WO2017002252A1 - 太陽熱収集装置 - Google Patents

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Abstract

複数種の管からなる熱媒流路を効率的に加熱することが可能な太陽熱収集装置を提供する。 太陽熱収集装置(1)は、太陽熱を集光する集光鏡(3)の集光位置に熱媒を流す熱媒流路(2)を備える。熱媒流路(2)は、集光鏡(3)の集光位置に配置される集熱管(2a)を含む複数種の導電性の管が直列に接続されることにより構成される。直列に接続された集熱管(2a)、フレキシブル管(2e)、配管(2b)に直列に電気を流すことにより、これらを加熱する加熱手段(30)を備える。配管(2b)には、配管(2b)に対して電流が並列に流れるバイパスケーブル(2f)が設けられている。

Description

太陽熱収集装置
 本発明は、熱媒が流れる熱媒流路を備える太陽熱収集装置に関する。
 再生可能エネルギーを利用した効率的な電力安定供給を実現するためのシステムの一例として、太陽熱を利用した太陽熱発電プラントが挙げられる(例えば特許文献1および2参照)。
 この太陽熱を利用した発電プラントでは、太陽熱を太陽熱収集装置で集め、この集めた熱を、熱媒を介して熱交換器に送り、この送った熱により水を蒸気に変化させ、この蒸気によりタービンを駆動させて発電を行うようになっている。太陽熱収集装置は、例えば、断面が凹状で水平方向に同形状で延在する集光(集熱)用の反射鏡(集光鏡)と、この反射鏡による集光位置に配置されて内部に熱媒が流れる(循環する)集熱管(受熱管:レシーバチューブ)とを有する集熱ユニットを備えるとともに、複数の集熱管を繋ぐための配管が設けられている。また、集熱管は、太陽の高度(仰角)の経時変化に対応して反射鏡とともに移動する。また、集熱管は、日中と夜間や、作動時とメンテナンス時の温度差により比較的大きく伸縮する。したがって、熱媒流路の固定された配管と、集熱管との間をフレキシブル管で接続することが考えられる。
 また、太陽熱収集装置で集めた熱は、熱媒を介して蓄熱装置により蓄熱することができ、この蓄熱した熱を、夜間といった太陽熱を収集できないない時間帯に再び熱媒を介して熱交換器に送ることにより、発電を行うことができる。このため、電力を安定的に供給することが可能となる。
 このような太陽熱発電プラントで使用される熱媒としては、一般的に合成オイルが使用されるが、近年において、熱媒を合成オイルから溶融塩に変更する試みが為されている。
 熱媒を合成オイルから溶融塩に変更することで以下のような利点がある。
 まず、従来型より高温のスチームを供給することができ、これによって、発電効率の上昇と発電コストの削減が期待できる。また、従来型と比べ、溶融塩を熱媒として使用したシステムでは蓄熱装置のタンクの容量をより小さくすることができる。さらに、合成オイルを熱媒に用いた従来型は、蓄熱媒体として溶融塩を使用しているため、合成オイルと溶融塩の熱交換が必要であったが、全システムを溶融塩のみで動かすことにより熱交換器が不要となり、プラントをよりシンプルに構成することができるようになる。
米国特許出願公開第2010/43776号明細書 特開2014-31787号公報
 ところで、太陽熱収集装置に熱媒としての溶融塩を流している(循環させる)上述の集熱管を含む熱媒流路は、ポンプにより熱媒を流しているが、例えば、スタートアップの際に熱媒流路に溶融塩を導入する場合やメンテナンス時等に溶融塩を排出して再導入する場合には、蓄熱装置を含む熱媒流路を溶融塩が完全には循環していない状態となり、かつ、溶融塩への熱供給が途絶えた状態となる虞がある。このような状態の熱媒流路内で溶融塩の温度が下がり過ぎて凝固しないように熱媒流路を加熱装置で加熱する必要がある。溶融塩は、合成オイルと比較して凝固点が高く、熱が供給されない状態で放熱してしまうと凝固して、熱媒流路を閉塞させる虞がある。
 太陽熱発電プラントの太陽熱収集装置以外の部分で固定配置された熱媒流路となる配管には、その外周側に上述の加熱装置として例えば電熱線(電気ヒートトレース)が設けられている。
 しかし、太陽熱収集装置において、熱媒流路の多くの部分を占める集熱管は、外周部に真空断熱部を備えるので電熱線を配置することが困難である。また、電熱線が集光された太陽光の受光の邪魔になる虞がある。さらに、集熱管が上述のように移動するので、電熱線に電力を供給する構造が煩雑になる虞がある。また、フレキシブル管は、上述のように太陽の高度の変化に対応する移動や温度変化による集熱管の長さの変化に応じて変形するので、電熱線を取り付けることが難しい。したがって、太陽熱収集装置の熱媒流路を加熱することが難しく、熱媒流路を加熱するために大きなコストがかかる虞がある。
