WO2016203523A1 - 内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法 Download PDF

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Abstract

内燃機関の制御装置は、タンブル流動が生ずる燃焼室と、点火時に燃焼室でプラグ放電チャンネルを生成する点火プラグを備える。また、内燃機関の制御装置は、タンブル流動の崩壊後に、プラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与える流動付与手段を備える。

Description

内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法
 本発明は、内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法に関する。
 JP2009-85012Aには、吸気行程中にメイン燃料噴射を行い、圧縮行程中にタンブル流動を強化するようにサブ燃料噴射を行うことにより、筒内の混合気の均質性を向上させることが開示されている。
 しかしながら、タンブル流動は、圧縮行程の進行に伴って徐々に弱まり、やがて崩壊するので、上記文献のようにタンブル流動を強化しても、そのタンブル流動を点火時期まで維持することは難しい。そして、点火時期における筒内のガス流動が弱いほど燃焼安定性は低くなる。すなわち、上記文献のようにタンブル流動を強化すれば、筒内の混合気の均質性を向上させることはできるが、混合気が均質化されてもプラグ点火時にプラグ放電チャンネルが十分伸長しないと確実な着火が望めない。
 本発明の目的は、内燃機関における着火性を改善することである。
 本発明のある態様によれば、内燃機関の制御装置は、点火時に燃焼室でプラグ放電チャンネルを生成する点火プラグを備える。また、内燃機関の制御装置は、タンブル流動の崩壊後に、プラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与える流動付与手段を備える。
図1は、内燃機関システムの全体構成の説明図である。 図2は、筒内に生ずるタンブル流動の説明図である。 図3は、タンブル流動崩壊の説明図である。 図4は、プラグ近傍における流動付与の説明図である。 図5は、燃料噴射弁による乱流増加の説明図である。 図6は、点火プラグ近傍におけるプラグ放電チャンネルの説明図である。 図7は、プラグ放電チャンネル伸長制御のフローチャートである。 図8は、点火プラグ近傍の流速と燃焼期間との関係を表す図である。 図9は、点火プラグ近傍の流速と燃料噴射弁作動量との関係を表す図である。 図10は、流動付与によるA/F耐力向上の効果の説明図である。 図11は、本実施形態を適用する運転領域の説明図である。
 以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
 図1は、内燃機関システムの全体構成の説明図である。内燃機関システム1において内燃機関10は、吸気通路51に接続されている。また、内燃機関10は、排気通路52に接続されている。
 吸気通路51にはタンブルコントロールバルブ16が設けられる。タンブルコントロールバルブ16は、吸気通路51の流路断面の一部を閉塞することにより筒内にタンブル流動を生成する。
 吸気通路51にはコレクタタンク46が設けられている。コレクタタンク46にはEGR通路53bも接続されている。
 吸気通路51にはエアフローメータ33が設けられる。エアフローメータ33に接続するコントローラ50は、エアフローメータ33から吸気通路51における吸気量を取得する。また、吸気通路51には吸気温センサ34が設けられる。吸気温センサ34に接続するコントローラ50は、吸気温センサ34から吸気通路51を通過する空気の温度を取得する。
 また、吸気通路51には電子制御スロットル41が設けられ、コントローラ50によりスロットル開度が制御される。
 排気通路52には排気浄化用の排気触媒44、45が設けられる。排気触媒44、45には三元触媒等が用いられる。また、排気通路52はその途中でコレクタタンク46と接続するEGR通路53に分岐する。
