JP2015229798A - 熱間プレス用鋼板の遠赤外線式加熱炉 - Google Patents

熱間プレス用鋼板の遠赤外線式加熱炉 Download PDF

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Abstract

【課題】フレキシブル遠赤外線ヒータを熱源とする加熱炉で熱間プレス用鋼板を所定の温度に均一に加熱し、省エネルギー及びランニングコストの低減を図る方法の提供。【解決手段】熱間プレス用鋼板15-1を略水平に支持しながら断熱状態で収容すると共に装入扉及び抽出扉を備える鋼板収容領域13-1と、上方及び下方に配置し熱間プレス用鋼板15-1を加熱する遠赤外線ヒータ0とを有する遠赤外線式加熱炉10であり、鋼板収容領域13-1は第1の鋼板収容領域13-1-1と第2の鋼板収容領域13-1-2とを有し、遠赤外線ヒータ0は、第1の遠赤外線ヒータ0-1と、第2の遠赤外線ヒータ0-2とを有し、第1の鋼板収容領域13-1-1は、装入扉を介して装入する熱間プレス用鋼板を所定時間収容し、第2の鋼板収容領域13-1-2は、第1の鋼板収容領域に配置された熱間プレス用鋼板を所定時間収容して抽出扉を介して抽出する。【選択図】図11

Description

本発明は、熱間プレス用鋼板を例えばAc点以上950℃以下に加熱する遠赤外線式加熱炉に関する。
自動車車体のいっそうの強度・剛性および衝突安全性の向上と、車体の軽量化による燃費性能の向上とを両立するため、自動車車体の構成部材の素材として高張力鋼板が広く用いられている。しかし、高張力化に伴って鋼板のプレス成形性は低下するため、鋼板を所望の形状に成形することが困難になる。
このため、プレス成形に供される熱間プレス用鋼板(ブランク)を、Ac点以上の温度に加熱した後にプレス成形して金型により抜熱・急冷して焼入れることにより、所望の形状を有する高強度のプレス成形品を製造する熱間プレス法(ホットスタンプ法)が用いられる。熱間プレス法により高強度の熱間プレス成形品を量産するためには、熱間プレス用鋼板を加熱するための加熱炉を用いる必要がある。これまでにも、この加熱炉に関する発明が提案されている。
特許文献1には、水平に互いに上下方向に配置されるとともに少なくとも一枚の熱間プレス用鋼板を収容するための複数の炉平面を有し、この炉平面に、加熱中に熱間プレス用鋼板を移動する手段が設けられた多段型加熱炉が開示される。
特許文献2には、内部に加熱室が形成された箱状の装置本体と、加熱室の内部雰囲気を約900℃に加熱する熱源とを備え、複数枚の熱間プレス用鋼板を同時加熱可能であるとともに加熱された熱間プレス用鋼板を個別に取出し可能な多段型加熱炉が開示される。
特許文献3には、熱源によって加熱される加熱室を内部に有する装置本体を備え、装置本体の前側壁に、上下に並んだ複数段の開口部が設けられ、各段の開口部毎に開閉扉が設けられた多段型加熱炉が開示される。
さらに、特許文献4には、合金化温度に熱間プレス用鋼板を加熱する第1工程と、第1工程で付与された熱エネルギを利用して熱間プレス用鋼板の第1領域をA変態点温度以上に保持するとともに、熱間プレス用鋼板の第2領域から熱エネルギを奪って第2領域をA変態点温度以下に強制冷却する第2工程とを有し、合金化の際に付与した熱エネルギを有効利用できるとともに熱処理時間を短縮できる熱処理方法が開示される。
特許文献1〜4に記載された加熱炉は、熱間プレス用鋼板を加熱する加熱源として、ガスバーナ、電気コイルヒータ、ラジアントチューブまたは電磁波加熱器等を用いる。熱間プレスを行う際には、熱間プレス用鋼板をAc点以上、例えば850〜950℃の高温域に急速に、かつ部位に依らずに均一に加熱する必要がある。さらに、近年、量産性の向上や、設備設置面積の最小化のニーズがあり、熱間プレス用鋼板を均一に加熱すると同時に高さ方向への多段化によるコンパクト化が可能な、薄型平面状で両面からの加熱できる遠赤外線式ヒータが熱源として用いられ始めている。
例えば特許文献5には、加熱炉の熱源として、発熱導体(抵抗体)を収容する溝が形成された多数の碍子を並べて、これらの碍子の溝内に遠赤外線を放射する発熱導体を通すことにより、多数の碍子をフレキシブルな板状を呈するように編み上げた構造を有して全体がパネル状を呈するように構成された、遠赤外線を放射する電気ヒータ(パネルヒータ)を用いた多段型加熱炉が開示される。
特開2007−298270号公報 特開2008−291284号公報 特開2008−296237号公報 特許第5197859号明細書 特開2014−34689号公報
しかし、本発明者の検討結果によれば、特許文献5により開示された、遠赤外線を放射するフレキシブルな板状の電気ヒータを熱源とする熱間プレス用鋼板の多段型加熱炉には、以下の課題がある。