 本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、複数種の管からなる熱媒流路を効率的に加熱することが可能な太陽熱収集装置を提供することを目的とする。
 前記課題を解決するために、本発明の太陽熱収集装置は、太陽熱を集光する集光手段の集光位置に熱媒を流す熱媒流路を備える太陽熱収集装置であって、
 前記熱媒流路は、前記集光手段の集光位置に配置される集熱管を含む複数種の導電性の管が直列に接続されることにより構成され、
 直列に接続された複数種の前記管に前記熱媒流路に沿って直列に電気を流すことにより、前記熱媒流路の前記管を発熱させる加熱手段が設けられ、
 かつ、複数種の前記管のうちの少なくとも1つの前記管に当該管に対して電流が並列に流れるバイパス電路が設けられていることを特徴とする。
 このような構成によれば、熱媒流路に外部から熱媒流路を加熱する例えば電熱線等を設けることなく、熱媒流路に電流を流すことにより、熱媒流路を発熱させて加熱することができる。したがって、集熱管の外面に電熱線を設けた場合に、集光された太陽光の受光の邪魔になったり、集熱管の外周部分に透明な外管を有する真空断熱構造があることにより電熱線等の加熱装置を取り付けることが困難だったりする場合でも直接集熱管に電流を流して発熱させることにより、集熱管を加熱することが可能になる。
 また、フレキシブル管のように使用時に大きく変形する可能性があることにより、電熱線等の加熱装置を外付けすることが困難な管でも電流を流して加熱することができる。
 また、個々の異なる種類の管にそれぞれ電流を流すのではなく、直列に繋がる複数種の管に直列に電流を流す構成とすることで、さらに各管を加熱するための構造を簡略化することできる。しかし、抵抗値の違う異なる種類の管に直列に電流を流した場合に、種類の異なる各管を流れる電流量は同じになってしまう。この場合に管の種類(材質および形状)の違いによって抵抗値が異なることになり、管の種類によって発熱量が異なることになる。また、熱媒の温度は、周囲の温度に対して高温であることから熱媒流路は熱が逃げないように断熱構造とすることが好ましい。この際に、各管はその構造や使用状況によって異なる断熱構造が採用され、それぞれ断熱性能が異なることから各管は種類によって放熱量が異なることになる。
 これら異なる種類の複数の管に直列に電流を流して加熱すると、各管によって加熱時の温度が大きく異なる状態となってしまう虞がある。そこで、他の種類の管より加熱時の温度が高くなる種類の管に当該管と並列に電流が流れるバイパス電路を設けることで、加熱時に当該管に流れる電流量を減少させて当該管の過加熱を防止することが可能となる。
 以上のことから、種類の異なる複数の管に直列に電流を流す簡単な構造で、各種類の管を適切な温度に加熱することができる。したがって、熱媒流路を低コストに加熱することができる。
 本発明の前記構成において、前記熱媒が溶融塩であることが好ましい。
 このような構成によれば、熱媒としての溶融塩が熱媒流路で凝固するのを防止できる。なお、溶融塩の凝固点温度(融点温度)は、常温に対してかなり高く、集光手段に光を照射され高温の状態で熱媒流路を循環している状態や、蓄熱槽等で蓄熱された熱を利用して熱媒流路を循環している状態であれば、温度が低下し過ぎて凝固することはない。しかし、スタートアップやメンテナンスで熱媒流路に溶融塩を導入したり、熱媒流路から溶融塩を排出したりする場合に、熱の供給が途絶えた状態で溶融塩が熱媒流路を流れる場合に途中で溶融塩が凝固する虞がある。そこで、熱媒流路を加熱することにより、溶融塩の凝固を防止できる。なお、溶融塩以外でも熱媒として凝固点温度の高い物質や、冷えると粘性が高くなるような物質を用いる場合にも適用可能である。
 また、本発明の前記構成において、前記管には、太陽高度に対応して移動する前記集熱管と、固定の配管と、前記集熱管と前記配管とを繋ぐフレキシブル管とが含まれることが好ましい。
 この場合に、電熱線等の外付けの加熱装置を用いることが上述のように難しい集熱管およびフレキシブル管を簡単な構造で容易に加熱することができる。
 また、本発明の前記構成において、前記配管に前記バイパス電路が設けられていることが好ましい。
 このような構成によれば、配管は、フレキシブル配管のように変形することがなく、また、集熱管のように太陽光が照射されることもないので、低コストで高い断熱性能を有する断熱構造を採用することができる。したがって、配管は、抵抗値がそれほど高くなくとも、電流を流した場合に、放熱量が少ないことから高温になる虞がある。そこで、配管にバイパス電路を設けて配管を流れる電流量を減少させることで、配管がフレキシブル管や集熱管に対して高温に成り過ぎるのを防止することができる。
 また、本発明の前記構成において、前記バイパス電路において電流が流れる導電体の材質と、断面積と、長さとのうちの少なくとも1つを調整することにより、前記バイパス電路の抵抗値が調整されていることが好ましい。
