WO2019065920A1 - 太陽電池システム - Google Patents

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章吾 吉田
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大三 伊井
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Abstract

太陽光を吸収することで発電する太陽電池システムであって、前記太陽電池システムは、積層構造体と前記積層構造体の周辺部に配置された発電用セルを備え、前記積層構造体は、波長変換材料を含有する透明シート状部材と、第1の透明シートとが積層されており、前記波長変換材料の最大発光波長が780nm以上であり、前記第1の透明シートの屈折率na1が前記透明シート状部材の屈折率nbよりも高い、太陽電池システムである。本発明によれば、透明層表面から入射され、内部において、近赤外線などの高波長の光に変換された光を、側面に効率よく導くことが可能な透明層及び発電用セルを備える太陽電池システムを提供することができる。

Description

太陽電池システム
 本発明は、窓において太陽光発電などに使用される太陽電池システムに関する。
 ビルなどの比較的高層の建築物の場合、太陽光パネルを設置できるスペースを確保しにくく、創エネルギーが不十分であるため、窓に太陽電池を設置することが実用化されている。具体的には、合わせガラスの中間層や、複層ガラスのガラスとガラスの間に、太陽電池モジュールを設けたものが知られている。しかし、太陽電池モジュールは、一般的に透明性に乏しく視界を塞いでしまうことが多い。また、透明性が高い有機太陽電池も実用されてはいるが、耐久性が低いという課題がある。
 そのような課題を解決するために、窓枠などの窓の周辺部に太陽光パネルが設置されることが検討されている。例えば、ガラスなどの透明部材に、紫外線、可視光線または赤外線を近赤外線に波長変換する波長変換材料を含有させて、波長変換材料により波長変換された光をガラス側面に集光して発電する太陽放射変換装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開2015/047084号
 しかしながら、特許文献1に開示された太陽放射変換装置では、近赤外線に波長変換された光が、ガラス側面に集光されずに透過する光が多く存在し、発電効率は十分ではない。また、建築物の窓に特許文献1の太陽放射変換装置を適用すると、近赤外線に波長変換された光が、室内に入射されて室内の温度上昇を招くことがある。
 本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、表面から入射され、内部において、近赤外線などの高波長の光に変換された光を、側面に効率よく導くことが可能な積層構造体と、発電用セルを備える太陽電池システムを提供することである。
 本発明者らは、鋭意検討した結果、積層構造体と、積層構造体の周辺部に配置された発電用セルとを備える太陽電池システムにおいて、積層構造体を構成する各層の屈折率を調整し、かつ波長変換材料として、特定種類のものを用いることで、上記課題が解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
 すなわち、本発明は、以下の[1]~[7]を提供するものである。
[1]太陽光を吸収することで発電する太陽電池システムであって、積層構造体と前記積層構造体の周辺部に配置された発電用セルを備え、前記積層構造体は、波長変換材料を含有する透明シート状部材と第1の透明シートとが積層されており、前記波長変換材料の最大発光波長が780nm以上であり、前記第1の透明シートの屈折率na1が前記透明シート状部材の屈折率nよりも高い、太陽電池システム。
[2]前記透明シート状部材の屈折率nが1.30~1.80である、上記[1]に記載の太陽電池システム。
[3]前記透明シート状部材の屋外側に第1の透明シートが配置された、上記[1]又は[2]に記載の太陽電池システム。
[4]前記積層構造体が、前記透明シート状部材と、前記透明シート状部材の両面に設けられる第1及び第2の透明シートとを備える、上記[1]~[3]のいずれかに記載の太陽電池システム。
[5]前記第2の透明シートの屈折率na2が透明シート状部材の屈折率nよりも高い、上記[4]に記載の太陽電池システム。
[6]前記透明シート状部材が、樹脂を含有しており、該樹脂中に前記波長変換材料が分散されている、上記[1]~[5]のいずれかに記載の太陽電池システム。
[7]前記第1の透明シートが、無機ガラス及び有機ガラスのいずれかである、上記[1]~[6]のいずれかに記載の太陽電池システム。
 本発明によれば、積層構造体の側面への集光量が多いことにより発電効率が高い太陽電池システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る積層構造体を示す模式的な断面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池システムを示す模式的な断面図である。
 本発明の太陽電池システムは、太陽光を吸収することで発電する太陽電池システムであって、前記太陽電池システムは積層構造体と前記積層構造体の周辺部に配置された発電用セルを備える。積層構造体は、波長変換材料を含有する透明シート状部材と第1の透明シートとが積層されており、前記波長変換材料の最大発光波長が780nm以上であり、前記第1の透明シートの屈折率na1が前記透明シート状部材の屈折率nよりも高いことを特徴としている。
