WO2012114644A1

WO2012114644A1 - 補聴器

Info

Publication number: WO2012114644A1
Application number: PCT/JP2012/000186
Authority: WO
Inventors: 正浩石橋; 芳真下河内; 剛史梅田; 崇藤川
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2011-02-25
Filing date: 2012-01-13
Publication date: 2012-08-30
Also published as: US20120321114A1; EP2521379A4; EP2521379A1; JP4993023B1; JP2012178668A; US8538056B2

Abstract

　補聴器（１００）は、耳（１）の背面に装着される本体ケース（２）と、本体ケース（２）にその一端が連結され、他端がイヤチップ（６）に連結される音導体（３）と、音導体（３）の他端に連結されたイヤチップ（６）を耳（１）の外耳道（７）に保持するための係合具（８）と、を備える。係合具（８）は、リング形状を有し、イヤチップ（６）側に配される第１円弧部（８ａ）と、第１円弧部（８ａ）より大きく第１円弧部（８ａ）に対向配置された第２円弧部（８ｂ）と、第１円弧部（８ａ）の一端と第２円弧部（８ｂ）の一端とを結ぶ第１連結部（８ｃ）と、第１円弧部（８ａ）の他端と第２円弧部（８ｂ）の他端とを結ぶ第２連結部（８ｄ）と、により構成される。第２連結部（８ｄ）は、その中部が第１連結部（８ｃ）側に突出した形状を有する。この構成により、補償器（１００）の装着作業を容易にすることができる。

Description

補聴器

　本発明は、耳掛けタイプの補聴器に関する。

　従来のこの種の補聴器として、耳の背面に装着される本体ケースと、この本体ケースにその一端側が連結され他端側がイヤチップに連結されるひも状の音導体とを備え、音導体の他端側に、耳の対耳珠に係合させるひも状の係合具を取り付けたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。この補聴器は、本体ケースを耳の背面側に装着し、イヤチップを外耳道に挿入後、係合具を耳の対耳珠に係合させることにより、イヤチップが外耳道から外れないようにしている。

　上記補聴器においては、ひも状の係合具は、補聴器を装着する個人の耳の大きさが異なることから、長めに設定されている。従って、耳の小さな人に補聴器を装着する場合には、係合具の先端側を、例えばハサミなどの切断具で切断し、長さ調整を行うようにしていた。つまり、補聴器を装着する個人の耳の大きさに合わせるためには、上述のような切断具による係合具の切断が必要であり、補聴器の装着作業が煩雑であった。

　そこで、補聴器の音導体の他端側に、耳の耳珠に係合させるリング状の係合具を取り付けたものが提案されている（例えば、特許文献２参照）。この補聴器では、ひも状の係合具の一端側にその他端側を連結させることでリング状とし、かつ他端側を引いたり伸ばしたりすることで、そのリングの大きさを可変としている。このような構成によって、補聴器を装着する個人の耳の大きさの違いに対応するようにしていた。

米国特許出願公開第２００５／０００２５３９号明細書米国特許出願公開第２００６／０２１５８６４号明細書

　しかしながら、上記特許文献２に示された補聴器であっても、上述のごとく、ひも状の他端側を引いたり伸ばしたりする作業は必要となる。よって、実作業では、一度耳に補聴器を装着した状態でリング状の係合具の装着具合を確認した後、再び、補聴器を取り外した状態でひも状の係合具の他端側を引いたり伸ばしたりする作業を繰り返すこととなり、これも装着作業が煩雑であった。
　そこで、本発明は、補聴器の装着作業を容易化することを目的とするものである。

　そしてこの目的を達成するために、本発明の一つの観点によれば、耳の背面に装着される本体ケースと、本体ケースにその一端が連結され、他端がイヤチップに連結される音導体と、音導体の他端に連結されたイヤチップを耳の外耳道に保持するための係合具と、を備え、係合具は、リング形状を有し、同リング形状は、イヤチップ側に配される第１円弧部と、第１円弧部より大きく第１円弧部に対向配置された第２円弧部と、第１円弧部の一端と第２円弧部の一端とを結ぶ第１連結部と、第１円弧部の他端と第２円弧部の他端とを結ぶ第２連結部と、により構成され、第２連結部は、その中部が前記第１連結部側に突出した形状を有する、補聴器が提供される。

　本発明によれば、補聴器の装着作業を容易化することができる。

本発明の一実施形態にかかる補聴器を耳に装着した状態を示す側面図上記実施形態にかかる補聴器を耳に装着した状態を示す正面図同補聴器の係合具の側面図同係合具を装着した補聴器の側面図

