WO2019107528A1 - 河川危険度判定装置、河川危険度判定方法、記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
水領域検出部(11)は、河川を撮影した入力画像上に設定された判定対象領域内で、水で覆われた水領域を検出する。面積比率算出部(12)は、判定対象領域に対する水領域の面積の割合を算出する。危険度判定部(13)は、算出された比率に基づいて、河川が氾濫する危険性の高さを算出する。
Description
本発明は、河川危険度判定装置、河川危険度判定方法、および記憶媒体に関し、特に、河川を撮影した画像から、河川が氾濫する危険性を判定する河川危険度判定装置に関する。
近年、気候変動により、河川の氾濫が全国各地で頻発している。こうした河川の氾濫による被害をできるかぎり抑制するために、河川が氾濫に至る前に、氾濫の可能性の高さを判定することが可能な装置またはシステムが要望されている。
関連する技術では、河川の水位が予め設定した標高を超えたときに、氾濫の危険があると判定する。この技術は、水位を検知する必要がある。
国土交通省が管轄する河川事務所では、水位を検知するために、水圧式水位計や量水板などの計測器が利用されている。水圧式水位計は、水中に設置された受圧部が受ける水圧の変化を機械的に測定する。また、河川に設置された量水板が示す水位を目視で確認する方法もある。しかし、いずれの方法でも、増水時に計測器が流される可能性がある。加えて、全国6万本超の河川の全てに計測器を配備することは、コストや時間がかかる。
そこで、河川に設置された監視カメラの映像を解析することによって、水位を判定する方法が提案されている。特許文献1に開示された水位検知装置は、水面境界では輝度値が大きく減衰するという特性に基づいて、水位を判定する。具体的には、監視カメラが撮影した映像から、同じ標高にある領域の画素を抽出し、抽出した画素の平均輝度を算出する。そして、急激に輝度が減衰した標高を水位と判定する。水位検知装置は、こうして判定した水位を、既定の閾値と比較することによって、氾濫の危険性を算出する。
B. Scholkopf , K. Sung , C. Burges , F. Girosi , P. Niyogi , T. Poggio , V. Vapnik, "Comparing support vector machines with gaussian kernels to radial basis function classifiers", IEEE Trans. Sign. Processing, Vol.45, pp.2758-2765, 1997.
Jonathan Long, Evan Shelhamer, Trevor Darrell,"Fully Convolutional Networks for Semantic Segmentation", "2015 IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR)", DOI: 10.1109/CVPR.2015.7298965, 15 October 2015.
しかしながら、上述した関連する技術では、河川の下流域のように、通常時の水面と堤防との標高差が小さい場所では、氾濫の危険性を判定することが難しいという問題がある。その理由は、通常時の水面と堤防との標高差が小さい場所では、水位の変動が小さく(例えば数cmから数10cm)ても、氾濫が起きる可能性は大きく変化するためである。
本発明の目的は、水面と堤防の標高差が小さい場所であっても、河川の氾濫の危険性を判定できる装置を提供することにある。
本発明の一態様に係わる水位危険度判定装置は、河川を撮影した入力画像上に設定された判定対象領域内で、水で覆われた水領域を検出する水領域検出手段と、前記判定対象領域に対する前記水領域の面積の割合である面積比率を算出する面積比率算出手段と、前記面積比率に基づいて、前記河川が氾濫する危険性の高さを示す危険度を算出する危険度判定手段と、を備える。
本発明の一態様に係わる水位危険度判定方法は、河川を撮影した入力画像上に設定された判定対象領域内で、水で覆われた水領域を検出することと、前記判定対象領域に対する前記水領域の面積の割合である面積比率を算出することと、前記面積比率に基づいて、前記河川が氾濫する危険性の高さを示す危険度を算出することと、を含む。
本発明の一態様に係わる記憶媒体は、河川を撮影した入力画像上に設定された判定対象領域内で、水で覆われた水領域を検出することと、前記判定対象領域に対する前記水領域の面積の割合である面積比率を算出することと、前記面積比率に基づいて、前記河川が氾濫する危険性の高さを示す危険度を算出することと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶している。
本発明によれば、水面と堤防との標高差が小さい場所であっても、河川が氾濫する危険性を判定できる。
本発明の実施の形態について、図面を参照して、以下で詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
(河川危険度判定装置1の構成)
図1は、第1の実施形態に係わる河川危険度判定装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、河川危険度判定装置1は、水領域検出部11と、面積比率算出部12と、危険度判定部13とを備えている。河川危険度判定装置1は、監視カメラ等(図2の(a)および(b)参照)が撮影した映像の一フレームを、入力画像(図3参照)として取得する。そして、河川危険度判定装置1は、入力画像において予め設定された領域(判定対象領域と呼ぶ)に対して占める、水に覆われた領域(水領域と呼ぶ)の割合(面積比率と呼ぶ)に基づいて、河川が氾濫する危険性の高さを表す危険度を算出する。判定対象領域、水領域、面積比率、および危険度については、後に具体例を挙げて説明する。
(河川危険度判定装置1の構成)
図1は、第1の実施形態に係わる河川危険度判定装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、河川危険度判定装置1は、水領域検出部11と、面積比率算出部12と、危険度判定部13とを備えている。河川危険度判定装置1は、監視カメラ等(図2の(a)および(b)参照)が撮影した映像の一フレームを、入力画像(図3参照)として取得する。そして、河川危険度判定装置1は、入力画像において予め設定された領域(判定対象領域と呼ぶ)に対して占める、水に覆われた領域(水領域と呼ぶ)の割合(面積比率と呼ぶ)に基づいて、河川が氾濫する危険性の高さを表す危険度を算出する。判定対象領域、水領域、面積比率、および危険度については、後に具体例を挙げて説明する。
(監視カメラの設置と入力画像)
図2の(a)は、監視カメラ(河川監視カメラの一例)が設置された河川の断面図であり、図2の(b)は監視カメラ(河川監視カメラの一例)が設置された河川の俯瞰図である。
図2の(a)は、監視カメラ(河川監視カメラの一例)が設置された河川の断面図であり、図2の(b)は監視カメラ(河川監視カメラの一例)が設置された河川の俯瞰図である。
図2の(a)において、通常時(すなわち河川が増水していないとき)における河川の水面の標高を“L1”、増水時における河川の水位を“L2”で示す。堤防の上端の標高は“L”(>L1)である。通常時における水面と堤防との標高差は、L-L1であり、増水時における水面と堤防との標高差はL-L2である。増水時の水位L2が堤防の標高Lに達した場合、つまりL2=Lとなった場合、河川は堤防を越えて氾濫する可能性がある。
