WO2013161301A1 - 通信システム - Google Patents
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Abstract
重畳端末は、伝送信号のうち、通信端末から伝送ユニットへの返送データの送信が行われない返信帯を、重畳信号の重畳に適した重畳可能帯として重畳信号の重畳に使用する。重畳端末の判断部は、伝送ユニットが、伝送信号の送信帯において、当該送信帯の次の返信帯での全ての通信端末からの返送データの送信を禁止する確保データを伝送受信部にて受信すると、当該送信帯の次の返信帯を重畳可能帯と判断する。確保データは、伝送ユニットが通信端末と時間同期をとるために一定時間ごとに伝送信号の送信帯にて送信しているタイミング同期パルスである。
Description
本発明は、伝送信号を用いて通信する通信端末と、伝送信号に重畳される重畳信号を用いて通信する重畳端末とが同一の通信線に接続された通信システムに関する。
従来から、伝送路に対して伝送ユニット(親機)および複数台の端末装置(子機)が接続され、各端末装置と伝送ユニットとの間で通信を行う通信システムが広く普及している。この種の通信システムの一例として、伝送ユニットが定期的に端末装置の状態を監視し、端末装置の状態に変化があった場合、その状態変化に対応する処理を行うように伝送ユニットから他の端末装置に信号を送るシステムがある(たとえば日本国特許第1180690号公報、日本国特許第1195362号公報および日本国特許第1144477号公報参照)。
ただし、上記構成の通信システムは、そもそも照明器具等のオンオフ制御などに使用されるシステムであって通信速度が遅く、たとえばアナログ量のように比較的データ量の多い情報の伝送には不向きである。
そこで、伝送ユニットを介して端末装置同士が通信を行う既設の通信システムと、端末装置同士がピア・ツー・ピア(P2P)で直接通信を行う通信システムとを混在させた通信システムが提案されている(たとえば日本国特許第4816664号公報参照)。この通信システムにおいては、伝送ユニット(親機)を介して通信する複数台の通信端末(第1通信端末)と、互いに直接通信する複数台の重畳端末(第2通信端末)とが通信線(伝送路)を共用するので、既設の通信システムに重畳端末を容易に増設することができる。通信端末は伝送ユニットから通信線に繰り返し送出される伝送信号(第1プロトコルの信号)を用いて通信を行い、重畳端末は伝送信号に重畳される重畳信号(第2プロトコルの信号)を用いてより高速に通信を行う。
ここで、伝送信号は、1フレームごとに時間軸方向において複数の領域(期間)に分割され、一部の領域が重畳信号を重畳可能な重畳可能帯(通信適合期間)として割り当てられる時分割方式の信号である。すなわち、重畳端末は、伝送信号の一部に割り当てられた重畳可能帯に、伝送信号と共通の通信線を伝送される重畳信号を用いて通信する。
ところで、日本国特許第4816664号公報に記載の通信システムは、伝送信号の中で、送信帯(信号送信期間)や返信帯(信号返送期間)に比べて時間幅の短い予備帯(予備期間)、短絡検出帯(短絡検出期間)、休止帯(予備領域期間)を重畳可能帯として重畳信号の伝送に用いている。そのため、重畳端末間でデータ長の比較的長いデータを伝送する場合に、データが1つの重畳可能帯に収まらず複数の重畳可能帯に跨って伝送されてしまうことになって、結局、データの伝送速度の低下につながる可能性がある。
また、比較的時間幅の長い領域を重畳可能帯として重畳信号の伝送に用いることができるように、伝送ユニットの仕様を変更することも考えられるが、伝送ユニットの仕様が変更されると、伝送信号を用いた通信端末の通信にも影響がある。さらに、伝送ユニットの仕様が変更された場合、既設の伝送ユニットをそのまま利用できなくなる。
本発明は上記事由に鑑みて為されており、伝送ユニットの仕様を変更せずに、データの伝送速度を低下させることなく、重畳信号によりデータ長の比較的長いデータを伝送可能な通信システムを提供することを目的とする。
本発明の通信システムは、通信線に伝送信号を繰り返し送信する伝送ユニットと、前記伝送信号を用いて通信する通信端末と、前記伝送信号に重畳される重畳信号を用いて通信する複数台の重畳端末とが前記通信線に接続された通信システムであって、前記伝送信号は、1フレームごとに時間軸方向において、前記通信端末にデータを伝送するための送信帯と、前記通信端末からの返送データを受信するためのタイムスロットである返信帯とを含む複数の領域に分割された時分割方式の信号からなり、前記複数台の重畳端末の各々は、前記伝送ユニットが前記伝送信号により送信するデータを前記送信帯で受信する伝送受信部と、前記送信帯において当該送信帯の次の前記返信帯での前記返送データの送信を禁止する確保データを前記伝送受信部にて受信すると、当該返信帯を前記重畳信号の重畳に用いられる重畳可能帯と判断する判断部とを備え、前記確保データは、前記伝送ユニットが前記通信端末と時間同期をとるために一定時間ごとに出力しているタイミング同期パルスであることを特徴とする。
この通信システムにおいて、前記複数台の重畳端末の各々は、前記重畳可能帯において次回以降の重畳可能帯を予約帯として当該予約帯での送信データの送信権を獲得するための予約データを前記重畳信号により送信する予約部と、前記送信権を獲得した前記予約帯で前記送信データを前記重畳信号により送信するデータ送信部とをさらに備えることが望ましい。
この通信システムにおいて、同一の前記重畳可能帯に前記複数台の重畳端末のうちの2台以上の重畳端末から前記予約データの送信があった場合、当該2台以上の重畳端末には、先に前記予約データを送信した重畳端末から優先的に前記予約帯での前記送信権が与えられることが望ましい。
この通信システムにおいて、前記予約部は、前記重畳可能帯において重畳端末ごとに予め決められている送信タイミングで前記予約データを送信することがより望ましい。
この通信システムにおいて、前記予約部は、前記重畳可能帯において重畳端末ごとにランダムに決められる送信タイミングで前記予約データを送信することがより望ましい。
この通信システムにおいて、前記送信権は、同一の前記重畳可能帯に前記予約データを送信した前記2台以上の重畳端末のうち、前記予約データを最初に送信した重畳端末のみに与えられることがより望ましい。
この通信システムにおいて、前記送信権は、同一の前記重畳可能帯に前記予約データを送信した前記2台以上の重畳端末に対して、前記予約データを先に送信した順に与えられることがより望ましい。
この通信システムにおいて、前記予約データは前記送信データのデータ長を示すレングス情報を含んでおり、同一の前記重畳可能帯に前記予約データを送信した前記2台以上の重畳端末は、当該予約データに含まれる前記レングス情報の示すデータ長の合計が所定の許容長さ以下となるようにグループ分けされ、当該2台以上の重畳端末において同一グループに属する複数台の重畳端末には同一の前記予約帯での前記送信権が与えられることがより望ましい。
この通信システムにおいて、前記予約データは前記送信データの送信に要する前記重畳可能帯の数を示すフレーム情報を含んでおり、前記重畳端末には、前記フレーム情報に応じた数の前記予約帯での前記送信権が与えられることがより望ましい。
この通信システムにおいて、前記複数台の重畳端末の各々は、自身以外の他の重畳端末から前記重畳信号により送信された前記送信データを受信するデータ受信部と、前記データ受信部で受信した前記送信データを用いて所定の処理を行う処理部とをさらに備えることがより望ましい。
本発明は、判断部が確保データを重畳可能帯の判断に用いることにより返信帯を重畳可能帯として利用できるので、データの伝送速度を低下させることなく、重畳信号によりデータ長の比較的長いデータを伝送できるという利点がある。また、本発明は、伝送ユニットが一定時間ごとに送信する通信端末との時間同期用のタイミング同期パルスを確保データに利用するので、伝送ユニットの仕様を変更することなく伝送信号の返信帯を重畳可能帯として重畳信号の伝送に用いることができる。
本発明の好ましい実施形態をより詳細に記載する。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記載および添付図面に関連して一層よく理解される。
実施形態1に係る通信システムの概略構成を示すブロック図である。
実施形態1に係る通信システムを用いた照明システムの構成図である。
実施形態1に係る通信システムの基本システムの動作の説明図である。
実施形態1に係る通信システムの基本システムの動作の説明図である。