熱間プレス用鋼板を所定の温度に加熱する際には、部位における加熱ムラの発生を極力防止し、熱間プレス用鋼板を所定の温度にできるだけ均一に加熱することが求められる。
フレキシブル遠赤外線ヒータ0を熱源として備える加熱炉を用いて熱間プレス用鋼板を加熱する際には、加熱炉の加熱室内が所定の温度(例えば、850〜950℃)に達した後、加熱炉の装入扉を開き、加熱室内に熱間プレス用鋼板を装入して所定の位置に配置した後に装入扉を閉じて熱間プレス用鋼板を所定の温度に加熱し、その後に、搬出扉を開き、加熱室内の熱間プレス用鋼板を搬出して搬出扉を閉じるという一連の作業が行われる。
このように、低温(ほぼ常温)の熱間プレス用鋼板が加熱室に装入されることに伴って、フレキシブル遠赤外線ヒータ0の温度が一時的かつ急激に低下し、熱間プレス用鋼板の昇温速度が一時的に低下してしまう。また、その昇温速度の低下の程度は、熱間プレス用鋼板の熱容量(板厚や大きさ等)により、変動する。
このため、上述の通常の一連の作業を行うのでは、熱間プレス用鋼板を所定の温度に均一に加熱することは難しい。特許文献5には、このような一連の作業を行っても熱間プレス用鋼板を所定の温度に均一に加熱するための手段は開示されていない。
本発明は、フレキシブル遠赤外線ヒータを熱源として備える加熱炉を用いて熱間プレス用鋼板を加熱する際における上述の課題を解決することができる熱間プレス用鋼板の遠赤外線式加熱炉を提供することを目的とする。
本発明者は、登録実用新案第3056522号明細書に開示されているフレキシブル面状赤外線ヒータ(以下「フレキシブル遠赤外線ヒータ」という)を、多段型加熱炉の熱源として用いて、熱間プレス用鋼板支持部材の撓みを検討した。
図1(a)〜図1(f)に示すように、このフレキシブル遠赤外線ヒータ0は、例えばAl,SiO,ZrO,TiO,SiC,CoO,Si等の遠赤外線放射セラミックスを焼結した多数の碍子本体1それぞれに電熱線貫通孔2を形成し、交互に並べられた多数の碍子本体1に電熱線4を挿入編み込んですだれ状に構成したものである。
フレキシブル遠赤外線ヒータ0は、碍子本体1の内部に設けられた電熱線に電流を流すことにより碍子本体1の内部から加熱できるため、高い昇温速度を得られ、背面からの熱損失が少ないとともに、高密度の遠赤外線エネルギを放射するために高い加熱効率を有し、さらに、フレキシブルであることから割れや変形のおそれがなく、小型から大型までその寸法も容易に設定できる。さらに、フレキシブル遠赤外線ヒータ0は、薄型でしかもその両面で加熱可能であるから、多段型加熱炉の各段に配置するヒータとしては、加熱効率や炉内温度制御性の点で好適である。
本発明は以下に記載の通りである。
(1)熱間プレス用鋼板を略水平に支持しながら断熱状態で収容するとともに前記熱間プレス用鋼板の装入扉および抽出扉を備える鋼板収容領域と、該鋼板収容領域の内部であって前記熱間プレス用鋼板の下方に配置されて該熱間プレス用鋼板を例えばAc変態点以上950℃以下に加熱する遠赤外線ヒータとを有する遠赤外線式加熱炉であって、
前記鋼板収容領域は、前記装入扉を臨む側に形成される第1の鋼板収容領域と、前記抽出扉を臨む側に前記第1の鋼板収容領域に並んで形成される第2の鋼板収容領域とを有すること、
前記遠赤外線ヒータは、遠赤外線ヒータからなるとともに前記第1の鋼板収容領域に配置される第1のヒータと、遠赤外線ヒータからなるとともに前記第2の鋼板収容領域に配置される第2のヒータとを有すること、および
前記第1の鋼板収容領域は、前記装入扉を介して装入される熱間プレス用鋼板を所定時間収容するとともに、前記第2の鋼板収容領域は、前記第1の鋼板収容領域に配置された熱間プレス用鋼板を所定時間収容して前記抽出扉を介して抽出すること
を特徴とする遠赤外線式加熱炉。
(2)前記遠赤外線ヒータは、遠赤外線放射セラミックスの焼結体である碍子本体が縦横に複数並んで面状に構成され、前記複数の碍子本体が、該複数の碍子本体それぞれに穿設された電熱線貫通孔に挿入された電熱線により互いに変位自在に連結されることにより可撓性を有する請求項1に記載された遠赤外線式加熱炉。
(3)前記第1の鋼板収容領域に配置される前記第1のヒータの制御は、前記第2の鋼板収容領域に配置される前記第2のヒータの制御より、鋭敏に出力するように制御パラメータを設定する(1)項または(2)項に記載された遠赤外線式加熱炉。
(4)前記第1の鋼板収容領域に配置される第1のヒータの設定温度は、前記第2の鋼板収容領域に配置される第2のヒータの設定温度よりも高い(1)項から(3)項までのいずれか1項に記載された遠赤外線式加熱炉。
