WO2015137426A1 - 超音波位置検出システムおよび超音波位置検出方法 - Google Patents

超音波位置検出システムおよび超音波位置検出方法 Download PDF

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Abstract

 超音波位置検出システムは、超音波の伝搬時間に基づいて、第1の装置(DA)の第1の超音波トランスデューサ(XA1)から第2の装置(DB)の第2の超音波トランスデューサ(XB1)までの距離である第1の距離(d1)、および第1の装置(DA)の第1の超音波トランスデューサ(XA1)から第2の装置(DB)の第3の超音波トランスデューサ(XB2)までの距離である第2の距離(d2)を算出する。超音波位置検出システムは、第1および第2の距離(d1,d2)の差が第2および第3の超音波トランスデューサ(XB1,XB2)間の距離である第3の距離(d3)よりも大きい場合に、第1および第2の距離(d1、d2)の差が第3の距離(d3)に等しいとして演算を行う。

Description

超音波位置検出システムおよび超音波位置検出方法
 この発明は、超音波を用いた位置検出システムおよび位置検出方法に関する。
 目標物に超音波トランスデューサを取り付け、目標物から送信された超音波を受信側の複数の超音波トランスデューサによって受信することによって、受信側から見た目標物の距離および方向を、三辺測量を用いて検出するシステムが知られている(たとえば、特開平2-102477号公報(特許文献1)参照)。
特開平2-102477号公報
 超音波トランスデューサの指向特性は、通常、放射面(受信面)に対して垂直方向に偏っている。このため、上記文献の位置検出システムにおいて、受信側の超音波トランスデューサの真横(受信面の延長線上)に目標物となる超音波源が存在する場合は、目標物の捕捉が困難である。比較的広い指向特性の超音波トランスデューサを用いたとしても、受信面の延長線上に目標物が存在する場合は、計測ジッタ等の影響によって目標物までの距離の検出結果にばらつきが生じやすいという問題がある。
 この発明は、上記の問題点を考慮してなされたものであって、その目的は、超音波を用いた三辺測量によって位置検出を行う場合に、受信側の2個の超音波トランスデューサを結ぶ直線上に(すなわち、受信面の延長線上に)送信側の超音波トランスデューサが存在する場合であっても、目標物までの距離の検出結果のばらつきを抑制することが可能なシステムを提供することである。
 この発明は一局面において超音波位置検出システムであって、第1の装置に設けられた第1の超音波トランスデューサと、第2の装置に設けられた第2および第3の超音波トランスデューサと、第1および第2の装置の一方から見た他方の距離および方向を演算する演算部とを備える。演算部は、第1の超音波トランスデューサから送信された超音波が第2および第3の超音波トランスデューサの各々によって受信されるまでの超音波の伝搬時間に基づいて、第1の超音波トランスデューサから第2の超音波トランスデューサまでの距離である第1の距離、および第1の超音波トランスデューサから第3の超音波トランスデューサまでの距離である第2の距離を算出するように構成される。演算部は、さらに、第1および第2の距離の差が第2および第3の超音波トランスデューサ間の距離である第3の距離よりも大きい場合に、第1および第2の距離の差が第3の距離に等しいとして演算を行うように構成される。
 より詳細には、演算部は、第1~第3の距離を用いた余弦定理によって、第2および第3の超音波トランスデューサを結ぶ基準線に対して第1の超音波トランスデューサが位置する角度の余弦を算出する。ここで、演算部は、角度の余弦が1より大きい場合または-1より小さい場合に、それぞれ1または-1に等しいとして演算を行う。
 上記のように超音波を用いた三辺測量によって位置検出を行う場合には、受信側の2個の超音波トランスデューサを結ぶ直線上に(すなわち、受信面の延長線上に)送信側の超音波トランスデューサが存在する場合が問題となる。この場合、ジッタまたはノイズによって受信信号に検出誤差が生じると、送信側のトランスデューサの位置を決定できなくなることがある。具体的には、余弦定理によって角度を決定する際に、角度の余弦の値が1より大きくなったり、-1より小さくなったりする場合に問題が生じる。この場合、上記のように角度の余弦を1または-1に丸めて演算を継続する。これによって、位置検出ができなくなるという不都合を回避することができる。
 好ましくは、演算部は、第1~第3の距離に基づいて、第1~第3の超音波トランスデューサの位置座標を決定し、決定した第1~第3の超音波トランスデューサの位置座標に基づいて、第1および第2の装置の一方から見た他方の距離および方向を演算する。
 上記のように、第1の装置に設けられた1個の超音波トランスデューサから送信された超音波信号を第2の装置に設けられた2個の超音波トランスデューサによって受信することによって、第2の装置に対する第1の装置の距離および方向を算出することができる。
 好ましい一実施の形態では、第1の装置は、第4の超音波トランスデューサをさらに有する。演算部は、第4の超音波トランスデューサから送信された超音波が第2および第3の超音波トランスデューサの各々によって受信されるまでの超音波の伝搬時間に基づいて、第4の超音波トランスデューサから第2の超音波トランスデューサまでの距離である第4の距離、および第4の超音波トランスデューサから第3の超音波トランスデューサまでの距離である第5の距離を算出する。この場合、演算部は、第4および第5の距離の差が第3の距離よりも大きい場合に、第4および第5の距離の差が第3の距離に等しいとして演算を行う。さらに、演算部は、第3~第5の距離に基づいて、第4の超音波トランスデューサの位置座標を決定し、第1~第4の超音波トランスデューサの位置座標に基づいて、第2および第3の超音波トランスデューサを結ぶ第1の基準線に対する第1および第2の超音波トランスデューサを結ぶ第2の基準線の傾きを算出する。
 上記のように、第1の装置に設けられた2個の超音波トランスデューサの各々から送信された超音波を、第2の装置に設けられた2個の超音波トランスデューサで受信することによって、第1の装置の超音波トランスデューサの放射面に対する第2の装置の超音波トランスデューサの受信面の傾きを算出することができる。
