WO2015037225A1 - 無線通信装置および無線通信装置の制御方法 - Google Patents

Abstract

本発明にかかる無線通信装置（１）は、通信ケーブル（２１）を介して電力が供給される。無線通信装置（１）は、無線通信装置（１）の設定内容と、当該設定内容で動作する際の消費電力とを対応付けた消費電力情報とを用いて算出された電力消費量が、無線通信装置（１）に供給される電力供給量を超えないように、無線通信装置（１）の設定内容を決定する制御部を備える。本発明により、通信ケーブルを介して電力を供給する給電システムを用いた場合であっても、安定した動作が実現可能な無線通信装置を提供することができる。

Description

無線通信装置および無線通信装置の制御方法

　本発明は無線通信装置および無線通信装置の制御方法に関する。

　通信ケーブルを介して電子機器に電力を供給する電力供給システムとして、例えばＰｏＥ給電システム（ＰｏＥ：Power Over Ethernet（登録商標））がある。ＰｏＥ給電システムは、通信ケーブルを利用して給電装置（ＰＳＥ：POWER Source Equipment）から受電装置（ＰＤ：Powerd Device）へ電力を供給するシステムである。ＰｏＥ給電システムについては、ＩＥＥＥ（Institute of Electrical and Electronic Engineers）８０２．３ａｆやＩＥＥＥ８０２．３ａｔ等の規格で規定されている。

　特許文献１乃至３には、ＰｏＥ給電システムを用いた受電装置に関する技術が開示されている。特許文献１には、自装置の負荷の使用電力が規定値を超える場合においても動作可能な受電装置に関する技術が開示されている。特許文献２には、限られた電力を有効活用することができる電力伝送システムに関する技術が開示されている。特許文献３には、安定した動作を行うことが可能な受電装置に関する技術が開示されている。

特開２０１２－１６０８２号公報 特開２００９－８９２５８号公報 特開２００９－４４９０７号公報

　背景技術で説明したような、通信ケーブルを介して電力を供給する給電システム（例えば、ＰｏＥ給電システム）では、例えば給電装置（ＰＳＥ）の電力供給量に制限がある場合や、受電装置（ＰＤ）での電力消費量が増加した場合には、給電装置（ＰＳＥ）から受電装置（ＰＤ）に十分な電力が供給されず、受電装置（ＰＤ）が正常に動作しない場合がある。

　例えば、通信ケーブルを介して電力を供給する給電システムを無線通信装置の電力供給源として用いた場合、無線通信装置に供給される電力供給量が無線通信装置での電力消費量よりも少ないと、無線通信装置が正常に動作しないという問題がある。特許文献１にかかる技術では、補助電源を用いてこのような問題を解決しているが、補助電源を用いると装置構成が複雑になるという問題がある。

　上記課題に鑑み本発明の目的は、通信ケーブルを介して電力を供給する給電システムを用いた場合であっても、安定した動作が実現可能な無線通信装置および無線通信装置の制御方法を提供することである。

　本発明にかかる無線通信装置は、通信ケーブルを介して電力が供給される無線通信装置であって、前記無線通信装置の設定内容と、当該設定内容で動作する際の消費電力とを対応付けた消費電力情報とを用いて算出された電力消費量が電力供給量を超えないように前記無線通信装置の設定内容を決定する制御部を備える。

　本発明にかかる無線通信装置の制御方法は、通信ケーブルを介して電力が供給される無線通信装置の制御方法であって、前記無線通信装置に供給される電力供給量に関する情報を取得し、所定の設定内容を用いて前記無線通信装置を設定した場合の前記無線通信装置の電力消費量を、前記無線通信装置の設定内容と、当該設定内容を用いて前記無線通信装置を設定した際の消費電力とを対応付けた消費電力情報を用いて算出し、前記算出された電力消費量が前記供給される電力供給量を超えない場合、前記所定の設定内容を用いて前記無線通信装置の設定を行う。

　本発明により、通信ケーブルを介して電力を供給する給電システムを用いた場合であっても、安定した動作が実現可能な無線通信装置および無線通信装置の制御方法を提供することができる。

実施の形態１にかかる無線通信装置を示すブロック図である。 実施の形態１にかかる無線通信装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態１にかかる無線通信装置が備える制御部の一例を示すブロック図である。 消費電力情報格納部に格納されている消費電力情報の一例を示す表である。 消費電力情報格納部に格納されている消費電力情報の他の例を示す表である。 実施の形態１にかかる無線通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態２にかかる無線通信装置を示すブロック図である。 実施の形態２にかかる無線通信装置が互いに通信している状態を示すブロック図である。 実施の形態２にかかる無線通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態２にかかる無線通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。