 EGR通路53にはEGRクーラー43が設けられる。また、EGR通路53には、EGRバルブ42が設けられる。EGRバルブ42は、コントローラ50に接続される。そして、内燃機関10の運転条件に応じて、コントローラ50によりEGRバルブ42の開度が制御される。
 内燃機関10は、点火プラグ11と燃料噴射弁12と吸気側可変動弁機構13と排気側可変動弁機構14と燃料噴射ポンプ15を備える。燃料噴射弁12は直上噴射弁であり、点火プラグ11の近傍に設けられる。
 点火プラグ11は、内燃機関10の燃焼室内で火花点火を行う。点火プラグ11は、コントローラ50に接続され、コントローラ50によって火花点火タイミングが制御される。点火プラグ11は、後述するように流速センサ23としても動作する。流速検出の方法については後述する。
 燃料噴射弁12は、内燃機関10の燃焼室内に燃料を直接噴射する。燃料噴射弁12は、コントローラ50に接続され、燃料噴射タイミングが制御される。本実施形態では、吸気行程を含めて複数回燃料噴射が行われる。燃料噴射ポンプ15は、この燃料噴射弁12に接続する燃料供給配管に加圧した燃料を供給する。
 吸気側可変動弁機構13は、吸気弁の開閉時期を変化させる。排気側可変動弁機構14は、排気弁の開閉時期を変化させる。吸気側可変動弁機構13及び排気側可変動弁機構14は、コントローラ50に接続される。そして、コントローラ50によって、これらの開閉時期が制御される。なお、ここでは、吸気側可変動弁機構13及び吸気側可変動弁機構14を示しているが、いずれか一方を有するものであってもよい。
 内燃機関10には、クランク角センサ27と筒内圧センサ35が設けられる。クランク角センサ27は、内燃機関10におけるクランク角を検出する。クランク角センサ26はコントローラ50に接続され、内燃機関10のクランク角をコントローラ50に送る。
 筒内圧センサ35は、内燃機関10における燃焼室の圧力を検出する。筒内圧センサ35はコントローラ50に接続される。そして、内燃機関10における燃焼室の圧力をコントローラ50に送る。
 また、内燃機関10は、ノックセンサ21や燃圧センサ24を備えることとしてもよい。コントローラ50は、前述の各種センサ及び図示しないその他のセンサからの出力を読み込み、これらに基づいて点火時期、バルブタイミング、空燃比等の制御を行う。また、コントローラ10は、後述するプラグ放電チャンネル伸長制御を行う。
 図2は、筒内に生ずるタンブル流動の説明図である。図3は、タンブル流動崩壊の説明図である。これらの図には、吸気通路51と排気通路52と点火プラグ11と燃料噴射弁12とタンブルコントロールバルブ16が示されている。また、点火プラグ11の中心電極11aと外側電極11bが示されている。さらに、図2には、吸入行程における筒内のタンブル流動が矢印で示されている。図3には、圧縮行程における筒内のタンブル流動が矢印で示されている。
 吸入行程において、タンブルコントロールバルブ16が閉じられていると、吸気は吸気通路51の図中上側に偏って流れ、筒内に流入する。その結果、図示するように筒内には縦方向に旋回するタンブル流動が形成される。その後、圧縮行程においてピストンが上昇することにより筒内の燃焼室が狭まる。燃焼室が狭くなると、タンブル流動は押しつぶされ、徐々にその流動を維持できなくなり(図3)、やがて崩壊する。
 タンブル流動が維持されている間に燃料と吸気との混合が促進される。よってタンブル流動の崩壊後には、筒内の混合気は均質化している。しかし、タンブル流動の崩壊後は、筒内は流動が弱まってプラグ点火時にプラグ放電チャンネルが十分伸長しない状態になる。特に、点火プラグ近傍の流動が弱まると火花点火により発生した火炎核が成長し難くなるので、失火やパーシャルバーンを起こしやすくなる。
 そこで、本実施形態では、プラグ点火時にプラグ放電チャンネルが十分伸長するように、点火時近傍のタイミングにおいて点火プラグ近傍に流動を与える。具体的には、前述した多段噴射に加えて、タンブル流動崩壊後からプラグ放電チャンネル生成までの間に、さらに燃料噴射を行う。なお、ここでいう「プラグ放電チャンネル」とは、点火プラグの電極11a、11bの間に生ずるアークである。燃料噴射弁12は点火プラグ11の近傍に配置されているので、噴射された燃料の一部は点火プラグ11の近傍を通過する。これにより、点火プラグ11近傍に流動が付与されるわけである。
 また、プラグ放電チャンネルが伸長するように流動を付与すれば、火炎核の成長が促進され、さらなる燃焼性の向上が望める。プラグ放電チャンネルの伸長については後述する。
