WO2013002158A1 - 細胞培養装置および細胞培養方法 - Google Patents

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Abstract

 組織を形成する幹細胞または前駆細胞を培養する培養領域を有する細胞培養装置であって、前記培養領域内の酸素供給量を調節する酸素調節部と、前記酸素調節部を制御する制御部と、前記細胞の培養期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞が自己複製する期間内の第一の期間における第一の酸素供給量と、前記幹細胞または前駆細胞が分化する期間を含む第二の期間における、前記第一の酸素供給量よりも多い酸素供給量の第二の酸素供給量と、を制御し、前記幹細胞または前駆細胞の自己複製による増殖の度合いに基づいて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御する制御部と、を有することを特徴とする細胞培養装置。

Description

細胞培養装置および細胞培養方法
 本発明は、細胞培養装置とその細胞培養方法に関するものである。
 生体外で再構成された3次元形状の再生組織は、生体内に近い性質を有しており、細胞を用いて疾病の治療を行う再生医療おける治療効果向上や、医薬品、化粧品開発における動物実験代替やヒト由来細胞による開発効率向上の観点から近年重要になってきている。 再生組織を生体外で作製するには、熟練した技術者による細胞培養が必要である。しかしながら、このような手培養では技術者の負担が大きくコストがかかる。また手作業であるために品質が安定しない。そのため、自動で細胞を培養する手段が求められている。また、重層上皮細胞シート作製を例に挙げると、角膜上皮シート、口腔粘膜上皮シートでは約2週間、表皮シートで約3週間程度かかるなど、再生組織供給に時間がかかるため、より短期間にて培養を行うことが期待されている。特許文献1には、細胞培養工程を自動化する手段が開示されている。非特許文献1には、通常の細胞培養環境である酸素濃度(O2約20%)よりも低酸素濃度で培養することで、上皮の幹細胞の増殖を促進させる手段が開示されている。
特開2006-149237号公報
H.Miyashita et al.: Hypoxia enhances the expansion of human limbal epithelial progenitor cells in vitro: Investigative Ophthalmology & Visual Science, 48, 3586-3593, 2007
 しかしながら特許文献1では、酸素供給量の変化により自動で細胞を迅速に培養する装置ついては開示されておらず、培養された組織などの供給に時間がかかるという課題は解決されていなかった。また非特許文献1には、低酸素濃度で培養後、一般的に低酸素濃度では培養できない三次元構造の組織を形成する期間も含めた培養期間全体として、どのように培養期間を短縮するかという課題は解決されていなかった。
 本発明はこのような問題点に鑑みて、培養期間を短縮化して培養を行う細胞培養装置とその方法を提供することを目的とする。
 組織を形成する幹細胞または前駆細胞を培養する培養領域を有する細胞培養装置であって、前記培養領域内の酸素濃度を調節する酸素調節部と、前記酸素調節部を制御する制御部と、を有し、前記細胞の培養期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞が自己複製する期間内の第一の期間における第一の酸素供給量と、前記幹細胞または前駆細胞が分化する期間を含む第二の期間における、前記第一の酸素供給量よりも多い酸素供給量の第二の酸素供給量と、を制御し、前記幹細胞または前駆細胞の自己複製による増殖の度合いに基づいて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御する制御部と、を有することを特徴とする細胞培養装置である。
 本発明に係る細胞培養装置およびその方法によれば、短時間に組織を形成する細胞を培養することが可能である。
培養過程の角膜上皮細胞の位相差顕微鏡像を示す図。 培養12日目と培養14日目の細胞シートに含まれる角膜上皮細胞数を示す図。 細胞増殖曲線を示す図。 角膜上皮細胞シート切片のヘマトキシリンーエオジン染色像を示す図。 角膜上皮細胞シートの免疫染色像を示す図。 角膜上皮細胞シート中の幹細胞・前駆細胞マーカp63陽性細胞率を示す図。 角膜上皮細胞シート中の幹細胞・前駆細胞のコロニー形成率を示す図。 網羅的遺伝子発現解析による、約30000遺伝子の発現量の散布図。 コンフルエントと敷石状形態を示す図 培養槽全体の酸素濃度を切り替える場合の装置構成図。 図10の構成に、光干渉断層計を加えたときの装置構成図。 図10の構成に、電気抵抗測定装置を加えた場合の装置構成図。 図10の構成に、光干渉断層計と経上皮電気抵抗測定装置を加えた場合の装置構成図。 培養容器内の酸素濃度を直接切り替える場合の装置構成図。 図14の構成に、電気抵抗測定装置を加えた場合の装置構成図。 図14の構成に、光干渉断層計と経上皮電気抵抗測定装置を加えた場合の装置構成図。 図14の構成に、光干渉断層計と経上皮電気抵抗測定装置を加えた場合の装置構成図。 ガス透過膜を変更可能な培養容器内の酸素濃度を直接切り替える場合の装置構成図。 図18の構成に、電気抵抗測定装置を加えた場合の装置構成図。 図18の構成に、光干渉断層計と経上皮電気抵抗測定装置を加えた場合の装置構成図。 図18の構成に、光干渉断層計と電気抵抗測定装置を加えた場合の装置構成図。 ガス透過膜を交換可能な培養容器を示す図。 コンフルエント、敷石状形態、密着結合の時期を示す概略図。 培養日数と細胞の大きさの関係を示す図。 コンフルエント時と敷石状形態における細胞の大きさの分布を表わす図。 本実施例を適用可能な細胞種を示す図。
 本発明を実施するための形態について、実施例を示しながら説明する。ただし、これらの形態および実施例は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、各図において共通の構成については同一の参照番号が付されている。
