WO2020153389A1 - 永久磁石装置、及び磁場発生装置 - Google Patents

永久磁石装置、及び磁場発生装置 Download PDF

Info

Publication number
WO2020153389A1
WO2020153389A1 PCT/JP2020/002054 JP2020002054W WO2020153389A1 WO 2020153389 A1 WO2020153389 A1 WO 2020153389A1 JP 2020002054 W JP2020002054 W JP 2020002054W WO 2020153389 A1 WO2020153389 A1 WO 2020153389A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
permanent magnet
magnetic field
magnet
pieces
piece
Prior art date
Application number
PCT/JP2020/002054
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
和久田 毅
千葉 知雄
篤 堀越
義治 森
Original Assignee
株式会社日立製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社日立製作所 filed Critical 株式会社日立製作所
Priority to JP2020568179A priority Critical patent/JP7170068B2/ja
Publication of WO2020153389A1 publication Critical patent/WO2020153389A1/ja

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F7/00Magnets
    • H01F7/02Permanent magnets [PM]
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H7/00Details of devices of the types covered by groups H05H9/00, H05H11/00, H05H13/00
    • H05H7/04Magnet systems, e.g. undulators, wigglers; Energisation thereof

Definitions

  • Equation 1 The normal component of the nth-order multipole expansion magnetic field at the magnetic field evaluation position (r, ⁇ ) is expressed by Equation 1, and the skew component is expressed by Equation 2.
  • FIG. 12 is a table in which the rotation angle is calculated in consideration of the variation of the permanent magnet pieces in the first row of the permanent magnet two-row configuration
  • FIG. 13 is the table of FIG. 13 showing the variation of the permanent magnet pieces in the second row of the permanent magnet two-row configuration. It is the table which calculated the rotation angle which considered.
  • the permanent magnet 2 a samarium-cobalt magnet is used, and the intensity of its magnetization (residual magnetization) is randomly set from 1.0 [T] to 1.1 [T] from the catalog value.
  • the calculation was performed using the permanent magnet piece 2 having a diameter of 18 mm, but the permanent magnet piece 2 is generally 5 mm to 30 mm in diameter and 10 mm to 50 mm in length.
  • the diameter of the permanent magnet piece 2 may be appropriately selected depending on the size of the magnetic field evaluation space 1 and the size of the magnet module 6. In particular, since the number of the permanent magnet pieces 2 in the circumferential direction corresponds to the periodic magnetic field distribution, the diameter of the permanent magnet pieces 2 should be selected so that the number of angle divisions exceeds 32.
  • the magnetic field generation device 20 needs to be assembled after each of the magnet modules 6 has a magnetic field formed with high accuracy.
  • the magnet modules 11 and 12 are configured such that the direction of magnetization is 3 ⁇ with respect to the phase angle ⁇ , as in the above embodiment. Further, the magnet module 11 (FIG. 19) is rotated right by the rotation angle ⁇ , and the magnet module 12 (FIG. 18) is rotated left by the rotation angle ⁇ .
  • the four guide rollers 21 rotatably hold the laminated magnet modules 6 while preventing positional deviation.
  • the plurality of links 22 (22a, 22b) are provided for each magnet module 6. One end of the link 22 is attached to the peripheral surface of the magnet module 6, and the nut 27 is rotatably attached to the other end.
  • the link 22a is attached to the magnet module 6a, and the link 22b is attached to the magnet module 6b adjacent to the magnet module 6a.
  • the magnet rotation lever 24 moves all the rotation fine adjustment shafts 23 up and down. As a result, the links 22a and 22b move up and down, so that the magnet modules 6a and 6b are rotated in opposite directions from the initial reference position. As a result, the magnet rotation lever 24 can make the normal component have a desired strength.
  • the fixing screws 25 and 26 fix the positions of the magnet modules 6a and 6b after the magnetic field is adjusted.

Abstract

同一形状の複数の永久磁石片(2)が円柱状の磁場評価空間(1)を取り囲むように配置されたことを特徴とする永久磁石装置(6)であって、永久磁石片(2)の磁化方向は、永久磁石片(2)の環状配列の周方向成分を有している。永久磁石片(2)の磁化方向は、基準となる一の永久磁石片(2)と円柱中心軸Oとを結ぶ基準線(x軸)と他の永久磁石片、及び円柱中心軸を結ぶ線分との成す角φの(n+2)倍の角度を修正した方向であり、修正角は、複数の永久磁石片の磁化のばらつきによる磁場分布を修正する角度に設定されている。

