WO2021107117A1 - 多能性幹細胞からの造血細胞の製造法 - Google Patents

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Abstract

多能性幹細胞から造血細胞を製造する方法であって、 ナイーブ型多能性幹細胞を培養して卵黄嚢様細胞へ分化誘導する第1工程、 プライム型多能性幹細胞を培養して中胚葉細胞へ分化誘導する第2工程、 第2工程で得られた中胚葉細胞を、第1工程で得られた卵黄嚢様細胞と共培養することにより、造血細胞へ分化誘導する第3工程、 を含む方法。

Description

多能性幹細胞からの造血細胞の製造法
 本発明は、多能性幹細胞から造血細胞を製造する方法に関する。本発明はまた、多能性幹細胞から造血細胞を経て、赤血球などの血液細胞やミクログリアを製造する方法に関する。
 胚性幹(ES)細胞や人工多能性幹(iPS)細胞などの多能性幹細胞から造血細胞への分化誘導法としては、これまでに、胚様体の形成とサイトカインの添加による方法(非特許文献1~3)、異種由来のストローマ細胞との共培養法(非特許文献4)などが報告されている。しかしながら、前者は多くのサイトカインを要するのでコストがかかり、後者は異種細胞を用いるので、得られる造血細胞の安全性に懸念がある。
 一方、多能性幹細胞から中胚葉細胞を分化誘導し、そこからさらに造血細胞に分化誘導する方法が知られている(特許文献1、2)。
 しかしながら、血液細胞を多量にかつ安定的に供給できるようにするためには、血液細胞への分化誘導法についてさらなる改善の必要があり、医療応用に適した新たな技術の開発が求められていた。
WO2011/115308 WO 2015/199127
Chadwick et al. Blood 2003, 102:906-15 Vijayaragavan et al. Cell Stem Cell 2009, 4: 248-62 Saeki et al. Stem Cells 2009, 27: 59-67 Niwa A et al. J Cell Physiol. 2009 Nov;221(2):367-77
 本発明は、多能性幹細胞を用いて効率的に造血細胞を製造する方法を提供することを課題とする。
 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、ナイーブ型多能性幹細胞とプライム型多能性幹細胞を用い、ナイーブ型多能性幹細胞からは原始内胚葉を経て卵黄嚢様細胞を分化誘導し、プライム型多能性幹細胞からは中胚葉細胞を分化誘導し、得られた中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞と共培養することで、中胚葉細胞を効率よく造血細胞に分化誘導できること、得られた造血細胞は赤血球やミクログリアなどの特定の細胞に分化誘導できることを見出し、本発明を完成させた。
 本発明の要旨は以下の通りである。
[1]多能性幹細胞から造血細胞を製造する方法であって、
ナイーブ型多能性幹細胞を培養して卵黄嚢様細胞へ分化誘導する第1工程、
プライム型多能性幹細胞を培養して中胚葉細胞へ分化誘導する第2工程、
第2工程で得られた中胚葉細胞を、第1工程で得られた卵黄嚢様細胞と共培養することにより、造血細胞へ分化誘導する第3工程、
を含む方法。
[2]前記第1工程は、
ナイーブ型多能性幹細胞を原始内胚葉細胞へ分化誘導する工程、および、
原始内胚葉を卵黄嚢様細胞へ分化誘導する工程、
を含む、[1]の造血細胞の製造方法。
[3]ナイーブ型多能性幹細胞を原始内胚葉細胞へ分化誘導する工程は、
ナイーブ型多能性幹細胞にGATA遺伝子を過剰発現させること、又はナイーブ型多能性幹細胞を、BMP(Bone morphogenetic protein)、FGF4(Fibroblast growth factor 4)、並びにPDGF(Platelet-Derived Growth Factor)、IL-6(Interleukine-6)、TGFβ阻害剤、Wntシグナル阻害剤およびレチノイン酸から選択される1種類以上を含む培地で培養することにより行われる、[2]の造血細胞の製造方法。
[4]原始内胚葉細胞を卵黄嚢様細胞へ分化誘導する工程は、
原始内胚葉を無血清培地を用いて接着培養することにより行われる、[2]または[3]の造血細胞の製造方法。
[5]前記第2工程は、プライム型多能性幹細胞を、BMP、bFGF(basic fibroblast growth factor)およびアクチビンを含む無血清培地で培養することにより行われる、[1]~[4]のいずれかの造血細胞の製造方法。
[6]前記第3工程は、無血清培地を用いて行われる、[1]~[5]のいずれかの造血細胞の製造方法。
[7]多能性幹細胞が人工多能性幹細胞である、[1]~[6]のいずれかの造血細胞の製造方法。
[8]多能性幹細胞がヒト多能性幹細胞である、[1]~[7]のいずれかの造血細胞の製造方法。
[9][1]~[8]のいずれかの方法により造血細胞を製造する工程、及び、
造血細胞を血液細胞へ分化誘導する工程、
を含む、血液細胞の製造方法。
[10]血液細胞が赤血球である、[9]の血液細胞の製造方法。
[11][1]~[8]のいずれかの方法により造血細胞を製造する工程、及び、
造血細胞をミクログリアへ分化誘導する工程、
を含む、ミクログリアの製造方法。
[12][1]~[8]のいずれかの製造方法で製造された造血細胞。
[13][9]または[10]に記載の製造方法で製造された血液細胞。
[14][11]に記載の製造方法で製造されたミクログリア。
[15][9]に記載の造血細胞、[13]に記載の血液細胞、または[14]に記載のミクログリアを含む医薬。
 本発明の方法によれば、異種の細胞を用いることなく造血細胞を誘導することができ、血清の使用も避けることができるので、医療応用に適した安全な造血細胞を提供できる。さらに、単一のドナーよりiPS細胞を樹立し、そこからナイーブ型iPS細胞とプライム型iPS細胞を作製して卵黄嚢様細胞や中胚葉細胞を分化誘導することで、単一の個体に由来する造血細胞を得ることも可能であるため、均一で高品質な造血細胞を提供できる。
また、更なる分化誘導工程を行うことにより赤血球やミクログリアなど、特定の細胞を効率よく得ることができる。本発明の方法で得られる赤血球は成人型を含むので、輸血療法などに有用である。