 図4は、プラグ近傍における流動付与の説明図である。上述したように、燃料噴射弁12は直上噴射弁であり、点火プラグ11の近傍に設けられる。そのため、噴射された燃料の一部は放電ギャップ近傍を通過することになる。よって、タンブル流動が崩壊した後に、燃料噴射弁12が作動させられ燃料噴射が行われることにより、点火プラグ近傍に流動を付与することができる。
 図5は、燃料噴射弁による乱流増加の説明図である。図5には、任意のタイミングで燃料噴射を行ったときの筒内の乱流強度が示されている。図5のグラフにおいて、横軸は吸気下死点から圧縮上死点のクランク角であり、縦軸は乱流強度である。前述のように圧縮行程においてタンブル流動は崩壊する。そのため、圧縮行程において乱流強度も徐々に弱くなる。しかしながら、図5に示すように、任意のタイミングで燃料噴射を行うことによって、乱流強度を高めることができることがわかる。すなわち、燃料噴射を行うことによって流動を与えることができる。
 図6は、点火プラグ近傍におけるプラグ放電チャンネルの説明図である。図6には、点火プラグ11の中心電極11aと外側電極11bが示されている。また、伸長させられたプラグ放電チャンネルCNが示されている。また、ここでは、プラグ放電チャンネルCNの様子に着目するために、燃料噴射弁12は省略しているが、前述の図4と同様に吸気通路51寄りに設けられる。なお、プラグ放電チャンネルが十分伸長するように点火プラグ近傍に流動を与えられれば、燃料噴射弁12の先端は必ずしも点火プラグ11に向いていなくてもよく、違う方向に向いていても燃焼室内で反射し点火プラグ近傍に流動が与えられる実施形態でもよい。
 タンブル流動崩壊後における点火プラグ11近傍の流動は小さい。よって、火花点火が行われると、通常であれば、中心電極11aと外側電極11bとの間をほぼ直線的に跨ぐようにプラグ放電チャンネルが生成される。しかしながら、本実施形態では、タンブル流動の崩壊後からプラグ放電チャンネルが生成されるまでの間に、燃料噴射弁12による燃料噴射により点火プラグ11の近傍に流動が付与される。そして付与された流動により、図6に示されるように中心電極11aと外側電極11bとの間のプラグ放電チャンネルCNが伸長する。
 このようにすることで、タンブル流動崩壊後に燃焼室内に流動を付与し、プラグ放電チャンネルCNを伸長させることができるので、パーシャルバーン及び失火を抑制し燃焼安定性を改善することができる。特に、後述するようにEGRを用いた場合やリーンバーンを採用する場合のように通常よりも火炎伝播燃焼しにくい状況下においても安定して火花点火を行わせることができる。
 以下、プラグ放電チャンネルを伸長させる制御について説明する。
 図7は、プラグ放電チャンネル伸長制御のフローチャートである。本ルーチンは例えば10ミリ秒程度の短い間隔でコントローラ50によって繰り返し実行される。
 コントローラ50は、内燃機関10の燃焼状態を検知する(S1)。内燃機関10の燃焼状態は、例えば、内燃機関10の回転速度変動に基づいて検知することができる。このとき、内燃機関10の回転速度変動が所定量よりも小さい場合には、内燃機関10の燃焼状態が良好であると判定することができる。内燃機関10の回転速度変動は、クランク角センサ27からの出力に基づいて求めることができる。
 なお、内燃機関10の燃焼状態は、内燃機関10に設けられた筒内圧センサ35から得られる筒内圧変動に基づいて検知することとしてもよい。この場合、筒内圧変動が所定量よりも小さい場合には、内燃機関10の燃焼状態が良好であると判定することができる。また、トルクセンサを設けることとしてトルク変動に基づいて燃焼安定性を検知することとしてもよい。また、イオンセンサを設けることとして、イオン濃度の変動に基づいて燃焼安定性を検知することとしてもよい。
 次に、コントローラ50は、流動計測を行うか否かを判定する(S2)。流動計測を行うか否かについては、ステップS1において求めた内燃機関10の燃焼状態に基づいて判定することができる。そして、内燃機関10の燃焼状態が良好でないときには、コントローラ50は、次のステップで点火プラグ12の近傍の流動を計測する(S3)。具体的には、点火プラグ12の近傍の流速を計測する。一方、内燃機関10の燃焼状態が良好のときには、本制御を終了する。
