WO2012176356A1 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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    • H01J2211/12AC-PDPs with at least one main electrode being out of contact with the plasma with main electrodes provided on both sides of the discharge space

Definitions

  • the base dielectric paste is a paint containing a base dielectric material such as glass powder, a binder, and a solvent.
  • the PDP 1 includes a front plate 2 and a back plate 10.
  • the front plate 2 includes a display electrode 6 and a dielectric layer 8 that covers the display electrode 6.
  • the dielectric layer 8 includes multicomponent filler particles 20 that are filler particles and a dielectric glass layer 21 that is a glass layer.
  • the multi-component filler particle 20 has SiO 2 and an additive. Additive is B 2 O 3, ZnO, MgO , CaO, K 2 O, at least one selected from the group consisting of Li 2 O and Na 2 O.

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Abstract

プラズマディスプレイパネルは、前面板と、前面板と対向して設けられる背面板とを備える。前面板は、表示電極と表示電極を覆う誘電体層とを有する。誘電体層は、フィラー粒子とガラス層とを含む。フィラー粒子は、SiOと添加物を有する。添加物は、B、ZnO、MgO、CaO、KO、LiOおよびNaOの群から選ばれる少なくとも1種である。

Description

プラズマディスプレイパネル
 ここに開示された技術は、表示デバイスなどに用いられるプラズマディスプレイパネルに関する。
 プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)の表示電極を構成するバス電極には、良好な導電性を得るために銀(Ag)が用いられている。バス電極を覆う誘電体層には、酸化鉛を主成分とする低融点のガラスが用いられている。近年、環境への配慮から、鉛成分を含まない誘電体層が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-128430号公報
 PDPは、前面板と、前面板と対向して設けられる背面板とを備える。前面板は、表示電極と表示電極を覆う誘電体層とを有する。誘電体層は、フィラー粒子とガラス層とを含む。フィラー粒子は、SiOと添加物を有する。添加物は、B、ZnO、MgO、CaO、KO、LiOおよびNaOの群から選ばれる少なくとも1種である。
図1は、実施の形態にかかるPDPの構造を示す斜視図である。 図2は、実施の形態にかかる前面板の断面を示す概略図である。 図3は、多成分フィラー粒子における硼素濃度と、誘電体層におけるヘイズ値との関係を示す図である。
 [1.PDP1の構成]
 本実施の形態のPDP1は、交流面放電型PDPである。図1に示されるように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して設けられる。前面板2と背面板10の外周部がガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間には、キセノン(Xe)を含む放電ガスが55kPa~80kPaの圧力で封入される。
 前面ガラス基板3上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6と遮光層7が互いに平行にそれぞれ複数列配置される。走査電極4は、黒色電極4aと、黒色電極4a上に積層された白色電極4bとから構成されている。維持電極5は、黒色電極5aと、黒色電極5a上に積層された白色電極5bとから構成されている。さらに、前面ガラス基板3上には、表示電極6と遮光層7とを被覆する誘電体層8が設けられている。誘電体層8については、後に詳しく述べられる。さらに、誘電体層8の表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が形成されている。