＜実施の形態１＞
　以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
　図１は、実施の形態１にかかる無線通信装置を示すブロック図である。本実施の形態にかかる無線通信装置１は制御部１６を備える。無線通信装置１には、通信ケーブル２１を介して電力が供給される。制御部１６は、無線通信装置１の設定内容と、当該設定内容で動作する際の消費電力とを対応付けた消費電力情報とを用いて算出された電力消費量が、無線通信装置１に供給される電力供給量を超えないように、無線通信装置１の設定内容を決定する。以下、本実施の形態にかかる無線通信装置１について詳細に説明する。

　図２は、実施の形態１にかかる無線通信装置の一例を示すブロック図である。図２に示すように本実施の形態にかかる無線通信装置１は、分離部１１、電源部１２、通信部１４、設定部１５、制御部１６、消費電力情報格納部１７、およびアンテナ１８を備える。ここで、通信部１４、設定部１５、制御部１６、および消費電力情報格納部１７は、無線通信装置１の内部回路１３（つまり、メイン回路）を構成している。

　無線通信装置１は、通信ケーブル２１を介して他の電子機器５と接続されている。電子機器５は、通信ケーブル２１を介して無線通信装置１に電力を供給する。また、無線通信装置１が送信装置である場合、無線通信装置１は、電子機器５から通信ケーブル２１を介して供給された通信データを無線送信する。無線通信装置１が送受信装置である場合、無線通信装置１は、電子機器５から通信ケーブル２１を介して供給された通信データを無線送信し、また無線通信装置１が受信した通信データを通信ケーブル２１を介して電子機器５に供給する。なお、以下では無線通信装置１が送受信装置である場合を例として説明するが、本実施の形態において無線通信装置１は送信装置であってもよい。

　分離部１１は、通信ケーブル２１を介して供給された電力を通信データから分離し、分離した電力２２を電源部１２に出力する。また分離部１１は、通信ケーブル２１を介して供給された通信データ（送信データ）２３を通信部１４に出力する。更に分離部１１は、通信部１４から出力された通信データ（受信データ）２３を通信ケーブル２１に出力する。

　例えば分離部１１は、通信ケーブル２１が備える配線のうち通信データが伝送される配線と、通信部１４につながる配線（通信データ２３が伝送される配線）とを接続している。また分離部１１は、通信ケーブル２１が備える配線のうち電力が伝送される配線と、電源部１２につながる配線（電力２２が伝送される配線）とを接続している。

　電源部１２は、分離部１１で分離された電力２２を、電源２４として無線通信装置１（つまり、無線通信装置１の内部回路１３）に供給する。また電源部１２は、内部回路１３に供給している電源２４の電力供給量に関する情報２５（以下、単に電力供給量２５と記載する場合もある。）を制御部１６に供給する。電力供給量に関する情報２５は、例えば電源部１２において電力２２を測定することで取得することができる。

　また、ＰｏＥ給電システムの場合は、ＩＥＥＥ８０２．３ａｆやＩＥＥＥ８０２．３ａｔ等の規格で電力供給量が規定されている。例えば、ＩＥＥＥ８０２．３ａｆでは、クラス０における受電機器の最大使用電力（最大電力供給量）を１３．０Ｗとし、クラス１における受電機器の最大使用電力を３．８４Ｗとし、クラス２における受電機器の最大使用電力を６．４９Ｗとし、クラス３における受電機器の最大使用電力を１２．９５Ｗとしている。またＩＥＥＥ８０２．３ａｔでは、クラス４における受電機器の最大使用電力を２５．５Ｗとしている。ＰｏＥ給電システムを用いた場合は、クラス０～４に関する情報を電力供給量に関する情報２５としてもよい。

　通信部１４は、他の無線通信装置と無線通信を行う。つまり通信部１４は、分離部１１で分離された通信データ（送信データ）をアンテナ１８から無線送信する。また、通信部１４は、アンテナ１８で受信した通信データ（受信データ）を分離部１１を経由して通信ケーブル２１に供給する。

　設定部１５は、無線通信装置１の各種設定を行う。例えば設定部１５は、無線通信装置の伝送容量、変調方式、送信電力などを設定する。ここで伝送容量は無線通信装置１が同時にデータを送受信する際の容量であり、伝送容量が大きいほど、無線通信装置１における消費電力が増加する。例えば、リンクアグリゲーション技術を用いている場合、伝送容量は、同時に使用するポートの数に対応しており、使用するポートの数が少ないほど伝送容量が小さくなり、また消費電力も小さくなる。逆に、使用するポートの数が多いほど伝送容量が大きくなり、また消費電力も大きくなる。変調方式は、例えばＱＰＳＫ（Quadrature Phase Shift Keying）、１６ＱＡＭ（Quadrature amplitude modulation）、６４ＱＡＭ等の変調方式である。また、設定部１５は、無線回線の品質など無線環境に応じ変調方式や伝送容量を自動で変更するＡＭＲ(Adaptive Modulation Radio)機能を備えていてもよい。 