Description

永久磁石装置、及び磁場発生装置
 本発明は、永久磁石装置、及び磁場発生装置に関し、例えば、ビーム輸送を対象とした高精度の磁場を発生させる永久磁石装置、及び磁場発生装置に関する。
 高エネルギー物理実験用の加速器、X線光源、医療用粒子線治療装置などでビーム(加速された荷電粒子)が利用されている。発生源で叩き出された荷電粒子は、線形加速器、円形加速器などで所定エネルギーまで加速される。その加速されたビームが実験や治療で利用されている。ビームの利用には、エネルギーが散逸しないようにビームを収斂させて輸送することが必要であり、そのためにさまざまな磁場(分布)が使用されている。
 このようなビームを利用する装置には、さまざまな磁石が使われており、例えば、ビームを曲げるプリズムの役割をする偏向磁石(二極磁石)、ビームを収束する役割を行う四極磁石、ビームの色収差を補正する六極磁石などが使用されている。これらの磁石を正しく機能させるためには、所定の磁場空間分布を高精度に形成することが必須であり、またその形成された磁場分布が時間的に安定であることが必要である。磁場分布の精度や磁場強度の制御性の観点から、これらの磁石は電磁石が採用されている(特許文献1参照)。
 磁場強度が強いほど、ビームに対する作用力は大きいため、装置全体としてのサイズを小さく抑えることができる。電磁石としては特に強い磁場強度や強い空間磁場勾配が必要となる用途では、超電導磁石が利用されるが、それ以外では鉄心を有する常電導の電磁石(銅コイル)が使われている。
特開2017-167012号公報
 しかしながら、超電導磁石は、直流電気抵抗がゼロのため損失は発生しないものの、超電導状態に維持しておくための運用コストがかかり、クエンチリスクもある。一方、常電導の電磁石では、超電導磁石のような運転上のデメリットはないが、逆に通電によるロス(ジュール損)が大きな課題となる。ビーム輸送用の磁石として、近年省エネの観点から永久磁石の利用が検討されている。
 本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、永久磁石片のみで所定の磁場分布を形成することができる永久磁石装置及び磁場発生装置を提供することを目的とする。
 前記目的を達成するために、本発明の永久磁石装置は、同一形状の複数の永久磁石片(2)が円柱状の磁場評価空間(1)を取り囲む様に配置されたことを特徴とする永久磁石装置(6)であって、前記永久磁石片の磁化方向は、前記永久磁石片の環状配列の周方向成分を有していることを特徴とする。なお、括弧内の符号や文字は、実施形態において付した符号等であって、本発明を限定するものではない。
 本発明によれば、磁化方向は永久磁石片の環状配列の周方向成分を有しているので、永久磁石片のみで所定の磁場分布を形成することができる。また、基準となる位置の永久磁石片と円柱状の空間の中心軸(O)とを結ぶ基準線(x軸)と他の永久磁石片、及び円柱中心軸を結ぶ線分との成す角(φ)の(n+2)倍の角度に対して、永久磁石片の磁極の方向を修正することにより、永久磁石片の着磁のバラツキの磁場分布への影響を低減することができる。また、複数の永久磁石装置を積層し、互い違いに回転方向を変えることにより、スキュー成分を打ち消すことができ、回転角に応じて、ノーマル成分の磁場強度を可変することができる。
本発明の永久磁石装置の基本構成を示す模式図である。 永久磁石装置で使用される永久磁石片の磁化の方向を示す模式図である。 永久磁石装置が発生する磁場を評価する評価点と磁場発生源との位置関係を説明する説明図である。 ノーマル4極磁場の磁力線の形状を示す図である。 スキュー4極磁場の磁力線の形状を示す図である。 ノーマル6極磁場の磁力線の形状を示す図である。 スキュー6極磁場の磁力線の形状を示す図である。 4極磁場を形成する場合の永久磁石片の磁化配置を示す模式図である。 6極磁場を形成する場合の永久磁石片の磁化配置を示す模式図である。 永久磁石1列構成における永久磁石片の磁化バラツキを考慮した回転角度を計算した表である。 永久磁石1列構成での不正磁場抑制を説明する説明図(1)である。 永久磁石1列構成での不正磁場抑制を説明する説明図(2)である。 永久磁石1列構成での不正磁場抑制を説明する説明図(3)である。 永久磁石2列構成の1列目における永久磁石片のバラツキを考慮した回転角度を計算した表である。 永久磁石2列構成の2列目における永久磁石片のバラツキを考慮した回転角度を計算した表である。 永久磁石2列配置での不正磁場抑制ができることを示した説明図(1)である。 永久磁石2列配置での不正磁場抑制ができることを示した説明図(2)である。 永久磁石2列配置での不正磁場抑制ができることを示した説明図(3)である。 本発明の第1実施形態の永久磁石装置を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態の永久磁石装置の磁場分布を補正するための補正方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態である磁場発生装置の断面を示す図である。 本発明の第2実施形態である磁場発生装置で使用される他の永久磁石装置の磁化方向と装置回転方向(正方向)を示す模式図である。 本発明の第2実施形態である磁場発生装置で使用される他の永久磁石装置の磁化方向と装置回転方向(逆方向)を示す模式図である。 本発明の第3実施形態である磁場発生装置の磁石回転機構を説明する斜視図である。
 以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
(基本構成)
 図1は、本発明の永久磁石装置の基本構成を示す模式図である。
 永久磁石装置としての磁気モジュール6は、同一形状の複数の永久磁石片2が円柱状の磁場評価空間1を取り囲むように配設されたものである。つまり、磁石モジュール6は、同一形状の複数の永久磁石片2が円環状に等間隔に配列されたものである。円柱状の磁場評価空間1の中心軸(円柱中心軸O)は、複数の永久磁石片2が配列された円環の中心軸に一致する。それぞれの永久磁石片2は、後記する所定の磁場分布を形成するように配設されている。なお、円柱状の磁場評価空間1の外周面は、円環状に配列された複数の永久磁石片2の内周面から離間している。
