６は、特定部１５によって特定された集約対象の各ワークフローについて、ステップＳ３１ないしステップＳ３４の処理を行う。

　まずステップＳ３１において集約部１６は、処理対象のワークフローの工程および属性が、集約データ１７の集約対象の工程および集約条件に一致する集約識別子があるか否かを判定する。

　集約データ１７に、処理対象の工程および属性に一致する集約識別子がある場合、ステップＳ３２において集約部１６は、処理対象のワークフローの工程および属性が一致する集約識別子に、集約対象のワークフローの識別子として処理対象のワークフローの識別子を対応づける。

　集約データ１７に、処理対象の工程および属性に一致する集約識別子がない場合、ステップＳ３３において集約部１６は、新たな集約識別子に、処理対象のワークフローから特定された工程および集約条件を対応づけるとともに、処理対象のワークフローの識別子を対応づけて、集約データ１７を更新する。ステップＳ３４において集約部１６は、新たな集約識別子に対応するタイマーを起動し、そのタイマーカウントを、新たな集約識別子に対応づけて集約データ１７を更新する。

　集約対象の各ワークフローについて、ステップＳ３１ないしステップＳ３４の処理が終了すると、集約部１６は処理を終了する。

　なお図６に示す処理は一例で、これに限らない。

　実行部１８は、集約データ１７において集約識別子に対応づけられたワークフローが実行を待機する工程を、集約して実行する指示を出力する。ここで集約して実行するとは、集約対象の各ワークフローが待機中の次の工程を全て実行できるように、実行内容をまとめて実行することである。例えば、集約対象の各ワークフローがそれぞれ異なる装置に指示する場合、実行部１８は、各ワークフローに代わって、指示対象の各装置に対する指示をまとめて、指示する。

　待機中の次の工程で一度実行すれば良い場合、実行部１８は、一度だけ実行する。例えば、待機中の次の工程で、集約対象の各ワークフローが一つの装置に対して再起動を指示する場合でも、実行部１８は、その一つの装置に対して再起動の指示を一度行う。また待機中の次の工程で、集約対象の各ワークフローが、一つの装置から所定の情報を取得する場合、実行部１８は、その装置からその情報を取得し、各ワークフローに、取得した情報を提供する。

　実行部１８自身が、各ワークフローが実行を待機する工程を、実行しても良い。あるいは実行部１８は、実行を待機するワークフローについて制御部１１に実行させても良い。具体的には、実行部１８は、集約データ１７において、集約識別子に対応づけられたいずれかのワークフローについて制御部１１に、ワークフローが実行を待機する工程を集約して実行する指示を入力する。このとき実行部１８は、集約識別子に対応づけられたワークフローのうち、指示を入力したワークフロー以外のワークフローについて制御部１１に、実行をキャンセルする指示を出力する。実行部１８は、実行対象の集約識別子に対応づけられた複数のワークフローから、実行を指示するワークフローを選択し、選択されたワークフローについて制御部１１に、次の工程の実行を指示する。実行部１８は、選択されなかったそのほかのワークフローについて制御部１１に、次の工程の実行のキャンセルを指示する。

　実行部１８は、集約データ１７が保持するタイマーが満了するまでに集約識別子に対応づけられた集約対象のワークフローを、集約して実行する指示を出力する。具体的には実行部１８は、工程を実行するタイミングを特定するタイマーが満了するまでに集約データ１７において集約識別子に対応づけられたワークフローが実行を待機する工程を、集約して実行する指示を出力する。

　本発明の実施の形態において、新たに集約識別子が採番された際にタイマーを起動する場合を説明するがこれに限らない。例えば集約ルールおよび集約条件毎に、定期的にタイマーを起動し、そのタイマーが満了するまでに集約されたワークフローを集約して処理しても良い。また本発明の実施の形態においてタイマーは、各集約識別子に設けられる場合を説明するが、毎分、１０秒おきなど、集約識別子に共通するタイマーを用いても良い。

　集約対象のワークフローが待機中の次の工程を実行するタイミングとして、本発明の実施の形態において末尾集約と先頭集約がある。

　末尾集約は、タイマーが満了した後に集約して実行することを意味する。末尾集約は、実行を待機する工程が、他の装置に対する操作に関する場合に好適である。末尾集約において実行部１８は、タイマーが満了した後、集約識別子に対応づけられた各ワークフローが実行する他の装置に対する操作を、集約して実行する指示を出力する。

