WO2014083929A1

WO2014083929A1 - タッチパネルにおける文書スクロール方法、装置及びコンピュータ・プログラム

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Publication number: WO2014083929A1
Application number: PCT/JP2013/076260
Authority: WO
Inventors: 聡子木下; 欽一三ツ井; 芳雄堀内; 進福田
Original assignee: インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション; 日本アイ・ビー・エム株式会社
Priority date: 2012-11-30
Filing date: 2013-09-27
Publication date: 2014-06-05
Also published as: US20160342324A1; US10222967B2; US9436373B2; US20140157181A1

Abstract

　タッチパネルにおける文書スクロール方法、装置及びコンピュータ・プログラムを提供するために第１の態様として、表示装置を有するタッチパネルとデータ通信することが可能に接続してある情報処理装置により、前記表示装置に表示された複数ページからなる文書をスクロールする方法であって、ユーザの既定の操作に応答して、始点を文書の最初のページ、終点を最終ページに対応する線分を前記タッチパネルに表示するステップと、ユーザが前記線分の任意の点をタッチし、若しくは前記タッチした点を前記線分上でスライドさせることに応答して、前記点の前記線分上の位置に対応するページへ前記文書をスクロールし、前記ページの番号を前記文書の近傍に表示するステップと、ユーザが前記タッチした点から前記線分と直行する方向に前記点をスライドさせることに応答して、前記文書のページをページ単位でスクロールするステップを有する方法を提供する。

Description

タッチパネルにおける文書スクロール方法、装置及びコンピュータ・プログラム

本発明は、タッチパネルに表示された文書のスクロール方法に関し、特に文書オブジェクトの所望のページを効率よく選択する文書スクロール方法、装置、及びコンピュータ・プログラムに関する。

近年、タッチパネルを搭載した情報処理装置が種々開発されている。タッチパネルは、ディスプレイに直接接触することにより直感的に情報を操作することができる。また片手のみでオブジェクトを選択、操作できる。しかし、オブジェクトが複数のページからなる文書オブジェクトである場合に、所望のページに到達する操作は多くの操作を要し、相応の時間も掛かる。

特許文献１には「２点を始点、終点とするスクロールバーを設定し、始点を文書の最初の頁、終点を最終頁に設定し、スクロールバーの任意の１点をタッチすることにより、スクロールバー中の位置に相当する文書の選択頁を表示する」技術が開示されている。

また特許文献２には「タッチパネルの任意の２点を、なぞるもしくは２点タッチで決定し、２点を始点、終点とするスクロールバーを仮想的に設定し、文書の頁を選択する」技術が開示されている。文献３には「スクロールバーの任意の選択時間範囲について微調整を行う」技術が開示されている。

特開平５－２８２２５５特開２０１２－７９１５６特開２００９－２９５１４７

しかしながら、従来技術は、文書オブジェクトのスケール表示からスクロールを通して、文書オブジェクトの所望のページに到達する連続した少ない操作によるユーザビリティに優れた文書ページの指定方法を提供しない。

本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、複数ページからなる文書オブジェクトの所望のページへ、滑らかにかつ少ない操作で到達するユーザビィティに優れた文書スクロール方法を可能にする方法、装置、及びコンピュータ・プログラムを提供することを課題とする。

上記課題を解決するために本発明の方法は、表示装置を有するタッチパネルとデータ通信することが可能に接続してある情報処理装置により、前記表示装置に表示された複数ページからなる文書をスクロールする方法であって、ユーザの既定の操作に応答して、始点を文書の最初のページ、終点を最終ページに対応する線分を前記タッチパネルに表示するステップと、ユーザが前記線分の任意の点をタッチし、若しくは前記タッチした点を前記線分上でスライドさせることに応答して、前記点の前記線分上の位置に対応するページへ前記文書をスクロールし、前記ページ番号を前記文書の近傍に表示するステップと、ユーザが前記タッチした点から前記線分と直行する方向に前記点をスライドさせることに応答して、前記文書ページをページ単位でスクロールするステップからなる。