 背面ガラス基板11上には、表示電極6と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置される。さらに、アドレス電極12を被覆する下地誘電体層13が形成されている。さらに、アドレス電極12の間に形成された下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14の間には、紫外線によって赤色に発光する蛍光体層15と、青色に発光する蛍光体層15および緑色に発光する蛍光体層15が順番に形成される。
 表示電極6とアドレス電極12とが交差する位置に放電セルが形成される。赤色に発光する蛍光体層15を有する放電セルと、青色に発光する蛍光体層15を有する放電セルと、緑色に発光する蛍光体層15を有する放電セルとによりカラー表示をする画素が形成される。
 [2.PDP1の製造方法]
 [2-1.前面板2の製造方法]
 図2に示されるように、前面ガラス基板3上に、走査電極4および維持電極5と遮光層7とが形成される。表示電極6は、走査電極4および維持電極5を有する。走査電極4および維持電極5は、導電性を確保するための銀(Ag)を含む白色電極4b、5bを有する。また、走査電極4および維持電極5は、画像表示面のコントラストを向上するため黒色顔料を含む黒色電極4a、5aを有する。白色電極4bは、黒色電極4aに積層される。白色電極5bは、黒色電極5aに積層される。
 具体的には、黒色顔料を含む黒色ペーストが、スクリーン印刷法などによって前面ガラス基板3に塗布される。次に、塗布された黒色ペーストが、所定のマスクを介して露光される。次に、Agを含む白色ペーストが、スクリーン印刷法などによって、黒色ペースト上に塗布される。次に、白色ペーストと黒色ペーストが、所定のマスクを介して露光される。その後、白色ペーストと黒色ペーストとが現像されることによって、所定のパターンが形成される。その後、焼成されることによって、黒色電極4a、5a、遮光層7および白色電極4b、5bが形成される。
 次に、表示電極6および遮光層7を覆う誘電体層8が設けられる。誘電体層8の材料として、誘電体ペーストが用いられる。誘電体ペーストは、前面ガラス基板3上に塗布される。さらに、塗布された誘電体ペーストは、焼成される。なお、誘電体層8については、後に詳しく述べられる。
 次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が真空蒸着法により形成される。
 以上の工程により前面ガラス基板3上に走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9を有する前面板2が完成する。
 [2-2.背面板10の製造方法]
 図1に示されるように、背面ガラス基板11上に、アドレス電極12、下地誘電体層13、隔壁14および蛍光体層15が形成される。
 まず、背面ガラス基板11上に、アドレス電極12が形成される。具体的には、銀(Ag)を含むペーストがスクリーン印刷法により、背面ガラス基板11上に塗布される。次に、アドレス電極ペーストが、フォトリソグラフィ法により、パターニングされる。次にパターニングされたアドレス電極ペーストが焼成されることにより、アドレス電極12が形成される。ここで、アドレス電極ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、スパッタ法、蒸着法などにより、金属膜を背面ガラス基板11上に形成する方法が用いられ得る。
 次に、アドレス電極12が形成された背面ガラス基板11上にダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように下地誘電体ペーストが塗布される。その後、下地誘電体ペーストが焼成されることにより、下地誘電体層13が形成される。なお、下地誘電体ペーストはガラス粉末などの下地誘電体材料とバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
 次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁ペーストが塗布される。隔壁ペーストが、フォトリソグラフィ法により、パターニングされる。次に、パターニングされた隔壁ペーストが焼成されることにより隔壁14が形成される。なお、フォトリソグラフィ法の他に、サンドブラスト法などが用いられ得る。
