WO2019244246A1 - 撮像装置、内視鏡装置及び撮像装置の作動方法 - Google Patents
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Abstract
撮像装置10は、第1~第Nのフレームを1周期として、面順次方式を用いて被写体に照明光を照射する照明部600と、対物光学系210と撮像素子220を有する撮像部200と、対物光学系210のフォーカス位置を制御するフォーカス制御部370と、撮像素子220が撮像した画像を取得する画像取得部390と、深度拡大部330を含む。照明部600は、第1の照明光を第1~第Nのフレームの間にM回発光させ、フォーカス制御部370は、第1の照明光のM回の発光の各発光タイミングにおいて、異なる前記フォーカス位置を設定し、深度拡大部330は、フォーカス位置の異なるM枚の前記画像を合成することによって、深度拡大画像を出力する。
Description
本発明は、撮像装置、内視鏡装置及び撮像装置の作動方法等に関する。
内視鏡装置(内視鏡システム)においては、モノクロの撮像素子に対して波長帯域の異なる照明光を順次照明することによって、解像度の高い画像を撮像する面順次方式が採用されている。ここで内視鏡装置においては、ユーザが行う診断と処置に支障をきたさないように可能な限り深い被写界深度が要求される。しかし近年では、内視鏡装置においても撮像素子が高画素化し、それに従って被写界深度が浅くなってきている。
浅い被写界深度を補う技術として、被写界深度を拡大するEDOF(Extended Depth Of Field)技術の導入が提案されている。例えば特許文献1では、フォーカス位置の異なる複数の画像を同時に撮像できる撮像系に面順次照明を組み合わせて、撮像した複数の画像からピントの合った領域を合成する。これにより、各照明光を用いて撮像された画像の被写界深度を拡大できる。
特許文献1では、1つの撮像素子上に焦点の異なる複数の画像を撮像する。そのため、大型の撮像素子が必要となってしまう。特許文献1の手法を内視鏡装置に適用した場合、撮像素子の大型化は挿入部の太径化につながる。
本発明の幾つかの態様によれば、撮像素子の大型化を必要とせずに被写界深度を拡大する撮像装置、内視鏡装置及び撮像装置の作動方法等を提供できる。
本発明の一態様は、第1~第N(Nは2以上の整数)のフレームを1周期として、面順次方式を用いて被写体に照明光を照射する照明部と、前記被写体からの反射光を被写体像として結像する対物光学系と、前記被写体像が結像される撮像素子と、を有する撮像部と、前記対物光学系のフォーカス位置を制御するフォーカス制御部と、前記撮像素子が撮像した画像を取得する画像取得部と、M枚(Mは2≦M≦N-1を満たす整数)の前記画像を1枚の深度拡大画像に合成することによって被写界深度を拡大する深度拡大部と、を含み、前記照明部は、前記面順次方式を用いて前記被写体に照射される照明光のうちの少なくとも第1の照明光を、前記第1~第Nのフレームの間に、M回発光させ、前記フォーカス制御部は、前記第1の照明光のM回の発光の各発光タイミングにおいて、異なる前記フォーカス位置を設定し、前記深度拡大部は、前記フォーカス位置の異なるM枚の前記画像を合成することによって、前記深度拡大画像を出力する撮像装置に関係する。
また本発明の他の態様は、上記の撮像装置を含む内視鏡装置に関係する。
また本発明のさらに他の態様は、第1~第N(Nは2以上の整数)のフレームを1周期として、面順次方式を用いて被写体に照明光を照射する照明部と、前記被写体からの反射光を被写体像として結像する対物光学系と、前記被写体像が結像される撮像素子と、を有する撮像部と、を含む撮像装置の作動方法であって、前記面順次方式を用いて前記被写体に照射される照明光のうちの少なくとも第1の照明光を、前記第1~第Nのフレームの間に、M(Mは2≦M≦N-1を満たす整数)回発光させ、前記第1の照明光のM回の発光の各発光タイミングにおいて、前記対物光学系のフォーカス位置を異なる前記フォーカス位置に設定し、前記撮像素子が撮像した画像を取得し、前記フォーカス位置の異なるM(Mは2以上の整数)枚の前記画像を1枚の深度拡大画像に合成することによって被写界深度を拡大する撮像装置の作動方法に関係する。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.撮像装置
内視鏡装置等の撮像装置では、複数の照射光を順次照射する面順次方式が広く知られている。例えば撮像装置は、三原色に対応するRGB(Red,Green,Blue)の光を順次照射し、撮像素子から順次取得されるR画像、G画像、B画像を合成することによって、カラー画像を出力する。
内視鏡装置等の撮像装置では、複数の照射光を順次照射する面順次方式が広く知られている。例えば撮像装置は、三原色に対応するRGB(Red,Green,Blue)の光を順次照射し、撮像素子から順次取得されるR画像、G画像、B画像を合成することによって、カラー画像を出力する。
面順次方式とEDOFを組み合わせる場合、R照明の照射によって、互いにフォーカス位置の異なる複数のR画像を取得する必要がある。同様に、互いにフォーカス位置の異なる複数のG画像の取得、及び、互いにフォーカス位置の異なる複数のB画像の取得が必要になる。特許文献1の手法では、1回の光の照射によって、フォーカス位置の異なる複数の画像を取得できる。例えば、1回のR照明の照射によって、フォーカス位置の異なる複数のR画像を同時に取得できるため、当該複数のR画像を合成することによって、被写界深度が拡大されたR画像を取得可能である。
ただし特許文献1の手法では、フォーカス位置の設定が異なる複数の入射光が、撮像素子に同時に入射される。そのため、フォーカス位置の異なる複数の画像を、高い解像度の状態で取得するためには、撮像素子を大型化する必要がある。撮像装置が内視鏡装置である場合、撮像素子が大型化することによって、撮像対象へ挿入される挿入部が大型化、太径化してしまう。
図1は、本実施形態の撮像装置の構成例である。撮像装置10は、照明部600と、撮像部200と、フォーカス制御部370と、画像取得部390と、深度拡大部330を含む。より具体的には、撮像装置10は処理部300を含み、処理部300が、フォーカス制御部370と、画像取得部390と、深度拡大部330を含む。ここで、処理部300は例えば処理装置又は制御装置である。撮像部200はイメージャである。なお、撮像部200は着脱可能であってもよい。
照明部600は、第1~第N(Nは2以上の整数)のフレームを1周期として、面順次方式を用いて被写体に照明光を照射する。撮像部200は、対物光学系210と撮像素子220とを含む。対物光学系210は、被写体からの反射光を被写体像として撮像素子220に結像する。撮像素子220はイメージセンサである。フォーカス制御部370は、対物光学系210のフォーカス位置を制御する。画像取得部390は、撮像素子220が撮像した画像を取得する。深度拡大部330は、M枚(Mは2≦M≦N-1を満たす整数)の画像を1枚の深度拡大画像に合成することによって被写界深度を拡大する。
ここで、後述する図3の例であればN=6であり、M=2である。図3の例では、M枚の画像とは例えばRF0-1とRF1-1の2枚であり、深度拡大画像とはEA1である。なお図3ではG画像及びB画像も深度拡大の対象である。M枚の画像とは例えばGF0-1とGF1-1であり、深度拡大画像とはEA2である。或いは、M枚の画像とは例えばBF0-1とBF1-1であり、深度拡大画像とはEA3である。
そして照明部600は、面順次方式を用いて被写体に照射される照明光のうちの少なくとも第1の照明光を、第1~第Nのフレームの間に、M回発光させる。フォーカス制御部370は、第1の照明光のM回の発光の各発光タイミングにおいて、異なるフォーカス位置を設定する。深度拡大部330は、フォーカス位置の異なるM枚の画像を合成することで、深度拡大画像を出力する。
ここで、面順次方式を用いて被写体に照射される照明光は、互いに波長帯域、周波数帯域の異なる複数の照明光を含む。複数の照明光は、RGBの3つの照明光でもよいし、GBの2つの照明光でもよい。照明光としてRGBを用いる例は図3等を用いて後述し、GBを用いる例は図4等を用いて後述する。また、複数の照明光は、RGBとは異なる波長帯域の照明光を含んでもよく、詳細については図12を用いて後述する。
また、フォーカス位置とは、被写体側においてフォーカスが合う位置である。即ち、合焦面の位置、又は合焦面と光軸の交点の位置である。フォーカス位置は、撮像部の基準位置から、被写体側においてフォーカスが合う位置までの距離を用いて表される。撮像部の基準位置は、例えば撮像素子の位置、又は対物レンズ先端の位置である。対物光学系においてフォーカスレンズを動かすことによってフォーカス位置を調整する。即ち、フォーカス位置とフォーカスレンズの位置は互いに対応しており、フォーカス位置はフォーカスレンズの位置とも言える。
また、深度拡大画像とは、撮像素子220を用いて撮像される画像に比べて、被写界深度が拡大された画像である。具体的には、互いにフォーカス位置が異なる複数の画像に基づいて被写界深度が疑似的に拡大された画像である。例えば、画像の各局所領域において、M枚の画像の中から、その局所領域での合焦度合いが最も高い画像を選択し、その選択した各局所領域の画像を用いて深度拡大画像を構成する。局所領域は例えば画素である。
本実施形態によれば、面順次方式を用いて被写体に照射される照明光のうちの少なくとも第1の照明光について、フォーカス位置を異ならせながらM回の照射、及び撮像を行う。被写界深度の拡大に用いるM枚の画像をMフレームかけて取得するため、撮像素子を大型化する必要性が低い。
なお、第1の実施形態として後述する手法によれば、複数の照明光の全てについて被写界深度の拡大を行うことが可能である。ただし、本実施形態では少なくとも第1の照明光について被写界深度の拡大が行われればよく、被写界深度の拡大の対象とならない照明光が存在することは妨げられない。
具体的には、照明部600は、第1の照明光以外の少なくとも1つの照明光において、第1~第Nのフレームの間に1回だけ発光を行う。これにより、被写界深度の拡大対象とならない照明光の照射頻度を低減できるため、効率的な動作を実現することが可能になる。なお、被写界深度の拡大対象とならない照明光が複数存在する場合、その全ての照明光について1周期当たり1回だけ発光を行うことによって、より効率的な動作を実現できる。この場合の具体例を図8及び図12を用いて後述する。ただし、被写界深度の拡大対象とならない照明光を、1周期内に複数回発光させることも妨げられない。これは、フォーカス位置の制御を容易にする目的で実行されてもよいし、光量不足を補う目的で実行されてもよい。例えば、波長帯域の幅が狭い狭帯域光では、1周期内に複数回の発光を行って複数の画像を取得し、当該複数の画像を合成することによって、光量不足を補うことが可能である。なお、この場合の複数回の発光は被写界深度の拡大を目的としないため、フォーカス位置を変更する必要性は低い。具体例を図9を用いて後述する。
また、撮像装置10は、深度拡大部330において合成した深度拡大画像を、出力の輝度成分に割り当てて表示画像を生成する後処理部350を更に含む。より具体的には、図2に示すとおり、処理部300が後処理部350を含む。
