WO2019093255A1 - リソース調停システムおよびリソース調停装置 - Google Patents
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Abstract
リソースの利用条件と提供条件との双方を満たしつつ、リソースの需要と供給を制御する。 リソース調停サーバ1は、鉄道車両事故P3の被害規模に基づいて、鉄道車両事故P3がない場合の到着時刻、事故復旧後の到着時刻および臨時バスを利用した場合の到着時刻を予測し、乗客に配信するとともに、臨時バスの運行計画をバス会社に配信し、到着時刻の予測情報に基づき、乗客とバス会社に臨時バス利用の条件を提示し、乗客とバス会社の間で臨時バスの台数や料金を調停する。
Description
本発明は、リソースの需要と供給を制御することが可能なリソース調停システムおよびリソース調停装置に関する。
近年、大量生産型経済モデルが限界に達し、リソースを再利用する循環型経済の台頭に伴って、サービス化のビジネスがクローズアップされている。その中でも、社会交通インフラのサービス化では、製品として販売していた交通移動手段(自動車等)を共同利用することや、モノを代替化することが行われている。
特許文献1では、タイムテーブルに従って運行行路を運行するバスが所定の時刻にチェックポイントに到達していないと判定した場合、臨時乗り物を出動させる技術が開示されている。
特許文献2では、過去の移動経路の記憶情報を参照し、移動計画を立案した後、車両の提供者の端末に相乗りの受け入れ依頼を送信することによって、タクシーの相乗り運行計画を立案する技術が開示されている。
特許文献3では、車両の仮想オブジェクトを使ったコンピュータシミュレーションによって、交通状況を再現して評価する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、予定の時刻にバスが来なかった場合に、臨時バスを代替とすることはできるが、鉄道車両停止事故などの発生時に、移動できなくなる乗客が鉄道車両停止事故発生地点から地理上平面で拡大するような状況には対応できなかった。
特許文献2に開示された技術では、相乗りによるタクシーと乗客の利用効率を高めることができるが、鉄道車両停止事故などの発生時に数百人から数千人のオーダで発生する代替移動手段を、鉄道車両停止事故復旧時までに確保することは困難であった。
すなわち、個々のタクシーと乗客が、タクシーの利用と提供を独自かつ個別に行えば、膨大なパターンの調停が発生する。このようなケースでは、鉄道車両停止事故の復旧を待った方が早く、または、安く済むという本末転倒な事態が発生する可能性が高い。さらに、タクシーの利用者には、到着予測時間が分からないため、乗客がタクシーの利用を躊躇する可能性が高い。
また、特許文献3の発明は、コンピュータシミュレーションによる交通状況の再現を行うことはできるが、鉄道車両停止事故などの発生時に、より多くの人員をより短い時間で目的地に到達させる臨時バスの運行計画を立案することはできなかった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、リソースの利用条件と提供条件との双方を満たしつつ、リソースの需要と供給を制御することが可能なリソース調停システムおよびリソース調停装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、第1の観点に係るリソース調停システムは、第1リソースの需給状態に基づいて第2リソースの提供条件と利用条件を設定し、前記提供条件と前記利用条件に基づいて前記第2リソースの需要と供給の調停を行う第1サーバと、前記第1サーバから送られた前記第2リソースの提供条件を評価する第2サーバと、前記第1サーバから送られた前記第2リソースの利用条件を評価する情報端末とを備える。
本発明によれば、リソースの提供条件と利用条件との双方を満たしつつ、リソースの需要と供給を制御することができる。
実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
以下の第一の実施形態では、第1リソースとして鉄道、第2リソースとしてバスを例にとって説明するが、第1リソースおよび第2リソースは、第2リソースが第1リソースの代替として使用できれば、鉄道およびバスに限定されない。例えば、リソースとして交通インフラ以外にも、電力や通信などの社会インフラであってもよい。
図1は、第一の実施形態に係るリソース調停システムで想定される鉄道路線上での事故発生時の臨時バス運行路線の一例を示す図である。
図1において、鉄道路線P1上には駅A~Iが設けられている。なお、図1では、鉄道路線P1上に9個の駅A~Iが設けられている例を示したが、鉄道路線P1上に2以上の駅があればよい。また、鉄道路線P1は分岐していてもよい。
図1において、鉄道路線P1上には駅A~Iが設けられている。なお、図1では、鉄道路線P1上に9個の駅A~Iが設けられている例を示したが、鉄道路線P1上に2以上の駅があればよい。また、鉄道路線P1は分岐していてもよい。
ここで、例えば、駅E、F間で鉄道車両事故P3が発生した場合、鉄道路線P1の駅A~I間には臨時バス運行路線P2を設定することができる。なお、鉄道車両事故P3は、停電事故、信号機トラブル、ポイント故障、人身事故または踏切事故などであってもよい。あるいは、大雨、積雪または強風などによって鉄道車両が停止する場合であってもよい。
鉄道車両事故P3が発生すると、駅E、F間を運行している鉄道車両だけでなく、それより前の区間を運行している鉄道車両も止まる。場合によっては、鉄道路線P1上の全線で鉄道車両が止まることもある。このため、駅E、F間を跨ぐように臨時バス運行路線P2を設定するとともに、駅E、F間を跨がないような臨時バス運行路線P2も設定することができる。
また、図1では、鉄道車両事故P3が発生した鉄道路線P1の駅A~I間で臨時バス運行路線P2を設定する方法について示したが、鉄道路線P1から他の鉄道路線へ乗り換える場合にも鉄道車両事故P3による遅延の影響が及ぶことがある。このため、鉄道車両事故P3が発生した鉄道路線P1以外の鉄道路線の駅が臨時バス運行路線P2に含まれていてもよい。
以下、臨時バス運行路線P2の設定方法の概略を説明する。
鉄道車両事故P3が発生すると、その被害規模を予測する。そして、その被害規模に基づいて、鉄道車両事故P3がない場合の到着時刻t1、鉄道車両事故P3の復旧後の到着時刻t2および鉄道車両事故P3の復旧前に臨時バスを利用した場合の到着時刻t3を予測し、乗客に配信するとともに、臨時バスの運行計画をバス会社に配信する。
鉄道車両事故P3が発生すると、その被害規模を予測する。そして、その被害規模に基づいて、鉄道車両事故P3がない場合の到着時刻t1、鉄道車両事故P3の復旧後の到着時刻t2および鉄道車両事故P3の復旧前に臨時バスを利用した場合の到着時刻t3を予測し、乗客に配信するとともに、臨時バスの運行計画をバス会社に配信する。
次に、到着時刻t1、t2、t3の予測情報に基づき、乗客に臨時バスの利用条件を提示するとともに、バス会社に臨時バスの提供条件を提示し、乗客とバス会社の間で臨時バスの台数や料金を調停する。
次に、臨時バスの台数や料金の調停が完了したら、実際に臨時バスの運用を開始する。
リソース調停システムで想定される環境条件の一例を以下に示す。
鉄道路線距離:約30km
利用者総数 :約5万人/日
運行時間 : 約18時間/日
利用可能な臨時バス台数:各駅に10台
鉄道路線距離:約30km
利用者総数 :約5万人/日
運行時間 : 約18時間/日
利用可能な臨時バス台数:各駅に10台
このリソース調停システムでは、臨時バスの利用条件と提供条件に基づいて、乗客とバス会社間で調停を行わせることができる。これにより、なるべく多くの人員をなるべく短い時間で目的地に到達させる合理的な臨時バスの運行計画を、鉄道車両事故P3が復旧するまでの短時間に立案することができる。
図2は、第一の実施形態に係るリソース調停システムの構成を示すブロック図である。
図2において、リソース調停システムには、リソース調停サーバ1、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4が設けられている。情報端末4は、鉄道またはバスを利用する乗客が使うモバイル端末を用いることができる。リソース調停サーバ1は、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4とネットワーク5で接続されている。ネットワーク5の接続の態様は、無線有線等、特に限定はない。
図2において、リソース調停システムには、リソース調停サーバ1、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4が設けられている。情報端末4は、鉄道またはバスを利用する乗客が使うモバイル端末を用いることができる。リソース調停サーバ1は、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4とネットワーク5で接続されている。ネットワーク5の接続の態様は、無線有線等、特に限定はない。
リソース調停サーバ1は、鉄道車両事故P3の被害規模に基づいて、鉄道車両事故P3がない場合の到着時刻t1、鉄道車両事故P3の復旧後の到着時刻t2および鉄道車両事故P3の復旧前に臨時バスを利用した場合の到着時刻t3を予測し、情報端末4に配信したり、臨時バスの運行計画をバス運行サーバ3に配信したりすることができる。そして、到着時刻t1、t2、t3の予測情報に基づいて、情報端末4に臨時バスの利用条件を提示するとともに、バス運行サーバ3に臨時バスの提供条件を提示し、乗客とバス会社の間で臨時バスの台数や料金を調停することができる。
鉄道運行サーバ2は、当日の鉄道運行ダイヤを管理したり、鉄道車両停止事故情報や鉄道車両停止事故の復旧予想時間を送信したりすることができる。
バス運行サーバ3は、臨時バスとして利用可能なバスの台数と場所などの情報を送信することができる。また、バス運行サーバ3は、臨時バスの運行計画を受信したり、その運行計画の受け入れ可否を送信したりすることができる。この運行計画は、臨時バスの提供条件を含むことができる。
情報端末4は、鉄道またはバスを利用する乗客の現在の位置情報などを送信することができる。また、情報端末4は、臨時バスの利用条件を受信したり、その利用条件の受け入れ可否を送信したりすることができる。
ここで、リソース調停サーバ1は、乗客とバス会社の間で臨時バスの台数や料金を調停するに際し、仮想的な調停(以下、仮想調停と言う)、現実的な調停(以下、現実調停と言う)を行うことができる。
「仮想調停」とは、リソース調停サーバ1の中に現実世界のモノに対応するオブジェクトを生成し、そのオブジェクトを仲介して調停を行うことである。オブジェクトとは、オブジェクト指向プログラミングにおけるインスタンス等の、現実世界のモノの情報を格納する一定のメモリ領域のことである。
このように生成された複数のオブジェクトによってリソース調停サーバ1に作られた仮想的な世界を、以下「仮想空間」という。
このように生成された複数のオブジェクトによってリソース調停サーバ1に作られた仮想的な世界を、以下「仮想空間」という。
本実施形態における「仮想的な乗客」とは、リソース調停サーバ1の中に生成する、現実世界の乗客の情報を有するオブジェクトである。「仮想的な乗客」は、原則として現実の乗客の情報(位置情報等)を取得し、または仮想空間の環境に合わせて、オブジェクトの情報を更新する。
例えば、現実世界の乗客が出発駅の自動改札口を通過した時、仮想空間の中に、その現実世界の乗客を模擬する「仮想的な乗客」を生成してもよい。
その「仮想的な乗客」は、仮想空間内で運行している「仮想的な電車」に乗車した場合、「仮想的な乗客」の位置情報は、「仮想的な電車」と一致することになり、「仮想的な乗客」が「仮想的なバス」を仮想的な停留所で待っている時には、「仮想的な乗客」の位置情報は、「仮想的な停留場」となる。
あるいは、現実世界の乗客が、スマートホンなどの位置情報デバイスを持っている場合は、現実世界の乗客の位置情報を「仮想的な乗客」の位置情報として更新してもよい。
現実世界の乗客が到着駅の自動改札口を通過した時、仮想空間内に居た、その現実世界の乗客を模擬する「仮想的な乗客」を消滅させてもよい。
例えば、現実世界の乗客が出発駅の自動改札口を通過した時、仮想空間の中に、その現実世界の乗客を模擬する「仮想的な乗客」を生成してもよい。
