WO2020122123A1 - ネットワークシステム、給電装置および受電機器 - Google Patents

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    • H04L69/14Multichannel or multilink protocols

Definitions

  • Full Duplex communication can be performed. According to this, it is possible to improve the reliability of signal transmission by transmitting signals of the same content by simultaneously using two channels.
  • FIG. 9 is a sequence diagram for explaining the operation of the network system according to the fifth embodiment.
  • PSE 101 when MPU 124 receives a message requesting system diagnosis (P11), auxiliary communication circuit 108 is activated (or activated) (P12).
  • the communication capacity of the auxiliary communication can be expanded and the data security can be increased by adopting the configuration of exchanging the modulated signal in the auxiliary communication. Can be secured. Furthermore, it is possible to improve QoS (Quality of Service), power saving and noise resistance performance.
  • QoS Quality of Service
  • 1-8 pin 101 PSE, 102 PD, 103 power feeding circuit, 104 power receiving circuit, 106,107 main communication circuit, 108,109 auxiliary communication circuit, 110-113 cable, 114,115 jack, 116,119,120,123 Connection section 117, 118, 121, 122 PT, 124, 125 MPU, 125A register, 126 abnormality detection circuit, 127 system diagnostic circuit, 128 storage device, 131, 132 auxiliary communication signal generation circuit, 133, 134 auxiliary communication signal reception Circuit, 135, 136 modulation circuit, 137, 138 demodulation circuit, 305, 306 inductor, 307, 308 capacitor.

Abstract

ネットワークシステムは、PSE(101)と、PSE(101)から電力供給を受けるPD(102)と、PSE(101)およびPD(102)の間で通信するための通信線(111,112)と、PSE(101)からPD(102)へ電力を供給するための給電線(111,112)とを備える。PSE(101)は、通信線に接続される第1の主通信回路(106)と、給電線に接続される給電回路(103)とを含む。PD(102)は、通信線に接続され、第1の主通信回路(106)と通信する第2の主通信回路(107)と、給電線に接続される受電回路(104)とを含む。PSE(101)は、給電線に接続される第1の補助通信回路(108)をさらに含む。PD(102)は、給電線に接続される第2の補助通信回路(109)をさらに含む。

Description

ネットワークシステム、給電装置および受電機器
 本開示は、ネットワークシステム、給電装置および受電機器に関する。
 ファクトリオートメーション(FA)の分野では、ネットワーク技術を用いて遠隔からFA機器に対して電力を供給する技術が開発されている。このような技術として、PoE(Power over Ethernet(登録商標))がある。PoE技術は、LAN(Local Area Network)ケーブルを用いてイーサネット(登録商標)機器に電力を供給する技術である。PoE技術は、IEEE(Instituting of Electrical and Electronics Engineering)802.3afで規格化されている。拡張規格はIEEE803.3atで規格化されている。
 PLC(Programmable Logic Controller)などの高い信頼性が要求される制御装置を搭載したシステムにPoE技術を実装するためには、給電装置であるPSE(Power Sourcing Equipment)と、受電機器であるPD(Power Device)との間の通信異常を診断するための構成が必要となる。
 例えば、特開平11-004487号公報(特許文献1)には、共通の電源伝送路および信号伝送路に接続された複数のコントローラによって制御機器を管理するシステムが開示される。このシステムは、異常の発生および異常の種類を示す管理情報を、電源伝送路を用いて通信するように構成される。
 また、特開2002-316598号公報(特許文献2)には、複数の制御装置間でデータ通信回線を介してデータ通信を行なうシステムが開示される。このシステムは、データ通信回線の異常時には、データを通信する回線を、データ通信回線から電力線に切り替えて、電力線搬送方式によりデータ通信を行なうように構成される。
特開平11-004487号公報 特開2002-316598号公報
 しかしながら、特許文献1に記載される技術では、電源伝送路が断線するなどの通信異常が発生した場合には、管理情報の伝送が不可能となってしまうという問題がある。
 また、特許文献2に記載される技術では、電力線搬送方式によりデータ通信を行なうため、P2P(Peer to Peer)形式の通信ができない。そのため、電力線が専用されている場合には、他の機器が通信できないという問題がある。
 本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、本開示の目的は、ケーブルを介して給電装置から受電機器に電力を供給するネットワークシステムにおいて、給電装置および受電機器間の通信異常の診断を可能にすることである。
 本開示に係るネットワークシステムは、電力を供給する第1の機器と、第1の機器から電力供給を受ける第2の機器と、第1の機器および第2の機器の間で通信するための通信線と、第1の機器から第2の機器へ電力を供給するための給電線とを備える。第1の機器は、通信線に接続される第1の主通信回路と、給電線に接続される給電回路とを含む。第2の機器は、通信線に接続され、第1の主通信回路と通信する第2の主通信回路と、給電線に接続される受電回路とを含む。第1の機器は、給電線に接続される第1の補助通信回路をさらに含む。第2の機器は、給電線に接続される第2の補助通信回路をさらに含む。
 本開示に係る給電装置は、ネットワークに接続され、ケーブルを介して受電機器に電力を供給する。給電装置は、受電機器との間で通信するための通信線に接続される第1の主通信回路と、受電機器へ電力を供給するための給電線に接続される給電回路と、給電線に接続される第1の補助通信回路とを備える。
 本開示に係る受電機器は、ネットワークに接続され、ケーブルを介して給電装置から電力の供給を受ける。受電機器は、給電装置との間で通信するための通信線に接続される第2の主通信回路と、給電装置から電力供給を受けるための給電線に接続される第2の給電回路と、給電線に接続される第2の補助通信回路とを備える。
 本開示によれば、ケーブルを介して給電装置から受電機器に電力を供給するネットワークシステムにおいて、給電装置および受電機器間の通信異常を診断することができる。
実施の形態1に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。 主通信および補助通信の伝送モードを説明するための図である。 主通信および補助通信の信号伝送を説明するための模式図である。 実施の形態2に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。 実施の形態3に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。 実施の形態4に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。 実施の形態4に係るネットワークシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。 実施の形態5に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。 実施の形態5に係るネットワークシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。 実施の形態5に係るネットワークシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。 実施の形態6に係るネットワークシステムにおける補助通信回路の構成を示す図である。
 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
 実施の形態1.
