WO2019069564A1 - 歯科用ガラス粉末及び歯科用セメント - Google Patents

歯科用ガラス粉末及び歯科用セメント Download PDF

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Abstract

本発明の一態様は、歯科用ガラス粉末において、亜鉛、ケイ素、フッ素及び銀を含み、アルミニウムを実質的に含まない。

Description

歯科用ガラス粉末及び歯科用セメント
 本発明は、歯科用ガラス粉末及び歯科用セメントに関する。
 歯科用ガラス粉末としては、アルミノシリケートガラス粉末がよく用いられている。
 アルミノシリケートガラス粉末は、主成分として、Al(III)及びSi(IV)の酸化物を含むガラス粉末である。アルミノシリケートガラス粉末の中でも、フルオロアルミノシリケートガラス粉末は、フッ素による歯質強化効果や、齲蝕予防効果が期待されていることから、歯科用の材料に広く用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
 フルオロアルミノシリケートガラス粉末の用途としては、歯科用セメント(グラスアイオノマーセメント)が知られている。
 グラスアイオノマーセメントは、一般に、フルオロアルミノシリケートガラス粉末と、ポリカルボン酸系重合体及び水を含む液体から構成され、フルオロアルミノシリケートガラス粉末と、ポリカルボン酸系重合体の酸塩基反応により、フルオロアルミノシリケートガラス粉末から溶出したAl3+と、ポリカルボン酸系重合体の共役塩基がイオン架橋し、硬化する。
特開昭62-67008号公報 特開昭63-201038号公報
 しかしながら、歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び抗菌性を向上させることが望まれている。
 そこで、本発明の一態様は、歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び抗菌性を向上させることが可能な歯科用ガラス粉末を提供することを目的とする。
 本発明の一態様は、歯科用ガラス粉末において、亜鉛、ケイ素、フッ素及び銀を含み、アルミニウムを実質的に含まない。
 本発明の一態様によれば、歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び抗菌性を向上させることが可能な歯科用ガラス粉末を提供することができる。
 次に、本発明を実施するための形態を説明する。
 <歯科用ガラス粉末>
 本実施形態の歯科用ガラス粉末は、亜鉛、ケイ素、フッ素及び銀を含み、アルミニウムを実質的に含まない。これにより、歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び抗菌性を向上させることができる。
 本願明細書及び特許請求の範囲において、アルミニウムを実質的に含まないとは、アルミニウムの含有量が、酸化アルミニウム(Al)に換算した量で1質量%以下であることを意味する。
 これは、歯科用ガラス粉末の原料組成物にアルミニウム化合物を配合しない場合でも、歯科用ガラス粉末の製造工程において、不純物として、アルミニウム化合物が混入する場合や、歯科用ガラス粉末の組成を評価する蛍光X線分析装置の検出誤差等を考慮したものである。歯科用ガラス粉末の原料組成物にアルミニウム化合物を配合しなければ、歯科用ガラス粉末中のアルミニウムの含有量は、酸化アルミニウム(Al)に換算した量で、通常、1質量%を超えることはない。
 歯科用ガラス粉末中のアルミニウムの含有量は、酸化アルミニウム(Al)に換算した量で、0~0.5質量%であることが好ましく、0~0.3質量%であることがさらに好ましい。
 歯科用ガラス粉末中の亜鉛の含有量は、酸化亜鉛(ZnO)に換算した量で、10~60質量%であることが好ましく、15~58質量%であることがより好ましく、20~55質量%であることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末中の亜鉛の含有量が、酸化亜鉛(ZnO)に換算した量で、10質量%以上であることにより、歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果を向上させることができ、60質量%以下であることにより、歯科用ガラス粉末の透明性を向上させることができる。
 歯科用ガラス粉末中のケイ素の含有量は、酸化ケイ素(SiO)に換算した量で、15~50質量%であることが好ましく、20~40質量%であることがさらに好ましい。ここで、ケイ素は、ガラス中で網目を形成する役割を果たす。歯科用ガラス粉末中のケイ素の含有量が、酸化ケイ素(SiO)に換算した量で、15質量%以上であることにより、歯科用ガラス粉末の透明性を向上させることができ、50質量%以下であることにより、歯科用セメントの硬化性を向上させることができる。
 歯科用ガラス粉末中のフッ素(F)の含有量は、1~30質量%であることが好ましく、2~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末中のフッ素(F)の含有量が1質量%以上であることにより、歯質の強化を期待することができ、30質量%以下であることにより、歯科用セメントの硬化性を向上させることができる。
