WO2013145061A1 - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

　本実施形態の洗濯機は、洗濯槽（２）、パルセータ（４）および駆動装置（Ｋ）を備える。前記パルセータ（４）は、前記洗濯槽（２）の内側の下部に配設され、前記駆動装置（Ｋ）により回転駆動が可能である。前記パルセータ（４）は、平坦な基盤面（４ａ）、複数の凹部（４ｂ）、及び複数の羽根山（４ｃ）を有する。前記凹部（４ｂ）のそれぞれは、前記基盤面（４ａ）を基準としてこの基盤面（４ａ）から凹むように前記パルセータ（４）の周方向に配列されるように形成される。前記羽根山（４ｃ）のそれぞれは、前記凹部（４ｂ）のそれぞれの内側の底面から突設される。

Description

洗濯機 関連出願の引用

　本出願は、２０１２年３月２９日に出願した日本国特許出願第２０１２－７７２４６号による優先権の利益に基礎をおき、かつ、その利益を求めており、その内容全体が引用によりここに包含される。

　ここで説明する実施形態は、全般的に、洗濯機に関する。

　洗濯機においては、洗濯槽の内下部にパルセータが配設され、このパルセータが回転駆動されることにより、洗濯物が、洗濯水と共に撹拌されて洗濯される。特開２０００－１５７７７５号公報に開示された洗濯機のパルセータは、平坦な基盤面（平坦面）を基準として、該基盤面から放射状に複数の羽根山（突出部）を突設している。特開２００４－３２１６２９号公報に開示された洗濯機のパルセータは、凹曲面が無端環状に連続する基盤面（凹曲面）を基準として、該基盤面から放射状に複数の羽根山を突設している。いずれの洗濯機でも、その複数の羽根山により洗濯物を洗濯水と共に撹拌するようになっている。

特開２０００－１５７７７５号公報 特開２００４－３２１６２９号公報

　上記先行技術による洗濯機のいずれについても、ある程度の洗浄力を発揮することができるものの、近年では、より高い洗浄力を発揮することが望まれている。そこで、本発明の実施形態は、より高い洗浄力を発揮することが可能なパルセータを備えた洗濯機を提供する。

　本実施形態の洗濯機は、洗濯槽、パルセータおよび駆動装置を備える。前記パルセータは、前記洗濯槽の内側の下部に配設される。前記駆動装置は、前記パルセータを回転駆動することが可能である。前記駆動装置が前記パルセータを回転駆動して、前記洗濯槽の内部に収容される洗濯物を洗濯水と共に撹拌して前記洗濯物を洗濯することができる。前記パルセータは、平坦な基盤面、複数の凹部及び複数の羽根山を有し、前記凹部のそれぞれは、前記基盤面を基準としてこの基盤面から凹むように前記パルセータの周方向に配列されるように形成され、前記羽根山のそれぞれは、前記凹部のそれぞれの内側の底面から突設される。

実施形態に用いられるパルセータ単体を示す平面図である。 前記パルセータ単体を拡大して示す分解斜視図である。 図１のIII－III面に沿う前記パルセータ単体を拡大して示す縦断面図である。 前記パルセータの１つの羽根山部分を拡大して示す側面図である。 前記パルセータの１つの羽根山部分を拡大して示す斜視図である。 本実施形態による洗濯機全体の縦断面を正面から見た図である。 前記１つの羽根山部分の縦断面を用いて前記パルセータの作用を説明するための図である。 前記１つの羽根山部分の縦断面を用いて前記パルセータの作用を説明するための別の図である。

実施形態

　以下、一実施形態につき、図１乃至図８を参照して説明する。

　図６は、本実施形態による洗濯機、特には二槽式洗濯機の全体的な構成を示している。外箱１内には、洗濯槽２と脱水槽３とが、並置状態で配設されている。洗濯槽２は、プラスチック製で、洗濯槽２の内側の下部には、パルセータ４が回転可能に配設されている。このパルセータ４の詳細については後述する。洗濯槽２の底部の、パルセータ４の下方に位置する部分には、排水口５が形成されている。この排水口５は、図示しない排水弁を介して、機外に及ぶ排水ホースに連結されている。