 永久磁石片2は、回転体(例えば、円柱)であり、その回転軸3が円柱中心軸Oに平行になるように配設されている。永久磁石片2は、希土類元素を含む原料粉末を加圧成形し焼結、研削により形状を整えた後に着磁が行われたものである。永久磁石片2は、円柱であることがもっとも自然な実装形態であるが、永久磁石を固定するために穴があけられた固定用プレートに圧入、固定に有利なように若干テーパをつけた円錐台形状であっても構わない。
 磁石モジュール6は、複数層(例えば、2層)に、同心円状に配列されており、永久磁石片2の最密状態が好ましい。つまり、外層の永久磁石片2は、内層の隣接する永久磁石片2,2の中間近傍に配設されている。なお、図1は、2列構成であるが、3列(図8,9)や8列(図15)のように、より多層にしても構わない。
 図2は、永久磁石装置で使用される永久磁石片の磁化の方向を示す模式図である。
 永久磁石片2の着磁方向は、永久磁石片2の回転軸3に対して垂直な面内に有する(横磁化)。そのため、永久磁石片2を回転軸3を中心に回転させることにより、磁場評価空間1(図1)に発生する磁場強度を連続的に変化させることが可能となる。
 永久磁石片2は、磁場評価空間1の円柱中心軸Oを中心として同心円状に配設される。磁場形成のしやすさから、その同心円状に配置される永久磁石片2の間隔は等間隔であることが好ましい。同心円内に配設される永久磁石片2の個数により、円柱中心軸Oに対して周方向の磁場の変化ピッチが影響を受けるため、永久磁石片2の設置個数は、一つの同心円あたり32個以上とすることが好ましい。
 永久磁石片2は、なるべく残留磁束密度の高い永久磁石を使いことが好ましく、例えば、ネオジム磁石などが好ましい。一方、高温領域では、減磁により残留磁束密度が低下するおそれがあるから、このような領域ではサマリウムコバルト磁石を使うことが必要になる。両者を組み合わせることにより、長期減磁がなく磁場強度の高い磁石モジュール6(図1)を提供することができる。
 ビーム輸送に用いられる2極、4極、6極磁場は、磁場評価空間の中心軸に対し同心円状に配置される永久磁石片2の磁化の向きを適切に配置することにより形成可能である。永久磁石片2の磁化の大きさが一定であれば、数学的に理想的な磁石配置(磁化の配置向き)が決定される。しかし、永久磁石片2には、着磁のばらつきがあるために、その理想的配置では不正磁場が発生することになる。そこで、予め、永久磁石の磁化の大きさを計測しておき、磁化方向(永久磁石の向き)の最適化計算を行う。これにより、永久磁石片6の磁化の方向を調整しながら、高精度の磁場分布を形成可能な磁石モジュール6を製作することができる。
 また、高精度に磁場が形成された磁石モジュール6を積層して磁石を構成することにより任意の長さの高精度な磁石を構成することが可能である。また、磁石モジュール6を積層して、回転可能に構成することによって、磁場の強度を変化させることも可能である。
 例えば、積層する磁石モジュール6から不要な磁場成分が発生しないように高精度に磁場を形成しておき、隣接する磁石モジュール6の回転方向を互いに逆向きとしその回転量を等しくすることにより、不要磁場成分がビーム輸送に影響を与えることを抑制しながら所望の磁場強度を変化させることが可能である。
(多極磁場発生のための磁化配置法)
 本発明の磁場発生装置は、ビーム輸送のために必要な磁場を形成し、その磁場は磁場分布の形状によって、2極磁場、4極磁場、6極磁場などと呼ばれる。
 図3は、永久磁石装置が発生する磁場を評価する評価点と磁場発生源との位置関係を説明する説明図である。円柱中心軸Oを基準にx座標及びy座標を定義したときに、磁場評価空間1の位置(磁場評価位置)は、円柱中心軸Oから距離r=√(x+y)、x座標の軸(基準線)からの角度θで規定される。また、任意の永久磁石片2は、x座標の軸(基準線)から位相角φ、円柱中心軸Oからの距離fの位置に配設されているものとする。また、永久磁石片2の磁気モーメントMは、x軸方向成分M、y軸方向成分Mで表現されるものとする。
 磁場評価位置(r,θ)でのn次の多極展開磁場のノーマル成分は、数1で表現され、スキュー成分は、数2で表現される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 次数n(正の整数)は、中心からの磁場評価位置までの距離rに対する磁場分布の変化の仕方を記述するもので、次数n=0の場合が距離によらない一定磁場で2極磁場を意味し、次数n=1の場合が距離に対し線形に磁場強度が変わる4極磁場を意味し、次数n=2の場合が距離に対し自乗で磁場強度が変わる6極磁場を意味している。次数nの磁場は、2(n+1)極磁場と呼ばれるが、それはその形状の磁場分布を生成するために、2(n+1)極の磁石が必要であることに由来している。
 ビームの輸送には、通常、ノーマル成分の磁場(2極、4極など)が利用される。ノーマル成分は、磁場評価位置θに対し磁場強度がsin(n+1)θで変化する磁場であり(数1参照)、スキュー成分は、磁場評価位置θに対し磁場強度がcos(n+1)θで変化する磁場である(数2参照)。なお、後記するように、スキュー成分は、磁石モジュール6を積層し、互いに逆方向に回転することにより、打ち消される成分である。
 具体的に、図4は、ノーマル4極磁場の磁力線の形状を示す図であり、図5は、スキュー4極磁場の磁力線の形状を示す図である。また、図6は、ノーマル6極磁場の磁力線の形状を示す図であり、図7は、スキュー6極磁場の磁力線の形状を示す図である。
 図4-6から分かるように、ノーマル成分磁場とスキュー成分磁場とは、90/(n+1)度だけ回転した形となっている。
 無限長磁気モーメントが原点回りに、等距離、等間隔で配置される場合、2(n+1)極磁場のノーマル成分のみを生成するためには、磁気モーメントがM=(M sin((n+2)φ),-M cos ((n+2)φ))となるように配設させられればよい。
 言い換えれば、永久磁石片2によって、2(n+1)極磁場を生成するためには、永久磁石片2の位相角φに応じて、永久磁石片2を-y軸から(n+2)φだけ、回転して配設すればよい。
 図8は、4極磁場を形成する場合の永久磁石片の磁化配置を示す模式図であり、図9は、6極磁場を形成する場合の永久磁石片の磁化配置を示す模式図である。
 図8の4極磁場(n=1)では、永久磁石片2の位相角φのとき、永久磁石片2の磁化の方向は-y軸から3φである。図9の6極磁場(n=2)では、永久磁石片2の位相角φのとき、永久磁石片2の磁化の方向は-y軸から4φである。つまり、各々の永久磁石片2は、複数の永久磁石片2の断面視環状の配列(環状配列)の周方向成分(接線方向成分)を有するように配設されている。