その「仮想的な乗客」は、仮想空間内で運行している「仮想的な電車」に乗車した場合、「仮想的な乗客」の位置情報は、「仮想的な電車」と一致することになり、「仮想的な乗客」が「仮想的なバス」を仮想的な停留所で待っている時には、「仮想的な乗客」の位置情報は、「仮想的な停留場」となる。
あるいは、現実世界の乗客が、スマートホンなどの位置情報デバイスを持っている場合は、現実世界の乗客の位置情報を「仮想的な乗客」の位置情報として更新してもよい。
現実世界の乗客が到着駅の自動改札口を通過した時、仮想空間内に居た、その現実世界の乗客を模擬する「仮想的な乗客」を消滅させてもよい。
仮想調停では、仮想的な乗客(以下、仮想乗客と言う)に臨時バスの利用条件を提示するとともに、仮想的なバス会社(以下、仮想バス会社と言う)に臨時バスの提供条件を提示し、仮想乗客と仮想バス会社の間で臨時バスの台数や料金を仮想調停することができる。
現実調停では、仮想調停で得られた臨時バスの利用条件を現実的な乗客(以下、現実乗客と言う)に提示するとともに、仮想調停で得られた臨時バスの提供条件を現実的なバス会社(以下、現実バス会社と言う)に提示し、現実乗客と現実バス会社の間で臨時バスの台数や料金を現実調停することができる。
現実調停では、仮想調停で得られた臨時バスの利用条件を現実的な乗客(以下、現実乗客と言う)に提示するとともに、仮想調停で得られた臨時バスの提供条件を現実的なバス会社(以下、現実バス会社と言う)に提示し、現実乗客と現実バス会社の間で臨時バスの台数や料金を現実調停することができる。
ここで、現実調停の前に仮想調停を行うことにより、コンピュータ内の仮想空間上で仮想乗客と仮想バス会社の間で仮想バスの提供条件と利用条件が折り合うように仮想バスの提供条件と利用条件を早期に収束させることができる。この時、現実調停では、現実乗客と現実バス会社は、仮想調停で得られた臨時バスの提供条件と利用条件を受け入れるかどうかの判断のみで済ませることができる。このため、鉄道車両事故P3で滞留している多くの人員をなるべく短い時間で目的地に到達させる合理的な臨時バスの運行計画を、鉄道車両事故P3が復旧するまでの短時間に立案することができる。
図3は、第一の実施形態に係るリソース調停システムに用いられるサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3のハードウェアは、図2のリソース調停サーバ1、鉄道運行サーバ2およびバス運行サーバ3に用いることができる。CPU1―01、メモリ1―02、通信NIC(Network Interface Card)1―03、ハードディスクドライブ(以下、HDDという)1―04、入出力コントローラ1―05およびモニタコントローラ1―06は、バス1―07等で接続されている。入出力コントローラ1―05は、キーボード1―11およびマウス1―12に接続されている。モニタコントローラ1―06は、ディスプレイ1―13に接続されている。
図3のハードウェアは、図2のリソース調停サーバ1、鉄道運行サーバ2およびバス運行サーバ3に用いることができる。CPU1―01、メモリ1―02、通信NIC(Network Interface Card)1―03、ハードディスクドライブ(以下、HDDという)1―04、入出力コントローラ1―05およびモニタコントローラ1―06は、バス1―07等で接続されている。入出力コントローラ1―05は、キーボード1―11およびマウス1―12に接続されている。モニタコントローラ1―06は、ディスプレイ1―13に接続されている。
CPU1―01は、各サーバ全体の動作制御を司るハードウェアである。メモリ1―02は、例えば、半導体メモリから構成され、各種プログラムや制御データを一時的に保持することができる。HDD1―04は、各種プログラムの実行ファイルなどを保持することができる。HDDは、SSD(Solid State Drive)であってもよい。通信NIC1―03は、コンピュータなどの機器を通信ネットワークに接続することができる。
リソース調停サーバのHDD1―04には、鉄道車両事故P3がない場合の到着時刻、鉄道車両事故P3の復旧後の到着時刻および鉄道車両事故P3の復旧前に臨時バスを利用した場合の到着時刻を予測したり、その予測情報に基づいて乗客とバス会社の間で臨時バスの台数や料金を調停したりするリソース調停プログラムを格納することができる。
鉄道運行サーバ2のHDD1―04には、鉄道運行ダイヤを管理したり、鉄道車両停止事故の復旧予想時間を予測したりする鉄道運行管理プログラムを格納することができる。
バス運行サーバ3のHDD1―04には、臨時バスとして利用可能なバスの台数と場所を管理したり、臨時バスの提供条件を受信したり、その提供条件に応答したりするバス運行管理プログラムを格納することができる。
図2の情報端末4には、キーボード1―11、マウス1―12およびディスプレイ1―13の代わりにタッチパネルが設けられている。さらに、情報端末4には、GPSモジュール1―08が設けられている。それ以外は、前記ハードウェア構成と同じである。
情報端末4のHDD1―04には、鉄道またはバスを利用する乗客の現在の位置情報などを送信したり、臨時バスの利用条件を受信したり、その利用条件に応答したりする乗客情報管理プログラムを格納することができる。
図4は、図2のリソース調停サーバの構成を示すブロック図である。
図4において、リソース調停サーバ1には、通信処理部11、現実調停処理部12および仮想調停処理部13が設けられている。
図4において、リソース調停サーバ1には、通信処理部11、現実調停処理部12および仮想調停処理部13が設けられている。
通信処理部11は、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4との間で通信を行う。通信処理部11には、メッセージ受信部11―1およびメッセージ送信部11―2が設けられている。メッセージ受信部11―1は、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4から転送されてくるメッセージを受信する。メッセージ送信部11―2は、バス運行サーバ3および情報端末4にメッセージを送信する。
現実調停処理部12は、仮想調停処理部13による仮想調停結果に基づいて、現実乗客と現実バス会社との間の現実調停を行う。この時、現実調停処理部12は、仮想調停が不調の場合、現実調停を行わないようにすることができる。
現実調停処理部12には、鉄道運行リソース情報12―1、バス運行リソース情報12―2、乗客リソース情報12―3、現実調停部12―4および現実調停メッセージ作成部12―5が設けられている。
現実調停処理部12には、鉄道運行リソース情報12―1、バス運行リソース情報12―2、乗客リソース情報12―3、現実調停部12―4および現実調停メッセージ作成部12―5が設けられている。
鉄道運行リソース情報12―1は、鉄道車両停止事故情報と鉄道車両停止事故の復旧予想時間を保持する。バス運行リソース情報12―2は、臨時バスとして利用可能なバスの台数と場所を保持する。乗客リソース情報12―3は、乗客の始発駅情報、到着駅情報あるいは現在の位置情報を保持する。現実調停部12―4は、現実乗客および現実バス会社からの意思表示に基づいて現実調停を実行する。現実調停メッセージ作成部12―5は、仮想調停内容に対応した現実調停のメッセージを作成する。
仮想調停処理部13は、仮想乗客と仮想バス会社との間の仮想調停を行う。この時、仮想調停処理部13は、N(Nは2以上の整数)個の異なる臨時バスの提供条件と利用条件をそれぞれ設定し、そのN個の異なる臨時バスの提供条件と利用条件に基づいて仮想調停を行うことができる。仮想調停処理部13には、新交通生成計画ソルバ13―1、交通運行予測シミュレータ13―2、調停係数補正部13―3、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想バスオブジェクト13―5、仮想乗客オブジェクト13―6および仮想調停部13―7が設けられている。
新交通生成計画ソルバ13―1は、臨時バス用の仮想バスオブジェクト13―5の配置および運行計画を立案する。交通運行予測シミュレータ13―2は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4の運行予測を行う。調停係数補正部13―3は、仮想調停における調停補正係数を変更する。この時、調停係数補正部13―3は、仮想乗客による臨時バスの利用条件と仮想バス会社による臨時バスの提供条件の双方を満たすように調停補正係数を変更することができる。仮想鉄道車両オブジェクト13―4は、移動中の鉄道車両の位置を決定する。仮想バスオブジェクト13―5は、仮想バス会社の臨時バスの提供、不提供または提供する場合の料金を決定する。仮想乗客オブジェクト13―6は、仮想乗客の臨時バスの利用、不利用または利用する場合の料金を決定する。仮想調停部13―7は、仮想乗客オブジェクト13―6と仮想バスオブジェクト13―5の間で仮想調停を行う。
以下、図4のリソース調停システムの動作について詳細に説明する。
バス運行サーバ3から、臨時バスとして利用可能なバスの台数と場所がメッセージ受信部11―1を介して転送されると、現実調停処理部12のバス運行リソース情報12―2に格納される。
バス運行サーバ3から、臨時バスとして利用可能なバスの台数と場所がメッセージ受信部11―1を介して転送されると、現実調停処理部12のバス運行リソース情報12―2に格納される。
また、情報端末4から、情報端末4の所有者の始発駅情報、到着駅情報あるいは現在の位置情報がメッセージ受信部11―1を介して転送されると、現実調停処理部12の乗客リソース情報12―3に格納される。
また、鉄道運行サーバ3から、鉄道車両停止事故情報と鉄道車両停止事故の復旧予想時間がメッセージ受信部11―1を介して転送されると、現実調停処理部12の鉄道運行リソース情報12―1に格納される。
これらの格納された情報は、仮想調停処理部13の仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想バスオブジェクト13―5および仮想乗客オブジェクト13―6にも格納される。仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想バスオブジェクト13―5および仮想乗客オブジェクト13―6が存在しない場合は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想バスオブジェクト13―5および仮想乗客オブジェクト13―6が仮想調停処理部13にて新規に作成される。
仮想調停処理部13が鉄道車両停止事故情報を鉄道運行サーバ3から受信すると、交通運行予測シミュレータ13―2が稼働を開始する。
交通運行予測シミュレータ13―2は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想バスオブジェクト13―5および仮想乗客オブジェクト13―6を使って、その鉄道車両停止事故の発生時点から鉄道車両停止事故の復旧予想時間後の所定の時間まで、交通運行予測シミュレーションを実施する。
この交通運行予測シミュレーションは、以下の3つのケースについて、それぞれ鉄道車両停止事故の発生時点まで遡って実施される。
(A)鉄道車両停止事故が発生しなかった場合
(B)鉄道車両停止事故が発生した場合
(C)鉄道車両停止事故が発生した上で、仮想調停処理部13の新交通生成計画ソルバ13―1の示す臨時バスが運行された場合
(A)鉄道車両停止事故が発生しなかった場合
(B)鉄道車両停止事故が発生した場合
(C)鉄道車両停止事故が発生した上で、仮想調停処理部13の新交通生成計画ソルバ13―1の示す臨時バスが運行された場合
仮想バスオブジェクト13―5および仮想乗客オブジェクト13―6のそれぞれには、独自の判断基準をもつ推論エンジンのメソッドが搭載されている。
上述した3つのケース(A)~(C)の交通運行予測シミュレーション結果を受けて、仮想バスオブジェクト13―5は、仮想バス会社の臨時バスの提供、不提供または提供する場合の料金を決定し、仮想乗客オブジェクト13―6は、仮想乗客の臨時バスの利用、不利用または利用する場合の料金を決定する。臨時バスの料金を決定する場合、臨時バスを利用した時の乗客の利益を参照することができる。この場合の乗客の利益とは、臨時バスを利用した時の到着時間の短縮時間とすることができる。