 歯科用ガラス粉末中の銀の含有量は、酸化銀(AgO)に換算した量で、1~15質量%であることが好ましく、2~14質量%であることがより好ましく、3~12質量%であることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末中の銀の含有量が、酸化銀(AgO)に換算した量で、1質量%以上であることにより、歯科用ガラス粉末の抗菌性を向上させることができ、15質量%以下であることにより、歯科用ガラス粉末の透明性を向上させることができる。
 歯科用ガラス粉末は、カルシウム、リン、ストロンチウム、ランタン、ナトリウム、カリウム等をさらに含んでいてもよい。
 歯科用ガラス粉末中のカルシウムの含有量は、酸化カルシウム(CaO)に換算した量で0~30質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末がカルシウムを含有することにより、歯科用セメントの操作性を向上させることができる。
 歯科用ガラス粉末中のリンの含有量は、酸化リン(V)(P)に換算した量で0~10質量%であることが好ましく、0~5質量%であることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末がリンを含有することにより、歯科用セメントの操作性を向上させることができる。
 歯科用ガラス粉末中のストロンチウムの含有量は、酸化ストロンチウム(SrO)に換算した量で0~40質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末がストロンチウムを含有することにより、歯科用セメントの硬化物のX線造影性を向上させることができる。
 歯科用ガラス粉末中のランタンの含有量は、酸化ランタン(La)に換算した量で0~50質量%であることが好ましく、10~40質量%であることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末がランタンを含有することにより、歯科用セメントの硬化物の耐酸性を向上させることができる。
 歯科用ガラス粉末中のナトリウムの含有量は、酸化ナトリウム(NaO)に換算した量で0~15質量%であることが好ましく、1~10質量%であることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末がナトリウムを含有することにより、歯科用ガラス粉末の透明性を向上させることができる。
 歯科用ガラス粉末中のカリウムの含有量は、酸化カリウム(KO)に換算した量で0~10質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末がカリウムを含有することにより、歯科用ガラス粉末の透明性を向上させることができる。
 本実施形態の歯科用ガラス粉末は、歯科用セメント等に適用することができる。
 <歯科用ガラス粉末の製造方法>
 本実施形態の歯科用ガラス粉末は、亜鉛化合物、ケイ素化合物、フッ素化合物及び銀化合物を含み、アルミニウム化合物を含まない原料組成物を溶融させた後、粉砕することにより製造することができる。
 亜鉛化合物としては、特に限定されないが、酸化亜鉛、フッ化亜鉛等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 ケイ素化合物としては、特に限定されないが、無水ケイ酸等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 フッ素化合物としては、特に限定されないが、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化ナトリウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 銀化合物としては、特に限定されないが、酸化銀、塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、フッ化銀、臭化銀、ヨウ化銀等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 原料組成物は、カルシウム化合物、リン化合物、ストロンチウム化合物、ランタン化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物等をさらに含んでいてもよい。