実施形態1に係る通信システムの動作の説明図である。
実施形態2に係る通信システムの動作の説明図である。
実施形態2に係る通信システムの予約部の動作のフローチャートである。
実施形態2に係る通信システムの動作の説明図である。
実施形態2に係る通信システムの他の動作の説明図である。
図10A~図10Dは、実施形態3に係る通信システムの動作の説明図である。
(実施形態1)
本実施形態の通信システムは、たとえば図1に示すように、2線式の通信線10に接続される親機としての伝送ユニット1と、子機としての複数台の通信端末21および複数台の重畳端末22とを備えている。図1(図2,4も同様)では、通信端末21は第1監視端末211あるいは第1制御端末212と表記し、重畳端末22は第2監視端末221あるいは第2制御端末222と表記しているが、この点については後述する。この通信システムでは、基本的に、通信端末21は通信線10を伝送される伝送信号(第1プロトコルの信号)を用いて通信を行い、重畳端末22は伝送信号に重畳される重畳信号(第2プロトコルの信号)を用いて通信を行う。
本実施形態の通信システムは、たとえば図1に示すように、2線式の通信線10に接続される親機としての伝送ユニット1と、子機としての複数台の通信端末21および複数台の重畳端末22とを備えている。図1(図2,4も同様)では、通信端末21は第1監視端末211あるいは第1制御端末212と表記し、重畳端末22は第2監視端末221あるいは第2制御端末222と表記しているが、この点については後述する。この通信システムでは、基本的に、通信端末21は通信線10を伝送される伝送信号(第1プロトコルの信号)を用いて通信を行い、重畳端末22は伝送信号に重畳される重畳信号(第2プロトコルの信号)を用いて通信を行う。
図2は、通信システムがオフィスビル等において照明器具3を制御するための照明システムに適用された例を示している。図2の例では、伝送ユニット1はエリア(たとえばフロア)ごとに1台ずつ設けられ、各伝送ユニット1に接続された通信線10に通信端末21および重畳端末22が1ないし複数台ずつ接続されている。さらに、通信線10には、照明制御システムを集中監視制御するためのオフィスコントローラ4が接続されている。
また、伝送ユニット1は、その上位装置となる省エネコントローラ5に接続されている。省エネコントローラ5は、エリア(たとえばフロア)ごとに設けられており、上記通信システムを適用した照明システムの他、空調装置6についても統括的に監視制御を行う。複数のエリアの省エネコントローラ5は、ブラウザ機能を有したパソコン(パーソナルコンピュータ)7にインターネットなどのネットワーク8あるいはLANを介して接続され、パソコン7から監視可能に構成されている。なお、図2の例では、1台の第2監視端末221に電力計測ユニット91が接続されており、この電力計測ユニット91は、PLC(Power Line Communication)タップ93に接続された機器での消費電力をモニタ92経由で計測する。
複数台の通信端末21は、伝送ユニット1に対して通信線10を介して並列接続されている。伝送ユニット1および複数台の通信端末21は、伝送ユニット1から各通信端末21へのデータ伝送と各通信端末21から伝送ユニット1へのデータ伝送とが時分割で行われる時分割多重伝送システム(以下、「基本システム」という)を構築する。以下ではまず、基本システムの概略構成について説明する。
基本システムにおいて、複数台の通信端末21は、壁スイッチ等のスイッチ(図示せず)の監視入力を監視する第1監視端末211と、リレー(図示せず)を有し負荷(ここでは照明器具3)のオンオフ制御等を行う第1制御端末212との2種類に分類される。ここで、各通信端末21は、予め個別に割り当てられた自身のアドレスを、自身のメモリ(図示せず)に記憶している。なお、第1監視端末211は、スイッチに限らず、人感センサ等のセンサで自動的に発生する監視入力を監視する構成であってもよい。
伝送ユニット1は、図1に示すように、伝送信号を通信線10に送出する伝送通信部11と、通信端末21へ返送要求データを送信する返送要求部12と、通信端末21から返送データを受信する返送受信部13と、記憶部14と、制御部15とを備えている。制御部15は、返送要求部12、返送受信部13の動作を制御する。本実施形態では、伝送ユニット1は、マイコン(マイクロコンピュータ)を主構成とし、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
伝送ユニット1は、第1監視端末211と第1制御端末212とをアドレスによって対応付けた制御テーブルを記憶部14に記憶している。ここで、たとえば第1監視端末211が複数回路のスイッチを有する場合、第1監視端末211に固有の端末アドレスだけでは、この第1監視端末211のスイッチが全て該当することになり、実際に操作された唯一のスイッチを特定することはできない。
そこで、第1監視端末211においては、実際に操作された唯一のスイッチを特定できるように、スイッチごとに負荷番号が割り振られ、第1監視端末211の端末アドレスの後に負荷番号が付加されたアドレスをスイッチ固有のアドレス(識別子)として用いる。同様に、第1制御端末212においてはリレーごとに負荷番号が割り振られ、第1制御端末212の端末アドレスの後に負荷番号が付加されたアドレスをリレー固有のアドレス(識別子)とする。制御テーブルでは、スイッチ固有のアドレスとリレー固有のアドレスとが一対一あるいは一対多に対応付けられる。
続いて、基本システムの動作について説明する。
伝送ユニット1は、通信線10に対して図3に示すように時間軸方向において複数の領域に分割された形式の電圧波形からなる時分割方式の伝送信号を繰り返し送信する。すなわち、伝送信号は、予備割込帯101と、予備帯102と、送信帯103と、返信帯104と、割込帯105と、短絡検出帯106と、休止帯107との7つの領域からなる複極(±24V)の時分割多重信号である。なお、図示例では伝送信号における割込帯105から始まって返信帯104で終わる各区間を1フレーム(F1,F2,・・・)としている。
予備割込帯101は2次割込の有無を検出するための期間であり、予備帯102は割込帯105および短絡検出帯106に合わせて設定された期間であり、送信帯103は伝送ユニット1が通信端末21にデータを伝送するための期間である。返信帯104は伝送ユニット1が通信端末21からの返送データを受信するタイムスロットであり、割込帯105は後述の割込信号の有無を検出するための期間であり、短絡検出帯106は短絡を検出するための期間である。休止帯107は処理が間に合わないときのための期間である。
伝送ユニット1は、常時は、モードデータが通常モードである伝送信号を送信し、この伝送信号の送信帯103に含まれるアドレスデータをサイクリックに変化させて複数台の通信端末21に順次アクセスする常時ポーリングを行う。常時ポーリングの際には、送信帯103に含まれるアドレスデータが自身のアドレスに一致した通信端末21は、この送信帯103に含まれるデータを受信し、この送信帯103の後に最初に現れる返信帯104(以下、「送信帯103の次の返信帯104」という)にて返送データを伝送ユニット1に送信する。ここで、通信端末21は、伝送信号の返信帯104に同期した電流モードの信号(適当な低インピーダンスを介して通信線10を短絡することにより送出される信号)により返送データを送信する。なお、通信端末21の内部回路の電源は、通信線10を介して伝送される伝送信号を整流し安定化することによって供給される。
一方、第1監視端末211としての通信端末21は、監視入力を検出すると、伝送信号の割込帯105に同期して割込信号を発生する。以下、図1の通信システムにおいて、第1監視端末211で割込信号が発生した場合の基本システムの動作について、図3および図4を参照して説明する。
伝送ユニット1は、伝送信号の第1フレームF1の割込帯105にて第1監視端末211で発生した割込信号を検出すると(図3および図4のS11)、伝送信号の送信帯103に含まれるモードデータを通常モードから割込ポーリングモードに切り替える。割込ポーリングモードにおいては、伝送ユニット1は、返送要求部12にて、アドレスの上位ビットからなる返送要求データを伝送信号の送信帯103で送信し(S12)、アドレス(上位ビット)をサイクリックに変化させながらアドレスサーチを行う。割込信号を発生した第1監視端末211は、返送要求データ中のアドレス(上位ビット)が自身のアドレスの上位ビットに一致していれば、第1フレームF1の返信帯104にて自身のアドレスの下位ビットを返送データとして伝送ユニット1に送信する(S13)。これにより伝送ユニット1は、第1フレームF1において割込信号を発生した第1監視端末211のアドレスを、返送データとして返送受信部13にて受信することになる。
