WO2020208883A1 - 表示システム - Google Patents

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Abstract

表示コンテンツの表示位置を補正する際に視認者に与える違和感を低減する表示システムを提供する。本開示の表示システムは、移動体の位置情報、及び前記移動体の外の情報のうち少なくとも1つの情報を取得する情報取得装置と、前記情報取得装置が取得した情報に基づいて、表示コンテンツの表示を制御する表示処理装置と、前記移動体の姿勢変動を検出する姿勢検出装置と、前記移動体の姿勢変動に基づいて前記表示コンテンツの表示位置の補正量を算出する補正処理装置と、を備え、少なくとも前記表示コンテンツの形状を決定する特徴部分を表示領域内に表示するように、前記表示コンテンツのコンテンツ表示情報に基づいて前記補正量を調整する。

Description

表示システム
 本開示は、表示コンテンツの表示位置を移動体の動きに応じて制御する表示システムに関する。
 特許文献1は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を用いて、拡張現実(AR)表示を行う車両情報投影システムを開示している。HUD装置は、車両のフロントガラスに虚像を表す光を投影することで、車両の乗員である視認者に、車両の外界の実景とともに虚像を視認させている。例えば、車両の案内経路を表す虚像を実景内の表示対象、例えば道路に対応付けて表示する。これにより、乗員は、実景を視認しながら案内経路を確認することができる。特許文献1の車両情報投影システムは、車速センサを備え、加速度に応じて虚像の表示位置を補正している。これにより、車両の急減速及び急加速時に、虚像の位置ずれが生じることを抑制している。
特開2015-101311号公報
 本開示は、表示コンテンツの表示位置を補正する際に視認者に与える違和感を低減する表示システムを提供する。
 本開示の表示システムは、移動体の位置情報、移動体の外の情報のうち少なくとも1つの情報を取得する情報取得装置と、情報取得装置が取得した情報に基づいて、表示コンテンツの表示を制御する表示処理装置と、移動体の姿勢変動を検出する姿勢検出装置と、移動体の姿勢変動に基づいて表示コンテンツの表示位置の補正量を算出する補正処理装置と、を備え、少なくとも表示コンテンツの形状を決定する特徴部分を表示領域内に表示するように、表示コンテンツのコンテンツ表示情報に基づいて補正量を調整する。
 これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、及びコンピュータプログラム、並びに、それらの組み合わせにより、実現されてもよい。
 本開示の表示システムによれば、表示コンテンツの表示位置を補正する際に視認者に与える違和感を低減することができる。
ヘッドアップディスプレイ(HUD)を説明するための図 第1実施形態における投影システムの構成を示すブロック図 車両が傾いていないときの例を示す図 フロントガラスから見える実景の例を示す図 表示コンテンツが基準位置に表示される例を示す図 拡張現実(AR)表示の一例を示す図 車両の前傾姿勢を示す図 車両が前傾姿勢のときに表示コンテンツの位置ずれが生じる例を説明するための図 補正後の表示コンテンツの表示例を示す図 表示コンテンツの位置ずれが生じる例を説明するための図 表示コンテンツの先端が表示領域の外側に移動した場合の例を説明するための図 第1実施形態における補正処理が行われた後の表示コンテンツの表示例を示す図 表示コンテンツの例を説明するための図 表示コンテンツの補正範囲のイメージを説明するための図 第1実施形態における表示処理を示すフローチャート 第1実施形態における補正処理を示すフローチャート 第1実施形態における補正量の算出を説明するための図 第1実施形態における補正処理のイメージを説明するための図 第1実施形態における補正処理のイメージを説明するための図 第1実施形態における補正処理が行われた後の表示コンテンツの別の表示例を示す図 第2実施形態における補正処理を示すフローチャート 第2実施形態における補正量の算出を説明するための図 第2実施形態における補正処理のイメージを説明するための図 第2実施形態における補正処理のイメージを説明するための図 第3実施形態における補正処理を示すフローチャート 第3実施形態における補正量の算出を説明するための図 第4実施形態における補正処理を示すフローチャート 第4実施形態における補正量の算出を説明するための図 第5実施形態における補正処理を示すフローチャート 他の実施形態における表示コンテンツの補正範囲のイメージを説明するための図
(本開示の基礎となった知見)
 表示システムにおいて、センサの出力に基づいて検出した移動体の状態(例えば、姿勢)に応じて表示領域に表示された表示コンテンツ(例えば、矢印、図形、文字など)の表示位置を電子的に補正することが知られている。例えば、表示システムは、センサによって検出した振動と逆方向に表示コンテンツをシフトさせることによって、表示コンテンツの表示位置を補正する。
 このような補正処理において、補正量が大きい場合、例えば、急勾配の坂道に入る又は出る場合や凹凸形状を有する路面を移動する場合などでは、表示コンテンツが表示領域の外側に移動する場合がある。これにより、表示コンテンツの大半が欠けて表示されたり、又は表示コンテンツ全体が消失し、表示コンテンツによって示される情報を視認者が視認できなくなることがある。このように、表示コンテンツが表示領域の外側に移動した場合、視認者は表示コンテンツがどのような情報を示しているのかが理解できず、違和感を覚え、運転の安全性が損なわれる。例えば、表示コンテンツが矢印であり、矢印の先端が行き先情報を示している場合、表示コンテンツのずれを補正する際に、矢印の先端が欠けて表示されたり、矢印全体が消失することがある。このような場合、視認者は、表示コンテンツの示す情報を見ることができず、違和感を覚え、運転の安全性が損なわれる。
 本開示の表示システムは、表示コンテンツが表示領域内に表示されるように、表示コンテンツのコンテンツ表示情報に基づいて、表示コンテンツの表示位置の補正量を算出する。これにより、表示コンテンツの表示位置を補正する際に、表示コンテンツの欠け及び消失を抑制し、視認者に与える違和感を低減する。
(第1実施形態)
 以下、第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。第1実施形態では、移動体が自動車などの車両であり、表示システムが車両のフロントガラスの前方に表示コンテンツを表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)システムである場合を例にして説明する。
1. 表示システムの構成
 図1及び図2を参照して、本実施形態の表示システムの構成について説明する。
 図1は、HUDシステムを説明するための図である。図1において、車両200のロール軸をX軸とし、車両200のピッチ軸をY軸とし、車両200のヨー軸をZ軸としている。すなわち、X軸は、Y軸及びZ軸と直交し、表示コンテンツIvを視認する乗員Dの視線方向に沿った軸である。Y軸は、表示コンテンツIvを視認する乗員Dから見て左右方向に沿った軸である。Z軸は、車両200の高さ方向に沿った軸である。
 本実施形態の表示システム100は、車両200のフロントガラス210の前方の実景に表示コンテンツIvを重畳する、所謂、拡張現実(AR)表示を行うHUDシステムである。表示コンテンツIvは、表示領域220内に表示される所定の情報を示すコンテンツである。例えば、表示コンテンツIvは、目的地へ案内するための経路、目的地への到達予想時刻、進行方向、速度、種々の警告などを示す図形及び文字である。本実施形態においては、目的地へ案内するための経路を示す矢印を表示コンテンツIvの例として説明する。表示システム100は、車両200に設置され、表示コンテンツIvを表す表示光Lcを車両200のフロントガラス210の表示領域220内に投影する。本実施形態において、表示領域220は、フロントガラス210の一部の領域である。なお、表示領域220は、フロントガラス210の全領域であってもよい。表示光Lcは、フロントガラス210によって、車内の方向に反射される。これにより、車両200内の乗員Dは、反射された表示光Lcを、車両200の前方にある表示コンテンツIvとして視認する。
 表示システム100は、投影装置10、情報取得装置20、表示処理装置30、姿勢検出装置40、及び補正処理装置50を含む。
 投影装置10は、表示コンテンツIvを表す表示光Lcを表示領域220内に投影する。投影装置10は、例えば、表示コンテンツIvの画像を表示する液晶表示素子、液晶表示素子を照明するLEDなどの光源、液晶表示素子が表示する画像の表示光Lcを表示領域220に反射するミラー及びレンズなどを含む。投影装置10は、例えば、車両200のダッシュボード内に設置される。
 情報取得装置20は、車両の位置、車外の状況を示す情報を取得する。具体的には、情報取得装置20は、車両200の位置を測定して位置を示す位置情報を生成する。情報取得装置20は、対象物、及び対象物までの距離などを示す車外情報を生成する。対象物は、人、標識、道路などである。情報取得装置20は、車両200の位置情報、車外情報のうち少なくとも1つを含む車両関連情報を出力する。
 表示処理装置30は、情報取得装置20から得られる車両関連情報などに基づいて、表示コンテンツIvの表示を制御し、表示コンテンツIvの画像データを投影装置10に出力する。表示処理装置30は、表示コンテンツIvの表示タイミング(表示時間)、又は車両関連情報と表示タイミングの組み合わせに基づいて、表示コンテンツIvの表示を制御してもよい。表示タイミングは、例えば、10秒間の表示と1秒間の非表示とを繰り返すことである。
 姿勢検出装置40は、車両200の姿勢変動を検出する。
 補正処理装置50は、姿勢検出装置40によって検出された車両200の姿勢変動に基づいて、表示コンテンツIvの表示位置の補正量を算出する。補正処理装置50は、算出した補正量を表示処理装置30に出力する。これにより、表示コンテンツIvは、フロントガラス210から見える実景の変化に応じて、表示領域220内において表示位置が補正される。
 図2は、表示システム100の内部構成を示すブロック図である。
 本実施形態において、情報取得装置20は、GPS(Global Positioning System)モジュール21、及びカメラ22、を含む。
 GPSモジュール21は、地理座標系における車両200の現在地を示す位置を検出する。具体的には、GPSモジュール21は、GPS衛星からの電波を受信して、受信した地点の緯度及び経度を測位する。GPSモジュール21は、測位した緯度及び経度を示す位置情報を生成する。
 カメラ22は、外景を撮像して撮像データを生成する。情報取得装置20は、例えば、撮像データから対象物を特定し、対象物までの距離を測定する。情報取得装置20は、対象物及び対象物までの距離を示す情報を車外情報として生成する。
