WO2020116353A1 - 細胞に物質を導入する装置 - Google Patents

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Abstract

本開示の課題は、少なくとも、インビトロでの細胞への物質の導入を、高効率で、短時間に簡便に行うことができる装置の提供にあり、該課題を、インビトロで細胞に物質を導入する装置であって、細胞と物質とを含む溶液を収容する収容部と、該溶液に対する加圧のための駆動部を備え、該加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が2.0ミリ秒以下である、装置で解決する。

Description

細胞に物質を導入する装置
 本開示は、インビトロで細胞に物質を導入する装置に関する。
 細胞へ物質を導入する代表的な手法としては、エレクトロポレーション、リポフェクション、遺伝子銃(ジーンガン)などの古典的な手法のほか、マイクロインジェクションやプラズマインジェクション、レーザーインジェクション等の手法がある。
 最近開発された手法として、例えば、圧力変化を利用する手法が知られている(特許文献1)。具体的には、動物細胞を加圧する工程と、続いて減圧する工程を繰り返して、動物細胞内に物質を導入する手法である。
 また、細胞内導入物質が細胞の近傍に存在する状態で、細胞内導入物質を含まない所定の球相当直径の液滴を、エレクトロスプレーを用いずに細胞に衝突させて動物細胞内に物質を導入する手法がある(特許文献2)。
 いずれの手法も有用であるが、細胞への物質の導入技術として、高効率で、短時間に簡便に行うことができる技術が絶えず求められている。
特開2011-67176号公報 特開2010-252644号公報
 本開示の課題は、少なくとも、インビトロでの細胞への物質の導入を、高効率で、短時間に簡便に行うことができる装置の提供にある。
〔1〕インビトロで細胞に物質を導入する装置であって、
 細胞と物質とを含む溶液を収容する収容部と、該溶液に対する加圧のための駆動部を備え、
 該加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が2.0ミリ秒以下である、装置。
〔2〕前記加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が0.05ミリ秒以上である、〔1〕に記載の装置。
〔3〕前記最大圧力が0.10MPa以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の装置。
〔4〕前記最大圧力が0.35MPa以上である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の装置。
〔5〕前記最大圧力が35MPa以下である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の装置。
〔6〕前記最大圧力が33MPa以下である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の装置。
〔7〕前記収容部が気体を含む、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の装置。
〔8〕前記物質が遺伝子を含むDNAである、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の装置。
〔9〕物質が導入された細胞をインビトロで作製する方法であって、
 細胞と物質とを含む溶液を収容する収容部において、該溶液に対して加圧をする工程を含み、
 該加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が2.0ミリ秒以下である、方法。
〔10〕前記加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が0.05ミリ秒以上である、〔9〕に記載の方法。
〔11〕前記最大圧力が0.10MPa以上である、〔9〕又は〔10〕に記載の方法。
〔12〕前記最大圧力が0.35MPa以上である、〔9〕~〔11〕のいずれかに記載の方法。
〔13〕前記最大圧力が35MPa以下である、〔9〕~〔12〕のいずれかに記載の方法。
〔14〕前記最大圧力が33MPa以下である、〔9〕~〔13〕のいずれかに記載の方法。
〔15〕前記収容部が気体を含む、〔9〕~〔14〕のいずれかに記載の方法。
〔16〕前記物質が遺伝子を含むDNAである、〔9〕~〔15〕のいずれかに記載の方法。
 本開示は、少なくとも、細胞への物質の導入を、高効率で、短時間に簡便に行うことができるという効果を奏しうる。
一実施態様に係る注入器の概略構成を示す図である。