　例えば、待機中の次の工程が、「予備機運搬手配の場合」、実行部１８は、末尾集約により、タイマーが満了するまでに集約識別子に対応づけられた各ワークフローについて制御部１１に、予備機運搬手配の内容をまとめて実行する指示を出力する。複数の予備機運搬手配の内容をまとめて実行できるので、コストを削減できる。

　また、待機中の次の工程が、「装置を再起動した後の回復情報取得」に関する場合、実行部１８は、末尾集約により、まとめて実行できることでコストを削減できる。さらに実行部１８は、装置の再起動に要する時間を確保して回復情報を取得することが可能になるので、再起動待ちで回復情報の取得を繰り返すことがなく、コストを削減できる。なお実行部１８は、回復情報を取得した後、タイマーが満了するまでに集約識別子に対応づけられた各ワークフローについて制御部１１に、回復情報を提供し、制御部１１は、提供された回復情報に従って、さらにその次の工程を実行する。

　末尾集約において、集約対象として対応づけられたワークフローのいずれかに実行させる場合、タイマーが満了する直前に集約対象として対応づけられたワークフローに、実行させることが好ましい。具体的には、実行部１８は、最初に集約対象として対応づけられたワークフローについて制御部１１に、実行を待機する指示を出力する。その後、新たに集約対象として対応づけられたワークフローが発生すると、実行部１８は、最初に集約対象として対応づけられた待機中のワークフローについて制御部１１に、実行のキャンセルを指示する。この処理を繰り返し、タイマーが満了した後、最後に集約対象として対応づけられたワークフローについて制御部１１に、次の工程を集約して実行する指示を入力する。このように末尾集約において、各ワークフローについて制御部１１が、実行部１８からの実行の指示を待つ時間を減らすことが可能になる。

　図７を参照して、実行部１８による実行処理を説明する。ここでは、待機中の次の工程が、他の装置に対する操作であって、実行部１８が、末尾集約により直近で対応づけられたワークフローに実行する指示を出力する場合を説明する。

　実行部１８は、タイマーが満了し、末尾実行を行う各集約対象識別子について、ステップＳ５１およびステップＳ５２の処理を行う。

　ステップＳ５１において実行部１８は、処理対象の集約対象識別子に直近で対応づけられたワークフローについて制御部１１に、次の工程の実行を指示する。ステップＳ５２において実行部１８は、次の工程の実行を指示したワークフローから、実行結果を取得する。

　ステップＳ５３において実行部１８は、処理対象の集約対象識別子に対応づけられたワークフローのうち、ステップＳ５１で次の工程の実行を指示したワークフローを除くワークフローについて制御部１１に、次の工程の実行のキャンセルを指示する。ステップＳ５４において実行部１８は、ステップＳ５３において次の工程の実行のキャンセルを指示した各ワークフローに、ステップＳ５２で取得した次の工程の実行結果を提供する。

　タイマーが満了した各集約対象識別子について、ステップＳ５１ないしステップＳ５４の処理が終了すると、集約部１６は処理を終了する。

　なお図７に示す処理は一例で、これに限らない。図７に示す例において実行部１８は、タイマーが満了した際に、次の工程の実行のキャンセルを指示するが、新たな集約対象のワークフローが発生する度に、その前の集約対象のワークフローに、次の工程の実行のキャンセルを指示しても良い。また図７に示す例において実行部１８は、次の工程の実行結果を取得してから、各ワークフローに実行結果を提供すればよく、図７に示す処理順序に限定するものではない。

　先頭集約は、タイマーが起動した際に実行して、タイマーが満了するまでに、集約対象の各ワークフローが待機中の次の工程を実行することになることを意味する。先頭集約において、実行を待機する工程が、情報の参照に関する場合に好適である。先頭集約において実行部１８は、タイマーが起動した後、情報を取得する指示を出力し、集約識別子に対応づけられた各ワークフローについて制御部１１に、情報を提供する指示を出力する。

　先頭集約において、集約対象として対応づけられたワークフローのいずれかに実行させる場合、タイマーが起動した直後に集約対象として対応づけられたワークフローに、実行させることが好ましい。実行部１８は、タイマーが起動した直後に集約対象として対応づけられたワークフローを制御する制御部１１に、他の装置の情報を参照させることにより、後続の同様のワークフローが発生したとしても、先に参照された情報を共有することができる。これにより、各ワークフローについて制御部１１が、即座に必要な情報を取得することができるので、さらにその次の工程を早々に実行することが可能になる。

