WO2016151686A1

WO2016151686A1 - 平巻紙管の切断機及びその切断方法

Info

Publication number: WO2016151686A1
Application number: PCT/JP2015/058535
Authority: WO
Inventors: 武松村; 正基渡部
Original assignee: 日本たばこ産業株式会社
Priority date: 2015-03-20
Filing date: 2015-03-20
Publication date: 2016-09-29

Abstract

　本発明に係る平巻紙管の切断方法を実施する切断機（４４）は、平巻紙管の連続体(CR)を複数のチャック爪で把持するチャック装置（５２）と、このチャック装置（５２）の近傍に配置されたナイフ装置（６０）とを有し、このナイフ装置（６０）の回転ナイフ（６６）は、前記チャック装置（５２）に把持された連続体（CR）をチャック装置（５２）の近傍位置にて切断する。連続体（CR）が一定の速度で走行中にある場合、チャック装置（５２）及びナイフ装置（６０）は１つの切断ユニット（７０）を形成し、連続体（CR）と一緒に移動する。

Description

平巻紙管の切断機及びその切断方法

　本発明は、平巻紙管の切断機及びその切断方法に係わり、特に、平巻紙管が連続的に形成される過程で、平巻紙管の連続体を切断する切断機及びその切断方法に関する。

　一般的に紙管を切断する場合には詰め物が使用される。この詰め物は紙管の切断に先立って紙管内に配置され、紙管と一緒に切断される。このような詰め物は紙管の切断時、紙管の変形を阻止するうえで役立つ。
　例えば、スパイラル紙管の切断に適用される切断機が例えば以下の特許文献１に開示されている。特許文献１の切断機は、スパイラル紙管の成形に使用されるマンドレルを詰め物として使用し、マンドレルの回りに回転するスパイラル紙管に切断刃を押し当てることで、スパイラル紙管を切断する。この際、切断刃はスパイラル紙管の成形速度に合わせて移動し、マンドレルは切断刃に対する俎板として機能する。

日本特開平9-12229号公報

　平巻紙管の成形にはマンドレルが使用されず、また、平巻紙管の成形過程にて、平巻紙管が自身の軸線回りに回転されることもない。それ故、上述の特許文献１の切断機は平巻紙管の切断に適用できない。
　本発明の目的は、詰め物やマンドレルの助けをかりなくとも、平巻紙管の変形を伴うことなく平巻紙管の切断を可能とした切断機及びその切断方法を提供することにある。

　上述の目的は、本発明の平巻紙管の切断機によって達成され、この切断機は、
　厚紙から形成された平巻紙管を把持するチャック装置であって、複数のチャック爪を含む、チャック装置と、
　前記チャック装置の近傍に配置され、前記チャック装置に把持された前記平巻紙管に対して該平巻紙管を横断する方向に移動する回転ナイフを含み、前記チャック装置の近傍位置にて前記チャックに把持された前記平巻紙管を前記回転ナイフにより切断するナイフ装置と
を具備する。

　上述の切断機によれば、厚紙から形成された平巻紙管は比較的高い剛性を有する。それ故、平巻紙管がナイフ装置の回転ナイフにより切断されるとき、平巻紙管がチャック装置により把持され、且つ、平巻紙管の切断位置がチャック装置の近傍位置に位置付けられていれば、平巻紙管は変形を伴うことなく切断される。

　上述の目的は本発明の平巻紙管の切断方法によっても達成され、この切断方法は、
　厚紙から形成された平巻紙管を複数のチャック爪を含んだチャック装置で把持し、
　前記チャック装置に前記平巻紙管が把持された状態で、前記平巻紙管に対して該平巻紙管を横断する方向にナイフ装置を移動し、前記チャック装置の近傍位置にて前記ナイフ装置の回転ナイフにより前記平巻紙管を切断する。
　このような切断方法は上述の切断機と同様に平巻紙管を切断する。

　以上の説明から明らかなように、本発明の平巻紙管の切断機及びその切断方法は、詰め物やスピンドルの助けをかりなくとも平巻紙管の変形を伴うことなく平巻紙管の切断を可能にする。
　本発明の他の目的及び利点は、添付図面を参照して後述される本発明の実施形態から明らかとなる。