　設定部１５はこれ以外にも、ＸＰＩＣ（cross polarization interference canceller）の設定（オン・オフの設定）、冗長構成の設定（ホットスタンバイ、コールドスタンバイの設定）、無線通信装置１の内部回路を冷却するために取り付けられているファンの回転数の設定、無線通信装置１が備える表示部の輝度の設定など行うことができる。ここで、ＸＰＩＣ（交差偏波間干渉補償器）は、２つの偏波間の干渉を抑制するための回路である。また、ホットスタンバイとは、稼働系と待機系とを備える冗長構成において、待機系についても稼働系と同様に常時稼働させておく構成である。コールドスタンバイとは、稼働系と待機系とを備える冗長構成において、待機系を常時稼働させるのではなく、稼働系に障害が発生した際に待機系を動作させる構成である。よって、ホットスタンバイに比べてコールドスタンバイの方が消費電力が小さい。

　消費電力情報格納部１７は、無線通信装置１の設定内容と、当該設定内容を用いて無線通信装置１を設定した際の消費電力とを対応付けた消費電力情報を格納している。ここで無線通信装置１の設定内容とは、設定部１５が設定した無線通信装置１の各種設定であり、例えば無線通信装置１の伝送容量、変調方式、送信電力などである。

　図４は、消費電力情報格納部１７に格納されている消費電力情報の一例を示す表である。図４に示すように、消費電力情報格納部１７は、無線通信装置１の伝送容量と消費電力とを対応付けた消費電力情報、無線通信装置１の変調方式と消費電力とを対応付けた消費電力情報、無線通信装置１の送信電力と消費電力とを対応付けた消費電力情報をそれぞれ格納している。更に、消費電力情報格納部１７は、ＸＰＩＣ（cross polarization interference canceller）の設定（オン・オフの設定）と消費電力とを対応付けた消費電力情報、冗長構成の設定（ホットスタンバイ、コールドスタンバイの設定）と消費電力とを対応付けた消費電力情報をそれぞれ格納している。なお、本実施の形態にかかる無線通信装置１では、消費電力情報格納部１７に格納する消費電力情報はこれらに限定されることはなく、他の消費電力情報であってもよい。また、無線通信装置１の伝送容量、変調方式、送信電力、ＸＰＩＣの設定および冗長構成の設定のうちの少なくとも一種類の消費電力情報であってもよい。

　図４に示す例では、伝送容量Ａ～Ｃの場合の消費電力はそれぞれ、ａ～ｃ（Ｗ）である。変調方式Ｅ～Ｇの場合の消費電力はそれぞれ、ｅ～ｇ（Ｗ）である。送信電力Ｐ～Ｒの場合の消費電力はそれぞれ、ｐ～ｒ（Ｗ）である。ＸＰＩＣの設定がオンの場合の消費電力はｖ（Ｗ）であり、ＸＰＩＣの設定がオフの場合の消費電力はｘ（Ｗ）である。冗長構成の設定がホットスタンバイの場合の消費電力はｙ（Ｗ）であり、冗長構成の設定がコールドスタンバイの場合の消費電力はｚ（Ｗ）である。例えば伝送容量Ａの場合の消費電力ａ（Ｗ）は、無線通信装置１の伝送容量を伝送容量Ａに設定した場合に加算される消費電力である。例えば、無線通信装置１の設定を、伝送容量Ａ、変調方式Ｅ、送信電力Ｐとした場合、無線通信装置１の消費電力はａ＋ｅ＋ｐ（Ｗ）に、これ以外の消費電力（例えば、内部回路１３における消費電力など）を足した値となる。

　図５は、消費電力情報格納部１７に格納されている消費電力情報の他の例を示す表である。図５に示すように、消費電力情報格納部１７は、無線通信装置１の設定内容の組み合わせ（例えば、所定の伝送容量、所定の変調方式、所定の送信電力、ＸＰＩＣの設定および冗長構成の設定の組み合わせ）と、当該組み合わせにおける無線通信装置１の消費電力とを対応付けた消費電力情報を格納していてもよい。