ここで出力の輝度成分とは、例えば複数の出力チャンネルのうち、輝度に対する寄与度が相対的に高い出力チャンネルである。複数の出力チャンネルが広く知られたRGBの3チャンネルである場合、輝度成分とは出力のGチャンネルに対応する。R信号値、G信号値、B信号値をそれぞれR、G、Bとした場合、輝度値Yは例えばY=r×R+g×G+b×Bという式を用いて求められる。RGBとYCrCbとの変換方式は種々知られており、方式に応じて係数r、g、bの値は異なる。ただし、いずれの形式においてもgはrよりも大きく、且つ、gはbよりも大きい。即ち、輝度値Yに対する寄与度は、R信号及びB信号に比べてG信号が相対的に高いと言える。この場合、出力のGチャンネルに割り当てられる画像を、深度拡大画像とする。G画像がGチャンネルに割り当てられる場合、1周期にM回発光する第1の照明光とは、緑色に対応する波長帯域の照明光である。またB画像がGチャンネルに割り当てられる場合、1周期にM回発光する第1の照明光とは、青色に対応する波長帯域の照明光である。
なお出力の輝度成分とは、ユーザにとって視認性の高い波長帯域に対応する成分であり、被写体の形状及び解像度に対する寄与度の高い成分である。よって出力の輝度成分に深度拡大画像を割り当てることによって、広い範囲において被写体の形状を明確に観察可能な表示画像を生成することが可能になる。ここでの範囲とは撮像部200と被写体との距離範囲を表す。また、ユーザの視認性に寄与する信号成分の被写界深度が拡大することが重要であり、輝度成分はGチャンネルに限定されない。処理部300での画像処理として、複数の照明光によって撮像された複数の画像から一旦Y信号、Cr信号、Cb信号を生成し、それを再度RGB信号に変換した後に、各出力チャンネルに割り当てる、という処理も考えられる。この場合、Y信号への寄与度が高い画像の被写界深度を拡大すればよい。具体的には、当該画像を撮像するための照明光を、1周期にM回発光させる制御が行われる。
また、後処理部350は、深度拡大部330において合成した深度拡大画像を、出力の輝度成分以外にもさらに割り当てて表示画像を生成する。具体的には、輝度への寄与度が低い成分、例えば出力のRチャンネルやBチャンネルにも深度拡大画像を割り当てる。
Rチャンネル及びBチャンネルは、ユーザにとっての視認性が相対的に低いものの、表示画像の色味に影響を与える。例えばRチャンネルとBチャンネルの少なくとも一方の信号を強調することによって、特定の被写体の観察が容易になるケースもあり、そのような場合、輝度成分以外の成分にも深度拡大画像を割り当てることによって、当該被写体の視認性を向上させることが可能になる。後述する第1の実施形態では、輝度成分に対応する出力のGチャンネルだけでなく、出力のRチャンネル及びBチャンネルにも深度拡大画像が割り当てられる例を説明する。
また、撮像装置10は、複数の出力チャンネルの各チャンネルに画像を割り当てて、表示画像を生成する後処理部350を含み、後処理部350は、複数の出力チャンネルのうちの1つの出力チャンネルに、深度拡大部330において合成した深度拡大画像を割り当て、複数の出力チャンネルのうちの他の出力チャンネルに、被写界深度が拡大されていない画像を割り当てて、表示画像を生成することも妨げられない。
これにより、深度拡大画像を割り当てる出力チャンネルを1つとすることが可能になる。その他の出力チャンネルには、深度拡大画像を割り当てる必要がない。そのため、被写界深度の拡大対象とならない照明光の1周期当たりの発光回数を少なくでき、照明部600やフォーカス制御部370での制御が容易になる。ここでの発光回数とは狭義には1回である。また、被写界深度を拡大する画像処理の対象となる画像の種類が1つに限定されるため、処理部300での処理負荷を軽減することが可能になる。後述する第2の実施形態では、輝度成分に対応する出力のGチャンネルに深度拡大画像を割り当て、他の出力チャンネルであるRチャンネル及びBチャンネルには深度拡大画像を割り当てない例を説明する。
なお、ここで深度拡大画像が割り当てられる1つの出力チャンネルとは、狭義には輝度成分に対応するチャンネルであり、上述したように出力のGチャンネルである。ただし、輝度成分以外のチャンネルに深度拡大画像を割り当てることに利点がある場合もあることは上述した通りである。よって輝度成分以外に深度拡大画像を割り当て、輝度成分に深度拡大画像を割り当てない変形実施も妨げられない。
また撮像装置10は、画像取得部390が取得した画像に輪郭強調処理を行い、輪郭強調画像を生成する輪郭強調部380と、複数の出力チャンネルの各チャンネルに画像を割り当てて、表示画像を生成する後処理部350を含む。そして後処理部350は、複数の出力チャンネルのうちの少なくとも1つの出力チャンネルに、深度拡大部330において合成した深度拡大画像を割り当て、後処理部350は、複数の出力チャンネルのうちの他の出力チャンネルに、輪郭強調部380が生成した輪郭強調画像を割り当てて、表示画像を生成する。
このように、深度拡大画像が割り当てられる出力チャンネル以外のチャンネルに対して、撮像画像そのものではなく輪郭強調画像を割り当てることによって、表示画像の視認性向上が可能になる。後述する第2の実施形態では、深度拡大画像が割り当てられないRチャンネル及びBチャンネルに輪郭強調画像を割り当てる例を説明する。
また、1周期内における第1の照明光のM回の発光の各発光タイミングにおけるフォーカス位置を、第1~第Mのフォーカス位置とする。この場合に、フォーカス制御部370は、第1の照明光の以外の照明光におけるフォーカス位置を、第1~第Mのフォーカス位置のうちの最も遠い被写体へ合焦するフォーカス位置と最も近い被写体へ合焦するフォーカス位置の間のフォーカス位置に設定する。
後述する図8等では、F0、F1、F2は合焦する被写体までの距離の順に並んでおり、F0とF2の2つが第1~第Mのフォーカス位置に対応する(M=2)。この場合、F0とF2の一方が最も遠い被写体へ合焦するフォーカス位置であり、他方が最も近い被写体へ合焦するフォーカス位置となる。そして、被写界深度の拡大対象とならない2つの照明光は、いずれもフォーカス位置がF1に設定される。F1は合焦する被写体の位置がF0とF2の間の位置となるフォーカス位置である。
深度拡大画像を生成するためには、フォーカス制御部370は、フォーカス位置を少なくとも第1~第Mのフォーカス位置の範囲を対象として移動させる必要がある。その際、最も遠点側と最も近点側の間のフォーカス位置で他の照明光を照射することによって、フォーカス位置の制御を容易にすることが可能になる。図8の例であれば、F0からF2への切り替えの途中でB照明の照射を行い、F2からF0への切り替えの途中でR照明の照射が行われる。即ち、深度拡大画像を取得するためのフォーカス位置制御の中で、被写界深度の拡大対象でない照射光の照射を自然に実行でき、フォーカス位置の制御が容易である。
また、深度拡大部330は、画像が撮像される毎に深度拡大画像を出力し、後処理部350は、深度拡大部330から出力される深度拡大画像によって、表示画像のうち、少なくとも1つの成分を更新することによって、表示画像を出力する。
これは具体的には、後述する図3及び図4に対応する。これにより、撮像のフレームレートと、表示画像が出力されるフレームレートを同じにできる。つまり、表示画像を高いフレームレートを用いて出力しようとした場合、撮像のフレームレートを過剰に大きくする必要がない。1フレームの撮像における露光時間、換言すれば照射光の照射時間を長くできるため、明るく視認性の高い表示画像を生成することが可能である。
また、N=3×i(iは2以上の整数)であり、照明部600は、第1の照明光、第2の照明光、第3の照明光の順次発光を、第1~第Nのフレームの間にi回繰り返す。図3の例では第1の照明光がR、第2の照明光がG、第3の照明光がBであり、第2の照明光及び第3の照明光についても被写界深度の拡大対象である。なお、図3の例ではi=2であるが、iは3以上であってもよい。
そしてフォーカス制御部370は、同一の照明光のj回目(jは1≦j<iの整数)の発光タイミングと、j+1回目の発光タイミングとで、異なる前記フォーカス位置を設定する。図3の例において、画像IA1~IA6を1周期と考えた場合、RGBの各照明光の1回目の発光タイミングでのフォーカス位置がF0であり、2回目の発光タイミングでのフォーカス位置がF1である。即ち、フォーカス制御部370は、同一の照明光が直前に発光したタイミングとはフォーカス位置を異ならせる制御を行う。
これにより、3つの照明光を用い、且つ、全ての照明光の照射による画像の被写界深度を拡大する場合に、適切な発光制御、及びフォーカス位置の制御が可能になる。
また、N=2×i(iは2以上の整数)であり、照明部600は、第1の照明光、第2の照明光の順次発光を、第1~第Nのフレームの間にi回繰り返す。フォーカス制御部370は、同一の照明光のj回目(jは1≦j<iの整数)の発光タイミングと、j+1回目の発光タイミングとで、異なる前記フォーカス位置を設定する。図4、図5の例では、第1の照明光はBであり、第2の照明光はGである。
このようにすれば、2つの照明光を用い、且つ、全ての照明光の照射による画像の被写界深度を拡大する場合に、適切な発光制御、及びフォーカス位置の制御が可能になる。
また、N=4×i(iは2以上の整数)であり、照明部600は、第1の照明光、第1の照明光、第2の照明光、第2の照明光の順次発光を、第1~第Nのフレームの間にi回繰り返す。フォーカス制御部370は、同一の照明光のj回目(jは1≦j<2×iの整数)の発光タイミングと、j+1回目の発光タイミングとで、異なる前記フォーカス位置を設定する。
図6の例において、画像ID2~ID9を1周期と考えた場合、第1の照明光はGであり、第2の照明光はBである。1周期内におけるG照明の4回の発光タイミングでは、フォーカス位置はF1(画像ID2)、F2(画像ID3)、F1(画像ID6)、F0(画像ID7)と変化する。同様に、1周期内におけるB照明の4回の発光タイミングでは、フォーカス位置はF1(画像ID4)、F2(画像ID5)、F1(画像ID8)、F0(画像ID9)と変化する。即ち、フォーカス制御部370は、同一の照明光が直前に発光したタイミングとはフォーカス位置を異ならせる制御を行う。
これにより、2つの照明光を用い、且つ、全ての照明光の照射による画像の被写界深度を拡大する場合に、適切な発光制御、及びフォーカス位置の制御が可能になる。特に図5では表示画像の出力間隔が1フレーム又は3フレームと変動するのに対して、図6の手法では表示画像の出力間隔を2フレームに揃えることが可能になる。
また、N=4であり、照明部600は、照明光を第2の照明光、第1の照明光、第3の照明光、第1の照明光の周期によって順次発光する。フォーカス制御部370は、第1~第Nのフレームの中での第1の照明光の1回目の発光タイミングと2回目の発光タイミングとで、異なるフォーカス位置を設定する。