 ある実施態様は、インビトロで細胞に物質を導入する装置であって、細胞と物質とを含む溶液を収容する収容部と、該溶液に対する加圧のための駆動部を備え、該加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が2.0ミリ秒以下である、装置である。以下、同装置を「本実施態様の装置」と記載することがある。
 細胞において物質が導入される領域は、その細胞質でも細胞核でもよいが、好ましい一態様は細胞核である。ここで、物質が導入される領域が細胞核である態様とは、本実施態様の装置によって物質が細胞質に導入された後の培養(例えば、1日間や2日間の培養など)によって細胞質から細胞核へ該物質が移行する態様ではなく、本実施態様の装置の稼働により物質が細胞核に直接導入される態様をいう。
 本実施態様において物質が導入される細胞は特に制限されず、原核細胞でも真核細胞でもよいが、好ましい一態様は真核細胞である。また、動物細胞でも植物細胞でもよいが、好ましい一態様は動物細胞である。また、接着系細胞でもよく、浮遊系細胞でもよい。さらに、株化細胞でもよく、初代培養細胞でもよい。
 動物細胞が由来する動物は特に制限されず、例えば研究機関等で扱われている細胞が由来する動物が挙げられる。例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ハムスター(例えば、チャイニーズハムスターなど)、ショウジョウバエ、サル(例えば、アフリカミドリザルなど)などが挙げられる。
 植物細胞が由来する植物は特に制限されず、例えば種子植物、シダ植物、コケ植物、藻類等が挙げられる。種子植物は被子植物でも裸子植物でもよく、被子植物は単子葉植物でも双子葉植物でもよい。
 本実施態様における物質とは特に制限されず、例えば生体分子が挙げられる。生体分子としては、細胞に導入された際に該細胞において機能するものであれば特に制限されない。また、該生体分子は天然物であってもよいし、人工的に合成されたものであってもよい。例えば、核酸又はその誘導体;ヌクレオシド、ヌクレオチド、又はそれらの誘導体;アミノ酸、ペプチド、タンパク質、又はそれらの誘導体;脂質又はその誘導体;糖類又はその誘導体;金属イオン;低分子化合物又はその誘導体;抗生物質;ビタミン又はその誘導体等が挙げられる。核酸であれば、DNAでもRNAでもよい。DNAは、遺伝子を含むDNAであってもよい。遺伝子を含むDNAである場合、その導入先は細胞の細胞質及び/又は細胞核であるから、該遺伝子が導入された細胞を培養等することで該遺伝子を発現させられると期待される。
 物質は、その物質が安定して存在し、また、導入される細胞自体又は細胞の機能を破壊するなどの悪影響がなければ、遊離の形態でもナノ粒子等の担体に固定されている形態でもよく、修飾されていてもよく、溶媒を含め、その態様は特に限定されない。
 物質が遺伝子を含むDNAである場合には、発現カセットや発現ベクターに該遺伝子が含まれた形態で設計されたDNAであってもよい。さらに、例えば、DNAが導入される細胞の種類に適したプロモーターの制御下に遺伝子が配置されていてもよい。
 すなわち、例えば、物質が生体分子である場合には、いずれの態様においても公知の遺伝子工学的手法等を用いて準備すればよい。
 細胞へ導入された物質の割合を解析する方法の例としては、蛍光を発する分子そのものを本実施態様の物質として用いることや、蛍光分子で標識した物質を用いて、蛍光強度を指標にして解析する公知の方法が挙げられる。
 細胞と物質とを含む溶液に対する加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が2.0ミリ秒以下である。
 ここで、前記圧力とは収容部内の圧力のことである。その測定方法は特に制限されないが、例えば、後述の実施例に記載した注入器を用いて測定する場合には、後述の「収容部内圧の測定方法」欄に記載した方法で測定することができる。
 加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間は、好ましい一態様では2.0ミリ秒以下であり、別の好ましい一態様では1.0ミリ秒以下であり、さらに別の好ましい一態様では0.5ミリ秒以下である。前記時間が上記範囲内であると、物質を効率的に細胞へ導入できると期待される。また、その下限は特に制限されないが、通常0より大きく、例えば0.05ミリ秒以上である。
 また、前記最大圧力は、好ましい一態様では0.10MPa以上であり、別の好ましい一態様では0.20MPa以上であり、さらに別の好ましい一態様では0.35MPa以上である。0.10MPa以上であると、細胞への物質の導入に際して細胞が変形し、効率的に物質が導入されると期待される。 
 また、好ましい一態様では35MPa以下であり、別の好ましい一態様では34MPa以下であり、さらに別の好ましい一態様では33MPa以下である。35MPaを超えると、細胞を死滅させる可能性があり、35MPa以下であると、細胞を死滅させずに細胞へ物質を導入できると期待される。
