WO2020261354A1 - 複合材成形装置および複合材成形方法 - Google Patents

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Abstract

軸線(X)に沿って延びる積層体(L)の内周面(Li)を保持するマンドレル(10)と、樹脂材料を含む積層体(L)の外周面(Lo)を保持するホルダ(20)と、マンドレル(10)を軸線(X)回りに回転させる駆動力を発生するモータと、ホルダ(20)およびマンドレル(10)により保持された積層体(L)を加熱するヒータ(40)と、を備え、ホルダ(20)は、積層体(L)の外周面(Lo)を径方向(Rd)の所定の位置に保持し、マンドレル(10)は、モータが発生する駆動力によって軸線(X)回りに回転することに応じて径方向(Rd)の外周側へ向けた付勢力を発生し、付勢力により積層体(L)を加圧する加圧機構(11)を有する複合材成形装置100を提供する。

Description

複合材成形装置および複合材成形方法
 本発明は、複合材成形装置および複合材成形方法に関するものである。
 従来、航空機の胴体に代表されるような、円筒形の複合材構造部品の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、円筒形の複合材構造部品を回転ドラムの外側に配置して回転ドラムを回転させ、複合材構造部品に遠心力を付与することが開示されている。特許文献1では、複合材構造部品に含まれるマトリックス材料が遠心力によって外側へ向けて押し出され、その後に加熱されることで樹脂製の円筒形部品が成形される。
米国特許第8597560号明細書
 特許文献1では、複合材構造部品に含まれるマトリックス材料が遠心力により外側へ向けて押し出されるものの、複合材部品全体は加圧されない。そのため、複合材が複数の強化繊維層を含むような場合に、層と層の間に存在する空気を確実に抜き、かつ層同士を強固に密着させることができない。そのため、複合材に十分な強度を持たせることができない可能性がある。
 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複合材料を適切に加圧して十分な強度を持たせることが可能な複合材成形装置および複合材成形方法を提供することを目的とする。
 上記課題を解決するために、本発明の複合材成形装置および複合材成形方法は、以下の手段を採用する。
 本発明の一態様に係る複合材成形装置は、軸線に沿って延びる複合材料の内周面を保持する内側保持部と、前記複合材料の外周面を保持する外側保持部と、前記内側保持部を前記軸線回りに回転させる駆動力を発生する駆動部と、前記外側保持部および前記内側保持部により保持された前記複合材料を加熱する加熱部と、を備え、前記外側保持部は、前記複合材料の前記外周面を前記軸線に沿った軸線方向に直交する径方向の所定の位置に保持し、前記内側保持部は、前記駆動部が発生する前記駆動力によって前記軸線回りに回転することに応じて前記径方向の外周側へ向けた付勢力を発生し、該付勢力により前記複合材料を加圧する加圧機構を有する。
 本発明の一態様に係る複合材成形装置によれば、複合材料の内周面が内側保持部により保持され複合材料の外周面が外側保持部により保持されるため、複合材料が内側保持部と外側保持部との間に挟まれた状態となる。内側保持部を軸線回りに回転させると、加圧機構が径方向の外周側へ向けた付勢力を発生する。外側保持部が複合材料の外周面を径方向の所定の位置に保持するため、付勢力によって複合材料が加圧される。これにより、複合材料を適切に加圧して十分な強度を持たせることが可能となる。
 また、本発明の一態様に係る複合材成形装置によれば、加熱部によって複合材料に含まれる樹脂材料が加熱される。例えば、樹脂材料が熱可塑性樹脂材料である場合は、融点以上に加熱することで加圧機構による加圧によって複合材料が変形可能な状態とすることができる。また、例えば、樹脂材料が熱硬化性樹脂材料である場合は、複合材料を加圧した状態で熱硬化性樹脂材料を硬化させることにより、樹脂材料が硬化した複合材を適切に成形することができる。
 本発明の一態様に係る複合材成形装置において、前記加圧機構は、前記付勢力の大きさを調整可能な機構である構成が好ましい。
 加圧機構により付勢力の大きさを調整することにより、複合材料を所望の付勢力により加圧して十分な強度を持たせることが可能となる。
 上記構成の複合材成形装置において、前記加圧機構は、前記軸線回りの周方向に沿った複数の位置に配置されているのが好ましい。
 軸線回りの周方向に沿った複数の位置に加圧機構が配置されるため、複合材料の各位置をそれぞれ所望の付勢力により加圧して十分な強度を持たせることができる。
 上記構成の複合材成形装置において、前記加圧機構は、前記複合材料の前記内周面に前記付勢力を伝達する伝達部材と、前記伝達部材に連結されるとともに前記径方向に沿って延びる棒状部材と、前記棒状部材に取り付けられるとともに前記径方向の取り付け位置を調整可能な錘部材と、を有するのが好ましい。
 加圧機構が有する錘部材の棒状部材に対する径方向の取り付け位置を調整することにより、付勢力の大きさを適宜に調整することができる。例えば、錘部材を径方向の外周側に配置することにより付勢力の大きさを大きくし、錘部材を径方向の内周側に配置することにより付勢力の大きさを小さくすることができる。
 上記構成の複合材成形装置において、前記加圧機構は、前記複合材料の前記内周面に前記付勢力を伝達する筒状の外周面を形成する複数の前記伝達部材を有するのが好ましい。
 このようにすることで、複数の伝達部材により複合材料の内周面に付勢力を伝達する筒状の外周面を形成することができる。また、複数の伝達部材が互いに連結されずに分割されているため、複数の伝達部材のそれぞれを錘部材に作用する遠心力に応じて径方向に沿って移動させることができる。  