 このような構成によれば、バイパス電路と並列に配置された管の電流量を容易に調整することができる。特に、伝導体の長さにより抵抗値を調整するものとすれば、抵抗値の調整がより容易になる。なお、伝導体の材質によって抵抗率(比抵抗)が異なることにより、抵抗値を調整することができる。
 また、本発明の前記構成において、前記熱媒流路に熱媒を導入する場合および前記熱媒流路から熱媒を排出する場合に、前記加熱手段は、前記管に電流を流して、前記熱媒流路を加熱することが好ましい。
 このような構成によれば、熱媒の熱媒流路への導入と熱媒流路からの排出の場合に、高温の熱媒が熱媒流路を循環している状態とならず、熱媒が途中で冷えて凝固する虞があるが、この場合に熱媒の凝固を確実に防止することができる。
 また、本発明の前記構成において、前記熱媒流路は、2つの所定部分が互いに略平行に配置され、
 2つの前記所定部分のそれぞれに前記集熱管が配置されるとともに、一方の前記所定部分の前記集熱管と、他方の前記所定部分の前記集熱管とが互いに略平行に隣り合って配置され、
 前記熱媒流路の2つの前記所定部分を配線で繋ぐことにより、互いに略平行に配置される2つの前記集熱管を含む回路が構成され、前記加熱手段は前記回路に電流を流すことが好ましい。
 このような構成によれば、熱媒流路の互いに略平行に配置される所定部分間の距離が短ければ、熱媒流路に電流を流す閉回路を構成するための送電用ケーブルの長さを短くすることができる。これにより、送電用ケーブルの設置作業を容易にすることができるとともに、送電用ケーブルにかかるコストや、送電ロスを低減することができる。なお、略直線状に複数の集熱管が連結された熱媒流路の長い部分に電流を流すために、熱媒流路の電流を流す部分の端と端を送電用ケーブルで繋ぐと、少なくとも熱媒流路の電流を流す部分と略同じ長さの送電用ケーブルが必要となる。
 本発明によれば、複数の種類の管から構成される熱媒流路に電気を流して発熱させることにより、導電性の管ならばどのような管であっても簡単な構造で加熱可能となるとともに、複数種類の管からなる熱媒流路に直列に電流を流した場合でも管によって温度が高く成り過ぎるのを防止できる。
本発明の実施の形態に係る太陽熱収集装置を備える太陽熱収集システムを示す概略図である。 同、太陽熱収集装置の集熱ユニットを示す概略正面図である。 同、太陽熱収集装置の2つの集熱ユニットの接続部分を示す概略側面図である。 同、太陽熱収集装置の熱媒流路に電流を流して加熱する構造を説明するための回路図である。
 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
 図1は、本実施の形態の太陽熱収集装置1を備える太陽熱収集システムの概略構成を示すものである。図1に示す太陽熱収集システムは、複数の太陽熱収集装置1を備えている。なお、図1では太陽熱収集装置1を2つ記載しているが、実際には太陽熱収集装置1は多数(例えば100台以上)設けられている。なお、太陽熱収集システムで収集された太陽熱は、熱媒を介して発電システムに送られて発電が行われる。これら太陽熱収集システムと発電システムとから太陽熱発電プラントが構成される。
太陽熱収集装置1は、略U形の熱媒流路2を有しており、この熱媒流路2は、集光鏡(集光手段)3で集光された太陽光によって加熱され、これによって、熱媒流路2を流れる熱媒の温度が例えば550℃程度まで上昇するようになっている。
 なお、本実施の形態では熱媒としては、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムとの混合物からなる溶融塩が使用されている。
 また、図1において、小さな直角三角形で示すものは勾配記号であり、この勾配記号にしたがって、熱媒流路2および後述する傾斜配管5が水平面に対して傾斜している。
 太陽熱収集装置1の熱媒流路2は傾斜配管5に接続されている。傾斜配管5はループ状に構成されており、図1において左端部が右端部より高くなっている。つまり、傾斜配管5は水平面に対して図1において右下がりに傾斜している。また、傾斜配管5は、平行に配置された2本の傾斜配管5a,5bを有しており、一方の傾斜配管5aと他方の傾斜配管5bとはその両端部においてそれぞれ配管5cによって接続されている。
 傾斜配管5には2つのタンク6,7が接続されている。タンク6,7はそれぞれ熱媒を貯留するものであり、タンク6は太陽熱収集装置1によって加熱される前の熱媒を貯留し、タンク7は太陽熱収集装置1によって加熱された後の熱媒を貯留するようになっている。したがって、以下ではタンク6をコールド側タンク6と称し、タンク7をホット側タンク7と称する。