　また、伝送容量を優先させたプリセット、信頼性を優先させたプリセットなど、特定の機能を優先させた設定内容の組み合わせ（プリセット）を準備してもよい。例えばＡＭＲ機能を備える無線通信装置の場合は、無線環境に応じて変調方式が決定される。この場合は、無線通信装置が選択可能な変調方式に応じて他のパラメータの組み合わせを決定したプリセットを準備してもよい。つまり、無線通信装置の変調方式の制約下で、特定の機能を優先させたプリセット（伝送容量を優先させたプリセット、信頼性を優先させたプリセットなど）を準備してもよい。このようなプリセットを準備することで、ＡＭＲ機能を用いて無線通信装置の変調方式が設定された場合であっても、特定の機能を優先させた設定とすることができる。例えば、図５に示す設定Ｓは、無線通信装置１が設定Ｓ（プリセット）に設定された場合の無線通信装置１の消費電力がｓ（Ｗ）であることを示している。また、消費電力情報格納部１７は、例えば伝送容量、変調方式、送信電力、ＸＰＩＣの設定および冗長構成の設定のすべての組み合わせに対応した消費電力情報を格納していてもよい。

　図２に示す制御部１６は設定部１５を制御する。つまり制御部１６は、電源部１２から電力供給量に関する情報２５を、消費電力情報格納部１７から消費電力情報２６を取得する。そして、消費電力情報２６を用いて算出された無線通信装置１の電力消費量が無線通信装置１に供給される電力供給量を超えないように（換言すると、電力消費量が電力供給量以下となるように）、無線通信装置１の設定内容を決定する。制御部１６は、決定した設定情報２７を設定部１５に出力する。

　図３は、本実施の形態にかかる無線通信装置１が備える制御部１６の一例を示すブロック図である。図３に示すように、制御部１６は、設定内容決定部３１、電力消費量算出部３２、および比較部３３を備える。

　設定内容決定部３１は無線通信装置１の設定内容を決定し、決定した設定内容３５を電力消費量算出部３２に出力する。例えば、設定内容決定部３１は無線通信装置１の伝送容量、変調方式、送信電力などを決定する。

　電力消費量算出部３２は、設定内容決定部３１で決定された設定内容３５に応じた無線通信装置１の電力消費量を、消費電力情報格納部１７から取得した消費電力情報２６を用いて算出する。算出された電力消費量３６は比較部３３に出力される。

　比較部３３は、算出された電力消費量３６と無線通信装置１に供給される電力供給量２５とを比較する。そして、これらの比較結果３７を設定内容決定部３１に出力する。設定内容決定部３１は、算出された電力消費量３６が電力供給量２５を超えていないことを比較結果３７が示している場合、決定した設定内容を無線通信装置の設定内容２７として出力する。一方、設定内容決定部３１は、算出された電力消費量３６が電力供給量２５を超えていることを比較結果３７が示している場合、再度、無線通信装置１の設定内容を決定する。このとき、設定内容決定部３１は、再度決定された設定内容における電力消費量が、前回の設定内容における電力消費量よりも小さくなるように、設定内容を決定する。設定内容決定部３１は、算出された電力消費量３６が電力供給量２５を超えないようになるまで設定内容の決定を繰り返す。

　次に本実施の形態にかかる無線通信装置１の動作について、図６に示すフローチャートを用いて説明する。なお、消費電力情報格納部１７には予め消費電力情報が格納されているものとする。以下では、所定の設定内容を用いて無線通信装置１を設定する場合の動作について詳細に説明する。

　まず制御部１６は、電源部１２から電力供給量に関する情報２５を取得する（ステップＳ１）。次に制御部１６は、無線通信装置１の設定内容を決定する（ステップＳ２）。ここで設定内容を決定するとは、無線通信装置１の伝送容量、変調方式、送信電力などの各種パラメータを設定することである。その後、制御部１６は、決定された設定内容に応じた無線通信装置１の電力消費量を、消費電力情報格納部１７に格納されている消費電力情報２６を用いて算出する（ステップＳ３）。そして制御部１６は、算出された電力消費量と、電源部１２から供給される電力供給量とを比較し（ステップＳ４）、算出された電力消費量が電力供給量を超えない場合、決定された設定内容を用いて無線通信装置１の設定を行う（ステップＳ６）。

　一方、算出された電力消費量が電力供給量を超えている場合（ステップＳ５：Ｎｏ）、再度、無線通信装置１の設定内容を決定する（ステップＳ２）。つまりこの場合は、算出された電力消費量が電力供給量を超えなくなるまで、ステップＳ２～Ｓ５の動作を繰り返す。例えば制御部は、無線通信装置１の伝送容量、変調方式、および送信電力のうちの少なくとも一つの設定内容を変更することで無線通信装置１の電力消費量を低下させることができる。

　このような処理は、例えば無線通信装置１の電源投入時に行うことができる。換言すると、制御部１６は無線通信装置１の電源投入時に無線通信装置の設定内容を決定してもよい。