図2の(b)において、通常時における河川の流域を“S1”、増水時における河川の流域を“S2”で示す。また、監視カメラが撮影する領域を“S”で示す。領域Sは、通常時における河川の流域S1、増水時における河川の流域S2、および堤防の一部を含む。通常時、河川の流域S1から堤防までは離れているが、増水時には、河川の流域が拡大し、堤防と接する。河川が氾濫した場合、河川の流域S2は領域Sを覆う。
監視カメラは、領域Sを撮影することによって得られた映像データを、入力画像として、無線または有線の通信によって、河川危険度判定装置1へ送信する。
図3は、河川危険度判定装置1が監視カメラから取得する入力画像の一例を示す図である。図3に示すように、判定対象領域は入力画像内に設定される。判定対象領域は、河川の領域(水領域の一例)と、堤防の内側であって河川ではない領域(非水領域の一例。例えば河原)とを少なくとも含む。図3において、水領域をハッチングしている。判定領域から水領域を除いた領域が、非水領域である。判定対象領域の位置および形状は、ユーザによって手動で、または遠隔操作で設定されてもよい。
図3に示す入力画像において、矩形の枠線で囲まれた判定対象領域の面積を“Sa”、枠線内にハッチングで示す水領域の面積を“Sw”で表している。前述の面積比率(=水領域の面積/判定対象領域の面積)は、Sw/Saである。ここで、判定対象領域の面積Saおよび水領域の面積Swは、判定対象領域および水領域に対応する入力画像上の画素数によって表される。
(判定対象領域の例)
図4A~図4Cを参照して、入力画像内に設定される判定対象領域の具体例を説明する。しかしながら、以下で説明する判定対象領域の位置および形状は単なる例である。判定領域の位置は、水領域と非水領域とを少なくとも含むように決定される。また、判定対象領域の形状は限定されない。
図4A~図4Cを参照して、入力画像内に設定される判定対象領域の具体例を説明する。しかしながら、以下で説明する判定対象領域の位置および形状は単なる例である。判定領域の位置は、水領域と非水領域とを少なくとも含むように決定される。また、判定対象領域の形状は限定されない。
図4Aに示すように、入力画像における判定対象領域は矩形であってもよい。この場合、判定対象領域の位置情報は、矩形の4つの角を示す座標((x1、y1)~(x4、y4))によって表されてもよい。あるいは、判定対象領域の位置情報は、4つの角のうちのいくつかの座標、あるいは判定対象領域の中心の座標と、判定対象領域の高さおよび幅とによって、表すこともできる。
図4Bに示すように、入力画像における判定対象領域は、n本の直線(線分)によって囲われた、凹凸のある形状であってもよい。各線分は、両端の座標((xm-1、ym-1)、(xm、ym))(m=1~n))によって表されてもよい。あるいは、図示しないが、判定対象領域は、その一部または全部を、曲線によって囲まれていてもよい。この場合、判定対象領域は、直線/曲線と他の直線/曲線とが交差する位置を示す座標によって指定されてもよい。
図4Cに示すように、入力画像における判定対象領域は、増水時であっても水に覆われる可能性の低い領域(非判定対象領域)を除外するような形状に設定されてもよい。ここで、増水時であっても水に覆われる可能性の低い領域とは、例えば、標高の高い中洲、橋脚の領域や、草木が植生していて起伏した領域(例えば土手の下)である。この場合、判定対象領域を指定する位置情報に加えて、非判定対象領域を指定するための位置情報も必要になる。あるいは、判定対象領域は、判定対象領域を構成する全ての画素の座標リストで指定されてもよい。この場合、非判定対象領域の位置情報は不要になる。
(先行技術との対比)
本実施形態に係わる河川危険度判定装置1が、関連する技術よりも、氾濫の可能性の高さ(危険度の一例)を高精度に判定できる理由を、図2の(a)および(b)を参照して説明する。
本実施形態に係わる河川危険度判定装置1が、関連する技術よりも、氾濫の可能性の高さ(危険度の一例)を高精度に判定できる理由を、図2の(a)および(b)を参照して説明する。
関連する技術(特許文献1)は、通常時と増水時との間の水位の変化量に基づいて、河川が氾濫する可能性の高さを判定する。図2の(a)では、L2-L1が、通常時と増水時との間の水位の変化量である。
ところが、通常時と増水時との間の水位の変化量(L2-L1)は、一般的には数mである。それに対し、監視カメラが撮影する領域Sの一辺の長さはおおむね10m~100mのオーダであって、水位の変化量(L2-L1)に比べて大きい。入力画像は領域Sを撮像して得られるから、通常時と増水時との間の水位の変化に基づく入力画像の変化は僅かである。そのため、関連する技術は、水位の変化量(L2-L1)に基づいて、河川の氾濫が起こる可能性の高さを高精度に判定することが困難である。
図2の(b)に示すように、通常時の河川の流域はS1である。一方、増水時の河川の流域はS2(>S1)まで広がる。この結果、判定対象領域の面積Saに対する水領域の面積Swの割合である面積比率(Sw/Sa)が変化する。本実施形態に係わる河川危険度判定装置1は、この面積比率(Sw/Sa)に基づいて、氾濫の危険度を算出する。
特に、川の下流域では、増水時に、川の幅が大きく変化するので、面積比率(Sw/Sa)の変化も大きい。したがって、河川危険度判定装置1は、入力画像における面積比率の変化量に基づいて、川の氾濫の可能性の高さを示す危険度を高精度に算出することができる。
(1-1)水領域検出部11
水領域検出部11は、時刻tにおいて、入力画像を監視カメラから取得するとともに、入力画像内で予め設定された判定対象領域の位置および形状に関する情報(位置情報と呼ぶ)も取得する。そして、水領域検出部11は、判定対象領域内から水領域を検出し、検出結果を面積比率算出部12に出力する。ここでの検出結果とは、検出された水領域に属する画素の位置情報のことである。検出結果は、水領域であると判定された画素の座標リストで表現されてもよいが、その他の方法による形式のデータで表現されてもよい。
水領域検出部11は、時刻tにおいて、入力画像を監視カメラから取得するとともに、入力画像内で予め設定された判定対象領域の位置および形状に関する情報(位置情報と呼ぶ)も取得する。そして、水領域検出部11は、判定対象領域内から水領域を検出し、検出結果を面積比率算出部12に出力する。ここでの検出結果とは、検出された水領域に属する画素の位置情報のことである。検出結果は、水領域であると判定された画素の座標リストで表現されてもよいが、その他の方法による形式のデータで表現されてもよい。
水領域検出部11は、どのような方法を用いて、水領域を検出しても構わない。水領域の検出方法として、例えば、SVM (Support Vector Machine)(非特許文献1)を用いた手法や、ディープラーニングに基づく手法(非特許文献2)が挙げられる。これらの手法は、事前に実施する学習フェーズと、入力画像を処理する識別フェーズとの2段階に分かれる。
SVMでは、水領域検出部11は、まず、水を撮影した画像と、水以外を撮影した画像の2種類の画像セットを準備する。学習フェーズでは、準備した画像セットの各画像から、色ヒストグラムやエッジヒストグラム等の第1の画像特徴量を抽出し、抽出した第1の画像特徴量を識別器に入力する。これにより、画素を水または非水に弁別することが可能な識別器が構成される。識別フェーズでは、水領域検出部11は、入力画像中の判定対象領域を細かい画像パッチに分けて、各画像パッチから第2の画像特徴量を抽出する。そして、学習フェーズで生成した識別器に第2の画像特徴量を入力することにより、識別器は、各画像パッチが水を撮影したものかそうでないかを弁別する。識別器によって水に弁別された画像パッチの集合は水領域と判定される。
