WO2017065252A1

WO2017065252A1 - 加熱装置

Info

Publication number: WO2017065252A1
Application number: PCT/JP2016/080478
Authority: WO
Inventors: 信是川原
Original assignee: 豊田鉄工株式会社
Priority date: 2015-10-15
Filing date: 2016-10-14
Publication date: 2017-04-20
Also published as: US10612853B2; EP3364137B1; CN108139164A; CN108139164B; EP3364137A4; JP6491072B2; US20180313608A1; EP3364137A1; JP2017075372A

Abstract

ワークを加熱するための加熱装置であって、断熱材によって囲まれた状態で外部空間から遮蔽された閉空間を形成している加熱炉（１０）と、該加熱炉（１０）内に設けられてワークを加熱するヒータと、加熱炉（１０）内でワークを支持する支持体（３０）と、支持体（３０）を保持する台座（４０）とを備える。台座（４０）は台座固定部となる柱状部（４３）と支持体保持部（４２）とが水平方向に互いに離間されている。台座（４０）は、支持体保持部を通して入力されるワークや支持体の荷重による台座（４０）の変形に対する強度を高めるリブ（４４）及び支柱（４５）を備える。

Description

加熱装置

　本発明は、熱間プレス工法にて使用される加熱装置に関する。

　車両等の高強度プレス部品の製法として、熱間プレス工法が知られている。熱間プレス工法は、高張力鋼板を約９００度の温度まで加熱し、その鋼板を相対的に低温のプレス金型にてプレス成形すると同時に急速冷却して製品に焼き入れを行うものである（特開２００８－２９１２８４号公報参照）。

　一般的に熱間プレス工法では、熱効率向上の観点から一つの加熱炉にて複数枚の鋼板を連続的に加熱する連続加熱が行われている。

　しかし、連続加熱の場合、加熱炉内部の部品は長時間高温に曝されるため、耐熱性の低い部品はクリープ現象により変形してしまうことがある。鋼板などのワークを加熱炉内で支持する支持体の台座がクリープ現象を起したとき、ワーク等の重量により台座が変形すると、各種問題が生ずる。

　例えば、搬送機により搬送された加熱前のワークを支持体上に載せる場合、台座の変形により支持体の位置が低くなっているため、支持体の高さまで搬送機上のワークを下げることができず、搬送機から支持体にワークを移し変えることができなくなる。また、加熱されたワークを支持体上から搬送機により取り出す場合も、ワークの下面に搬送機のマニピュレータを挿入することができなくなる。

　したがって、台座の変形に対する強度を高めることにより、台座が加熱炉内で長時間高温に曝されても、台座がクリープ現象により変形するのを抑制する必要がある。

　本発明の１つの態様は、ワークを加熱するための加熱装置であって、断熱材によって囲まれた状態で外部空間から遮蔽された閉空間を形成している加熱炉と、該加熱炉内に設けられてワークを加熱するヒータと、前記加熱炉内でワークを支持する支持体と、前記支持体を保持する台座とを備える。前記台座は台座固定部と支持体保持部とが互いに水平方向に離間されており、支持体保持部を通して入力されるワークや支持体の荷重による前記台座の変形に対する強度を高める補強部材を備える。実施形態によって、前記台座は加熱炉の壁に直接固定されてもよいし、介在物を介して間接的に固定されてもよい。上記の構造では台座はワークや支持体の荷重を受けて変形しやすい。しかし台座のその荷重を受ける部位に補強部材を備えるため、実施例によっては台座が加熱炉内で長時間高温に曝されて変形し易い状態となってもその変形は抑制される。

　本発明のひとつの実施形態では、前記台座が前記支持体を支持する支持面を備えており、前記補強部材は前記台座の支持面の面剛性を高める構成である。これにより、実施形態によっては台座が加熱炉内で長時間高温に曝されて変形し易い状態となっても変形は抑制される。