　また、無線通信装置１に供給されている電力供給量を制御部１６においてモニタし、無線通信装置１に供給されている電力供給量と、消費電力情報２６を用いて算出された無線通信装置１の電力消費量との差が所定の閾値以下となった場合に、上記で説明した無線通信装置の設定内容を決定する処理を行ってもよい。ここで電力供給量と電力消費量との差が所定の閾値以下となった場合とは、電力供給量が低下して電力供給量と電力消費量との差が小さくなった場合である。このような場合、電力消費量が電力供給量を超えるおそれがあるため、上記処理を用いて事前に無線通信装置の設定内容を変更する。なお所定の閾値は、任意に決定することができる。

　背景技術で説明したような、通信ケーブルを介して電力を供給する給電システム（例えば、ＰｏＥ給電システム）では、例えば給電装置（ＰＳＥ）の電力供給量に制限がある場合や、受電装置（ＰＤ）での電力消費量が増加した場合には、給電装置（ＰＳＥ）から受電装置（ＰＤ）に十分な電力が供給されず、受電装置（ＰＤ）が正常に動作しない場合があった。

　例えば、通信ケーブルを介して電力を供給する給電システムを無線通信装置の電力供給源として用いた場合、無線通信装置に供給される電力供給量が無線通信装置での電力消費量よりも少ないと、無線通信装置が正常に動作しないという問題があった。

　そこで本実施の形態にかかる無線通信装置では、無線通信装置１に供給される電力供給量に関する情報を取得すると共に、所定の設定内容を用いて無線通信装置を設定した場合の無線通信装置の電力消費量を、予め準備した消費電力情報を用いて算出している。そして、算出した電力消費量が電力供給量を超えない場合、所定の設定内容を用いて無線通信装置の設定を行っている。

　このように本実施の形態にかかる無線通信装置では、無線通信装置における電力消費量が電力供給量を超えないように、無線通信装置の設定をすることができる。つまり、供給される電力供給量に応じて、無線通信装置の設定を適切に変更することができる。よって、通信ケーブルを介して電力を供給する給電システムを用いた場合であっても、安定した動作が実現可能な無線通信装置および無線通信装置の制御方法を提供することができる。また、特許文献１にかかる技術のように、補助電源を用いる必要がないので、装置構成を簡略化することができる。

＜実施の形態２＞
　次に本発明の実施の形態２について説明する。図７は、実施の形態２にかかる無線通信装置を示すブロック図である。本実施の形態にかかる無線通信装置では、無線通信装置の設定内容と設定変更要求とを他の無線通信装置に送信可能に構成されている点が、実施の形態１で説明した無線通信装置と異なる。これ以外は実施の形態１で説明した無線通信装置と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。

　図７に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置２は、分離部１１、電源部１２、通信部４４、設定部１５、制御部４６、消費電力情報格納部１７、およびアンテナ１８を備える。ここで、通信部４４、設定部１５、制御部４６、および消費電力情報格納部１７は、無線通信装置２の内部回路４３（つまり、メイン回路）を構成している。

　無線通信装置２は、通信ケーブル２１を介して他の電子機器５と接続されている。電子機器５は、通信ケーブル２１を介して無線通信装置２に電力を供給する。また、無線通信装置２は、電子機器５から通信ケーブル２１を介して供給された通信データを無線送信し、また無線通信装置２が受信した通信データを通信ケーブル２１を介して電子機器５に供給する。

　なお、分離部１１、電源部１２、設定部１５、および消費電力情報格納部１７の構成および動作については、実施の形態１で説明した場合と同様であるので重複した説明は省略する。

　制御部４６は、実施の形態１で説明した制御部１６と同様に、電源部１２から電力供給量に関する情報２５を、消費電力情報格納部１７から消費電力情報２６を取得する。そして、消費電力情報２６を用いて算出された無線通信装置２の電力消費量が無線通信装置２に供給される電力供給量を超えないように、無線通信装置２の設定内容を決定する。制御部４６は、決定した設定情報２７を設定部１５に出力する。通信部４４は、実施の形態１で説明した通信部１４と同様に、他の無線通信装置と無線通信を行う。

　また制御部４６は、無線通信装置２の設定内容および設定変更要求を通信部４４に出力する。通信部４４は、無線通信装置２の設定内容および設定変更要求を他の無線通信装置に無線送信する。ここで設定変更要求は、無線通信装置２の設定内容を用いて他の無線通信装置の設定内容を変更することを要求する信号である。

　また通信部４４は、他の無線通信装置の設定内容および設定変更要求を受信した場合、受信した設定内容および設定変更要求を制御部４６に出力する。制御部４６は、他の無線通信装置の設定内容に基づいて無線通信装置２の設定内容を変更する。例えば制御部４６は、無線通信装置２の設定内容が他の無線通信装置の設定内容と同一となるように、無線通信装置２の設定内容を変更する。