仮想調停部13―7は、仮想バスオブジェクト13―5および仮想乗客オブジェクト13―6の判断を受け取ると、仮想バスオブジェクト13―5および仮想乗客オブジェクト13―6に対して、その判断に対する仮想調停を行う。そして、仮想調停部13―7は、仮想バスオブジェクト13―5の判断と仮想乗客オブジェクト13―6の判断とが折り合うまで仮想調停を繰り返す。仮想バスオブジェクト13―5の判断と仮想乗客オブジェクト13―6の判断は、仮想バス会社が臨時バスを提供する場合の料金と、仮想乗客が臨時バスを利用する場合の料金を基づいて行うことができる。この時、仮想バス会社が臨時バスを提供する場合の料金と、仮想乗客が臨時バスを利用する場合の料金ついて、仮想バスオブジェクト13―5と仮想乗客オブジェクト13―6とが合意するまで仮想調停を繰り返すことができる。
仮想バスオブジェクト13―5および仮想乗客オブジェクト13―6との間で仮想調停が収束したら、仮想調停部13―7は、その調停結果を現実調停メッセージ作成部12―5に渡す。現実調停メッセージ作成部12―5は、その調停結果に基づいて、現実乗客と現実バス会社向けの調停メッセージを作成する。この調停メッセージは、メッセージ送信部11―2を介してバス運行サーバ3および情報端末4に送信される。
具体的なメッセージの内容としては、現実乗客の有する情報端末4あるいは現実バス会社のバス運行サーバ3のWebブラウザの画面などで表示できるメッセージとしてもよい。
現実乗客および現実バス会社は、情報端末4およびバス運行サーバ3の画面を操作して、現実の自分の意思を伝える返信メッセージをリソース調停サーバ1に送信する。その返信メッセージは、メッセージ受信部11―1で受信され、現実調停部12に渡される。
現実調停部12は、鉄道運行リソース情報12―1、バス運行リソース情報12―2および乗客リソース情報12―3を参照しつつ、現実乗客と現実バス会社との間の現実調停を行う。現実調停メッセージ作成部12―5は、その現実調停結果に基づいて、現実乗客と現実バス会社向けの調停メッセージを作成する。この調停メッセージは、メッセージ送信部11―2を介してバス運行サーバ3および情報端末4に送信され、現実乗客と現実バス会社との間の現実調停を繰り返すことができる。
現実乗客と現実バス会社との間の現実調停が失敗した場合、仮想調停の想定条件が間違っていたものと推認される。そこで、現実調停に失敗した場合には、調停係数補正部13―3は、仮想乗客オブジェクト13―6または仮想バスオブジェクト13―5に対応した調停補正係数を変更する。そして、その調停補正係数を仮想乗客または仮想バスを識別する固有のIDとともに、図3のHDD1―04の補正係数用テーブルに記録し、次回の仮想調停時において、この調停補正係数を用いた仮想調停を試みる。この調停補正係数には、仮想バス会社が臨時バスを提供する場合の料金の値引き率および仮想乗客が臨時バス利用する場合の料金の値引き率を設定することができる。
図5は、図4のリソース調停サーバの処理の流れを示すブロック図である。
図5の現実世界の時間軸4―1上において、鉄道車両停止事故P3の発生前は、図4のリソース調停サーバ1は、移動中の鉄道車両の位置、移動中の乗客の位置および臨時バスとして利用可能なバスの位置または台数をリアルタイムで把握している。仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想乗客オブジェクト13-6および仮想バスオブジェクト13―5はリソース調停サーバ1の中のメモリ空間にそれぞれ作成される。
仮想鉄道車両オブジェクト13―4は、移動中の鉄道車両の位置を常に記録し、仮想乗客オブジェクト13-6は、移動中の乗客の位置を常に記録し、仮想バスオブジェクト13―5は、臨時バスとして利用可能なバスの位置または台数を常に記録しているものとする。
そして、現実世界の時間軸4―1上の時刻4-2において、鉄道車両停止事故P3が発生すると、リソース調停サーバ1における仮想運行フェーズ4―3に移行する。仮想運行フェーズ4―3では、交通運行予測シミュレータ13―2が起動され、仮想鉄道車両オブジェクト13―4の運行予測を行う。交通運行予測シミュレータ13―2は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4の運行予測に基づき、仮想乗客オブジェクト13―6の到着時刻予測も行う。さらに、新交通生成計画ソルバ13―3は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4の運行予測に基づき、臨時バス用の仮想バスオブジェクト13―5の配置および運行計画を立案する。そして、交通運行予測シミュレータ13―2は、仮想バスオブジェクト13―5の運行計画を利用した場合の仮想乗客オブジェクト13―6の到着時刻予測も行う。
図6は、図4の仮想乗客オブジェクト13―6の目的地到着時刻を説明する図である。
図6において、交通運行予測シミュレータ13―2は、上述した3つのケース(A)~(C)について、各仮想乗客オブジェクト13―6の到着時刻t1、t2、t3を予測する。図6の例では、鉄道車両停止事故4-2が発生した時に、新交通生成計画ソルバ13―1の示す臨時バスを利用した場合は利用しない場合に比べて目的地への到着時刻が早くなっている。
図6において、交通運行予測シミュレータ13―2は、上述した3つのケース(A)~(C)について、各仮想乗客オブジェクト13―6の到着時刻t1、t2、t3を予測する。図6の例では、鉄道車両停止事故4-2が発生した時に、新交通生成計画ソルバ13―1の示す臨時バスを利用した場合は利用しない場合に比べて目的地への到着時刻が早くなっている。
図5の仮想乗客オブジェクト13―6は、到着時刻t1、t2、t3の予測に基づき、仮想の臨時バスに該当する仮想バスオブジェクト13―5の利用、不利用または利用する場合の料金を提示する。仮想バス会社の仮想バスオブジェクト13―5は、新交通生成計画ソルバ13―3が立案した臨時バスの仮想バスオブジェクト13―5の利用計画に対して、臨時バスの提供、不提供、または提供する場合の料金を提示する。
仮想調停部13―7は、仮想乗客オブジェクト13―6が提示した料金と、仮想バスオブジェクト13―5が提示した料金に基づいて、仮想乗客オブジェクト13―6と仮想バスオブジェクト13―5の間で仮想調停を行う。この仮想調停は、仮想乗客オブジェクト13―6と仮想バスオブジェクト13―5が合意できる状態になるまで続けられる。仮想運行フェーズ4―3は、リソース調停サーバ1の中のメモリ空間に作られている仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想バスオブジェクト13―5および仮想乗客オブジェクト13―6にて仮想的に実施される。
これらの仮想空間内での仮想調停が完了した後、リソース調停サーバ1は、現実運行フェーズ4―4での現実調停に入る。現実運行フェーズ4―4では、現実調停メッセージ作成部12―5は仮想調停内容に対応した現実調停のメッセージを作成し、現実乗客および現実バス会社に調停案を転送する。その調停案に対して、現実乗客は、臨時バスの利用、不利用または利用する場合の料金を逆提案する。また、現実バス会社は、臨時バスの提供、不提供または提供する場合の料金を逆提案する。
現実調停部12は、現実乗客および現実バス会社からの逆提案に基づいて現実調停を実行する。現実運行フェーズ4―4での現実調停の完了後、調停内容に従った臨時バスの運行と、乗客の利用と、料金の徴収と回収が実施され、元の時間軸4―1に復帰する。
図7は、図4の鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4の構成を示すブロック図である。
図7において、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4には、リソース情報提供部20―1、メッセージ送信部20―2、メッセージ受信部20―3、自動調停部21および手動調停部22がそれぞれ設けられている。
図7において、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4には、リソース情報提供部20―1、メッセージ送信部20―2、メッセージ受信部20―3、自動調停部21および手動調停部22がそれぞれ設けられている。
自動調停部21には、調停メッセージ作成部21―1、調停メッセージ解析部21―2およびリソース調停部21―3が設けられている。手動調停部22には、調停メッセージ入力部22―1および調停メッセージ表示部22―2が設けられている。
鉄道運行サーバ2のリソース情報提供部20―1は、運行鉄道車両情報および当日ダイヤを初期時にリソース調停サーバ1に提供し、運行鉄道車両の位置情報を定期的にリソース調停サーバ1に提供する。
バス運行サーバ3のリソース情報提供部20―1は、利用可能なバスの台数および位置情報を初期時および定期的にリソース調停サーバ1に提供する。
情報端末4のリソース情報提供部20―1は、情報端末4の所有者の出発地および到着地の位置情報または名称を初期時にリソース調停サーバ1に提供し、情報端末4の位置情報を定期的にリソース調停サーバ1に提供する。
バス運行サーバ3および情報端末4は、リソース調停サーバ1の現実調停のフェーズにおいて、それぞれのメッセージ受信部20-3を介して調停メッセージを受信する。この場合、バス運行サーバ3および情報端末4は自動調停を行うか、手動調停を行うかを選択することができる。
手動調停が選択された場合、手動調停部22にて手動調停が行われる。この時、バス運行サーバ3および情報端末4のオペレータは、調停メッセージ表示部22―2の表示内容に応じて、調停メッセージ入力部22―1より応答を作成し、メッセージ送信部20-2を介して返送する。これらの操作は、例えば、現実乗客の有する情報端末4あるいは現実バス会社のバス運行サーバ3のWebブラウザの画面上で行うことができる。
一方、自動調停が選択された場合、自動調停部21にて自動調停が行われる。この時、オペレータは操作を行わず、調停メッセージ解析部21―2がリソース調停部21―3の調停内容を参照して、調停メッセージを解析する。そして、調停メッセージ作成部21―1は、その解析結果に基づいて調停メッセージの応答を作成し、メッセージ送信部20-2を介して返送する。なお、リソース調停部21―3の実現の態様としては、図12(a)~(d)のファジィルールテーブルとメンバーシップ関数に基づいて動作する推論エンジンを用いることができる。
図8は、図2のリソース調停システムのメッセージ通信処理を示すブロック図である。
図8において、リソース調停システムへの参入時または鉄道車両停止事故P3が発生していない間には、リソース調停サーバ1は、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4との間でメッセージ通信を行う。
図8において、リソース調停システムへの参入時または鉄道車両停止事故P3が発生していない間には、リソース調停サーバ1は、鉄道運行サーバ2、バス運行サーバ3および情報端末4との間でメッセージ通信を行う。
鉄道運行サーバ2は、リソース調停システムへの参入時において、当日の運行ダイヤをリソース調停サーバ1に転送する(27―1)。リソース調停サーバ1は、このタイミングで、複数の仮想鉄道車両オブジェクト13―4を作成する(27―3)。また、鉄道運行サーバ2は、運行中の全ての鉄道車両の位置情報をリソース調停サーバ1に定期的に転送する(27―2)。リソース調停サーバ1は、鉄道車両の位置情報に基づいて、仮想鉄道車両オブジェクト13―4の内容を更新する(27―4)。
バス運行サーバ3は、リソース調停システムへの参入時に、稼動可能なバスの台数および位置情報をリソース調停サーバ1に転送する(37―1)。リソース調停サーバ1は、このタイミングで、複数の仮想バスオブジェクト13―5を作成する(37―2)。また、バス運行サーバ3は、稼動可能なバスの台数および位置情報をリソース調停サーバ1に定期的に転送する(37―1)。この時、リソース調停サーバ1は、必要に応じて仮想バスオブジェクト13―5の追加および削除を行う(37―2)。
情報端末4は、リソース調停システムへの参入時において、情報端末4の所有者の出発地および到着地の位置情報あるいは名称を入力する(47―1)。リソース調停サーバ1は、このタイミングで、仮想乗客オブジェクト13―6を生成する(47―4)。その後、情報端末4は、情報端末4の所有者の位置情報を定期的に転送し続け(47―2)、その位置情報に基づいて仮想乗客オブジェクト13―6が更新され続ける(47―5)。情報端末4が終着地の到着をリソース調停サーバ1に通知すると(47―3)、リソース調停サーバ1は、仮想乗客オブジェクト13―6を消滅させる(47―6)。
