WO2019092899A1 - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
2つの組の電極端子への電力入力により発光色の調整が可能な発光装置を提供する。発光装置は、2つの組の電極端子間それぞれに、半導体発光素子を有する並列に接続された複数の発光回路を備え、それぞれの電極端子間の少なくとも1つの発光回路は、いずれかの電極端子間で通電する個別発光回路であって、少なくとも1つの発光回路は、いずれの電極端子間からも通電する共通配線部を有する共有発光回路であって、個別の電極端子間の通電による発光装置の発光色はそれぞれ異なる。
Description
本発明は発光装置に関し、より特定的には複数の電極端子からの電力入力によって光出力と発光色の調整が可能な発光装置に関する。
近年、発光ダイオード(LED)を始め、有機EL、無機ELなどの半導体発光素子が開発され、発光効率の高さや長寿命であることなどから、照明やディスプレイなどの用途に多く用いられている。
照明用途においては、時間帯やシーンなどに応じて明るさや発光色を調整(調光調色)する照明器具も開発されており、半導体発光素子を用いた照明の高機能化がさらに進んでいる。特に生体リズムを考慮したサーカディアン照明制御の普及によって、白色系の光を電球色から昼光色に渡って変化させる発光装置が今後増えていくと考えられる。
半導体発光素子は一般に入力電力に対して略一定の発光色を示すため、例えばLEDを用いた発光装置において色を変化させるには、異なる発光色を発する複数のLEDの光を混合する必要がある。これは他の半導体発光素子についても同様である。
白色系の光を発する発光装置についても、2つの組の電極端子間に、電球色の光を発する発光部を備えた発光回路と、昼光色の光を発する発光部を備えた発光回路を備え、それぞれの発光回路への入力電力を電流量やPWM(Pulse Width Modulation)などにより制御する手法で、調光調色が可能な照明器具が実現されている。
発光色は一般にCIE1931色度図上のxy座標による色度点などで表現されるが、例えば、電球色と昼光色の2種類の発光回路によって調色を行う場合、発光装置の発光色を示す色度点は、それぞれの発光回路の発光色を示す色度点の間をxy色度図上で直線的に変化することとなる。なお、本発明の明細書においては、特記無い限り、色度点はCIE1931色度図上のxy座標にて示すこととする。
しかしながら、白色系の光色の変化は黒体輻射軌跡に沿った変化が自然であり、黒体輻射軌跡はxy色度図上で緩やかな上向きの曲線を描いているため、上記の2種類の発光回路によって調色を行う場合、個々の発光回路の発光色は黒体輻射軌跡上にあっても、色変化の中間点においては発光装置の発光色は黒体輻射軌跡から離れた不自然な光の色となってしまう。
そのため、例えば特許文献1などに提案されているように、発光色の異なる3つ以上の発光回路を用い、それぞれの発光回路への入力電力調整によって、黒体輻射軌跡に沿った発光装置の発光色変化を得る手法が知られている。
しかし、そのためには明るさと発光色の設定を受けて、3つ以上の発光回路への必要な入力電力値を演算し、各発光回路への入力電力値を指定する信号を各電力供給源に送るといったシステム制御が必要であり、構造が複雑となってコストが高くなってしまう。
さらに、発光回路そのものが増えることでコストが高くなることや、各発光回路と電流供給部をつなぐ、3組以上の電極端子の接続が必要となり、煩雑であるなどの課題もある。
また、いずれの手法においても、それぞれの発光回路は個別に通電されるため、特定の発光色の発光回路の通電のみで高い光出力を得るためには、その回路上の発光素子数を増やし、より多くの電力が入力できるようにする必要がある。しかし、発光装置に多くの発光素子が必要となることはコストアップにつながり、またより広い実装面積が必要となる。また、入力電力を大きくすれば、発光素子あたりの電流量が多くなるため、発光効率が低下してしまう。
特に特許文献2に示されるようなチップオンボード(COB)タイプなど、光源部面積が限られる調光調色の発光装置については、入力電力が限られれば、光出力あたりのコストが高くなってしまうのみならず、光量が不足することなどによって適用できる照明器具が限られてしまうことともなる。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2つの組の電極端子への電力入力によって、複雑な制御を必要とせずに黒体輻射軌跡に沿うような発光色の変化を簡易な構成で実現でき、限られた光源部面積でも効率的に許容入力電力を大きくすることが可能な発光装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の発光装置は、第1の組の電極端子間と第2の組の電極端子間それぞれに、並列に接続された複数の発光回路を備えた発光装置であって、それぞれの発光回路は半導体発光素子を有する発光部を備え、それぞれの電極端子間の少なくとも1つの発光回路は、いずれかの電極端子間でのみ通電する個別発光回路であって、それぞれの電極端子間の少なくとも1つの発光回路は、いずれの電極端子間からも通電する共通配線部を有する共有発光回路であって、第1の組の電極端子間のみの通電による発光装置の発光色と前記第2の組の電極端子間のみの通電による発光装置の発光色はそれぞれ異なることを特徴とする。
本発明の発光装置において、個別発光回路とはいずれかの電極端子間の通電によって電流が流れて発光し、異なる電極端子間の通電によっては発光しない、もしくは、発光が制限される発光回路である。
本発明の発光装置において、共有発光回路とは共通配線部と、共通配線部とそれぞれの電極端子間を電気的につなぐ専用配線部からなる。
共通配線部を有することで、2つの電極端子間の電流バランスによって、それぞれの電極端子間での個別発光回路および共有発光回路に流れる分流比率の変化による発光装置の調光調色が可能となる。また、共通配線部に発光部が備えられることで、少ない発光素子数でも効率的に許容入力電力を大きくすることができる。
本発明の発光装置の一様態において、それぞれの電極端子間での個別発光回路の発光色と共有発光回路の発光色が異なることを特徴とする。