 本実施例では、酸素濃度制御による再生組織製造期間短縮の原理及び方法について説明する。以下は、ウサギ角膜上皮細胞シートをモデルとした一例である。細胞の種はウサギに限定されるものではなく、マウス、ラット、イヌ、ブタ、ヒトなどの哺乳動物細胞であってもよい。また、細胞の種類は、角膜上皮細胞に限定されるものではなく、皮膚、口腔などのその他の上皮細胞や、結合組織、筋組織、神経組織、感覚器などの幹細胞または前駆細胞から組織を形成するその他の細胞種であってもよい。
 組織を形成する細胞種の培養過程は、幹細胞・前駆細胞などが自己複製を行う自己複製期間と、自己複製により培養面を一定以上占有した後に細胞分化を行う分化期間に分けられる。以下、角膜上皮細胞シートを例に、培養期間短縮化の原理を示す。尚、角膜上皮細胞シートにおける分化は、より具体的には細胞が積層構造を形成する重層化と呼ばれ、以下分化期を重層化期と称して説明する。
 まず、自己複製期では低酸素濃度で培養し、重層化期では正常酸素濃度で培養することにより、従来の正常酸素濃度で培養する方法と比較して、短時間で重層上皮細胞シートを製造する原理について、以下の実証を用いて説明する。
 自己複製期をO22%、重層化期を正常酸素濃度であるO220%で培養する場合を実例1とし、両過程共にO220%で培養する場合を比較例1、両過程共にO22%で培養する場合を比較例2とした。図1は実例1と比較例1、2の位相差顕微鏡像を示す図である。比較例1では培養約10日目で細胞が培養領域内に隙間なく密に培養されている状態(以下コンフルエントとする)を経過し、さらにその後の自己複製による細胞の増殖により細胞が凝縮し、細胞一つ一つの体積が小さくなって敷き詰めれた状態(以下敷石状形態とする)を示したのに対し、O22%で培養した実例1と比較例2では、約8日目で敷石状形態を示した。これは比較例1と比べて敷石状形態に到達するまでの期間を約2日間短縮できることを示している。
 図2は細胞シートに含まれる細胞数を示す図である。実例1では培養12日目で、比較例1の培養14日目と同等の細胞数であり、比較例1の培養12日目よりも統計学的に有意に多かった。比較例2では、培養12、14日目ともに、比較例1の培養14日目よりも有意に少なかった。これら結果は、実例1では比較例1と同等の角膜上皮細胞シートを約2日早く製造できることを示している。また、比較例2での結果は、重層化過程を低酸素濃度で培養した場合、重層化が進行しないことを示唆している。
 図3は実例1と比較例1における、細胞数定量解析結果を示す図である。実例1では、O220%で培養した比較例1と比べて、培養4日目以降で細胞数の増加が認められた。この結果は図1と図2の結果を支持するものである。
 図4は、実施例1培養12日目および比較例1、2培養14日目における、組織染色像を示す図である。実例1は比較例1と同等の組織で細胞3~6層から構成されていた。比較例2は薄いシートで、細胞1~2層から構成されていた。従ってこれらの結果から、低酸素濃度で培養を継続したものは重層化が進行せず、正常酸素濃度に酸素濃度を変更することで、重層化が促進されることは明らかである。
 図5は、実例1培養12日目および比較例1培養14日目における、免疫組織染色像を示すもので、角膜上皮細胞シート評価を目的とするものである。これによると、実例1培養12日目で、上皮組織のマーカのCKタンパク質ファミリは全ての細胞で発現していた。分化した角膜上皮細胞マーカのCK3は基底層以外の細部に発現していた。角膜のバリア機能に重要である密着結合関連タンパク質のクローディン1は最表層細胞に発現していた。以上の結果は、比較例1培養14日目と同様であり、角膜上皮組織として機能のある細胞シートであることを示している。
 細胞シート内における、幹細胞・前駆細胞の存在は、細胞シート移植予後に重要な指標である。図6は、実例1培養12日目および比較例1培養14日目における、幹細胞・前駆細胞マーカタンパク質であるp63の組織染色像およびp63陽性細胞率を示すグラフである。実例1、比較例1共に、基底層細胞にp63は発現しており、実施例1のp63陽性率は、比較例1と同等であった。図7は、実例1培養12日目および比較例1培養14日目における、幹細胞・前駆細胞の存在を示すコロニー形成像およびコロニー形成率を示す図である。実施例1のコロニー形成率は比較例1と同等であった。以上の結果は、実施例において、比較例1と同様に細胞シート内に十分な幹細胞および前駆細胞が存在していることを示している。
 細胞は低酸素環境においては、遺伝子発現様式が異なることが知られている。そこで実例1で低酸素培養を経て作製した細胞シートにおける各遺伝子発現量と比較例1の各遺伝子発現量の相違がどの程度あるか調べるために、マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析を実施した。実例1と比較例1の遺伝子発現量を示す蛍光強度を比較すると、相関係数r=0.99の強い相関が認められ、低酸素培養時に発現変動することが知られている遺伝子群に関して、有意な変動は認められなかった。
 図1~8に示す結果は、いずれも、実例1で、従来の方法である比較例1と比べて短時間で再生組織が製造でき、その製造した組織は比較例1と同等の組織であることを示すものである。また、本実施例における低酸素濃度2%、正常酸素濃度20%の条件は本実施例の方法を示す一例であって、低酸素濃度は20%未満であれば、比較例1よりも短期間で細胞を培養することが可能である。上述の原理にて検証した結果、中でも自己複製期間に酸素濃度1%以上15%未満で培養することで、より増殖度合いが高く、短期間で培養できることが分かった。特に、酸素濃度5%の場合に最も短期間化することができた。
 分化期間は、低酸素では分化が抑制されるが、酸素濃度15%以上であれは分化することが分かった。ただし、酸素濃度が高すぎると、逆に分化を抑制してしまう傾向があり、例えば酸素濃度60%の場合は明らかに分化せず致死率も高いため、酸素濃度は少なくとも60%未満であることが条件となる。さらに、酸素濃度は30%未満であれば、分化が生じる可能性が高いことがわかった。より培確実な養期間短縮に適した酸素濃度としては、一般酸素濃度である20%にて培養することが望ましい。以下に上記実験の具体的な方法を示す。
