WO2012063729A1

WO2012063729A1 - 表示装置

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Publication number: WO2012063729A1
Application number: PCT/JP2011/075402
Authority: WO
Inventors: 小山　佳英
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2010-11-11
Filing date: 2011-11-04
Publication date: 2012-05-18

Abstract

　輝度ムラを低減することが可能な表示装置を提供する。この表示装置は、液晶表示パネル（１０）と、レンズシート（２６）と、基材（３１）の一方面上に硬粘着材（３２）が設けられ、他方面上に軟粘着材（３３）が設けられた構造とされているとともに、液晶表示パネル（１０）およびレンズシート（２６）を互いに接着する両面テープ（３０）とを備えている。そして、硬粘着材（３２）が液晶表示パネル（１０）に接着され、軟粘着材（３３）がレンズシート（２６）に接着されている。

Description

表示装置

　本発明は、表示パネルに映像を表示する表示装置に関する。

　表示装置の一つである液晶表示装置では、表示パネルとしての液晶表示パネルが非発光であるため、液晶表示パネルの裏面側（液晶表示パネルの表示面側とは反対側）にバックライトユニットを設置し、そのバックライトユニットからの光で液晶表示パネルを照明するようになっている。

　また、液晶表示装置に設置されるバックライトユニットは、大別すると直下型方式とエッジライト型方式との２つに分類される。

　直下型のバックライトユニットとは、液晶表示パネルの直下（液晶表示パネルの裏面と対向する領域）に光源を配置したものである。このような直下型のバックライトユニットは、大面積を高出力で照明するのに有利であって、大型サイズの液晶表示装置に使用されることが多い。

　その一方、エッジライト型のバックライトユニットとは、液晶表示パネルの直下に導光板を配置し、その導光板の所定の側端面と対向するように光源を配置したものである。そして、一般的に、光拡散を行うための拡散シートおよび集光を行うためのレンズシートが導光板の前面（液晶表示パネル側に向けられる面）上に順次配置されている。このようなエッジライト型のバックライトユニットは、直下型のバックライトユニットよりも薄型にできるというメリットがある。

　なお、エッジライト型のバックライトユニットの照明動作としては、光源で光が生成されると、光源からの光が導光板の所定の側端面を介して導光板内に導入されるとともに、導光板内に導入された光が導光板の前面から放出される。そして、導光板の前面から放出された光は、拡散シートおよびレンズシートで光拡散・集光された後、液晶表示パネルを照明する（たとえば、特許文献１参照）。

　また、近年では、液晶表示装置の薄型化が進められており、それに伴って、バックライトユニットの構成部材をさらに薄型にすることが望まれている。一例としては、レンズシートの厚みが半分（たとえば、約１００μｍから約５０μｍ）にされている。

　ところで、レンズシートは、両面テープを介して液晶表示パネルに接着される場合がある。この場合には、レンズシートが湿気に晒されて伸縮変形したときに、そのレンズシートの伸縮変形が両面テープによって阻害されるので、レンズシートにタワミが発生する恐れがある。特に、レンズシートの厚みを小さくすると、レンズシートにタワミが発生し易くなってしまう。

　この不都合を解消する方法としては、軟らかい粘着材からなる両面テープを介して液晶表示パネルおよびレンズシートを互いに接着する、という方法が考えられる。このような方法を採用すれば、レンズシートが湿気に晒されて伸縮変形したとしても、レンズシートの伸縮変形に追従して両面テープも変形するので、レンズシートの伸縮変形が両面テープによって阻害されるのを抑制することができる。

特開２００８－８４５３７号公報

　バックライトユニットの薄型化が求められていることは既に述べたが、液晶表示パネルについても薄型化が求められており、総厚が０．４ｍｍ以下にされた液晶表示パネルが存在する。しかしながら、薄型化された液晶表示パネルでは、高温・高湿下において反りが発生する場合がある。この場合、軟らかい粘着材からなる両面テープを介して液晶表示パネルおよびレンズシートが互いに接着されていると、液晶表示パネルから両面テープが剥離する。これにより、液晶表示パネルと両面テープとの間の隙間（液晶表示パネルから両面テープが剥離することに起因する隙間）から湿気が侵入し、結果として、レンズシートにタワミが発生する。そして、レンズシートにタワミが発生すれば、レンズシートのタワミに沿って輝度ムラが発生してしまう。

