JP2012028104A - 誘電体ペーストの製造方法および当該ペーストを用いたプラズマディスプレイパネル - Google Patents

誘電体ペーストの製造方法および当該ペーストを用いたプラズマディスプレイパネル Download PDF

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博之 安喰
Yukako Doi
由佳子 土居
Yasuhiko Nakada
泰彦 中田
Takashi Furuya
崇 古谷
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Abstract

【課題】誘電体層の機械的強度を確保しつつ、消費電力の低減が可能なプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイパネルは、少なくとも誘電体ガラス微粒子と中空微粒子とを有し、少なくとも、溶媒中に誘電体ガラス粒子を分散した誘電体ガラススラリーと、溶媒中に中空微粒子を分散した中空微粒子ガラススラリーとを混合して形成した誘電体ペーストによって、誘電体層を形成したことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

ここに開示された技術は、誘電体ペーストの製造方法と、当該誘電体ペーストを用いたプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)の表示電極を構成するバス電極には、導電性を確保するための銀電極が用いられている。バス電極を覆う誘電体層には、酸化鉛を主成分とする低融点ガラスが用いられている。近年、環境への配慮から、鉛成分を含まない誘電体層が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
PDPの消費電力低減のため、誘電体層の静電容量を小さくし、無効電力を低減することが求められている。すなわち、誘電体層の比誘電率を小さくすることが求められている。比誘電率が小さい誘電体層を形成するために、空孔を有する微粒子(以下、中空微粒子と称する)をガラス板上に堆積させる技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−128430号公報 特開2009−259566号公報
しかしながら、中空微粒子で構成された誘電体層においては、中空微粒子間の結合力が低下する場合がある。すなわち、誘電体層の機械的強度が低下して、誘電体層にクラックが発生するといった課題があった。
ここに開示された技術は、上記課題を解決するためになされたもので、誘電体層の機械的強度を確保しつつ、消費電力の低減が可能なPDPを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のPDPは、少なくとも誘電体ガラス微粒子と中空微粒子とを有し、溶媒中に誘電体ガラス粒子を分散した誘電体ガラススラリーと、溶媒中に中空微粒子を分散した中空微粒子ガラススラリーとを混合して形成した誘電体ペーストによって、誘電体層を形成したことを特徴とする。
このような構成によれば、ガラス層により中空微粒子間の結合力を確保できる。また、中空微粒子によって、誘電体層の比誘電率を小さくできる。
上記の構成によれば、誘電体層の機械的強度を確保しつつ、消費電力の低減が可能なPDPを提供できる。
本実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図 同前面板の構造を示す概略断面図 同球形の中空微粒子の正面図 図3におけるA−A断面図 本実施の形態における六面体の中空微粒子の斜視図 図5における一点鎖線部の断面図
(実施の形態)
[1.PDP1の構成]
本実施の形態のPDP1は、交流面放電型PDPである。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して配置される。前面板2と背面板10の外周部がガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、NeおよびXeなどの放電ガスが55kPa〜80kPaの圧力で封入される。
前面ガラス基板3上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6とブラックストライプ(遮光層)7が互いに平行にそれぞれ複数列配置される。前面ガラス基板3上には、表示電極6と遮光層7とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成される。さらに、誘電体層8の表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が形成される。