好ましくは、ユーザが前記タッチパネル上をタッチもしくはなぞることに応答して、前記線分の始点、終点を決定するステップを有するようにする。

ここで、前記線分の形状が前記始点、終点を結ぶ直線、または前記ユーザがなぞった円弧状の曲線としても良い。

そして、前記文書をスクロールする際に、前記ページ番号に加え、前記ページのコンテンツを前記表示装置に表示するようにする。

好適には、前記ページ単位でスクロールするステップが、さらに前記線分と直行する方向の補助線を前記表示装置に表示するステップを含むようにする。

ここで、前記スライドはタッチパネルの近接状態検知を用いた空間スライドであっても良い。

また別の態様として、上記ステップをハードウェアによって構成した、文書スクロール装置を提供する。

また別の態様として、上記ステップを、コンピュータに実行させる、コンピュータ・プログラムを提供する。

本発明の情報処理装置の構成を示すブロック図である。本発明のタッチパネル２１の構成を示す典型的なブロック図である。本発明の情報処理装置１の機能ブロック図である。本発明の情報処理装置１と親指との俯瞰図である。本発明のスケールの例である。ユーザがスケール上の任意の１点をタッチした場合の態様である。本発明のさらに特徴的な微調整モードである。本発明の全体の動作フローチャートである。スクロール操作の詳細なフローチャートである。本発明の典型的な操作例である。

以下、本発明の実施の形態に係る、オブジェクトをスクロール表示し、所望のページを選択するための装置について、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。

また、本発明は多くの異なる態様にて実施することが可能であり、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるべきではない。

以下の実施の形態では、コンピュータシステムにコンピュータ・プログラムを導入した装置について説明するが、当業者であれば明らかな通り、本発明はその一部をコンピュータで実行することが可能なコンピュータ・プログラムとして実施することができる。したがって、本発明は、文書オブジェクトをスクロール表示し、所望のページを選択する装置というハードウェアとしての実施の形態と、ソフトウェアとしての実施の形態と、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせの実施の形態をとることができる。コンピュータ・プログラムは、ハードディスク、ＤＶＤ、ＣＤ、光記憶装置、磁気記憶装置等の任意のコンピュータで読み取ることが可能な記録媒体に記録することができる。

本発明の実施の形態によれば、機械的なスイッチ、ボタンを必要とすることなく、文書オブジェクトの所望のページをユーザビリティ良く選択することができる。

　（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態に係る情報処理装置１は、少なくともＣＰＵ（中央演算装置）１１、メモリ１２、記憶装置１３、Ｉ／Ｏインタフェース１４、ビデオインタフェース１５、ディスクドライブ１６、通信インタフェース１７及び上述したハードウェアを接続する内部バス１８で構成されている。

ＣＰＵ１１は、内部バス１８を介して情報処理装置１の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置１３に記憶されたコンピュータ・プログラム１００に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ１２にはコンピュータ・プログラム１００の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータ・プログラム１００の実行時に発生する一時的なデータ等が記憶される。

記憶装置１３は、内蔵型の固定型記憶装置で、ＲＯＭ等で構成されている。記憶装置１３に記憶されたコンピュータ・プログラム１００は、プログラム及びデータ等の情報を記録したＤＶＤ、ＣＤ－ＲＯＭ等の可搬型記録媒体９０から、可搬型ディスクドライブ１６によりダウンロードされ、実行時には記憶装置１３からメモリ１２へ展開して実行される。もちろん、通信インタフェース１７を介して接続されている外部コンピュータからダウンロードされたコンピュータ・プログラムであっても良い。

通信インタフェース１７は内部バス１８に接続されており、インターネット、ＬＡＮ、ＷＡＮ等の外部のネットワークに接続されることにより、外部コンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。

Ｉ／Ｏインタフェース１４は、タッチパネル２１と接続され、データの入力を受け付ける。また、ビデオインタフェース１５は、タッチパネル２１と一体となったディスプレイ２２と接続され、文書の画像を表示する。文書の通常選択においてはタッチパネル２１とディスプレイ２２の一体化が好ましいが必須ではない。本発明特有の文書オブジェクトのスクロール表示機構はタッチパネル２１とディスプレイ２２が分離されていても支障なく機能することに留意されたい。ユーザはディスプレイ２２に表示されているオブジェクトを本発明特有の方法、構成により指示、選択する。

図１の実施形態１に用いられる典型的なハードウェア例として、スマートフォン、携帯電話、タッチパネルを有するパーソナル・コンピュータなどが挙げられる。もちろんWindows８(商標)のようにタッチパネル対応のＯＳを搭載したハードウェアでも実施可能である。