本発明によれば、フレキシブル遠赤外線ヒータを熱源として備える加熱炉を用いて熱間プレス用鋼板を加熱する際に、熱間プレス用鋼板を所定の温度に均一に加熱することができ、これにより、加熱炉の省エネルギーおよびランニングコストの低減を図ることができる。
図1(a)はフレキシブル遠赤外線ヒータに用いられる碍子本体の平面図であり、図1(b)は碍子本体の正面図であり、図1(c)はフレキシブル遠赤外線ヒータの平面図であり、図1(d)は配列した碍子に電熱線を通してすだれ状に編み組みした状態を示す正面図であり、図1(e)は図1(c)の側面図であり、図1(f)は碍子本体を2分の1宛ずらして並べた状態を示す図である。 図2は本発明に係る遠赤外線式多段型加熱炉の炉体構造を示す説明図である。 図3は本発明に係る遠赤外線式多段型加熱炉の説明図であり、図3(a)全体外観を示す説明図であり、図3(b)は鋼板収容領域である単段ユニットを示す説明図であり、図3(c)は図3(b)におけるA−A断面図であり、図3(d)は蓋ブロックを外した状態の単段ユニットを示す説明図である。 図4(a)および図4(b)は遠赤外線式多段型加熱炉の説明図であり、2つの単段ユニットのみを示す。 図5(a)は遠赤外線式多段型加熱炉の正面図であり、図5(b)および図5(c)は遠赤外線式多段型加熱炉を二分割した状態を仮想的に示す説明図である。 図6は遠赤外線式多段型加熱炉の各単段ユニットに設けられた、蓋ブロックの開閉機構を示す説明図である。 図7(a)は単段ユニットの上面図、図7(b)は開閉機構の側面図、図7(c)は遠赤外線式多段型加熱炉の正面図、図7(d)は遠赤外線式多段型加熱炉の側面図である。 図8(a)は単段ユニットにおけるヒータの支持部材を示す説明図であり、図8(b)は支持されたヒータの上面図、図8(c)はヒータと熱間プレス用鋼板の配置関係を示す説明図、図8(d)は単段ユニットにおけるヒータの他の支持部材を示す説明図である。 図9(a)は鋼板支持部材の一例を示す説明図であり、図9(b)はこの鋼板支持部材の断面図であり、図9(c)〜図9(f)はいずれも他の一例を示す説明図である。 図10は遠赤外線式多段型加熱炉の各単段ユニットへの熱間プレス用鋼板の装入順を示すための説明図である。 図11(a)は、本発明に係る遠赤外線式加熱炉の加熱室(単段ユニット)を模式的に示す説明図であり、図11(b)は、比較例の遠赤外線式加熱炉の加熱室を模式的に示す説明図である。 図12(a)は、本発明に係る遠赤外線加熱炉による熱間プレス用鋼板の温度制御結果の一例を示すグラフであり、図12(b)は、比較例の遠赤外線式加熱炉による熱間プレス用鋼板の温度制御結果の一例を示すグラフである。 図13は、幅450mm,長さ1400mm,板厚1.6mmの普通鋼製の熱間プレス用鋼板における5点の測定位置に熱電対を取り付け、この加熱制御(ゾーン制御)を行った場合について、各測定位置の温度を経時的に示すグラフである。
本発明を、添付図面を参照しながら説明する。
1.炉体フレーム12の構造
図2は多段型加熱炉10の炉体全体図であり、鉄皮11a,11b,11cや炉体フレーム12を示す説明図である。
図3は本発明に係る遠赤外線式多段型加熱炉10の説明図であり、図3(a)は全体外観を示す説明図であり、図3(b)は鋼板収容領域である単段ユニット13−1〜13−6を示す説明図であり、図3(c)は図3(b)におけるA−A断面図であり、図3(d)は蓋ブロック16c、16dを外した状態の単段ユニット13−1〜13−6を示す説明図である。
図4(a)および図4(b)は遠赤外線式多段型加熱炉10の説明図であり、単段ユニット13−1,13−2のみを示す。
図5(a)は遠赤外線式多段型加熱炉10の正面図であり、図5(b)および図5(c)は遠赤外線式多段型加熱炉10を二分割した状態を仮想的に示す説明図である。
図2〜5に示すように、遠赤外線式多段型加熱炉10は、鋼板収容領域である単段ユニット13−1〜13−6と、遠赤外線ヒータ14−1〜14−6と、炉体フレーム12とを有する。
鋼板収容領域である単段ユニット13−1〜13−6は、周囲を取り囲んで配置される断熱材16a,16b,16e,16fにより形成される。
単段ユニット13−1〜13−6は、その内部に熱間プレス用鋼板15−1〜15−6を略水平に支持しながら収容する。単段ユニット13−1〜13−6は、上下方向へ積層して複数段(図2〜5に示す遠赤外線式多段型加熱炉10では6段)設けられる。
遠赤外線ヒータ14−1〜14−6は、鋼板収容領域である単段ユニット13−1〜13−6の内部であって、熱間プレス用鋼板15−1〜15−6の上方および下方に配置され、熱間プレス用鋼板15−1〜15−6をその上方および下方から例えばAc変態点以上950℃以下に加熱する。