　ひとつの実施形態では、前記支持体は、前記加熱炉内で水平方向に２本並べて、且つ互いに離間して設けられた棒状体であり、前記台座は、前記２本の棒状体の各端部をそれぞれ前記支持体保持部を介して下側から支持している水平方向に沿って平らな平板部と、該平板部において前記２本の棒状体に挟まれた部位から下側に延び前記台座固定部を成す柱形状の柱状部とを備えて成る。ひとつの実施形態では、前記補強部材は、前記平板部における前記柱状部を挟む両側位置で前記２本の棒状体が並ぶ方向に沿って連続した状態で、前記平板部から上側あるいは下側に突出した一対のリブである。この構造では、台座の平板部には、柱状部を中心として支持体を支持する両側部位を下方に撓ませるようなモーメントが働く傾向にある。実施形態によっては補強部材としてのリブにより特に２本の棒状体同士が並ぶ方向における平板部の面剛性が高められ、加熱装置が長時間に亘って使用された場合でも上記モーメントを受けた台座の平板部がクリープ現象により変形するのを抑制することができる。

　ひとつの実施形態では、前記リブは、前記平板部において下側に突出している。実施形態によってはリブが延びる方向と２本の棒状体が延びる方向とが交叉する関係にある。しかし、上記の構造とすれば平板部の上側にある２本の棒状体と交錯することがなくリブ及び棒状体の設計の自由度を高めることができる。

　別の実施形態では、前記台座の平板部上で前記支持体保持部の位置と前記柱状部の位置とは前記２本の棒状体の長手方向で互いに離間して配置されており、前記各平板部の下側には前記２本の棒状体の各端部に対応する位置に支柱が設けられている。平板部は例えば支柱を介して加熱炉の壁に支持される。平板部を支持するには、支柱は加熱炉の壁に直接当接させてもよいし、加熱炉の壁に支持された介在物の上端に当接させてもよい。この構造では、平板部には、柱状部を支点として２本の棒状体の各端部を支持する側の部位を下方に撓ませるようなモーメントが働く傾向にある。しかし、各平板部における２本の棒状体の各端部に対応する位置を支柱を介して加熱炉の壁に支持させれば、実施形態によっては加熱装置が長時間に亘って使用された場合でも上記モーメントを受けた台座の平板部がクリープ現象により変形するのを抑制することができる。

　ひとつの実施形態では、前記支柱は、前記台座よりも耐熱性の高い材料にて形成されている。これにより、実施形態によっては台座の平板部が変形するのを抑制する機能を持った支柱が加熱炉内で長時間高温に曝されてもその機能を維持することができる。

本発明の一実施形態である多段加熱炉を持った加熱装置の側面断面図である。図１の加熱装置の平面断面図である。加熱装置におけるワークの支持体及びヒータの拡大正面図である。加熱装置の投入側及び抽出側における台座部分の拡大側面図である。図４の台座部分の拡大正面図である。加熱装置における台座の単品側面図である。加熱装置における台座の単品斜視図である。

　以下、図面を参照しながら本発明の各種実施形態を説明する。ひとつの実施形態として、本発明は熱間プレス工法にて使用される加熱炉を持った加熱装置に適用できる。各図中、矢印により加熱装置を基盤上に設置した状態における各方向を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。なお、説明の都合上、方向を示す際の「投入側」を「前」、「抽出側」を「後」ともいう。

　図１、２に示すように、加熱炉１０は、上部フレーム１１と下部フレーム１２との間に、単段ユニットが複数段積み重ねられて一体化されて構成されている。加熱炉１０は、ワークＷを上下方向に単段ユニットの段数と同数、また、前後方向に２枚収納して同時に加熱可能とされている。上下方向に収納するワークＷの枚数によって単段ユニットの積み重ね段数が決定され、前後方向に収納するワークＷの枚数及び大きさによって加熱炉１０の前後、左右方向の大きさが決定される。下部フレーム１２の下部には支持フレーム１０ａが設けられ、支持フレーム１０ａによって加熱炉１０が基盤上に支持されている。

　各単段ユニットは、投入側プレート１３ａ、抽出側プレート１３ｂ、左側面フレーム１４ａ及び右側面フレーム１４ｂを井桁状に組み合わせてなり、投入側プレート１３ａと抽出側プレート１３ｂとの間には、複数枚のヒータ受けプレート１５が前後方向に並べられた状態で介挿されている。図２では、ヒータ受けプレート１５はワークＷを支持する支持体３０の真下に位置して隠れている。

　図３に示すように、各ヒータ受けプレート１５の上には、各ヒータ受けプレート１５に跨って板状のヒータ２０が載せられている。このとき、ヒータ受けプレート１５とヒータ２０との当接部は電気的に絶縁されている。ヒータ２０は、電気コイル式ヒータ、ラジアントチューブなどであり、その電気接続が左側面フレーム１４ａ及び右側面フレーム１４ｂを介して行われている。