図8の例において、画像IE1~IE4を1周期と考えた場合、第1の照明光はG、第2の照明光はR、第3の照明光はBであり、1周期の中で照明光はR,G,B,Gの順で切り替えられる。なお図8の例において、画像IE2~IE5を1周期と考えてもよいし、画像IE3~IE6を1周期と考えてもよいし、画像IE4~IE7を1周期と考えてもよい。即ち、1周期の中での照明光の照射順は、G,B,G,Rであってもよいし、B,G,R,Gであってもよいし、G,R,G,Bであってもよく、これらは全て同義である。
このようにすれば、3つの照明光を用い、且つ、そのうちの第1の照明光の照射による画像の被写界深度を拡大する場合に、適切な発光制御、及びフォーカス位置の制御が可能になる。
また、N=3であり、照明部600は、照明光を第1の照明光、第2の照明光、第1の照明光の周期によって順次発光する。或いはN=4であり、照明部600は、照明光を第1の照明光、第2の照明光、第1の照明光、第2の照明光の周期によって順次発光する。図10がN=3の場合に対応し、図9がN=4の場合に対応する。図9、図10の例では第1の照明光がBであり、第2の照明光がGである。フォーカス制御部370は、第1~第Nのフレームの中での第1の照明光の1回目の発光タイミングと2回目の発光タイミングとで、異なるフォーカス位置を設定する。
これにより、2つの照明光を用い、且つ、そのうちの第1の照明光の照射による画像の被写界深度を拡大する場合に、適切な発光制御、及びフォーカス位置の制御が可能になる。なお図9と図10を比較した場合、図10は被写界深度の拡大対象でないGの照明光の照射頻度を低減できるという点で有利であり、図9はフォーカス位置の急激な変化を抑制できるという点で有利である。
また、N=6であり、照明部600は、照明光を第2の照明光、第1の照明光、第3の照明光、第4の照明光、第1の照明光、第5照明光の周期によって順次発光する。フォーカス制御部370は、第1~第Nのフレームの中での第1の照明光の1回目の発光タイミングと2回目の発光タイミングとで、異なるフォーカス位置を設定する。図12の例において、画像II1~II6を1周期と考えた場合、第1の照明光はG、第2の照明光はR、第3の照明光はB、第4の照明光はR’、第5の照明光はB’であり、1周期の中で照明光はR,G,B,R’,G,B’の順で切り替えられる。
これにより、5つの照明光を用い、且つ、そのうちの第1の照明光の照射による画像の被写界深度を拡大する場合に、適切な発光制御、及びフォーカス位置の制御が可能になる。なお、照明光の数は2,3,5のいずれかに限定されず、4であってもよいし6以上であってもよい。また照明光の波長帯域も、R,G,B,R’,B’に対応する帯域に限定されず、他の帯域の照明光を用いてもよい。
また、N=4であり、照明部600は、照明光を第1の照明光、第1の照明光、第1の照明光、第2の照明光の周期によって順次発光する。フォーカス制御部370は、第1~第Nのフレームの中での第1の照明光の1回目の発光タイミングと2回目の発光タイミングとで異なるフォーカス位置を設定する。またフォーカス制御部370は、第1~第Nのフレームの中での第1の照明光の2回目の発光タイミングと3回目の発光タイミングとで異なるフォーカス位置を設定する。図11の例において、画像IH1~IH4を1周期と考えた場合、第1の照明光はB、第2の照明光はGであり、1周期の中で照明光はB,B,B,Gの順で切り替えられる。
これにより、2つの照明光を用い、且つ、そのうちの第1の照明光の照射による画像の被写界深度を拡大する場合に、適切な発光制御、及びフォーカス位置の制御が可能になる。また、図11の例ではB照明の1~3回目の発光タイミングでのフォーカス位置が、それぞれF0、F1、F2であり、その全てが異なる位置に設定される。そのため、図9及び図10等と比較した場合、被写界深度の拡大率を高くすることが可能になる。
また、撮像素子220は、カラーフィルタを備えないモノクロセンサである。モノクロセンサと面順次方式の組み合わせによって、撮像素子の全面を用いて1つの画像を出力できる。デモザイキング等の補間処理が不要となるため、高い解像度の画像を取得できる。
ただし、撮像素子220は、カラーフィルタを備えたカラーセンサであることは妨げられない。カラーフィルタを備えた撮像素子220を用いることによって、モノクロセンサを用いる場合に比べて照明光の照射回数を削減することが可能になる。カラーフィルタを備えた撮像素子220を用いる手法については、変形例として後述する。
なお、本実施形態の撮像装置10は以下のように構成されてもよい。即ち、処理部300は、情報を記憶するメモリと、メモリに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサと、を含む。情報は、例えばプログラムや各種のデータである。プロセッサは、フォーカス制御処理と画像取得処理と深度拡大処理とを行う。フォーカス制御処理は、被写体像を撮像素子に結像する対物光学系のフォーカス位置を制御する。画像取得処理は、撮像素子が撮像した画像を取得する。深度拡大処理は、M枚(Mは2以上の整数)の前記画像を1枚の深度拡大画像に合成することによって被写界深度を拡大する。
プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置や、1又は複数の回路素子で構成することができる。回路装置は例えばIC等である。回路素子は例えば抵抗、キャパシター等である。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。ただし、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路でもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリは、SRAM、DRAMなどの半導体メモリであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリはコンピュータによって読み取り可能な命令を格納しており、当該命令をプロセッサが実行することで、処理部300の各部の機能が処理として実現される。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。処理部300の各部は、画像取得部390、深度拡大部330、フォーカス制御部370、制御部360、前処理部310、後処理部350である。
また、本実施形態の処理部300の各部は、プロセッサ上で動作するプログラムのモジュールとして実現されてもよい。例えば、フォーカス制御部370はフォーカス制御モジュールとして実現され、画像取得部390は画像取得モジュールとして実現され、深度拡大部330は画像合成モジュールとして実現される。
また、本実施形態の処理部300の各部が行う処理を実現するプログラムは、例えばコンピュータによって読み取り可能な媒体である情報記憶媒体に格納できる。情報記憶媒体は、例えば光ディスク、メモリーカード、HDD、或いは半導体メモリなどによって実現できる。半導体メモリは例えばROMである。処理部300は、情報記憶媒体に格納されるプログラムに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体は、処理部300の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記憶する。コンピュータは、入力装置、処理部、記憶部、出力部を備える装置である。プログラムは、処理部300の各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
2.第1の実施形態
まず第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では複数の照射光の照射によって撮像される画像を対象として、被写界深度の拡大が行われる例を説明する。
まず第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では複数の照射光の照射によって撮像される画像を対象として、被写界深度の拡大が行われる例を説明する。
2.1 内視鏡装置の構成例
以下では本実施形態の撮像装置が内視鏡装置である場合を説明するが、撮像装置は内視鏡装置に限定されない。撮像装置は、連続的に深度拡大画像を取得するものであればよく、例えば深度拡大された動画を撮影するものであればよい。例えば、撮像装置は顕微鏡であってもよい。
以下では本実施形態の撮像装置が内視鏡装置である場合を説明するが、撮像装置は内視鏡装置に限定されない。撮像装置は、連続的に深度拡大画像を取得するものであればよく、例えば深度拡大された動画を撮影するものであればよい。例えば、撮像装置は顕微鏡であってもよい。
図2は、内視鏡装置12の詳細な構成例である。図2の内視鏡装置12は撮像装置10の一例である。
挿入部100は、体内へ挿入される部分である。挿入部100は、ライトガイド110と撮像部200とを含む。
ライトガイド110は、照明部600からの出射光を、挿入部100の先端まで導光する。照明部600は、例えば白色光源610と回転フィルタ620を含む。白色光源610は、可視光領域で波長毎に均一な強度である白色光を照射する。白色光源610は、例えばLED、又はキセノンランプである。回転フィルタ620は、透過する波長帯域が異なる色フィルタを複数備えており、回転しながら白色光を透過することで波長帯域の異なる照明光を順次ライトガイド110に照射する。なお、回転フィルタ620が有する色フィルタの数及び各色フィルタの分光特性は、種々の変形実施が可能である。
撮像部200は、被写体からの反射光を結像し、被写体の画像を撮像する。撮像部200は、対物光学系210と撮像素子220とA/D変換部230とを含む。A/D変換部230は例えばA/D変換回路である。なお、A/D変換部230はイメージセンサに内蔵されてもよい。
ライトガイド110からの出射光が被写体に照射される。対物光学系210は、被写体から反射した反射光を、被写体像として結像する。対物光学系210のフォーカス位置は変更可能であり、後述するフォーカス制御部370によって制御される。
撮像素子220は、対物光学系210によって結像された被写体像を光電変換することによって、画像を撮像する。A/D変換部230は、撮像素子220から順次出力されるアナログ信号をデジタルの画像に変換し、そのデジタルの画像を前処理部310に順次出力する。具体的には、撮像素子220が被写体の動画を撮像する。A/D変換部230は、その動画の各フレームの画像をA/D変換し、デジタルの画像を前処理部310へ出力する。前処理部310は、デジタルの動画を出力する。
処理部300は、画像処理を含む信号処理と、内視鏡装置12の制御とを行う。処理部300は、前処理部310と、第1フレームメモリ320と、深度拡大部330と、第2フレームメモリ340と、後処理部350と、制御部360と、フォーカス制御部370と、を含む。前処理部310は例えば前処理回路である。第1フレームメモリ320及び第2フレームメモリ340は例えばRAM等のメモリである。深度拡大部330は例えば画像合成回路である。後処理部350は例えば後処理回路である。制御部360は例えば制御回路又はコントローラであり、フォーカス制御部370は例えばフォーカス制御回路又はフォーカスコントローラである。