遠赤外線ヒータ14−1〜14−6は、図1(a)〜図1(f)に示すように、例えばAl,SiO,ZrO,TiO,SiC,CoO,Si等の遠赤外線放射セラミックスの焼結体である碍子本体1が縦横に複数並んで面状に構成される。複数の碍子本体1は、複数の碍子本体1それぞれに穿設された電熱線貫通孔2に挿入された電熱線4により互いに変位自在に連結される。これにより、遠赤外線ヒータ14−1〜14−6は、可撓性を有するフレキシブル遠赤外線ヒータである。
遠赤外線ヒータ14−1〜14−6は、碍子本体1の内部に設けられる電熱線に電流を流すことにより碍子本体1の内部から加熱できるために、高い昇温速度を得られ、背面からの熱損失が少なく、しかも高密度の遠赤外線エネルギを放射するために高い加熱効率を有し、さらに、フレキシブルであるから割れや変形のおそれがなく、小型から大型までその寸法も容易に設定できる。遠赤外線ヒータ14−1〜14−6は、薄型でしかも両面加熱可能であるから、多段型加熱炉の各単段ユニット13−1〜13−6に配置するヒータとしては、加熱効率や炉内温度制御性の点で有効である。
炉体フレーム12は、鋼板収容領域である単段ユニット13−1〜13−6を取り囲んで配置される金属製(例えば炭素鋼製)のフレームである。
図3(b)に示すように、単段ユニット13−1〜13−6は、水平面において略矩形の外形をなす。単段ユニット13−1〜13−6は、水平面内でその周囲を包囲する断熱材16a,16b,16e,16fを有する。
単段ユニット13−1〜13−6は、矩形の外形のうちの対向する二辺に配置される略直方体形の断熱材からなる固定ブロック16a,16bと、残りの対向する二辺に配置される略直方体形の断熱材からなる固定ブロック16e,16fと、固定ブロック16e,16fに係合する蓋ブロック16c,16dとにより構成される。
蓋ブロック16c,16dは、後述する開閉機構20−1〜20−6により開閉し、閉じた状態で、固定ブロック16e,16fの前面及び上面と、固定ブロック16a,16bの長手方向の端面とに当接することにより、単段ユニット13−1〜13−6の内部を外部から断熱する。
炉体フレーム12には、各単段ユニット13−1〜13−6の配置高さと一致する高さに、鋼製のスペーサ17−1〜17−6が配置される。単段ユニット13−1〜16−6における断熱材16を構成する固定ブロック16a,16bは、断熱材16と炉体フレーム12との間に介在するスぺーサ17−1〜17−6を介して炉体フレーム12に接触する。
このため、稼働時に単段ユニット13−1〜13−6は850〜950℃の高温になっても、単段ユニット13−1〜13−6はスぺーサ17−1〜17−6を介して炉体フレーム12に接触するために、単段ユニット13−1〜13−6の熱が炉体フレーム12に直接伝導することが抑制される。このため、炉体フレーム12の熱膨張が防止される。例えば、遠赤外線式多段型加熱炉10の稼働時において、最上段の単段ユニット13−6の高さ方向中央位置の高さにおける炉体フレーム12の変位量は、0.4〜0.5mm程度であり、炉体フレーム12の熱膨張による変形は実質的に解消される。
このため、炉体フレーム12に熱応力が生じなくなり、炉体フレーム12の熱膨張や熱収縮による変形、熱応力による繰り返し負荷、操業不安定、断熱材16である耐火物の寿命低下、炉体フレーム12の亀裂等の損傷を防止でき、遠赤外線式多段型加熱炉10の保守費用の大幅な低減や遠赤外線式多段型加熱炉10の稼働率の向上を図ることができる。
2.蓋ブロック16c,16dの開閉機構20−1〜20〜6
図6は、遠赤外線式多段型加熱炉10の各単段ユニット13−1〜13−6に設けられた、蓋ブロック16c,16dの開閉機構20−1〜20〜6を示す説明図である。
開閉機構20−1〜20〜6は、各単段ユニット13−1〜13−6毎に設けられ、また、蓋ブロック16c,16dのいずれにも独立して設けられる。さらに、開閉機構20−1〜20−6は、いずれも、同一の構成要素により構成される。このため、以降の説明では、単段ユニット13−1の蓋ブロック16cの開閉機構20−1を例にとる。
図7(a)は、単段ユニット13−1の上面図、図7(b)は開閉機構20−1の側面図、図7(c)は遠赤外線式多段型加熱炉10の正面図、図7(d)は遠赤外線式多段型加熱炉10の側面図である。
開閉機構20−1は、リンク機構21−1と、ガイド22−1と、駆動機構23−1とを有する。
リンク機構21−1は、固定ブロック16a,16b,16eとの接触時における蓋ブロック16cの姿勢を維持しながら、蓋ブロック16cを支持する。リンク機構21−1としてはこの種のリンク機構として周知慣用のものを用いればよい。
