WO2020183661A1 - 歯車ポンプまたは歯車モータ - Google Patents
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Abstract
歯車ポンプまたは歯車モータは、駆動歯車と、駆動歯車と噛み合うように設けられる従動歯車と、駆動歯車の側面と従動歯車の側面とに対向するカバー部材とを備える。駆動歯車と従動歯車との間には、作動流体を閉じ込める閉じ込み領域が形成される。駆動歯車の側面には、駆動軸が接続される。従動歯車の一側面には、従動軸が接続される。カバー部材には、駆動軸を収容する第1の収容空間と、従動軸を収容する第2の収容空間と、閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体を第1および第2の収容空間の少なくとも一方に導く流通路とが形成される。
Description
本発明は、歯車ポンプまたは歯車モータに関する。
油等の作動流体を圧送するアクチュエータとして、歯車ポンプまたは歯車モータが知られている。例えば、特許文献1には、ケーシングの内部空間に、一対の歯車と、一対の可動側板とが収容された外接式の歯車ポンプが記載されている。一対の可動側板は、一対の歯車の両外側面をそれぞれシールするように、一対の歯車の両外側面にそれぞれ接する状態で互いに近づく方向に押圧される。両歯車が噛み合いつつ回転することにより、ケーシングの吸込口から作動流体がケーシング内に吸い込まれ、ケーシングの吐出口から作動流体が吐出される。
一対の歯車のいずれかの歯先が噛み合う期間には、各歯車の歯先および各可動側板により作動流体が閉じ込められる閉じ込み領域が形成される。ここで、閉じ込み領域の容積は一対の歯車の回転に伴って変化するため、不具合が発生する。例えば、閉じ込み領域の容積が減少する期間には、閉じ込み領域内の作動流体が一対の可動側板を外方に押し広げる。その後、各可動側板は元の位置に戻るが、このような各可動側板の振動により騒音が発生する。
上記の不具合を回避するため、一般に、各可動側板の内側面には、低圧側逃げ溝および高圧側逃げ溝が形成される。低圧側逃げ溝は、閉じ込み領域内の作動流体を吸込口近傍の低圧領域に逃がす役割を有する。高圧側逃げ溝は、閉じ込み領域内の作動流体を吐出口近傍の高圧領域に逃がす役割を有する。さらに、特許文献1の各可動側板の内側面には、高圧側逃げ溝から一対の歯車のピッチ点近傍まで延伸する補助逃げ溝が形成される。補助逃げ溝は、一対の歯車のバックラッシュ部分の余剰の作動流体を高圧領域に逃がす役割を有する。
特開2006-266090号公報
特許文献1の歯車ポンプにおいては、可動側板に補助逃げ溝が形成されることにより、低圧領域と高圧領域との間隔が実質的に小さくなる。この場合、一対の歯車の歯先の位置によっては、高圧領域から低圧領域に作動流体が素通りすることにより、歯車ポンプの容積効率が低下する可能性がある。近年、歯車ポンプの容積効率をより向上させることが求められている。そのため、歯車ポンプのさらなる改善が望まれる。歯車モータについても同様である。
本発明の目的は、容積効率の低下を防止しつつ、騒音を防止することが可能な歯車ポンプまたは歯車モータを提供することである。
(1)本発明の一局面に従う歯車ポンプまたは歯車モータは、第1の側面を有する駆動歯車と、第2の側面を有し、駆動歯車と噛み合うように設けられる従動歯車と、駆動歯車の第1の側面と従動歯車の第2の側面とに対向する第1のカバー部材とを備え、駆動歯車と従動歯車との間には、作動流体を閉じ込める閉じ込み領域が形成され、駆動歯車の第1の側面には、第1の駆動軸が接続され、従動歯車の第2の側面には、第1の従動軸が接続され、第1のカバー部材には、第1の駆動軸を収容する第1の収容空間と、第1の従動軸を収容する第2の収容空間と、閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体を第1および第2の収容空間の少なくとも一方に導く第1の流通路とが形成される。
この歯車ポンプまたは歯車モータにおいては、駆動歯車と従動歯車とが噛み合うように設けられることにより、駆動歯車と従動歯車との間に作動流体を閉じ込める閉じ込み領域が形成される。駆動歯車の第1の側面に接続された第1の駆動軸および従動歯車の第2の側面に接続された第1の従動軸が、第1のカバー部材に形成された第1および第2の収容空間にそれぞれ収容される。この状態で、第1のカバー部材が駆動歯車の第1の側面と従動歯車の第2の側面とに対向する。閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体は、第1のカバー部材に形成された第1の流通路により第1および第2の収容空間の少なくとも一方に導かれる。