 なお、流動計測を行うか否かについては、EGR率に基づいて判定することとしてもよい。具体的には、EGR率が所定値よりも高い場合には、流動計測を行うものと判定することができる。これは、EGR率が高いと失火及びパーシャルバーンが生じやすくなるためである。
 また、流動計測を行うか否かについては、リーンバーン運転時においてA/F値が所定値よりも高い場合、すなわち空燃比が所定値よりもリーン側で運転を行っている場合に、流動計測を行うものと判定することもできる。これは、リーン側で運転を行っている場合も失火及びパーシャルバーンが生じやすくなるためである。
 ステップS3において、コントローラ50は、点火プラグ12の近傍の流動を計測する。流動の計測は圧縮行程の後半において行われる。点火プラグ12の近傍の流動を計測する流速センサは、例えば、点火プラグ12を利用して次のように構成することができる。
 点火プラグ11の中心電極11aに流れる電流値を計測する電流計を設ける。また、点火プラグの外側電極11bに流れる電流値を計測する電流計を設ける。そして、点火プラグ12の近傍の流速を計測するタイミングで、中心電極11aと外側電極11bとの間に短パルスの電界を付与する。この短パルスの電界は、火花点火しない程度の微弱な電界である。
 電極11a、11bの間に電圧が印加されると中心電極11aから電子が放出される。放出された電子は、電極11a、11bの間の流動によって流される。そして、流速が速いほど外側電極11bに到達しない電子が多くなる。そのため、流速が速いほど、中心電極11a側で計測される電流に比して外側電極11b側で計測される電流が小さくなることになる。
 これら電流値の差と流速との関係を予め求めておく。そして、流速を求めるタイミングで電極11a、11bの間に短パルスを印加する。そして、中心電極11aの電流値と外側電極11bの電流値との差を求めることによって、流速を求めることができることになる。
 図8は、点火プラグ近傍の流速と燃焼期間との関係を表す図である。図8のグラフにおいて、横軸は点火プラグ12近傍の流速であり、縦軸は燃焼期間である。点火プラグ12近傍の流速が速ければ、燃焼速度は速いため燃焼期間は短くなるという関係がある。燃焼期間がある長さよりも長くなってしまうと燃焼を完了できない。よって、燃焼期間には適合値が存在する。そして、この適合値よりも燃焼期間が長くならないようにするために、この適合値に対応する流速よりも計測された流速が遅い場合には、流速が不足しているものとして流動を付与するようにする。
 そのために、コントローラ50は、流動が不足しているか否かについて判定する(S4)。流動が不足しているか否かについては、計測された流速が所定速度よりも遅いか否かに基づいて判定することができる。ここで、所定速度とは、前述の適合値に対応する点火プラグ12近傍の流速である。そして、計測された流速が所定速度よりも小さく、流動が不足していると判定された場合には、コントローラ50は、燃料噴射弁12の作動量を算出する(S5)。
 図9は、点火プラグ近傍の流速と燃料噴射弁作動量との関係を表す図である。図9のグラフにおいて、横軸は点火プラグ近傍の流速であり、縦軸は燃料噴射弁作動量である。そして、所定の燃料噴射弁作動量において作動許可上限が示されている。
 算出された作動量が大きすぎる場合、その作動量で燃料を噴射すると燃料の混合が不十分となる場合がある。燃料の混合が不十分な場合、排気性能が悪化する。そのため、燃料の混合が不十分とならない程度の燃料を噴射するように、作動量許可上限が設定されている。
 コントローラ50は、算出した噴射弁作動量が作動許可上限未満である場合には、算出した作動量で燃料噴射弁に燃料を噴射させる(S7)。そして、点火プラグ近傍に流動を付与する。なお、このとき、火花点火タイミングに対して最も流動を付与できる燃料噴射タイミングを算出し、算出された燃料噴射タイミングで燃料を噴射することで流動を付与することが望ましい。
 一方、算出した燃料噴射弁作動量が作動許可上限未満でない場合には、コントローラ50は、燃料噴射弁12に許可上限の作動量で燃料を噴射させる(S8)。そして、コントローラ50は、可能な限りの作動量で燃料噴射弁12に流動を付与させる。
 このようにすることによって、タンブル流動が崩壊し点火プラグ近傍の流動が不足しているときであっても流動を付与することができるので、プラグ放電チャンネルを伸長させて燃焼安定性を改善することができる。また、EGR時においては、失火及びパーシャルバーンを抑制することができるので、高EGR燃焼を実現することができる。