　本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、輝度ムラを低減することが可能な表示装置を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明の一の局面による表示装置は、表示面を有する表示パネルと、表示パネルの表示面側とは反対の裏面側に配置されたレンズシートと、基材を有し、基材の一方面上に第１粘着材が設けられ、基材の一方面の反対面である他方面上に第２粘着材が設けられた構造とされているとともに、表示パネルおよびレンズシートを互いに接着する接着部材とを備えている。そして、第１粘着材の粘弾性が第２粘着材の粘弾性よりも高くされており、第１粘着材が表示パネルに接着され、第２粘着材がレンズシートに接着されている。なお、第１粘着材の粘弾性が第２粘着材の粘弾性よりも高くされているということは、第１粘着材が第２粘着材よりも硬いということである。

　一の局面による表示装置では、上記のように、表示パネルおよびレンズシートが接着部材を介して互いに接着される構成において、接着部材の第１粘着材（基材の一方面上に設けられているとともに表示パネルに接着される粘着材）の粘弾性を第２粘着材（基材の一方面の反対面である他方面上に設けられているとともにレンズシートに接着される粘着材）の粘弾性よりも高くすることによって、表示パネルに対して接着部材が安定して接着されるので、表示パネルに反りが発生する環境下（高温・高湿下）で表示装置が使用されたとしても、表示パネルからの接着部材の剥離が回避される。このため、表示パネルと接着部材との間の隙間（表示パネルから接着部材が剥離することに起因する隙間）から湿気が侵入してレンズシートにタワミが発生してしまう、という不都合が生じ難くなる。

　それに加えて、接着部材の第２粘着材の粘弾性は第１粘着材の粘弾性よりも低いので、仮にレンズシートが伸縮変形した場合には、レンズシートの伸縮変形に追従して接着部材も変形する。すなわち、レンズシートの伸縮変形が接着部材によって大きく阻害されることはない。このため、レンズシートが伸縮変形したときに、レンズシートにタワミが発生するのを抑制することができる。

　これらの結果、一の局面による表示装置では、レンズシートのタワミに沿って発生する輝度ムラを低減することが可能となる。

　一の局面による表示装置において、枠部を有する筐体をさらに備えているとともに、筐体の枠部よりも内側の所定領域から光が発せられるようになっている場合には、接着部材が所定領域（筐体の枠部よりも内側の一領域であって光が発せられる領域）よりも外側に配置されていることが好ましい。言い換えると、接着部材が所定領域（筐体の枠部よりも内側の一領域であって光が発せられる領域）に食み出さないように配置されていることが好ましい。このように構成すれば、接着部材に光が入射して吸収されるのを抑制することができる。したがって、接着部材に吸収される光を減らすために、光散乱性のフィラーなどを接着部材に添加する、といった対策を施す必要がない。このため、接着部材に光散乱性のフィラーなどを添加することに起因する不都合（たとえば、接着部材の粘着力が低下するという不都合）が生じない。

　また、接着部材が所定領域（筐体の枠部よりも内側の一領域であって光が発せられる領域）よりも外側に配置される構成においては、表示パネルの縁部が筐体の枠部と重畳しているとともに、レンズシートの縁部が表示パネルの縁部と筐体の枠部との重畳部分にまで達しており、第１粘着材が表示パネルの縁部に接着され、第２粘着材がレンズシートの縁部に接着されていることがより好ましい。このように構成すれば、容易に、所定領域（筐体の枠部よりも内側の一領域であって光が発せられる領域）よりも外側に配置された接着部材を介して、表示パネルおよびレンズシートを互いに接着することができる。