 コールド側タンク6と傾斜配管5aとは接続配管10によって接続されており、コールド側タンク6に設けられた図示しないポンプによって、コールド側タンク6から傾斜配管5aに熱媒を送り込むようになっている。傾斜配管5aに送り込まれた熱媒は、接続配管10と傾斜配管5aとの接続部において分岐して、その一部が傾斜配管5aの勾配に沿って右側に流れ、残りの一部が傾斜配管5aの勾配に逆らって左側に流れるようになっている。
 また、ホット側タンク7と傾斜配管5bとは接続配管11によって接続されており、太陽熱収集装置1によって加熱された後の熱媒を前記ポンプの圧力によってホット側タンク7に送り込むようになっている。なお、接続配管11は途中で分岐して、コールド側タンク6にも必要に応じて熱媒を送り込むことが可能となっている。例えば、太陽が出ていない夜間等は太陽熱収集装置1にて熱媒を加熱できないので、その場合、前記分岐部に設けられた切替弁によって、熱媒をコールド側タンク6にのみ送り込むようにして、加熱されていない熱媒がホット側タンク7に送り込まれるのを防止する。
 また、太陽熱収集装置1の熱媒流路2の一方の端部は傾斜配管5aに接続されており、他方の端部は傾斜配管5bに接続されている。したがって、通常の運転時に傾斜配管5aを流れる熱媒は太陽熱収集装置1によって加熱される前の熱媒であり、傾斜配管5bを流れる熱媒は太陽熱収集装置1によって加熱された後の熱媒である。太陽熱収集装置1の熱媒流路2では、傾斜配管5aに接続された端部から傾斜配管5bに接続される端部に熱媒が流れることになり、熱媒が太陽熱収集装置1を循環している状態となる。
 なお、熱媒流路2および傾斜配管5a,5bから熱媒を排出する場合には、熱媒流路2および傾斜配管5a,5bの傾斜にしたがって上から下に熱媒を流すことが可能になっており、熱媒流路2の最も高い位置にベント弁を備えるベント部15が設けられており、ベント部15のベント弁を開放することにより、熱媒を排出する場合に空気を取り入れるようになっている。
 また、熱媒流路2の集光鏡3の部分が、集光鏡3で集光された光により加熱される集熱管2aとなる。これら集光鏡3と集熱管2aとから集熱ユニット3aが構成される。
 図2および図3に示すように、集熱ユニット3aは、太陽光を集熱管2aに集光する集光鏡3と、集光された太陽光を受光することにより内部を流れる熱媒を加熱する当該集熱管2aと、集光鏡3を補強する補強部材3bと、前記補強部材3bに接続されて集光鏡3の集光位置に集熱管2aを支持する管支持部材3cと、集光鏡3を支持する脚部材3dと、脚部材3dに回転自在に支持されるとともに、補強部材3bに固定される回転筒3eとを備える。
 集光鏡3は、断面略円弧状(凹状)で、左右に延在し、直管状の集熱管2aに太陽光を集光するようになっている。集熱管2aは、内部に熱媒が流れるとともに、外部に光を透過する外管が備えられている。集熱管2aと外管との間が略真空となって、真空断熱構造を構成している。補強部材3bは、集光鏡3の反射面の裏側となる背面に固定されて集光鏡3を補強する。補強部材3bは、集光鏡3および集熱管2aの長さ方向に沿って等間隔に複数設けられている。
 また、補強部材3bは、回転筒3eに固定され、回転筒3eと一体に回転可能となっていることにより、集光鏡3を太陽の高度の変化に対応して角度変更可能としている。管支持部材3cは、補強部材3bに固定されるとともに集熱管2aを支持した状態で、回転筒3eと一体に回転可能となっている。脚部材3dは、回転筒3eを回転自在に支持することで、集光鏡3、集熱管2a、補強部材3b、管支持部材3cを回転自在に支持している。
 また、集熱ユニット3aの左右端部では、それぞれ、集熱管2aに配管2bがフレキシブル管(第1のフレキシブル管)2cおよびフレキシブル管(第2のフレキシブル管)2dを介して接続されている。図3に示すように、2つの集熱ユニット3aの間では、集熱管2aに接続されたフレキシブル管2c、当該フレキシブル管2cに接続されたフレキシブル管2d、当該フレキシブル管2dに接続された配管2b、当該配管2bに接続されたフレキシブル管2d、当該フレキシブル管2dに接続されたフレキシブル管2c、当該フレキシブル管2cに接続された集熱管2aが配置され、これらの管により熱媒流路2が構成されるようになっている。なお、2つの集熱ユニット3aは、斜面上に設けられているため、左の集熱ユニット3aより、右の集熱ユニット3aの方が低くなっている。
 直列に繋がれた2本のフレキシブル管2c、2dは、補強部材3bまたは回転筒3eに一体に回転可能に取り付けられたフレキ支持部材3fに支持された状態で互いに接合されている。一方のフレキシブル管2cは、一方の端部が集熱管2aに接続され、他方の端部がフレキ支持部材3fに支持された状態でフレキシブル管2dに接続されている。したがって、フレキシブル管2cは、集熱管2aおよびフレキ支持部材3fとともに、回転筒3eと一体に回転する。このフレキシブル管2cは、集熱管2aの温度に基づく伸縮に応じて変形し、集熱管2aの伸縮による変形を吸収するようになっている。