この構成によれば、閉じ込み領域の容積が減少する場合でも、第1のカバー部材を振動させることなく閉じ込み領域に閉じ込められた作動流体を第1および第2の収容空間の少なくとも一方に導くことができる。そのため、騒音を防止することができる。また、作動流体の吐出口近傍の領域と吸込口近傍の領域との間隔を小さくする必要がないので、吐出口近傍の領域から吸込口近傍の領域に作動流体がほとんど素通りしない。これにより、容積効率の低下が防止される。その結果、容積効率の低下を防止しつつ、騒音を防止することが可能になる。また、第1の駆動軸および第1の従動軸の少なくとも一方への潤滑量を増加させることができる。
(2)第1の流通路は、閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体を第2の収容空間に導くように形成されてもよい。従動歯車は駆動歯車から力を受けるため、第1の従動軸の軸受の焼き付き量は第1の駆動軸の軸受の焼き付き量よりも大きいことがある。このような場合でも、上記の構成によれば、第1の従動軸への潤滑量が増加する。これにより、第1の従動軸の軸受の焼き付き量を軽減し、軸受を長寿命化することができる。
(3)第1の流通路は、閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体を第1および第2の収容空間の両方に導くように形成されてもよい。この場合、閉じ込み領域に閉じ込められた作動流体を第1および第2の収容空間に効率よく導くことができる。これにより、騒音をより容易に防止することができる。また、第1の駆動軸および第1の従動軸の両方への潤滑量を増加させることができる。
(4)歯車ポンプまたは歯車モータは、駆動歯車、従動歯車および第1のカバー部材を収容するケーシングをさらに備え、第1のカバー部材は、駆動歯車の第1の側面および従動歯車の第2の側面と、ケーシングの内面との間に配置された側板であってもよい。この場合、側板により駆動歯車および従動歯車の摺動性を向上させつつ、閉じ込み領域に閉じ込められた作動流体を第1および第2の収容空間の少なくとも一方に導くことができる。
(5)歯車ポンプまたは歯車モータは、駆動歯車、従動歯車および第1のカバー部材を収容するケーシングをさらに備え、第1のカバー部材は、駆動歯車の第1の側面と従動歯車の第2の側面とに対向するケーシングの内面の部分であってもよい。この場合、部品点数を増加させることなく、閉じ込み領域に閉じ込められた作動流体を第1および第2の収容空間の少なくとも一方に導くことができる。
(6)第1の流通路は、第1のカバー部材における駆動歯車の第1の側面と従動歯車の第2の側面とに対向する面に形成された溝部を含んでもよい。この場合、溝部の幅または深さを所望の値にすることにより、第1の駆動軸および第1の従動軸の少なくとも一方への潤滑量を容易に調整することができる。
(7)第1の流通路は、第1のカバー部材の内部を通して閉じ込み領域と第1および第2の収容空間の少なくとも一方とを接続する孔部を含んでもよい。この場合、孔部の径を所望の値にすることにより、第1の駆動軸および第1の従動軸の少なくとも一方への潤滑量を容易に調整することができる。
(8)歯車ポンプまたは歯車モータは、駆動歯車の第1の側面とは反対側の第3の側面と従動歯車の第2の側面とは反対側の第4の側面とに対向する第2のカバー部材をさらに備え、駆動歯車の第3の側面には、第2の駆動軸が接続され、従動歯車の第4の側面には、第2の従動軸が接続され、第2のカバー部材には、第2の駆動軸を収容する第3の収容空間と、第2の従動軸を収容する第4の収容空間と、閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体を第3および第4の収容空間の少なくとも一方に導く第2の流通路とが形成されてもよい。
この場合、作動流体の吐出口近傍の領域と吸込口近傍の領域との間隔を小さくすることなく閉じ込み領域に閉じ込められた作動流体を第3および第4の収容空間の少なくとも一方に導くことができる。これにより、容積効率の低下を防止しつつ、騒音をより確実に防止することが可能になる。また、第2の駆動軸および第2の従動軸の少なくとも一方への潤滑量を増加させることができる。