図２は、本発明の実施の形態に係るタッチパネル２１の構成を示す典型的なブロック図である。図２に示すように、実施の形態に係るタッチパネル２１は、少なくともタッチパネル部（ディスプレイ）２００、発振回路４１、検出位置制御回路４２、演算回路４３、Ｘ軸入力側スイッチ４４、Ｙ軸入力側スイッチ４５、Ｘ軸出力側スイッチ４６、Ｙ軸出力側スイッチ４７、制御回路４８を備えている。

図２は典型的なタッチパネルの構造を図示するものであり種々の方式が知られている。タッチパネル２１の位置検出方法はマトリクス・スイッチ方式以外に、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式、またこれらの混合が知られている。静電容量方式の場合はタッチパネルと指またはポインタとの静電容量を用いた距離の測定に加えて他点接触検出も可能である。

タッチパネル部２００は、Ｘ軸方向の位置を検出するためのＸ軸電極線と、Ｙ軸方向の位置を検出するためのＹ軸電極線がマトリックス上に配置されたタッチパネルである。発振回路４１は、パルス信号を発生する発振回路である。検出位置制御回路４２は、タッチパネル部２００のＸ軸電極線又はＹ軸電極線のうち、いずれを接続するかを制御する制御回路である。

演算回路４３は、タッチパネル部２００からの信号を検出して、指による接触位置又は近接位置を演算する回路である。Ｘ軸入力側スイッチ４４は、Ｘ軸電極線の入力端へパルス信号を入力するためのスイッチであり、Ｙ軸入力側スイッチ４５は、Ｙ軸電極線の入力端へパルス信号を入力するためのスイッチである。また、Ｘ軸出力側スイッチ４６は、Ｘ軸電極線の出力端を演算回路４３に接続するためのスイッチであり、Ｙ軸出力側スイッチ４７は、Ｙ軸電極線の出力端を演算回路４３に接続するためのスイッチである。

制御回路４８は、タッチパネル２１の全体の動作を制御するとともに、検出位置制御回路４２に対して、複数の電極を所定の本数接続した状態で指の接触位置又は近接位置の検出を指示する。位置検出が行われた場合、検出された位置付近の電極を個別接続し、その他の電極を所定の本数接続した状態とするよう指示を行う。

タッチパネル２１からの出力信号として、例えば接触状態である、近接状態である、離隔状態である等に関する情報を取得する場合、指とタッチパネル２１との間の距離を静電電圧の変動により推算することができる。

図３は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置１の機能ブロック図である。以下、文書オブジェクトのページをスクロール表示し、選択する装置の動作について説明する。

図３において、情報処理装置１の接触状態検知部１０１は、タッチパネル２１からの出力信号を受信して、指先（もしくはポインタ頭部）とタッチパネル２１との垂直距離、指の接触状態に関する情報を抽出する。指の接触状態に関する情報とは、例えば指が接触状態である、近接状態である、離隔状態である等に関する情報であり、タッチパネル２１の各センサからの出力信号により判断することができる。なお近接状態の場合、指とタッチパネル間の静電容量等を用いてその距離を算出する。

文書表示部１０２は、指の接触状態に関する情報に応じて、文書のページを表示する。例えば、ユーザが、スクロールのための線分状のユーザー・インターフェースである所の、スケールを指でなぞった場合、それに応答して対応する文書のページをスクロール表示したり、文書のページ番号を変更したりする。またユーザがページ選択のための既定の操作を行った場合には当該ページのコンテンツ内容を表示する。

スケール判断部１０３は、ユーザの指がタッチパネル上において始点、終点を指定する特定の動作を行った場合に、ディスプレイに選択中の文書ページを指定するためのスケールを表示する。

スクロール判断部１０４は、ユーザがスケール上の任意の１点をタッチしたことを検出すると、当該タッチしたスケール上の位置に対応する文書ページ番号をディスプレイに表示する。ユーザがスケール（線分）の任意の点をタッチまたはタッチした点を前記スケール（線分）上で移動させることに応答して、前記点の前記スケール（線分）上の位置に対応する文書ページ番号を文書の近傍に表示する。またユーザがページの微調整を行う特定の操作を行うことにより、１ページ毎の増減を可能にする詳細なページ番号表示を行う。

図４に本発明の実施形態に係る情報処理装置１と親指との俯瞰図を示す。まず文書オブジェクト４０がディスプレイ２２に選択表示されている。文書オブジェクト４０が選択されている段階で、既定の操作によりスケールモードに入る。スケールモードに入った時点で、オブジェクト40をディスプレイ２２に大きく表示してもよい。そしてユーザが始点ＳからＥへ指を滑らし、かつ親指をタッチパネルが離すと、文書ページを選択するための本願特有のスケールが表示される。なお指を滑らすことなく２点（Ｓ，Ｅ）を２本の指で指定しても良い。