 図1は、実施の形態1に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。実施の形態1に係るネットワークシステムは、代表的にはPoE(Power over Ethernet(登録商標))を用いた電力供給システムに適用され得る。
 図1を参照して、ネットワークシステムは、給電装置としてのPSE101と、受電機器としてのPD102と、複数のケーブル110~113とを備える。PD102には、ネットワークに接続され、常時電源が必要であったIP電話、無線アクセスノードおよびウェブ監視カメラなどの機器が含まれる。イーサネット(登録商標)環境において、データパケットとともに各機器にDC電力を供給可能となったことにより、AC電源および電源ケーブルの設置が不要となる。
 PSE101は、PD102との間でデータを遣り取りする通信機能と、PD102に対して電力を供給する給電機能とを有する。PSE101とPD102とはケーブル110~113で接続されている。PSE101は「第1の機器」の一実施例に対応し、PD102は「第2の機器」の一実施例に対応する。
 ケーブル110~113の各々は、LANケーブルであって、例えば、両端にRJ-45プラグが取り付けられたツイスト・ペア・ケーブル(例えばUTP(Unshielded Twist Pair)ケーブル)である。ケーブル110~113は、100BASE-TX,1000BASE-Tなどの規格で用いられる。
 PSE101は、給電回路103と、主通信回路106と、ジャック114と、パルストランス(PT)117,118とを備える。給電回路103は、ケーブルを介してPD102に対して電力を供給するための回路である。主通信回路106は、ケーブルを介してPD102との間で通信するための回路である。主通信回路106は、物理層デバイスであるPHYチップ(図示せず)を有しており、イーサネット(登録商標)の通信信号を処理する。給電回路103は「給電回路」の一実施例に対応し、主通信回路106は「第1の主通信回路」の一実施例に対応する。
 ジャック114は、ケーブル110~113のプラグが挿入される。図1の例では、ジャック114は、RJ-45プラグが挿入されるため、8つのピンを有している。ピン1~8に割り当てられる信号名は次のとおりである。
1:+TD → 受信+、電力伝送用
2:-TD → 受信-、電力伝送用
3:+RD → 送信+、電力伝送用
4:不使用
5:不使用
6:-RD → 送信-、電力伝送用
7:不使用
8:不使用
 図1に示すように、4番および5番ピンにはケーブル110が割り当てられ、1番および2番ピンにはケーブル111が割り当てられる。3番および6番ピンにはケーブル112が割り当てられ、7番および8番ピンにはケーブル113が割り当てられる。
 PT117,118は、入出力ともに中点タップを有するパルストランスである。PT117は、入力側がジャック114の1番および2番ピンに接続され、出力側が主通信回路106に接続される。主通信回路106から出力された信号は、PT117と1番および2番ピンとを経由してケーブル111へ伝送される。
 PT118は、入力側がジャック114の3番および6番ピンに接続され、出力側が主通信回路106に接続される。3番および6番ピンが受信した信号は、PT118を経由して主通信回路106へ伝送される。
 給電回路103は、PT117に接続されており、PT117と1番および2番ピンとを介してケーブル111に電流を供給する。給電回路103は、さらに、PT118に接続されており、3番および6番ピンとPT118とを介してケーブル112を帰還した電流を受ける。給電回路103は、ケーブル111,112に給電電流を重畳させることによって電力を供給する。
 PD102は、受電回路104と、主通信回路107と、ジャック115と、パルストランス121,122とを備える。受電回路104は、ケーブルを介してPSE101から電力の供給を受けるための回路である。主通信回路107は、ケーブルを介してPSE101との間で通信するための回路である。主通信回路107は、図示しないPHYチップを有しており、イーサネット(登録商標)の通信信号を処理する。受電回路104は「受電回路」の一実施例に対応し、主通信回路107は「第2の主通信回路」の一実施例に対応する。ジャック115は、ケーブル110~113のプラグが挿入される。図1の例では、ジャック115は、ジャック114と同一の8つのピンを有している。
 PT121,122は、入出力ともに中点タップを有するパルストランスである。PT121は、入力側がジャック115の1番および2番ピンに接続され、出力側が主通信回路107に接続される。ケーブル111を伝送した信号は、1番および2番ピンとPT121とを経由して主通信回路107へ伝送される。
 PT122は、入力側が主通信回路107に接続され、出力側がジャック115の3番および6番ピンに接続される。主通信回路107から出力された信号は、PT122と3番および6番ピンとを経由してケーブル112へ伝送される。
 受電回路104は、PT121に接続されており、ジャック115の1番および2番ピンとPT121とを介してケーブル111から電流の供給を受ける。受電回路104は、さらに、PT122に接続されており、PT122とジャック115の3番および6番ピンとを介してケーブル112に電流を帰還させる。
 このように図1に示すネットワークシステムにおいて、PSE101の主通信回路106(第1の主通信回路)は、ケーブル111,112を介してPD102の主通信回路107(第2の主通信回路)との間でデータを遣り取りする。すなわち、ケーブル111,112は「通信線」として機能する。さらに、PSE101の給電回路103は、ケーブル111,112を介してPD102の受電回路104に電力を供給する。すなわち、ケーブル111,112は「給電線」としても機能する。
 すなわち、図1のネットワークシステムでは、給電線は通信線と共用のケーブル111,112で構成される。このような給電方式は「オルタナティブA(Type A)」と呼ばれている。