伝送ユニット1は、割込信号を発生した第1監視端末211のアドレスを取得すると、第1フレームF1の次の第2フレームF2の送信帯103にて、そのアドレスを指定して第1監視端末211に対して返送要求部12から返送要求データを送信する(S14)。第1監視端末211は、自身のアドレスを含む返送要求データを受信すると、これに応答して、第2フレームF2の返信帯104にて監視入力に対応したスイッチの負荷番号およびオンオフの別を含む監視データを返送データとして伝送ユニット1に送信する(S15)。
伝送ユニット1は、返送受信部13にて監視データからなる返送データを受信すると、この監視データに制御テーブル上で対応する第1制御端末212に対して、第2フレームF2の次の第3フレームF3の送信帯103にて制御データを送信する(S16)。これにより、制御データを受信した第1制御端末212は、制御データに従って照明器具3をオンオフ制御する。
上述したように、基本システムでは、ポーリング・セレクティング方式のプロトコル(第1プロトコル)に従い、伝送ユニット1を介して通信端末(第1監視端末211、第1制御端末212)21同士が通信を行うこととなる。
ところで、本実施形態に係る通信システムでは、重畳端末22は、上記基本システムと通信線10を共用しつつ、伝送信号に重畳される重畳信号を用いて通信を行う。
複数台の重畳端末22は、複数台の通信端末21と同様、センサ等からの監視入力を監視する第2監視端末221と、負荷(ここでは照明器具3)の制御を行う第2制御端末222との2種類に分類される。ここで、各重畳端末22は予め個別に割り当てられた自身のアドレスを、自身のメモリ(図示せず)に記憶している。なお、各重畳端末22は、特定の重畳端末22に対してアドレスを指定してユニキャストでデータを送信する場合を考慮して、自身のアドレスだけでなく、自身以外の他の重畳端末22のアドレスも記憶していてもよい。ここで、通信端末21と重畳端末22とでは設定可能なアドレス領域が区別されている。以下では、通信システム全体として「1」~「128」のアドレスが使用可能であって、そのうち「1」~「64」までが通信端末21のアドレス領域、「65」~「128」が重畳端末22のアドレス領域として割り当てられている場合を想定して説明する。
なお、重畳端末22に関しては、1台の重畳端末22に複数台のセンサや負荷が接続されている場合、重畳端末22に固有のアドレスが割り当てられるのではなく、センサあるいは負荷ごとに固有のアドレスが割り当てられている。つまり、たとえば4台の負荷が接続された第2制御端末222には、「65」、「66」、「67」、「68」というように合計4つのアドレスが割り当てられることになる。
重畳端末22は、図1に示すように、重畳信号を用いた通信を行う重畳通信部23と、伝送ユニット1が伝送信号により送信するデータを送信帯103で受信する伝送受信部24と、インタフェース部25と、(端末側)制御部26とを備えている。さらに、重畳端末22は、後述する判断部27と予約部28と処理部29とを備えている。インタフェース部25には、後述するセンサ機器9や照明器具3が接続される。制御部26は、重畳通信部23、伝送受信部24、インタフェース部25、判断部27、予約部28、処理部29の動作を制御する。本実施形態では、重畳端末22は、マイコン(マイクロコンピュータ)を主構成とし、メモリ(図示せず)に記憶されたプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
ここにおいて、重畳信号は、伝送信号に比べて、周波数が十分に高い信号であって(伝送信号の)1フレーム当たりに伝送可能なデータ量が十分に多い。そのため、第2プロトコルによる通信は、第1プロトコルによる通信に比べて通信速度を高速化でき、たとえばアナログ量のように比較的データ量の多い情報の伝送に適している。
そこで、第2監視端末221は、図1に示すように、画像センサ(図示せず)や電力計測ユニット91(図2参照)などのセンサ機器9が接続され、比較的データ量の多い監視データの通信に用いられる。第2制御端末222は、照明器具3の単純なオンオフ制御ではなく、たとえば調光制御や調色制御のように、比較的データ量の多い制御データの通信に用いられる。つまり、第2制御端末222は、調光制御や調色制御が可能な照明器具3に接続され、重畳信号を用いて送信される制御データに従って照明器具3の制御を行う。
本実施形態の重畳端末22は、伝送受信部24にて、伝送ユニット1から伝送信号により送信されるデータを取得可能に構成されている。ただし、伝送受信部24は、伝送ユニット1からの伝送信号を全て理解する必要はなく、少なくとも伝送信号の送信帯103に、後述する確保データが含まれているか否かを理解できればよい。
ここで、監視データを生成するのはセンサ機器9であって、第2監視端末221は、センサ機器9から入力された監視データを変換し通信線10上に送信するアダプタとして機能する。同様に、第2制御端末222は、通信線10から受信した制御データを照明器具3の規格に合わせて変換し、照明器具3に出力するアダプタとして機能する。なお、第2制御端末222に接続される照明器具3の規格の一例としては、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)などがある。
また、重畳端末22は、基本システムで用いられる伝送信号を監視し、伝送信号のデータ伝送状況(以下、「ステート」という)を解析する機能を有している。ここでは、重畳端末22は伝送受信部24にて伝送信号を監視する。重畳端末22は、判断部27にてステートの解析結果から重畳信号の重畳に適した重畳可能帯にあるか否かを判断し、重畳可能帯と判断されたタイミングで、重畳通信部23にて伝送信号に重畳信号を重畳する。
本実施形態においては、重畳端末22は、伝送信号のうち返信帯104(図3参照)を重畳可能帯として重畳信号の重畳に用いている。つまり、返信帯104は、重畳信号が重畳されても第1プロトコルの通信に影響がなく、重畳信号も伝送信号の影響を受けにくい。さらに、返信帯104は、予備割込帯101や予備帯102や休止帯107に比べて、伝送信号がハイレベルあるいはローレベルに安定している時間が長く、伝送信号の1フレームに占める割合が大きいので、重畳信号の重畳に適している。
その他の領域(送信帯103と割込帯105と短絡検出帯106)は、伝送信号がハイレベルあるいはローレベルに安定している時間が相対的に短く、重畳信号が重畳されると第1プロトコルの通信に影響を与えやすい。また上記他の領域に重畳信号が重畳されると、重畳信号も伝送ユニット1と通信端末21との間で授受される信号(割込信号や送信データ)の影響を受けやすい。そのため、本実施形態では、返信帯104以外の領域は、重畳信号の重畳には使用されない領域(以下、「重畳不可帯」という)とする。
なお、具体的な数値を例示すると、返信帯104の時間幅は約6.5msであり、重畳端末22は、重畳信号により700μsに5バイトのデータを重畳できるとすれば、1回の返信帯104中に46バイトのデータを送信できることになる。この場合、伝送信号のフレーム周期を約15msとすれば、伝送速度は約24kbpsとなる。
ここにおいて、重畳端末22の判断部27は、返信帯104であっても、通信端末21から伝送ユニット1への返送データの送信に用いられる返信帯104については、重畳不可帯と判断し、重畳信号の重畳には使用しない。すなわち、重畳端末22は、通信端末21から伝送ユニット1への返送データの送信が行われない返信帯104を、重畳信号の重畳に適した重畳可能帯として重畳信号の重畳に使用する。そこで、判断部27は、伝送受信部24で返信帯104と認識された領域について返送データの送信が行われるか否かを判断し、返送データの送信が行われない返信帯104を重畳可能帯と判断する。
本実施形態の通信システムは、伝送ユニット1が、伝送信号の送信帯103において、当該送信帯103の次の返信帯104(つまり、送信帯103の後に最初に現れる返信帯104)を重畳信号の重畳用に確保するための確保データを伝送信号により送信する帯域確保部18を有している。帯域確保部18は、伝送信号の送信帯103に同期して確保データを伝送通信部11から送信する。ここでいう確保データは、確保データが送信された送信帯103の次の返信帯104での全ての通信端末21からの返送データの送信を禁止することにより、確保データが送信された送信帯103の次の返信帯104を重畳信号の重畳用に確保するデータであって、たとえば特定の意味を持たない空パケットからなるダミーデータである。