本発明によれば、容積効率の低下を防止しつつ、騒音を防止することができる。
本発明の一実施の形態に係る歯車ポンプについて、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、歯車ポンプの構成について説明するが、歯車モータの構成も歯車ポンプの構成と同様である。
(1)歯車ポンプの構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る歯車ポンプの概略構成を示す部分断面図である。図2は、図1の歯車ポンプ100のA-A線断面図である。図1に示すように、歯車ポンプ100は、主としてケーシング10、駆動歯車20、従動歯車30および一対の側板40を備える。
図1は、本発明の一実施の形態に係る歯車ポンプの概略構成を示す部分断面図である。図2は、図1の歯車ポンプ100のA-A線断面図である。図1に示すように、歯車ポンプ100は、主としてケーシング10、駆動歯車20、従動歯車30および一対の側板40を備える。
ケーシング10内に、駆動歯車20、従動歯車30および一対の側板40が収容される。ケーシング10には、内部の領域(以下、低圧領域10Aと呼ぶ。)に作動流体を吸い込むための吸込口10aと、内部の領域(以下、高圧領域10Bと呼ぶ。)から作動流体を吐出するための吐出口10bとが形成される(図2参照)。作動流体は、例えばオイルである。
本例では、ケーシング10は、例えばアルミニウムにより形成された分割式ケーシングであり、リアケーシング11とフロントケーシング12とを嵌め合わせることにより構成される。リアケーシング11には、一対の孔部11a,11bが形成される。フロントケーシング12には、一対の孔部12a,12bが形成される。
駆動歯車20の両側面20a,20bには、一対の駆動軸21がそれぞれ取り付けられる。一方の駆動軸21は、軸受22が取り付けられた状態で、リアケーシング11の孔部11aに嵌め込まれる。他方の駆動軸21は、軸受22が取り付けられた状態で、フロントケーシング12の孔部12aに嵌め込まれる。これにより、駆動歯車20がケーシング10内で支持される。一方の駆動軸21は、電動機200の回転軸に接続される。
従動歯車30の両側面30a,30bには、一対の従動軸31がそれぞれ取り付けられる。一方の従動軸31は、軸受32が取り付けられた状態で、リアケーシング11の孔部11bに嵌め込まれる。他方の従動軸31は、軸受32が取り付けられた状態で、フロントケーシング12の孔部12bに嵌め込まれる。これにより、従動歯車30が、駆動歯車20と噛み合い可能にケーシング10内で支持される。
一方の側板40は、図2のシール部材50を介して駆動歯車20の側面20aと従動歯車30の側面30aとに部分的に接触するように配置される。なお、シール部材50は、3の字ガスケット(three-shaped gasket)である。また、一方の側板40とリアケーシング11との間には、図示しない弾性部材が設けられる。当該弾性部材の弾力と、作動流体の圧力とにより、一方の側板40は、駆動歯車20の側面20aおよび従動歯車30の側面30aを押圧する。これにより、駆動歯車20の側面20aおよび従動歯車30の側面30aがシールされる。
同様に、他方の側板40は、シール部材50を介して駆動歯車20の側面20bおよび従動歯車30の側面30bに接触する状態で配置される。他方の側板40とフロントケーシング12との間には、図示しない弾性部材が設けられる。当該弾性部材の弾力と、作動流体の圧力とにより、他方の側板40は、駆動歯車20の側面20bおよび従動歯車30の側面30bを押圧する。これにより、駆動歯車20の側面20aおよび従動歯車30の側面30bがシールされる。
このように、駆動歯車20および従動歯車30が一対の側板40により挟まれる。これにより、駆動歯車20および従動歯車30の摺動性が向上する。各側板40の構成の詳細については後述する。
図1の電動機200の回転軸が回転すると、その動力が一方の駆動軸21に伝達される。これにより、一対の駆動軸21を回転中心として駆動歯車20が一方向に回転する(図2の矢印A参照)。また、駆動歯車20と従動歯車30とが噛み合うことにより、一対の従動軸31を回転中心として従動歯車30が他方向に回転する(図2の矢印B参照)。駆動歯車20と従動歯車30との噛み合いが始まる工程は圧縮工程と呼ばれ、駆動歯車20と従動歯車30との噛み合いが終わる工程は膨張工程と呼ばれる。