 本実施の形態では、PSE101およびPD102は、主通信回路106および主通信回路107の間で行なわれる通信とは別の用途の通信を行なうことが可能に構成される。以下の説明では、主通信回路106および主通信回路107の間で行なわれる通信を「主通信」と称し、主通信とは異なる用途で行なわれる通信を「補助通信」とも称する。主通信は「第1の通信」の一実施例に対応し、補助通信は「第2の通信」の一実施例に対応する。
 主通信は通常のデータの遣り取りを行なうために用いられる。これに対して、補助通信は、PSE101およびPD102のシステム診断またはPD102のファームウェア更新を行なうための通信などの用途に用いられる。または、補助通信は、異常発生時において非常用通信を行なうために用いられる。非常用通信では、例えばPD102に対するシャットダウン指令の送信、および、PSE101およびPD102間でのヘルスケア信号の遣り取りなどが含まれる。
 補助通信を行なうための構成として、PSE101は補助通信回路108を備え、PD102は補助通信回路109を備える。補助通信回路108と補助通信回路109とは給電線を介してデータを遣り取りするように構成される。補助通信回路108は「第1の補助通信回路」の一実施例に対応し、補助通信回路109は「第2の補助通信回路」の一実施例に対応する。
 ここで、上述したように、給電方式がType Aである場合、通信線と給電線とは共通のケーブル111,112で構成されている。したがって、補助通信は、主通信を行なうための通信線であるケーブル111,112を用いて行なわれることになる。
 具体的には、補助通信回路108はPT117,118に接続され、補助通信回路109はPT121,122に接続される。このような構成において、主通信と補助通信とは、異なる伝送モードでデータを伝送するように構成される。
 図2は、主通信および補助通信の伝送モードを説明するための図である。図2には、主通信回路106および主通信回路107がケーブル111で接続されている構成が示されている。
 図2を参照して、PT117は、主通信回路106に接続される巻線と、ケーブル111に接続される巻線と、2つの巻線が巻回される磁性体のコアとを有する。ケーブル111に接続される巻線の中点タップCT1には、給電回路103が電気的に接続される。給電回路103と中点タップCT1との間にはインダクタ305が接続される。補助通信回路108は、コンデンサ307によって中点タップCT1に容量結合される。
 PT121は、ケーブル111に接続される巻線と、主通信回路107に接続される巻線と、2つの巻線が巻回される磁性体のコアとを有する。ケーブル111に接続される巻線の中点タップCT2には、受電回路104が電気的に接続される。受電回路104と中点タップCT2との間にはインダクタ306が接続される。補助通信回路109は、コンデンサ308によって中点タップCT2に容量結合される。
 インダクタ305は、PT117の中点タップCT1に入力される補助通信の信号が給電回路103へ漏洩することを抑制する。同様に、インダクタ306は、PT121の中点タップCT2に入力される補助通信の信号が受電回路104へ漏洩することを抑制する。インダクタ305,306の各々には、補助通信の信号帯域におけるインピーダンスが大きいものが選定される。
 主通信回路106は、PT117を介してケーブル111へ信号を送信する。送信された信号はケーブル111を伝送する。主通信回路107は、PT121を介して信号を受信する。図3(A)は、主通信における信号伝送を説明するための模式図である。
 図3(A)を参照して、主通信回路106および主通信回路107間の信号の伝送には、差動モードが適用される。図中の矢印は電流の流れを示す。差動モードは、ケーブル111を構成する2つの信号線に互いに逆相の電流を流すことで、信号線間の電位差で信号を伝送するモードである。差動モードでは、信号線間の電位差をみるため、ノイズがキャンセルされ誤動作しにくくなる。また、2つの信号線に互いに逆向きに電流が流れることによって磁束が打ち消されるため、信号の高調波のよるEMIノイズが低減される。
 補助通信回路108は、コンデンサ307を介してPT117の中点タップCT1へ信号を送信する。中点タップCT1に送信された信号はケーブル111を伝送する。補助通信回路108は、コンデンサ308を介してPT121の中点タップCT2から信号を受信する。図3(B)は、補助通信における信号伝送を説明するための模式図である。
 図3(B)を参照して、補助通信回路108および補助通信回路109間の信号の伝送には、コモンモードが適用される。図中の矢印は電流の流れを示す。コモンモードは、ケーブル111を構成する2つの信号線に同相の電流を流すことで、接地電位との電位差で信号を伝送するモードである。コモンモードでは、補助通信回路109に流れた電流は接地電位を経由して補助通信回路108に帰還すると考えることができる。
 なお、PTの中点タップCTは主通信における基準電位(接地電位)となるため、中点タップCTには原理上主通信の信号は発生しない。したがって、主通信の信号が中点タップCTから補助通信回路に漏洩することがない。また、補助通信では、PTの中点タップCTに通信信号の電位を発生させるが、2つの信号線には同位相の電位が重畳されるため、差動モードによってこの電位を相殺することができる。したがって、補助通信の信号が主通信回路に漏洩することがない。
 また、主通信における信号の周波数帯域は、補助通信における信号の周波数帯域よりも十分に高くなる。上述したように主通信と補助通信とでは伝送モードが異なることから、主通信と補助通信とを並行して行なうことができる。
 補助通信に用いる信号の振幅は、耐雑音性能を確保し、ケーブルによる減衰量を考慮する。また、信号の周波数は、主信号に影響を与えず、放射エミッション性能を確保できるような帯域を使用する。具体的には、国際無線障害特別委員会(CISPR22)における「情報技術装置からの妨害波の許容値と測定法」に対応するために、ケーブルからの放射エミッション抑圧を目的として、許容値が定義されない30MHz以下の帯域を使用する。