 (ウサギ角膜上皮細胞培養方法)
 培養容器は6ウェル用セルカルチャインサートと6ウェルプレートとした。角膜上皮細胞を培養する前日に、フィーダー細胞として、マイトマイシンC(10μg/ml)で37℃2時間処理したNIH-3T3細胞を2×104/cm2となるように、6ウェルプレートに播種した。NIH-3T3細胞を播種した翌日に、フナコシ社より購入したウサギ眼球の角膜輪部から常法に従って角膜上皮細胞を採取し、2×104/cm2 となるように6ウェル用セルカルチャインサートに播種した。培養液には、上皮系細胞の培養に用いられる5%FBSを含むKCM培地を用いた。培養液の交換は、細胞培養容器の上層下層共に、培養開始5、7、9-14日目に1回行った。培養期間中は、位相差顕微鏡で細胞増殖状況を確認した。
 (角膜上皮細胞シートの細胞数測定方法)
 各培養条件で作製した細胞シート内に含まれる細胞数と、DNA量から、増殖過程での細胞数を定量した。作製後の細胞シートに含まれる細胞数の算出方法を以下に記載する。まずディスパーゼ(200U/ml)を培養下層に注入し、37℃60分処理した。処理後、ピンセットで細胞シートの培養表面から剥離させた。剥離した細胞シートを0.25%トリプシンで37℃10分処理して、細胞懸濁液として細胞シートに含まれる細胞数を求めた(TC10bio-rad社製)増殖過程での細胞数定量は以下の通り実施した。培養4,6,8,10、12、14日目の細胞を回収し、DNA定量キット(プライマリーセル)を用いて、サンプルの蛍光強度と予め細胞数が明らかであるサンプルの蛍光強度より細胞数を算出した(n=3)。
 (角膜上皮組織の組織切片作製、組織切片染色方法、p63陽性細胞率算出方法、コロニー形成率算出方法)
 実例1は培養12日目に、比較例1、比較例2は培養14日目に、常法に従い凍結包埋を実施した。凍結包埋した組織から, ミクロトームで厚さ10 μmの切片を作製した。作製した切片を用いて常法に従い、ヘマトキシリンーエオジン染色、および免疫組織染色を実施した。免疫組織染色には、抗pan-CK抗体(クローン名Kspan1-8)、抗CK3抗体(AE5)、抗クローディン1抗体(A10)、抗p63抗体(4A4)を用いた。実施例1と比較例1においては、切片5枚よりp63陽性細胞数/全細胞数を求めて、p63陽性細胞率を算出した。コロニー形成率を求めるために、作製した細胞シートを、0.25%トリプシン溶液を用いて細胞懸濁液として、その内2000個の細胞を、あらかじめNIH-3T3細胞を2×104/cm2となるように播種した10cmディッシュに播種し、約10日間KCM培地にて培養した。
 (網羅的遺伝子発現解析)
 細胞からのトータルRNAの抽出はRNeasy mini kit(キアゲン)を用いて実施した。アジレント社製Rabbit オリゴDNAマイクロアレイを用いて、1色法により、約30000万遺伝子の発現量を蛍光シグナル強度として求めた(n=3)。アレイ間のシグナル強度を75precentile shift法で補正し、データを正規化した。n=3の平均値を用いて、実施例1と比較例1の遺伝子発現量を比較し、相関係数rを求めた。
 上記方法を適用可能な細胞種の範囲について、図26を用いて説明する。上記方法を適用できる細胞は、組織を形成する幹細胞、あるいは当該幹細胞の分化によって生じる前駆細胞である。これらは、まず自己複製を行い、所定の度合いにまで増殖された後、一般酸素濃度にて分化を開始する。一般に、低酸素状態では分化抑制傾向にある。すなわち、低酸素状態から正常酸素状態へと切り替えることは、組織を形成する幹細胞、前駆細胞の分化の開始を意味している。
 次に、組織を形成する幹細胞、前駆細胞の培養過程において酸素濃度を変更する具体的な方法について説明する。まず、培養容器などの培養空間に播種された細胞を、当該培養空間内が低酸素濃度となるようにして培養する。自己複製期においては、細胞は正常酸素濃度よりも迅速に複製による増殖を繰り返す。培養する幹細胞の種類によって、増殖して結合した幹細胞・前駆細胞の全体の大きさ、または細胞単体での大きさ、増殖速度などの度合いは異なる場合がある。そのため、細胞種により、自己複製によって得られた細胞の大きさの度合いを任意に定め、低酸素濃度から正常酸素濃度に切り替えることが望ましい。正常酸素濃度に晒された細胞は分化を開始し、組織形成を行う。
 細胞の増殖の度合いは、培養される培養面に対する占有率にて判別することも可能である。細胞は播種された培養空間の培養面に広がるように自己複製による増殖を開始する。この培養面に対する細胞の占有率が100%となったとき、上述の原理にて述べたように、コンフルエントの状態であると位置づけられるので、酸素濃度を正常酸素濃度(20%)に切り替える。尚、切り替えるタイミングを決定する占有率は、細胞種の特性などによって80%や90%など、任意に設定することも可能である。
 また、酸素濃度を切り替える時点については、上述のように細胞がコンフルエントとなった状態だけでなく、敷石状形態にて切り替えることも有効である。図23に示すように、敷石状形態は、細胞がコンフルエントの状態になってから分化期開始までに生じる状態であり、敷石状形態で酸素を切り替えることで、コンフルエントに比べ分化期直前まで低酸素にて培養できるため、より短期間での培養が可能となる。
 さらに、酸素濃度を切り替えた後、図23に示すように、敷石状形態の後の分化期間にて生じる、密着結合と呼ばれる現象が生じているかを確認することで、酸素濃度切り替え後の細胞が正常に培養されているか、品質評価することができる。密着結合とは、膜貫通タンパク質である、クローディンとオクルーディンにより細胞間隙が閉じられた構造で、培養された細胞は密着結合の状態となることにより、溶解物質、イオン、水の傍細胞経路を制御している。つまりは、外部からの溶解物質や汚染物質などの介入が無い状態にて細胞が培養されていることを、密着結合の発生の確認によって判断することができる。
 酸素濃度を制御する方法は、培養する細胞に送る酸素の供給量によって制御することができる。例えば、細胞に供給する気体の酸素濃度を高めるには、酸素をより多く供給する、あるいは窒素や二酸化炭素などの供給を少なくすることで可能となる。逆に、酸素濃度を低くするには、酸素をより少なく供給する。あるいは窒素や二酸化炭素などを多くしてやれば可能となる。