　以下に、本発明の一実施形態を図面とともに詳細に説明する。
＜１　実施の形態１＞
＜１．１　補聴器１００＞
　図１は、本発明の一実施形態にかかる補聴器１００を耳に装着した状態を示す側面図であり、図２は、同正面図である。補聴器１００は、耳１の背面側に本体ケース２を引っ掛けた状態で耳１に装着される。

　補聴器１００は、本体ケース２と、ひも状の音導体３と、結合部４と、イヤチップアダプタ５と、イヤチップ６と、リング状の係合具８と、を備える。
　結合部４は、本体ケース２の上部に設けられ、ひも状の音導体３の一端が連結されている。
　イヤチップアダプタ５は、音導体３の他端側に取り付けられており、イヤチップ６に連結されている。

　イヤチップ６は、本実施形態においては図２のごとく耳１の外耳道７内に、そのすべての部分が挿入される構造になっている。
　補聴器１００が耳１に装着されたとき、ひも状の音導体３は、図１で理解されるように、本体ケース２の上部の結合部４に連結される一端側から略円弧を描きながら外耳道７の外側まで延び、そこからは、図２で理解されるように、外耳道７に向かって緩やかにカーブする形状となっている。

　リング状の係合具８は、イヤチップアダプタ５に取り付けられている。この係合具８が耳珠９および対耳珠１０から対耳輪１０ａにかけて当接することで、イヤチップ６が安定して耳１に固定されることとなる。

＜１．２　係合具８＞
　次に、図３を用いて係合具８について詳細に説明する。係合具８は、変形自在の軟質材質でできており、例えばシリコンゴムなどが使用される。
　この係合具８は、イヤチップ６側に配される凸形状小円弧８ａ（第１円弧部の一例）と、この凸形状小円弧８ａより大きく凸形状小円弧８ａに対向配置された凸形状大円弧８ｂ（第２円弧部の一例）と、凸形状小円弧８ａの前端側と凸形状大円弧８ｂの前端側とを結ぶ前辺８ｃ（第１連結部の一例）と、凸形状小円弧８ａの後端側と凸形状大円弧８ｂの後端側とを結ぶ後辺８ｄ（第２連結部の一例）と、により構成されたリング形状である。後辺８ｄは、その中部が前辺８ｃ側に突出した凹形状を有する。

　また、この係合具８の凸形状小円弧８ａには、リング状内に突入する形状の結合部１１を一体形成している。
　図４は、補聴器１００に係合具８を取り付けた状態を示す図である。
　係合具８は、その結合部１１を、イヤチップアダプタ５の、外耳道７の入り口部分に配置される孔１２に差し込むことにより、イヤチップアダプタ５に連結される。係合具８がイヤチップアダプタ５に連結された状態では、外耳道７の一番奥にイヤチップ６があり、イヤチップアダプタ５を経由して、係合具８が外耳道７の入り口辺りに配置される（図２参照）。

＜１．３　補聴器１００の使用＞
　補聴器１００を耳１に装着する場合には、まず、本体ケース２を図１のごとく耳１の後ろ側に配置し、その後、イヤチップ６を図２のごとく外耳道７に挿入する。そして、係合具８を図２のごとく耳１内に装着する時には、まず、前辺８ｃ側を耳珠９の裏側に入れる。次に、凸形状大円弧８ｂ側を対耳珠１０の裏側に入れる。すると、図４と図１の比較からも理解されるように、凸形状大円弧８ｂは凸形状小円弧８ａ側へと押されて変形する。このとき、個人の耳の大きさに合致するように係合具８の長さ方向の調整が行われることとなる。

　このように、係合具８の凸形状大円弧８ｂが凸形状小円弧８ａ側へと押された状態に変形できるのは、その後辺８ｄの中部が前辺８ｃ側に突出した凹形状になっているためである。この後辺８ｄは、その上端（凸形状小円弧８ａ側）と下端（凸形状大円弧８ｂ側）とが互いに近づくようにして、前辺８ｃ側に変位可能な形状、又は折りたたまれるように変形することができる構成を有する。