 図1に戻って、補助通信回路108と補助通信回路109とは、補助通信において、PT117およびPT121で同じ電気極性とし、PT118およびPT122で同じ電気極性とする。例えば、PT117およびPT121間で正相信号を伝送し、PT118およびPT122間で逆相信号を伝送する。これによると、PT117およびPT121で、補助通信回路108および補助通信回路109間でデータを遣り取りするためのチャネルを構成できるとともに、PT118およびPT122で、補助通信回路108および補助通信回路109間でデータを遣り取りするためのチャネルを構成できる。これら2つのチャネルを時分割で交互に切り替える構成とすれば、半二重(Half Duplex)通信を行なうことができる。
 あるいは、上記2つのチャネルを同時に使用する構成とすれば、全二重(Full Duplex)通信を行なうことができる。これによると、2つのチャネルを同時に使用して同じ内容の信号を伝送することで、信号伝送の信頼性を高めることができる。
 あるいは、送信したい信号とこれと逆相の信号とを2つのチャネルを使って同時に送信し、2つの信号の差分をとることで、疑似差動通信を行なうことができる。
 以上説明したように、実施の形態1に係るネットワークシステムによれば、通信線を用いて主通信を行なうとともに、給電線を利用して、主通信とは用途の異なる補助通信を行なうことができる。
 上記ネットワークシステムにおいて、通信線および給電線が共通のケーブルで構成されている場合には(例えばType Aの場合)、主通信と補助通信とで伝送モードを異ならせることで、共通のケーブルを用いて主通信および補助通信を行なうことができる。
 これによると、補助通信を利用してPSEおよびPD間の通信異常を診断することができるため、ネットワークシステムの信頼性を向上させることができる。また、ネットワーク機器の製造メーカは、補助通信機能を独自に実装できるため、独自の通信仕様で補助通信を実現することができる。
 実施の形態2.
 図4は、実施の形態2に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。実施の形態2に係るネットワークシステムは、通信線と給電線とを別々のケーブルで構成する、「オルタナティブB(Type B)」の給電方式を採用する。Type Bの場合、ジャック114,115のピン1~8に割り当てられる信号名は次のとおりである。
1:+TD → 受信+
2:-TD → 受信-
3:+RD → 送信+
4:電力伝送用
5:電力伝送用
6:-RD → 送信-
7:電力伝送用
8:電力伝送用
 すなわち、Type Bでは、1番および2番ピンと3番および6番ピンとが通信専用に割り当てられ、4番および5番ピンと7番および8番ピンとが電力伝送専用に割り当てられる。したがって、ケーブル111,112は「通信線」として機能し、ケーブル110,113は「給電線」として機能し得る。給電回路103は、ジャック114の4番および5番ピンを介してケーブル110に接続されるとともに、ジャック114の7番および8番ピンを介してケーブル113に接続される。受電回路104は、ジャック115の4番および5番ピンを介してケーブル110に接続されるとともに、ジャック115の7番および8番ピンを介してケーブル113に接続される。PSE101の給電回路103は、ケーブル110,113を介してPD102の受電回路104に電力を供給する。
 実施の形態2に係るネットワークシステムは、図1に示す実施の形態1に係るネットワークシステムと比較して、PSE101が接続部116,119を有する点、およびPD102が接続部120,123を有する点が異なる。
 PSE101において、接続部116は、補助通信回路108とジャック114の4番および5番ピンとを電気的に接続する。接続部119は、補助通信回路108とジャック114の7番および8番ピンとを電気的に接続する。これにより、補助通信回路108から出力された信号は、接続部116と4番および5番ピンとを介してケーブル110へ伝送される。ケーブル113を伝送した信号は、7番および8番ピンと接続部119とを介して補助通信回路108へ入力される。
 PD102において、接続部120は、補助通信回路109とジャック115の4番および5番ピンとを電気的に接続する。接続部123は、補助通信回路109とジャック115の7番および8番ピンとを電気的に接続する。これにより、ケーブル110を伝送した信号は、4番および5番ピンと接続部120とを介して補助通信回路109へ入力される。補助通信回路109から出力された信号は、接続部123と7番および8番ピンとを介してケーブル113へ伝送される。
 このように補助通信回路108と補助通信回路109とは、給電線であるケーブル110,113を用いて補助通信を行なうことが可能となる。補助通信における信号の伝送には、実施の形態1と同様に、コモンモードを適用することができる。Type Bでは、主通信および補助通信は別々のケーブルを使用するため、主通信と補助通信とを並行して行なうことができる。
 補助通信回路108と補助通信回路109とは、補助通信において、接続部116および接続部120を同じ電気極性とし、接続部119および接続部123を同じ電気極性とする。例えば、接続部116および接続部120間で正相信号を伝送し、接続部119および接続部123間で逆相信号を伝送する。これによると、接続部116および接続部120でチャネルを構成できるとともに、接続部119および接続部123でチャネルを構成できる。これら2つのチャネルを時分割で交互に切り替える構成とすれば、半二重通信を行なうことができる。あるいは、これら2つのチャネルを同時に使用する構成とすれば、全二重通信を行なうことができる。または、送信したい信号とこれと逆相の信号とを2つのチャネルを使って同時に送信し、2つの信号の差分をとることで、疑似差動通信を行なうことができる。
 以上説明したように、実施の形態2に係るネットワークシステムによれば、通信線を用いて主通信を行なうとともに、給電線を利用して、主通信とは用途の異なる補助通信を行なうことができる。通信線および給電線が別々のケーブルで構成されている場合(例えばType Bの場合)、主通信と補助通信とで異なるケーブルが使用されることになる。
 これによると、補助通信を利用してPSEおよびPD間の通信異常を診断することができるため、ネットワークシステムの信頼性を向上させることができる。また、ネットワーク機器の製造メーカは、補助通信機能を独自に実装できるため、独自の通信仕様で補助通信を実現することができる。
 実施の形態3.
