WO2016067368A1

WO2016067368A1 - 動電型ピックアップ

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Publication number: WO2016067368A1
Application number: PCT/JP2014/078636
Authority: WO
Inventors: 英治熊谷; 鈴木　康広; 敏之小林; 孝雄川平; 宜和山本
Original assignee: 下西技研工業株式会社; Imv株式会社
Priority date: 2014-10-28
Filing date: 2014-10-28
Publication date: 2016-05-06

Abstract

　動電型ピックアップ１０は、筒状のケースと、ケースの内部でケースの軸方向に積層される四個の磁石２１ａ～２１ｄと磁石２１ａ～２１ｄの間にそれぞれ介挿される三個のヨーク２３ａ～２３ｃとで構成された可動子２０と、可動子２０をケースの内部で軸方向に振動可能に支持するバネ２５・２５・・・と、ケースの内部に固定されて可動子２０の周囲に巻回される三個のコイル３２ａ～３２ｃと、三個のコイルに接続される端子４１・４２と、を備え、磁石２１ａ～２１ｄは、隣接する磁石と同じ極が対向するように、極の向きが交互に配設される。

Description

動電型ピックアップ

　本発明は、コイルと磁石とをケースの内部に収容した動電型ピックアップに関する。

　従来、磁界の中を導体が運動した際に、導体に運動速度に比例した起電力が発生するという原理を利用して、振動速度や振動変位を測定する動電型ピックアップが知られている（例えば、特許文献１及び特許文献２を参照）。これらの特許文献に記載の動電型ピックアップによれば、固定された磁極の間で、コイルが振動可能に構成している。

特開２０００－４６６３８号公報特開２０００－１６２０３４号公報

　しかし、上記の如く構成した場合、コイルと共に内部配線も可動するため、動電型ピックアップの振動時に衝撃を受け、内部配線が断線する可能性があった。
　また、上記構成によれば、コイルと共に内部配線も可動するため、配線の摺動抵抗力が働いて応答性にばらつきが生じる可能性があった。

　本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、振動時に衝撃を受けても内部配線が断線することを防止でき、応答性にばらつきが生じにくい動電型ピックアップを提供すること、である。

　以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。

　即ち、請求項１においては、筒状のケースと、該ケースの内部で前記ケースの軸方向に積層される複数個の磁石と該磁石の間にそれぞれ介挿される一個又は複数個のヨークとで構成された可動子と、該可動子を前記ケースの内部で軸方向に振動可能に支持するバネと、前記ケースの内部に固定されて前記可動子の周囲に巻回される一個又は複数個のコイルと、前記複数個のコイルに接続される端子と、を備える動電型ピックアップにおいて、前記複数個の磁石は、隣接する磁石と同じ極が対向するように、極の向きが交互に配設されるものである。

　請求項２においては、前記磁石のうち、前記軸方向の両端部に配設される磁石の軸方向長さは、他の磁石の軸方向長さの略半分に形成され、前記コイルは、前記複数個の磁石の間にそれぞれ介挿された前記ヨークと同じ個数が配設され、前記コイルと、前記コイルに対応する前記ヨークとは、それぞれ軸方向の中心が一致するように配設されるものである。

　請求項３においては、前記可動子は、複数個の引張バネによって、前記ケースの内部で軸方向に移動可能に支持されるものである。

　本発明は、動電型ピックアップが振動時に衝撃を受けても内部配線が断線することを防止でき、応答性にばらつきが生じにくい、という効果を奏する。

本発明に係る動電型ピックアップの実施の一形態を示す斜視図。同じく動電型ピックアップを示す平面図。図２におけるＡ－Ａ線断面図。コイル及び巻線ボビンを示した断面図。可動子を示した断面図。

　まず、本発明の一実施形態に係る動電型ピックアップ１０について、図１から図５を用いて説明する。本実施形態においては、各図に示した矢印で動電型ピックアップ１０の方向を規定する。

　本実施形態に係る動電型ピックアップ１０は、軸方向の両端部が開口された円筒状の本体部１１、及び、本体部１１の両開口部を閉塞する蓋部１２・１３、からなる筒状のケースを備える。また、ケースの内部に収容される可動子２０と、その一端部で可動子２０を支持するバネ２５・２５・・と、ケースの内部に固定されて可動子２０の周囲に巻回される複数のコイル３２ａ～３２ｃと、コイル３２ａ～３２ｃが巻回されるとともに引張バネであるバネ２５・２５・・の他端部を支持する巻線ボビン３１と、コイル３２ａ～３２ｃに接続されてケースから外部に延出される端子４１・４２と、を備える。