＜１．４　効果＞
　本実施形態においては、補聴器１００の係合具８は、イヤチップ６側に配される凸形状小円弧８ａと、この凸形状小円弧８ａより大きく凸形状小円弧８ａに対向配置された凸形状大円弧８ｂと、凸形状小円弧８ａの前端側と凸形状大円弧８ｂの前端側とを結ぶ前辺８ｃと、凸形状小円弧８ａの後端側と凸形状大円弧８ｂの後端側とを結ぶ後辺８ｄと、により構成されたリング状であり、後辺８ｄは、その中部が前辺８ｃ側に突出した凹形状を有する。このような構成により、補聴器１００を装着する個人の耳の大きさに合わせて、係合具８の後辺８ｄが折りたたまれる方向に変位することとなる。

　つまり、補聴器１００を装着する個人の耳の大きさにかかわらず、この係合具８を耳に装着するだけで、その係合具８の後辺８ｄ側が折りたたまれる方向に変位することで、係合具８の大きさ調整が行える。この結果として、補聴器１００の装着作業を容易化することができる。
　また、本実施形態においては、係合具８の後辺８ｄ側が折りたたまれる方向に変位すると、凸形状小円弧８ａと前辺８ｃとは、耳１の前方側（図３の矢印Ａ方向）に移動させられるモーメントが働く。その結果として、前辺８ｃは図１のごとく、耳珠９の裏側に押し付けられることとなる。この状態においては、前辺８ｃは耳珠９の裏側、凸形状大円弧８ｂは図１のごとく対耳珠１０の裏側に押し付けられることとなる。これにより、係合具８は耳１に安定した状態で保持され、また、それに係合されたイヤチップアダプタ５及びイヤチップ６は外耳道７に極めて安定した状態で保持されることになる。

＜１．５　特徴＞
　以上のように、上記実施形態に係る補聴器は、耳の背面に装着される本体ケースと、本体ケースにその一端側が連結され、他端がイヤチップに連結される音導体３、音導体の他端に連結されたイヤチップを耳の外耳道に保持するための係合具とを備え、係合具は、リング形状を有し、同リング形状は、イヤチップ側に配される第１円弧部と、同第１円弧部より大きく同第１円弧部に対向配置された第２円弧部と、第１円弧部の一端と第２円弧部の一端とを結ぶ第１連結部と、第１円弧部の他端と第２円弧部の他端とを結ぶ第２連結部と、により構成され、第２連結部は、その中部が第１連結部側に突出した形状を有する。このため、補聴器の装着作業を容易にすることができる。

＜２　その他実施形態＞
　本発明は上記実施の形態に限定されないのは勿論である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施変更することができる。

　例えば、上記実施の形態では音導体３は音道パイプにより形成しているが、音を電気信号で伝える音信号伝送ワイヤによって形成しても良い。

　本発明は、補聴器として利用できる。

１　耳
２　本体ケース
３　音導体
４　結合部
５　イヤチップアダプタ
６　イヤチップ
７　外耳道
８　係合具
８ａ　凸形状小円弧
８ｂ　凸形状大円弧
８ｃ　前辺
８ｄ　後辺
９　耳珠
１０　対耳珠
１０ａ　対耳輪
１１　結合部
１２　孔
１００　補聴器

Claims

　耳の背面に装着される本体ケースと、
　前記本体ケースにその一端が連結され、他端がイヤチップに連結される音導体と、
　前記音導体の前記他端に連結された前記イヤチップを耳の外耳道に保持するための係合具と、
を備え、
　前記係合具は、リング形状を有し、
　前記リング形状は、前記イヤチップ側に配される第１円弧部と、前記第１円弧部より大きく前記第１円弧部に対向配置された第２円弧部と、前記第１円弧部の一端と前記第２円弧部の一端とを結ぶ第１連結部と、前記第１円弧部の他端と前記第２円弧部の他端とを結ぶ第２連結部と、により構成され、
　前記第２連結部は、その中部が前記第１連結部側に突出した形状を有する、
補聴器。
　前記係合具の前記第１連結部は略直線状である、
請求項１に記載の補聴器。
　前記係合具は、前記第１円弧部側に、前記音導体の他端を保持するための結合部を有する、
請求項１または２に記載の補聴器。
　前記音導体は、音道パイプにより形成した、
請求項１から３のいずれか一つに記載の補聴器。
　前記音導体は、音信号伝送ワイヤにより形成した、
請求項１から３のいずれか一つに記載の補聴器。
　前記係合具は、変形自在の材質からなる、
請求項１から５のいずれか一つに記載の補聴器。
　前記係合具の前記第２連結部は、前記第２円弧部が前記第１円弧部側へ押されたとき、前記第1連結部側に変位可能な形状を有する、
請求項１から６のいずれか一つに記載の補聴器。