ディープラーニングに基づく手法では、水領域検出部11は、まず、水領域と非水領域を各画素に対してラベル付けした画像セットを準備する。学習フェーズでは、水領域検出部11は、学習セットの画像データを多層のニューラルネットワークに入力し、各画素がラベル通りに水もしくは非水に判定されるように、ニューラルネットワークの重みを学習する。識別フェーズでは、水領域検出部11は、学習済みのニューラルネットワークに入力画像を入力し、入力画像中の判定対象領域内の各画素について、水か非水かを弁別する。そして、水と弁別された画素の集合を水領域と判定する。
水領域の検出精度を高めるために、水領域検出部11は、水領域を検出する前に、入力画像のコントラストを補正してもよいし、輪郭を先鋭にしたり(シャープニング処理)、カラーバランスを補正したり、ノイズを抑制する処理(デノイズ処理)を実施したりしてもよい。例えば、水領域検出部11は、河川で発生することの多い霧、日照条件に依って生じる逆光や影、夜間の闇、および電灯の色による色被り等による影響を、入力画像から除去するための前処理を実施してもよい。あるいは、水領域検出部11は、入力画像に対し、監視カメラのセンサのノイズを緩和するための前処理を実施してもよい。これにより、水領域検出部11は、水領域を安定して検出することができるようになる。
(1-2)面積比率算出部12
面積比率算出部12は、時刻tの入力画像における水領域の検出結果と、あらかじめ設定された判定対象領域の位置情報とを入力として取得する。そして、面積比率算出部12は、判定対象領域に対する水領域の面積の割合を示す面積比率を算出する。面積比率算出部12は、算出した面積比率の結果を危険度判定部13へ出力する。
面積比率算出部12は、時刻tの入力画像における水領域の検出結果と、あらかじめ設定された判定対象領域の位置情報とを入力として取得する。そして、面積比率算出部12は、判定対象領域に対する水領域の面積の割合を示す面積比率を算出する。面積比率算出部12は、算出した面積比率の結果を危険度判定部13へ出力する。
具体的には、面積比率算出部12は、以下の式(1)によって、時刻tにおける面積比率Rwを算出することができる。式(3)において、Saは判定対象領域の面積であり、Swは、水領域の面積である(図3参照)。
Rw = Sw/Sa ・・・・ 式(1)
Rw = Sw/Sa ・・・・ 式(1)
(1-3)危険度判定部13
危険度判定部13は、時刻tの入力画像に対して算出された面積比率と、既定の面積比率の閾値とを比較することによって、河川が氾濫する可能性の高さを示す危険度を算出する。なお、氾濫の危険度を算出することには、危険度を表す数値そのものを算出することのほかに、危険度の高低を判定することも含む。危険度判定部13は、危険度の算出結果を、外部装置(例えばディスプレイ)等に出力する。
危険度判定部13は、時刻tの入力画像に対して算出された面積比率と、既定の面積比率の閾値とを比較することによって、河川が氾濫する可能性の高さを示す危険度を算出する。なお、氾濫の危険度を算出することには、危険度を表す数値そのものを算出することのほかに、危険度の高低を判定することも含む。危険度判定部13は、危険度の算出結果を、外部装置(例えばディスプレイ)等に出力する。
危険度判定部13は、危険度の判定基準となる既定の面積比率の基準値および閾値のデータを予め取得している。既定の面積比率の基準値は、河川の通常時の面積比率であってもよいし、判定対象領域の全体が水で覆われたときの面積比率(つまり1)であってもよい。あるいは、面積比率の基準値は、増水時であっても水に覆われることの無い領域を判定対象領域から除いた領域と、判定対象領域の全体との間の面積比率であってもよい。あるいは、危険度判定部13は、既定の面積比率の基準値として、上記のうち1つもしくは複数を組み合わせて用いてもよい。
また、危険度判定部13は、経験的に河川の氾濫の危険性が高いと判断される面積比率を、既定の面積比率の閾値として設定する。あるいは、危険度判定部13は、氾濫時の避難誘導等に必要な時間を考慮して、既定の面積比率の閾値は複数設定されてもよい。この場合、複数の閾値は、それぞれ異なる危険度を表す。閾値が大きくなるとともに、対応する危険度(つまり氾濫が起こる可能性の高さ)が上昇する。
危険度判定部13は、時刻tの入力画像に対して算出された面積比率と、既定の面積比率の閾値との相対値(例えば比率)または大小関係に基づいて、危険度を判定する。
時刻tの入力画像に対して算出された面積比率をRwとし、既定の面積比率の閾値をTHrhとする。また、通常時あるいは河川の水量が少ないときを想定した既定の面積比率の基準値をTHr1(THr1<Rw<THrh)とする。このとき、危険度判定部13は、例えば、以下の式(2)にしたがって、危険度DRを算出してもよい。
DR= (Rw-THr1)/(THrh-THr1) ・・・・ 式(2)
式(2)は、入力画像における面積比率Rwが、基準値THr1からどれだけ離れ、閾値THrhに対してどれだけ接近しているかを表す。基準値THr1は、河川の通常時の面積比率である。したがって、面積比率Rwが基準値THr1に近いほど、氾濫が起こる可能性は低い(すなわち危険度が“低”)。一方、面積比率Rwが閾値THrhに近いほど、氾濫が起こる可能性が高い(すなわち危険度が“高”)。
DR= (Rw-THr1)/(THrh-THr1) ・・・・ 式(2)
式(2)は、入力画像における面積比率Rwが、基準値THr1からどれだけ離れ、閾値THrhに対してどれだけ接近しているかを表す。基準値THr1は、河川の通常時の面積比率である。したがって、面積比率Rwが基準値THr1に近いほど、氾濫が起こる可能性は低い(すなわち危険度が“低”)。一方、面積比率Rwが閾値THrhに近いほど、氾濫が起こる可能性が高い(すなわち危険度が“高”)。
あるいは、複数個の閾値(THr1、・・・・、THrnのn個)が、段階的に設定されていてもよい。この構成では、危険度判定部13は、以下に示す式(3)にしたがって、危険度DRをn+1段階で判定することができる。式(3)に示すn個の既定の面積比率の閾値は、例えば、氾濫時の避難誘導等に必要な時間を加味して、ユーザが手動で入力してもよい。これにより、例えば、危険度DRが上昇するごとに、警報のレベルを上げるといった構成を実現することができる。
DR=
危険度0 (if Rw<THr1)
危険度1 (if THr1≦Rw<THr2)
・・・・
危険度n-1 (if THrn-1≦Rw<THrn)
危険度n (if THrn≦Rw) ・・・・ 式(3)
(動作の説明)
図5を参照して、本実施形態に係わる河川危険度判定装置1の動作を説明する。図5は、河川危険度判定装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
DR=
危険度0 (if Rw<THr1)
危険度1 (if THr1≦Rw<THr2)
・・・・
危険度n-1 (if THrn-1≦Rw<THrn)
危険度n (if THrn≦Rw) ・・・・ 式(3)
(動作の説明)