 情報取得装置20は、位置情報、及び車外情報を含む車両関連情報を表示処理装置30に出力する。なお、カメラ22によって生成された撮像データが表示処理装置30に出力されてもよい。
 表示処理装置30は、通信部31、表示制御部32、及び記憶部33を含む。
 通信部31は、所定の通信規格に準拠して外部機器との通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface)を含む。
 表示制御部32は、半導体素子などで実現可能である。表示制御部32は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。表示制御部32の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。表示制御部32は、記憶部33に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
 記憶部33は、表示処理装置30の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。記憶部33は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又はこれらの組み合わせによって実現できる。
 記憶部33には、表示コンテンツIvを表す複数の画像データ33iが格納されている。
 表示制御部32は、情報取得装置20から得られる車両関連情報に基づいて、表示領域220に表示する表示コンテンツIvを決定する。表示制御部32は、決定した表示コンテンツIvの画像データ33iを記憶部33から読み出して、投影装置10に出力する。表示制御部32は、図示しない外部装置から、通信部31を介して、表示基準位置を示す情報を取得する。表示基準位置とは、表示領域220内において表示コンテンツIvの表示の基準となる位置である。表示制御部32は、表示コンテンツIvの情報を示すコンテンツ情報を取得する。コンテンツ情報は、例えば、表示コンテンツIvの形状、サイズ、表示端などの情報を含む。本明細書では、表示基準位置及びコンテンツ情報(例えば、表示コンテンツのサイズなどの情報)を含む表示コンテンツの情報をコンテンツ表示情報と称する。コンテンツ表示情報には、少なくとも表示コンテンツの形状を決定する特徴部分が含まれている。特徴部分は、例えば、コンテンツ表示の画素位置である。コンテンツ表示情報は、画像データ33iとともに記憶部33に格納されている。また、表示制御部32は、情報取得装置20から通信部31を介して車両関連情報を取得し、車両関連情報に基づいて記憶部33に記憶されている複数の画像データ33iのうち利用する画像データを決定する。これにより、表示制御部32は、表示コンテンツIvの形状、サイズ、表示端などを示す情報を取得する。表示制御部32は、表示基準位置の情報及びコンテンツ情報を補正処理装置50に出力し、コンテンツ情報に応じた補正量を補正処理装置50から取得する。表示制御部32は、表示コンテンツIvの表示位置を表示基準位置と補正量とに基づいて設定する。
 姿勢検出装置40は、角速度を検出するジャイロセンサ41を含む。ジャイロセンサ41は、検出した角速度を、車両200の姿勢変動を示す姿勢変動情報として補正処理装置50に出力する。
 補正処理装置50は、通信部51と補正制御部52とを含む。
 通信部51は、所定の通信規格に準拠して外部機器との通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えばLAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface)を含む。
 補正制御部52は、半導体素子などで実現可能である。補正制御部52は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。表示制御部32の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。補正制御部52は、補正処理装置50内の図示しない記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
 補正制御部52は、機能的構成として、ずれ量算出部52b、及び補正量算出部52cを含む。
 ずれ量算出部52bは、姿勢検出装置40が出力する姿勢変動情報に基づいて、車両200の姿勢を表す3軸方向の角度のずれ量を算出する。例えば、ずれ量算出部52bは、ジャイロセンサ41が検出した角速度を積分演算することによって、車両200の3軸方向の角度である、ロール角、ピッチ角、及びヨー角を算出する。これにより、図1に示すX軸、Y軸、及びZ軸方向における車両200の角度のずれ量を算出することができる。なお、本実施形態では、3軸方向の全ての角度を算出するが、1軸又は2軸方向の角度を算出してもよい。例えば、Y軸及びZ軸方向の角度のみを算出してもよい。
 ずれ量算出部52bは、姿勢変動情報に基づいて算出されたずれ量の情報に基づいてずれ量が閾値T1を超えているか否かを判定する。例えば、閾値T1は、絶対値である。即ち、閾値T1は、算出する表示コンテンツIvの表示位置の角度のずれ量を制限するための上限値及び下限値を有する。例えば、閾値T1においては、上限値は+T1に設定され、下限値は-T1に設定される。閾値T1は、例えば、表示コンテンツIvが表示ズレ補正後に表示領域220の外側に配置されない範囲、即ち表示コンテンツIvが欠けない又は消失しない範囲で設定される。閾値T1は、例えば、ロール角、ピッチ角、及びヨー角において、それぞれ設定されてもよい。閾値T1は、コンテンツ情報に基づいて設定される。例えば、閾値T1は、表示コンテンツIvのサイズの情報に基づいて、表示コンテンツIvの上端、下端、左端及び右端が表示領域220内に収まるように、ロール角、ピッチ角、及びヨー角において、それぞれ設定されてもよい。閾値T1は、上端と下端、左端と右端でそれぞれ設定されてもよい。この場合、上端と下端、左端と右端でそれぞれ異なる閾値が設定されていてもよい。例えば、上端と下端の閾値と、左端と右端の閾値とが異なっていてもよい。
 ずれ量算出部52bは、姿勢変動情報に基づいて算出されたずれ量と閾値T1とを比較して、ずれ量が閾値T1を超えているか否かを判定する。
 ずれ量算出部52bは、判定結果に基づいて、算出されたずれ量を調整する。具体的には、算出されたずれ量が上限値+T1以下であり、且つ下限値-T1以上である場合、ずれ量算出部52bは、算出されたずれ量をそのまま補正量算出部52cに出力する。一方、算出されたずれ量が上限値+T1より大きい場合、ずれ量算出部52bは、上限値+T1をずれ量として設定し、補正量算出部52cに出力する。算出されたずれ量が下限値-T1より小さい場合、ずれ量算出部52bは、下限値-T1をずれ量として設定し、補正量算出部52cに出力する。
 一例として、閾値T1が1°である場合を説明する。この場合、上限値+T1は+1°に設定され、下限値-T1は-1°に設定される。例えば、算出されたずれ量が+1.5°であるとき、ずれ量算出部52bは、ずれ量が上限値+T1より大きいと判定し、ずれ量を上限値+T1である+1°に設定し、補正量算出部52cに出力する。算出されたずれ量が-1.5°であるとき、ずれ量算出部52bは、ずれ量が下限値-T1より小さいと判定し、ずれ量を下限値-T1である-1°に設定し、補正量算出部52cに出力する。一方、算出されたずれ量が0.5°であるとき、ずれ量算出部52bはずれ量が上限値+T1以下であり、且つ下限値-T1以上であると判定し、ずれ量0.5°を補正量算出部52cに出力する。
 補正量算出部52cは、ずれ量算出部52bで算出されたずれ量に基づいて、表示コンテンツIvの表示位置の補正量を算出する。補正量は、例えば、Y軸方向及びZ軸方向における画素数によって示される。具体的には、補正量算出部52cは、例えば、ずれ量算出部52bが算出したピッチ角及びヨー角のずれ量を角度から画素数に換算して、ずれている分の画素数を元に戻すような補正量を決定する。補正量算出部52cは、例えば、ロール角については、角度のまま、ロール角のずれ量を元に戻すような補正量を決定する。補正量算出部52cは、算出した補正量を表示処理装置30に出力する。
 上述のように、表示処理装置30と補正処理装置50は、通信部31,51により、双方向に通信する。表示処理装置30は、補正処理装置50に表示基準位置、表示コンテンツの形状、サイズ、表示端などの情報を示すコンテンツ表示情報を出力する。補正処理装置50は、表示処理装置30に補正量を示す補正情報を出力する。
2. AR表示
 図3A~図3Dを参照して、AR表示について説明する。図3Aは、車両200が傾いていないときの例を示している。図3Bは、図3Aに示す車両200のフロントガラス210から見える実景の例を示している。図3Cは、表示領域220から見える表示コンテンツIvの一例を示している。図3Dは、図3Bに示す実景に図3Cに示す表示コンテンツIvが重なって表示される例を示している。表示システム100は、図3Bに示す実景に図3Cに示す表示コンテンツIvを重畳させる。表示コンテンツIvの表示基準位置(初期位置)P0は、表示コンテンツIvの種類、車両200の状態(位置及び姿勢)、及び地図データなどに基づいて、決定された位置である。例えば、表示対象230が走行車線であって、表示コンテンツIvが進行方向を示す矢印の場合、表示基準位置P0は走行車線の中央を矢印の先端が指し示すときの液晶上の表示位置である。表示基準位置P0は、例えば、図3Cにおいて、表示領域220内におけるY座標とZ座標の値に対応する液晶表示上の画素の位置で設定される。表示基準位置P0は、外部装置から取得される。外部装置は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、または、ASICと、GPSモジュール21とで構成することができる。外部装置の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。外部装置から出力される表示基準位置P0は、乗員数、荷重の変動、及びガソリンの減少などによる姿勢の変動に基づいて変化する場合があるため、例えば、最初に取得した表示基準位置(初期位置)と異なる場合がある。それ故、表示処理装置30は、外部装置から取得される表示基準位置P0を、乗員数、荷重の変動、及びガソリンの減少などによる姿勢の変動に基づいて変更してもよい。なお、表示処理装置30が、車両関連情報及び地図データなどに基づいて、表示基準位置P0を設定してもよい。表示処理装置30は、車両関連情報に基づいて、表示コンテンツIvのサイズを設定してもよい。
3. 表示コンテンツの表示の補正
 図4A~4Cを参照して、表示コンテンツIvの表示の補正処理について説明する。図4Aは、車両200が前傾姿勢になった状態の例を示している。図4Bは、車両200の姿勢変動に応じて、表示コンテンツIvの表示位置が表示対象230からずれた場合を例示している。図4Cは、補正後の表示コンテンツIvの表示位置を示している。