　洗濯槽２の外側の下面部には、ギヤ機構６を設けている。このギヤ機構６の出力軸６ａは、洗濯槽２の底部に水密且つ回転可能に貫通されて洗濯槽２の前記内側の前記下部に突出されている。出力軸６ａの突出部分には、前記パルセータ４が、ねじ７により着脱可能に取付けられている。ギヤ機構６の入力軸６ｂには従動プーリ８が取付けられている。他方、洗濯槽２の外側の下方の、従動プーリ８からやゝ離間した位置には洗濯用モータ９が配設されている。この洗濯用モータ９の回転軸９ａに取付けた駆動プーリ１０と前記従動プーリ８との間に伝動ベルト１１が掛けられている。

　したがって、パルセータ４は、洗濯用モータ９により、駆動プーリ１０、伝動ベルト１１、従動プーリ８、及びギヤ機構６を順に介して回転駆動される。パルセータ４は、時計回りと、反時計回りの正逆両方向に交互に低速で回転駆動される。パルセータ４の回転により、洗濯槽２に収容した洗濯物（図６には図示せず）が、洗濯水と共に撹拌されて洗濯されるようになっている。従って、洗濯用モータ９、駆動プーリ１０、伝動ベルト１１、従動プーリ８、及びギヤ機構６は、パルセータを回転駆動する駆動装置Ｋを構成するものである。

　一方、脱水槽３の内部には、脱水かご１２が回転可能に配設されている。脱水かご１２の周側部には、多数の脱水孔１２ａを形成している。脱水槽３の外側の下方には、脱水用モータ１３と、ブレーキ装置１４とが配設されている。脱水用モータ１３は、脱水かご１２を回転駆動することができる。ブレーキ装置１４は、その回転を制止することができる。脱水かご１２は、脱水用モータ１３により、直接に回転駆動される。具体的には、脱水かご１２は、一方向に高速に回転駆動され、その回転により、脱水かご１２内に収容した洗濯物の脱水をするようになっている。従って、脱水用モータ１３は脱水かご１２を回転駆動する駆動装置として機能する。脱水槽３の底部には、排水口１５が形成されている。この排水口１５は、図示しない合流管路により、前記排水ホースに連結されている。

　外箱１上には、操作パネル１６が設けられている。この操作パネル１６には、洗濯用タイマーの操作つまみ１７と、洗濯用の水流強度切換つまみ１８、脱水用タイマーの操作つまみ１９、排水弁の開閉用操作つまみ２０、給水ホース接続口２１が設けられている。洗濯槽２上には、洗濯槽用の蓋２２が着脱可能に設けられている。脱水槽３上は、脱水槽用の蓋２３を、軸受けにより開閉可能に支持している。

　以下に、パルセータ４の詳細について述べる。図１乃至図３に示すように、パルセータ４はプラスチック製である。パルセータ４の平面形状は円形である。パルセータ４の基盤面４ａは、基盤面４ａの周辺方向に徐々に僅かに盛り上がっている略平坦状を成している。パルセータ４には、略平坦な前記基盤面４ａを基準として基盤面４ａから凹むように複数の凹部４ｂが形成されている。複数の凹部４ｂは、パルセータ４の周方向に均等に配列されている。これらの凹部４ｂはいずれも球面状を成している。それぞれの凹部４ｂの内側の底面から上方（前記基盤面とほぼ垂直な方向）に向けて、それぞれ、突出部である羽根山４ｃが突設されている。それぞれの羽根山４ｃは、それぞれの凹部４ｂの範囲内で前記内側の前記底面から突設されており、それぞれの凹部４ｂの中央部から両端方向の直径のほゞ全長にわたって存在している。

　それぞれの羽根山４ｃは、上方（前記基盤面とほぼ垂直な方向）より見た平面視で放射曲線状を成している。その放射曲線は、パルセータ４の中央部近傍から外方にかけて図１では時計回り方向に湾曲している。更に、図４及び図１に示すように、パルセータ４の回転方向にある羽根山４ｃの両側面部４c_１,４c_２の傾斜角α，βは、ほゞ同一としている。加えて、図５及び図１に示すように、それぞれの羽根山４ｃの中心側の側面部４ｃ_３の傾斜角γと、それぞれの羽根山４ｃの外周側の側面部４ｃ_４の傾斜角θとは、異なっており、前記中心側の側面部４ｃ_３の傾斜角γを外周側の側面部４ｃ_４の傾斜角θより大きくしている。