各重畳端末22は、送信帯103において伝送ユニット1からの確保データを伝送受信部24にて受信すると、確保データを受信した送信帯103の次の返信帯104を重畳可能帯と判断する。つまり、伝送ユニット1から確保データが送信された送信帯103の直後の(送信帯103と同一フレームの)返信帯104は返送データの送信には用いられないため、判断部27は、この返信帯104を重畳可能帯と判断する。
本実施形態では、伝送ユニット1は、一定時間(たとえば1秒)ごとに、複数台の通信端末21と時間同期をとるためのタイミング同期パルスを、伝送信号の送信帯103を用いて複数台の通信端末21に一斉送信している。このタイミング同期パルスは、伝送ユニット1が常時ポーリングの際に送信するデータや、割込ポーリングモードにおいて送信する返送要求データとは異なり、各通信端末21に返送データを送信させることはない。つまり、各通信端末21は、このタイミング同期パルスを受信した送信帯103の次の返信帯104においては返送データの送信を行わない。
そこで本実施形態では、帯域確保部18は確保データとしてタイミング同期パルスを利用する。したがって、各重畳端末22は、伝送信号により伝送ユニット1から周期的に送信されるタイミング同期パルスを送信帯103で受信すると、タイミング同期パルスを受信した送信帯103の次の返信帯104を重畳可能帯と判断する。
各重畳端末22の重畳通信部23は、重畳信号によりデータを送信するデータ送信部、および、自身以外の他の重畳端末22から重畳信号により送信されたデータを受信するデータ受信部として機能する。重畳通信部23は、判断部27にて重畳可能帯と判断されたとき(つまり確保データを受信した送信帯103の次の返信帯104)に限って重畳信号を送信するように構成されている。各重畳端末22は、このように伝送信号に同期して重畳可能帯にのみ重畳信号を重畳させることにより、共通の通信線10を使用する第1プロトコルの通信と第2プロトコルの通信との干渉を回避する。
なお、伝送信号の立ち上がりおよび立ち下がりの期間は、高調波ノイズの影響や信号の電圧反転に伴う過渡応答の影響などにより、重畳信号を重畳するのに適していない。したがって、判断部27は、返送データの送信が行われない返信帯104の中でも、領域の切り替わり(立ち上がり)後の所定の回避時間(たとえば300μs)については、重畳不可帯と判断する。
重畳端末22への電源供給は、通信端末21と同様に伝送ユニット1から通信線10を介して伝送される伝送信号を整流し安定化することによって供給される方式(集中給電方式)によって為される。ただし、この構成に限らず、重畳端末22への電源供給は、商用電源を整流し安定化することによって供給される方式(ローカル給電方式)で為されてもよい。
ところで、本実施形態では、複数台の重畳端末22は、重畳信号により互いに直接通信可能である。各重畳端末22は、自身以外の他の重畳端末22から重畳信号により送信された送信データを重畳通信部23で受信したときに、この送信データを用いて所定の処理を行う処理部29を備えている。各重畳端末22は、データ送信部としての重畳通信部23から重畳信号により送信データを送信する際、特定の重畳端末22のアドレスを指定してユニキャストで送信データを送信することもできるが、ここでは基本的にブロードキャストで送信データを送信する。つまり、複数台の重畳端末22は、いずれか1台の重畳端末22がブロードキャストで送信した送信データを受信することによって、処理部29にて何らかの処理を実行するように構成されている。
処理部29が実行する処理の一例としては、いずれかの重畳端末22が内蔵する時計部の時刻情報を用いて、重畳端末22同士の時刻合わせ(時刻同期)を行う処理がある。この場合、各重畳端末22は現在時刻を計時する時計部(図示せず)を有している。ここで、ある1台の重畳端末22は、自身の時計部で計時されている現在時刻を表す時刻情報を、送信データとしてブロードキャストで定期的に送信する。時刻情報からなる送信データを受信した各他の重畳端末22は、処理部29にて時刻情報に基づいて時計部の時刻合わせを行う。
これにより、重畳端末22同士は重畳信号を用いて時刻合わせを行うことができ、通信システム内の複数台の重畳端末22全てについて時刻を同期させることができる。なお、重畳端末22がGPS(Global Positioning System)受信機を内蔵している場合には、GPS受信機の時計機能を時計部として用いることができる。
処理部29が実行する処理の他の例としては、外部装置(図示せず)からの時刻情報を用いて、重畳端末22同士の時刻合わせを行う処理がある。この場合、各重畳端末22は現在時刻を計時する時計部を有し、少なくとも1台の重畳端末22はGPS受信装置などの外部装置を接続するためのインタフェース(図示せず)を有している。外部装置が接続された一の重畳端末22は、外部装置から現在時刻を表す時刻情報を取得すると、この時刻情報に基づいて時計部の時刻合わせを行い、且つ時刻情報を送信データとしてブロードキャストで定期的に送信する。時刻情報からなる送信データを受信した各他の重畳端末22は、処理部29にて時刻情報に基づいて時計部の時刻合わせを行う。
これにより、通信システム内の複数台の重畳端末22全てについて時刻を同期させることができる。しかも、この場合、外部装置から時刻情報が入力された重畳端末22がマスタ、外部装置から時刻情報が入力されていない重畳端末22がスレーブとして異なる動作をするので、複数台の重畳端末22は時刻合わせに関して主従関係を識別可能となる。
処理部29が実行する処理のさらに他の例としては、重畳端末22の生存確認処理がある。この場合、各重畳端末22は、少なくとも自身のアドレスを含む生存情報を送信データとして定期的に送信する。各重畳端末22は、自身以外の他の重畳端末22から生存情報を受信することをもって、処理部29にてこの生存情報に含まれるアドレスの重畳端末22の生存状態を確認する。つまり、各重畳端末22は、受信した生存情報の送信元の重畳端末22については正常に動作していると判断し、一向に生存情報が送信されてこない重畳端末22については何らかの異常が発生していると判断する。
具体的には、各重畳端末22は、所定時間(たとえば1日、1時間)に一度のペースで、自発的に生存情報をブロードキャストで送信する。また、各重畳端末22は、自身以外の他の重畳端末22からの最新の生存情報の受信時刻を重畳端末22ごとに記憶しており、この時刻から所定の設定時間(所定時間+α)以内に生存情報を受信した場合には、正常に動作していると判断し生存情報の受信時刻を更新する。一方、各重畳端末22は、最新の生存情報の受信時刻から設定時間を経過しても次の生存情報を受信できない場合には、その重畳端末22に異常が発生していると判断する。
これにより、複数台の重畳端末22は、互いに重畳通信を用いて通信することで、異常の有無を検知する生存確認を行うことができる。したがって、通信システムは、専用の管理装置を導入することなく、各重畳端末22の異常の有無を検知することが可能である。
なお、各重畳端末22は、生存情報の送信を所定時間に一度のペースでしか行わないので、複数台の重畳端末22からの送信データ(生存情報)の送信タイミングが重複することはほとんどない。ただし、複数台の重畳端末22からの生存情報の送信タイミングが重複することがあっても、通信システムは後述の構成を採用することにより、複数台の重畳端末22からの重畳信号同士が干渉することを回避できる。
上述した構成によれば、複数台の重畳端末22は、いずれか1台の重畳端末22が重畳信号を用いてブロードキャストで送信した送信データを受信することによって、処理部29に時刻合わせや生存確認などの処理を実行させることができる。したがって、通信システムは、伝送信号を用いた基本システムの動作を止めることなく、重畳端末22の時刻合わせや生存確認などを行うことができる。
次に、同一の重畳可能帯に複数台の重畳端末22が一斉にデータ送信を行うことにより重畳信号同士が干渉することを回避するための構成について説明する。