スケールモードに入る手順としては、オブジェクト４０を指で触れたまま左右にスライドさせる（オブジェクトを揺らす）、文書オブジェクト４０をダブルタッチまたはトリプルタッチする、オブジェクト４０上に指を置いたまま他の任意の２点をタッチする、オブジェクト４０を指でタッチしたまま所定の時間経過した場合にスケールモードとする方法などがある。この他、または情報処理装置１に加速度センサが搭載されている場合には本体（ディスプレイ２２）を振ることによりスケールモードに入るようにしても良い。もちろんスケールモード専用のハードウェア・スイッチを本体に具備しても良い。

図５に本発明のスケールの例を図示する。左端の例では指がディスプレイ２２（タッチパネル２１）を扇型になぞった始点（Ｓ）と終点（Ｅ）とするスケール５１０が表示される。中央の例では、始点と終点を結ぶ斜め直線としてスケール５１０が表示される。右端の例では既定の場所に始点、終点を有するスケールが表示される。どの態様でも本発明は機能する。このように本発明では任意の場所の２点間を、文書ページを表示するためのスケールとすることができる。

図６にユーザがスケール上の任意の１点をタッチした場合の態様を図示する。なお、スケール上から外れた点（Xとする）をタッチされた場合は、点Ｘから線分ＳＥに下ろした垂線との交点Ｘ’（図示せず）がタッチされたものとする。図６の中央の図ではほぼスケールの中心付近をタッチした場合が図示されている。文書オブジェクトは５００ページからなる文書である場合、スケールの左端Ｓは１ページ目に右端Ｅは５００ページに相当する。図の場合にはタッチした点が文ページの２４０ページであることを示す表示が文書オブジェクト４０の近傍に表示される。好ましくは最大ページ番号と選択ページ番号の両方を表示する。またそのページのコンテンツをページ番号情報に合わせて表示しても良い。

次にユーザがスケール６３０の任意の１点をタッチしたままスケール上で指を左にスライドさせた場合が左側に、右にスライドさせた場合が右側に図示されている。それぞれスケール上の指が触れている点に応じて該当するページ番号が文書オブジェクト４０の次々に変化しながらスクロール表示される。好ましくは文書コンテンツも合わせて変化しながらスクロール表示するようにする。なお上記はタッチによるスクロールを説明したが、近接状態を検知できる場合にはタッチせずとも指とスケールが既定の距離に近づいたことによりその点がタッチされたとみなして良い。すなわち指を空間中でスライドさせてもスクロール可能となる。

図７に本発明のさらに特徴的な微調整モードを図示する。文書ページが数十ページであればスケールモードでも十分、所望のページに到達可能であるが、数百ページ以上からなる文書の場合、スケール操作では微妙なページ選択ができない。そこで本発明は微調整モードを提供する。図７の中央においてユーザがスケール上の任意の点７４０をタッチするとページは図６の中央図と同じ２４０／５００が表示される。ここで指を点７４０の上方、点７７０までスライドさせるとページは２４３／５００と僅かにスクロールできる。好ましくは１ページ単位の調整を可能とする。さらに上方または下方に指を移動させると図７の上図または下図のようにさらに１ページ単位でスクロール表示される。左側、右側の図は図６と同様の態様である。

図８に本発明の全体の動作フローチャートを示す。文書オブジェクト４０が選択された状態であることを仮定する。まずステップ８０２でスケールモードに入ったかどうかを判断する。スケールモードに入った場合には処理は８０４へ進む。ステップ８０４ではスケールをディスプレイ２２に表示する。好ましくはディスプレイ２２上でユーザの指がワイプされた始点Ｓ、終点Ｅを結ぶ線分（円弧、直線、所定の線分）でスケールを表示する。その他、２点タッチで始点、終点を指定させても良い。スケールの始点、終点は文書オブジェクトの最初のページ、最終ページに対応させる。

次にステップ８０６でスクロール操作を制御する。ユーザがスケール上の任意の点をタッチすることに応答して、当該スケール線分の点に対応する文書ページ番号を文書オブジェクトの近傍に表示する。好ましくは文書コンテンツも合わせて表示する。またユーザがタッチした状態でスケール上を指を移動させることで該当するページ番号をスクロール表示する。

