WO2013077279A1

WO2013077279A1 - バックライトユニット及び液晶表示装置

Info

Publication number: WO2013077279A1
Application number: PCT/JP2012/079896
Authority: WO
Inventors: 真宇野
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2011-11-24
Filing date: 2012-11-19
Publication date: 2013-05-30

Abstract

　導光板に入射する光の入光効率の低下を抑え、エネルギ消費量を低減するとともに、輝度むらを抑制するため、導光板（２）の出光面（２１）から一定の隙間を開けて配置されている押え部（６２）を有する導光板押え部材を備え、押え部（６２）と出光面（２１）との距離が、光源ユニット（３）の発熱によって導光板（２）が反ったとき、ＬＥＤ（３１）が受光面（２２）からずれないように出光面（３１）を押え部（６２）が押えることができる距離であるバックライトユニット（１）。

Description

バックライトユニット及び液晶表示装置

　本発明は、エッジライト方式のバックライトユニット及びこれを備えた液晶表示装置に関するものである。

　液晶表示装置は、液晶パネルユニットと、前記液晶パネルユニットの背面に配置されるバックライトユニットを備えている。そして、前記液晶パネルユニットが、前記バックライトユニットからの光を変調することで、前記液晶パネルユニットの正面に映像を表示している。

　前記液晶表示装置で用いられるバックライトユニットとして、導光板と、前記導光板の側面から光を入射させる光源を備えた導光板方式（エッジライト方式）がある。以下に、エッジライト方式のバックライトユニットについて説明する。エッジライト方式のバックライトユニットは、複数個のＬＥＤが並んで配置された光源ユニットと、光源ユニットから発せられた光を側面の受光面から受光し、一方の主面の出光面より面状光を出射する導光板と、導光板の出光面に隣接して配置された光学シートと、導光板の出光面の反対側の面に隣接して配置された反射シートとを備えている。そして、これらの部材は、バックライトシャーシの内部に配置されている。

　従来、エッジライト方式のバックライトユニットは導光板の側面より光を入射する構造のため、輝度分布が均一で大きな面状光を出射するのが難しかった。そのため、エッジライト方式のバックライトユニットは、ノートブック型ＰＣのモニタや遊技機のモニタのような小型の液晶表示装置に用いられることが多かった。近年、導光板のあるいは光学シートの性能の向上や光源として用いられるＬＥＤの高輝度化等によって、エッジライト方式のバックライトユニットで大きな面で輝度分布が均一な面状光を出射することが可能となった。また、近年、前記液晶表示装置に対して薄型化及び小型化の要求の高まっていることもあり、大型テレビに用いられるような大型の前記液晶表示装置において、前記エッジライト方式のバックライトユニットの採用が増えてきている。

　液晶表示装置では、光源ユニット、導光板及び光学シートが密接して配置されているので、ＬＥＤから発せられる熱が導光板や光学シートに伝達される。通常、導光板はアクリル樹脂等の透光性を有する材料で形成されており、熱によって変形（伸縮や反り）が発生しやすい。前記導光板が反ると、前記導光板の側面に形成されている入射面が光源ユニットのＬＥＤの光軸からずれてしまい、前記導光板への入光効率が低下することがある。

　そこで、導光板の反りを防止する方法が提案されている。例えば、特開２００９－１２３５５７号公報に記載の照明装置では、導光板、光学シート及び反射シートとを重ねたパネル本体の端部に断面コの字型の反り防止部材を取り付け、高輝度ＬＥＤの発熱によって生じる導光板の反りを防止している。

特開２００９－１２３５５７号公報

　しかしながら、特開２００９－１２３５５７号公報のように、導光板と、光学シート及び反射シートをまとめたパネル本体の端部にコの字型の反り防止部材を取り付ける場合、導光板と光学シート、導光板と反射シートとの変形量の差によって、光学シートあるいは反射シートにしわがよることがあり、液晶表示装置の画面品位が悪化する。

　また、反り防止部材でがっちり固定されていると、導光板、光学シートあるいは反射シートの膨張によって無理な力が発生し、導光板、光学シートあるいは反射シートが損傷してしまうことがある。このように、導光板、光学シートあるいは反射シートが損傷すると、液晶表示装置の画面品位が悪化し、その画面品位の悪化は戻らない。

　そこで本発明は、導光板に入射する光の入光効率の低下を抑え、エネルギ消費量を低減するとともに、輝度むらを抑制することができるバックライトユニット及びこのバックライトユニットを利用した液晶表示装置を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するため本発明は、複数のＬＥＤが配列された光源ユニットと、側面の受光面に前記光源ユニットからの光が入射され、一主面の出光面より面状光を出射する導光板と、前記光源ユニット及び前記導光板が配置されるバックライトシャーシと、前記受光面と隣り合う側面に沿って伸びるとともに、一定の隙間を開けて前記バックライトシャーシに固定される固定部と、前記固定部と一体に形成され、前記導光板の前記出光面から一定の隙間を開けて配置されている押え部とを有する導光板押え部材とを備え、前記押え部と前記出光面との距離は、前記光源ユニットの発熱によって前記導光板が反ったとき、前記ＬＥＤが前記受光面からずれないように前記出光面を前記押え部が押えることができる距離であるバックライトユニットを提供する。