図5を参照して、本実施形態に係わる河川危険度判定装置1の動作を説明する。図5は、河川危険度判定装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、判定対象領域の位置情報が面積比率算出部12に供給される(ステップS11)。判定対象領域の位置情報は、ユーザによって入力されてもよいし、予め設定されていてもよい。また、既定の面積比率である基準値および閾値が設定される(ステップS12)。
次に、時刻tにおいて、河川に設置された監視カメラ(図2の(a)および(b)参照)が撮影した映像データの一フレームが、入力画像として、水領域検出部11に入力される(ステップS13)。水領域検出部11は、判定対象領域の位置情報を用いて、入力画像から判定対象領域を抽出し、抽出した判定対象領域から水領域を検出する(ステップS14)。そして、水領域検出部11は、検出した水領域の位置情報を、面積比率算出部12に出力する。
面積比率算出部12は、判定対象領域の位置情報と、水領域検出部11から入力された水領域の位置情報とを用いて、面積比率(=水領域の面積/判定対象領域の面積)を算出する(ステップS15)。面積比率算出部12は、計算した面積比率の情報を、危険度判定部13に出力する。
危険度判定部13は、面積比率算出部12によって算出された面積比率と、既定の面積比率の閾値との大小関係あるいは相対値(比率)に基づいて、河川の氾濫の危険度(式(2)または式(3)参照)を算出する(ステップS16)。河川危険度判定装置1は、画像入力が終了するまで(S161でYes)、ステップS13からS16までの処理を繰り返す。なお、画像入力の終了は、河川の状況や天候等に基づいて、ユーザが判断してもよい。
(効果の説明)
本実施形態の構成によれば、判定対象領域に対して占める水に覆われた領域(水領域と呼ぶ)の面積の割合に基づいて、河川が氾濫する可能性の高さを表す危険度を算出する。そのため、河川の下流域のように、同じ標高の領域が広く、かつ、水位の変動が微小であっても水に覆われた領域の面積が大きく変動する地域において、危険度の高さを高精度に判定することができる。
本実施形態の構成によれば、判定対象領域に対して占める水に覆われた領域(水領域と呼ぶ)の面積の割合に基づいて、河川が氾濫する可能性の高さを表す危険度を算出する。そのため、河川の下流域のように、同じ標高の領域が広く、かつ、水位の変動が微小であっても水に覆われた領域の面積が大きく変動する地域において、危険度の高さを高精度に判定することができる。
〔第2の実施形態〕
本実施形態に係わる河川危険度判定装置は、入力画像における面積比率(=水領域の面積/判定対象領域の面積)の変化に着目して、危険度の高さを判定する。
本実施形態に係わる河川危険度判定装置は、入力画像における面積比率(=水領域の面積/判定対象領域の面積)の変化に着目して、危険度の高さを判定する。
(河川危険度判定装置2の構成)
図6を参照して、本実施形態に係わる河川危険度判定装置2の構成を説明する。図6は、河川危険度判定装置2の構成を示すブロック図である。図6に示すように、河川危険度判定装置2は、水領域検出部21と、面積比率算出部22と、危険度判定部23とを備える。
図6を参照して、本実施形態に係わる河川危険度判定装置2の構成を説明する。図6は、河川危険度判定装置2の構成を示すブロック図である。図6に示すように、河川危険度判定装置2は、水領域検出部21と、面積比率算出部22と、危険度判定部23とを備える。
水領域検出部21の構成および動作は、前記第1の実施形態の水領域検出部11と同様である。また、面積比率算出部22の構成および動作は、前記第1の実施形態の面積比率算出部22と同様である。したがって、本実施形態では、水領域検出部21および面積比率算出部22についての説明を省略する。
一方、危険度判定部23の構成は、前記第1の実施形態の危険度判定部13とは異なる。図6に示すように、危険度判定部23は、時間遷移特性算出部231と特性比較部232とを含む。
(2-1)時間遷移特性算出部231
時間遷移特性算出部231は、時刻t以前の入力画像に関して算出された面積比率の情報を保持している。時間遷移特性算出部231は、面積比率算出部22が算出した時刻tにおける面積比率と、時刻t以前に算出された面積比率とを比較することによって、面積比率の時間遷移特性を算出する。面積比率の時間遷移特性とは、時刻t以前のある時刻から時刻tまでの期間に、面積比率がどれだけ変化したかを表す数値である。換言すれば、時間遷移特性は、面積比率の時間変化量を表す。時間遷移特性算出部231は、算出した時間遷移特性の情報を、特性比較部232に出力する。
時間遷移特性算出部231は、時刻t以前の入力画像に関して算出された面積比率の情報を保持している。時間遷移特性算出部231は、面積比率算出部22が算出した時刻tにおける面積比率と、時刻t以前に算出された面積比率とを比較することによって、面積比率の時間遷移特性を算出する。面積比率の時間遷移特性とは、時刻t以前のある時刻から時刻tまでの期間に、面積比率がどれだけ変化したかを表す数値である。換言すれば、時間遷移特性は、面積比率の時間変化量を表す。時間遷移特性算出部231は、算出した時間遷移特性の情報を、特性比較部232に出力する。
図7A~図7Dを参照して、面積比率の時間遷移特性の具体例を説明する。時間遷移特性算出部231は、例えば、以下で説明する方法のいずれかを用いて、面積比率の時間遷移特性を算出することができる。
(a)面積比率を1つ保持している場合
面積比率の時間遷移特性は、2点の時刻間(単位時間と呼ぶ)における面積比率の増加量であってよい。例えば、図7Aに示すように、時刻t1、時刻t0(>t1)における面積比率が、それぞれRw1、Rw0であったとする。このとき、時間遷移特性a1は、以下の式(4)にしたがって算出することができる。
a1= (Rw0-Rw1)/(t0-t1) ・・・・ 式(4)
(b)面積比率を2つ以上保持している場合(増加量の遷移)
面積比率の時間遷移特性は、面積比率の単位時間当たりの増加量の時系列データで構成された特徴ベクトルであってもよい。例えば、図7Bに示すように、時刻tn~t0における面積比率が、Rwn~Rw0であるとする。このとき、時間遷移特性aは、以下の式(4’)および式(5)にしたがって、算出することができる。ここで、式(4’)において、“Rwj”は、時刻tj(j=0,1,2・・・,n)における面積比率である。なお、tn<tn-1・・・<t1<t0の関係が成り立つ。
aj= (Rwj-1-Rwj)/(tj-1-tj) (j=1,2・・・,n)・・・・ 式(4’)
a= (a1, a2, a3・・・, an) ・・・・ 式(5)
(c)面積比率を2つ以上保持している場合(面積比率の遷移)
面積比率の時間遷移特性は、面積比率の時系列データで構成された特徴ベクトルであってもよい。例えば、図7Cに示すように、時刻tn~t0における面積比率が、Rwn~Rw0であるとする。このとき、時間遷移特性rは、以下の式(6)で表される。
r= (Rw0, Rw1, Rw2, Rw3・・・, Rwn) ・・・・ 式(6)
(d)面積比率を2つ以上保持している場合(モデルフィッティング)
面積比率の時間遷移特性は、面積比率の時系列データの近似関数であってもよい。この近似関数は、例えば、予め設定したモデル(線形関数、三角関数等)と、面積比率の時系列データとを、最小二乗誤差等を用いてフィッティングすることによって、生成することができる。例えば、図7Dに示すように、時刻tn~t0の間で、面積比率が遷移する場合、面積比率の時間変化をサイン関数(あるいは他の関数)でフィッティングすることによって、図7Dに示す時間遷移特性Fを算出することができる。