さらにユーザがスケール線分と直角方向に指を移動させることに応答して微調整モードに遷移する。微調整モードでは好ましくは１ページ単位でページ番号が変化する。微調整モードでは好ましくはスケール線分と直角方向の線分を表示する。このようにすることでユーザに微調整モードであることを示すとともに、指を移動させる方向も分かる。基本的には上へ移動させるとページ番号を増加させ、下へ移動させるとページ番号を減少させるようにするが、その逆であっても構わない。

なおスケールモード、微調整モードにおいて指の近接状態を検知して空間スライドによるスクロール表示を可能にしても良い。すなわちタッチパネル２１と指との距離が所定の距離以内である場合には接していると判断し、指が空間中にあってもスライドを可能とする。

最後にステップ８０８でスクロールを確定する。スクロールの確定とは、そのページが選択された状態を意味し、文書オブジェクトのそのページのコンテンツがディスプレイ２２に大きく表示される。もちろん、スケールモードに入った時点でページがディスプレイに大きく表示され、スケールを操作する過程でも大きく表示されたままの状態でも良い。

スクロールの確定は、各モードにおいて既定の操作を行った場合に確定する。例えば指とタッチパネル間の距離が所定の距離以上離れた場合、文書オブジェクトを再度選択した場合、ユーザがハードウェアを振ることで加速度センサが信号を出力した場合、指が同一地点に既定の時間以上留まった場合に、確定処理を行う。もちろん専用のハードウェア・スイッチを具備するようにしても良い。

図９にスクロール操作の詳細なフローチャートを図示する。既にスケールモードに入っていると仮定する。まずステップ９０２で、文書をスクロールさせるスケール（補助線）の位置を決定するためのタッチ検出を行う。

例えばユーザが指をディスプレイ２２でワイプしたときの線分をスケール（補助線）として描画し、その線分の最初と最後を、スケールの始点、終点とする。このスケール上を指が移動することにより文書ページをスクロールさせる。その他、ユーザに２点をタッチさせて始点と終点を決定させても良い。または所定の位置に始点、終点を有するスケールを表示させるようにしても良い。

次にステップ９０４でスケール（補助線）の描画を行い、ユーザがそれをなぞることにより文書ページのスクロールを行う。ステップ９０６で微調整操作が行われたかを検出する（微調整モードの検出）。基本的に微調整モードに入ったかどうかはスケール線分と直角方向に指が移動したかどうかで判定する。

ステップ９０７で、微調整モードと判定した場合には、スケール線分と直角方向に補助線を描画する。これによりユーザに微調整モードであることを示すとともに上下方向の操作が可能であることを示す。また上下方向の移動量に応じて該当するページを１ページ単位でページ番号をスクロールさせる。

最後にステップ９０８でスクロール終了操作（スクロールの確定）が行われたかを判断する。スクロールの確定（終了）とは、そのページが選択された状態を意味する。スクロールの確定は、例えば指とタッチパネル間の距離が所定の距離以上離れた場合、文書オブジェクトを再度選択した場合、加速度センサの信号を検出した場合、または指が同一地点に停留した時間により、確定処理を行う。

図１０に本発明の典型的な操作例を示す。ユーザが文書オブジェクト４０をタッチした状態のまま左右にスライド（振る）することでスケールモードに入る。ユーザがディスプレイ２２上で指をＳからＥへなぞることにより始点Ｓ、終点Ｅを有する円弧状のスケール（補助線）が描画される。文書オブジェクトの総ページ数が５１０ページとすると始点Ｓは１ページ目に、終点Ｅは５１０ページ目に該当する。

そこでユーザがスケール上の点１０４０をタッチすると文書オブジェクト４０の近傍にそのスケール線分上の該当するページが４１０／５１０と表示される。またユーザが点１０４０から指を上方に移動させることに応答して、微調整モードに入る。微調整モードに入るとさらにスケール線分と直角方向の始点Ｌ，終点Ｕを有する補助線が描画される。

実施例での微調整モードでは１ページ単位でのページ移動を可能とするがこれに限定せず数ページ単位でも構わない。ユーザが終点Ｕ方向の１０７０に指を移動させることに応答してページ番号は１ページ単位で増加し、ページ番号とそのページのコンテンツと合わせて文書オブジェクトの近傍にウィンドウ表示１０５０される。逆に始点方向Ｌ方向に移動させる１ページ単位で減少表示される。なお指の移動中、指が補助線を外れた場合は、指の位置（点Ｘ）から線分ＵＬへ下ろした垂線との交点Ｘ’を指の位置として計算される。すなわち線分ＵＬ方向のベクトル値のみを計算する。