 他方のフレキシブル管2dは、一方の端部が回転筒3eと一体に回転するフレキ支持部材3fに支持された状態でフレキシブル管2cに接続され、他端部が固定の配管2bに接続され、太陽高度に対応する集熱管2aの移動に基づいて変形し、集熱管2aの回転移動による変位を吸収するようになっている。これら、フレキシブル管2c、2dは、熱媒の温度に対応する耐熱性を有する周知のステンレス等の金属からなる。また、集熱管2aおよび配管2bも耐熱性を有する金属製であり、フレキシブル管2c、2d、集熱管2a、配管2bは、それぞれ導電性を有するものとなっている。
 なお、図1において、1つの太陽熱収集装置1を構成する4つの集熱ユニット3aは、U字状の熱媒流路2により、直列に接続されており。各集熱ユニット3a間は、配管2bで接続されている。なお、太陽熱収集装置1を構成する集熱ユニット3aの数は4つに限定されるものではなく、4つより多くても少なくてもよい。また、本実施の形態では、上述のようにU字状の熱媒流路2を用いることにより、集熱ユニット3aは、2列に配置されるようになっている。
 また、本実施の形態において、上述のように金属からなる集熱管2a、フレキシブル管2c,2dおよび配管2bからなる熱媒流路2に直接電気を流すことにより、熱媒流路2を発熱させて加熱するようになっている。したがって、集熱管2aや、フレキシブル管2cの外周に、電熱線等の加熱装置を取り付けることなく、電源30を接続して電流を流すだけで、熱媒流路2を加熱することが可能になる。すなわち、熱媒流路2に電流を流す電源30が加熱手段となる。この場合に、熱媒流路2自体が発熱することから、集熱管2aにおいて加熱装置が集光による受熱の邪魔になることがない。また、変形するフレキシブル管2c、2dに加熱装置を外付けする必要がなくなり、極めて簡単な構成で熱媒流路2の加熱が可能となる。このような加熱方法が、例えばジュール・エフェクト・ヒーティング(インピーダンス・ヒーティング)である。
 図4に、1つの太陽熱収集装置1における熱媒流路2に電源(トランス)30から電流を流した場合の回路図を示す。回路図では、熱媒流路2の集熱管2a、配管2b、フレキシブル管2cおよびフレキシブル管2dからなるフレキシブル管2eと、後述するバイパスケーブル(バイパス電路、送電用ケーブル)2fおよび閉回路用ケーブル(配線)2g、電源接続ケーブル(配線)2hを抵抗の図記号で示した。また、図4において、電源の容量は、S(kVA)と記載しているが、各種条件に応じて必要な容量のトランスを用いればよい。
 電源30は、例えば、単相400Vの交流電流を、30V程度の電圧に変圧するトランスであり、二次コイル側の中性点が接地されていないフローティング電源となっている。電源30から熱媒流路2に電源接続ケーブル2hが接続されている。本実施の形態では、上述のように熱媒流路2がU字状に曲げられることにより、熱媒流路2の上流側の所定部分と下流側の所定部分とが互いに平行に配置されている。また、熱媒流路2の上流側と下流側とにそれぞれ2個ずつ集光鏡3および集熱管2aからなる集熱ユニット3aが配置されている。
 本実施の形態では、上流側の1つの集熱ユニット3aと、この上流側の集熱ユニット3aに並んで配置される下流側の1つの集熱ユニット3aとの部分(ブロック)に1つの電源30から電流を流す構造となっている。したがって、本実施例では、1つの太陽熱収集装置1のU字状の熱媒流路2の互いに平行に配置される上流側の所定部分と下流側の所定部分とに2つずつの集熱ユニット3aが設けられており、図1において、隣り合う上流側の1つの集熱ユニット3a(集熱管2a)と、下流側の1つの集熱ユニット3a(集熱管2a)とから1つのブロックが形成されることにより、熱媒流路2に2つのブロックが形成されている。なお、例えば、1つのU字状の熱媒流路2の上流側と下流側に3つずつの集熱ユニット3aが設けられていれば、3つのブロックが形成されることになる。なお、1つのブロックに含ませる集熱ユニット3aの数は、集熱ユニット3aの長さや数によって任意に変更することができる。
 一つのブロックには、図4に示すように。上述のように互いに平行に熱媒流路2の上流側と下流側とが配置されており、上流側と下流側とにおいて、例えば、左側から固定の配管2b、フレキシブル管2e、集熱管2a、フレキシブル管2e、配管2bの順で各種管が直列に接続されている。なお、図4において、例えば、図中上側の熱媒流路2を熱媒流路2の上流側とし、図中下側の熱媒流路2を熱媒流路2の下流側とする。