本発明の発光装置の一様態において、第1の組の電極端子のみの通電による発光装置の発光色の色度点と第2の組の電極端子間のみの通電による発光装置の発光色の色度点を結ぶ直線に対して、個別発光回路の発光色の色度点は正の領域に存在し、共有発光回路の発光色の色度点は負の領域に存在することを特徴とする。
本発明の発光装置の一様態において、個別発光回路の発光色の色度点が、黒体輻射軌跡に対して正の領域に存在し、共有発光回路の発光色の色度点が、黒体輻射軌跡に対して負の領域に存在することを特徴とする。
各発光回路からの発光色を適切な色度点に設定することで、発光装置の発光色の色変化がxy色度図上で上向きの曲線を描き、また、より黒体輻射軌跡に沿うようにすることが可能となる。
本発明の発光装置の一様態において、第1の組の電極端子と第2の組の電極端子と接続する分流器を備え、分流器は単一の電源からの入力電流を分流することを特徴とする
本発明の発光装置において、半導体発光素子は例えば、発光ダイオード(LED)、有機EL、無機ELなどである。LEDはInGaN系などの青色LEDやGaAlAs系などの赤色LEDなど固有の発光色を発する種々のタイプのLED素子が用いられる。一般に半導体発光素子はパッケージ化されて用いられる。
本発明によれば、2つの組の電極端子への電力入力によって、複雑な制御を必要とせずに黒体輻射軌跡に沿うような発光色の変化を簡易な構成で実現でき、限られた光源部面積でも効率的に許容入力電力を大きくすることが可能な発光装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の発光装置について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
(実施の形態1)
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る発光装置100は、アノード電極端子11、13とカソード電極端子12、14を備え、電極端子11と12は1つの組であり、電極端子13と14は1つの組であって、それぞれの電極端子の組への通電により発光する。なお、図1に示す実施の形態においては、カソード電極端子12、14はコモンであっても良い。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る発光装置100は、アノード電極端子11、13とカソード電極端子12、14を備え、電極端子11と12は1つの組であり、電極端子13と14は1つの組であって、それぞれの電極端子の組への通電により発光する。なお、図1に示す実施の形態においては、カソード電極端子12、14はコモンであっても良い。
配線1Aと配線1Cは電極端子11、12間で並列に接続されており、配線1Bと配線1Cは電極端子13、14間で並列に接続されている。配線1Aは接続点111-112間にLEDパッケージL1a1、L1a2、L1a3を直列に有し、配線1Bは接続点113-114間にLEDパッケージL1b1、L1b2、L1b3を直列に有し、配線1Cは接続点111-115間にLEDパッケージL1c1、接続点113-115間にLEDパッケージL1c2、接続点115-116間にLEDパッケージL1c3、L1c4を直列に有する。なお、各配線上のLEDパッケージの直並列数は、所望の光出力や入力電源装置の仕様などによって適宜調整されることが好ましい。
配線1Cは電極端子11、12間の通電によって電流が流れる接続点111-115間の専用配線部1Caと、電極端子13、14間の通電によって電流が流れる接続点113-115間の専用配線部1Cbと、いずれの電極端子間の通電によっても電流が流れる接続点115-116間の共通配線部1Ccに区分することができる。
専用配線部1Ca、1Cbはアノード側、カソード側いずれの側にあっても良いし、両方の側にあっても良い。
配線1A、1Bはいずれかの組の電極端子間の通電によって発光する個別発光回路であり、配線1Cはいずれの組の電極端子間の通電によっても発光する共有発光回路であって、電極端子11、12間の電流は配線1Aおよび1Cを流れ、電極端子13、14間の電流は配線1Bおよび1Cを流れる。
なお、LEDパッケージ保護等の目的でさらに配線が形成され、本来通電される電極端子間とは別の電極端子間の通電によって個別発光回路もしくはその一部に電流が流れることがあっても良いが、その場合、高抵抗部品が接続されるなどにより、電流量および光出力が限定され、本来の電極端子間による個別発光回路への通電に影響を与えず、発光装置の発光色変化を阻害しないことが好ましい。
発光装置100は、電極端子11、12間のみの通電であれば、配線1A、1C上のLEDパッケージ群の発光による発光色となり、電極端子13、14間のみの通電であれば、配線1B、1C上のLEDパッケージ群の発光による発光色となり、電極端子11、12間および電極端子13、14間の通電であれば、配線1A、1B、1C上のLEDパッケージ群の発光による発光色となる。そのため、各配線上のLEDパッケージの発光色を適切に選択し、電極端子11、12間と13、14間の電流量および電流バランスを調整することで、発光装置100の光出力および発光色変化が可能となる。
電極端子11、12間の配線1A、1CはLEDパッケージが接続されているため、配線としてダイオード特性を有するが、それぞれの配線に電流が流れ始める閾値電圧は略同一であることが好ましく、発光装置100を電極端子11、12間のみで通電する際、配線1Aと配線1Cの電流比を広い電流域において、おおよそ一定とすることができ、異なる電流値においても安定した発光色を得ることが可能となる。なお、配線1A、1Cの閾値電圧は直列接続されたLEDパッケージの閾値電圧の合計として得られる。
好ましくは、配線1Aと配線1Cはそれぞれの配線上に同種のLED素子が同じ直列数で接続されることで、各配線の閾値電圧が略同一となり、かつ温度変化に対しても互いに近い閾値電圧の関係を維持することができる。また、同一の配線上に異なる種類のLED素子が使われている場合、配線1Aと配線1Cにて同種のLED素子ごとに同じ直列数であることが好ましい。
LEDパッケージのみで各配線を形成する発光装置100の構成は、発光に寄与しない電子部品による電力消費は無く、発光装置の高効率化につながるため、好ましい。