　そして、この構成において、レンズシートが順次積層された下側レンズシートおよび上側レンズシートを含んでいる場合には、レンズシートの所定の縁部側では、下側レンズシートの縁部が第２粘着材に接着されているとともに、レンズシートの所定の縁部とは異なる縁部側では、上側レンズシートの縁部が第２粘着材に接着されていることが好ましい。このように構成すれば、レンズシートが下側レンズシートおよび上側レンズシートを含んでいたとしても、それら下側レンズシートおよび上側レンズシートを同時に接着固定することができる。

　また、接着部材が所定領域（筐体の枠部よりも内側の一領域であって光が発せられる領域）よりも外側に配置される構成においては、接着部材が筐体の枠部の形状に沿った枠形状に形成されていることが好ましい。このような形状（筐体の枠部の形状に沿った枠形状）となるように接着部材を形成すれば、その接着部材を筐体の枠部に沿って配置することにより、容易に、接着部材の所定領域（筐体の枠部よりも内側の一領域であって光が発せられる領域）への食み出しを無くせる。さらに、表示パネルの縁部が筐体の枠部と重畳しているとともに、レンズシートの縁部が表示パネルの縁部と筐体の枠部との重畳部分にまで達している場合には、表示パネルの縁部とレンズシートの縁部とを全周にわたって連続的に接着することができる。

　以上のように、本発明によれば、輝度ムラを低減することが可能な表示装置を容易に得ることが可能となる。

本発明の一実施形態による表示装置の分解斜視図である。図１に示した一実施形態による表示装置の断面図である。図１に示した一実施形態による表示装置に使用される接着部材の平面図である。図３の１００－１００線に沿った断面図である。本発明の一実施形態による表示装置に使用される接着部材の特性を評価するために行った実験を説明するための平面図である。図５の１１０－１１０線に沿った断面図である。本発明の一実施形態による表示装置に使用される接着部材の特性を評価するために行った実験を説明するための側面図である。本発明の一実施形態による表示装置に使用される接着部材の変形例を表した平面図である。本発明の一実施形態による表示装置に使用される接着部材の変形例を表した平面図である。

　本発明の一実施形態による表示装置の構成について、図１～図４を参照して説明する。

　この表示装置は液晶表示装置であって、図１および図２に示すように、映像を表示する液晶表示パネル（被照明体）１０と、液晶表示パネル１０の表示面側とは反対の裏面側に設置されるバックライトユニット２０とを少なくとも備えている。なお、液晶表示パネル１０は、本発明の「表示パネル」の一例である。

　液晶表示パネル１０は、実際に映像が表示される表示領域と、その表示領域の外縁領域（表示領域を囲む枠状の領域）である非表示領域とを有している。すなわち、映像の表示は、液晶表示パネル１０の縁部よりも内側で行われ、液晶表示パネル１０の縁部では行われない。そして、液晶表示パネル１０の表示領域には、マトリクス状に配列された複数の画素が作り込まれている。

　複数の画素のそれぞれは、スイッチング素子、画素電極および共通電極などによって駆動されるようになっている。なお、図面を見易くするため、スイッチング素子、画素電極および共通電極は図示しておらず、それらに対して電気的に接続される配線などについても図示していない。

　スイッチング素子はＴＦＴ（薄膜トランジスタ）からなっていて、スイッチング素子のゲートはゲート線（走査線）に接続され、スイッチング素子のソースはソース線（データ線）に接続される。また、スイッチング素子のドレインには画素電極が接続されるとともに、その画素電極と対向するように共通電極が配置され、さらに、画素電極と共通電極との間に液晶（図示せず）が挟持される。なお、スイッチング素子は各画素に個々に設けられており、画素電極も各画素に個々に設けられている。一方、共通電極については、その名の通り、各画素で共通となっている。

　また、バックライトユニット２０は、エッジライト型方式を採用したものであって、白色のバックライト光を面状に出射し、そのバックライト光で液晶表示パネル１０の裏面をムラなく照明するようになっている。

　そして、表示動作の際には、映像信号に基づいて、液晶の光学的性質（光透過率）が画素毎に変化される。具体的には、各画素において、スイッチング素子を介して画素電極に所定の電力が供給されることにより、画素電極と共通電極との間に電界が発生される。そして、画素電極と共通電極との間に発生した電界によって、液晶の配向、すなわち、液晶を透過する光の透過率が変化される。