(a)面積比率を1つ保持している場合
面積比率の時間遷移特性は、2点の時刻間(単位時間と呼ぶ)における面積比率の増加量であってよい。例えば、図7Aに示すように、時刻t1、時刻t0(>t1)における面積比率が、それぞれRw1、Rw0であったとする。このとき、時間遷移特性a1は、以下の式(4)にしたがって算出することができる。
a1= (Rw0-Rw1)/(t0-t1) ・・・・ 式(4)
(b)面積比率を2つ以上保持している場合(増加量の遷移)
面積比率の時間遷移特性は、面積比率の単位時間当たりの増加量の時系列データで構成された特徴ベクトルであってもよい。例えば、図7Bに示すように、時刻tn~t0における面積比率が、Rwn~Rw0であるとする。このとき、時間遷移特性aは、以下の式(4’)および式(5)にしたがって、算出することができる。ここで、式(4’)において、“Rwj”は、時刻tj(j=0,1,2・・・,n)における面積比率である。なお、tn<tn-1・・・<t1<t0の関係が成り立つ。
aj= (Rwj-1-Rwj)/(tj-1-tj) (j=1,2・・・,n)・・・・ 式(4’)
a= (a1, a2, a3・・・, an) ・・・・ 式(5)
(c)面積比率を2つ以上保持している場合(面積比率の遷移)
面積比率の時間遷移特性は、面積比率の時系列データで構成された特徴ベクトルであってもよい。例えば、図7Cに示すように、時刻tn~t0における面積比率が、Rwn~Rw0であるとする。このとき、時間遷移特性rは、以下の式(6)で表される。
r= (Rw0, Rw1, Rw2, Rw3・・・, Rwn) ・・・・ 式(6)
(d)面積比率を2つ以上保持している場合(モデルフィッティング)
面積比率の時間遷移特性は、面積比率の時系列データの近似関数であってもよい。この近似関数は、例えば、予め設定したモデル(線形関数、三角関数等)と、面積比率の時系列データとを、最小二乗誤差等を用いてフィッティングすることによって、生成することができる。例えば、図7Dに示すように、時刻tn~t0の間で、面積比率が遷移する場合、面積比率の時間変化をサイン関数(あるいは他の関数)でフィッティングすることによって、図7Dに示す時間遷移特性Fを算出することができる。
(2-2)特性比較部232
特性比較部232は、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の時間遷移特性(例えば、式(4)のa1、式(5)のa、または式(6)のr)と、既定の時間遷移特性の閾値との大小関係(差)または相対値(比率)を計算する。これにより、特性比較部232は、氾濫の危険度(すなわち、河川の氾濫が起こる可能性の高さ)を算出する。なお、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の時間遷移特性が、式(5)または式(6)に示す特徴ベクトルである場合、時間遷移特性の閾値もベクトルである。この場合、特性比較部232は、式(5)または式(6)に示す特徴ベクトルの各成分の値と、時間遷移特性の閾値を表すベクトルの各成分の値とを比較する。
特性比較部232は、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の時間遷移特性(例えば、式(4)のa1、式(5)のa、または式(6)のr)と、既定の時間遷移特性の閾値との大小関係(差)または相対値(比率)を計算する。これにより、特性比較部232は、氾濫の危険度(すなわち、河川の氾濫が起こる可能性の高さ)を算出する。なお、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の時間遷移特性が、式(5)または式(6)に示す特徴ベクトルである場合、時間遷移特性の閾値もベクトルである。この場合、特性比較部232は、式(5)または式(6)に示す特徴ベクトルの各成分の値と、時間遷移特性の閾値を表すベクトルの各成分の値とを比較する。
なお、特性比較部232は、危険度の判定基準となる既定の時間遷移特性の基準値および閾値の情報を予め保持している。例えば、特性比較部232は、河川の通常時における面積比率の時間遷移特性を、時間遷移特性の基準値として、予め保持していてもよい。また、特性比較部232は、経験的に河川の氾濫の危険性が高いと判断される面積比率を、既定の面積比率の閾値として保持していてもよい。
河川の通常時における時間遷移特性の基準値は、例えば、
(i)時間長Xの区間内の単位時間xにおける面積比率の増加量、
(ii)時間長Xの区間内の単位時間xにおける面積比率の増加量の時系列データで構成されるベクトル特徴量、
(iii)時間長Xの区間内で取得された面積比率の時系列データで構成されるベクトル特徴量、あるいは
(iv)時間長Xの区間で取得された面積比率の時系列データの近似関数
であってよい。
(i)時間長Xの区間内の単位時間xにおける面積比率の増加量、
(ii)時間長Xの区間内の単位時間xにおける面積比率の増加量の時系列データで構成されるベクトル特徴量、
(iii)時間長Xの区間内で取得された面積比率の時系列データで構成されるベクトル特徴量、あるいは
(iv)時間長Xの区間で取得された面積比率の時系列データの近似関数
であってよい。
特性比較部232は、例えば、以下の方法を用いて、氾濫の危険度を算出することができる。なお、前記実施形態で注意したように、氾濫の危険度を算出することには、危険度を表す数値そのものを算出することのほかに、危険度の高低を判定することも含む。
(a)面積比率を1つ保存している場合
既定の時間遷移特性の閾値がTHa1である場合、特性比較部232は、単位時間あたりの面積比率の増加量a1と閾値THa1との大小関係とに基づいて、河川の危険度を算出してもよい。例えば、特性比較部232は、以下の式(7)にしたがって、危険度DRの高低を判定してもよい。
DR= 高 (if a1>THa1)
低 (if a1≦THa1) ・・・・ 式(7)
式(7)によれば、面積比率の増加量a1が閾値THa1を超える場合、河川の流域が急激に拡大しているので、特性比較部232は、河川の氾濫の危険度DRが“高い”と判定する。逆に、増加量a1が閾値THa1を超えない場合、河川の流域はそれほど急激には拡大してきていない(0<a1≦THa1)か、あるいは通常時の状態(図2の(a)および(b)における“S1”)に戻ってきている(a1<0)ので、特性比較部232は、河川の氾濫の危険性が“低い”と判定する。
(a)面積比率を1つ保存している場合
既定の時間遷移特性の閾値がTHa1である場合、特性比較部232は、単位時間あたりの面積比率の増加量a1と閾値THa1との大小関係とに基づいて、河川の危険度を算出してもよい。例えば、特性比較部232は、以下の式(7)にしたがって、危険度DRの高低を判定してもよい。
DR= 高 (if a1>THa1)
低 (if a1≦THa1) ・・・・ 式(7)
式(7)によれば、面積比率の増加量a1が閾値THa1を超える場合、河川の流域が急激に拡大しているので、特性比較部232は、河川の氾濫の危険度DRが“高い”と判定する。逆に、増加量a1が閾値THa1を超えない場合、河川の流域はそれほど急激には拡大してきていない(0<a1≦THa1)か、あるいは通常時の状態(図2の(a)および(b)における“S1”)に戻ってきている(a1<0)ので、特性比較部232は、河川の氾濫の危険性が“低い”と判定する。