なお、電極端子と配線の分岐点の間にLEDパッケージが接続されていても良く、例えば電極端子11と接続点111の間にLEDパッケージが接続されていることで、発光装置としての光出力や発光色の調整が可能となる。
LEDパッケージ以外の電子部品を配線上に接続し、光出力や発光色等の調整を行っても良いが、配線1A、1C両方に同種同数接続することで、閾値電圧が互いに近い値となるよう調整されることが好ましい。例えば、L1c1はダイオードであっても良いが、配線1A上にも同じダイオードが一つのLEDパッケージに換えて接続されていることが好ましい。
なお、配線1C上の専用配線部1Ca、共通配線部1CcのいずれかにLEDパッケージが搭載されていなくても良く、必要に応じて発光装置100の光出力や発光色の調整をすることが可能である。ただし、電極端子13、14間の電流が個別発光回路である配線1Aに流れないよう、共通配線部1Ccの閾値電圧は配線1Aの閾値電圧よりも低いことが好ましく、専用配線部1Caにはダイオード特性を有する電子部品が接続されていることが好ましい。また、共通配線部1CcにLEDパッケージが接続されていない場合、抵抗を含む何らかの電子部品が接続されていることが好ましく、共通配線部1Ccにかかる電圧の大きさによって各配線への分流比率が調整される。
抵抗については、閾値電圧への影響は小さく、異なる抵抗値の抵抗が各配線に接続され、各配線への分流比率等を調整する等に用いられても良い。
敢えて電極端子11、12間の配線1Aと配線1Cの閾値電圧を異なるようにし、発光装置100の調色の様相が低電流域と高電流域で異なるようにしても良い。
上述の内容は、電極端子13、14間の配線1B、1Cについても同様である。
共有発光回路である配線1Cを有することで、一方の電極端子間のみの通電であっても配線1Cに電流が流れるため、発光装置100に流すことのできる許容電流量を少ない総配線数で効率的に大きくすることができる。
また、配線1A、1B、1Cはそれぞれ並列に複数あっても良く、発光装置の許容電流量や発光の様相を調整することが可能となる。
なお、電極端子11、12間と電極端子13、14間のLED素子直列数や閾値電圧は異なっていても良い。このとき、それぞれの電極端子間で並列に接続された配線の閾値電圧はほぼ同じとなるよう、専用配線部1Ca、1CbのLEDパッケージ直列数などが調整されることが好ましい。
発光装置100の発光色変化を実現するために、電極端子11、12間のみの通電での配線1A、1Cの発光による発光装置100の発光色と、電極端子13、14間のみの通電での配線1B、1Cの発光による発光装置100の発光色はそれぞれ異なることが好ましい。
好ましくは、配線1A、1Bの発光色はそれぞれ異なり、さらに好ましくは、配線1A、1B、1Cの発光色はそれぞれ異なることで、より望ましい発光装置100の発光色の変化を得ることが可能となる。
なお、本明細書において、各配線の発光色とは、それぞれの配線上のLEDパッケージが通電により発光し、配線ごとのLEDパッケージ群として発する光の発光色を言う。同一の配線内で異なる発光色を有するLEDパッケージが用いられていても良い。また、同一の配線上で異なる領域を設け、領域ごとに発光色が異なっていることで、特別な演出を行う発光装置であっても良い。以下本明細書においては、簡単のため、特記ない限り、各配線の発光色は、配線上のLEDパッケージ群の光が混合し、配線として一つの発光色を発するものとして説明する。
発光装置100において、電極端子11、12間および13、14間の両方で通電した場合、各配線1A、1B、1Cへ流れる電流量は配線1C上の共通配線部1Ccにかかる電圧によって決まる。
より細かく説明するために、各配線にかかる電圧について、配線1A(接続点111、112間)の電圧をVa、配線1B(接続点113-114間)の電圧をVb、配線1Cのうち、専用配線部1Ca(接続点111-115間)の電圧をVca、専用配線部1Cb(接続点113-115間)の電圧をVcb、共通配線部1Cc(接続点115-116間)の電圧をVcとすると、それぞれの電圧は以下の関係となる。
Va=Vca+Vc
Vb=Vcb+Vc
Va=Vca+Vc
Vb=Vcb+Vc
共通配線部1Ccにかかる電圧Vcは、各専用配線部1Ca、1Cbを通る電流の和が流れるための電圧値である必要があるため、両方の電極端子間での通電において、各配線への分流比率を調整するようになる。例えば、電極端子11、12間に流れる電流が大きければ、Va、VcaおよびVcは大きくなる。このとき、電極端子13、14間に比較的小さい電流を流すと、Vcb=Vb-Vcの関係から、Vcが大きいとVcbは小さくなる。そのため、専用配線部1Cbに電流は流れにくくなり、電極端子13、14間の電流はその分、配線1Bに流れることとなる。
特に、VcbがLEDパッケージL1c2の閾値電圧に満たない場合、電極端子13、14間の電流は専用配線部1Cbを通って配線1Cへ流れることができないため、配線1Cの共通配線部1Ccには電極端子11、12間からの電流が流れ、電極端子13、14間の電流は配線1Bのみを流れることとなる。
電極端子13、14間の電流が大きくなるなどにより、VcbがLEDパッケージL1c2の閾値電圧を超えて大きくなれば、配線1Cの共通配線部1Ccへは専用配線部1Cbからの電流も流れるようになる。
各電極端子間の電流のバランスがさらに変化し、共通配線部1Ccに流れる電流のうち、電極端子13、14間から専用配線部1Cbを通って流れる電流が多くなると、Vcは専用配線部1Cbからの電流を流すために必要な値以上となるため、Vca=Va-Vcの関係から、上記と同様に専用配線部1Caに電流は流れにくくなる。さらにVcaがLEDパッケージL1c1の閾値電圧を下回るようになれば、電極端子11、12間の電流は専用配線部1Caを通って配線1Cへ流れることができないため、配線1Cの共通配線部1Ccには電極端子13、14間からの電流が流れ、電極端子11、12間の電流は配線1Aのみを流れることとなる。