 好ましい他の実施の形態では、第1の装置は、第4の超音波トランスデューサをさらに有する。演算部は、第2の超音波トランスデューサから送信された超音波が第4の超音波トランスデューサによって受信されるまでの超音波の伝搬時間に基づいて、第2の超音波トランスデューサから第4の超音波トランスデューサまでの距離である第6の距離を算出する。この場合、演算部は、第1および第6の距離の差が第1および第4の超音波トランスデューサ間の距離である第7の距離よりも大きい場合に、第1および第6の距離の差が第7の距離に等しいとして演算を行う。さらに、演算部は、第1、第6および第7の距離に基づいて、第4の超音波トランスデューサの位置座標を決定し、第1~第4の超音波トランスデューサの位置座標に基づいて、第2および第3の超音波トランスデューサを結ぶ第1の基準線と第1および第2の超音波トランスデューサを結ぶ第2の基準線との相互の傾きを算出する。
 なお、演算部は、第2の超音波トランスデューサから送信された超音波が第1の超音波トランスデューサによって受信されるまでの超音波の伝搬時間に基づいて、第2の超音波トランスデューサから第1の超音波トランスデューサまでの距離である第1の距離をあらためて算出するのが望ましい。これによって、送信側と受信側とが逆の場合において既に得られている第1の距離の検出結果と異なっていないことを確認することができる。
 上記の他の実施の形態によれば、第1の装置の1個の超音波トランスデューサから送信された超音波を第2の装置の2個の超音波トランスデューサで受信した後に、送信側と受信側とを入れ替えて、第2の装置の1個の超音波トランスデューサから送信された超音波を第1の装置の2個の超音波トランスデューサによって受信する。これによって、第1の装置の超音波トランスデューサの放射面(受信面)に対する第2の装置の超音波トランスデューサの放射面(受信面)の傾きを算出することができる。
 この発明は他の局面において超音波位置検出方法であって、第1の超音波トランスデューサから超音波を送信するステップと、互いの間隔が固定された第2および第3の超音波トランスデューサによって超音波を受信するステップと、超音波の伝搬時間に基づいて、第1の超音波トランスデューサから第2の超音波トランスデューサまでの距離である第1の距離、および第1の超音波トランスデューサから第3の超音波トランスデューサまでの距離である第2の距離を算出するステップと、第1および第2の距離の差が第2および第3の超音波トランスデューサ間の距離である第3の距離よりも大きい場合に、第1および第2の距離の差が第3の距離に等しくなるように演算結果を補正するステップとを備える。
 好ましくは、超音波位置検出方法は、第1~第3の距離を用いた余弦定理によって、第2および第3の超音波トランスデューサを結ぶ基準線に対して第1の超音波トランスデューサが位置する角度の余弦を算出するステップをさらに備える。上記の演算結果を補正するステップは、角度の余弦が1より大きい場合または-1より小さい場合に、それぞれ1または-1に等しいと補正するステップを含む。
 この発明によれば、超音波を用いた三辺測量によって位置検出を行う場合に、受信側の2個の超音波トランスデューサを結ぶ直線上に(すなわち、受信面の延長線上に)送信側の超音波トランスデューサが存在する場合であっても、目標物までの距離の検出結果のばらつきを抑制することができる。
実施の形態1による超音波位置検出システムの構成を示す平面図である。 図1の各超音波装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1で用いられる超音波トランスデューサの指向特性の一例を示す図である。 三辺測量の原理を説明するための図である。 送信側の超音波トランスデューサの位置検出が困難となる一例を示す図である。 送信側の超音波トランスデューサの位置検出が困難となる他の例を示す図である。 各超音波トランスデューサの配置を示す平面図である(装置DAのトランスデューサXA1が超音波の放射源となる場合)。 各超音波トランスデューサの配置を示す平面図である(装置DAのトランスデューサXA2が超音波の放射源となる場合)。 実施の形態1の場合の、超音波を用いた位置検出手順を示すフローチャートである。 図9のステップST130の手順をさらに詳しく示すフローチャートである。 実施の形態2による超音波位置検出システムにおいて、送信側の超音波装置と受信側の超音波装置との位置関係を示す平面図である。 実施の形態2において、超音波を用いた位置検出手順を示すフローチャートである。 図12のステップST131の手順をさらに詳しく示すフローチャートである。 超音波トランスデューサの構造を示す斜視図である。 図14の切断線XV-XVに沿う断面図である。 超音波トランスデューサに含まれる超音波発生素子の構造を示す分解斜視図である。
 以下、実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
 <実施の形態1>
 [超音波位置検出システムの概略構成]
 図1は、実施の形態1による超音波位置検出システムの構成を示す平面図である。図1を参照して、超音波位置検出システムは、少なくとも2個の超音波装置DA,DBを備える(総称する場合または不特定のものを示す場合は超音波装置Dと記載する)。
 各超音波装置Dは、2個の超音波トランスデューサX1,X2を有する。具体的に、超音波装置DAが有する超音波トランスデューサをXA1,XA2と記載し、超音波装置DBが有する超音波トランスデューサをXB1,XB2と記載する。超音波トランスデューサXA1,XA2は、超音波装置DAのフロント面FAに取り付けられ、互いの距離d7は既知であるとする。同様に、超音波トランスデューサXB1,XB2は、超音波装置DBのフロント面FBに取り付けられ、互いの距離d3は既知であるとする。
 以下では、簡単のために、超音波位置検出システムを単に位置検出システムと称し、超音波装置Dを単に装置Dと称し、超音波トランスデューサX1,X2を単にトランスデューサX1,X2と称する場合がある。