 集熱管2aは、例えば、全体で約100mであり、基本的に真空断熱用の外管に覆われた状態となっているが、12m程度ずつの外管を有する集熱管2aの分割体を8つ接続した状態となっている。これら集熱管2aの分割体の接続部では、外管の中の集熱管2aに直接電源が接続可能となっている。本実施の形態では、電源30からブロック内の2つの集熱管2aそれぞれに延びる電源接続ケーブル2hが集熱管2aの中央部で、集熱管2aの分割体同士の接続部に接続されている。また、熱媒流路2の上流部分と下流部分とは、集熱ユニット3aの集熱管2aの左右それぞれにフレキシブル管2eを介して接続された配管2bの部分で閉回路用ケーブル2gにより接続された状態となっている。また、上述のように電源30がフローティング電源なのに対して、閉回路用ケーブル2gの部分がグランド31により接地されている。
 これにより、電源30から図中上に向かう電源接続ケーブル2hが例えば、熱媒流路2の上流側の集熱管2aの中央部に接続される。なお、図4において、熱媒流路2の上流側と下流側とでそれぞれ左右一対の集熱管2aが接続された状態となっているが、これは1つの集熱管2aを中央部で分けて記載したものであり、1つの集熱管2aの中央部に電源接続ケーブル2hが接続されている状態を示している。
 上側に向かう電源接続ケーブル2hは、集熱管2aに接続された部分で左右に分岐し、この部分から左右に並列で電流が流れる。一つのブロックの左右の各部分は、同じ構造となっているので、ここでは、ブロックの左側部分を説明し、右側部分の説明を省略する。上に延びる電源接続ケーブル2hから流れる電流は、電源接続ケーブル2hと集熱管2aとの接続部で左右に流れる。左側を流れる電流は、集熱ユニット3aの集熱管2aからフレキシブル管2eに向かい、集熱管2a、フレキシブル管2e、配管2bの順で流れ、配管2bから閉回路用ケーブル2gを通って下側の配管2bに流れる。さらに、配管2bからフレキシブル管2e、集熱管2aに至る。集熱管2aを流れる電流は、集熱管2aの中央部から下側の電源接続ケーブル2hに流れ、電源30に至ることになる。上述のブロックの右側部分も同じ順で電流が流れる。
 ここで、熱媒流路2を構成する集熱管2a、配管2b、フレキシブル管2eは、その材質、断面積、長さ、保温構造が異なり、それぞれ一定の電圧で直列に電流を流した場合に、材質と断面積と長さに対応する抵抗値に基づく発熱量と、形状や保温構造による放熱量が異なる。したがって、単純に直列に電流を流した場合に、集熱管2a、配管2b、フレキシブル管2c、2dで加熱される熱量と放熱量が異なり、電流を流している状態で温度に大きな差が出る虞がある。
 ここで、発熱量(ジュール熱)は、H=IRtで表される。なお、Hが発熱量、Iが電流値、Rが抵抗値、tが時間である。
 また、回路図で直列に並んだ各抵抗(集熱管2a、配管2b、フレキシブル管2e、閉回路用ケーブル2g、電源接続ケーブル2h)には、同じ電流が流れることになるので、各抵抗としての集熱管2a、配管2b、フレキシブル管2e、閉回路用ケーブル2g、電源接続ケーブル2hは、それぞれの抵抗値に比例した発熱量となる。図4に示すように、それぞれの抵抗の抵抗値は、集熱管2aがRt、配管2bがRp、フレキシブル管2eがRfp、電源接続ケーブル2hがRcとなり、これに電流値の2乗と時間を乗算することで発熱量が算出される。したがって、熱媒流路2を構成する各部材の実際の抵抗値が分かれば、発熱量が分かることになるが、各部材の温度は、発熱量と放熱量とに基づいて決まるので、例えば、実験またはシミュレーションにより、各部材の発熱量や放熱量を求めたり、電流を流した場合の各部材の温度を求めたりする必要がある。
 本実施の形態では、集熱管2a、配管2b、フレキシブル管2eにおいては、集熱管2aおよびフレキシブル管2eの温度に対して配管2bの温度が高くなることが確認された。外部から熱を得る必要がある集熱管2aや、変形するフレキシブル管2eに比較して、温度差による収縮はあるが、基本的に固定された状態で、かつ、外部と断熱しても問題がない配管2bでは、集熱管2aやフレキシブル管2eより断熱性能に優れた保温構造となっていることから放熱量が少なく、温度が上昇し易くなっている。
 本実施の形態では、同じ電流を流した場合に、フレキシブル管2eや集熱管2aに対してより高温となる配管2bに流れる電流値を下げるために、配管2bのフレキシブル管2eに接続される端部から閉回路用ケーブル2gに接続される部分まで、バイパスケーブル2fを接続している。すなわち、配管2bとバイパスケーブル2fとは、並列に配置された状態となっており、電流が配管2bとバイパスケーブル2fとに分離して流れることにより、配管2bを流れる電流の値が低くなり、配管2bにおける発熱量が減少し、配管2bの温度を集熱管2aおよびフレキシブル管2eに近づけることができる。
 なお、熱媒流路2において、多くの部分を占めるのは、集熱管2aであり、基本的には、集熱管2aが好適な温度範囲となるように、電圧や電流が設定されている。それに対して配管2bの温度が必要以上に高くなることから、上述のようにバイパスケーブル2fを配管2bと並列に接続することにより、配管2bを流れる電流の値を低下させる。この際に、バイパスケーブル2f側に流れる電流の値は、配管2bの抵抗値Rpと、バイパスケーブル2fの抵抗値Rbcによって決まる。すなわち、配管2bを流れる電流Ipは、配管2bおよびバイパスケーブル2fのそれぞれにかかる電圧をVpとするとIp=Vp/Rpとなり、バイパスケーブル2fを流れる電流Ibcは、Ibc=Vp/Rbcとなる。