作動流体の流れが、図2に太い矢印で示される。図2に示すように、膨張工程で、吸込口10aからケーシング10内の低圧領域10Aに作動流体が吸い込まれる。低圧領域10Aの作動流体の一部は、駆動歯車20の隣り合う2つの歯先の間に入り込み、駆動歯車20の回転に伴って高圧領域10Bまで移動する。低圧領域10Aの作動流体の他の一部は、従動歯車30の隣り合う2つの歯先の間に入り込み、従動歯車30の回転に伴って高圧領域10Bまで移動する。圧縮工程で、高圧領域10Bの作動流体が吐出口10bから吐出される。
(2)側板の構成
以下、図1のリアケーシング11と駆動歯車20および従動歯車30との間に配置される一方の側板40の構成について説明する。図1のフロントケーシング12と駆動歯車20および従動歯車30との間に配置される他方の側板40の構成は、一方の側板40の構成と同様であるので、説明を省略する。図3は、側板40の構成を説明するための図である。図3(a)は図2と同一方向に見た側板40を示し、図3(b)は図3(a)の側板40のB-B線断面図を示す。
以下、図1のリアケーシング11と駆動歯車20および従動歯車30との間に配置される一方の側板40の構成について説明する。図1のフロントケーシング12と駆動歯車20および従動歯車30との間に配置される他方の側板40の構成は、一方の側板40の構成と同様であるので、説明を省略する。図3は、側板40の構成を説明するための図である。図3(a)は図2と同一方向に見た側板40を示し、図3(b)は図3(a)の側板40のB-B線断面図を示す。
図3(a)に示すように、側板40は、回転する駆動歯車20および従動歯車30の歯先の軌跡と略重なる輪郭形状、具体的には8の字の輪郭形状を有する。側板40には、一対の貫通孔41,42が形成される。貫通孔41の中心は、リアケーシング11の孔部11aの中心と一致する。貫通孔42の中心は、リアケーシング11の孔部11bの中心と一致する。
貫通孔41には、一方の駆動軸21が挿通される(図1参照)。貫通孔42には、一方の従動軸31が挿通される(図1参照)。したがって、貫通孔41内の空間は一方の駆動軸21を収容する収容空間V1となり、貫通孔42内の空間は一方の従動軸31を収容する収容空間V2となる。収容空間V1,V2は、それぞれ第1および第2の収容空間の例である。
側板40の内側面の外縁部の一部には、駆動歯車20の歯先の一側面と接触可能に突出する突出部43が形成される。側板40の内側面の外縁部の他の一部には、従動歯車30の歯先の一側面と接触可能に突出する突出部44が形成される。図2のシール部材50は、貫通孔41と突出部43との間の領域および貫通孔42と突出部44との間の領域に配置される。
駆動歯車20と従動歯車30とが噛み合う期間には、駆動歯車20のいずれかの歯先と、従動歯車30のいずれかの歯先と、一対の側板40とにより囲まれる閉じ込み領域10Cが形成される。高圧領域10Bの作動流体の一部は、駆動歯車20および従動歯車30が回転することにより、駆動歯車20と従動歯車30との間を通って低圧領域10Aに戻る。その過程で、作動流体は、閉じ込み領域10Cに閉じ込められる。ここで、閉じ込み領域10Cの容積は駆動歯車20および従動歯車30の回転に伴って変化するため、不具合が発生する。
例えば、閉じ込み領域10Cの容積が減少する期間には、閉じ込み領域10C内の作動流体が一対の側板40を外方に押し広げる。その後、各側板40は元の位置に戻るが、このような各側板40の振動により騒音が発生する。また、吐出口10bから吐出される作動流体に脈動が発生する。さらに、閉じ込み領域10Cからの作動流体の漏れ量が増加するので、容積効率が低下する。なお、容積効率は、理論吐出量に対する実際の吐出量の比である。
そこで、図3(a),(b)に示すように、側板40の内側面には、閉じ込み領域10C内の作動流体を低圧領域10Aおよび高圧領域10Bにそれぞれ導く低圧側逃げ溝45および高圧側逃げ溝46が形成される。また、側板40の内側面には、閉じ込み領域10C内の作動流体を収容空間V1,V2に導く流通路47が形成される。図3(a)では、視認を容易にするために、低圧側逃げ溝45、高圧側逃げ溝46および流通路47にドットパターンが付されている。後述する図5および図6においても同様である。