 本発明の一態様に係る複合材成形装置において、前記外側保持部は、前記複合材料の前記外周面と接触する接触部材と、前記接触部材が前記外周面に接触する接触状態と前記外周面から離間した非接触状態とを切り替える切替機構とを有する構成が好ましい。
 切替機構により接触部材が外周面から離間した非接触状態とすることにより、内側保持部と内側保持部に保持された複合材料とを外側保持部の内側に容易に配置することができる。また、切替機構により非接触状態を接触状態に切り替えることにより、複合材料の外周面が外側保持部により保持された状態とすることができる。
 上記構成の複合材成形装置において、前記外側保持部は、前記接触状態において筒状の内周面を形成する複数の前記接触部材と、複数の前記接触部材のそれぞれを前記接触状態または前記非接触状態に切り替える複数の前記切替機構とを有する構成が望ましい。
 このようすることで、複数の接触部材を積層体の外周面と接触させた接触状態においては、複数の接触部材により、積層体の外周面を保持するための筒状の内周面を形成することができる。また、複数の接触部材の各々が切替機構により接触状態または非接触状態に切り替えられるため、それぞれの接触部材を積層体の外周面に接触しない位置に退避させることができる。  
 上記構成の複合材成形装置において、前記外側保持部は、前記接触部材および前記切替機構を前記軸線回りに回転可能に支持する支持機構を有するのが好ましい。
 駆動部の駆動力によって内側保持部が軸線回りに回転し、それに伴って複合材料および接触部材が軸線回りに回転する場合に、支持機構によって接触部材および切替機構を軸線回りに回転可能に支持することができる。
 上記構成の複合材成形装置において、前記外側保持部は、前記切替機構が内周面に取り付けられる円筒形状の回転体を有し、前記支持機構は、前記軸線に沿って延びる円筒形状に形成される円筒状部材と、前記円筒状部材の内周面に接触し、かつ前記回転体の外周面に接触した状態で配置される回転部材と、を有するのが好ましい。
 支持機構が有する回転部材が、支持機構が有する円筒状部材の内周面に接触し、かつ外側保持部が有する回転体の外周面に接触した状態で配置される。そのため、切替機構が内周面に取り付けられる回転体は、支持機構により軸線回りに回転可能に支持される。
 本発明の一態様に係る複合材成形装置においては、前記複合材料を冷却する冷却機構を備えるのが好ましい。
 加熱部によって加熱された複合材料を冷却機構により強制的に冷却することにより、複合材料を加圧する処理に要する一連の処理時間を短縮することができる。
 本発明の一態様に係る複合材成形装置において、前記複合材料に含まれる樹脂材料は、熱可塑性樹脂材料であり、前記加熱部は、前記熱可塑性樹脂材料を融点以上に加熱するのが好ましい。
 熱可塑性樹脂材料を融点以上に加熱することで加圧機構による加圧によって複合材料が変形可能な状態とすることができる。
 本発明の一態様に係る複合材成形装置において、前記複合材料に含まれる樹脂材料は、熱硬化性樹脂材料であり、前記加熱部は、前記熱硬化性樹脂材料を加熱して硬化させるのが好ましい。
 熱硬化性樹脂材料を加熱して硬化させることで、樹脂材料が硬化した複合材を適切に成形することができる。
 本発明の一態様に係る複合材成形方法は、軸線に沿って延びる複合材料の内周面を内側保持部により保持するとともに前記複合材料の外周面を外側保持部により保持する保持工程と、前記保持工程により保持された前記複合材料を加圧する加圧工程と、前記加圧工程により加圧される前記複合材料を加熱する加熱工程と、を備え、前記保持工程は、前記複合材料の前記外周面を前記軸線に沿った軸線方向に直交する径方向の所定の位置に保持し、前記加圧工程は、前記内側保持部を前記軸線回りに回転させることによって前記径方向の外周側へ向けた付勢力を発生させ、該付勢力により前記複合材料を加圧する。
 本発明の一態様に係る複合材成形方法によれば、複合材料の内周面が内側保持部により保持され複合材料の外周面が外側保持部により保持されるため、複合材料が内側保持部と外側保持部との間に挟まれた状態となる。加圧工程により、内側保持部を軸線回りに回転させると、径方向の外側へ向けた付勢力が発生する。外側保持部が複合材料の外周面を径方向の所定の位置に保持するため、付勢力によって複合材料が加圧される。これにより、複合材料を適切に加圧して複合材料に十分な強度を持たせることが可能となる。
 また、本発明の一態様に係る複合材成形方法によれば、加熱工程によって複合材料に含まれる樹脂材料が加熱される。例えば、樹脂材料が熱可塑性樹脂材料である場合は、融点以上に加熱することで加圧機構による加圧によって複合材料が変形可能な状態とすることができる。また、例えば、樹脂材料が熱硬化性樹脂材料である場合は、複合材料を加圧した状態で熱硬化性樹脂材料を硬化させることにより、樹脂材料が硬化した複合材を適切に成形することができる。
 本発明によれば、複合材料を適切に加圧して複合材料に十分な強度を持たせることが可能な複合材成形装置および複合材成形方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る複合材成形装置を示す断面図である。 図1に示す複合材成形装置からマンドレルを取り外した状態を示す断面図である。 図1に示すホルダを非接触状態とした複合材成形装置を示す断面図である。 図1に示す複合材成形装置の側面図である。 図1に示すマンドレルの部分拡大図である。 図1に示すマンドレルの部分拡大図である。 本発明の第1実施形態に係る複合材成形方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る複合材成形装置を示す断面図である。 図8に示す複合材成形装置からマンドレルを取り外した状態を示す断面図である。 ホルダを非接触状態とした複合材成形装置を示す断面図である。 第1変形例に係る複合材成形装置を示す断面図である。 第2変形例に係る複合材成形装置を示す断面図である。