なお、両方の電極端子間から配線1Cへ電流が流れる場合、専用配線部1Ca、1Cbに電流が分かれて流れるため、専用配線部1Ca、1Cbの電圧Vca、Vcbは低く、その分共通配線部1Ccにかかる電圧Vcが高くなる。そのため、共通配線部1Ccには配線1A、1Bよりも大きな電流が流れることとなる。
このような各配線へ流れる電流の変化に対して、発光装置100の発光色は以下のような変化を示す。
xy色度図上で配線1A、1B、1Cの発光色を示す色度点をそれぞれ1a、1b、1cとして、発光装置100の発光色の変化を図2により説明する。なお、簡単のため、LEDパッケージL1c1、L1c2は同じ発光色であるとし、いずれの専用配線部1Ca、1Cbを電流が流れても配線1Cの発光色の色度点1cは変わらないものとして説明する。
まず、電極端子11、12間のみの通電の場合、発光装置100の発光色は色度点1a、1cを結ぶ直線131上で、配線1A、1Cの光出力の強度比に応じた色度点1acとなる。
同様に、電極端子13、14間のみの通電の場合、発光装置100の発光色は色度点1b、1cを結ぶ直線132上で、配線1B、1Cの光出力の強度比に応じた色度点1bcとなる。
両方の電極端子11、12間および13、14間の通電において、電極端子11、12間の電流が電極端子13、14間の電流と比べて十分に大きく、専用配線部1Caを通って流れる電流が配線1Cの中で支配的となり、電極端子13、14間の電流はほぼ配線1Bのみを流れる場合、発光装置100の発光色は色度点1acと1bを結ぶ直線133上の色度点1ac寄りの色度点となる。
電極端子11、12間の電流に対する電極端子13、14間の電流比が増え、電流が専用配線部1Cbを通って配線1Cに流れるようになると、電極端子11、12間の電流のうち、配線1Aを流れる電流比率が増え、電極端子13、14間の電流のうち、配線1Bを流れる電流比率が減るため、発光装置100の発光色は、色度点1ac、1a間の色度点と、色度点1bc、1b間の色度点を結ぶ直線上の色度点となり、電極端子間の電流比の変化による各配線からの光出力変化に応じて色度点は移動していく。
両方の電極端子から配線1Cへ電流が流れる場合、前述のとおり、共通配線部1Ccには配線1A、1Bよりも大きな電流が流れるため、発光装置100の発光色は、直線133、134の交点を通ることなく、より色度点1c寄りの色度点を通って変化していく。
さらに電極端子13、14間の電流比が大きくなり、専用配線部1Cbからの電流が配線1Cに流れる電流の中で支配的となって、電極端子11、12間の電流がほぼ配線1Aのみを流れるようになれば、発光装置100の発光色は、色度点1aと1bcを結ぶ直線134上の色度点1bc寄りの色度点となる。
以上により、発光装置100の発光色はxy色度図上において緩やかな曲線1_abcを描いて変化することとなる。
特に、図2に示すように、電極端子11、12間のみの通電による発光装置100の発光色1acと電極端子13、14間のみの通電による発光装置100の発光色1bcを結ぶ直線に対して、配線1A、1Bの発光色の色度点1a、1bが正の領域に位置し、配線1Cの発光色の色度点1cが負の領域に位置すれば、発光装置100の発光色はxy色度図上において上向きの調色曲線を描くこととなる。
さらに、配線1Cの発光色の色度点1cを黒体輻射軌跡よりも負の領域に位置させ、配線1A、1Bの発光色の色度点1a、1bを黒体輻射軌跡よりも正の領域に位置させ、それぞれの光出力、色度点を適切に設定することにより、発光装置100の発光色を黒体輻射軌跡に沿って変化させることも可能となる。
好ましくは、色度点1ac、1bcのうち、一方は色温度3000Kよりも低い色温度の色度点であって、もう一方は色温度4000Kよりも高い色温度の色度点であることで、所謂電球色から白色までの色変化を実現することが可能となる。
なお、各配線の並列数やLEDパッケージの光出力ランク選別等により、配線1A、1Bからの光出力が配線1Cからの光出力よりも大きくなるようにすれば、色度点1ac、1bcが色度点1a、1bにそれぞれより近づき、発光装置100の調色範囲を広くすることができるため、好ましい。
また、専用配線部1Ca、1Cb上のLEDパッケージL1c1、L1c2の発光色をそれぞれ並列に接続する配線1A、1Bと同じ、もしくは近い発光色とすれば、同様に色度点1ac、1bcが色度点1a、1bにそれぞれより近づき、発光装置100の調色範囲を広くすることが可能となる。
配線1A、1B、1Cの発光色がそれぞれ離れた色度点に位置することで、各発光色の異なるスペクトルの重なりにより、高い色再現性を有する高質な光を得ることが可能となる。
なお、単一の電源からの電流を分流して電極端子11、12の組と電極端子13、14の組の両方に通電した際、各電極端子間の電圧が本実施例のように略同一の閾値電圧であれば、電流はそれぞれの各配線1A、1B、1Cに略均等に流れ、発光装置100はそれぞれの配線からの発光色が発光出力に重みづけされた発光色を発することとなる。
例えば、図3に示すように、配線1Cの発光色の色度点1c’が一方の個別発光回路の色度点により近ければ、両方の電極端子間に入力電流を分流した場合の発光装置の色度点1abc’は、片側の電極端子間の通電による色度点1ac’、1bc’の中点とは異なる色度点として得ることができる。
専用配線部1Ca、1Cb上のLEDパッケージの発光色の選択や特定の発光色の配線の並列数を増減するなどで、分流による通電時の発光装置100の発光色をさらに調整することも可能である。また、配線1Cの共有発光回路からの発光色は他の個別発光回路からの発光色と同じであっても良い。
単純な2系統の個別発光回路のみからなる発光装置であれば、単一電源からの分流による発光装置の色度点は、2つの発光色の発光強度に重みづけされた中点となるのに対して、本発明では分流時の色度点をより任意に設定することが可能である。例えば、分流器を使って、2つの電極端子間のみの通電と両方への分流を切り替えるだけで、照明の発光色として多く用いられる色温度2700K、3000K、4000Kの発光色がそれぞれ黒体輻射軌跡上の色度点として得られるように設定しても良い。
分流器はそれぞれの組の電極端子への通電と両方の電極端子への通電とを切り替える機能のみであれば、機械的スイッチや電気的スイッチング素子などを用いて少ない部品点数で構成することができ、分流器の操作も簡単となるため好適である。もしくは、抵抗等を用いて分流の比率を調整しても良いし、必要に応じて複数の分流比率が設定できるようにしても良い。