 本発明の太陽電池システムは、積層構造体の一方の面に入射された太陽光等の光の少なくとも一部を、波長変換材料によって長波長の光に変換した上で、積層構造体内部で反射させつつ、積層構造体の側面まで導いて、発電用セルに入射させて発電するものである。なお、本明細書において、積層構造体の一方の面とは、積層構造体の積層方向に対して直交する積層構造体の表面を意味し、積層構造体の他方の面とはその一方の面の反対側の面を意味する。
 本発明の太陽電池システムの発電効率が高い理由は定かではないが、以下のように推定される。相対的に屈折率の低い透明シート状部材内で発光した最大発光波長が780nm以上の光の一部は、相対的に屈折率の高い第1の透明シートに進入する。第1の透明シートに進入した光は、屈折率の高い第1の透明シートと屈折率の低い空気との界面で反射しやすく、積層構造体内に留まりやすい。そのため、波長変換材料により発光した光が、積層構造体の側面に集光しやすくなり、これにより、発電用セルの受光量が増大し、太陽電池システムの発電効率が向上するものと考えられる。
[積層構造体]
 積層構造体は、波長変換材料を含有する透明シート状部材と第1の透明シートとが積層された2層以上の積層体である。第1の透明シートの屈折率na1は、透明シート状部材の屈折率nよりも高い。これにより、積層構造体の側面に導かれる光の量が多くなる。
 第1の透明シートの屈折率na1と透明シート状部材の屈折率nの差na1-nは、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上である。na1-nの上限は特に限定はされないが、通常は0.5以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下である。このようなna1-nとすることにより、積層構造体の側面に導かれる光の量が多くなりやすい。
 積層構造体の側面に導かれる光の量を高める観点から、透明シート状部材の屈折率nは、1.30~1.80であることが好ましく、1.40~1.60であることがより好ましい。そして、第1の透明シートの屈折率na1は、1.35~1.85であることが好ましく、1.45~1.65であることがより好ましい。屈折率は、実施例で記載する方法により測定することができる。
 積層構造体の可視光線透過率は、5%以上であることが好ましい。可視光線透過率を5%以上とすると、積層構造体は一定量の光を透過することになる。それにより、積層構造体は、一方の面に入射された太陽光などの光の一部を透過させ、他方の面から出射させることになるので、透明性を有する窓として使用することが可能になる。
 積層構造体の可視光線透過率は、積層構造体の透明性を高める観点から、好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。また、積層構造体の可視光線透過率は100%以下であればよいが、実用的には99%以下である。なお、本発明における可視光線透過率は、380nm以上780nm未満の波長の平均の透過率を意味する。
 本発明の太陽電池システムでは、後述するように積層構造体を建築物、乗り物等の室外窓用として使用できる。その場合、透明シート状部材の屋外側に第1の透明シートを配置することが好ましい。これにより、波長変換材料を含有する透明シート状部材の劣化を防ぎやすくなる。
 積層構造体は、透明シート状部材と第1の透明シートのみからなる2層構造であってもよいし、さらに他の層を積層した3層構造以上であってもよい。
 また、積層構造体は、3層構造以上であることが好ましく、中でも図1に示すように透明シート状部材10と、透明シート状部材10の両面に設けられる第1の透明シート11及び第2の透明シート12とを備える積層構造体20であることが好ましい。第1の透明シート11は透明シート状部材10の屋外側最外層に配置され、第2の透明シート12は透明シート状部材10の屋内側最外層に配置されている。
 また、積層構造体20には、第1の透明シート11側から、太陽光などの光が入射される。この際、透明シート状部材10中に含有された波長変換材料により、入射された太陽光の一部が近赤外光領域の光に波長変換されて、積層構造体の両表面で反射を繰り返して側面に集光されるため、側面に導かれる光の量を増加させやすくなる。
 第2の透明シートの屈折率na2は透明シート状部材の屈折率nよりも高いことが好ましい。これにより、積層構造体の側面側に導かれる光の量がより多くなる。すなわち、第1の透明シートの屈折率na1及び第2の透明シートの屈折率na2をともに、透明シート状部材の屈折率nよりも大きくすることで、積層構造体の側面に導かれる光の量が大きくなる。
 第2の透明シートの屈折率na2と透明シート状部材の屈折率nの差na2-nは、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上である。na2-nの上限は特に限定はされないが、通常は0.5以下、好ましくは0.3以下である。このようなna2-nとすることにより、積層構造体の側面側に導かれる光の量が増加しやすい。
 第2の透明シートの屈折率na2の好ましい範囲は、第1の透明シートの屈折率na1の好ましい範囲と同様である。
 また、積層構造体20は、波長変換材料を含有する透明シート状部材が第1及び第2の透明シートに挟まれた構造であるため、透明シート状部材の劣化が効果的に抑制される。