ナイーブ型iPS細胞から誘導された卵黄嚢様細胞の形態を示す写真。スケールバーは100μmを示す。 ナイーブ型iPS細胞から誘導された原始内胚葉細胞と卵黄嚢様細胞(N2B27培地またはE6培地で分化)における各マーカーの発現解析の結果(定量PCT(qPCR))を示す図。 プライム型iPS細胞から誘導された中胚葉細胞をナイーブ型iPS細胞から誘導された卵黄嚢様細胞またはラミニン上で培養したときに得られた造血細胞の割合を示すフローサイトメトリーの結果を示す図。 プライム型iPS細胞から誘導された中胚葉細胞を上記卵黄嚢様細胞(nHyC)またはOP9細胞上で培養したときに得られた造血細胞(CD34+/CD43+)または血管内皮細胞(CD34+/CD43-)における各マーカーの発現解析(qPCR)の結果を示す図。 プライム型iPS細胞から誘導された中胚葉細胞を上記卵黄嚢様細胞(nHyC)またはOP9細胞上で培養したときに得られた造血細胞から分化誘導された赤血球細胞におけるヘモグロビン(HBE(胚型ヘモグロビン)またはHBG(胎児型ヘモグロビン))の発現解析(qPCR)の結果を示す図。 プライム型iPS細胞から誘導された中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞(nHyC)またはOP9細胞上で培養したときに得られた造血細胞から分化誘導された赤血球細胞のフローサイトメトリー解析の結果を示す図。 プライム型iPS細胞から誘導された中胚葉細胞を上記卵黄嚢様細胞(nHyC)またはOP9細胞上で培養したときに得られた造血細胞から分化誘導された赤血球細胞における各種ヘモグロビン(HBE(胚型ヘモグロビン)、HBG(胎児型ヘモグロビン)、HBB(成人型ヘモグロビン))の発現解析(qPCR)の結果を示す図。 プライム型iPS細胞から誘導された中胚葉細胞を上記卵黄嚢様細胞上で培養したときに得られた細胞におけるマクロファージマーカーの発現解析(フローサイトメトリー)の結果を示す図。 プライム型iPS細胞から誘導された中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞上で培養したときに得られた造血細胞をさらにミクログリア分化誘導条件(MCSFまたはGCSF添加)で培養して得られた細胞におけるミクログリア関連遺伝子の発現解析(qPCR)の結果を示す図。コントロールはプライム型H9細胞を用いた。
 本発明の造血細胞の製造方法は、
ナイーブ型多能性幹細胞を培養して卵黄嚢様細胞へ分化誘導する第1工程、
プライム型多能性幹細胞を培養して中胚葉細胞へ分化誘導する第2工程、
第2工程で得られた中胚葉細胞を、第1工程で得られた卵黄嚢様細胞と共培養することにより、造血細胞へ分化誘導する第3工程、
を含む。
<多能性幹細胞>
 本発明において多能性幹細胞とは、生体に存在する多くの細胞に分化可能である多能性を有し、かつ、増殖能をも併せもつ幹細胞であり、原始内胚葉に誘導される任意の細胞が包含される。多能性幹細胞には、特に限定されないが、例えば、胚性幹(ES)細胞、人工多能性幹(iPS)細胞、核移植により得られるクローン胚由来の胚性幹(ntES)細胞、精子幹細胞(「GS細胞」)、胚性生殖細胞(「EG細胞」)、培養線維芽細胞や骨髄幹細胞由来の多能性細胞(Muse細胞)などが含まれる。好ましい多能性幹細胞は、iPS細胞およびES細胞である。多能性幹細胞の由来は哺乳動物由来であることが好ましく、霊長類由来であることがより好ましく、ヒト由来であることがさらに好ましい。
 iPS細胞の製造方法は当該分野で公知であり、任意の体細胞へ初期化因子を導入することなどによって製造され得る。ここで、初期化因子とは、例えば、Oct3/4、Sox2、Sox1、Sox3、Sox15、Sox17、Klf4、Klf2、c-Myc、N-Myc、L-Myc、Nanog、Lin28、Fbx15、ERas、ECAT15-2、Tcl1、beta-catenin、Lin28b、Sall1、Sall4、Esrrb、Nr5a2、Tbx3またはGlis1等の遺伝子または遺伝子産物が例示され、これらの初期化因子は、単独で用いても良く、組み合わせて用いても良い。初期化因子の組み合わせとしては、WO2007/069666、WO2008/118820、WO2009/007852、WO2009/032194、WO2009/058413、WO2009/057831、WO2009/075119、WO2009/079007、WO2009/091659、WO2009/101084、WO2009/101407、WO2009/102983、WO2009/114949、WO2009/117439、WO2009/126250、WO2009/126251、WO2009/126655、WO2009/157593、WO2010/009015、WO2010/033906、WO2010/033920、WO2010/042800、WO2010/050626、WO2010/056831、WO2010/068955、WO2010/098419、WO2010/102267、WO2010/111409、WO2010/111422、WO2010/115050、WO2010/124290、WO2010/147395、WO2010/147612、Huangfu  D,et  al.(2008),Nat.Biotechnol.,26:795-797、Shi  Y,et  al.(2008),Cell  Stem  Cell,2:525-528、Eminli  S,et  al.(2008),Stem  Cells.26:2467-2474、Huangfu  D,et  al.(2008),Nat.Biotechnol.26:1269-1275、Shi  Y,et  al.(2008),Cell  Stem  Cell,3,568-574、Zhao  Y,et  al.(2008),Cell  Stem  Cell,3:475-479、Marson  A,(2008),Cell  Stem  Cell,3,132-135、Feng  B,et  al.(2009),Nat.Cell  Biol.11:197-203、R.L.Judson  et  al.,(2009),Nat.Biotechnol.,27:459-461、Lyssiotis  CA,et  al.(2009),Proc  Natl  Acad  Sci  U  S  A.106:8912-8917、Kim  JB,et  al.(2009),Nature.461:649-643、Ichida  JK,et  al.(2009),Cell  Stem  Cell.5:491-503、Heng  JC,et  al.(2010),Cell  Stem  Cell.6:167-74、Han  J,et  al.(2010),Nature.463:1096-100、Mali  P,et  al.(2010),Stem  Cells.28:713-720、Maekawa  M,et  al.(2011),Nature.474:225-9.に記載の組み合わせが例示される。