　パルセータ４の中央部には、図１乃至図３に示すように、羽根山４ｃと連ならない独立した突起部４ｄを設けている。この突起部４ｄは、ほゞ半球状を成している。更に具体的には、突起部４ｄは、パルセータ４とは別体の部品から成っており、パルセータ４の中央部に複数の爪４ｄ_１で取付けられている。図１乃至図３に示すように、この突起部４ｄの外面部には、複数の円形状のくぼみ部４ｅを前記パルセータの周方向に均等に配列されるように形成している。

　それぞれの羽根山４ｃの両側に位置する凹部４ｂの最低部分には、水抜き孔４ｆを複数ずつ形成している。図３に示すように、突起部４ｄの中心部には、孔４ｇが形成されている。孔４ｇには、ねじ７が挿通され、ねじ７はギヤ機構６の出力軸６ａに結合される。孔４ｇはキャップ４ｈで塞がれる。

　このように、上記洗濯機は、洗濯槽２の内部に洗濯物を洗濯水と共に収容することができる。この状態で、パルセータ４が回転駆動されることにより、前記洗濯物が前記洗濯水と共に撹拌されて洗濯される。前記パルセータ４において、略平坦な基盤面４ａを基準としてこの基盤面４ａから凹むように複数の凹部４ｂが、前記パルセータの周方向に形成されている。それぞれの凹部４ｂの内側の底面から上方に向けて羽根山４ｃが突設されている。

　図７に示すように、パルセータ４の複数の羽根山４ｃの高さＨ_１は、それぞれの羽根山４ｃの実質的な基点が基盤面より低いそれぞれの凹部４ｂの内側の底面となるため高くなる。図７において、洗濯水Ｗは凹部４ｂ内までにも入る。　したがって、パルセータ４が図７の矢印ＸまたはＹで示す方向に回転するとき、前記洗濯水Ｗは、大きな高さ（大きな面積）の複数の羽根山４ｃにより強い撹拌力を受けて撹拌され、その結果、強い水流が生成される。この強い水流に乗って前記洗濯物が動かされ、強力に洗浄されるので、高い洗浄力を得ることができる。

　一方、図８に示すように、洗濯物Ｓが洗濯水より流動性が低い場合、洗濯物Ｓは、平坦な基盤面４ａ上をすべり動いて複数の凹部４ｂ内にほとんど入ることなく複数の羽根山４ｃに当たる。従って、これらの羽根山４ｃと洗濯物Ｓとの接触が、パルセータ４の基盤面４ａからの羽根山４ｃの高さ（面積）Ｈ_２までに留められるので、洗濯物Ｓは、それ程強い撹拌力を受けることはない。その結果、洗濯槽２内に、洗濯槽２の容量に対しほぼ一杯の多量の洗濯物を収容している状況下において、この洗濯物によるパルセータ４の回転の拘束（ロック）を避けることができる。洗濯槽２内に少量の洗濯物を収容している状況下では、このような洗濯物はパルセータ４から離れて浮き、複数の羽根山４ｃから直接的に撹拌力を受けることが少ない。したがって、このような洗濯物は、前述したように洗濯水を強く撹拌することにより生成できる強い水流により、強力に洗浄される。

　上記洗濯機において、パルセータ４の複数の羽根山４ｃは、それぞれ、凹部４ｂの内側の底面上からに限定して突設している。したがって、上述の洗濯の効果を、羽根山４ｃでカバーされる面積を必要最小限に とどめてて、効率良く得ることができる。

　さらに、上記構成の洗濯機においては、パルセータ４が正逆両方向に回転される。パルセータ４の複数の羽根山４ｃの回転方向の両側面部４c_１,４c_２の傾斜角α，βをほゞ同一としている。このような設定により、パルセータ４の正逆両方向の回転について、同等の撹拌力を得ることができ、洗浄むらの発生を防止することができる。

　上記洗濯機においては、パルセータ４のそれぞれの羽根山４ｃの中心側の側面部４ｃ_３の傾斜角γと、それぞれの羽根山４ｃの外周側の側面部４ｃ_４の傾斜角θとを異ならせている。具体的には、傾斜角γを傾斜角θより大きく設定している、このような設定により、傾斜角の大きい前記側面部４ｃ_３では洗濯物を外周側に行きやすくでき、傾斜角の小さい側面部４ｃ_４では洗濯物を外周側に行きにくくできる。このようにして、前記洗濯物をある位置の近辺に留めながら撹拌および洗浄をする、所謂、揉み洗いの効果を得ることができる。