本実施の形態では、流通路47は溝部である。閉じ込み領域10Cの容積が減少する期間において、閉じ込み領域10C内の作動流体の一部は、流通路47を通って収容空間V1,V2に導かれる。その後、作動流体は、図1の孔部11a,11b内の空間に導かれ、図示しない循環流路を通って低圧領域10Aに戻される。
(3)流通路の変形例
本実施の形態において、流通路47は、一定の幅および一定の深さを有する直線状の溝部であるが、本発明はこれに限定されない。流通路47は、一定の幅を有さなくてもよいし、一定の深さを有さなくてもよい。また、流通路47は、曲線状を有してもよいし、折れ線状を有してもよい。
本実施の形態において、流通路47は、一定の幅および一定の深さを有する直線状の溝部であるが、本発明はこれに限定されない。流通路47は、一定の幅を有さなくてもよいし、一定の深さを有さなくてもよい。また、流通路47は、曲線状を有してもよいし、折れ線状を有してもよい。
また、本実施の形態において、流通路47は溝部であるが、本発明はこれに限定されない。図4は、流通路47の第1の変形例を示す図である。図4に示すように、第1の変形例においては、流通路47は、閉じ込み領域10C(図3)と収容空間V1,V2との間を接続するように側板40の内部に形成されたトンネル状の孔部である。あるいは、流通路47は、閉じ込み領域10Cと収容空間V1,V2との間を接続するように側板40の内面に形成された荒らし面であってもよい。
さらに、本実施の形態において、閉じ込み領域10Cと収容空間V1,V2との間を接続する単一の流通路47が側板40に形成されるが、本発明はこれに限定されない。図5は、流通路47の第2の変形例を示す図である。図5に示すように、第2の変形例においては、2つの流通路47が側板40に形成される。一方の流通路47は、閉じ込み領域10Cと収容空間V1との間を接続する。他方の流通路47は、閉じ込み領域10Cと収容空間V2との間を接続する。
図6は、流通路47の第3の変形例を示す図である。図6に示すように、第3の変形例においては、閉じ込み領域10Cと収容空間V1との間を接続する流通路47が側板40に形成されず、閉じ込み領域10Cと収容空間V2との間を接続する流通路47が側板40に形成される。ここで、従動歯車30は駆動歯車20から力を受けるため、軸受32の焼き付き量は軸受22の焼き付き量よりも大きいことがある。このような場合でも、この構成によれば、従動軸31への潤滑量が増加する。これにより、軸受32の焼き付き量を軽減し、軸受32を長寿命化することができる。
一方で、軸受32の焼き付き量がそれほど大きくない場合には、閉じ込み領域10Cと収容空間V2との間を接続する流通路47が側板40に形成されず、閉じ込み領域10Cと収容空間V1との間を接続する流通路47が側板40に形成されてもよい。
(4)効果
本実施の形態に係る歯車ポンプ100においては、駆動歯車20と従動歯車30とが噛み合うように設けられることにより、駆動歯車20と従動歯車30との間に作動流体を閉じ込める閉じ込み領域10Cが形成される。駆動歯車20の側面20aに接続された駆動軸21および従動歯車30の側面30aに接続された従動軸31が、側板40に形成された収容空間V1,V2にそれぞれ収容される。この状態で、側板40が駆動歯車20の側面20aと従動歯車30の側面30aとに対向する。閉じ込み領域10C内に閉じ込められた作動流体は、側板40に形成された流通路47により収容空間V1,V2に導かれる。
本実施の形態に係る歯車ポンプ100においては、駆動歯車20と従動歯車30とが噛み合うように設けられることにより、駆動歯車20と従動歯車30との間に作動流体を閉じ込める閉じ込み領域10Cが形成される。駆動歯車20の側面20aに接続された駆動軸21および従動歯車30の側面30aに接続された従動軸31が、側板40に形成された収容空間V1,V2にそれぞれ収容される。この状態で、側板40が駆動歯車20の側面20aと従動歯車30の側面30aとに対向する。閉じ込み領域10C内に閉じ込められた作動流体は、側板40に形成された流通路47により収容空間V1,V2に導かれる。
この構成によれば、閉じ込み領域10Cの容積が減少する場合でも、側板40を振動させることなく閉じ込み領域10Cに閉じ込められた作動流体を収容空間V1,V2に導くことができる。そのため、騒音を防止することができる。また、側板40に形成された低圧側逃げ溝45と高圧側逃げ溝46との間隔を小さくする必要がないので、高圧側逃げ溝46から低圧側逃げ溝45に作動流体がほとんど素通りしない。これにより、容積効率の低下が防止される。その結果、容積効率の低下を防止しつつ、騒音を防止することが可能になる。