 次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上および隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストが塗布される。次に、蛍光体ペーストが焼成されることにより蛍光体層15が形成される。
 以上の工程により、背面ガラス基板11上に、アドレス電極12、下地誘電体層13、隔壁14および蛍光体層15を有する背面板10が完成する。
 [2-3.前面板2と背面板10との組立方法]
 表示電極6とアドレス電極12とが直交するように、前面板2と背面板10とが対向して設けられる。次に、前面板2と背面板10の周囲がガラスフリットで封着される。次に、放電空間16にNe、Xeなどを含む放電ガスが封入されることによりPDP1が完成する。
 [3.誘電体層8の詳細]
 PDPの消費電力を低減するためには、放電開始時の電流量を低減させることが有効である。放電セルの容量が大きいと、1回の発光において放電セルに流れる電流量が増大する。よって、PDPの消費電力が大きくなる。
 放電セルの容量を小さくするためには、一例として、誘電体層の比誘電率を低くすることがある。しかしながら、従来使用されていた三酸化二ビスマス(Bi)や酸化亜鉛(ZnO)が主成分である低融点の誘電体ガラスでは、比誘電率を下げることが難しかった。
 一方、二酸化ケイ素(SiO)や三酸化二ホウ素(B)が主成分の誘電体ガラスは、比誘電率が5~7程度のものもある。しかし、比誘電率を5.5以下にしようとすると融点が高くなる。融点が高くなると、焼成温度を上げることが求められる。つまり、一般的なPDPの製造方法における焼成工程の焼成温度では、十分な熱処理が困難になる。
 誘電体層の比誘電率を下げる試みとして、誘電体ガラス材料とSiOフィラー粒子(シリカ粒子)を混合することが考えられる。シリカ粒子の比誘電率は、4程度である。よって、従来の誘電体層より比誘電率を低下させることができる。しかしながら、単に誘電体層にシリカ粒子を混合しただけでは、誘電体層の光学特性(特にヘイズ値)が悪化する。さらには、誘電体層の絶縁耐圧が低下するという弊害が発生する。ヘイズ値とは、物質の曇り度合いを示す指標である。ヘイズ値が小さいほど、透明性が高い。ヘイズ値が大きいほど、曇り度合いが大きい。ヘイズ値は、透過光と散乱光の比率で算出される。
 発明者らは、上述の弊害が生じる原因を検討した。原因は、凝集したシリカ粒子と誘電体ガラスとの界面に隙間が生じていることであった。つまり、誘電体ペースト作製時にシリカ粒子が誘電体ペースト中に均一に分散せず、焼成時にシリカ粒子が凝集するためである。
 誘電体層は、600℃前後で焼成される。600℃前後では誘電体ガラス材料の粉末は非常に反応性が高い。よって、誘電体ガラス材料は、次々に結合しながら収縮していく。一方、シリカ粒子は反応性が低い。よって、シリカ粒子同士だけでなく誘電体ガラス材料の粉末とも結合しにくい。したがって、焼成前の段階で既に存在していた誘電体ガラス材料の粉末同士の空隙が、焼成後に拡大すると考えられる。
 上述の空隙において透過光が散乱することによって、光学特性が悪化する。また、空隙の存在によって絶縁耐圧が低下する。
 上述のように、焼成時においてシリカ粒子は反応性が低い。つまり、シリカ粒子の表面の活性が低いために他のガラス材料となじまない、と考えられる。そこでシリカ粒子の周囲にシリカ粒子とは異なる組成の添加物を存在させることによって、シリカ粒子の正四面体構造の一部を破壊する。したがって、シリカ粒子の表面の活性が高くなる。よって、空隙の発生を抑制することができる。
 本実施の形態では、誘電体層8は、一例として、多成分フィラー粒子20とガラス層である誘電体ガラス層21とを含む。誘電体層8の比誘電率は、5.5以下である。なお、比誘電率の測定にはLCRメーターが用いられた。比誘電率は、周波数が1kHzのときの値である。
 多成分フィラー粒子20は、SiOと添加物を含む。添加物は、B、ZnO、MgO、酸化カルシウム(CaO)、酸化カリウム(KO)、酸化リチウム(LiO)および酸化ナトリウム(NaO)の群から選ばれる少なくとも1種である。
 誘電体ガラス層21は、B、ZnO、MgO、CaO、KO、LiOおよびNaOの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。さらに誘電体ガラス層21と多成分フィラー粒子20とは、同じ成分を含むことが望ましい。多成分フィラー粒子20と誘電体ガラス層21とがよりなじむからである。
 添加物の含有量は、誘電体ガラス層21に対して、0.1モル%以上20モル%未満が望ましい。0.1モル%未満では、シリカ粒子の表面の活性を高くする効果が極めて小さい。20モル%以上では、誘電体層8が有色になるなどの弊害が発生する。さらに、多成分フィラー粒子20が、アルカリ金属の酸化物(KO、LiO、NaO)を含む場合、アルカリ金属の酸化物の含有量は、誘電体ガラス層21に対して、5モル%以上12モル%未満が望ましい。