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。例えば各モードにおいて指の近接状態を検知してタッチパネルに直接触れることなくスクロールを可能にしても良い。また微調整モードにいて再度スケールをタッチすることにより、微調整モードからスケールモードへ戻るようにしても良い。また指に限らず棒状のポインティング・デバイスを用いてタッチパネルの操作を行っても良い。種々の変形態様が考えられる。

　１　情報処理装置
　１１　ＣＰＵ
　１２　メモリ
　１３　記憶装置
　１４　Ｉ／Ｏインタフェース
　１５　ビデオインタフェース
　１６　可搬型ディスクドライブ
　１７　通信インタフェース
　１８　内部バス
　２１　タッチパネル
　２２　ディスプレイ
　４０　文書オブジェクト
　４１　発振回路
　４２　検出位置制御回路
　４３　演算回路
　４４～４７　軸入力側スイッチ
　４８　制御回路
　９０　可搬型記録媒体
　１００　コンピュータ・プログラム
　１０１　接触状態検知部
　１０２　文書表示部
　１０３　スケール判断部
　１０４　スクロール判断部
　２００　タッチパネル部

Claims

表示装置を有するタッチパネルとデータ通信することが可能に接続してある情報処理装置により、前記表示装置に表示された複数ページからなる文書をスクロールする方法であって、
ユーザの既定の操作に応答して、始点を文書の最初のページ、終点を最終ページに対応する線分を前記タッチパネルに表示するステップと、
ユーザが前記線分の任意の点をタッチし、若しくは前記タッチした点を前記線分上でスライドさせることに応答して、前記点の前記線分上の位置に対応するページへ前記文書をスクロールし、前記ページの番号を前記文書の近傍に表示するステップと、
ユーザが前記タッチした点から前記線分と直行する方向に前記点をスライドさせることに応答して、前記文書のページをページ単位でスクロールするステップ
を有する、方法。
ユーザが前記タッチパネル上をタッチもしくはなぞることに応答して、前記線分の始点、終点を決定するステップを有する請求項１記載の方法。
前記線分の形状が前記始点、終点を結ぶ直線、または前記ユーザがなぞった円弧状の曲線である、請求項２記載の方法。
前記文書をスクロールする際に、ページ番号に加え、前記ページのコンテンツを前記表示装置に表示する、請求項１記載の方法。
前記ページ単位でスクロールするステップが、さらに前記線分と直行する方向の補助線を前記表示装置に表示するステップを含む、請求項１記載の方法。
前記スライドが、タッチパネルの近接状態検知を用いた空間スライドである、請求項1記載の方法。
表示装置を有するタッチパネルとデータ通信することが可能に接続してある情報処理装置を用いて、前記表示装置に表示された複数ページからなる文書をスクロールする装置であって、
ユーザの既定の操作に応答して、始点を文書の最初のページ、終点を最終ページに対応する線分を前記タッチパネルに表示する手段と、
ユーザが前記線分の任意の点をタッチし、若しくは前記タッチした点を前記線分上でスライドさせることに応答して、前記点の前記線分上の位置に対応するページへ前記文書をスクロールし、前記ページの番号を前記文書の近傍に表示する手段と、
ユーザが前記タッチした点から前記線分と直行する方向に前記点をスライドさせることに応答して、前記文書のページをページ単位でスクロールする手段
を具備する、装置。
ユーザが前記タッチパネル上をタッチもしくはなぞることに応答して、前記線分の始点、終点を決定する手段を具備する請求項７記載の装置。
前記線分の形状が前記始点、終点を結ぶ直線、または前記ユーザがなぞった円弧状の曲線である、請求項８記載の装置。
前記文書をスクロールする際に、ページ番号に加え、前記ページのコンテンツを前記表示装置に表示する、請求項７記載の装置。
前記ページ単位でスクロールする手段が、さらに前記線分と直行する方向の補助線を前記表示装置に表示する手段を含む、請求項７記載の装置。
前記スライドが、タッチパネルの近接状態検知を用いた空間スライドである、請求項７記載の装置。
請求項１～６記載の何れか１項に記載の方法の各ステップを、前記情報処理装置に実行させる、コンピュータ・プログラム。