 本実施の形態においては、上述の実験(シミュレーション)により、電流を熱媒流路2に流した場合に、集熱管2a、フレキシブル管2e、配管2bを最適な温度にするために、同じ電流を流した場合に最も温度が高くなる配管2bの温度が、例えば、集熱管2aやフレキシブル管2eと略同じ温度となるように配管2bを流れる電流の値を設定し、それに合わせてバイパスケーブル2fの抵抗値を決定する。抵抗値は、バイパスケーブル2fの材質(の抵抗率)と断面積と長さによって決まるものであり、例えば、低効率(比抵抗)に長さを乗算して断面積で除算したものである。
 基本的には、バイパスケーブル2fに必要な抵抗値を推測し、例えば、バイパスケーブル2fの長さで抵抗値を設定する。なお、バイパスケーブル2fの長さが配管2bのバイパスされる部分の長さより短くならないことが好ましく、それに対応して上述のバイパスケーブル2fとなる導線の断面積(一本の導線の断面積かける導線の本数)を決定しておく必要がある。なお、バイパスケーブル2fは、配管2bのバイパスされる部分より長くされるので、例えば、バイパスケーブル2fの配管2bのバイパスされる部分より長くなった部分は、例えば、ケース内に纏めて収納することが好ましい。但し、バイパスケーブル2fをケース内に纏める際にケーブル用リールに巻き取ったような状態(コイル状)ではなく、例えば、1m以上の長いケース内でケースの内壁に沿って長径側が長くなるようにして、少ない巻き数で巻いた状態とすることが好ましい。
 このような構成とすることにより、直列に配置される集熱管2a、フレキシブル管2e、配管2bにおいて、配管2bに流れる電流の値を、集熱管2a、フレキシブル管2eと異なるように変更することができる。なお、例えば、電流を流した場合に集熱管2aよりフレキシブル管2eの方が、温度が高くなるような場合に、フレキシブル管2eに対して並列にバイパスケーブル2fを配置して、フレキシブル管2eに流れる電流量を集熱管2a流れる電流量より少なくしたり、逆に集熱管2a側に並列にバイパスケーブル2fを配置して、集熱管2aに流れる電流量をフレキシブル管2eに流れる電流量より少なくしてもよい。
 このような太陽熱収集装置1によれば、少なくともスタートアップの際に熱媒流路2に熱媒としての溶融塩を導入する場合や、メンテナンス時に熱媒流路2から溶融塩を排出する場合やメンテナンス後に溶融塩を熱媒流路2に再導入する場合に、熱媒流路2を加熱して、溶融塩が凝固するのを防止することができる。
 この場合に、集熱管2aは、集光された太陽熱を遮えぎらない構造や、集熱管2aの外周部に真空断熱構造があっても集熱管2aを加熱できる構造として、集熱管2aを含む熱媒流路2に直接電流を流す構造を採用したので、極めて簡単な構造で集熱管2aを加熱することが可能となる。
 また、集熱管2aの太陽高度に対応する移動と、温度変化による伸縮に対応するために熱媒流路2に設けられたフレキシブル管2eにおいても、フレキシブル管2eの変形に追随するような電熱線を用いることなく、フレキシブル管2eに電流を流して加熱可能であり、簡単な構造でフレキシブル管2eを加熱することが可能となる。
 また、電気を流して加熱する熱媒流路2に、抵抗値が異なるとともに断熱構造の違いにより、放熱量が異なる集熱管2a、フレキシブル管2e、配管2bが直列に繋がれることにより、それぞれに同じ値の電流が流れてしまうことに基づいて、各管の間に、加熱時に大きな温度差が生じる可能性があるが、例えば、温度が集熱管2aやフレキシブル管2eより高くなる配管2bに並列にバイパスケーブル2fを配置することにより、直列配置でありながら、集熱管2aおよびフレキシブル管2eに流れる電流量より配管2bを流れる電流量を少なくすることが可能となる。これにより、バイパスケーブル2fを除いて、直列に配置される、集熱管2a、フレキシブル管2e、配管2bにおいて、バイパスケーブル2fの有無や、バイパスケーブル2fの抵抗値に基づいて、直列に電流を流した際のそれぞれの部材の温度を個別に設定することが可能となり、それぞれの部材の温度を互いに近づけるように設定することが可能となる。
 また、互いに略平行に配置された集熱管2aを含む熱媒流路2の互いに略平行に配置される部分同士を閉回路用ケーブル(送電用ケーブル)2gと、電源接続ケーブル(送電用ケーブル)2hとで接続して熱媒流路2に電流を流す閉回路を構成しているので、互いに平行に配置される集熱管2a間の距離が短ければ、閉回路を構成するための送電用ケーブルを短くできる。これにより、送電用ケーブルの設置作業を容易にできるとともに、送電用ケーブルにかかるコストおよび送電ロスの低減を図ることができる。