　この構成によると、前記光源ユニットの発熱により前記導光板が反った場合であっても、前記ＬＥＤが前記受光面からずれるのを抑制することができるので、前記ＬＥＤから発せられた光が効率よく前記受光面に入射する。これにより、前記導光板の出光面より出射される面状光の輝度が低下するのを抑制することができる。

　また、このような構成にすることで、前記出光面から出射される面状光に対して、前記ＬＥＤの出力を抑えることが可能である。これにより、バックライトユニットの消費電力（エネルギ消費）を低減することが可能である。

　上記構成において、前記出光面が長方形であるとともに、前記受光面は前記出光面の長辺と隣り合う側面に配置されており、前記固定部が前記出光面の短辺と隣り合う側面と対向するようにしてもよい。

　上記構成において、前記導光板押え部材は、前記受光面と隣り合う側面の両方に近接して配置されていてもよい。

　上記構成において、前記導光板の前記受光面と隣り合う側面と前記固定部との隙間が、前記光源ユニットの発熱による前記導光板の膨張量よりも大きく形成されていてもよい。

　この構成によると、前記導光板が反って、前記押え部と接触したのちに、前記導光板が前記押え部に沿って膨張しても、前記導光板が前記固定部に接触しにくいので、前記導光板に熱応力が発生しにくい。これにより、前記導光板のたわみやしわを抑制することができ、出光面から出射される光の輝度むらを抑えることが可能である。

　上記構成において、前記押え部の前記固定部と反対側の先端が、前記導光板から離れるにしたがって前記固定部に近づくような傾斜面に形成されていてもよい。

　この構成によると、前記導光板の前記出光面に接触して配置される光学シートが熱によって導光板よりも膨張する場合であっても、前記光学シートが前記傾斜面に沿って変形するので、前記光学シートに内側に向く力（座屈荷重）が作用しにくく、前記光学シートの座屈が発生しにくい。これにより、前記光学シートにしわ、たるみが発生しにくく、光学シートを透過する光に輝度むらが発生するのを抑制することができる。

　上記構成において、前記バックライトシャーシに、前記導光板の前記受光面と隣り合う側面の位置決めを行うとともに、前記固定部の位置決めを行う位置決め部材が備えられていてもよい。

　上記構成において、前記導光板の前記受光面と隣り合う側面に前記位置決め部材と係合する係合部を備えており、前記導光板押え部材が前記固定部の底面に前記位置決め部材と係合する係合部を備えていてもよい。

　上記構成において、前記位置決め部材が、前記バックライトシャーシより突出する凸部であり、前記導光板の係合部が前記凸部と係合する凹部であり、前記導光板押え部材の係合部が前記凸部の前記導光板の凹部と異なる部分と係合する凹部であってもよい。

　上記構成において、前記導光板押え部材が、ねじ止めにてバックライトシャーシに固定されていてもよい。

　上記構成のバックライトユニットを用いる機器として、液晶表示装置を挙げることができる。

　本発明によると、導光板に入射する光の入光効率の低下を抑え、エネルギ消費量を低減することができるとともに、出射される面状光の輝度むらを抑制することができるバックライトユニット及びこのバックライトユニットを利用した液晶表示装置を提供することができる。

本発明にかかる液晶表示装置の一例の分解斜視図である。本発明にかかるバックライトユニットの導光板押え部材の近傍を拡大した断面図である。本発明にかかるバックライトユニットの正面図である。図３に示すバックライトユニットの導光板押え部材の近傍を拡大した斜視図である。図３に示すバックライトユニットの断面図である。従来のバックライトユニットのシミュレーションモデルを示す図である。本発明のバックライトユニットのシミュレーションモデルを示す図である。本発明にかかるバックライトユニットの他の例の導光板押え部材の近傍を拡大した断面図である。図７に示すバックライトユニットの導光板が変形した状態を示す断面図である。本発明にかかるバックライトユニットのさらに他の例の分割斜視図である。

　以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。

（第１の実施形態）
　図１は本発明にかかる液晶表示装置の一例の分解斜視図であり、図２は本発明にかかるバックライトユニットの導光板押え部材の近傍を拡大した断面図である。なお、図１、図２に示す液晶表示装置Ａでは、紙面上側が正面、すなわち、観察者側であり、下側が背面としている。また、以下において、特に記載されていない場合、図１の状態における正面及び背面を基準に説明する。