 なお、積層構造体はこのような層構成のみに限定されず、他のいかなる層構成を有してもよい。例えば、第1の透明シート、透明シート状部材、第2の透明シート以外の層が設けられてもよいし、例えば、透明シート状部材と第1の透明シートなどとの接着性が低い場合は、その間に接着層を設けてもよい。また、波長変換材料から発光された光を、より効率的に積層構造体の側に導き、発電効率を高める観点から、金属膜、熱線反射フィルム、赤外線反射フィルムなどの反射層を、例えば第2の透明シートの一方の表面などに設けてもよい。
(透明シート状部材)
 本発明の透明シート状部材は、上記したように波長変換材料を含有するものである。波長変換材料としては、短波長側の光を、780nm以上の最大発光波長を有する光に変換する材料を使用すればよい。波長変換材料の最大発光波長が780nm未満であると、積層構造体の側面に導かれる光の量が少なく、発電用セルの発電効率が低くなる。波長変換材料の最大発光波長は、積層構造体の側面に導かれる光の量を増加させ、発電効率を高くする観点から、好ましくは800nm以上であり、さらに好ましくは820nm以上である。波長変換材料の最大発光波長は、その上限は特に限定されないが、一般的な波長変換材料によって波長変換して発光できるように、1400nm以下が好ましく、1300nm以下がより好ましい。
 波長変換材料の最大励起波長は、好ましくは420nm以下、より好ましくは400nm以下、さらに好ましくは390nm以下であり、特に好ましくは380nm以下であり、そして通常は200nm以上、好ましくは300nm以上である。このような最大励起波長であると、紫外線を吸収し、近赤外光などに変換しやすい。
 波長変換材料としては具体的には、スズ酸バリウム(BaSnO3)、イッテルビウム及びセリウムを含む混合結晶、プラセオジム及びイッテルビウムを含む混合結晶、ビスマス及びイッテルビウムを含む混合結晶、ツリウムイオンなどのランタノイドイオンを有する波長変換材料などが挙げられる。これらの中では、可視光領域の吸収が少なくシート状構造体の透明性を良好にできることから、スズ酸バリウムを使用することが好ましい。なお、スズ酸バリウムとしては鉄、亜鉛などの金属イオンをドープしたものでもよい。さらに、波長変換材料としては、YSO(YSiO)にイッテルビウム及びセリウムをドープしたもの(YSO:Ce,Yb)、YSO(YSiO)にプラセオジム及びイッテルビウムをドープしたもの(YSO:Pr,Yb)を使用してもよい。
 波長変換材料は、粒子状のものを使用すればよく、その平均粒径は好ましくは0.01~1μmである。
 透明シート状部材は、透明であれば特に限定されず、各種樹脂、無機ガラスなどのマトリックス材料を制限なく使用でき、これらのマトリクス材料に波長変換材料が含有されていればよい。透明シート状部材としては、マトリクス材料として樹脂を含有し、その樹脂中に波長変換材料を分散させた発光層からなることが好ましい。
 本発明においては、透明シート状部材の両面に第1及び第2の透明シートが設けられた積層構造体の場合、樹脂としては、熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。熱可塑性樹脂を使用することで、透明シート状部材は、接着層としての機能を果たしやすくなり、透明シート状部材を第1の透明シート及び第2の透明シートに接着させやすくなる。また、この場合、積層構造体の耐衝撃性が良好となる。
 波長変換材料の含有量はマトリクス材料100質量部に対して、0.01~3質量部が好ましく、0.02~1.5質量部がより好ましく、0.03~1.0質量部がさらに好ましい。
 波長変換材料の含有量をこれら下限値以上とすることで、十分に発光することが可能になる。また、これら上限値以下とすることで、積層構造体の透明性が必要以上に低下することが防止できる。
 透明シート状部材に使用する熱可塑性樹脂としては、屈折率が第1の透明シート又は第1及び第2の透明シートより低くなるように適宜選択されればよい。具体的には、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、及び熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これら樹脂を使用することで、第1の透明シート及第2の透明シートなどに対する接着性を確保しやすくなる。熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの中では、透明シート状部材に可塑剤を含有させた場合に、ガラスに対して優れた接着性を発揮する点から、ポリビニルアセタール樹脂が特に好適である。
(ポリビニルアセタール樹脂)
 透明シート状部材に使用されるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。
 上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
 上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量の好ましい下限は15モル%、好ましい上限は35モル%である。水酸基量を15モル%以上とすることで、第1の透明シート及び第2の透明シートとの接着性、特に第1の透明シート及び第2の透明シートが無機ガラスである場合の接着性が良好になりやすくなり、積層構造体の耐貫通性なども良好になりやすくなる。また、水酸基量を35モル%以下とすることで、透明シート状部材が硬くなり過ぎたりすることを防止する。上記水酸基量のより好ましい下限は25モル%、より好ましい上限は33モル%である。
 ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を用いる場合も、同様の観点から、水酸基量の好ましい下限は15モル%、好ましい上限は35モル%であり、より好ましい下限は25モル%、より好ましい上限は33モル%である。
 なお、上記アセタール化度及び上記水酸基量は、例えば、JIS  K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定することができる。
 ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより調製することができる。ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80~99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
 ポリビニルアセタール樹脂の重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は4000である。重合度を500以上することで、積層構造体の耐貫通性が良好になる。また、重合度を4000以下とすることで、積層構造体の成形がしやすくなる。重合度のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は3600である。
 上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1~10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1~10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、n-デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n-ブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-バレルアルデヒドが好ましく、n-ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂)
 透明シート状部材に使用されるエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、非架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン-酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン-酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
 エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましくは10~50質量%、より好ましくは20~40質量%である。酢酸ビニル含量をこれら下限値以上とすることで、透明シート状部材と第1の透明シート及び第2の透明シートとの接着性、及び積層構造体の耐貫通性が良好になりやすくなる。また、酢酸ビニル含量をこれら上限値以下とすることで、透明シート状部材の破断強度が高くなり、積層構造体の耐衝撃性が良好になる。
(アイオノマー樹脂)
 透明シート状部材に使用されるアイオノマー樹脂としては、特に限定はなく、様々なアイオノマー樹脂を用いることができる。具体的には、エチレン系アイオノマー、スチレン系アイオノマー、パーフルオロカーボン系アイオノマー、テレケリックアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー等が挙げられる。これらの中では、積層構造体の機械強度、耐久性、透明性などが良好になる点、第1の透明シート及び第2の透明シートがガラスである場合のこれらとの接着性に優れる点から、エチレン系アイオノマーが好ましい。
 エチレン系アイオノマーとしては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが透明性と強靭性に優れるため好適に用いられる。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、少なくともエチレン由来の構成単位および不飽和カルボン酸由来の構成単位を有する共重合体であり、他のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
 不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。また、他のモノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、1-ブテン等が挙げられる。
 エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、該共重合体が有する全構成単位を100モル%とすると、エチレン由来の構成単位を75~99モル%有することが好ましく、不飽和カルボン酸由来の構成単位を1~25モル%有することが好ましい。
 エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和または架橋することにより得られるアイオノマー樹脂であるが、該カルボキシル基の中和度は、通常は1~90%であり、好ましくは5~85%である。