 上記実施形態では、点火プラグ近傍の流速が不足するサイクルにおいて流動を付与することとしていた。しかしながら、流動の付与は毎サイクルにおいて行うこととしてもよい。特に、リーンバーン運転時において、上記流動の付与を毎サイクル行うこととしてもよい。このようにすることによって、希釈混合気の火炎伝播速度を確保し、リーンバーン運転時において失火及びパーシャルバーンの発生を抑制することができる。また、解析の結果で統計的に所定の確率で流動が弱くなるサイクルが生ずる場合には、そのサイクルで流動を付与するようにしてもよい。
 図10は、流動付与によるA/F耐力向上の効果の説明図である。図10のグラフにおいて、横軸はA/F(空燃比)であり、縦軸は乱流強度である。ここで、A/F耐力向上とは、よりリーンで安定的に燃焼を行わせることができることをいう。また、図10のグラフには、乱流強度に対する燃焼限界線が示されている。図10において、燃焼限界線よりも左側では安定的に燃焼を行わせることが困難となる。
 図10において、乱流強度が約3.2(m/s)のとき、燃焼限界A/Fは約19.5である。これに対し、流動を付与することにより乱流強度を約3.8(m/s)にまで上昇させた場合、燃焼限界A/Fは21.5にまで向上する。すなわち、A/F耐力が向上する。
 前述のように、燃料噴射を行うとプラグ近傍に流動を付与することができる。これにより筒内の乱流強度も強められプラグ放電チャンネルが伸長するので、図10に示されるようなA/F耐力向上効果を得ることができる。
 また、過給機を備え過給リーンバーンを行う内燃機関において上記制御を行うこととしてもよい。このとき、前述のような各気筒に直上噴射弁を設けると共に、各気筒の吸気ポートにインジェクションを設けるマルチポートインジェクションを採用することとしてもよい。また、各気筒に直上噴射弁を設けると共に、各気筒にサイド噴射弁を設けることとしてもよい。
 図11は、本実施形態を適用する運転領域の説明図である。図11のグラフにおいて、横軸は内燃機関回転速度であり、縦軸は負荷である。本実施形態のように、混合気の均質度を高め、かつ、乱流増大の効果を得るためには、燃圧を高めることができ、かつ、点火直前の燃料噴射量が少ないことが望ましい。内燃機関速度及び負荷の高い領域においては、燃料噴射量は多くなる。よって、高圧で多段噴射を行うことが可能である。そのため、リーンブースト領域(図中の領域A)において効果的に本実施形態を適用することができる。
 ところで、上記のように圧縮行程で燃料噴射を行った場合、燃焼室内の混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチになる場合も考えられる。流速の計測は、圧縮行程の後半に行われる。多段噴射であって圧縮行程前に燃料噴射を行う場合には、理論空燃比となる量の燃料噴射を圧縮行程前に完了してしまっている場合がある。このとき、タンブル流動崩壊後に追加的に燃料噴射を行った場合、1つの気筒内における混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチになってしまう。
 このような場合には、コントローラ50は、他の気筒での混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーンとなるように燃料噴射量を制御する。そして、複数の気筒におけるトータルの混合気の空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量を制御する。例えば、4気筒のうちある1気筒で空燃比が理論空燃比よりもリッチになった場合には、残りの3気筒で空燃比を理論空燃比よりもリーンとする。そして、4気筒全体での空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量を制御する。このようにすることによって、三元触媒を効果的に働かせることができるので、排気性能も向上させることができる。
 なお、流速を計測することなく、毎サイクルでタンブル流動崩壊後に燃料を噴射する場合には、多段噴射の各噴射において予め噴射量を決めておくことができる。よって、この場合、各噴射の噴射量を調整して各気筒において1サイクルにおける混合気の空燃比が理論空燃比となるようにする。このようにすることによって、三元触媒を効果的に働かせることができるので、排気性能も向上させることができる。