〔第1実施形態〕
 以下、本発明の第1実施形態に係る複合材成形装置100およびそれを用いた複合材成形方法について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る複合材成形装置100を示す断面図である。図2は、図1に示す複合材成形装置100からマンドレル10を取り外した状態を示す断面図である。図3は、図1に示すホルダ20を非接触状態とした複合材成形装置100を示す断面図である。図4は、図1に示す複合材成形装置100の側面図である。図5は、図1に示すマンドレル10の部分拡大図である。図1は、図4におけるA-A矢視断面図となっている。
 本実施形態の複合材成形装置100は、シート状に形成された中間成形材料であるプリプレグを積層した積層体(複合材料)Lを加圧および加熱することにより所望の形状の繊維強化複合材を成形する装置である。繊維強化複合材は、例えば、航空機の胴体部などの構造体として用いられる。ここで、プリプレグとは、繊維基材と熱可塑性のマトリックス樹脂が付着されて半一体化した柔軟なシート状に形成された中間成形材料である。
 また、繊維基材とは、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等である。また、熱可塑性のマトリックス樹脂は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)等である。
 図1および図4に示すように、本実施形態の複合材成形装置100は、マンドレル(内側保持部)10と、ホルダ(外側保持部)20と、モータ(駆動部)30と、ヒータ(加熱部)40と、冷却器(冷却機構)50と、を備える。
 マンドレル10は、軸線Xに沿って延びる円筒状の積層体Lの内周面Liを保持する装置である。図1に示すように、マンドレル10の外周面10aは、軸線Xを中心とした円筒状に形成されている。図4に示すように、軸線Xは水平方向に延びる軸線である。マンドレル10は、軸線Xを中心とした直径よりも軸線Xに沿った長さの方が長い形状となっている。マンドレル10は、中心軸が軸線Xと一致するように軸受部(図示略)によって回転可能に支持されている。
 マンドレル10の外周面10aには、シート状のプリプレグを積層した所定の厚さ(例えば、約1cm)を有する板状の積層体Lが保持されている。積層体Lは、マンドレル10の軸線Xに沿った長さよりも短い範囲において、内周面Liがマンドレル10の外周面10aに接触した状態で保持されている。
 マンドレル10は、モータ30が発生する駆動力によって軸線X回りに回転することに応じて軸線Xに直交する径方向Rdの外周側へ向けた付勢力を発生する加圧機構11を有する。加圧機構11は、軸線X回りに回転することによって自身の重量により生じる遠心力により積層体Lの内周面Liを加圧する。
 図5の部分拡大図に示すように、マンドレル10は、軸線X回りの周方向に沿った複数の位置に配置される複数の加圧機構11を備える。図1および図5に示す例は、加圧機構11を軸線X回りに45度間隔で8カ所に配置した例である。加圧機構11は、例えば、軸線X回りに30度間隔で12カ所に配置するなど、他の態様としてもよい。
 図5に示すように、複数の加圧機構11のそれぞれは、伝達部材12と、棒状部材13と、錘部材14と、を有する。伝達部材12は、積層体Lの内周面Liに付勢力を伝達する部材である。図5に示すように、伝達部材12の外周面は、軸線X回りの周方向に延びる円筒形状の一部となるように形成されている。
 複数の伝達部材12の外周面によって、円筒形状の外周面が形成される。複数の伝達部材12の各々は、円筒形状の外周面を複数に分割した形状となっている。複数の伝達部材12が互いに連結されずに分割されているため、複数の伝達部材12のそれぞれは、錘部材14に作用する遠心力に応じて径方向Rdに沿って移動可能となっている。
 棒状部材13は、径方向Rdに沿って延びる棒状の部材である。棒状部材13の径方向Rdの外周側の先端部は、伝達部材12に連結されている。棒状部材13の径方向Rdの内周側の基端部は、軸線X回りに回転する回転軸15に対して径方向Rdに沿って移動可能に取り付けられている。棒状部材13は、断面が円形であり、錘部材14を取り付けるための雄ねじが外周面に形成されている。
 錘部材14は、棒状部材13に取り付けられる部材であり、棒状部材13を挿入するための挿入穴が形成されている。挿入穴の内周面には、棒状部材13の外周面に形成された雄ねじと係合する雌ねじが形成されている。棒状部材13の雄ねじに係合するように錘部材14の雌ねじが形成されているため、錘部材14の棒状部材13に対する径方向Rdの取り付け位置が調整可能となっている。
 図6は、図5に示す例よりも錘部材14を径方向Rdの内周側、すなわち軸線Xに近接した側に錘部材14の取り付け位置を調整した例を示す。錘部材14は、軸線X回りに回転することで、径方向Rdの外周側へ向けた付勢力を発生する。錘部材14が発生する付勢力は、錘部材14を径方向Rdの取り付け位置が軸線Xから遠ざかるほど大きくなる。
 錘部材14の径方向Rdの取り付け位置を調整することで、伝達部材12が積層体Lの内周面Liに伝達する付勢力の大きさを調整することができる。このように、加圧機構11は、積層体Lの内周面Liに伝達する付勢力の大きさを調整可能な機構となっている。
 図5に示す破線は、モータ30から回転軸15に駆動力が伝達されてマンドレル10が軸線X回りに回転する状態において、加圧機構11が配置される位置を示している。マンドレル10が軸線X回りに回転すると、錘部材14および棒状部材13が自身に作用する遠心力によって径方向Rdの外周側へ向けて移動する。