 路面の凸凹、車両200の急加速又は急減速などにより、車両200が傾く場合がある。例えば、車両200が急減速すると、図4Aに示すように車両200は前傾姿勢になる。この場合、図4Bに示すように、フロントガラス210から見える表示対象230の位置が車両200の傾きに応じて変動する。そのため、表示コンテンツIvを表示基準位置P0に表示した場合、表示コンテンツIvが表示対象230からずれる。例えば、図4Bに示すように矢印の先が対向車線231内になる。よって、表示システム100は、車両200の姿勢に応じたずれを戻す方向に表示コンテンツIvの表示位置を調整する。具体的には、図4Cに示すように、補正処理装置50が、車両200の角度に起因した表示位置のずれがない位置P1となるように補正量Cを算出する。すなわち、表示処理装置30は、表示コンテンツIvの表示位置を「表示基準位置P0+補正量C」に設定する。これにより、投影装置10は、表示コンテンツIvを表示対象230に対応する位置P1に表示することができる。このように、車両200が傾いた場合であっても、表示コンテンツIvの表示位置を補正量Cに基づいて表示基準位置P0から変更することで、実景内の表示対象230に対応する位置P1に表示コンテンツIvを表示することができる。
 次に、図5A~5Cを参照して、表示コンテンツIvが表示領域220の外側に移動する場合の補正処理について説明する。図5Aは、表示コンテンツIvの位置ずれが生じる例を示している。図5Bは、表示コンテンツIvの先端が表示領域220の外側に移動した場合の例を示している。図5Cは、表示コンテンツIvの表示位置の補正処理の例を示している。
 例えば、車両200が急勾配の坂道に入る又は出る場合や、凹凸の大きい路面を移動する場合、車両200が大きく傾く場合がある。この場合、車両200の姿勢の変動により、図5Aに示すように、フロントガラス210から見える表示対象230(図3D参照)の位置が表示領域220の外側に移動する場合がある。このとき、表示システム100は、車両200の姿勢に応じたずれを戻す方向に表示コンテンツIvの表示位置を調整する。具体的には、補正処理装置50が、車両200の角度に起因した表示位置のずれがない位置P2となるように補正量C1を算出する。すなわち、表示処理装置30は、表示コンテンツIvの表示位置を「表示基準位置P0+補正量C1」に設定する。投影装置10が、表示コンテンツIvを表示対象230に対応する位置P2に表示すると、図5Bに示すように、表示コンテンツIvの先端が表示領域220の外側に配置される。このため、表示コンテンツIvの矢印の先端部分が欠けた状態で表示され、表示コンテンツIvが示す情報を認識できなくなり、視認者に違和感を覚えさせる。
 そこで、図5Cに示すように、補正処理装置50は、表示コンテンツIvの一部が欠けたり、消失したりすることによって表示コンテンツIvが示す情報を認識できなくなることを抑制するために、表示コンテンツIvの表示位置の補正量を調整する。具体的には、補正処理装置50は、表示コンテンツIvが欠けたり、消失したりしない位置P3となるように補正量C2を算出する。すなわち、表示処理装置30は、表示コンテンツIvの表示位置を「表示基準位置P0+補正量C2」に設定する。例えば、補正量C2は、表示基準位置P0とコンテンツ情報に基づいて、表示コンテンツIvが表示領域220内に収まる範囲で設定される。
 このようにして、表示システム100は、車両200の姿勢の変動に伴う表示コンテンツIvの表示位置のずれの補正により、表示コンテンツIvが欠けること又は消失することを抑制している。
 次に、図6を参照して、表示コンテンツIvの表示の補正範囲について説明する。図6は、表示コンテンツIvのシフト可能領域Lu,Ldの例を示している。図6に示すように、表示領域220の上側にシフト可能領域Luが設定され、表示領域220の下側にシフト可能領域Ldが設定される。シフト可能領域Luは、表示コンテンツIvの上方向へ移動可能な領域、即ち表示コンテンツIvの上方向への補正範囲を示している。シフト可能領域Ldは、表示コンテンツIvの下方向へ移動可能な領域、即ち表示コンテンツIvの下方向への補正範囲を示している。
 シフト可能領域Lu及びLdは、表示コンテンツIvの表示基準位置P0とコンテンツ情報とに基づいて設定される。例えば、表示コンテンツIvの表示基準位置P0と表示コンテンツIvのサイズに基づいて、表示領域220内における表示コンテンツIvの上端及び下端の位置を決定する。表示領域220内において、表示コンテンツIvの上端の位置P11と表示領域220の上辺L11との間に形成される領域がシフト可能領域Luとして設定される。また、表示領域220内において、表示コンテンツIvの下端の位置P12と表示領域220の下辺L12との間に形成される領域がシフト可能領域Ldとして設定される。
 表示コンテンツIvの上方向への移動は、シフト可能領域Lu内に制限される。また、表示コンテンツIvの下方向への移動は、シフト可能領域Ld内に制限される。シフト可能領域Lu及びLdは、表示コンテンツIvの表示基準位置P0及びサイズによって変動する。このため、シフト可能領域Lu及びLdの大きさに応じて、表示コンテンツIvの表示位置の補正範囲が調整される。
 図7は、表示コンテンツIvの補正と補正範囲のイメージを示している。図7は、初期状態から振動状態になる場合の例を示している。なお、振動状態とは、車両200の姿勢が変動している状態を意味する。また、図7に示すように、振動状態において表示コンテンツIvは、符号C11で示す方向に表示ずれを補正している。
 図7に示す例において、表示領域220の縦方向の有効画素数をNpx[px]、縦視野角をθ[deg]とする。この場合、シフト可能領域Lu[px]から導き出される補正範囲φu[deg]は、以下の数式で表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 また、シフト可能領域Ld[px]から導き出される補正範囲φd[deg]は、以下の数式で表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 このように、表示コンテンツIvの表示基準位置P0とコンテンツ情報に基づいて、シフト可能領域Lu,Ldが決定されることによって、補正範囲φu、φdが算出される。表示コンテンツIvの表示位置が補正範囲φu、φd内に収まるように表示コンテンツIvの補正量を調整することによって、表示コンテンツIvが欠けたり、消失したりすることを抑制することができる。
4. 表示処理装置の動作
 図8を参照して、表示処理装置30の表示制御部32の動作について説明する。図8は、表示処理装置30の表示制御部32が行う表示処理を示している。図8に示す表示処理は、例えば、車両200のエンジンが始動したとき、又は表示コンテンツIvの表示開始を指示するためのボタンが操作されたときなどに開始される。
 表示制御部32は、情報取得装置20から車両200の位置情報、車外情報、及び速度情報を示す車両関連情報を取得する(S101)。表示制御部32は、車両関連情報に基づいて、表示対象230に対応する表示コンテンツIvを表示するか否かを決定する(S102)。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvを表示することを決定した場合(S103でYes)、表示コンテンツIvの表示基準位置P0を示す情報を外部装置から取得すると共に、記憶部33からコンテンツ情報を取得する(S104)。表示制御部32は、表示基準位置P0の情報とコンテンツ情報とを補正処理装置50に出力する(S105)。表示制御部32は、補正処理装置50から出力される表示位置の補正量cを示す情報を取得する(S106)。表示制御部32は、表示基準位置P0と補正量cとに基づいて、投影装置10に表示コンテンツIvを表示させる(S107)。例えば、表示制御部32は、表示対象に対応する表示コンテンツIvの画像データ33iを記憶部33から読み出し、表示コンテンツIvの表示位置を「表示基準位置P0+補正量c」に設定して、投影装置10に出力する。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvを表示しないことを決定した場合は(S103でNo)、表示コンテンツIvを非表示にする(S109)。
 表示制御部32は、表示処理を継続するか否かを判断する(S108)。例えば、車両200のエンジンが停止したとき、又は表示コンテンツIvの表示の終了を指示するためのボタンが操作されたときなどに、表示制御部32は表示処理を終了する。表示処理を継続する場合は、ステップS101に戻る。
5. 補正処理装置の動作
 図9及び図10を参照して、第1実施形態における補正処理装置50の補正制御部52の動作について説明する。図9は、補正処理装置50の補正制御部52が行う補正処理を示している。図10は、補正制御部52の機能的構成を示している。
 図9に示す補正処理は、例えば、車両200のエンジンが始動したとき、又は表示コンテンツIvの表示開始を指示するためのボタンが操作されたときなどに開始される。図9の補正処理は、例えば、図8の表示処理と共に開始される。なお、図9に示す補正処理は、表示コンテンツIvの位置補正の開始を指示するためのボタンが操作されたときに開始されてもよい。
 補正制御部52は、表示処理装置30から表示基準位置P0の情報を取得する(S201)。補正制御部52は、表示処理装置30から表示コンテンツIvのサイズを示すコンテンツ情報を取得する(S202)。補正制御部52は、表示基準位置P0と表示コンテンツIvのサイズとに基づいて、算出する表示コンテンツIvの角度のずれ量を制限するための閾値T1を設定する(S203)。具体的には、表示コンテンツIvの表示基準位置P0とコンテンツ情報に基づいて、表示領域220内においてシフト可能領域Lu,Ldを決定し、補正範囲φu、φdを算出する(図7参照)。これにより、表示ずれ補正時に表示コンテンツIvが表示領域220の外側に移動しないようにするために閾値T1を設定する。例えば、閾値T1は、任意の表示タイミングでの補正タイミングでの補正範囲の補正端、即ち、補正範囲φu、φdに設定される。
 なお、閾値T1は、コンテンツによって変動する補正範囲に基づいて設定されてもよい。例えば、閾値T1は、補正範囲φu、φdの最小値に設定されてもよい。この場合、変動する補正範囲φu、φdの上下限を予め把握または予測して決めておいてもよい。
 補正制御部52は、ジャイロセンサ41から出力される車両200の角速度を示す姿勢変動情報を取得する(S204)。補正制御部52は、姿勢変動情報に基づいて、車両200の姿勢、すなわち、3軸方向に対するずれ量yを算出する(S205)。例えば、図10に示すように、ずれ量算出部52bは、「y=y’+x」により、現在のずれ量yを算出する。ずれ量yは3軸方向に対する角度である。図10において、y’はフィードバック量、xは積分演算過程の計算値である。計算値xは、「x=(gyro_in+gyro_in’)×K」により算出される。Kはフィルタ係数である。gyro_inはステップS204で取得した角速度、gyro_in’は前の角速度である。