図9は、図4のリソース調停サーバの動作の流れを示す図である。
図9において、リソース調停サーバ1は、時刻4-2での鉄道車両停止事故P3の発生直後から稼動し始める。この時、交通運行予測シミュレータ13―2は、鉄道車両停止事故P3の発生通知を受信すると、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想乗客オブジェクト13―6および仮想バスオブジェクト13―5の最新状態を取得する(8―1)。そして、交通運行予測シミュレータ13―2は、「(A)鉄道車両停止事故が発生しなかった場合」の交通運行予測シミュレーションを開始する(8―12)。
図9において、リソース調停サーバ1は、時刻4-2での鉄道車両停止事故P3の発生直後から稼動し始める。この時、交通運行予測シミュレータ13―2は、鉄道車両停止事故P3の発生通知を受信すると、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想乗客オブジェクト13―6および仮想バスオブジェクト13―5の最新状態を取得する(8―1)。そして、交通運行予測シミュレータ13―2は、「(A)鉄道車両停止事故が発生しなかった場合」の交通運行予測シミュレーションを開始する(8―12)。
この交通運行予測シミュレーションは、鉄道車両停止事故P3の発生時から鉄道車両停止事故P3の復旧後を越えた所定の時刻(最大は終電まで)まで実施する。
また、鉄道車両停止事故P3の発生後の状況を再現するために、ダミーの仮想乗客オブジェクトを一定の時間単位で生成する。このダミーの仮想乗客オブジェクトの発生/消滅スケジュールとして、過去の同じ曜日の時間帯の乗客データなどを使ってもよい。
この交通運行予測シミュレーションによって、仮想乗客オブジェクト13―6のそれぞれは、「(A)「鉄道車両事故」が発生しなかった場合」の到着位置(到着駅)の到着時刻t1を取得することができる(8―4)。この到着時刻t1は、仮想調停部13―7に転送された後、各仮想乗客オブジェクト13―6に記録される。
次に、交通運行予測シミュレータ13―2は、鉄道車両停止事故発生時刻4―2に遡って、今度は「(B)鉄道車両停止事故が発生した場合」の交通運行予測シミュレーションを開始する(8―2)。
この交通運行予測シミュレーションによって、仮想乗客オブジェクト13―6のそれぞれは、「(B)鉄道車両停止事故が発生した場合」の到着位置(到着駅)の到着時刻t2を取得することができる(8―5)。この到着時刻t2も、仮想調停部13―7に転送された後、各仮想乗客オブジェクト13―6に記録される。
ここで、新交通生成計画ソルバ13―3は、この「(B)鉄道車両停止事故が発生した場合」における乗客の移動量と、鉄道車両停止事故発生時点における臨時バスとして利用可能なバスの位置および台数から、臨時バスの臨時運行計画(以下、新交通計画と言う。)を立案する(8―11)。
再び、交通運行予測シミュレータ13―2は、鉄道車両停止事故発生時刻4―2に遡って、今度は「(C)鉄道車両停止事故が発生した上で、さらに、新交通計画による臨時バスが運行された場合」の交通運行予測シミュレーションを開始する(8―3)。
この交通運行予測シミュレーションによって、仮想乗客オブジェクト13―6のそれぞれは、「(C)鉄道車両停止事故が発生した上で、さらに、新交通計画による臨時バスが運行された場合」の到着位置(到着駅)の到着時刻t3を取得することができる(8―6)。この到着時刻t3も、仮想調停部13―7に転送された後、各仮想乗客オブジェクト13―6に記録される。
このようにして、上記の3つのケース(A)~(C)における各仮想乗客オブジェクト13―6の目的地の到着時刻t1、t2、t3が算出される。また、各仮想バスオブジェクト13―5の運行スケジュールおよび運行経路が算出される(8―7)。
次に、各仮想乗客オブジェクト13―6は、上記の3つのケース(A)~(C)における到着時刻t1、t2、t3から、臨時バスの利用または不利用の決定、および利用する場合の料金を提示する(8―10)。また、各仮想バスオブジェクト13―5は、臨時バスの提供または不提供の決定、および提供する場合のバスの必要経費を提示する(8―8)。
仮想調停部13―7は、各仮想乗客オブジェクト13―6と各仮想バスオブジェクト13―5に仲立ち、料金の折り合いをつけるように、仮想空間内での仮想調停を行う(8―9)。
図10は、図4の新交通生成計画ソルバ13―3の処理の流れを示すブロック図である。
図10において、新交通生成計画ソルバ13―3は、駅情報9―2と仮想乗客オブジェクト13―6の移動情報9―1を収集し、その移動情報9―1をベクトル情報として集約する(9―3)。駅情報9―2は、例えば、各駅A~Iの時間帯ごとの乗降客の人数を含むことができる。そして、新交通生成計画ソルバ13―3は、このベクトル情報を品種ごとの移動要求の数に変換する(9―7)。なお、品種は、任意の駅の2駅間の組合せである。
図10において、新交通生成計画ソルバ13―3は、駅情報9―2と仮想乗客オブジェクト13―6の移動情報9―1を収集し、その移動情報9―1をベクトル情報として集約する(9―3)。駅情報9―2は、例えば、各駅A~Iの時間帯ごとの乗降客の人数を含むことができる。そして、新交通生成計画ソルバ13―3は、このベクトル情報を品種ごとの移動要求の数に変換する(9―7)。なお、品種は、任意の駅の2駅間の組合せである。
図11は、第一の実施形態に係るリソース調停システムで用いられる品種の一例を示す図である。
図11において、鉄道路線P1の駅A~Iから選択された2駅を組み合わせることにより、品種S1~S19を得ることができる。図11の例では、隣接する2駅間の組み合わせと、1駅を跨いだ場合の2駅間の組み合わせと、2駅を跨いだ場合の2駅間の組み合わせを示した。なお、3駅以上を跨いだ場合の2駅間の組み合わせであってもよい。
図11において、鉄道路線P1の駅A~Iから選択された2駅を組み合わせることにより、品種S1~S19を得ることができる。図11の例では、隣接する2駅間の組み合わせと、1駅を跨いだ場合の2駅間の組み合わせと、2駅を跨いだ場合の2駅間の組み合わせを示した。なお、3駅以上を跨いだ場合の2駅間の組み合わせであってもよい。
また、図10において、新交通生成計画ソルバ13―3は、駅情報9―2と、仮想鉄道車両オブジェクト13―4の移動情報9―4と、鉄道車両停止事故復旧時刻情報9―6を収集し、グラフを構築する(9―5)。このグラフから各品種の最大流量経路探索を行い(9―9)、各品種の最適経路と流量の算出を行う(9―10)。そして、新交通生成計画ソルバ13―3は、各品種の最適経路と流量と移動要求の数に基づいて、各品種の輸送量の統合および調整を行い(9―8)、各品種の調整済み流量を算出する(9―11)。
この時、各品種の調整済み流量は、鉄道車両事故P3が発生した時間帯に応じて変化させることができる。例えば、鉄道車両事故P3が通勤時間帯に発生した場合には、各品種の調整済み流量を増大させ、鉄道車両事故P3が昼間に発生した場合には、各品種の調整済み流量を減少させることができる。
また、各品種の調整済み流量は、各駅の乗降客の人数に応じて変化させることができる。例えば、乗降客の人数の多い駅を含む品種については、その調整済み流量を増大させ、乗降客の人数の少ない駅しか含まない品種については、その調整済み流量を減少させることができる。
また、新交通生成計画ソルバ13―3は、仮想バスオブジェクト13―5から待機臨時バス台数情報9―12を抽出し、各品種の調整済み流量9―11に基づいて、バスの選出を行い(9―13)、この情報に基づいて新輸送経路情報9―13を作成する。
以下、仮想調停部13―7の調停処理について具体例を示しながら詳細に説明する。
図12(a)から(d)は、図4の仮想乗客オブジェクト13―6が利用する臨時バスの料金を決めるのに用いられるファジィルールテーブルとメンバーシップ関数の一例を示す図である。
図12(a)において、ケース(C)とケース(B)の到着時間の差Delay(分)と、ケース(C)とケース(A)の到着時間の差とケース(C)とケース(B)の到着時間の差の比率effectから、仮想乗客オブジェクト13―6が臨時バスの利用に支払える料金のファジィルールテーブルと、ファジィ推論の前件部と後件部のメンバーシップ関数を設定することができる。
図12(a)から(d)は、図4の仮想乗客オブジェクト13―6が利用する臨時バスの料金を決めるのに用いられるファジィルールテーブルとメンバーシップ関数の一例を示す図である。
図12(a)において、ケース(C)とケース(B)の到着時間の差Delay(分)と、ケース(C)とケース(A)の到着時間の差とケース(C)とケース(B)の到着時間の差の比率effectから、仮想乗客オブジェクト13―6が臨時バスの利用に支払える料金のファジィルールテーブルと、ファジィ推論の前件部と後件部のメンバーシップ関数を設定することができる。
なお、図12(b)はDelay(分)についてのメンバーシップ関数、図12(c)は比率effectについてのメンバーシップ関数、図12(d)は乗客が臨時バス利用する場合の料金についてのメンバーシップ関数を示している。
図12(a)のファジィルールテーブルでは、例えば、乗客が臨時バスを利用することで逆に到着時刻が遅れてしまうような場合は、支払いが0円となることが規定されている。このため、仮想乗客オブジェクト13―6は臨時バスの利用をしないという決定をすることができる。
また、鉄道車両停止事故の影響で60分の遅延が発生した場合、臨時バスを利用することで30分の遅延に止めることができるのであれば、料金を支払うモチベーションが発生するということをファジィルールテーブルで規定することができる。さらに、鉄道車両停止事故による90分の遅延に対して、臨時バスを利用することで80分の遅延に止めることになるだけなら、臨時バスに料金を払うモチベーションは発生しないということをファジィルールテーブルで規定することができる。
一方、仮想バスオブジェクト13―5の場合は、例えば、20000円(固定費)にバスの運転時間(時)に10000円を乗算したものを加算して、それに対して1.2(利益率20%)倍した額を越える金額を徴収できるのであれば、臨時バスを運行させ、それを下回る場合は臨時バスを運行しないという単純なルールを設定することができる。
このような、仮想乗客オブジェクト13―6および仮想バスオブジェクト13―5の判断に対して、仮想調停部13―7は以下のような計算および調停を行うことができる。
(ケースK1)ある仮想バスオブジェクト13―5に乗車を希望する仮想乗客オブジェクト13―6の提示金額の合計金額が、仮想バスオブジェクト13―5の期待する金額を越えているものとする。この場合は、仮想調停部13―7は、仮想バスオブジェクト13―5の期待する金額を、仮想オブジェクトの人数で割り算した金額を、それぞれ仮想乗客オブジェクト13―6に提案し、仮想バスオブジェクト13―5には、提示通りの金額を提案する。
ケースK1の場合、基本的には仮想乗客オブジェクト13―6にとっては値下げ方向に働く。このため、仮想バスオブジェクト13―5だけでなく仮想乗客オブジェクト13―6にとっても、この提案を受理しやすくなると考えられる。
(ケースK2)ある仮想バスオブジェクト13―5に乗車を希望する仮想乗客オブジェクト13―6の提示金額の合計金額が、仮想バスオブジェクト13―5の期待する金額を下回っているものとする。この場合は、例えば、仮想調停部13―7は、仮想バスオブジェクト13―5の期待する金額を、仮想オブジェクトの人数で割り算した金額から15%を上限とした値上げを行い、それぞれ仮想乗客オブジェクト13―6に提案し、仮想バスオブジェクト13―5にも、提示通りの金額から15%を上限とした値引きを提案することができる。
ケースK2の場合、仮想乗客オブジェクト13―6にとっては値上げの方向に働き、仮想バスにとっては値下げの方向に働く。このため、この提案によって臨時バスの利用を断念する仮想乗客オブジェクト13―6が発生する可能性があり、それによって臨時バスの収入も減るので、臨時バスの運行を仮想バス会社が取りやめる可能性がある。
仮想調停部13―7は、上記のケースK1、K2の調停ポリシーに基づいて、仮想乗客オブジェクト13―6と仮想バスオブジェクト13―5間での調停を繰り返すことで、調停に応じた仮想乗客オブジェクト13―6と仮想バスオブジェクト13―5が最終的に残存して、図5の仮想調停フェ―ズ4―3が完了する。