 図5は、マンドレル10の外周面に沿って積層体Lが配置されていない状態を示しているため、遠心力によって錘部材14および棒状部材13が破線の位置まで移動する。図1に示すようにマンドレル10の外周面に沿って積層体Lが配置する場合には、錘部材14および棒状部材13に作用する遠心力が伝達部材12を介して積層体Lの内周面Liに伝達される。
 ホルダ20は、積層体Lの外周面Loを保持する装置である。ホルダ20は、積層体Lの外周面Loを径方向Rdの所定の位置に保持する。所定の位置とは、軸線Xに沿ってマンドレル10を配置した場合に、マンドレル10に保持される積層体Lの外周面Loが配置される位置である。
 図1および図2に示すように、ホルダ20は、接触部材21と、切替機構22と、回転体23と、支持機構24と、を有する。接触部材21は、積層体Lの外周面Loを保持するための部材であり、切替機構22により後述する接触状態に切り替えられた場合に、積層体Lの外周面Loと接触する。図1に示すように、接触部材21の内周面は、積層体Lの外周面Loと接触する接触状態において、軸線X回りの周方向に延びる円筒形状の一部となるように形成されている。複数の接触部材21の内周面によって、円筒形状の内周面が形成される。
 図1に示すように、ホルダ20は、軸線X回りの周方向に沿った複数の位置に配置される複数の接触部材21を備える。図1に示す例は、接触部材21を軸線X回りに45度間隔で8カ所に配置した例である。接触部材21は、例えば、軸線X回りに30度間隔で12カ所に配置するなど、他の態様としてもよい。
 複数の接触部材21の各々は、円筒形状の内周面を複数に分割した形状となっている。このようすることで、複数の接触部材21を積層体Lの外周面Loと接触させた接触状態においては、複数の接触部材21により、積層体Lの外周面Loを保持するための円筒形状の内周面を形成することができる。
 また、複数の接触部材21は、円筒形状の内周面を複数に分割した形状であるため、それぞれの接触部材21を積層体Lの外周面Loに接触しない位置に退避させることができる。このように、複数の接触部材21は、積層体Lの外周面Loに接触する接触状態と、積層体Lの外周面Loに接触しない非接触状態とを切り替え可能な形状となっている。
 切替機構22は、接触部材21に連結されており、接触部材21が積層体Lの外周面Loに接触する接触状態(図1に示す状態)と、接触部材21が積層体Lの外周面Loに接触しない非接触状態(図2および図3に示す状態)とを切り替える機構である。切替機構22は、径方向Rdに沿って伸縮することにより、接触状態と非接触状態を切り替えることができる。切替機構22は、複数の接触部材21のそれぞれに対応するように複数設けられている。切替機構22は、単一の接触部材21に対して複数設けるようにしてもよい。
 切替機構22は、例えば、モータにより回転可能なボールねじと、ボールねじに係合する雌ねじを有するピストンロッドにより構成される。このような切替機構22は、回転体23側に取り付けられるボールねじをモータにより正回転または逆回転させることにより、接触部材21に連結されたピストンロッドを径方向Rdに沿って移動させることができる。切替機構22としては、ボールねじを利用した機構に限らず、回動軸を介してX字状に交差して連結される一対のアームを伸縮させる機構を用いてもよい。
 回転体23は、軸線Xに沿って延びる円筒形状の部材である。回転体23の内周面には、切替機構22が取り付けられている。このように、回転体23の内周面に切替機構22が取り付けられており、切替機構22に接触部材21が連結されている。そのため、ホルダ20に含まれる接触部材21、切替機構22、および回転体23は、互いに連結された一体の部材となっている。
 支持機構24は、接触部材21と切替機構22と回転体23が一体となった部材を、軸線X回りに回転可能に支持する機構である。支持機構24は、軸線Xに沿って延びる円筒形状の円筒状部材25と、軸線Xと平行な軸線に沿って回転するローラ(回転部材)26と、円筒状部材25に連結される支持柱27と、支持柱27が連結されるベース28とを有する。
 図1に示すように、支持機構24のローラ26は、軸線X回りの周方向の複数の位置に配置されている。ローラ26は、支持機構24の円筒状部材25の内周面に接触し、かつ回転体23の外周面に接触した状態で配置される。なお、支持機構24は、軸線Xと平行な軸線に沿って回転するローラ26により回転体23を回転可能に支持するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、回転体23と円筒状部材25の間に複数の剛球(回転部材)を配置することにより、回転体23を回転可能に支持してもよい。
 円筒状部材25の内周面の直径は回転体23の外周面の直径よりも大きく、円筒状部材25と回転体23は、複数のローラ26を挟んだ状態で配置される。回転体23が複数のローラ26を介して円筒状部材25により支持されるため、回転体23は、軸線X回りに回転可能である。支持柱27は、設置面Sに設置されるベース28に固定される部材である。
 設置面Sは、複合材成形装置100が設置される床面である。ベース28は、設置面Sに配置されるとともに複合材成形装置100の荷重を支える基礎となる部材である。支持柱27は、一端がベース28に連結され、他端が円筒状部材25の外周面に連結される柱状の部材である。円筒状部材25は、支持柱27を介してベース28に連結されることで、軸線X回りに回転しないように固定される。
 モータ30は、マンドレル10を軸線X回りに回転させる駆動力を発生する装置である。図4に示すように、モータ30は、支持機構24のベース28に設置されている。モータ30は、軸線X回りに回転するとともに回転軸15に連結される駆動軸31を有する。モータ30は、駆動軸31を回転させる単位時間当たりの回転数を調整することができる。駆動軸31の単位時間当たりの回転数を調整することにより、加圧機構11が積層体Lに伝達する付勢力を調整することができる。