 体細胞には、非限定的に、胎児(仔)の体細胞、新生児(仔)の体細胞、および成熟した健全なもしくは疾患性の体細胞のいずれも包含されるし、また、初代培養細胞、継代細胞、および株化細胞のいずれも包含される。具体的には、体細胞は、例えば(1)神経幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、歯髄幹細胞等の組織幹細胞(体性幹細胞)、(2)組織前駆細胞、(3)血液細胞(末梢血細胞、臍帯血細胞等)、リンパ球、上皮細胞、内皮細胞、筋肉細胞、線維芽細胞(皮膚細胞等)、毛細胞、肝細胞、胃粘膜細胞、腸細胞、脾細胞、膵細胞(膵外分泌細胞等)、脳細胞、肺細胞、腎細胞および脂肪細胞等の分化した細胞などが例示される。
<ナイーブ型多能性幹細胞>
 ナイーブ(naive)型多能性幹細胞は、着床前胚に類似した性質を持つ多能性幹細胞であるが、具体的には、以下のような特徴を有する(Cytometry Research 27(1):19 ~ 24,2017)。
 ドーム型のコロニー形態を示し、コロニーの大きさはプライム型より小さい。
 マーカーとして、CD75、KLF4およびTFCP2L1の1つ以上を発現する。
 ゲノムが脱メチル化されている。
 ナイーブ型多能性幹細胞は、例えば、下記のような方法によって作成することができる。
 NANOGとKLF2の過剰発現を用いる方法(Takashima et al., Cell 158 : 1254-1269, 2014)
 5iLFAコンディションを用いる方法(Theunissen et al., Cell Stem Cell. 2016 Oct 6; 19(4):502-515.)
 HDAC(ヒストンデアセチラーゼ)阻害剤を用いる方法(Guo, G. et al. (2017). Development 144(15): 2748-2763.)
 また、t2iLGo(Ndiff227[Takara Bio, Cat. Y40002]など、市販のナイーブ型多能性幹細胞調製用培地を用いて、プライム型多能性幹細胞を培養することにより得ることもできる。
<プライム型多能性幹細胞>
 プライム(primed)型多能性幹細胞は着床後胚のエピブラストに類似した性質を持つ多能性幹細胞であるが、体細胞に初期化因子を導入して得られる一般的な人工多能性幹細胞やヒトES細胞がこれに該当し、上記のようなナイーブ化処理をされていないものである。 プライム型多能性幹細胞は以下のような特徴を有する。
 平坦なコロニー形態を示し、コロニーの大きさはナイーブ型より大きい。
 マーカーとして、CD75、KLF4およびTFCP2L1は陰性である。
ゲノムがメチル化されている。
<第1工程>
 第1工程では、ナイーブ型多能性幹細胞を培養して卵黄嚢様細胞へ分化誘導する。
 第1工程は、好ましくは、ナイーブ型多能性幹細胞を原始内胚葉細胞へ分化誘導する工程、および、原始内胚葉を卵黄嚢様細胞へ分化誘導する工程、を含む。
<原始内胚葉細胞>
 原始内胚葉は胚体外細胞に分類され、細胞外マトリックスを発現し、エピブラスト細胞を支持する細胞であり、GATA3、GATA4、GATA6、SOX17、FOXA2(Forkhead Box A2)、HNF4A(Hepatocyte Nuclear Factor 4 Alpha)、CER1(Cerberus 1)、OTX2(Orthodenticle Homeobox 2)、 PDGFRA(Platelet Derived Growth Factor Receptor Alpha)、COL4A1(alpha-1 subunit of collagen type IV)、SPARC(Secreted protein acidic and rich in cysteine)などの原始内胚葉マーカーの1種類以上の発現により特徴づけられる。
<ナイーブ型多能性幹細胞を原始内胚葉細胞へ分化誘導する工程>
 ナイーブ型多能性幹細胞を原始内胚葉へ分化誘導する方法は特に制限されず、公知の方法を含め、任意の方法が使用できるが、例えば、WO 2019/093340に開示されている、ナイーブ型多能性幹細胞にGATA遺伝子(GATA6やGATA4)を過剰発現させる方法や、ナイーブ型多能性幹細胞をBMP(BMP4、BMP2またはBMP6など)、FGF4、並びにPDGF、IL-6、TGFβ阻害剤(SB431542、SB202190(R.K.Lindemann et al., Mol. Cancer 2:20 (2003))、SB505124 (GlaxoSmithKline)、NPC30345、SD093、SD908、SD208 (Scios)、LY2109761、LY364947、LY580276 (Lilly Research Laboratories)、A83-01(WO 2009146408)など)、Wntシグナル阻害剤(XAV939、IWP-1、IWP-2、IWP-3、IWP-4、IWR-1、53AH、KY02111(AbcamやSigma-aldrichなどから入手可)など)およびレチノイン酸から選択される1種類以上(好ましくはこれらの全て)を含む培地で培養する方法が挙げられる。これらのサイトカインや薬剤の種類や使用時の濃度はWO 2019/093340に開示されている。
 原始内胚葉細胞の分化誘導に用いる培地は、t2iLGo、5iL/AF、tt2iLGo、Ndiff227などのナイーブ型多能性幹細胞維持培地に分化誘導に必要な因子を添加したものを用いることができ、無血清培地を用いることが好ましいが、GATA6遺伝子過剰発現による誘導の場合は血清培地でもよい。培養は接着培養が好ましく、ポリリジン、ポリオルニチン、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ヒアルロン酸、テネイシン、エンタクチン、エラスチン、フィブリリン、ラミニンなどの細胞外基質でコーティング処理された培養容器を用いて培養することによって行うことができる。
 原始内胚葉細胞分化誘導工程における、ナイーブ型多能性幹細胞を培養する際の培養温度条件は、特に限定されないが、例えば、約37℃~約42℃程度、約37~約39℃程度が好ましい。また、培養日数は原始内胚葉細胞が得られる限り特に限定されないが、例えば、少なくとも1日間以上、好ましくは2~5日である。