ガイド22−1は、蓋ブロック16cが固定ブロック16a,16b,16eに接触して単段ユニット13−1内を断熱している場合には、リンク機構21−1を固定ブロック16a,16bの長手方向と平行な方向へ直線的に所定距離案内した後に上方または下方へ案内するとともに、蓋ブロック16cが固定ブロック16a,16b,16eから離れている場合にはリンク機構21−1を下方または上方へ案内した後に固定ブロック16a,16bの長手方向と平行な方向へ直線的に所定距離案内する。ガイド22−1としてはリンク機構21−1を移動自在に搭載するガイドレールが例示される。
さらに、駆動機構23−1は、リンク機構21−1をガイド22−1に沿って駆動する。駆動機構23−1としてはエアシリンダが例示される。
このように、開閉機構20−1は、固定ブロック16a,16b,16e,16fに接触する蓋ブロック16c,16dを、固定ブロック16a,16bの長手方向と平行な方向へ直線的に所定距離移動させて固定ブロック16a,16b,16e,16fから離した後に上方または下方へ移動させることにより単段ユニット13−1を外部と連通させるとともに、固定ブロック16a,16b,16e,16fから離れた蓋ブロック16c,16dを、下方または上方へ移動させた後に固定ブロック16a,16bの長手方向と平行な方向へ直線的に所定距離移動させて固定ブロック16a,16b,16e,16fに接触させて単段ユニット13−1を外部から遮断する蓋ブロック開閉機構を有する。
なお、図6,7に示す遠赤外線式多段型加熱炉10では、一つの蓋ブロック16cの左右に二つの開閉機構20−1を設けたが、一つでもよい。
また、開閉機構としては、リンク機構21−1を用いる開閉機構20−1に限定されるものではなく、上述のように蓋ブロック16c,16dを移動および回転させることができる機構(例えば、産業用ロボットで蓋ブロック16c,16dを移動させること)であれば、如何なる機構でも用いることができる。
開閉機構20−1によれば、厚みのある耐火物製の蓋ブロック16c,16dを確実に開閉して、単段ユニット13−1の断熱性を確保することが可能である。
3.遠赤外線ヒータ14−1の支持部材24−1,24−2
図8(a)は、単段ユニット13−1における遠赤外線ヒータ14−1の支持部材24−1を示す説明図であり、図8(b)は、支持された遠赤外線ヒータ14−1の上面図であり、図8(c)は、遠赤外線ヒータ14−1と熱間プレス用鋼板15−1の配置関係を示す説明図であり、図8(d)は、単段ユニット13−1における遠赤外線ヒータ14−1の他の支持部材24−2を示す説明図である。
図8(a)〜図8(c)に示すように、遠赤外線ヒータ14−1は、支持部材24−1により水平に撓まないように支持される。支持部材24−1は、一の方向へ向けて並んで設けられた複数本(図8(a)では4本)の第1の金属帯(例えばニッケル基超耐熱合金製)26と、これら第1の金属帯26を支持する支持材(例えばステンレス鋼製のフラットバー)27とにより構成される。
遠赤外線ヒータ14−1は、4本の第1の金属帯26に搭載されて、略水平に配置される。遠赤外線ヒータ14−1は、図8(b)に示すように、水平面内で、固定ブロック16a,16b,16e,16fおよび蓋ブロック16c,16dにより囲まれた領域の内部に、配置される。
4本の第1の金属帯26は、いずれも、強軸方向が重力方向に略一致するように設けられる。これにより、第1の金属帯26の撓みが抑制される。
第1の金属帯26は、いずれも、支持材27に形成されたスリット27aに隙間を有して嵌め込まれており、これにより、熱膨張または熱収縮により長手方向に伸縮自在に、支持材27により支持される。このため、第1の金属帯26には、温度変化に起因する熱応力が生じない。
なお、第1の金属帯26は、断熱性および絶縁性を有するスペーサ(例えばAl製)を介して遠赤外線ヒータ14−1を搭載するのが望ましい。
また、図8(d)に示すように、第1の金属帯26とともに、第1の金属帯26が指向する一の方向と交差(図示例では直交)する他の一の方向へ向けて並んで設けられた複数本(図8(d)では2本)の第2の金属帯28(例えばステンレス鋼製)により、支持部材24−2を構成してもよい。
この場合、第2の金属帯28も、その強軸方向が重力方向に略一致するとともに、温度変化に起因する熱応力を生じないように、熱膨張または熱収縮により長手方向に伸縮自在に、第1の金属体26により支持される。
また、図8(b)に示すように、支持材27は、断熱材16a,16bよりも鋼板収容領域14−1の外側に配置される。すなわち、支持材27は、断熱材16a,16bの外側で、複数本の第1の金属帯26、および、複数本の第2の金属帯28を支持する。さらに、支持材27は、断熱材16の外側に位置する適宜部材(例えば鉄皮11a)に設置すればよい。