 本実施例では、実施例1にて説明した原理および方法に基づいて、酸素濃度を自動で制御する機能を搭載した自動細胞培養装置について図10~13を用いて説明する。尚、本実施例以降、酸素濃度の制御に関わる演算手段を制御装置2に内蔵した例として説明するが、演算手段に関するソフトウェアやCPUなどはこれに限られるものではなく、外付けのコンピュータや、ガス濃度調節部8などに内蔵されていても良い。
 酸素濃度の制御を行う際、細胞培養装置内の細胞をユーザーが直接観察して酸素濃度を切り替えることも可能であるが、CCDカメラ12のような細胞を観察し撮像する撮像手段を設けておいて、撮像した画像を表示画面13に表示させ、撮像された画像を基にユーザーが酸素濃度を切り替えるようにしてもよい。また、表示画面13は視覚的な表示ではなく、ブザーのような聴覚へと指示を促すものであってもよい。
 酸素濃度を自動で制御するためには、細胞状態を自動認識して、酸素濃度変更に適切な時期を判別することが望ましい。まず、培養中にCCDカメラ12で細胞を撮像し、細胞画像を取得した制御装置2は、取得した画像データから細胞を検出する処理を実施し、画像の輝度により、画像の白黒やグレースケールなどに基づく二値化し、当該画像における細胞占有面積を算出する。培養面の数点のデータを取得後、細胞占有面積が100%である場合、酸素濃度を低酸素濃度から通常酸素濃度へ変更する。細胞占有面積が所定の面積に達していない場合は、酸素濃度切替は実施せず、低酸素状態での培養を継続し、所定のタイミングで上記動作を繰り返し、細胞占有面積が100%に達した時点で酸素濃度切替を実行する。
 細胞占有率は細胞の自己複製が進むにつれて上昇していくため、自己複製の最終過程付近の、細胞占有率100%付近のコンフルエントにて切り替えることが望ましい。ただし、CCDカメラのスペックや細胞の培養状況、培養面上で実際に細胞が培養される領域面等に合わせて、80%や90%など、任意に設定が可能である。また、細胞の種類によって、コンフルエントに達しない場合は、細胞の自己複製が完了するまでの大きさや占有面積に合わせて、酸素濃度切り替えのタイミングを設定しても良い。
 また、コンフルエントの別の判別方法として、細胞の大きさの平均から判別することが可能である。図24に示すように、培養面に接着した細胞は通常仮足を伸ばしながら増殖するので、細胞のサイズが播種直後に比べて大きくなり、細胞の大きさの平均は、コンフルエント付近にて最大値となる。その後、敷石状形態に向かうにつれて、面積あたりの細胞数が増加して細胞は縮小されるため、細胞の大きさの平均が徐々に減少し、敷石状形態後は細胞の形状が固定されるため、細胞の大きさは一定となる。
 CCDカメラ12は、時系列に複数の画像を撮像し、制御装置2はこの複数の画像を基に、プロットファイルなどで細胞の大きさの統計を算出する。さらに算出された統計データから、画像ごとの細胞の大きさの平均を算出し、時系列的に前後の画像に含まれる細胞の大きさの平均と比較を行う。比較によって細胞の大きさの平均の時系列変化を演算し、細胞の大きさが最大値となるタイミングを特定する。
 さらに制御装置2は、特定した最大値となるタイミング以降、つまりはコンフルエントとなるタイミング以降について、酸素濃度を変更する。またこの際、表示画面13に、最大値となる細胞の大きさや、特定した切り替えタイミングの期間などを表示し、ユーザーに酸素濃度の切り替えを促すようにしてもよい。
 細胞の大きさの最大値を特定する方法はこれに限られるものではなく、細胞種に応じて特定の値を予め設定しておき、この値を超える大きさ平均にまで細胞が自己複製を行ったタイミングにて酸素濃度を切り替えるようにしてもよい。また、細胞の大きさの平均ではなく、図25(a)のように、大きさの分布の時系列変化を画像から解析し、分布のピークが最大となる点を上記最大値として設定する、あるいは酸素濃度を切り替える分散値を予め設定しておいてもよい。
 上述のような細胞画像から酸素濃度切り替え時期を判別する方法以外に、図11に示すような光干渉断層計14により細胞状態を解析することにより、酸素濃度切り替えを判断することができる。細胞画像から判断する方法では、培養面数点を観察して判断するため、観察しなかった箇所がコンフルエントか否かが分からない可能性がある。一方、光干渉断層計14により細胞状態を解析する方法では、培養面全体での細胞欠損箇所を検出できる。光干渉断層計14は、2分割した赤外光の一方をサンプルに照射し、反射した光ともう一方の光を干渉させて、培地面全体の組織の表面および断面を画像化することができる。
 光干渉断層計14に設置された光源は、光源から照射される赤外光の照射位置を可変できる駆動手段を具備させることも可能である。この駆動手段を用いて、培養面の一方向における断面の画像を取得する。さらに、駆動手段を前記一方向に対して垂直方向に動かしながら、断面の画像を複数取得することで、培養面全体の断面画像を得ることができる。取得する断面画像の垂直方向の間隔は、細胞の欠損箇所に漏れのないよう、細胞の大きさよりも狭くなるように行うことが望ましい。また、後述する画像解析方法などによって細胞の大きさが解析できるため、細胞の増殖の度合いによって断面の画像を取得する間隔を決定してもよい。また、取得した画像は表示部16に表示するようにしてもよい。表示の仕方は、細胞の欠損のある画像のみを表示してもよいし、画像は表示せずに細胞の欠損があったことをブザーで警告するようにしてもよい。このように光干渉断層計14にて得られた細胞の断面の情報から、細胞の有無を判別することができる。制御装置2は光干渉断層計14での検出結果に基づいて、コンフルエントであれば低酸素濃度から正常酸素濃度へと切り替える。
 上述した細胞画像による方法と光干渉断層計による方法は併用して用いることが可能であり、より確実に酸素濃度を自動制御できる。例えば、培養面に対する細胞占有面積が設定した値以上(例えば100%)であり、かつ培養面全体(例えば100%)で細胞分の厚みを有していると判断された場合、酸素脳濃度を切り替えることにより、よりコンフルエントを判断する精度を高めることができる。