 原始内胚葉誘導工程を行った後に、原始内胚葉を選別して濃縮する操作を行うことが好ましい。濃縮操作を行うことで、次の卵黄嚢様細胞分化工程を効率よく行うことができる。
 選別は上記のような原始内胚葉特異的なマーカーの1種類以上の発現を指標として行うことができる。原始内胚葉細胞を含有する細胞集団より原始内胚葉細胞の選別を行うために使用される試薬としては、上記原始内胚葉マーカーに特異的親和性を有する試薬であれば何でもよく、抗体、アプタマー、ペプチドまたは特異的に認識する化合物などを用いることができ、好ましくは、抗体もしくはその断片である。原始内胚葉細胞を選別する方法には、例えば、フローサイトメーターを用いる方法が挙げられる。また、担体に結合させた抗体を用いて沈降させる方法、磁気ビーズを用いて磁性により細胞を選別する方法(例えば、MACS)、蛍光標識を用いて細胞ソーターを用いる方法、または抗体等が固定化された担体(例えば、細胞濃縮カラム)を用いる方法等が例示される。
<原始内胚葉を卵黄嚢様細胞へ分化誘導する工程>
 上記のようにして得られた原始内胚葉はさらに培養を続けることで卵黄嚢様細胞にまで分化させることができる。
<卵黄嚢様細胞>
 卵黄嚢様細胞は臓側内胚葉細胞、卵黄嚢内胚葉細胞および胚体外中胚葉細胞を含む細胞集団であり、図2で示すようなAFP、BMP4、FOXA1、COL6A1、SPARC、FOXF1、SNAI2から選択される3種以上、好ましくは4種以上、特に好ましくは全てのマーカーの発現により特徴づけられる。
 原始内胚葉を上記のように選別(分離)したのち、再度、ラミニンなどの細胞外基質でコーティング処理された培養容器に播種し、接着培養を継続することで卵黄嚢様細胞を得ることができる。培地は特に制限されないが、無血清培地が好ましい。培養日数は卵黄嚢様細胞が得られる限り特に限定されないが、例えば、少なくとも1日間以上、好ましくは3~5日である。
<第2工程>
 第2工程では、プライム型多能性幹細胞を培養して中胚葉細胞へ分化誘導する。
 中胚葉細胞は、中胚葉を構成する細胞群であり、発生の過程で体腔およびそれを裏打ちする中皮、筋肉、骨格、皮膚真皮、結合組織、心臓・血管(血管内皮も含む)、血液(血液細胞も含む)、リンパ管や脾臓、腎臓および尿管、性腺(精巣、子宮、性腺上皮)をつくる能力を有する細胞群を意味する。中胚葉細胞は、例えば、T(Brachyuryと同義)、VEGF receptor-2(KDR)、FOXF1、FLK1、BMP4、MOX1、SDF1、PDGFRAおよびCD34のような1種類以上のマーカーの発現により示される。好ましくは、KDRおよびPDGFRAを発現する細胞である。
 プライム型多能性幹細胞を中胚葉細胞へ分化誘導する方法は特に制限されず、公知の方法を含め、任意の方法が使用できるが、例えば、特許文献1や2に開示されている方法が挙げられる。また、後述のような、プライム型多能性幹細胞をBMP(BMP4、BMP2またはBMP6など)、bFGFおよびアクチビンを含む無血清培地で培養する方法が挙げられる。これらのサイトカインの使用濃度は1~100ng/mlである。
 中胚葉細胞の分化誘導に用いる培地は、StemProなどの通常の多能性幹細胞用培地に分化誘導に必要な因子を添加したものを用いることができ、無血清培地を用いることが好ましいが、GATA6遺伝子過剰発現による誘導の場合は血清培地でもよい。培養は接着培養が好ましく、ポリリジン、ポリオルニチン、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ヒアルロン酸、テネイシン、エンタクチン、エラスチン、フィブリリン、ラミニンなどの細胞外基質でコーティング処理された培養容器を用いて培養することによって行うことができる。
 中胚葉細胞分化誘導工程における、プライム型多能性幹細胞を培養する際の培養温度条件は、特に限定されないが、例えば、約37℃~約42℃程度、約37~約39℃程度が好ましい。また、培養日数は中胚葉細胞が得られる限り特に限定されないが、例えば、少なくとも1日間以上、好ましくは2~5日である。
 中胚葉細胞誘導工程を行った後に、中胚葉細胞を選別して濃縮する操作を行うことが好ましい。濃縮操作を行うことで、次の共培養工程(第3工程)を効率よく行うことができる。
 選別は上記のような中胚葉細胞特異的なマーカーの1種類以上の発現を指標として行うことができる。
<第3工程>
 第3工程では、2工程で得られた中胚葉細胞を、第1工程で得られた卵黄嚢様細胞と共培養することにより、造血細胞へ分化誘導する。
 中胚葉細胞を上記のように選別(分離)したのち、上記で得られた卵黄嚢様細胞上に播種し、接着培養することで造血細胞を得ることができる。培地は特に制限されないが、無血清培地が好ましい。培養日数は造血細胞が得られる限り特に限定されないが、例えば、少なくとも1日間以上、好ましくは5~25日、さらに好ましくは8~14日である。
<造血細胞>
 本発明において、造血細胞は、T細胞、B細胞、赤血球、血小板、好酸球、単球、好中球、好塩基球、マクロファージなどの成熟血液細胞を作り出す能力を有し、かつ自己複製能を有する細胞を意味する。なお、造血細胞は造血前駆細胞や造血幹細胞も包含する。これらの細胞は、KDR、CD34、CD43、CD90およびCD117のような1種類以上のマーカーの発現により検出され、好ましくはCD34とCD43が陽性である。さらに、CD235aが陽性であってもよい。特に卵黄嚢は、一次造血の場であり、本培養系を用いることで胚型赤血球を作り出すことができ、さらには、胎児型赤血球又は成人型赤血球も作り出すことができる。
 すなわち、本発明の方法では、第3工程で得られた造血細胞を、T細胞、B細胞、赤血球、血小板、好酸球、単球、好中球、好塩基球、マクロファージなどの血液細胞に成熟化させるための分化誘導工程を行い、血液細胞を製造してもよい。
 例えば、造血細胞を、赤血球に分化誘導するためには、赤血球分化誘導工程を行えばよい。赤血球分化誘導工程は公知の方法を採用することができるが、例えば、エリスロポエチン(EPO)を含む培地で培養する工程が例示される。EPOの濃度は、例えば、1~100U/mLである。培養期間は赤血球の誘導に十分な期間であればよいが、例えば、1日以上、好ましくは5日以上である。