　上述したように、上記洗濯機においては、パルセータ４が正逆両方向に回転される。さらに、パルセータ４の複数の羽根山４ｃは、上方より見て放射曲線状を成すように形成している。このように形成することにより、その曲線（湾曲）の外側では、その曲線が指向する方向（図１では反時計回りの方向）のパルセータ４の回転により洗濯物を外側へ押し出す力が生じて洗濯物の固まりができそうになっても、それを解く作用が生じる。反対に、前記曲線（湾曲）の内側では、その曲線が指向する方向（図１では時計回りの方向）のパルセータ４の回転により洗濯物を内側へ寄せ集める力が生じる。これら２つの内側および外側への異なる方向の力により、洗濯物が、押し引きされて絡まりを防止されるとともに、押し洗いされる。このような機能により、撹拌だけでは得られない高い洗浄力を得ることができる。

　上記洗濯機においては、パルセータ４の中央部に、複数の羽根山４ｃと連ならない独立した突起部４ｄを有している。前記突起部４ｄは、パルセータ４が回転するときの周速度が小さい。一方、前記突起部４ｄよりもパルセータ４の外周側に存在する複数の前記羽根山４ｃは、パルセータ４が回転するときの周速度が大きい。突起部４ｄよりもパルセータ４の外周側に存在する複数の羽根山４ｃは、洗濯水及び洗濯物に対する撹拌力を有する。これに対して、パルセータ４の中央部に存在する突起部４ｄは、洗濯水及び洗濯物に対する撹拌力をほとんど有さない。このような構成により、パルセータ４が回転したときには、洗濯物が突起部４ｄと複数の羽根山４ｃとの間で捩られ、揉み洗いされるので、これによって更に高い洗浄力を得ることができる。

　加えて、上記洗濯機においては、パルセータ４の上記突起部４ｄの外面部に、複数のくぼみ部４ｅを有している。このような構成により、パルセータ４が回転したときには、複数のくぼみ部４ｅの周辺部分で洗濯物をこすり洗いすることができるので、これによって高い洗浄力を得ることができる。

　前記洗濯機は、脱水機能は有していなくても良い。前記洗濯機の前記構成は、洗濯槽と脱水かごとを同心状に有する脱水兼用洗濯機（全自動洗濯機）にも適用できる。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

　２　洗濯槽
　４　パルセータ
　４ａ　基盤面
　４ｂ　凹部
　４ｃ　羽根山
　４ｄ　突起部
　４ｅ　くぼみ部
　Ｋ　駆動装置

Claims (7)

1. 　洗濯槽と、
   　この洗濯槽の内側の下部に配設したパルセータと、
   　このパルセータを回転駆動する駆動装置と を具備した洗濯機であって、
   　前記駆動装置が前記パルセータを回転駆動して、前記洗濯槽の内部に収容される洗濯物を洗濯水と共に撹拌して前記洗濯物を洗濯できるようにした洗濯機において、
   　前記パルセータは、略平坦な基盤面、複数の凹部及び複数の羽根山を有し、前記凹部のそれぞれは、前記基盤面を基準としてこの基盤面から凹むように前記パルセータの周方向に配列されるように形成され、前記羽根山のそれぞれは、前記凹部のそれぞれの内側の底面から突設される。
2. 　前記パルセータの前記羽根山のそれぞれが、前記凹部のそれぞれの前記内側の底面上からに限定して突設されている請求項１記載の洗濯機。
3. 　前記パルセータが正逆両方向に回転可能であって、前記パルセータの前記羽根山のそれぞれの回転方向の複数の側面部の傾斜角が、 ほゞ同一となっている請求項１又は２に記載の洗濯機。
4. 　前記パルセータの前記羽根山のそれぞれの前記パルセータの中心側の側面部の傾斜角と、前記羽根山のそれぞれの前記パルセータの外周側の側面部の傾斜角とが異なっている請求項１又は２に記載の洗濯機。
5. 　前記パルセータが正逆両方向に回転可能であって、前記パルセータの前記羽根山のそれぞれが前記基盤面と垂直な方向より見て放射曲線状を成している請求項１又は２に記載の洗濯機。
6. 　前記パルセータの中央部に、前記複数の羽根山と連ならない独立した突起部を設けた請求項１又は２に記載の洗濯機。
7. 　前記突起部の外面部に、複数のくぼみ部を設けた請求項６に記載の洗濯機。

Images