 上記実施形態において、点火プラグ11を用いて流速を計測することとしていたが、流速の計測方法は上記手法に限られない。例えば、筒内に流速計を設け、これにより流速を計測することとしてもよい。また、筒内のイオン電流を検知したり、筒内圧センサ35の変動に基づいて流速を計測することとしてもよい。
 また、筒内に流動を付与する手法も上記手法に限られない。例えば、空気噴射弁により筒内に空気を噴射して流動を付与することとしてもよい。また、水噴射弁により筒内に水を噴射して流動を付与することとしてもよい。また、可変バルブタイミング機構によりバルブタイミングを調整して筒内に流動を付与することとしてもよい。また、誘電体の表裏に薄い電極を配置し、交流電圧を印加することにより空気の流動を生じさせるプラズマアクチュエータを用いることとしてもよい。
 また、上記プラグ放電チャンネルを伸長させるにあたり、点火プラグ11の放電電圧を高めることとしてもよい。また、プラグ放電チャンネルを伸長させることができれば、プラグ放電チャンネル生成前でなくプラグ放電チャンネル生成時に流動を与えることとしてもよい。
 流動付与のための燃料噴射は圧縮行程において行われる。圧縮行程における燃料噴射タイミングの制約条件は、混合気の不均質性である。あまり遅い時期に燃料噴射を行えば、混合気の不均質性から燃焼安定性を損なうことになる。そのため、燃焼安定性に基づいて流動付与のための燃料噴射のタイミングをフィードバック制御することとしてロバスト性を増すこととしてもよい。
 次に、本実施形態の効果を説明する。
 上述のように、本実施形態では、タンブル流動の崩壊後に、プラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与える。このようにすることによって、プラグ放電チャンネルを伸長させることができる。これにより、混合気にエネルギを投入し、火炎核を成長させることができる。そして、内燃機関における着火性を改善することができる。
 また、燃焼室の内部に設けられた燃料噴射弁12が燃料を噴射することでプラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与えることが望ましい。このようにすることによって、燃料噴射弁12を利用してプラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与えることができる。
 また、コントローラ50は、燃料噴射弁12によりプラグ放電チャンネルを伸長させた後において、燃焼室における混合気の空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射弁12を制御することが望ましい。このようにすることによって、各気筒の燃焼室における混合気の空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量を調整しつつプラグ放電チャンネルを伸長させることができる。混合気の空燃比が理論空燃比となるので、三元触媒44、45を効果的に働かせることができ、排気性能も向上させることができる。
 また、コントローラ50は、複数の気筒のトータルの混合気の空燃比が三元触媒44、45前において理論空燃比となるように燃料噴射弁12を制御することとしてもよい。このようにすることによって、プラグ放電チャンネルを伸長させるために燃料噴射を行ったためにある一つの気筒の空燃比が理論空燃比よりもリッチにとなった場合であっても、他の気筒の空燃比を理論空燃比よりもリーンとすることができる。そして、複数の気筒のトータルの混合気の空燃比を三元触媒44、45前において理論空燃比とすることができるので、三元触媒44、45を効果的に働かせることができ、排気性能も向上させることができる。
 また、上述のように、燃料噴射弁12は、燃焼室内の空燃比が理論空燃比よりもリーンなときにおいて、タンブル流動の崩壊後に、プラグ放電チャンネルを伸長させる流動を与えることとしてもよい。このようにすることによって、燃焼室内の空燃比が理論空燃比よりも低いリーンバーン運転時において、プラグ放電チャンネルを伸長させる流動を与えることができる。そして、パーシャルバーン及び失火が生じやすいリーンバーン運転時に火炎核を成長させることができるので、パーシャルバーン及び失火を抑制して内燃機関の燃焼安定性を改善することができる。