また、背面ガラス基板11上には、前面板2の表示電極6と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置される。さらに、アドレス電極12を覆うように下地誘電体層13が形成される。さらに、アドレス電極12の間に形成された下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成される。隔壁14の間には、紫外線によって赤色に発光する蛍光体層15と、青色に発光する蛍光体層15および緑色に発光する蛍光体層15が順番に形成される。
表示電極6とアドレス電極12とが交差する位置に放電セルが形成される。赤色に発光する蛍光体層15を有する放電セルと、青色に発光する蛍光体層15を有する放電セルと、緑色に発光する蛍光体層15を有する放電セルとによりカラー表示をする画素が形成される。
[2.PDP1の製造方法]
[2−1.前面板2の製造方法]
図2に示すように、前面ガラス基板3上に、走査電極4および維持電極5と遮光層7とが形成される。表示電極6は、走査電極4および維持電極5を有する。走査電極4および維持電極5は、導電性を確保するための銀(Ag)を含む白色電極4b、5bを有する。また、走査電極4および維持電極5は、画像表示面のコントラストを向上するため黒色顔料を含む黒色電極4a、5aを有する。白色電極4bは、黒色電極4aに積層される。白色電極5bは、黒色電極5aに積層される。
具体的には、黒色顔料を含む黒色ペーストが、スクリーン印刷法などによって前面ガラス基板3に塗布されることにより、黒色ペースト層(図示せず)が形成される。次に、黒色ペースト層(図示せず)が、フォトリソグラフィ法によりパターニングされる。次に、銀(Ag)を含む白色ペーストが、スクリーン印刷法などによって、黒色ペースト層(図示せず)上に塗布されることにより、白色ペースト層(図示せず)が形成される。次に、白色ペースト層(図示せず)と黒色ペースト層(図示せず)が、フォトリソグラフィ法によりパターニングされる。その後、現像ステップを経て、黒色ペースト層(図示せず)および白色ペースト層(図示せず)が焼成されることにより、表示電極6である白色電極4b、5b、黒色電極4a、5a、および遮光層7が形成される。
次に、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペーストがダイコート法などにより塗布されることにより、誘電体ペースト層(図示せず)が形成される。その後、所定の時間が経過すると、誘電体ペースト層(図示せず)の表面がレベリングし、平坦になる。その後、誘電体ペースト層が焼成されることにより、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。
なお、誘電体ペーストは、ガラス粉末などの誘電体ガラス、バインダおよび溶剤を含む塗料である。
次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が真空蒸着法により形成される。
以上の工程により前面ガラス基板3上に走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9が形成され、前面板2が完成する。
[2−2.背面板10の製造方法]
図1に示すように、背面板10は、以下のように形成される。
背面ガラス基板11上に、アドレス電極12が形成される。具体的には、銀(Ag)を含むペーストがスクリーン印刷法により、背面ガラス基板11上に塗布されることにより、アドレス電極ペースト層(図示せず)が形成される。次に、アドレス電極ペースト層(図示せず)が、フォトリソグラフィ法により、パターニングされることにより、アドレス電極12用の構成物となる材料層(図示せず)が形成される。その後、材料層(図示せず)が所定の温度で焼成されることにより、アドレス電極12が形成される。ここで、ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、スパッタ法、蒸着法などにより、金属膜を背面ガラス基板11上に形成する方法が採用される。