(LEDパッケージ)
LEDパッケージL1a1~L1c4は、LED素子が搭載され、LED素子からの光を透光性樹脂などを介して発光する電子部品であり、LED素子からの光をそのまま変換せずに発する単色タイプ、LED素子からの光を蛍光体により変換するタイプなどがある。また、パッケージとして、チップスケールパッケージタイプ、表面実装タイプ、チップオンボード(COB)タイプ、等を問わない。照明用として使用される場合は、一般にInGaN系のLED素子からの光の一部もしくは全部を蛍光体により変換し白色系の光を発する、白色LEDパッケージが好ましく、色味は適宜選択される。
LEDパッケージL1a1~L1c4は、LED素子が搭載され、LED素子からの光を透光性樹脂などを介して発光する電子部品であり、LED素子からの光をそのまま変換せずに発する単色タイプ、LED素子からの光を蛍光体により変換するタイプなどがある。また、パッケージとして、チップスケールパッケージタイプ、表面実装タイプ、チップオンボード(COB)タイプ、等を問わない。照明用として使用される場合は、一般にInGaN系のLED素子からの光の一部もしくは全部を蛍光体により変換し白色系の光を発する、白色LEDパッケージが好ましく、色味は適宜選択される。
閾値電圧などの電流電圧特性が発光装置の色変化の特性に影響を与えるため、電気的特性の選別されたLEDパッケージが用いられることが好ましい。
なお、発光装置として均一な光が得られるように、各LEDパッケージはそれぞれの発光色の光が互いに混ざり易い近い距離であったり、隣り合う異なる発光色のLEDパッケージがそれぞれ等間隔となるよう配置されたりすることが好ましい。
例えば、フレキシブル基板等にLEDパッケージが実装されたストライプ上の発光装置において、配線1A、1B、1C上のLEDパッケージをそれぞれ交互に配置することで、各LEDパッケージからの光を混ざり易くすることが可能となる。
もしくは、発光装置の発する光の方向が発光色によって異なる等の特別な照明の演出を行うため、各LEDパッケージは敢えて混ざり合わない位置に配置されても良い。
また、個別発光回路と共有発光回路を並列に有する電極端子の組を3つ以上備えることで、発光装置の色変化をより細かく調整することが可能となる。なお、共有発光回路は2つの組の電極端子からの電流が流れるように接続されても良いし、3つ以上の組の電極端子からの電流が流れるように接続されても良い。
(実施の形態2)
図4に示すように、本発明の実施の形態2に係る発光装置200は、アノード電極端子21、23とカソード電極端子22、24を備え、電極端子21と22は1つの組であり、配線2A、2Cが並列に接続され、電極端子23と24は1つの組であり、配線2B、2Dが並列に接続される。なお、図4においては、カソード電極端子22、24はコモンであっても良い。
図4に示すように、本発明の実施の形態2に係る発光装置200は、アノード電極端子21、23とカソード電極端子22、24を備え、電極端子21と22は1つの組であり、配線2A、2Cが並列に接続され、電極端子23と24は1つの組であり、配線2B、2Dが並列に接続される。なお、図4においては、カソード電極端子22、24はコモンであっても良い。
配線2Aは接続点211-212間にLEDパッケージL2a1、L2a2、L2a3およびダイオードD2aを直列に有し、配線2Bは接続点213-214間にLEDパッケージL2b1、L2b2、L2b3およびダイオードD2bを直列に有し、配線2Cは接続点211-215間にLEDパッケージL2c1、L2c2、L2c3を直列に有し、配線2Dは接続点213-215間にLEDパッケージL2d1、L2d2、L2d3を直列に有し、共通配線部となる接続点215-216間にダイオードD2cdを有する。なお、各配線上のLEDパッケージおよびダイオードの直並列数は、所望の光出力や入力電源装置の仕様などによって適宜調整されることが好ましい。
配線2Aと共通配線部を含む配線2Cは、各配線の閾値電圧が略同一となるよう、同種のLED素子が同じ直列数となるよう接続され、ダイオードも同種同直列数であることが好ましく、電極端子21、22間の通電で異なる電流値においても安定した発光色を得ることが可能となる。配線2B、2Dについても同様である。
本実施の形態においては、配線2A、2Bが個別発光回路であり、ダイオードD2cdを備えた共通配線部を含む配線2Cと2Dが併せて共有発光回路2CDとなる。電極端子21、22間の電流は配線2A、2Cを流れ、電極端子23、24間の電流は配線2B、2Dを流れる。
発光装置200は、電極端子21、22間のみの通電であれば、配線2A、2Cの発光による混合色を発し、電極端子23、24間のみの通電であれば、配線2B、2Dの発光による混合色を発し、電極端子21、22間および電極端子23、24間の通電であれば、配線2A、2B、2C、2Dの発光による混合色を発する。そのため、各配線上のLEDパッケージの発光色を適切に選択し、電極端子21、22間と23、24間の電流量および電流バランスを調整することで、発光装置200の光出力および発光色変化が可能となる。
電極端子21、22間および23、24間の両方で通電した場合は、配線2C、2Dに流れる電流が共にダイオードD2cdを通るため、ダイオードD2cdに電流を流すための駆動電圧が必要となることで、実施の形態1で示したのと同様に、各電極端子間の電流バランスに応じて、それぞれの電極端子間で各配線への分流比率が変化する。
図5を用いて各電極端子間の電流バランスの変化に対する発光装置200の発光色の変化を説明する。なお、xy色度図上で配線2A、2B、2C、2Dの発光色を示す色度点をそれぞれ2a、2b、2c、2dとする。
実施の形態1で示したのと同様に、電極端子21、22間のみの通電の場合、発光装置200の発光色はそれぞれ色度点2a、2cを結ぶ直線231上で、配線2A、2Cの光出力の強度比に応じた色度点2acとなる。また同様に、電極端子23、24間のみの通電の場合、発光装置200の発光色は色度点2b、2dを結ぶ直線232上で、配線2B、2Dの光出力の強度比に応じた色度点2bdとなる。