 カルシウム化合物としては、特に限定されないが、フッ化カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 リン化合物としては、特に限定されないが、リン酸カルシウム、リン酸ストロンチウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 ストロンチウム化合物としては、特に限定されないが、フッ化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、酸化ストロンチウム、リン酸ストロンチウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 ランタン化合物としては、特に限定されないが、フッ化ランタン、酸化ランタン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 ナトリウム化合物としては、特に限定されないが、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、フッ化ナトリウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 カリウム化合物としては、特に限定されないが、フッ化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二カリウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
 なお、原料組成物における各化合物は、歯科用ガラス粉末のアルミニウム以外の組成に対応するように配合すればよい。
 本実施形態の歯科用ガラス粉末の数平均粒子径は、0.02~30μmであることが好ましく、0.02~20μmであることがさらに好ましい。歯科用ガラス粉末の数平均粒子径が0.02μm以上であることにより、歯科用セメントの操作性を向上させることができ、30μm以下であることにより、歯科用セメントの硬化物の耐摩耗性を向上させることができる。
 <歯科用セメント>
 本実施形態の歯科用セメントは、本実施形態の歯科用ガラス粉末を含む第一の成分と、ポリカルボン酸系重合体及び水を含む第二の成分を有する。このため、第一の成分と第二の成分を混合すると、歯科用ガラス粉末とポリカルボン酸系重合体の酸塩基反応により、歯科用ガラス粉末から溶出したZn2+と、ポリカルボン酸系重合体の共役塩基がイオン架橋し、硬化する。
 ポリカルボン酸系重合体としては、特に限定されないが、α,β-不飽和カルボン酸の単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。
 α,β-不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2-クロロアクリル酸、3-クロロアクリル酸、アコニット酸、メサコン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、グルタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
 また、ポリカルボン酸系重合体は、α,β-不飽和カルボン酸と、α,β-不飽和カルボン酸と共重合することが可能な成分との共重合体であってもよい。
 α,β-不飽和カルボン酸と共重合することが可能な成分としては、例えば、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸エステル、アクリル酸塩類、塩化ビニル、塩化アリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
 この場合、ポリカルボン酸系重合体を構成するモノマーに対するα,β-不飽和カルボン酸の割合は、50質量%以上であることが好ましい。
 ポリカルボン酸系重合体は、アクリル酸またはイタコン酸の単独重合体または共重合体であることが特に好ましい。
 ここで、第一の成分は、粉末成分及び液体成分のいずれであってもよい。また、第二の成分は、液体成分である。
 なお、液体成分は、液状及びペースト状のいずれであってもよい。
 歯科用セメントは、第一の成分と、第二の成分を混合した後、練和して、歯科用セメントの練和物を調製することにより使用する。
 なお、ポリカルボン酸系重合体は、少なくとも一部が粉末であってもよい。
 歯科用セメントの練和物を調製する際の、第二の成分に対する第一の成分の質量比は、1~5であることが好ましい。第二の成分に対する第一の成分の質量比が1以上であることにより、歯科用セメントの硬化物の強度を向上させることができ、5以下であることにより、歯科用セメントの操作性を向上させることができる。
 以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
 <実施例1~7>
 酸化亜鉛(ZnO)、無水ケイ酸(SiO)、フッ化カルシウム(CaF)、酸化銀(AgO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)、フッ化ストロンチウム(SrF)、酸化リン(P)、酸化ランタン(La)及びフッ化ナトリウム(NaF)を所定の比率で配合した後、乳鉢を用いて、充分に混合撹拌し、原料組成物を作製した。原料組成物を白金るつぼに入れ、電気炉内に設置した。電気炉を1300℃まで昇温し、溶融させて十分均質化した後、水中に流し出し、塊状のガラスとした。得られた塊状のガラスを、アルミナ製のボールミルを用いて、20時間粉砕した後、120メッシュの篩を通過させ、ガラス粉末を作製した。
 <比較例1~4>
 原料組成物を作製する際に、酸化アルミニウム(Al)を加え、所定の比率で配合した以外は、実施例1~7と同様にして、ガラス粉末を作製した。
 <比較例5、6>
 原料組成物を作製する際に、酸化銀(AgO)を加えず、所定の比率で配合した以外は、実施例1~7と同様にして、ガラス粉末を作製した。
 次に、ガラス粉末の数平均粒子径及び組成を評価した。