すなわち、断熱材16a,16bに貫通穴が形成されており、断熱材16a,16bの貫通穴を第1の金属帯26が貫通して支持部材27に設置される。また、断熱材16を貫通した第1の金属帯26の外側部分も高温になるため、断熱材またはカバーで囲う等の断熱を施すことが望ましい。
インコネルからなる第1の金属帯26(全長2000mm)について、遠赤外線式多段型加熱炉10を1日8時間で2週間操業した後における長手方向中央位置での鉛直下方への撓み量は0.1mm未満であり、遠赤外線ヒータ14−1を撓ませずに十分平坦に支持することができる。
これらの支持部材24−1,24−2を用いることにより、遠赤外線ヒータ14−1を、850℃以上の加熱時にも第1の金属帯26(または第1の金属帯26および第2の金属帯28)により撓まないように、しかも小さい平面投影面積で支持することができる。
このため、本発明によれば、可撓性を有するヒータ14−1の保守頻度の低減による、保守費用の大幅な低減と遠赤外線式多段型加熱炉10の稼働率の向上と、均熱性の維持向上と、多段化による加熱炉のコンパクト化とを図ることができる。
なお、図8(c)では、熱間プレス用鋼板15−1を、丸管による線接触で支持する場合を例にとっているが、これに限定されるものではなく、先端を面取りしたプレートにより線接触で支持するようにしてもよい。
4.熱間プレス用鋼板15−1の鋼板支持部材30〜34
図9(a)は、鋼板支持部材の一例30を示す説明図であり、図9(b)はこの鋼板支持部材30の断面図であり、図9(c)〜図9(f)はいずれも他の一例31〜34を示す説明図である。
遠赤外線式多段型加熱炉10の単段ユニット13−1には、例えばニッケル基超耐熱合金製の鋼板支持部材30〜34が配置される。鋼板支持部材30〜34は、熱間プレス用鋼板15−1に点接触または線接触して熱間プレス用鋼板15−2を支持する。本発明において「点接触」とは、接触面を外径6mm程度以内にしたピン等の端面、外径7mm程度以内の線径のリング等で接触することを意味し、「線接触」とは、面取り等により接触幅を3mm程度以内にしたプレート等の端面、外径6mm程度以内の棒鋼、外径20mm程度以内の薄肉丸管等で接触することを意味する。
熱間プレス用鋼板15−1に点接触する鋼板支持部材としては、表面にピンが立設された縦配置された角管30(図9(a),図9(b)参照)または角材34(図9(f)参照)、または、外周面に円形断面の線材を巻き付けられた丸管32(図9(d)参照)が例示される。
また、熱間プレス用鋼板15−1に線接触する鋼板支持部材としては、正三角形断面の角管31(図9(c)参照)、または表面に鋭角部を形成されて縦配置されたプレート材33(図9(e)参照)が例示される。
鋼板支持部材30〜34は、上述の第1の金属帯26および第2の金属帯28と同様に、温度変化に起因する熱応力を生じないように、熱膨張または熱収縮により長手方向に伸縮自在に、支持材27により支持されることが望ましい。すなわち、断熱材16bに切り込みが形成されており、断熱材16bの切り込み部を金属帯26が貫通して適宜部材に設置されることが、例示される。
インコネルからなる図9(b)に示す断面形状を有する角管30(全長1600mm)を鋼板支持部材として用い、遠赤外線式多段型加熱炉10を1日8時間で2週間操業した後における長手方向中央位置での鉛直下方への撓み量は0.2mm未満であり、熱間プレス用鋼板15−1を略一定の位置で支持することができている。
また、900℃に熱された熱間プレス用鋼板15−1各部における最高温度と最低温度との差は略7℃であり、熱間プレス用鋼板15−1を十分均一に加熱することができる。
なお、図9(a)〜図9(f)に示す鋼板支持部材30〜34以外の鋼板支持部材を用いることも可能である。鋼板支持部材として、例えば、上述のピンと、縦配置された角管30,角材34とが一体に構成された角管,角材を用いてもよいし、縦配置された角管30の上面および下面の一部に切欠きを設けることにより上面および下面に凹凸が連続して形成された角管を用いてもよいし、縦配置された溝型断面の部材の上面の一部に切欠きを設けることにより上面に凹凸が連続して形成された部材を用いてもよいし、さらに、縦配置された角管30の上面および下面に丸孔を設けることにより上面および下面に丸孔が連続して形成された角管を用いてもよい。
本発明により、鋼板支持部材30〜34の熱変形等を大幅に抑制できるので、遠赤外線式多段型加熱炉10の保守費用の大幅な低減、稼働率および均熱性向上、さらには多段炉による加熱炉のコンパクト化を図ることが可能になる。
5.熱間プレス用鋼板15−1の装入順
図10は、遠赤外線式多段型加熱炉10の各単段ユニット13−1〜13−6への熱間プレス用鋼板15−1〜15〜6の装入順を示すための説明図である。