前処理部310は、A/D変換部230から順次出力された画像に対して、画像処理を施し、その処理後の画像を第1フレームメモリ320と深度拡大部330に順次出力する。画像処理は、例えばホワイトバランス処理、補間処理等である。なお、図2の前処理部310が図1の画像取得部390に相当する。
第1フレームメモリ320は、前処理部310から出力された(M-1)枚の画像を記憶し、その画像を深度拡大部330へ出力する。Mは2以上の整数である。ここで、1枚の画像は、動画の1フレームにおいて撮像された画像である。
深度拡大部330は、第1フレームメモリ320が記憶する(M-1)枚の画像と、前処理部310が出力する1枚の画像とを、1枚の深度拡大画像へ合成し、その深度拡大画像を出力する。即ち、深度拡大部330はM枚の画像から1枚の深度拡大画像を生成する。ここで、合成される画像は、同じ波長帯域の照明光を照射したタイミングで取得された画像である。深度拡大部330は、深度拡大画像の各局所領域において、M枚の画像のうち最もフォーカスが合っている画像を選択し、その選択した画像の局所領域を抽出し、抽出した局所領域から深度拡大画像を合成する。
第2フレームメモリ340は、深度拡大部330から出力される深度拡大画像を格納する。格納された深度拡大画像は後処理部350に出力される。
後処理部350は、深度拡大部330から出力される深度拡大画像と、第2フレームメモリ340に格納された深度拡大画像とを合成することでフルカラー画像を生成し、さらにガンマ処理等の画像処理を施し、表示部400に出力する。
制御部360は、撮像素子220、前処理部310、第1フレームメモリ320、深度拡大部330、第2フレームメモリ340、後処理部350、フォーカス制御部370、照明部600と双方向に接続しており、これらを制御する。例えば制御部360は、照明部600から照射される照射光の種類及び発光タイミングと、フォーカス制御部370によるフォーカス位置とを同期させる。
フォーカス制御部370は、フォーカス位置を制御するフォーカス制御信号を対物光学系210へ出力する。フォーカス位置の制御の詳細は後述する。M枚の画像はフォーカス位置がそれぞれ異なるタイミングで取得され、同じ波長帯域の照明光が照射されたタイミングで撮像された画像を深度拡大部330で1枚に合成することによって被写界深度を拡大した深度拡大画像が得られる。
表示部400は、深度拡大部330から出力される深度拡大画像を順次表示する。即ち、深度拡大画像をフレーム画像とする動画を表示する。表示部400は、例えば液晶ディスプレイやEL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。
外部I/F部500は、ユーザが内視鏡装置に対して入力等を行うためのインターフェースである。即ち、内視鏡装置を操作するためのインターフェース、或いは内視鏡装置の動作設定を行うためのインターフェース等である。例えば、外部I/F部500は、画像処理のパラメータを調整するための調整ボタン等を含む。
2.2 動作
以下、内視鏡装置12の動作について説明する。具体的には図3~図6を用いて4つの動作例について説明する。
以下、内視鏡装置12の動作について説明する。具体的には図3~図6を用いて4つの動作例について説明する。
図3は、照明光が3種類の3面順次方式であり、深度拡大レベルが2倍であるときの内視鏡装置12の動作を説明する図である。なお、以下では照明光がRGBの3つである例を説明するが、3つの照明光は互いに波長帯域が異なるものであれば具体的な波長帯域は種々の変形実施が可能である。また、深度拡大レベルとは、被写界深度の拡大度合いを表すものである。深度拡大レベルが2倍とは、フォーカス位置の異なる2枚の画像の合成によって深度拡大画像が生成されることを表す。即ち図3ではM=2となる。
撮像素子220の撮像のフレームレートは、例えば60fps(frame per second)である。フォーカス制御部370は、F0(画像IA1、IA2、IA3)、F1(画像IA4、IA5、IA6)、F0(画像IA7、IA8、IA9)、…とフォーカス位置を変化させる。照明部600は、R(画像IA1)、G(画像IA2)、B(画像IA3)、R(画像IA4)、…と波長帯域の異なる照明光を順次照射する。図3の例では、N=6であり、例えば画像IA1~IA6が取得される6フレームが1周期となる。フォーカス制御部370の制御は、F0とF1を3フレームずつ交互に変化させる制御と言い換えられる。照明部600の動作は、RGBを1フレームずつ照射する動作を1周期内で2回繰り返す動作と言い換えられる。
画像IA1~IA3の取得タイミングでは、深度拡大に用いるM枚の画像が揃っていないため、深度拡大部330は合成処理を実行せず、後処理部350は表示画像を出力しない。画像IA4が撮像されたら、深度拡大部330は第1フレームメモリ320に記憶されていた画像IA1と、前処理部310から出力される画像IA4を合成し、深度拡大画像EA1を生成する。なお図3において、IA1(RF0-1)との表記は、画像IA1が、フォーカス位置がF0に設定された状態で、R照明の照射によって撮像された1枚目の画像であることを表す。図3の他の箇所、及び図4以降でも同様であり、図面中のXY-Zとの表記は、当該画像が照明光X及びフォーカス位置Yの組み合わせによって撮像された画像であること、及び当該画像がXYの組み合わせによって撮像されたZ枚目の画像であることを表す。生成された深度拡大画像EA1は、第2フレームメモリ340に記憶される。ここで深度拡大画像EA1を合成する際は、画像IA4(RF1-1)を基準画像とし、画像IA1は画像IA4に対して位置合わせを行った上で合成する。
同様に、画像IA5(GF1-1)が撮像されたら、深度拡大部330は第1フレームメモリ320に記憶されていた画像IA2(GF0-1)と、前処理部310から出力される画像IA5を合成し、深度拡大画像EA2を生成する。生成された深度拡大画像EA2は、第2フレームメモリ340に記憶される。深度拡大画像EA2を合成する際は、画像IA5を基準画像とし、画像IA2を合成する。
同様に、画像IA6(BF1-1)が撮像されたら、深度拡大部330は第1フレームメモリ320に記憶されていた画像IA3(BF0-1)と、前処理部310から出力される画像IA6を合成し、深度拡大画像EA3を生成する。生成された深度拡大画像EA3は、第2フレームメモリ340及び後処理部350に出力される。深度拡大画像EA3を合成する際は画像IA6を基準画像とし、画像IA3を合成する。
そして後処理部350は、深度拡大部330から出力される深度拡大画像EA3と、第2フレームメモリ340から読みだした深度拡大画像EA1及び深度拡大画像EA2を出力チャンネルに割り当てて表示画像を生成する。具体的には、後処理部350は、深度拡大画像EA1を出力のRチャンネルに割り当て、深度拡大画像EA2を出力のGチャンネルに割り当て、深度拡大画像EA3を出力のBチャンネルに割り当てることで、表示画像DA1を出力する。
以上で1周期の処理が完了し、これ以降はフォーカス制御部370及び照明部600は、同様の制御を繰り返す。例えばIA6の次のフレームでは、深度拡大部330は、前処理部310から出力される画像IA7(RF0-2)を基準画像として、第1フレームメモリ320から読みだした画像IA4(RF1-1)を合成することによって深度拡大画像EA4を生成する。生成された深度拡大画像EA4は、第2フレームメモリ340及び後処理部350に出力される。そして後処理部350は、深度拡大画像EA4を出力のRチャンネルに割り当て、深度拡大画像EA2を出力のGチャンネルに割り当て、深度拡大画像EA3を出力のBチャンネルに割り当てることによって、表示画像DA2を出力する。即ち、所与の照明光の照射によって新たな深度拡大画像が取得された場合、同じ照明光の照射によって取得された過去の深度拡大画像を、当該新たな深度拡大画像によって更新する。
これ以降も同様であり、図3の例では、最初に表示画像が出力される画像IA6以降のフレームでは、各フレームにおいて深度拡大画像の取得、及び表示画像の出力が行われる。撮像のフレームレートと表示画像の出力のフレームレートが等しくなり、撮像が60fpsであれば表示も60fpsとなる。
図3に示した手法によって、RGBの面順次照明を行いつつ、異なるタイミングで撮像したフォーカス位置の異なる2枚の画像を合成することによって2倍の深度拡大(時分割EDOF)を実現できる。
図4は、照明光が2種類の2面順次方式であり、深度拡大レベルが2倍であるときの内視鏡装置12の動作を説明する図である。なお、以下では照明光がGBの2つである例を説明するが、2つの照明光は互いに波長帯域が異なるものであれば具体的な波長帯域は種々の変形実施が可能である。
撮像素子220の撮像のフレームレートは、例えば60fpsである。フォーカス制御部370は、F0(画像IB1、IB2)、F1(画像IB3、IB4)、F0(画像IB5、IB6)、…とフォーカス位置を変化させる。照明部600は、G(画像IB1)、B(画像IB2)、G(画像IB3)、B(画像IB4)、…と波長帯域の異なる照明光を順次照射する。図4の例では、N=4であり、例えば画像IB1~IB4が取得される4フレームが1周期となる。
深度拡大部330は撮像した画像IB1(GF0-1)、画像IB3(GF1-1)を合成し、深度拡大画像EB1を出力する。ここで深度拡大画像EB1を合成する際は、画像IB3を基準画像とし、画像IB1はIB3に対して位置合わせを行った上で合成する。
深度拡大画像EB2を合成する際は、画像IB4(BF1-1)を基準画像とし、画像IB2(BF0-1)を合成する。そして後処理部350は、深度拡大画像EB1を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EB2を出力のGチャンネルに割り当てることで、表示画像DB1を出力する。
以上で1周期の処理が完了し、これ以降はフォーカス制御部370及び照明部600は、同様の制御を繰り返す。例えばIB4の次のフレームでは、深度拡大部330は、画像IB5(GF0-2)を基準画像とし画像IB3(GF1-1)を合成することによって深度拡大画像EB3を合成する。そして後処理部350は、深度拡大画像EB3を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EB2を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DB2を出力する。
図4に示した手法によって、GBの面順次照明を行いつつ、深度拡大レベル2倍の時分割EDOFを実現できる。
図5は、照明光が2種類の2面順次方式であり、深度拡大レベルが3倍であるときの内視鏡装置12の動作を説明する図である。
撮像素子220の撮像のフレームレートは例えば120fspである。フォーカス制御部370は、F0(画像IC1、IC2)、F1(画像IC3、IC4)、F2(画像IC5、IC6)、F1(画像IC7、IC8)、…とフォーカス位置を変化させる。照明部600は、G(画像IC1)、B(画像IC2)、G(画像IC3)、B(画像IC4)、…と波長帯域の異なる照明光を順次照射する。図5の例では、N=8であり、例えば画像IC1~IC8が取得される8フレームが1周期となる。