また、駆動軸21および従動軸31への潤滑量を増加させることができる。これにより、軸受22,32の焼き付き量を軽減し、軸受22,32を長寿命化することができる。さらに、流通路47の幅または深さを所望の値にすることにより、駆動軸21および従動軸31への潤滑量を容易に調整することができる。
(5)他の実施の形態
(a)上記実施の形態において、流通路47は、両方の側板40に形成されるが、本発明はこれに限定されない。流通路47は、両方の側板40に形成されず、一方の側板40のみに形成されてもよい。
(a)上記実施の形態において、流通路47は、両方の側板40に形成されるが、本発明はこれに限定されない。流通路47は、両方の側板40に形成されず、一方の側板40のみに形成されてもよい。
(b)上記実施の形態において、流通路47は、側板40に形成されるが、本発明はこれに限定されない。駆動歯車20および従動歯車30の側方に側板40とは異なるカバー部材が設けられる場合には、流通路47は、当該カバー部材に形成されてもよい。
また、歯車ポンプ100が側板40を有さない場合には、流通路47は、駆動歯車20および従動歯車30に対向するケーシング10の内面の部分に形成されてもよい。この場合、部品点数を増加させることなく閉じ込み領域10Cに閉じ込められた作動流体を収容空間V1,V2に導くことができる。この例においては、リアケーシング11およびフロントケーシング12がカバー部材となる。
(6)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
上記実施の形態においては、側面20a,30a,20b,30bがそれぞれ第1~第4の側面の例である。一方の側板40またはリアケーシング11が第1のカバー部材の例であり、他方の側板40またはフロントケーシング12が第2のカバー部材の例である。一対の駆動軸21がそれぞれ第1および第2の駆動軸の例であり、一対の従動軸31がそれぞれ第1および第2の従動軸の例である。
上記実施の形態においては、側面20a,30a,20b,30bがそれぞれ第1~第4の側面の例である。一方の側板40またはリアケーシング11が第1のカバー部材の例であり、他方の側板40またはフロントケーシング12が第2のカバー部材の例である。一対の駆動軸21がそれぞれ第1および第2の駆動軸の例であり、一対の従動軸31がそれぞれ第1および第2の従動軸の例である。
一方の側板40における収容空間V1、収容空間V2および流通路47がそれぞれ第1の収容空間、第2の収容空間および第1の通流路の例である。他方の側板40における収容空間V1、収容空間V2および流通路47がそれぞれ第3の収容空間、第4の収容空間および第2の通流路の例である。
Claims (8)
- 第1の側面を有する駆動歯車と、
第2の側面を有し、前記駆動歯車と噛み合うように設けられる従動歯車と、
前記駆動歯車の前記第1の側面と前記従動歯車の前記第2の側面とに対向する第1のカバー部材とを備え、
前記駆動歯車と前記従動歯車との間には、作動流体を閉じ込める閉じ込み領域が形成され、
前記駆動歯車の前記第1の側面には、第1の駆動軸が接続され、
前記従動歯車の前記第2の側面には、第1の従動軸が接続され、
前記第1のカバー部材には、前記第1の駆動軸を収容する第1の収容空間と、前記第1の従動軸を収容する第2の収容空間と、前記閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体を前記第1および第2の収容空間の少なくとも一方に導く第1の流通路とが形成される、歯車ポンプまたは歯車モータ。 - 前記第1の流通路は、前記閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体を前記第2の収容空間に導くように形成される、請求項1記載の歯車ポンプまたは歯車モータ。
- 前記第1の流通路は、前記閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体を前記第1および第2の収容空間の両方に導くように形成される、請求項1記載の歯車ポンプまたは歯車モータ。
- 前記駆動歯車、前記従動歯車および前記第1のカバー部材を収容するケーシングをさらに備え、