すなわち、複数台の重畳端末22は、いずれも伝送信号の重畳可能帯に重畳信号を用いて通信を行うので、複数台の重畳端末22が一斉にデータ送信を行うと、重畳信号を送信するタイミングが重複し、通信線10上で重畳信号同士の干渉が生じることがある。そこで、本実施形態では、重畳端末22は、重畳可能帯になるとすぐに送信データの送信を行うのではなく、まず予約データを送信して、この予約データを送信した重畳可能帯ではなく次回以降の重畳可能帯での送信データの送信権を獲得した上で、送信データを送信するように構成されている。重畳可能帯において重畳信号により送信データを送信できる重畳端末22は、この重畳可能帯での送信データの送信権を与えられている一の重畳端末22のみであって、他の重畳端末22は送信データを送信することが禁止される。
詳しく説明すると、重畳端末22は、判断部27で重畳可能帯であると判断された返信帯104において、次回以降の重畳可能帯を予約帯としてその予約帯での送信データの送信権を獲得するための予約データを予約部28にて送信する。予約部28は、予約データを生成し、この予約データを重畳通信部23から重畳信号によりブロードキャストで送信する。
ここにおいて、予約データは、少なくとも送信元である重畳端末22のアドレスを含んでいる。したがって、ある重畳端末22がブロードキャストで送信した予約データを受信した他の重畳端末22は、予約データに含まれているアドレスから、この予約データの送信元の重畳端末22を特定することができる。
データ送信部として機能する重畳通信部23は、予約データにより送信権を獲得した予約帯(重畳可能帯)において、送信データを重畳信号により送信する。要するに、重畳通信部23は、予約データにて事前に予約した重畳可能帯において送信データの送信を行う。そのため、各重畳端末22は、自身以外の他の重畳端末22に送信権が与えられた予約帯など、自身が送信権の獲得に失敗した予約帯においては重畳信号を送信しない。
具体的には、複数台の重畳端末22のうちいずれか1台の重畳端末22が、予約部28にて予約データを送信すると、残りの重畳端末22全てがこの予約データを受信し、予約データの送信元の重畳端末22に、予約データが送受信された重畳可能帯の次の重畳可能帯での送信データの送信権を与える。そのため、予約データの送信元の重畳端末22に送信権が与えられた重畳可能帯においては、予約データを受信した重畳端末22は重畳信号の送信を一切行わない。たとえば、アドレス「65」~「67」の重畳端末22のうちアドレス「65」の重畳端末22が予約データを送信した場合、アドレス「65」の重畳端末22が、予約データを送信した重畳可能帯の次の重畳可能帯(予約帯)での送信データの送信権を獲得する。言い換えれば、アドレス「66」、「67」の重畳端末22は、アドレス「65」の重畳端末22からの予約データを重畳通信部23にて受信すると、予約データを受信した重畳可能帯の次の重畳可能帯を重畳信号の送信に用いないようにすることでアドレス「65」の重畳端末22のために確保する。
ここで、本実施形態では、重畳端末22が送信する送信データは、1回の重畳可能帯で送信しきれるデータ長であると仮定する。したがって、重畳端末22は、予約データ1つにつき1回の重畳可能帯(返信帯104)での送信データの送信権を獲得し、送信権を獲得した重畳可能帯内で送信データの送信を終了する。
以下に、本実施形態の通信システムにおいて重畳端末22が送信データを送信する場合の動作について、図5を参照して説明する。
伝送ユニット1は、伝送信号の第1フレームF1においては通信端末21との間で伝送信号を用いた通信を行っており、伝送信号の第2フレームF2の送信帯103にて確保データとしてのタイミング同期パルスを送信する(図5のS21)。重畳端末22は、第2フレームF2の送信帯103にてタイミング同期パルスを受信すると、第2フレームF2の返信帯104にて重畳信号により予約データをブロードキャストで送信する(S22)。
その後、伝送ユニット1は、伝送信号の第n-1フレームFn-1までは、通信端末21との間で伝送信号を用いた通信を行い、伝送信号の第nフレームFnの送信帯103にて確保データとしてのタイミング同期パルスを送信する(S23)。第2フレームF2にて予約データにより送信権を獲得した重畳端末22は、第nフレームFnにてタイミング同期パルスを受信すると、第nフレームFnの返信帯104にて重畳信号により送信データを送信する(S24)。
以上説明した通信システムによれば、重畳端末22は、伝送信号に同期して伝送信号の重畳可能帯にのみ重畳信号を重畳させることにより、共通の通信線10を使用する第1プロトコルの通信と第2プロトコルの通信との干渉を回避することができる。ここで、重畳端末22は、確保データを重畳可能帯の判断に用いることにより、伝送信号の中でも比較的時間幅の長い返信帯104を重畳可能帯として重畳信号の伝送に用いるので、データ長の比較的長いデータであっても1つの重畳可能帯で伝送可能である。したがって、重畳端末22は、データ長の比較的長いデータを伝送する場合でもデータを細切れに伝送する必要がないので、データの伝送速度を低下させることなく、重畳信号によりデータ長の比較的長いデータを伝送可能になる。
しかも、本実施形態では、重畳端末22は、重畳可能帯になるとすぐに送信データの送信を行うのではなく、まず予約データを送信して次回以降の重畳可能帯での送信データの送信権を獲得した上で送信データを送信する。したがって、本実施形態の通信システムでは、同一の重畳可能帯に複数台の重畳端末22が一斉にデータ送信を行うことによる重畳信号同士の干渉(コリジョン)を回避できる。
また、本実施形態の通信システムは、伝送ユニット1が一定時間ごとに送信する通信端末21との時間同期用のタイミング同期パルスを、返信帯104を重畳可能帯として確保するための確保データに利用している。これにより、伝送ユニット1は、返信帯104を重畳信号の重畳用に確保するための確保データとして専用のデータを新たに生成する必要がないので、基本システムの動作に影響を与えることなく返信帯104を重畳信号の重畳用に確保できる。そのため、この通信システムによれば、伝送ユニット1の仕様を変更することなく伝送信号の返信帯104を重畳可能帯として重畳信号の伝送に用いることができる。
なお、伝送ユニット1の帯域確保部18は、タイミング同期パルスを確保データとして利用する構成に限らず、タイミング同期パルスとは別に専用の確保データを生成して送信する構成であってもよい。この場合、帯域確保部18は、確保データを周期的に送信する構成に限らず、たとえば記憶部14に記憶しているスケジュールに従って決まったタイミングで送信してもよいし、あるいはランダムに決定されるタイミングで送信してもよい。また、伝送ユニット1は省エネコントローラ5(図2参照)などの上位装置からの指示を受けて確保データを送信するタイミングを決定したり、スケジュールを変更したりする構成であってもよい。
ところで、本実施形態では、複数台の重畳端末22が重畳信号により互いに直接通信する場合を例に説明したが、この例に限らず、通信システムは、重畳端末22と伝送ユニット1との間で重畳信号により通信が行われる構成であってもよい。
この場合、伝送ユニット1は、重畳端末22との間で重畳信号により通信する重畳通信部16(図1参照)を備え、通信端末21とだけでなく重畳端末22との間でも通信可能に構成される。これにより、伝送ユニット1は、たとえば第2監視端末221で生じた監視入力に従って、第1制御端末212に接続された負荷(照明器具3)を制御することが可能になる。
具体的には、伝送ユニット1の記憶部14内の制御テーブルにおいて、第2監視端末221のアドレス(センサ固有のアドレス)と第1制御端末212のアドレス(リレー固有のアドレス)とが対応付けられている。なお、制御テーブルでは、第1監視端末211のアドレスと第2制御端末222のアドレスとが対応付けられていたり、第2監視端末221のアドレスと第2制御端末222のアドレスとが対応付けられていたりしてもよい。
本実施形態では、第2監視端末221は、自身に接続されたセンサ機器(画像センサや電力計測ユニット91など)9の出力データを、送信データとして伝送ユニット1に送信する。ここでいう送信データは、監視入力となるセンサ機器9の出力データ(画像、電力情報、温度、湿度、CO2量、人の存否など)の他、送信元である第2監視端末221のアドレス情報、データ長を示すレングス情報、時間情報、位置情報などを含む。すなわち、伝送ユニット1の重畳通信部16は、第2監視端末221から送信された重畳信号による送信データを、伝送信号の重畳可能帯にて受信する。その結果、伝送ユニット1は、第2監視端末221に接続されたセンサ機器9の出力データ(監視入力)を、送信データとして取得できる。