 アイオノマー樹脂におけるイオン源としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の多価金属が挙げられ、ナトリウム、亜鉛が好ましい。
 アイオノマー樹脂の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の製造方法によって、製造することが可能である。例えばアイオノマー樹脂として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを用いる場合には、例えば、エチレンと不飽和カルボン酸とを、高温、高圧下でラジカル共重合を行い、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を製造する。そして、そのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体と、上記のイオン源を含む金属化合物とを反応させることにより、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを製造することができる。
(ポリウレタン樹脂)
 ポリウレタン樹脂としては、イソシアネート化合物と、ジオール化合物とを反応して得られるポリウレタン、イソシアネート化合物と、ジオール化合物、さらに、ポリアミンなどの鎖長延長剤を反応させることにより得られるポリウレタンなどが挙げられる。また、ポリウレタン樹脂は、硫黄原子を含有するものでもよい。その場合には、上記ジオールの一部又は全部を、ポリチオール及び含硫黄ポリオールから選択されるものとするとよい。ポリウレタン樹脂は、有機ガラスとの接着性を良好にすることができる。そのため、第1の透明シート及び第2の透明シートの少なくとも一枚が有機ガラスである場合に好適に使用される。
(熱可塑性エラストマー)
 熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、脂肪族ポリオレフィンが挙げられる。
 スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。スチレン系熱可塑性エラストマーは、一般的に、ハードセグメントとなるスチレンモノマー重合体ブロックと、ソフトセグメントとなる共役ジエン化合物重合体ブロック又はその水添ブロックとを有する。スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン-イソプレンジブロック共重合体、スチレン-ブタジエンジブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体、スチレン-ブタジエン/イソプレン-スチレントリブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体、並びにその水素添加体が挙げられる。
 上記脂肪族ポリオレフィンは、飽和脂肪族ポリオレフィンであってもよく、不飽和脂肪族ポリオレフィンであってもよい。上記脂肪族ポリオレフィンは、鎖状オレフィンをモノマーとするポリオレフィンであってもよく、環状オレフィンをモノマーとするポリオレフィンであってもよい。中間膜の保存安定性、及び、遮音性を効果的に高める観点からは、上記脂肪族ポリオレフィンは、飽和脂肪族ポリオレフィンであることが好ましい。
 上記脂肪族ポリオレフィンの材料としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、trans-2-ブテン、cis-2-ブテン、1-ペンテン、trans-2-ペンテン、cis-2-ペンテン、1-ヘキセン、trans-2-ヘキセン、cis-2-ヘキセン、trans-3-ヘキセン、cis-3-ヘキセン、1-ヘプテン、trans-2-ヘプテン、cis-2-ヘプテン、trans-3-ヘプテン、cis-3-ヘプテン、1-オクテン、trans-2-オクテン、cis-2-オクテン、trans-3-オクテン、cis-3-オクテン、trans-4-オクテン、cis-4-オクテン、1-ノネン、trans-2-ノネン、cis-2-ノネン、trans-3-ノネン、cis-3-ノネン、trans-4-ノネン、cis-4-ノネン、1-デセン、trans-2-デセン、cis-2-デセン、trans-3-デセン、cis-3-デセン、trans-4-デセン、cis-4-デセン、trans-5-デセン、cis-5-デセン、4-メチル-1-ペンテン、及びビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
(可塑剤)
 透明シート状部材は、熱可塑性樹脂を含有する場合、さらに可塑剤を含有してもよい。透明シート状部材は可塑剤を含有することにより柔軟となり、その結果、積層構造体を柔軟にする。さらには、ガラス板に対する高い接着性を発揮することも可能になる。可塑剤は、熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を使用する場合にあわせて含有させると特に効果的である。