 以上のようにコンフルエントの状態かどうかを判別し、酸素濃度を切り替えることが可能であるが、切り替える時点は、コンフルエントとなった時点よりも所定時間経過後とするように設定することも短期間化に有効である。所定時間を経過すると、実施例3にて詳細を説明する敷石状形態が発生する。そのため、予めこの敷石状形態発生を考慮した切り替え時点を設定しておけば、より短期にて培養が可能となる。
 尚、本実施例では酸素濃度を切り替える演算手段を制御装置2に有した場合について述べたが、ガス濃度調節部8に演算手段を持たせ、制御装置2とは独立したガス濃度調節部8によって酸素濃度の変更を制御することも可能である。
 酸素濃度を制御する方法は、ガス供給部から供給される各気体の供給量を、ガス濃度調節部8にて調節するよう、制御装置2にて制御してやればよい。例えば、細胞に供給する気体の酸素濃度を高めるには、酸素をより多く供給する、あるいは窒素や二酸化炭素などの供給を少なくすることで可能となる。逆に、酸素濃度を低くするには、酸素をより少なく供給する。あるいは窒素や二酸化炭素などを多くさせれば可能となる。
 酸素濃度切り替え時期は、コンフルエント時ではなく、コンフルエント後、細胞密度が高くなり、細胞一つ一つの体積が小さくなって敷き詰めれた状態である敷石状形態の状態とすることができる。重層化などの分化は敷石状形態を経た後に起こる事象であるため、敷石状形態を示した時点で酸素濃度を切り替た方がより早期に所望の組織を製造できる。制御装置2は、まず実施例2に記載した細胞解析結果により、細胞占有率が100%に到達した後に、制御装置2は細胞画像における細胞間が明瞭となるように画像を処理する。その後、図9に示すように、任意に設定された画像の一線上における輝度の変化を信号にして算出する。この信号の分布から、敷石状形態における細胞の大きさである約5~15μmおきに規則的に検出される信号であるかどうかで敷石状形態を判別し、敷石状形態であった場合に酸素濃度を低酸素濃度から正常酸素濃度へ変更する。敷石状形態を示さない場合、即ち、細胞間の長さを示す信号の検出結果にて、細胞が上記のような敷石状形態における大きさでない場合は、低酸素濃度での培養を継続し、上記に示した手順を再度実行する。
 敷石状形態か否かを判別する別の方法として、CCDカメラ12で撮像された細胞の画像の信号の分布から、細胞の大きさの平均、或いは分布を用いて判別する方法がある。
 撮像された画像における各細胞の輪郭周辺部分は、画像において相対的に輝度が低くなり、細胞自身と各細胞間の輝度は高くなって示される。すなわち、培養の初期の頃は細胞数が少ないため、輝度が高くなる部分が多く、画像の平均輝度は高い状態となっている。さらに、細胞数が増えるにつれて、細胞周辺部分(輝度が低い部分)も増えるため、画像の平均輝度は徐々に低くなる。
 培養面がコンフルエントの状態となった後は、敷石状形態に近づくにつれ、細胞の増殖によって密に敷き詰められていくため、細胞の数が増加していく。つまり、画像における細胞の輪郭周辺部分の面積が増えていくため、平均輝度は下がり続ける。
 最終的に形成される敷石状形態は、培養面における細胞の自己複製が飽和している状態であるので、敷石状形態が形成されてから分化が開始されるまでは、画像の平均輝度は一定の状態となる。よって、制御装置2は、画像の平均輝度が一定の値となった時期を敷石状形態として判別し、酸素濃度を切り替えることができる。
 実施例2にて説明した細胞の大きさの平均を用いることでも、敷石状形態を判別することが可能である。図24に示すように、敷石状形態の場合、細胞の時系列変化は、コンフルエントから凝縮されて一定の大きさに留まるため、この一定の大きさとなった期間において、酸素濃度を切り替える。期間を求めるまでの制御装置2での演算方法は実施例2にて説明した方法と同様である。
 また、制御装置2によって解析された細胞の大きさの分布から、敷石状形態を判別することも可能である。図25に示すように、自己複製期における細胞の大きさは、上述のように敷石状形態よりも大きい。さらに培養面の各領域における培養の進行にもばらつきが生じるため、分布の分散値の領域も広くなっている。細胞の大きさ、および大きさの分布は、敷石状形態に近づくにつれて徐々に減少し、敷石状形態が形成された時点で、自己複製期における細胞の大きさとしては、最小かつ一定の値となる。
 したがって制御装置2は、細胞の大きさの分布が最も小さくなるような領域に移行した場合、あるいは分布による分散値の幅が最も狭くなった場合、大きさの分布の時系列変化が一定の値となった場合、もしくはこれらの組み合わせによっても、敷石状形態を判別し、酸素濃度を切り替えることが可能である。
 酸素濃度は、実施例2同様、制御装置2が酸素の供給量を変更させるようガス濃度調節部8を制御することで可能となる。詳細は実施例2と同様であるので省略する。また、CCDカメラ12で撮像された画像や、上述のように制御装置2にて演算された情報は、表示画面13に表示させることができる。また、酸素濃度の切り替え時点を表示画面13に表示させ、酸素濃度の切り替えを促すことができる。
 本実施例では、実施例1で説明した細胞培養方法と実施例2、3で示した酸素濃度自動制御方法により、培養空間である培養槽内全体の酸素濃度を切り替える方法について説明する。尚、表示画面13の機能については、上述の実施例と同様であるため省略する。
 図10は、細胞培養装置1の構成を模式的に示す図で、制御装置2によって制御される各要素が、恒温槽3および、恒温槽3の内部に配置される培養容器4に接続される。制御装置2には、恒温槽3の温度を制御するための温度調節部5と、培養容器内の湿度を制御するための湿度調節部6と、培養容器内のガス濃度を制御するための、ガス供給部7を有するガス濃度調節部8と、培養容器内の培養液を自動で交換するための、培養液と廃液を保持するタンク9に接続された送液用チューブを有する培養液供給ポンプ10と、それぞれの構成要素の動作を制御することを目的とした、温度・湿度・CO2・O2センサー11と、細胞観察用のCCDカメラ12と表示画面13が接続されている。そして、温度調節部4、湿度調節部5、ガス濃度調節部7は恒温槽2に接続され、培養液供給ポンプ8は細胞培養容器3に接続される。上記装置構成の場合、恒温槽内に酸素が供給されるので、閉鎖系培養容器3は内部にガス供給ができるように、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン等のガス透過膜、好ましくはポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドから成る多孔膜を設けた方がよい。この際多孔の直径は、ウイルスや細菌の培養容器内への侵入を回避するために、20nm未満であることが望ましい。これは、現在知られている最も小さいウイルスである、パルボウイルスの直径が約20nmであることに基づいた設定である。