次に、アドレス電極12が形成された背面ガラス基板11上にダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように下地誘電体ペーストが塗布されることにより、下地誘電体ペースト層(図示せず)が形成される。その後、下地誘電体ペースト層(図示せず)が焼成されることにより、下地誘電体層13が形成される。なお、下地誘電体ペーストはガラス粉末などの下地誘電体材料とバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストが塗布されることにより、隔壁ペースト層(図示せず)が形成される。隔壁ペースト層(図示せず)がフォトリソグラフィ法により、パターニングされることにより、隔壁14の材料層となる構成物(図示せず)が形成される。次に、構成物(図示せず)が、焼成されることにより隔壁14が形成される。ここで、下地誘電体層13上に塗布された隔壁ペースト層をパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法の他に、サンドブラスト法などが採用される。
次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上および隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストが塗布される。次に、蛍光体ペーストが焼成されることにより蛍光体層15が形成される。
以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
[2−3.前面板2と背面板10との組立方法]
まず、表示電極6とアドレス電極12とが直交するように、前面板2と背面板10とが対向配置される。次に、前面板2と背面板10の周囲がガラスフリットで封着される。次に、放電空間16にNe、Xeなどを含む放電ガスが封入されることによりPDP1が完成する。
[3.誘電体層8の詳細]
誘電体層8は、低比誘電率、高耐電圧かつ高光透過率を要求される。これらの特性は、誘電体層8の構造に大きく依存する。図2に示すように、誘電体層8は、中空微粒子20とガラス層である誘電体ガラス層22とを含む。本実施の形態において中空微粒子20は、誘電体層8中に分散している。なお、説明の便宜のため、図2に示される中空微粒子20の大きさおよび数は、実際の製品とは異なる。
後述されるように、中空微粒子20が、誘電体層8中に均一に分散しているか否かは、種々の測定方法によって判断される。例えば、前面板2の可視光線透過率を測定する方法がある。中空微粒子20が誘電体層8中に均一に分散していなければ、可視光線透過率が低下する。他には、例えば、前面板2のヘイズ値を測定する方法がある。中空微粒子20が誘電体層8中に均一に分散していなければ、ヘイズ値が大きくなる。
従来、450℃から600℃程度での焼成を可能にするために、誘電体ガラスは、20重量%以上の酸化鉛を含有していた。しかし、本実施の形態においては、環境への配慮のため、誘電体ガラスは、酸化鉛を含有しない。すなわち、誘電体層8は、酸化鉛を含有しない。
[3−1.誘電体ペーストの製造]
誘電体ペーストは、誘電体ガラス微粒子が分散した誘電体ガラススラリーと中空微粒子20が分散した中空微粒子スラリーとビヒクルから構成される。
[3−1−1.誘電体ガラススラリー]
誘電体ガラススラリーは、誘電体ガラス微粒子10重量%〜65重量%と溶媒35重量%〜90重量%とから構成される。誘電体ガラス微粒子は、一例として、三酸化二硼素(B23)と二酸化珪素(SiO2)とアルカリ金属の酸化物である酸化カリウム(K2O)や酸化リチウム(Li2O)や酸化ナトリウム(Na2O)などを含む。溶媒は、一例として、アルコール系やグリコール系や水系などを含む。
まず、例示した組成成分からなる誘電体ガラス材料が、湿式ジェットミルやボールミルにより平均粒径が10nm〜100nm、かつ最大粒径が400nm以下となるように粉砕されて誘電体ガラス微粒子が作製される。本実施の形態において、誘電体ガラス微粒子の粒径は、内接球直径で規定される。内接球直径とは、誘電体ガラス微粒子の内部に球を挿入したと仮定して、球の表面が誘電体ガラス微粒子に内接可能な最大の直径である。作製される誘電体ガラス微粒子の形状は、おおよそ球状のものや、鱗片状のものなどがある。おおよそ球状であるものに対しては平均粒径が10nm〜100nm、かつ最大粒径が400nm以下である。なお、粒径は、SEM(Secondary Eletoemission Microscopy)装置によって測定された値である。中空微粒子20が均一に分散した誘電体ガラススラリーを製造するためには、誘電体ガラス微粒子の粒径を規定することが好ましい。誘電体ガラス微粒子の平均粒径が100nmを超え、また最大粒径が400nmを超えると、誘電体層8が形成されたときに中空微粒子20が偏って分布する。これは、誘電体ガラススラリーと、後述される中空微粒子スラリーとの混合時に、誘電体ガラス微粒子の周縁に、中空微粒子20が分布し、偏りが焼成後も維持されるためである。このような誘電体層8では、可視光が誘電体層8中で散乱して、可視光線透過率が低下する場合がある。よって、誘電体ガラス微粒子の平均粒径は、10nm〜100nm、かつ最大粒径が400nm以下であることが好ましい。