 ヒータ40は、ホルダ20およびマンドレル10の間に挟まれた状態で保持された積層体Lを加熱する装置である。図1から図4に示すように、ヒータ40は、ホルダ20の上部に、円筒状部材25を覆うように取り付けられている。ヒータ40は、発熱源であるヒータ本体41と、ヒータ本体41を収容して外部への放熱を遮断するケーシング42とを有する。
 ヒータ40は、円筒状部材25を加熱し、回転体23を介して更に接触部材21に熱を伝達する。接触部材21が加熱されることで、接触部材21によって積層体Lが加熱される。ヒータ40は、積層体Lに含まれる熱可塑性樹脂を融点以上に加熱する。これにより、積層体Lは、マンドレル10から伝達される付勢力によって変形可能な状態となる。
 ヒータ40は、円筒状部材25の上部のみを部分的に加熱するが、積層体Lを保持するマンドレル10は、モータ30から伝達される駆動力により軸線X回りに回転する。そのため、積層体Lの周方向の各位置がヒータ40から伝達される熱によって加熱される。また、図4に示すように、ヒータ40は、軸線X方向においてマンドレル10が配置される範囲を含むように設置されている。そのため、ヒータ40は、マンドレル10に保持される積層体Lの軸線Xに沿った全領域を加熱することができる。
 冷却器(冷却機構)50は、支持機構24のベース28に設置される装置である。冷却器50は、マンドレル10およびホルダ20に保持された積層体Lを冷却する。冷却器50は、積層体Lがマンドレル10の回転による遠心力により加圧された状態で、積層体Lを冷却することが可能となっている。冷却器50は、例えば、水などの冷媒をマンドレル10の伝達部材12の内部に形成される冷媒配管(図示略)に流通させることにより、伝達部材12を介して積層体Lを冷却する。
 次に、本実施形態の複合材成形装置100が実行する複合材成形方法について説明する。図7は、本実施形態に係る複合材成形方法を示すフローチャートである。
 ステップS101において、マンドレル10にプリプレグを積層し、マンドレル10のプリプレグを積層した積層体Lが保持される状態とする。例えば、自動積層機(図示略)あるいは作業者のハンドレイアップにより、マンドレル10にプリプレグが積層される。
 また、例えば、マンドレル10とは異なる他の積層用マンドレルに自動積層機あるいは作業者のハンドレイアップによりプリプレグを積層して積層体Lを形成した後に、積層体Lを積層用マンドレルからマンドレル10に移し替えてもよい。また、例えば、積層用の平板状のマンドレルにプリプレグを積層して平板状の積層体Lを形成し、平板状の積層体Lを円筒状のマンドレル10に押付けて曲げるようにしてもよい。
 ステップS102において、積層体Lを保持したマンドレル10をホルダ20の内部に設置する。ステップS102において、ホルダ20の切替機構22は、図2に示すように、接触部材21を回転体23に近接させた状態とする。この状態では、ホルダ20の内部にマンドレル10を設置しても、マンドレル10の保持される積層体Lの外周面Loが接触部材21に接触しない非接触状態となる。図2に示すホルダ20内部にマンドレル10を設置すると、図3に示す状態となる。図3に示すように、軸線Xから積層体Lの外周面Loまでの距離よりも軸線Xから接触部材21までの距離よりが長いため、積層体Lの外周面Loが接触部材21に接触しない非接触状態となる。
 ステップS103(保持工程)においては、切替機構22が接触部材21を積層体Lの外周面Loに接触するように移動させることにより、積層体Lの外周面Loを接触部材21により保持する状態とする。図1に示すように、積層体Lは、内周面Liがマンドレル10により保持され、かつ外周面Loがホルダ20の接触部材21により保持された状態となる。ステップS103において、積層体Lの外周面Loは、接触部材21により径方向Rdの所定の位置に保持される。
 ステップS104(加圧工程)においては、モータ30から伝達される駆動力によるマンドレル10の回転が開始される。マンドレル10が回転することにより、棒状部材13と錘部材14に遠心力が作用し、径方向Rdの外周側へ向けて付勢力が発生する。この付勢力が接触部材21を介して積層体Lに伝達され、マンドレル10とホルダ20の接触部材21により挟まれた状態で保持された積層体Lが加圧される。
 ステップS105(加熱工程)においては、ヒータ40によって積層体Lが加熱される。ヒータ40は、積層体Lに含まれる熱可塑性樹脂を融点以上に加熱する。ヒータ40は、軸線X回りに回転する積層体Lの周方向の各位置を加熱する。積層体Lは、熱可塑性樹脂の融点以上に加熱されることで変形可能な状態となり、接触部材21から伝達される付勢力により緻密化する。積層体Lは、軸線X回りの周方向の全領域において接触部材21により加圧されて均等に緻密化する。
 ステップS106(冷却工程)においては、冷却器50が接触部材21の内部に形成される冷媒配管(図示略)に冷却媒体を流通させることにより、接触部材21を介して積層体Lを冷却する。冷却器50は、例えば、積層体Lの温度を検知する温度センサ(図示略)が検出する温度が所定温度以下となるまで冷却媒体を流通させる。冷却器50は、積層体Lの温度が所定温度以下となったことに応じて、冷却媒体の流通を停止させる。
 ステップS107においては、ステップS104で開始したモータ30によるマンドレル10の軸線X回りの回転を停止させる。マンドレル10の回転が停止すると、棒状部材13と錘部材14に遠心力が作用しなくなり、径方向Rdの外周側へ向けて付勢力が発生しない状態となる。