 装置DA,DBのうち一方が送信側となり、他方が受信側となる。たとえば、装置DAのトランスデューサXA1から送信された超音波が装置DBのトランスデューサXB1,XB2で受信されたとする。この場合、位置検出システムは、超音波の伝搬時間に基づいて、トランスデューサXA1からトランスデューサXB1,XB2の各々までの距離を算出する。そして、位置検出システムは、算出した距離とトランスデューサXB1,XB2間の既知の距離d3とに基づいた三辺測量によって、装置DA,DBの一方から見た他方の距離dcおよび方向φを算出する。さらに、装置DAの残余のトランスデューサXA2から送信された超音波を装置DBのトランスデューサXB1,XB2で受信することによって、装置DAの超音波トランスデューサの放射面(受信面)に対する装置DBの超音波トランスデューサの放射面(受信面)の傾きθを算出することができる。
 図1の例では、装置DAのトランスデューサXA1,XA2の中点をPAとし、装置DBのトランスデューサXB1,XB2の中点をPBとし、中点PA,PB間の距離をdcと定義する。装置DBの中点PBから見た装置DAの中点PAの方向をφ[-90°~+90°]と定義する。さらに、装置DAのトランスデューサXA1,XA2を通る基準線LA1と、装置DBのトランスデューサXB1,XB2を通る基準線LB1とのなす角度、すなわち、装置DAの放射面(受信面)に対する装置DBの放射面(受信面)の傾きを、θ[-90°~+90°]と定義する(図1では、基準線LB1に平行な補助線LA2が引かれている)。
 [超音波装置の構成]
 図2は、図1の各超音波装置の構成を示すブロック図である。図2を参照して、各超音波装置Dは、トランスデューサX1,X2と、演算・制御部20と、駆動信号発生装置221,222と、送信・受信切換回路241,242と、フィルタ261,262と、差動増幅器281,282と、フィルタ301,302と、A/D(Analog to Digital)変換器321,322と、通信装置34とを含む。なお、図2において、各ブロック間の並行する2本の矢印は差動信号を意味し、1本の矢印はシングルエンド信号を意味するものとする。
 演算・制御部20は、駆動信号発生装置221,222、送信・受信切換回路241,242、および通信装置34を制御する。さらに、演算・制御部20は、超音波トランスデューサX1,X2によって受信された信号に基づく演算を行う。演算・制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、リアルタイムクロック、タイマ、入出力インターフェース等を含むマイクロコントローラをベースに構成される。
 超音波トランスデューサX1,X2は、受信した超音波信号を電気信号に変換して出力するとともに、入力された電気信号を超音波信号に変換して送信する。
 送信・受信切換回路241,242は、演算・制御部20の制御に基づいて動作するスイッチとして機能する。具体的に、送信・受信切換回路241,242は、受信の際には、それぞれ対応するトランスデューサX1,X2から出力された電気信号を対応するフィルタ261,262に出力する。送信・受信切換回路241,242は、送信の際には、それぞれ対応する駆動信号発生装置221,222によって生成された電気信号を、対応するトランスデューサX1,X2に入力する。
 送信・受信切換回路241から出力された電気信号は、差動増幅器281によって増幅された後、A/D変換器321によってデジタル信号に変換され、変換後のデジタル信号が演算・制御部20に入力される。差動増幅器281の前段および後段にノイズを除去するためのフィルタ261,301が設けられる。同様に、送信・受信切換回路242から出力された電気信号は、差動増幅器282によって増幅された後、A/D変換器322によってデジタル信号に変換され、変換後のデジタル信号が演算・制御部20に入力される。差動増幅器282の前段および後段にノイズを除去するためのフィルタ262,302が設けられる。
 通信装置34は、超音波装置Dの外部と無線および/または有線によって通信を行う。演算・制御部20は、通信装置34を介して送信側の超音波装置Dから超音波信号の送信時刻に関する情報を受信する。この送信時刻に基づいて、演算・制御部20は、超音波の伝搬時間を算出し、算出した伝搬時間に基づいて自装置から送信側の超音波装置Dまでの距離を算出する。
 上記とは逆に、演算・制御部20は、通信装置34を介して送信側の超音波装置Dに超音波信号の受信時刻の情報を送信するようにしてもよい。この場合、送信側の超音波装置Dに設けられた演算・制御部20によって超音波の伝播時間および距離が算出される。
 もしくは、送信側の超音波装置Dが超音波信号と電磁波信号とを同時に送信することによって、超音波信号と電磁波信号の受信時刻の差に基づいて超音波の伝搬時間を算出することもできる。この場合、電磁波信号に代えて、赤外線などの光信号を用いてもよい。
 正確に伝搬時間を算出するためには、送信側と受信側とで演算・制御部20に内蔵されているリアルタイムクロックを予め同期しておく必要がある。その際、リアルタイムクロックは完全同期されることが望ましいが、駆動開始となるトリガー信号で同期がとれれば、超音波の伝搬時間を十分な精度でもって算出することができる。
 [三辺測量の原理と問題点]
 図3は、実施の形態1で用いられる超音波トランスデューサの指向特性の一例を示す図である。同図では、放射面(受信面)に垂直な方向を0°とする。図3に示すように、-90°から+90°までの比較的広い指向特性が実現されている。しかしながら、-90°または+90°に近付くにつれ、0°の場合に比べて送信または受信する超音波の強度が減少する。このため、-90°または+90°の近傍ではジッタおよびノイズの影響を受けやすくなる。
 図4は、三辺測量の原理を説明するための図である。図4を参照して、装置DAのトランスデューサXA1から送信された超音波が装置DBのトランスデューサXB1,XB2によって受信されるとする。位置検出システムは、超音波の伝搬時間に基づいて、トランスデューサXA1からトランスデューサXB1までの距離d1を算出し、トランスデューサXA1からトランスデューサXB2までの距離d2を算出する。そうすると、送信側の装置DAのトランスデューサXA1は、受信側の装置DBのトランスデューサXB1を中心とする半径d1の円C1と、受信側の装置DBのトランスデューサXB2を中心とする半径d2の円C2との交点に位置することがわかる(円C1と円C2との交点は2個存在するが、超音波トランスデューサXB1,XB2の放射面(受信面)の裏面側の交点は除外される)。