　図８を参照して、実行部１８による実行処理を説明する。ここでは、待機中の次の工程が、他の装置の情報の参照であって、実行部１８が、先頭集約により最初に対応づけられたワークフローに実行する指示を出力する場合を説明する。

　実行部１８は、タイマーが満了し先頭集約を行う各集約対象識別子について、ステップＳ７１ないしステップＳ７３の処理を行う。

　ステップＳ７１において実行部１８は、処理対象の集約対象識別子に最初に対応づけられたワークフローについて制御部１１に、次の工程の実行を指示する。

　ステップＳ７２において実行部１８は、処理対象の集約対象識別子に最初に対応づけられたワークフローについて制御部１１が参照した情報を取得する。

　ステップＳ７３において実行部１８は、処理対象の集約対象識別子に対応づけられたワークフローのうち、参照する指示を入力したワークフローを除くワークフローについて制御部１１に、ステップＳ７２で取得した情報を提供する。

　タイマーが満了した各集約対象識別子について、ステップＳ７１ないしステップＳ７３の処理が終了すると、集約部１６は処理を終了する。

　なお図８に示す処理は一例で、これに限らない。図８に示す例において実行部１８は、新たな集約対象のワークフローが発生する度に、ステップＳ７３の処理を実行しても良い。

　（制御装置による末尾集約の処理）
　図９および図１０の各シーケンス図を参照して、末尾集約を行う処理を説明する。便宜上、制御部１１を、ワークフローＡ（ＷＦＡ）を実行する制御部１１ａと、ワークフローＢ（ＷＦＢ）を実行する制御部１１ｂに分けて記載する。なお、ＷＦＡとＷＦＢは、それぞれ、同じ工程「予備機運搬手配」の実行を待機し、集約ルールデータ１４において集約対象の工程「予備機運搬手配」に対応づけられる集約条件に合致するとする。

　まず特定部１５は、ステップＳ１０１においてＷＦＡを制御する制御部１１ａに待機中の工程を問い合わせる。ステップＳ１０２において特定部１５は、制御部１１ａから、工程「予備機運搬手配」とＷＦＡの属性を取得する。

　ステップＳ１０３において特定部１５は、工程「予備機運搬手配」が、末尾集約の集約対象の工程と判定する。ステップＳ１０４において特定部１５は、次の工程の実行を待機するように、制御部１１ａに通知する。ステップＳ１０５において特定部１５は、ＷＦＡを集約対象のＷＦとして集約部１６に通知する。

　ステップＳ１０６において集約部１６は、新たな集約対象識別子を採番し、集約データ１７において、新たな集約対象識別子に、集約対象のＷＦの識別子としてＷＦＡの識別子を対応づける。ここでさらに特定部１５は、集約対象の工程および集約条件として、ＷＦＡの属性から特定される値を設定する。またステップＳ１０７において集約部１６は、ステップＳ１０６で採番した新たな集約対象識別子に対応づけられるタイマーを起動する。

　ステップＳ１０６で起動したタイマーが満了する前に、特定部１５は、ステップＳ１５１においてＷＦＢを制御する制御部１１ｂに待機中の工程を問い合わせる。ステップＳ１５２において実行部１８は、制御部１１ｂから、工程「予備機運搬手配」とＷＦＢの属性を取得する。

　ステップＳ１５３において特定部１５は、工程「予備機運搬手配」が集約対象の工程と判定する。ステップＳ１５４において特定部１５は、次の工程の実行を待機するように、制御部１１ｂに通知する。ステップＳ１５５において特定部１５は、ＷＦＢを集約対象のＷＦとして集約部１６に通知する。

　ステップＳ１５６において集約部１６は、ステップＳ１０６で採番された集約対象識別子に、集約対象のＷＦの識別子としてＷＦＢの識別子を対応づける。ステップＳ１５７において実行部１８は、ＷＦＡを制御する制御部１１ａに、次の工程の実行のキャンセルを指示する。ステップＳ１５８において制御部１１ａは、次の工程の実行をキャンセルする。

　ステップＳ１５９において、ステップＳ１０７で起動したタイマーが満了すると、ステップＳ１６０において実行部１８は、次の工程の実行を指示する。ステップＳ１６１においてＷＦＢを制御する制御部１１ｂは、次の工程である「予備機運搬手配」を実行する。このとき制御部１１ｂは、ＷＦＡの「予備機運搬手配」の手配内容もマージして、手配内容を変更しても良い。実行部１８は、制御部１１ｂから「予備機運搬手配」の実行結果を取得し、次の工程の実行をキャンセルしたＷＦＡを制御する制御部１１ｂに、「予備機運搬手配」の実行結果を提供しても良い。