 本実施態様の好ましい一態様では、本実施態様の装置は、細胞への物質導入の効率が大きくなることからその収容部が気体を含む。前記気体としては、空気が例示できる。また、窒素、酸素、オゾン、二酸化炭素、水素、一酸化炭素が例示でき、これらのうちのいずれか二種以上の混合気体が例示できる。
 また、好ましい一態様では、前記気体は、微生物等を含まない気体である。
 前記空気は、一般的に用いられる空気であってよく、その組成は特段限定されない。例えば、約8割の窒素と約2割の酸素の混合気体が挙げられる。
 本実施態様において、前記収容部の容積に対する前記気体の体積の割合は、細胞への物質導入が妨げられない限り特に限定されず、好ましい一態様では10%以上であり、別の好ましい一態様では20%以上であり、さらに別の好ましい一態様では30%以上であり、さらに別の好ましい一態様では40%以上であり、さらに別の好ましい一態様では50%以上であり、さらに別の好ましい一態様では60%以上であり、さらに別の好ましい一態様では70%以上であり、さらに別の好ましい一態様では80%以上であり、さらに別の好ましい一態様では90%以上である。一方で、上限は、例えば95%以下である。
 細胞と物質とを含む溶液を収容する収容部の構造や材料は、加圧に耐えられるものであれば特に制限されない。好ましい一態様において、収容部がさらに気体を含む場合も同様である。
 駆動部の構造や材料は特に制限されない。加圧は、例えば、圧縮ガスの圧力が解放される際に生じる圧力によってもよいし、点火装置によって点火される火薬の燃焼により生じる圧力によってもよい。また、圧電素子等の電気的エネルギーやばね等の機械的エネルギーを加圧エネルギーとして利用した圧力によってもよく、これらの形態のエネルギーを適宜組み合わせることで生成した加圧エネルギーを利用した圧力によってもよい。
 加圧として、点火装置によって点火される火薬の燃焼により生じる圧力を用いる態様を採用する場合、火薬としては、例えば、ジルコニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬(ZPP)、水素化チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(THPP)、チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(TiPP)、アルミニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬(APP)、アルミニウムと酸化ビスマスを含む火薬(ABO)、アルミニウムと酸化モリブデンを含む火薬(AMO)、アルミニウムと酸化銅を含む火薬(ACO)、アルミニウムと酸化鉄を含む火薬(AFO)のうち何れか一つの火薬、又はこれらのうち複数の組み合わせからなる火薬であってもよい。これらの火薬の特徴としては、その燃焼生成物が高温状態では気体であっても常温では気体成分を含まないため、点火後燃焼生成物が直ちに凝縮を行う。
 本実施態様の装置の例としては注入器が挙げられる。以下、その詳細を説明する。
 本実施態様の装置の例としての注入器では、収容部には当初から、細胞と物質とを含む溶液が収容されているのではなく、射出口を有するノズルを介して該溶液を収容部内に吸引することにより収容する。このように、収容部への充填操作を必要とする構成を採用することで、所望の細胞と所望の物質とを含む溶液を収容することが可能となる。そのため、該注入器では、シリンジ部は着脱可能に構成されている。尚、気体を収容部内に収容する場合には、該溶液を収容した後に気体を吸引することにより収容してもよいし、先に気体を吸引することにより収容した後に該溶液を収容してもよい。また、ノズル先端の射出口は、細胞と物質とを含む溶液が射出されないように封止される。封止部材や封止方法は、細胞と物質とを含む溶液が射出されないようにされれば、特に制限されない。収容部が気体を含む態様においては、細胞と物質とを含む溶液に加えて気体も射出されないように封止される。封止部材や封止方法は、細胞と物質とを含む溶液が射出されないようにされれば、特に制限されない。
 以下に、図面を参照して注入器の例として、注射器1(無針注射器)について説明する。なお、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は、実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。このことは、後述する実施例についても同様である。なお、注射器1の長手方向における相対的な位置関係を表す用語として、「先端側」及び「基端側」を用いる。当該「先端側」は、後述する注射器1の先端寄り、すなわち射出口31a寄りの位置を表し、当該「基端側」は、注射器1の長手方向において「先端側」とは反対側の方向、すなわち駆動部7側の方向を表している。また、本例示は、点火装置によって点火される火薬の燃焼エネルギーを用いて、細胞と物質とを含む溶液を収容する収容部を加圧する例示であるが、本実施態様はこれに限定されるものではない。