 なお、トランスデューサXA1,XB1,XB2が本願発明の第1、第2および第3の超音波トランスデューサにそれぞれ相当する。距離d1,d2,d3が本願発明の第1、第2および第3の距離にそれぞれ相当する。
 より具体的には、位置検出システムは、距離d1,d2,d3に基づく余弦定理によって、トランスデューサXB1,XB2を結ぶ基準線に対するトランスデューサXB1が位置する角度α,βの余弦を算出する。そして、位置検出システムは、距離d1,d2,d3ならびに角度α,βを用いてトランスデューサXA1,XB1,XB2の位置座標を決定する。
 図5は、送信側の超音波トランスデューサの位置検出が困難となる一例を示す図である。図5の例では、受信側の装置DBの2個のトランスデューサXB1,XB2を結ぶ直線上に送信側の装置DAのトランスデューサXA1が位置する場合が示されている(図4でα=180°、β=0°となる)。この場合、トランスデューサXB1を中心とする半径d1の円C1と、トランスデューサXB2を中心とする半径d2の円C2とは一点で接する。
 しかしながら、図3で説明したように、トランスデューサXB1,XB2の受信面の延長線上に送信側のトランスデューサXA1が存在する場合には、受信信号はジッタおよびノイズの影響を受けやすい。このため、超音波の伝搬時間に基づく距離d1,d2に誤差が生じる結果、距離d1と距離d2との差(の絶対値)が距離d3よりも大きくなる場合がある。すなわち、円C1と円C2とに交点が存在しなくなり、距離d1,d2,d3から余弦定理によって求められるcosαが-1より小さくなり、cosβが1より大きくなる。この場合、位置検出システムは、距離d1と距離d2との差が距離d3に等しいものとして、言い換えるとcosα=-1、cosβ=+1として計算を継続することによって、各トランスデューサXA1,XB1,XB2の位置座標を決定する。
 図6は、送信側の超音波トランスデューサの位置検出が困難となる他の例を示す図である。図6の例では、トランスデューサXA1の放射面の延長線上に受信用のトランスデューサXB1,XB2が位置する場合が示されている(図4でα=0°、β=180°となる)。この場合、図5の場合に比べて受信信号はさらにジッタおよびノイズの影響を受けやすくなるので、超音波の伝搬時間に基づく距離d1,d2に誤差が生じ、その結果として距離d1と距離d2との差(の絶対値)が距離d3よりも大きくなる場合(すなわち、cosα>1、cosβ<-1となる場合)が生じ得る。この場合も図5の場合と同様に、位置検出システムは、距離d1と距離d2との差が距離d3に等しいものとして、すなわちcosα=+1、cosβ=-1として計算を継続することによって、各トランスデューサXA1,XB1,XB2の位置座標を決定することができる。
 [具体的な位置検出手順]
 図7は、各超音波トランスデューサの配置を示す平面図である(装置DAのトランスデューサXA1が超音波の放射源となる場合)。図8は、各超音波トランスデューサの配置を示す平面図である(装置DAのトランスデューサXA2が超音波の放射源となる場合)。図9は、実施の形態1の場合の、超音波を用いた位置検出手順を示すフローチャートである。図10は、図9のステップST130の手順をさらに詳しく示すフローチャートである。以下、図7~図10を参照して、超音波を用いた位置検出手順について具体的に説明する。
 まず、図7に示すように、装置DAの演算・制御部20は、トランスデューサXA1から超音波信号を送信する(図9のステップST100)。さらに、装置DAの演算・制御部20は、超音波信号の送信時刻に関する情報を装置DBに通信装置34を介して送信する。送信された超音波信号は、装置DBのトランスデューサXB1,XB2によって受信される(ステップST105)。
 装置DBの演算・制御部20は、超音波信号の伝搬時間に基づいて、トランスデューサXA1からトランスデューサXB1までの距離d1と、トランスデューサXA1からトランスデューサXB2までの距離d2とを算出する(ステップST110)。
 次に、装置DAの演算・制御部20は、図8に示すようにトランスデューサXA2から超音波信号を送信するとともに(ステップST115)、送信時刻に関する情報を装置DBに通信装置34を介して送信する。送信された超音波信号は、装置DBのトランスデューサXB1,XB2によって受信される(ステップST120)。上記において、トランスデューサXA2が本願発明の第4の超音波トランスデューサに相当する。
 なお、トランスデューサXA1から送信される超音波信号とトランスデューサXB2から送信される超音波信号とに対して互いに異なる変調が施されており、受信側の装置DBで受信した超音波信号を復調することによって送信元のトランスデューサを区別可能な場合には、トランスデューサXA1,XA2の両方から同時に超音波信号を送信することができる。すなわち、ステップST100とステップST115とを同時に実行してもよい。
 装置DBの演算・制御部20は、超音波信号の伝搬時間に基づいて、トランスデューサXA2からトランスデューサXB1までの距離d4と、トランスデューサXA2からトランスデューサXB2までの距離d5とを算出する(ステップST125)。なお、距離d4が本願発明の第4の距離、距離d5が本願発明の第5の距離に相当する。
 以上で算出された距離d1,d2,d4,d5および既知の距離d3を用いて、位置検出システムは、装置DBから見た装置DAの距離および方向、ならびに装置DBの放射面(受信面)に対する装置DAの放射面(受信面)の傾きを計算する(ステップST130)。これらの計算は、一方の装置で算出された距離の情報を他方の装置に送信することによって、装置DA,DBのどちらの演算・制御部20によって実行することもできるし、装置DA,DBのいずれとも異なるコンピュータ(演算・制御部)によって実行することもできる。
 なお、超音波信号の送信時刻および/または受信時刻の情報を他の装置に通信装置34を介して送信することによって、ステップST110およびステップST125の距離の計算を、装置DA,DBのどちらの演算・制御部20によっても行うことができるし、装置DA,DBのいずれとも異なるコンピュータ(演算・制御部)によって行うことができる。