　なお図９および図１０に示す処理は一例で、これに限らない。

　（制御装置による先頭集約の処理）
　図１１および図１２の各シーケンス図を参照して、先頭集約を行う処理を説明する。便宜上、制御部１１を、ワークフローＡ（ＷＦＡ）を実行する制御部１１ａと、ワークフローＢ（ＷＦＢ）を実行する制御部１１ｂに分けて記載する。なお、ＷＦＡとＷＦＢは、それぞれ、同じ工程「装置αの工事情報取得」の実行を待機し、集約ルールデータ１４において集約対象の工程「装置αの工事情報取得」に対応づけられる集約条件に合致するとする。

　まず特定部１５は、ステップＳ２０１においてＷＦＡを制御する制御部１１ａに待機中の工程を問い合わせる。ステップＳ２０２において特定部１５は、制御部１１ａから、工程「装置αの工事情報取得」とＷＦＡの属性を取得する。

　ステップＳ２０３において特定部１５は、工程「装置αの工事情報取得」が、先頭集約の集約対象の工程と判定する。ステップＳ２０４において特定部１５は、ＷＦＡを集約対象のＷＦとして集約部１６に通知する。

　ステップＳ２０５において集約部１６は、新たな集約対象識別子を採番し、集約データ１７において、新たな集約対象識別子に、集約対象のＷＦの識別子としてＷＦＡの識別子を対応づける。ここで特定部１５は、集約対象の工程および集約条件として、ＷＦＡの属性から特定される値を設定する。またステップＳ２０６において集約部１６は、ステップＳ２０５で採番した新たな集約対象識別子に対応づけられるタイマーを起動する。

　ステップＳ２０７において実行部１８は、ＷＦＡを制御する制御部１１ａに、次の工程の実行を指示する。ステップＳ２０８において制御部１１ａは、次の工程である「装置αの工事情報取得」を実行する。ステップＳ２０９において実行部１８は、制御部１１ａから、工程「装置αの工事情報取得」の結果として、装置αの工事情報を取得する。

　ステップＳ２０６で起動したタイマーが満了する前に、特定部１５は、ステップＳ２５１においてＷＦＢを制御する制御部１１ｂに待機中の工程を問い合わせる。ステップＳ２５２において実行部１８は、制御部１１ｂから、工程「装置αの工事情報取得」とＷＦＢの属性を取得する。

　ステップＳ２５３において特定部１５は、工程「装置αの工事情報の取得」が集約対象の工程と判定する。ステップＳ２５４において特定部１５は、ＷＦＢを集約対象のＷＦとして集約部１６に通知する。

　ステップＳ２５５において集約部１６は、ステップＳ２０５で採番された集約対象識別子に、集約対象のＷＦの識別子としてＷＦＢの識別子を対応づける。ステップＳ２５６において実行部１８は、ＷＦＢを制御する制御部１１ｂに、次の工程の実行のキャンセルを指示する。ステップＳ２５７において実行部１８は、制御部１１ｂに、次の工程の実行結果として、ステップＳ２０９で取得した装置αの工事情報を、制御部１１ｂに提供する。

　なお図１１および図１２に示す処理は一例で、これに限らない。

　本発明の実施の形態において、ワークフローは、次の工程の実行を待機し、特定部１５は、ワークフローが待機する次の工程の情報を取得する。待機中の次の工程が、集約ルールデータ１４で既定される集約対象データの場合、特定部１５は、そのワークフローを集約対象として特定する。集約対象として特定されたワークフローは、集約して実行される。

　これにより本発明の実施の形態に係る制御装置１は、同時間帯に発生した同様の複数の故障対応を集約することにより、コスト低減が可能になる。このような制御装置１は、大規模な通信キャリアが提供するネットワークの制御に好適である。

　上記説明した本実施形態の制御装置１は、例えば、CPU（Central Processing Unit、プロセッサ）９０１と、メモリ９０２と、ストレージ９０３（HDD：Hard Disk Drive、SSD：Solid State Drive）と、通信装置９０４と、入力装置９０５と、出力装置９０６とを備える汎用的なコンピュータシステムが用いられる。このコンピュータシステムにおいて、CPU９０１がメモリ９０２上にロードされた制御プログラムを実行することにより、制御装置１の各機能が実現される。