 上述したように、実施の形態1および2に係るネットワークシステムは、主通信と補助通信とを実行可能に構成される。実施の形態3では、このようなネットワークシステムにおいて補助通信が実行される具体的態様について説明する。実施の形態3では、代表的に、実施の形態1に係るネットワークシステム(Type A)において補助通信が実行される態様を説明する。ただし、以下に示す実施態様は実施の形態2に係るネットワークシステム(Type B)にも適用することが可能である。
 図5は、実施の形態3に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。実施の形態3に係るネットワークシステムは、図1に示した実施の形態1に係るネットワークシステムに対して、MPU(マイクロプロセッサ)124,125を追加したものである。
 MPU124は、PSE101に搭載される。MPU124は、他の処理機能からの割り込み信号を受け付けるためのチャネルを有する。MPU124は、当該チャネルに割り込み信号を受け付けると、主通信回路106および補助通信回路108に対して、通信を制御するための制御信号を出力する。具体的には、MPU124は、割り込み信号を受け付けると、停止状態である補助通信回路108を起動させる。割り込み信号の受付時において補助通信回路108がスリープ状態(受信待機状態)である場合には、MPU124は補助通信回路108を活性化させて、通信可能な状態に遷移させる。
 MPU125は、PD102に搭載される。MPU125は、他の処理機能からの割り込み信号を受け付けるためのチャネルを有する。MPU125は、当該チャネルに割り込み信号を受け付けると、主通信回路107および補助通信回路109に対して、通信を制御するための制御信号を出力する。具体的には、MPU125は、割り込み信号を受け付けると、停止状態である補助通信回路109を起動させる。割り込み信号の受付時において補助通信回路109がスリープ状態である場合には、MPU125は補助通信回路109を活性化させて、通信可能な状態に遷移させる。
 なお、他の処理機能からの割り込み信号には、例えば、図示しない異常検知回路からの検知信号(エラー信号)または、ソフトウェア層からのユーザ指示などが含まれる。
 ここで、MPU124,125が並行して割り込み信号を受け付けた場合には、MPU124,125は、対応する補助通信回路108,109をそれぞれ起動(または活性化)させる。補助通信回路108,109は、起動後に所定の信号を遣り取りして通信接続を確認することで、通信開始が可能な状態となる。
 一方、MPU124,125のいずれか一方が割り込み信号を受け付けた場合には、割り込み信号を受け付けたMPUが補助通信回路108,109を起動させる。例えば、MPU124が割り込み信号を受け付けた場合、MPU124は、補助通信回路108を起動させる(もしくは活性化させる)。補助通信回路108は、起動後の所定期間内に補助通信回路109からの信号が受信できなければ、補助通信回路109に対して通信開始要求を送信する。補助通信回路109が通信開始要求に応答して起動(または活性化)することで補助通信の開始が可能な状態となる。
 続いて、MPU124は、補助通信回路108に対して、通信すべきデータを伝送する。MPU125は、補助通信回路109に対して、通信すべきデータを伝送する。補助通信回路108および109は、受信したデータをPT117,118,121,122の中点タップを用いてコモンモードで信号を伝送する。
 以上説明したように、実施の形態3に係るネットワークシステムは、PSE101およびPD102の各々は、他処理機能からの割り込み信号を受け付けると、補助通信を実行するように構成される。これによると、割り込み信号を発生させる条件を設定しておくことで、主通信とは異なる用途の補助通信を活用することができる。なお、PSE101およびPD102は、補助通信と並行して主通信を継続することも可能である。
 実施の形態4.