また、伝送ユニット1は、第2監視端末221から取得した送信データに基づいて、第2制御端末222に対して重畳信号により制御データを送信し、第2制御端末222に接続された負荷(照明器具3)を制御する。第2監視端末221と第2制御端末222との対応関係は、基本的には制御テーブル上で設定されるが、これに限らず、送信データ内に制御対象となる負荷(照明器具3)のアドレスが含まれていてもよい。さらに、送信データ内に、たとえば調光制御や調色制御などに関する具体的な制御内容が含まれていてもよい。
また、伝送ユニット1は、第2制御端末222へ制御データを送信する際、伝送信号の返信帯104に重畳される重畳信号を用いるので、返信帯104にて通信端末21からの返送データと制御データ(重畳信号)との干渉を回避する必要がある。そこで、伝送ユニット1は、確保データを送信した送信帯103の次の返信帯104であって、且ついずれの重畳端末22にも送信権を与えていない返信帯104を、制御データの送信に使用することが望ましい。
なお、ここでは、第2監視端末221で生じた監視入力に従って、第2制御端末222に接続された負荷(照明器具3)を制御する際の通信システムの動作を例示したが、負荷の制御までは通信システムとして必須の構成ではない。すなわち、たとえばセンサ機器9の監視入力を収集するだけのシステムに適用する場合、伝送ユニット1は、第2監視端末221からの送信データを取得できる構成であればよく、制御データを送信することは必須でない。また、図1においては、重畳通信部16が伝送ユニット1に内蔵される構成を例示したが、これに限らず、重畳通信部は、伝送ユニット1と別体に設けられ、伝送ユニット1と電気的に接続されていてもよい。
(実施形態2)
本実施形態の通信システムは、同一の重畳可能帯に複数台の重畳端末22から予約データの送信があった場合、これら複数台の重畳端末22に対して、先に予約データを送信した重畳端末22から優先的に予約帯での送信権が与えられる点で実施形態1と相違する。つまり、本実施形態においては、2台以上の重畳端末22が同一の重畳可能帯中に予約データを送信した場合、予約データの送信タイミングが早かった重畳端末22から優先的に次回以降の重畳可能帯(予約帯)での送信権が与えられる。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態の通信システムは、同一の重畳可能帯に複数台の重畳端末22から予約データの送信があった場合、これら複数台の重畳端末22に対して、先に予約データを送信した重畳端末22から優先的に予約帯での送信権が与えられる点で実施形態1と相違する。つまり、本実施形態においては、2台以上の重畳端末22が同一の重畳可能帯中に予約データを送信した場合、予約データの送信タイミングが早かった重畳端末22から優先的に次回以降の重畳可能帯(予約帯)での送信権が与えられる。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、各重畳端末22は、自ら予約データを送信する一方で自身以外の他の重畳端末22が送信した予約データを受信するので、自身が予約データを送信したタイミングと、自身以外の他の重畳端末22が予約データを送信したタイミングとの両方を把握できる。したがって、各重畳端末22においては、同一の重畳可能帯中に予約データを送信した複数台の重畳端末22について、予約データの送信タイミングの先後関係(順番)を把握することが可能である。
ここにおいて、先に予約データを送信した重畳端末22から優先的に送信権を与える方法としては2通りの方法がある。
1つ目の方法は、複数台の重畳端末22のうち予約データを最初に送信した1台の重畳端末22にのみ送信権を与える方法である。この方法においては、予約データを送信した各重畳端末22は、自身が予約データを送信したタイミングと自身以外の他の重畳端末22が予約データを送信したタイミングとを対比して、自身の送信タイミングが最先である場合にのみ、予約帯での送信権を獲得できる。つまり、予約データを送信したタイミングが2番目以降の重畳端末22においては、予約データを送信した重畳可能帯の次の重畳可能帯を送信データの送信に用いないようにすることで、予約データを最初に送信した重畳端末22のために次の重畳可能帯を確保する。
2つ目の方法は、予約データを送信した複数台の重畳端末22全てについて、重畳可能帯での送信権を振り分ける方法である。この方法においては、予約データを送信した各重畳端末22は、自身が予約データを送信したタイミングと自身以外の他の重畳端末22が予約データを送信したタイミングとを対比して、これらの複数台の重畳端末22について予約データを送信した順番を把握する。この場合、送信権は、これら複数台の重畳端末22に対して、予約データを先に送信した順に与えられる。たとえば、予約データの送信タイミングが最先の重畳端末22に対しては、次回の重畳可能帯での送信データの送信権が与えられ、予約データの送信タイミングが2番目の重畳端末22に対しては、次々回の重畳可能帯での送信データの送信権が与えられる。つまり、各重畳端末22は、自身の予約データの送信タイミングがn番目であれば、予約データを送信後n回目の重畳可能帯での送信データの送信権を獲得する。
ところで、上記2通りのいずれの方法でも、重畳端末22は重畳信号を用いて予約データを送信しているので、予約データの送信タイミングが重複すると、重畳信号同士が干渉して予約データが正常に受信されない可能性がある。
そこで、本実施形態では、予約部28は、重畳可能帯において重畳端末22ごとに予め決められている送信タイミングで予約データを送信するように構成されている。具体的には、各重畳端末22は、重畳可能帯の開始時点から予約データの送信開始までの待ち時間が、自身のアドレスに基づいて予め決められている。ここでは、予約データの送信に要する時間を単位時間Taとすると、各重畳端末22にはそれぞれ単位時間Taずつずれた待ち時間が割り当てられている。
そのため、たとえば複数台の重畳端末22のアドレスがそれぞれ「65」~「67」であった場合、予約データの送信タイミングは、アドレスが「65」の重畳端末22、「66」の重畳端末22、「67」の重畳端末22の順に、単位時間Taずつずれて設定される。重畳可能帯は、上述したように返信帯104の立ち上がり時点から所定の回避時間(たとえば300μs)Tc後に開始するので、アドレスの番号が「N(65以上の整数)」の重畳端末22は、返信帯104の立ち上がり時点から「(N-65)×Ta+Tc」だけ遅れて予約データを送信することになる。
つまり、図6に示すように、伝送ユニット1が伝送信号の第2フレームF2の送信帯103にて確保データとしてのタイミング同期パルスを送信する(S31)と、重畳端末22は、第2フレームF2の返信帯104にて予約データを送信する(S32)。このとき、アドレスがそれぞれ「65」~「67」の複数台の重畳端末22から予約データが送信される場合、予約データの送信タイミングは、アドレス「65」の重畳端末22、「66」の重畳端末22、「67」の重畳端末22の順になる。
その後、伝送ユニット1は、伝送信号の第n-1フレームFn-1までは、通信端末21との間で伝送信号を用いた通信を行い、伝送信号の第nフレームFnの送信帯103にて確保データとしてのタイミング同期パルスを送信する(S33)。第2フレームF2にて最初に予約データを送信したアドレス「65」の重畳端末22は、第nフレームFnにてタイミング同期パルスを受信すると、第nフレームFnの返信帯104にて重畳信号により送信データを送信する(S34)。
これにより、複数台の重畳端末22は、予約データの送信タイミングが重複することがなく、重畳信号同士が干渉して予約データが正常に受信されない事態を回避できる。また、複数台の重畳端末22は、同一の重畳可能帯において予約データを順番に送信するので、複数台の重畳端末22からの予約データを比較的効率よく送ることができる。
また、他の例として、予約部28は、重畳可能帯において重畳端末22ごとにランダムに決められる送信タイミングで予約データを送信するように構成されていてもよい。具体的には、各重畳端末22は、重畳可能帯の開始時点から予約データの送信開始までの待ち時間が、予約データを送信する際に乱数を用いて決められる。つまり、待ち時間は、乱数に係数(たとえば10μs)を乗じることにより算出される。ここで、重畳可能帯は、上述したように返信帯104の立ち上がり時点から所定の回避時間(たとえば300μs)後に開始するので、重畳端末22は、返信帯104の立ち上がり時点から「乱数×係数+回避時間」だけ遅れて予約データを送信することになる。