　図１に示すように、液晶表示装置Ａは、バックライトユニット１及び液晶パネルユニット５を備えている。そして、液晶表示装置Ａは、バックライトユニット１の正面側（観察者側）に液晶パネルユニット５が配置され、液晶パネルユニット５は正面側を中央部に開口窓７０を備えた金属製のベゼル７に押えられている。

　バックライトユニット１は、面状光を液晶パネルユニット５に照射する照明装置である。バックライトユニット１は、平板形状の導光板２と、導光板２の側面に形成された受光面２２に向けて光を照射する光源ユニット３と、導光板２と近接して配置された光学シート４とを備えている。また、バックライトユニット１はバックライトシャーシ１０を備えており、少なくとも、導光板２及び光源ユニット３及び光学シート４がバックライトシャーシ１０の内部に配置される。なお、本発明の要部であるバックライトユニット１の詳細については、後述する。

　液晶パネルユニット５は、液晶が封入された液晶パネル５１と、液晶パネル５１の正面（観察者側）及び背面（バックライトユニット１側）に貼り付けられた偏光板５２とを有している。液晶パネル５１は、アレイ基板５１１と、アレイ基板５１１と対向して配置された対向基板５１２と、アレイ基板と対向基板との間に充填される液晶（不図示）とを含んでいる。

　アレイ基板５１１には、互いに直交するソース配線及びゲート配線、ソース配線及びゲート配線に接続されたスイッチング素子（例えば、薄膜トランジスタ）、スイッチング素子に接続された画素電極及び配向膜等が設けられている。そして、対向基板５１２には、赤、緑、青（ＲＧＢ）の各着色部が所定の配列で配置されたカラーフィルタ、共通電極、配向膜等が設けられている。

　液晶パネルユニット５において、スイッチング素子が駆動されることで、液晶パネル５１の各画素におけるアレイ基板５１１と対向基板５１２との間に電圧が印加される。アレイ基板５１１と対向基板５１２の間の電圧が変化することで、各画素での液晶が回転し、光が変調される（光の透過度合いが変更される）。これにより、液晶パネル５１の観察者側の画像表示領域に画像を表示する。

　ベゼル７は、金属製の枠体であり、液晶パネルユニット５の正面の辺縁部分を覆う形状を有している。ベゼル７は、液晶パネルユニット５の映像表示領域が隠れないように形成された矩形の開口窓７０と、液晶パネルユニット５を正面側から押える押え部７１と、押え部７１の辺縁部より背面側に突出し、液晶パネルユニット５及びバックライトユニット１の辺縁部を覆うカバー部７２とを備えている。ベゼル７は接地されており、液晶パネルユニット５及びバックライトユニット１をシールドしている。

　本発明にかかるバックライトユニットの詳細について、詳しく説明する。バックライトユニット１は、上述した、導光板２、光源ユニット３、光学シート４に加え、反射シート１１が、バックライトシャーシ１０の内部に配置されている。また、光学シート４の正面側（液晶パネルユニット側）は、辺縁部をシャーシケース１０２に押えられている。

　図１に示すように、バックライトシャーシ１０は、正面側（液晶パネルユニット側）が開口した箱部材であり、平面視長方形状の底部１００と、底部１００の四辺より突出した側壁部１０１とを備えている。図１に示しているように、バックライトユニット１は、背面側より反射シート１１、導光板２、光学シート４の順番で、バックライトシャーシ１０の内部に配置されている。

　光源ユニット３は、側壁部１０１の内周側に取り付けられている。光源ユニット３は、バックライトシャーシ１０の長辺に沿って配置されている。また、バックライトシャーシ１０には、底部１００の短辺に取り付けられ、導光板２の長手方向の伸び及び反りを押える導光板押え部材６が取り付けられている。なお、導光板押え部材６の詳細については、後述する。

　導光板２は、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）、ポリカーボネイト等の透光性を有する樹脂を平板形状に成形したものである。なお、これらの樹脂に限定されるものではなく、透光性を有し平板形状に形成することができるものを広く採用することができる。

　図１に示すように、導光板２は平面視長方形状の平板部材である。液晶パネルユニット５と対向する主面が出光面２１として、正面視短手方向の側面のうち一方の側面が光源ユニット３からの光を受光する受光面２２として構成されている。

　光源ユニット３は、受光面２２と対向して配置される長尺形状の基板３０と、基板３０上に直線状に配列された複数個のＬＥＤ３１を備えている。なお、光源ユニット３では、ＬＥＤ３１は等間隔で配列されているが、部分的に間隔を変えた配列であってもよい。図１に示すように、基板３０がバックライトシャーシ１０の側壁部１０１に固定される。このとき、ＬＥＤ３１がバックライトユニット１の内側、すなわち、導光板２の受光面２２に対向する。これにより、ＬＥＤ３１から発せられた光が、受光面２２に入射する。