次に、図5の現実調停フェーズ4―4では、現実乗客および現実バス会社に対して、仮想調停によって決定した金額を提示して現実調停を行う。基本的には、その金額に対して、現実乗客および現実バス会社が受理するか否かだけを問うものとすることで、現実調停時間の増大を防止することができる。ただし、上記の仮想調停と同じようなルールを、現実調停でも運用してもよい。
また、現実調停を行う際に、現実乗客および現実バス会社に仮想調停の経緯を提示してもよい。これにより、現実乗客および現実バス会社は、仮想調停の背景を知ることができ、仮想調停結果を受け入れるか否かの判断材料とすることができる。
現実調停に失敗した場合には、仮想乗客オブジェクト13―6または仮想バスオブジェクト13―5に対応した調停補正係数を変更することができる。これにより、現実乗客および現実バス会社の双方にとって仮想調停結果を受け入れ可能な条件を再設定することができる。
図13(a)および(b)は、図4の調停係数補正部13-3で用いられる補正係数用テーブルを示す図である。
図13(a)の補正係数用テーブルでは、バスを識別する固有のバスIDとともに、バス会社が臨時バスを提供する場合の料金の値引き率が設定される。この時、バスIDごとに値引き率が異なっていてもよい。
図13(b)の補正係数用テーブルでは、乗客を識別する固有の乗客IDとともに、乗客が臨時バス利用する場合の料金の値引き率が設定される。この時、乗客IDごとに値引き率が異なっていてもよい。
図13(a)の補正係数用テーブルでは、バスを識別する固有のバスIDとともに、バス会社が臨時バスを提供する場合の料金の値引き率が設定される。この時、バスIDごとに値引き率が異なっていてもよい。
図13(b)の補正係数用テーブルでは、乗客を識別する固有の乗客IDとともに、乗客が臨時バス利用する場合の料金の値引き率が設定される。この時、乗客IDごとに値引き率が異なっていてもよい。
図14は、補正係数用テーブルに基づいて変更されたファジィルールテーブルを示す図である。
図14では、図12のファジィルールテーブルの記載金額が全て10%引きになっている例を示した。
図14では、図12のファジィルールテーブルの記載金額が全て10%引きになっている例を示した。
図12のファジィルールテーブルを用いた時に調停に失敗した場合においても、図14のファジィルールテーブルを用いることにより、乗客にとっては料金の値下げの方向に働かせることができる。このため、乗客にとっては調停案を受け入れやすくすることができる。
また、乗客にとって料金を値下げの方向に働かせることにより、臨時バスの利用を受け入れる乗客の人数を増大させることができる。このため、臨時バスを利用する乗客から徴収可能な合計料金の減少を抑制することが可能となる。また、乗客にとって料金を値下げの方向に働かせることにより、、臨時バスの利用を受け入れる乗客の人数が大幅に増大した場合には、臨時バスを利用する乗客から徴収可能な合計料金を増大させることも可能となる。
図15は、図2のリソース調停システムに適用される鉄道運行時の環境条件の具体例を示す図である。
図15において、鉄道運行時の環境条件には項目が設定される。項目には、対象時刻、車両数、利用乗客数、事故規模および事故の発生時間場所を設けることができる。この項目ごとに数値および内容を設定することができる。新交通生成計画ソルバ13―3は、新交通生成計画の立案時において、この環境条件を参照することができる。
図15において、鉄道運行時の環境条件には項目が設定される。項目には、対象時刻、車両数、利用乗客数、事故規模および事故の発生時間場所を設けることができる。この項目ごとに数値および内容を設定することができる。新交通生成計画ソルバ13―3は、新交通生成計画の立案時において、この環境条件を参照することができる。
図16は、鉄道車両停止事故発生中に移動中の鉄道車両の乗客数の変化を示すグラフ図である。
図16において、鉄道車両事故発生中に、鉄道車両が停止し、乗車人員が増加していることが分かる。図16の例では、図15の環境条件に従って11:00に鉄道車両事故が発生し、90分間運行が停止した場合を示した。
図16において、鉄道車両事故発生中に、鉄道車両が停止し、乗車人員が増加していることが分かる。図16の例では、図15の環境条件に従って11:00に鉄道車両事故が発生し、90分間運行が停止した場合を示した。
図17は、図1の駅Eおよび駅Fに滞留している乗客数を示すグラフ図である。
図17において、鉄道車両事故発生中に、鉄道車両の定員を越えて乗車できない乗客が発生したり、目的地に到着する鉄道車両が存在しなくなることによって、乗客が駅E、Fに留まることを余儀なくされている。駅E、F間で事故が発生しているため、駅E、Fを経由しなければならない乗客は、駅E、Fで下車せざるを得ない状況になっていることが分かる。
図17において、鉄道車両事故発生中に、鉄道車両の定員を越えて乗車できない乗客が発生したり、目的地に到着する鉄道車両が存在しなくなることによって、乗客が駅E、Fに留まることを余儀なくされている。駅E、F間で事故が発生しているため、駅E、Fを経由しなければならない乗客は、駅E、Fで下車せざるを得ない状況になっていることが分かる。
図18は、図2のリソース調停システムによって提案された臨時バスの運行計画案を示す図である。
図18において、鉄道車両停止事故区間への臨時バス(簡易ソルバ)の運行計画案と、図10に基づくアルゴリズムによって提案された臨時バスの運行計画案(新ソルバ)を比較した。
図18において、鉄道車両停止事故区間への臨時バス(簡易ソルバ)の運行計画案と、図10に基づくアルゴリズムによって提案された臨時バスの運行計画案(新ソルバ)を比較した。
簡易ソルバによる簡易方式では、鉄道車両事故発生時に使用可能なバスが駅E、F間に全て投入される。他の駅から駅E、Fにバスを移動させても、その移動に時間を費やし、事故復旧までの間の輸送力と成り得ない場合がある。
一方、新ソルバによる運行計画案では、各駅A~Iで利用可能なバスをその駅A~Iに即時投入することができる。このため、鉄道車両停止事時に使用可能なバスを鉄道路線P1の全線に渡って鉄道輸送の補完として機動させることができる。調停前のシミュレーション結果では、輸送総人員に短縮時間を乗算した値において、12.7%程度の改善を図ることができた。
図19は、図2のリソース調停システムによって提案された現実の臨時バスによって短縮される時間を示す図である。
図19において、図15の環境条件で与えられた利用乗客数(6万人)のうち仮想調停の対象となった仮想乗客オブジェクト13―6の数および仮想バスによる遅着時間の短縮時間と、現実調停の対象となった現実の乗客の数および現実の臨時バスによる遅着時間の短縮時間を示した。
図19において、図15の環境条件で与えられた利用乗客数(6万人)のうち仮想調停の対象となった仮想乗客オブジェクト13―6の数および仮想バスによる遅着時間の短縮時間と、現実調停の対象となった現実の乗客の数および現実の臨時バスによる遅着時間の短縮時間を示した。
図18の新ソルバによって、現実世界において遅着が予想される乗客を算出し、その乗客を仮想乗客オブジェクト13―6として、仮想バスオブジェクト13―5と調停を行わせた。その結果、現実の調停に応じると予想される人員は600人程度となり、遅着予想乗客数の1/10、利用乗客数の1/100程度の乗客と調停を行えば足りることが分かった。また、現実調停候補者は遅着予想乗客に対して15分程度の遅着時間の短縮が見込めることが分かった。
図20は、図2のリソース調停システムよって提案された運行計画案の適用の有無による駅Fの滞留人員の変化を示す図である。
図20において、運行計画案を適用した場合は適用しない場合に比べて駅Fの滞留人員が減少していることが分かる。リソース調停システムの仮想調停を経た後の現実調停によって、乗客の輸送効率を向上させることができる。
図20において、運行計画案を適用した場合は適用しない場合に比べて駅Fの滞留人員が減少していることが分かる。リソース調停システムの仮想調停を経た後の現実調停によって、乗客の輸送効率を向上させることができる。
図21(a)および(b)、図2のリソース調停システムによる仮想調停によって妥結した料金を示す図である。
図21(a)において、仮想バスオブジェクト13―5は、臨時バスを提供する場合の料金をバスIDごとに提示することができる。
図21(b)において、仮想乗客オブジェクト13―6は、乗客が臨時バス利用する場合の料金を乗客IDごとに提示することができる。
図21(a)において、仮想バスオブジェクト13―5は、臨時バスを提供する場合の料金をバスIDごとに提示することができる。
図21(b)において、仮想乗客オブジェクト13―6は、乗客が臨時バス利用する場合の料金を乗客IDごとに提示することができる。
仮想調停によって現実調停前におおよその料金が明かになり、現実調停の際に無益な調停を繰り返すことを防止することができる。さらに、仮想調停の経緯を現実乗客と現実バス会社に示すことで、現実乗客と現実バス会社の双方に納得感を与えることができ、現実調停にスムーズに推移させることができる。
図22は、図4の情報端末4の表示画面の一例を示す図である。
図22において、図4の現実調停メッセージ作成部12―5は、仮想調停部13―7からの調停結果に基づいて、現実乗客向けの調停メッセージを作成し、メッセージ送信部11―2を介して情報端末4に送信する。
図22において、図4の現実調停メッセージ作成部12―5は、仮想調停部13―7からの調停結果に基づいて、現実乗客向けの調停メッセージを作成し、メッセージ送信部11―2を介して情報端末4に送信する。
情報端末4が調停メッセージを受信すると、情報端末4の表示画面M1に調停メッセージが表示される。調停メッセージは、鉄道車両の復旧予想時刻、臨時バスの出発駅と終着駅、発車時刻、到着予定時刻および乗車料金を含むことができる。また、表示画面M1には、算出理由を提示させるボタンMB2、乗車の受諾を表明するボタンMB3、乗車の拒否を表明するボタンMB4を表示させることができる。
乗客がボタンMB2を選択すると、表示画面M2に移行し、料金の算出理由が表示される。算出理由には、料金の交渉経過を含むことができる。乗客がボタンMB3を選択すると、表示画面M3に移行し、乗車手続きなどを表示させることができる。乗客がボタンMB4を選択すると、表示画面M4に移行し、終了メッセージなどを表示させることができる。
図23は、図4のバス運行サーバ3の表示画面の一例を示す図である。
図23において、図4の現実調停メッセージ作成部12―5は、仮想調停部13―7からの調停結果に基づいて、現実バス会社向けの調停メッセージを作成し、メッセージ送信部11―2を介してバス運行サーバ3に送信する。
図23において、図4の現実調停メッセージ作成部12―5は、仮想調停部13―7からの調停結果に基づいて、現実バス会社向けの調停メッセージを作成し、メッセージ送信部11―2を介してバス運行サーバ3に送信する。
バス運行サーバ3が調停メッセージを受信すると、バス運行サーバ3の表示画面M11に調停メッセージが表示される。調停メッセージは、鉄道車両の復旧予想時刻、臨時バスの出発駅と終着駅、発車時刻、到着予定時刻および支払予定金額を含むことができる。また、表示画面M11には、算出理由を提示させるボタンMB12、臨時バスの運行の受諾を表明するボタンMB13、臨時バスの運行の拒否を表明するボタンMB14を表示させることができる。
バス会社がボタンMB12を選択すると、表示画面M12に移行し、料金の算出理由が表示される。算出理由には、料金の交渉経過を含むことができる。バス会社がボタンMB13を選択すると、臨時バスの配車手続きなどを表示させることができる。バス会社がボタンMB14を選択すると、終了メッセージなどを表示させることができる。
第二の実施形態では、第一の実施形態を援用して、さらに規模の大きいリソース調停対象向けのリソース調停方法について述べる。
第一の実施形態においては、リソースの仮想調停から現実調停までを連続的に行い現実時間内で完了させている。リソースの仮想調停から現実調停までを連続的に行う場合、調停対象の種類や数が増えると、仮想調停から現実調停までを現実時間内に完了させるのが困難になる可能性がある。ここで言う現実時間とは、鉄道車両停止事故発生時から復旧時までの時間である。鉄道車両停止事故の復旧時までに現実調停が完了しないと、乗客が臨時バスを利用する利益がない。