本発明の一実施形態に係る平巻紙管の製造機を示した概略図である。図１の製造機の各動作部を制御するための制御ブロック図である。平巻紙管を示した斜視図である。図３の平巻紙管を使用した喫煙物品を示す斜視図である。図１の切断機の詳細を示した図である。図５のチャック装置を開状態で示す図である。図５のチャック装置を閉状態で示す図である。平巻紙管の連続体に対する図５の回転ナイフの進入角を示す図である。図５の切断機の一連の動作を（ａ）～（ｆ）の順に示す図である。変形例の紙管ロッドを示した図である。別の変形例の紙管ロッドを示した図である。図１０及び図１１の紙管ロッドから得られた平巻紙管を示す図である。

　本発明の一実施形態に係る平巻紙管の切断機は、平巻紙管の製造機と組み合わせて使用される。それ故、切断機の説明に先立ち、平巻紙管の製造機に関して図１を参照しながら以下に説明する。
　平巻紙管の製造機は成形ベッド１０を備える。この成形ベッド１０は水平方向に延び、製造ラインの一部を形成する。成形ベッド１０は無端状のガニチャベルト１２を含み、このガニチャベルト１２は多数のガイドローラ１４により案内されている。ガニチャベルト１２は成形ベッド１０の下方にて駆動ドラム１７に掛け回されている。この駆動ドラム１７が図１中の矢印CCの方向に回転されたとき、ガニチャベルト1２は成形ベッド１０上を図１でみて成形ベッド１０の右端（始端）から左端（終端）に向け、一定の速度で走行する。

　成形ベッド１０上のガニチャベルト１２には紙製のウエブWが導かれており、このウエブWはガニチャベルト１２とともに成形ベッド１０に沿い、図１中の矢印Bで示す方向に走行する。なお、ウエブWはウエブロールから繰り出される。
　ウエブWは厚紙によって形成され、１００～３００ｇ/ｍ^２の坪量、１５０～５００μｍの厚さ、０．５ｇ/ｃｍ^３以上の密度、１６．７～３４．４ｍｍの幅を有する。本実施形態の場合、ウエブWには矩形の熱伝導シートがウエブWの長手方向に間隔を存して配置されている。これら熱伝導シートは例えば紙層と、この紙層に重ね合わされたアルミニウム箔等の金属層とを含み、ウエブ上にマークを形成する。このような熱伝導シートはウエブWに予め貼り付けられているか、又は、ウエブWがウエブロールからガニチャベルト１２上に導かれる過程で、ウエブWに貼り付けられる。

　成形ベッド１０の上流、即ち、ウエブWの繰り出し経路には塗布ノズル１６が配置されている。この塗布ノズル１６はウエブWの一側縁にウエブWの長手方向に沿いシーム糊としての接着剤を連続的に塗布する。なお、繰り出し経路は多数のガイドローラ１９によって規定され、これらガイドローラ１９の１つが図１に示されている。
　更に、成形ベッド１０の直上には、その始端側から送込みローラ１８、予備成形ガイド２０、シガレットフィルタの分配器２２、成形ガイド２４及びヒータ２６が順次配置されている。ウエブWは送込みローラ１８とガニチャベルト１２との間に挟み込まれており、送込みローラ１８は図１中の矢印Cで示す方向に回転する。このような送込みローラ１８はウエブWが厚紙から形成されていても、ウエブWの安定した走行に寄与する。

　ウエブWが予備成形ガイド２０を通過するとき、予備成形ガイド２０はウエブWをU字形に形成する。それ故、ウエブWが予備成形ガイド２０を通過した後、U字形のウエブWは２つのサイドを有し、これらサイドの一方は前述のシーム糊を有する。
　この後、ウエブWが分配器２２を通過する際、分配器２２はU字形のウエブW内に円筒形状のシガレットフィルタFを周期的に分配する。ここで、シガレットフィルタFの分配は、ウエブW上にて前述した熱伝導シートとシガレットフィルタFとの間に一定の間隔が確保されるべく実施される。