深度拡大部330は撮像した画像IC1(GF0-1)、IC3(GF1-1)、IC5(GF2-1)を合成し、深度拡大画像EC1を出力する。ここで深度拡大画像EC1を合成する際は、画像IC3を基準画像とし、画像IC1及びIC5は画像IC3に対して位置合わせを行った上で合成する。深度拡大画像EC2を合成する際は、画像IC4(BF1-1)を基準画像とし、画像IC2(BF0-1)及びIC6(BF2-1)を合成する。
そして後処理部350は、深度拡大画像EC1を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EC2を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DC1を出力する。
画像IC8を撮像するフレームによって1周期の処理が完了するが、図5の例では次の深度拡大画像の出力は2周期目に行われる。例えば深度拡大部330は、画像IC9の取得後に、画像IC7(GF1-2)を基準画像として、画像IC5(GF2-1)及びIC9(GF0-2)を合成することで深度拡大画像EC3を合成する。そして後処理部350は、深度拡大画像EC3を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EC2を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DC2を出力する。
図5に示した手法によって、GBの面順次照明を行いつつ、深度拡大レベル3倍の時分割EDOFを実現できる。なお、G照明に着目した場合、深度拡大画像EC1は画像IC1、IC3、IC5の合成によって生成され、次の深度拡大画像EC3は画像IC5、IC7、IC9の合成によって生成される。つまり、画像IC7の撮像タイミングでは深度拡大画像は生成されず、表示画像も出力(更新)されない。B照明に着目した場合も同様であり、画像IC8の撮像タイミングでは深度拡大画像は生成されず、表示画像も出力されない。最初に表示画像が出力される画像IC6以降のタイミングでは、表示画像が出力されるフレームと出力されないフレームとが2フレームずつ交互に現れることになる。図5の例では、撮像のフレームレートに対して表示画像の出力のフレームレートが1/2となる。表示画像の出力のフレームレートを60fpsとする場合、撮像のフレームレートは上述したように120fpsとなる。
図6は、照明光が2種類の2面順次方式であり、深度拡大レベルが3倍であるときの内視鏡装置12の動作を説明する図である。
撮像素子220の撮像のフレームレートは例えば120fspである。フォーカス制御部370は、F0(画像ID1)、F1(画像ID2)、F2(画像ID3)、F1(画像ID4)、F2(画像ID5)、F1(画像ID6)、F0(画像ID7)、F1(画像ID8)、…とフォーカス位置を変化させる。照明部600は、G(画像ID1)、B(画像ID2、ID3)、G(画像ID4、ID5)、B(画像ID6、ID7)、…と波長帯域の異なる照明光を順次照射する。図6の例では、N=8であり、例えば画像ID1~ID8が取得される8フレームが1周期となる。
深度拡大部330は撮像した画像ID1(GF0-1)、ID4(GF1-1)、ID5(GF2-1)を合成し、深度拡大画像ED1を出力する。ここで深度拡大画像ED1を合成する際は、画像ID4を基準画像とし、画像ID1、ID5は画像ID4に対して位置合わせを行った上で合成する。深度拡大画像ED2を合成する際は、画像ID6(BF1-2)を基準画像とし、画像ID3(BF0-1)、ID7(BF2-1)を合成する。
そして後処理部350は、深度拡大画像ED1を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像ED2を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DD1を出力する。
画像ID8を撮像するフレームによって1周期の処理が完了するが、図6の例では次の深度拡大画像の出力は2周期目に行われる。例えば深度拡大部330は、画像ID9の取得後に、画像ID8(GF1-2)を基準画像とし画像ID5(GF2-1)、ID9(GF0-2)を合成することによって深度拡大画像ED3を合成する。そして後処理部350は、深度拡大画像ED3を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像ED2を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DD2を出力する。
図6に示した手法によって、GBの面順次照明を行いつつ、深度拡大レベル3倍の時分割EDOFを実現できる。なお、G照明に着目した場合、深度拡大画像ED1は画像ID1、ID4、ID5の合成によって生成され、深度拡大画像ED3は画像ID5、ID8、ID9の合成によって生成される。つまり、画像ID8の撮像タイミングでは深度拡大画像は生成されず、表示画像も出力されない。最初に表示画像が出力される画像ID7以降のタイミングでは、表示画像が出力されるフレームと出力されないフレームとが1フレームずつ交互に現れることになる。即ち図6の例においても、図5の例と同様に、撮像のフレームレートに対して表示画像の出力のフレームレートが1/2となる。表示画像の出力のフレームレートを60fpsとする場合、撮像のフレームレートは上述したように120fpsとなる。
なお、図5及び図6の動作は、2照明、深度拡大レベル3倍の時分割EDOFである点、及び表示画像の出力フレームレートが撮像のフレームレートの1/2となる点では同様である。ただし図5と図6は、表示画像の出力間隔が相違する。図5では、表示画像が出力されないフレームが2フレーム連続し、その後に、表示画像が出力されるフレームが2フレーム連続する。即ち、表示画像の出力間隔が1フレーム(1/120秒)の場合と3フレーム(1/40秒)の場合があり不均一である。それに対して、図6では、表示画像が出力されないフレームと、表示画像が出力されるフレームが1フレームずつ交互に現れる。即ち、表示画像の出力間隔を2フレーム(1/60秒)に揃えることができ、その点で図5に比べて望ましい。
また図5と図6の動作は、基準画像と位置合わせする画像間のタイミング差という点でも相違する。図5の場合、基準画像に対して、2フレーム前の画像と2フレーム後の画像が位置合わせされる。例えば画像IC3を基準画像として2フレーム前のIC1と2フレーム後のIC5が位置合わせされる。つまり、画像間のタイミング差を2フレーム(1/60秒)に揃えることができる。一方図6の場合、基準画像に対して、3フレーム前の画像と1フレーム後の画像が位置合わせされる。例えば画像ID4を基準画像として3フレーム前のID1と1フレーム後のID5が位置合わせされる。つまり、画像間のタイミング差は1フレームと3フレームとなるため不均一である。特に、タイミング差が3フレーム(1/40秒)と大きい場合、画像間の差異が大きくなり位置合わせの精度が低下するおそれがある。この点では図5に比べて図6の方が望ましい。
以上図3~図6を用いて説明したように、照明光の数や深度拡大レベルは種々の変形実施が可能である。また、照明光の数や深度拡大レベルが同じ場合であっても、照明部600やフォーカス制御部370での制御に種々の変形実施が可能である。
3.第2の実施形態
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では複数の照射光のうち、一部の照射光の照射によって撮像される画像を対象として、被写界深度の拡大が行われる例を説明する。出力チャンネルに着目した場合、第2の実施形態とは、複数の出力チャンネルの一部のチャンネルに深度拡大画像を割り当て、他のチャンネルに深度拡大画像を割り当てない手法と言い換えることが可能である。
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では複数の照射光のうち、一部の照射光の照射によって撮像される画像を対象として、被写界深度の拡大が行われる例を説明する。出力チャンネルに着目した場合、第2の実施形態とは、複数の出力チャンネルの一部のチャンネルに深度拡大画像を割り当て、他のチャンネルに深度拡大画像を割り当てない手法と言い換えることが可能である。
なお、以下では複数の照射光のうちのいずれか1つの照射光を被写界深度の拡大対象とし、他の全ての照射光を被写界深度の拡大対象としない例を説明する。ただし、3以上の照射光を用いる場合において、2以上の照射光を被写界深度の拡大対象とする等、種々の変形実施が可能である。
3.1 内視鏡装置の構成例
図7は、内視鏡装置12の詳細な構成例である。図2の内視鏡装置12は撮像装置10の一例である。図2と比較した場合、輪郭強調部380が追加されている。なお、第2フレームメモリ340、後処理部350、輪郭強調部380以外の構成は、図2を用いて上述した第1の実施形態と同様のため、詳細な説明を省略する。
図7は、内視鏡装置12の詳細な構成例である。図2の内視鏡装置12は撮像装置10の一例である。図2と比較した場合、輪郭強調部380が追加されている。なお、第2フレームメモリ340、後処理部350、輪郭強調部380以外の構成は、図2を用いて上述した第1の実施形態と同様のため、詳細な説明を省略する。
輪郭強調部380は、前処理部310から出力される画像に対して輪郭強調処理を行い、輪郭強調画像を生成する。生成した輪郭強調画像は、第2フレームメモリ340および後処理部350に出力される。輪郭強調処理は、例えばラプラシアンフィルタを用いたフィルタ処理である。ただし、輪郭強調処理は種々の手法が知られており、本実施形態ではそれらを広く適用可能である。ここで、輪郭強調処理を行う画像を撮像するタイミングで照射される照明光は、深度拡大部330で深度拡大処理される画像を撮像するタイミングに照射される照明光と、異なる波長帯域である。
第2フレームメモリ340は、深度拡大部330から出力される深度拡大画像および、輪郭強調部380から出力される輪郭強調画像を格納する。格納された深度拡大画像および輪郭強調画像は後処理部350に出力される。
後処理部350は、深度拡大部330から出力される深度拡大画像と、第2フレームメモリ340に格納された深度拡大画像もしくは輪郭強調画像、輪郭強調部380から出力される輪郭強調画像とを合成することによってフルカラー画像を生成し、さらにガンマ処理等の画像処理を施し、表示部400に出力する。
3.2 動作
以下、内視鏡装置12の動作について説明する。具体的には図8~図12を用いて5つの動作例について説明する。
以下、内視鏡装置12の動作について説明する。具体的には図8~図12を用いて5つの動作例について説明する。
図8は、照明光が3種類の4面順次方式であり、深度拡大レベルが2倍であるときの内視鏡装置12の動作を説明する図である。被写界深度の拡大は出力のGチャンネルに入力される画像が対象である。具体的にはG照明の照射によって撮像される画像に基づいて、深度拡大画像が生成される。