 図2に示されるように、本実施の形態にかかる誘電体層8は、多成分フィラー粒子20とガラス層である誘電体ガラス層21とを含む。多成分フィラー粒子20は、誘電体層8中に分散している。なお、説明の便宜のため、図2に示される多成分フィラー粒子20の大きさおよび数は、実際の製品とは異なる。
 なお、従来、450℃から600℃程度での焼成を可能にするために、誘電体ガラスは、20重量%以上の酸化鉛を含有していた。しかし、本実施の形態においては、環境への配慮のため、誘電体ガラスは、酸化鉛を含有しない。すなわち、誘電体層8は、酸化鉛を含有しない。
 また、多成分フィラー粒子20の平均粒径は、0.5μm以上3.0μm以下が好ましい。
 多成分フィラー粒子20の粒径を0.5μm以上とすることにより、誘電体ペースト作製時に多成分フィラー粒子20が誘電体ペースト中に均一に分散する。したがって、焼成時に、誘電体ガラス層21と、多成分フィラー粒子20の界面に空隙が生じにくい。よって、光学特性の悪化が抑制される。また、絶縁耐圧の低下が抑制される。
 また、多成分フィラー粒子20の粒径を3.0μm以下とすることにより、多成分フィラー粒子20と誘電体ガラス層21との屈折率差を最小限にとどめることができる。よって、屈折率差に起因したヘイズ値の悪化が抑制される。
 なお、平均粒径とは、体積累積平均径(D50)を意味する。粒径の測定には、レーザ回折式粒度分布測定装置MT-3300(日機装株式会社製)が用いられた。
 [3-1.誘電体ペーストの製造]
 誘電体ペーストは、誘電体ガラス微粒子が分散した誘電体ガラススラリーと多成分フィラー粒子20が分散したフィラー粒子スラリーとビヒクルから構成される。
 [3-1-1.誘電体ガラススラリー]
 誘電体ガラススラリーは、誘電体ガラス微粒子を10重量%~65重量%、溶媒を35重量%~90重量%含む。誘電体ガラス微粒子は、溶媒中に分散している。溶媒は、一例として、アルコール系やグリコール系や水系などを含む。
 誘電体ガラス微粒子は、一例として、B、SiO、KO、LiO、NaOなどを含む。
 誘電体ガラス微粒子は、低比誘電率と低軟化点の両方の特性を有することが好ましい。本実施の形態において、誘電体ガラス微粒子は、一例として、Bを20モル%~40モル%、SiOを12モル%~50モル%、アルカリ金属の酸化物を0.1モル%~20モル%、その他の成分を20モル%~50モル%含む。
 まず、例示された組成成分からなる誘電体ガラス材料が、湿式ジェットミルやボールミルなどによって粉砕される。粉砕によって、平均粒径が0.5μm~3.0μmになるように誘電体ガラス微粒子が作製される。本実施の形態にかかる誘電体ガラス微粒子の軟化点は、一例として、600℃以下である。
 誘電体ガラススラリーには、滑剤や分散剤などが添加されてもよい。このような構成の誘電体ガラススラリーは分散性が向上する。
 [3-1-2.多成分フィラー粒子20]
 多成分フィラー粒子20を製造する方法としては、溶融したガラスを粉砕する溶融粉砕法と、沈殿法やゲル法といった化学合成法がある。化学合成法は、シリカ粒子を製造するには非常に有効である。本実施の形態では、化学合成法によって、Bを含むSiO粉末である多成分フィラー粒子20が製造された。具体的には、溶剤中に硼酸塩および珪酸塩を高濃度で混合する液相法を利用した共沈法によって製造された。
 本実施の形態にかかる多成分フィラー粒子20の組成は、一例として、SiOを95モル%以上99.5モル%以下、Bを0.5モル%以上5.0モル%以下が好ましい。図3に示すように、Bの含有量3モル%を極小値として、誘電体層8のヘイズ値が変化している。Bが0.5モル%未満の場合、ヘイズ値を良化させる効果が極めて小さくなる。
 一方、Bが5.0モル%より大きくなった場合、誘電体層8の焼成時に誘電体ガラスフィラーとの結合が進行するという利点がある。しかし、多成分フィラー粒子20の製造時に、多成分フィラー粒子20同士の結合も容易に進行する。その結果、分散性が悪化する。
 また、化学合成法においては、アルカリ金属の酸化物(ROと称する。)が添加されたシリカ粒子を作成すること自体が非常に困難である。そこで本実施の形態では、変形例として、シリカ粒子にROを被覆した多成分フィラー粒子20が製造された。本実施の形態では、多成分フィラー粒子20は、溶剤中にシリカ粒子およびアルカリ金属の金属塩を混合し、熱処理を行うことによって製造された。