この場合において、各重畳端末22の予約部28は、重畳可能帯の開始時点から待ち時間経過後に予約データの送信を開始するのに先立って、まず自身以外の他の重畳端末22が予約データを送信中か否かを判断し、送信中であれば予約データの送信を見送る。このとき、予約部28は、重畳可能帯の残り時間を確認し、送信中の予約データの送信完了後さらに別の予約データを送信するのに十分な残り時間があれば、送信中の予約データの送信完了後、自ら予約データを送信する。ここでは、各重畳端末22の予約部28は、自身以外の他の重畳端末22からの予約データの送信終了を確認後、乱数を用いて待ち時間を再計算し、求まった待ち時間経過後に予約データを送信してもよい。
この場合の予約部28の動作について、図7のフローチャートを参照して簡単に説明する。
各重畳端末22の予約部28は、重畳可能帯が開始すると、まず乱数を用いて待ち時間を算出し(S41)、待ち時間の経過後、自身以外の他の重畳端末22からの予約データの送信の有無を判断する(S42)。他の重畳端末22からの予約データの送信がなければ(S42:No)、予約部28は予約データを送信する(S43)。一方、他の重畳端末22からの予約データの送信があれば(S42:Yes)、予約部28はこの重畳可能帯の残り時間を確認してさらに予約データを送信するのに十分な余裕があるか否かを判断する(S44)。ここで、残り時間に余裕がなければ(S44:No)、予約部28は、この重畳可能帯での予約データの送信を見送る(S45)。一方、残り時間に余裕があれば(S44:Yes)、予約部28は、他の重畳端末22からの予約データの送信完了を待って(S46)、待ち時間の算出処理(S41)に戻る。
これにより、複数台の重畳端末22は、予約データの送信タイミングが重複することを防止でき、重畳信号同士が干渉して予約データが正常に受信されない事態を回避できる。しかも、待ち時間がランダムに決まることで、複数台の重畳端末22は予約データを送信する順番が変動するので、複数台の重畳端末22に対して予約データを送信する機会が公平に与えられることになる。そのため、通信システムは、特定の重畳端末22が先に予約データを送信することで、送信データの送信権が特定の重畳端末22ばかりに集中的に与えられることを回避できる。
さらに、各重畳端末22の予約部28は、自身以外の他の重畳端末22からの予約データの送信完了後、重畳可能帯の残り時間に十分な余裕があれば、同一の重畳可能帯に自ら予約データを送信するので、1つの重畳可能帯を複数台の重畳端末22からの予約データの送信に用いることができる。したがって、通信システムは、複数台の重畳端末22からの予約データを比較的効率よく送ることができる。
また、上記2つ目の方法を採用した場合において、送信データのデータ長が比較的短ければ、予約帯として確保された重畳可能帯は、複数台の重畳端末22からの送信データの送信に利用することも可能である。そこで、予約データは、送信元である重畳端末22のアドレスの他に、予約帯での送信対象になる送信データのデータ長を示すレングス情報を含んでいる。そして、同一の重畳可能帯に予約データを送信した複数台の重畳端末22は、これらの予約データに含まれるレングス情報の示すデータ長の合計が所定の許容長さ以下となるようにグループ分けされる。同一グループに属する重畳端末22には、同一の予約帯での送信権が与えられる。
具体的には、各重畳端末22は、送信された予約データに含まれるレングス情報の示すデータ長を順に加算し、その合計のデータ長が許容長さ以下で収まるところまでを、同一のグループと認識する。つまり、送信権は複数台の重畳端末22に対して予約データを送信した順に与えられるので、予約データの送信順に、送信データのデータ長の合計が許容長さに収まる範囲内で複数台の重畳端末22が同一グループに分類される。同一グループに分類された重畳端末22は、同一の予約帯での送信権を獲得するので、同一の重畳可能帯(予約帯)において、予約データの送信順に送信データを送信することになる。
たとえば、図8に示すように、伝送ユニット1が伝送信号の第2フレームF2の送信帯103にて確保データとしてのタイミング同期パルスを送信する(S51)と、重畳端末22は、第2フレームF2の返信帯104にて予約データを送信する(S52)。このとき、アドレスがそれぞれ「65」、「66」の2台の重畳端末22から予約データが順に送信されることとし、これら2台の重畳端末22からの送信データのデータ長の合計は許容長さ以下であると仮定する。
その後、伝送ユニット1は、伝送信号の第n-1フレームFn-1までは、通信端末21との間で伝送信号を用いた通信を行い、伝送信号の第nフレームFnの送信帯103にて確保データとしてのタイミング同期パルスを送信する(S53)。第2フレームF2にて最初に予約データを送信したアドレス「65」の重畳端末22は、第nフレームFnにてタイミング同期パルスを受信すると、第nフレームFnの返信帯104にて重畳信号により送信データを送信する(S54)。さらに、アドレス「66」の重畳端末22は、第nフレームFnにてタイミング同期パルスを受信すると、第nフレームFnの返信帯104であってアドレス「65」の重畳端末22からの送信データの送信完了後、重畳信号により送信データを送信する(S55)。
この構成によれば、複数台の重畳端末22は、1回の重畳可能帯にて送信データを送信することができるので、1回の重畳可能帯につき1つの送信データのみを送信する場合に比べて、重畳可能帯を送信データの送信に効率よく使用することができる。
また、重畳端末22は、送信データのデータ長が長く一度の重畳可能帯内で送信しきれない場合には、当該重畳可能帯の終了に合わせて通信を中断し、次回の重畳可能帯に残りのデータを送信する。つまり、重畳端末22は、送信データの送信時には重畳可能帯に重畳できる長さに送信データを分割する。この場合において、予約データは、送信データの送信に要する重畳可能帯の数を示すフレーム情報を含み、重畳端末22には、フレーム情報に応じた数の重畳可能帯(予約帯)での送信権が与えられるように構成されていてもよい。
これにより、重畳端末22は、送信データの送信に必要な数の重畳可能帯での送信データの送信権を獲得できるので、これら複数の重畳可能帯を用いて送信データを送信することが可能である。ここで、フレーム情報は、必要な重畳可能帯の数を直接示す情報と、上述したレングス情報との少なくとも一方であればよい。つまり、レングス情報は、送信データのデータ長を示す情報であるから、1つの重畳可能帯に送信可能なデータ長が既知であれば、この既知のデータ長との関係から、送信データの送信に要する重畳可能帯の数を特定できることになる。
たとえば、図9に示すように、伝送ユニット1が伝送信号の第1フレームF1の送信帯103にて確保データとしてのタイミング同期パルスを送信する(S61)と、重畳端末22は、第1フレームF1の返信帯104にて予約データを送信する(S62)。その後、伝送ユニット1は、伝送信号の第n-1フレームFn-1までは、通信端末21との間で伝送信号を用いた通信を行い、伝送信号の第nフレームFnの送信帯103にて確保データとしてのタイミング同期パルスを送信する(S63)。第1フレームF1にて予約データを送信した重畳端末22は、第nフレームFnにてタイミング同期パルスを受信すると、第nフレームFnの返信帯104にて重畳信号により送信データの一部を送信する(S64)。
その後、伝送ユニット1は、伝送信号の第2n-1フレームF2n-1までは、通信端末21との間で伝送信号を用いた通信を行い、伝送信号の第2nフレームF2nの送信帯103にて確保データとしてのタイミング同期パルスを送信する(S65)。第1フレームF1にて予約データを送信した重畳端末22は、第2nフレームF2nにてタイミング同期パルスを受信すると、第2nフレームF2nの返信帯104にて重畳信号により送信データの残りを送信する(S66)。
この構成によれば、重畳端末22は、ロングパケットなどの1つの重畳可能帯に収まらない送信データであっても、予約データにて送信権を獲得した複数の重畳可能帯(予約帯)を使って送信することが可能になる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態の通信システムは、複数台の重畳端末22からの重畳信号同士が干渉することを回避するための構成として、重畳端末22の重畳通信部23が予約データを用いることなく送信データを送信する点で実施形態1の通信システムと相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態の通信システムは、複数台の重畳端末22からの重畳信号同士が干渉することを回避するための構成として、重畳端末22の重畳通信部23が予約データを用いることなく送信データを送信する点で実施形態1の通信システムと相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、各重畳端末22の重畳通信部23は、重畳可能帯において重畳端末22ごとに予め決められている送信タイミングで送信データを送信し、自身以外の他の重畳端末22が送信データを送信中であれば送信データを送信しないように構成されている。すなわち、各重畳端末22は、重畳可能帯になるとすぐに送信データの送信を行うのではなく、重畳可能帯において重畳端末22ごとに予め決められた送信タイミングで送信データを送信するように構成されている。