　詳しくは、分配器２２はシガレットフィルタFのホッパ２８と、このホッパ２８の直下に配置された分配ドラム３０とを含み、この分配ドラム３０は送込みローラ１８の回転方向と同一の回転方向に間欠的に回転される。
　分配ドラム３０の間欠的な回転は、ホッパ２８からシガレットフィルタFを１個ずつ取出し、取出したシガレットフィルタFを成形ベッド１０、即ち、U字形のウエブWに向けて移送し、待機位置にて待機させる。この待機位置はウエブW上に規定されている。

　上述のシガレットフィルタFの取出し及び移送にはサクションが使用される。シガレットフィルタFが待機位置に到達したとき、待機位置のシガレットフィルタFはサクションから解放されている。それ故、待機位置のシガレットフィルタFはウエブWに引き摺られ、ウエブWとともに走行しようとする。しかしながら、ここでのシガレットフィルタFの走行は分配ドラム３０における爪要素３１の１つによって阻止されている。このような爪要素３１はシガレットフィルタFをサクションによって吸着する座３３にそれぞれ備えられている。これら座３３は分配ドラム３０の外周面に形成され、分配ドラム３０の周方向に間隔を存して配置されている。この結果、ウエブWは待機位置のシガレットフィルタFに対して摺接しながら走行する。

　ウエブW上の１つの熱伝導シートが待機位置を通過した後、所定の時間が経過したとき、分配ドラム３０が間欠回転され、この時点で、待機位置のシガレットフィルタFは爪要素３１から解放され、ウエブWの引き摺り力によりウエブWとともに走行する。このとき、ウエブW上に分配されたシガレットフィルタFと先行する熱伝導シートとの間には一定の間隔が確保されている。
　上述したシガレットフィルタFの分配を可能にするため、製造機は図２に示される制御装置、即ち、制御ユニット３２を更に備えており、この制御ユニット３２には例えばロータリエンコーダ３４、検出器３６及び分配ドラム３０の駆動モータ３８がそれぞれ電気的に接続されている。ロータリエンコーダ３４は例えば送込みローラ１８に内蔵され、この送込みローラ１８の回転信号を制御ユニット３２に送信する。制御ユニット３２は回転信号に基づき、送込みローラ１８の回転速度、即ち、ウエブWの走行速度を検出する。

　検出器３６は例えば反射型の光電センサからなり、例えば成形ベッド１０の始端に位置するガイドローラ１４の直上に配置されている。熱伝導シートが検出器３６の直下を通過するとき、検出器３６は熱伝導シートを検出し、その検出信号を制御ユニット３２に送信する。それ故、制御ユニット３２は、ウエブWの走行速度、検出器３６からの検出信号、検出器３６と待機位置との間の距離に基づき、待機位置のシガレットフィルタFをウエブWとともに走行させる分配時期、換言すれば、駆動モータ３８を介して分配ドラム３０を間欠回転させる時期を決定することができる。ここでの分配ドラム３０の間欠回転にて、分配ドラム３０の周速はウエブWの走行速度よりも速い方が好ましい。

　この後、ウエブWが成形ガイド２４を通過する過程で、成形ガイド２４はU字形のウエブWの２つのサイドのうち、他方のサイドを先ず円弧状に形成する。この後、成形ガイド２４は一方のサイドを円弧状に同様に形成し、一方のサイドの側縁を他方のサイドの側縁にシーム糊を介して重ね合わせる。
　この時点で、２つのサイドが側縁同士にて接着され、平巻紙管の連続体CRが形成される。このような連続体CRの内部には前述した熱伝導シート及びシガレットフィルタFが連続体Rの長手方向に一定の間隔を存して配置されている。
　この後、連続体CRはヒータ２６を通過する。この際、ヒータ２６はシーム糊を乾燥させ、ウエブWの両側縁はシーム糊を介して強固に結合される。

　本実施形態の場合、製造機は塗布ノズル１６と検出器３６との間に別の塗布ノズル４２を更に備え、この塗布ノズル４２はウエブWにおける他方のサイドの側縁に定着糊としての接着剤を周期的に塗布する。このような定着糊は、前述したように他方のサイドが円弧状に形成されたとき、他方のサイドの側縁をシガレットフィルタFの外周面に接着させる。即ち、定着糊は、シガレットフィルタFが配置されるべきウエブWの部分のみに塗布される。ここで、シーム糊及び定着糊には同一の接着剤が使用可能である。