　図３、４に示すように、各ヒータ受けプレート１５の更に上方には、ワークＷを支持するため、耐熱金属製（例えば、ＳＵＳ３１０Ｓ）の棒状体である支持体３０が複数本左右方向に並べて前後方向に沿って設けられている。

　各支持体３０は、四角筒体であり、各ヒータ受けプレート１５と同様に、投入側プレート１３ａと抽出側プレート１３ｂとの間に介挿されている。具体的には、図４に示すように、各支持体３０の端部は、台座４０を介して投入側プレート１３ａ及び抽出側プレート１３ｂに固定されている。

　図６、７は、台座４０を示す。台座４０は平板部４１を備え、平板部４１は、水平方向に沿って平らに形成され、２本の支持体３０の各一端部を一つの連続した支持面で下側から支持している。そのため、平板部４１上には、支持体３０の各一端部を保持するための支持体保持部４２が２個設けられている。ここでは、２本の支持体３０の各一端部を保持する台座４０について説明したが、２本の支持体３０の各他端部を保持する台座についても全く同様の構成とすることができるため、詳しい説明は省略する。このように、２本の支持体３０が１セットとされて、２本の支持体３０の各両端部が１個ずつの台座４０によって保持されている。しかし実施形態によっては１つの台座４０で１本の支持体３０を保持してもよい。

　図４、５に示すように、平板部４１には柱状部４３が一体に備えられており、柱状部４３は、平板部４１における２個の支持体保持部４２に挟まれた部位を、下側で先端部プレート１６上に固定している。先端部プレート１６は、投入側プレート１３ａの壁面に固定されている。従って、台座４０は、間接的に加熱炉１０の壁（投入側プレート１３ａ）に固定されていることになる。支持体３０の他端部も同様の構造で、台座４０を介して抽出側プレート１３ｂに固定されている。

　平板部４１の下側には、補強部材の一例として一対のリブ４４が一体に形成されている。これらのリブ４４は、柱状部４３を挟む両側位置に、２個の支持体保持部４２が対向する方向に沿って連続した状態で形成されている。平板部４１にリブ４４が設けられることによって、平板部４１は、その面剛性を高められている。その結果、２個の支持体保持部４２が２本の支持体３０の重量を受けて、柱状部４３を中心として平板部４１の左右両側が下方に撓まされる荷重（モーメント）に対して平板部４１の強度を高められている。そのため、加熱装置が長時間に亘って使用された場合でも、上記モーメントを受けた台座４０の平板部４１がクリープ現象により変形するのを抑制することができる。

　実施形態によっては、リブ４４は平板部４１の上側に形成することもできる。但し、リブ４４を平板部４１の上側に形成すると、平板部４１の上側には、２個の支持体保持部４２が設けられているため、リブ４４と２個の支持体保持部４２とが互いに干渉し合わないように設計上の考慮が必要となる。それに対し、リブ４４を平板部４１の下側に形成した場合は、そういう考慮を必要とせず、リブ４４及び２個の支持体保持部４２の設計の自由度を高められるメリットがある。また、実施形態によっては台座４０の平板部４１にはリブ４４を１つのみ設けてもよいし、３つ以上設けてもよい。また複数のリブ４４は、上述のように同じ方向に沿って設ける代わりに、別の実施形態として、互いに交叉する２方向、若しくは３方向に設けてもよい。

　平板部４１の下側で、２個の支持体保持部４２に対応する位置には、それぞれ金属よりも耐熱性の高いセラミックス製の円柱形状の支柱４５が設けられている。支柱４５は、平板部４１の下側に一体化して形成された支持パイプ４６に嵌合して固定されている。一方、支柱４５の下端は、ヒータ受けプレート１５の上端に載せられて支持されている。実施形態によっては台座４０の平板部４１にはリブ４４か支柱４５のいずれか一方のみを設けてもよい。