 上記可塑剤は、例えば、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ-n-オクタノエート、トリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,3-プロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,4-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,2-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、トリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4~9のアルキルアルコール及び炭素数4~9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6~8のアジピン酸エステル等が挙げられる。上記可塑剤のなかでも、トリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)が特に好適に用いられる。
 可塑剤の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましい下限は30質量部であり、好ましい上限は70質量部である。可塑剤の含有量を30質量部以上とすると、透明シート状部材が適度に柔軟になり、取り扱い性等が良好になる。また、可塑剤の含有量を70質量部以下とすると、透明シート状部材から可塑剤が分離することが防止される。可塑剤の含有量のより好ましい下限は35質量部、より好ましい上限は63質量部である。
 また、本発明の透明シート状部材は、熱可塑性樹脂を含有する場合、熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂及び可塑剤が主成分となるものであり、熱可塑性樹脂及び可塑剤の合計量が、透明シート状部材全量基準で、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
(その他添加剤)
 透明シート状部材には、必要に応じて、酸化防止剤、接着力調整剤、顔料、染料等の添加剤を含有してもよい。
 酸化防止剤は、特に限定されず、例えば、2,2-ビス[[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]オキシ]メチル]プロパン-1,3-ジオール1,3-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4’-ジメチル-6,6’-ジ(tert-ブチル)[2,2’-メチレンビス(フェノール)]、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、4,4’-ブチリデンビス-(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)等が挙げられる。
(第1の透明シート、第2の透明シート)
 第1の透明シート及び第2の透明シートは、窓に使用可能なものであればよく、具体的な例としては、無機ガラス、有機ガラスが挙げられる。無機ガラスとしては、特に限定されないが、クリアガラス、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、グリーンガラス等が挙げられる。
 また、有機ガラスとしては、特に限定されないが、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル共重合体樹脂、ポリエステルなどから構成される透明樹脂板が挙げられる。
 第1の透明シート及び第2の透明シートの双方を用いる場合は、互いに同種の材質から構成されてもよいし、別の材質から構成されてもよい。例えば、第1の透明シートが無機ガラスで、第2の透明シートが有機ガラスであってもよい。ただし、第1の透明シート及び第2の透明シートの両方が無機ガラスであるか、又は両方が有機ガラスであることが好ましい。
 第1の透明シートは、可視光線透過率が高ければ高いほうがよいが、実用的には50%以上、好ましくは60%以上である。また、第1の透明シートの可視光線透過率は、100%以下であればよく、実用的には99%以下である。
 第2の透明シートを用いる場合は、上記第1の透明シートで説明した範囲の可視光線透過率とすればよい。第1の透明シート及び第2の透明シートそれぞれは、互いに可視光透過率が同一であってもよいし、異なっていてもよい。
 また、第1の透明シートの厚さは、0.1~10mmが好ましく、0.3~7mmがより好ましい。第2の透明シートを用いる場合は、その厚さは第1の透明シートと同様の範囲とすればよい。第1の透明シート及び第2の透明シートの厚さそれぞれは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
 積層構造体の製造方法は特に限定されないが、第1の透明シートと透明シート状部材を重ね合わせて圧着する方法、あるいは、第1の透明シートと透明シート状部材の間に接着層を設けて積層する方法など種々の公知の方法を採用できる。第2の透明シートを用いる場合は、例えば、第1の透明シート及び第2の透明シートの間に、少なくとも透明シート状部材を配置して、これらを圧着などすることで一体化することで製造すればよい。
<太陽電池システム>
 本発明の太陽電池システムは、積層構造体と発電用セルとを備える。発電用セルは、積層構造体の内部において反射などされて、積層構造体の側面に導かれた光を受光できるように配置されればよい。