誘電体ガラススラリーには、滑剤や分散剤などが添加されてもよい。このような構成の誘電体ガラススラリーは分散性が向上する。
[3−1−2.中空微粒子スラリー]
中空微粒子スラリーは、中空微粒子20が1重量%〜20重量%と溶媒が80重量%〜99重量%とを混合分散させたものである。中空微粒子20の主成分は、一例として、二酸化珪素(SiO2)である。酸化アルミニウム(Al23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ガリウム(Ga23)、または、これらの複合酸化物なども用いることができる。図3および図4には、外形が球形の中空微粒子20が例示されている。図4に示すように、中空微粒子20は、内部に中空部21を有する中空構造である。なお、中空微粒子20の外形は、球形に限られない。例えば、図5および図6には、外形が六面体の中空微粒子20が例示されている。図6に示すように、中空微粒子20は、内部に中空部21を有する中空構造である。なお、中空微粒子20は、六面体に限られず、八面体などの多面体でもよい。溶媒は、一例として、アルコール系やグリコール系や水系などを含む。
本実施の形態において、中空微粒子20は、平均粒径が10nm以上、120nm以下、かつ最大粒径が400nm以下である。図4に示すように、中空微粒子20が球形の場合、粒径は、中空微粒子20の外直径である。なお、中空微粒子20が多面体の場合、粒径は、内接球直径で規定される。なお、粒径は、SEM装置によって測定された値である。中空微粒子20の最大粒径が大きくなると前面板の可視光線透過率が低下する。中空微粒子20の最大粒径が、可視光線の最短波長である400nm以下であれば、可視光線透過率は、75%以上を確保できる。また、中空微粒子20の粒径が、可視光線の最短波長の1/4波長に相当する100nm以下であれば、中空微粒子20間の光散乱が抑制される。よって、中空微粒子20の平均粒径は100nm以下が好ましい。
また、中空微粒子20は、空間率で10%以上、60%以下が好ましい。空間率が10%より小さい場合は、比誘電率が上昇する。空間率が60%より大きい場合は、中空微粒子20の壁が薄くなることにより、中空微粒子20の形状を確保することが困難になる。なお、空間率は、中空微粒子20の内部空間である中空部21の体積を中空微粒子20の体積で除算した値である。
中空微粒子20は、有機粒子プレート法や、無機粒子プレート法などにより製造される。有機粒子プレート法は、ポリスチレンなどの有機コア粒子の周りに表面電荷により選択的に目的の酸化物を析出させる。有機コア粒子の表面が酸化物で被覆された後、有機コア粒子が除去される。無機粒子プレート法は、炭酸カルシウムなどのコア粒子の周りに目的の酸化物がコーティングされる。無機コア粒子の表面が酸化物で被覆された後、無機コア粒子が溶解除去される。
有機粒子プレート法においても、無機粒子プレート法においても、中空微粒子20の粒径および空間率は、有機コア粒子または無機コア粒子の粒径と、被覆される酸化物の膜厚に依存する。すなわち、有機コア粒子または無機コア粒子の粒度分布を所定の範囲に収めること、および酸化物の膜厚を所定の範囲に収めることにより、中空微粒子20の粒径および空間率を制御することができる。中空微粒子スラリーには滑剤や分散剤などが添加されてもよい。このような構成の中空微粒子スラリーは分散性が向上する。
[3−1−3.誘電体ペースト]
上述のように、誘電体ガラススラリーと中空微粒子スラリーは、別々に製造される。誘電体ペーストを前面ガラス基板に塗布する前に、誘電体ガラススラリーと中空微粒子スラリーとが混合分散される。さらに、必要に応じてビヒクルなどバインダ成分が混合分散される。バインダ成分はエチルセルロースあるいはアクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むターピネオールあるいはブチルカルビトールアセテートである。また、誘電体ガラス用ペーストには、可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルが添加されてもよい。なお、バインダ成分はガラス粒子粉砕時溶媒に合わせて選定してもよい。
なお、バインダを混合分散するタイミングはこの限りではない。
このような誘電体ペーストの製造方法によれば、誘電体ペースト中に誘電体ガラス微粒子と中空微粒子20とが均一に分散する。