 補正制御部52は、姿勢変動情報に基づいて算出されたずれ量yと、表示コンテンツIvのずれ量の閾値T1とを比較し、ずれ量yが閾値T1を超えているか否かを判定する(S206)。言い換えると、ずれ量算出部52bは、姿勢変動情報に基づいて算出されたずれ量yが閾値T1を超えているか否かを判定する。具体的には、ずれ量算出部52bは、ずれ量yが上限値+T1より大きいか否か、ずれ量yが下限値-T1より小さいか否かを判定する。
 ずれ量算出部52bは、判定結果に基づいて、算出されたずれ量yを調整する。ずれ量yを調整するとは、ずれ量yの値を維持する、又は変更することを意味する。具体的には、算出されたずれ量yが閾値T1を超えている場合(S206でYes)、ずれ量算出部52bは、閾値T1をずれ量yとして設定する(S207)。具体的には、算出されたずれ量yが上限値+T1より大きい場合、ずれ量算出部52bは、上限値+T1をずれ量yとして設定する。あるいは、算出されたずれ量yが下限値-T1より小さい場合、ずれ量算出部52bは、下限値-T1をずれ量yとして設定する。一方、算出されたずれ量yが閾値T1を超えていない場合(S206でNo)、ずれ量算出部52bは、算出されたずれ量yを維持する。具体的には、算出されたずれ量yが上限値+T1以下であり、且つ下限値-T1以上である場合、ずれ量算出部52bは、算出されたずれ量yを維持する。ずれ量算出部52bは、ずれ量yを補正量算出部52cに出力する。
 補正量算出部52cは、ずれ量yに基づいて、表示コンテンツIvの表示位置の新たな補正量cを算出する(S208)。例えば、図10に示すように、補正量算出部52cは、新たな補正量cを「c=y×G」により算出する。ここで、Gは、角度を画素数に換算するための換算係数である。具体的には、例えば、補正量算出部52cは、ピッチ角及びヨー角について車両200の角度であるずれ量を画素数に換算して、画素数で示されるずれ量を相殺するような補正量cを決定する。ロール角については、角度のまま、ずれ量を相殺する補正量cを決定する。
 ずれ量算出部52bは、現在のずれ量の値をフィードバック量y’として記憶する(S209)。すなわち、ステップS205で算出したずれ量y又はステップS207で設定したずれ量yを、フィードバック量y’として記憶する。
 補正制御部52は、補正量cの情報を表示処理装置30に出力する(S210)。
 補正制御部52は、補正処理を継続するか否かを判断する(S211)。例えば、車両200のエンジンが停止したとき、又は表示コンテンツIvの表示の終了を指示するためのボタンが操作されたときなどに、補正制御部52は補正処理を終了する。補正処理を継続する場合は、ステップS201に戻る。ステップS201に戻った後、次のステップS205において、前のステップS209で記憶したフィードバック量y’の値が使用される。
 以上のように、本実施形態では、補正制御部52は、姿勢変動情報に基づいて算出したずれ量yを閾値T1に基づいて調整し、調整したずれ量yに基づいて補正量cを算出している。これにより、車両200が大きく振動するなどによって、フロントガラス210に映る実景が大きく変動しても表示コンテンツIvが表示領域220の外側に移動することを抑制することができる。
 また、ずれ量算出部52bは、現在のずれ量yの値をフィードバック量y’として記憶し、現在のずれ量yの算出にフィードバック量y’の値を使用する、所謂、積分演算処理を行っている(図9のS205)。このため、表示システム100においては、ずれ量yが閾値T1に飽和した後であっても、振動補正を行うことができる。振動補正を行うことができるとは、車両200の姿勢変動に応じて、表示コンテンツIvの表示位置の補正を行うことができることを意味する。
 図11A及び図11Bは、第1実施形態における飽和処理後の振動補正の例を示している。図11A及び図11Bは、飽和処理後の車両200の姿勢変動に基づいて算出される補正量の変化の例を示している。図11A及び図11Bに示すように、ずれ量yが閾値T1に飽和した後であっても、ジャイロセンサ41から出力される車両200の角速度の変化(振動)に応じて、補正量cを調整することができる。このため、飽和処理状態でも、車両200の姿勢変動に応じて、表示コンテンツIvの表示位置の補正を行うことができる。
6. 効果及び補足等
 本開示の表示システム100は、情報取得装置20と、表示処理装置30と、姿勢検出装置40と、補正処理装置50と、を備える。情報取得装置20は、車両200の位置情報及び車外情報のうち少なくとも1つを含む車両関連情報を取得する。表示処理装置30は、情報取得装置20が取得した車両関連情報に基づいて、表示コンテンツIvの表示を制御する。姿勢検出装置40は、車両200の姿勢変動を検出する。補正処理装置50は、車両200の姿勢変動に基づいて表示コンテンツIvの表示位置の補正量cを算出する。補正処理装置50において、補正制御部52は、表示基準位置P0と表示コンテンツIvのサイズとに基づいて、表示コンテンツIvの角度のずれ量の許容値である閾値T1を設定する。補正制御部52は、車両200の姿勢変動に基づいて表示コンテンツIvの角度のずれ量yを算出する。補正制御部52は、閾値T1に基づいてずれ量yを調整する。補正制御部52は、ずれ量yを画素数に変換することによって、補正量cを算出する。
 このような構成により、表示コンテンツの表示位置の補正において、表示コンテンツIvが表示領域220の外側に移動することを抑制することができる。即ち、表示コンテンツの表示位置を補正する際に、表示コンテンツIvの欠け又は消失を抑制することができる。これにより、視認者に与える違和感を低減することができる。
 補正処理装置50において、補正制御部52は、ずれ量yが閾値T1を超えている場合、ずれ量yを閾値T1の値に設定し、ずれ量yが閾値T1を超えていない場合、ずれ量yの値を維持する。
 このような構成により、閾値T1によって補正量cに制限を持たせることができるため、表示コンテンツIvの欠け又は消失を容易に抑制することができる。
 補正処理装置において、補正制御部52は、算出されたずれ量yをフィードバック量y’として記憶し、フィードバック量y’を次回のずれ量yの算出に使用する。
 このような構成により、ずれ量yが閾値T1に飽和した状態であっても、姿勢検出装置40から出力される車両200の角速度の変化(振動)に応じて、表示コンテンツIvの表示位置の補正を行うことができる。
 なお、本実施形態では、図9のステップS201及びステップS202において、補正処理装置50が表示コンテンツIvの表示基準位置P0の情報及びコンテンツ情報を表示処理装置30から取得する例について説明したが、これに限定されない。表示基準位置P0及びコンテンツ情報の少なくともいずれか一方は、予め設定されていてもよい。
 なお、本実施形態では、図9のステップS206及びステップS207において、車両200の姿勢変動に基づいて算出されたずれ量yが閾値T1を超えているか否かを判定し、ずれ量yが閾値T1を超えている場合に閾値T1をずれ量yとして設定する例について説明したが、これに限定されない。ずれ量算出部52bは、閾値T1に基づいてずれ量yを調整すればよい。例えば、算出されたずれ量yが閾値T1を超えている場合に、係数を乗算してずれ量yを算出してもよいし、算出されたずれ量yから定数を減算してずれ量yを算出してもよい。また、閾値T1において、上限値+T1、下限値-T1と設定したが、これに限定されない。例えば、閾値T1において、上限値の大きさと下限値の大きさとが異なっていてもよい。
 なお、本実施形態では、補正量cは、表示コンテンツIvの全体が表示領域220に表示されるように算出される例について説明したが、これに限定されない。図12は、補正処理が行われる後の表示コンテンツIvの別の表示例を示している。図12は、フロントガラス210に映される実景が変動し、表示基準位置P0が表示対象230からずれた後、補正処理によって表示対象230に対応する位置P21に表示コンテンツIvを移動させた例を示している。図12に示すように、補正処理後の表示コンテンツIvの一部が欠けて表示されてもよい。表示コンテンツIvのうち少なくとも表示コンテンツIvの形状を決定する特徴部分が表示領域220内に表示されていればよい。即ち、表示コンテンツIvの形状を決定する特徴部分の表示位置P22が表示領域220内に表示されていればよい。表示コンテンツIvの形状を決定する特徴部分とは、表示コンテンツIvの形状が視認者によって認識可能な部分である。表示コンテンツIvの形状を決定する特徴部分は、表示コンテンツIvの全体形状であってもよいし、一部の形状であってもよい。例えば、表示コンテンツIvが矢印である場合、矢印の先端部分が、表示コンテンツIvの形状を決定する特徴部分となってもよい。あるいは、表示コンテンツIvが人の存在を注意喚起するための人の形を示す画像データである場合、人の形状を認識できる部分、例えば、上半身部分が表示コンテンツIvの形状を決定する特徴部分となってもよい。
 このように、表示コンテンツIvの一部が欠けていても、表示コンテンツIvのうち少なくとも表示コンテンツIvの形状を決定する特徴部分が表示領域220内に表示されていればよい。このような構成により、視認者に与える違和感を低減しつつ、補正量cを大きくすることができる。
(第2実施形態)
 第1実施形態では、ずれ量算出部52bにおいて、表示コンテンツIvの角度のずれ量yを算出し、角度の閾値T1に基づいてずれ量yを調整し、調整したずれ量yに基づいて補正量cを算出した。本実施形態では、補正量算出部52cにおいて、表示コンテンツIvの角度のずれ量yを画素数に変化することによって補正量cを算出し、画素数の閾値に基づいて補正量cを調整する。
 図13及び図14を参照して、第2実施形態における補正処理装置50の補正制御部52の動作について説明する。図13は、第2実施形態における補正処理装置50の補正制御部52が行う補正処理を示している。図13のステップS301~S302、S304~S305及びS309~311は、第1実施形態の図9のステップS201~S202、S204~S205、S209~S211と同一である。図14は、第2実施形態における補正制御部52の機能的構成を示している。
 補正制御部52は、表示処理装置30から表示基準位置P0の情報を取得する(S301)。補正制御部52は、表示処理装置30から表示コンテンツIvのサイズを示すコンテンツ情報を取得する(S302)。補正制御部52は、表示基準位置P0と表示コンテンツIvのサイズとに基づいて、表示コンテンツIvの補正量cを制限するための許容値である閾値T2を設定する(S303)。具体的には、表示コンテンツIvの表示基準位置P0とコンテンツ情報に基づいて、表示領域220においてシフト可能領域Lu,Ldを決定する(図6参照)。シフト可能領域Lu,Ldの画素数が、閾値T2に相当する。閾値T2は、絶対値である。閾値T2は、上限値+T2及び下限値-T2を有する。