 <ガラス粉末の数平均粒子径>
 レーザー回折散乱式粒度分布計LA-950(堀場製作所社製)を用いて、ガラス粉末の粒度分布を測定したところ、実施例及び比較例の何れのガラス粉末も数平均粒子径が6~9μmであった。
 <ガラス粉末の組成>
 蛍光X線分析装置ZSX Primus II(リガク社製)を用いて、ガラス粉末を分析し、組成を求めた。
 表1に、ガラス粉末の組成[質量%]の評価結果を示す。
 なお、実施例1~7、比較例5、6のガラス粉末は、原料組成物を作製する際に、アルミニウム化合物を加えていないが、0.3~0.7質量%の酸化アルミニウム(Al)が検出された。この原因は、塊状のガラスを粉砕する際に用いた、アルミナ製のボールやアルミナ製のポット由来のアルミナの混入、あるいは、蛍光X線分析装置の検出誤差であると考えられる。
 次に、セメントの歯質脱灰抑制効果及び抗菌性を評価した。
 <セメントの練和物の調製>
 第一の成分としての、ガラス粉末と、第二の成分としての、ポリアクリル酸の50質量%水溶液とを、第二の成分に対する第一の成分の質量比が2.3となるように混合した後、練和し、セメントの練和物を作製した。
 <歯質脱灰抑制効果>
 牛歯象牙質を注水下、耐水研磨紙#1200で研磨し、平坦にした後、牛歯象牙質の研磨面に、直径が3mmの穴が開いているポリテトラフルオロエチレン製のシールを貼り付けた。次に、シールが貼り付けられた牛歯象牙質の研磨面の穴の表面の半分にセメントの練和物を塗布した後、温度37℃、相対湿度100%RHの恒温槽中に24時間静置し、セメントの練和物を硬化させた。次に、硬化物が形成された牛歯象牙質を37℃の脱灰液に24時間浸漬した。このとき、シールが貼り付けられた牛歯象牙質の研磨面の穴の表面の半分の硬化物が形成されておらず、脱灰液が触れる面を試験面とした。
 ここで、脱灰液は、50mM酢酸水溶液、1.5mM塩化カルシウム水溶液及び0.9mMリン酸二水素カリウム水溶液の混合液であり、pHが4.5である。
 次に、精密切断機を用いて、厚さが1mmとなるように、硬化物が形成された牛歯象牙質を切断し、試験体を作製した。
 次に、X線検査装置を用いて、透過法により試験体を撮影し、画像処理ソフトを用いて、撮影画像を解析し、ミネラルロス量を求め、歯質脱灰抑制効果を評価した。
 なお、歯質脱灰抑制効果の判定基準は、以下の通りであり、ミネラルロス量が小さい程、歯質脱灰抑制効果が高くなる。
 良い:ミネラルロス量が2300体積%・μm未満である場合
 悪い:ミネラルロス量が2300体積%・μm以上2800体積%・μm未満である場合
 非常に悪い:ミネラルロス量が2800体積%・μm以上である場合
 一方、セメントの練和物を塗布しなかった以外は、上記と同様にして、作製した試験体の歯質脱灰抑制効果を評価したところ、ミネラルロス量は、4231体積%・μm以上であった。
 <抗菌性>
 直径10mm、厚さ2mmの型にセメントの練和物を充填した後、温度37℃、相対湿度100%RHの環境下で1時間静置し、セメントの練和物を硬化させた。次に、硬化物を型から取り出した後、10mLのブレインハートインフュージョン(BHI)培地中に24時間浸漬した。次に、BHI培地から硬化物を取り除いた後、OD600値が0.01となるようにストレプトコッカス・ミュータンス(S.mutans)を播種し、37℃で24時間培養した。次に、S.mutansを培養したBHI培地のOD600値を測定し、抗菌性を評価した。
 ここで、OD600値は、波長600nmの光学濃度を意味し、プレートリーダーSpectraMax M2(モレキュラーデバイスジャパン社製)を用いて、測定した。
 なお、抗菌性の判定基準は、以下の通りであり、OD600値が小さい程、抗菌性が高くなる。
 良い:OD600値が0.10未満である場合
 悪い:OD600値が0.10以上0.20未満である場合
 非常に悪い:OD600値が0.20以上である場合
 表1に、セメントの歯質脱灰抑制効果及び抗菌性の評価結果を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1から、実施例1~7のガラス粉末を含むセメントは、歯質脱灰抑制効果及び抗菌性が高いことがわかる。
 これに対して、比較例1~4のガラス粉末を含むセメントは、ガラス粉末中の酸化アルミニウム(Al)の含有量が21.3~25.4質量%であるため、歯質脱灰抑制効果が低い。
 また、比較例1、2、5、6のガラス粉末を含むセメントは、ガラス粉末が銀を含まないため、抗菌性が低い。
 本国際出願は、2017年10月2日に出願された日本国特許出願2017-192518号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2017-192518号の全内容を本国際出願に援用する。

Claims (2)

  1.  亜鉛、ケイ素、フッ素及び銀を含み、
     アルミニウムを実質的に含まないことを特徴とする歯科用ガラス粉末。
  2.  請求項1に記載の歯科用ガラス粉末を含む第一の成分と、
     ポリカルボン酸系重合体及び水を含む第二の成分を有することを特徴とする歯科用セメント。
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