ある段の単段ユニットに熱間プレス用鋼板を装入すると、装入されたこの熱間プレス用鋼板の上方および下方に隣接して位置する二つの単段ユニットのヒータの温度が低下する。これら二つの単段ユニットのヒータの温度が低下すると、ヒータの出力を制御して元の温度に戻そうとしても、所定の温度に回復するまでのある程度の時間を不可避的に要するため、熱間プレス用鋼板に焼きむらが発生するおそれがある。
ここで、ある段の単段ユニットのヒータの上方に配置されたヒータは、その上の段の単段ユニットの下方に配置されたヒータであるから、ある段の単段ユニットから隣接する上の段の単段ユニットに順番に熱間プレス用鋼板を装入していくと、ヒータの温度が設定温度に復帰する前にさらに温度が低下してしまうことになり、安定して加熱することができない。
そこで、遠赤外線式多段型加熱炉10では、熱間プレス用鋼板は、下記条件1および2にしたがって、複数段の単段ユニット13−1〜13−6に装入されることが望ましい。
(条件1)一の単段ユニット13−1〜13−6の扉が開いている時には、この一の単段ユニット13−1〜13−6以外の他の単段ユニット13−1〜13−6の扉を閉じておくこと、および
(条件2)一の単段ユニット13−1〜13−6の扉を開けて熱間プレス用鋼板を装入(又は搬出)してこの一の扉を閉じた後の次には、一の単段ユニット13−1〜13−6と上方向および下方向のいずれにも隣接しない単段ユニット13−1〜13−6の扉を開けて熱間プレス用鋼板を装入(または搬出)することを、繰り返すこと。
具体的には、熱間プレス用鋼板を、最上段に位置する単段ユニット13−6から下方に位置する他の単段ユニット13−1へ向けて、順番に一段飛ばしに装入(または搬出)することである。
すなわち、単段ユニット13−6への装入(または搬出)⇒単段ユニット13−4への装入(または搬出)⇒単段ユニット13−2への装入(または搬出)⇒単段ユニット13−5への装入(または搬出)⇒単段ユニット13−3への装入(または搬出)⇒単段ユニット13−1への装入(または搬出)⇒・・・・を以降繰り返すことが望ましい。
6.第1,2の鋼板収容領域を用いる加熱制御
フレキシブル遠赤外線ヒータを熱源として備える加熱炉を用いて熱間プレス用鋼板を加熱する際に、熱間プレス用鋼板を所定の温度に均一に加熱するためには、以下に説明する加熱制御(ゾーン制御)を用いることが望ましい。
図11(a)は、本発明に係る遠赤外線式加熱炉10の加熱室(単段ユニット)13−1を模式的に示す説明図であり、図11(b)は、比較例の遠赤外線式加熱炉40の加熱室41を模式的に示す説明図である。
また、図12(a)は、本発明に係る遠赤外線加熱炉10による熱間プレス用鋼板15−1の温度制御結果の一例を示すグラフであり、図12(b)は、比較例の遠赤外線式加熱炉40による熱間プレス用鋼板15−1の温度制御結果の一例を示すグラフである。
フレキシブル遠赤外線ヒータ0を熱源として備える加熱炉を用いて熱間プレス用鋼板を加熱する際には、図11(b)に示すように、加熱炉40の単段ユニット13−1が所定の温度(例えば900℃)に達した後、加熱炉40の装入扉(図示を省略する)を開き、単段ユニット13−1内に熱間プレス用鋼板15−1を装入して所定の位置に配置した後に装入扉を閉じて熱間プレス用鋼板15−1を所定の温度に加熱し、その後に、搬出扉(図示を省略する)を開き、単段ユニット13−1内の熱間プレス用鋼板15−1を搬出して搬出扉を閉じる。
このように、低温(ほぼ常温)の熱間プレス用鋼板15−1が高温の所定の温度に保たれている単段ユニット13−1に装入されることに伴って、図12(b)に示すように、フレキシブル遠赤外線ヒータ0の温度が一時的かつ急激に低下し、熱間プレス用鋼板15−1の昇温速度が一時的に低下してしまう。また、その昇温速度の低下の程度は、熱間プレス用鋼板15−1の熱容量(板厚や大きさ等)により、変動する。
このため、図11(b)により示す通常の一連の作業を行うのでは、熱間プレス用鋼板15−1を所定の温度に均一に加熱することは難しい。
これに対し、鋼板収容領域である単段ユニット13−1は、図11(a)に示すように、第1の鋼板収容領域13−1−1と、第2の鋼板収容領域13−1−2とを有する。
第1の鋼板収容領域13−1−1は、装入扉(図示しない)を臨む側に形成される。また、第2の鋼板収容領域13−1−2は、抽出扉(図示しない)を臨む側に第1の鋼板収容領域13−1−2に並んで形成される。
また、フレキシブル遠赤外線ヒータ0は、第1のヒータ0−1および第2のヒータ0−2を有する。第1のヒータ0−1は、前記の遠赤外線ヒータからなるとともに第1の鋼板収容領域13−1−1に配置される。第2のヒータ0−2は、前記の遠赤外線ヒータからなるとともに第2の鋼板収容領域13−1−2に配置される。