(注射器1の構成)
 図1は、注射器1の概略構成を示す図であり、注射器1のその長手方向に沿った断面図でもある。注射器1は、シリンジ部3とプランジャ4とで構成されるサブ組立体と、注射器本体6とピストン5と駆動部7とで構成されるサブ組立体とが一体に組み立てられた注射器組立体10が、ハウジング(注射器ハウジング)2に取り付けられることで構成される。
 上記の通り、注射器組立体10は、ハウジング2に対して脱着自在となるように構成されている。注射器組立体10に含まれるシリンジ部3とプランジャ4との間に形成される収容部32には細胞と物質とを含む溶液が充填され、そして、当該注射器組立体10は、細胞への物質の導入を行う度に使い捨てられるユニットである。一方で、ハウジング2側には、注射器組立体10の駆動部7に含まれる点火器71に電力供給するバッテリ9が含まれている。バッテリ9からの電力供給は、ユーザがハウジング2に設けられたボタン8を押下する操作を行うことで、配線を介してハウジング2側の電極と、注射器組立体10の駆動部7側の電極との間で行われることになる。なお、ハウジング2側の電極と注射器組立体10の駆動部7側の電極とは、注射器組立体10がハウジング2に取り付けられると、自動的に接触するように両電極の形状および位置が設計されている。またハウジング2は、バッテリ9に駆動部7に供給し得る電力が残っている限りにおいて、繰り返し使用することができるユニットである。なお、ハウジング2においては、バッテリ9の電力が無くなった場合には、バッテリ9のみを交換しハウジング2は引き続き使用してもよい。また、ノズル31の先端の射出口31aは、細胞と物質とを含む溶液が射出されないように封止部43により封止される。封止部43は、キャップ41に固定されたものである。また、キャップ41は、固定部42を介してシリンジ部3に固定されたものである。
 本開示の他の実施態様は、物質が導入された細胞をインビトロで作製する方法であって、細胞と物質とを含む溶液を収容する収容部において、該溶液に対して加圧をする工程を含み、該加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が2.0ミリ秒以下である、方法である。
 その詳細は、既に説明したインビトロで細胞に物質を導入する装置の説明を援用する。
 以下に実施例を記載するが、いずれの実施例も、限定的な意味として解釈される実施例ではない。
 以下の実施例では、まず、収容部の容積に対する気体の体積の割合が0である場合の実施例を記載し、その後に、収容部が気体を含む場合の実施例を記載する。
[収容部内圧の計測方法]
 以下の実施例では、細胞に物質を導入する装置として、図1に記載された注入器を用い、該注入器の収容部内で物質への導入を行った。加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間と、該最大圧力の測定は次のようにして行った。
 収容部に蒸留水100μlを充填し(収容部の容積に対する気体の体積の割合は0である。)、注入器に装着した。テフロン(登録商標)樹脂で作製した冶具を介して収容部のノズル先端と圧電素子(Muller社製、M60-1L-M3)を連結した。圧電素子信号はデジタルオシロスコープ(Tektronics製、TBS2102)によって取得した。デジタルオシロスコープによるデータ取得のタイミングはデバイス用電源からのトリガー信号によって制御した。デバイスの初動時間と最大ピークを示した時間より、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間を算出した。また、最大圧力は、数値でデジタル出力されるため、その中で最大の値を採用した。尚、該測定方法により得られる圧力は収容部内の圧力と同等であり、該測定方法により得られる圧力をもって収容部内の圧力とすることができる。
 結果を表1に示す。尚、いずれの測定も独立して2~3回行ったものである。表1は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間についてはその平均値を、最大圧力については、その最小値(※1)と最大値(※2)を示したものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
[実施例1]株化細胞(接着系細胞)の細胞核内へのプラスミドDNA導入