(不正磁場の発生)
 磁石モジュール6は、永久磁石片2の磁化が理想的に配置されている場合には、不正磁場(不要な多極成分磁場)は発生しない。しかしながら、永久磁石片2には、一般に着磁のばらつき(残留磁束密度のばらつき)が7%から10%程度存在している。このため、磁石モジュール6は、2(n+1)極磁場を発生させるために単に、永久磁石片2を(n+2)φ回転させて配置するだけでは、2(n+1)極磁場以外の不正磁場が発生してしまう。
 また、たとえ同一ロットの永久磁石片2で残留磁束密度が仮に完全に等しく不正磁場が発生しない場合であっても、その発生すべき2(n+1)極磁場の強度は、磁石モジュール間でばらつきが生じてしまう。
(不正磁場の補償)
 永久磁石装置としての磁石モジュール6は、多数の回転体である永久磁石片2から構成されており、その永久磁石片2は回転方向の配置自由度を有している。(1)式、(2)式から分かるように、磁化の大きさ(絶対値)は同じであっても、回転させて角度方向の磁化の成分(円筒形状の接線方向成分)を変化させることにより、展開磁場の強度は変化する。少なくとも永久磁石片2の個数分だけ磁場調整の自由度を有しているので、その個数の多極磁場成分に対して磁場補償ができることになる。
 本実施例の磁石モジュール6aは、磁石1列構成とし、直径18mmの円柱状の永久磁石片2を円柱中心軸Oからの距離f=133mmところに等間隔に39個配置したものである。つまり、磁石モジュール6a(図示せず)は、図1の磁石モジュール6において、1列構成とし、39個の永久磁石片2を円形に配設したものである。
 図10は、永久磁石1列構成における永久磁石片の磁化バラツキを考慮した回転角度を計算した表である。この表は、縦方向に「磁石No」1~39を付し、横方向に、「磁石位相φ[度]」、「位置x[mm]」、「位置y[mm]」、「磁化[T]」、「磁化方向3φ[度]」、「回転δθ[度]」を演算したものである。
 ここで、永久磁石片2は、サマリウムコバルト磁石を用い、カタログ値からその磁化(残留磁化)の強度を1.0[T]から1.1[T]の間でランダムに設定している。「回転δθ[度]」は、4極磁石の磁化配置で評価し、4極ノーマル成分磁場以外の多極磁場が100[ppm]以下になるように、永久磁石片2の設置角度の微調整を試みて算出した、磁化方向3φからの修正角である。また、多極展開磁場は、円柱中心軸Oからの距離r=100mmにおける値で評価している。
 図11A,図11B,図11Cは、永久磁石片1列構成での不正磁場抑制を説明する説明図である。横軸は、各次数のノーマル成分又はスキュー成分である。縦軸は、回転角修正前後での不正磁場強度比(ppm)である。
 100ppm以下になるような永久磁石を探索したが、解がみつからないために、19次~24次において100ppmを超える成分が残っている。しかしながら、永久磁石片2の個数は39個、つまり、調整自由度は39であるので、19次~20次の成分までは原理的には調整が効いている。
 本実施例の磁石モジュール6bは、磁石2列構成とし、直径18mmの円柱状の永久磁石片2を円柱中心軸Oからの距離f=133mmのところに等間隔に39個配置し、距離f=154mmのところに等間隔に46個配置したものである。つまり、磁石モジュール6b(図示せず)は、図1の磁石モジュール6と同様の2列構成において、第一列に39個の永久磁石片2を円形に配設し、第2列に46個の永久磁石片2を同心円状に配設したものである。
 図12は、永久磁石2列構成の1列目における永久磁石片のバラツキを考慮した回転角度を計算した表であり、図13は、永久磁石2列構成の2列目における永久磁石片のバラツキを考慮した回転角度を計算した表である。ここで、永久磁石2は、サマリウムコバルト磁石を用い、カタログ値からその磁化(残留磁化)の強度を1.0[T]から1.1[T]の間でランダムに設定している。回転δθ[度]は、4極磁石の磁化配置で評価し、4極ノーマル成分磁場以外の多極磁場が100[ppm]以下になるように、永久磁石片2の設置角度の微調整を試みて算出した。また、多極展開磁場は、円柱中心軸Oからの距離r=100mmにおける値で評価している。
 多極磁場成分100ppm以下を目指すように、回転角度の最適化を試みた。永久磁石片2の個数は85個であり、調整の自由度が85と多く、1列構成に比べて、調整自由度が大きい。このため、1次~19次において、多極磁場が100[ppm]以下とする解を見つけることができた。
 図14A,図14B,図14Cは、永久磁石2列配置での不正磁場抑制ができることを示した説明図である。
 20次~34次の高次の不正磁場をゼロにするためには、多数の永久磁石片2を回転させる必要がある。しかしながら、高次の不整磁場に対する永久磁石の感度は小さい。そのため、高次の不整磁場を小さくするよりも、低次の磁場を小さくする方が容易である。多極成分の残差が最小化されるような永久磁石配置を探す最適化(100ppm以下となる範囲で高次の多極磁場を発生させて、多極磁場の合計値トータルを小さくする磁石配置)により、低い次数(1次~19次)の不整磁場がゼロになっている。
 (磁石の実装)
 図15は、本発明の第1実施形態の永久磁石装置を示す斜視図である。
 磁石モジュール6は、複数の永久磁石片2と、保持プレート4と、バックヨーク5とから構成されている。複数の永久磁石片2は、前記したように、複数列に亘って同心円状に配設されている。保持プレート4は、円柱形状の永久磁石片2が圧入や嵌入により嵌合する穴や貫通孔4aが複数形成されている。保持プレート4は、アルミやステンレスなどの非磁性金属である。永久磁石片2が円柱形状であり、貫通孔4aが円形であるので、永久磁石片2は、穴や貫通孔4aに所定の回転角で嵌合する。なお、永久磁石片2は、貫通孔4aに嵌入されなくても、所定角度で挿通後、接着しても構わない。
 バックヨーク5は、保持プレート4の外周に配設される鉄製の磁気シールドである。バックヨーク5は、漏洩磁場を低減したり、磁場評価空間1の磁場を増強したりする。なお、保持プレート4は、複数の溝を形成しておき、その溝に永久磁石片2を接着で固定しても構わない。また、永久磁石片2は、圧入・固定のしやすさを考え、僅かにテーパが形成された円錐台のような形状も有効である。