 図2は、一実施態様として、積層構造体20と、発電用セル21とを備える太陽電池システム22を示す。発電用セル21は、積層構造体20の側面20Aの外側に配置される。このとき、発電用セル21は、図2に示すように、積層構造体20の側面20Aに接触するように配置されてもよいし、積層構造体20の側面20Aから離れ、側面20Aに対向するように設けられてもよい。ただし、発電用セル21は、側面の外側に設ける必要はなく、積層構造体20の周辺部に設ければよく、例えば、積層構造体20に埋設されていてもよい。
 また、発電用セル21は、図2に示すように、積層構造体20の厚さ方向の全体にわたって、積層構造体20内部に伝播される光を受光できるように配置されてもよいし、厚さ方向の一部において、積層構造体20内部に伝播される光を受光できるように配置されてもよい。
[発電用セル]
 太陽電池システムにおいて使用する発電用セルは、光を電気に変換するセルであれば特に限定されない。ただし、発電用セルは、最大発光波長又はその近傍の光を高効率で電気に変換するものが好ましい。また、発電用セルは、780nm以上のいずれかの波長において発電効率が最も高くなることが好ましく、800~1400nmのいずれかの波長において発電効率が最も高くなることがより好ましく、820~1300nmのいずれかの波長において発電効率が最も高くなることがさらに好ましい。このように近赤外領域の光に対して発電効率が高いと、最大発光波長が近赤外領域にある場合に、発電効率を高くすることができる。
 発電セルの具体例として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系半導体を光電変換層に用いた発電用セル、CuInSe系やCu(In,Ga)Se系、Ag(In,Ga)Se系、CuInS系、Cu(In,Ga)S系、Ag(In,Ga)S系やこれらの固溶体、CIS系、CIGS系、GaAs系、CdTe系などで代表される化合物系半導体を光電変換層として用いた発電用セル、有機色素などの有機材料を光電変換層に用いた有機系の発電用セルなどが挙げられる。
 発電セルとしては、近赤外領域の光に対して発電効率が高くするために、シリコン系半導体、化合物半導体(CIS,CIGS)を光電変換層に用いた発電用セルが好ましい。
 本発明の太陽電池システムは、上記したように太陽電池システムを構成する積層構造体の一方の面が太陽光が入射される屋外側に配置されて使用されるものである。本発明の太陽電池システムは、各種分野に使用可能であるが、自動車、電車、船舶などの各種乗り物、ビル、マンション、一戸建て、ホール、体育館などの各種建築物等の室外窓用に使用されることが好ましい。なお、室外窓とは、本明細書では、太陽光が入射される位置に配置される窓を意味する。したがって、室外窓は、通常、建築物の外面、乗り物の外面に配置されるものであるが、二重窓の内窓などでも、太陽光が入射される位置に配置されるならば、本明細書の室外窓に包含される。
 また、太陽電池システムは、自動車においては、リアウィンドウ、サイドウィンドウ、ルーフウィンドウに使用すればよい。
 本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
 なお、本発明における各物性の測定方法、評価方法は以下のとおりである。
[最大励起波長、最大発光波長]
 最大励起波長は、装置堀場製作所Fluorolog-3により300~500nmの励起光を照射したとき、最大発光波長の条件で検出した蛍光強度が最大となる励起光の波長である。最大発光波長は、最大励起波長の光を照射したときに、780~1400nmの条件で検出した発光強度が最大となる波長である。
[透過率]
 積層構造体の380~780nmの可視光線透過率を、JISR3212に準拠して測定機器紫外可視赤外分光光度計(日立ハイテク社製、UH4150)で測定した。
[屈折率]
 各透明シート及び透明シート状部材の屈折率を、測定機器デジタルアッベ屈折計(アダコ社製、DR-A1)で測定した。
[端部光量]
 積層構造体の一方の面、すなわち第1の透明シート側から擬似太陽光を入射させ、積層構造体の側面から出射される光の光量を測定し、100×光量/入射エネルギーを端部光量(%)とした。擬似太陽光の光源としては、朝日分光株式会社製のソーラーシュミレーターHAL-C100を用い、光量の測定は、朝日分光株式会社製の光量チェッカーを用いた。
 端部光量(%)は、以下の基準で評価した。
 A:1.5%以上
 B:1.5%未満
 各実施例、比較例の各透明シートに使用した各化合物、材料は、以下のとおりである。
<ポリビニルブチラール樹脂>アセタール化度1モル%、水酸基量30.5モル%、重合度1700
<エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)>酢酸ビニル含有率30質量%
<可塑剤>トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)
<酸化防止剤>2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)
<波長変換材料>BaSnO
平均粒径50nm、最大励起波長370nm、最大発光波長840nm
<波長変換材料>YSiO:Ce,Yb
平均粒径50nm、最大励起波長360nm、最大発光波長1020nm
<波長変換材料>YSiO:Pr,Yb
平均粒径50nm、最大励起波長400nm、最大発光波長1020nm
<波長変換材料>2,5-ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル Aldrich社製