具体的には、各重畳端末22は、重畳可能帯(つまり確保データを受信した送信帯103の次の返信帯104)の開始時点から送信データの送信開始までの待ち時間が、自身のアドレスに基づいて予め決められている。ここでは、各重畳端末22にはそれぞれ遅延時間Tbずつずれた待ち時間が割り当てられている。そのため、たとえば複数台の重畳端末22のアドレスがそれぞれ「65」~「67」であった場合、送信データの送信タイミングは、アドレスが「65」の重畳端末22、「66」の重畳端末22、「67」の重畳端末22の順に、遅延時間Tbずつずれて設定される。重畳可能帯は、返信帯104の立ち上がり時点から所定の回避時間(たとえば300μs)Tc後に開始するので、アドレスの番号が「N(65以上の整数)」の重畳端末22は、返信帯104の立ち上がり時点から「(N-65)×Tb+Tc」だけ遅れて送信データを送信することになる。
すなわち、重畳端末22は、伝送信号の送信帯103にてタイミング同期パルスを受信すると、同一フレームの返信帯104にて重畳信号により送信データを送信する。このとき、アドレスがそれぞれ「65」~「68」の複数台の重畳端末22が送信データを送信する場合、送信データの送信タイミングは図10A~10Dに示すように遅延時間Tbずつずれることになる。つまり、アドレス「65」の重畳端末22は返信帯104の立ち上がりから「Tc」後に送信データの送信を開始し(図10A)、アドレス「66」の重畳端末22は返信帯104の立ち上がりから「Tc+Tb」後に送信データの送信を開始する(図10B)。同様に、アドレス「67」の重畳端末22は返信帯104の立ち上がりから「Tc+2Tb」後(図10C)、アドレス「68」の重畳端末22は返信帯104の立ち上がりから「Tc+3Tb」後に(図10D)、それぞれ送信データの送信を開始する。
ここで、各重畳端末22は、自身以外の他の重畳端末22が送信データを送信中であれば、送信データを送信することができないため、送信データの送信を見送ることになる。したがって、上述のようにアドレス「65」、「66」、「67」、「68」の順に送信データの送信タイミングが決められている場合には、アドレス「65」の重畳端末22からの送信データが最優先されることになる。つまり、図10A~10Dの例では、遅延時間Tbに関する説明を分かり易くするために4つの送信データが図示されているが、実際には、アドレス「66」の重畳端末22は、アドレス「65」の重畳端末22が送信データを送信しているときには、送信データを送信できない。同様に、アドレス「67」の重畳端末22は、アドレス「65」または「66」の重畳端末22が送信データを送信しているときには、送信データを送信できず、アドレス「68」の重畳端末22は、アドレス「65」、「66」または「67」の重畳端末22が送信データを送信しているときには、送信データを送信できない。
以上説明した本実施形態の通信システムによれば、重畳端末22ごとに予め決められている送信タイミングで重畳端末22が送信データを送信するので、予約データを用いずに、複数台の重畳端末22同士の重畳信号の送信タイミングが重なることを回避できる。したがって、重畳信号同士の干渉(コリジョン)を回避することができる。また、予約データを送信してから送信データを送信する構成に比べると、送信データを送信するまでに要する時間を短縮でき、送信データを送信するまでのタイムラグを短縮できるという利点がある。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
本発明をいくつかの好ましい実施形態によって記載したが、本発明の本来の精神および範囲、すなわち請求の範囲を逸脱することなく、当業者によってさまざまな修正および変形が可能である。
Claims (10)
- 通信線に伝送信号を繰り返し送信する伝送ユニットと、前記伝送信号を用いて通信する通信端末と、前記伝送信号に重畳される重畳信号を用いて通信する複数台の重畳端末とが前記通信線に接続された通信システムであって、
前記伝送信号は、1フレームごとに時間軸方向において、前記通信端末にデータを伝送するための送信帯と、前記通信端末からの返送データを受信するためのタイムスロットである返信帯とを含む複数の領域に分割された時分割方式の信号からなり、
前記複数台の重畳端末の各々は、
前記伝送ユニットが前記伝送信号により送信するデータを前記送信帯で受信する伝送受信部と、
前記送信帯において当該送信帯の次の前記返信帯での前記返送データの送信を禁止する確保データを前記伝送受信部にて受信すると、当該返信帯を前記重畳信号の重畳に用いられる重畳可能帯と判断する判断部とを備え、
前記確保データは、前記伝送ユニットが前記通信端末と時間同期をとるために一定時間ごとに出力しているタイミング同期パルスである
ことを特徴とする通信システム。 - 前記複数台の重畳端末の各々は、
前記重畳可能帯において次回以降の重畳可能帯を予約帯として当該予約帯での送信データの送信権を獲得するための予約データを前記重畳信号により送信する予約部と、
前記送信権を獲得した前記予約帯で前記送信データを前記重畳信号により送信するデータ送信部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。 - 同一の前記重畳可能帯に前記複数台の重畳端末のうちの2台以上の重畳端末から前記予約データの送信があった場合、当該2台以上の重畳端末には、先に前記予約データを送信した重畳端末から優先的に前記予約帯での前記送信権が与えられることを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
- 前記予約部は、前記重畳可能帯において重畳端末ごとに予め決められている送信タイミングで前記予約データを送信することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
- 前記予約部は、前記重畳可能帯において重畳端末ごとにランダムに決められる送信タイミングで前記予約データを送信することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
- 前記送信権は、同一の前記重畳可能帯に前記予約データを送信した前記2台以上の重畳端末のうち、前記予約データを最初に送信した重畳端末のみに与えられることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の通信システム。
- 前記送信権は、同一の前記重畳可能帯に前記予約データを送信した前記2台以上の重畳端末に対して、前記予約データを先に送信した順に与えられることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の通信システム。
- 前記予約データは前記送信データのデータ長を示すレングス情報を含んでおり、
同一の前記重畳可能帯に前記予約データを送信した前記2台以上の重畳端末は、当該予約データに含まれる前記レングス情報の示すデータ長の合計が所定の許容長さ以下となるようにグループ分けされ、当該2台以上の重畳端末において同一グループに属する複数台の重畳端末には同一の前記予約帯での前記送信権が与えられる
ことを特徴とする請求項7に記載の通信システム。 - 前記予約データは前記送信データの送信に要する前記重畳可能帯の数を示すフレーム情報を含んでおり、
前記重畳端末には、前記フレーム情報に応じた数の前記予約帯での前記送信権が与えられる
ことを特徴とする請求項2ないし8のいずれか1項に記載の通信システム。 - 前記複数台の重畳端末の各々は、
自身以外の他の重畳端末から前記重畳信号により送信された前記送信データを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部で受信した前記送信データを用いて所定の処理を行う処理部と
をさらに備えることを特徴とする請求項2ないし9のいずれか1項に記載の通信システム。
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