 次に、図10のフローチャートを参照して、図9のステップST130の計算手順について詳しく説明する。まず、位置検出システムは、図7の距離d1,d2,d3を用いた余弦定理によって、図7の角度α、βの余弦を計算する(図10のステップST200)。具体的には、次式(1)、(2)に従う。
 cosα=(d12+d32-d22)/(2×d1×d3)   …(1)
 cosβ=(d22+d32-d12)/(2×d2×d3)   …(2)
 上記の計算の結果、cosαの値が1より大きい場合または-1より小さい場合には(ステップST205でYES)、それぞれcosαの値を1または-1に設定する(ステップST210)。同様に、cosβの値が1より大きい場合または-1より小さい場合には(ステップST215でYES)、それぞれcosβの値を1または-1に設定する(ステップST220)。
 続いて、位置検出システムは、図8の距離d3,d4,d5を用いた余弦定理によって、図8の角度γの余弦を計算する(ステップST225)。具体的には、次式(3)に従う。
 cosγ=(d32+d42-d52)/(2×d3×d4)   …(3)
 上記の計算の結果、cosγの値が1より大きい場合または-1より小さい場合には(ステップST230でYES)、それぞれcosγの値を1または-1に設定する(ステップST235)。
 以上の計算結果に基づいて、位置検出システムは、トランスデューサXA1,XA2,XB1,XB2の位置座標、トランスデューサXA1,XA2の中点PAの位置座標、およびトランスデューサXB1,XB2の中点PBの位置座標を決定する(ステップST240)。具体的には図7、図8に示すように、トランスデューサXB1,XB2を結ぶ直線方向をu軸方向とし、u軸に垂直な方向をv軸方向とする。トランスデューサXA1を座標軸の原点(0,0)とする。そうすると、トランスデューサXB1の位置座標(u1,v1)は、次式(4)、(5)で与えられる。
 u1=d1×cosα   …(4)
 v1=d1×(1-cos2α)1/2   …(5)
 同様に、トランスデューサXB2の位置座標(u2,v2)は、次式(6)、(7)で与えられる。
 u2=-d2×cosβ   …(6)
 v2=d2×(1-cos2β)1/2   …(7)
 トランスデューサXA1とXA2との中点PAの位置座標を(ua,va)とすると、トランスデューサXA2の位置座標(2×ua,2×va)は、次式(8),(9)で与えられる。
 2×ua=u1-d4×cosγ=d1×cosα-d4×cosγ   …(8)
 2×va=v1-d4×(1-cos2γ)1/2
   =d1×(1-cos2α)1/2-d4×(1-cos2γ)1/2   …(9)
 トランスデューサXB1とXB2との中点PBの位置座標を(ub,vb)とすると、中点PBの位置座標は次式(10)、(11)で与えられる。
 ub=(u1+u2)/2=(d1×cosα-d2×cosβ)/2   …(10)
 vb=(v1+v2)/2=(d1×(1-cos2α)1/2+d2×(1-cos2β)1/2)/2  …(11)
 続いて、位置検出システムは、算出した中点PA,PBの位置座標を用いて、図1に示すように、装置DAと装置DBとの間の距離dc、装置DBに対する装置DAの方向φ、ならびに装置DBの放射面(受信面)に対する装置DAの放射面(受信面)の傾きθを計算する(ステップST245)。具体的に、距離dc、方向φ、傾きθは、中点PAの位置座標(ua,ub)および中点PBの位置座標(va,vb)を用いることによって、次式(12)~(14)で与えられる。
 dc=((ub-ua)2+(vb-va)2)1/2   …(12)
 φ=arctan((ub-ua)/(vb-va))   …(13)
 θ=arctan(va/ua)   …(14)
 [実施の形態1の効果]
 上記のとおり、実施の形態1の超音波位置検出システムによれば、受信側の2個の超音波トランスデューサを結ぶ直線上に(すなわち、受信面の延長線上に)送信側の超音波トランスデューサが存在する場合であっても、目標物までの距離の検出結果のばらつきを抑制することができる。
 <実施の形態2>
 実施の形態1による超音波位置検出システムでは、送信側の2個の超音波トランスデューサから送信された超音波を受信側の2個の超音波トランスデューサで受信することによって、装置DBの放射面(受信面)に対する装置DAの放射面(受信面)の傾きθを算出していた。実施の形態2による超音波位置検出システムでは、送信側と受信側を入れ替えて超音波測定を行うことによって装置DBの放射面(受信面)に対する装置DAの放射面(受信面)の傾きθを算出する。以下、図11~図13を参照して具体的に説明する。
 図11は、実施の形態2による超音波位置検出システムにおいて、送信側の超音波装置と受信側の超音波装置との位置関係を示す平面図である。図12は、実施の形態2において、超音波を用いた位置検出手順を示すフローチャートである。図13は、図12のステップST131の手順をさらに詳しく示すフローチャートである。以下、図7、図11~図13を参照して、位置検出手順につて具体的に説明する。
 まず、図7に示すように、装置DAのトランスデューサXA1から送信された超音波信号が、装置DBのトランスデューサXB1,XB2で受信される(図12のステップST100,ST105)。このときの超音波信号の伝搬時間に基づいて図7の距離d1,d2が算出される(ステップST110)。この手順は図9のステップST100からST110までと同じであるので、詳しい説明を繰り返さない。
 次に、装置DBの演算・制御部20は、図11に示すようにトランスデューサXB2から超音波信号を送信するとともに(図12のステップST116)、送信時刻に関する情報を装置DAに通信装置34を介して送信する。送信された超音波信号は、装置DAのトランスデューサXA1,XA2によって受信される(ステップST121)。
 装置DBの演算・制御部20は、超音波信号の伝搬時間に基づいて、トランスデューサXB1からトランスデューサXA2までの距離d6を算出する(ステップST126)。なお、距離d6が本願発明の第6の距離、前述の距離d7が本願発明の第7の距離に相当する。