 ステップS108においては、マンドレル10の軸線X回りの回転が停止したことに応じて、マンドレル10をホルダ20内部から除去する。ホルダ20から除去されたマンドレル10は、接触部材21からの付勢力により緻密化された積層体Lが保持されている。マンドレル10から積層体Lを取り外すことにより、緻密化された複合材としての積層体Lの成形が完了する。
 以上説明した本実施形態の複合材成形装置100が奏する作用および効果について説明する。
 本実施形態の複合材成形装置100によれば、積層体Lの内周面Liがマンドレル10により保持され積層体Lの外周面Loがホルダ20により保持されるため、積層体Lがマンドレル10とホルダ20との間に挟まれた状態となる。マンドレル10を軸線X回りに回転させると、加圧機構11が径方向Rdの外周側へ向けた付勢力を発生する。
 ホルダ20が積層体Lの外周面Loを径方向Rdの所定の位置に保持するため、付勢力によって積層体Lが加圧される。これにより、積層体Lを適切に加圧して十分な強度を持たせることが可能となる。また、本実施形態の複合材成形装置100によれば、ヒータ40によって積層体Lに含まれる熱可塑性樹脂材料が融点以上に加熱されることで加圧機構11による加圧によって積層体Lが変形可能な状態とすることができる。
 また、本実施形態の複合材成形装置100によれば、加圧機構11が付勢力の大きさを調整可能な機構であるため、複合材料を所望の付勢力により加圧して十分な強度を持たせることが可能となる。
 また、本実施形態の複合材成形装置100によれば、加圧機構11が軸線X回りの周方向に沿った複数の位置に配置されているため、積層体Lの各位置をそれぞれ所望の付勢力により加圧して十分な強度を持たせることができる。
 また、本実施形態の複合材成形装置100によれば、加圧機構11が有する錘部材14の棒状部材13に対する径方向Rdの取り付け位置を調整することにより、付勢力の大きさを適宜に調整することができる。例えば、錘部材14を径方向Rdの外周側に配置することにより付勢力の大きさを大きくし、錘部材14を径方向Rdの内周側に配置することにより付勢力の大きさを小さくすることができる。
 また、本実施形態の複合材成形装置100によれば、切替機構22により接触部材21が外周面Loから離間した非接触状態とすることにより、マンドレル10とマンドレル10に保持された積層体Lとをホルダ20の内側に容易に配置することができる。また、切替機構22により非接触状態を接触状態に切り替えることにより、積層体Lの外周面Loがホルダ20により保持された状態とすることができる。
 また、本実施形態の複合材成形装置100によれば、モータ30の駆動力によってマンドレル10が軸線X回りに回転し、それに伴って積層体Lおよび接触部材21が軸線X回りに回転する場合に、支持機構24によって接触部材21および切替機構22を軸線X回りに回転可能に支持することができる。
 また、本実施形態の複合材成形装置100によれば、積層体Lを冷却する冷却器50を備えるため、ヒータ40によって加熱された積層体Lを冷却器50により強制的に冷却することにより、積層体Lを加圧する処理に要する一連の処理時間を短縮することができる。
 また、本実施形態の複合材成形装置100によれば、筒状に形成される積層体Lの外周面Loの周方向の複数の位置をホルダ20で保持した状態で、周方向の複数の位置に設けられた複数の加圧機構11により積層体Lの内周面Liを加圧することで、筒状に成形される積層体Lに十分な強度を持たせることができる。
〔第2実施形態〕
 以下、本発明の第2実施形態に係る複合材成形装置100Aおよびそれを用いた複合材成形方法について、図面を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
 第1実施形態の複合材成形装置100は、マンドレル10の外周面10aが円筒状に形成され、ホルダ20の接触部材21の内周面が円筒状に形成され、これらに挟まれる積層体Lを円筒状に成形するものであった。それに対して、本実施形態の複合材成形装置100Aは、マンドレル10Aの中心軸である軸線Xに沿ってみた場合に、マンドレル10Aの外周面10Aaが楕円筒状に形成され、ホルダ20Aの接触部材21Aの内周面が楕円筒状に形成され、これらに挟まれる積層体Lを楕円筒状に成形するものである。
 図8は、本実施形態に係る複合材成形装置100Aを示す断面図である。図9は、図8に示す複合材成形装置100Aからマンドレル10Aを取り外した状態を示す断面図である。図10は、図8に示すホルダ20Aを非接触状態とした複合材成形装置100を示す断面図である。
 図8に示すように、本実施形態のマンドレル10Aの外周面10Aaは、軸線Xを中心とし、長軸Ax1と短軸Ax2とを有する楕円筒状に形成されている。マンドレル10Aの外周面10Aaには、シート状のプリプレグを積層した所定の厚さ(例えば、約1cm)を有する板状の積層体Lが保持されている。積層体Lは、マンドレル10Aの外周面10Aaに接触した状態で保持されているため、長軸と短軸を有する楕円筒状に積層されている。
 ホルダ20Aが有する接触部材21Aは、積層体Lの外周面Loと接触する部材である。図8に示すように、接触部材21Aの内周面は、軸線Xを中心とした楕円の一部となるように形成されている。接触部材21Aの内周面の楕円の長軸と短軸の長さの比率は、マンドレル10Aの外周面10Aaの楕円の長軸Ax1と短軸Ax2の長さの比率と同一となっている。そのため、積層体Lは、マンドレル10Aの外周面10Aaに内周面Liが接触し、接触部材21Aの内周面に外周面Loが接触した状態で配置される。積層体Lは、短軸と長軸を有し、軸線Xに沿って延びる楕円筒状に成形される。
 切替機構22Aは、接触部材21Aに連結されており、接触部材21Aが積層体Lの外周面Loに接触する接触状態(図8に示す状態)と、接触部材21Aが積層体Lの外周面Loに接触しない非接触状態(図9および図10に示す状態)とを切り替える機構である。切替機構22Aは、径方向Rdに沿って伸縮することにより、接触状態と非接触状態を切り替えることができる。切替機構22Aは、複数の接触部材21Aのそれぞれに対応するように複数設けられている。