そこで、第二の実施形態においては、事故とリソース生成のパターンを予め作成し、データベースに格納しておく。そして、実際の事故発生後、その実際の事故に類似するパターンをデータベースから抽出して、現実調停を実施する。これにより、実際の事故発生後に、その実際の事故に応じた仮想調停を行うことなく、現実調停を実施するこができる。このため、調停対象の種類や数が増えた場合においても、実際の事故発生から現実調停までを現実時間内に完了させることが可能となる。
第一の実施形態においては、リソースの仮想調停から現実調停までを連続的に行い現実時間内で完了させている。リソースの仮想調停から現実調停までを連続的に行う場合、調停対象の種類や数が増えると、仮想調停から現実調停までを現実時間内に完了させるのが困難になる可能性がある。ここで言う現実時間とは、鉄道車両停止事故発生時から復旧時までの時間である。鉄道車両停止事故の復旧時までに現実調停が完了しないと、乗客が臨時バスを利用する利益がない。
そこで、第二の実施形態においては、事故とリソース生成のパターンを予め作成し、データベースに格納しておく。そして、実際の事故発生後、その実際の事故に類似するパターンをデータベースから抽出して、現実調停を実施する。これにより、実際の事故発生後に、その実際の事故に応じた仮想調停を行うことなく、現実調停を実施するこができる。このため、調停対象の種類や数が増えた場合においても、実際の事故発生から現実調停までを現実時間内に完了させることが可能となる。
第二の実施形態におけるリソース調停システムで想定する環境条件の一例を以下に示す。
鉄道路線数:約7路線
停車駅数:約100駅
鉄道路線距離:約300km
利用者総数:約100万人/日
運行時間:約18時間/日
利用可能な臨時バス台数:バスターミナルを有する主要駅に5台程度
鉄道路線数:約7路線
停車駅数:約100駅
鉄道路線距離:約300km
利用者総数:約100万人/日
運行時間:約18時間/日
利用可能な臨時バス台数:バスターミナルを有する主要駅に5台程度
図24は、第二の実施形態に係る鉄道路線上での事故発生時の臨時バス運行路線の一例を示す図である。
図24では、駅0~99が設けられている時の鉄道路線P11および鉄道車両事故P13の発生時の臨時バス運行路線P12を例示した。ただし、図24では、バスターミナルを有する駅のみをノードとして表示している。
図24では、駅0~99が設けられている時の鉄道路線P11および鉄道車両事故P13の発生時の臨時バス運行路線P12を例示した。ただし、図24では、バスターミナルを有する駅のみをノードとして表示している。
鉄道車両事故P13の発生時に、図24のような大規模な鉄道網の振り替え輸送を調停対象とする場合、仮想調停処理に数時間を要することがあり、仮想調停から現実調停までを現実時間内に完了させるのが困難になる可能性がある。このため、第二の実施形態におけるリソース調停システムでは、図24の鉄道網上で過去に発生した鉄道車両事故に基づいて、現実の鉄道車両事故が発生する前に仮想空間上で仮想調停を行う。この仮想調停は、鉄道車両事故の発生地点、発生時刻および発生規模などの鉄道車両事故の発生条件を変化させて行う。鉄道網上で過去に発生した鉄道車両事故は、過去に発生した実際の鉄道車両事故であってもよいし、シミュレーション上で模擬的に発生させた仮想的な鉄道車両事故であってもよい。
この仮想調停を行うと、その時の事故情報、新交通作成情報および仮想調停後情報を、鉄道車両事故の事故情報と対応させて記憶しておく。新交通作成情報は、鉄道車両事故の発生条件に応じて決定される臨時バスを提供するバス会社の名称、臨時バスの経路および台数などである。仮想調停後情報は、鉄道車両事故の発生条件に応じて決定される臨時バスを利用する乗客の人数および臨時バスの経路などである。そして、この仮想調停後に、図24の鉄道網上で実際の鉄道車両事故が発生した場合、その実際の鉄道車両事故に類似する発生条件に対応する新交通作成情報および仮想調停後情報を選択する。そして、その選択された新交通作成情報および仮想調停後情報に基づいて現実調停を実施する。
これにより、図24の鉄道網上で実際の鉄道車両事故が発生した後に、図4の仮想調停処理部13による仮想調停処理を実施することなく現実調停を実施することが可能となる。このため、実際の鉄道車両事故の発生時から現実調停までを現実時間内に完了させることが可能となり、現実乗客および現実バス会社の双方にとって利益のある調停を実現することが可能となる。
図25は、図24の駅の駅情報を示す図である。駅情報は、各駅0~99にユニークな駅番号24A-0、駅の名称の略称24A―1、駅の経度情報24A―2、駅の緯度情報24A-3、駅に接続している路線数24A-4、路線番号と路線上の駅番号(ユニークな駅番号24A-0ではない)の組24A-5を含む。
駅番号24A-0はプログラムによって後発的に付与される。経度情報24A―2および緯度情報24A-3は最短距離のルートの計算に用いることができる。路線数24A-4および路線番号と路線上の駅番号の組24A-5は、図24の鉄道網をトポロジーで表現するのに用いることができる。
図26は、第二の実施形態に係るリソース調停サーバの仮想調停結果作成時の処理の流れを示すブロック図である。
図26のリソース調停サーバでは、図4の構成に加え、データ書き込み部25―3およびデータベースD1が設けられている。
そして、このリソース調停サーバは、鉄道車両停止事故25-2が発生すると、仮想運行フェーズ4―3に移行する。鉄道車両停止事故25-2は、実際の鉄道車両事故であってもよいし、シミュレーション上で模擬的に発生させた仮想的な鉄道車両事故であってもよい。鉄道車両停止事故25-2は、事故の発生時刻、事故の発生場所、事故の規模および復旧までの時間などを変更して、複数の事故パターンを人為的に作成させることができる。この場合、二以上の鉄道車両停止事故25-2を同時に発生させてもよい。
図26のリソース調停サーバでは、図4の構成に加え、データ書き込み部25―3およびデータベースD1が設けられている。
そして、このリソース調停サーバは、鉄道車両停止事故25-2が発生すると、仮想運行フェーズ4―3に移行する。鉄道車両停止事故25-2は、実際の鉄道車両事故であってもよいし、シミュレーション上で模擬的に発生させた仮想的な鉄道車両事故であってもよい。鉄道車両停止事故25-2は、事故の発生時刻、事故の発生場所、事故の規模および復旧までの時間などを変更して、複数の事故パターンを人為的に作成させることができる。この場合、二以上の鉄道車両停止事故25-2を同時に発生させてもよい。
図26の仮想運行フェーズ4―3では、図5の仮想運行フェーズ4―3と同様の処理を行う。そして、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想バスオブジェクト13―5、仮想乗客オブジェクト13―6および仮想調停部13―7からデータ書き込み部25―3に新交通作成情報および仮想調停後情報が出力される。さらに、鉄道車両停止事故25-2に関する事故情報がデータ書き込み部25―3に入力される。データ書き込み部25―3は、新交通作成情報および仮想調停後情報を、発生条件を変更した事故の事故情報ごとにデータベースD1に格納する。
図26の仮想運行フェーズ4―3のt1、t2、t3については、図6の3つのケース(A)~(C)に対応している。ただし、図24の鉄道路線上においては、図1の鉄道路線とは異なり、鉄道車両停止事故25-2が発生したとしても、回避ルートが作れる場合がある。
この回避ルートについては、例えば、ダイクストラ法(最短経路問題)を用いて最短距離のルートを決定した後に、そのルートを使って到着時刻t1、t2、t3の計算をしてもよい。鉄道車両停止事故25-2が発生した場合、その発生した駅間の距離を、十分の大きな値としても良い(例えば9999.9km)。このような対応をすることで、仮想乗客オブジェクト13―6には、その区間を回避するルートが設定される。
この回避ルートについては、例えば、ダイクストラ法(最短経路問題)を用いて最短距離のルートを決定した後に、そのルートを使って到着時刻t1、t2、t3の計算をしてもよい。鉄道車両停止事故25-2が発生した場合、その発生した駅間の距離を、十分の大きな値としても良い(例えば9999.9km)。このような対応をすることで、仮想乗客オブジェクト13―6には、その区間を回避するルートが設定される。
上記の駅間の距離の大きな値の影響を受けて、ダイクストラ法による経路計算結果が十分大きな値となる(例えば、10000kmを超える)場合は、目的駅に到着する手段は事実上存在しないものとして、仮想乗客を出発駅で待機させ続けてもよい。
図27は、図26のデータベースに格納されている、発生条件を変化させて鉄道車両停止事故を発生させた時に生成したデータの一例を示す図である。
図27において、データベースD1には、事故情報として、事故の発生時刻26-1、事故の発生場所26-2および事故規模26-3が格納されている。事故規模26-3は、事故発生から事故が復旧するまでの時間を示している。例えば、事故の発生時刻26-1が月曜日の10:35である時の事故の発生場所26-2が“66,23”、事故規模26-3が0.85と記載される。“66,23”は、図26の駅66、23間で事故が発生したことを示す。0.85は、事故発生から51分(=60分×0.85)後に復旧したことを示す。
図27において、データベースD1には、事故情報として、事故の発生時刻26-1、事故の発生場所26-2および事故規模26-3が格納されている。事故規模26-3は、事故発生から事故が復旧するまでの時間を示している。例えば、事故の発生時刻26-1が月曜日の10:35である時の事故の発生場所26-2が“66,23”、事故規模26-3が0.85と記載される。“66,23”は、図26の駅66、23間で事故が発生したことを示す。0.85は、事故発生から51分(=60分×0.85)後に復旧したことを示す。
さらに、データベースD1には、新交通作成情報26-4および仮想調停後情報26―5が格納されている。新交通作成情報26-4は、臨時バスが提供される駅間ごとに作成することができる。仮想調停後情報26―5は、臨時バスが提供される駅間ごとに往路と復路に分けて作成することができる。新交通作成情報26-4および仮想調停後情報26―5は、発生条件を変化させた時の事故情報ごとに作成することができる。新交通作成情報26-4は新交通作成ソルバ13-1が作成し、仮想調停後情報は仮想調停部13-7が作成する。
例えば、新交通作成情報26-4の#1において、発生時刻26-1が火曜日の22:10である事故では、“85-7、4台、B会社”と記載されている。これは、仮想調停において、B会社が駅85、7間でバスを4台運行することに合意したという内容を示す。また、仮想調停後情報26-5の#1において、発生時刻26-1が火曜日の22:10である事故では、“85→7、11人”と記載されている。これは、仮想調停において、駅85から駅7に移動するバスに乗ることに合意した乗客の人数が11人であることを示す。
図28は、第二の実施形態に係るリソース調停サーバの現実調停までの流れを示すブロック図である。
図28において、図26のリソース調停サーバに類似判断部27-5が追加されている。類似判断部27-5は、今回の鉄道車両停止事故P13の発生条件に類似する過去の事故情報に関連付けられた新交通作成情報および仮想調停後情報をデータベースD1から取得し、これらの新交通作成情報および仮想調停後情報を現実調停処理部12に出力する。鉄道車両停止事故P13が発生した時の現実調停は、鉄道車両停止事故P3が発生した時の現実調停と同様に実施することができる。
図28において、図26のリソース調停サーバに類似判断部27-5が追加されている。類似判断部27-5は、今回の鉄道車両停止事故P13の発生条件に類似する過去の事故情報に関連付けられた新交通作成情報および仮想調停後情報をデータベースD1から取得し、これらの新交通作成情報および仮想調停後情報を現実調停処理部12に出力する。鉄道車両停止事故P13が発生した時の現実調停は、鉄道車両停止事故P3が発生した時の現実調停と同様に実施することができる。
現実世界の時間軸4―1上の時刻27-2において、鉄道車両停止事故P13が発生すると、図28のリソース調停サーバでは、図5の仮想運行フェーズ4―3をスキップし、類似判断フェーズ4―5に移行する。類似判断フェーズ4―5では、鉄道車両停止事故P13に関する事故情報が類似判断部27-5に入力される。ここで、鉄道車両停止事故P13の発生時点においては、事故の発生時刻と事故の発生場所が分かるが、事故が復旧するまでの時間は不明である。このため、類似判断部27-5は、過去の事故情報から復旧までの時間を推測するか、あるいは、本システム外部の状況を判断できる人間27-3または他システム27―4等からの推測時間を類似判断部27-5に入力してもよい。