撮像素子220の撮像のフレームレートは、例えば60fpsである。フォーカス制御部370は、F1(画像IE1)、F0(画像IE2)、F1(画像IE3)、F2(画像IE4)…とフォーカス位置を変化させる。照明部600は、R(画像IE1)、G(画像IE2)、B(画像IE3)、G(画像IE4)、…と波長帯域の異なる照明光を順次照射する。図8の例では、N=4であり、例えば画像IE1~IE4が取得される4フレームが1周期となる。
画像IE1(RF1-1)は、R照明の照射によって撮像される画像である。よって画像IE1は、被写界深度の拡大対象でなく、輪郭強調処理の対象である。よって前処理部310は、画像IA1を輪郭強調部380に出力し、輪郭強調部380は画像IE1に対して輪郭強調処理を行って輪郭強調画像HE1を生成する。輪郭強調画像HE1は、第2フレームメモリ340に記憶される。
画像IE2(GF0-1)は、G照明の照射によって撮像される画像である。よって画像IE2は、被写界深度の拡大対象であるため、第1フレームメモリ320に記憶される。
画像IE3(BF1-1)は、B照明の照射によって撮像される画像である。前処理部310は、画像IE3を輪郭強調部380に出力し、輪郭強調部380は画像IE3に対して輪郭強調処理を行って輪郭強調画像HE2を生成する。輪郭強調画像HE2は、第2フレームメモリ340に記憶される。
画像IE4(GF2-1)は、G照明の照射によって撮像される画像である。よって画像IE4は、被写界深度の拡大対象であるため、第1フレームメモリ320及び深度拡大部330に出力される。深度拡大部330は、画像IE2(GF0-1)とIE4(GF2-1)を合成し、深度拡大画像EE1を出力する。ここで深度拡大画像EE1を合成する際は、画像IE4を基準画像とし、画像IE2はIE4に対して位置合わせを行った上で合成する。
そして後処理部350は、深度拡大部330から出力される深度拡大画像EE1と、第2フレームメモリ340から読みだした輪郭強調画像HE1及び輪郭強調画像HE2を出力チャンネルに割り当てて表示画像を生成する。具体的には、後処理部350は、輪郭強調画像HE1を出力のRチャンネルに割り当て、深度拡大画像EE1を出力のGチャンネルに割り当て、輪郭強調画像HE2を出力のBチャンネルに割り当てることによって、表示画像DE1を出力する。
以上で1周期の処理が完了し、これ以降はフォーカス制御部370及び照明部600は、同様の制御を繰り返す。例えばIE4の次のフレームでは、前処理部310は、画像IE5(RF0-2)を輪郭強調部380に出力し、輪郭強調部380は、画像IE5を輪郭強調処理することで輪郭強調画像HE3を生成する。そして後処理部350は、輪郭強調画像HE3を出力のRチャンネルに割り当て、深度拡大画像EE1を出力のGチャンネルに割り当て、輪郭強調画像HE2を出力のBチャンネルに割り当てることで、表示画像DE2を出力する。
次に、前処理部310は、画像IE6(GF0-2)を第1フレームメモリ320及び深度拡大部330に出力する。深度拡大部330は、画像IE4(GF2-1)とIE6(GF0-2)を合成し、深度拡大画像EE2を出力する。そして後処理部350は、輪郭強調画像HE3を出力のRチャンネルに割り当て、深度拡大画像EE2を出力のGチャンネルに割り当て、輪郭強調画像HE2を出力のBチャンネルに割り当てることによって、表示画像DE3を出力する。
これ以降も同様であり、R又はBの照明光が照射されるタイミングでは、出力のRチャンネル又はBチャンネルに割り当てられる輪郭強調画像が更新され、Gの照明光が照射されるタイミングでは、新たな深度拡大画像が生成されてGチャンネルに割り当てられる深度拡大画像が更新される。即ち、各フレームにおいて表示画像の出力が行われ、撮像のフレームレートと表示画像の出力のフレームレートが等しくなる。撮像が60fpsであれば表示も60fpsとなる。
図8に示した手法によって、RGBの面順次照明を行いつつ、異なるタイミングで撮像したフォーカス位置の異なる2枚の画像を合成することによって2倍の深度拡大(時分割EDOF)を実現できる。ただし、被写界深度が拡大されるのは出力のGチャンネルであり、Rチャンネル及びBチャンネルの入力は輪郭強調画像である。
図9は、照明光が2種類の2面順次方式であり、深度拡大レベルが2倍であるときの内視鏡装置12の動作を説明する図である。被写界深度の拡大は出力のGチャンネルに入力される画像が対象である。具体的にはB照明の照射によって撮像される画像に基づいて、深度拡大画像が生成される。
撮像素子220の撮像のフレームレートは、例えば60fpsである。フォーカス制御部370は、F0(画像IF1)、F1(画像IF2)、F2(画像IF3)、F1(画像IF4)、…とフォーカス位置を変化させる。照明部600は、B(画像IF1)、G(画像IF2)、B(画像IF3)、G(画像IF4)、…と波長帯域の異なる照明光を順次照射する。図9の例では、N=4であり、例えば画像IF1~IF4が取得される4フレームが1周期となる。
深度拡大部330は、撮像した画像IF1(BF0-1)、IF3(BF2-1)を合成し、深度拡大画像EF1を出力する。ここで深度拡大画像EF1を合成する際は、画像IF3を基準画像とし、画像IF1はIF3に対して位置合わせを行った上で合成する。
また、輪郭強調部380は、画像IF2(GF1-1)に対して輪郭強調処理を行い、輪郭強調画像HF1を出力する。そして後処理部350は、輪郭強調画像HF1を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EF1を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DF1を出力する。
次に、輪郭強調部380は、画像IF4(GF1-2)を輪郭強調処理することによって輪郭強調画像HF2を生成する。そして後処理部350は、輪郭強調画像HF2を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EF1を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DF2を出力する。
以上で1周期の処理が完了し、これ以降はフォーカス制御部370及び照明部600は、同様の制御を繰り返す。例えばIF4の次のフレームでは、前処理部310は、画像IF5(BF0-2)を第1フレームメモリ320及び深度拡大部330に出力する。深度拡大部330は、画像IF3(GF2-1)とIF5(GF0-2)を合成し、深度拡大画像EF2を出力する。そして後処理部350は、輪郭強調画像HF2を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EF2を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DF3を出力する。
図9に示した手法によって、GBの面順次照明を行いつつ、異なるタイミングで撮像したフォーカス位置の異なる2枚の画像を合成することによって2倍の深度拡大(時分割EDOF)を実現できる。ただし、被写界深度が拡大されるのは出力のGチャンネルであり、Rチャンネル及びBチャンネルの入力は輪郭強調画像である。
図10は、照明光が2種類の2面順次方式であり、深度拡大レベルが2倍であるときの内視鏡装置12の動作を説明する図である。被写界深度の拡大は出力のGチャンネルに入力される画像が対象である。具体的にはB照明の照射によって撮像される画像に基づいて、深度拡大画像が生成される。
撮像素子220の撮像のフレームレートは、例えば60fpsである。フォーカス制御部370は、F0(画像IG1)、F1(画像IG2)、F2(画像IG3)、F0(画像IG4)、…とフォーカス位置を変化させる。照明部600は、B(画像IG1)、G(画像IG2)、B(画像IG3、IF4)、G(画像IG5)、B(画像IG6、IG7)、…と波長帯域の異なる照明光を順次照射する。図10の例では、N=3であり、例えば画像IG1~IG3が取得される3フレームが1周期となる。
輪郭強調部380は、画像IG2(GF1-1)に対して輪郭強調処理を行い、輪郭強調画像HG1を出力する。深度拡大部330は、撮像した画像IG1(BF0-1)、IG3(BF2-1)を合成し、深度拡大画像EG1を出力する。ここで深度拡大画像EG1を合成する際は、画像IG3を基準画像とし、画像IG1はIG3に対して位置合わせを行った上で合成する。そして後処理部350は、輪郭強調画像HG1を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EG1を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DG1を出力する。
以上で1周期の処理が完了し、これ以降はフォーカス制御部370及び照明部600は、同様の制御を繰り返す。例えばIG3の次のフレームでは、前処理部310は、画像IG4(BF0-2)を第1フレームメモリ320及び深度拡大部330に出力する。深度拡大部330は、画像IG3(GF2-1)とIG4(GF0-2)を合成し、深度拡大画像EG2を出力する。そして後処理部350は、輪郭強調画像HG1を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EG2を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DG2を出力する。以下同様に、画像IG5の取得によって輪郭強調画像が更新され、画像IG6の取得によって深度拡大画像が更新される。
図10に示した手法によって、GBの面順次照明を行いつつ、異なるタイミングにおいて撮像したフォーカス位置の異なる2枚の画像を合成することによって、2倍の深度拡大(時分割EDOF)を実現できる。ただし、被写界深度が拡大されるのは出力のGチャンネルであり、Rチャンネル及びBチャンネルの入力は輪郭強調画像である。
なお、図9及び図10の動作は、2照明、深度拡大レベル2倍の時分割EDOFである点では同様である。ただし図9では1周期の4フレーム目にG照明の照射があるのに対して、図10はBGBの3フレームを1周期とする点で異なる。深度拡大画像の更新を高頻度にするという点では、図10の方が望ましい。一方、図10の例ではIG3とIG4の間でフォーカス位置を大きく変更する必要がある。フォーカス位置の変更制御、具体的にはレンズを駆動するアクチュエータの制御が容易であるという点では、図9の方が望ましい。
図11は、照明光が2種類の2面順次方式であり、深度拡大レベルが2倍であるときの内視鏡装置12の動作を説明する図である。被写界深度の拡大は出力のGチャンネルに入力される画像が対象である。具体的にはB照明の照射によって撮像される画像に基づいて、深度拡大画像が生成される。
撮像素子220の撮像のフレームレートは、例えば120fpsである。フォーカス制御部370は、F0(画像IH1)、F1(画像IH2)、F2(画像IH3)、F1(画像IH4)、…とフォーカス位置を変化させる。照明部600は、B(画像IH1、IH2、IH3)、G(画像IH4)…と波長帯域の異なる照明光を順次照射する。図10の例では、N=4であり、例えば画像IH1~IH4が取得される4フレームが1周期となる。
深度拡大部330は、撮像した画像IH1(BF0-1)、画像IH2(BF1-1)、画像IH3(BF2-1)を合成し、深度拡大画像EH1を出力する。ここで深度拡大画像EH1を合成する際は、画像IH2を基準画像とし、画像IH1、IH3は画像IH2に対して位置合わせを行った上で合成する。