　上述のように、平板部４１が柱状部４３を中心として２個の支持体保持部４２に対応する両側が下方に撓む力に対してはリブ４４によって補強されている。しかし、平板部４１の２個の支持体保持部４２に対応する位置は、支持体３０が延びる方向（支持体３０の長手方向）においても柱状部４３に対して離間しているため、平板部４１は、柱状部４３を支点として２個の支持体保持部４２に対応する側が下方に撓む力を受ける。その力に対して、２個の支持体保持部４２に対応する位置は、支柱４５を介してヒータ受けプレート１５に支持されているため、平板部４１が高温に曝された結果、クリープ現象により変形し易い状態となってもその変形を抑制することができる。なお、平板部４１の２個の支持体保持部４２に対応する位置は、ヒータ受けプレート１５に当接することによって支持されているが、ヒータ受けプレート１５は、上述のように投入側プレート１３ａ又は抽出側プレート１３ｂの壁面に固定されているので、平板部４１の２個の支持体保持部４２に対応する位置は、加熱炉１０の壁に支持されていることになる。

　図１にてハッチングを施して示したように、各単段ユニットの周り、上部フレーム１１の下面及び下部フレーム１２の上面には、断熱材が設けられている。そのため、加熱炉１０内は断熱材によって囲まれた状態で外部空間から遮蔽された一つの閉空間とされている。

　図１、２に示すように、単段ユニット間及び上部フレーム１１と単段ユニットとの間、並びに下部フレーム１２と単段ユニットとの間には、加熱炉１０を外部空間に対して開閉するためのシャッタ１８が各単段ユニットに対応して投入側と抽出側にそれぞれ設けられている。具体的には、シャッタ１８は、各単段ユニットにおける左側面フレーム１４ａ及び右側面フレーム１４ｂの上側及び下側に開閉可能にそれぞれ設けられている。また、シャッタ１８の内壁側にも断熱材が設けられている。

　以上の加熱装置が熱間プレス工法にて使用される場合、ヒータ２０が発熱するように通電された状態で、ワーク投入側のシャッタ１８が一つずつ順次開けられてワークＷが各単段ユニットの支持体３０上に図２、３に示すように置かれ、その後シャッタ１８が閉じられる。支持体３０上のワークＷがヒータ２０によって所定の約９００度まで加熱されると、ワーク抽出側のシャッタ１８が一つずつ順次開けられてワークＷが各単段ユニットの支持体３０上から抽出される。抽出されたワークＷは、次工程にてプレス成形されると同時に焼き入れされる。

　以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は以上の説明や図面に示した外観、構成に限定されず、当業者は本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。

Claims

　ワークを加熱するための加熱装置であって、
　断熱材によって囲まれた状態で外部空間から遮蔽された閉空間を形成している加熱炉と、
　該加熱炉内に設けられてワークを加熱するヒータと、
　前記加熱炉内でワークを支持する支持体と、
　前記支持体を保持する台座とを備え、
　前記台座は台座固定部と支持体保持部とが互いに水平方向に離間されており、支持体保持部を通して入力されるワークや支持体の荷重による変形に対する強度を高める補強部材を備える加熱装置。
　請求項１の加熱装置であって、
　前記台座が前記支持体を支持する支持面を備えており、前記補強部材が前記台座の支持面の面剛性を高める構成である加熱装置。
　請求項１または２の加熱装置であって、
　前記支持体は、前記加熱炉内で水平方向に２本並べて、且つ互いに離間して設けられた棒状体であり、
　前記台座は、前記２本の棒状体の各端部をそれぞれ前記支持体保持部を介して下側から支持している水平方向に沿って平らな平板部と、該平板部において前記２本の棒状体に挟まれた部位から下側に延び前記台座固定部を成す柱形状の柱状部とを備えて成る加熱装置。
　請求項３の加熱装置であって、
　前記補強部材は、前記平板部における前記柱状部を挟む両側位置で前記２本の棒状体が並ぶ方向に沿って連続的に前記平板部から上側あるいは下側に突出した一対のリブである加熱装置。
　請求項４の加熱装置であって、
　前記リブが前記平板部から下側に突出している加熱装置。
　請求項３の加熱装置であって、
　前記台座の平板部上で前記支持体保持部の位置と前記柱状部の位置とは前記２本の棒状体の長手方向で互いに離間しており、
　前記各平板部の下側には前記２本の棒状体の各端部に対応する位置に支柱が設けられている加熱装置。
　請求項６の加熱装置であって、
　前記支柱が前記台座よりも耐熱性の高い材料にて形成されている加熱装置。