　光学シート４は、光学シート部材として、導光板２の出光面２１より出射される光を拡散する拡散シート４１と、輝度を向上する輝度向上シート（ＤＢＥＦ）４２と、出光面２１より出射される光の方向を揃える、すなわち、斜めに進入した光を液晶パネルユニット５に向くように方向を変えるプリズムシート４３とを備えている。なお、これら以外の光学特性を有する光学シート部材を用いる場合もある。

　また、バックライトユニット１において、受光面２２から入射した光は、導光板２の内部で反射（乱反射）を繰り返すことで導光板２の内部に拡散する。このとき、導光板２の内部で光の一部が出射面より外部に出射し、残りは導光板２の内部に反射される。このように、導光板２の内部に入射した光が、一部を出光面２１より出射しつつ、内部で反射を繰り返すことで、出光面２１より出射する面状光は均一あるいは略均一な輝度分布となる。

　シャーシケース１０２は、導光板２、光学シート４及び反射シート１１がバックライトシャーシ１０より飛び出さないように押さえているとともに、液晶パネルユニット５の周辺部分を、液晶パネルユニット５がバックライトユニット１と接触しないように保持している。また、図１に示すように、バックライトシャーシ１０の底部１００の長手方向両端部には導光板押え部材６が取り付けられている。

　本発明にかかるバックライトユニットについて新たな図面を参照して説明する。図３は本発明にかかるバックライトユニットの正面図であり、図４は図３に示すバックライトユニットの導光板押え部材の近傍を拡大した斜視図であり、図５は図３に示すバックライトユニットの断面図である。なお、便宜上、図４に示すバックライトユニット１では、バックライトシャーシ１０の側壁部１０１の図示を省略している。

　バックライトユニット１において、光源ユニット３と導光板２とは、ＬＥＤ３１の発光面の中心が導光板２の厚さ方向の中心の面Ｃｐと重なるように、相対位置の調整がなされる。このように、ＬＥＤ３１の光軸と導光板２の厚さ方向の中心の面Ｃｐとを導光板２の厚さ方向に重なるように形成することで、ＬＥＤ３１から発せられた光のうち導光板２の厚さ方向に広がる成分を、均等に導光板の受光面２２に入射させることができる。

　上述しているように、導光板２は樹脂で形成されており、光源ユニット３の発熱（特に、ＬＥＤ３１からの熱）によって、変形（膨張、反り等）する。例えば、導光板２をバックライトシャーシ１０にしっかり固定してしまうと、導光板２の熱膨張によって熱応力が発生する。この熱応力が発生すると、導光板２の内部が縞模様になってしまったり、波打ってしまったりして、導光板２の出光面２１より出射される面状光が輝度むらのある光になってしまう場合がある。

　また、導光板２の変形に反りが発生する場合、導光板２の変形を無制限に許容してしまうと、導光板２の長手方向端部近傍でＬＥＤ３１の発光面の中心が、導光板２の受光面２１から外れてしまい、ＬＥＤ３１から発せられる光が、受光面に入射しにくくなる。そこで、本発明にかかるバックライトユニット１では導光板押え部材６を用いて、導光板２がＬＥＤ３１から発せられる光を受光面２２で効率よく受光することができるとともに、熱応力の発生を抑制している。

　以下に導光板押え部材６について詳しく説明する。図３に示すように、導光板押え部材６は、バックライトシャーシ１０の底部１００に固定されている。導光板押え部材６は、Ｌ字状の断面を有しており、固定部６１と、固定部６１と一体に形成された押え部６２とを備えている。図３に示すように、固定部６１は、導光板２の短辺の長さと同じか長い最長の辺を有する直方体形状である。固定部６１の最長の辺と最短の辺とを含む面の一方が底部１００と接触するようにバックライトシャーシ１０に固定されている。そして、最長の辺と中間の辺とを含む面のうち、底部１００と接触する面と反対側の面に近い部分に押え部６２が連結している。

　図２、図５に示すように、固定部６１と押え部６２とは直交しており、バックライトシャーシ１０に反射シート１１、導光板２を配置したのち、導光板２の短辺の近傍と押え部６２とが正面視において重なるように、導光板押え部材６をバックライトシャーシ１０の底部１００に取り付け固定する。図３に示しているように、導光板押え部材６は、固定部６１を貫通するねじ６３をバックライトシャーシ１０に螺合することで、固定されている。

　この、導光板押え部材６のねじ止めはバックライトシャーシ１０に雌ねじ部（不図示）を形成しておき、直接螺合してもよいし、バックライトシャーシ１０を貫通したねじ６３の先端を不図示のナットで固定するようにしてもよい。また、図３に示しているように、導光板２の短辺と押え部６２との距離を導光板２の短手方向に均一あるいは略均一に保つため、両端および中央の３か所ねじ止めしている。しかしながら、ねじ止めの個数は限定されるものではなく、押え部６２と導光板２の短辺との隙間を均一あるいは略均一となるように、導光板押え部材６をしっかり固定できる個数であればよい。また、ボスで位置決めしたのち、ねじで固定する構成であってもよい。