　この後、連続体CRは本発明の一実施形態に係る切断機４４を通過し、この切断機４４は図１から明らかなよう成形ベッド１０の下流に配置されている。切断機４４は連続体CRを個々の紙管ロッドRに切断し、紙管ロッドRは喫煙物品に使用される平巻紙管の長さと同一の長さを有するか又は平巻紙管の長さの複数倍の長さを有する。
　紙管ロッドRは喫煙物品の製造機に向けて移送される。紙管ロッドRが平巻紙管の長さの複数倍の長さを有していれば、製造機にて、紙管ロッドRは先ず個々の平巻紙管に切断される。図３は平巻紙管Tを示し、この平巻紙管Tは先端部の内面に熱伝導シートGを有する一方、その後端部内、即ち、マウスピース内にフィルタプラグHを有する。このフィルタプラグHは前述したシガレットフィルタFを切断して得られ、シガレットフィルタFの半分の長さを有する。ここで、平巻紙管Tは５～１０ｍｍの外径及び１～３ｍｍ程度のシーム幅を有し、ここでのシーム幅は前述したウエブWにおける両側縁の重ね合わせによって規定される。なお、本実施形態の場合、熱伝導シートGは５～９００μｍの厚さを有する。

　この後、平巻紙管Tの先端部内に香味発生源Ｉ及び炭素熱源Jが順次挿入され、図４に示されるような喫煙物品Kが完成する。この喫煙物品Kの炭素熱源Jは平巻紙管Fの先端から所定の長さだけ突出している。また、炭素熱源J及び香味発生源Ｉは互いに隣接して配置されており、前述の熱伝導シートGは炭素熱源Jから香味発生源Iの前端に跨って配置され、これら炭素熱源J及び香味発生源Iの全周を取り囲んでいる。上述した香味発生源I及び炭素熱源Jの挿入は製造機又はユーザ自身の手作業によって実施される。

　ユーザは喫煙物品Kの使用に先立ち、炭素熱源Jに着火する。着火された炭素熱源Jは熱を発生し、香味発生源Iを直接に加熱する。この際、熱伝導シートGは炭素熱源Jから香味発生源Iに熱を伝達するので、香味発生源Iは効率良く加熱される。また、熱伝導シートGは平巻紙管Fの過熱を阻止する機能をも発揮する。
　この状態で、ユーザが喫煙物品Kのマウスピースを通じて吸引すれば、加熱された香味発生源Iから気化した香味成分がエアロゾルの形態で、フィルタプラグHを通じてユーザの口腔に導かれる。この結果、ユーザは香味成分を味わうことができる。

　図５は、前述の切断機４４をより概略的に示す。以下、切断機４４に関して詳述する。
　切断機４４は可動キャリア４６を含み、この可動キャリア４６は図５中の矢印Xの方向、即ち、前述した連続体CRの送出方向B（ウエブWの走行方向）に沿い往復動可能に支持されている。このような可動キャリア４６は往復アクチュエータ４８に接続され、この往復アクチュエータ４８は前述の制御ユニット３２に電気的に接続されている。それ故、往復アクチュエータ４８の作動は制御ユニット３２によって制御される。ここでの制御のため、往復アクチュエータ４８は位置センサ５０を備え、この位置センサ５０は例えば前述の検出器３６の位置を基準に往復アクチュエータ４８の作動量としての可動キャリア４６の現在位置を検出し、この位置信号を制御ユニット３２に送信する。

　可動キャリア４６上にはチャック装置５２が配置され、このチャック装置５２は図６及び図７に示されるように例えば３つのチャック爪５４を含む。これらチャック爪５４は、成形ベッド１０から送出されてくる連続体CRの長手方向に沿い所定の長さに亘って延び、一方、連続体CRの周方向に互いに離間して配置されている。
　各チャック爪５４は円弧形状の把持面５６を有する。チャック装置５２が図６に示す開位置から図７に示す閉位置に作動されたとき、チャック装置５２は連続体CRの外周面に各チャック爪５４の把持面５６を宛がうようにして連続体CRを把持することができる。この際、３つのチャック爪５４の把持面５６は互いに協働して連続体CRの外周面のほぼ全周をカバーするのが好ましい。