 本実施形態の複合材成形方法は、第1実施形態で説明したものと同様である。積層体Lを保持したマンドレル10Aをホルダ20Aの内部に設置する際に、ホルダ20Aの切替機構22Aは、図9に示すように、接触部材21を回転体23に近接させた状態とする。この状態では、ホルダ20Aの内部にマンドレル10Aを設置しても、マンドレル10Aの保持される積層体Lの外周面Loが接触部材21Aに接触しない非接触状態となる。
 図9に示すホルダ20Aの内部にマンドレル10Aを設置すると、図10に示す状態となる。図10に示すように、軸線Xから積層体Lの外周面Loまでの距離よりも軸線Xから接触部材21Aまでの距離よりが長いため、積層体Lの外周面Loが接触部材21Aに接触しない非接触状態となる。
 図10に示す状態の後、切替機構22Aが接触部材21Aを積層体Lの外周面Loに接触するように移動させることにより、積層体Lの外周面Loを接触部材21Aにより保持する状態とする。図8に示すように、積層体Lは、内周面Liがマンドレル10Aにより保持され、かつ外周面Loがホルダ20Aの接触部材21Aにより保持された状態となる。
 図8に示す状態となった後、モータ30から伝達される駆動力によるマンドレル10Aの回転が開始される。マンドレル10Aが回転することにより、棒状部材13と錘部材14に遠心力が作用し、径方向Rdの外周側へ向けて付勢力が発生する。この付勢力が接触部材21Aを介して積層体Lに伝達され、マンドレル10Aとホルダ20Aの接触部材21Aにより挟まれた状態で保持された積層体Lが加圧される。
 本実施形態の複合材成形装置100Aによれば、短軸と長軸を有し、軸線Xに沿って延びる楕円筒状の積層体Lを成形することができる。第1実施形態の複合材成形装置100のホルダ20と、第2実施形態の複合材成形装置100Aのホルダ20Aとの違いは、接触部材21Aの形状が異なる点である。例えば、成形する積層体Lの形状が円筒状であるのか楕円筒状であるのかに応じて接触部材21Aを取り換えることにより、ホルダ20Aの接触部材21Aを除く他の部材を利用しながら、円筒状または楕円筒状の積層体Lを成形することができる。
〔他の実施形態〕
 以上の説明において、複合材成形装置100が成形する繊維強化複合材の中間成形材料であるプリプレグは、繊維基材と熱可塑性のマトリックス樹脂が付着されて半一体化したものであったが、他の態様であってもよい。例えば、プリプレグは、繊維基材と未硬化の熱硬化性のマトリックス樹脂を含むものであってもよい。熱硬化性のマトリックス樹脂は、例えば、エポキシ、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ビスマレイミド、フェノール、シアネート、ポリイミド等である。
 この場合、熱硬化性のマトリックス樹脂(熱硬化性樹脂材料)を含む積層体Lをヒータは、積層体Lをマトリックス樹脂が硬化する硬化温度以上に加熱する。これにより、積層体Lは、マンドレル10から伝達される付勢力によって加圧された状態で硬化する。
 また、以上の説明において、ヒータ40はホルダ20を外側から加熱することで積層体Lを加熱し、冷却器50はマンドレル10の伝達部材12を介して積層体Lを冷却するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、ヒータ40がマンドレル10の伝達部材12を加熱し、伝達部材12が積層体Lを加熱するものとしてもよい。また、例えば、冷却器50がホルダ20を外側から冷却することで積層体Lを冷却するようにしてもよい。
 以上の説明において、複合材成形装置は、円筒状または楕円筒状の積層体Lを成形するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、円筒状または楕円筒状の一部に凹部あるいは凸部が設けられた形状に成形してもよい。この場合、例えば、マンドレル10の外周面10aを形成する伝達部材12は、表面に凹部あるいは凸部を設けた形状となる。
 また、例えば、ホルダ20の接触部材21は、内周面に凹部あるいは凸部を設けた形状となる。積層体Lが凹部あるいは凸部が設けられた形状となる場合であっても、マンドレル10とホルダ20により挟まれた状態で加圧および加熱をすることで、成形される積層体Lに十分な強度を持たせることができる。
 以上の説明において、ヒータ40は、ホルダ20の円筒状部材25の上部のみを部分的に加熱するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、図11に示す第1変形例に係る複合材成形装置100Bが備えるヒータ40Bのように、円筒状部材25の軸線X回りの周方向の全周を加熱する態様であってもよい。図11に示すヒータ40Bは、発熱源であるヒータ本体41Bと、ヒータ本体41Bを収容して外部への放熱を遮断するケーシング42Bとを有する。
 図11に示すように、ヒータ本体41Bは、円筒状部材25の外周面を覆うように軸線X回りの周方向の全周に渡って配置される。ケーシング42Bは、軸線X回りの周方向の全周に渡って配置されるヒータ本体41Bを覆うように配置される。第1変形例に係る複合材成形装置100Bによれば、円筒状部材25の軸線X回りの周方向の全周がヒータ40Bによって加熱されるため、マンドレル10に保持される積層体Lの軸線Xに沿った周方向の全領域を均等に加熱することができる。
 以上の説明において、ヒータ40は、ホルダ20の円筒状部材25の上部のみを部分的に加熱するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、図12に示す第2変形例に係る複合材成形装置100Cが備えるヒータ40Cのように、円筒状部材25の軸線X回りの周方向の複数個所を間欠的に加熱する態様であってもよい。図12に示すヒータ40Cは、発熱源である複数のヒータ本体41Cと、複数のヒータ本体41Cを収容して外部への放熱を遮断するケーシング42Cとを有する。