　このため、バックライトユニット２０からバックライト光が出射され、そのバックライト光によって液晶表示パネル１０の裏面が照明されると、液晶表示パネル１０を透過するバックライト光の透過量が画素毎に異ならされることになる。これにより、液晶表示パネル１０の表示領域に所望の映像が表示される。

　以下に、液晶表示パネル１０およびバックライトユニット２０の構成についてより詳細に説明する。

　液晶表示パネル１０は、２枚の透明基板１１および１２を少なくとも備えている。一方の透明基板１１は、アクティブマトリクス基板と称されるものであり、他方の透明基板１２は、透明基板１１に対して対向配置されることから対向基板と称される場合もあるし、カラーフィルタ基板と称される場合もある。

　一方の透明基板１１の所定面上には、スイッチング素子および画素電極が形成されているとともに、それらに電気的に接続されるゲート線（走査線）およびソース線（データ線）も形成されている。また、他方の透明基板１２の所定面上には、共通電極が形成されている。なお、他方の透明基板１２の所定面上には、共通電極に加えて、必要に応じてカラーフィルタ（図示せず）がさらに形成される。そして、２枚の透明基板１１および１２のそれぞれの所定面は、液晶を特定方向に配向させることが可能な配向膜（図示せず）によって覆われている。

　また、２枚の透明基板１１および１２は、それぞれの所定面が向き合うように、シール材（図示せず）を介して互いに貼り合わされている。そして、２枚の透明基板１１および１２の間に液晶が封止されている。これによって、画素電極と共通電極との間（一方の透明基板１１の所定面を覆う配向膜と他方の透明基板１２の所定面を覆う配向膜との間）に液晶が挟持された状態となっている。

　さらに、２枚の透明基板１１および１２のそれぞれの外形サイズは互いに異ならされていて、透明基板１１の外形サイズが透明基板１２の外形サイズよりも大きくなっている。したがって、２枚の透明基板１１および１２は互いに貼り合わされているが、透明基板１１および１２のそれぞれの所定端は互いに合致しておらず、透明基板１１の所定面の一部が透明基板１２から露出されている。この透明基板１１の所定面の露出した部分は、非表示領域の一領域であって、透明基板１１にドライバ１３やＦＰＣ（フレキシブルプリント配線板）１４を電気的に接続するために用いられる。

　また、２枚の透明基板１１および１２の所定面（液晶側の面）とは反対側の面のそれぞれには、特定の振動方向の光波だけを透過させる偏光シート１５が１枚ずつ貼付されている。そして、２枚の偏光シート１５のそれぞれの透過軸方向は、互いに約９０°ずらされている。

　この液晶表示パネル１０の裏面側に設置されるバックライトユニット２０は、フレーム２１と、発光モジュール２２と、導光板２３と、反射シート２４と、拡散シート２５と、レンズシート２６とを少なくとも備えている。なお、以下の説明において、「平面視」とは、液晶表示パネル１０側から平面的に見た場合のことである。

　フレーム２１は、切れ目なく連続的に繋げられた額縁状の枠部を持ち、その枠部で囲まれた領域が平面視において略長方形状となるように形成されている。すなわち、平面視において略長方形状の開口領域を有するようにフレーム２１が形成されている。そして、このフレーム２１の開口領域を塞ぐように液晶表示パネル１０が配置され、液晶表示パネル１０の縁部とフレーム２１の枠部とが重畳されている。

　発光モジュール２２は、バックライト光の基となる光を発するものであって、光源としての複数個のＬＥＤパッケージ２７と、その複数個のＬＥＤパッケージ２７が列状に搭載されたＬＥＤ基板２８とを含んでいる。そして、フレーム２１の開口領域の平面視における１辺に沿って複数個のＬＥＤパッケージ２７が一列に並ぶように、発光モジュール２２がフレーム２１の枠部に装着されている。