 補正制御部52は、ジャイロセンサ41から出力される車両200の角速度を示す姿勢変動情報を取得する(S304)。ずれ量算出部52bは、姿勢変動情報に基づいて、現在のずれ量yを算出する(S305)。例えば、図14に示すように、ずれ量算出部52bは、「y=y’+x」により、現在のずれ量yを算出する。
 補正制御部52は、ずれ量yに基づいて、表示コンテンツIvの表示位置の新たな補正量cを算出する(S306)。例えば、図14に示すように、補正量算出部52cは、新たな補正量cを「c=y×G」により算出する。具体的には、例えば、補正量算出部52cは、ピッチ角及びヨー角について車両200の角度であるずれ量を画素数に換算して、画素数で示されるずれ量を相殺するような補正量cを決定する。ロール角については、角度のまま、ずれ量を相殺する補正量cを決定する。
 補正制御部52は、算出した補正量cと閾値T2とを比較し、算出した補正量cが閾値T2を超えているか否かを判定する(S307)。
 補正量算出部52cは、判定結果に基づいて、算出された補正量cを調整する。具体的には、算出された補正量が閾値T2を超えている場合(S307でYes)、補正量算出部52cは、閾値T2を補正量cとして設定する(S308)。具体的には、算出された補正量が上限値+T2より大きい場合、補正量算出部52cは、上限値+T2を補正量cとして設定する。あるいは、算出された補正量が下限値-T2より小さい場合、補正量算出部52cは、下限値-T2を補正量cとして設定する。一方、算出された補正量cが閾値T2を超えていない場合(S307でNo)、補正量算出部52cは、算出された補正量cを維持する。具体的には、算出された補正量が上限値+T2以下であり、且つ下限値-T2以上である場合、補正量算出部52cは、算出された補正量cを維持する。
 補正量算出部52cは、ステップS306で算出した補正量c又はステップS308で設定した補正量cを表示処理装置30に出力する(S309)。
 ずれ量算出部52bは、現在のずれ量の値をフィードバック量y’として記憶する(S310)。すなわち、ステップS305で算出したずれ量yを、フィードバック量y’として記憶する。
 補正制御部52は、補正処理を継続するか否かを判断する(S311)。補正処理を継続する場合(S311でYes)は、ステップS301に戻る。補正処理を継続しない場合(S311でNo)は、図13に示す処理を終了する。
 以上のように、本実施形態では、補正制御部52は、姿勢変動情報に基づいて算出したずれ量yを画素数に換算することによって補正量cを算出し、画素数の閾値T2に基づいて補正量cを調整する。これにより、車両200が大きく振動するなどによって、フロントガラス210に映る実景が大きく変動したことによる表示ずれを補正した場合でも表示コンテンツIvが表示領域220の外側に移動することを抑制することができる。その結果、視認者に与える違和感を低減することができる。
 本実施形態では、補正量算出部52cにおいて、閾値T2を用いて補正量cを決定している。このため、ずれ量算出部52bの積分演算処理(図13のS305)と連動していない。このため、補正量cが閾値T2に飽和した後、車両200の姿勢変動に連動させずに表示コンテンツIvを表示領域220内に表示させることができる。
 図15A及び図15Bは、第2実施形態における補正処理の例を示している。図15A及び図15Bは、飽和処理後の車両200の姿勢変動に基づいて算出される補正量cの変化の例を示している。図15A及び図15Bに示すように、補正量が閾値T2に飽和した後、車両200の姿勢変動が生じたとしても、補正量cを維持することができる。このため、飽和処理後、車両200の姿勢変動に依らず、表示コンテンツIvを表示領域220内に表示することができる。
 なお、本実施形態では、図13のステップS307及びステップS308において、ずれ量yに基づいて算出された補正量cが閾値T2を超えているか否かを判定し、補正量cが閾値T2を超えている場合に閾値T2を補正量cとして設定する例について説明したが、これに限定されない。補正量算出部52cは、閾値T2に基づいて補正量cを算出すればよい。例えば、算出された補正量cが閾値T2を超えている場合に、係数を乗算して補正量cを算出してもよいし、算出された補正量cから定数を減算して補正量cを算出してもよい。
(第3実施形態)
 第2実施形態では、補正処理装置50が表示コンテンツIvの表示位置の補正量cを調整した。本実施形態では、表示処理装置30が表示コンテンツIvの表示位置の補正量cを調整する。
 図16及び図17を参照して、第3実施形態における補正処理装置50及び表示処理装置30の表示制御部32の動作について説明する。図16は、第3実施形態における補正処理を示している。第3実施形態の図16のステップS401~S404及びS408~S409は、第1実施形態の図8のステップS101~S104及びS108~S109と同一である。図17は、第3実施形態における補正制御部52及び表示制御部32の機能的構成を示している。
 表示制御部32は、情報取得装置20から車両200の位置情報及び車外情報を示す車両関連情報を取得する(S401)。表示制御部32は、車両関連情報に基づいて、表示対象230に対応する表示コンテンツIvを表示するか否かを決定する(S402)。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvを表示することを決定した場合(S403でYes)、表示コンテンツIvの表示基準位置P0を示す情報を外部装置から取得すると共に、記憶部33からコンテンツ情報(例えば、表示コンテンツIvのサイズの情報)を取得する(S404)。
 表示制御部32は、表示基準位置P0と表示コンテンツIvのサイズとに基づいて、表示コンテンツIvの補正量cを制限するための閾値T3を設定する(S405)。具体的には、表示コンテンツIvの表示基準位置P0とコンテンツ情報に基づいて、表示領域220においてシフト可能領域Lu,Ldを決定する(図6参照)。シフト可能領域Lu,Ldの画素数が、閾値T3に相当する。閾値T3は、絶対値である。閾値T3は、上限値+T3及び下限値-T3を有する。
 表示制御部32は、補正処理装置50から補正量cを示す情報とオフセット値ofsを示す情報とを取得する(S406)。
 補正量cは、補正処理装置50で算出される。本実施形態においては、第2実施形態の図13に示すステップS304~S306と同様にして、補正量cを算出する。具体的には、補正制御部52は、ジャイロセンサ41から出力される車両200の角速度を示す姿勢変動情報を取得する。ずれ量算出部52bは、姿勢変動情報に基づいて、現在のずれ量yを算出する。例えば、図17に示すように、ずれ量算出部52bは、「y=y’+x」により、現在のずれ量yを算出する。
 補正制御部52は、ずれ量yに基づいて、表示コンテンツIvの表示位置の新たな補正量cを算出する。例えば、図17に示すように、補正量算出部52cは、新たな補正量cを「c=y×G」により算出する。具体的には、例えば、補正量算出部52cは、ピッチ角及びヨー角について車両200の角度であるずれ量を画素数に換算して、画素数で示されるずれ量を相殺するような補正量cを決定する。ロール角については、角度のまま、ずれ量を相殺する補正量cを決定する。
 オフセット値ofsは、例えば、表示コンテンツIvを表示基準位置P0からずらして表示したい量であり、コンテンツ情報に基づいて補正処理装置50で算出される。あるいは、オフセット値ofsは、角度から画素数に換算される際に生じる誤差の量であってもよい。オフセット値ofsは、予め設定された値であってもよい。
 表示制御部32は、表示基準位置P0、オフセット値ofs、補正量c及び閾値T3に基づいて、表示コンテンツIvを表示する(S407)。
 表示制御部32は、「補正量c+オフセット値ofs」の値を閾値T3と比較する。「補正量c+オフセット値ofs」の値が閾値T3を超えている場合、表示制御部32は、閾値T3を「補正量c+オフセット値ofs」の値として設定する。具体的には、「補正量c+オフセット値ofs」の値が上限値+T3より大きい場合、表示制御部32は、上限値+T3を「補正量c+オフセット値ofs」の値として設定する。あるいは、「補正量c+オフセット値ofs」の値が下限値-T3より小さい場合、表示制御部32は、下限値-T3を「補正量c+オフセット値ofs」の値として設定する。「補正量c+オフセット値ofs」の値が閾値T3を超えていない場合、表示制御部32は、「補正量c+オフセット値ofs」の値を維持する。具体的には、「補正量c+オフセット値ofs」の値が上限値+T3以下であり、且つ下限値-T3以上である場合、表示制御部32は、「補正量c+オフセット値ofs」の値を維持する。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvの表示位置を「表示基準位置P0+補正量c+オフセット値ofs」に設定し、表示コンテンツIvを表示領域220内に表示する。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvを表示しないことを決定した場合は(S403でNo)、表示コンテンツIvを非表示にする(S409)。
 表示制御部32は、表示処理を継続するか否かを判断する(S408)。例えば、車両200のエンジンが停止したとき、又は表示コンテンツIvの表示の終了を指示するためのボタンが操作されたときなどに、表示制御部32は表示処理を終了する。表示処理を継続する場合は、ステップS401に戻る。
 このように、表示処理装置30は、表示コンテンツIvの補正量c、オフセット値ofs及び閾値T3に基づいて「補正量c+オフセット値ofs」を調整し、表示コンテンツIvの表示位置を「表示基準位置P0+補正量c+オフセット値ofs」に設定する。これにより、車両200が大きく振動するなどによって、フロントガラス210に映る実景が大きく変動したことによる表示ずれを補正した場合でも表示コンテンツIvが表示領域220の外側に移動することを抑制することができる。その結果、視認者に与える違和感を低減することができる。
 なお、本実施形態では、図16のステップS406及びS407において、オフセット値ofsの情報を取得し、オフセット値ofsに基づいて表示コンテンツIvの表示位置を補正して表示する例について説明したが、これに限定されない。本実施形態においては、オフセット値ofsに基づいて表示コンテンツIvの表示位置を補正して表示しなくてもよい。
(第4実施形態)
 第3実施形態では、表示処理装置30は、表示処理装置30で設定された表示コンテンツIvの補正量cの閾値T3に基づいて補正量cを調整した。本実施形態では、表示処理装置30は、表示処理装置30で設定される表示コンテンツIvの補正量cの画素数の第1閾値と、補正処理装置50で設定される表示コンテンツIvの角度のずれ量yの第2閾値とに基づいて、補正量cを調整する。