　なお、制御装置１は、１つのコンピュータで実装されてもよく、あるいは複数のコンピュータで実装されても良い。また制御装置１は、コンピュータに実装される仮想マシンであっても良い。

　制御装置１を実現するための制御プログラムは、HDD、SSD、USB（Universal Serial Bus）メモリ、CD (Compact Disc)、DVD (Digital Versatile Disc)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワークを介して配信することもできる。

　なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。

　１　制御装置
　２　制御対象装置
　１１　制御部
　１２　外部情報取得部
　１３　ワークフローデータ
　１４　集約ルールデータ
　１５　特定部
　１６　集約部
　１７　集約データ
　１８　実行部
　９０１　CPU
　９０２　メモリ
　９０３　ストレージ
　９０４　通信装置
　９０５　入力装置
　９０６　出力装置

Claims (8)

1. 　装置の故障にコンピュータが対処するワークフローの工程のうち集約対象の工程、および前記ワークフローの属性から特定される集約条件を対応づける集約ルールデータと、
   　集約識別子に、集約対象のワークフローの識別子を対応づけるとともに、前記集約識別子に、集約対象の工程および前記集約対象のワークフローの属性から特定された集約条件を対応づける集約データと、を記憶する記憶装置と、
   　前記集約ルールデータの集約対象の工程の実行を待機するワークフローを特定する特定部と、
   　前記集約データにおいて、特定されたワークフローが実行を待機する工程および前記特定されたワークフローの属性から特定される集約条件に対応づけられた集約識別子に、前記特定されたワークフローの識別子を対応づける集約部と、
   　前記集約データにおいて前記集約識別子に対応づけられた前記ワークフローが実行を待機する工程を、集約して実行する指示を出力する実行部
   　を備える制御装置。
2. 　前記実行部は、前記工程を実行するタイミングを特定するタイマーが満了するまでに前記集約データにおいて集約識別子に対応づけられた前記ワークフローが実行を待機する工程を、集約して実行する指示を出力する
   　請求項１に記載の制御装置。
3. 　前記実行を待機する工程は、他の装置に対する操作であって、
   　前記実行部は、前記タイマーが満了した後、前記集約識別子に対応づけられた各ワークフローが実行する他の装置に対する操作を、集約して実行する指示を出力する
   　請求項２に記載の制御装置。
4. 　前記実行を待機する工程は、情報の参照であって、
   　前記実行部は、前記タイマーが起動した後、前記情報を取得する指示を出力し、前記集約識別子に対応づけられた各ワークフローについて、前記情報を提供する指示を出力する
   　請求項２に記載の制御装置。
5. 　前記実行部は、前記集約識別子に対応づけられたいずれかのワークフローについて、前記ワークフローが実行を待機する工程を集約して実行する指示を入力し、
   　前記集約識別子に対応づけられたワークフローのうち、前記指示を入力したワークフロー以外のワークフローについて、実行をキャンセルする指示を出力する
   　請求項１ないし４のいずれか１項に記載の制御装置。
6. 　前記特定部は、次の工程の実行を待機するワークフローについて、前記次の工程が集約対象の工程でない場合、前記次の工程を実行する指示を出力する
   　請求項１ないし５のいずれか１項に記載の制御装置。
7. 　コンピュータが、装置の故障に対処するワークフローの工程のうち集約対象の工程、および前記ワークフローの属性から特定される集約条件を対応づける集約ルールデータと、集約識別子に、集約対象のワークフローの識別子を対応づけるとともに、前記集約識別子に、集約対象の工程および前記集約対象のワークフローの属性から特定された集約条件を対応づける集約データとを、記憶装置に記憶するステップと、
   　前記コンピュータが、前記集約ルールデータの集約対象の工程の実行を待機するワークフローを特定するステップと、
   　前記コンピュータが、前記集約データにおいて、特定されたワークフローが実行を待機する工程および前記特定されたワークフローの属性から特定される集約条件に対応づけられた集約識別子に、前記特定されたワークフローの識別子を対応づけるステップと、
   　前記コンピュータが、前記集約データにおいて前記集約識別子に対応づけられた前記ワークフローが実行を待機する工程を、集約して実行する指示を出力するステップ
   　を備える制御方法。
8. 　コンピュータを、請求項１ないし請求項６のいずれか１項に記載の制御装置として機能させるための制御プログラム。

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