鉄道車両停止事故P13に関する事故情報が類似判断部27-5に入力されると、類似判断部27-5は、データベースD1に格納されている事故情報と照合する。類似判断部27-5は、今回の鉄道車両停止事故P13と同程度の事故に関する情報がデータベースD1に格納されている場合、その事故に関する情報をデータベースD1から取得する。今回の鉄道車両停止事故P13と同程度の事故の情報がデータベースD1に格納されていないと判断した場合、類似判断部27-5は、今回の鉄道車両停止事故P13に最も類似する事故に関する情報をデータベースD1から取得することができる。
あるいは、類似判断部27-5は、今回の鉄道車両停止事故P13と同程度の事故の情報がデータベースD1に格納されていないと判断した場合、データベースD1に格納されている2以上の事故に関する情報に基づいて、今回の鉄道車両停止事故P13に類似する事故に関する情報を生成してもよい。例えば、今回の鉄道車両停止事故P13の発生場所の位置座標に近似している場所をデータベースD1から抽出し、その場所に対応した事故に関する情報から今回の鉄道車両停止事故P13に類似した類似情報を生成してもよい。この類似情報は、データベースD1から抽出した新交通作成情報および仮想調停後情報に重回帰計算を行い、その係数を乗算した値の和であってもよい。
図29は、第二の実施形態に係る仮想調停における過去の鉄道車両事故の発生地点と、今回の鉄道車両事故を発生地点との関係の一例を示す図である。
図29において、過去の鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3について仮想調停が行われると、図27に示すように、事故情報、新交通作成情報および仮想調停後情報がデータ書き込み部25―3を介してデータベースD1に格納される。今回の鉄道車両停止事故272-0が発生すると、類似判断部27-5は、今回の鉄道車両停止事故272-0と同程度の事故の情報がデータベースD1に格納されているかどうか判断する。今回の鉄道車両停止事故272-0と同程度の事故の情報がデータベースD1に格納されている場合、その事故の情報をデータベースD1から取得する。今回の鉄道車両停止事故272-0と同程度の事故の情報がデータベースD1に格納されていない場合、今回の鉄道車両停止事故272-0に最も類似する事故の情報をデータベースD1から取得することができる。
図29において、過去の鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3について仮想調停が行われると、図27に示すように、事故情報、新交通作成情報および仮想調停後情報がデータ書き込み部25―3を介してデータベースD1に格納される。今回の鉄道車両停止事故272-0が発生すると、類似判断部27-5は、今回の鉄道車両停止事故272-0と同程度の事故の情報がデータベースD1に格納されているかどうか判断する。今回の鉄道車両停止事故272-0と同程度の事故の情報がデータベースD1に格納されている場合、その事故の情報をデータベースD1から取得する。今回の鉄道車両停止事故272-0と同程度の事故の情報がデータベースD1に格納されていない場合、今回の鉄道車両停止事故272-0に最も類似する事故の情報をデータベースD1から取得することができる。
例えば、今回の鉄道車両停止事故272-0の発生場所に最も近い過去の鉄道車両停止事故272-1の発生条件が今回の鉄道車両停止事故272-0の発生条件に最も類似しているものとすると、類似判断部27-5は、鉄道車両停止事故272-1の新交通作成情報および仮想調停後情報をデータベースD1から取得する。そして、類似判断部27-5は、鉄道車両停止事故272-1の新交通作成情報および仮想調停後情報を現実調停処理部12に出力する。現実調停処理部12は、鉄道車両停止事故272-1の新交通作成情報および仮想調停後情報に基づいて鉄道車両停止事故272-0の現実調停を実施する。
図30は、第二の実施形態に係るリソース調停サーバの現実調停に用いられる仮想調停結果の算出方法の一例を示す図である。なお、図30では、図29の今回の鉄道車両停止事故272-0が発生した時に、今回の鉄道車両停止事故272-0の周辺の過去の鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3に基づいて、鉄道車両停止事故272-0の新交通作成情報および仮想調停後情報を作成する場合を例にとる。
図30において、各鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3には、K1~K3というインデックス273-0が付されている。各インデックスK1~K3に対し、事故発生時刻273-2、事故継続時間273-3および今回の鉄道車両停止事故272-0の発生位置から各鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3までの事故間距離273-4が記入されている。事故間距離273-4は、バスターミナルを有する駅数に置き換えた値である。
図30において、各鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3には、K1~K3というインデックス273-0が付されている。各インデックスK1~K3に対し、事故発生時刻273-2、事故継続時間273-3および今回の鉄道車両停止事故272-0の発生位置から各鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3までの事故間距離273-4が記入されている。事故間距離273-4は、バスターミナルを有する駅数に置き換えた値である。
類似判断部27-5は、過去の鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3の事故発生時刻273-2、事故継続時間273-3および事故間距離273-4と、今回の鉄道車両停止事故272-0の事故発生時刻、事故継続時間および事故間距離(この場合は、0となる)に基づいて、インデックスK1~K3ごとに重み273-1を算出する。重み273-1は、過去の鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3の発生条件と今回の鉄道車両停止事故272-0の発生条件が近いほど大きくする。
類似判断部27-5は、各インデックスK1~K3の重み273-1を新交通作成情報および仮想調停後情報に乗算し、その総計をとることで新交通作成合成情報273-6および仮想調停後合成情報273-7を算出する。図28の現実運行フェーズ4―4では、新交通作成合成情報273-6および仮想調停後合成情報273-7に基づいて現実調停を実施する。
類似判断部27-5は、各インデックスK1~K3の重み273-1を新交通作成情報および仮想調停後情報に乗算し、その総計をとることで新交通作成合成情報273-6および仮想調停後合成情報273-7を算出する。図28の現実運行フェーズ4―4では、新交通作成合成情報273-6および仮想調停後合成情報273-7に基づいて現実調停を実施する。
以上説明したように、上述した第二の実施形態によれば、今回の事故発生前に事前に生成された仮想調停パターンの選択結果から、現実調停を行うことが可能となる。このため、調停対象の種類や数が増えた場合にも、今回の鉄道車両事故の発生から現実調停までを現実時間内に完了させることが可能となり、現実乗客および現実バス会社の双方にとって利益のある調停を実現することが可能となる。
なお、今回の鉄道車両停止事故272-0が発生する前に、鉄道車両停止事故272-1、272-2、272-3以外の鉄道車両停止事故を模擬的に発生させ、その模擬的に発生させた鉄道車両停止事故について仮想調停を行うようにしてもよい。そして、その仮想調停における事故情報、新交通作成情報および仮想調停後情報をデータベースD1に格納するようにしてもよい。鉄道車両停止事故を模擬的に発生させることで、実際の鉄道車両停止事故が駅23、66間で発生していない場合においても、駅23、66間で模擬的に発生させた鉄道車両停止事故についての事故情報、新交通作成情報および仮想調停後情報をデータベースD1に格納することができる。このため、今回の鉄道車両停止事故272-0が駅23、66間で発生した時に、駅23、66間で模擬的に発生させた鉄道車両停止事故についての事故情報、新交通作成情報および仮想調停後情報に基づいて現実調停を実施することができる。
ここで、模擬的に発生させた鉄道車両停止事故に対する仮想調停を事前に実施し、その事故に関する情報をデータベースD1に格納することにより、実際の鉄道車両停止事故のあらゆる事態に対応しつつ、実際の鉄道車両停止事故と同程度の事故の情報をデータベースD1から取得することができる。
第三の実施形態は、第一および第二の実施形態での人身事故等による鉄道車両の不通という状況に至らないまでも、電車のダイヤ通りのサービスが十分に発揮できない状況(ラッシュ、遅延/遅着)への対応方法である。この第三の実施形態は、第一および第二の実施形態の両方で利用可能である。
乗客は、乗車時間を短縮すべく乗車を計画する。乗車時間が乗客に負のコストとなるためである。電車の移動速度を均一であるとみなせる場合、乗車時間は電車の移動距離と等価になる。
乗客は、乗車時間を短縮すべく乗車を計画する。乗車時間が乗客に負のコストとなるためである。電車の移動速度を均一であるとみなせる場合、乗車時間は電車の移動距離と等価になる。
ラッシュ時の電車の乗車は、乗客にストレスを与えるものであるので、これも負のコストとして算出することができる。乗客のストレスを負のコストとして算出することができるならば、乗客のストレスは、乗客が利用中の電車の移動距離を増加させたものとみなすことができる。このような乗客の主観を含めた電車の移動距離のことを、以下、「心理的仮想距離」と称呼する。
図31(a)は、ラッシュ時における心理的仮想距離の算出方法を示すフローチャートである。図31(a)の処理では、図6における到着時刻t2、t3の算出時に、人間の心理を反映させて、仮想乗客オブジェクト13―6の移動経路の変更を施す。
図31(a)において、ステップ28-1では、仮想鉄道車両オブジェクト13―4を使って、各駅間における鉄道車両の乗車率を算出する。この乗車率は、その時点における各駅間の複数の運行中の仮想鉄道車両オブジェクト13―4の平均値を用いてもよい。
図31(a)において、ステップ28-1では、仮想鉄道車両オブジェクト13―4を使って、各駅間における鉄道車両の乗車率を算出する。この乗車率は、その時点における各駅間の複数の運行中の仮想鉄道車両オブジェクト13―4の平均値を用いてもよい。
次に、ステップ28-2では、各駅間の混雑率に対する心理的仮想距離の係数を算出する。この係数KAの算出には、例えば、KA=max(1,2(x-1))(x:混雑率)という式を用いることができる。この式では、乗車率150%以下ではKA=1となり、混雑率250%の時にはKA=3となる。
次に、ステップ28-3では、駅間の現実の距離に、ステップ28-2で算出した係数KAを乗算することで心理的仮想距離を算出する。次に、ステップ28-4では、例えば、ダイクストラ法を用いることにより、心理的仮想距離が反映されたルートの再計算を実施する。交通運行予測シミュレータ13―2は、この再計算されたルートに基づいて、各仮想乗客オブジェクト13―6の到着時刻t2、t3を予測する。仮想乗客オブジェクト13―6は、この到着時刻t2、t3の予測に基づき、仮想の臨時バスに該当する仮想バスオブジェクト13―5の利用、不利用または利用する場合の料金を提示する。
次に、ステップ28-3では、駅間の現実の距離に、ステップ28-2で算出した係数KAを乗算することで心理的仮想距離を算出する。次に、ステップ28-4では、例えば、ダイクストラ法を用いることにより、心理的仮想距離が反映されたルートの再計算を実施する。交通運行予測シミュレータ13―2は、この再計算されたルートに基づいて、各仮想乗客オブジェクト13―6の到着時刻t2、t3を予測する。仮想乗客オブジェクト13―6は、この到着時刻t2、t3の予測に基づき、仮想の臨時バスに該当する仮想バスオブジェクト13―5の利用、不利用または利用する場合の料金を提示する。