 ヒト胎児腎細胞293(HEK293細胞)は試験前日までに継代培養し、詳細には、37℃、二酸化炭素5%でウシ胎児血清10%、ペニシリン-ストレプトマイシン入りダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(ナカライテスク)で継代培養した。TrypLE Express (GIBCO)を用いて細胞を回収し、5×10細胞/100μlとなるようにダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で調整した。
 細胞懸濁液100μlに、Cy3標識プラスミドDNA溶液(Mirus)を1.25μg加えてよく混和し、HEK293細胞とCy3標識プラスミドDNAとを含む溶液を準備した。注入器の収容部に該溶液を100μl、該注入器のノズルより吸い上げた(収容部の容積に対する気体の体積の割合は0である。)。ここで、該注入器は、Cy3標識プラスミドDNAを細胞に導入する装置として用いたものであり、図1に記載された注入器である。本実施例では、該注入器はZPPが110mgの条件にセットされたものであり、収容部のノズル側では、キャップがしっかりと装着されることで収容部内が密封状態にされた状態で点火操作を行った。これにより、HEK293細胞にCy3標識プラスミドDNAを含む溶液が導入される。この条件では、HEK293細胞とCy3標識プラスミドDNAとを含む溶液に対する加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が0.135ミリ秒であり、該最大圧力が、(※1)29.30MPa、(※2)32.03MPaである。
 その後、注入器から収容部をはずし、その内容物を1.5mlチューブにノズルより押し出すことで回収した。1200×gで3分間遠心分離して細胞をペレットにし、DAPI含有封入剤(Invitrogene)を用いてスライドを作製した。蛍光顕微鏡(キーエンス)にて観察し、DAPI染色された細胞の核の数および、DAPIとCy3がマージしている細胞の核の数を目視にてカウントしてCy3の細胞核内導入率を算出した。
[実施例2、実施例3、実施例4]
 表2に示すように火薬量を変更すること以外は、実施例1と同様の条件で行った。その結果を、実施例1の結果も併せて表2に示す。
 この事実から、注入器を本実施態様の装置として用いて、HEK293細胞(接着系細胞)の細胞核内へのCy3標識プラスミドDNAの導入ができることが確認できた。また、このことから、物質として、遺伝子を含むDNAを用いた場合には、該遺伝子が導入された細胞を培養等することで該遺伝子を発現させられることは当業者であれば理解できる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
[実施例5]株化細胞(接着系細胞)の細胞内へのデキストラン導入
 実施例1と同様の方法でHEK293細胞を継代培養し、細胞を回収した。適当な細胞濃度(5~10×10細胞/30μl)となるようにダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で調整した。
 細胞懸濁液30μlに、PBSで20μg/μlに溶解したフルオレセインイソチオシアナート-デキストラン(FITC-デキストラン)(4.5kDa)(SIGMA aldrich)を5μl、すなわち100μg分を加えてよく混和し、HEK293細胞と、FITC-デキストランとを含む溶液を準備した。注入器の収容部に該溶液30μlを、該注入器のノズルより吸い上げた(収容部の容積に対する気体の体積の割合は0である。)。ここで、該注入器は、FITC-デキストランを細胞に導入する装置として用いたものであり、実施例1と同様に、図1に記載された注入器である。本実施例では、該注入器はZPPが45mgの条件にセットされたものであり、収容部のノズル側では、キャップがしっかりと装着されることで収容部内が密封状態にされた状態で点火操作を行った。これにより、HEK293細胞にFITC-デキストランを含む溶液が導入される。この条件では、HEK293細胞とFITC-デキストランとを含む溶液に対する加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が0.091ミリ秒であり、該最大圧力が、(※1)9.380MPa、(※2)14.06MPaである。
 その後、注入器から収容部をはずし、その内容物を1.5mlマイクロチューブにノズルより押し出すことで回収した。
 その後、PBSを500μl加えてよく混和し、1200×gで3分間遠心分離した。これをさらに2回反復して細胞の洗浄を行った。
 PBSで0.2%に調製したTriton X-100(ナカライテスク)(w/v)(0.2%Triton X-100溶液)500μlでペレットを懸濁し、ボルテックス(Scientific Industries)で15秒間よく混和した。その後、室温で10分間静置し、細胞膜を破壊した。22,400×gで15分間遠心分離し、上清150μlを分取し、MICRO WELL PLATE(アズワン)の1ウェルに入れた。さらに150μlを分取し、別の1ウェルに入れた。