　ＬＥＤパッケージ２７の構造としては特に限定されるものではなく、たとえば、青色光を黄色に変換する蛍光体と青色ＬＥＤ素子とを組み合わせたＬＥＤパッケージ２７を用いてもよいし、青色光を緑色および赤色にそれぞれ変換する蛍光体と青色ＬＥＤ素子とを組み合わせたＬＥＤパッケージ２７を用いてもよい。さらに、青色ＬＥＤ素子、緑色ＬＥＤ素子および赤色ＬＥＤ素子の３種類のＬＥＤ素子を組み合わせたＬＥＤパッケージ２７を用いてもよい。

　導光板２３は、前面２３ａと、前面２３ａの反対面である裏面２３ｂと、所定の側面２３ｃを含む複数の側面とを有しており、平面視において略長方形状に形成されている。そして、導光板２３の前面２３ａが出光面（導光板２３内に導入された光を液晶表示パネル１０側に向けて面状に放出するための面）とされ、導光板２３の所定の側面２３ｃが入光面（発光モジュール２２からの光を導光板２３内に導入するための面）とされている。すなわち、フレーム２１の枠部よりも内側の所定領域に導光板２３が収容されており、導光板２３の前面２３ａが液晶表示パネル１０側に向けられ、導光板２３の所定の側面２３ｃが発光モジュール２２側に向けられている。

　反射シート２４は、平面視において略長方形状に形成されており、導光板２３の裏面２３ｂ側に配置され、導光板２３の裏面２３ｂを覆っている。このような反射シート２４を設けている理由としては、導光板２３の裏面２３ｂを反射面（反射シート２４で覆われた面）とすることにより、導光板２３の裏面２３ｂからの光漏れを抑制するためである。

　拡散シート２５は、平面視において略長方形状に形成されており、導光板２３の前面（出光面）２３ａ上に配置されている。これにより、導光板２３の前面（出光面）２３ａから放出された光の拡散が行われる。

　レンズシート２６は、平面視において略長方形状に形成されており、拡散シート２５上に配置されている。これにより、拡散シート２５を通過した光の集光が行われる。なお、このレンズシート２６は、たとえば、住友スリーエム社製の輝度上昇フィルム（ＢＥＦシリーズやＢＥＦＲＰシリーズなど）である。

　また、レンズシート２６は、拡散シート２５側から順次積層された２枚のシート（下側レンズシート２６ａおよび上側レンズシート２６ｂ）を含んでいる。そして、レンズシート２６の所定の縁部側では、下側レンズシート２６ａの縁部２６ｃが液晶表示パネル１０の縁部とフレーム２１の枠部との重畳部分に達するまで延ばされ、レンズシート２６の所定の縁部とは異なる縁部側では、上側レンズシート２６ｂの縁部２６ｄが液晶表示パネル１０の縁部とフレーム２１の枠部との重畳部分に達するまで延ばされている。そして、下側レンズシート２６ａの縁部２６ｃおよび上側レンズシート２６ｂの縁部２６ｄのそれぞれは、液晶表示パネル１０の縁部とフレーム２１の枠部との間に挟まれている。

　以上が、本実施形態の液晶表示パネル１０およびバックライトユニット２０のそれぞれの構成の概略である。

　なお、このように液晶表示パネル１０およびバックライトユニット２０が構成されていると、バックライトユニット２０で生成されるバックライト光は、フレーム２１の枠部よりも内側の所定領域（導光板２３の前面２３ａと平面視において重畳する領域）から発せられ、液晶表示パネル１０の裏面を照明することになる。すなわち、フレーム２１の枠部よりも内側の所定領域が有効発光領域Ａであると言える。

　また、これら液晶表示パネル１０およびバックライトユニット２０は、両面テープ３０を介して互いに接着されている。なお、両面テープ３０は、本発明の「接着部材」の一例である。

　液晶表示パネル１０およびバックライトユニット２０を互いに接着する両面テープ３０は、フレーム２１の枠部の形状に沿った形状、すなわち、切れ目なく連続的に繋がった枠形状に形成されており、有効発光領域Ａの外側においてフレーム２１の枠部に沿って配置されている。言い換えると、両面テープ３０は、液晶表示パネル１０の構成部材である偏光板１５の縁部と、バックライトユニット２０の構成部材であるフレーム２１の枠部（レンズシート２６の縁部）との間に配置されている。したがって、両面テープ３０は、有効発光領域Ａに食み出してはいない（図３参照）。