また、ラッシュ、車両内での乗客どうしのトラブル、嘔吐等による駅停車時間の増大は、乗客の到着時間に影響を与える。これも乗客の負のコストとして算出することができる。到着時間の遅延を負のコストとして算出することができるならば、到着時間の遅延は、乗客が利用中の電車の移動距離を増加させたものとみなすことができる。このような到着時間の遅延がなかった時に電車が本来移動できる移動距離のことを、以下、「遅延的仮想距離」と称呼する。
図31(b)は、電車遅延時における遅延的仮想距離の算出方法を示すフローチャートである。図31(b)の処理では、図6における到着時刻t2、t3の算出時に、駅のある鉄道車両の長時間の停車と、他の鉄道車両の閉塞区間の制限によって、電車の停車の連鎖を反映させて、仮想乗客オブジェクト13―6の移動経路の変更を施す。
図31(b)において、ステップ28―11では、電車と駅を指定して停車時間を入力する。次に、ステップ28-12では、閉塞区間による他の電車運行ダイヤへの影響を計算する。
次に、ステップ28―13は、これらの電車の遅延による駅間の心理的仮想距離の係数を算出する。この係数は、これらの電車の遅延による駅間の通過時間の遅延の比率とすることができる。この係数KBの算出には、例えば、KB=(遅延発生中の駅間の平均移動時間)/(遅延が発生してない時の駅間の平均移動時間)という式を用いることができる。(遅延発生中の駅間の平均移動時間)および(遅延が発生してない時の駅間の平均移動時間)は仮想鉄道車両オブジェクト13―4を用いて算出することができる。
次に、28-14では、駅間の現実の距離に、ステップ28-13で算出した係数KBを乗算することで遅延的仮想距離を算出する。次に、ステップ28-15で、例えば、ダイクストラ法を用いることにより、遅延的仮想距離が反映されたルートの再計算を実施する。交通運行予測シミュレータ13―2は、この再計算されたルートに基づいて、各仮想乗客オブジェクト13―6の到着時刻t2、t3を予測する。仮想乗客オブジェクト13―6は、この到着時刻t2、t3の予測に基づき、仮想の臨時バスに該当する仮想バスオブジェクト13―5の利用、不利用または利用する場合の料金を提示する。
図31(b)において、ステップ28―11では、電車と駅を指定して停車時間を入力する。次に、ステップ28-12では、閉塞区間による他の電車運行ダイヤへの影響を計算する。
次に、ステップ28―13は、これらの電車の遅延による駅間の心理的仮想距離の係数を算出する。この係数は、これらの電車の遅延による駅間の通過時間の遅延の比率とすることができる。この係数KBの算出には、例えば、KB=(遅延発生中の駅間の平均移動時間)/(遅延が発生してない時の駅間の平均移動時間)という式を用いることができる。(遅延発生中の駅間の平均移動時間)および(遅延が発生してない時の駅間の平均移動時間)は仮想鉄道車両オブジェクト13―4を用いて算出することができる。
次に、28-14では、駅間の現実の距離に、ステップ28-13で算出した係数KBを乗算することで遅延的仮想距離を算出する。次に、ステップ28-15で、例えば、ダイクストラ法を用いることにより、遅延的仮想距離が反映されたルートの再計算を実施する。交通運行予測シミュレータ13―2は、この再計算されたルートに基づいて、各仮想乗客オブジェクト13―6の到着時刻t2、t3を予測する。仮想乗客オブジェクト13―6は、この到着時刻t2、t3の予測に基づき、仮想の臨時バスに該当する仮想バスオブジェクト13―5の利用、不利用または利用する場合の料金を提示する。
1…リソース調停サーバ、2…鉄道運行サーバ、3…バス運行サーバ、1―01…CPU、1―02…メモリ、1―03…通信NIC、1―04…ハードディスクドライブ、1―05…入出力コントローラ、1―06…モニタコントローラ、1―07…バス、1―08…GPSモジュール、1―11…キーボード、1―12…マウス、1―13…ディスプレイ、13―1…新交通生成計画ソルバ、13―2…交通運行予測シミュレータ、13―3…調停係数補正部、13―4…仮想鉄道車両オブジェクト、13―5…仮想バスオブジェクト、13―6…仮想乗客オブジェクト、13―7…仮想調停部、12―1…鉄道運行リソース情報、12―2…バス運行リソース情報、12―3…乗客リソース情報、12―4…現実調停部、12―5…現実調停メッセージ作成部、11―1…メッセージ受信部、11―2…メッセージ送信部、20―1…リソース情報提供部、20―2…メッセージ送信部、20―3…メッセージ受信部、21―1…調停メッセージ作成部、21―2…調停メッセージ解析部、21―3…リソース調停部、22―1…調停メッセージ入力部、22―2…調停メッセージ表示部
Claims (19)
- 第1リソースの需給状態に基づいて第2リソースの提供条件と利用条件を設定し、前記提供条件と前記利用条件に基づいて前記第2リソースの需要と供給の調停を行う第1サーバと、
前記第1サーバから送られた前記第2リソースの提供条件を評価する第2サーバと、
前記第1サーバから送られた前記第2リソースの利用条件を評価する情報端末とを備えるリソース調停システム。 - 前記第2リソースの提供条件の評価は、前記第2リソースの提供の可否と料金の評価であり、
前記第2リソースの利用条件の評価は、前記第2リソースの利用の可否と料金の評価である請求項1に記載のリソース調停システム。 - 前記第1サーバは、
前記第1リソースの需給状態に基づいて前記第2リソースの利用条件と提供条件を仮想的に設定し、前記第2リソースの利用条件と提供条件に基づいて前記第2リソースの需要と供給の仮想的な調停を行う仮想調停処理部と、
前記仮想的な調停結果に基づいて、前記第2リソースの需要と供給の現実的な調停を行う現実調停処理部とを備える請求項1に記載のリソース調停システム。 - 前記現実調停処理部は、前記仮想的な調停が不調の場合、前記現実的な調停を行わない請求項3に記載のリソース調停システム。
- 前記仮想調停処理部は、前記現実的な調停に失敗した場合、前記提供条件と前記利用条件を変更する請求項3に記載のリソース調停システム。
- 前記仮想調停処理部は、N(Nは2以上の整数)個の異なる提供条件と利用条件をそれぞれ設定し、前記N個の異なる提供条件と利用条件に基づいて仮想的な調停を行う請求項3に記載のリソース調停システム。
- 前記仮想調停処理部は、前記第2リソースを利用した時の利益を算出し、前記利益に基づいて前記提供条件と前記利用条件を仮想的に設定する請求項3に記載のリソース調停システム。
- 前記仮想調停処理部は、
前記第1リソースの運用予測と前記第2リソースの運用予測を行う予測シミュレータと、
前記第1リソースの運用予測結果と前記第2リソースの運用予測結果に基づいて、前記第2リソースの利用条件を評価する第1仮想オブジェクトと、
前記第2リソースの運用予測結果に基づいて、前記第2リソースの提供条件を評価する第2仮想オブジェクトと、
前記第1仮想オブジェクトと前記第2仮想オブジェクトとの間で仮想的な調停を行う仮想調停部とを備える請求項3に記載のリソース調停システム。 - 前記第1リソースは鉄道、前記第2リソースはバスであり、
前記第1サーバは、
鉄道車両事故の被害規模に基づいて、前記鉄道車両事故がない場合の第1到着時刻、前記鉄道車両事故の復旧後の第2到着時刻および前記鉄道車両事故の復旧前に前記バスを利用した場合の第3到着時刻を予測し、
前記第1到着時刻、前記第2到着時刻および前記第3到着時刻の予測情報に基づいて、乗客に前記バスの利用条件を提示するとともに、バス会社に前記バスの提供条件を提示し、前記乗客と前記バス会社の間で臨時バスの台数および料金を調停する請求項1に記載のリソース調停システム。 - 前記第1リソースは鉄道、前記第2リソースはバスであり、
前記仮想調停処理部は、
移動中の鉄道車両の位置を決定する仮想鉄道車両オブジェクトと、
前記仮想鉄道車両オブジェクトの運行予測を行う交通運行予測シミュレータと、
バス会社の臨時バスの提供、不提供または提供する場合の料金を決定する仮想バスオブジェクトと、
乗客の臨時バスの利用、不利用または利用する場合の料金を決定する仮想乗客オブジェクトと、
前記仮想バスオブジェクトの配置および運行計画を立案する新交通生成計画ソルバと、
前記仮想乗客オブジェクトと前記仮想バスオブジェクトの間で仮想調停を行う仮想調停部とを備える請求項3に記載のリソース調停システム。 - 第1リソースの需給状態に基づいて第2リソースの利用条件と提供条件を仮想的に設定し、前記第2リソースの利用条件と提供条件に基づいて前記第2リソースの需要と供給の仮想的な調停を行う仮想調停処理部と、
前記仮想的な調停結果に基づいて、前記第2リソースの需要と供給の現実的な調停を行う現実調停処理部とを備えるリソース調停装置。 - 前記仮想調停処理部は、
前記第1リソースの運用予測と前記第2リソースの運用予測を行う予測シミュレータと、
前記第1リソースの運用予測結果と前記第2リソースの運用予測結果に基づいて、前記第2リソースの利用条件を評価する第1仮想オブジェクトと、
前記第2リソースの運用予測結果に基づいて、前記第2リソースの提供条件を評価する第2仮想オブジェクトと、
前記第1仮想オブジェクトの評価結果と前記第2仮想オブジェクトの評価結果に基づいて、前記第1仮想オブジェクトと前記第2仮想オブジェクトとの間で仮想的な調停を行う仮想調停部とを備える請求項11に記載のリソース調停装置。 - 前記仮想調停処理部は、前記第2リソースの利用条件と提供条件が折り合うように前記仮想的な調停を繰り返し、
前記現実調停処理部は、前記仮想調停で得られた前記第2リソースの利用条件と提供条件を受け入れるかどうかの判断のみに基づいて現実的な調停を行う請求項11に記載のリソース調停装置。 - 前記第1リソースは鉄道、前記第2リソースはバスであり、
前記仮想調停処理部は、
鉄道車両事故の被害規模に基づいて、前記鉄道車両事故がない場合の第1到着時刻、前記鉄道車両事故の復旧後の第2到着時刻および前記鉄道車両事故の復旧前に前記バスを利用した場合の第3到着時刻を予測し、
前記第1到着時刻、前記第2到着時刻および前記第3到着時刻の予測情報に基づいて、乗客に前記バスの利用条件を提示するとともに、バス会社に前記バスの提供条件を提示し、前記乗客と前記バス会社の間で臨時バスの台数および料金を調停する請求項11に記載のリソース調停装置。 - 前記第1リソースは鉄道、前記第2リソースはバスであり、
前記仮想調停処理部は、
移動中の鉄道車両の位置を決定する仮想鉄道車両オブジェクトと、
前記仮想鉄道車両オブジェクトの運行予測を行う交通運行予測シミュレータと、
バス会社の臨時バスの提供、不提供または提供する場合の料金を決定する仮想バスオブジェクトと、
乗客の臨時バスの利用、不利用または利用する場合の料金を決定する仮想乗客オブジェクトと、
前記仮想バスオブジェクトの配置および運行計画を立案する新交通生成計画ソルバと、
前記仮想乗客オブジェクトと前記仮想バスオブジェクトの間で仮想調停を行う仮想調停部とを備える請求項11に記載のリソース調停装置。 - 前記仮想調停処理部による過去の仮想的な調停結果を記憶する記憶部をさらに備え、
前記記憶部から検索された過去の仮想的な調停結果を、前記現実調停処理部による前記現実的な調停に用いる請求項11に記載のリソース調停装置。 - 前記仮想調停処理部による過去の仮想的な調停結果を前記鉄道車両事故の事故情報と対応付けて記憶する記憶部と、
今回の鉄道車両事故の事故情報と類似する事故情報に対応付けられた過去の仮想的な調停結果を前記記憶部から取得し、前記現実調停処理部に出力する類似判断部をさらに備え、
前記現実調停処理部は、前記類似判断部から出力された過去の仮想的な調停結果に基づいて、前記第2リソースの需要と供給の現実的な調停を行う請求項14に記載のリソース調停装置。 - 駅間の混雑率が前記駅間の現実の距離に反映された仮想距離を算出し、
前記仮想距離に基づいて前記第2到着時刻および前記第3到着時刻を予測する請求項14に記載のリソース調停装置。 - 電車の遅延時間が前記駅間の現実の距離に反映された仮想距離を算出し、
前記仮想距離に基づいて前記第2到着時刻および前記第3到着時刻を予測する請求項14に記載のリソース調停装置。
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Citations (4)
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JP2002269470A (ja) * | 2001-03-09 | 2002-09-20 | Hitachi Ltd | 分散型電源事業の需要家情報開示・契約方法 |
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