 次のようにして蛍光強度の測定を行った。すなわち、コロナマルチグレーティングマイクロプレートリーダー(HITACHI)で、吸収波長480nm、蛍光波長520nmのフィルターを用いてFITCの蛍光を測定した。
 尚、ブランクには0.2% Triton X-100溶液を使用した。
[比較例5]
 注入器による点火操作を施さなかったこと以外は、実施例5と同様にした。
 比較例5の蛍光強度(a.u.)が76だったのに対し、実施例5の蛍光強度(a.u.)は321.5であった。この事実から、注入器を本実施態様の装置として用いて、株化細胞(接着系細胞)の細胞内へのFITC-デキストランの導入ができることを確認できた。
[実施例6、実施例7]
 表3に示すように火薬量を変更すること以外は、実施例5と同様の条件で行った。その結果を、実施例5の結果も併せて表3に示す。
[実施例8]
 次を除いて実施例5と同様にした。すなわち、細胞濃度を、10×10細胞/100μlとなるようにダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で調整した。その細胞懸濁液100μlに、PBSで20μg/μlに溶解したフルオレセインイソチオシアナート-デキストラン(FITC-デキストラン)(4.5kDa)(SIGMA aldrich)を5μl、すなわち100μg分を加えてよく混和し、HEK293細胞と、FITC-デキストランとを含む溶液を準備した。注入器の収容部に該溶液100μlを、該注入器のノズルより吸い上げた(収容部の容積に対する気体の体積の割合は0である。)。また、火薬量を15mgに変更した。この条件では、HEK293細胞とFITC-デキストランとを含む溶液に対する加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が0.063ミリ秒であり、該最大圧力が、(※1)0.350MPa、(※2)0.470MPaである。
[比較例6~8]
 注入器による点火操作を施さなかったこと以外は、それぞれ、実施例6~8と同様にした。
 その結果を、表3に示す。この事実から、注入器を本実施態様の装置として用いて、株化細胞(接着系細胞)の細胞内へのFITC-デキストランの導入ができることが確認できた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
[参考例5-1]細胞膜を破壊した株化細胞(接着系細胞)の細胞内へのデキストラン導入
 実施例1と同様の方法でHEK293細胞を継代培養し、細胞を回収した。10×10細胞/30μlとなるようにダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で調整した。
 本参考例では実施例5と異なり、注入器を用いた操作の前に、Triton X-100を用い、細胞内外の隔壁である細胞膜に穴を開けておくことで、FITC-デキストランが細胞内に導入されても、細胞内に留まれない状況を作り出した。実施例5で得られた蛍光強度に対し、本参考例の蛍光強度が顕著に小さければ、物質導入が注入器を用いた操作によるものであることが、実施例5及び比較例5の結果とは別の側面から示される。
 注入器の収容部に細胞懸濁液30μlを、該注入器のノズルより吸い上げた(収容部の容積に対する気体の体積の割合は0である。)。該注入器は、実施例1と同様に、図1に記載された注入器である。さらに2% Triton X-100を3μl吸い上げ約5分間静置した後、PBSで20μg/μlに溶解したフルオレセインイソチオシアナート-デキストラン(FITC-デキストラン)(4.5kDa)(SIGMA aldrich)を5μl、すなわち100μg分を加えてよく混和した。
 本実施例では、該注入器はZPPが75mgの条件にセットされたものであり、収容部のノズル側では、キャップがしっかりと装着されることで収容部内が密封状態にされた状態で点火操作を行った。この条件では、HEK293細胞とFITC-デキストランとを含む溶液に対する加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が0.129ミリ秒であり、該最大圧力が、(※1)17.58MPa、(※2)19.53MPaである。
 その後、注入器から収容部をはずし、その内容物を1.5mlマイクロチューブにノズルより押し出すことで回収した。
 その後、実施例5と同様にして細胞を洗浄し、蛍光強度の測定を行った。
[参考例5-2]
 注入器による点火操作を施さなかったこと以外は、参考例5-1と同様にした。
[参考例5-3]