 また、フレキシブル管2eが、主に集熱管2aの温度に基づく伸縮に応じて変形するフレキシブル管2cと、フレキシブル管2cに接続され、主に集熱管2aの移動に応じて変形するフレキシブル管2dからなっている。すなわち、フレキシブル管2eを、集熱管2aの伸縮に対応して変形する部分と、集熱管2aの移動に対応して変形する部分に分けたので、これら2種類の変形に対応するためにフレキシブル管2eが自由に変形する部分が長くなって、電気を流した状態で周囲の部材にフレキシブル管2eが当たることなどによって問題が生じ易くなるのを防止することができる。なお、第1のフレキシブル管2cと第2のフレキシブル管2dとが接合される部分は、集熱管2aと一体に移動する状態となっていることが好ましい。
 バイパス電路としてのバイパスケーブル2fは、送電用ケーブルからなるが、導電体の周囲に絶縁層と保護カバーが設けられており、屋外で容易に使用できるとともに、抵抗値が低く、かつ、長さを自由に設定できるので、抵抗値を細かく設定することが容易である。また、送電用ケーブルは、曲げることも比較的容易であり、長くなっても、設置場所に対応して比較的コンパクトに配置することができる。
 なお、本実施の形態では、4つの集熱ユニット3aを備える太陽熱収集装置1において、2つの集熱ユニット3aを備える2つのブロックのそれぞれに電源30を設けて熱媒流路2に電流を流す構造としている。また、1つのブロックの2つの集熱ユニット3aをそれぞれ二分して、並列に電流を流すようにしている。それに対して、1つの集熱ユニット3a毎に電源30を配置して電流を流してもよいし、1つのブロックにおける2つの集熱ユニット3aをそれぞれ二分して電源30に並列に接続せずに、2つの集熱ユニット3aそれぞれの熱媒流路2に直列になるように電源30を接続してもよい。
1   太陽熱収集装置
2   熱媒流路
2a  集熱管
2b  配管
2c  フレキシブル管
2d  フレキシブル管
2e  フレキシブル管
2f  バイパスケーブル(バイパス電路)
3   集光鏡(集光手段)
30  電源(加熱手段)
 

Claims (7)

  1.  太陽熱を集光する集光手段の集光位置に熱媒を流す熱媒流路を備える太陽熱収集装置であって、
     前記熱媒流路は、前記集光手段の集光位置に配置される集熱管を含む複数種の導電性の管が直列に接続されることにより構成され、
     直列に接続された複数種の前記管に前記熱媒流路に沿って直列に電気を流すことにより、前記熱媒流路の前記管を発熱させる加熱手段が設けられ、
     かつ、複数種の前記管のうちの少なくとも1つの前記管に当該管に対して電流が並列に流れるバイパス電路が設けられていることを特徴とする太陽熱収集装置。
  2.  前記熱媒が溶融塩であることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱収集装置。
  3.  前記管には、太陽高度に対応して移動する前記集熱管と、固定の配管と、前記集熱管と前記配管とを繋ぐフレキシブル管とが含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽熱収集装置。
  4.  前記配管に前記バイパス電路が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の太陽熱収集装置。
  5.  前記バイパス電路において電流が流れる導電体の材質と、断面積と、長さとのうちの少なくとも1つを調整することにより、前記バイパス電路の抵抗値が調整されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の太陽熱収集装置。
  6.  前記熱媒流路に熱媒を導入する場合および前記熱媒流路から熱媒を排出する場合に、前記加熱手段は、前記管に電流を流して、前記熱媒流路を加熱することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の太陽熱収集装置。
  7.  前記熱媒流路は、2つの所定部分が互いに略平行に配置され、
     2つの前記所定部分のそれぞれに前記集熱管が配置されるとともに、一方の前記所定部分の前記集熱管と、他方の前記所定部分の前記集熱管とが互いに略平行に隣り合って配置され、
     前記熱媒流路の2つの前記所定部分を配線で繋ぐことにより、互いに略平行に配置される2つの前記集熱管を含む回路が構成され、前記加熱手段は前記回路に電流を流すことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の太陽熱収集装置。
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