あるいは、特性比較部232は、閾値THa1と増加量a1との相対値(比率)に基づいて、河川の危険度DRを算出しても良い。例えば、特性比較部232は、以下の式(8)にしたがって、危険度DRを算出しても良い。
DR= a1/THa1 ・・・・ 式(8)
式(8)によれば、危険度DRは、閾値THa1と比較して、面積比率の増加量a1がどれぐらい大きいかを示す。面積比率の増加量a1が大きいほど、危険度DRも大きくなる。
DR= a1/THa1 ・・・・ 式(8)
式(8)によれば、危険度DRは、閾値THa1と比較して、面積比率の増加量a1がどれぐらい大きいかを示す。面積比率の増加量a1が大きいほど、危険度DRも大きくなる。
特性比較部232は、複数の閾値THa1、THa2、・・・、THan(ただし、THa1<THa2<・・・<THan)を設定することもできる。この場合、特性比較部232は、増加量a1と、閾値THa1、THa2、・・・、THanの各々との間で、それぞれ、式(7)または式(8)にしたがって、大小関係を比較する。なお、複数の閾値(THa1、THa2、・・・、THan)は、一定間隔である必要はない。複数の閾値は、氾濫の危険性が低い範囲では粗い(広い)間隔で並んでいる一方、氾濫の危険性が高い範囲では細かい(狭い)間隔で並んでいてもよい。この場合、特性比較部232は、例えば、以下の式(9)によって、危険度DRを算出してもよい。
DR=
0 (if a1<THa1)
1 (if THa1≦a1<THa2)
・・・・
n-1 (if THan-1≦a1<THan)
n (if THan≦a1) ・・・・ 式(9)
式(9)によれば、特性比較部232は、閾値THa1~THanの各々と増加量a1との大小関係に基づいて、河川の氾濫の危険度をn+1段階で算出することができる。
(b)面積比率を2つ以上保持している場合(増加量の遷移)
特性比較部232は、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の増加量の時系列データ(A1~Anとおく)で構成される特徴ベクトルA=(A1、A2、A3・・・、An)を、時間遷移特性の基準値として設定してもよい。この場合、特性比較部232は、式(5)で表される特徴ベクトルa=(a1、a2、a3・・・、an)と、基準値である特徴ベクトルA=(A1、A2、A3・・・、An)との間の差分のL1ノルム(|A,a|と記載する)を計算することによって、危険度DRを算出してもよい。例えば、特性比較部232は、以下の式(10)にしたがって、特徴ベクトルAの各要素と特徴ベクトルaの各要素との差分の絶対値の平均値(式(10)の|A,a|/n)と、閾値THbとを比較することによって、氾濫の危険度DRの高低を判定することができる。
DR= 高 (if |A , a|/n>THb)
低 (if |A , a|/n≦THb) ・・・・ 式(10)
式(10)によれば、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の増加量の時系列データAの各要素と、通常時の増加量の時系列データaの各要素との間の差分の絶対値の平均値が、閾値THbよりも大きい場合、危険度DRは“高い”と判定される。
(c)面積比率を2つ以上保持している場合(面積比率の遷移)
既定の時間遷移特性は、河川の通常時の面積比率の時系列データから成る特徴ベクトルR=(R0、R1、R2、R3・・・、Rn)であってもよい。この場合、特性比較部232は、式(6)で表される特徴ベクトルr=(Rw0、Rw1、Rw2、Rw3・・・、Rwn)と、特徴ベクトルR=(R0、R1、R2、R3・・・、Rn)との間の差分のL1ノルム(|R,r|と記載する)と、閾値THcとの大小関係を比較することによって、氾濫の危険度を算出してもよい。特性比較部232は、例えば、以下の式(11)に示すように、L1ノルム|R、r|を特徴ベクトルR、rの要素数nで割った値と、閾値THcとを比較することによって、危険度DRの高低を判定することができる。
DR= 高 (if |R, r|/n>THc)
低 (if |R, r|/n≦THc) ・・・・ 式(11)
式(11)によれば、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の遷移と、河川の通常時の面積比率の遷移との間のかい離が大きい場合、特性比較部232は、河川の氾濫の危険性が“高い”と判定する。
(d)面積比率を2つ以上保持している場合(モデルフィッティング)
特性比較部232は、河川の通常時の面積比率の時系列データを近似する基準近似関数Fdを、既定の面積比率の時間遷移特性の基準値として用いてもよい。この場合、特性比較部232は、面積比率算出部22が算出した面積比率の時系列データをもとに生成した近似関数Fと、既定の基準近似関数Fdとを比較することによって、危険度を計算してもよい。基準近似関数Fdと近似関数Fとの積を、面積比率の時系列データが定義されている時間、すなわち時刻tnから時刻t0まで、積分したものをzとおく。この場合、特性比較部232は、例えば、以下の式(12)によって、危険度DRの高低を判定してもよい。
DR= 低 (if z>THz)
高 (if z≦THz) ・・・・ 式(12)
式(12)によれば、zが、既定の閾値THzよりも小さい場合、氾濫の危険度DRは“高い”と判定される。
DR=
0 (if a1<THa1)
1 (if THa1≦a1<THa2)
・・・・
n-1 (if THan-1≦a1<THan)
n (if THan≦a1) ・・・・ 式(9)
式(9)によれば、特性比較部232は、閾値THa1~THanの各々と増加量a1との大小関係に基づいて、河川の氾濫の危険度をn+1段階で算出することができる。
(b)面積比率を2つ以上保持している場合(増加量の遷移)
特性比較部232は、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の増加量の時系列データ(A1~Anとおく)で構成される特徴ベクトルA=(A1、A2、A3・・・、An)を、時間遷移特性の基準値として設定してもよい。この場合、特性比較部232は、式(5)で表される特徴ベクトルa=(a1、a2、a3・・・、an)と、基準値である特徴ベクトルA=(A1、A2、A3・・・、An)との間の差分のL1ノルム(|A,a|と記載する)を計算することによって、危険度DRを算出してもよい。例えば、特性比較部232は、以下の式(10)にしたがって、特徴ベクトルAの各要素と特徴ベクトルaの各要素との差分の絶対値の平均値(式(10)の|A,a|/n)と、閾値THbとを比較することによって、氾濫の危険度DRの高低を判定することができる。
DR= 高 (if |A , a|/n>THb)
低 (if |A , a|/n≦THb) ・・・・ 式(10)
式(10)によれば、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の増加量の時系列データAの各要素と、通常時の増加量の時系列データaの各要素との間の差分の絶対値の平均値が、閾値THbよりも大きい場合、危険度DRは“高い”と判定される。
(c)面積比率を2つ以上保持している場合(面積比率の遷移)