　また、両面テープ３０は、図２および図４に示すように、基材３１と、基材３１の一方面上に設けられた粘着材３２と、基材３１の一方面の反対面である他方面上に設けられた粘着材３３とを有している。

　そして、両面テープ３０の粘着材３２は、液晶表示パネル１０の構成部材である偏光板１５の縁部に接着されている。一方で、両面テープ３０の粘着材３３は、バックライトユニット２０の構成部材であるフレーム２１の枠部からレンズシート２６の縁部にわたって接着されている。具体的に言うと、レンズシート２６の所定の縁部側においては、フレーム２１の枠部から下側レンズシート２６ａの縁部２６ｃにわたって粘着材３３が接着されており、レンズシート２６の所定の縁部とは異なる縁部側においては、フレーム２１の枠部から上側レンズシート２６ｂの縁部２６ｄにわたって粘着材３３が接着されている。これにより、液晶表示パネル１０およびバックライトユニット２０が両面テープ３０を介して互いに接着された状態になっている。

　また、両面テープ３０の粘着材３２および３３のそれぞれの粘弾性は互いに異なっていて、粘着材３２の粘弾性が粘着材３３の粘弾性よりも高く（粘着材３３の粘弾性が粘着材３２の粘弾性よりも低く）なっている。言い換えると、粘着材３２が粘着材３３よりも硬く（粘着材３３が粘着材３２よりも軟らかく）なっている。これら粘着材３２および３３は、それぞれ、本発明の「第１粘着材」および「第２粘着材」の一例である。なお、以下の説明では、第１粘着材としての粘着材３２を硬粘着材３２と称し、第２粘着材としての粘着材３３を軟粘着材３３と称して区別する。

　両面テープ３０の硬粘着材３２および軟粘着材３３のそれぞれの特性としては、以下の表１に示すようになっている。なお、表１には、種々の温度条件下（－３０℃、２５℃、６５℃および８５℃）における貯蔵弾性率および損失弾性率が示されている。

　ここで、両面テープ３０の特性をさらに明らかにするために行った実験について説明する。

　この実験では、実施例として、基材の一方面上に硬粘着材が設けられ、基材の一方面の反対面である他方面上に軟粘着材が設けられた両面テープ（本実施形態の両面テープ３０と同様のもの）を準備した。また、比較例１として、基材の両面上に軟粘着材が設けられた両面テープを準備し、比較例２として、基材の両面上に硬粘着材が設けられた両面テープを準備した。

　次に、実施例、比較例１および比較例２のそれぞれの両面テープを用いて、図５および図６に示すようなサンプルを作製した。このサンプルの構造としては、ガラス基板ＧＳ上に偏光板ＰＰが配置されており、その偏光板ＰＰとレンズシートＬＳとが両面テープＴＰで接着されたものである。なお、図５および図６において、実施例、比較例１および比較例２のそれぞれの両面テープは図中の両面テープＴＰに相当する。

　そして、まず、実施例および比較例１のそれぞれについて、－３０℃の冷却（１時間）と８０℃の加熱（１時間）とを繰り返す冷熱サイクルを１００サイクル行い、レンズシートＬＳに発生するタワミを確認した。結果としては、実施例ではレンズシートＬＳにタワミが発生せず、比較例１でもレンズシートＬＳにタワミは発生しなかった。

　さらに、実施例および比較例２のそれぞれについて、以下の表２に示すように、条件１～条件４の各条件下で保存された後にレンズシートＬＳにタワミが発生するかどうかを確認した。なお、表２において、条件１とは、８５℃の温度下で５００時間の保存を行うという条件である。条件２とは、８５℃の温度下および８０％の湿度下で５００時間の保存を行うという条件である。条件３とは、－２０℃の温度下で５００時間の保存を行うという条件である。条件４とは、－３０℃の冷却と８０℃の加熱とを繰り返す冷熱サイクルを１００サイクル行うという条件である。また、表中の「○」はレンズシートＬＳにタワミが発生しなかったという意味であり、表中の「×」はレンズシートＬＳにタワミが発生したという意味である。