 実施例3に基づいて、光干渉断層計14を付属させた実施例4装置構成の変形例を図11に示す。光干渉断層計は断面の厚みを計測できるため、作製した細胞シートが分化しているか否かという品質を非侵襲で評価することに適用可能である。
 細胞シートの非侵襲品質評価方法として、光干渉断層計による方法以外に、電気抵抗値により評価する方法を提示する。上皮系の細胞は細胞同士が密に結合することによって密着結合を形成する。密着結合が細胞間に形成されると、細胞間でのイオンのやり取りが遮断されるため、細胞間に電圧を印加した際に抵抗が生じる。すなわち、細胞が密で敷石状形態となり、密着結合が形成されているか否かを電気抵抗値により判断することができる。光干渉断層計14を付属させた実施例2の変形例を図11に、電気抵抗測定装置15を付属させた実施例2の変形例を図12に示す。制御装置2は、電気抵抗測定装置15による抵抗値の時系列変化を演算し、演算結果から抵抗値が指数関数の形状にて変化しているかどうかを解析する。抵抗値が指数関数にて変化していれば、密着結合が生じていると判別する。尚、電気抵抗測定装置は、図13のように光干渉断層計14と組み合わせて用い、より培養された細胞の品質を確認するようにしてもよい。
 酸素濃度を制御する方法は、恒温槽内へ供給する酸素の供給量によって制御することができる。例えば、細胞に供給する気体の酸素濃度を高めるには、ガス濃度調節部8を調節するよう制御装置2を制御させ、酸素をより多く供給する、あるいは窒素や二酸化炭素などの供給を少なくすることで可能となる。逆に、酸素濃度を低くするには、培養槽内酸素をより少なく供給する。あるいは窒素や二酸化炭素などを多くさせれば可能となる。
 実施例4では、培養槽内の酸素濃度を制御する装置構成であったが、図14の構成のように、湿度調節部と、ガス調節部と、温度・湿度・CO2・O2センサーは培養容器に接続され、培養容器内の酸素濃度を制御する場合の実施例を実施例5として示す。
 この構成により、培養容器内ガス供給ポートを利用して、水蒸気も培養容器内に流入することができる。また、培養槽全体が恒温多湿環境である場合、培養槽自体は無菌空間でないため、カビ、細菌が繁殖する危険性を有している。これに対して、培養容器内が恒温多湿環境である場合、培養容器内は無菌空間であるため、カビ、細菌が繁殖する危険性が低いといった利点がある。また、培養容器に特殊な膜を設ける必要がないので、培養容器作製工程も簡素化できる。図15~17は、実施例4同様に、装置構成の変形例を示すものである。
 実施例4、5では、培養槽内や培養容器内の酸素濃度を制御する装置構成であったが、培養容器に設置されたガス透過性の膜の透過性を変化させることができる。この構成により、低酸素ガスや水蒸気を培養容器内に流入する必要なく、培養容器内酸素濃度を制御することができる。例えば、図18に示すように湿度調節部、ガス調節部、CO2、O2センサーが必要なく、装置構成を簡素化できる。図19~21に装置構成の変形例を示す。 本装置構成では、培養容器の形状が重要となる。上記装置構成における培養容器の一例を図22に示す。培養容器4の枠体18に2枚のガス透過膜を設け、最外層は酸素の透過を抑制し、培養容器内の酸素濃度を低酸素にできる抑制膜16とし、取り外し可能な構造としておく。抑制膜16は、ポリエチレンテレフタレート、PVA、ナイロン、ナイロン系、シリカ蒸着系フィルムなどの医薬品、食品包装資材として使用されているものがある。また、有機EL、電子ペーパー、太陽電池などで使用されている、富士フィルム社製のスーパーバリアフィルムと呼ばれる、特殊な層をもつフィルム等が挙げられる。内側の膜は、実施例2に記載した直径20nm未満の孔を有する多孔膜17とする。自己複製期は抑制膜16を保持した状態で培養する。これによって低酸素培養環境が実現する。自己複製終了後、正常酸素濃度にするために、抑制膜16を自動で除去できる機構を装置に備えておき、制御装置2によって、当該機構を操作し、コンフルエントや敷石状形態などの期間にて、抑制膜16することによって、培養容器内の酸素濃度を変更させる。
 抑制膜16の除去方法は、細胞培養装置に、駆動手段を有したマニュピレータ等を設置し、制御装置2がマニュピレータを駆動させ、抑制膜16を除去することが可能である。 抑制膜除去後、細胞分化培養を行うが、この際、培養槽内が多湿環境でないため培養液が蒸発する可能性がある。これを回避する方法としては、蒸発する培養液分を細胞容器内に自動で注入する機構を装置の設け、培養液量を常に一定に保つようにしておくのが効果的である。
 以上、説明した実施例等から、本願の発明は例えば以下のようになる。
 組織を形成する幹細胞または前駆細胞を培養する培養領域を有する細胞培養装置であって、前記培養領域内の酸素供給量を調節する酸素調節部と、前記酸素調節部を制御する制御部と、前記細胞の培養期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞が自己複製する期間内の第一の期間における第一の酸素供給量と、前記幹細胞または前駆細胞が分化する期間を含む第二の期間における、前記第一の酸素供給量よりも多い酸素供給量の第二の酸素供給量と、を制御し、前記幹細胞または前駆細胞の自己複製による増殖の度合いに基づいて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御する制御部と、を有することを特徴とする細胞培養装置である。