 ところで、実施例1,2では、直径18mmの永久磁石片2で演算したが、永久磁石片2は、一般に、直径5mm~30mm、長さ10mm~50mmである。永久磁石片2の直径は、磁場評価空間1の大きさや磁石モジュール6の大きさに応じて、適切に選択すれば構わない。特に、周方向の永久磁石片2の個数は、周期的磁場分布と対応するので、角度分割数が32を超えるように、永久磁石片2の直径を選択するべきである。
 また、永久磁石片2の材料は、特に、指定されるものではないが、サマリウムコバルト磁石やネオジム磁石などの残留磁束密度(Br)が高い磁石が好ましい。また、ビームロスなどにより、磁石の温度が上昇することが想定される場合には、保持力の大きなサマリウムコバルト磁石を使うのが好適である。また、減磁の影響が無視できる場合には、残留磁束密度(Br)の大きなネオジム磁石を使うのが好ましい。
(永久磁石片2の配設手順)
 永久磁石片2は、保持プレート4にロボットにより配設される。永久磁石片2の磁化は、設置前や設置時に計測され、磁化強度の情報を元に配置最適化プログラム(図示せず)により、2(n+1)極磁場を形成するときの設置位置(f,φ)と回転角度[(n+2)φ]が決定される。所望の任意の磁場分布が生成されるようにプログラムを構成することが可能であるから、同一の手段、手法、磁石を用いて任意の磁場を生成することが可能である。
 4極磁場(n=1)を発生させるためには、基本的な永久磁石片2の回転配置は3φ配置をベースとするものになり、6極磁場(n=2)の場合には、4φ配置をベースとするものになる。任意磁場が構成可能であるから、2極磁場と4極磁場との双方を発生させる機能結合型の磁石も構成することが可能である。
 図16は、本発明の第1実施形態の永久磁石装置の磁場分布を補正するための補正方法を説明するためのフローチャートである。このルーチンは、永久磁石装置としての磁石モジュール6を製作するときに、作業者又は製造装置が実行する。
 まず、全ての永久磁石片2の磁化が計測され、そのデータが計算機に保存される(S1)。次に、計算機によって、目標磁場分布を発生させる最適配置が計算され、最内層からn列まで永久磁石片2が配置される(S2)。S2の後、磁場分布が計測され、目標値からのずれが評価される(S3)。S3の後、S3の評価に基づいて、所定の磁場分布になったか否か判定する(S4)。所定の磁場分布になっていないと判定されたら(S4でNo)、目標磁場分布からのずれを補償する永久磁石片2の配置(例えば、回転角)が計算される(S5)。S5の後、m列分の永久磁石片2が追加で配設される(S6)。例えば、m=1のとき、(n+1)列目(図15参照)に永久磁石片2が追加される。S6の後、処理をS3に戻し、磁場分布が再計算され、目標値からのずれが評価される(S3)。S3の後、所定の磁場分布になっていたら(S4でYes)、処理を終了する。
 以上説明したように、本実施形態の磁石モジュール6は、複数の永久磁石片2によって、構成されている。また、磁石モジュール6は、永久磁石片2の着磁にバラツキがあっても、永久磁石片2を適切に回転させることにより、所定の磁場分布を発生させることができる。つまり、本実施形態の磁石モジュール6は、以下の問題点が解消される。
 永久磁石片2は、製造上及び着磁の制約から、大型の永久磁石を製造することは困難であり、大空間を有する磁石装置を実現するためには、多数の小型の永久磁石を組み合わせて構成する必要がある。一つのブロックとして形成可能な永久磁石の大きさは数十mm立方程度であり、所定の磁場を発生させる磁石体とするために、特殊な形状に整形された磁石にそれぞれの磁石に対して適切な方向に着磁する必要がある。
 また、ビームに対して所定の作用をするように、磁場空間分布が形成される必要がある。所望の磁場分布に対し、1/1000から1/10000程度の磁場ひずみしか許容されない。しかしながら、永久磁石の着磁(残留磁束密度)は、7から10パーセント程度のばらつきがあり、このばらつきは、磁場歪みの許容値に対して、桁違いに大きい。このため、永久磁石を用いて所定の磁場分布を形成するためには磁場補正手段が必要となる。しかしながら、磁石モジュール6は、永久磁石片2を回転調整することにより、所定の磁場分布を発生させることができる。
 一般に、ビーム調整のために発生磁場強度を調整する必要がある。電磁石の発生磁場強度は、通電電流の変化によって、容易に変化させることができるが、永久磁石の発生磁場強度は、固定されているので、調整困難である。しかしながら、磁石モジュール6は、円柱中心軸Oを中心に回転させることにより、適切な磁場強度を発生させることができる。
(第2実施形態:磁場発生装置)
 このように構成された磁石モジュール6の厚さは、永久磁石片2の長さで制限されてしまう。このため、軸長の長い磁場発生装置を構成する場合には、必要長さの分だけ磁石モジュール6を積層する。
 図17は、本発明の第2実施形態である磁場発生装置の断面を示す図である。
 磁場発生装置20は、積層された複数の磁石モジュール6(6a,6b)と、磁石回転機構16と、ビームダクト13と、磁石端部磁気シールド15と、ケース14とを備えて構成される。
 磁石モジュール6(6a,6b)は、精密な磁場分布が得られるように構成されている。このため、積層された複数の磁石モジュール6は、軸長の長い高精度に制御された磁場空間を発生させる。磁石回転機構16は、磁石モジュール6(6a)を1枚毎に正方向に回転させ、隣接する他の磁石モジュール6(6b)を逆方向に同一角度回転させるリンク機構である。つまり、複数の磁石モジュール6,6,・・・は、正方向に回転する磁石モジュール6aと、逆方向に同一角度回転する磁石モジュール6bとが交互に積層されて構成されている。
 ビームダクト13は、複数の磁石モジュール6,6,・・・の円柱状の空洞(磁場評価空間1)に配設され、ビームを通過させるダクトである。
磁石端部磁気シールド15は、隣接する装置やビームに影響を与えないようにするための鉄製シールドである。なお、前記したように、磁石モジュール6は、外周部にバックヨーク5が設けられている。
(磁場強度可変)
 磁石モジュール6(6a,6b)は、例えば、四極磁石として所望の磁場(この場合にはノーマル四極磁場のみ)を形成するように構成されている。磁石回転機構16は、正立した状態から磁石モジュール6aを右回りに回転させ、磁石モジュール6bを左回りに回転させる。