　つまり、複数の無線通信装置が無線通信を行う場合、互いに通信を行う一対の無線通信装置の設定内容（伝送容量、変調方式、送信電力など）は同一にする必要がある。図８は、本実施の形態にかかる無線通信装置が互いに通信している状態を示すブロック図である。図８において、無線通信装置Ａ（２Ａ）および無線通信装置Ｂ（２Ｂ）はそれぞれ、図７に示した本実施の形態にかかる無線通信装置２と同一の構成である。図８に示すように、無線通信装置Ａ（２Ａ）と無線通信装置Ｂ（２Ｂ）とが互いに通信を行う場合は、無線通信装置Ａ（２Ａ）および無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容（伝送容量、変調方式、送信電力など）は同一にする必要がある。

　以下、無線通信装置Ａ（２Ａ）および無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容を同一にするための動作について、図９、図１０に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下では無線通信装置Ａ（２Ａ）の各構成要素の符号に“Ａ”を追加し、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の各構成要素の符号に“Ｂ”を追加している。例えば、無線通信装置Ａ（２Ａ）が備える制御部は制御部４６Ａと記載し、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）が備える制御部は制御部４６Ｂと記載している。

　図９に示すように、無線通信装置Ａ（２Ａ）は、制御部４６Ａで決定された設定内容に基づいて、無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定を行う（ステップＳ１１）。なお、図９に示すステップＳ１１は、図６に示したフローチャートのステップＳ６に対応しており、この場合も無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定を行う際に、図６に示したフローチャートのステップＳ１～Ｓ６の処理を行っている。

　次に、無線通信装置Ａ（２Ａ）は、無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定内容Ａおよび設定変更要求Ａを無線通信装置Ｂ（２Ｂ）に送信する（ステップＳ１２）。つまり無線通信装置Ａ（２Ａ）の制御部４６Ａは、無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定内容Ａおよび設定変更要求Ａを通信部４４Ａに出力する。通信部４４Ａは、無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定内容Ａおよび設定変更要求Ａを無線通信装置Ｂ（２Ｂ）に送信する。

　無線通信装置Ｂ（２Ｂ）は、無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定内容Ａおよび設定変更要求Ａを受信すると、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂを、無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定内容Ａに基づき決定する（ステップＳ１３）。つまり無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の制御部４６Ｂは、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂが無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定内容Ａと同一となるように、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂを決定する。

　次に、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の制御部４６Ｂは、決定された設定内容Ｂに応じた無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の電力消費量を、消費電力情報格納部１７Ｂに格納されている消費電力情報２６Ｂを用いて算出する（ステップＳ１４）。そして制御部４６Ｂは、算出された電力消費量と、電源部１２Ｂから供給される電力供給量とを比較し（ステップＳ１５）、算出された電力消費量が電力供給量を超えない場合（ステップＳ１６：Ｙｅｓ）、決定された設定内容Ｂを用いて無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定を行う（ステップＳ１７）。

　一方、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）において算出された電力消費量が電力供給量を超えている場合（ステップＳ１６：Ｎｏ）、制御部４６Ｂは、前回決定した設定内容Ｂよりも電力消費量が小さくなるように、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂ’を決定する（図１０のステップＳ２１）。次に、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の制御部４６Ｂは、決定された設定内容Ｂ’に応じた無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の電力消費量を、消費電力情報格納部１７Ｂに格納されている消費電力情報２６Ｂを用いて算出する（ステップＳ２２）。

　そして制御部４６Ｂは、算出された電力消費量と、電源部１２Ｂから供給される電力供給量とを比較し（ステップＳ２３）、算出された電力消費量が電力供給量を超えない場合（ステップＳ２４：Ｙｅｓ）、決定された設定内容Ｂ’を用いて無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定を行う（ステップＳ２５）。一方、算出された電力消費量が電力供給量を超えている場合（ステップＳ２４：Ｎｏ）、再度、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容を決定する（ステップＳ２１）。つまりこの場合は、算出された電力消費量が電力供給量を超えなくなるまで、ステップＳ２１～Ｓ２４の動作を繰り返す。例えば、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の伝送容量、変調方式、および送信電力のうちの少なくとも一つの設定内容を変更することで無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の電力消費量を低下させることができる。

　無線通信装置Ｂ（２Ｂ）は、設定内容Ｂ’を用いて無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定を行った後、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂ’および設定変更要求Ｂを無線通信装置Ａ（２Ａ）に送信する（ステップＳ２６）。つまり無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の制御部４６Ｂは、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂ’および設定変更要求Ｂを通信部４４Ｂに出力する。通信部４４Ｂは、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂ’および設定変更要求Ｂを無線通信装置Ａ（２Ａ）に送信する。