 さらに、装置DBの演算・制御部20は、トランスデューサXB1から送信された超音波信号がトランスデューサXA1によって受信されるまでの超音波の伝搬時間に基づいて、トランスデューサXB1からトランスデューサXA1までの距離d1を再計算し、再計算した距離d1がステップST110における距離d1の計算結果と異なっていないことを確認するのが望ましい。ステップST110で、距離d1を計算してから時間が経過しているので、装置DAおよび装置DBが相対移動したために距離d1が変化している可能性があるからである。
 次に、算出された距離d1,d2,d6および既知の距離d3,d7を用いて、位置検出システムは、装置DBから見た装置DAの距離および方向、ならびに装置DBの放射面(受信面)に対する装置DAの放射面(受信面)の傾きを計算する(ステップST131)。これらの計算は、算出された距離の情報を他の装置に送信することによって、装置DA,DBのいずれの演算・制御部20によって実行することもできるし、装置DA,DBのいずれとも異なるコンピュータ(演算・制御部)によって実行することもできる。
 なお、超音波信号の送信時刻および/または受信時刻の情報を他の装置に送信することによって、ステップST110およびステップST126の距離の計算を、装置DA,DBのどちらの演算・制御部20によっても実行することができるし、装置DA,DBのいずれとも異なるコンピュータ(演算・制御部)によって実行することができる。
 次に、図13を参照して、図12のステップST131の計算手順について詳しく説明する。まず、位置検出システムは、図7の距離d1,d2,d3を用いた余弦定理によって、図7の角度α、βの余弦を計算する(図13のステップST200~ST220)。この手順は、実施の形態1における図11のステップST200~ST220と同じであるので説明を繰り返さない。
 続いて、位置検出システムは、図11の距離d1,d6,d7を用いた余弦定理によって、図11の角度εの余弦を計算する(図13のステップST226)。具体的には、次式(15)に従う。
 cosε=(d12+d72-d62)/(2×d1×d7)   …(15)
 上記の計算の結果、cosεの値が1より大きい場合または-1より小さい場合には(ステップST231でYES)、それぞれcosεの値を1または-1に設定する(ステップST236)。
 以上の計算結果に基づいて、位置検出システムは、トランスデューサXA1,XA2,XB1,XB2の位置座標および中点PA,PBの位置座標を決定する(ステップST241)。具体的には図7、図11に示すように、トランスデューサXB1,XB2を結ぶ直線方向をu軸方向とし、u軸に垂直な方向をv軸方向とする。トランスデューサXA1を座標軸の原点(0,0)とする。この場合、トランスデューサXB1,XB2の位置座標は、前述の式(4)~(7)で与えられる。
 トランスデューサXA2の位置座標(2×ua,2×ub)は、トランスデューサXA1,XA2間の既知の距離d7を用いることによって次式(16)、(17)で与えられる。
 2×ua=d7×(1-cos2ε)1/2   …(16)
 2×va=d7×cosε   …(17)
 なお、式(16)、(17)の右辺の1/2がトランスデューサXA1とXA2との中点PAの位置座標(ua,va)である。トランスデューサXB1とXB2との中点PB(ub,vb)は、前述の式(10)、(11)で与えられる。
 続いて、位置検出システムは、算出した中点PA,PBの位置座標を用いて、図1に示すように、装置DAと装置DBとの間の距離dc、装置DBに対する装置DAの方向φ、ならびに装置DBの放射面(受信面)に対する装置DAの放射面(受信面)の傾きθを計算する(ステップST246)。具体的に、距離dc、方向φ、傾きθは、中点PAの位置座標(ua,ub)および中点PBの位置座標(va,vb)を用いることによって、前述の式(12)~(14)で与えられる。
 上記のとおり、実施の形態2の超音波位置検出システムによっても、受信側の2個の超音波トランスデューサを結ぶ直線上に(すなわち、受信面の延長線上に)送信側の超音波トランスデューサが存在する場合に、目標物までの距離の検出結果のばらつきを抑制することができる。
 <超音波トランスデューサの構造の一例>
 以下、上記の実施の形態1,2による位置検出システムで用いられるSMD(Surface Mount Device)型の超音波トランスデューサXA1,XA2,XB1,XB2の構造の一例について説明する。
 図14は、超音波トランスデューサの構造を示す斜視図である。図15は、図14の切断線XV-XVに沿う断面図である。図16は、超音波トランスデューサに含まれる超音波発生素子の構造を示す分解斜視図である。
 図14~図16を参照して、超音波発生素子1は、枠体2と、第1のバイモルフ型圧電振動子3と、第2のバイモルフ型圧電振動子4とを備える。枠体2は、中央部に貫通孔2aが形成されている。そして、枠体2の下側の主面には、第1のバイモルフ型圧電振動子3が接着剤5aにより接合され、枠体2の上側の主面には、第2のバイモルフ型圧電振動子4が接着剤5bにより接合されている。すなわち、枠体2の貫通孔2aは、第1のバイモルフ型圧電振動子3と、第2のバイモルフ型圧電振動子4とで塞がれた構造となっている。超音波発生素子1は、たとえば、320μm程度の厚みからなる。
 枠体2は、たとえば、セラミックスからなり、厚みは200μm程度である。貫通孔2aの直径は、たとえば、2.4mm程度である。なお、貫通孔2aに代えて、枠体2の中央部分に溝を形成するようにしても良い。すなわち、枠体2は、閉じた環状の構造体には限られず、一部において開いた環状の構造体であっても良い。
 第1のバイモルフ型圧電振動子3は、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などからなる矩形で平板状の圧電セラミックス3aを備える。そして、圧電セラミックス3aの内部には、内部電極3bが形成され、圧電セラミックス3aの両主面には、それぞれ、外部電極3c,3dが形成されている。内部電極3b、外部電極3c,3dは、たとえば、Ag、Pdからなる励振電極である。内部電極3bは、圧電セラミックス3aの隣り合う2つの角部に引出されている。一方、外部電極3c,3dは、内部電極3bが引出されていない、圧電セラミックス3aの隣り合う2つの角部にそれぞれ引出されている。第1のバイモルフ型圧電振動子3の厚みは、たとえば、60μm程度である。