 磁石回転機構16が磁石モジュール6(6a,6b)をθだけ回転させると、それぞれの磁石モジュール6a,6bが発生するノーマル4極磁場強度もcosθ倍にさせられる。したがって、磁石モジュール6が積層された磁石全体としての発生磁場強度も、同様にcosθ倍となり、磁場強度が変化させられる。しかしながら、単純に磁石モジュール6を回転させるだけでは、回転に伴ってビーム輸送に不要なスキュー成分の4極磁場が元のノーマル4極磁場のsinθ倍の大きさで発生してしまう。
 そこで、隣接する磁石モジュール6a,6bを互い違いに逆方向に同一角度、回転させることにする。回転角度はθ、-θ、θ、-θのようになるが、cos(-θ)=cosθに対して、sin(-θ)=-sinθであるから、積層された磁石モジュール6a,6bではノーマル成分は同様にcosθ倍で強度が変化するのに対して、スキュー成分は打ち消し合うこととなる。
 また、磁石モジュール6の開口に比べて磁石モジュール6の厚さが1/10程度となるように磁石を構成すれば、スキュー成分を十分にキャンセルできる。厚さがそうでなくとも一般にビーム輸送には積分磁場が重要なので問題にならないが、短いピッチでスキュー成分磁場を積分量としてキャンセルすることが好ましい。
 磁石の強度を変更してもビーム輸送に有害な誤差磁場が発生しないのは、磁場発生装置20が高精度に磁場が形成された磁石モジュール6(それ単体が不要な磁場を発生していない)の組合せだからである。したがって、磁場発生装置20は、磁石モジュール6の各々が高精度に磁場が形成された後に、組み立てられる必要がある。
(第2実施形態の変形例)
 フラックスのループがオープンになっている単体の磁石モジュール6の場合には、外周に設けたバックヨーク5は有効である。しかしながら、第2実施形態の磁場発生装置20は、ハルバッハ配置なので外側に鉄製のバックヨーク5をつけても発生磁場はそれほど増強されない。なお、磁石が積層された磁場発生装置20でも、バックヨーク5は、外部に磁場を漏らさないシールドとしての役割をする。
 図18は、本発明の第2実施形態である磁場発生装置で使用される他の永久磁石装置の磁化方向と装置回転方向(正方向)を示す模式図であり、図19は、本発明の第2実施形態である磁場発生装置で使用される他の永久磁石装置の磁化方向と装置回転方向(逆方向)を示す模式図である。
 永久磁石装置としての磁石モジュール11,12は、複数(例えば、48枚)の略台形状の永久磁石片17,17,・・・が隣接接合して構成される。台形は、平行な対辺(底辺)と非平行な対辺(脚)とを備えたものである。つまり、磁石モジュール11,12は、永久磁石片17の脚部17aが隣接する永久磁石片17の脚部17aに接合されて構成されている。
 磁石モジュール11,12は、前記実施形態と同様に、位相角φに対して、磁化の方向が3φとなるように、構成されている。また、磁石モジュール11(図19)は、回転角γだけ右回転させたものであり、磁石モジュール12(図18)は、回転角γだけ左回転させたものである。
(第3実施形態)
 前記第2実施形態では、複数の磁石モジュール6(6a,6b)が積層された磁場発生装置20について説明し、磁石モジュール6(6a,6b)の回転により、磁場強度を可変すると共に、スキュー成分がキャンセルされることについて説明した。以下、複数の磁石モジュール6,6,・・・を回転させる磁石回転機構16(図17)について説明する。
 図20は、本発明の第3実施形態である磁場発生装置の磁石回転機構を説明する斜視図である。
 磁場発生装置20は、積層された複数の磁石モジュール6,6,・・・と、4本のガイドローラ21と、複数のリンク22と、複数の回転微調整軸23と、磁石回転レバー24と、固定ねじ25,26とを備えて構成される。なお、複数のリンク22と複数の回転微調整軸23と磁石回転レバー24とは磁石回転機構16(図17)を構成する。
 4本のガイドローラ21は、位置ズレを防止しつつ、積層された磁石モジュール6を回転可能に保持する。複数のリンク22(22a,22b)は、磁石モジュール6の一枚ごとに設けられている。リンク22は、一端が磁石モジュール6の周面に取り付けられおり、他端にナット27が回動可能に取り付けられている。リンク22aは、磁石モジュール6aに取り付けられており、リンク22bは、磁石モジュール6aに隣接する磁石モジュール6bに取り付けられている。
 回転微調整軸23は、リンク22aのナット27とリンク22bのナット27とを個別に回転させるように構成されている。このため、ナット27がスライドし、磁石モジュール6a,6bが個別に回転させられる。したがって、回転微調整軸23は、全ての磁石モジュール6a,6bの基準線(x軸)を一致させることができる。つまり、回転微調整軸23は、磁石モジュール6a、6bの初期角度(初期基準線)の微調整を可能とする。また、回転微調整軸23を用いて、積層方向(磁場発生装置20の軸方向)に回転角度分布を付けることが可能である。これにより、磁場発生装置20は、ビーム輸送特性上、磁場強度分布を軸方向に持たせることができる。
 磁石回転レバー24は、全ての回転微調整軸23を上下に移動させるものである。これにより、リンク22a,22bが上下に移動するので、磁石モジュール6a,6bが初期基準位置から互いに逆方向に回転させられる。これにより、磁石回転レバー24は、ノーマル成分を所望の強度にすることができる。固定ねじ25,26は、磁場調整後、磁石モジュール6a、6bの位置を固定するものである。
 (変形例)
 本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記実施形態の磁石モジュール6は、永久磁石片2を回転体である円柱形状にしたが、回転体(円柱、円錐台、回転楕円体等)でなくても、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等のn角柱であっても構わない。つまり、永久磁石片2は、回転軸3に対して回転対称であれば構わない。
(2)本発明の磁場発生装置は、磁場変更可能な任意の磁場分布を生成することが可能であり、特に、ビーム輸送用途の高精度の磁場分布を必要とする磁石用途に最適である。
1 磁場評価空間
2 永久磁石片
3 回転軸
4 保持プレート
5 バックヨーク(環状磁性体)
6,6a,6b 磁石モジュール(永久磁石装置)
11,12 磁石モジュール(永久磁石装置)
16 磁石回転機構
17 永久磁石片
20 磁場発生装置