　さらに、バックライトシャーシ１０の底部１００と導光板押え部材６の固定部６１との固定方法は、正面側からのねじ止めを採用しているがこれに限定されるものではない。固定方法としては、例えば、接着による方法、係合爪を用いる、いわゆる、スナップフィットを用いる方法等、従来よく知られた固定方法を採用することが可能である。

　図３、図５に示しているように、導光板２の正面には光学シート４が、押え部６２と導光板２との間に入らないように配置されている。また、導光板２が熱膨張していないとき、導光板押え部材６は導光板２と接触しないように、バックライトシャーシ１０の底部１００に固定されている。

　導光板押え部材６は、導光板２での熱応力及び過度な変形（反り）を抑制するために用いられるものである。そのため、導光板２と導光板押え部材６との間には、隙間が形成されている。以下に、導光板２と導光板押え部材６との隙間について詳しく説明する。

　図５に示すように、導光板２の長手方向端面と導光板押え部材６の固定部６１との間には、隙間Ｔｍが形成されている。また、導光板２の出光面２１の長手方向端部と導光板押え部材６の押え部６２の導光板２と対向する面との間には、隙間Ｔｎが形成されている。導光板２と導光板押え部材６との隙間Ｔｍ及び隙間Ｔｎは、導光板２が熱により変形した場合でも、ＬＥＤ３１から発せられる光を効率よく受光面２２で受講されるとともに、導光板６での熱応力の発生を抑えるための隙間である。

　図５に示すように、隙間Ｔｍは、導光板２がＬＥＤ３１の熱によって膨張したとき、導光板２の端面が導光板押え部材６の固定部６１と接触しない、あるいは、強く接触しないように設定されている。詳しく説明すると、導光板２の線膨張係数をα、導光板２の長手方向の長さをＬ１、ＬＥＤ３１による導光板２の温度上昇をΔＴとすると、導光板２に反りが発生しない場合、導光板２の長手方向の伸びは（α×Ｌ１×ΔＴ）となる。

　隙間Ｔｍがこの伸びよりも大きければ、導光板２が熱膨張で伸びても、導光板押え部材６と導光板２とが強く接触しない。このことから、導光板２での、熱膨張による応力（熱応力）の発生を抑えることが可能である。そのため、導光板２の側面と固定部６１の側面との隙間Ｔｍは、条件式（Ｔｍ≧α×Ｌ１×ΔＴ）を満たしていることが好ましい。なお、この条件を満たしていない場合でも、隙間が形成されていれば、導光板２の熱膨張をある程度逃がすことが可能であるので、熱応力を低減する効果は期待できる。

　また、導光板２全体が均一に温度上昇した場合、上述のように、導光板２は熱膨張によって単純に長くなるように変形する。しかしながら、実際の導光板２はＬＥＤ３１からの熱の偏りや、バックライトシャーシ１０の形状等で、均等に加熱されない場合が多い。例えば、側壁部１０１を備えたバックライトシャーシ１０の場合、導光板２の底部１００側は加熱された空気が逃げにくく導光板２の温度が上昇しやすい。一方、導光板２の反対側は、空間が形成されているので加熱された空気が対流しやすく、導光板２の温度が下がりやすい。つまり、バックライトシャーシ１０に配置された導光板２では、底部１００側の温度が反対側に比べて高くなる。

　このように、導光板２の表裏で温度差がついてしまうと、導光板２の熱膨張量に表裏で差ができ、導光板２は反る（厚さ方向に変位する）。バックライトユニット１では、ＬＥＤ３１の発光面の中心が、導光板２の厚さ方向の中心の面Ｃｐ上に配置されているので、導光板２の端部の厚さ方向の変位が導光板２の厚さの半分を超えると、ＬＥＤ３１の発光面の中心が受光面２２からずれてしまう。そのため、導光板２の出光面２１と導光板押え部材６の押え部６２との導光板２の厚さ方向の隙間Ｔｎは、導光板２の厚みｔとすると、隙間Ｔｎは条件式Ｔｎ≦ｔ／２を満たしている。

　導光板２の表裏の温度差によっては、導光板２の長手方向端部の厚さ方向の変形量がｔ／２になる（反る）場合がある。その場合、導光板２の長手方向端部は、押え部６２の導光板２と対向する面と接触し、押え部６２の導光板２と対向する面に沿って長手方向に導かれる。導光板２の長手方向の最大の伸びはα×Ｌ１×ΔＴであるが、厚さ方向に沿ってもいるので、長手方向の伸びはα×Ｌ１×ΔＴよりも小さくなる。つまり、導光板２が押え部６２に沿って変形する場合であっても、固定部６１には接触しない。