 図18及び図19を参照して、第4実施形態における補正処理装置50及び表示処理装置30の表示制御部32の動作について説明する。図18は、第4実施形態における補正処理及び表示処理を示している。図18の補正処理と表示処理は、異なる処理周期で行われている。具体的には、図18の補正処理の処理周期は、表示処理の処理周期よりも速く設定されている。図19は、第4実施形態における補正制御部52及び表示制御部32の機能的構成を示している。
 第4実施形態の図18のステップS501~S505及びS507~S510は、第3実施形態の図16のステップS401~S405及びS406~409と同一である。第4実施形態の図18のステップS603~S604及びS606は、第1実施形態の図9のステップS204~S205及びS209と同一である。なお、第4実施形態の図18のステップS605は、第1実施形態の図9のステップS206~S208に相当する。
 図18に示す表示処理は、例えば、車両200のエンジンが始動したとき、又は表示コンテンツIvの表示開始を指示するためのボタンが操作されたときなどに開始される。図18に示す補正処理は、例えば、図18に示す表示処理と共に開始される。なお、図18に示す補正処理は、表示コンテンツIvの位置補正の開始を指示するためのボタンが操作されたときに開始されてもよい。
 表示制御部32は、情報取得装置20から車両200の位置情報、及び車外情報を示す車両関連情報を取得する(S501)。表示制御部32は、車両関連情報に基づいて、表示対象230に対応する表示コンテンツIvを表示するか否かを決定する(S502)。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvを表示することを決定した場合(S503でYes)、表示コンテンツIvの表示基準位置P0を示す情報を外部装置から取得すると共に、記憶部33からコンテンツ情報(例えば、表示コンテンツIvのサイズの情報)を取得する(S504)。
 表示制御部32は、表示基準位置P0と表示コンテンツIvのサイズとに基づいて、表示コンテンツIvの補正量cを制限するための第1閾値T4を設定する(S505)。具体的には、表示コンテンツIvの表示基準位置P0とコンテンツ情報に基づいて、表示領域220においてシフト可能領域Lu,Ldを決定する(図6参照)。シフト可能領域Lu,Ldの画素数が、第1閾値T4に相当する。第1閾値T4は、絶対値である。第1閾値T4は、上限値+T4及び下限値-T4を有する。
 表示制御部32は、第1閾値T4の情報を補正処理装置50に出力する(S506)。
 補正制御部52は、表示処理装置30から第1閾値T4の情報を取得する(S601)。補正制御部52は、第1閾値T4に基づいて表示コンテンツIvの角度のずれ量を制限するための第2閾値T5を設定する(S602)。具体的には、補正制御部52は、画素数を示す第1閾値T4を角度に変換することによって、第2閾値T5を算出する。第2閾値T5は、絶対値である。第2閾値T5は、上限値+T5及び下限値-T5を有する。
 補正制御部52は、ジャイロセンサ41から出力される車両200の角速度を示す姿勢変動情報を取得する(S603)。ずれ量算出部52bは、姿勢変動情報に基づいて、現在のずれ量yを算出する(S604)。例えば、図19に示すように、ずれ量算出部52bは、「y=y’+x」により、現在のずれ量yを算出する。
 補正制御部52は、ずれ量yと第2閾値T5とに基づいて、表示コンテンツIvの表示位置の新たな補正量cを算出する(S605)。例えば、補正制御部52は、姿勢変動情報に基づいて算出されたずれ量yと、表示コンテンツIvの角度の第2閾値T5とを比較し、ずれ量yが第2閾値T5を超えているか否かを判定する。算出されたずれ量yが第2閾値T5を超えている場合、ずれ量算出部52bは、第2閾値T5をずれ量yとして設定する。具体的には、算出されたずれ量yが上限値+T5より大きい場合、ずれ量算出部52bは、上限値+T5をずれ量yとして設定する。あるいは、算出されたずれ量yが下限値-T5より小さい場合、ずれ量算出部52bは、下限値-T5をずれ量yとして設定する。一方、算出されたずれ量yが第2閾値T5を超えていない場合、ずれ量算出部52bは、算出されたずれ量yを維持する。具体的には、算出されたずれ量yが上限値+T5以下であり、且つ下限値-T5以上である場合、ずれ量算出部52bは、算出されたずれ量yを維持する。ずれ量算出部52bは、ずれ量yを補正量算出部52cに出力する。
 補正量算出部52cは、ずれ量yに基づいて、表示コンテンツIvの表示位置の新たな補正量cを算出する。例えば、図19に示すように、補正量算出部52cは、新たな補正量cを「c=y×G」により算出する。具体的には、例えば、補正量算出部52cは、ピッチ角及びヨー角について車両200の角度であるずれ量を画素数に換算して、画素数で示されるずれ量を相殺するような補正量cを決定する。ロール角については、角度のまま、ずれ量を相殺する補正量cを決定する。
 ずれ量算出部52bは、現在のずれ量の値をフィードバック量y’として記憶する(S606)。すなわち、ステップS604で算出したずれ量y又はステップS605で設定したずれ量yを、フィードバック量y’として記憶する。
 補正制御部52は、補正量cを示す情報とオフセット値ofsを示す情報とを出力する(S607)。
 補正制御部52は、補正処理を継続するか否かを判断する(S608)。例えば、車両200のエンジンが停止したとき、又は表示コンテンツIvの表示の終了を指示するためのボタンが操作されたときなどに、補正制御部52は補正処理を終了する。補正処理を継続する場合は、ステップS601に戻る。ステップS601に戻った後、次のステップS604において、前のステップS607で記憶したフィードバック量y’の値が使用される。
 表示制御部32は、補正処理装置50から補正量cとオフセット値ofsを取得する(S507)。
 表示制御部32は、表示基準位置P0、オフセット値ofs、補正量c及び第1閾値T4に基づいて、表示コンテンツIvを表示する(S508)。
 表示制御部32は、「補正量c+オフセット値ofs」の値を表示コンテンツIvの補正量cを制限するための第1閾値T4と比較する。「補正量c+オフセット値ofs」の値が第1閾値T4を超えている場合、表示制御部32は、第1閾値T4を「補正量c+オフセット値ofs」の値として設定する。具体的には、補正量c+オフセット値ofs」の値が上限値+T4より大きい場合、表示制御部32は、上限値+T4を「補正量c+オフセット値ofs」の値として設定する。あるいは、補正量c+オフセット値ofs」の値が下限値-T4より小さい場合、表示制御部32は、下限値-T4を「補正量c+オフセット値ofs」の値として設定する。一方、「補正量c+オフセット値ofs」の値が第1閾値T4を超えていない場合、表示制御部32は、「補正量c+オフセット値ofs」の値を維持する。具体的には、「補正量c+オフセット値ofs」の値が上限値+T4以下であり、且つ下限値-T4以上である場合、表示制御部32は、「補正量c+オフセット値ofs」の値を維持する。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvの表示位置を「表示基準位置P0+補正量c+オフセット値ofs」に設定し、表示コンテンツIvを表示領域220内に表示する。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvを表示しないことを決定した場合は(S503でNo)、表示コンテンツIvを非表示にする(S509)。
 表示制御部32は、表示処理を継続するか否かを判断する(S510)。例えば、車両200のエンジンが停止したとき、又は表示コンテンツIvの表示の終了を指示するためのボタンが操作されたときなどに、表示制御部32は表示処理を終了する。表示処理を継続する場合は、ステップS501に戻る。
 このように、本実施形態では、補正処理と表示処理が異なる処理周期で行われている場合において、表示処理装置30で設定された表示コンテンツIvの補正量cの第1閾値T4と、補正処理装置50で設定される表示コンテンツIvの角度のずれ量yの第2閾値T5とに基づいて、表示コンテンツIvの補正量を調整して表示コンテンツIvを表示する。これにより、車両200が大きく振動するなどによって、フロントガラス210に映る実景が大きく変動しても表示コンテンツIvが表示領域220の外側に移動することを抑制することができる。その結果、視認者に与える違和感を低減することができる。
(第5実施形態)
 第4実施形態では、補正処理と表示処理とは異なる処理周期で行われていた。本実施形態では、補正処理と表示処理とが同じ処理周期で行われる。
 図20を参照して、第5実施形態における補正処理装置50及び表示処理装置30の表示制御部32の動作について説明する。図20は、第4実施形態における補正処理及び表示処理を示している。図20の補正処理と表示処理は、同じ処理周期で行われている。
 第5実施形態の図20のステップS701~S705、S707、S709~S715、及びS716~S719は、第4実施形態の図18のステップS501~S505、S506、S601~S607、及びS507~S510と同一である。
 図20に示す表示処理は、例えば、車両200のエンジンが始動したとき、又は表示コンテンツIvの表示開始を指示するためのボタンが操作されたときなどに開始される。
 表示制御部32は、情報取得装置20から車両200の位置情報、及び車外情報を示す車両関連情報を取得する(S701)。表示制御部32は、車両関連情報に基づいて、表示対象に対応する表示コンテンツIvを表示するか否かを決定する(S702)。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvを表示することを決定した場合(S703でYes)、表示コンテンツIvの表示基準位置P0を示す情報を外部装置から取得すると共に、記憶部33からコンテンツ情報(例えば、表示コンテンツIvのサイズの情報)を取得する(S704)。
 表示制御部32は、表示基準位置P0と表示コンテンツIvのサイズとに基づいて、表示コンテンツIvの補正量cの許容値である第1閾値T4を設定する(S705)。
 表示制御部32は、補正処理を開始しているか否かを判定する(S706)。表示制御部32は、補正処理を開始していると判定した場合(S706でYes)、補正量cの第1閾値T4を出力する(S707)。表示制御部32は、補正処理を開始していないと判定した場合(S706でNo)、補正処理を開始し(S708)、ステップS706に戻る。
 補正制御部52は、第1閾値T4を取得する(S709)。補正制御部52は、第1閾値T4に基づいて表示コンテンツIvの角度のずれ量の第2閾値T5を設定する(S710)。