　本体部１１は円筒状に形成され、その両端の開口部が円板形状の蓋部１２・１３で閉塞される。蓋部１２・１３が本体部１１の両開口部を閉塞することにより、動電型ピックアップ１０のケースが構成される。蓋部１２・１３の内周側中央部には、円柱状の突起部１２ａ・１３ａが形成されている。突起部１２ａ・１３ａには樹脂製で円筒形状に形成されたストッパ３３・３３が配設されている。また、本体部１１における前側の開口部を閉塞する蓋部１２には孔１２ｂ・１２ｃが左右に並んで開口される。孔１２ｂ・１２ｃからは、端子４１・４２が外部に延出される。

　ケースの内部には巻線ボビン３１が固定される。図４に示す如く、巻線ボビン３１は略円筒状に形成された部材である。巻線ボビン３１の周囲には三個のコイル３２ａ～３２ｃが巻回される。コイル３２ａ～３２ｃは互いに接続されている。また、巻線ボビン３１の前後両端部には、バネ２５・２５・・・の他端部を支持するための孔３１ａ・３１ａ・・・が三個ずつ開口されている。図２及び図３に示す如く、巻線ボビン３１の周囲にコイル３２ａ～３２ｃを巻回した状態で、本体部１１の内部に巻線ボビン３１を収容し、本体部１１を蓋部１２・１３で閉塞することにより、巻線ボビン３１及びコイル３２ａ～３２ｃはケースの内部で固定される。コイル３２ａ～３２ｃは、その一端がプラス側の端子４１に、他端がマイナス側の端子４２に接続されている。そして、孔１２ｂ・１２ｃから延出した端子４１・４２が図示しないコネクタを介して電圧測定部に接続されることにより、コイル３２ａ～３２ｃに生じる電圧を検出可能としている。

　巻線ボビン３１の内側では、可動子２０がケースの軸方向（本実施形態における前後方向）に振動可能に配設される。可動子２０は、前後方向に積層され、短円柱状に形成された四個の磁石２１ａ～２１ｄと、これらの磁石２１ａ～２１ｄの間にそれぞれ介挿され、磁石２１ａ～２１ｄと同径の短円柱状に形成された三個の内側ヨーク２３ａ～２３ｃ（以下、単に「ヨーク２３ａ～２３ｃ」と記載する）と、磁石２１ａ・２１ｄの外側（蓋部１２・１３の側）に配設される外側ヨーク２４・２４とが、アクリル系やエポキシ系の接着剤で互いに接着されて構成される。なお、磁石及び内側ヨークの個数は本実施形態の個数に限定されるものではなく、磁石の間に内側ヨークを介挿できる構成であれば差し支えない。

　外側ヨーク２４・２４は図３に示す如く、有底の短円筒形状に形成される。そして、外側ヨーク２４・２４の外周部分には、バネ２５・２５・・・の一端部を支持するための孔２４ａ・２４ａ・・・が三個ずつ開口されている。そして、バネ２５・２５・・・は、その一端が孔２４ａ・２４ａ・・・を支持し、他端が巻線ボビン３１の孔３１ａ・３１ａ・・・を支持することにより、図３中の矢印Ｍ・Ｍに示す如く、可動子２０をケースの軸方向に振動可能に支持しているのである。なお、バネ２５の個数は三個に限定されず、他の個数とすることも可能である。ストッパ３３・３３は、可動子２０の変位量が大きくなった際に可動子２０と当接することにより、可動子２０に衝撃が加わることを防止するとともにバネ２５・２５・・・の塑性変形を防止している。

　上記の如く構成した動電型ピックアップ１０に外部からの運動力が加わって、可動子２０がコイル３２ａ～３２ｃと相対的に軸方向（前後方向）に変位すると、コイル３２ａ～３２ｃの両端に、可動子２０の速度に比例した電圧の起電力が発生する。このため、コイル３２ａ～３２ｃに発生した電圧を測定することにより、可動子２０の振動速度を検出することができ、さらには振動変位を検出することができる。コイル３２ａ～３２ｃに発生する電圧は、端子４１・４２及びコネクタを介して電圧測定部に測定される。

　本実施形態に係る動電型ピックアップ１０は上記の如く、コイル３２ａ～３２ｃを巻線ボビン３１に固定するとともに、コイル３２ａ～３２ｃの内側を可動子２０が振動する構成としている。これにより、コイル３２ａ～３２ｃと接続される内部配線が固定されるため、動電型ピックアップ１０の振動時に衝撃を受けて内部配線が断線することを防止できる。また、本実施形態によれば、内部配線が固定されるため、配線の摺動抵抗力が働いて応答性にばらつきが生じることも抑制できる。つまり、本実施形態に係る動電型ピックアップ１０によれば、振動時に衝撃を受けても内部配線が断線することを防止できるとともに、応答性にばらつきを生じにくくすることができるのである。