 熱処理は、誘電体層8の焼成温度以上であることが望ましい。焼成温度より低い温度では、誘電体層8の焼成時に多成分フィラー粒子20に吸着していたと推定される有機成分などの不純物ガスが大量に放出されるからである。また、熱処理の温度を高温にしすぎた場合、熱処理中に多成分フィラー粒子20同士が結合することが確認された。これらをふまえ本実施の形態では、熱処理は、600℃~1000℃の範囲で行われた。
 変形例における多成分フィラー粒子20の組成は、SiOを80モル%以上95モル%以下、ROを5モル%以上20モル%以下が好ましい。ROが20モル%より大きくなった場合、誘電体層8の焼成時に誘電体ガラスフィラーとの結合が進行するという利点がある。しかし、多成分フィラー粒子20の製造時に、多成分フィラー粒子20同士の結合も容易に進行する。その結果、分散性が悪化する。また、ROが5モル%より小さくなった場合、ヘイズ値を良化させる効果が極めて小さくなる。上述のように、多成分フィラー粒子20がROを含む場合におけるROの好ましい組成範囲は、多成分フィラー粒子20がBを含む場合におけるBの好ましい組成範囲より含有量が大きくなる方向にシフトする。共沈法による添加ではなく、被覆による添加のためと推測される。
 また、多成分フィラー粒子20は、B、ROの他にもZnO、MgO、CaOなどを含んでいてもよい。組成は、多成分フィラー粒子20の軟化点が、誘電体層8の焼成温度より高くなるように調整される。本実施の形態では、一例として、軟化点が700℃以上となるように、多成分フィラー粒子20の組成が調整された。
 [3-1-3.フィラー粒子スラリー]
 フィラー粒子スラリーは、多成分フィラー粒子20を1重量%以上20重量%以下、溶媒を80重量%以上99重量%以下含む。多成分フィラー粒子20は、溶媒中に分散している。多成分フィラー粒子20の主成分は、SiOである。しかし、Al、ZnO、酸化ガリウム(Ga)、または、これらの複合酸化物を主成分としても良い。多成分フィラー粒子20の軟化点は、一例として、700℃以上である。溶媒は、一例として、アルコール系やグリコール系や水系などを含む。
 フィラー粒子スラリーには滑剤や分散剤などが添加されてもよい。このような構成のフィラー粒子スラリーは分散性が向上する。
 [3-1-4.誘電体ペースト]
 誘電体ガラススラリーとフィラー粒子スラリーは、それぞれ別々に製造される。本実施の形態にかかる誘電体ペーストは、誘電体ガラススラリーとフィラー粒子スラリーとが混合分散されたものである。さらに、必要に応じてビヒクルなどのバインダ成分が混合分散される。
 バインダ成分は、エチルセルロースあるいはアクリル樹脂を1重量%~20重量%含むターピネオールあるいはブチルカルビトールアセテートである。また、誘電体ペーストには、可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルが添加されてもよい。分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して印刷性を向上させてもよい。なお、バインダ成分は、ガラス粒子粉砕時に用いられる溶媒と合わせてもよい。なお、バインダ成分を混合分散するタイミングは、誘電体ガラススラリーとフィラー粒子スラリーとが混合分散されるときに限られない。つまり、誘電体ガラススラリーあるいはフィラー粒子スラリーそれぞれの製造時でもよい。
 本実施の形態にかかる誘電体ペーストの製造方法によれば、誘電体ペースト中に誘電体ガラス微粒子と多成分フィラー粒子20とが均一に分散する。
 誘電体層8における多成分フィラー粒子20の含有量は、5体積%以上、20体積%以下であることが好ましい。多成分フィラー粒子20の含有量が5体積%より少ないと、誘電体層8の比誘電率を小さくすることが難しい。一方、多成分フィラー粒子20の含有量が20体積%を超えると、誘電体層8のヘイズ値が悪化する。また本実施の形態では、誘電体層8の比誘電率が5以下となるように多成分フィラー粒子20の含有量および粒径が上記範囲内で適宜規定される。これによりPDP1の消費電力の低減効果が得られる。
 誘電体層8における多成分フィラー粒子20の含有量を所定の範囲に収めるためには、誘電体ペースト中の多成分フィラー粒子20の含有量を所定の範囲に収めることが好ましい。つまり、規定された比率にしたがって、誘電体ガラススラリーとフィラー粒子スラリーとが混ぜ合わされればよい。あるいは、フィラー粒子スラリーの製造段階で、フィラー粒子スラリーにおける多成分フィラー粒子20の含有量を所定の範囲に収めてもよい。
 [3-2.誘電体層8の形成方法]
 誘電体層8を形成する方法として、スクリーン印刷法やダイコート法などが用いられる。まず、誘電体ペーストが、前面ガラス基板3上に塗布される。塗布された誘電体ペーストは、誘電体ペースト膜を構成する。誘電体ペースト膜の塗布膜厚は、焼成によって収縮する割合が考慮された上で、適宜設定される。次に、100℃から200℃の温度範囲で誘電体ペースト膜が乾燥される。次に、誘電体ペースト膜が焼成される。焼成温度は、450℃から600℃の範囲が好ましい。より好ましい焼成温度の範囲は、550℃から590℃である。焼成によって、多成分フィラー粒子20と誘電体ガラス層21とを有する誘電体層8が形成される。