 補正制御部52は、ジャイロセンサ41から出力される車両200の角速度を示す姿勢変動情報を取得する(S711)。ずれ量算出部52bは、姿勢変動情報に基づいて、現在のずれ量yを算出する(S712)。例えば、ずれ量算出部52bは、「y=y’+x」により、現在のずれ量yを算出する。
 補正制御部52は、ずれ量yと第2閾値T5とに基づいて、表示コンテンツIvの表示位置の新たな補正量cを算出する(S713)。例えば、補正制御部52は、姿勢変動情報に基づいて算出されたずれ量yと、表示コンテンツIvの角度の第2閾値T5とを比較し、ずれ量yが第2閾値T5を超えているか否かを判定する。具体的には、算出されたずれ量yが上限値+T5より大きい場合、ずれ量算出部52bは、上限値+T5をずれ量yとして設定する。あるいは、算出されたずれ量yが下限値-T5より小さい場合、ずれ量算出部52bは、下限値-T5をずれ量yとして設定する。一方、算出されたずれ量yが第2閾値T5を超えていない場合、ずれ量算出部52bは、算出されたずれ量yを維持する。具体的には、算出されたずれ量yが上限値+T5以下であり、且つ下限値-T5以上である場合、ずれ量算出部52bは、算出されたずれ量yを維持する。ずれ量算出部52bは、ずれ量yを補正量算出部52cに出力する。
 補正量算出部52cは、ずれ量yに基づいて、表示コンテンツIvの表示位置の新たな補正量cを算出する。例えば、補正量算出部52cは、新たな補正量cを「c=y×G」により算出する。
 ずれ量算出部52bは、現在のずれ量の値をフィードバック量y’として記憶する(S714)。すなわち、ステップS712で算出したずれ量y又はステップS713で設定したずれ量yを、フィードバック量y’として記憶する。
 補正制御部52は、補正量cを示す情報とオフセット値ofsを示す情報とを表示処理装置30に出力する(S715)。
 表示制御部32は、補正処理装置50から補正量cの情報とオフセット値ofsの情報とを取得する(S716)。
 表示制御部32は、表示基準位置P0、オフセット値ofs、補正量c及び第1閾値T4に基づいて、表示コンテンツIvを表示する(S717)。
 表示制御部32は、「補正量c+オフセット値ofs」の値を第1閾値T4と比較する。「補正量c+オフセット値ofs」の値が第1閾値T4を超えている場合、表示制御部32は、第1閾値T4を「補正量c+オフセット値ofs」の値として設定する。具体的には、「補正量c+オフセット値ofs」の値が上限値+T4より大きい場合、表示制御部32は、上限値+T4を「補正量c+オフセット値ofs」の値として設定する。あるいは、「補正量c+オフセット値ofs」の値が下限値-T4より小さい場合、表示制御部32は、下限値-T4を「補正量c+オフセット値ofs」の値として設定する。一方、「補正量c+オフセット値ofs」の値が第1閾値T4を超えていない場合、表示制御部32は、「補正量c+オフセット値ofs」の値を維持する。具体的には、「補正量c+オフセット値ofs」の値が上限値+T4以下であり、且つ下限値-T4以上である場合、表示制御部32は、「補正量c+オフセット値ofs」の値を維持する。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvの表示位置を「表示基準位置P0+補正量c+オフセット値ofs」に設定し、表示コンテンツIvを表示領域220内に表示する。
 表示制御部32は、表示コンテンツIvを表示しないことを決定した場合は(S703でNo)、表示コンテンツIvを非表示にする(S718)。
 表示制御部32は、表示処理を継続するか否かを判断する(S719)。例えば、車両200のエンジンが停止したとき、又は表示コンテンツIvの表示の終了を指示するためのボタンが操作されたときなどに、表示制御部32は表示処理を終了する。表示処理を継続する場合は、ステップS701に戻る。
 補正処理は、表示処理の終了と共に終了する(S720)。
 このように、本実施形態では、補正処理と表示処理が同一の処理周期で行われている場合において、表示処理装置30で設定された表示コンテンツIvの補正量cの第1閾値T4と、補正処理装置50で設定される表示コンテンツIvの角度のずれ量yの第2閾値T5とに基づいて、表示コンテンツIvの補正量を調整して表示コンテンツIvを表示する。これにより、車両200が大きく振動するなどによって、フロントガラス210に映る実景が大きく変動しても表示コンテンツIvが表示領域220の外側に移動することを抑制することができる。その結果、視認者に与える違和感を低減することができる。
(他の実施形態)
 以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
 上記実施形態では、投影装置10、情報取得装置20、表示処理装置30、姿勢検出装置40、及び補正処理装置50がそれぞれ別個の装置である場合を例示した。しかし、複数の装置が一つの装置として一体的に形成されてもよい。例えば、表示処理装置30と補正処理装置50が一つの装置として一体的に形成されてもよい。情報取得装置20と表示処理装置30とが一つの装置として一体的に形成されてもよい。姿勢検出装置40と補正処理装置50が一つの装置として一体的に形成されてもよい。別個に形成された装置は、有線又は無線により互いに通信可能に接続される。なお、投影装置10、情報取得装置20、表示処理装置30、姿勢検出装置40、及び補正処理装置50の全てが一つの装置として形成されてもよい。この場合、通信部31,51はなくてもよい。
 上記実施形態では、情報取得装置20が、GPSモジュール21、及びカメラ22を含む例について説明した。しかし、情報取得装置20は、車両200から周囲の対象物までの距離と方向を計測する距離センサを含んでもよく、計測した距離と方向を示す距離情報を表示処理装置30に出力してもよい。情報取得装置20は、ナビゲーションシステムを含んでもよい。情報取得装置20は、GPSモジュール21、距離センサ、及びカメラ22、画像処理装置、加速度センサ、レーダー、音波センサ、及びADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)の白線検知装置などのうち、1つ以上を含んでもよい。情報取得装置20としての機能を有するGPSモジュール21、距離センサ、及びカメラ22などは、一つの装置に内蔵されてもよいし、個別に車両200に取り付けられてもよい。
 上記実施形態では、姿勢検出装置40がジャイロセンサ41を含む例について説明した。しかし、姿勢検出装置40は、車両200の加速度を検出する加速度センサを含んでもよく、検出した加速度を姿勢変動情報として出力してもよい。姿勢検出装置40は、路面からの高さを検出する車高センサを含んでもよく、検出した高さを姿勢変動情報として出力してもよい。姿勢検出装置40は、他の公知のセンサを含んでもよい。姿勢検出装置40は、ジャイロセンサ41、加速度センサ、及び車速センサなどのうちの1つ以上を含んでもよい。この場合、姿勢検出装置40としての機能を有するジャイロセンサ41、加速度センサ、及び車高センサなどは、一つの装置に内蔵されてもよいし、個別に車両200に取り付けられてもよい。
 上記実施形態では、補正処理装置50は、表示コンテンツIvのコンテンツ表示情報として、例えば、表示基準位置P0及び表示コンテンツのサイズの情報に基づいて補正量cを調整する例について説明したが、これに限定されない。補正処理装置50は、表示基準位置P0、表示コンテンツのサイズ、及び表示コンテンツIvの特徴部分の表示位置の少なくとも1つに基づいて補正量cを調整してもよい。表示コンテンツIvのコンテンツ表示情報は、表示基準位置P0、表示コンテンツのサイズ、及び表示コンテンツIvの特徴部分の表示位置の少なくとも1つを含んでいればよい。
 上記実施形態では、表示領域220の上側及び下側にそれぞれシフト可能領域Lu,Ldを設定する例について説明した。しかし、シフト可能領域Lu,Ldのいずれかが表示領域220に設定されてもよい。図21は、表示コンテンツと補正範囲の別例を示している。図21に示すように、表示領域220の左右側にシフト可能領域Ll,Lrを設定してもよい。シフト可能領域Ll,Lrは、表示コンテンツIvの表示基準位置P0’とサイズに基づいて設定される。具体的には、シフト可能領域Ll,Lrは、表示コンテンツIvの表示基準位置P0’、左端の位置及び右端の位置に基づいて決定される。なお、シフト可能領域Ll,Lrは少なくともいずれか一方に設定されていればよい。あるいは、表示領域220には、シフト可能領域Lu,Ld,Ll,Lrのうち少なくともいずれか1つが設定されていればよい。
 このように、表示コンテンツIvが上下左右方向において、表示領域220の外側に移動しないように補正量cを調整してもよい。
 上記実施形態では、移動体が、自動車などの車両200である場合について説明した。しかし、移動体は車両200に限らない。移動体は、人が乗る乗り物であってもよく、例えば、飛行機又は船であってもよい。移動体は、自動運転で走行することができる無人機であってもよい。移動体は、走行するようなものではなく、振動するものであってもよい。
 上記実施形態では、移動体の前方に表示コンテンツを表示する場合について説明した。しかし、表示コンテンツを表示する位置は、前方に限らない。例えば、表示コンテンツは、移動体の側面方向や後方に表示されてもよい。
 上記実施形態では、表示システム100がHUDシステムである例について説明した。しかし、表示システム100はHUDシステムでなくてもよい。表示システム100は、投影装置10に代えて、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを備えてもよい。表示システム100は、スクリーン及びプロジェクタを含んでもよい。
(実施形態の概要)
 (1)移動体の位置情報、及び移動体の外の情報のうち少なくとも1つの情報を取得する情報取得装置と、情報取得装置が取得した情報に基づいて、表示コンテンツの表示を制御する表示処理装置と、移動体の姿勢変動を検出する姿勢検出装置と、移動体の姿勢変動に基づいて表示コンテンツの表示位置の補正量を算出する補正処理装置と、を備え、少なくとも表示コンテンツの形状を決定する特徴部分を表示領域内に表示するように、表示コンテンツのコンテンツ情報に基づいて補正量を調整する。
 これにより、表示コンテンツの表示位置を補正する際に視認者に与える違和感を低減することができる。
 (2)(1)の表示システムにおいて、コンテンツ表示情報は、表示コンテンツの表示の基準となる表示基準位置、表示コンテンツのサイズ、表示コンテンツの特徴部分の表示位置の少なくとも一つを含んでもよい。
 (3)(1)又は(2)の表示システムにおいて、補正処理装置は、表示基準位置と表示コンテンツのサイズとに基づいて、表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量の許容値を示す第1閾値を設定し、移動体の姿勢変動に基づいて表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量を算出し、第1閾値に基づいてずれ量を調整し、調整されたずれ量を画素数に変換することによって、補正量を算出してもよい。