 また胎児型マクロファージを作ることができ、これらは脳のミクログリアを構成する。ここで、中枢神経系はニューロンと3種類のグリア細胞から構成される。特にミクログリアは中枢神経系における免疫細胞として知られており、卵黄嚢で作られたマクロファージが血流に乗り移動し、中枢のミクログリアになることが知られる。中枢において、免疫機能を持つミクログリアは、変性した神経の周囲に集まったり、異常な活性を示すとされている。そのため中枢の慢性炎症にも関わるとされており、パーキンソン病やアルツハイマー病の原因の一つとしても推測されており、現在治療のターゲットとして創薬が盛んに行われている。遺伝病である那須・ハコラ病もミクログリアの異常であることが知られる。したがって、本発明の方法により、マクロファージを産生することにより、中枢神経疾患や中枢の炎症疾患の治療に有効と考えられる。
 また、本発明の方法では、第3工程で得られた造血細胞を、ミクログリアに成熟化させるための分化誘導工程を行い、ミクログリアを製造してもよい。共培養を続けることでもミクログリアが分化するが、ミクログリア分化誘導工程は公知の方法を採用してもよい。例えば、MCSF(マクロファージコロニー刺激因子)またはGCSF(顆粒球コロニー刺激因子)を含む培地で培養する工程が例示される。MCSFまたはGCSFの濃度は、例えば、1ng/ml~1mg/mlである。また、必要に応じ、IL-34を添加してもよい。培養期間はミクログリアの誘導に十分な期間であればよいが、例えば、1日以上、好ましくは5日以上である。
<造血細胞、血液細胞又はミクログリアを含む医薬>
 本発明は、本発明の方法により製造された造血細胞又は血液細胞を含有する医薬、例えば、血液疾患の治療剤を提供する。
 本発明はまた、本発明の方法により製造されたミクログリアを含有する医薬、例えば、中枢神経系疾患の治療剤を提供する。
 本発明の方法によって得られる造血細胞、血液細胞又はミクログリアは、当該治療の対象となる患者本人に由来するものであってもよいし、他の個体に由来するものであってもよい。好ましくは、当該治療の対象となる患者本人に由来するものである。造血細胞、血液細胞又はミクログリアが他の個体に由来するものである場合、拒絶反応が起こらないという観点から、HLAの型が同一である他人から体細胞を採取することが好ましい。
 本発明の医薬は、造血細胞、血液細胞又はミクログリアを単独で含んでいてもよく、または造血細胞、血液細胞又はミクログリアと共に緩衝液や抗生物質、その他の医薬添加物等や造血細胞以外の任意の細胞(複数も可)を含んでいてもよい。
 本発明の造血細胞又は血液細胞を含む医薬は、広く血液疾患の治療剤として有効である。具体的には、対象疾患として、先天性貧血、再生不良性貧血、自己免疫性貧血、骨髄異形成症候群(MDS)、顆粒球減少症、リンパ球減少症、血小板減少症、各種の癌または腫瘍に伴う造血細胞の減少症、癌化学療法もしくは放射線療法に伴う造血細胞の減少症、急性放射性症候群、骨髄・臍帯血・末梢血移植後の造血細胞の回復遅延、輸血に伴う造血細胞の減少症、白血病(急性骨髄性白血病 (AML)、急性リンパ性白血病 (ALL)、慢性骨髄性白血病 (CML)、慢性リンパ性白血病 (CLL)を含む)、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、遺伝性血液疾患などが挙げられるが、これらに限定されない。
 本発明のミクログリアを含む医薬は、広く中枢神経系疾患の治療剤として有効である。具体的には、対象疾患として、パーキンソン病、アルツハイマー病、那須・ハコラ病などが挙げられるが、これらに限定されない。
 本発明の医薬の患者への投与経路は、特に限定されない。例えば、移植により患者へ投与される。その場合には、従来行われている骨髄移植や臍帯血移植と同様の方法で行うことができる。また、例えば、静脈内、皮下、皮内、筋肉内、腹腔内、骨髄内、脳内への投与形態も例示できる。造血細胞又は血液細胞を含む医薬の場合、好ましい投与経路は、静脈内投与または骨髄内投与であり得る。ミクログリアを含む医薬の場合、好ましい投与経路は、脳内投与であり得る。
 本発明の医薬の患者への投与量/移植量は、治療すべき病態の種類、症状および疾患の重篤度、患者年齢、性別もしくは体重、投与法/移植法などにより異なるので一義的には言えないが、医師が前記状況を考慮して判断することにより、適宜適当な投与量/移植量を決定することができる。
 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の態様には限定されない。
Material and method
細胞培養
 ヒトプライム型 多能性幹細胞(PSC)ライン(H9ES(胚性幹)細胞、H1ES細胞、AdiPS細胞)はConventional condition(F12/KSRと呼ぶ) (Dulbecco’s modified Eagle medium [DMEM/F12; ナカライテスク, Cat.08460-95]、20%[v/v] KSR [Thermo Fisher Scientific, Cat. 10828028]、nonessential amino acids [NEAA; Thermo Fisher Scientific, Cat. 11140-050], 4 ng/ml recombinant human bFGF [bFGF; オリエンタル酵母, Cat. NIB 47079000]、 0.1 mM 2-mercaptoethanol [Sigma-Aldrich, Cat.M3148] )を用い、γ線照射したMEF上で維持した。細胞は5~7日毎にDissociation Buffer(DB; 0.025% Trypsin [Thermo Fisher Scientific, Cat. 15090-046]、1mg/ml Collagenase IV [Thermo Fisher Scientific, Cat. 17104-019]、20% KSR、1mM CaCl2)を用い、小さなクランプ様に剥離し継代した。あるいは、FGFやTGFBあるいはActivin等を含有するフィーダーフリー培地(Stemfit, mTeSR, E8, DEF-CS等)で維持しても良い。
 ヒトナイーブ型多能性幹細胞ライン(H9ES細胞、H1ES細胞、AdiPS細胞由来)はt2iLGo(Ndiff227[Takara Bio, Cat. Y40002]、1 μM PD0325901 [PD03; Tocris, Cat.4192]、 1μM CHIR99021[CH; Sigma-Aldrich, Cat.SML1046]、10ng/ml Recombinant human LIF [hLIF; Peprotech, Cat.300-05]、3μM Go6983[Go; Tocris, Cat.2285])を用いMEF上で維持した。細胞は3~5日毎にAccutase(Sigma-Aldrich, Cat.A6964)を用い剥離し継代した。下記、いずれの誘導方法、樹立方法、維持方法でも原始内胚葉誘導と造血が可能である。