 上皮組織を形成する幹細胞または前駆細胞が培養される培養領域を有する培養容器を保持する容器保持部と、前記培養容器内の酸素供給量を調節する酸素調節部と、前記酸素調節部を制御する制御部と、前記幹細胞または前駆細胞の培養期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞が前記培養領域に形成された培養面と接するように増殖する期間内の第一の期間における第一の酸素供給量と、前記培養面に増殖した幹細胞または前駆細胞が前記培養面上に重層するように増殖する期間を含む第二の期間における、前記第一の酸素供給量よりも酸素供給量の高い第二の酸素供給量と、を制御し、前記培養面と接するように増殖する期間における、増殖の度合いに基づいて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御する制御部と、を有することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記細胞培養装置であって、前記第一の酸素供給量は、1%以上15%未満であることを特徴とする細胞培養装置である。
 前記細胞培養装置であって、前記細胞培養装置は、前記第二の酸素供給量は、15%以上60%未満であることを特徴とする細胞培養装置である。
 前記細胞培養装置は、前記幹細胞または前駆細胞を撮像する撮像部をさらに備え、前記制御部は、前記撮像部から取得した画像から、前記度合いを算出することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記制御部は、前記自己複製する期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞が前記培養領域内の所定領域まで自己複製によって増殖した場合、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記制御部は、前記自己複製する期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞が前記培養領域内の所定領域まで自己複製によって増殖した後、所定時間が経過した時点にて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記細胞培養装置は、前記培養領域に、幹細胞または前駆細胞を培養させる第一の面を有し、前記増殖の度合いは、前記第一の面に対する前記幹細胞または前駆細胞の占有率であることを特徴とする細胞培養装置である。
 前記細胞培養装置は、前記幹細胞または前駆細胞を撮像する撮像部をさらに備え、前記制御部は、前記撮像部から取得した画像から、前記占有率を算出することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記細胞培養装置は、前記占有率を表示させる表示部を有することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記制御部は、前記占有率に基づいて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう前記酸素調節部を制御することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記細胞培養装置は、前記幹細胞または前駆細胞を撮像する撮像部をさらに備え、前記制御部は、前記撮像部から取得した画像に基づいて、前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均の時系列変化を算出することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記細胞培養装置は、前記時系列変化を表示させる表示部を有することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記制御部は、前記時系列変化から、前記幹細胞または前駆細胞が自己複製する期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均が最大となる時点以降の期間を特定し、前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均が最大となる時点以降の期間に、記酸素供給量を前記第一の酸素供給量から前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記制御部は、前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均が最大となる時点以降の期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均が一定となる期間に、前記酸素供給量を前記第一の酸素供給量から前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御することを特徴とする請求項13記載の細胞培養装置である。
 前記細胞培養装置は、前記幹細胞または前駆細胞を透過させる第一の光と、前記幹細胞または前駆細胞の表面にて反射させる第二の光とを照射させる光干渉断層計をさら有し、前記干渉断層計は、前記第一の光と前記第二の光との干渉に基づいて、前記占有率を算出することを特徴とする細胞培養装置である。
 前記幹細胞または前駆細胞の電気抵抗値を測定する電気抵抗測定部を有することを特徴とする細胞培養装置である。
 幹細胞または前駆細胞を培養する期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞を自己複製させる期間内の第一の期間を第一の酸素供給量で培養し、前記幹細胞の増殖の度合いに基づいて、前記第一の酸素供給量より高い酸素供給量の第二の酸素供給量に変更し、前記幹細胞が分化する期間を含む第二の期間を前記第二の酸素供給量にて培養することを特徴とする細胞培養方法である。
 本発明は、細胞培養方法および細胞培養装置として有用である。
1…細胞培養装置
2…制御装置
3…恒温槽
4…培養容器
5…温度調節部
6…湿度調節部
7…ガス供給部
8…ガス濃度調節部
9…培養液・廃液タンク
10…培養液供給ポンプ
11…温度・湿度・ガスセンサ
12…細胞観察用CCDカメラ
13…表示装置
14…光干渉断層計
15…電気抵抗測定装置
16…抑制膜
17…多孔膜
18…枠体
19…温度センサ