　また、導光板２は短手方向にも熱膨張する。膨張による変位量は長手方向に比べて短くなるが、導光板２の受光面２２がＬＥＤ３１に接触することで、ＬＥＤ３１が破損してしまうことがあるので、受光面２２とＬＥＤ３１とは、膨張で接触しない程度の隙間で配置されていることが好ましい。なお、導光板２とＬＥＤ３１とが接触しないように間隙を開けて配置する手法は従来よく知られたものであるので、詳細な説明は省略する。

　さらに、導光板２は短手方向にも反りが発生する場合がある。導光板２の両短辺を導光板押え部材６で変形量がｔ／２となるように、押えているので、短手方向の反りが発生した場合でも、ＬＥＤ３１の光軸が受光面２２から外れるのを抑えることが可能である。

　このように、導光板押え部材６を備えることで、ＬＥＤ３１の熱によって導光板２が長手方向に伸びた（熱膨張した）としても、導光板２と導光板押え部材６との間に隙間Ｔｍが形成されているので、導光板２の変形に伴う応力が発生しない。また、反りが発生した場合でも、押え部６２で導光板２の厚さ方向の変位を抑え、バックライトシャーシ１０の底部１００に沿った方向の変位に変換するので、ＬＥＤ３１の光軸が受光面２２から外れるのを抑制するとともに、膨張、反りに伴う大きな応力の発生を抑えることができる。これにより、導光板２にたわみやしわが発生するのを抑え、出光面２１より出射される光に輝度むらが発生するのを抑制する。

　また、導光板２と光学シート４とは、異なる材料で形成されていることがほとんどであり、線膨張係数が異なる、つまり、熱膨張によって変形したときの変位量に差が出る。図２、図３、図５等に示すように、本発明にかかるバックライトユニット１では、導光板２と光学シート４とは別体として配置されており、導光板２と光学シート４との膨張差があっても、光学シート４のしわや破損を抑えることができる。

　さらに、導光板押え部材６をバックライトシャーシ１０にねじ止めにて一体化して固定しているので、バックライトシャーシ１０がゆがんでいたとしても、導光板２が導光板押え部６に抑えられ、バックライトシャーシ１０と一体化される。これにより、バックライトシャーシ１０に取り付けられる光源ユニット３と導光板２とが相対的に一定の位置を維持し、ＬＥＤ３１の光軸が受光面２２から外れるのを抑制することができる。

　本実施形態のバックライトユニットの効果を確かめるため、従来のバックライトユニットと本実施形態のバックライトユニットでシミュレーションを行った。まず、シミュレーションのモデルを図面を参照して説明する。図６Ａは従来のバックライトユニットのシミュレーションモデルを示す図であり、図６Ｂは本発明のバックライトユニットのシミュレーションモデルを示す図である。なお、従来のモデルは、導光板、ＬＥＤ、反射シートだけを備えているモデルを用いている。また、本実施形態のモデルは、従来のモデルに加えて導光板押え部材を備えたモデルを用いている。

　図６Ａ及び図６Ｂに示すシミュレーションモデルでは、導光板、光源（ＬＥＤの大きさ、出力、個数）、反射シートは同じものとしている。なお、シミュレーション時における熱の変化量ΔＴは、図６Ａに示すように、導光板２の端部近傍において、ＬＥＤ３１の発光面の中心が導光板２の受光面２２より離れる程度に反るように設定している。

　図６Ａに示しているように、導光板２を押えていない従来のバックライトユニット９では、導光板２は熱による変形で長手方向一方の端部が厚み方向に沿っている。これにより、導光板２の受光面２２の長手方向端部近傍Ｐ１と対向するＬＥＤ３１の発光面の中心は受光面２２から外れている。この状態でＬＥＤ３１を発光させると、導光板２の長手方向端部近傍Ｐ１においてＬＥＤ３１から発せられた光が受光面２２の入射しないあるいは入射しにくい。

　一方で、図６Ｂに示すように、本発明にかかるバックライトユニット１では、導光板２の変形（反り）を導光板押え部６で押えているので、導光板２の長手方向端部近傍Ｐ１において、ＬＥＤ３１の発光面は受光面２２と対向している。このように、本発明のバックライトユニット１では、ＬＥＤ３１から発せられた光が受光面２２に入射しやすい。

　そして、図６Ａ及び図６Ｂに示しているように導光板が変形したバックライトユニットそれぞれについて、シミュレーション結果をもとに入光効率を算出した。ここで、入光効率とは、受光面への入光量のＬＥＤから発せられた出光総量に対する割合（受光面の入光量／ＬＥＤ出光総量）としている。そして入光効率は、従来のモデルの場合の８２．４％であったのに対し、本実施形態のモデルでは９５．４％であった。つまり、従来のモデルに対して本発明のモデルでは光の利用率がおよそ１５．８％改善されることがわかる。