 Triton X-100で細胞膜を破壊する処理をせずに、注入器を用いて点火操作を行った試験例であり、実施例7と実質的に同一の試験例である。
[参考例5-4]
 Triton X-100で細胞膜を破壊する処理をせずに、注入器を用いて点火操作も行わなかった試験例であり、比較例7と実質的に同一の試験例である。
 結果を表4に示す。この事実から、注入器を本実施態様の装置として用いて、株化細胞(接着系細胞)の細胞内へのFITC-デキストランの導入ができることが確認できた。
 また、参考例5-2と参考例5-4では、Triton X-100処理の有無にかかわらず、蛍光強度に顕著な差がないことが確認された。一方、参考例5-1の結果から、点火操作を行う場合であっても、Triton X-100を用いて細胞内外の隔壁である細胞膜に穴を開けておくことで、蛍光強度は、参考例5-2や参考例5-4のように、参考例5-3と比べて顕著に小さくなることが確認できた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
[実施例9]初代細胞(浮遊系細胞)の細胞内へのデキストラン導入
 生体マウス(BALB/c、8週齢、メス、日本クレア)より常法により脾臓組織を採取し、PBSで2回洗浄した。さらに10cm dish(FALCON)中でPBSに移し、UV滅菌済みピンセットを用いて組織から細胞を回収した。細胞懸濁液の全量を15mlコニカルチューブ(FALCON)に移して2分間静置し、上清を別の15mlコニカルチューブ(FALCON)に移した。1000×gで5分間遠心分離し、ペレットを10mlのPBSで再懸濁して同様の遠心分離を行った。ペレットを1mlのPBSで再懸濁し、細胞数を計測して適当な細胞濃度(10×10細胞/100μl)となるようにPBSで調整した。
 その後は、ZPPが75mgという条件にしたこと以外は実施例5と同様の方法で行った。従って、この条件では、マウス脾臓細胞とFITC-デキストランとを含む溶液に対する加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が0.129ミリ秒であり、該最大圧力が、(※1)17.58MPa、(※2)19.53MPaである。
[比較例9]
 注入器による点火操作を施さなかったこと以外は、実施例9と同様にした。
 その結果、比較例9の蛍光強度(a.u.)が67.5だったのに対し、実施例9の蛍光強度(a.u.)が317.5であった。
 この事実から、注入器を本実施態様の装置として用いて、初代細胞(浮遊系細胞)の細胞内へのFITC-デキストランの導入ができることが確認できた。
 これ以降は、収容部が気体を含む場合の実施例を記載する。
[実施例10]株化細胞(接着系細胞)の細胞内へのプラスミドDNA導入
 実施例1と同様にしてHEK293細胞を回収し、5.5×10個の細胞を含む100μl、70μl、50μl、30μl又は10μlの細胞懸濁液を調製した。細胞の懸濁にはCy3標識プラスミドDNAを2.5μg含むDMEMを使用した。注入器の収容部に該溶液を、該注入器のノズルより吸い上げた。収容部の容積に対する気体の体積の割合が0%である場合は、前記細胞懸濁液を全量吸い上げた。一方で、収容部の容積に対する気体の体積の割合が0%である場合以外は、前記細胞懸濁液をその容量分だけ吸い上げた後、通常の実験室内の空気を充填するように100μlの目盛りまでプランジャを引き上げた。すなわち、収容部の容積に対する気体の体積の割合は、それぞれ、0%、30%、50%、70%、90%である。ここで、該注入器は、Cy3標識プラスミドDNAを細胞に導入する装置として用いたものであり、図1に記載された注入器である。本実施例では、該注入器はZPPが75mgの条件にセットされたものであり、収容部のノズル側では、キャップがしっかりと装着されることで収容部内が密封状態にされた状態で点火操作を行った。これにより、HEK293細胞にCy3標識プラスミドDNAを含む溶液が導入される。
 その後、注入器から収容部をはずし、その内容物を1.5mlマイクロチューブにノズルより押し出すことで回収した。
 その後、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、ナカライテスク)を500μl加えてよく混和し、1200×gで3分間遠心分離した。これをさらに2回反復して細胞の洗浄を行った。
 200μlのPBSでペレットを再懸濁し、ピペッティングにてよく混和した。その後、セルストレイナー・キャップ付ラウンドチューブ(FALCON)にて単一細胞をふるい分け、フローサイトメーターBD FACS CantII(BD社)にてCy3の蛍光を感知するフィルターを用いて細胞を分離し、Cy3標識プラスミドDNAの細胞内導入率を算出した。
[比較例10]
 注入器による点火操作を施さなかったこと以外は、実施例10と同様にした。