 実施の形態4では、実施の形態3に係るネットワークシステムの第1の活用例について説明する。実施の形態4では、実施の形態3に倣って、実施の形態1に係るネットワークシステムを用いて活用例を説明する。ただし、以下に示す活用例は実施の形態2に係るネットワークシステムにも適用可能である。
 図6は、実施の形態4に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。実施の形態4に係るネットワークシステムは、図4に示した実施の形態3に係るネットワークシステムと比較して、PD102が異常検知回路126を有する点が異なる。
 異常検知回路126は、信号線により主通信回路107に接続されるとともに、信号線によりMPU125に接続される。異常検知回路126は、主通信回路107の通信異常を検知するように構成される。通信異常は、例えば、主通信回路107が主通信回路106から信号を受信したタイミングから基準時間内に、主通信回路107が信号を送信したか否かに基づいて判定することができる。基準時間内に主通信回路107が信号を送信しなかった場合、異常検知回路126は、主通信の異常を検知する。
 異常検知回路126は、主通信の異常を検知すると、割り込み信号を生成し、生成した割り込み信号をMPU125に出力する。MPU125は、実施の形態3で説明したように、割り込み信号を受け付けると、補助通信回路109を起動(もしくは活性化)させる。そして、補助通信回路109は起動後、補助通信回路108に対して通信開始要求を送信する。補助通信回路108が通信開始要求に応答して起動(または活性化)することで、補助通信の開始が可能な状態となる。
 このように主通信の異常が検知された場合には、補助通信を開始することで、異常が検知された後においてもPSE101およびPD102間の通信を継続することができる。
 なお、異常検知回路126は、主通信の異常を検知する構成に限定されず、PD102で発生したシステム異常を検知する構成としてもよい。例えば、主通信回路107における消費電流が増加して許容電流を超えている場合に異常を検知することができる。この場合においても、異常検知回路126がMPU125に対して割り込み信号を出力することによって補助通信を開始することができる。
 図7は、実施の形態4に係るネットワークシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。図7を参照して、PD102において、異常検知回路126は主通信の異常を検知すると(P01)、割り込み信号を発生する(P02)。MPU125は、異常検知回路126からの割り込み信号を受け付けると、補助通信回路109を起動(もしくは活性化)させる(P03)。
 補助通信回路109は、起動後、PSE101の補助通信回路108に対して通信開始要求を送信する(P04)。PSE101では、通信開始要求に応答して補助通信回路108が起動(もしくは活性化)する(P05)。補助通信回路108の起動後、PSE101およびPD102の間で補助通信が行なわれる。
 以上説明したように、実施の形態4に係るネットワークシステムによれば、主通信回路の異常またはシステム異常が検知された場合には、補助通信を開始することができるため、異常の検知後においてもPSEおよびPD間の通信を継続することができる。
 なお、図6では、異常検知回路126をPD102に配置する構成を例示したが、異常検知回路をPSE101に配置する構成としてもよい。この場合、異常検知回路は、PSE101の主通信回路106に接続されるとともに、MPU124に接続される。異常検知回路は、主通信回路106の通信異常およびPSE101のシステム異常を検知するように構成される。異常検知回路は、主通信の異常またはPSE101のシステム異常を検知すると、割り込み信号を生成してMPU124へ出力する。MPU124は、割り込み信号を受け付けると、PD102の補助通信回路108を起動(もしくは活性化)させる。補助通信回路109は起動後、補助通信回路108に対して通信開始要求を送信する。補助通信回路109が通信開始要求によって起動(または活性化)することで、補助通信の開始が可能な状態となる。
 実施の形態5.
 実施の形態5では、実施の形態3に係るネットワークシステムの第2の活用例について説明する。実施の形態5では、実施の形態3および4に倣って、実施の形態1に係るネットワークシステム(Type A)を用いて活用例を説明する。ただし、以下に説明する活用例は、実施の形態2に係るネットワークシステム(Type B)にも適用可能である。
 図8は、実施の形態5に係るネットワークシステムの全体構成を示す図である。実施の形態5に係るネットワークシステムは、図6に示した実施の形態4に係るネットワークシステムと比較して、PD102がシステム診断回路127を有する点、およびPSE101が記憶装置128を有する点が異なる。
 実施の形態5に係るネットワークシステムは、実施の形態4で説明した主通信の異常発生時における非常用通信以外に、PD102のシステム診断およびPD102のプログラム書き換えのために補助通信を利用することが可能に構成される。
 図8を参照して、PD102において、システム診断回路127は、通信線によりMPU125に接続される。システム診断回路127は、PD102内のシステムが正常に動作しているか否かを診断するための回路である。システム診断回路127は、予め定められている診断事項について診断を行ない、その診断結果をMPU125に内蔵されたレジスタ125Aに格納する。
 PSE101のMPU124は、図示しない他の処理機能から、PD102のシステム診断を依頼するメッセージを受け付ける。このメッセージは割り込み信号に相当する。MPU124は、メッセージを受け付けると、補助通信回路108を起動(もしくは活性化)させる。補助通信回路108は起動後、補助通信回路109に対してこのメッセージを送信する。このメッセージは補助通信回路109に対する通信開始要求となる。補助通信回路109が通信開始要求に応答して起動(もしくは活性化)することで、補助通信の開始が可能な状態となる。
 PD102では、補助通信回路109が受信したメッセージは、MPU125を介してシステム診断回路127へ転送される。システム診断回路127は、メッセージを受信すると、MPU125内部のレジスタ125Aから診断結果を読出し、読出した診断結果を示す信号を補助通信回路109へ送信する。補助通信回路109は、システム診断回路127から受信した診断結果を示す信号を、PT122,118の中点タップを用いてコモンモードで補助通信回路108へ送信する。
 PSE101では、補助通信回路108は診断結果を示す信号を受信すると、受信した診断結果をMPU124へ転送する。MPU124は、診断結果を依頼元の他の処理機能へ転送する。当該処理機能において診断結果を参照することにより、PD102のシステム異常の有無を判断することができる。