 ナイーブ型H9は、HDAC阻害剤を用いた方法で樹立した(Guo, G. et al. (2017). Development 144(15): 2748-2763.)。プライム型H9をトリプシン/EDTA(ナカライテスク, Cat. 32777-15)により単一な細胞へと剥離し、1×105個/cm2の細胞を10μM Y-27632(Wako, Cat.034-24024)を加えたF12/KSR培地でMEF上へと播種した。翌日からcRM1(Ndiff, 1μM PD03, 10ng/ml hLIF, 1mM Valproic acid sodium salt [VPA; Sigma-Aldrich, Cat.P4543])で48時間培養し、その後cRM2(Ndiff, 1μM PD03, 10ng/ml hLIF, 2μM Go, 2μM XAV939[Sigma-Aldrich, Cat.X3004])で細胞を維持した。3-5継代頃から大半の細胞がドーム状の形態を示すコロニーを形成する。
 また、一部の実験では5iLFAコンディションを用いてナイーブ型H9を樹立した(Theunissen et al., Cell Stem Cell. 2016 Oct 6;19(4):502-515.)。プライム型H9をトリプシン/EDTAにより単一な細胞へと剥離し、1×105個/cm2の細胞を10μM Y-27632を加えたF12/KSR培地でMEF上へと播種した。翌日から5iLFA培地(Ndiff, 1μM PD03, 1μM CH, 1μM WH-4-023[A Chemtek H620061], 0.5μM SB590885[R and D 2650], 10μM Y-27632, 10ng/ml hLIF, 20ng/ml Activin A[R&D, Cat.388-AC], 8ng/ml bFGF)に変更し培養を続けた。大半の細胞がドーム状の形態を示すコロニーを形成する。
 ナイーブ型H1 PSC、AdiPSの樹立は、NANOGとKLF2の過剰発現を用いた方法で樹立した(Takashima et al., Cell 158 : 1254-1269, 2014)。DOXにより過剰発現を誘導することのできるプラスミドをエレクトロポレーションし、H1及びAdiPSへと導入した(H1 NK2、AdiPS NK2)。プラスミドには薬剤耐性マーカーとなる遺伝子(ネオマイシン耐性)を組み込み、細胞への導入後、Geneticin(Thermo Fisher Scientific, Cat.10131035)を用いて薬剤選択を行うことにより、プラスミドの導入された細胞を選抜した。プライム型H1 NK2、AdiPS NK2をトリプシン/EDTAにより単一な細胞へと剥離し、1×105個/cm2の細胞を10μM Y-27632(Wako, Cat.034-24024)を加えたF12/KSR培地でMEF上へと播種した。翌日(day1)、1μg/ml doxycycline hyclate(Dox; Sigma-Aldrich, Cat.D9891)を加えた。Day2から2iL(1μM PD03,1μM CH, LIF)+Dox培地に切り替え、約1週間培養する。その後、t2iLGoへと切り替え維持することで樹立した。
原始内胚葉誘導
 MEF上で培養しているナイーブ型PSCをAccutaseにより剥離させ回収した後に、ゼラチンコートディッシュに播種し、10μM Y-27632(ROCK阻害剤)を加えたt2iLGoで37℃、1~2時間培養しMEFを取り除いた。その後、各々の誘導培地で再懸濁し、播種と同時に誘導を開始する。
 GATA6遺伝子の過剰発現により誘導する場合には、Fibronectin (Millipore, Cat.FC010)上に1×105個/cm2の誘導型GATA6発現プラスミドが導入された細胞を播種した。誘導培地には血清培地(Glasgow Minimum Essential Medium [GMEM; Sigma-Aldrich, Cat.G5154]、15% FBS[Thermo Fisher Scientific, Cat. 10437028]、2mM L-Glutamine[Thermo Fisher Scientific, Cat. 25030081]、1mM Sodium Pyruvate[Thermo Fisher Scientific, Cat.11360-070]、NEAA、0.1 mM 2-mercaptoethanol)、または、エス・クロンSFO-3(エーディア, Cat.SS1303)に0.1%bovine serum albumin(BSA; Wako, Cat.012-23881)、50μM 2-mercaptoethanol、25ng/ml recombinant human FGF4(FGF4; Peprotech, Cat.100-31)、1μg/ml heparin sodium(Wako, Cat. 081-00131)を加えたものを使用した。0.1μg/ml Doxを誘導開始から48時間後まで添加した。
 化合物を用いて誘導する場合には、iMatrix-511 silk(MAX, Cat.892021)上に5×104個/cm2の細胞を播種した。誘導培地にはNdiff227培地に25ng/ml FGF4、1μg/ml heparin sodium、10~200ng recombinant human BMP-4 (BMP-4; R&D, Cat.314-BP)、10ng/ml recombinant human PDGF-AA(PDGF-AA, Peprotech, Cat.100-13A)、10ng/ml recombinant human IL-6(IL-6; オリエンタル酵母, Cat.47066000)、1μM XAV939、3μM A83-01(Tocris, Cat. 2939)、0.1μM retinoic acid(RA; Sigma-Aldrich, Cat.R2625)を加えたものを使用した。IL-6は誘導開始48時間後から添加した。また、一部の実験においては、BMP-4の代わりに10-500ng/ml recombinant human BMP-2 (BMP-2; オリエンタル酵母, Cat.47304000)、または50ng/ml recombinant human BMP-6 (BMP-6; Peprotech, Cat.120-06)を使用した。