 結果を表5に示す。この事実から、収容部が空気を含むことによって、しかも収容部の容積に対する空気の体積の割合が大きくなるにつれて、HEK293細胞(接着系株化細胞)の細胞内へのCy3標識プラスミドDNAの導入をより効率よくできることが確認できた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 
[実施例11]株化細胞(接着系細胞)の細胞内へのデキストランの導入
 細胞の懸濁に、100μgのフルオレセインイソチオシアナート-デキストラン(FITC-デキストラン)(4.5kDa)を含むDMEMを使用したこと以外は、実施例10と同様にした。またフローサイトメーターではFITCの蛍光を感知するフィルターを用いて細胞を分離し、FITC-デキストラン(4.5kDa)の細胞内導入率を算出した。
[比較例11]
 注入器による点火操作を施さなかったこと以外は、実施例11と同様にした。
[実施例12]
 火薬量を45mgに変更したこと以外は、実施例11と同様の条件で行った。
[比較例12]
 注入器による点火操作を施さなかったこと以外は、実施例12と同様にした。比較例11と実質的に同一の試験例である。
 結果を表6に示す。この事実から、収容部が空気を含むことによって、しかも収容部の容積に対する空気の体積の割合が大きくなるにつれて、HEK293細胞(接着系株化細胞)の細胞内へのFITC-デキストランの導入をより効率よくできることが確認できた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 
 1・・・・注射器
 2・・・・ハウジング
 3・・・・シリンジ部
 4・・・・プランジャ
 5・・・・ピストン
 6・・・・注射器本体
 7・・・・駆動部
 8・・・・ボタン
 9・・・・バッテリ
 10・・・・注射器組立体
 31・・・・ノズル部
 31a・・・射出口
 32・・・・収容部
 41・・・・キャップ
 42・・・・固定部
 43・・・・封止部
 71・・・・点火器

Claims (16)

  1.  インビトロで細胞に物質を導入する装置であって、
     細胞と物質とを含む溶液を収容する収容部と、該溶液に対する加圧のための駆動部を備え、
     該加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が2.0ミリ秒以下である、装置。
  2.  前記加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が0.05ミリ秒以上である、請求項1に記載の装置。
  3.  前記最大圧力が0.10MPa以上である、請求項1又は2に記載の装置。
  4.  前記最大圧力が0.35MPa以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
  5.  前記最大圧力が35MPa以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
  6.  前記最大圧力が33MPa以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
  7.  前記収容部が気体を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
  8.  前記物質が遺伝子を含むDNAである、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
  9.  物質が導入された細胞をインビトロで作製する方法であって、
     細胞と物質とを含む溶液を収容する収容部において、該溶液に対して加圧をする工程を含み、
     該加圧は、加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が2.0ミリ秒以下である、方法。
  10.  前記加圧開始から圧力が最大圧力に到達するまでの時間が0.05ミリ秒以上である、請求項9に記載の方法。
  11.  前記最大圧力が0.10MPa以上である、請求項9又は10に記載の方法。
  12.  前記最大圧力が0.35MPa以上である、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
  13.  前記最大圧力が35MPa以下である、請求項9~12のいずれか1項に記載の方法。
  14.  前記最大圧力が33MPa以下である、請求項9~13のいずれか1項に記載の方法。
  15.  前記収容部が気体を含む、請求項9~14のいずれか1項に記載の方法。
  16.  前記物質が遺伝子を含むDNAである、請求項9~15のいずれか1項に記載の方法。
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