電極端子21、22間の電流が電極端子23、24間の電流に比べて十分に大きく、ダイオードD2cdに流れる電流のうち、配線2Cからの電流が支配的である場合、発光装置200の発光色は色度点2acと色度点2bを結ぶ直線233上の2ac寄りの色度点
となる。
となる。
電極端子21、22間の電流に対する電極端子23、24間の電流比が増え、電流が配線2Dを通って流れるようになると、電極端子21、22間の電流のうち、配線2Aを流れる電流比率が増え、電極端子23、24間の電流のうち、配線2Bを流れる電流比率が減るため、発光装置200の発光色は、2ac、2a間の色度点と、2bd、2b間の色度点を結ぶ直線上の色度点となり、電極端子間の電流比の変化による各配線からの光出力変化に応じて色度点は移動していく。
さらに23、24間の電流比が大きくなり、配線2Dからの電流がダイオードD2cdに流れる電流の中で支配的となり、電極端子21、22間の電流がほぼ配線1Aのみを流れるようになれば、発光装置200の発光色は、色度点2bdと2aを結ぶ直線234上の2bd寄りの色度点となる。
以上により、発光装置200の発光色はxy色度図上において緩やかな曲線2_abcを描いて変化することとなる。
特に、図5に示すように、電極端子21、22間のみの通電による発光装置200の発光色2acと電極端子23、24間のみの通電による発光装置200の発光色2bdを結ぶ直線に対して、配線2A、2Bの発光色の色度点2a、2bが正の領域に位置し、配線2C、2Dの発光色の色度点2c、2dが負の領域に位置すれば、発光装置200の発光色はxy色度図上において上向きの調色曲線を描くこととなる。
さらに、配線2A、2Bの発光色の色度点2a、2bを黒体輻射軌跡よりも正の領域に位置させ、2C、2Dの発光色の色度点2c、2dを黒体輻射軌跡よりも負の領域に位置させ、それぞれの光出力、色度点を適切に設定することにより、発光装置200の発光色を黒体輻射軌跡に沿って変化させることも可能となる。
好ましくは、色度点2ac、2bdのうち、一方は色温度3000Kよりも低い色温度の色度点であって、もう一方は色温度4000Kよりも高い色温度の色度点であることで、所謂電球色から白色までの色変化を実現することが可能である。
それぞれのダイオードD2a、D2b、D2cdはLEDなどの発光素子であっても良く、発光装置の発光効率を高くすることができる。または、電流の大きさによって電圧値の変化するその他の電子部品であっても良い。
さらに、ダイオードはそれぞれ抵抗であっても良く、電流制限抵抗となって、定電圧入力にも対応することが可能となる。各配線への電流を調整するために、配線ごとの抵抗値は異なっていても良い。
定電圧入力においては、例えば、PWM制御により各電極端子への入力電力を比較的容易に調整することが可能であり、特に各電極端子へのパルス電力入力が同期することで、各電極端子間から共有発光回路へ流れる電流量を制御し、上述のような色変化を得ることが可能となる。
定電圧入力であることで、例えば、本発明の発光装置を定電圧電源供給ラインに対して複数並列に接続し、複数の発光装置が同期して色変化するような照明システムも実現可能である。
(実施の形態3)
図6に示すように、本発明の実施の形態3に係る発光装置300は基板301上に電極端子31、32、33、34および配線パターンを有し、金線接続等によって複数のLED素子E30が接続された発光回路3A1、3A2、3B1、3B2、3C1、3C2が形成されている。各発光回路上のLED素子E30の直並列数は、所望の光出力や入力電源装置の仕様などによって適宜調整されることが好ましい。
図6に示すように、本発明の実施の形態3に係る発光装置300は基板301上に電極端子31、32、33、34および配線パターンを有し、金線接続等によって複数のLED素子E30が接続された発光回路3A1、3A2、3B1、3B2、3C1、3C2が形成されている。各発光回路上のLED素子E30の直並列数は、所望の光出力や入力電源装置の仕様などによって適宜調整されることが好ましい。
なお、発光回路3A1、3A2は電極端子31、32間に形成され、発光回路3B1、3B2は電極端子33、34間に形成され、それぞれの電極端子に対する個別発光回路となっている。また、発光回路3C1、3C2はいずれの電極端子間の通電によっても電流が流れる共有発光回路となっている。接続点313-314間、317-314間、321-324間、323-324間、315-316間、315-318間、325-322間、325-326間はいずれかの電極端子間の通電によって電流が流れる専用配線部であって、接続点314-315間、324-325間は共通配線部となる。
専用配線部はカソード側、アノード側両方に形成されていることで、回路構成が対称的な構造となり、発光装置300より対称の発光パターンが得られるため、好ましい。
以上の構成により、電極端子31、32間の通電では、発光回路3A1、3A2、3C1、3C2が発光し、電力端子33、34間の通電では、発光回路3B1、3B2、3C1、3C2が発光する。
なお、各電極端子間の発光回路上のLED素子E30は同種であって、同じ直列数で接続されていることが好ましく、より好ましくは電圧によってランク選別されたLED素子が用いられることで、電極端子31、32間で並列に接続される発光回路3A1、3A2、3C1、3C2の閾値電圧は略同一となり、また、電極端子33、34間で並列に接続される発光回路3B1、3B2、3C1、3C2の閾値電圧も略同一となることで、それぞれの電極端子間の通電において、広い電流域で安定した発光色を得ることが可能となる。
図7に示すように、各発光回路3A1、3A2、3B1、3B2、3C1、3C2上のLED素子E30は樹脂ダム303によって囲まれた発光部302内で透光性樹脂によって覆われ、それぞれ発光領域30A1、30A2、30B、30C1、30C2を形成する。
白色系の発光色が所望される場合は、紫色領域もしくは青色領域にピーク発光波長の存在するInGaN系のLED素子が用いられ、蛍光体の配合された透光性樹脂によって覆われることで、LED素子から放射された一次光の一部が蛍光体によって可視光域にスペクトル成分を有する光に変換され、白色系の光が得られる。それぞれの発光領域30A1、30A2、30B、30C1、30C2から所望する発光色が得られるように蛍光体の配合比率がそれぞれ調整されることが好ましい。