そして、第1の鋼板収容領域13−1−1は、装入扉を介して装入される熱間プレス用鋼板15−1を所定時間収容するとともに、第2の鋼板収容領域13−1−2は、第1の鋼板収容領域13−1−1に配置された熱間プレス用鋼板15−1を所定時間収容して抽出扉を介して抽出する。
第1の鋼板収容領域13−1−1では、低温の熱間プレス用鋼板15−1が装入されるため、図12(b)に示すように、第1のヒータ0−1の温度が一時的に急激に低下するため、熱間プレス用鋼板15−1の昇温速度が低下する。
この際、第1のヒータ0−1の温度を迅速に所定温度に戻すためには、ヒータ応答出力が鋭敏になるように制御パラメータ(PIDなど)を設定したり、温度低下分を見込んで第1のヒータ0−1の設定温度をあらかじめ高く設定することが望ましい。
しかし、熱間プレス用鋼板15−1は、第1の鋼板収容領域13−1−1に所定時間収容された後に、第2の鋼板収容領域13−1−2へ移載される。熱間プレス用鋼板15−1は、第1の鋼板収容領域13−1−1により相当程度高温に加熱されているため、第2の鋼板収容領域13−1−2に装入されても、第2のヒータ0−2の温度は低下しにくく安定する。
この際、ヒータ出力応答が鈍くなるように、制御パラメータ(PIDなど)を設定してヒータ温度の安定化を図ることが望ましい。
図13は、図13中に模式的に示す、幅450mm,長さ1400mm,板厚1.6mmの普通鋼製の熱間プレス用鋼板15−1における5点の測定位置1〜5chに熱電対を取り付け、この加熱制御(ゾーン制御)を行った場合について、測定位置1〜5chの温度を経時的に示すグラフである。なお、第1の鋼板収容領域13−1−1から第2の鋼板収容領域13−1−2への熱間プレス用鋼板15−1の移送は、150(sec)経過時点とした。
図13のグラフに示すように、第1の鋼板収容領域13−1−1から第2の鋼板収容領域13−1−2への移送開始時には、熱間プレス用鋼板15−1の測定位置1〜5chの温度差が認められるものの、第2の鋼板収容領域13−1−2へ移送後90秒経過した時点(240sec経過時点)では、この温度差は実質的に0となっており、熱間プレス用鋼板15−1を部位によらず均一に加熱できたことがわかる。
このようにして、本発明によれば、熱間プレス用鋼板を所定の温度に部位によらずに均一に加熱することができる。
10 遠赤外線式多段型加熱炉
13−1〜13−6 鋼板収容領域
14−1〜14−6 ヒータ
15−1〜15−6 熱間プレス用鋼板
27 支持材
30〜34 鋼板支持部材

Claims (4)

  1. 熱間プレス用鋼板を略水平に支持しながら断熱状態で収容するとともに前記熱間プレス用鋼板の装入扉および抽出扉を備える鋼板収容領域と、該鋼板収容領域の内部であって前記熱間プレス用鋼板の下方に配置されて該熱間プレス用鋼板を加熱する遠赤外線ヒータとを有する遠赤外線式加熱炉であって、
    前記鋼板収容領域は、前記装入扉を臨む側に形成される第1の鋼板収容領域と、前記抽出扉を臨む側に前記第1の鋼板収容領域に並んで形成される第2の鋼板収容領域とを有すること、
    前記遠赤外線ヒータは、遠赤外線ヒータからなるとともに前記第1の鋼板収容領域に配置される第1のヒータと、遠赤外線ヒータからなるとともに前記第2の鋼板収容領域に配置される第2のヒータとを有すること、および
    前記第1の鋼板収容領域は、前記装入扉を介して装入される熱間プレス用鋼板を所定時間収容するとともに、前記第2の鋼板収容領域は、前記第1の鋼板収容領域に配置された熱間プレス用鋼板を所定時間収容して前記抽出扉を介して抽出すること
    を特徴とする遠赤外線式加熱炉。
  2. 前記遠赤外線ヒータは、遠赤外線放射セラミックスの焼結体である碍子本体が縦横に複数並んで面状に構成され、前記複数の碍子本体が、該複数の碍子本体それぞれに穿設された電熱線貫通孔に挿入された電熱線により互いに変位自在に連結されることにより可撓性を有する請求項1に記載された遠赤外線式加熱炉。
  3. 前記第1の鋼板収容領域に配置される前記第1のヒータの制御は、前記第2の鋼板収容領域に配置される前記第2のヒータの制御より、鋭敏に出力するように制御パラメータを設定する請求項1または請求項2に記載された遠赤外線式加熱炉。
  4. 前記第1の鋼板収容領域に配置される第1のヒータの設定温度は、前記第2の鋼板収容領域に配置される第2のヒータの設定温度よりも高い請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された遠赤外線式加熱炉。
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