既定の時間遷移特性は、河川の通常時の面積比率の時系列データから成る特徴ベクトルR=(R0、R1、R2、R3・・・、Rn)であってもよい。この場合、特性比較部232は、式(6)で表される特徴ベクトルr=(Rw0、Rw1、Rw2、Rw3・・・、Rwn)と、特徴ベクトルR=(R0、R1、R2、R3・・・、Rn)との間の差分のL1ノルム(|R,r|と記載する)と、閾値THcとの大小関係を比較することによって、氾濫の危険度を算出してもよい。特性比較部232は、例えば、以下の式(11)に示すように、L1ノルム|R、r|を特徴ベクトルR、rの要素数nで割った値と、閾値THcとを比較することによって、危険度DRの高低を判定することができる。
DR= 高 (if |R, r|/n>THc)
低 (if |R, r|/n≦THc) ・・・・ 式(11)
式(11)によれば、時間遷移特性算出部231が算出した面積比率の遷移と、河川の通常時の面積比率の遷移との間のかい離が大きい場合、特性比較部232は、河川の氾濫の危険性が“高い”と判定する。
(d)面積比率を2つ以上保持している場合(モデルフィッティング)
特性比較部232は、河川の通常時の面積比率の時系列データを近似する基準近似関数Fdを、既定の面積比率の時間遷移特性の基準値として用いてもよい。この場合、特性比較部232は、面積比率算出部22が算出した面積比率の時系列データをもとに生成した近似関数Fと、既定の基準近似関数Fdとを比較することによって、危険度を計算してもよい。基準近似関数Fdと近似関数Fとの積を、面積比率の時系列データが定義されている時間、すなわち時刻tnから時刻t0まで、積分したものをzとおく。この場合、特性比較部232は、例えば、以下の式(12)によって、危険度DRの高低を判定してもよい。
DR= 低 (if z>THz)
高 (if z≦THz) ・・・・ 式(12)
式(12)によれば、zが、既定の閾値THzよりも小さい場合、氾濫の危険度DRは“高い”と判定される。
なお、特性比較部232は、(b)(c)および(d)で説明した危険度DRの高低の判定と、(a)で説明した危険度DRを表す数値の計算とを組み合わせることができる。具体的には、面積比率の増加量a1が、(a)で定義した閾値THa1を超える場合のみ、特性比較部232は、(b)(c)および(d)のいずれかの方法で、危険度の高低を判定してもよい。そうすることで、特性比較部232は、より効率的に、危険度を算出することができる。その理由は、時刻t1における面積比率の増加量a1が閾値THa1よりも小さい場合、河川は既に増水していないか、あるいは、通常の水量に戻っている過程であると考えられるからである。例えば、時刻t1以前では面積比率の増加量が多かったが、時刻t1以降では面積比率がほとんど増大していない可能性がある。このような場合、特性比較部232は、(b)(c)および(d)で説明した危険度DRの高低の判定をすることなしに、氾濫の危険度が“低い”と判定する。
あるいは、特性比較部232は、(a)~(d)で説明した危険度の算出方法に加えて、時刻tにおける面積比率も考慮して、氾濫の危険度を算出しても良い。例えば、時刻tにおける面積比率Rw(式(1))が既定の基準値Twよりも小さい場合、特性比較部232は、面積比率の増加量に関わらず、危険度DRが“低い”もしくは“0”と判定してもよい。一方、時刻tにおける面積比率Rwが基準値Twよりも大きい場合、特性比較部232は、(a)~(d)で説明した方法を用いて、危険度を算出してもよい。
(動作の説明)
図8を参照して、本実施形態に係わる河川危険度判定装置2の動作を説明する。図8は、河川危険度判定装置2の動作の流れを示すフローチャートである。
図8を参照して、本実施形態に係わる河川危険度判定装置2の動作を説明する。図8は、河川危険度判定装置2の動作の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、面積比率を算出するための判定対象領域の位置情報が、面積比率算出部22に入力される(ステップS21)。また、既定の時間遷移特性の基準値および閾値が、特性比較部232に設定される(ステップS22)。判定対象領域の位置情報および既定の時間遷移特性の基準値および閾値は、ユーザによって入力または設定されてよい。
次に、監視カメラが撮影した時刻tのフレームの画像データが、入力画像として、水領域検出部21に入力される(ステップS23)。水領域検出部21は、判定対象領域の位置情報を用いて、時刻tの入力画像から判定対象領域を抽出する。そして、水領域検出部21は、予め水と非水との弁別を学習した識別器を用いて、判定対象領域内の水領域を検出する(ステップS24)。水領域検出部21は、検出した水領域の位置情報を、面積比率算出部22に出力する。
次に、面積比率算出部22は、判定対象領域の位置情報と、水領域検出部21が検出した水領域の位置情報とから、面積比率(=水領域の面積/判定対象領域の面積)を算出し、算出した面積比率の情報を保存する(ステップS25)。そして、面積比率算出部22は、算出した面積比率の情報を、時間遷移特性算出部231に出力する。時間遷移特性算出部231は、時刻t以前の時刻の入力画像から算出された面積比率が複数保存されているか否かを判定する(S251)。時刻t以前の面積比率が複数保存されていない場合(S251でNo)、ステップS23に戻る。一方、時刻t以前の面積比率が複数保存されている場合(S251でYes)、特性比較部232は、既定の時間遷移特性と、算出した時間遷移特性との大小関係あるいは相対値に基づいて、危険度を算出する(ステップS26)。画像入力が終了するまで(S261でYes)、上述したステップS23からS26までを繰り返す。
(効果の説明)
本実施形態の構成によれば、河川を撮影した画像(入力画像の一例)の特定の領域(判定対象領域の一例)に対して占める水に覆われた領域(水領域の一例)の面積の割合(面積比率の一例)に基づいて、河川の氾濫の危険度(河川の氾濫が起こる可能性の高さを示す数値。あるいは可能性の高低を表す指標)を算出する。そのため、河川の下流域のように、同じ標高の領域が広く、また、通常時と増水時との間の水位の変化が小さい地域において、河川が氾濫する可能性の高さを高精度に判定することができる。
本実施形態の構成によれば、河川を撮影した画像(入力画像の一例)の特定の領域(判定対象領域の一例)に対して占める水に覆われた領域(水領域の一例)の面積の割合(面積比率の一例)に基づいて、河川の氾濫の危険度(河川の氾濫が起こる可能性の高さを示す数値。あるいは可能性の高低を表す指標)を算出する。そのため、河川の下流域のように、同じ標高の領域が広く、また、通常時と増水時との間の水位の変化が小さい地域において、河川が氾濫する可能性の高さを高精度に判定することができる。
さらに、本実施形態の構成によれば、面積比率の遷移を考慮して、危険度を算出する。これにより、面積比率が急激に大きくなっている(つまり、水領域が広がっている)場合、危険度は高いと判定することができる。一方、面積比率の増加量が縮小しているか、あるいは面積比率が小さくなっている場合、危険度は小さいと判定することができる。
〔第3の実施形態〕
本実施形態に係わる河川危険度判定装置3は、ハードウェアとして実現される。具体的には、河川危険度判定装置3の制御機能は、河川の危険度を判定するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行することによって、実現される。ここで、河川危険度判定装置3の制御機能は、前記実施形態1~2で説明した河川危険度判定装置1、2の制御機能と同様であってよい。