　表２を参照して、実施例においては、全ての条件１～４でレンズシートＬＳにタワミが発生しなかった。その一方、比較例においては、条件３ではレンズシートＬＳにタワミが発生しなかったが、条件１、２および４ではレンズシートＬＳにタワミが発生した。

　また、実施例、比較例１および比較例２のそれぞれについて、以下のような実験も行った。

　具体的には、図７に示すように、被着体としてのベークライト板ＢＰに両面テープＴＰを圧着（圧着面積：１０ｍｍ×２０ｍｍ）し、４０℃の温度下で３０分間のエージングを行った。続いて、両面テープＴＰに５００ｇのおもりＷを付け、エージング時と同様の温度下（４０℃）で１時間放置した。その後、原点Ｐからの両面テープＴＰのズレ距離を測定した。なお、図中の矢印Ｄはズレ方向を表している。

　結果としては、実施例１では、ズレ距離が０．２ｍｍ以下（約０．１ｍｍ）であった。その一方、比較例１では、ベークライト板ＢＰから両面テープＴＰが剥離した。なお、比較例２では、実施例１と同様、ズレ距離が０．２ｍｍ以下（約０．１ｍｍ）であった。

　本実施形態では、上記のように、液晶表示パネル１０（偏光板１５）およびバックライトユニット２０（フレーム２１およびレンズシート２６）が両面テープ３０を介して互いに接着される構成において、両面テープ３０の一方側の粘着材（液晶表示パネル１０の偏光板１５に接着される粘着材）を硬粘着材３２とすることによって、液晶表示パネル１０に対して両面テープ３０が安定して接着されるので、液晶表示パネル１０に反りが発生する環境下（高温・高湿下）で液晶表示装置が使用されたとしても、液晶表示パネル１０からの両面テープ３０の剥離が回避される。このため、液晶表示パネル１０と両面テープ３０との間の隙間（液晶表示パネル１０から両面テープ３０が剥離することに起因する隙間）から湿気が侵入してレンズシート２６にタワミが発生してしまう、という不都合が生じ難くなる。

　それに加えて、両面テープ３０の他方側の粘着材（バックライトユニット２０のレンズシート２６に接着される粘着材）を軟粘着材３３とすることによって、仮にレンズシート２６が伸縮変形した場合には、レンズシート２６の伸縮変形に追従して両面テープ３０も変形する。すなわち、レンズシート２６の伸縮変形が両面テープ３０によって大きく阻害されることはない。このため、レンズシート２６が伸縮変形したときに、レンズシート２６にタワミが発生するのを抑制することができる。

　これらの結果、本実施形態では、レンズシート２６のタワミに沿って発生する輝度ムラを低減することが可能となる。

　この効果を確認するために、本実施形態の液晶表示装置を実際に作製し、高温・高湿（温度：６５℃、湿度：９０％）の環境下において５００時間の保存試験を行ったところ、本実施形態の液晶表示装置では、レンズシートにタワミが発生しなかった。一方で、通常の両面テープ（両面上に軟粘着材が設けられたもの）を用いて作製した従来の液晶表示装置についても同様の試験を行ったが、従来の液晶表示装置では、２４０時間を経過した時点で既にレンズシートにタワミが発生した。

　また、本実施形態では、上記のように、有効発光領域（フレーム２１の枠部よりも内側の一領域）Ａに食み出さないように両面テープ３０を配置することによって、両面テープ３０に光が入射して吸収されるのを抑制することができる。したがって、両面テープ３０に吸収される光を減らすために、光散乱性のフィラーなどを両面テープ３０に添加する、といった対策を施す必要がない。このため、両面テープ３０に光散乱性のフィラーなどを添加することに起因する不都合（たとえば、両面テープ３０の粘着力が低下するという不都合）が生じない。