誘電体層8における中空微粒子20の含有量は、10体積%以上、74体積%以下であることが好ましい。中空微粒子20の含有量が10体積%より少ないと、誘電体層8の比誘電率を小さくすることが難しい。一方、中空微粒子20の含有量が74体積%を超えると、誘電体層8の密度が低下するため、機械的強度が低下する。すなわち、誘電体層8にクラックが発生しやすくなる。さらに誘電体層8の機械的強度を確保するために、中空微粒子20の含有量は、50体積%以下であることが好ましい。
誘電体層8における中空微粒子20の含有量を所定の範囲に収めるためには、誘電体ペースト中の中空微粒子20の含有量を所定の範囲に収めることが好ましい。すなわち、規定された比率にしたがって、誘電体ガラススラリーと中空微粒子スラリーとが混ぜ合わされればよい。あるいは、中空微粒子スラリーの製造段階で、中空微粒子スラリーにおける中空微粒子20の含有量を所定の範囲に収めてもよい。
[3−2.誘電体層8の形成方法]
誘電体層8を形成する方法として、スクリーン印刷法やダイコート法などが用いられる。まず、誘電体ペーストが、前面ガラス基板3上に塗布される。誘電体ペースト層の塗布膜厚は、焼成によって収縮する割合が考慮された上で、適宜設定される。次に、100℃から200℃の温度範囲で誘電体ペースト層が乾燥される。次に、450℃から600℃の温度範囲、より好ましくは550℃から590℃の温度範囲で焼成されることにより、中空微粒子20と誘電体ガラス層22とからなる誘電体層8が形成される。
また、誘電体層8を形成する方法として、以下の方法も用いられる。まず、誘電体ペーストをフィルム上に塗布、乾燥させたシートが用いられる。次に、シートに形成された誘電体ペーストが前面ガラス基板3に転写される。次に、450℃から600℃、より好ましくは550℃〜590℃の温度範囲で焼成されることにより、中空微粒子20と誘電体ガラス層22とからなる誘電体層8が形成される。
なお、誘電体層8の膜厚が小さいほどPDP1の輝度が向上する。また、誘電体層8の膜厚が小さいほどPDP1の放電電圧が低減する。よって、絶縁耐圧が低下しない範囲で、できるだけ誘電体層8の膜厚が小さいことが好ましい。絶縁耐圧の観点と、可視光透過率の観点との両方から、本実施の形態では、一例として、誘電体層8の膜厚は10μm以上、41μm以下である。
[4.まとめ]
本実施の形態のPDP1は、前面板2と、背面板10と、を備え、前面板2と背面板10とが対向配置されるとともに周囲が封着される。前面板2は、表示電極6と表示電極6を覆う誘電体層8とを有する。誘電体層8は、内部が中空である中空微粒子20とガラス層である誘電体ガラス層22とを含む。中空微粒子20は、誘電体層8中に分散している。
このような構成によれば、誘電体ガラス層22により中空微粒子20相互の結合力を確保できる。また、中空微粒子20の内部は中空であるため、中空微粒子20内部の比誘電率は約1.0である。よって中空微粒子20自体の比誘電率は1.0に近い値になる。よって、誘電体層8の比誘電率を小さくできる。
なお、誘電体層8に均一に分散された中空微粒子20の一部は、中空形状が破断した(割れた)形状を呈していてもよい。すなわち、誘電体層8中には、中空微粒子20の破片が分散してもよい。割れて一部が開いた中空微粒子20の内部にはガラスは入り込まず中空は維持される。よって、中空微粒子20の一部が割れていても、割れていない中空微粒子20と同等の効果を得られる。さらに、割れた中空微粒子20の破片が誘電体ガラス微粒子の隙間に入り込んだ場合でも、緻密な膜になり、膜強度が向上する。
また、誘電体ペーストの塗布後から時間が経過すると、中空微粒子20は、誘電体ペーストよりも比重が軽いため、誘電体ペースト層の表面側、すなわち対向配置する背面板側へ移動する。この状態で、前面ガラス基板3を乾燥させると、前面ガラス基板3側の中空微粒子20の含有量と、背面板10側の中空微粒子20の含有量とが異なるようになり、誘電体層8の厚み方向に中空微粒子20の含有量に勾配が生じる。
このように、誘電体層8における屈折率は、誘電体層8の厚み方向に勾配が生じてもよい。誘電体層8の前面ガラス基板3側における中空微粒子20の含有量が少なくなると屈折率が相対的に高くなる。誘電体層8の表面側における中空微粒子20の含有量が多くなると、屈折率が相対的に低くなる。この構成によれば、前面ガラス基板3と誘電体層8との界面の屈折率差が低減される。また、放電ガスが封入されている放電空間と誘電体層8との界面の屈折率差が低減される。すなわち、前面ガラス基板3と誘電体層8との界面および放電空間と誘電体層8との界面での反射率が低減される。よって、発光取り出し効率が向上し、さらに、外光反射率が低減する。
[5.実施例]