Claims (14)

  1.  同一形状の複数の永久磁石片が円柱状の磁場評価空間を取り囲む様に配置されたことを特徴とする永久磁石装置であって、
     前記永久磁石片の磁化方向は、前記永久磁石片の環状配列の周方向成分を有している
    ことを特徴とする永久磁石装置。
  2.  複数の前記永久磁石片は、同心円状に多層構造に配列されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石装置。
  3.  複数の前記永久磁石片は、断面視で回転対称の柱状体であり、
     前記回転対称の回転軸の各々は、前記円柱状の磁場評価空間の円柱中心軸に平行である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の永久磁石装置。
  4.  前記永久磁石片の磁化方向は、nを0以上の整数としたとき、基準となる一の前記永久磁石片と前記円柱中心軸とを結ぶ基準線と他の永久磁石片、及び前記円柱中心軸を結ぶ線分との成す角の(n+2)倍の角度を修正した方向であり、
     前記修正した方向の修正角は、前記複数の永久磁石片の磁化のばらつきによる磁場分布を修正する角度に設定されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の永久磁石装置。
  5.  前記永久磁石片は、回転体であり、
     複数の前記回転体を保持する保持プレートをさらに備え、
     複数の前記回転体は、前記修正角を満たした状態で嵌入又は接着されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の永久磁石装置。
  6.  前記永久磁石片は、回転体又は円錐台形状であり、
     複数の前記永久磁石片を保持する保持プレートをさらに備え、
     複数の前記永久磁石片は、前記保持プレートに嵌入されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の永久磁石装置。
  7.  前記保持プレートの外周に形成された環状磁性体をさらに有する
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の永久磁石装置。
  8.  複数の前記永久磁石片は、断面視台形形状であり、前記永久磁石片の一方の脚部と隣接する永久磁石片の他方の脚部とが連接されて、円筒形状に配列されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石装置。
  9.  複数の前記永久磁石片は、前記円柱中心軸に対して垂直な面内で磁化されている
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項7の何れか一項に記載の永久磁石装置。
  10.  請求項4乃至請求項9の何れか一項に記載の永久磁石装置が複数積層されている
    ことを特徴とする磁場発生装置。
  11.  前記永久磁石装置の各々を回転させる磁石回転機構をさらに備える
    ことを特徴とする請求項10に記載の磁場発生装置。
  12.  隣接する前記永久磁石装置は、所定の初期基準位置から互いに逆向きとなるように回転させられる磁石装置ペアを構成する
    ことを特徴とする請求項11に記載の磁場発生装置。
     