　本実施形態の場合、３つのチャック爪５４のうちの１つが固定チャック爪として形成されている。この固定チャック爪５４は連続体CRの直下に位置付けられ、固定チャック爪５４の把持面５６は連続体CRの送出を案内するガイドとして役立つ。
　３つのチャック爪５４の残りの２つは可動チャック爪として形成され、これら可動チャック爪は開閉アクチュエータ５８に接続されている。この開閉アクチュエータ５８は連続体CRに対して可動チャック爪５８を接離する方向に作動させ、これにより、チャック装置５２が開閉する。このような開閉アクチュエータ５８は前述の制御ユニット３２に電気的に接続され、開閉アクチュエータ５８の作動、即ち、チャック装置５２の開閉は制御ユニット３２によって制御される。

　更に、可動キャリア４６上にはチャック装置５２の近傍にナイフ装置６０が配置され、このナイフ装置６０はモータ６２を含む。このモータ６２は出力軸６４を有し、この出力軸６４は連続体CRの送出方向Bと平行である。出力軸６４には円形の回転ナイフ６６が取り付けられ、この回転ナイフ６６はモータ６２によって一方向に回転される。図５から明らかなように連続体CRの送出方向Bでみて、回転ナイフ６６はチャック装置５２における下流端の近傍に位置付けられている。

　更に、ナイフ装置６０はナイフアクチュエータ６８を更に含み、このナイフアクチュエータ６８はモータ６２を支持する一方、図５に示すY方向、即ち、連続体CRを横断する方向にモータ６２と一緒に回転ナイフ６６を往復動させることができる。このようなナイフアクチュエータ６８もまた制御ユニット３２に電気的に接続され、ナイフアクチュエータ６８の作動は制御ユニット３２によって制御される。
　回転ナイフ６６が連続体CRに向けて矢印Ｙ方向に移動し、図８に示されるように回転ナイフ６６の刃先が連続体CRの外周に切込み開始点Pにて接したとき、この切込み開始点Pと回転ナイフ６６の中心Oとの間を結ぶ線分をＬ、Ｙ方向と直交する中心Oからの垂線をVとする。このとき、線分Lと垂線Vとがなす角度は、連結体CRに対する回転ナイフ６６の進入角αを規定し、本実施形態の場合、この進入角αは４０°以下に設定される。本実施形態では、進入角αは４０°に設定されている。なお、図８中の矢印Aは回転ナイフ６６の回転方向を示す。

　上述した可動キャリア４６、チャック装置５２及びナイフ装置６０は１つの切断ユニット７０を形成し、以下、図９を参照しながら、切断ユニット７０による連続体CRの切断方法を説明する。
　図９（ａ）は、制御ユニット３２が開閉アクチュエータ５８を介してチャック装置５２を閉作動させ、連続体CRがチャック装置５２によって把持されている状態を示す。このとき、制御ユニット３２は往復アクチュエータ４８を介して連続体CRの送出方向B及び送出速度にそれぞれ一致した方向X_１及び前進速度にて切断ユニット７０を前進させ、一方、連続体CRにおける熱伝導シートGの１つはチャック装置５２の下流端の近傍に位置付けられている。なお、図９中、１点鎖線１０Eは成形ベッド１０の終端を示し、また、図９ではシガレットフィルタが省略されている。

　この後、制御ユニット３２はナイフアクチュエータ６８を介して回転ナイフ６６を待機位置から連続体CRに向かう方向Y₁に移動させ、これより、図９（ｂ）に示されるように回転ナイフ６６は連続体CRをチャック装置５２の下流端近傍にて切断する。詳しくは、この際の連続体CRの切断位置CPは、連続体CRの送出方向Bでみて例えば、熱伝導シートGの前縁に隣接した位置に設定されている。