原始内胚葉からの卵黄嚢様細胞誘導
 原始内胚葉に誘導し3日目の細胞をPDGFRA抗体を用いて陽性細胞をフローサイトメトリーで純化した。その後、iMatrix-511 silk(MAX, Cat.892021)上に2×105個/cm2の細胞を播種した。Ndiff227またはEssential6(E6:Gibco, Cat.A1516401)培地を用いて培養を継続した。
中胚葉細胞誘導
 プライム型PSCから中胚葉細胞への誘導は以前に報告されている方法を一部改変して使用した(Sturgeon. et al. (2014). Nat Biotechnol 32(6): 554-561.)。プライム型H9をトリプシン/EDTA(ナカライテスク, Cat.32777-15)により単一な細胞へと剥離し、ゼラチンコートディッシュに播種し、10μM Y-27632(ROCK阻害剤)を加えたF12/KSRで37℃、1~2時間培養しMEFを取り除いた。その後、分化誘導培地(StemPro34[Invitrogen, Cat. 10639011]、2mM L-glutamine[Thermo Fisher Scientific, Cat. 25030081]、4×104M monothioglycerol[Sigma-Aldrich, Cat.M6145]、150μg/ml transferrin[Roche, Cat. 10652202001]、50μg/mL  ascorbic  acid)で再懸濁し、播種と同時に浮遊培養を用いた分化誘導を開始する。Day0-1: 分化誘導培地に10ng/ml BMP4および10μM Y27632を加えた。Day1-3:分化培地に10ng/ml BMP4および8ng/ml ActivinAおよび5ng/ml bFGFを加えた。懸濁細胞はElplasia plate(Kurare, Cat.RB 500 400 NA)に2.4×105個/wellの細胞濃度で播種した。誘導3日目にPDGFRAおよびKDR抗体を用いて、中胚葉細胞を純化した。
原始内胚葉を用いた造血細胞誘導方法
 原始内胚葉から誘導した卵黄嚢様細胞上に純化した中胚葉細胞を7.5×103個/cm2を播種し、分化誘導培地で培養をした。共培養開始から5日後に細胞を回収し、フローサイトメトリーにより解析した。また、造血細胞マーカーであるCD34とCD43を用い、造血細胞を純化しRNAを回収した。
FACS analysis / sorting
 原始内胚葉様細胞および、中胚葉細胞はAccutaseにより単一な細胞へと剥離し回収した。その後、1%BSA(Sigma-Aldrich, Cat.A2153)を加えたHBSS(Thermo Fisher Scientific, Cat.14185052)を用いブロッキングを氷上にて30分行った。その後、抗体を各々の組み合わせで加え、氷上にて30分間インキュベートした。Biotinylated抗体を使用した場合、洗浄した後にStreptavidin-APC(Biolegend, Cat.405207)を加え、氷上にて20分間インキュベートした。FACS解析にはBD LSR Fortessa(BD)、sortingにはFACS AriaII(BD)を用いた。また、データ解析にはFlow Jo V10.2 softwareを用いた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Reverse Transcription Quantitive Real-time PCR
 total RNAはRNeasy kit(Qiagen, Cat.74106)にて抽出し、1000ngのRNAからcDNAをSuperScriptIV(Thermo Fisher Scientific, Cat.18090050)とoligo-dT プライマーを用い合成した。Real-time PCRには、PowerUP Sybr Green Master Mix(Thermo Fisher Scientific, Cat.A25743)を用い、PCR増幅にはQuantStudio3(Thermo Fisher Scientific)を用いた。Real-time RT-PCR反応後の解析はQuantStudio Design&Analysis Software v1.4.1を用いて行った。
赤血球誘導
 卵黄嚢様細胞もしくはOP9との共培養により誘導された造血細胞をFACS sortingにより純化した後に、96well plateに約2.5×10^4個の細胞を赤血球誘導培地(分化誘導培地+4U/ml recombinant human erythropoietin [hEPO; Calbiochem, Cat.329871] + 100ng/ml recombinant human SCF [R&D, Cat.252-SC] + 5ng/ml recombinant human IL-3 [R&D, Cat. 203-IL])中に播種し、分化誘導を開始した。赤血球分化誘導14日目に細胞を回収し、qPCRによりヘモグロビンの発現を確認した。
ミクログリア誘導
 原始内胚葉から誘導した卵黄嚢様細胞と中胚葉細胞を分化誘導培地で12日間共培養したのち、10ng/mLのM-CSFまたはG-CSFを含むN2B27培地に交換してさらに21日間培養した。なお、ミクログリア誘導後、10日目以降は培地にIL-34(10ng/mL)を追加した。
結果
<卵黄嚢様細胞の解析結果>
 卵黄嚢へと分化誘導した細胞(図1)を回収し、qPCRにより遺伝子発現を確認した。結果を図2に示す。誘導前の原始内胚葉細胞は卵黄嚢マーカー遺伝子をほとんど発現しないが、誘導後の細胞は卵黄嚢マーカー遺伝子を強く発現していることがわかる。
<造血細胞の解析結果>
 中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞と共培養することにより誘導された中胚葉細胞由来の細胞をフローサイトメトリーで解析した結果を図3に示す。
 造血細胞マーカーとしてCD34とCD43を、胎生初期の造血細胞マーカーとしてCD235aを使用した。また、コントロールとして、ラミニンコート上に中胚葉細胞を播種したサンプルの結果を示した。卵黄嚢様細胞との共培養により、CD34とCD43を共発現する造血細胞を誘導することができた。また、誘導された造血細胞はCD235a陽性であることから、胎生初期にみられる造血細胞だと考えられる。なお、内胚葉細胞をラミニンコートデイッシュで培養した場合には造血細胞は誘導されず、卵黄嚢様細胞との共培養が重要であることが分かった。