　このことから、ＬＥＤ３１からの出光総量が同じ場合、本実施形態のモデルの方が従来のモデルに比べて、導光板２の出光面２１から出光される面状光の輝度が高くなることがわかる。換言すると、出光面２１から出射する面状光の輝度を同じとする場合、本実施形態のモデルは従来のモデルに比べて、ＬＥＤ３１からの出光総量（すなわち、ＬＥＤ３１の出力）を抑えることができる。

　以上のことより、本発明のように、導光板２の反りを抑制する導光板押え部材６を備えることで、光源ユニット３から発せられる光を効率よく導光板２に入射させ、さらに、出光面２１より液晶パネルユニット５に向けて出射することができるので、出光面２１より出射される光の輝度を上げることができる。また、面状光の輝度を同じとする場合、ＬＥＤ３１から発せられる光の光量を減らすことができる。これにより、光源ユニット３で消費される電力を低減することができ、エネルギ消費の少ないバックライトユニット１とすることができる。さらに、光源ユニット３の消費電力を低減することができることから、ＬＥＤ３１の発熱量を低減することができ、導光板２の変位量を減らすことができる。このように、導光板２の変形を抑えることで、バックライトユニット１から精度の高い面状光を出射される。

（第２の実施形態）
　本発明にかかるバックライトユニットの他の例について図面を参照して説明する。図７は本発明にかかるバックライトユニットの他の例の導光板押え部材の近傍を拡大した断面図であり、図８は図７に示すバックライトユニットの導光板が変形した状態を示す断面図である。図７に示すバックライトユニット１Ｂでは、導光板押え部材６Ｂが異なる以外図３、図５等に示すバックライトユニット１と同じ構成であり、実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。

　図７に示すように、導光板押え部材６Ｂは、固定部６１と押え部６４とを備えている。固定部６１は導光板押え部材６と同じ構成であるので詳細は省略する。図７に示すように、押え部６４は固定部６１と反対側の先端部に導光板２の出光面２１の法線に対して傾いた傾斜面６４１を備えている。この傾斜面６４１は導光板２側から正面に向かうにしたがって、外側に広がるように傾斜している。

　このようなバックライトユニット１Ｂにおいても、ＬＥＤ３１の熱によって導光板２は変形する。同様に、導光板２の正面側（図中、上面）に配置された光学シート４も、熱によって膨張する。通常、導光板２と光学シート４とは異なる特性を持っており、そのため、構成材料も異なる。そのため、導光板２と光学シート４とは線膨張係数が異なる場合がほとんどであり、熱による膨張の度合い（変形量）が異なる。

　例えば、導光板２に比べて光学シート４の変形量が小さい場合、導光板２が反ったとしても、光学シート４はバックライトシャーシ１０や導光板押え部材６と接触しにくく、しわがよりにくい。一方、光学シート４の変形量が導光板２よりも大きい場合、図６Ｂに示したように、導光板２が長手方向に反ると、光学シート４の長手方向端部が導光板押え部材６と接触し、導光板押え部材６に内側に向けて押される。光学シート４は薄いシートであるので、内側に押されることで座屈し、その部分にしわが寄ってしまうことがある。光学シート４にしわが形成されると、導光板２より出射された面状光が光学シート４を透過するときに輝度むらになってしまう。

　そこで、導光板押え部材６Ｂでは、押え部６４の先端に傾斜面を形成している。図８に示しているように、導光板２及び光学シート４が変形したとき、光学シート４の先端は導光板押え部材６の押え部６４の傾斜部６４１に沿って変形する。そのため、光学シート４は内側に押されないので、光学シート４のしわを抑制することが可能である。それだけ、バックライトユニット１Ｂから出射される面状光の輝度むらを抑制することができる。

（第３の実施形態）
　本発明にかかるバックライトユニットのさらに他の例について図面を参照して説明する。図９は本発明にかかるバックライトユニットのさらに他の例の分割斜視図である。図９に示すように、本実施形態にかかるバックライトユニット１Ｃは、導光板押え部材６Ｃの固定部６５と導光板２Ｃとが異なる以外は、図１等に示すバックライトユニット１とおなじ構成を有しており、実質上同じ部分には同じ符号を付し、同じ部分の詳細な説明を省略する。

　図９に示すように、バックライトシャーシ１Ｃには、底部１００より突出する位置決め用凸部７が形成されている。そして、導光板２Ｃの長手方向の両端部分は、位置決め用凸部７と係合する形状の凹部２３を備えている。さらに、導光板押え部材６Ｃの固定部６５の底部には、位置決め用凸部７と係合する形状の凹部６５１が形成されている。