前記第1のカバー部材は、前記駆動歯車の前記第1の側面および前記従動歯車の第2の側面と、前記ケーシングの内面との間に配置された側板である、請求項1~3のいずれか一項に記載の歯車ポンプまたは歯車モータ。 - 前記駆動歯車、前記従動歯車および前記第1のカバー部材を収容するケーシングをさらに備え、
前記第1のカバー部材は、前記駆動歯車の前記第1の側面と前記従動歯車の第2の側面とに対向する前記ケーシングの内面の部分である、請求項1~3のいずれか一項に記載の歯車ポンプまたは歯車モータ。 - 前記第1の流通路は、前記第1のカバー部材における前記駆動歯車の前記第1の側面と前記従動歯車の前記第2の側面とに対向する面に形成された溝部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の歯車ポンプまたは歯車モータ。
- 前記第1の流通路は、前記第1のカバー部材の内部を通して前記閉じ込み領域と前記第1および第2の収容空間の少なくとも一方とを接続する孔部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の歯車ポンプまたは歯車モータ。
- 前記駆動歯車の前記第1の側面とは反対側の第3の側面と前記従動歯車の前記第2の側面とは反対側の第4の側面とに対向する第2のカバー部材をさらに備え、
前記駆動歯車の前記第3の側面には、第2の駆動軸が接続され、
前記従動歯車の前記第4の側面には、第2の従動軸が接続され、
前記第2のカバー部材には、前記第2の駆動軸を収容する第3の収容空間と、前記第2の従動軸を収容する第4の収容空間と、前記閉じ込み領域内に閉じ込められた作動流体を前記第3および第4の収容空間の少なくとも一方に導く第2の流通路とが形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の歯車ポンプまたは歯車モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2019/010336 WO2020183661A1 (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 歯車ポンプまたは歯車モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2019/010336 WO2020183661A1 (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 歯車ポンプまたは歯車モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
WO2020183661A1 true WO2020183661A1 (ja) | 2020-09-17 |
Family
ID=72426377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
PCT/JP2019/010336 WO2020183661A1 (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 歯車ポンプまたは歯車モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
WO (1) | WO2020183661A1 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10122161A (ja) * | 1996-10-17 | 1998-05-12 | Koyo Seiko Co Ltd | ギアポンプ |
JP2006266090A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-10-05 | Shimadzu Corp | 歯車ポンプまたはモータ |
-
2019
- 2019-03-13 WO PCT/JP2019/010336 patent/WO2020183661A1/ja active Application Filing
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH10122161A (ja) * | 1996-10-17 | 1998-05-12 | Koyo Seiko Co Ltd | ギアポンプ |
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