Claims (15)

  1.  組織を形成する幹細胞または前駆細胞を培養する培養領域を有する細胞培養装置であって、
    前記培養領域内の酸素供給量を調節する酸素調節部と、
    前記酸素調節部を制御する制御部と、
    前記細胞の培養期間のうち、
    前記幹細胞または前駆細胞が自己複製する期間内の第一の期間における第一の酸素供給量と、
    前記幹細胞または前駆細胞が分化する期間を含む第二の期間における、前記第一の酸素供給量よりも多い酸素供給量の第二の酸素供給量と、
    を制御し、
    前記幹細胞または前駆細胞の自己複製による増殖の度合いに基づいて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする細胞培養装置。
  2.  上皮組織を形成する幹細胞または前駆細胞が培養される培養領域を有する培養容器を保持する容器保持部と、
    前記培養容器内の酸素供給量を調節する酸素調節部と、
    前記酸素調節部を制御する制御部と、
    前記幹細胞または前駆細胞の培養期間のうち、
    前記幹細胞または前駆細胞が前記培養領域に形成された培養面と接するように増殖する期間内の第一の期間における第一の酸素供給量と、
    前記培養面に増殖した幹細胞または前駆細胞が前記培養面上に重層するように増殖する期間を含む第二の期間における、前記第一の酸素供給量よりも酸素供給量の高い第二の酸素供給量と、
    を制御し、
    前記培養面と接するように増殖する期間における、増殖の度合いに基づいて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御する制御部と、を有することを特徴とする細胞培養装置。
  3.  前記第一の酸素供給量は、1%以上15%未満であることを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  4.  前記第二の酸素供給量は、15%以上60%未満であることを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  5.  前記細胞培養装置は、
    前記幹細胞または前駆細胞を撮像する撮像部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記撮像部から取得した画像から、前記度合いを算出することを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  6.  前記制御部は、
    前記自己複製する期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞が前記培養領域内の所定領域まで自己複製によって増殖した場合、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御することを特徴とする請求項5記載の細胞培養装置。
  7.  前記制御部は、
    前記自己複製する期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞が前記培養領域内の所定領域まで自己複製によって増殖した後、所定時間が経過した時点にて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御することを特徴とする請求項5記載の細胞培養装置。
  8.  前記細胞培養装置は、
    前記培養領域に、幹細胞または前駆細胞を培養させる第一の面を有し、
    前記増殖の度合いは、前記第一の面に対する前記幹細胞または前駆細胞の占有率であることを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  9.  前記細胞培養装置は、
    前記幹細胞または前駆細胞を撮像する撮像部をさらに備え、
    前記制御部は、前記撮像部から取得した画像から、前記占有率を算出することを特徴とする請求項8記載の細胞培養装置。
  10.  前記細胞培養装置は、
    前記占有率を表示させる表示部を有することを特徴とする請求項9記載の細胞培養装置。
  11.  前記制御部は、
    前記占有率に基づいて、前記第一の酸素供給量を前記第二の酸素供給量に変更するよう前記酸素調節部を制御することを特徴とする請求項9記載の細胞培養装置。
  12.  前記細胞培養装置は、前記幹細胞または前駆細胞を撮像する撮像部をさらに備え、前記制御部は、前記撮像部から取得した画像に基づいて、前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均の時系列変化を算出することを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  13.  前記細胞培養装置は、
    前記時系列変化を表示させる表示部を有することを特徴とする請求項11記載の細胞培養装置。
  14.  前記制御部は、
    前記時系列変化から、前記幹細胞または前駆細胞が自己複製する期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均が最大となる時点以降の期間を特定し、
    前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均が最大となる時点以降の期間に、記酸素供給量を前記第一の酸素供給量から前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御することを特徴とする請求12記載の細胞培養装置。
  15.  前記制御部は、
    前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均が最大となる時点以降の期間のうち、前記幹細胞または前駆細胞の大きさの平均が一定となる期間に、前記酸素供給量を前記第一の酸素供給量から前記第二の酸素供給量に変更するよう、前記酸素調節部を制御することを特徴とする請求項14記載の細胞培養装置。
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