　位置決め用凸部７は、バックライトシャーシ１０の長手方向に伸びる直方形状の凸部である。位置決め用凸部７は、バックライトシャーシ１０の内側に配置され、導光板２Ｃの凹部２３が係合する第１係合部７１と、固定部６５の凹部６５１が係合する第２係合部７２とを備えている。なお、図８では、第１係合部７１と第２係合部７２同じ形状の部材をつなぎ合わせた凸部であるが、それに限定されるものではなく、異なる形状のものを組み合わせるものでもよいし、形状は同じで大きさの異なるものとしていてもよい。固定部６５の凹部６５１は固定部６５の厚さ方向の途中までの形状であるが、固定部６５の厚さ方向に貫通する形状であってもよい。

　導光板２は凹部２３を位置決め用凸部７の第１係合部７１に係合させることで、導光板２をバックライトシャーシ１０に対して位置決めすることができる。そして、その状態で、第２係合部７２に係合凹部６５１を係合させることで、導光板押え部材６Ｃをバックライトシャーシ１０に対して位置決めすることができる。また、このとき、導光板押え部材６Ｃの押え部６２が導光板２Ｃの長手方向両端部の正面側を覆う。このように、導光板２Ｃ及び導光板押え部材６Ｃをバックライトシャーシ１０に配置された後、導光板押え部材６Ｃをねじ６３でバックライトシャーシ１０に固定する。

　このように、位置決め用凸部７を備える構成とすることで、導光板２Ｃ、導光板押え部材６Ｃの順に組み付けることができるので、製造時の作業効率を上げることが可能である。また、これ以外の効果については、第１の実施形態と同じである。

　上述の各実施形態における導光板押え部材は色を特定していないが、例えば、黒色のような光を吸収する色とすることで、光漏れを抑制することができ、バックライトユニットから出射される面状光の輝度むらを抑制することが可能となっている。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。

　本発明にかかるバックライトユニット及び液晶表示装置は、情報家電、ノートＰＣ、携帯電話、遊戯装置等の電子機器の表示部として利用することが可能である。

１　バックライトユニット
２　導光板
２１　出光面
２２　受光面
３　光源ユニット
３０　基板
３１　ＬＥＤ
４　光学シート
４１　拡散シート
４２　輝度向上シート
４３　プリズムシート
５　液晶パネルユニット
６　導光板押え部材
６１　固定部
６２　押え部
６３　ねじ

Claims

　複数のＬＥＤが配列された光源ユニットと、
　側面の受光面に前記光源ユニットからの光が入射され、一主面の出光面より面状光を出射する導光板と、
　前記光源ユニット及び前記導光板が配置されるバックライトシャーシと、
　前記受光面と隣り合う側面に沿って伸びるとともに、一定の隙間を開けて前記バックライトシャーシに固定される固定部と、前記固定部と一体に形成され、前記導光板の前記出光面から一定の隙間を開けて配置されている押え部とを有する導光板押え部材とを備え、
　前記押え部と前記出光面との距離は、前記光源ユニットの発熱によって前記導光板が反ったとき、前記ＬＥＤが前記受光面からずれないように前記出光面を前記押え部が押えることができる距離であることを特徴とするバックライトユニット。
　前記出光面が長方形であるとともに、前記受光面は前記出光面の長辺と隣り合う側面に配置されており、
　前記固定部が前記出光面の短辺と隣り合う側面と対向する請求項１に記載のバックライトユニット。
　前記導光板押え部材は、前記受光面と隣り合う側面の両方に近接して配置されている請求項１又は請求項２に記載のバックライトユニット。
　前記導光板の前記受光面と隣り合う側面と前記固定部との隙間が、前記光源ユニットの発熱による前記導光板の膨張量よりも大きい請求項１から請求項３のいずれかに記載のバックライトユニット。
　前記押え部の前記固定部と反対側の先端が、前記導光板から離れるにしたがって前記固定部に近づくような傾斜面に形成されている請求項１から請求項４のいずれかに記載のバックライトユニット。
　前記バックライトシャーシに、前記導光板の前記受光面と隣り合う側面の位置決めを行うとともに、前記固定部の位置決めを行う位置決め部材が備えられている請求項１から請求項５のいずれかに記載のバックライトユニット。
　前記導光板が前記受光面と隣り合う側面に前記位置決め部材と係合する係合部を備えており、
　前記導光板押え部材が前記固定部の底面に前記位置決め部材と係合する係合部を備えている請求項６に記載のバックライトユニット。
　前記位置決め部材が、前記バックライトシャーシより突出する凸部であり、
　前記導光板の係合部が前記凸部と係合する凹部であり、
　前記導光板押え部材の係合部が前記凸部の前記導光板の凹部と異なる部分と係合する凹部である請求項７に記載のバックライトユニット。
　前記導光板押え部材が、ねじ止めにてバックライトシャーシに固定されている請求項１から請求項８のいずれかに記載のバックライトユニット。
　請求項１から請求項９のいずれかに記載のバックライトユニットと、
　前記バックライトユニットの正面側に液晶パネルユニットを備えていることを特徴としている液晶表示装置。