 図12に示すように、ヒータ本体41Cは、円筒状部材25の外周面を覆うように軸線X回りの周方向に沿って間隔を空けて複数個所に配置される。ケーシング42Cは、軸線X回りの周方向の全周に渡って複数のヒータ本体41Cを覆うように配置される。第2変形例に係る複合材成形装置100Cによれば、円筒状部材25の軸線X回りの周方向の複数個所がヒータ40Cによって加熱されるため、マンドレル10に保持される積層体Lの軸線Xに沿った周方向の複数個所を加熱することができる。
10   マンドレル(内側保持部)
10a  外周面
11   加圧機構
12   伝達部材
13   棒状部材
14   錘部材
15   回転軸
20   ホルダ(外側保持部)
21   接触部材
22   切替機構
23   円筒状部材
24   支持機構
25  円筒状部材
26  ローラ
27  支持柱
28  ベース
30   モータ
31   駆動軸
40   ヒータ
50   冷却器
100,100A 複合材成形装置
L    積層体
Li   内周面
Lo   外周面
Rd   径方向
X    軸線
 
 

Claims (13)

  1.  軸線に沿って延びる複合材料の内周面を保持する内側保持部と、
     前記複合材料の外周面を保持する外側保持部と、
     前記内側保持部を前記軸線回りに回転させる駆動力を発生する駆動部と、
     前記外側保持部および前記内側保持部により保持された前記複合材料を加熱する加熱部と、を備え、
     前記外側保持部は、前記複合材料の前記外周面を前記軸線に沿った軸線方向に直交する径方向の所定の位置に保持し、
     前記内側保持部は、前記駆動部が発生する前記駆動力によって前記軸線回りに回転することに応じて前記径方向の外周側へ向けた付勢力を発生し、該付勢力により前記複合材料を加圧する加圧機構を有する複合材成形装置。
  2.  前記加圧機構は、前記付勢力の大きさを調整可能な機構である請求項1に記載の複合材成形装置。
  3.  前記加圧機構は、前記軸線回りの周方向に沿った複数の位置に配置されている請求項1または請求項2に記載の複合材成形装置。
  4.  前記加圧機構は、
     前記複合材料の前記内周面に前記付勢力を伝達する伝達部材と、
     前記伝達部材に連結されるとともに前記径方向に沿って延びる棒状部材と、
     前記棒状部材に取り付けられるとともに前記径方向の取り付け位置を調整可能な錘部材と、を有する請求項2または請求項3に記載の複合材成形装置。
  5.  前記加圧機構は、
     前記複合材料の前記内周面に前記付勢力を伝達する筒状の外周面を形成する複数の前記伝達部材を有する請求項4に記載の複合材成形装置。
  6.  前記外側保持部は、
     前記複合材料の前記外周面を保持するための接触部材と、
     前記接触部材が前記外周面に接触する接触状態と前記外周面から離間した非接触状態とを切り替える切替機構とを有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の複合材成形装置。
  7.  前記外側保持部は、
     前記接触状態において筒状の内周面を形成する複数の前記接触部材と、
     複数の前記接触部材のそれぞれを前記接触状態または前記非接触状態に切り替える複数の前記切替機構とを有する請求項6に記載の複合材成形装置。
  8.  前記外側保持部は、
     前記接触部材および前記切替機構を前記軸線回りに回転可能に支持する支持機構を有する請求項6または請求項7に記載の複合材成形装置。
  9.  前記外側保持部は、
     前記切替機構が内周面に取り付けられる円筒形状の回転体を有し、
     前記支持機構は、
     前記軸線に沿って延びる円筒形状に形成される円筒状部材と、
     前記円筒状部材の内周面に接触し、かつ前記回転体の外周面に接触した状態で配置される回転部材と、を有する請求項8に記載の複合材成形装置。
  10.  前記複合材料を冷却する冷却機構を備える請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の複合材成形装置。
  11.  前記複合材料に含まれる樹脂材料は、熱可塑性樹脂材料であり、
     前記加熱部は、前記熱可塑性樹脂材料を融点以上に加熱する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の複合材成形装置。
  12.  前記複合材料に含まれる樹脂材料は、熱硬化性樹脂材料であり、
     前記加熱部は、前記熱硬化性樹脂材料を加熱して硬化させる請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の複合材成形装置。
  13.  軸線に沿って延びる複合材料の内周面を内側保持部により保持するとともに前記複合材料の外周面を外側保持部により保持する保持工程と、
     前記保持工程により保持された前記複合材料を加圧する加圧工程と、
     前記加圧工程により加圧される前記複合材料を加熱する加熱工程と、を備え、
     前記保持工程は、前記複合材料の前記外周面を前記軸線に沿った軸線方向に直交する径方向の所定の位置に保持し、
     前記加圧工程は、前記内側保持部を前記軸線回りに回転させることによって前記径方向の外周側へ向けた付勢力を発生させ、該付勢力により前記複合材料を加圧する複合材成形方法。
     
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