　無線通信装置Ａ（２Ａ）は、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂ’および設定変更要求Ｂを受信すると、無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定内容Ａ’を、無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂ’に基づき決定する（ステップＳ２７）。つまり無線通信装置Ａ（２Ａ）の制御部４６Ａは、無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定内容Ａ’が無線通信装置Ｂ（２Ｂ）の設定内容Ｂ’と同一となるように、無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定内容Ａ’を決定する。その後、制御部４６Ａは設定内容Ａ’を用いて無線通信装置Ａ（２Ａ）の設定を行う（ステップＳ２８）。

　ここで、設定内容Ａ’を用いて設定した場合の無線通信装置Ａ（２Ａ）の電力消費量は、設定内容Ａを用いて設定した場合の無線通信装置Ａ（２Ａ）の電力消費量よりも小さくなる。よってこの場合は、設定内容Ａ’に応じた無線通信装置Ａ（２Ａ）の電力消費量を算出するステップ（ステップＳ３参照）と、算出された電力消費量と電力供給量とを比較するステップ（ステップＳ４参照）を省略することができる。

　以上で説明した本実施の形態にかかる発明により、互いに通信を行う一対の無線通信装置の設定内容を同一とすることができる。

　以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。

　この出願は、２０１３年９月１３日に出願された日本出願特願２０１３－１９０６９１を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

１、２　無線通信装置
５　電子機器
１１　分離部
１２　電源部
１３　内部回路
１４、４４　通信部
１５　設定部
１６、４６　制御部
１７　消費電力情報格納部
１８　アンテナ
３１　設定内容決定部
３２　電力消費量算出部
３３　比較部

Claims (21)