 なお、PD102のシステム異常と判断された場合には、実施の形態4で説明したように、主通信から補助通信に切り替えることで、PSE101およびPD102間の通信を継続することができる。
 図9は、実施の形態5に係るネットワークシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。図9を参照して、PSE101において、MPU124は、システム診断を依頼するメッセージを受け付けると(P11)、補助通信回路108を起動(もしくは活性化)させる(P12)。
 補助通信回路108は、起動後、PD102の補助通信回路109に対してメッセージ(通信開始要求に相当)を送信する(P13)。PD102では、メッセージを受信すると、補助通信回路109が起動(もしくは活性化)する(P14)。これにより、PSE101およびPD102の間で補助通信が行なわれる。
 システム診断回路127は、MPU125のレジスタ125Aから診断結果を読出し、読出した診断結果を示す信号を補助通信回路108へ送信する(P16)。
 図8に戻って、PSE101において、記憶装置128は、PD102に内蔵されるROM(Read Only Memory)に書き込まれているファームウェアを書き換えるためのプログラムを格納している。MPU124は、図示しない他の処理機能から、PD102のプログラム書き換えを依頼するメッセージを受け付ける。このメッセージは割り込み信号に相当する。MPU124は、メッセージを受け付けると、補助通信回路108を起動(もしくは活性化)させる。補助通信回路108は起動後、補助通信回路109に対してこのメッセージを送信する。このメッセージは補助通信回路109に対する通信開始要求となる。補助通信回路109が通信開始要求に応答して起動(もしくは活性化)することで、補助通信の開始が可能な状態となる。
 次に、MPU124は、記憶装置128からファームウェアを書き換えるためのプログラムを読出し、読み出したプログラムを補助通信回路109へ送信する。PD102では、補助通信回路109が受信したプログラムは、MPU125を介して他の処理機能へ転送される。このプログラムを実行することにより、PD102において、ファームウェアの更新が実行される。
 図10は、実施の形態5に係るネットワークシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。図10を参照して、PSE101において、MPU124は、PD102のプログラムの書き換えを依頼するメッセージを受け付けると(P21)、補助通信回路108を起動(もしくは活性化)させる(P22)。
 補助通信回路108は、起動後、PD102の補助通信回路109に対してメッセージ(通信開始要求に相当)を送信する(P23)。PD102では、メッセージを受信すると、補助通信回路109が起動(もしくは活性化)する(P14)。これにより、PSE101およびPD102の間で補助通信が行なわれる。
 PSE101のMPU124は、記憶装置128からファームウェアを書き換えるためのプログラムを読出し、読み出したプログラムを補助通信回路109へ送信する(P26)。PD102では、補助通信回路109が受信したプログラムが実行されることにより、ファームウェアの更新が実行される(A)P27)。
 以上説明したように、実施の形態5に係るネットワークシステムによれば、PSEおよびPD間の補助通信を利用して、PDのシステム診断およびファームウェア更新を実行することができる。イーサネット環境において主通信を利用してPDのシステム診断およびファームウェア更新を実行するためには、ソフトウェア層の上位まで正常であることが求められる。補助通信を利用することで、主通信の物理層を用いることなく、PDのシステム修復またはファームウェア更新を実行することができる。
 実施の形態6.
 実施の形態6では、実施の形態1および2に係るネットワークシステムにおいて、PSE101およびPD102に配置される補助通信回路の構成例について説明する。実施の形態6では、代表的に、実施の形態1に係るネットワークシステム(Type A)に適用される補助通信回路の構成を説明する。ただし、以下に示す構成は実施の形態2に係るネットワークシステム(Type B)にも適用することが可能である。
 図11は、実施の形態6に係るネットワークシステムにおける補助通信回路の構成を示す図である。なお、実施の形態6に係るネットワークシステムにおいて、補助通信回路108,109以外の構成要素については、図1に示した実施の形態1に係るネットワークシステムと同じであるため、その図示ならびに説明を省略する。
 図11を参照して、PSE101において、補助通信回路108は、補助通信信号生成回路131と、補助通信信号受信回路133と、変調回路135と、復調回路137とを有する。補助通信信号生成回路131は、変調回路135に接続される。変調回路135は、PT117の中点タップCT1(図2参照)に接続される。補助通信信号受信回路133は、復調回路137に接続される。復調回路137は、PT118の中点タップに接続される。
 PD102において、補助通信回路109は、補助通信信号生成回路132と、補助通信信号受信回路134と、変調回路136と、復調回路138とを有する。補助通信信号生成回路132は、変調回路136に接続される。変調回路136は、PT122の中点タップに接続される。補助通信信号受信回路134は、復調回路138に接続される。復調回路138は、PT121の中点タップCT2(図2参照)に接続される。
 補助通信回路108と補助通信回路109とは、給電線であるケーブル111,112を介して、変調された信号を遣り取りするように構成される。補助通信回路108から補助通信回路109へ信号を送信する場合、PSE101の補助通信回路108では、補助通信信号生成回路131は、送信ビット列を生成する。変調回路135は、生成された送信ビット列を変調し、変調した送信ビット列をPT117の中点タップCT1に出力する。送信ビット列はコモンモードでPD102へ伝送される。
 PD102の補助通信回路109では、復調回路138は、PT121の中点タップCT2から受信したビット列を復調する。補助通信信号受信回路134は、復調回路138から所望の受信ビット列を得る。なお、変調および復調については、アナログ方式およびデジタル方式のいずれかを選択することができる。
 変調および復調にデジタル方式を採用する場合、PSE101の補助通信回路108では、補助通信信号生成回路131により生成された送信ビット列は、変調回路135によってデジタル変調される。デジタル変調された送信ビット列は、所定の拡散パターンによるスペクトラム拡散変調(SS変調)が施された後、PT117の中点タップCT1に入力される。
 PD109の補助通信回路109では、復調回路138は、受信ビット列に所定の拡散パターンによるSS復調を施すとともにデジタル復調を施す。補助通信信号受信回路134は、復調回路138から所望の受信ビット列を得る。