　また、本実施形態に係る動電型ピックアップ１０において、磁石２１ａ～２１ｄは、隣接する磁石と同じ極が対向するように、極の向きが交互に配設されている。具体的には図３に示す如く、磁石２１ａ及び磁石２１ｃは前側にＮ極が配設され、磁石２１ｂ及び磁石２１ｄは前側にＳ極が配設されている。このため、コイル３２ａ～３２ｃの周囲には、図３中の矢印に示すように互いに向かいあう方向に磁界が発生する。

　本実施形態においては上記の如く構成することにより、動電型ピックアップ１０の出力電圧を上げることができる。即ち、全てのコイル３２ａ～３２ｃを磁場の変動を受けることのできる有効コイルとすることができるのである。換言すれば、磁石の極を同じ向きに配設した場合は、可動子が振動しても真ん中のコイル３２ｂは磁場の変動を殆ど受けないので電圧が生じないため、本実施形態においてはこのような無駄なコイルが生じることを防止しているのである。

　また、本実施形態に係る動電型ピックアップ１０においては、四個の磁石２１ａ～２１ｄのうち、軸方向の両端部（前端部及び後端部）に配設される磁石２１ａ・２１ｄの軸方向長さは、他の磁石２１ｂ・２１ｃの軸方向長さの略半分に形成されている。また、三個のコイル３２ａ～３２ｃは、四個の磁石２１ａ～２１ｄの間にそれぞれ介挿された三個のヨーク２３ａ～２３ｃと同じ個数が配設されている。さらに、コイル３２ａ～３２ｃと、コイル３２ａ～３２ｃに対応して配設されるヨーク２３ａ～２３ｃとは、軸方向の中心が一致するように配設されている。具体的には、コイル３２ａ（３２ｂ・３２ｃ）と、ヨーク２３ａ（２３ｂ・２３ｃ）とは、軸方向の中心が一致するように配設されている。

　本実施形態においては上記の如く構成することにより、コイル３２ａ～３２ｃに加わる磁場を均一化し、各コイル３２ａ～３２ｃの出力を均一化することができる。換言すれば、磁石の長さを等しくして配設した場合は、可動子が振動した際に真ん中のコイル３２ｂに加わる磁場が小さくなってコイル３２ｂの出力が小さくなるため、本実施形態においてはこのような低出力のコイルが生じることを防止しているのである。

　また、本実施形態に係る動電型ピックアップ１０において、可動子２０は、三個の引張バネであるバネ２５・２５・・・によって、ケースの内部で軸方向に移動可能に支持されている。これにより、可動子２０を計測方向である前後方向以外に上下・左右方向にも変位可能としている。即ち、板バネのように計測方向以外の方向を拘束する構成ではなく、可動子２０を他の方向へも変位可能とすることにより、動電型ピックアップ１０の設置方向の自由度を向上させることができる。つまり、動電型ピックアップ１０の軸方向を水平に配置しても内部摺動を生じないため、出力特性を変化させることなく計測することができるのである。

　　１０　　　動電型ピックアップ
　　１１　　　本体部（ケース）
　　１２　　　蓋部（ケース）
　　２０　　　可動子
　　２１　　　磁石
　　２５　　　バネ（引張バネ）
　　２３　　　ヨーク
　　３２　　　コイル
　　４１　　　端子
　　４２　　　端子

　本発明によれば、動電型ピックアップが振動時に衝撃を受けても内部配線が断線することを防止でき、応答性にばらつきが生じにくい、という効果を奏するため、産業上有用である。

Claims

　筒状のケースと、該ケースの内部で前記ケースの軸方向に積層される複数個の磁石と該磁石の間にそれぞれ介挿される一個又は複数個のヨークとで構成された可動子と、該可動子を前記ケースの内部で軸方向に振動可能に支持するバネと、前記ケースの内部に固定されて前記可動子の周囲に巻回される一個又は複数個のコイルと、前記複数個のコイルに接続される端子と、を備える動電型ピックアップにおいて、
　前記複数個の磁石は、隣接する磁石と同じ極が対向するように、極の向きが交互に配設される、ことを特徴とする、動電型ピックアップ。
　前記磁石のうち、前記軸方向の両端部に配設される磁石の軸方向長さは、他の磁石の軸方向長さの略半分に形成され、
　前記コイルは、前記複数個の磁石の間にそれぞれ介挿された前記ヨークと同じ個数が配設され、
　前記コイルと、前記コイルに対応する前記ヨークとは、それぞれ軸方向の中心が一致するように配設される、ことを特徴とする、請求項１に記載の動電型ピックアップ。
　前記可動子は、複数個の引張バネによって、前記ケースの内部で軸方向に移動可能に支持される、ことを特徴とする、請求項１又は請求項２に記載の動電型ピックアップ。