発光装置300が色変化するために、それぞれの電極端子間の個別発光回路を覆う発光領域30A1、30A2と発光領域30Bは異なる発光色を有することが好ましく、より好ましくは、共有発光回路を覆う発光領域30C1,30C2も異なる発光色を有することで、望ましい発光色の変化を得ることが可能となる。
また、発光領域30A1、30A2は同じ発光色を発するように蛍光体の混合比率などが調整されることが好ましく、発光部302から対称の発光パターンを得ることができる。また、発光領域30C1、30C2についても同様である。
発光領域30A1、30A2、30B、30C1、30C2を形成する透光性樹脂は、透光性を有する樹脂であれば限定されない。例えば、優れた耐熱性を有するシリコーン樹脂などであることが好ましい。なお、高チクソタイプの透光性樹脂と低チクソタイプの透光性樹脂が隣り合うように使われることが好ましく、各発光領域を形成することが容易となる。
樹脂ダム303は発光部302を覆う透光性樹脂を堰き止めるための樹脂であり、透明や白色などの光を吸収しにくい材質であることが好ましい。
発光回路および発光領域は、例えば、図6、7で示すように発光部302の中心に対して対称に形成されることが好ましく、発光部302から対称の発光パターンが得られ、各発光領域からの光の混合が容易となる。
以上の構成により、発光装置300は実施の形態1で示したのと同様に、各電極端子間の電流調整により、発光装置300の発光色変化がxy色度図上で曲線を描き、さらには黒体輻射軌跡に沿った色変化も実現することが可能となる。
また、回路構成やLED素子の接続、発光領域の配置などを実施の形態2で示したのと同様な構成で発光装置300を得ても良い。
なお、発光回路の一部のLED素子は同じ発光回路上の他のLED素子と異なる発光領域に配置されていても良く、発光装置300の発光部内でLED素子の配置を最適化し、発光領域ごとの光出力のバランスを調整することが可能となる。また、共有発光回路といずれかの個別発光回路が同じ蛍光体配合の樹脂で覆われた同じ発光色であっても良く、発光装置の製造がより容易となる。さらに、同じ蛍光体配合の樹脂であっても高チクソタイプの樹脂を用いるなどにより部分的に樹脂高さを変え、発光領域ごとに所望の発光色を得ても良い。
(基板)
LED素子が実装される基板301は光反射率が高く、放熱性の高い材料であることが好ましく、アルミナセラミックやアルミニウムなどが用いられ、LED素子などの部品実装や電気的接続のための配線パターンが基板上に形成される。単一の基板に発光部を含んだ全ての回路が実装された所謂チップオンボードタイプであれば、取り扱いが容易であり好ましい。
LED素子が実装される基板301は光反射率が高く、放熱性の高い材料であることが好ましく、アルミナセラミックやアルミニウムなどが用いられ、LED素子などの部品実装や電気的接続のための配線パターンが基板上に形成される。単一の基板に発光部を含んだ全ての回路が実装された所謂チップオンボードタイプであれば、取り扱いが容易であり好ましい。
(LED素子)
LED素子E30は、アノード用電極パッドとカソード用電極パッドを有し、ワイヤーもしくはバンプおよび基板上の配線パターンを介して、LED素子同士が接続されている。各回路の閾値電圧調整が容易となるよう、電圧が例えば0.1Vごとにランク選別されたLED素子を用いることが好ましい。
LED素子E30は、アノード用電極パッドとカソード用電極パッドを有し、ワイヤーもしくはバンプおよび基板上の配線パターンを介して、LED素子同士が接続されている。各回路の閾値電圧調整が容易となるよう、電圧が例えば0.1Vごとにランク選別されたLED素子を用いることが好ましい。
生産性や並列回路間の閾値電圧の調整等のため、発光装置300には同種のLED素子が搭載されることが好ましい。
なお、発光装置300は共有発光回路である配線3C1、3C2を有するため、全てが個別発光回路として構成されている場合と比べて、LED素子を有効に使うことができ、発光部302においてより大きな入力電力密度と発光密度を得ることが可能となる。
具体的には、図6に示すように、6つの発光回路を並列に有する配列において、発光装置300の各電極端子間で通電する並列回路数はそれぞれ4つであるが、個別発光回路のみからなる配列であれば、各電極端子で通電する並列回路数はそれぞれ3つとなり、本発明に関わる発光装置は並列回路数が多いためにより大きな電流を流すことができる。
(実施の形態4)
図8に示すように、本発明の実施の形態4に係る発光装置400は、アノード電極端子41、43とカソード電極端子42、44を備え、電極端子41と42は1つの組であり、配線4A、4Cが並列に接続され、電極端子43と44は1つの組であり、配線4B、4Cが並列に接続される。配線4Cと電極端子を結ぶ接続点412-417、415-417間にはスイッチング回路部Q41、Q42が備えられ、2つの組の各電極端子間の電流差に応じて、それぞれの電極端子間からの配線4Cへの電流が各スイッチング回路部により調整され、2つの電極端子間の電流比によって、発光装置400の発光色が変化する。
図8に示すように、本発明の実施の形態4に係る発光装置400は、アノード電極端子41、43とカソード電極端子42、44を備え、電極端子41と42は1つの組であり、配線4A、4Cが並列に接続され、電極端子43と44は1つの組であり、配線4B、4Cが並列に接続される。配線4Cと電極端子を結ぶ接続点412-417、415-417間にはスイッチング回路部Q41、Q42が備えられ、2つの組の各電極端子間の電流差に応じて、それぞれの電極端子間からの配線4Cへの電流が各スイッチング回路部により調整され、2つの電極端子間の電流比によって、発光装置400の発光色が変化する。
2つの電極間の電流差は、配線上の電圧値等により比較検知回路であるコンパレータ回路部405によって検知され、スイッチング回路部Q41、Q42への制御信号が与えられる。コンパレータ回路部405の構成はコンパレータ部品のみであっても、コンパレータ部品とその他電子部品との組み合わせであっても良い。また、マイコンが用いられても良く、演算処理によってスイッチング回路部への様々な信号出力が可能となる。