　この場合、レンズシート２６の縁部を液晶表示パネル１０の縁部とフレーム２１の枠部との重畳部分（有効発光領域Ａの外側）に達するまで延ばすことによって、容易に、有効発光領域Ａよりも外側の領域に配置された両面テープ３０をレンズシート２６に接着することができる。

　さらに、レンズシート２６の所定の縁部側においては下側レンズシート２６ａの縁部２６ｃに両面テープ３０を接着し、レンズシート２６の所定の縁部とは異なる縁部側においては上側レンズシート２６ｂの縁部２６ｄに両面テープ３０を接着することによって、レンズシート２６が２枚のシート（下側レンズシート２６ａおよび上側レンズシート２６ｂ）を含んでいたとしても、それら下側レンズシート２６ａおよび上側レンズシート２６ｂを同時に接着固定することができる。

　また、本実施形態では、上記のように、両面テープ３０をフレーム２１の枠部の形状に沿った枠形状に形成することによって、その両面テープ３０をフレーム２１の枠部に沿って配置すれば、容易に、両面テープ３０の有効発光領域Ａへの食み出しを無くせる。さらに、液晶表示パネル１０の縁部とレンズシート２６の縁部とを全周にわたって連続的に接着することができる。

　なお、上記実施形態の構成において、図８に示す第１変形例のように、両面テープ３０を４つの細長状の両面テープ３０に分割してもよい。もちろん、図９に示す第２変形例のように、両面テープ３０をさらに細かく分割してもよい。

　今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

　たとえば、上記実施形態では、液晶表示装置に本発明を適用する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、液晶表示装置以外の表示装置に本発明を適用してもよい。

　また、上記実施形態では、バックライトユニットの光源としてＬＥＤパッケージを用いているが、本発明はこれに限らず、冷陰極蛍光ランプをバックライトユニットの光源として用いてもよい。

　　１０　液晶表示パネル（表示パネル）
　　２０　バックライトユニット
　　２１　フレーム（筐体）
　　２６　レンズシート
　　２６ａ　下側レンズシート
　　２６ｂ　上側レンズシート
　　２６ｃ、２６ｄ　縁部
　　３０　両面テープ（接着部材）
　　３１　基材
　　３２　硬粘着材（第１粘着材）
　　３３　軟粘着材（第２粘着材）
　　Ａ　有効発光領域（所定領域）

Claims

　表示面を有する表示パネルと、
　前記表示パネルの表示面側とは反対の裏面側に配置されたレンズシートと、
　基材を有し、前記基材の一方面上に第１粘着材が設けられ、前記基材の一方面の反対面である他方面上に第２粘着材が設けられた構造とされているとともに、前記表示パネルおよび前記レンズシートを互いに接着する接着部材とを備え、
　前記第１粘着材の粘弾性が前記第２粘着材の粘弾性よりも高くされており、
　前記第１粘着材が前記表示パネルに接着され、前記第２粘着材が前記レンズシートに接着されていることを特徴とする表示装置。
　枠部を有する筐体をさらに備えているとともに、前記筐体の枠部よりも内側の所定領域から光が発せられるようになっており、
　前記接着部材が前記所定領域よりも外側に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の表示装置。
　前記表示パネルの縁部が前記筐体の枠部と重畳しているとともに、前記レンズシートの縁部が前記表示パネルの縁部と前記筐体の枠部との重畳部分にまで達しており、
　前記第１粘着材が前記表示パネルの縁部に接着され、前記第２粘着材が前記レンズシートの縁部に接着されていることを特徴とする請求項２に記載の表示装置。
　前記レンズシートは順次積層された下側レンズシートおよび上側レンズシートを含み、
　前記レンズシートの所定の縁部側では、前記下側レンズシートの縁部が前記第２粘着材に接着されているとともに、前記レンズシートの所定の縁部とは異なる縁部側では、前記上側レンズシートの縁部が前記第２粘着材に接着されていることを特徴とする請求項３に記載の表示装置。
　前記接着部材が前記筐体の枠部の形状に沿った枠形状に形成されていることを特徴とする請求項２～４のいずれかに記載の表示装置。