　連続体CRの切断後、図９（ｃ）に示されるように回転ナイフ６６は連続体CRから離れる方向Y₂に移動し、待機位置に復帰する。一方、回転ナイフ６６が連続体CRから抜け出たタイミングで、制御ユニット３２は切断ユニット７０の前進を停止させると同時に、図９（ｄ）に示されるようにチャック装置５２を開作動させる。この後、制御ユニット３２は切断ユニット７０を成形ベッド１０に向かう方向X₂に所定の休止位置まで復動させ、この休止位置にて切断ユニット７０を待機させる。ここでの切断ユニット７０の復動速度は連続体CRの送出速度によりも十分に速い。

　この後、連続体CRの次又は複数番目の熱伝導シートGがチャック装置５２を通過し、このチャック装置５２の下流端から抜け出すタイミングで、図９（ｅ）に示されるように制御ユニット３２は切断ユニット７０を連続体CRの送出速度に一致した速度で再び前進させると同時に、図９（ｆ）に示されるようにチャック装置５２を閉作動させる。
　ここで、切断ユニット７０が前進するタイミングは、位置センサ５０にて検出された可動キャリア４６の現在位置と、この現在位置と検出器３６との間の距離及び連続体CRの送出速度に基づき、制御ユニット３２によって決定される。

　この後、図９（ａ）～図９（ｆ）に示された動作が繰り返されることにより、次の熱伝導シートGに隣接した切断位置にて連続体CRが再び切断される。ここで、連続体CRにて、切断位置CP間の部分が前述した紙管ロッドRを形成する。なお、図９の例では紙管ロッドRは平巻紙管Tとして示されている。
　上述の説明から明らかなように、連続体CRの切断時、切断位置CPの近傍にて連続体CRはその全周に亘ってチャック装置５２により把持され、そして、回転ナイフ６６もまた連続体CRと一緒に移動している。それ故、回転ナイフ６６は連続体CRを押し潰すことなく連続体CRを切断でき、連続体CRの切断に起因する連続体CR、即ち、紙管ロッドRの変形が効果的に抑制される。それ故、切断位置CPの近傍に熱伝導シートGが存在していても、熱伝導シートGに皺や剥がれ等の不具合が発生することもない。

　また、チャック装置５２は熱伝導シートGの位置に基づき連続体CRを把持するので、連続体CRを形成するウエブWの伸縮による影響を受けることなく、回転ナイフ６６は熱伝導シートGの位置を基準として連続体CRを切断でき、熱伝導シートGと切断位置CPとの間に一定の位置関係が維持される。この結果、本発明によれば、安定した品質の紙管ロッドR、即ち、平巻紙管の形成が可能となる。
　更に、紙管ロッドRの形成は、連続体CRの送出過程にて連続的に実施されるので、紙管ロッドRの生産性もまた高い。

　一般的に、平巻紙管を形成すべき連続体CRの切断にスパイラル紙管と同様な切断方式を採用しようとすれば、連続体CRを支持するマンドレルが必要不可欠となる。しかしながら、このようなマンドレルは厚紙からなるウエブWの走行抵抗を大幅に増加させるため、成形ガイド２４へのウエブWの送り込みが不能になる虞がある。また、シガレットフィルタを備えた連続体CRの製造にはマンドレル自体が使用できない。
　更に、連続体CRがマンドレルの回りを回転することはないので、連続体CRを回転ナイフ６６で切断するには、回転ナイフ６６は連続体CRと一緒に走行しつつ、連続体CRの回りを移動しなければならない。このような回転ナイフ６６の運動を実現するのは非常に困難である。
　この点、本発明は、前述したような切断ユニット７０を準備することで、マンドレルを使用することなく、連続体CRの切断を簡単に可能とする。

　本発明は上述の一実施形態に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
　例えば、図１０に示されるように、紙管ロッドR内にて、熱伝導シートG及びフィルタプラグHが互いに隣接し、そして、これら熱伝導シートG及びフィルタプラグHのセットが紙管ロッドRの長手方向に一定の間隔を存して配置されていてもよい。また、図１１に示されるように、紙管ロッドR内にて、熱伝導シートGの２倍の長さを有する熱伝導シート2GとシガレットフィルタFとが一定の間隔を存して配置されていてもよい。