本実施形態に係わる河川危険度判定装置3は、ハードウェアとして実現される。具体的には、河川危険度判定装置3の制御機能は、河川の危険度を判定するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行することによって、実現される。ここで、河川危険度判定装置3の制御機能は、前記実施形態1~2で説明した河川危険度判定装置1、2の制御機能と同様であってよい。
コンピュータは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含む。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disc)-ROM等の可搬媒体、コンピュータに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
(河川危険度判定装置3のハードウェア構成)
図9は、本実施形態に係わる河川危険度判定装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。図9に示すように、河川危険度判定装置3は、CPU(Central Processing Unit)31と、RAM(Random Access Memory)32と、記憶装置33と、入出力装置34とを備えている。河川危険度判定装置3は、監視カメラを含む外部機器と無線または有線で通信を行うための通信インターフェース35をさらに備えている。
図9は、本実施形態に係わる河川危険度判定装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。図9に示すように、河川危険度判定装置3は、CPU(Central Processing Unit)31と、RAM(Random Access Memory)32と、記憶装置33と、入出力装置34とを備えている。河川危険度判定装置3は、監視カメラを含む外部機器と無線または有線で通信を行うための通信インターフェース35をさらに備えている。
河川危険度判定装置3の制御機能は、記憶装置33からRAM32に読み出されたプログラムを、CPU31が実行することによって実現される。前記実施形態1~2で説明した河川危険度判定装置1、2の制御機能も、同様に、コンピュータによって実現される。
入出力装置34は、コンピュータへの入出力のためのデバイスを含む。入出力装置34は、例えば、キーボード等のユーザインタフェースを含んでいてよい。ユーザは、入出力装置34によって、判定対象領域の位置情報などを入力することができる。あるいは、入出力装置34は、河川が氾濫する危険を報知するためのディスプレイや報知機を含んでいてよい。
(効果の説明)
本実施形態の構成によれば、前記第1の実施形態または前記第2の実施形態で説明したような河川危険度判定装置の制御機能が、コンピュータによって、ハードウェアとして実現される。そのため、本実施形態に係わる河川危険度判定装置も、河川が氾濫する可能性の高さを高精度に判定することができる。
本実施形態の構成によれば、前記第1の実施形態または前記第2の実施形態で説明したような河川危険度判定装置の制御機能が、コンピュータによって、ハードウェアとして実現される。そのため、本実施形態に係わる河川危険度判定装置も、河川が氾濫する可能性の高さを高精度に判定することができる。
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。実施形態(及び実施例)の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。この出願は、2017年12月01日に出願された日本出願特願2017-231933を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、河川監視センター等に設置される河川監視システムに組み込むことによって、河川の氾濫の危険性を判定する機能として利用することができる。
1、2、3 河川危険度判定装置
11、21 水領域検出部
12、22 面積比率算出部
13、23 危険度判定部
231 時間遷移特性算出部
11、21 水領域検出部
12、22 面積比率算出部
13、23 危険度判定部
231 時間遷移特性算出部
Claims (8)
- 河川を撮影した入力画像上に設定された判定対象領域内で、水で覆われた水領域を検出する水領域検出手段と、
前記判定対象領域に対する前記水領域の面積の割合である面積比率を算出する面積比率算出手段と、
前記面積比率に基づいて、前記河川が氾濫する危険性の高さを示す危険度を算出する危険度判定手段と、を備えた
ことを特徴とする河川危険度判定装置。 - 前記水領域検出手段は、
画素を水または非水に弁別するように予め学習した識別器を用いて、前記判定対象領域に含まれる各画素を水または非水に弁別し、
前記識別器が水に弁別した画素の集合を、前記水領域として検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の河川危険度判定装置。 - 前記危険度判定手段は、前記面積比率算出手段が算出した前記面積比率と、予め設定された面積比率の閾値との間の大小関係もしくは相対値に基づいて、前記危険度を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の河川危険度判定装置。
- 前記危険度判定手段は、既定の基準値に対して、前記面積比率算出手段が算出した面積比率がどれだけ大きいかを表す増加量を算出し、前記面積比率の増加量と、予め設定された面積比率の閾値との大小関係もしくは相対値に基づいて、前記危険度を算出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の河川危険度判定装置。 - 前記危険度判定手段は、
前記面積比率の時間変化の大きさを表す数値である時間遷移特性を算出し、前記時間遷移特性と、前記時間遷移特性の閾値との大小関係もしくは相対値を、前記危険度として算出する
ことを特徴とするに請求項1または2に記載の河川危険度判定装置。 - 前記時間遷移特性は、
(i)入力時刻の異なる2枚の入力画像からそれぞれ算出した面積比率から算出される単位時間当たりの面積比率の増加量、
(ii)入力時刻の異なる2枚の入力画像からそれぞれ算出した面積比率から算出される単位時間当たりの面積比率の増加量の時系列データから成るベクトル、
(iii)入力時刻の異なる複数の入力画像からそれぞれ算出した面積比率の時系列データから成るベクトル、もしくは、
(iv)入力時刻の異なる複数の入力画像からそれぞれ算出した面積比率の時系列データを近似した関数、のいずれかである
ことを特徴とする請求項5に記載の河川危険度判定装置。 - 河川を撮影した入力画像上に設定された判定対象領域内で、水で覆われた水領域を検出することと、
前記判定対象領域に対する前記水領域の面積の割合である面積比率を算出することと、
前記面積比率に基づいて、前記河川が氾濫する危険性の高さを示す危険度を算出することと、を含む
ことを特徴とする河川危険度判定方法。 - 河川を撮影した入力画像上に設定された判定対象領域内で、水で覆われた水領域を検出することと、
前記判定対象領域に対する前記水領域の面積の割合である面積比率を算出することと、
前記面積比率に基づいて、前記河川が氾濫する危険性の高さを示す危険度を算出することと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録された、一時的でない記憶媒体。
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