また、輪郭強調部380は画像IH4(GF1-1)に対して輪郭強調処理を行い、輪郭強調画像HH1を出力する。そして後処理部350は、輪郭強調画像HH1を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EH1を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DH1を出力する。
以上で1周期の処理が完了し、これ以降はフォーカス制御部370及び照明部600は、同様の制御を繰り返す。深度拡大部330は、画像IH7の取得後、画像IH6(BF1-2)を基準画像とし、画像IH5(BF0-2)、IH7(BF2-2)を位置合わせした上で合成し、深度拡大画像EH2を出力する。そして後処理部350は、輪郭強調画像HH1を出力のRチャンネル及びBチャンネルに割り当て、深度拡大画像EH2を出力のGチャンネルに割り当てることによって、表示画像DH2を出力する。
なお図11の例では、画像IH5及びIH6の取得時には、深度拡大画像の更新、及び表示画像の出力が行われない。画像IH7の取得時に、深度拡大画像の更新及び表示画像の出力が行われ、画像IH8の取得時に、輪郭強調画像の更新及び表示画像の出力が行われる。即ち、表示画像の出力は4フレーム当たり2フレームとなるため、撮像のフレームレートに対して表示画像の出力のフレームレートが1/2となる。表示画像の出力のフレームレートを60fpsとする場合、撮像のフレームレートは上述したように120fpsとなる。
図11に示した手法によって、GBの2面順次照明を行いつつ、異なるタイミングにおいて撮像したフォーカス位置の異なる3枚の画像を合成することによって、3倍の深度拡大(時分割EDOF)を実現できる。ただし、被写界深度が拡大されるのは出力のGチャンネルであり、Rチャンネル及びBチャンネルの入力は輪郭強調画像である。
図12は、照明光が5種類の6面順次方式であり、深度拡大レベルが2倍であるときの内視鏡装置12の動作を説明する図である。
撮像素子220の撮像のフレームレートは、例えば60fpsである。フォーカス制御部370は、F1(画像II1)、F0(画像II2)、F1(画像II3、II4)、F2(画像II5)、F1(画像II6、II7)、…とフォーカス位置を変化させる。照明部600は、R(画像II1)、G(画像II2)、B(画像II3)、R’(画像II4)、G(画像II5)、B’(画像II6)、…と波長帯域の異なる照明光を順次照射する。ここでR’はRと波長帯域が近い照明光である。またB’はBと波長帯域が近い照明光である。波長帯域が近いとは、例えばピーク波長の差が小さいことを表す。例えば、RとR’のピーク波長の差は、R’とGのピーク波長の差に比べて小さい。B’とBのピーク波長の差は、B’とGのピーク波長の差に比べて小さい。
深度拡大部330は撮像した画像II2(GF0-1)と、画像II5(GF2-1)を合成し、深度拡大画像EI1を出力する。ここで深度拡大画像EI1を合成する際は、画像II5を基準画像とし、画像II2はII5に対して位置合わせを行った上で合成する。
また、輪郭強調部380は画像II1(RF1-1)、II3(BF1-1)、II4(R’F1-1)、II6(B’F1-1)に対してそれぞれ輪郭強調処理を行い、輪郭強調画像HI1、HI2、HI3、HI4を出力する。
そして後処理部350は、輪郭強調画像HI1とHI3を加算平均して出力のRチャンネルに割り当て、深度拡大画像EI1を出力のGチャンネルに割り当て、輪郭強調画像HI2とHI4を加算平均して出力のBに割り当てることによって、表示画像DH1を出力する。
以上で1周期の処理が完了し、これ以降はフォーカス制御部370及び照明部600は、同様の制御を繰り返す。R、B、R’、B’の照明光が照射されるタイミングでは、出力のRチャンネル又はBチャンネルに割り当てられる輪郭強調画像が更新され、Gの照明光が照射されるタイミングでは、新たな深度拡大画像が生成されてGチャンネルに割り当てられる深度拡大画像が更新される。
例えば深度拡大部330は、画像II8(GF0-2)を基準画像として画像II5(GF2-1)を位置合わせした上で合成し、深度拡大画像EI2を出力する。そして後処理部350は、画像II7(RF0-2)に対して輪郭強調処理を行った輪郭強調画像HI5と輪郭強調画像HI3を加算平均した後に出力のRチャンネルに割り当て、深度拡大画像EI2を出力のGチャンネルに割り当て、輪郭強調画像HI2とHI4を加算平均した後に出力のBに割り当てることによって、表示画像DI2を出力する。
図12の例では、各フレームにおいて表示画像の出力が行われ、撮像のフレームレートと表示画像の出力のフレームレートが等しくなる。撮像が60fpsであれば表示も60fpsとなる。
図12に示した手法によって、6面順次照明を行いつつ、異なるタイミングにおいて撮像したフォーカス位置の異なる2枚の画像を合成することによって、2倍の深度拡大(時分割EDOF)を実現できる。ただし、被写界深度が拡大されるのは出力のGチャンネルであり、Rチャンネル及びBチャンネルの入力は輪郭強調画像である。
4.変形例
本実施形態の撮像素子220はモノクロセンサである。図3に示した例では、照明部600がR照明を照射したタイミングでは、撮像素子220はRの波長帯域に対応する画像IA1を出力する。同様に、G照明を照射したタイミングでは、撮像素子220はGの波長帯域に対応する画像IA2を出力し、B照明を照射したタイミングでは、撮像素子220はBの波長帯域に対応する画像IA3を出力する。
本実施形態の撮像素子220はモノクロセンサである。図3に示した例では、照明部600がR照明を照射したタイミングでは、撮像素子220はRの波長帯域に対応する画像IA1を出力する。同様に、G照明を照射したタイミングでは、撮像素子220はGの波長帯域に対応する画像IA2を出力し、B照明を照射したタイミングでは、撮像素子220はBの波長帯域に対応する画像IA3を出力する。
ただし撮像素子220はモノクロセンサに限定されず、カラーフィルタを備えた撮像素子であっても構わない。なおカラーフィルタとは、広く知られたベイヤフィルタであってもよいし、補色フィルタであってもよいし、他のフィルタであってもよい。補色フィルタとは、シアン、マゼンダ及びイエローの各色フィルタを含むフィルタである。
この場合、処理部300(例えば前処理部310)は、1つの照明光の照射による撮像素子220からの出力信号に対して同時化処理を行うことによって、複数の画像を取得する。撮像素子220がベイヤ配列の撮像素子であれば、1つの照明光の照射に基づいて、Rフィルタに対応する画像、Gフィルタに対応する画像、及びBフィルタに対応する画像の3つの画像を取得可能である。換言すれば、P種類の照明光を面順次方式を用いてカラーフィルターを備えた撮像素子220に照射することによって、P×q(qは例えば3)種類の画像を取得できる。深度拡大部330は、P×q種類の画像の一部又は全部を対象として、深度拡大処理を行う。
例えば、図12に準じた手法を、2つの照明光によって実現してもよい。第1のタイミングにおいて、フォーカス制御部370は、フォーカス位置をF1に設定し、照明部600は白色光である第1照明光を照射する。これにより、前処理部310はII1(RF0-1)、及びII3(BF0-1)に相当する画像を同時に取得可能である。次の第2のタイミングにおいて、フォーカス制御部370は、フォーカス位置をF0に設定し、照明部600は白色光である第1照明光を照射する。これにより、前処理部310はII2(GF0-1)に相当する画像を取得する。
次の第3のタイミングにおいて、フォーカス制御部370は、フォーカス位置をF1に設定し、照明部600は少なくとも赤色の一部の波長帯域及び青色の一部の波長帯域がカットされた第2照明光を照射する。より具体的には、第2照明光とは、当該第2照明光が撮像素子220のRフィルタを透過することによってR’に対応する波長帯域の信号が取得され、且つ、当該第2照明光が撮像素子220のBフィルタを透過することによってB’に対応する波長帯域の信号が取得される照明光である。これにより、前処理部310はII4(R’F1-1)、及びII6(B’F1-1)に相当する2つの画像を同時に取得可能である。
さらに次に第4のタイミングにおいて、フォーカス制御部370は、フォーカス位置をF2に設定し、照明部600は白色光である第1照明光を照射する。これにより、前処理部310はII5(GF2-1)に相当する画像を取得する。
以上の手法によれば、図12の例では6フレームかけて取得した画像II1~II6を、4フレームの期間で取得することが可能である。また以上の例では、取得可能な画像の一部を処理に用いている。例えば、第1タイミングにおいてGF0-1に相当する画像が取得可能であり、第2タイミングにおいてRF1-1、BF1-1に相当する画像が取得可能であるが、これらの画像が表示画像の出力に用いられない。本変形例では、取得可能な画像の各画像を処理に用いるか否かを柔軟に変更である。さらに言えば、各画像を深度拡大処理の対象とするか、輪郭強調処理の対象とするか、或いは他の画像処理の対象とするかについても、柔軟な設定が可能である。
なおRとR’、BとB’のように、同じカラーフィルタを透過する複数の信号を分離した状態で画像処理に用いる場合、照明光自体を分けて照射することが望ましい。例えば白色光が撮像素子220のRフィルタを透過することによって取得される信号は、RとR’が混ざった状態であり、当該信号からRとR’を分離することは困難なためである。このような場合、面順次方式の照明光の照射と、カラーフィルタを備えた撮像素子220とを組み合わせることの利点が大きい。
また、内視鏡装置として、制御装置とスコープが接続され、そのスコープをユーザが操作しながら体内を撮影するタイプを想定できる。但し、これに限定されず、本発明を適用した内視鏡装置として例えばロボットを用いた手術支援システム等を想定できる。
例えば、手術支援システムは、制御装置とロボットとスコープとを含む。スコープは例えば硬性鏡である。制御装置は、ロボットを制御する装置である。即ち、ユーザが制御装置の操作部を操作することによってロボットを動作させ、ロボットを用いて患者に対する手術を行う。また制御装置の操作部を操作することによって、ロボットを経由することによってスコープを操作し、手術領域を撮影する。制御装置は、図1、図2又は図7の処理部300を含んでいる。ユーザは、処理部300が表示装置に表示した画像を見ながら、ロボットを操作する。本発明は、このような手術支援システムにおける制御装置に適用できる。なお、制御装置はロボットに内蔵されてもよい。
以上、本発明を適用した実施形態およびその変形例について説明したが、本発明は、各実施形態やその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形することによって具体化することができる。また、上記した各実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施形態や変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態や変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。また、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