PDPが作製され、PDPの性能が評価された。作製されたPDPは、42インチクラスのハイビジョンテレビに適合するものである。すなわち、PDPは、前面板と、背面板と、を備え、前面板と背面板とが対向配置されるとともに周囲が封着されている。前面板は、表示電極と誘電体層と保護層とを有する。背面板は、アドレス電極と、下地誘電体層と、隔壁と、蛍光体層とを有する。PDP1には、キセノン(Xe)の含有量が15体積%のネオン(Ne)−キセノン(Xe)系の混合ガスが、60kPaの内圧で封入された。また、表示電極と表示電極との電極間距離は、0.06mmである。隔壁の高さは0.15mm、隔壁と隔壁との間隔(セルピッチ)は0.15mmである。
中空微粒子スラリーには、無機粒子プレート法で作製された中空微粒子(主成分:SiO2、空間率:50%、平均粒径:100nm、最大粒径:200nm、形状:球)が用いられた。誘電体ガラススラリーには、上述の方法で作製された誘電体ガラス微粒子(比誘電率:6.0、平均粒径100nm、最大粒径:200nm)が用いられた。誘電体ペーストを塗布する直前に、中空微粒子スラリーと、誘電体ガラススラリーとが混ぜ合わされた。誘電体ペーストは、ダイコート法で前面基板に塗布された。塗布膜の膜厚は、焼成後の誘電体層の膜厚が15μmになるように設定された。誘電体層における中空微粒子の含有率は20体積%であった。誘電体層の比誘電率は、4.0であった。比誘電率の測定にはLCRメーターが用いられた。比誘電率は、周波数が1kHzのときの値である。
上述のように前面ガラス基板に誘電体層が形成された基板の可視光線透過率は、80%であった。すなわち、実施例において、中空微粒子が、誘電体層中に均一に分散していることを示している。誘電体層の絶縁破壊はなく、誘電体層の機械的強度は確保されていた。さらに、実施例におけるPDPの消費電力は、従来の誘電体層を有するPDPよりも10%低減できた。
また、実施例における誘電体層8のヘイズ値は、30%であった。なお、ヘイズ値の測定には、ヘイズ・透過率計「HM−150」(株式会社 村上色彩研究所製)が用いられた。実施例において、誘電体層が形成された前面ガラス基板に対して、波長550nmの単波長の光を前面ガラス基板と直交する方向から入射させた時の光線透過率(可視光線透過率)およびヘイズ値が測定された。ヘイズ値からも実施例において、中空微粒子が、誘電体層中に均一に分散していることがわかる。
本発明は、低消費電力のPDPを実現して、大画面の表示デバイスなどに有用である。
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a、5a 黒色電極
4b、5b 白色電極
5 維持電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ(遮光層)
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 アドレス電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間
20 中空微粒子
21 中空部
22 誘電体ガラス層

Claims (2)

  1. 少なくとも誘電体ガラス微粒子と中空微粒子とを有し、
    少なくとも、溶媒中に前記誘電体ガラス粒子を分散した誘電体ガラススラリーと、溶媒中に前記中空微粒子を分散した中空微粒子ガラススラリーとを、混合するステップを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの誘電体ペーストの製造方法。
  2. 請求項1に記載の誘電体ペーストによって、誘電体層を形成したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
JP2010164569A 2010-07-22 2010-07-22 誘電体ペーストの製造方法および当該ペーストを用いたプラズマディスプレイパネル Pending JP2012028104A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104078091A (zh) * 2013-03-27 2014-10-01 比亚迪股份有限公司 晶体硅太阳电池的向光面种子层银浆及其制备方法、晶体硅太阳电池及其制备方法

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CN104078091A (zh) * 2013-03-27 2014-10-01 比亚迪股份有限公司 晶体硅太阳电池的向光面种子层银浆及其制备方法、晶体硅太阳电池及其制备方法

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