 第2のバイモルフ型圧電振動子4も、第1のバイモルフ型圧電振動子3と同様に、たとえば、PZTなどからなる矩形で平板状の圧電セラミックス4aを備え、圧電セラミックス4aの内部には、内部電極4bが形成され、圧電セラミックス4aの両主面には、それぞれ、外部電極4c,4dが形成されている。内部電極4b、外部電極4c,4dも、たとえば、Ag、Pdからなる励振電極である。そして、内部電極4bは、圧電セラミックス4aの隣り合う2つの角部に引出されている。外部電極4c,4dは、内部電極4bが引出されていない、圧電セラミックス4aの隣り合う2つの角部にそれぞれ引出されている。第2のバイモルフ型圧電振動子4の厚みも、たとえば、60μm程度である。
 第1のバイモルフ型圧電振動子3の圧電セラミックス3a、および、第2のバイモルフ型圧電振動子4の圧電セラミックス4aは、それぞれ、内部において分極されている。なお、圧電セラミックス3aにおいて、外部電極3cと内部電極3bとの間と、内部電極3bと外部電極3dとの間とは、分極方向が同じである。同様に、圧電セラミックス4aにおいて、外部電極4cと内部電極4bとの間と、内部電極4bと外部電極4dとの間とは、分極方向が同じである。一方、圧電セラミックス3aの外部電極3cと内部電極3bとの間、および内部電極3bと外部電極3dとの間と、圧電セラミックス4aの外部電極4cと内部電極4bとの間、および内部電極4bと外部電極4dとの間とは、分極方向が逆である。
 そして、超音波発生素子1の4つの角部には、それぞれ、引出電極6a,6b,6c,6dが形成されている。隣り合う2つの引出電極6a,6bは、いずれも、それぞれ、圧電セラミックス3aの内部電極3b、および、圧電セラミックス4aの内部電極4bと電気的に接続されている。一方、残りの隣り合う2つの引出電極6c,6dは、いずれも、それぞれ、圧電セラミックス3aの外部電極3c,3d、および、圧電セラミックス4aの外部電極4c,4dと電気的に接続されている。引出電極6a,6b,6c,6dは、たとえば、Agからなる。
 各超音波トランスデューサXA1,XA2,XB1,XB2は、さらに、基板7と蓋部材8とからなる筺体を備える。
 基板7は、たとえば、ガラスエポキシからなり、矩形で、平板状である。基板7の上側の主面には、複数のランド電極(図示せず)が形成されている。そして、それらのランド電極に、超音波発生素子1の引出電極6a,6b,6c,6dを導電性接着剤9によりそれぞれ接合することにより、基板7に超音波発生素子1が搭載されている。基板7と超音波発生素子1(第1のバイモルフ型圧電振動子3)とにより構成される隙間は、第1の音響経路S1を形成し、第1のバイモルフ型圧電振動子3から放出された超音波を圧縮し、超音波発生素子1の下側の主面に沿った方向に超音波が伝搬するのに寄与する。すなわち、基板7は、音響経路部材である。基板7と超音波発生素子1とにより構成される隙間(第1の音響経路S1)の長さは、30μm以上に設定され、特に、第1のバイモルフ型圧電振動子3から放出された超音波の音波位相をそろえ、音圧を高めるためには、100~200μmに設定される。なお、超音波発生素子1は、4つの角部で、導電性接着剤9により基板7に接合されるため、超音波発生素子1から放出された超音波の伝搬を阻害しない。
 蓋部材8は、たとえば、洋白からなり、超音波発生素子1を収容するための開口8aが形成され、さらに天板部分に、矩形の音響放出口8b(前述の放射面および受信面に相当する)が形成されている。音響放出口8bの個数は任意であるが、本実施形態においては、4個の音響放出口8bが形成されている。蓋部材8は、開口8aに超音波発生素子1を収容したうえで、開口8aの周縁が、たとえば接着剤(図示せず)により、基板7の上側の主面に接合されている。蓋部材8と超音波発生素子1(第2のバイモルフ型圧電振動子4)とにより構成される隙間は、第1の音響経路S1を形成し、第2のバイモルフ型圧電振動子4から放出された超音波を圧縮し、超音波発生素子1の上側の主面に沿った方向に超音波が伝搬するのに寄与する。すなわち、蓋部材8は、音響経路部材である。蓋部材8と超音波発生素子1とにより構成される隙間(第1の音響経路S1)の長さは、30μm以上に設定され、特に、第2のバイモルフ型圧電振動子4から放出された超音波の音波位相をそろえ、音圧を高めるためには、100~200μmに設定される。
 各超音波トランスデューサXA1,XA2,XB1,XB2は、超音波発生素子1の外周面と、基板7と蓋部材8とからなる筺体の内周面とにより構成される隙間により、第2の音響経路S2が形成されている。なお、第2の音響経路S2の一部が、第1のバイモルフ型圧電振動子3の振動の腹の近傍、および、第2のバイモルフ型圧電振動子4の振動の腹の近傍において、上述の第1の音響経路S1を構成する。第1の音響経路S1は、上述のとおり、第1のバイモルフ型圧電振動子3、または、第2のバイモルフ型圧電振動子4から放出された超音波を圧縮し、超音波発生素子1の主面に沿った方向に超音波が伝搬するのに寄与する。
 かかる構造からなる各超音波トランスデューサXA1,XA2,XB1,XB2は、たとえば、次の方法で製造される。
 まず、第1のバイモルフ型圧電振動子3、および、第2のバイモルフ型圧電振動子4を作製する。具体的には、所定の形状からなる複数枚の圧電セラミックグリーンシートを準備し、それらの表面に、内部電極3b,4b、外部電極3c,3d,4c,4dを形成するための、導電性ペーストを所定の形状に印刷する。次に、所定の圧電セラミックグリーンシートどうしを積層し、加圧したうえ、所定のプロファイルで焼成して、内部電極3b、外部電極3c,3dの形成された第1のバイモルフ型圧電振動子3、および、内部電極4b、外部電極4c,4dの形成された第2のバイモルフ型圧電振動子4を得る。なお、外部電極3c,3d,4c,4dは、積層した圧電セラミックグリーンシートを焼成した後に、印刷またはスパッタなどによって形成されてもよい。
 次に、予め所定の形状に作製された枠体2を準備し、枠体2の両主面に、第1のバイモルフ型圧電振動子3と第2のバイモルフ型圧電振動子4とを、接着剤5a,5bを用いてそれぞれ接合し、超音波発生素子1を得る。
 次に、超音波発生素子1の4つの角部に、たとえば、スパッタリングなどの技術を用いて、引出電極6a,6b,6c,6dを形成する。