1. 　通信ケーブルを介して電力が供給される無線通信装置であって、
   　前記無線通信装置の設定内容と、当該設定内容で動作する際の消費電力とを対応付けた消費電力情報とを用いて算出された電力消費量が電力供給量を超えないように前記無線通信装置の設定内容を決定する制御部を備える、
   　無線通信装置。
2. 　前記無線通信装置は、
   　前記通信ケーブルを介して供給された電力を通信データから分離する分離部と、
   　前記分離部で分離された前記電力を無線通信装置に供給する電源部と、
   　他の無線通信装置との無線通信を行う通信部と、
   　前記無線通信装置の設定を行う設定部と、
   　前記無線通信装置の設定内容と、当該設定内容を用いて前記無線通信装置を設定した際の消費電力とを対応付けた消費電力情報を格納した消費電力情報格納部と、を更に備える、
   　請求項１に記載の無線通信装置。
3. 　前記制御部は、
   　前記無線通信装置の設定内容を決定する設定内容決定部と、
   　前記設定内容決定部で決定された設定内容に応じた前記無線通信装置の電力消費量を、前記消費電力情報を用いて算出する電力消費量算出部と、
   　前記算出された電力消費量と前記無線通信装置に供給される電力供給量とを比較する比較部と、を備え、
   　前記設定内容決定部は、前記算出された電力消費量が前記電力供給量を超えない場合に、前記決定した設定内容を前記無線通信装置の設定内容として前記設定部に出力する、
   　請求項２に記載の無線通信装置。
4. 　前記設定内容決定部は、前記算出された電力消費量が前記電力供給量を超えている場合、再度、前記無線通信装置の設定内容を決定する、
   　請求項３に記載の無線通信装置。
5. 　前記消費電力情報格納部は、前記無線通信装置の伝送容量と消費電力とを対応付けた消費電力情報、前記無線通信装置の変調方式と消費電力とを対応付けた消費電力情報、前記無線通信装置の送信電力と消費電力とを対応付けた消費電力情報、前記無線通信装置のＸＰＩＣの設定と消費電力とを対応付けた消費電力情報、および前記無線通信装置の冗長構成の設定と消費電力とを対応付けた消費電力情報のうちの少なくとも一つを格納している、請求項２乃至４のいずれか一項に記載の無線通信装置。
6. 　前記制御部は、前記消費電力情報を用いて算出された前記無線通信装置の電力消費量が前記無線通信装置に供給される電力供給量を超えている場合、前記無線通信装置の伝送容量、変調方式、送信電力、ＸＰＩＣの設定、および冗長構成の設定のうちの少なくとも一つの設定内容を変更することで前記無線通信装置の電力消費量を低下させる、請求項５に記載の無線通信装置。
7. 　前記消費電力情報格納部は、前記無線通信装置の設定内容の組み合わせと、当該組み合わせにおける前記無線通信装置の消費電力とを対応付けた消費電力情報を格納している、請求項２乃至４のいずれか一項に記載の無線通信装置。
8. 　前記制御部は、前記無線通信装置の電源投入時に前記無線通信装置の設定内容を決定する、請求項１乃至７のいずれか一項に記載の無線通信装置。
9. 　前記制御部は、前記無線通信装置に供給されている電力供給量をモニタしており、
   　前記無線通信装置に供給されている電力供給量と、前記消費電力情報を用いて算出された前記無線通信装置の電力消費量との差が所定の閾値以下となった場合に、前記無線通信装置の設定内容を変更する、請求項１乃至８のいずれか一項に記載の無線通信装置。
10. 　前記無線通信装置は、前記他の無線通信装置が前記無線通信装置の設定内容を用いて設定内容を変更することを要求する設定変更要求と、前記無線通信装置の設定内容とを前記他の無線通信装置に送信可能に構成されている、請求項１乃至９のいずれか一項に記載の無線通信装置。
11. 　前記無線通信装置は、前記他の無線通信装置の設定内容を用いて前記無線通信装置の設定内容を変更することを要求する設定変更要求と、前記他の無線通信装置の設定内容とを受信した場合、前記他の無線通信装置の設定内容に基づいて前記無線通信装置の設定内容を変更する、請求項１乃至１０のいずれか一項に記載の無線通信装置。
12. 　前記制御部は、前記他の無線通信装置の設定内容に基づき算出された前記無線通信装置の電力消費量が前記無線通信装置に供給される電力供給量を超えていない場合、前記他の無線通信装置の設定内容に基づいて前記無線通信装置の設定内容を変更する、請求項１１に記載の無線通信装置。
13. 　前記制御部は、前記他の無線通信装置の設定内容に基づき算出された前記無線通信装置の電力消費量が前記無線通信装置に供給される電力供給量を超えている場合、前記無線通信装置に供給される電力供給量を超えないように前記無線通信装置の設定内容を決定し、当該決定した設定内容および設定変更要求を前記他の無線通信装置に送信する、請求項１１に記載の無線通信装置。
14. 　通信ケーブルを介して電力が供給される無線通信装置の制御方法であって、
    　前記無線通信装置に供給される電力供給量に関する情報を取得し、
    　所定の設定内容を用いて前記無線通信装置を設定した場合の前記無線通信装置の電力消費量を、前記無線通信装置の設定内容と、当該設定内容を用いて前記無線通信装置を設定した際の消費電力とを対応付けた消費電力情報を用いて算出し、
    　前記算出された電力消費量が前記供給される電力供給量を超えない場合、前記所定の設定内容を用いて前記無線通信装置の設定を行う、
    　無線通信装置の制御方法。
15. 　前記消費電力情報は、前記無線通信装置の伝送容量と消費電力とを対応付けた消費電力情報、前記無線通信装置の変調方式と消費電力とを対応付けた消費電力情報、前記無線通信装置の送信電力と消費電力とを対応付けた消費電力情報、前記無線通信装置のＸＰＩＣの設定と消費電力とを対応付けた消費電力情報、および前記無線通信装置の冗長構成の設定と消費電力とを対応付けた消費電力情報のうちの少なくとも一つである、請求項１４に記載の無線通信装置の制御方法。
16. 　前記消費電力情報は、前記無線通信装置の設定内容の組み合わせと、当該組み合わせにおける前記無線通信装置の消費電力とを対応付けた消費電力情報である、請求項１４に記載の無線通信装置の制御方法。
17. 　前記無線通信装置の電源投入時に前記無線通信装置の設定内容を決定する、請求項１４乃至１６のいずれか一項に記載の無線通信装置の制御方法。
18. 　前記無線通信装置は、他の無線通信装置が前記無線通信装置の設定内容を用いて設定内容を変更することを要求する設定変更要求と、前記無線通信装置の設定内容とを前記他の無線通信装置に送信する、請求項１４乃至１７のいずれか一項に記載の無線通信装置の制御方法。
19. 　前記無線通信装置は、他の無線通信装置の設定内容を用いて前記無線通信装置の設定内容を変更することを要求する設定変更要求と、前記他の無線通信装置の設定内容とを受信した場合、前記他の無線通信装置の設定内容に基づいて前記無線通信装置の設定内容を変更する、請求項１４乃至１８のいずれか一項に記載の無線通信装置の制御方法。
20. 　前記他の無線通信装置の設定内容に基づき算出された前記無線通信装置の電力消費量が前記無線通信装置に供給される電力供給量を超えていない場合、前記他の無線通信装置の設定内容に基づいて前記無線通信装置の設定内容を変更する、請求項１９に記載の無線通信装置の制御方法。
21. 　前記他の無線通信装置の設定内容に基づき算出された前記無線通信装置の電力消費量が前記無線通信装置に供給される電力供給量を超えている場合、前記無線通信装置に供給される電力供給量を超えないように前記無線通信装置の設定内容を決定し、当該決定した設定内容および設定変更要求を前記他の無線通信装置に送信する、請求項１９に記載の無線通信装置の制御方法。

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