 (4)(3)の表示システムにおいて、記補正処理装置は、算出されたずれ量が第1閾値を超えている場合、ずれ量を第1閾値の値に設定し、算出されたずれ量が第1閾値を超えていない場合、ずれ量の値を維持してもよい。
 (5)(3)又は(4)の表示システムにおいて、補正処理装置は、調整されたずれ量をフィードバック量として記憶し、フィードバック量を次回のずれ量の算出に使用してもよい。
 (6)(1)又は(2)の表示システムにおいて、補正処理装置は、コンテンツ表示情報に基づいて、表示コンテンツの表示位置の画素数の補正量の許容値を示す第2閾値を設定し、移動体の姿勢変動に基づいて表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量を算出し、ずれ量を画素数に変換することによって、ずれ量を補正するための補正量を算出し、第2閾値に基づいて補正量を調整してもよい。
 (7)(6)の表示システムにおいて、補正処理装置は、算出された補正量が第2閾値を超えている場合、補正量を前記第2閾値の値に設定し、算出されたずれ量が第2閾値を超えていない場合、補正量の値を維持してもよい。
 (8)(1)又は(2)の表示システムにおいて、補正処理装置は、移動体の姿勢変動に基づいて表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量を算出し、ずれ量を画素数に変換することによって、ずれ量を補正するための補正量を算出してもよい。表示処理装置は、コンテンツ表示情報に基づいて、表示コンテンツの表示位置の画素数の補正量の許容値を示す第3閾値を設定し、第3閾値に基づいて、補正処理装置で算出された補正量を調整してもよい。
 (9)(8)の表示システムにおいて、表示処理装置は、補正処理装置で算出された補正量が第3閾値を超えている場合、補正量を第3閾値の値に設定し、補正処理装置で算出された補正量が第3閾値を超えていない場合、補正量の値を維持してもよい。
 (10)(9)の表示システムにおいて、表示処理装置は、コンテンツ表示情報に基づいて、表示コンテンツの表示位置の画素数の補正量の許容値を示す第4閾値を設定し、第4閾値に基づいて、補正処理装置で算出された補正量を調整してもよい。補正処理装置は、第4閾値に基づいて、表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量の許容値を示す第5閾値を設定し、移動体の姿勢変動に基づいて表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量を算出し、第5閾値に基づいてずれ量を調整し、調整されたずれ量を画素数に変換することによって、補正量を算出してもよい。
 (11)(10)の表示システムにおいて、表示処理装置は、補正処理装置で算出された補正量が第4閾値を超えている場合、補正量を第4閾値の値に設定し、補正処理装置で算出された補正量が第4閾値を超えていない場合、補正量の値を維持してもよい。補正処理装置は、算出されたずれ量が第5閾値を超えている場合、ずれ量を第5閾値の値に設定し、算出されたずれ量が第5閾値を超えていない場合、ずれ量の値を維持してもよい。
 (12)(10)又は(11)の表示システムにおいて、補正処理装置は、調整されたずれ量をフィードバック量として記憶し、フィードバック量を次回のずれ量の算出に使用してもよい。
 (13)(1)~(12)の表示システムにおいて、表示コンテンツを表す光を投影する投影装置をさらに含んでもよい。
 (14)(1)~(13)の表示システムにおいて、移動体は、車両であり、表示コンテンツは、車両のフロントガラスの前方に表示されるコンテンツであってもよい。
 本開示の全請求項に記載の投影システムは、ハードウェア資源、例えば、プロセッサ、メモリ、及びプログラムとの協働などによって、実現される。
 本開示は、表示コンテンツの表示位置を移動体の動きに応じて制御する表示システム表示システムに適用可能である。
  10   投影装置
  20   情報取得装置
  21   GPSモジュール
  22   カメラ
  30   表示処理装置
  31   通信部
  32   表示制御部
  33   記憶部
  40   姿勢検出装置
  41   ジャイロセンサ
  50   補正処理装置
  51   通信部
  52   補正制御部
  52b  ずれ量算出部
  52c  補正量算出部
  100  表示システム

Claims (14)

  1.  移動体の位置情報、及び前記移動体の外の情報のうち少なくとも1つの情報を取得する情報取得装置と、
     前記情報取得装置が取得した情報に基づいて、表示コンテンツの表示を制御する表示処理装置と、
     前記移動体の姿勢変動を検出する姿勢検出装置と、
     前記移動体の姿勢変動に基づいて前記表示コンテンツの表示位置の補正量を算出する補正処理装置と、
    を備え、
     少なくとも前記表示コンテンツの形状を決定する特徴部分を表示領域内に表示するように、前記表示コンテンツのコンテンツ表示情報に基づいて前記補正量を調整する、表示システム。
  2.  前記コンテンツ表示情報は、表示コンテンツの表示の基準となる表示基準位置、前記表示コンテンツのサイズ、前記表示コンテンツの特徴部分の表示位置の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の表示システム。
  3.  前記補正処理装置は、
      前記コンテンツ表示情報に基づいて、前記表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量の許容値を示す第1閾値を設定し、
      前記移動体の姿勢変動に基づいて前記表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量を算出し、
      前記第1閾値に基づいて前記ずれ量を調整し、
      調整された前記ずれ量を画素数に変換することによって、前記補正量を算出する、
    請求項1又は2に記載の表示システム。
  4.  前記補正処理装置は、
      算出された前記ずれ量が前記第1閾値を超えている場合、前記ずれ量を前記第1閾値の値に設定し、
      算出された前記ずれ量が前記第1閾値を超えていない場合、前記ずれ量の値を維持する、
    請求項3に記載の表示システム。
  5.  前記補正処理装置は、
      調整された前記ずれ量をフィードバック量として記憶し、
      前記フィードバック量を次回のずれ量の算出に使用する、
    請求項3又は4に記載の表示システム。
  6.  前記補正処理装置は、
      前記コンテンツ表示情報に基づいて、前記表示コンテンツの表示位置の画素数の補正量の許容値を示す第2閾値を設定し、
      前記移動体の姿勢変動に基づいて前記表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量を算出し、
      前記ずれ量を画素数に変換することによって、前記ずれ量を補正するための前記補正量を算出し、
      前記第2閾値に基づいて前記補正量を調整する、
    請求項1又は2に記載の表示システム。
  7.  前記補正処理装置は、
      算出された前記補正量が前記第2閾値を超えている場合、前記補正量を前記第2閾値の値に設定し、
      算出された前記ずれ量が前記第2閾値を超えていない場合、前記補正量の値を維持する、
    請求項6に記載の表示システム。
  8.  前記補正処理装置は、
      前記移動体の姿勢変動に基づいて前記表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量を算出し、
      前記ずれ量を画素数に変換することによって、前記ずれ量を補正するための前記補正量を算出し、
     前記表示処理装置は、
      前記コンテンツ表示情報に基づいて、前記表示コンテンツの表示位置の画素数の補正量の許容値を示す第3閾値を設定し、
      前記第3閾値に基づいて、前記補正処理装置で算出された前記補正量を調整する、
    請求項1又は2に記載の表示システム。
  9.  前記表示処理装置は、
      前記補正処理装置で算出された前記補正量が前記第3閾値を超えている場合、前記補正量を前記第3閾値の値に設定し、
      前記補正処理装置で算出された前記補正量が前記第3閾値を超えていない場合、前記補正量の値を維持する、
    請求項8に記載の表示システム。
  10.  前記表示処理装置は、
      前記コンテンツ表示情報に基づいて、前記表示コンテンツの表示位置の画素数の補正量の許容値を示す第4閾値を設定し、
      前記第4閾値に基づいて、前記補正処理装置で算出された補正量を調整し、
     前記補正処理装置は、
      前記第4閾値に基づいて、前記表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量の許容値を示す第5閾値を設定し、
      前記移動体の姿勢変動に基づいて前記表示コンテンツの表示位置の角度のずれ量を算出し、
      前記第5閾値に基づいて前記ずれ量を調整し、
      調整された前記ずれ量を画素数に変換することによって、前記補正量を算出する、
    請求項1に記載の表示システム。
  11.  前記表示処理装置は、
      前記補正処理装置で算出された前記補正量が前記第4閾値を超えている場合、前記補正量を前記第4閾値の値に設定し、
      前記補正処理装置で算出された前記補正量が前記第4閾値を超えていない場合、前記補正量の値を維持し、
     前記補正処理装置は、
      算出された前記ずれ量が前記第5閾値を超えている場合、前記ずれ量を前記第5閾値の値に設定し、
      算出された前記ずれ量が前記第5閾値を超えていない場合、前記ずれ量の値を維持する、
    請求項10に記載の表示システム。
  12.  前記補正処理装置は、
      調整された前記ずれ量をフィードバック量として記憶し、
      前記フィードバック量を次回のずれ量の算出に使用する、
    請求項10又は11に記載の表示システム。
  13.  前記表示コンテンツを表す光を投影する投影装置をさらに含む、
     請求項1~12のいずれか1項に記載の表示システム。
  14.  前記移動体は、車両であり、
     前記表示コンテンツは、車両のフロントガラスの前方に表示されるコンテンツである、
     請求項1~13のいずれか1項に記載の表示システム。
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