 平均粒径50nm、最大励起波長390nm、発光波長420nm
 [実施例1]
(1)透明シート状部材の作製
 ポリビニルブチラール樹脂100質量部に対して、可塑剤40質量部、酸化防止剤0.2質量部、波長変換材料としてBaSnOを0.05質量部加えて混合した。混合物を二軸異方押出機により押出成形して、膜厚760μmの透明シート状部材を作製した。
(2)積層構造体の作製
 得られた透明シート状部材を縦300mm×横300mmに切断した。第1の透明シート及び第2の透明シートとして透明なクリアガラス板(厚さ5mm×300mm×300mm)を用い、これら2枚のクリアガラス板の間に前記透明シート状部材を挟み込んで仮圧着させた。該仮圧着させたものを、オートクレーブ中で150℃、圧力1.2MPaの条件で30分間圧着し、積層構造体を得た。
 得られた積層構造体の評価結果を表1に示した。
 [実施例2~8]
 透明シート状部材に用いる樹脂、波長変換材料、第1の透明シート及び第2の透明シートとして表1、2に示すものを使用して、実施例1と同様にして、実施例2~8の積層構造体を得た。
 [比較例1]
(1)他の透明シートの作製
 ポリビニルブチラール樹脂100質量部に対して、可塑剤40質量部、酸化防止剤0.2質量部を加えて混合した。混合物を二軸異方押出機により押出成形して、膜厚760μmの他の透明シートを作製した。
(2)積層構造体の作製
 得られた他の透明シートを縦300mm×横300mmに切断した。第1の透明シート及び第2の透明シートとして透明なクリアガラス板(厚さ5mm×300mm×300mm)を用い、これら2枚のクリアガラス板の間に前記他の透明シートを挟み込んで仮圧着させた。該仮圧着させたものを、オートクレーブ中で150℃、圧力1.2MPaの条件で30分間圧着し、積層構造体を得た。
 得られた積層構造体の評価結果を表3に示した。
 [比較例2]
(1)透明シート状部材の作製
 波長変換材料として2,5-ジヒドロキシテレフタル酸ジエチルを用いた以外は、実施例1と同様にして透明シート状部材を得た。
(2)積層構造体の作製
 実施例1と同様にして積層構造体を得た。
 [比較例3]
(1)透明シート状部材の作製
 ポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部に、波長変換材料としてBaSnOを0.05質量部加えて混合した。混合物を二軸異方押出機により押出成形して、膜厚760μmの透明シート状部材を作製した。
(2)他の透明シートの作製
 比較例1と同様にして他の透明シートを得た。得られた積層構造体の評価結果を表3に示した。
(3)積層構造体の作製
 得られた透明シート状部材及び他の透明シートを縦300mm×横300mmに切断した。第1の透明シートとして透明なクリアガラス板(厚さ5mm×300mm×300mm)を用い、第1の透明シートと透明シート状部材の間に他の透明シートを挟み込んで仮圧着させた。該仮圧着させたものを、オートクレーブ中で150℃、圧力1.2Mpaの条件で30分間圧着し、積層構造体を得た。
 得られた積層構造体の評価結果を表3に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 実施例1~8より、第1の透明シートの方が、波長変換材料を含有する透明シート状部材よりも屈折率が高い積層構造体は、積層構造体の側面における光量(端部光量)が多かった。
 これに対して、波長変換材料を含まない場合(比較例1)、波長変換材料の最大発光波長が780nm未満である場合(比較例2)、第1の透明シートの方が波長変換材料を含有する透明シート状部材よりも屈折率が低い場合(比較例3)は、積層構造体の側面における光量が少なかった。
 10 透明シート状部材
 11 第1の透明シート
 12 第2の透明シート
 20 積層構造体
 20A 側面
 21 発電用セル
 22 太陽電池システム

Claims (7)

  1.  太陽光を吸収することで発電する太陽電池システムであって、
     積層構造体と前記積層構造体の周辺部に配置された発電用セルを備え、
     前記積層構造体は、波長変換材料を含有する透明シート状部材と、第1の透明シートとが積層されており、
     前記波長変換材料の最大発光波長が780nm以上であり、
     前記第1の透明シートの屈折率na1が前記透明シート状部材の屈折率nよりも高い、太陽電池システム。
  2.  前記透明シート状部材の屈折率nが1.30~1.80である、請求項1に記載の太陽電池システム。
  3.  前記透明シート状部材の屋外側に第1の透明シートが配置された、請求項1又は2に記載の太陽電池システム。
  4.  前記積層構造体が、前記透明シート状部材と、前記透明シート状部材の両面に設けられる第1及び第2の透明シートとを備える、請求項1~3のいずれかに記載の太陽電池システム。
  5.  前記第2の透明シートの屈折率na2が透明シート状部材の屈折率nよりも高い、請求項4に記載の太陽電池システム。
  6.  前記透明シート状部材が、樹脂を含有しており、該樹脂中に前記波長変換材料が分散されている、請求項1~5のいずれかに記載の太陽電池システム。
  7.  前記第1の透明シートが、無機ガラス及び有機ガラスのいずれかである、請求項1~6のいずれかに記載の太陽電池システム。
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