  13.  隣接する前記永久磁石装置は、複数の磁石装置ペアを構成し、
     前記磁石装置ペアの各々は、同じ角度で回転させられる永久磁石装置と、該同じ角度で逆方向に回転させられる永久磁石装置とから構成される
    ことを特徴とする請求項12に記載の磁場発生装置。
  14.  磁場発生装置の軸方向に発生磁場強度分布を持つように、前記複数の磁石装置ペアは、積層方向に回転角度分布をつけられている
    ことを特徴とする請求項13に記載の磁場発生装置。
PCT/JP2020/002054 2019-01-23 2020-01-22 永久磁石装置、及び磁場発生装置 WO2020153389A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020568179A JP7170068B2 (ja) 2019-01-23 2020-01-22 永久磁石装置、及び磁場発生装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019009694 2019-01-23
JP2019-009694 2019-01-23

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2020153389A1 true WO2020153389A1 (ja) 2020-07-30

Family

ID=71736425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2020/002054 WO2020153389A1 (ja) 2019-01-23 2020-01-22 永久磁石装置、及び磁場発生装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7170068B2 (ja)
WO (1) WO2020153389A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114055258A (zh) * 2021-11-19 2022-02-18 浙江师范大学 一种磁性抛光装置及磁性抛光控制方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06224027A (ja) * 1993-01-22 1994-08-12 Shin Etsu Chem Co Ltd 磁場発生装置
JP2003142300A (ja) * 2001-11-05 2003-05-16 Hitachi Metals Ltd 周期磁場発生装置
JP2014054633A (ja) * 2005-06-24 2014-03-27 Sepmag Systems Sl 磁性粒子を分離するためのデバイス及び方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06224027A (ja) * 1993-01-22 1994-08-12 Shin Etsu Chem Co Ltd 磁場発生装置
JP2003142300A (ja) * 2001-11-05 2003-05-16 Hitachi Metals Ltd 周期磁場発生装置
JP2014054633A (ja) * 2005-06-24 2014-03-27 Sepmag Systems Sl 磁性粒子を分離するためのデバイス及び方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114055258A (zh) * 2021-11-19 2022-02-18 浙江师范大学 一种磁性抛光装置及磁性抛光控制方法
CN114055258B (zh) * 2021-11-19 2023-04-18 浙江师范大学 一种磁性抛光装置及磁性抛光控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7170068B2 (ja) 2022-11-11
JPWO2020153389A1 (ja) 2021-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8390201B2 (en) Multi-column electron beam exposure apparatus and magnetic field generation device
TWI704846B (zh) 波盪器
KR102410836B1 (ko) 다이폴 링 자계 발생 장치
WO2016204283A1 (ja) 粒子線ビームの制御電磁石及びこれを備えた照射治療装置
JP2005204849A (ja) 永久磁石式磁界発生装置
EP3887839A1 (en) Lightweight asymmetric magnet arrays with mixed-phase magnet rings
JP4558563B2 (ja) 永久磁石式磁界発生装置
WO2020153389A1 (ja) 永久磁石装置、及び磁場発生装置
CN108807119A (zh) 紧凑型致偏磁体
US20200064424A1 (en) Permanent magnet arrangement for generating a homogeneous field ("3d halbach")
Casalbuoni et al. Field quality of 1.5 m long conduction cooled superconducting undulator coils with 20 mm period length
Li et al. Tuning method for phase shifters with very low first field integral errors for the European X-ray Free Electron Laser
WO2022209300A1 (ja) 電磁石装置、電磁石装置の制御方法、および、粒子線治療装置
JP6588849B2 (ja) ビーム輸送用超電導磁石装置、ビーム輸送システム、粒子線治療システム、ビーム輸送用超伝導磁石配置方法
Koratzinos et al. A method for greatly reduced edge effects and crosstalk in CCT magnets
CN115426762A (zh) 基于电机控制调节的永磁四极磁铁
JP2022147449A (ja) 超電導コイル装置、超電導加速器および粒子線治療装置
Li et al. Printed-circuit magnets for the university of maryland electron ring (umer)-new developments
Schmerge LCLS gun solenoid design considerations
Kalimov et al. Optimization of the sextupole magnets with trim coils for the collector ring of the fair project
Sugimoto et al. Design study of the SuperKEKB interaction region optics
Trbojevic et al. NS-FFAG for electron-ion collider in RHIC (eRHIC)
JPS63224230A (ja) X線露光装置
JPH04269700A (ja) 挿入光源用磁気回路の磁場強度調整方法
Kim et al. Performance of quadrupole and sextupole magnets for the advanced photon source storage ring

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 20745641

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2020568179

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 20745641

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1