 補助通信回路109から補助通信回路108へ信号を送信する場合においても、補助通信信号生成回路132、変調回路136、復調回路137および補助通信信号受信回路133は、補助通信信号生成回路131、変調回路135、復調回路138および補助通信信号受信回路134とそれぞれ同様の処理を行なう。
 以上説明したように、実施の形態6に係るネットワークシステムによれば、補助通信において、変調された信号を遣り取りする構成とすることで、補助通信の通信容量を拡大することができるとともに、データセキュリティを確保することができる。さらには、QoS(Quality of Service)、省電力および耐雑音性能を向上させることができる。
 本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
 1~8 ピン、101 PSE、102 PD、103 給電回路、104 受電回路、106,107 主通信回路、108,109 補助通信回路、110~113 ケーブル、114,115 ジャック、116,119,120,123 接続部、117,118,121,122 PT、124,125 MPU、125A レジスタ、126 異常検知回路、127 システム診断回路、128 記憶装置、131,132 補助通信信号生成回路、133,134 補助通信信号受信回路、135,136 変調回路、137,138 復調回路、305,306 インダクタ、307,308 コンデンサ。

Claims (14)

  1.  ネットワークシステムであって、
     電力を供給する第1の機器と、
     前記第1の機器から電力供給を受ける第2の機器と、
     前記第1の機器および前記第2の機器の間で通信するための通信線と、
     前記第1の機器から前記第2の機器へ電力を供給するための給電線とを備え、
     前記第1の機器は、
     前記通信線に接続される第1の主通信回路と、
     前記給電線に接続される給電回路とを含み、
     前記第2の機器は、
     前記通信線に接続され、前記第1の主通信回路と通信する第2の主通信回路と、
     前記給電線に接続される受電回路とを含み、
     前記第1の機器は、前記給電線に接続される第1の補助通信回路をさらに含み、
     前記第2の機器は、前記給電線に接続される第2の補助通信回路をさらに含む、ネットワークシステム。
  2.  前記通信線と前記給電線とは共通のケーブルで構成されており、
     前記第1および第2の補助通信回路は、前記第1および第2の主通信回路とは異なる伝送モードによって、前記共通のケーブルを介して信号を遣り取りする、請求項1に記載のネットワークシステム。
  3.  前記共通のケーブルは、ツイスト・ペア・ケーブルであり、
     前記ネットワークシステムは、
     前記第1の主通信回路と前記ツイスト・ペア・ケーブルとの間に接続される第1のパルストランスと、
     前記第2の主通信回路と前記ツイスト・ペア・ケーブルとの間に接続される第2のパルストランスとをさらに備え、
     前記第1の補助通信回路は、前記第1のパルストランスの中点に接続され、
     前記第2の補助通信回路は、前記第2のパルストランスの中点に接続される、請求項2に記載のネットワークシステム。
  4.  前記第1および第2の主通信回路は、差動モードによって信号を伝送し、
     前記第1および第2の補助通信回路は、コモンモードによって信号を伝送する、請求項2または3に記載のネットワークシステム。
  5.  前記通信線と前記給電線とは互いに異なるケーブルで構成される、請求項1に記載のネットワークシステム。
  6.  前記第1および第2の補助通信回路の各々は、
     送信する信号を変調するための変調回路と、
     受信した信号を復調するための復調回路とを有する、請求項1から5のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
  7.  前記第1の機器は、割り込み信号を受け付け可能に構成された第1の制御回路をさらに含み、
     前記第2の機器は、割り込み信号を受け付け可能に構成された第2の制御回路をさらに含み、
     前記第1の主通信回路および前記第2の主通信回路による第1の通信の実行中に、前記第1および第2の制御回路の少なくとも一方が前記割り込み信号を受け付けると、前記第1および第2の制御回路は、前記第1および第2の補助通信回路による第2の通信を実行する、請求項1から6のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
  8.  前記第1の通信の異常を検知するための異常検知回路をさらに備え、
     前記異常検知回路から前記割り込み信号を受け付けると、前記第1および第2の制御回路は、前記第1の通信から前記第2の通信へ切り替える、請求項7に記載のネットワークシステム。
  9.  前記第2の機器は、前記第2の機器の動作を診断するための診断回路をさらに備え、
     前記第1の制御回路が前記診断回路による診断を依頼するための前記割り込み信号を受け付けると、前記第1および第2の制御回路は、前記第2の通信を実行する、請求項7に記載のネットワークシステム。
  10.  前記第1の制御回路が前記第2の機器のファームウェアの更新を依頼するための前記割り込み信号を受け付けると、前記第1および第2の制御回路は、前記第2の通信を実行する、請求項7に記載のネットワークシステム。
  11.  ネットワークに接続され、ケーブルを介して受電機器に電力を供給する給電装置であって、
     前記受電機器との間で通信するための通信線に接続される第1の主通信回路と、
     前記受電機器へ電力を供給するための給電線に接続される給電回路と、
     前記給電線に接続される第1の補助通信回路とを備える、給電装置。
  12.  前記通信線と前記給電線とは共通のツイスト・ペア・ケーブルで構成されており、
     前記第1の主通信回路と前記ツイスト・ペア・ケーブルとの間に接続される第1のパルストランスをさらに備え、
     前記第1の補助通信回路は、前記第1のパルストランスの中点に接続される、請求項11に記載の給電装置。
  13.  ネットワークに接続され、ケーブルを介して給電装置から電力の供給を受ける受電機器であって、
     前記給電装置との間で通信するための通信線に接続される第2の主通信回路と、
     前記給電装置から電力供給を受けるための給電線に接続される第2の給電回路と、
     前記給電線に接続される第2の補助通信回路とを備える、受電機器。
  14.  前記通信線と前記給電線とは共通のツイスト・ペア・ケーブルで構成されており、
     前記第2の主通信回路と前記ツイスト・ペア・ケーブルとの間に接続される第2のパルストランスをさらに備え、
     前記第2の補助通信回路は、前記第2のパルストランスの中点に接続される、請求項13に記載の受電機器。
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