 次に、中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞またはOP9細胞と共培養した後に得られたサンプルから造血細胞(CD34+/CD43+)と血管内皮細胞(CD34+/CD43+)をそれぞれFACS を用いて分離し、qPCRにより遺伝子発現を比較した。比較対象として、ヒトES細胞(Day0)、誘導した中胚葉細胞(Day3)を用いた。図4に示されるように、本発明により誘導された造血細胞は、どの造血細胞遺伝子もOP9により誘導された造血細胞と同等もしくは高い発現を示した。
 中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞またはOP9細胞と共培養した後に得られた造血細胞(CD34+/CD43+/CD235a+)を赤血球分化誘導条件で培養し、得られた細胞のヘモグロビンの型を調べた。その結果、図5に示されるように、卵黄嚢様細胞との共培養により誘導された造血細胞は胚型ヘモグロビンを発現する赤血球へと分化することがわかった。
 中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞またはOP9細胞と8日間または14日間共培養した。それぞれにおいて得られた造血細胞を赤血球分化誘導条件で14日間培養し、得られた細胞をフローサイトメトリーで解析した。その結果、図6に示されるように、共培養8日間の造血細胞及び共培養14日間の造血細胞のいずれからも、CD71陽性、CD235陽性の赤血球が誘導できた。
 上記で得られたCD71陽性、CD235陽性の細胞をフローサイトメトリーで純化したのち、ヘモグロビンの発現を確認した。結果を図7に示す。
 8日間共培養ののち赤血球分化させて得られたCD71陽性、CD235陽性細胞はHBE優位の卵黄嚢型(胚型)ヘモグロビンであった。
 一方、14日間共培養ののち赤血球分化させて得られたCD71陽性、CD235陽性細胞ではHBEの発現は減少し、HBG優位の胎児肝臓や脾臓、骨髄で産生される胎児型ヘモグロビンを発現し、さらにはHBBを発現する成人型ヘモグロビンも発現を始めることがわかった。以上より、本発明の方法で分化誘導された造血細胞は成人型ヘモグロビンを発現する赤血球を誘導できる能力をもつことがわかった。
 また、中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞上で無血清培地(分化誘導培地)を用いて3週間培養したところ、図8に示されるように、CD14+/CD11b+のマクロファージが得られることが分かった。
 中胚葉細胞を卵黄嚢様細胞上で無血清培地(分化誘導培地)を用いて14日間培養したのち、さらに25日間、G-CSFあるいはM-CSFにIL-34(10ng/ml)を追加した培地で培養し、遺伝子発現を確認した。その結果、図9に示すように、ミクログリアに発現する遺伝子の発現が上昇しており、ミクログリアへの分化を確認した。

Claims (15)

  1. 多能性幹細胞から造血細胞を製造する方法であって、
    ナイーブ型多能性幹細胞を培養して卵黄嚢様細胞へ分化誘導する第1工程、
    プライム型多能性幹細胞を培養して中胚葉細胞へ分化誘導する第2工程、
    第2工程で得られた中胚葉細胞を、第1工程で得られた卵黄嚢様細胞と共培養することにより、造血細胞へ分化誘導する第3工程、
    を含む方法。
  2. 前記第1工程は、
    ナイーブ型多能性幹細胞を原始内胚葉細胞へ分化誘導する工程、および、
    原始内胚葉を卵黄嚢様細胞へ分化誘導する工程、
    を含む、請求項1に記載の造血細胞の製造方法。
  3. ナイーブ型多能性幹細胞を原始内胚葉細胞へ分化誘導する工程は、
    ナイーブ型多能性幹細胞にGATA遺伝子を過剰発現させること、又はナイーブ型多能性幹細胞を、BMP(Bone morphogenetic protein)、FGF4(Fibroblast growth factor 4)、並びにPDGF(Platelet-Derived Growth Factor)、IL-6(Interleukine-6)、TGFβ阻害剤、Wntシグナル阻害剤およびレチノイン酸から選択される1種類以上を含む培地で培養することにより行われる、請求項2に記載の造血細胞の製造方法。
  4. 原始内胚葉細胞を卵黄嚢様細胞へ分化誘導する工程は、
    原始内胚葉を無血清培地を用いて接着培養することにより行われる、請求項2または3に記載の造血細胞の製造方法。
  5. 前記第2工程は、プライム型多能性幹細胞を、BMP、bFGF(basic fibroblast growth factor)およびアクチビンを含む無血清培地で培養することにより行われる、請求項1~4のいずれか一項に記載の造血細胞の製造方法。
  6. 前記第3工程は、無血清培地を用いて行われる、請求項1~5のいずれか一項に記載の造血細胞の製造方法。
  7. 多能性幹細胞が人工多能性幹細胞である、請求項1~6のいずれか一項に記載の造血細胞の製造方法。
  8. 多能性幹細胞がヒト多能性幹細胞である、請求項1~7のいずれか一項に記載の造血細胞の製造方法。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の方法により造血細胞を製造する工程、及び、
    造血細胞を血液細胞へ分化誘導する工程、
    を含む、血液細胞の製造方法。
  10. 血液細胞が赤血球である、請求項9に記載の血液細胞の製造方法。
  11. 請求項1~8のいずれか一項に記載の方法により造血細胞を製造する工程、及び、
    造血細胞をミクログリアへ分化誘導する工程、
    を含む、ミクログリアの製造方法。
  12. 請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法で製造された造血細胞。
  13. 請求項9または10に記載の製造方法で製造された血液細胞。
  14. 請求項11に記載の製造方法で製造されたミクログリア。
  15. 請求項9に記載の造血細胞、請求項13に記載の血液細胞、または請求項14に記載のミクログリアを含む医薬。
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