 次に、予め所定の形状に作製された基板7と蓋部材8とを準備し、導電性接着剤9を用いて、基板7に超音波発生素子1を搭載したうえ、接着剤(図示せず)を用いて、基板7の上側の主面に蓋部材8を接合し、各超音波トランスデューサXA1、XA2,XB1,XB2を完成させる。
 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
 8b 音響放出口(放射面)、20 演算・制御部、221,222 駆動信号発生装置、241,242 送信・受信切換回路、261,262,301,302 フィルタ、281,282 差動増幅器、321,322 A/D変換器、D,DA,DB 超音波装置、LA1,LB1 基準線、PA,PB 中点、X1,X2,XA1,XA2,XB1,XB2 超音波トランスデューサ。

Claims (7)

  1.  第1の装置に設けられた第1の超音波トランスデューサと、
     第2の装置に設けられた第2および第3の超音波トランスデューサと、
     前記第1および第2の装置の一方から見た他方の距離および方向を演算する演算部とを備え、
     前記演算部は、
     前記第1の超音波トランスデューサから送信された超音波が前記第2および第3の超音波トランスデューサの各々によって受信されるまでの超音波の伝搬時間に基づいて、前記第1の超音波トランスデューサから前記第2の超音波トランスデューサまでの距離である第1の距離、および前記第1の超音波トランスデューサから前記第3の超音波トランスデューサまでの距離である第2の距離を算出し、
     前記第1および第2の距離の差が前記第2および第3の超音波トランスデューサ間の距離である第3の距離よりも大きい場合に、前記第1および第2の距離の差が前記第3の距離に等しいとして演算を行うように構成される、超音波位置検出システム。
  2.  前記演算部は、
     前記第1~第3の距離を用いた余弦定理によって、前記第2および第3の超音波トランスデューサを結ぶ基準線に対して前記第1の超音波トランスデューサが位置する角度の余弦を算出し、
     前記角度の余弦が1より大きい場合または-1より小さい場合に、それぞれ1または-1に等しいとして演算を行うように構成される、請求項1に記載の超音波位置検出システム。
  3.  前記演算部は、
     前記第1~第3の距離に基づいて、前記第1~第3の超音波トランスデューサの位置座標を決定し、
     前記第1~第3の超音波トランスデューサの位置座標に基づいて、前記第1および第2の装置の一方から見た他方の距離および方向を演算するように構成される、請求項1または2に記載の超音波位置検出システム。
  4.  前記第1の装置は、第4の超音波トランスデューサをさらに有し、
     前記演算部は、
     前記第4の超音波トランスデューサから送信された超音波が前記第2および第3の超音波トランスデューサの各々によって受信されるまでの超音波の伝搬時間に基づいて、前記第4の超音波トランスデューサから前記第2の超音波トランスデューサまでの距離である第4の距離、および前記第4の超音波トランスデューサから前記第3の超音波トランスデューサまでの距離である第5の距離を算出し、
     前記第4および第5の距離の差が前記第3の距離よりも大きい場合に、前記第4および第5の距離の差が前記第3の距離に等しいとして演算を行い、
     前記第3~第5の距離に基づいて、前記第4の超音波トランスデューサの位置座標を決定し、
     前記第1~第4の超音波トランスデューサの位置座標に基づいて、前記第2および第3の超音波トランスデューサを結ぶ第1の基準線に対する前記第1および第2の超音波トランスデューサを結ぶ第2の基準線の傾きを算出するように構成される、請求項3に記載の超音波位置検出システム。
  5.  前記第1の装置は、第4の超音波トランスデューサをさらに有し、
     前記演算部は、
     前記第2の超音波トランスデューサから送信された超音波が前記第4の超音波トランスデューサによって受信されるまでの超音波の伝搬時間に基づいて、前記第2の超音波トランスデューサから前記第4の超音波トランスデューサまでの距離である第6の距離を算出し、
     前記第1および第6の距離の差が前記第1および第4の超音波トランスデューサ間の距離である第7の距離よりも大きい場合に、前記第1および第6の距離の差が前記第7の距離に等しいとして演算を行い、
     前記第1、第6および第7の距離に基づいて、前記第4の超音波トランスデューサの位置座標を決定し、
     前記第1~第4の超音波トランスデューサの位置座標に基づいて、前記第2および第3の超音波トランスデューサを結ぶ第1の基準線と前記第1および第2の超音波トランスデューサを結ぶ第2の基準線との相互の傾きを算出するように構成される、請求項3に記載の超音波位置検出システム。
  6.  第1の超音波トランスデューサから超音波を送信するステップと、
     互いの間隔が固定された第2および第3の超音波トランスデューサによって前記超音波を受信するステップと、
     前記超音波の伝搬時間に基づいて、前記第1の超音波トランスデューサから前記第2の超音波トランスデューサまでの距離である第1の距離、および前記第1の超音波トランスデューサから前記第3の超音波トランスデューサまでの距離である第2の距離を算出するステップと、
     前記第1および第2の距離の差が前記第2および第3の超音波トランスデューサ間の距離である第3の距離よりも大きい場合に、前記第1および第2の距離の差が前記第3の距離に等しくなるように演算結果を補正するステップとを備える、超音波位置検出方法。
  7.  前記超音波位置検出方法は、
     前記第1~第3の距離を用いた余弦定理によって、前記第2および第3の超音波トランスデューサを結ぶ基準線に対して前記第1の超音波トランスデューサが位置する角度の余弦を算出するステップをさらに備え、
     前記演算結果を補正するステップは、前記角度の余弦が1より大きい場合または-1より小さい場合に、それぞれ1または-1に等しいと補正するステップを含む、請求項6に記載の超音波位置検出方法。
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