　図１０及び図１１の何れの紙管ロッドRであっても、図１０及び図１１中に示す矢印の切断位置にて紙管ロッドRが切断されれば、図１２に示されるような平巻紙管が得られる。この平巻紙管は図３の平巻紙管に相当する。
　また、チャック装置５２の３つのチャック爪５４は連続体CRの切断位置を挟んで分割されていてもよい。この場合、回転ナイフによる連続体CRの切断はより安定する。
　更に、本発明の切断機及び切断方法はシガレットフィルタを含まない連続体の切断や、連続体CRに限らず、オフラインにて、平巻紙管の数倍の長さを有する紙管ロッドRの切断にも同様に適用可能である。

３２　　　　　　制御ユニット（制御装置）
４６　　　　　　可動キャリア
５２　　　　　　チャック装置
５４　　　　　　チャック爪
５６　　　　　　把持面
６０　　　　　　ナイフ装置
６６　　　　　　回転ナイフ
７０　　　　　　切断ユニット
G　　　　　　　熱伝導シート（マーク）
R　　　　　　　紙管ロッド
T　　　　　　　平巻紙管
W　　　　　　　ウエブ
CR　　　　　　連続体
CP　　　　　　切断位置

Claims

　厚紙から形成された平巻紙管を把持するチャック装置であって、複数のチャック爪を含む、チャック装置と、
　前記チャック装置の近傍に配置され、前記チャック装置に把持された前記平巻紙管に対して該平巻紙管を横断する方向に移動する回転ナイフを含み、前記チャック装置の近傍位置にて前記チャックに把持された前記平巻紙管を前記回転ナイフにより切断するナイフ装置と
を具備した平巻紙管の切断機。
　前記チャック装置は３個のチャック爪を含む、請求項１に記載の平巻紙管の切断機。
　前記３個のチャック爪のうちの１つは固定チャック爪であり、残りの２つのチャック爪は可動チャック爪である、請求項２に記載の平巻紙管の切断機。
　前記３つのチャック爪は前記平巻紙管の外周面に沿って該外周面に接触可能な円弧状の把持面をそれぞれ有し、これら把持面は前記チャック装置が閉作動したとき、前記外周面のほぼ全周をカバーすべく前記平巻紙管の前記外周面に宛がわれる請求項２又は３に記載の平巻紙管の切断機。
　前記切断機は、前記平巻紙管の連続体を連続的に送出する製造ラインに配置され、前記連続体と一緒に移動しながら前記平巻紙管としての前記連続体を切断する請求項１～４の何れかに記載の平巻紙管の切断機。
　前記連続体の製造ラインに沿い往復動可能な可動キャリアを更に具備し、
　前記チャック装置及び前記ナイフ装置は前記可動キャリア上に配置され、該可動キャリアとともに切断ユニットを形成する請求項５に記載の平巻紙管の切断機。
　前記位置関係を得るべく前記切断ユニットの作動を制御する制御装置を更に具備する請求項６に記載の平巻紙管の切断機。
　前記連続体はその長手方向に間隔を存して配置されたマークを含み、
　前記切断機は、前記マークと前記連続体の切断位置とが一定の位置関係に維持されるべく前記マークを基準として前記連続体を切断する請求項５～７の何れかに記載の平巻紙管の切断機。
　厚紙から形成された平巻紙管を複数のチャック爪を含んだチャック装置で把持し、
　前記チャック装置に前記平巻紙管が把持されている状態で、前記平巻紙管に対して該平巻紙管を横断する方向にナイフ装置を移動し、前記チャック装置の近傍位置にて、前記ナイフ装置の回転ナイフにより前記平巻紙管を切断する、平巻紙管の切断方法。
　前記平巻紙管の連続体を連続的に送出する製造ラインに前記チャック装置及び前記ナイフ装置を含んだ切断ユニットを準備し、
　前記切断ユニットを前記連続体と一緒に移動させながら前記回転ナイフによって前記平巻紙管としての前記連続体を切断する請求項９に記載の平巻紙管の切断方法。
　前記連続体はその長手方向に間隔を存して配置されたマークを含み、
　前記マークを基準として前記マークと前記連続体の切断位置とが一定の位置関係に維持されるべく前記回転ナイフによって前記連続体を切断する請求項９又は１０に記載の平巻紙管の切断方法。