 また、上述のように、燃料噴射弁12は、燃焼室にEGRガスが導入されているときにおいて、タンブル流動の崩壊後に、プラグ放電チャンネルを伸長させる流動を与えることとしてもよい。このようにすることによって、燃焼室にEGRガスが導入されているときにおいて、プラグ放電チャンネルを伸長させる流動を与えることができる。そして、EGRガスの導入によりパーシャルバーン及び失火が生じやすい条件下においても火炎核を成長させることができるので、パーシャルバーン及び失火を抑制して内燃機関の燃焼安定性を改善することができる。
 また、本実施形態では、燃焼室内の流速が所定の流速よりも弱くなった場合に、燃料噴射弁12がプラグ放電チャンネルを伸長させる流動を与えることとしてもよい。このようにすることによって、燃焼室における流速に基づいて選択的にプラグ放電チャンネルを伸長させる流動を与えることができる。
 以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
 上述した各実施形態は、それぞれ単独の実施形態として説明したが、適宜組み合わせてもよい。

Claims (8)

  1.  タンブル流動が生ずる燃焼室と、
     点火時に前記燃焼室でプラグ放電チャンネルを生成する点火プラグと、
     前記タンブル流動の崩壊後に、前記プラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与える流動付与手段と、
    を備える内燃機関の制御装置。
  2.  請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
     前記流動付与手段は前記燃焼室の内部に設けられた燃料噴射弁により燃料を噴射することで前記プラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与える、
    内燃機関の制御装置。
  3.  請求項2に記載の内燃機関の制御装置であって、
     前記燃料噴射弁により前記プラグ放電チャンネルを伸長させた後において、前記燃焼室における混合気の空燃比が理論空燃比となるように前記燃料噴射弁を制御するコントローラを備える、
    内燃機関の制御装置。
  4.  請求項2に記載の内燃機関の制御装置であって、
     前記内燃機関は複数の気筒を備え、
     前記複数の気筒のトータルの混合気の空燃比が触媒前において理論空燃比となるように前記燃料噴射弁を制御するコントローラを備える、
    内燃機関の制御装置。
  5.  請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置であって、
     前記流動付与手段は、前記燃焼室内の空燃比が理論空燃比よりもリーンなときにおいて、前記タンブル流動の崩壊後に、前記プラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与える、
    内燃機関の制御装置。
  6.  請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置であって、
     前記流動付与手段は、前記燃焼室にEGRガスが導入されているときにおいて、前記タンブル流動の崩壊後に、前記プラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与える、
    内燃機関の制御装置。
  7.  請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置であって、
     前記流動付与手段は、前記燃焼室における流速が所定の流速よりも弱くなった場合に、前記プラグ放電チャンネルを伸長させる流動を与える、
    内燃機関の制御装置。
  8.  タンブル流動が生ずる燃焼室と、
     点火時に前記燃焼室でプラグ放電チャンネルを生成する点火プラグと、
    を備える内燃機関の制御方法であって、
     前記タンブル流動の崩壊後に、前記プラグ放電チャンネルを伸長させるための流動を与える、
    内燃機関の制御方法。
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