 また、誘電体層8を形成する方法として、以下の方法も用いられる。まず、誘電体ペーストをフィルム上に塗布、乾燥させたシートが用いられる。次に、シートに形成された誘電体ペーストが前面ガラス基板3に転写される。次に、450℃から600℃、より好ましくは550℃から590℃の温度範囲で焼成されることにより、多成分フィラー粒子20と誘電体ガラス層21とを有する誘電体層8が形成される。
 なお、誘電体層8の膜厚が小さいほどPDP1の輝度が向上する。また、誘電体層8の膜厚が小さいほどPDP1の放電電圧が低減する。よって、絶縁耐圧が低下しない範囲で、できるだけ誘電体層8の膜厚が小さいことが好ましい。絶縁耐圧の観点と、可視光透過率の観点との両方から、本実施の形態では、一例として、誘電体層8の膜厚は10μm以上30μm以下である。
 なお、ヘイズ値の測定には、ヘイズ・透過率計「HM-150」(株式会社 村上色彩研究所製)が用いられた。実施例において、誘電体層8が形成された前面ガラス基板3に対して、波長550nmの単波長の光を前面ガラス基板3と直交する方向から入射させた時の光線透過率(可視光線透過率)およびヘイズ値が測定された。
 [5.まとめ]
 本実施の形態にかかるPDP1は、前面板2と、背面板10と、を備える。前面板2は、表示電極6と表示電極6を覆う誘電体層8とを有する。誘電体層8は、フィラー粒子である多成分フィラー粒子20とガラス層である誘電体ガラス層21とを含む。多成分フィラー粒子20は、SiOと添加物を有する。添加物は、B、ZnO、MgO、CaO、KO、LiOおよびNaOの群から選ばれる少なくとも1種である。
 本実施の形態にかかるPDP1は、低消費電力を実現し、かつ、光学特性の悪化が抑制される。また、絶縁耐圧の低下が抑制される。
 なお、誘電体ガラス層21は、B、ZnO、MgO、CaO、KO、LiOおよびNaOの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。多成分フィラー粒子20と誘電体ガラス層21とがよりなじむからである。
 さらに、誘電体ガラス層21は、多成分フィラー粒子20に含まれる添加物と同じ成分を含むことが好ましい。多成分フィラー粒子20と誘電体ガラス層21とが、さらになじむからである。
 さらに、多成分フィラー粒子20は、SiOおよびBを含み、多成分フィラー粒子20におけるBの含有量が0.5モル%以上5.0モル%以下であることが好ましい。誘電体層8において、光学特性の悪化が抑制されるからである。さらに、フィラー粒子スラリーにおいて分散性の悪化が抑制されるからである。
 以上のように本実施の形態に開示された技術は、低消費電力のPDPを実現できる。よって、大画面の表示デバイスなどに有用である。
 1  PDP
 2  前面板
 3  前面ガラス基板
 4  走査電極
 4a,5a  黒色電極
 4b,5b  白色電極
 5  維持電極
 6  表示電極
 7  ブラックストライプ(遮光層)
 8  誘電体層
 9  保護層
 10  背面板
 11  背面ガラス基板
 12  アドレス電極
 13  下地誘電体層
 14  隔壁
 15  蛍光体層
 16  放電空間
 20  多成分フィラー粒子
 21  誘電体ガラス層

Claims (4)

  1. 前面板と、前記前面板と対向して設けられる背面板とを備え、
     前記前面板は、表示電極と前記表示電極を覆う誘電体層とを有し、
      前記誘電体層は、フィラー粒子とガラス層とを含み、
       前記フィラー粒子は、SiOと添加物を有し、
        前記添加物は、B、ZnO、MgO、CaO、KO、LiOおよびNaOの群から選ばれる少なくとも1種である、
    プラズマディスプレイパネル。
  2. 前記ガラス層は、B、ZnO、MgO、CaO、KO、LiOおよびNaOの群から選ばれる少なくとも1種を含む、
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記ガラス層は、前記添加物と同じ成分を含む、
    請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記フィラー粒子は、SiOおよびBを含み、前記フィラー粒子におけるBの含有量が0.5モル%以上5.0モル%以下である、
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
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