スイッチング回路部Q41、Q42は、トランジスタ、電界効果型トランジスタ、サイリスタなどのスイッチング素子のみであっても、スイッチング素子とその他電子部品の組み合わせであっても良い。また、オンオフ制御のみではなく、電流量の制御が行われても良く、より望ましい発光装置の色変化を得ることが可能となる。
なお、それぞれの電極端子間に流れる電流量の情報を得ることができれば、コンパレータ回路部405が電圧を検知する接続点411、414は配線上のいずれの場所であっても良く、もしくは、電力供給源部など発光装置以外の場所であっても良い。また、配線4Cは電極端子間ごとに個別であっても良い。
発光装置400は、電極端子間に流れる電流量が大きい方のスイッチング回路がオンとなるように設計されれば、LEDパッケージあたりの電流量が平準化され、もしくは、電極端子間に流れる電流量が小さい方のスイッチング回路がオンとなるように設計されれば、より広い調色範囲が実現可能となる。各スイッチング回路がオンとなる条件に応じて、各配線上のLEDパッケージの発光色を適切に選択することで、発光装置400の望ましい光出力および発光色変化が電極端子間41、42間と43、44間の電流比率の変化によって得られる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものでは無く、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1では、実施の形態1と同様の構成の発光装置を用いて試験を行った。配線1Aの発光色の色度点は(0.4907,0.4261)であり、配線1Bの発光色の色度点は(0.3818,0.4053)であり、配線1Cの発光色の色度点は(0.4686,0.4053)であった。なお、配線1C上のLEDパッケージLc1、Lc2は同じ発光色のものを用い、いずれの電極端子間の通電によっても、配線1Cの発光色は同じになるようにした。
電極端子11、12間のみを通電した時の発光色は(0.4791,0.4123)であり、電極端子13、14間のみを通電した時の発光装置の発光色は(0.4258,0.4027)であった。
電極端子11、12間および13、14間に通電する電流の和を一定として、電流の比率を変えることで、図9に示すように発光装置の光出力の色度点がxy色度図上で上向きの曲線を描いて移動する発光色の変化が確認できた。なお、2つの電極端子間の電流の和が異なる値であっても同様の発光色および発光色変化を示した。
100,200,300,400 発光装置
301 基板
11,12,13,14,21,22,23,24,31,32,33,34,41,42,43,44 電極端子
L1a1~L1c4,L2a1~L2d3,L4a1~L4c3 LEDパッケージ
D2a,D2b,D2cd ダイオード
E30 LED素子
405 コンパレータ回路
Q41,Q42 スイッチング回路
301 基板
11,12,13,14,21,22,23,24,31,32,33,34,41,42,43,44 電極端子
L1a1~L1c4,L2a1~L2d3,L4a1~L4c3 LEDパッケージ
D2a,D2b,D2cd ダイオード
E30 LED素子
405 コンパレータ回路
Q41,Q42 スイッチング回路
Claims (9)
- 第1の組の電極端子間と第2の組の電極端子間それぞれに、並列に接続された複数の発光回路を備えた発光装置であって、
それぞれの前記発光回路は半導体発光素子を有する発光部を備え、
それぞれの前記電極端子間の少なくとも1つの前記発光回路は、いずれかの前記電極端子間で通電する個別発光回路であって、
それぞれの前記電極端子間の少なくとも1つの前記発光回路は、いずれの前記電極端子間からも通電する共通配線部を有する共有発光回路であって、
前記第1の組の電極端子間のみの通電による発光色と前記第2の組の電極端子間のみの通電による発光色はそれぞれ異なることを特徴とする、発光装置。 - それぞれの前記電極端子間において、前記個別発光回路の発光色と前記共有発光回路の発光色が異なることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
- 前記第1の組の電極端子間のみの通電による発光色の色度点と前記第2の組の電極端子間のみの通電による発光色の色度点を結ぶ直線に対して、
前記個別発光回路の発光色の色度点は正の領域に存在し、
前記共有発光回路の発光色の色度点は負の領域に存在することを特徴とする、請求項2に記載の発光装置。 - 前記個別発光回路の発光色の色度点が、黒体輻射軌跡に対して正の領域に存在し、前記共有発光回路の発光色の色度点が、黒体輻射軌跡に対して負の領域に存在することを特徴とする、請求項2に記載の発光装置。
- 前記共通配線部は前記半導体発光素子を有する前記発光部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
- それぞれの前記電極端子間と前記共通配線部の間にダイオード特性を有する電子部品を備えることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
- それぞれの前記電極端子間と前記共通配線部の間に前記半導体発光素子を有する前記発光部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
- 前記共通配線部への電流は、それぞれの前記電極端子間を流れる電流の比較検知回路によって設定され、
それぞれの前記電極端子間と前記共通配線部の間にスイッチング素子を備えることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。 - 前記第1の組の電極端子と前記第2の組の電極端子と接続する分流器を備え、
前記分流器は単一の電源からの入力電流を分流することを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
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