10…撮像装置、12…内視鏡装置、100…挿入部、110…ライトガイド、
200…撮像部、210…対物光学系、220…撮像素子、230…A/D変換部、
300…処理部、310…前処理部、320…第1フレームメモリ、
330…深度拡大部、340…第2フレームメモリ、350…後処理部、
360…制御部、370…フォーカス制御部、380…輪郭強調部、
390…画像取得部、400…表示部、500…外部I/F部、600…照明部、
610…白色光源、620…回転フィルタ
200…撮像部、210…対物光学系、220…撮像素子、230…A/D変換部、
300…処理部、310…前処理部、320…第1フレームメモリ、
330…深度拡大部、340…第2フレームメモリ、350…後処理部、
360…制御部、370…フォーカス制御部、380…輪郭強調部、
390…画像取得部、400…表示部、500…外部I/F部、600…照明部、
610…白色光源、620…回転フィルタ
Claims (19)
- 第1~第N(Nは2以上の整数)のフレームを1周期として、面順次方式を用いて被写体に照明光を照射する照明部と、
前記被写体からの反射光を被写体像として結像する対物光学系と、前記被写体像が結像される撮像素子と、を有する撮像部と、
前記対物光学系のフォーカス位置を制御するフォーカス制御部と、
前記撮像素子が撮像した画像を取得する画像取得部と、
M枚(Mは2≦M≦N-1を満たす整数)の前記画像を1枚の深度拡大画像に合成することによって被写界深度を拡大する深度拡大部と、
を含み、
前記照明部は、
前記面順次方式を用いて前記被写体に照射される照明光のうちの少なくとも第1の照明光を、前記第1~第Nのフレームの間に、M回発光させ、
前記フォーカス制御部は、
前記第1の照明光のM回の発光の各発光タイミングにおいて、異なる前記フォーカス位置を設定し、
前記深度拡大部は、
前記フォーカス位置の異なるM枚の前記画像を合成することによって、前記深度拡大画像を出力することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
前記照明部は、
前記第1の照明光以外の少なくとも1つの照明光において、前記第1~第Nのフレームの間に1回だけ発光を行うことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
前記深度拡大部において合成した前記深度拡大画像を、出力の輝度成分に割り当てて表示画像を生成する後処理部を更に含むことを特徴とする撮像装置。 - 請求項3において、
前記後処理部は、
前記深度拡大部において合成した前記深度拡大画像を、出力の前記輝度成分以外にもさらに割り当てて前記表示画像を生成することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
複数の出力チャンネルの各チャンネルに画像を割り当てて、表示画像を生成する後処理部を更に含み、
前記後処理部は、
前記複数の出力チャンネルのうちの1つの出力チャンネルに、前記深度拡大部において合成した前記深度拡大画像を割り当て、前記複数の出力チャンネルのうちの他の出力チャンネルに、前記被写界深度が拡大されていない画像を割り当てて、前記表示画像を生成することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
前記画像取得部が取得した画像に輪郭強調処理を行い、輪郭強調画像を生成する輪郭強調部と、
複数の出力チャンネルの各チャンネルに画像を割り当てて、表示画像を生成する後処理部と、
を更に含み、
前記後処理部は、
前記複数の出力チャンネルのうちの少なくとも1つの出力チャンネルに、前記深度拡大部において合成した前記深度拡大画像を割り当て、前記複数の出力チャンネルのうちの他の出力チャンネルに、前記輪郭強調部が生成した前記輪郭強調画像を割り当てて、前記表示画像を生成することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
前記第1の照明光のM回の発光の各発光タイミングにおける前記フォーカス位置が、第1~第Mのフォーカス位置である場合に、
前記フォーカス制御部は、
前記第1の照明光の以外の照明光における前記フォーカス位置を、前記第1~第Mのフォーカス位置のうちの最も遠い被写体へ合焦するフォーカス位置と最も近い被写体へ合焦するフォーカス位置の間のフォーカス位置に設定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
複数の出力チャンネルの各チャンネルに画像を割り当てて、表示画像を生成する後処理部を更に含み、
前記深度拡大部は、
前記画像が撮像される毎に前記深度拡大画像を出力し、
前記後処理部は、
前記深度拡大部から出力される前記深度拡大画像によって、前記表示画像のうち、少なくとも1つの成分を更新することによって、前記表示画像を出力することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
N=3×i(iは2以上の整数)であり、
前記照明部は、
前記第1の照明光、第2の照明光、第3の照明光の順次発光を、前記第1~第Nのフレームの間にi回繰り返し、
前記フォーカス制御部は、
同一の照明光のj回目(jは1≦j<iの整数)の発光タイミングと、j+1回目の発光タイミングとで、異なる前記フォーカス位置を設定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
N=4であり、
前記照明部は、
前記照明光を第2の照明光、前記第1の照明光、第3の照明光、前記第1の照明光の周期によって順次発光し、
前記フォーカス制御部は、
前記第1~第Nのフレームの中での前記第1の照明光の1回目の発光タイミングと2回目の発光タイミングとで、異なる前記フォーカス位置を設定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
N=3であり、
前記照明部は、
前記照明光を前記第1の照明光、第2の照明光、前記第1の照明光の周期によって順次発光し、
前記フォーカス制御部は、
前記第1~第Nのフレームの中での前記第1の照明光の1回目の発光タイミングと2回目の発光タイミングとで、異なる前記フォーカス位置を設定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
N=4であり、
前記照明部は、
前記照明光を前記第1の照明光、第2の照明光、前記第1の照明光、前記第2の照明光の周期によって順次発光し、
前記フォーカス制御部は、
前記第1~第Nのフレームの中での前記第1の照明光の1回目の発光タイミングと2回目の発光タイミングとで、異なる前記フォーカス位置を設定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
N=2×i(iは2以上の整数)であり、
前記照明部は、
前記第1の照明光、第2の照明光の順次発光を、前記第1~第Nのフレームの間でi回繰り返し行い、
前記フォーカス制御部は、
同一の照明光のj回目(jは1≦j<iの整数)の発光タイミングと、j+1回目の発光タイミングとで、異なる前記フォーカス位置を設定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
N=6であり、
前記照明部は、
前記照明光を第2の照明光、前記第1の照明光、第3の照明光、第4の照明光、前記第1の照明光、第5照明光の周期によって順次発光し、
前記フォーカス制御部は、
前記第1~第Nのフレームの中での前記第1の照明光の1回目の発光タイミングと2回目の発光タイミングとで、異なる前記フォーカス位置を設定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
N=4であり、
前記照明部は、
前記照明光を前記第1の照明光、前記第1の照明光、前記第1の照明光、第2の照明光の周期によって順次発光し、
前記フォーカス制御部は、
前記第1~第Nのフレームの中での前記第1の照明光の1回目の発光タイミングと2回目の発光タイミングとで異なる前記フォーカス位置を設定し、前記第1~第Nのフレームの中での前記第1の照明光の2回目の発光タイミングと3回目の発光タイミングとで異なる前記フォーカス位置を設定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
前記撮像素子は、
カラーフィルタを備えないモノクロセンサであることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
前記撮像素子は、
カラーフィルタを備えたカラーセンサであることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載された撮像装置を含むことを特徴とする内視鏡装置。
- 第1~第N(Nは2以上の整数)のフレームを1周期として、面順次方式を用いて被写体に照明光を照射する照明部と、前記被写体からの反射光を被写体像として結像する対物光学系と、前記被写体像が結像される撮像素子と、を有する撮像部と、を含む撮像装置の作動方法であって、
前記面順次方式を用いて前記被写体に照射される照明光のうちの少なくとも第1の照明光を、前記第1~第Nのフレームの間に、M(Mは2≦M≦N-1を満たす整数)回発光させ、
前記第1の照明光のM回の発光の各発光タイミングにおいて、前記対物光学系のフォーカス位置を異なる前記フォーカス位置に設定し、
前記撮像素子が撮像した画像を取得し、
前記フォーカス位置の異なるM(Mは2以上の整数)枚の前記画像を1枚の深度拡大画像に合成することによって被写界深度を拡大する、
ことを特徴とする撮像装置の作動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2018/023315 WO2019244246A1 (ja) | 2018-06-19 | 2018-06-19 | 撮像装置、内視鏡装置及び撮像装置の作動方法 |
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Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JP3191928B2 (ja) * | 1988-02-23 | 2001-07-23 | オリンパス光学工業株式会社 | 画像入出力装置 |
WO2013061819A1 (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-02 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 内視鏡システム |
-
2018
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